特許協力条約(pct)に基づく 国際出願制度に関するトピッ …...sis –...

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平成30年度知的財産権制度説明会(実務者向け)テキスト 特許協力条約(PCT)に基づく 国際出願制度に関するトピックス 平成30年度

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表 1

平成30年度知的財産権制度説明会(実務者向け)テキスト

特許協力条約(PCT)に基づく

国際出願制度に関するトピックス

平成30年度

特許協力条約(

PCT)

に基づく国際出願制度に関するトピックス

平成30年度

特 

許 

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国際事務局作成

表 2 

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目次

Page 序 ................................................................................... 2 PCT制度入門 ........................................................................ 3 PCTの流れ .......................................................................... 10 PCT の基本事項 ..................................................................... 12 PCT出願の提出 ..................................................................... 17 申立て .............................................................................. 25 代理人及び共通の代表者 ............................................................. 29 優先権主張 .......................................................................... 34 国際出願に関する欠陥の補充 ........................................................ 50 規則 92の 2に基づく変更の記録 ................................................... 60 受理官庁の機能 ...................................................................... 63 受理官庁としての国際事務局 ........................................................ 66 国際調査機関 (ISA) による国際調査及び見解書 ..................................... 73 補充国際調査 (SIS) ................................................................. 80 国際予備審査の請求 ................................................................. 89 国際予備審査 ........................................................................ 98 発明の単一性及び異議申立手続 ...................................................... 106 国際事務局の役割 ................................................................... 111 国際公開 ............................................................................. 114 公開後の一件書類の利用 ............................................................. 122 PCTに基づく支払手数料 ............................................................ 129 PCTにおける補正 ................................................................... 136 国内段階への移行 ................................................................... 141 取下げ ............................................................................... 152 生物材料の寄託及び配列リストに関する要件 ........................................ 155 国際出願の手続上の安全措置(セーフガード) ...................................... 167 2018年 7月 1日発効の PCT規則改正 .......................................................... 170 最近の進展 .......................................................................... 171 出願人のための ePCT ............................................................... 179 情報の取得 .......................................................................... 206 参考資料 ............................................................................. 213

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このテキストは特許協力条約 (PCT) に関するセミナーのサポート教材として世界知的所有権機関 (WIPO) 国際事務局によって作成されたものです。 テキスト内で使用される以下の用語及び表現は、次の意味として用いられています: 実施細則 (Administrative Instructions) – PCT 実施細則 条 (Article) – PCT における条 第 I 章 (Chapter I) – PCT 第 I 章 第 II 章 (Chapter II) – PCT 第 II 章 締約国 (Contracting State) – PCT 締約国 規則 (Regulations) – PCT 規則 規則 (Rule) – PCT 規則における規則 号 (Section) – PCT 実施細則における号 「国内 (national)」官庁、国内手数料、国内段階、国内手続等の記載は、「広域 (regional) 」官庁 (例 EPO) 等を含むものとします。 以下の略称・略号は、次の意味として用いられています: ARIPO – アフリカ広域知的所有権機関 DAS – 優先権書類デジタルアクセスサービス DO – 指定官庁 EAPC – ユーラシア特許条約 EAPO – ユーラシア特許庁 EO – 選択官庁 EPC – 欧州特許条約 EPO – 欧州特許庁/欧州特許機関 Euro-PCT – Euro-PCT 出願: 出願された受理官庁に関係なく「EP」の指定を含む

国際出願 IB – (世界知的所有権機関) 国際事務局 IPE – 国際予備審査 IPEA – 国際予備審査機関 IPRP (Chapter I) – 特許性に関する国際予備報告 (PCT 第 I 章) IPRP (Chapter II) – 特許性に関する国際予備報告 (PCT 第 II 章) ISA – 国際調査機関 ISR – 国際調査報告 OAPI – アフリカ知的所有権機関 RO – 受理官庁 SIS – 補充国際調査 SISA – 補充国際調査機関 SISR – 補充国際調査報告 WIPO – 世界知的所有権機関 WO of ISA – 国際調査機関の書面による見解 WTO – 世界貿易機関 このテキストは、特許協力条約 (PCT)、 PCT 規則及び PCT 実施細則の要件に基づいています。このテキストとこれらの要件との間に相違がある場合は、後者 (要件) が適用されます。

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このテキストは特許協力条約 (PCT) に関するセミナーのサポート教材として世界知的所有権機関 (WIPO) 国際事務局によって作成されたものです。 テキスト内で使用される以下の用語及び表現は、次の意味として用いられています: 実施細則 (Administrative Instructions) – PCT 実施細則 条 (Article) – PCT における条 第 I 章 (Chapter I) – PCT 第 I 章 第 II 章 (Chapter II) – PCT 第 II 章 締約国 (Contracting State) – PCT 締約国 規則 (Regulations) – PCT 規則 規則 (Rule) – PCT 規則における規則 号 (Section) – PCT 実施細則における号 「国内 (national)」官庁、国内手数料、国内段階、国内手続等の記載は、「広域 (regional) 」官庁 (例 EPO) 等を含むものとします。 以下の略称・略号は、次の意味として用いられています: ARIPO – アフリカ広域知的所有権機関 DAS – 優先権書類デジタルアクセスサービス DO – 指定官庁 EAPC – ユーラシア特許条約 EAPO – ユーラシア特許庁 EO – 選択官庁 EPC – 欧州特許条約 EPO – 欧州特許庁/欧州特許機関 Euro-PCT – Euro-PCT 出願: 出願された受理官庁に関係なく「EP」の指定を含む

国際出願 IB – (世界知的所有権機関) 国際事務局 IPE – 国際予備審査 IPEA – 国際予備審査機関 IPRP (Chapter I) – 特許性に関する国際予備報告 (PCT 第 I 章) IPRP (Chapter II) – 特許性に関する国際予備報告 (PCT 第 II 章) ISA – 国際調査機関 ISR – 国際調査報告 OAPI – アフリカ知的所有権機関 RO – 受理官庁 SIS – 補充国際調査 SISA – 補充国際調査機関 SISR – 補充国際調査報告 WIPO – 世界知的所有権機関 WO of ISA – 国際調査機関の書面による見解 WTO – 世界貿易機関 このテキストは、特許協力条約 (PCT)、 PCT 規則及び PCT 実施細則の要件に基づいています。このテキストとこれらの要件との間に相違がある場合は、後者 (要件) が適用されます。

2

The International Patent System

PCT 制度⼊⾨

Introduction-201.12.2017

The International Patent System

従来の特許制度

0 12

国内出願

外国への出願(⽉)

国内出願から12ヶ⽉以内に、パリ条約の優先権主張を伴う複数の外国出願を⾏う必要がある:複数の様式上の要件複数の調査複数の公開複数の審査及び⼿続翻訳料及び国内⼿数料が12ヶ⽉の時点で要求される地域的な協定によるある程度の合理化:ARIPO、EAPO、EPO、OAPI

33

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Introduction-301.12.2017

The International Patent System

従来の特許制度 vs. PCT 制度

0 12

国内出願

外国への出願(⽉)

従来

(⽉)

PCT 出願

12 30

国内出願

国内段階移⾏

PCT 0

⼿数料:- 翻訳費⽤- 国内官庁への⼿数料- 代理⼈費⽤

⼿数料:- 翻訳費⽤- 国内官庁への⼿数料- 代理⼈費⽤

Introduction-401.12.2017

The International Patent System

PCT 制度国内出願から12ヶ⽉以内に、パリ条約の優先権主張を伴う PCT 国際出願を⾏う。「国内段階」への移⾏期限は、優先⽇から30ヶ⽉以内*:

1セットの様式上の要件 国際調査 国際公開 国際予備審査 国内段階へ移⾏する前に、国際出願を整えることができる 翻訳料及び国内⼿数料は30ヶ⽉*の時点で、しかも出願⼈が

国内段階への移⾏を望む場合のみ必要

* 例外については、次の URL を参照http://www.wipo.int/pct/en/texts/reservations/res_incomp.html

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Introduction-501.12.2017

The International Patent System

PCT 制度は特許の「出願」制度であって、特許の「付与」制度ではない;「PCT 特許」というものは存在しないPCT 制度は次のように構成されている国際段階:

国際出願の提出 国際調査及び国際調査機関の⾒解書 国際公開 国際予備審査

指定官庁に対する国内/広域段階特許付与の決定は、国内段階において、国内官庁⼜は広域官庁によって独⾃に⾏われる

PCT 制度の⼀般的注意事項 (1)

