病理診断科のご紹介地域医療連携だより 2020年(令和2年)12月号 no.82...

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地域医療連携だより 2020年(令和2年)12月号 No.82 病理診断科のご紹介 病理診断科部長 西上 隆之 病理診断科担当部長 伊藤 敬 ~病理診断を通じ、地域医療に貢献していきます~ 左から 伊藤医師、西上医師 病理診断科では、生検検体、手術検体について院内で標本を作製し、必要に応じて特殊染色、 免疫染色も用いて病理診断を行っています。 また、紹介患者さんについては御紹介元の標本をreconfirmし、診断を担保しています。手術 に際しては、術中凍結標本を作製し、術前に診断がついていない病変や、リンパ節転移、断端等の 確認を行っています。 また近年は、 分子標的薬のコンパニオン診断やがんゲノム医療の遺伝子解析に、病理組織標 本が利用されています。そこで使われる検体には、 過剰なホルマリン固定によってタンパクや遺 伝子が損なわれないよう固定時間の厳守が謳われており、当院では厳密に管理しております。 疫染色については汎用される抗体は院内で施行し、使用頻度の低い抗体、更に遺伝子解析につい ては院外ラボと連携して行っています。 その他の業務として、不幸にして亡くなられた患者さんには、御希望に応じて病理解剖を実施 させて頂いております。 我々は質の高い病理診断を通じ、地域 医療に貢献していきたいと考えておりま す。今後ともどうぞよろしくお願い致しま す。 【当院のHER2陽性胃癌】 HE染色 HER2免疫染色 うた ※コンパニオン診断とは、分子標的医薬品が投薬対象者に有効か どうかを投与前に予測するために、標的分子の発現量や関連遺伝 子変異、遺伝子多型などのバイオマーカーを検査し診断するという ことです。

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Page 1: 病理診断科のご紹介地域医療連携だより 2020年(令和2年)12月号 No.82 病理診断科のご紹介 病理診断科部長 西上 隆之 病理診断科担当部長

地域医療連携だより2020年(令和2年)12月号 No.82地域医療連携だより

2020年(令和2年)12月号 

病理診断科のご紹介病理診断科部長 西上 隆之

病理診断科担当部長 伊藤 敬

~病理診断を通じ、地域医療に貢献していきます~

左から 伊藤医師、西上医師

 病理診断科では、生検検体、手術検体について院内で標本を作製し、必要に応じて特殊染色、免疫染色も用いて病理診断を行っています。 また、紹介患者さんについては御紹介元の標本をreconfirmし、診断を担保しています。手術に際しては、術中凍結標本を作製し、術前に診断がついていない病変や、リンパ節転移、断端等の確認を行っています。 また近年は、分子標的薬のコンパニオン診断やがんゲノム医療の遺伝子解析に、病理組織標本が利用されています。そこで使われる検体には、過剰なホルマリン固定によってタンパクや遺伝子が損なわれないよう固定時間の厳守が謳われており、当院では厳密に管理しております。免疫染色については汎用される抗体は院内で施行し、使用頻度の低い抗体、更に遺伝子解析については院外ラボと連携して行っています。 その他の業務として、不幸にして亡くなられた患者さんには、御希望に応じて病理解剖を実施させて頂いております。 我々は質の高い病理診断を通じ、地域医療に貢献していきたいと考えております。今後ともどうぞよろしくお願い致します。

【当院のHER2陽性胃癌】

HE染色 HER2免疫染色

うた

※コンパニオン診断とは、分子標的医薬品が投薬対象者に有効かどうかを投与前に予測するために、標的分子の発現量や関連遺伝子変異、遺伝子多型などのバイオマーカーを検査し診断するということです。

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脳神経外科から 地域医療機関のみなさまへ脳神経外科から 地域医療機関のみなさまへ

