空間的相互作用モデルによる東京大都市圏における 市区間人...

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109 総合都市研究第64 1997 空間的相互作用モデルによる東京大都市圏における 市区間人口移動の分析 1.はじめに 2. 従来のモデルによる分析 3. セクター成分を取り入れたモデルによる分析 4. むすび 小森谷祥明' 杉浦芳夫日 矢野桂司日* 要約 本稿では、 1980 年の東京大都市圏における市区間人口移動を対象にして、発地区固定型 空間的相互作用モデル実行後に得られる距離パラメータ値の顕著な空間的分布パターンの 解消とそのバラツキの緩和をめざした。そのために、通常モデルに 3 番目の変数として、 1 )競合効果を表わすアクセシピリテイ、 2 )介在機会効果、 3)離散的セクター・ダミー 変数、のいずれかを取り込み、一般線形モデルのパッケージG Ll Mを用い、キャリプレー ションを行なった。その結果、魅力度を夜間人口、 3 番目の説明変数をセクター・ダミー 変数とした場合に、距離パラメータの空間的分布に顕著なパターンがみられないこと(地 図パターン問題の解消)が判明した。 1.はじめに 人口移動をはじめとする様々な流動現象をマク ロにとらえる空間的相互作用モデリングに関する 研究は、空間現象のモデル化に関心を持つ地理学 およびその関連分野の中で最も活気のあるテーマ のーっとなっている(石川、 1988) 。古典的な空 間的相互作用モデルとしては、地表上の人・物・ 情報などの空間的相互作用の流動を、発地区の放 出性、着地区の吸引性(魅力度)、発・着地区間 の分離性から説明しようと試みた重力モデルがあっ ・社会調査研究所 村東京都立大学大学院理学研究科・都市研究所兼任研究員 ..・立命館大学文学部 た。 しかし、ニュートンの引力法則のアナロジーか ら派生した古典的重力モデルは統計学上の問題点 が多く、それらを克服するために新しいモデルが 必要とされた。こうした文脈の中で、 Wilson (1 967) によってエントロピー最大化空間的相互 作用モデルが定式化され、空間的相互作用モデル 族の精綴化が進むことになる。重力モデルからエ ントロピー最大化モデルへという大きな潮流につ いては、既にいくつかのレビューがなされてきて いる(杉浦、 1986) 。そして、 1970 年代後半の、 空間的相互作用モデルの距離パラメータの解釈、

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Page 1: 空間的相互作用モデルによる東京大都市圏における 市区間人 …小森谷・杉浦・矢野:空間的相互作用モデルによる東京大都市圏における市区間人口移動の分析

109

総合都市研究第64号 1997

空間的相互作用モデルによる東京大都市圏における

市区間人口移動の分析

1.はじめに

2.従来のモデルによる分析

3.セクター成分を取り入れたモデルによる分析

4.むすび

小 森 谷 祥 明 '

杉浦芳夫日

矢 野 桂 司 日 *

要 約

本稿では、 1980年の東京大都市圏における市区間人口移動を対象にして、発地区固定型

空間的相互作用モデル実行後に得られる距離パラメータ値の顕著な空間的分布パターンの

解消とそのバラツキの緩和をめざした。そのために、通常モデルに 3番目の変数として、

1 )競合効果を表わすアクセシピリテイ、 2)介在機会効果、 3)離散的セクター・ダミー

変数、のいずれかを取り込み、一般線形モデルのパッケージGLlMを用い、キャリプレー

ションを行なった。その結果、魅力度を夜間人口、 3番目の説明変数をセクター・ダミー

変数とした場合に、距離パラメータの空間的分布に顕著なパターンがみられないこと(地

図パターン問題の解消)が判明した。

1.はじめに

人口移動をはじめとする様々な流動現象をマク

ロにとらえる空間的相互作用モデリングに関する

研究は、空間現象のモデル化に関心を持つ地理学

およびその関連分野の中で最も活気のあるテーマ

のーっとなっている(石川、 1988)。古典的な空

間的相互作用モデルとしては、地表上の人・物・

情報などの空間的相互作用の流動を、発地区の放

出性、着地区の吸引性(魅力度)、発・着地区間

の分離性から説明しようと試みた重力モデルがあっ

・社会調査研究所

村東京都立大学大学院理学研究科・都市研究所兼任研究員..・立命館大学文学部

た。

しかし、ニュートンの引力法則のアナロジーか

ら派生した古典的重力モデルは統計学上の問題点

が多く、それらを克服するために新しいモデルが

必要とされた。こうした文脈の中で、 Wilson

(1967)によってエントロピー最大化空間的相互

作用モデルが定式化され、空間的相互作用モデル

族の精綴化が進むことになる。重力モデルからエ

ントロピー最大化モデルへという大きな潮流につ

いては、既にいくつかのレビューがなされてきて

いる(杉浦、 1986)。そして、 1970年代後半の、

空間的相互作用モデルの距離パラメータの解釈、

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110 総合都市研究第64号 1997

パラメータの推定方法、モデルの誤った特定に関

する論争(地図パターン問題)を経て、近年では

様々な空間的相互作用モデルが提案されている。

しかし、これらの空間的相互作用モデルは、観

察された地区間流動数を、ポアソン分布で近似さ

れる頻度分布とみなす、ポアソン回帰モデルによっ

て包括されうることがわかった(矢野、 1991)。

すなわち、介在機会モデル (Stouffer、1960)、

エントロピー最大化モデル (Wilson、1967)、ポ

アソン重力モデル (Flowerdewand Aitkin、

1982)、競合着地モデル(Fotheringham、1983a)

等の空間的相互作用モデルは、取り込まれる説明

変数の違いを除けば、すべて一般線形モデルの枠

組みで統合することができるのである。

本稿では、東京大都市圏内部の人口移動を矢野

(1989)の示したこつのタイプに分け、市区間人

口移動総数 (ALL)、14歳以下の子供を伴う 30歳

以上の壮年層に代表される年齢層 (0~14歳、 30

歳~)の市区間人口移動数 (AGE 1 )、 20歳代の

若・青年層に代表される年齢層(15~29歳)の市

区間人口移動数 (AGE2 )、それぞれに一般線形

モデルのパッケージであるGLIMを適用し、発地

区固定型空間的相互作用モデルの距離パラメータ

値の空間的分布パターンをまず明らかにする。そ

して、最終的には、 Fotheringham(1983a, b)

が従来の空間的相互作用モデルにアクセシピリティ

を取り込み、競合着地モデルを構築したように、

東京大都市圏内部の人口移動の距離パラメータ値

に偏りをもたらす要因を取り込んだ形での、新し

い空間的相互作用モデルの定式化を目指す。この

新しい説明変数をモデルに取り込むことにより、

通常の発地区固定型の発生制約型モデルの距離パ

ラメータ値の分布にみられる顕著な空間的偏りと、

パラメータ値のバラツキを緩和することができる

と考えられる。この新しい説明変数が、行動論的

研究で指摘されているセクター状の移動流(小森

谷ほか、 1996)に関わるものであることは、後に

明らかにされるであろう。結果的に、それは、マ

クロなモデル分析とミクロな行動論的研究を結び

付けることにもなる。

本稿では1979年10月 l 日 ~1980年 9 月 30 日の東

京大都市圏内の人口移動を対象とするが、資料な

らびに対象地域の範域については前稿(小森谷ほ

か、 1996)を参照されたい。以下、第2章では、

通常の発生制約型モデル、および通常モデルに 3

番目の変数として、競合効果を表わすアクセシピ

リティ(競合着地モデルと同型)ないしは介在機

会効果を表わす変数を取り込んだモデルを、第3

章では、 3番目の変数としてセクタ一成分を取り

込んだモデルを、それぞれGLIMを用いて特定し、

適合度・距離パラメータ・残差分布の面から、適

切なモデルの検討を行なう。

2.従来のモデルによる分析

2. 1 本稿におけるモデルについて

(1 ) 通常のモデルの変数について

本稿においては、発地区固定型の空間的相互作

用モデルを、発地区ごとに、 ALL、AGE1、

AGE2の三つの異なるデータに対し適用する。

魅力度としては、図 1に示す総流入人口 (Wl)

と図 2に示す夜間人口 (W2)を使用する。魅力

度の選定にあたり、実際の移動者の側にたってみ

れば、着地区における空き家数や住宅地面積のよ

うな変数が最も適当と思われるが、この種のデー

タを市区単位で入手することはむずかしく、結局

のところ総流入人口および夜間人口を使用せざる

をえなかった。そして、地区間距離としては、

1980年当時の市区役所の最寄り駅を基点とし、有

値最短パス行列(テーフ・ゴージ、エ、 1975)の幕

乗演算により求められる、当時の最短鉄道営業距

離 (km)を使用する。

(2) GLlMについて

一般線形モデルのパッケージである GLIM

(Generalised Linear Interactive Modelling)は、

実際の地区間人口移動者数をポアソン分布に適合

する頻度分布とみなす回帰モデルである。このポ

アソン回帰に基づく重力モデルは、古典的重力モ

デルの統計学的短所を克服するモデルとして、

Flowerdew and Aitkin (1982)によって提案さ

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小森谷・杉浦・矢野:空間的相互作用モデルによる東京大都市圏における市区間人口移動の分析 111

o 10 20km

--白ー-図1総流入人口 (Wl)の分布

o 10 20km

図2夜間人口 (W2)の分布

平均 (m) : 15217.68 ..鋼鐘(.) I 12784.&8

E歯 m+h/Z孟

- 町村謡 <m+3・12~m+・ 12孟〈冊+・

~mS <m+・12Eヨm-・12孟 <m

Eコく踊由 ./2

早均 (m) : 192276.72 領噂伺鍾{・) : 153129.41

盟国 m+3a/Z孟

~m+l語 <m+31/2

~ m+1/2S <m+・g 問看 <m+ ./2

Dm-1/2語 くm

cコ<m-./2

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112 総合都市研究第64号 1997

れたものであり、発地区 i、着地区j聞の市区間

人口移動者数は次式で表わされる。

p(A) =e-BBA / A!

ただし、 Aは地区間流動数の観察値T.、Bは地区

間流動数がポアソン分布に従う場合の平均値ん、

p(A)は地区i、j聞の移動者数がAである確率、 e

は誤差あるいは残差である。ここで、 Aijの推定

値を、発地区の放出性Vi、着地区の吸引性(魅力

度)眠、発・着地区間の分離性めにより表わさ

れる関数と仮定すると、次のように示される。

λ戸 exp(s 0+ s ,ln Vi+ s dn Wj- s slndi;} (2)

ただし、ん、ム、 s,、 s3は発地区ごとに推定

されるべきパラメータである。さらに、この式

(2)を変形すると、

ん=kV/'W/' d.-p,

という、重力モデルと構造上同じ式が導かれる。

ただし、 so=lnkである。ここで重要なことは、

この式(3)で示されるモデルは、最小二乗法によ

りパラメータ推定を行なう、通常の重力モデルに

みられた統計学上の問題点を克服することができ

る(石川、 1988;矢野、 1991)、ということであ

る。

こうして特定されたモデルの適合度は、次にあ

げる二つの測度で評価される。まず、観察値と、

モデル実行により得られた推定値の全体的な差を

示す、発地区ごとに求められる調整済みの逸脱度

(Dι)は、

Di=2[ 1 l:Yii ln(y./ん)1-1 l: (y. -~iJ 1] (4)

で示される。ただし、 Yiiは発地区 iから着地区j

への観察された人口移動数、 ~i)ま発地区 i から着

地区jへの推定された人口移動数である。 Dιの値

が大きいほどモデルの適合度は低く、 0に近いほ

どモデルの適合度は高くなる。また、この逸脱度

)

EA(

から、各変数のモデルの適合度上昇への貢献度を

間接的に評価することができる。すなわち、新た

な変数を加えたときの逸脱度の減少率によって、

その変数の重要性がわかるのである。

そして、 GLIMでは、定数項だけからなるモデ

ル(ヌル・モデル)についても適用が可能である。

この場合の地区間人口移動数の推定値は次式で示

される。

~ij=Pi/(n- 1 ) (5)

(3)

ただし、 Piは発地区 iの総転出者数、 nは着地区

数である。本研究では白地区内流動は除くので、

推定値は n-1の商として表わされる。ただし、

ここで推定される Aijは着地区に関係なくすべて

一定であることに注意されたい。また、各説明変

数の重要性は、キャリプレーシヨン後に得られる

標準誤差によっても判断できるが、推定されたパ

ラメータの値と標準誤差の商の絶対値が 2.0以上

である場合、その説明変数は統計的に有意である

と解釈される (Lovett,1984)。

そして、発地区ごとの観察値と推定値の差を示

す残差んは次式で定義される。

Rij= (y.-~ij) /仔; (6)

この残差は、絶対残差と同様に、観察値と推定値

が一致した場合に Oになる。一般に、この値の絶

対値が2.0以上の場合には、さらなる検討が必要

とされる (Lovett,1984)。したがって、新しい

説明変数をモデルに取り込む場合には、発地区ご

とに求められる残差分布を生じさせた要因につい

ても考慮する必要がある。かくして、モデルの適

合結果はこれらの統計量によって直接・間接的に

評価されることになる。

2. 2 従来のモデルによる分析

(1) 通常のモデルに加える変数について

地区間距離、魅力度の次にモデルに取り込まれ

る、 3番目の変数である競合効果を表わすアクセ

シピリティ(民)は、次のように定義される

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小森谷・杉浦・矢野:空間的相互作用モデルによる東京大都市圏における市区間人口移動の分析 113