Introduction-601.12.2017

The International Patent System

PCT 制度の⼀般的注意事項 (2)PCT を通して、発明のみが特許、実⽤新案、類似の権利への適⽤により保護される

意匠及び商標の保護は、PCT を通しては得られない;これらの⼯業所有権の保護を扱う別の国際条約 (それぞれハーグ協定、マドリッド協定及びマドリッド協定議定書) がある

PCT はパリ条約等の⼯業所有権分野の国際条約と同じようにWIPO によって管理されている

55

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Introduction-701.12.2017

The International Patent System

EP 欧州特許AL アルバニア1

AT オーストリア* BE ベルギー

BG ブルガリアCH スイス

* CY キプロスCZ チェコ共和国DE ドイツDK デンマークEE エストニアES スペインFI フィンランド

* FR フランスGB 英国

* GR ギリシャHR クロアチア1

HU ハンガリー* IE アイルランド

IS アイスランド* IT イタリア

AM アルメニアAZ アゼルバイジャンBY ベラルーシKG キルギスKZ カザフスタンRU ロシア連邦TJ タジキスタンTM トルクメニスタン

PCT締約国 (152)広域保護⼜は国内保護 (表⽰のない場合) のための指定が可能な国

EA ユーラシア特許LI リヒテンシュタインLT リトアニアLU ルクセンブルグ

* LV ラトビア* MC モナコ

MK マケドニア旧ユーゴスラビア共和国1

* MT マルタ* NL オランダ

NO ノルウェーPL ポーランドPT ポルトガルRO ルーマニアRS セルビア1

SE スウェーデン* SI スロベニア

SK スロバキアSM サンマリノTR トルコ

* 広域特許のみ1 2008年1⽉1⽇より前 (HR

に対して) 、2009年1⽉1⽇より前 (MKに対して) 、2010年5⽉1⽇より前 (ALに対して) 、2010年10⽉1⽇より前(RSに対して) に出願された出願については引き続き拡張協定が適⽤可能

Introduction-801.12.2017

The International Patent System

AP ARIPO 特許BW ボツワナGH ガーナGM ガンビアKE ケニアLR リベリアLS レソトMW マラウイMZ モザンビークNA ナミビアRW ルワンダSD スーダンSL シエラレオネ

* SZ スワジランドTZ タンザニア連合共和国UG ウガンダZM ザンビアZW ジンバブエ

* 広域特許のみ

* BF ブルキナファソ* BJ ベナン* CF 中央アフリカ共和国* CG コンゴ* CI コートジボワール* CM カメルーン* GA ガボン* GN ギニア* GQ ⾚道ギニア* GW ギニアビサウ* ML マリ* MR モーリタニア* NE ニジェール* SN セネガル* TD チャド* TG トーゴ

PCT 締約国 (152) (続き)広域保護⼜は国内保護 (表⽰のない場合) のための指定が可能な国

OA OAPI 特許

66

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Introduction-901.12.2017

The International Patent System

AE アラブ⾸⻑国連邦AG アンティグア・バ-ブ-ダAO アンゴラAU オーストラリア

* BA ボスニア・ヘルツェゴビナBB バルバドスBH バ-レ-ンBN ブルネイ・ダルサラ-ムBR ブラジルBZ ベリ-ズCA カナダCL チリCN 中国CO コロンビアCR コスタリカCU キュ-バDJ ジブチDM ドミニカDO ドミニカ共和国DZ アルジェリアEC エクアドルEG エジプトGD グレナダGE ジョ-ジアGT グアテマラHN ホンジュラス

NI ニカラグアNZ ニュ-ジ-ランドOM オマ-ンPA パナマPE ペル-PG パプアニュ-ギニアPH フィリピンQA カタ-ルSA サウジアラビアSC セ-シェルSG シンガポ-ルST サントメ・プリンシペSV エルサルバドルSY シリア・アラブ・共和国TH タイ

** TN チュニジアTT トリニダ-ド・トバゴUA ウクライナUS アメリカ合衆国UZ ウズベキスタンVC セントビンセントおよびグ

レナディ-ン諸島VN ベトナムZA 南アフリカ

ID インドネシアIL イスラエルIN インドIR イラン・イスラム共和国JO ヨルダンJP ⽇本国KH カンボジアKM コモロ連合KN セントクリストファ-・ネイビスKP 朝鮮⺠主主義⼈⺠共和国KR ⼤韓⺠国KW クウェ-トLA ラオス⼈⺠⺠主共和国LC セントルシアLK スリランカLY リビア

** MA モロッコ** MD モルドバ* ME モンテネグロ

MG マダガスカルMN モンゴルMX メキシコMY マレ-シアNG ナイジェリア

* 欧州特許の拡張が可能** 欧州特許の有効化が可能

PCT 締約国 (152) (続き)国内保護 (表⽰のない場合) のための指定が可能な国

Introduction-1001.12.2017

The International Patent System

アフガニスタンアンドラアルゼンチンバハマバングラデシュブータンボリビアブルンジカーボヴェルデコンゴ⺠主共和国エリトリアエチオピアフィジーガイアナ

ハイチイラクジャマイカキリバスレバノンモルディブマーシャル諸島モーリシャスミクロネシアミャンマーナウルネパールパキスタンパラオ

パラグアイサモアソロモン諸島ソマリア南スーダンスリナム東チモールトンガツバルウルグアイバヌアツベネズエライエメン

PCT 締約国ではない国々 (41)

77

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Introduction-1101.12.2017

The International Patent System

0

50000

100000

150000

200000

78 80 82 84 86 88 90 92 94 96 98 00 02 04 06 08 10 12 14 16

PCT 出願件数

2017年: 243,500 (+4.5%)

Introduction-1201.12.2017

The International Patent System

0

10,000

20,000

30,000

40,000

50,000

60,000

US CN JP DE KR FR GB CH NL SE IT CA AU IL IN

出願⼈国籍・居所別の2017年の国際出願件数

• ⽶国からの出願が 23.3%、中国からの出願が 20%、⽇本からの出願が 19.8%• 全出願の 63% が上位 3 カ国から、77% が上位 5 カ国から、93% が上位 15カ国からなされている

CN: +13.4%SE: +7%JP: +6.6%

アジア: 49.1%欧州: 24.9%北⽶: 24.3%

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Introduction-1301.12.2017

The International Patent System

2017年の PCT 上位出願⼈1. Huawei Technologies̶CN (4,024) 2. ZTE̶CN (2,965)3. Intel̶US (2,637)4. 三菱電機̶JP (2,521)5. Qualcomm̶US (2,163)6. LG Electronics̶KR (1,945)7. BOE Technology Group̶CN (1,818)8. Samsung̶KR (1,757) 9. ソニー̶JP (1,735)10. Ericsson̶SE (1,564)11. Microsoft̶US (1,563)12. Hewlett-Packard̶US (1,519)13. LE Holdings ̶CN (1,397)14. Bosch̶DE (1,354)15. パナソニック̶JP (1,280)16. Philips̶NL (1,077)17. Siemens̶DE (1,063)18. Shenzhen China Star Optoelectronics̶CN (972)19. 富⼠フィルム̶JP (970)20. デンソー̶JP (968)

() 内の数は公開された国際出願の件数

Introduction-1401.12.2017

The International Patent System

1. University of California (US)2. Massachusetts Institute of Technology (US)3. Harvard University (US)4. University of Texas (US)5. Johns Hopkins University (US)6. University of Florida (US)7. Seoul National University (KR)8. Hanyang University (KR)9. Stanford University (US)10. Korea Advanced Institute of Science and Technology (KR)11. Shenzhen University (CN)12. Columbia University (US)13. 東京⼤学 (JP)14. University of Michigan (US)15. China University of Mining and Technology (CN)16. King Abdullah University of Science and Technology (SA)17. University of Pennsylvania (US)18. Korea University (KR)19. Tsinghua University (CN)20. 東北⼤学 (JP)

2017年の ⼤学 PCT 上位出願⼈

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The International Patent System

PCT の流れ

Timeline-220.07.2017

The International Patent System

PCT の流れ

補充国際調査請求 (任意)

(⽉)

PCT 出願

120

30

国際調査報告 (ISR) 及び国際調査機関の⾒解書 (WOISA)

16 18

国際公開

国内/広域/PCT 出願/(優先⽇)

国内段階移⾏

国際事務局による指定/選択官庁への特許性に関する国際予備報告 (第 I 章⼜は第 II 章) の送達

22 28

ISR 送付⽇から2ヶ⽉:19条補正 (任意)

国際予備審査請求及び34条補正 (任意)

特許性に関する国際予備報告 (第 II 章)

補充国際調査報告 (SISR)