悪性脳腫瘍に対する新たな治療法

脳神経外科が取り扱う疾患に、脳血管障害、頭部外傷などと並んで脳腫瘍があります。神経膠芽腫と呼ばれる最も悪性度が高い腫瘍は、摘出術後に化学療法(テモゾロミド)と放射線療法の併用を行いますが、それでも発症からの生存期間中央値は1年~1年半程度であり、2年生存率30%以下、5年生存率8%以下とされる治療困難な疾患です。その膠芽腫に近年新たな治療法が登場しました。

腫瘍治療電場療法(製品名:オプチューン®)は脳内に特殊な電場を発生させて腫瘍増殖を抑制します。初回手術後に標準治療である化学放射線療法を行い、その後の維持療法として使用されます。

脳神経外科部長 中溝 聡

画像提供;ノボキュア株式会社

膠芽腫に対する腫瘍治療電場療法について

治療実績について(症例数)

当院ではノボキュア社による認定講習を修了したスタッフがおり、積極的にオプチューン® 治療に取り組んでおります。

※ノボキュア社資料より

オプチューン®は、セラミック製の電極パッド(アレイ)を、剃毛した頭部に4枚貼り付けます。 アレイは1週間に2回程度貼り替えますが、基本的に自宅で行う治療です。バッテリーで作動するため、長時間使用可能です。できるだけ継続して(少なくとも4週間以上の継続的使用 / 使用時間率75%以上)治療を続けることが推奨されています。

オプチューン治療中の生活

2017年12月に初発膠芽腫の成人患者への保険適用が承認されて以降、日本では累計350例以上、アメリカでは累計1万例を超えます(2020年1月時点)。ちなみに、兵庫県では2020年10月時点で累計19例となっています。

初発膠芽腫患者695人を対象としてテモゾロミド+オプチューン®の併用療法を、テモゾロミドの単独療法と比較したところ、併用療法群は、単独療法群と比較して、新たな副作用を伴わずに全生存期間の有意な延長が証明されました(単独療法群16.0ヶ月に対して併用療法群20.9ヶ月)。また、より長期にわたってQOLを維持できることも示されました。

治療実績について(臨床成績)

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製鉄記念広畑病院は、地域の医療機関との連携を重視しています。ここでは、当院の連携医療機関としてご協力いただいている先生方をご紹介します。

連携医療機関のご紹介

 山陽電鉄本線「飾磨駅」徒歩2分と利便性が良いロケーションです。寺西哲也院長にお話をうかがいました。

1.特徴 糖尿病を専門としておりますが、地域のかかりつけ医としても幅広く診療しております。糖尿病は、専門医・糖尿病療養指導士・管理栄養士が療養行動のサポートを行い、良好なコントロールの維持と合併症抑制に努めております。○胃カメラ・腹部エコー : 可○睡眠時無呼吸症候群の検査・治療 : 可○訪問診療 : 可    2.どのような患者さんが多いですか 糖尿病や高血圧・脂質異常症などの生活習慣病の方が多いです。その中には自己療養に前向きな方も、まだ前向きになれていない方もおられます。皆が前向きに取り組めるよう努めております。

3.広畑病院との連携について CTや大腸内視鏡などの検査、外来診療、緊急を含めた入院加療など様々なことでいつもお世話になっており感謝しております。 当方としては、かかりつけのないような方の退院後のフォローであったり、訪問診療などで広畑病院のお役に立ちたいと思っております。4.クリニックのアピール 寺西医院では、患者様とのコミュニケーションを大切にしております。良好な信頼関係を築きながら、治療に前向きに取り組めるよう共に歩んでいきたいと思っております。

寺西医院診療科目:内科・糖尿病内科・消化器内科

院長 : 寺西 哲也〒672-8051 兵庫県姫路市飾磨区清水108TEL : 079-234-9121

姫路市国民健康保険家島診療所診療科目:内科・小児科・外科

所長 : 田畑 雅彦〒672-0102 兵庫県姫路市家島町宮2169番地TEL : 079-325-0485 1.特徴

 主に内科全般の診療を行っています。設備は、X線検査・心電図・超音波診断装置・経鼻内視鏡を備え、島民の方の健康管理を担っています。

2.どのような患者さんが多いですか 高血圧、糖尿病、高脂血症の方が多いです。以前は慢性C型肝炎の患者さんが多かったのですが、新規抗ウイルス薬の登場と姫路市内の病院との連携で現在は減っています。