(Fotheringham, 1983a, pp. 22-23)。

a

“時

du

m

zh併

一一ロ刊 (7)

ただし、 m.は着地区jにとって競合する着地区 h

の魅力度、心は地区h、j聞の距離、 αはパラメー

タである。本稿では、 (l)m.にWlを、 αに-1.0、

-1.5、ー2.0を与え、得られた再をそれぞれ Alj、

A 2j、A3jとし、 (2)m.にw2を、 αに-1.0、-1.5、-2.0

を与え、得られた耳をそれぞれ Blj,B 2j、B3jとし

た。

一方、介在機会は、 Stouffer(1960)の修正介

在機会モデルにしたがい、次のように定義される。

発地区 i・着地区j聞の中点Oijを中心とし、めを

直径 (dω=dojを半径)とする円の内側に存在する

地区に着地区を限定した場合の、着地区における

特定の魅力度の合計であり、次式で表わされる。

ん=:Em. (8)

ただし、

d凶 =d句孟dok

mk は着地区hの総流入人口、ゐは発地区 iと中

点Oij聞の距離、 d品は中点 Oijと着地区 h間の距

離であり、 nを着地区の集合であるとすると、 h

εnである。本研究では、 h宇jのときI1ii、h宇 i、

事例 1

。。

。。 J

i

。 。 。k~j

jのとき12ょした。図 3の事例 lはh半jの場合、

事例 2はh宇i、jの場合を示している。すなわち、

介在機会の値は、発地区~ .着地区j聞を結んだ

直線を直径とする円内に含まれる黒丸で示される

着地区の総流入人口の合計である。ここで、中点

0.を中心とする円内に当該発・着地区以外の着

地区が存在しない場合について若干説明を加えるo

h牛jの場合、前述の事態が生じたとき、I1の値

は発地区 iの総転入人口数となり、 h宇 i、jの場

合、 12の値は Oになってしまう。しかし、この

介在機会は 3番目の説明変数としてモデルに加え

るものであり、この値がOになるとモデルの実行

が不可能になる。そこで、 12がOになった場合

には、モデル実行の便宜上、1.0を与えることに

する。

(9)

(2) モデルの適用結果

以下では、従来のモデル、および3番目の変数

としてアクセシビリティないしは介在機会を加え

たモデルを、発地区ごとに、 ALL、AGE1、

AGE2それぞれに対し実行した結果について考察

する。

キャリプレーションの結果得られた逸脱度を

ALL、AGE1、AGE2ごとに示したのが、表 1-3である。説明変数の数の増加と逸脱度減少の関

係をみるために、定数項だけからなるヌル・モデ

ルと、説明変数が地区間距離だけの場合も示した。

式(4)で示される逸脱度は、対象とする市区間人

事例2

図3 介在機会の定義

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114 総合都市研究第64号 1997

表 1 発地区ごとの逸脱度 (ALL)一発生制約型・競合着地・介在機会モデルの場合一

距離 距離 距離 距離 距離 距離 距離

日'1

n 9278 2635.0 560.5 403.1 401. 8 444.5 403.1 401.4 402.8 446.1 469.6

中央区 11943 5138.5 2778.6 1961. 1 1931. 9 2378. 7 2064.8 2056. 1 2058.0 1896.3 1444.4 港区 27903 13185.0 3157.1 3127.6 3154.1 2943.1 3085.5 3137.8 3157.0 2040.0 941. 6 新宿区 48331 16790.0 3862.9 3202.0 3098.0 3406.6 3231.4 3141.2 3090.4 3563.6 3411.0 文京区 23241 1∞80.0 2234.5 1984.9 1987.1 2222.1 2025.2 2031. 0 2028.1 1798.3 1760.7 台東区 21580 6302.4 4254.6 2663.5 2725.8 4194.4 2893.6 3025.5 3169.9 2743. 7 3571.6 墨田区 23060 11635.0 7912.6 3204.1 3164.7 6110.9 3379.2 3395.1 3486.2 4205.4 4265.9 江東区 32804 21143.0 13555.0 6011. 1 5778.8 10631.0 64∞5 6259.6 6271. 5 4582.4 5027.9 品川区 40072 12464.0 2794.1 2254.6 2237.2 2522.4 2262.2 2239.8 2218.7 2473.6 1338.5 目黒区 42688 19250.0 4993.1 4314.8 4378.8 4812.9 4416.9 4513.5 4684.8 2891.5 3246. 7 大田区 44575 2∞67.0 5886.5 3566.8 3526.9 5477.2 3529.5 3475.4 3493.8 3537.4 4644.9 世田谷区 74315 37117.0 12065.0 8948.2 9090.3 12057.0 8621. 9 8690.9 9265.8 6383.0 10072.0 渋谷区 44930 14243.0 3335.5 3323.2 3312.7 3146.8 3303.5 3283.0 3267.3 2558.5 3244. 1 中野区 52317 19943.0 5779.7 4653.2 4598.2 4774.6 4495.4 4424. 7 制49.6 4982.3 5019.6 杉並区 59111 28519.0 8636.5 7307.8 7279. 7 8397.0 7027.9 6931. 1 7064.1 4175.8 6501.9 豊島区 40715 12982.0 4788. 7 2478.2 2490.0 4264.2 2554.8 2574. 7 2713.8 4234.2 3895.6 北区 36264 12538.0 5691.7 2477. 9 2647.2 5480.8 2589.3 2806. 1 3143.2 3499. 7 4399.6 荒川区 22380 4330.0 2597.8 1545.1 1521.7 2278. 7 1602.6 1583.5 1566.5 2125.1 2162.6 板橋区 38674 21034.0 14377.0 10341.0 10753.0 14189.0 9717.0 1∞31.0 10934.0 8557.1 10382.0 練馬区 45771 25410.0 15521.0 10217.0 10385.0 14534.0 9385.0 9360.0 9954.0 8563.8 12655.0 足立区 43184 22115.0 18603.0 10532.0 10371.0 16989.0 10523.0 10343.0 10468.0 5997.5 11368.0 葛飾区 45472 27359.0 20903.0 16285.0 15928.0 17543.0 16606.0 16328.0 15984.0 5358.5 9236.0

42655 25850.0

田区 9278 2635.0 897.2 839. 1 837.4 784.8 797.4 784.9 776.9 893.6 693.3 中央区 11943 5138.5 2452.8 1854.7 1833.5 2140.7 1871. 4 1847.3 1841. 7 2α)().5 1420.7 港区 27903 13185.0 5225.5 5154. 1 5090.1 5052.9 5224.2 5213.5 5185.3 4361. 5 1849.4 新宿区 48331 16790.0 5860.2 4331.9 4233.6 5171. 8 4208.1 4069. 7 4059.9 5854.4 5268.6 文京区 23241 1∞80.0 2925.9 2925.8 2925. 7 2925.9 2924.8 2919.5 2906.5 2817.9 2254.4 台東区 21580 6302.4 3207.5 2369.9 2397.3 3202.0 2512.2 2571.5 2642.0 1898.8 2440.9 墨田区 23060 11635.0 6298.6 3∞6.5 2943. 7 5083. 7 3083.4 3028.3 3048.5 3775.1 4052.8 江東区 32804 21143.0 11586.0 6042.3 5779.5 9479.0 6182.4 5913.7 5808. 1 5163.7 5672. 1 品川区 40072 12464.0 3917.8 3874.8 3863.8 3830.8 3843. 7 3811. 5 3763. 7 3577. 7 2777. 9 目黒区 42688 19250.0 6133.8 4993.8 5038.0 5858. 7 4985.6 5030.9 5222.5 4458.5 4026.4 大田区 44575 2∞67.0 6884.4 5571.7 5525.2 6626.0 5368. 7 5235.5 5147.6 5294.1 6325.4 世田谷区 74315 37117.0 17724.0 12749.0 12791.0 17492.0 12140.0 11968.0 12516.0 9809.0 14239.0 渋谷区 44930 14243.0 5561.6 5343.3 5296. 7 5212.4 5227.1 5139.4 5078.0 4930.0 5288.6 中野区 52317 19943.0 8106.6 6366. 1 6320.8 6769.4 5990.4 5869.5 5906.1 7173.0 7046.5 杉並区 59111 28519.0 12960.0 11166.0 11134.0 12548.0 10678目 o 10497.0 10608.0 6435.8 9514.0 豊島区 40715 12982.0 5298.3 3604.6 3619. 1 4734.2 3402.4 3363.2 3461.7 5225.0 4243. 7 北区 36264 12538.0 5282.5 3458.5 3557. 7 5222.4 3382.5 3463.4 3649.4 4118.3 3941. 0 荒川区 22380 4330.0 2041. 1 1490. 7 1465.2 1919.0 1523.2 1491. 2 1457.7 1516.0 1850.2 板橋区 38674 21034.0 15558.0 12817.0 13073.0 15417.0 121∞8.0 12099.0 12743.0 10686.0 11880.0 練馬区 45771 25410.0 17915.0 13849.0 13909.0 16821.0 12770.0 12545.0 12872.0 9832.0 14347.0 足立区 43184 22115.0 17640.0 10951.0 10744.0 16491.0 10867.0 10584.0 10613.0 6596.0 11772.0

葛飾戸区 45472 27359.0 18324.0 13651.0 13324.0 15706目 o 13852.0 13545.0 13239.0 5995.2 10004.0 川区 42655 25850.0 16329.0 10641.0 10348.0 13609.0 10690.0 10353.0 10051.0 5422.3 6864.

口移動量が大きいほど、大きい値を示す傾向がみ の比較を行なうことにする。これらの表をみると、

られる。発地区ごとの全体的な議離度を示す逸脱 ALLの逸脱度は AGE1とAGE2の逸脱度の和

度は、発地区についての市区間人口移動量の合計、 で近似できることがわかる。また、ヌル・モデル

すなわち総転出者数の大小に大きく左右されるた から説明変数の数が増すにつれて逸脱度の値は小

め、逸脱度を発地区間で直接比較することはでき さくなり、適合度は上昇していく。東京都区部の

ない。したがって、ここでは、発地区ごとに結果 うち、板橋・豊島・文京・千代田・港区を含み、

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小森谷・杉浦・矢野:空間的相互作用モデルによる東京大都市圏における市区間人口移動の分析 115

表2 発地区ごとの逸脱度 (AGE1 )一発生制約型・競合着地・介在機会モデルの場合一

ヌ)L- igM 距離 距離 距離 距離 距M 距離 距離 距離 距離

W1 wl W1 W1 W1 W1 wl W1 日'1A1 A2 A3 B1 B2 B3 Il I2

1千代田区 5051 1463.2 317.3 227.8 227.0 255. 7 228.1 227.0 227.8 254.3 264.5 2中央区 6575 2959.0 1613.9 1101.1 1084.8 1386.5 1165.8 1161.4 1164.1 1086.2 828.7 3港区 15883 7664.8 1850.7 1827.7 1846. 7 1733.1 1801.4 1835.1 1850.6 1198.0 559. 7 4新宿区 22059 8392.7 1963.1 1599.5 1556.4 1795.7 1598. 7 1556.8 1543.2 1855.6 1703.5 5文京区 11201 5185.2 1229. 1 1034.2 1037.3 1223.6 1065.0 1070.2 1071.4 962.0 972.4 6台東区 13179 3938.6 2674.5 1668.1 1705.8 2637.6 1813.3 1894.3 1984.1 1736.7 2245.6 7墨田区 13110 6955.9 4798. 1 1908.0 1883.8 3750.2 2030.8 2038.0 2091.7 2493.2 2696.4 8江東区 19541 13320.0 8574.0 36ω.5 3465.9 6838.6 3890.7 3805.9 3822.9 2843.2 3581. 3 9品川区 20578 6918.2 1685.6 1256.4 1248.9 1553.5 1264.2 1254.5 1250.6 1547.3 931.3 10目黒区 21961 10294.0 2787.0 2332.0 2368.3 2720.9 2383.1 2437.9 2545.4 1673.3 1858.2 11大図区 24040 11828.0 4246.5 2501.5 2485.9 4054.5 2487.2 2466.3 2509.9 2470.8 3228.6 12世田谷区 38603 20983.0 7821.3 5474. 7 5596.0 7810.4 5271. 1 5344.1 5783.9 4035.4 6615.4 13渋谷区 21282 7294.0 1660.0 1637.5 1629.9 1601.4 1617.9 1603.5 1596.6 1362.4 1585.7 14中野区 22351 9686.0 2915.5 2211.1 2188.0 2532.5 2117.4 2083.1 2111.4 2501. 1 2490.5 15杉並区 27507 14588.0 4693.8 3797.5 3791. 8 4625.1 3628.0 3579.4 3679.3 2245. 7 3501. 6 16豊島区 19060 6707.6 2693.2 1341.4 1356.5 2475. 7 1392.2 1409.5 1499.5 2343.2 2224.0 17北区 19725 7626.5 4103.6 1670.4 1814.7 4047.9 1766.2 1943.0 2215.1 2541.0 3254.6 18荒川区 12794 2644.2 1636.0 937.9 924.2 1451.9 976.7 966.0 958.5 1339.8 1370.5 19板橋区 19710 12553.0 9536.0 6929.2 7209.5 9513.0 6618.3 6832.9 7431.3 5427.9 7176.1 20練馬区 23812 14758.0 10126.0 6397.2 6512.9 9718.0 5902.3 5895.5 6318.5 5663.5 8531.1 21足立区 26961 15136.0 13294.0 7165.5 7078.6 12357.0 7215.0 7116.6 7260.6 4419.9 8478.5 22葛飾区 26875 17016.0 13268.0 9886.0 9655.0 11258.0 10119.0 9934.0 9712.0 3342.3 6370.3 23江戸川区 25744 16839.0 11182.0 5789.5 5640.6 8860.0 5970.9 5842.2 5738. 7 1802.6 4374.6