1010

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Timeline-320.07.2017

The International Patent System

PCT 第22条 (1) に基づく国内移⾏期限(30ヶ⽉) との不適合 以下の締約国の官庁が、変更されたPCT 第22条 (1) が国内法に適合

しない間、第 I 章に基づく30ヶ⽉の移⾏期限 (2002年4⽉1⽇発⾏) を適⽤しない旨を国際事務局に通知している:

LU ルクセンブルグTZ タンザニアUG ウガンダ

上記の締約国に関して、広域特許のために指定された場合、移⾏期限は31ヶ⽉

上記の締約国に関して、19ヶ⽉以内に予備審査請求がなされなければ、優先⽇から20⼜は21ヶ⽉以内に国内段階に移⾏しなければならない

1111

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The International Patent System

PCT の基本事項 国際出願 国際出願⽇ 出願⼈ 管轄受理官庁及び管轄国際調査機関

Basics-225.10.2013

The International Patent System

国際出願全ての締約国 (全ての種類の保護が可能) の指定をデフォルトで含み、通常の優先権主張を伴うことが可能な⼀つの出願を⾏うのみ

それぞれの指定国において通常の国内出願の効果が得られる (優先⽇の確⽴を含む) ; 国際出願⽇はそれぞれの指定国における出願⽇となる

⼀つの⾔語で出願

⼀つの官庁に対して出願

⼀セットの様式上の要件

優先⽇から30ヶ⽉まで国内⼿続の後倒し (例外は次を参照www.wipo.int/pct/en/texts/reservations/res_incomp.html)

1212

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Basics-325.10.2013

The International Patent System

国際出願に少なくとも次のものが含まれていなければならない:

国際出願をする意思の表⽰ 全ての可能な指定の効果がある願書 (第4条、規則 3 及び 4.9) 出願⼈の⽒名⼜は名称 (規則 4.5) 明細書 (規則 5) 請求の範囲 (規則 6)

国際出願⽇の認定のための最⼩限要件(第11条 (1)) (1)

Basics-425.10.2013

The International Patent System

国際出願⽇の認定のための最⼩限要件(第11条 (1)) (2)

■ 留意事項: 以下のいずれかの場合、受理官庁はさらなる⼿続のため国際出願を受理官庁としての国際事務局に送付する (規則 19.4)

出願⼈の住所⼜は国籍の理由のため受理官庁に国際出願をする資格を有する出願⼈が⼀⼈もいない場合 (規則 18 及び 19)

国際出願が受理官庁が認める⾔語で⾏われていない場合 (規則12.1)

1313

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Basics-525.10.2013

The International Patent System

国際出願⽇の認定に必要のない項⽬

■ ⼿数料の⽀払い

■ 出願⼈の署名

■ 発明の名称

■ 要約

■ 図⾯ (図⾯の⽋落については、第14条 (2) 及び 規則 20.5 参照)

■ 調査⼜は公開の⾔語への翻訳

Basics-625.10.2013

The International Patent System

PCT 出願⼈ (第9条 及び 規則 18)

■ 出願⼈は⾃然⼈ (例えば発明者)、⼜は法⼈ (例えば、企業、⼤学、NGO) (2012年9⽉16⽇以降、⽶国についても該当する)

■ 異なる指定国について異なる出願⼈を記載することができる(規則 4.5(d))

■ 出願⼈のうち少なくとも⼀⼈がPCT締約国の国⺠⼜は居住者でなければならない (規則 18.3)

1414

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Basics-725.10.2013

The International Patent System

■ 国内官庁に対して

■ WIPO 国際事務局に対して

■ 広域官庁に対して

詳細は、PCT 出願⼈の⼿引 国際段階の⼀般情報、附属書B1、B2を参照

国際出願の出願先 (規則 19)

Basics-825.10.2013

The International Patent System

受理官庁の選択

検討事項:

■ 許容される出願⾔語

■ 国際調査機関の選択

■ 優先権の回復の基準及び⽀払⼿数料

■ 引⽤による補充の可能性

■ 変換前の形式による出願の許容

1515

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Basics-925.10.2013

The International Patent System

管轄国際調査機関 (規則 35)■ 管轄 ISA は RO によって特定される■ RO が⼆以上の ISA を特定している場合、出願⼈がいずれか選択:

選択にあたって、出願⼈は ISA によって認められる⾔語を考慮しなければならない (特定の場合、国際調査のために国際出願の翻訳⽂を要求される (規則12.3))

■ RO/IB に対して国際出願が⾏われる場合、国際出願が出願⼈の国籍⼜は住所に基づいて管轄 RO にされたとしたならば管轄したであろうISA が管轄する

■ ISA の選択は願書に表⽰する (第 VII 欄)

1616

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The International Patent System

PCT 出願の提出

Filing-201.07.2017

The International Patent System

国際出願を構成する要素■ 願書 (第 3 条 (2))

■ 明細書 (第 3 条 (2))

■ ⼀以上の請求の範囲 (第 3 条 (2))

■ 要約 (国際出願⽇に影響することなく後から提出可能)(第 3 条 (2) 及び 第 3 条 (3))

■ 図⾯ (必要な場合) - 後から提出すると、国際出願⽇が繰り下がる(第 3 条 (2) 及び 第 14 条 (2))

■ 明細書の配列リスト部分 (必要な場合) (規則 5.2 (a))

■ 寄託された微⽣物⼜は他の⽣物材料に関する表⽰ (いくつかの指定官庁 (例えば⽇本) は、国際出願⽇における明細書内⼜は国際出願内にその表⽰をすることを要求している) (規則 13の2)

1717

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Filing-301.07.2017

The International Patent System

国際出願に付属する要素■ 国際調査⼜は国際公開のための国際出願の翻訳⽂ (必要な場合) - 国際

出願⽇に影響することなく後から提出できる (規則 12.3 及び 12.4)

■ 別個の委任状⼜は包括委任状の写し - 国際出願⽇に影響することなく後から提出できる (規則 90.4 及び 90.5)

■ 優先権書類 - 国際公開⽇までに提出できる (規則 17.1)

■ 実施細則の附属書Cに定める基準を満たす電⼦形式による配列リスト -遅延提出⼿数料の⽀払いを条件として (必要な場合)、国際出願⽇に影響することなく後から ISA に直接提出できる (規則 13の3)

■ 国際出願の⼀部でない寄託された⽣物材料への別個の⾔及、例えば、様式 PCT/RO/134 (規則 13の2)

Filing-401.07.2017

The International Patent System

願書 (1)■ 国際出願の電⼦出願

ePCT 出願

PCT-SAFE 完全電⼦出願

受理官庁によって提供される他の出願⼿段

1818

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Filing-501.07.2017

The International Patent System

願書 (2)■ 印刷された願書様式 (様式 PCT/RO/101)

インターネットから⼊⼿可能(http://www.wipo.int/pct/en/forms)

■ コンピュータで作成した願書 (規則3.1及び3.4、実施細則第102号(h)) 社内コンピュータシステムとの統合のため レイアウト及び内容は印刷された様式に対応しなければならない

(若⼲の調整は許容される)

Filing-601.07.2017

The International Patent System

国の指定に関する概念及び運⽤ (規則 4.9)

全ての PCT 締約国の⾃動的かつ包括的な指定 包括的指定の例外がDE、JP、KRに対して可能 (「⾃⼰指定」に関

する特別の規定を有する国) 国際出願が該当国に出願された先の出願に基づく優先権主張を

含む場合にのみ指定を除外することが可能 さもなければ、指定の取下げが可能

保護の種類の選択を国内段階移⾏まで先延ばしすることが可能(例: 特許⼜は実⽤新案、国内⼜は広域特許)

原出願 (“Parent”) の情報 (継続出願、追加特許) は調査⽬的で PCT 願書に含めることができる

1919

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Filing-701.07.2017

The International Patent System

■ 出願⼈は、ISA に対し、国際調査を⾏うにあたり先の調査の結果を考慮することを請求することができる どのように? 願書様式の適切な欄に記⼊することにより

■ ISA がそのような先の調査結果を考慮する限りにおいて、調査⼿数料が減額される可能性がある 詳細については、国際事務局と ISA/IPEA 間の取決めを参照

www.wipo.int/pct/en/access/isa_ipea_agreements.html

先の調査の結果の利⽤ (規則 4.12)

Filing-801.07.2017

The International Patent System

■ 出願⼈が、規則 4.12 に基づき ISA に対して先の調査の結果を考慮することを請求しなかった場合であっても、RO は出願⼈の明⽰的な承諾なしに先の出願の調査/分類結果を送付する

