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総務省における シェアリングエコノミーの推進について 平成29929総務省 情報流通行政局 情報流通振興課 資料8-4

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総務省におけるシェアリングエコノミーの推進について

平成29年9月29日総務省 情報流通行政局

情報流通振興課

資料8-4

1

総務省におけるシェアリングエコノミーの推進方策

1. シェアリングエコノミーの現状等

認知度等:認知度や利用意向は総じて低く、地方自治体の理解も

進んでいないため、利用者への浸透が図りにくい。

普及の壁:現行法令への抵触のおそれ、事故やトラブルに対する

不安が、利活用を阻害する障壁となっている。

シェアリングエコノミー検討会議 中間報告書(平成28年11月・内閣官房IT総合戦略室)

① 自主的ルールによる安全性・信頼性の確保

② グレーゾーン解消に向けた取組等

③ 先行的な参照モデルの構築

④ 推進体制の整備

先進事例の実証

・課題の整理●IoTサービス創出支援事業

理解の醸成 ●地域情報化アドバイザーの活用

2. 総務省におけるシェアリングエコノミーの推進方策

普及に向けた課題やシェアリングエコノミー検討会議中間報告書等を踏まえ、総務省として以下の方策等を実施

優良事例の横展開 ●地域IoT実装推進事業 ●地域IoTロードマップの推進

自治体への展開等 ●「地域IoT官民ネット(自治体及び企業が参加)」の設立

総務省において実施

H28.11に、シェアリングエコノミーによる共助で地域課題解決を目指す「シェアリングシティ宣言」を行った佐賀県多久市長等が発起人

シェアリングエコノミーは、個人等が保有する活用可能な遊休資産等(資産(空間、モノ、カネ等)や能力(スキル、知識等))を、

インターネット上のマッチングプラットフォームを介して他の個人等も利用可能とする経済活性化活動であり、あらゆる資源のポ

テンシャルを最大限に発揮することで、少子高齢化等に伴う地域の課題解決や新しい生活産業の実装による地域経済の活性化

に寄与することが期待される。

シェアリングエコノミー推進の意義

課題 政府の対応

2

地方自治体、大学、ユーザ企業等から成る地域の主体が、防災、農業、シェアリングエコノミーなど生活に身近な分野におけるIoTサービスの実証事業に取り組み、克服すべき課題を特定し、その解決に資する参照モデルを構築するとともに、データ利活用の促進等に必要なルールの明確化等を行う。

対象分野: ①都市、②家庭、 ③防災、④放送・コンテンツ、⑤医療・福祉、⑥教育、⑦農業、⑧地域ビジネス、⑨シェアリングエコノミー 等

提案主体:地方自治体、大学、データを扱うユーザ企業等から構成される地域のコンソーシアム

上 限 額: 6,000万円

IoTサービス創出支援事業(身近なIoTプロジェクト)(平成29年度予算額 5.1億円)

実施地域 代表提案者 事業概要

秋田県湯沢市 (株)ガイアックス 自治体が管理する公共施設等を、スペースシェアサービス各社のサイトに掲載・予約代行を行い、施設の利用者増大および目的外利用を促進。利用者の身元保証のため、公的個人認証やブロックチェーン技術を用いたデジタル身分証システムを横断的に提供。さらにスマートロックによる入退室管理を行い、施設の維持管理コスト削減を実現する。

京都府相良郡精華町、大阪府四條畷市、千葉県君津市

東レ建設(株) 高床式砂栽培農業において外部環境・作物育成・農作業・行動のビッグデータを活用することで、シェアリング農業モデルを新しく確立し、地域に貢献する、多様な働き方を実証する。①短時間からワークシェアが可能なシェアリング農業システムを構築する。②女性や高齢者等の地域雇用を創出すると共に新しい働き方を実現する。

神奈川県鎌倉市 LOOP Japan (株) 電動バイク・アシスト自転車のシェアリングサービスによる観光振興と地域活性化モデルの実証①GPS連携した最先端IoTプラットフォームによる海外観光客向け新・都市交通システム。②最先端IoTプラットフォームとマルチ決済システムを介して得られた観光ビッグデータを匿名化個人情報として活用し、域内の観光客動向・動線解析を自治体に還元する。

熊本県阿蘇市、熊本県須磨郡錦町、長崎県島原市、長崎県東彼杵郡川棚町

トラストパーク(株) 道の駅等の駐車場に休憩駐車管理システムを導入し、そこを起点に地域のアクティビティー等の観光コンテンツを連携させるとともに、周遊データを収集分析し、被災地復興・観光振興に繋げる事業。①地域体験 ②駐車泊駐車スペースシェアサービスの導入。