ヌ)L- 箆画監 距離 距離 距離 距離 距商量 ig磁 距離 距離 距離

w2 w2 w2 W2 W2 w2 w2 w2 W2 A1 A2 A3 B1 B2 B3 Il I2

1千代田区 5051 1463.2 506.2 472.2 471.1 446. 7 449. 1 441. 9 437.3 504.2 391.9 2中央区 6575 2959.0 1448.0 1069.3 1056.6 1271.8 1083.2 1068.8 1066.0 1170.0 842.6

3港区 15883 7664.8 3046.9 3016.2 2984.2 2954.0 3046.9 3043.4 3030.8 2550.2 1106.1

4新宿区 22059 8392.7 3123.2 2332.4 2291.0 2851.3 2247.9 2179.5 2185.0 3123.2 2799目 6

5文京区 11201 5185.2 1562.0 1553.6 1550.8 1561.8 1549.4 1541.5 1529.4 1484.3 1220.2

6台東区 13179 3938.6 2032.3 1494.9 1511. 1 2029.1 1585.3 1621.6 1665.6 1222.4 1556.1

7墨田区 13110 6955.9 3895.4 1843.5 1803.5 3186.2 1905. 7 1869.4 1879.4 2305.3 2597.3

a江東区 19541 13320.0 7505.2 38∞.5 3634.9 6266.4 3929.8 3758. 7 3694.3 3365. 7 4061. 3

9品川区 20578 6918.2 2260.2 2182.9 2173.4 2221.1 2157.1 2132.5 2101. 0 2121. 4 1675.7

10目黒区 21961 10294.0 3546.6 2822.6 2843.6 3430. 1 2807.4 2826. 7 2938.3 2658.8 2416.2

11太田区 24例。 11828.0 4767.6 3675.2 3647.9 4652.8 3554.1 3475. 7 3443.0 3509.8 4223. 7

12世田谷区 386ω 20983.0 11136.0 7718.1 7770. 5 111 00. 0 7366.1 7292.8 7709.7 6161. 9 9122.0

13渋谷区 21282 7294.0 2921. 8 2758.4 2732.6 2789. 7 2683.6 2633.2 2604.5 2691. 5 2736.0

14中野区 22351 9686.0 4207.7 3193.9 3172.0 3681. 4 2993.9 2930.1 2959.6 3732.4 3623.6

15杉並区 27507 14588.0 7129.4 5997.0 5982.9 6987.8 5721. 9 5622.3 5700.6 3678.3 5237.9

16豊島区 19060 6707.6 2979.3 1949.3 1961.3 2750. 7 1856.5 1839.5 1904.4 2911.8 2437.3

17北区 19725 7626.5 3801.4 2246.9 2340.4 3796.8 2222.2 2308.1 2481.9 2860.3 2943.3

18荒川区 12794 2644.2 1303.9 919.3 903.5 1234.0 942.2 922.3 903.2 979.9 1185.6

19板橋区 19710 12553.0 10159.0 8255.0 8439.0 10148.0 7842. 7 7928.8 8379.0 6717.5 7996.4

20練馬区 23812 14758.0 11369.0 8407.8 8448.1 10927.0 7779.2 7647.7 79∞.6 6340.2 9441.0

21足立区 26961 15136.0 12784.0 7565.5 7436.8 12106.0 7560.2 7382.7 7451. 8 4916. 7 8800.0

22葛飾区 26875 17016.0 11953.0 8550.0 8336.0 10370.0 8706.0 8499.0 8297.0 3953.6 6935.0

23江戸川区 257441 16839.0111070.0 6762.4 6567.0 9324.0 6840.8 6617.4 6424.0 3688.2 5138.9

それらを結ぶ線より南西方向にある14の発地区は、

2番目の変数(魅力度)として夜間人口 (W2)

よりも総流入人口 (W1)を取り込んだ方が適合

度がよく、他の 9発地区ではその逆の結果が得ら

れた。 3番目の変数としては、アクセシピリテイ

より介在機会の方が全体的に適合度は高く、特に

I1は、 ALLの11地区、 AGE1の12地区、 AGE2

の11地区において最も逸脱度の値が小さくなって

いる。介在機会全体でみると、 ALL.AGE 1で

それぞれ15地区、 AGE2の16地区において逸脱

度が最も小さくなっている。また、逸脱度の減少

率をみても、介在機会が逸脱度の減少に大きく貢

献していることがわかる。

一方、得られた距離パラメータ値は表 4~6 に

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116 総合都市研究第64号 1997

表3 発地区ごとの逸脱度 (AGE2)一発生制約型・競合着地・介在機会モデルの場合一

ヌル 距離 距離 距離 距離 距離 距離 距離 距離 距離 距灘

日'1 日'1 w1 w1 w1 日'1 w1 Wl w1 Al A2 A3 Bl B2 B3 n I2

1千代田区 4229 1173.2 244. 1 176.3 175.8 189. 7 176.0 175.4 176.0 192.6 206.0 2中央区 5395 2193.3 1172.9 870.4 857.4 1∞2.5 909. 7 905.3 904.4 817.5 626.9 3港区 12063 5544.4 1313.9 1306.9 1313.9 1218.5 1292.0 1309.9 1312.7 851.0 391.7 4新宿区 26545 8486.2 1965.7 1688.0 1627.4 1674. 1 1716.5 1668.9 1631.4 1763.4 1782.3 5文京区 12203 5006.4 1076.6 1012.6 1011. 9 1070.5 1024.1 1024.9 1021.9 904. 7 864.6 6台東区 8409 2367.2 1582.4 998.5 1022.9 1559.1 1083.3 1134.1 1188.7 1009.3 1328.7 7墨田区 10002 4705.8 3132.2 1319.4 1303.9 2382.6 1372.6 1380.8 1418.0 1726.9 1592.4 8江東区 13469 7952.0 5072.6 2513.8 2419.3 3898.8 2620.9 2563.8 2558.3 1843.1 1550. 1 9品川区 19673 5644. 7 1191. 8 1064.6 1056.3 1057.1 1065.8 1055.2 1041.7 997.5 497.4 10目黒区 209∞ 9063.0 2276.4 2056.1 2082.3 2156.8 2103.9 2143. 0 2203. 3 1281.2 1471.8 11太田区 21003 8574.0 1898.8 1286.5 1265.3 1689.5 1269. 1 1240.5 1224.3 1253.4 1624.0 12世田谷区 36564 16724.0 4743.8 3910.3 3938.8 4682. 7 3793.0 3797.0 3949.4 2775.4 3973.4 13渋谷区 23890 7059. 1 1774.2 1773.9 1773.9 1636.2 1773.6 1770.2 1765.0 1269.8 1755.5 14中野区 30428 10405.0 3010.6 2605.8 2575. 0 2395. 6 2543.4 2507.8 2506.1 2623.9 2697.5 15杉並区 32289 14270.0 4229.2 3807.3 3786.1 4054.1 37∞.8 3654.1 3688.9 2204.3 3310.0 16豊島区 21909 6394.2 2204.4 1255.1 1251. 8 1898.3 1283.7 1286.2 1335.9 1999. 1 1798.6 17北区 17∞7 5262. 7 1889.4 1038.8 1072.6 1702.3 1065.0 1114.2 1193.0 1229.0 1448.8 18荒川区 9612 1697.5 972.2 615.3 605.6 838.0 634.3 626. 1 617.0 793.2 804.2 19板橋区 20035 9000.0 5180.6 3819.5 3946.2 4949.6 3535.4 3628.8 3922. 0 3404. 4 3630.2 20練馬区 22965 11250.0 5802. 9 4205. 5 4259.4 5213.9 3886.4 3871.2 4054.2 3276. 6 4586. 8 21足立区 16749 7432.3 5704. 7 3631. 2 3563. 7 5028.0 3590.4 3515.2 3512.1 1897.5 3260.3 22葛飾区 18866 10553.0 7829. 8 6530. 7 6406.1 6489.6 6624.0 6531.1 6412.1 2190.6 3061.2 23江戸川区 17316 9337.0 5852. 7 3793.0 3708.4 4554.1 3828.2 3754. 8 3685. 8 1063.3 1721.0

ヌル 距離 距離 距離 距離 正邑薩虫W駆2 臨W調F2E 距W離2 距W離z 距蔵

w2 W2 w2 w2 w2 Al A2 A3 B1 B2 m I1 I2

1千代田区 4229 1173.2 391.8 367.8 367.2 339.0 349.2 343.9 340.6 390.2 302.3 2中央区 5395 2193.3 1010.9 793. 7 785.1 877. 3 797.1 787.3 784.4 836.3 587.3 3港区 12063 5544.4 2189.0 2144.3 2111.4 2110.2 2185.9 2178.0 2161.7 1821. 9 753. 7 4新宿区 26545 8486.2 2782.3 2079.0 2020.6 2367.3 2040.9 1970. 1 1952.5 2768.3 2525.1 5文京区 12203 5006.4 1442.0 1427.5 1431.5 1442.0 1435.4 1440.0 1442.0 1408.8 1116.5 6台東区 8409 2367.2 1177. 5 877. 9 889.0 1175.3 929目 8 952. 7 979.0 678.9 887.5 7墨田区 1∞02 4705.8 2419. 7 1185.1 1161.9 1918.5 12∞8 1181.4 1191.2 1484.8 1478.3 B江東区 13469 7952.0 4173.1 2346.3 2248.5 3317.2 2361.4 2262. 7 2220.4 1903. 7 1720.0 9品川区 19673 5644. 7 1754.3 1754.1 1754.2 1708.5 1753.0 1748.5 1737.6 1538.0 1205.5 1日目黒区 209∞ 9063.0 2638. 7 2233.0 2254. 7 2479.0 2239.0 2263.3 2340.2 1845.6 1680.5 11太田区 21003 8574.0 2382.3 2109.8 2093.1 2245.3 2037.8 1988.6 1943.5 1980.0 2305.9 12世面谷区 36564 16724.0 7050.2 5471. 0 5465.0 6804.0 5220.9 5128.8 5272.8 4051.8 5606.7 13渋谷区 23890 7059.1 2729.2 2675.5 2656.7 2508.4 2636.0 2601.0 2570.9 2299. 0 2646. 4 14中野区 30428 10405.0 4017.9 3329.6 3305.7 3222.0 3159.1 3101.9 3108. 7 3559.8 3572.6 15杉並区 32289 14270.0 6079.3 5446.5 5427. 7 5812.4 5240.0 5159.5 5191.2 2995.9 4563.3 16豊島区 21909 6394.2 2425.4 1769.4 1771.8 2089.2 1665.0 1643. 1 1677. 2 2412.3 1932.8 17北区 17∞7 5262.7 1799.2 1434.8 1449.9 1708.7 1398. 1 1404.4 1433.0 1530.3 1317.8 18荒川区 9612 1697.5 749.0 579.3 569.8 697. 1 589.4 577. 4 563.4 546.0 677. 4 19板橋区 2∞35 9000.0 5757.8 4973.5 5043.1 5558.3 4613.0 4615.9 4801.5 4274.8 4316.7 20練馬区 22965 11250.0 6962. 0 5828. 0 5849.3 6286.1 54∞.0 5311.7 5399.0 3879.2 5380.9 21足立区 16749 7432.3 5243.5 3635.7 3562. 0 4774. 8 3575.8 3476.1 3449.8 1998.2 3335.3 22葛飾区 18866 10553.0 6551. 0 5223.8 5112.0 5525.9 5275.4 5174.2 5069.9 2209.8 3261.8 23江戸川区 17316 9337.0 5563. 7 4077. 9 3979. 8 4603. 6 4061.2 3947.6 3840.5 1997. 7 2031. 5

示されている。また、通常モデル(魅力度は総流

入人口ないしは夜間人口)の距離パラメータ値の

分布を図 4・5に、魅力度を総流入人口とし、 3

番目の変数として適合度の高かった、アクセシピ

リテイ Al、B2、介在機会11を取り込んだ各モ

デルのキャリプレーションの結果得られた距離パ

ラメータ値の分布を図 6~8 に示した。これらの

図から次のようなことがいえる。まず、魅力度を

総流入人口とした通常モデルと、アクセシピリティ

AlないしはB2を加えたモデルの適用により得

られた距離パラメータ分布は、西低東高の分布傾

向を示すのに対し、介在機会I1を加えたモデル

では、東京都区部東部に距離パラメータ値の小さ

い地区が集中している。そして、通常モデルでは、

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小森谷・杉浦・矢野:空間的相互作用モデルによる東京大都市圏における市区間人口移動の分析 117