■ 例外: RO/DE、RO/FI 、RO/SE に出願する出願⼈は、PCT 出願の出

願時に願書様式の適切なボックスをチェックすることにより、先の調査の結果を ISA へ送付しないことを請求することができる

先の調査及び/⼜は分類結果のRO による ISA への送付(規則 12の2、23の2、41) (1)

2020

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Filing-901.07.2017

The International Patent System

■ 例外: (続き) そのような送付が、適⽤される国内法令に適合しない旨を IB へ

通知した RO は、出願⼈が願書様式の適切な欄をチェックすることにより明⽰的に承諾を与えた場合にのみ、先の調査及び先の分類の結果を ISA に送付する (関係する RO: AU、CH、CZ、FI、HU、IL、JP、NO、SE、SG、US)

先の PCT 出願について優先権主張がされ、先の国際調査が異なる ISA によって⾏われた場合、RO は、出願⼈が願書様式の適切な欄をチェックすることにより明⽰的に承諾を与えた場合にのみ、先の調査及び先の分類の結果を ISA に送付する

先の調査及び/⼜は分類結果のRO による ISA への送付(規則 12の2、23の2、41) (2)

Filing-1001.07.2017

The International Patent System

願書の署名 (1)(規則 4.15、26.2の2 (a))■ 原則として、願書は「出願⼈」⼜は「出願⼈及び発明者」として記載

された全ての者 (法⼈⼜は⾃然⼈) によって署名されなければならない

ただし、出願⼈のうち⼀⼈だけが署名した場合であっても、他の出願⼈の署名の⽋落は⽋陥としてみなされない

注意事項として、取下げに関する通知に関しては、全ての出願⼈による、⼜は全ての出願⼈の代理⼈による署名が必要とされる (出願⼈及び発明者を含む)

なお、指定官庁は、当該指定官庁に対する出願⼈であって、願書に署名をしていない出願⼈について、署名によって国際出願の確認を要求することができる

2121

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Filing-1101.07.2017

The International Patent System

出願⼈として記載されていない者による署名(FOR---ON BEHALF OF---AS AUTHORIZED SIGNATORY OF) 受理官庁が適⽤する国内法令による:

出願⼈が法⼈である場合における、法⼈の代表者⼜は従業員(代表者⼜は従業員は、弁理⼠⼜は特許代理⼈である必要はない)

出願⼈が法律⾏為能⼒を有しない⾃然⼈である場合の法定代理⼈

出願⼈が倒産した企業である場合の法定代理⼈

「発明者のみ」と表⽰された者は、願書に署名する必要はない

願書の署名 (2)(規則 4.15、26.2の2 (a))

Filing-1201.07.2017

The International Patent System

願書の署名 (3)(規則 4.15、26.2の2 (a))■ 願書が出願⼈ではなく代理⼈によって署名されている場合には、全

ての出願⼈によって署名された別個の委任状を提出しなければならない (つまり別個の委任状の正本⼜は包括委任状の写し)

ただし、 複数ある出願⼈のうちの⼀⼈の署名による委任状が提出された場合には、他の出願⼈の署名による委任状の⽋落は⽋陥とはされない

なお、別個の委任状⼜は包括委任状の写しの提出要件を放棄している受理官庁がある

2222

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Filing-1301.07.2017

The International Patent System

国際出願の様式上の要件 (規則 11) (1)

■ 全ての⽤紙は A4 サイズの紙 (規則 11.5)

■ ⾏の間隔: 明細書、請求の範囲、要約の⾴は、1.5⽂字の幅(規則 11.9(c))

■ 明細書、請求の範囲、要約、図⾯における最⼩及び最⼤の余⽩(規則 11.6)

■ 出願⼈⼜は代理⼈の書類記号の表⽰ (規則 11.6(f) 及び 実施細則第109号) 最⼤12⽂字 (半⾓英数字) ⽤紙の上部余⽩の左隅 ⽤紙の上端から1.5 cm 以内

Filing-1401.07.2017

The International Patent System

国際出願の様式上の要件 (規則 11) (2)

⽤紙の⾴番号付与 (規則 11.7、実施細則第207号及び第311号)

⽤紙の上端⼜は下端の中央で、余⽩に⼊らないこと

4つの番号系列: 願書明細書、請求の範囲、要約図⾯ (必要ならば)明細書の配列リスト部分 (必要ならば)

図⾯特有の要件 (規則 11.13)

推奨: 図中に⽂章を書かない (国内段階での翻訳の問題を避けるため)

2323

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Filing-1501.07.2017

The International Patent System

明細書の各事項の⾒出し(規則 5 及び 実施細則第204号)

■ 技術分野

■ 背景技術

■ 発明の開⽰、⼜は発明の概要

■ 図⾯の簡単な説明

■ 発明を実施するための最良の形態、⼜は該当する場合は、発明を実施するための形態

■ 産業上の利⽤の可能性

■ 配列リスト

■ 配列リストのフリーテキスト

2424

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The International Patent System

申⽴て

Declarations-225.10.2013

The International Patent System

規則 4.17に基づく申⽴て■ ⽬的: 国際段階において、特定の国内段階の要件を先取りして⾏う

ことができるようにする (規則 51の2.2)

■ 願書に含めるか、後で提出するかは選択可能

■ 申⽴ては、以下の項⽬に関する (規則 4.17) :

発明者の特定

出願し及び特許を与えられる国際出願⽇における出願⼈の資格

先の出願に基づく優先権を主張する国際出願⽇における出願⼈の資格

発明者である旨の申⽴て (⽶国を指定国とする場合のみ)

不利にならない開⽰⼜は新規性喪失の例外

2525

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Declarations-325.10.2013

The International Patent System

形式要件■ 申⽴ては、実施細則第211号乃⾄第215号に記載の標準⽂⾔で構成されなければならない

■ 申⽴てがなされたならば、指定/選択官庁は資料や証拠を求めることはできない

ただし、その官庁がその申⽴ての真実性に合理的な疑義をもつ場合を除くほか、

不利にならない開⽰⼜は新規性喪失の例外に関しては証拠が求められる場合がある

Declarations-425.10.2013

The International Patent System

発明者である旨の申⽴て (規則 4.17(iv))(⽶国を指定国とする場合のみ)■ 2012年9⽉16⽇以降、新しい標準⽂⾔ (実施細則第214号を参照)

■ 全ての発明者について、同じ申⽴てに名前を記載する必要がある

■ 申⽴てには全ての発明者によって署名と⽇付が記載されなければならない

■ 各発明者の署名は同⼀の完全な申⽴ての写しである異なる⽤紙にされてもよい

■ 署名は原本である必要はない (FAXコピー)

■ DO/USは、国際出願が押印を署名として受け付けている受理官庁に提出された場合、押印を署名として受け付ける

2626

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Declarations-525.10.2013

The International Patent System

申⽴ての追加⼜は補充 (規則 26の3)■ 出願⼈は、規則 4.17に基づいてなされた申⽴ての補充⼜は追加を

することができる

■ 期限: 優先⽇から16ヶ⽉が経過するまで (16ヶ⽉経過後であっても国際公開の技術的準備の完了する前に国際事務局に申⽴てが受理された場合には認められる)

■ 受理官庁⼜は国際事務局は、要件に従った記載がなされていない場合、⼜は、発明者である旨の申⽴て (規則 4.17(iv)) において要件に従って署名がなされていない場合には、出願⼈に申⽴ての補充を求めることができる

Declarations-625.10.2013

The International Patent System

申⽴ての公開■ 適切な期限内に受理された申⽴ては、公開された国際出願の表紙で

⾔及される

■ 申⽴て全⽂は国際出願の⼀部として公開される

2727

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Declarations-725.10.2013

The International Patent System

国内様式は標準⽂⾔に従っていないので、国際段階の申⽴てのために国内様式を使ってはいけない (例えば、発明者である旨の申⽴て/委任状を組み合わせたもの)

申⽴てが国際出願⽇以降に提出された場合、追加ページ分の⼿数料は要求されない

⽋陥のある申⽴てが国際段階の間に補充されない場合:

国際事務局での申⽴てに関する⼿続に影響はない

指定/選択官庁は⽋陥のある申⽴てを受け⼊れる可能性もある

申⽴ての取下げに関する規定はない

規則 4.17に基づく申⽴て: その他の事項

2828

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The International Patent System

代理⼈及び共通の代表者

Agents-219.05.2017

The International Patent System

代理⼈ (規則 90)■ 誰が代理⼈として⾏動できるか?