宮城県石巻市 (株)NTTデータ東北

地域交通情報のプラットフォーム(複数の運営主体の運行データなどを組み合わせてリアルタイムで連携させる仕組み)を構築し、地域交通の最適化及び人流ー物流間のリソース共有並びにその結節点を活用した地域コミュニティの拠点づくりを行うことによって、各事業者の収益向上、雇用の促進、地域におけるビジネス並びに住民サービスの拡大・高度化・活性化に資するデータ利活用モデルを構築、検証する。

シェアリングエコノミー事例

2

3

B市

C町

F市

E町

D村

地域IoT成功モデルの民間プラットフォーム

(A市の成功モデルで構築済)

地域IoT実装の「分野別モデル」 分野別モデルの普及展開イメージ

A市成功モデル

地域IoT実装推進事業(平成29年度予算額 5.1億円の内数)

他の地域で有効性が確認された事業(「分野別モデル」(P.5参照))を横展開するため、「分野別モデル」の実装に取り組む地

域に対して、初期投資・連携体制の構築等にかかる経費を補助する事業。

地域IoTの普及展開に際し、民間のプラットフォーム/クラウドを利用して複数地域が連携することを推奨。

補助対象:地方公共団体、民間事業者等

補助率:小規模地方公共団体(※)は定額補助(上限3,000万円)又は事業費の1/2補助。それ以外の地方公共団体・民間事業

者は事業費の1/2補助。(※)都道府県、政令指定都市、中核市、特例市、東京23区を除いた地方公共団体

本年度は、シェアリングエコノミー分野では佐賀県多久市を含む複数地域連携により1件の事業を実施。

シェアリングエコノミー

4

提案者 特定非営利活動法人価値創造プラットフォーム

実施地域 佐賀県多久市・長崎県佐世保市・熊本県錦町・熊本県和水町事業概要 ①TABICAを通じ、地域資源を魅力的な観光コンテンツ化し、地域在住の個人がつくる地域体験ツアー

をサイト上に掲載、民間主導での地域体験シェアリングプラットフォームを構築・運営する。

②ツアー内容や利用状況はTABICA上のクラウドデータベースに全て集め、課題の分析等を行い、自治

体等にその知見を広く共有する。

■先進事例の横展開へ・地域IoT実装推進ロードマップの官民協働サービス分野「シェアリングエコノミー」の横展開事業。・TABICAは「ICT地域活性化大賞2016」にて奨励賞を受賞。■関係団体とのタテ・ヨコ連携構築3主体(自治体・TABICA・DMO法人ら地域関係団体)と実装エリア同士

が連携して、地域課題の解決を担う着地型観光ツアー造成を企画する。

■地域が抱える課題

少子高齢化による人口減少、人材不足、自治体の財政難等から観光客は地方へ行かず、地域資源も有効活用されない状況である。■事業展開後に想定される効果・観光コンテンツ化を増やす事で、地方への観光客送客ができる

・立ち上げから運用まで既存の民間のオンラインプラットフォームを利用することで、初期立ち上げコストの大幅な抑制と地域のICT化を促進する。

(参考)地域IoT実装推進事業での採択事業(官民協働による九州の地域資源観光シェアリング化事業)

集客・マッチングの提供

地域案内人(ホスト)

ユーザー(ゲスト)

旅行客募集 地域体験利用

申込み

官民が連携して周知広報

企画提供

自治体・NPO

集客・送客の仕組みに関する勉強会・説明会

TABICA内特設サイト

SNS・メルマガ

連結協定

4

5

項 目課題

2020年度(達成すべき指標)