表4 発地区ごとの距離パラメータ推定値 (ALL)一発生制約型・競合着地・介在機会モデルの場合一

距離 距離 距離 距離 距離 距離 距離 距離 距離

Wl Wl wl 日'1 Wl Wl 日11 Wl Wl Al A2 A3 Bl B2 B3 Il I2

1千代田区 1. 1310 1. 6150 1. 5740 1. 2090 1. 6550 1. 6120 1. 5450 0.5842 0.9095 2中央区 1. 1640 1. 9380 1. 8930 1. 2710 1. 9350 1. 8850 1. 8100 -0.1301 o. 1605 3港区 1. 0710 1. 1990 1. 1090 1. 1290 1. 2830 1. 1740 1. 0630 。ー∞44 0.5144 4新宿区 0.8839 1. 3890 1. 4180 0.9639 1. 3220 1. 3330 1. 3110 0.5355 。目 63505文京区 1. 0510 1. 3700 1. 3400 1. 0660 1. 3730 1. 3410 1.3040 0.3789 o. 7726 6台東区 1.3310 2.01∞ 1.9440 1. 3550 2.0340 1. 9570 1. 8540 -0. 0256 0.9038 7墨図区 1. 1160 2.2250 2. 1440 1. 3070 2.2920 2.2140 2.0990 -0.6434 。目 12608江東区 0.9200 2.4960 2.4160 1. 2080 2.5640 2.4840 2.3380 -0.7606 0.0437 9品川区 0.9798 1. 1190 1. 1310 1. 0140 1. 1170 1. 1310 1. 1530 O. 7430 0.4570 10目黒区 0.8127 1.35<氾 1.3380 0.8867 1.2630 1. 2270 1. 1380 -0. 0377 0.3673 11大田区 0.8537 1. 1720 1. 1910 0.9024 1. 1930 1. 2250 1.2540 0.3622 0.4263 12世田谷区 0.8048 1. 7140 1. 7010 0.8182 1. 6330 1‘6130 1. 5090 -0. 0796 0.5015 13渋谷区 0.8677 0.9276 0.9493 0.9292 0.9540 0.9751 0.9839 0.2177 o. 7364 14中野区 0.8771 1.3590 1. 3630 1. 0190 1. 3480 1.3糾O 1. 3140 0.3354 0.5930 15杉並区 0.8169 1. 2770 1. 2690 0.8707 1.271∞ 1. 2630 1.2160 O. 1577 0.5762 16豊島区 1. 0890 1. 7540 1.7180 1. 1830 1. 7690 1. 7310 1.6590 0.3331 0.6749 17北区 1. 1370 1. 7790 1. 7300 1. 2210 1. 8300 1. 7820 1. 6960 O. 1375 0.7175 18荒川区 1.5030 1. 8450 1. 8290 1. 5790 1. 8750 1. 87∞ 1.8520 0.8124 0.9663 19仮橋区 0.9671 2.0190 1. 8980 1.0430 2.1910 2.0810 1. 8480 -0. 0918 0.4151 20練馬区 1∞10 1. 9140 1. 8730 1. 1830 1. 9830 1. 9570 1. 8680 0.0802 0.5604 21足立区 1. 1630 1. 9510 1.9150 1. 3540 2.0530 2.03∞ 1.9620 -0.6115 0.4199 22葛飾区 1. 2520 1. 7460 1. 7330 1. 5570 1. 7830 1.7740 1.7540 -0.3146 0.4460 23江戸川区 1. 2320 2. 1660 2. 1250 1.5670 2.2290 2. 19ω 2. 1310 -0. 7033 0.3093

MAX 1. 5030 2.4960 2.4160 1. 5790 2.5640 2.4840 2.3380 0.8124 0.9663 MIN 0.8048 0.9276 0.9493 0.8182 0.9540 0.9751 0.9839 -0.7606 0.0437 MEAN 1. 0446 1. 6667 1. 6348 1. 1581 1. 6934 1.6607 1. 5940 0.0558 0.5319

MAX-MIN 0.6982 1. 5684 1. 4667 o. 7608 1. 61∞ 1. 5089 1. 3541 1. 5730 0.9227 STD 0.1787 0.3951 0.3715 0.2203 0.4238 0.4023 0.3707 0.4353 0.2387

距離 距離 距離距w離z 距離

距W醸2 箆薩 距肩E 担躍

W2 W2 w2 W2 日'2 W2 W2 Al A2 A3 Bl B2 m Il I2

1千代田区 1. 1960 1. 4930 1. 4700 1. 2750 1.6130 1.5970 1.5540 1. 1050 0.8726

2中央区 1. 1970 1.9090 1. 8680 1. 3060 1目9380 1.8090 1.8280 0.3168 0.4040

3港区 1. 1170 0.9206 0.8645 1. 1710 1. 0890 1. 0390 0.99∞ 0.2065 0.4619

4新宿区 1. 0850 1. 7840 1. 7920 1. 1690 1. 7160 1.7090 1. 6560 1.04∞ 0.8038

5文京区 1. 0140 1∞90 1. 0220 1. 0140 1. 0380 1. 0660 1.0920 o. 7020 0.6981

6台東区 1. 2330 1. 7250 1. 6850 1. 2420 1. 7350 1.6890 1. 6210 0.0568 o. 7763 7墨田区 1目0280 1.9790 1.9190 1.21∞ 2.0380 1. 9840 1.8940 -0.3515 0.2911

8江東区 0.8766 2.2730 2.2190 1. 1570 2.3460 2.3000 2.1830 -0.5433 0.1711

9品川区 0.9604 1.∞30 1. 0120 0.9860 1. 0150 1. 0310 1. 0560 o. 7226 0.4765 10目黒区 1. 0870 1. 7280 1.7280 1. 1620 1.6570 1.6410 1.5690 0.3564 0.5669

11大田区 0.9116 1. 1550 1.1730 0.9523 1. 1840 1. 2190 1.2530 0.5385 0.6427

12世図谷区 1. 0890 2. 1830 2. 1790 1. 1450 2.0890 2.0780 1.9720 0.0668 0.6588 13渋谷区 1.1070 1. 3250 1.3450 1. 1720 1. 3420 1.3590 1. 3590 0.5282 0.8734

14中野区 1. 1090 1.6770 1.6740 1. 2520 1.6690 1. 6590 1. 6180 0.5437 o. 7698

15杉並区 1. 0750 1. 5890 1. 5760 1. 1350 1. 5890 1.5800 1. 5280 0.2629 o. 7220

16豊島区 1. 1510 1. 7330 1. 7030 1. 2510 1. 7800 1.7520 1. 6860 0.8970 0.7124

17北区 1.0770 1. 5730 1. 54∞ 1. 1270 1. 6330 1. 6060 1. 5450 0.3732 0.6697

18荒川区 1. 3150 1. 5920 1.5870 1. 3830 1. 6140 1. 6190 1. 6160 0.5987 0.9829

19板橋区 0.9884 1. 8760 1. 7820 1. 0590 2.0810 2.0080 1. 8080 0.0988 。.5010

20練馬区 1. 1030 1. 9010 1. 8720 1. 2960 1.9980 1.9890 1.9190 0.0945 o.ω98

21足立区 1.0750 1目8000 1. 7780 1. 2540 1.8980 1.8910 1. 84∞-0.5433 0.4396

22葛飾区 1. 1240 1. 7340 1.7180 1. 4480 1.7740 1. 7620 1. 7360 -0. 2968 0.4404

23江戸川区 1. 1030 2.0310 2.0030 1. 4430 2.0910 2.0720 2.0230 -0.7076 0.1816

MAX 1. 3150 2.2730 2.2190 1. 4480 2.3460 2.3∞o 2. 1830 1. 1050 0.9829

MIN 。.8766 0.9206 0.8645 0.9523 1. 0150 1. 0310 0.9900 -0.7076 0.1711

MEAN 1. 0879 1. 6519 1. 6308 1.2∞4 1. 6925 1. 6721 1. 6237 0.2637 0.5968

MAX-MIN 0.4384 1. 3524 1. 3545 0.4957 1. 3310 1.2690 1. 1930 1. 8126 0.8118

STD 0.0967 0.3565 0.3459 o. 1269 0.3543 。.3373 0.3044 0.4914 0.2120

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118 総合都市研究第64号 1997

表5 発地区ごとの距離パラメータ推定値 (AGE1)一発生制約型・競合着地・介在機会モデルの場合一

距離 距 距離 距離

日'1 Wl Wl 日吐 wl 日'1 日'1 日'1

Al A2 A3 B2 B3 Il I2 1千代田区 1.1070 1.5960 1. 5540 1. 1840 1. 6350 1.5920 1. 5250 0.5656 0.8811 2中央区 1.0970 1. 9140 1.8670 1.2090 1. 9100 1. 8580 1. 7780 -0. 2027 0.0914 3港区 1. 0130 1. 1600 1. 1270 1. 0710 1.2420 1. 1340 1.0230 -0.0297 0.4613 4新宿区 o. 7839 1.3060 1.3240 0.8544 1.2490 0.9075 1.2210 0.4899 0.5258 5文京区 0.9474 1.3380 1.3000 0.9622 1. 3400 1.3010 1. 2530 0.2301 0.6653 6台東区 1.3070 1.9920 1.9260 1.3320 2.0160 1. 9400 1目 8360 -0.0427 0.87自67墨田区 1. 0530 2.1960 2.1140 1. 2470 2.2590 2.1810 2.0640 -0.7379 。.06898江東区 0.8153 2.4590 2.3750 1. 1080 2.5210 2.4390 2.2880 -0.8656 -0.0456 9品川区 0.9192 1.0970 1. 1100 0.9550 1. 0940 1. 1090 1. 1310 o. 7076 0.4184 10目黒区 0.7515 1.3490 1. 3390 0.8133 1.2630 1. 2310 1. 1400 -0.0818 0.3153 11大田区 o. 7857 1.1670 1. 1870 0.8347 1.1890 0.9668 1. 2510 0.2279 0.2894 12世田谷区 0.7165 1.7870 1.7650 0.6959 1. 6860 1.6570 1. 5290 -0. 2575 0.4009 13渋谷区 o. 7826 0.8962 0.9137 0.8313 0.9214 0.9386 0.9393 0.2187 0.6225 14中野区 o. 7500 1. 3060 1. 3060 0.8785 1.2920 1. 2840 1. 2440 0.1859 0.4544 15杉並区 O. 7020 1. 2370 1. 2230 o. 7442 1.2250 1. 2130 1. 1560 0.0251 0.4513 16豊島区 0.9980 1.7160 1. 6750 1. 0840 1.7260 1.6840 1. 6050 0.1827 0.5895 17北区 1.0630 1.8130 1.7540 1.1190 1.8670 1.8070 1.7050 -0.0239 0.6215 18荒川区 1.4650 1. 8330 1. 8160 1.5410 1.8650 1.8590 1. 8380 0.7513 0.9255 19板橋区 o. 7990 1.9270 1.7930 0.8334 2.0810 1. 9580 1. 7050 -0. 3716 0.2445 20練馬区 0.8711 1. 8830 1. 8390 1.0250 1. 9460 1. 9160 1. 8180 -0. 1054 0.4458 21足立区 1.1050 1.9920 1. 9510 1.2870 2.0990 2.0700 1.9910 -0.7711 0.3327 22葛飾区 1. 1740 1. 7320 1. 7170 1. 4820 1. 7710 1. 7600 1. 7370 -0. 4315 0.3655 23江戸川区 1. 1060 2.1520 2.1050 1.4650 2.2150 2.1750 2.1060 -0.8947 o. 1769

MAX 1.4650 2.4590 2.3750 1.5410 2.5210 2.4390 2.2880 0.7513 0.9255 M別 O. 7020 0.8962 0.9137 0.6959 0.9214 0.9075 0.9393 -0.8947 -0.0456 MEAN 0.9614 1. 6456 1. 6122 1.0677 1. 6701 1.6079 1. 5601 -0. 0535 0.4427 MAX-MIN O. 7630 1.5628 1. 4613 0.8451 1. 5996 1. 5315 1. 3487 1. 6460 0.9711 STD

W2 日'2 w2 日'2 w2 A3 B2 B3 Il n

1千代田区 1. 1720 1.4760 1. 4530 1.2500 1.5930 1. 5780 1. 5340 1.0810 0.8480

2中央区 1. 1270 1. 8820 1. 8390 1.2400 1.9070 1. 8670 1.7920 0.2288 0.3348 3港区 1.0630 0.8948 0.8386 1. 1160 1. 0590 1.0080 0.9584 o. 1803 0.4166 4新宿区 0.9808 1.6860 1.6870 1. 0580 1. 6300 1. 6190 1. 5600 0.9843 0.6954 5文京区 0.9192 0.9996 1. 0040 0.9161 1.0270 1.0460 1. 0590 0.5575 0.6076 B台東区 1. 2100 1.7110 1.6710 1. 2200 1. 7210 1.6750 1. 6060 0.0417 o. 7559 7墨田区 0.9678 1. 9560 1. 8960 1. 1530 2.0110 1.9570 1.8650 -0.4454 0.2382 8江東区 o. 7775 2.2460 2.1890 1. 0590 2.3100 2.2620 2.1420 -0.6455 0.0917 9品川区 0.9071 0.9884 0.9994 0.9317 0.9980 1. 0160 1.0420 o. 7021 0.4474 10目黒区 1. 0170 1.7100 1.7120 1. 0840 1. 6410 1.6270 1.5520 0.2987 0.5081 11大田区 0.8432 1.1510 1.1700 0.8828 1. 1790 1. 2160 1. 2490 0.4090 0.5036 12世田谷区 0.9889 2.2210 2.2090 1. 0200 2. 1090 2.0890 1. 9620 -0. 1023 0.5539 13渋谷区 1. 0190 1. 2850 1.3020 1.0770 1. 3010 1. 3150 1. 3080 0.5289 o. 7606 14中野区 0.9743 1. 6130 1. 6060 1. 1100 1.6020 1. 5880 1. 5390 0.3905 0.6257 15杉並区 0.9485 1.5300 1.5120 1.0020 1.5250 1.5110 1. 4510 0.1313 0.5895 16豊島区 1. 0600 1.6990 1.6640 1.1510 1. 7390 1.7070 1. 6340 。.7275 0.6322 17北区 1.0070 1.6200 1.5770 1.0250 1.6820 1.6450 1.5660 o. 1927 0.5830 18荒川区 1. 2820 1. 5860 1. 5800 1. 3490 1. 6090 1. 6140 1. 6080 0.5509 0.9458 19板橋区 0.8295 1.8120 1. 7060 0.8553 1.9920 1. 9040 1. 6830 -0. 1505 0.3388 20練馬区 0.9667 1.8680 1. 8360 1. 1290 1.9540 1. 9410 1. 8620 -0. 0852 0.4972 21足立区 1.0270 1.8530 1.8260 1. 1980 1. 9550 1. 9440 1. 8820 -0. 6872 0.3602 22葛飾区 1. 0590 1.7390 1.7200 1.3850 1. 7810 1.7660 1.7360 -0.4007 0.3709 23江戸川区 0.9956 2.0510 2.0180 1. 3570 2.1110 2.0860 2.0300 -0町 8946 0.0602