受理官庁に対して、業として⼿続をとる権能を有する者は誰でも (弁護⼠、弁理⼠等)、国際事務局、国際調査機関、国際予備審査機関に対して⼿続をとる権能を有する (第49条)

国際調査機関及び/⼜は国際予備審査機関に対して業として⼿続をとる権能を有する者は、特に当該国際調査機関⼜は国際予備審査機関に対する⼿続を⾏う代理⼈として選任されることができる (規則 90.1(b) 及び (c))

復代理⼈は、代理⼈によって選任される (規則 90.1(d))

■ 誰が共通の代理⼈か?

全ての出願⼈によって選任された代理⼈

2929

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Agents-319.05.2017

The International Patent System

共通の代表者 (規則 90)■ 誰が共通の代表者として⾏動できるか?

国際出願を⾏う資格のある (すなわち PCT 締約国の国⺠⼜は居住者である) 出願⼈のうちの⼀⼈が、共通の代表者として他の全ての出願⼈により選任されることができる

共通の代理⼈⼜は共通の代表者が選任されていない場合は、願書で最初に名前が記載され、かつ、国際出願が提出された受理官庁に対して国際出願を提出する資格がある出願⼈が、⾃動的に共通の代表者と「みなされる」

Agents-419.05.2017

The International Patent System

代理⼈及び共通の代表者 (規則 90)

■ 共通の代理⼈⼜は共通の代表者による (⼜は対する) ⾏為は、以下の場合を除いて、関係出願⼈による (⼜は対する) ⾏為としての効果をもつ:

「みなされた」共通の代表者による取下げの⾏為(規則 90.3(c) 及び 90の2.5)

受理官庁が委任状提出を求めておらず (規則 90.4 及び90.5)、全ての出願⼈により署名された委任状を提出していない場合における、代理⼈⼜は共通の代表者による取下げの⾏為 (規則 90の2.5)

3030

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Agents-519.05.2017

The International Patent System

代理⼈及び共通の代表者の選任(規則 90.4 から90.6)■ 代理⼈及び共通の代表者は以下のいずれかの⽅法で選任すること

ができる:

願書⼜は (第II章の⼿続に対しては) 予備審査請求書において

その国際出願に対応する別個の委任状において

出願⼈の名義で提出された全ての国際出願に対する包括委任状において

■ 包括委任状は、受理官庁、⼜は場合によって国際調査機関もしくは国際予備審査機関に提出する

■ 代理⼈の解任及び代理⼈の辞任については、規則 90.6を参照

Agents-619.05.2017

The International Patent System

委任状提出要件の放棄(規則 90.4(d) 及び 90.5(c))■ 受理官庁、国際調査機関、国際予備審査機関、国際事務局は、以

下の書類の提出要件を放棄することが可能:

別個の委任状; 及び/⼜は

■ 受理官庁、国際調査機関、国際予備審査機関は、以下の書類の提出要件を放棄することが可能

提出された包括委任状の写し

■ しかしながら、全ての官庁及び機関は、基本的に要件を放棄したとしても、特別な場合には委任状の提出を求めることが可能

■ 要件を放棄した官庁についての情報は、以下を参照http://www.wipo.int/pct/en/texts/waivers.html

3131

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Agents-719.05.2017

The International Patent System

共通の代理⼈

代理⼈ X は、全ての出願⼈によって選任されていれば、共通の代理⼈である

出願⼈ B出願⼈ A 出願⼈ C

代理⼈ X

Agents-819.05.2017

The International Patent System

選任された共通の代表者 (規則 90.2(a))

出願⼈ A

出願⼈ C

出願⼈ B 及び C が、出願⼈ A を彼らの共通の代表者として選任する

これは、出願⼈ A がPCT締約国の国⺠⼜は居住者の場合にのみ可能である

出願⼈ B

3232

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Agents-919.05.2017

The International Patent System

選任された共通の代表者の代理⼈

出願⼈ A

出願⼈ B

出願⼈ C

出願⼈ A (例、法⼈出願⼈) は、他の出願⼈ (例、出願⼈/発明者) から共通の代表者として選任されている場合、出願⼈ A が代理⼈ Xを選任する

代理⼈ X は、選任された共通の代表者 A に代わって、全ての出願⼈のために、取下げを含む全ての書類に署名できる (規則 90.3(c)); ただし、PCTの機関が委任状提出要件を放棄した場合には、委任状が提出されていることを条件とする

代理⼈ X

Agents-1019.05.2017

The International Patent System

「みなされた」共通の代表者 (規則 90.2(b))出願⼈ B出願⼈ A 出願⼈ C

代理⼈ X

この場合には、共通の代理⼈はおらず、かつ、出願⼈は共通の代表者を選任していない; 従って、出願⼈ A が「みなされた」共通の代表者となる (願書に最初に記載され、かつ、国際出願が提出された受理官庁に対して国際出願を提出する資格がある出願⼈)

出願⼈ A のみによって選任された代理⼈ X は、取下げを除いて、全ての出願⼈のために全ての書類に署名できる (規則 90.3(c) 及び 90の2.5(a))

3333

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The International Patent System

優先権主張 PCT における要件 優先権書類 優先権主張の補充⼜は追加 優先権の回復

Priority claims-214.03.2018

The International Patent System

優先権 (パリ条約第4条) (1)

■ いずれかの同盟国において出願⼈によって出願された特許出願について、出願⼈ (⼜はその承継⼈) は、他の全ての同盟国において12ヶ⽉以内に特許保護の適⽤を受けようとする際に特定の権利を得る資格がある

■ 先⾏技術の⽬的で、後の出願は最初の出願と同じ⽇に出願されたものとして扱われる

■ 優先権は主題事項について最初に出願された出願を基礎とすることができる (パリ条約第4条C(4)の例外参照)

3434

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Priority claims-314.03.2018

The International Patent System

■ 複数及び部分優先を主張することが可能

■ 後の出願は優先権を主張した最初の出願と同じ主題についてでなければならない

■ 最初の出願が取り下げられ、放棄され⼜は拒絶の処分を受けたことは優先権の基礎としての機能を果たす資格を損なうものではない

優先権 (パリ条約第4条) (2)

Priority claims-414.03.2018

The International Patent System

優先権の主張 (PCT 第8条、規則 4.10)

■ 国際出願は⼀⼜は⼆以上の先の出願に基づく優先権を主張する申⽴てを伴うことができる

パリ条約の締約国への国内出願、広域出願、国際出願

パリ条約の締約国ではないが、世界貿易機関 (WTO) の加盟国への出願

3535

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Priority claims-514.03.2018

The International Patent System

優先⽇ (PCT 第2条(xi))■ 優先⽇は期間の計算上、次の⽇をいう:

国際出願が優先権の主張を伴う場合には、その優先権の主張の基礎となる出願の⽇

国際出願が複数の優先権の主張を伴う場合には、それらの優先権の主張の基礎となる出願のうち最先のものの⽇

国際出願が優先権の主張を伴わない場合には、その出願の国際出願⽇

Priority claims-614.03.2018

The International Patent System

優先権主張の記載 (規則 4.10) (1)■ 先の国内出願:

先の出願の⽇付 先の出願の番号 先の出願がされたパリ条約の締約国⼜はWTOの加盟国

■ 先の広域出願: 先の出願の⽇付 先の出願の番号 広域特許を与える任務を有する当局 (実務的には、広域官庁) 広域特許条約の締約国のいずれかがパリ条約の加盟国⼜は

WTOの加盟国のいずれでもない場合には、先の出願がされた国のうち、パリ条約の締約国⼜はWTOの加盟国の国名を少なくとも⼀つ

3636

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Priority claims-714.03.2018

The International Patent System

優先権主張の記載 (規則 4.10) (2)■ 先の国際出願:

国際出願⽇

国際出願番号

先の国際出願がされた受理官庁

Priority claims-814.03.2018

The International Patent System

優先権書類の提出 (規則 17.1)

■ 先の国内出願、広域出願⼜は国際出願に基づく優先権主張を伴う場合には、出願⼈は当該先の出願 (すなわち、先の出願の認証謄本) を提供しなければならない 受理官庁⼜は国際事務局に優先権書類を直接提出 (規則

17.1(a))、⼜は、 先の出願が受理官庁としての官庁に出願されている場合のみ、

受理官庁に対し、優先権書類を、作成し及び国際事務局に送付するよう請求 (規則 17.1(b))、⼜は、

先の出願が優先権書類デジタルアクセスサービス (DAS) に参加している受理官庁に出願されている場合、国際事務局に対し、優先権書類を電⼦図書館から⼊⼿するよう請求 (規則17.1(bの2))

3737

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Priority claims-914.03.2018

The International Patent System

優先権書類の提出期限 (規則 17.1)■ 出願⼈が受理官庁に直接提出:

優先⽇から16ヶ⽉以内■ 出願⼈が国際事務局に直接提出:

国際公開前まで■ 受理官庁に対し、優先権書類を作成し及び国際事務局に送付するよ

う請求:優先⽇から16ヶ⽉以内

■ DAS 経由で国際事務局に提出: DAS 経由で国際事務局が優先権書類を利⽤することを可能にし

なければならず、且つ、国際公開前に国際事務局に対して優先権書類を取得するよう請求しなければならない

Priority claims-1014.03.2018

The International Patent System

優先権書類デジタルアクセスサービス(DAS)■ 法的根拠:

PCT 規則 17.1(bの2)

実施細則第715号及び第716号

■ 出願⼈は、国際事務局に対し、優先権書類を電⼦図書館から取得するよう請求することが可能 (また、いくつかの指定官庁でも可能)

■ 参加庁: AU, BR, CN, DK, EA, EE, ES, FI, GB, IB, IN, JP, KR, MA, NZ, SE, US

■ DAS に関する詳細は、以下参照: www.wipo.int/das/en

3838

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Priority claims-1114.03.2018

The International Patent System

DAS 経由の優先権書類の取得■ DAS 経由で、国際事務局に対し、先の出願の優先権書類の謄本の

取得を請求することの可能性■ 当該サービスは AU, BR, CN, DK, EA, EE, ES, FI, GB, IN, JP,

KR, MA, NZ, SE 及び US に出願された先の国内⼜は広域出願、及びAU, BR, CN, DK, EA, ES, FI, IN, MA, SE 及び RO/IB (受理官庁としての国際事務局) に出願された先の国際出願について利⽤可能

■ 先の国内出願が提出された官庁は第1庁 (OFF)、⼜は提供庁(Depositing Office) として知られている

■ 優先権書類を取得する官庁は第2庁 (OSF)、⼜は取得庁(Accessing Office) として知られている

Priority claims-1214.03.2018

The International Patent System

DAS 利⽤の主なステップ■ 第1庁に対し、先の出願がDAS を通して利⽤できるよう請求する

■ 第1庁 (場合によっては第1庁の代わりに国際事務局) が出願⼈にアクセスコードを付与する

■ PCT 国際出願を提出する際、願書の該当欄にチェックを⼊れるとともにアクセスコードを記⼊し、国際事務局に対し DAS を通して優先権書類を取得するよう請求する (出願後にePCTを利⽤して当該請求を⾏うことも可能)

■ 国際事務局は、DAS 経由で優先権書類を取得し、出願⼈に対し様式 PCT/IB/304 を⽤いて取得の確認書を送付する

3939

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Priority claims-1314.03.2018

The International Patent System

DAS 優先権書類の取得の請求

■ 優先権の詳細に関するページで優先権の主張についてチェックボックスを選択しアクセスコードを記⼊する

Priority claims-1414.03.2018

The International Patent System

■ 問題となる項⽬ 優先権主張の⽋落 優先⽇の⽋落 ⽇付、番号、出願国の表⽰の⽋落 先の出願の出願⽇が国際出願⽇より12ヶ⽉以上前である 先の出願がパリ条約の締約国⼜は WTO の加盟国にされていない

■ 該当条⽂: 第8条 規則 4.10、26の2、 48.2(a)(vii) 及び 91

優先権主張の補充及び追加

4040

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Priority claims-1514.03.2018

The International Patent System

優先権主張の補充⼜は追加 (規則 26の2)優先⽇が変更される場合 (1)■ 該当する項⽬:

既に出願に記載されたどの優先権主張よりも先の出願⽇を有する優先権主張を追加する場合

最先の優先権主張の出願⽇を補充する場合

Priority claims-1614.03.2018

The International Patent System

適⽤される期限: 国際出願⽇から4ヶ⽉以内; ⼜は 次の期限が上記4ヶ⽉よりも遅い場合には、次の期限のうち早く

満了する期限: 補充⼜は追加前の優先⽇から16ヶ⽉ 補充⼜は追加後の優先⽇から16ヶ⽉

受理官庁⼜は国際事務局が優先権主張を無効とみなす旨を宣⾔する前であり、且つ、上記期間の満了の後、1ヶ⽉以内に受理した優先権主張の補充は、上記期間の満了の前に受理したものとみなす (規則 26の2.2(b))なお、この規定は優先権主張を遅れて追加する場合には適⽤されない

優先権主張の補充⼜は追加 (規則 26の2)優先⽇が変更される場合 (2)

4141

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Priority claims-1714.03.2018

The International Patent System

■該当する項⽬:優先権主張の出願⽇を変更しない補充

既に出願に記載された最先の優先権主張よりも後の出願⽇を有する優先権主張を追加する場合 (例、⼆番⽬の優先権主張)

最先ではない優先権主張の出願⽇を補充する場合

優先権主張の補充⼜は追加 (規則 26の2)優先⽇が変更されない場合 (1)

Priority claims-1814.03.2018

The International Patent System

適⽤される期限:

規則 26の2.1(a):

国際出願⽇から4ヶ⽉以内; ⼜は 優先⽇から16ヶ⽉

どちらか遅く満了する期間 受理官庁⼜は国際事務局が優先権主張を無効とみなす旨を宣⾔する前であり、かつ、上記期間の満了の後、1ヶ⽉以内に受理した優先権主張の補充は、上記期間の満了の前に受理したものとみなす(規則 26の2.2(b))

なお、この規定は優先権主張を遅れて追加する場合には適⽤されない

規則 91: 優先⽇から26ヶ⽉以内

優先権主張の補充⼜は追加 (規則 26の2)優先⽇が変更されない場合 (2)

4242

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Priority claims-1914.03.2018

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受理官庁⼜は国際事務局による補充の求め (1)

様式: 受理官庁: 様式 PCT/RO/110 国際事務局: 様式 PCT/IB/316

次の場合に求め (規則 26の2.2(a)) が出される: 優先権の主張が規則 4.10に定める要件を満たしていない 優先権主張における表⽰がこれに対応する優先権書類に記

載されている表⽰と合致しない 国際出願の国際出願⽇が優先権期間の満了の⽇の後である

Priority claims-2014.03.2018

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■ 国際出願⽇が優先期間の満了の⽇の後であるが、優先期間の満了の⽇から2ヶ⽉以内であるときは、受理官庁は優先権の回復のための請求の提出の可能性 (規則 26の2.3) を出願⼈に通知する

■ 出願⼈が求めに応じて優先権主張の補充を⾏わない場合には、その優先権主張は、PCT の⼿続き上、無効とみなされる (規則 26の2.2(b))

受理官庁⼜は国際事務局による補充の求め (2)

4343

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Priority claims-2114.03.2018

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■ ただし、優先権主張は、次のいずれかの理由のみでは無効とはみなされない (規則 26の2.2(c)) :

先の出願の番号の表⽰が⽋落; ⼜は

優先権主張における表⽰がこれに対応する優先権書類に記載されている表⽰と合致しない; ⼜は

国際出願⽇が優先期間が満了した⽇よりも遅い⽇であって、当該満了の⽇から2ヶ⽉の期間内

受理官庁⼜は国際事務局による補充の求め (3)

Priority claims-2214.03.2018

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■ PCT の⼿続き上、優先権主張が無効とみなされた場合であっても、指定官庁は、国内法に従って、その優先権主張を認めることができる

■ 第三者への注意: 指定国ごとに異なる優先⽇が適⽤される可能性がある (規則 26の2.2(d) 及び48.2(a)(ix))

受理官庁⼜は国際事務局による補充の求め (4)

4444

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Priority claims-2314.03.2018

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優先権の主張に関する公表 (1)

■無効とみなされた、⼜は以下の理由のみで無効とみなされなかった優先権の主張に関する情報は:

出願番号が⽋落している

優先権の主張における表⽰と合致しない

国際出願⽇が優先期間外であるが、優先期間の満了の⽇から2ヶ⽉の期間内である

国際事務局によって、該当する場合、出願⼈の提出した当該優先権の主張に関する情報とともに、無料で公表される (規則 26の2.2(d))

Priority claims-2414.03.2018

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■ 規則 26の2.1(a) に基づく優先権の主張の補充及び追加:

優先権の主張の補充⼜は追加の期間の満了後、出願⼈は、以下を条件として、国際事務局に優先権の主張に関する情報を公表することを請求できる (規則 26の2.2(e)) :

優先⽇から30ヶ⽉以内

⼿数料の⽀払い

優先権の主張に関する公表 (2)

4545

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Priority claims-2514.03.2018