3.広畑病院との連携について 精密検査や入院が必要な患者さんの紹介だけでなく、救急患者さんの受け入れも快く引き受けていただき大変感謝しています。

4.クリニックのアピール 疾患を早期発見出来るよう患者さんとのコミュニケーションを大事にしています。そのため何度でも受診しやすい優しい診療所を目指しています。

  姫路港から定期船により真浦・宮港まで約30分、真浦・宮港より徒歩10分となっております。田畑雅彦所長にお話をうかがいました。

●宮浦神社

桜丸大神

姫路市立家島小

真浦神社

姫路市国民健康保険家島診療所

425

425

425

ファミリーマートうおずみ耳鼻咽喉科

飾磨

寺西医院

清水東 下野田

中島

250

三井住友銀行

62飾磨中部中

飾磨工業高校

飾磨警察署

文飾磨小

浜国道

山陽電鉄本線

山陽電鉄網干線

中部中学校北

P あり×

姫路リバーシティイオンモール

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診 察 カ レ ン ダ ー は全科休診日

8時45分~19時(木曜のみ17時まで)平 日 8時45分~12時30分土曜日

患者総合支援センター 地域医療連携室 TEL:079-237-8477 FAX:079-236-3210

※日曜・祝日、年末・年始を除く上記時間帯にて地域医療連携室事務スタッフが対応いたします。当日受診を含めお気軽に何でもご相談ください。※時間外もしくは各診療科の判断が必要なご紹介の場合は、お返事が翌診療日になる場合がございますが、ご了承ください。

17時以降平 日 12時30分以降第1・3土曜日 終日休診土曜日、日・祝日《夜間・休日、時間外専用》救急受付直通電話 TEL:079-237-8707(医療機関専用)

※夜間や休診土曜日及び日・祝日等、《時間外専用》の救急受付直通電話です。緊急を要するご紹介の場合にご利用ください。

9時~19時平 日 9時~13時第1・3土曜日

TEL:079-237-8464(医療機関専用)整形外傷ほっとライン

※外傷性骨折及び骨軟部感染症で緊急手術や入院が必要な場合、整形外科 担当医師が対応いたします。

TEL:080-6539-5765(医療機関専用) 気胸ほっとライン24時間365日 いつでも対応いたします。 《2020年6月開設》※自然気胸で緊急での精査・治療が必要な場合、呼吸器外科 松本 高典 医師が対応いたします。

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入院前PCR検査を開始しました。

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当院の新型コロナウイルス感染症対策・抜粋詳しくは右のQRコードより当院ホームページをご覧ください

 新型コロナ感染症患者が急増しています。患者さんに安心して安全な入院治療を受けて頂くため、院内感染の予防を強化し、原則、すべての予定入院患者さんの入院前PCR検査を開始しました。 患者さんにはご負担と存じますが、より安全な医療の継続のための取組みです。先生方のご理解とご支援をお願いいたします。

①内視鏡検査、CT・MRI検査、入院・手術等を予定されている 患者さんに、『まいにち体調チェック表(最長14日間)』を 記載いただく。②患者さん本人に加えて、ご家族等身近な方に発熱や呼吸器 症状等がある場合は、来院前にお電話いただく。③混雑緩和のため、予約時間に合わせた来院をお願いする。④診察時間(AM8:00~PM6:00)の出入口を南玄関に制限し、 入館時には体温スクリーニングを実施する。

⑤マスクを着用していない方の入館をお断りする。⑥受診時に『新型コロナ対策・問診票』を確認。⑦入院患者さんとの面会や、入院患者さんの 外出・外泊を原則禁止する。⑧予定入院患者さんのPCR検査