MAX 1. 2820 2.2460 2.2090 1.3850 2.3100 2.2620 2. 1420 1. 0810 0.9458

MIN o. 7775 0.8948 0.8386 0.8553 0.9980 1. 0080 0.9584 -0.8946 0.0602

MEAN 1.0062 1.6338 1. 6093 1. 1117 1.6711 1.6513 1.5922 o. 1563 0.5115

MAX-MIN 0.5045 1. 3512 1.3704 0.5297 1. 3120 1. 2540 1.1836 1.9756 0.8856

STD 0.1152 0.3601 0.3487 o. 1435 0.3556 0.3402 0.3057 0.5163 0.2166

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小森谷・杉浦・矢野:空間的相互作用モデルによる東京大都市圏における市区間人口移動の分析 119

表6 発地区ごとの距離パラメータ推定値 (AGE2)一発生制約型・競合着地・介在機会モデルの場合一

距離 距離 距離 距離 距離 距離 距離 距離 距離w1 W1 w1 W1 日'1 日'1 w1 W1 w1

A1 A2 A3 B1 B2 B3 I1 12

1千代田区 1. 1610 1.6390 1. 5980 1. 2410 1.6800 1. 6370 1.5710 0.6076 0.9455 2中央区 1. 2560 1.9660 1. 9260 1. 3560 1目9640 1.9190 1.8500 -0.0288 0.2581 3港区 1. 1580 1.2550 1. 1660 1. 2160 1.3410 1. 2320 1.1220 0.0576 0.5957 4新宿区 0.9883 1. 4610 1. 5030 1. 0760 1. 3840 1. 4030 1.3930 0.5811 o. 7558 5文京区 1.1680 1.4020 1. 3820 1. 1840 1. 4030 1.3810 1.3570 0.5487 0.8972 6台東区 1. 3690 2.0390 1.9720 1. 3930 2.0630 1.9860 1. 8830 0.0029 0.9460 7墨田区 1. 2060 2.2650 2.1860 1.3920 2.3370 2.2600 2.1480 -0.5060 0.2095 B江東区 1. 0830 2.5480 2.4730 1. 3640 2.6260 2.5490 2.4110 -0.5875 o. 1867 9品川区 1.0510 1. 1450 1. 1550 1. 0820 1.1440 1. 1560 .1. 1760 o. 7794 0.5039 10目黒区 0.8881 1. 3420 1.3270 0.9756 1. 2530 1. 2130 1. 1240 0.0145 0.4352 11大田区 0.9410 1. 1760 1. 1930 0.9872 1. 1940 1.2240 1.2540 0.5414 0.6197 12世田谷区 0.9139 1.6100 1. 6060 0.9648 1.5560 1. 5470 1.4720 0.1378 0.6299 13渋谷区 0.9605 0.9472 0.9740 1. 0350 0.9769 1. 0030 1. 0220 0.2128 0.8721 14中野区 0.9969 1. 3940 1. 4040 1. 1490 1.3870 1. 3890 1.3690 0.4735 o. 7343 15杉並区 0.9415 1. 3080 1. 3070 1.0040 1. 3080 1. 1200 1.2730 0.2986 0.7150 16豊島区 1. 1870 1.7920 1. 7600 1. 2880 1.8090 1.7760 1.7120 0.5066 o. 7750 17北区 1. 2400 1. 7350 1. 7000 1. 3660 1.7790 1.7440 1. 6810 0.3689 0.8560 18荒川区 1.5570 1.8610 1. 8480 1.6320 1.8900 1.8870 1.8720 0.8966 1. 0280 19板績区 1. 1950 2.1150 2.0140 1.3270 2.3030 2.2130 2.0130 0.2801 0.6543 20練篤区 1.1800 1. 9490 1. 9130 1. 4000 2.0270 2.0060 1. 9280 0.3264 o. 7264 21足立区 1.2600 1. 8910 1.8650 1.4670 1.9850 1.9700 1. 9190 -0. 3490 。.563122葛飾区 1.3700 1.7700 1. 7610 1. 6690 1. 8020 1.7970 1. 7820 -0. 1394 0.5683 23江戸川区 1.4150 2.1830 2.1500 1. 7130 2.2420 2.2150 2.1630 -0.4158 0.5034

MAX 1.5570 2.5480 2.4730 1. 7130 2.6260 2.5490 2.4110 0.8966 1. 0280 MIN 0.8881 0.9472 0.9740 0.9648 0.9769 1. 0030 1.0220 -0.5875 0.1867 MEAN 1.1516 1.6867 1.6601 1.2731 1. 7154 1. 6794 1. 6302 0.2003 0.6513 MAX-MIN 0.6689 1. 6008 1. 4990 o. 7482 1.6491 1. 5460 1. 3890 1. 4841 0.8413 STO o. 1723 0.3981 0.3749 0.2173 0.4297 0.4179 0.3771 。.3991 0.2269

距W離2 距W離2 距W離2 距離 距離 距離 距離 距躍 距離

w2 W2 W2 w2 w2 W2 A1 A2 A3 Bl B2 B3 I1 12

1千代田区 1. 2260 1. 5130 1. 4900 1.3070 1.6360 1.6210 1. 5780 1.1350 0.9040 2中央区 1. 2940 1. 9440 1. 9060 1. 3960 1.9760 1. 9410 1.8750 0.4423 0.5035 3港区 1.1980、 0.9567 0.9011 1. 2530 1.1320 1. 0820 1. 0350 0.2463 0.5314 4新宿区 1. 1960 1.8730 1. 8890 1.2830 1.7950 1. 7930 1.7480 1. 0960 0.9242 5文京区 1. 1220 1. 0130 1.0370 1. 1240 1. 0400 1. 0800 1.1240 0.8679 0.8028 6台東区 1. 2690 1.7480 1. 7080 1.2790 1目7580 1. 7110 1. 6440 。目 0822 0.8106 7墨田区 1. 1160 2.0090 1. 9520 1.2920 2.0730 2.0210 1. 9330 -0. 2131 0.3694 8江東区 1. 0350 2.3110 2.2620 1. 3120 2.3960 2.3540 2.2460 -0.3702 0.3008 9品川区 1. 0230 1.0190 1.0250 1.0490 1. 0330 1. 0470 1. 0690 o. 7406 0.5123 10目黒区 1.1770 1.7400 1.7380 1. 2580 1.6710 1.6520 1. 5820 0.4278 0.6457 11大田区 1. 0000 1. 1600 1. 1740 1. 0390 1. 1880 1. 2180 1. 2520 o. 7097 。.840612世田谷区 1.2160 2.1280 2. 1320 1.2970 2.0580 2.0590 1. 98∞ 0.2768 。.796013渋谷区 1. 2020 1.3560 1. 3800 1.2740 1.3780 1.3990 1. 4060 0.5224 1. 0100 14中野区 1. 2380 1.7240 1.7250 1. 3840 1.7210 1. 7150 1.6830 0.6885 0.9186 15杉並区 1. 2140 1. 6450 1.6370 1.2780 1.6520 1.6480 1. 6060 0.4044 。.872616豊島区 1. 2500 1.7640 1.7380 1. 3580 1. 8170 1.7940 1. 7360 1. 0910 0.8067 17北区 1. 1740 1.5070 1.4870 1.2730 1. 5610 1. 5480 1. 5110 0.6364 o. 7932 18荒川区 1.3620 1. 5990 1. 5960 1. 4310 1. 6190 1.6260 1.6260 0.6648 1. 0390

19板橋区 1. 2040 1.9240 1. 8510 1.3370 2. 1570 2. 1070 1. 9430 0.4338 o. 7276

20練馬区 1.2930 1. 9390 1.9140 1. 5290 2.0510 2.0480 1. 9900 0.3334 0.7741 21足立区 1. 1560 1. 7180 1.7040 1.3480 1.8070 1. 8080 1. 7720 -0. 3022 0.5699 22葛飾区 1. 2250 1.7280 1. 7160 1. 5450 1.7660 1. 7590 1. 7380 -0. 1371 0.5468 23江戸川区 1.2630 1.9980 1.9790 1.5680 2.0570 2.0470 2.0110 -0.4212 0.3610

MAX 1.3620 2.3110 2.2620 1. 5680 2.3960 2.3540 2.2460 1.1350 1.0390

MIN 1. 0000 0.9567 0.9011 1. 0390 1. 0330 1. 0470 1. 0350 -0. 4212 0.3008

MEAN 1. 1936 1.6659 1.6496 1. 3137 1. 7105 1.6990 1. 6560 0.4068 0.7113

MAX-MIN 0.3620 1.3543 1. 3609 0.5290 1.3630 1. 3070 1. 2110 1.5562 o. 7382

STD 0.0865 0.3553 0.3460 0.1301 0.3569 0.3435 0.3099 0.4534 0.2069

Page 12: 空間的相互作用モデルによる東京大都市圏における 市区間人 …小森谷・杉浦・矢野:空間的相互作用モデルによる東京大都市圏における市区間人口移動の分析

120 総合都市研究第64号 1997

o 5 10 km 』園田ー

臨璽誼 m+s:a ~m孟 <m+s 区三ヨm-a話 <m 亡=コくm-s

図4 発生制約型モデル(総流入人口)の距離パラメータの分布

臨露題 m+s:a ~ m:a <m+s Eヨm-s:a<m 仁二コくm-s

図5 発生制約型モデル(夜間人口)の距離パラメータの分布

台東・荒川区から葛飾・江戸川区方向へのセクター

状の大きな距離パラメータ値を示す地域と、世田

谷区を中心とした西部での小さな距離パラメータ

値を示すセクター状の地域が確認された。さらに、

アクセシピリティを加えた場合には通常モデルと

似たような傾向がみられ、介在機会を加えた場合

にはセクター状分布パターンが若干緩和されてい

る。

また、距離パラメータ値の発地区ごとのバラツ

キに関しては、説明変数の数を増やすことにより

緩和されるわけではなく、むしろ通常のモデルに

おいて、そのバラツキは小さいという結果が得ら

れた。特に、介在機会を加えたときには、約半数

の地区でしか距離パラメータ値はマイナスの値を

示していない。これらのことから、通常モデルに

本稿で採用した説明変数を新たに加えても、距離

パラメータ値のセクター状の分布やそのバラツキ

が十分緩和されたとはいいがたいことがわかった。

この結果は、 Fotheringham(1983a)が、アメ

リカの上位100都市聞の航空機旅客流動を対象に、

通常モデルで推定された距離パラメータ分布とア

クセシピリティ分布が調和的であったことから、

そのアクセシピリティを通常モデルに取り込み、

競合着地モデルを構築した際に得られた結果とは

異なるものである。

最後に、式(6)で表わされる残差(図略)につい

てふれる。各モデルの発地区ごとに求められた残

差の平均および標準偏差は、当然のことながら適

合度の高いモデルほどOに近づく傾向にある。通

常モデルにおいて、推定値が観察値より大きくな

る負の残差は、 AGE1の発地区周辺に位置する

着地区にみられ、推定値が観察値より小さくなる

正の残差は、 AGE1の外側の特定の方向に位置

する着地区に多くみられた。全体としては AGE1

よりは ALL、ALLよりは AGE2の方が、残差

のバラツキは小さい傾向にあった。通常モデルに

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小森谷・杉浦・矢野:空間的相互作用モデルによる東京大都市圏における市区間人口移動の分析 121