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優先権の回復 – 権限のある機関

■ 国際段階では受理官庁 (規則 26の2.3)

■ 国内段階では指定官庁 (規則 49の3.2)

Priority claims-2614.03.2018

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優先権の回復適⽤される基準

■適⽤される基準: 規則 26の2.3(a) 及び 49の3.2(a)■回復のための⼆つの基準:

優先期間の徒過が、状況により必要とされる相当な注意を払ったにもかかわらず⽣じた場合

優先期間の徒過が、故意ではない場合■全ての官庁は、これらの基準のうち少なくとも⼀つを適⽤す

るものとし、また、これら両⽅を適⽤することができる; 指定官庁は、国内法令の規定に基づいて、出願⼈の⽴場から⾒て、より有利な基準を適⽤することができる

4646

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Priority claims-2714.03.2018

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受理官庁による回復 (規則 26の2.3)

■要件:

受理官庁に回復の請求を提出

期限: 優先期間の満了の⽇から2ヶ⽉

優先期間内に国際出願が提出されなかったことの理由の陳述

望ましくは、理由の陳述を裏付ける申⽴てその他証拠の提出

該当する場合、回復請求⼿数料の⽀払い

Priority claims-2814.03.2018

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受理官庁による回復IBへの書類の送付■ 基本原則: 優先権回復請求に関して出願⼈から受領した全ての書類

の RO から IB への送付義務付け■ 例外:

RO は、出願⼈による理由を⽰した請求により、⼜は当該 RO の決定に基づき、以下の場合には情報を送付しない 当該情報が国際出願について公衆に周知する⽬的に明らかに

資さないこと 当該情報の公開⼜は公衆による利⽤により、いずれかの者の

個⼈的な⼜は経済的な利益が明らかに損なわれること 当該情報を利⽤する優先的な公共の利益がないこと

出願⼈は差替え⽤紙の提出を求められることがある

4747

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Priority claims-2914.03.2018

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受理官庁による回復の拒否の効果(規則 26の2.3)■国際出願⽇より14ヶ⽉以内に出願された先の出願に基づく優先権の

主張は、

受理官庁によって優先権が回復されていなくても、国際出願は維持 (規則 26の2.2(c)(iii))

国際段階における期間を計算する基礎となる

■ 国内段階における当該優先権の主張の有効性は保証されない

Priority claims-3014.03.2018

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国内段階における優先権の回復の効果(規則 49の3.1)■ 国内段階における受理官庁による優先権の回復の効果:

受理官庁が「相当な注意」を基準として回復した場合には、全ての指定官庁で有効

受理官庁が「故意ではない」を基準として回復した場合には、同様の (もしくはより緩やかな) 基準を採⽤する指定官庁でのみ有効

受理官庁による回復は指定官庁を完全に拘束するものではない: 指定官庁による限定的な検査は可能

受理官庁による回復を拒否する決定は指定官庁を拘束するものではない

■ 国内法令に適合しないことの宣⾔ (留保) はWIPOウェブサイトを参照: www.wipo.int/pct/en/texts/reservations/res_incomp.html

4848

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Priority claims-3114.03.2018

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留保した官庁国際事務局に規則 26の2.3(a) から (i)、規則 49の3.1(a) から (d) 及び/⼜は規則 49の3.2(a) から (g) が国内法令に適合していないことを通知した 官庁:

受理官庁として不適合 (規則 26の2.3(j)) :BR, CO, CU, CZ, DE, DZ, GR, ID, IN, IT, KR, NO, PH

指定官庁における受理官庁の決定の効果との不適合(規則 49の3.1(g)) :BR, CA, CN, CO, CU, CZ, DE, DZ, ID, IN, KR, LT, MX, NO, PH, TR

指定官庁として不適合 (規則 49の3.2(h)) :BR, CA, CN, CO, CU, CZ, DE, DZ, ID, IN, KR, MX, NO, PH, TR

PCT留保及び不適合の表を参照www.wipo.int/pct/en/texts/reservations/res_incomp.html

4949

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国際出願に関する⽋陥の補充

Defects-214.03.2018

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国際出願⽇に影響なく補充できる⽋陥 (1)■ 出願⼈の国籍⼜は住所からして、管轄する官庁ではない (第11条

(1)(i)、規則 19.4(a)(i))

■ 国際出願が、受理官庁が認めない⾔語で⾏われた (規則 19.4(a)(ii))

■ 出願⼈の国籍、及び/⼜は住所の表⽰の誤り (実施細則第329号)

■ 願書、要約、図⾯の⽂⾔が認められない⾔語で提出された (規則 26.3の3)

■ 優先権の主張の記載が不完全、誤り、⼜は⽋落 (規則 26の2)

5050

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Defects-314.03.2018

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国際出願⽇に影響なく補充できる⽋陥 (2)

■ ⼿数料の未払い、⼜は不⾜ (規則 16の2)

■ 願書における署名の⽋落 (規則 4.15)

■ 規則 4.17の申⽴ての記載が不完全、誤り、⼜は⽋落 (規則 26の3)

■ 様式上の⽋陥 (規則 11 及び 26)

■ 発明の名称の⽋落

■ 要約の⽋落

■ 明⽩な誤記 (規則 91)

Defects-414.03.2018

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国際出願⽇が繰り下がる⽋陥 (規則 20.5)

■ ⽤紙の⽋陥

明細書

請求の範囲

図⾯

5151

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Defects-514.03.2018

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国際出願の⽋落要素及び⽋落部分(規則 20) (1)

■ ⽬的: 優先権主張の基礎出願に含まれている要素⼜は部分が誤って⽋落している場合には、国際出願⽇に影響を与えることなく補充可能

要素 = 明細書の全部、請求の範囲の全部

部分 = 明細書の⼀部、請求の範囲の全部、図⾯⾴の⼀部⼜は全部

Defects-614.03.2018

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国際出願の⽋落要素及び⽋落部分(規則 20) (2)

■ 要件:

国際出願を最初に受理した⽇に優先権が主張されていなければならない (規則 4.18)

基礎出願が要素⼜は部分を包含 (規則 20.6(b))

願書に引⽤による補充 (可能性) の陳述を記載 (規則 4.18)

引⽤による補充の確認を期限内に⾏う (規則 20.6 及び 20.7)

■ 権限のある機関: 受理官庁

5252

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Defects-714.03.2018

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引⽤による補充の確認(規則 20.6 及び 20.7) (1)■ 期間: 出願から2ヶ⽉、⼜は訂正の求めから2ヶ⽉ (規則 20.7)

■ 提出すべき書類 (規則 20.6) :

確認する書⾯の通知

⽋落要素の⽤紙

優先権書類が未だ提出されていない場合には、提出された先の出願

国際出願がされた⾔語ではない場合には翻訳⽂

優先権書類 (及び、翻訳⽂) のどこに当該部分が記載されているかに関する表⽰

Defects-814.03.2018

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引⽤による補充の確認(規則 20.6 及び 20.7) (2)■ 引⽤による補充の全ての要件を満たしていない場合

(例えば、⽋落要素⼜は⽋落部分が先の出願に完全には記載されていない場合) :

国際出願⽇として後の出願⽇が適⽤される (⽋落要素⼜は⽋落部分を受理した⽇)

出願⼈は⽋落部分を無視することを請求することができる(規則 20.5(e))

5353

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Defects-914.03.2018

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第11条 (1) に基づく受理官庁による⽋陥の補充の求め (規則 20.3)

■ 明細書全体若しくは請求の範囲全てが⽋落している場合には、受理官庁は出願⼈に次のことを求める:

第11条(2)に基づき補充書を提出することによって、国際出願⽇として後の出願⽇を適⽤する、⼜は、

要素は規則 4.18の規定に基づく引⽤により補充される要素であることを規則 20.6(a)の規定に従って確認することによって、国際出願⽇を維持する

Defects-1014.03.2018

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引⽤による補充の国内段階における効果(規則 82の3.1(b))

■ 指定官庁は、限定された範囲で、引⽤による補充が認められた決定を再検査することができる

■ 多くの受理官庁及び指定官庁によって、国内法令に適合しないこと(留保) の宣⾔が⾏われているWIPOウェブサイト参照:www.wipo.int/pct/en/texts/reservations/res_incomp.html

5454

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Defects-1114.03.2018

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国内法令に適合しないことの宣⾔

国際事務局に規則 20.3(a)(ii) 及び (b)(ii)、20.5(a)(ii) 及び (d)、20.6が国内法令に適合しないことを通知した官庁:

受理官庁として不適合 (規則 20.8(a)) :

CU, CZ, DE, ID, IT, KR, MX

指定官庁として不適合 (規則 20.8(b)) :