実証フェーズ 実装フェーズ

地域IoT分野別モデル

効果

人材の育成

次代を担う

向上・格差是正

教育の質的

IoT基盤

整備箇所数:約3万箇所

テストベッド整備数:10テストベッド利用者数:100

実践的サイバー防御演習

Wi-Fi整備計画の策定

世界に先駆け5G実現5Gシステム総合実証試験

5G実現

ネットワーク

セキュリティ

参照モデル構築・ルール整備等

IoTテストベッドの整備・供用、新たな電気通信技術の開発・実証テストベッド

明確化するルールの数:20参照モデルの実装数:50

IoTサービス創出のための地域実証を通じた参照モデル構築、ルール明確化等利活用ルール

関係制度整備等5G研究開発、標準化活動、連携団体の活動支援

防災拠点等におけるWi-Fi整備の推進、整備計画の更新

サイバーセキュリティ確保のための対応体制強化

ナショナルサイバートレーニングセンター(仮称)による人材育成

脆弱なIoT機器に関する国民及びメーカへの周知徹底

演習受講者数:年間3,000人以上

政策目標2016年度 2017年度 2018年度 2019年度

地域内の人材の育成及び地域外の人材の活用によりIoT実装事業に円滑に対応可能な地域

100%

地域IoT人材の育成・活用

教 育

ICT環境の不備

教材・指導者・

・教育格差

社会変化への対応

ICT環境等の整備促進

学習系システム標準化ガイドブック発行

校務系・学習系クラウド間の連携実証・標準化教育クラウド・プラットフォーム

プログラミング教育官民コンソーシアムによる教材開発・指導者育成等の推進、ICT環境等の整備促進地域実証

医 療介 護健 康

医療費増大

高齢化の進展

普及展開

普及展開

クラウド型医療情報連携ネットワーク(EHR)の高度化・実装

個人の医療・介護・健康情報を時系列的に管理できるPHRの実現に向けたアプリケーション及びプラットフォームの開発

医療情報連携

ネットワーク(EHR)

医療費適正化

健康寿命延伸

医療・介護・健康データ

利活用モデル(PHR)

農林水産業

の技術継承

新規就農者へ

・高齢化

担い手の減少

防 災

スマート農業・林業・漁業モデルの優良事例の創出・成功モデルの普及展開

農業情報に関するガイドラインの策定スマート農業・

林業・漁業モデル

地域ビジネス

商店街の衰退

地域内売上減少

地域ビジネス活性化モデルの優良事例の創出・成功モデルの普及展開地域ビジネス活性化モデル

売上増

域外

向上

生産性

普及展開マイキー

プラットフォーム システム実装・地域実証売上増

商店街

地域

人手の確保

生産性向上・

省力化

軽労化・

関係省庁と連携したガイドラインの検証・全国普及

観 光

受入環境の整備

地域の観光情報発信

観光クラウドの優良事例の創出・成功モデルの普及展開

社会実装に向けた取組の推進共通クラウド基盤の構築・機能拡大、地域実証

多言語音声翻訳技術の研究開発・技術実証

おもてなしクラウド

観光クラウド 観光消費増加

観光客増加

高度化システムの普及展開災害情報の視覚化、多様なメディアとの連携Lアラート

G空間防災システム

力の向上

地域防災G空間を活用した地域防災システムの普及展開

働き方

労働力不足

人口減少

テレワークWLBの確保

生産性向上

人口増加

移住・交流

テレワークの普及展開

ふるさとテレワークの普及展開

収集・判断・伝達

迅速・確実な

災害情報の

2018年度末を目途に全国運用開始、情報伝達者の参加促進、情報内容の拡充、平時の体制強化

普及展開多言語音声翻訳

スマートシティ

解決

課題

都市

データ利活用型スマートシティ

先導的なデータ利活用型スマートシティの構築・検証 成功モデルの普及展開

モデルの地域実装、ルールの整備、働きかけ等

大規模実証・改善

官民協働

サービス

行政の効率化・サービス向上

地域ビジネス・サービス実施シェアリングエコノミー

地域実装、ルールの整備、働きかけ等

シェアリングエコノミーに対する理解醸成、民間プラットフォームの活用・連携の推進、事業環境の整備

ビッグデータ利活用

オープンデータ利活用

オープンデータのための標準化の推進、地方自治体職員等の意識醸成等官民協働による地域づくり

政策資源の制約

向上

QoL

生産性

都市の

¥¥地域IoT人材創造プランに基づく各プログラムの展開・施策の更新自治体と民間企業等が参加するネットワークにおける支援分野等別に各種施策を実施

地域IoT実装推進ロードマップ(平成29年5月改定)の全体像

地域経済の活性化、地域課題の解決による「地域経済と地方創生の好循環」

オープンデータ・テストベッド(仮称)の運用

調整・仲介(マッチング)機能の運用

オープンデータ・テストベッド(仮称)の整備

調整・仲介(マッチング)機能の創設

クラウド上の教材等を利活用可能な学校:100%

クラウド上の教材・地域人材等を活用したプログ

ラミング教育を実施可能な学校:100%

実装医療圏数:15程度(2017)~順次拡大(2020)