臨彊盟 m+s:ii ~m:íiくm+s E ヨm-s謡くm 亡二コくm-s

図6 競合着地モデル(アクセシピリティA1)の距離パラメータの分布

臨麗盟 m+a孟 ~m孟 <m+s c:Jm-a話 <m 仁二コくm-s

図7 簸合着地モデル(アクセシビリティB2)の距離パラメータの分布

毘盤調 m+s謡 ~m:åくm+s C:J m-a:aくm C::二コくm-s

図8 介在機会モデル(介在機会/1)の距離パラメータの分布

みられたこれらの傾向は、 3番目の説明変数とし

てアクセシピリティないしは介在機会を加えても

緩和されることはなかった。

キャリプレーション後には、 3番目の説明変数

として通常モデルに加えられた、アクセシピリテイ

ないしは介在機会に関するパラメータも推定され

る。本稿では、距離パラメータ値に焦点を当てて

いるので、それらを詳細に検討することはしない

が、ここで若干の考察を加えることにする。

Fotheringham (1983b)によると、アクセシピ

リテイに関するパラメータ推定値が、マイナスの

値を示すときには競合効果が、プラスの値を示す

ときには集積効果が作用しているとされる。本稿

においては、アクセシピリティに関するパラメー

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122 総合都市研究第64号 1997

タ推定値は、おおむねマイナスの値を示しており、

着地区間の競合効果が作用していることがわかる。

また、介在機会に関するパラメータ推定値も、ほ

とんどマイナスの値を示している。このことと、

前述の介在機会を加えたときの距離パラメータ値

の変化を併せて考えると、介在機会を加えたモデ

ルでは、介在機会が地区間距離の果すべき距離逓

減効果の役割の一部をになっていると推察される。

3.セクタ一成分を取り入れたモデルに

よる分析

3. 1 セクタ一成分の変数化

東京大都市圏内部の市区間人口移動にみられる

セクタ一成分を変数化するに当り、本稿では

Flowerdew and Lovett (1988)伺様、離散的な

セクタ一方向を示すダミー変数を用いることにす

る。 Flowerdewand Lovett (1988) は、着地区

エデインパラに対する各発地区の方角を識別する

ために、北にあれば1、西にあれば2、南にあれ

ば3 (対象着地区としたエテーィンパラはスコット

ランド東部の海岸に位置し、東には対象発地区が

存在しないため、東は除かれる)という値を与え

た。 GLIMパッケージにおいて、キャリブレーショ

ン後に得られるこれらのダミー変数のパラメータ

は、最初のダミー変数(この場合は北)にかかる

パラメータの推定値を Oとした相対的な値として

算出される。

それに対し、本稿では、セクターを表わすダミー

変数を次のように定義した。まず、東京50km圏

の中心である千代田区役所 (0) と発地区役所

(A)を結んだ直線を基準線とする(図 9)。そし

て、発地区役所から外側に延びる基準線 AO'と、

発地区役所を基点とした直線 ABおよびAB'と

がなす角度どBAO'、ζO'AB'をともに 0とする。

本稿における離散的なセクタ一方向を表わすダミー

変数は、この 0の値を15'~90' まで15。おきに変

化させ、それぞれを 81(8=15')、82( 8 =

30')、83(8=45')、84( 8 =60' )、 85(8 =

75' )、 86(8 =90')とし、ダミー変数の値は、

B

0'

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4‘ O

A B'

企:セクター・ダミー変数=1を与える着地区I!I.セクター・ダミー変数=2を与える着地区

図9 セクター・ダミー変数の定義

どBAB'の範囲内にはいる着地区には l、それ以

外の着地区には 2を与えた。ただし、発地区が千

代田区の場合は、 OとAが重なるため、東の方

角を基準線AO'と仮定した。

3. 2 モデルの適用結果

ここでは、通常の発生制約型モデルに 3番目の

説明変数として、前節で定義された離散的なダミー

変数を加えたモデルを特定し、そのキャリプレー

ション結果について考察を加える。

得られた逸脱度を、 ALL、AGE1、AGE2そ

れぞれについてモデルごとに示したのが、表 7~

9である。通常モデルに 3番目の説明変数として

アクセシピリティないしは介在機会を加えた場合

の逸脱度と、セクターを識別する離散的ダミー変

数を加えた場合の逸脱度とを比較すると、次の点

を指摘できる。 3番目の説明変数として最も適合

度が高かったのは、 ALLではアクセシピリテイ

で5地区、介在機会で9地区、セクター・ダミー

変数で 9地区であり、 AGE1では順に 3・9・

11地区、 AGE2では順に 4・10・9地区である。

東京都区部の北よりに位置する発地区ではセクター・

ダミー変数を、阿南よりに位置する発地区では介

在機会を加えた場合に、適合度が高くなる傾向に

ある。また、セクター・ダミー変数の中では 83

( 8 =45')を加えた場合に適合度が特に高くなる。

これは、東京大都市圏内の鉄道網が東京都区部の

中心地域から放射状に延びており、そこからの人

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小森谷・杉浦・矢野:空間的相互作用モデルによる東京大都市圏における市区間人口移動の分析 123

表7 発地区ごとの逸脱度 (ALL)ーセクター・モデルの場合一

1千代田区2中央区3港区

4新宿区5文京区6台東区7墨田区8江東区9品川区10目黒区11大田区12世田谷区13渋谷区14中野区15杉並区16豊島区17北区18荒川区19板橋区20練馬区21足立区22葛飾区23江戸川阪

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1千代田区2中央区3港区4新宿区5文京区6台東区7曇回区8江東区9品川区10目黒区11大田区12世田谷区13渋谷区14中野区15杉並区16豊島区17北区18荒川区19板橋区20練馬区21足立区22葛飾区23江戸川区

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口移動がその鉄道網に沿ってなされていることを

示している。そして、東京都区部中心地域から西

部にかけての発地区では、セクタ一方向を表わす

角度が45。以下、東部では60.以上の場合に適合度

が高い。これは、東京50km圏の中心に東京湾が

存在することの影響を受けていると考えられる。

距離パラメータをモデルごとに示したのが、表

10~12である。また、魅力度を総流入人口および

夜間人口とし、 3番目の説明変数にセクター・ダ

ミー変数S2(8=30.).S3(θ=45・). S6 (θ=

90. )を取り込んだモデルのキャリプレーション

の結果得られた距離パラメータ値の分布を、その

平均と標準偏差を用いて表わしたのが、図1O~15

である。魅力度を総流入人口とした場合、セクター・

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124 総合都市研究第64号 1997

表 8 発地区ごとの逸脱度 (AGE1)ーセクター・モデルの場合一

距敵 距敵 距離 距敵 距離 距離

W1 w1 W1 w1 w1 日司

81 82 s3 s4 85 86 1千代田区 258.6 266.4 253.2 276.0 279. 7 258.9 2中央区 1613.9 1598.9 1568.0 1116.0 1008.5 980. 70 3港区 1434.0 1540.3 1604.2 1555.4 1346.0 1337.0 4新宿区 1668.5 1493.6 1286.0 1522.3 1751.5 1919.8 5文京区 1224.2 1118.5 914.5 727.9 763.6 681.1 6台東区 2381.1 2376.9 1269.8 1279.0 1272.5 1392.5 7墨田区 4261.2 4090.0 3017.9 2865. 4 2588. 3 774.0 8江東区 8160.0 8037.0 7313.0 5620.4 2581.4 2510.8 9品川区 1598.5 1609.0 1577.0 1524.0 1465.3 1450.0 10目黒区 2711.5 2529.5 2570.9 2538.2 2366.2 2122.8 11大田区 3933. 2 3750. 0 3516.0 2661.3 2525.6 2341.1 12世田谷区 6574.2 4750.8 4246.6 4711.4 5133.5 5261.8 13渋谷区 1600.6 1523.2 1548.8 1605.9 1544.1 1551.9 14中野区 2370.4 2232.7 1903.4 1382.3 1796.2 2126.7 15杉並区 3836.3 3278.5 3005.6 2864.2 3117.8 3739.3 16豊島区 2125.5 1525.8 1517.4 1563.1 1616.6 2052.8 17北区 3082. 4 2458. 7 2063.5 2126.3 2021. 1 1920.3 18荒川区 1597.4 1319.9 1098.8 1096. 7 1199.1 1156.7 19板橋区 8634.0 6855.0 4939.2 5485.2 6261.1 6347.1 20練馬区 8167.0 5342.9 4650. 7 5602. 6 6413. 3 7171.7 21足立区 12098.0 11645.0 7078.8 4552. 1 5415.5 5221. 3 22葛飾区 11111.0 11114.0 8509.0 9834.0 8598.0 8696.0 23江戸川区 7217.2 6782. 2 5910. 1 6011.2 5595.6 5189.3

距離 距離 距雌 距厳 距離 距離

W2 w2 w2 W2 w2 w2 81 82 83 s4 85 86

1千代田区 483.5 492.9 490.6 504.9 502.1 506.2 2中央区 1448.0 1438.1 1424. 1 1095.6 971.6 969. 7 3港区 2756.4 2904.7 2929.3 2873.4 2558.2 2360.2 4新宿区 2577. 9 2333.5 2041. 8 2153.2 2495.4 2768.5 5文京区 1561.5 1530.9 1404.0 1262.9 1329.5 1288.8 6台東区 1925.0 1944‘5 1148.1 1151.4 1183.8 1350.4 7墨田区 3485. 3 3303. 1 2550.4 2402.2 2382.6 709.4 8江東区 7299. 7 7129.2 6390.4 4610.9 2079.1 2021.6 9品川区 2216.3 2224.6 2250.0 2256.0 2240.4 2206.1 10目黒区 3441.0 3187.2 3289.4 3292.6 3251.2 2852.7 11太田区 4680.4 4585.0 4527.5 3744. 6 3597. 3 3362.0 12 1!t図谷区 9538.0 7575.9 7070.4 7477.8 8133.8 8459.7 13渋谷区 2736.9 2569.3 2601. 7 2767. 1 2608. 7 2604.3 14中野区 3649. 4 3498. 9 2946. 1 2329.8 2810.4 3093. 1 15杉並区 6427.2 6005.3 5601.9 5179.5 5282.2 6006.7 16豊島区 2381.8 1915.3 2034.8 2117.7 2242目o 2347.9 17北区 3061. 4 2488. 3 2102.7 2108.3 1971.7 1665.2 18荒川区 1249.8 1124.8 923.2 973.0 1034. 7 1021. 9 19板橋区 9465.0 7838.2 6∞4.2 6802.3 7442. 7 7203.8 20練馬区 9652.0 7363.7 6187.4 7172.3 7881.8 8463.8 21足立区 11419.0 10951.0 6178.9 4215.3 4976.1 5029.4 22葛飾区 9780.0 9702.0 6804.9 7470.5 6572.6 6696. 7 23江戸川区 6508.5 5887.9 5520.1 5698. 9 5201 . 3 4802.3

ダミー変数を加えることにより、通常モデルで得

られた距離パラメータのバラツキはある程度緩和

されたものの、その分布には依然としてセクター

状のパターンがみられる。しかし、魅力度を夜間

人口とした場合、 ALL、AGE1、AGE2すべて

において、距離パラメータ値のバラツキは緩和さ

れ、その標準偏差も、本稿で実行したモデルのな

かでは、 82および83を取り入れた場合に最も

低い値を示した。そして、通常モデルでみられた

セクター状の距離パラメータ分布パターンも、こ

れらのセクター・ダミー変数、特に82を取り入

れたモデルにおいては解消され、距離パラメータ

値が多少ともランダムに分布する傾向がみられた。

したがって、セクター・ダミー変数82( 8 =

30・)を取り込んだモデルにおいて、本稿の目的

である、通常モデルにみられる距離パラメータの

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小森谷・杉浦・矢野:空間的相互作用モデルによる東京大都市圏における市区間人口移動の分析 125

表9 発地区ごとの逸脱度 (AGE2)ーセクター・モデルの場合一

距離 距離 距隊 箆酸 距離 距離

w1 w1 w1 W1 w1 w1 S1 S2 s3 S4 S5 S6

1千代田区 201.0 207.7 197.7 214.5 216.9 200.8 2中央区 1172.9 1162.6 1147.1 774. 7 734.6 696.2 3港区 998.5 1078.0 1136.5 1108.5 963.6 947.1 4新宿区 1731. 4 1595.7 1363.3 1591. 6 1802.0 1951.0 5文京区 1074.4 1012.6 796.6 754.0 756.6 687.2 6台東区 1416.5 1407. 1 745.8 751. 4 755.4 838. 7 7墨田区 2816.9 2740.5 2044.0 1959. 1 1737.5 552.4 s江東区 4890.6 4841.6 4604.1 3953.5 1665.6 1738.1 9品川区 1179目 2 1186.6 1183.7 1182.4 1165.2 1178.7 10目黒区 2259.9 2218.7 2244.3 2235.0 2105.6 1927.0 11 ;):;.国区 1773.7 1756.9 1691.9 1399.4 1316.0 1315.0 12世田谷区 4316.5 3355.4 3443.6 3742.9 3994.5 4062.6 13渋谷区 1764.1 1742.2 1760.7 1774. 2 1748. 0 1723.6 14中野区 2504.6 2423.6 2324.0 1655.0 2057.1 2373.3 15杉並区 3433.8 3168.4 2974.9 2956.6 3187.5 3750.3 16豊島区 1859.6 1392.7 1518.4 1423.4 1327.3 1688.1 17北区 1738.2 1602.9 1477. 9 1513.9 1485.1 1176.2 18荒川区 952.4 826.3 724. 1 701.8 781.8 753.6 19板橋区 4892目 9 4152.7 3347.4 3873.1 4041.1 3270.3 20練馬区 5002.1 3653.5 2978. 2 3398. 1 3966.3 4345.1 21足立区 5279. 9 5287.3 3800.4 2073.4 2564.1 2885. 7 22葛飾区 6942.1 6933.3 5744.3 6875.5 6462.8 6504.6 23江戸川区 4640.0 4466.9 4157.7 4193.7 4120.0 3968.8

距磁 距離 距雌 距離 距雌 距離

w2 w2 w2 日'2 W2 w2 sl S2 s3 s4 S5 S6

1千代田区 377. 5 384.4 383.0 389.2 386.3 391.7 2中央区 1010.9 1003.3 998.2 733. 7 675.4 661.2 3港区 1964.2 2076.1 2103.6 2071.2 1850.6 1691.3 4新宿区 2291.8 2085. 1 1765.4 1902.6 2222. 7 2496. 8 5文京区 1424. 1 1431.9 1303.4 1264.4 1299.9 1281.5 6台東区 1124.6 1131. 8 667.0 669.8 694.4 802.1 7墨田区 2202.9 2121. 1 1654.1 1572.2 1548.1 469. 1 8江東区 4097.9 4027.0 3786.3 3099.3 1186.9 1256.2 9品川区 1610.5 1606.6 1644.4 1697.2 1727.0 1734.1 10目黒区 2604.4 2522.9 2582.4 2585.5 2541.0 2279.0 11太田区 2371.9 2367.5 2367.4 2153.5 2081.2 2039.2 12世田谷区 6448.2 5339.8 5466.9 5711.5 6088. 0 6250. 3 13渋谷区 2660.0 2582.7 2617.5 2705.4 2586.0 2522.8 14中野区 3432.2 3322.3 3061.7 2278.8 2745.7 3034.2 15杉並区 5332.6 5187.7 4876.5 4624.6 4726.2 5411.2 16豊島区 2048.9 1693.4 1910.8 1867.3 1890.6 1935.6 17北区 1731. 9 1627.1 1522.6 1537.5 1502.8 1133.7 18荒川区 720.8 682.2 594.4 605.0 653.3 644.1 19板橋区 5581.6 4924.8 4154.3 4788.1 4902.9 4018.6 20練馬区 6288.0 5253.5 4316.5 4761.1 5261.2 5536.0 21足立区 4727.5 4737.8 3137.0 1712.4 2131.2 2609.8 22葛飾区 5662.3 5609.6 4242.9 5051.8 4779. 1 4828.2 23江戸川区 4103.2 3857.1 3768.8 3834. 2 3729. 1 3576.3

顕著な空間的パターンの解消とそのバラツキの緩

和が達成されたことになる。

ある程度緩和されている。そして、残差の平均お

よび標準偏差については、適合度の高いモデルほ

どOに近いという当然の結果が得られた。最後に、モデルごとに求められた各発地区の残

差分布(図略)は、 3番目の説明変数としてアク

セシピリティないしは介在機会を加えた前章の結

果と比較すると、 AGElの発地区周辺に位置する

着地区にみられた負の残差と、外側の特定方向に

位置する着地区にみられた正の残差という傾向は、

3. 3 小結

以上、通常の発生制約型モデルに 3番目の説明

変数としてアクセシピリティないしは介在機会、

そして離散的セクタ一方向を表わすセクター・ダ

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126 総合都市研究第64号 1997

表10 発地区ごとの距離パラメータ推定値 (ALL)ーセクター・モデルの場合一

距w1離 距W離1 距W雌1 距W雌1 距Wm1 距W磁l

51 m 部 84 ごあ Eお1千代田区 1.1440 1.1240 1.1380 1. 1160 1.1180 1.1020 2中央区 1.1640 1. 1770 1. 2020 1. 1670 1.2770 1.3150 3港区 1.0220 1.0720 1.1020 1. 1260 1.1520 1.1930 4新宿区 0.8273 O. 8372 O. 8538 0.8885 0.9107 0.8854 5文京区 1.0510 1. 0630 1.0600 0.9900 0.9977 0.9887 6台東区 1. 2910 1. 2900 1.2190 1. 2850 1.3380 1.2230 7墨田区 1.0790 1. 1120 1.1420 1. 1650 1. 1300 0.9948 8江東区 0.9894 1.0020 1.0440 1. 1470 1.1900 1. 2890 9品川区 0.8824 。.9163 0.9209 0.9160 0.9071 0.9156 10目黒区 0.8228 0.8317 0.8352 0.8400 0.8558 0.8512 11大田区 0.8534 0.8425 0.8500 0.8743 0.8860 0.8860 12世田谷区 0.8197 0.8656 0.8409 0.8599 0.8679 0.8703 13渋谷区 0.8661 0.8792 0.8818 0.8639 0.8666 0.8744 14中野区 0.8705 0.8655 0.8057 0.8067 0.8545 0.8951 15杉並区 o. 7695 O. 7392 O. 7728 0.8207 0.8586 0.8937 16豊島区 1.1150 1.0560 1.0570 1.0220 0.9849 1. 0190 17北区 1.0660 1.0460 1.0670 1. 0850 1. 1080 1.0930 18荒川区 1. 5070 1.3390 1.3210 1.3210 1.3900 1.4230 19板橋区 1.0070 1.0380 1.0900 1.0500 1.0660 1.0770 20練馬区 0.9826 0.8709 0.9586 1.0380 1.0840 1. 1430 21足立区 1.1690 1.1470 1.0860 1.08'ω 1.1570 1.2620 22葛飾区 1. 3310 1. 3420 1.4330 1.0750 1.1890 1.2080 23江戸川区 1. 1550 1.1810 1.2740 1.3250 1.3530 1.3770

MAX 1.5070 1.3420 1.4330 1.3250 1. 3900 1.4230 MIN O. 7695 。.7392 O. 7728 0.8067 0.8545 0.8512 MEAN 1.0341 1.0277 1.0415 1.0375 1. 0670 1.0774 MAX-MIN O. 7375 0.6028 0.6602 0.5183 0.5355 0.5718 STD O. 1829 0.1681 O. 1746 O. 1555 。目 1700 0.1771

距離 距離 距雌 距厳毘W厳2 距W艦2

w2 W2 w2 w2 51 E沼 島田 s4 昂 Eお

1千代田区 1.1950 1.1880 1. 1950 1.2020 1.2040 1. 1970 2中央区 1.1970 1.2090 1. 2270 1.2000 1. 2940 1.3240 3港区 1. 0900 1.1280 1.1460 1.1640 1.2060 1. 2610 4新宿区 1.0030 1.0220 1.0440 1.0680 1.1130 1. 0800 5文京区 1.0120 1. 0220 1. 0250 0.9862 0.9939 0.9753 6台東区 1.2070 1. 2090 1. 1380 1. 1900 1.2410 1.1450 7墨田区 0.9815 1. 0050 1. 0410 1.0590 1.0320 0.9244 8江東区 0.9322 0.9539 1. 0010 1.1110 1. 1260 1.2280 9 晶 III~ 1.0780 1. 0470 1. 0100 0.9770 0.9601 。.948510目黒区 1. 1020 1. 1180 1.1200 1.1240 1.1310 1.1200 11大田区 0.9123 0.9088 0.9132 0.9294 0.9375 0.9418 12世田谷区 1.0950 1.1460 1.1250 1.1680 1.1880 1.1940 13渋谷区 1.0870 1. 1060 1. 1190 1.0940 1.0920 1.1050 14中野区 1.1230 1.1270 1.0340 1.0360 1.0950 1.1340 15杉並区 1.0580 1.0370 1. 0610 1.1070 1.1510 1.1860 16豊島区 1. 1850 1.1340 1. 1390 1. 1100 1.0770 1.0770 17北区 1目0280 1. 0080 1. 0220 1.0330 1.0500 1.0300 18荒川区 1.3120 1.2030 1. 1710 1. 1840 1.2330 1.2670 19板橋区 1. 0280 1.0630 1.1180 1.0770 1. 0860 1.1040 20練馬区 1. 0950 1. 0150 1. 0980 1. 1750 1. 2110 1.2650 21足立区 1.0720 1.0530 0.9803 0.9808 1.0470 1. 1770 22葛飾区 1. 1930 1. 2000 1. 2740 0.9155 1.1130 1. 1400 23江戸川区 1.0090 1. 0160 1. 1780 1. 2300 1.2520 1.2750

MAX 1. 3120 1.2090 1.2740 1. 2300 1. 2940 1.3240

MIN 0.9123 0.9088 0.9132 0.9155 0.9375 0.9244

MEAN 1.0867 1. 0834 1.0948 1.0922 1. 1232 1. 1347

MAX-MIN 0.3997 0.3002 0.3608 0.3145 0.3565 0.3996 STD 。.0941 0.0842 0.0845 0.0893 0.0934 0.1118

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小森谷・杉浦・矢野:空間的相互作用モデルによる東京大都市圏における市区間人口移動の分析 127

表11 発地区ごとの距離パラメータ推定値 (AGE1)ーセクター・モデルの場合一

距W離1 距W雌l 距厳

距W離1 距W離l 距W雌l w1

51 m m 84 部 Eお1千代田区 1.1200 1.1000 1. 1140 1.0910 1. 0940 1.0780 2中央区 1.0970 1目 1100 1. 1380 1. 1010 1. 2130 1.2490 3港区 0.9646 1.0130 1.0430 1.0680 1.0940 1. 1340 4新宿区 o. 7228 o. 7341 o. 7510 o. 7844 0.8098 o. 7862 5文京区 0.9492 0.9585 0.9505 0.8785 0.8860 0.8771 6台東区 1.2680 1.2660 1.1950 1. 2600 1. 3140 1.1990 7墨田区 1. 0150 1. 0490 1. 0800 1. 1030 1. 0650 0.9312 8江東区 0.8923 0.9056 0.9544 1. 0700 1.0910 1.1980 9品川区 O. 7967 0.8331 0.8408 0.8324 0.8277 0.8317 10目黒区 O. 7647 O. 7754 0.7814 0.7871 O. 7995 O. 7897 11大田区 。.7849 O. 7689 O. 7777 0.8055 0.8191 0.8200 12世田谷区 O. 7346 O. 7851 O. 7597 0.7814 O. 7926 O. 7956 13渋谷区 。.7794 O. 7965 0.8017 O. 7767 O. 7815 O. 7892 14中野区 O. 7384 O. 7328 0.6724 0.6737 O. 7249 O. 7702 15杉並区 0.6475 0.6146 0.6501 O. 7023 O. 7457 O. 7896 16豊島区 1.0250 0.9569 0.9566 0.9184 0.8878 0.9222 17北区 0.9710 0.9425 0.9723 0.9931 1.0220 1. 0060 18荒川区 1.4690 1.2920 1.2720 1.2740 1.3430 1. 3800 19緩橋区 0.8391 O. 8614 O. 9077 0.8662 0.8827 0.8816 20練馬区 0.8406 O. 7131 0.8038 0.8892 0.9395 1.0080 21足立区 1. 1070 1.0830 0.9999 0.9972 1. 0820 1.2000 22葛飾区 1.2580 1.2680 1. 3610 0.9701 1. 1080 1. 1290 23江戸川区 1.0130 1. 0420 1.1570 1. 2150 1.2440 1.2700

MAX 1. 4690 1.2920 1.3610 1.2740 1.3430 1.3800

MIN 0.6475 0.6146 0.6501 0.6737 O. 7249 O. 7702 MEAN 0.9477 0.9392 0.9539 0.9495 0.9812 0.9928 MAX-MIN 0.8215 0.6774 O. 7109 0.6003 0.6181 0.6098 STD 0.2012 0.1869 O. 1893 O. 1709 0.1836 O. 1878

距厳距W厳2

距雌 距磁 距離 距離

w2 w2 W2 W2 w2 m m s3 E辺 高 Eお

1千代田区 1.1720 1.1630 1. 1710 1. 1770 1.1790 1.1720 2中央区 1. 1270 1.1390 1.1600 1. 1330 1.2290 1. 2580

3港区 1.0370 1.0730 1.0910 1. 1100 1.1520 1.2050 4新宿区 0.8977 0.9183 0.9391 0.9610 1. 0090 0.9790

5文京区 0.9186 0.9268 0.9266 0.8850 0.8928 0.8729

6台東区 1.1840 1. 1870 1.1140 1.1670 1.2180 1.1220

7墨田区 0.9179 0.9423 0.9810 0.9999 0.9709 0.8637

8江東区 0.8402 O. 8632 O. 9173 1.0390 1. 0340 1. 1440

9品川区 0.9865 0.9606 0.9288 0.8940 0.8814 0.8670 10目黒区 1.0340 1. 0520 1. 0570 1. 0620 1. 0660 1.0510

11太田区 0.8439 0.8375 0.8438 0.8619 0.8714 0.8768

12世田谷区 0.9964 1.0500 1.0290 1.0770 1.1030 1. 1110

13渋谷区 0.9959 1. 0190 1. 0350 1. 0050 1.0050 1.0190

14中野区 0.9818 0.9852 0.8981 0.8993 0.9618 1.0040

15杉並区 0.9241 0.9011 o. 9248 O. 9743 1.0240 1.0690

16豊島区 1.0950 1.0370 1. 0420 1.0100 0.9810 0.9813

17北区 0.9398 0.9136 0.9348 0.9480 0.9696 0.9471 18荒川区 1.2790 1.1580 1.1250 1. 1400 1. 1900 1.2290 19板橋区 0.8725 0.9009 。.9526 0.9120 0.9214 0.9216