患者数:実装医療圏人口の5%

実装主体数:80団体利用者数:30万人

システム実装地域数:300

運用都道府県数:全都道府県情報伝達者数:1,000

高度化実装都道府県数:15

システム実装自治体数:100

テレワーク導入企業数:3倍雇用型在宅型テレワーカー数:10%以上

整備箇所数:100箇所地域の雇用創出:1,600人

地域で活動する企業におけるICT端末・サービスの利活用状況を全国区に展開

する企業と同程度まで引き上げ

ポイント導入自治体数:1,303

翻訳システム導入機関数:100

実証実験の結果を踏まえ検討

システム実装団体数:150

オープンデータに取り組む自治体:100%

オープンデータの利活用事例数:100

ビッグデータ利活用に取り組む地域数:300

シェアリングエコノミー活用自治体数:100

実装地域数:20カ所程度

官民双方にメリットのある持続的なオープンデータ利活用モデルの構築

地方自治体におけるビッグデータ利活用に関するモデルの構築等

シェアリングエコノミーに係るルールの明確化

データ利活用人材の育成・外部人材との連携等ビッグデータ利活用モデル等の地域実装の促進

5

6

地域情報化アドバイザーの活用

地域が抱える様々な課題を解決するため、ICT/IoTを利活用した取組を検討する地方公共団体等からの求めに

応じ、ICT/IoTの知見等を有する「地域情報化アドバイザー」を派遣し、 ICT/IoT利活用に関する助言等を行う。

政府CIOが任命したシェアリングエコノミー伝道師を、本制度により派遣し、地方公共団体等のシェアリングエコノ

ミーの取組を支援(本年8月から派遣開始。9月29日現在5件の派遣を実施。)

• 地方公共団体等からの派遣依頼を受付、順次、派遣を決定(第4期募集締め切りは10月27日)。• 同一地域の同一プロジェクトに対する同一アドバイザーの派遣は原則年1回。派遣日数は最大で、1日あたり7時間×3日間。

派遣の仕組み

派遣日 派遣先団体 派遣アドバイザー

8/3 いわてシェアリング・エコノミー推進協議会(岩手県)

積田 有平

8/14 瀬戸内町(鹿児島県) 石崎 方規

8/22 (一社)地域問題研究所(愛

知県)石山 アンジュ

9/8 大津市(滋賀県) 積田 有平

9/20 加賀市(石川県) 佐別当 隆志

シェアリングエコノミー伝道師の派遣

7

参加メンバー

主なプロジェクト

IoT推進に意欲的な市町村(112団体(平成29年9月5日現在))

IoTビジネスの地方展開に熱心な業界団体・事業者(170団体・企業(平成29年9月5日現在))

(1) 「IoTデザインハブ」(自治体と企業のマッチングプロジェクト)

先進自治体と企業の勉強会を定期的に各地で開催し、シェアエコ・LPWA等の先進サービス、官民データ活用計画の策定、新たな資金調達手法等に取り組むきっかけづくりを行う。

(2) 「IoTメンター公務員」(人材派遣プロジェクト)

先進自治体の職員をIoTプロジェクトの実施を希望する自治体にメンターとして派遣する。

(3) 「IoTデザインガール」(女性活躍プロジェクト)

「IoTデザインガール」のプロジェクトを立ち上げ、IoT業界の女性活躍推進の交流の場を設ける。

(4) シンボル・プロジェクト、政策提言等

自治体や民間企業等からロードマップに係るプロジェクト構想を募り、今後の実現に向け、総務省と連携して調査を行う。また、先導的・野心的な官民データ活用計画のモデルを検討し、提言する。その他、先進自治体の取組みの横展開に資する政策を検討し、総務省に提言する。

設立の趣旨「地域IoT実装推進ロードマップ」の実現を加速化するため、IoT推進に意欲的な自治体とIoTビジネスの地方展開に熱心な民間企業等のネットワークを設立し、地域IoT実装の推進力を飛躍的に高める体制を構築する。

「地域IoT官民ネット」の設立

<自治体発起人> 青山剛(北海道室蘭市長)・室井照平(福島県会津若松市長)・長谷部健(東京都渋谷区長)・北村正平(静岡県藤枝市長) ・倉田哲郎(大阪府箕面市長)・山内道雄(島根県海士町長)・横尾俊彦(佐賀県多久市長) ※敬称略

設立記念イベント7月11日(火)13時~14時半に設立総会をホテルルポール麹町「ロイヤルクリスタル」で開催。推進する主なプロジェクトの公表や、フォトセッションなどを実施。

IoT推進に意欲的な自治体とIoTビジネスの地方展開に熱心な民間企業等が参加するネットワーク(地域IoT官民

ネット)を設立し、地域IoT実装の推進力を高める体制を構築する。

<業界団体発起人> 宮内謙(電気通信事業者協会会長)、川崎秀一(情報通信ネットワーク産業協会会長)、桜井俊(全国地域情報化推進協会理事長)、上田祐司(シェアリングエコノミー協会代表理事)、山野智久・秋好陽介(熱意ある地方創生ベンチャー連合共同代表理事)、宮坂学(日本IT団体連盟会長)、須藤修(オープンガバメント・コンソーシアム会長) ※敬称略