20練馬区 0.9479 0.8548 0.9393 1. 0230 1.0620 1.1250

21足立区 1.0180 0.9961 。.9014 O. 9091 0.9815 1.1270

n葛飾区 1.1310 1.1370 1. 2110 0.8231 1.0490 1. 0800

23江戸川区 0.8767 0.8805 1.0780 1. 1390 1. 1600 1.1870

MAX 1.2790 1.1870 1.2110 1. 1770 1.2290 1. 2580

MIN 0.8402 0.8375 0.8438 0.8231 0.8714 0.8637

MEAN 1目 0007 0.9955 1.0087 1.0065 1.0396 1.0527

MAX-MIN 0.4388 0.3495 0.3672 0.3539 0.3576 0.3943

STD 0.1150 o. 1065 0.0999 0.1032 o. 1055 0.1203

Page 20: 空間的相互作用モデルによる東京大都市圏における 市区間人 …小森谷・杉浦・矢野:空間的相互作用モデルによる東京大都市圏における市区間人口移動の分析

128 総合都市研究第64号 1997

表12 発地区ごとの距離パラメータ推定値 (AGE2)ーセクター・モデルの場合一

距W離1 距W離1 距日雄'1 距W離'1 短W篇1 距w磁q

s1 m m 血 部 部

1千代田区 1.1140 1. 1540 1. 1680 1. 1460 1. 1490 1.1330 2中央区 1.2560 1.2680 1. 2900 1. 2580 1. 3650 1.4070 3港区 1. 1090 1. 1600 1. 1900 1. 2140 1.2400 1.2820 4新宿区 0.9364 0.9450 0.9610 0.9970 1. 0160 0.9890 5文京区 1. 1660 1. 1820 1.1830 1. 1150 1. 1220 1.1130 6台東区 1.3300 1. 3290 1. 2600 1.3260 1.3790 1. 2630 7墨田区 1. 1110 1. 2020 1.2310 1.2530 1.2220 1.0850 8江東区 1.1410 1. 1520 1. 1830 1. 2680 1.3450 1.4330 9品川区 0.9944 1.0230 1. 0240 1.0240 1.0100 1. 0240 10目黒区 0.8945 0.9008 0.9011 0.9046 0.9247 0.9259 11大田区 0.9415 0.9356 0.9413 O. 9606 O. 9699 0.9688 12世田谷区 0.9250 0.9649 0.9417 O. 9562 O. 9601 0.9615 13渋谷区 0.9601 0.9687 0.9682 0.9604 0.9596 0.9669 14中野区 0.9948 0.9900 0.9327 0.9326 0.9769 1.0130 15杉並区 0.9011 。.8726 0.9046 0.9483 0.9807 1.0060 16豊島区 1.2120 1.1610 1.1640 1.1310 1. 0890 1. 1220 17北区 1.2000 1.1880 1.1970 1. 2100 1. 2250 1.2100 18荒川区 1.5610 1. 4090 1.3920 1.3890 1.4570 1. 4840 19板橋区 1.2310 1. 2680 1.3220 1.2820 1. 2980 1.3330 20練馬区 1.1750 1.0850 1. 1680 1.2400 1.2790 1.3260 21足立区 1.2730 1. 2530 1.2190 1.2110 1.2750 1.3600 22葛飾区 1.4410 1. 4510 1. 5380 1. 2340 1.3130 1.3290 23江戸川区 1.3580 1.3800 1. 4440 1.4840 1. 5070 1.5280

MAX 1.5610 1.4510 1.5380 1. 4840 1.5070 1.5280 MIN 0.8945 0.8726 0.9011 O. 9046 O. 9247 0.9259 MEAN 1. 1455 1. 1410 1.1532 1.1498 1.1766 1. 1854 MAX-MIN 0.6665 0.5784 0.6369 0.5794 0.5823 0.6021 STD O. 1173 O. 1648 0.1164 0.1586 O. 1742 O. 1849

距離 距離 距離 距厳 距. 距雌

W2 w2 w2 w2 w2 w2 s1 m 正沼 訓 Eあ 正治

1千代田区 1.2260 1. 2180 1.2250 1.2330 1.2350 1.2280 2中央区 1.2940 1. 3060 1.3210 1.2930 1.3840 1.4170 3港区 1.17∞ 1.2100 1.2280 1.2450 1.2880 1.3450 4新宿区 1. 1150 1. 1320 1. 1540 1.1800 1. 2230 1. 1870 5文京区 1. 1170 1.1280 1. 1370 1. 0990 1.1070 1. 0900 6台東区 1.2450 1.2470 1.1770 1. 2290 1. 2780 1. 1830 7墨田区 1.0730 1. 0940 1. 1260 1. 1430 1. 1190 1. 0110 8江東区 1.0790 1.0990 1. 1350 1.2280 1.2730 1.3640 9品川区 1.2000 1. 1600 1. 1150 1. 0860 1.0630 1.0560 10目黒区 1.1880 1.2000 1. 1990 1.2020 1.2110 1.2060 11太田区 1. 0010 0.9995 1.0010 1. 0140 1. 0210 1. 0240 12世田谷区 1.2210 1.2670 1.2470 1.2830 1. 2950 1. 2980 13渋谷区 1.1870 1.2010 1.2110 1.1940 1.1880 1. 2000 14中野区 1.2560 1. 2610 1.1650 1. 1660 1.2220 1. 2570 15杉並区 1.2060 1. 1850 1. 2090 1.2530 1. 2910 1.3150 16豊島区 1. 2820 1.2370 1.2420 1.2170 1. 1810 1.1800 11北区 1.1500 1. 1380 1.1420 1. 1500 1.1600 1.1430 18荒川区 1.3590 1.2680 1. 2380 1.2480 1.2960 1.3220 19板橋区 1.2360 1.2760 1. 3310 1. 2860 1.2960 1.3420 20練馬区 1.2950 1.2340 1.3150 1. 3840 1. 4130 1.4580 21足立区 1.1610 1.1440 1. 1010 1. 0940 1. 1500 1.2550 22葛飾区 1. 2870 1. 2940 1.3670 1. 0570 1. 2120 1.2330 23江戸川区 1. 1990 1.2070 1.3230 1.3620 1. 3810 1. 4000

MAX 1.3590 1.3060 1. 3670 1.3840 1. 4130 1.4580 MIN 1. 0010 0.9995 1. 0010 1. 0140 1.0210 1.0110

MEAN 1. 1977 1.1959 1.2047 1.2020 1.2299 1. 2397 MAX-MIN 0.3580 0.3065 0.3660 O. 3700 O. 3920 0.4470 STD O. 0820 O. 0734 0.0865 0.0909 O. 0977 O. 1207

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小森谷・杉浦・矢野:空間的相互作用モデルによる東京大都市圏における市区間人口移動の分析 129

o 5 lOkm 』園田園

陸盟盟 m+s:5 ~m孟くm+s [TIm-s:$くm 仁二コくm-s

図10 セクター・モデル(総流入人口、ダミー変数82)の距離パラメータの分布

霞題麺 m+s孟 ~m話 <m+s E ヨm-s:$ <m 仁二コ<m-s

図11 セクター・モデル(総流入人口、ダミー変数83)の距離パラメータの分布

o 5 10 km 』面白ー

陸軍国 m+s:5 ~m謡く肘 s [TIm-s謡 <m C コくm-s

図12 セクター・モデル(総流入人口、ダミー変数86)の距離パラメータの分布

ミ一変数を取り込んだモデルを特定し、キャリプ

レーション後に得られた様々な測度に基づいて考

察を行なってきた。その結果、本稿で対象とした

東京大都市圏内部の人口移動においては、地区間

距離を最短鉄道営業距離、魅力度を夜間人口、 3

番目の説明変数として 8=30。の場合のセクター・

ダミー変数を用いたモデルが、本稿の当初の目的

に最も適合することがわかった。 Fotheringham

(1983a)によって構築された競合着地モデルは、

彼自身によるアメリカの航空機旅客流動 (Fother-

ingham, 1983a) や人口移動 (Fotheringham,

1986)を対象とした研究の他、わが国の都道府県

Page 22: 空間的相互作用モデルによる東京大都市圏における 市区間人 …小森谷・杉浦・矢野:空間的相互作用モデルによる東京大都市圏における市区間人口移動の分析

130 総合都市研究第64号 1997

麿盤誼 m+s謡 ~m孟くm+s c=1m-s話くm 仁二コくm-s

図13 セクター・モデル(夜間人口、ダミー変数82)の距離パラメータの分布

臨蜜圏 m+s孟 ~m孟 <m+s [三:Jm由 S謡くm 仁二コくm-s

図14 セクター・モデル(夜間人口、ダミー変数83)の距離パラメータの分布

臨盟盟 m+s:5 ~m謡 <m+s C::J m-s:i <m 仁二コくm-s

図15 セクター・モデル(夜間人口、ダミー変数86)の距離パラメータの分布

間人口移動と大学進学者移動を対象とした

Ishikawa (1987)等により、その有効性が確認

されている(詳細は、杉浦(1988)、飯塚・杉浦

(1994)を参照されたい)。しかし、本稿において

は、競合着地モデルが必ずしも有効であるとは限

らないという結果が得られた。競合着地モデルの

有効性を指摘した以上の研究と違い、本稿におい

ては、発・着地区の数が異なる矩形のデー夕、し

かも、発地区群が着地区群の中央に位置するデー

タ(小森谷ほか、 1996)を用いたために、モデル

にアクセシピリティを取り込むことの必要性がな

いことを例示したといえるかもしれない。いずれ

Page 23: 空間的相互作用モデルによる東京大都市圏における 市区間人 …小森谷・杉浦・矢野:空間的相互作用モデルによる東京大都市圏における市区間人口移動の分析

小森谷・杉浦・矢野・空間的相E作用モデルによる東京大都市圏における市区間人口移動の分析 131

にしても、モデルに取り込むべき説明変数は、対

象とする流動現象の違いや、そのスケールの違い

によって適宜、選択されるべきであるといえよう。

4.むすび

本稿は、東京大都市圏における1980年の年齢階

級別市区間人口移動データに空間的相互作用モデ

ルを適用した場合に得られる、距離パラメータの

顕著な空間的分布パターンの解消とそのバラツキ

を緩和することを目的とするものであった。その

ために、通常の発地区間定型の発生制約型モデル

と、 3番目の説明変数としてアクセシピリティな

いしは介在機会、離散的セクタ一方向を示すダミー

変数を取り込んだモデルを特定し、一般線形モデ

ルのパッケージである GLIMを援用し、キャリ

ブレーションを行なった。その結果、以下のよう

な事実が判明した。

1 )発地区固定型の発生制約モデルを実行した

ところ、得られた距離パラメータ値の分布にはセ

クター状のパターンがみられた。そこで、 3番目

の説明変数としてアクセシピリティないしは介在

機会を加えたモデルを特定し、キャリプレーショ

ンを行なった。しかし、適合度の上昇はみられた

ものの、距離パラメータのセクター状の分布パター

ンは解消されず、そのバラツキも緩和されなかっ

た。これは、 Fotheringham(1983a)が競合着

地モデルを構築した際に得られた結果とは異なる

ものであった。

2 )次に、離散的なセクタ一方向を表わすダミー

変数を通常モデルに取り込み、キャリブレーシヨ

ンを行なった。その結果、発地区全体、特に東京

都区部の北よりに位置する発地区で適合度の上昇

がみられた。そして、魅力度を夜間人口、 3番目

の変数を 8=30'に相当するセクタ一方向を示す

ダミー変数とし、モデルを特定した場合に、本研

究の目的である、距離パラメータ分布にみられる

セクター状の空間的偏りと、距離パラメータ値の

バラツキの緩和が達成された。したがって、東京

大都市圏内部の人口移動にみられる顕著な空間構

造は、人口移動のセクター的移動傾向を説明変数

としてモデルに取り込むことにより、より明確に

されたといえよう。

以上の結果から、本稿は、ミクロな行動論的研

究で指摘されてきた、居住地移動の際の移動者が

もっ認知地図にしたがう、中心部からより外側へ

のセクター状の移動傾向を、マクロな空間的相互

作用モデルの分析によって実証しえたと結論され

る。

本稿を作成するに当たっては、都市研究所の研究費

ならびに平成9年度文部省科学研究費の一部を使用す

るとともに、石崎研二氏の協力を得た。

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Key Words (キー・ワード)

Spatial Interaction Model (空間的相互作用モデル), Tokyo Metropolitan Area (東京

大都市圏), Interurban Migration (都市間人口移動), GLlM (GLIM), Sectoral Bias

(セクター状の偏り)

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小森谷・杉浦・矢野:空間的相互作用モデルによる東京大都市圏における市区間人口移動の分析 133

Spatial Interaction Modeling of Interurban Migration in the Tokyo Metropolitan Area

Y oshiaki Komoriya¥Y oshio Sugiura ** and Keiji Yano日本

傘恥1arketingIntelligence Corporation

日 Departmentof Geography, Tokyo Metropolitan University

***Department of Geography, Ritsumeikan University

Comprehensiue Urbαn Studies, No.64, 1997, pp.109-133

Using a Poisson regression model, this paper attempts to reduce a sectoral bias effect on the

distribution of distance-decay parameters that is observed when the origin-specific production-

constrained gravity model is applied to intra-metropolitan migration flows. The Poisson model

is calibrated with a dummy variable distinguishing sectorallocation of the destination with ref-

erence to the origin and the CBD of Tokyo, in addition to the two variables of city size (popu-

lation or the total inflows) and distance. The data set is the 1980 inter-urban migration flows

in the Tokyo metropolitan area: migration from 23 wards of Tokyo City to the total of 131

wards and its neighboring cities. Compared with the gravity model, the competing destinations

model and the intervening opportunity model, the Poisson regression model incorporating the

sector variable is best in terms of goodness-of-fit and the spatial distribution and variation of

distance-decay parameters.