CN, CU, CZ, DE, ID, KR, MX, TR

Defects-1214.03.2018

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明⽩な誤記の訂正 (規則 91) (1)

■ 誤記の訂正は権限のある機関の許可に従う:

願書における誤記の場合には、受理官庁

願書以外の国際出願における誤記⼜は国際調査機関に提出した書類の誤記の場合には、国際調査機関

願書以外の国際出願における誤記⼜は国際予備審査機関に提出した書類の誤記の場合には、国際予備審査機関

国際出願⼜は国際出願の補正⼜は補充以外の書類であって、国際事務局に提出された書類の誤記の場合には、国際事務局

5555

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Defects-1314.03.2018

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明⽩な誤記の訂正 (規則 91) (2)■ 期間: 優先⽇から26ヶ⽉ (規則 91.2)

■ 規則 91では訂正することができない誤記を明確化:

要素や⽤紙の⽋落

要約部分の誤記

19条補正の誤記

優先⽇について変更が⽣じる優先権主張の誤記

Defects-1414.03.2018

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明⽩な誤記の訂正 (規則 91) (3)

■ 指定官庁は、当該指定官庁が権限のある機関であった場合に訂正を許可しなかったと認めた場合にのみ、訂正を無視することができるが、意⾒を述べる機会を出願⼈に与えなければならない(規則 91.3(f))

■ 許可された訂正のための請求:

国際公開の技術的準備が完了した後に、国際事務局が明⽩な誤記の訂正の許可を受理した場合には、国際事務局は、訂正を含む⽤紙、⼜は差替え⽤紙及び提出された書簡とともに、すべての訂正を⽰す陳述を公開し、表紙を再度公開する (規則 48.2(i))

5656

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Defects-1514.03.2018

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明⽩な誤記の訂正 (4)(公開、規則 48.2)

拒否された訂正のための請求:

訂正のための請求の拒否の⽇から2ヶ⽉以内に提出された出願⼈の要請に応じ、特別の⼿数料の⽀払いを条件として、拒否の理由、及び出願⼈が提出する簡単な意⾒書とともに、拒否された訂正のための請求が国際事務局によって公開される (規則 91.3(d)); 国際公開の技術的準備が完了した後では、表紙の再公開とともに速やかに公開される(規則 48.2(k))

Defects-1614.03.2018

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補充の⼿続 (規則 26.4)

願書の補充:

書簡において記載することができる

願書以外の国際出願の要素の補充:

差替え⽤紙、及び、差替えられる⽤紙と差替え⽤紙との相違について注意を喚起する書簡を提出

5757

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Defects-1714.03.2018

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差替え⽤紙とは何か(規則 26.4、46.5(a) 及び 66.8(a))

■ 国際段階において、以下の理由により、提出された出願当初の(⼜は、先の) ⽤紙と異なる⽤紙:

⽅式上の⽋陥の補充 (規則 26)

明⽩な誤記の訂正 (規則 91)

請求の範囲の補正 (第19条)

明細書、請求の範囲、図⾯の補正 (第34条)

出願⼈、発明者、代理⼈に関する願書内の表⽰の変更(規則 92の2)

Defects-1814.03.2018

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どのような場合にどのような⽅法で差替え⽤紙を提出するのか

■ 差替え⽤紙は以下の場合に提出されなければならない

補充/訂正/補正が願書以外の国際出願の部分について⾏われる場合、すべてのケース

補充/訂正/補正が願書内であって、書簡内で通知することができず、願書のその⽤紙の明確性及び直接の複製に悪影響を及ぼすことなく願書に移すことができない性質のものである場合

■ 差替え⽤紙を添付する書簡において、差し替えられる⽤紙と差替え⽤紙との相違について説明しなければならない

5858

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Defects-1914.03.2018

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追加の補充の⼿続

指定/選択官庁による再検査、及び、指定/選択官庁に対する補充の機会: (第24条(2)、第25条、第26条、第39条(3)、第48条、規則 82の2 及び 82の3)

5959

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規則 92の2に基づく変更の記録

Changes 92bis-225.10.2013

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規則 92の2: 該当する変更

■ ⽒名⼜は名称の変更

■ あて名の変更

■ 国籍の変更

■ 発明者の追加/削除

■ 出願⼈の変更 (譲渡、追加、削除)

■ 代理⼈の変更

6060

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Changes 92bis-325.10.2013

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規則 92の2に基づく変更の記録の要請■ 書⾯において要請する

■ 国際事務局⼜は受理官庁に提出

■ ⼀般的には国際段階で変更の証拠を求めることはない (しかし、国内段階に⼊った場合に指定官庁が証拠 (例えば、譲渡証書) を求める場合がある)

■ 国際事務局は出願⼈に (様式PCT/IB/306 を使って)、要請された変更が記録されたことを通知する

Changes 92bis-425.10.2013

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規則 92の2に基づく出願⼈の名義の変更の記録

■ (旧) 出願⼈の同意書なしに、願書に記載されていない者 (新たな出願⼈) が名義の変更を要請する場合には、譲渡証書⼜は名義の変更を裏付ける書類の写しを変更の要請とともに提出する

■ 新たな出願⼈の新たな代理⼈が要請を⾏う場合には、上記書類に加えて変更後の出願⼈の委任状を同時に提出する

6161

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Changes 92bis-525.10.2013

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規則 92の2に基づく期限 (1)

■ 要請は優先⽇から30ヶ⽉の期間の満了前に国際事務局に受理されなければならない

したがって、受理官庁にも要請を⾏うことが可能ではあるが、国際事務局に直接提出することを推奨

■ 期間の満了の後に国際事務局が記録の要請を受理した場合には、要請された変更は記録されず、出願⼈は関係する各指定⼜は選択官庁に対して⼿続を⾏わなければならない

Changes 92bis-625.10.2013

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規則 92の2に基づく期限 (2)■ 出願⼈が国際出願の国際公開に特定の変更が反映されることを望む場合には、変更の記録の要請が国際事務局に国際公開の技術的準備が完了(通常、実際の公開⽇から15⽇前)する前に到達しなければならない

■ 変更の記録の要請が国際事務局に到達するのが遅かったため国際公開に反映させることができない場合には、国際事務局は関係する全ての指定及び選択官庁に通知する

6262

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受理官庁の機能

Ro functions-227.05.2015

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受理官庁 (1)■ 国際出願についての国際調査を管轄することとなる国際調査機関

の特定 (第16条(2))

■ 国際出願についての国際予備審査を管轄することとなる国際予備審査機関の特定 (第32条(2))

■ 国際出願のために認める⾔語の指定 (規則 12.1(a) 及び (c))

■ 送付⼿数料の額の決定 (規則 14.1(b))

6363

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Ro functions-327.05.2015

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■ 次に関して受理官庁として⾏動する資格の有無の確認

出願⼈の国籍/住所 (規則 19.1 及び 19.2)

出願⾔語 (規則 12.1(a)) 、及び、該当する場合、RO/IBへの国際出願の送付 (規則 19.4)

■ 国際出願⽇の許可⼜は拒絶 (第11条(1) 及び 規則 20)

■ ⽋落要素⼜は部分の引⽤による補充の請求に関する決定(規則 20.5 乃⾄ 20.7)

■ ⾔及された図⾯が含まれているか確認 (第14条(2))

受理官庁 (2)

Ro functions-427.05.2015

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■ 国際出願の翻訳⽂の要求の有無の確認 (規則 12.3 及び 12.4)

■ ⽅式上の⽋陥の確認 (第14条(1))

■ RO、IB、ISAへの⼿数料の徴収 (規則 14、15 及び 16)

■ 要求された⼿数料の期間内の⽀払の有無の確認 (規則 16の2)

■ 優先権主張の確認 (規則 4.10 及び 26の2)

■ 優先権の回復の請求に関する決定 (規則 26の2.3)

受理官庁 (3)

6464

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Ro functions-527.05.2015

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■ 国内法令で要求されている場合、国の安全に関する規定の充⾜についての⼿続 (ROが広域官庁⼜はRO/IBの場合、その⼿続きは出願⼈の責任)

■ 要求された翻訳⽂を含む、国際出願の記録原本の IB への送付、及び、調査⽤写しの ISA への送付 (第12条、規則 22.1 及び23.1)

■ 出願⼈及び国際機関からの通信の転送及び受理

■ PCT 国際出願の認証謄本の作成 (規則 21.2)

受理官庁 (4)

6565

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受理官庁としての国際事務局

IB-RO-225.10.2013

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受理官庁としての国際事務局 (RO/IB) (1)■ 国際事務局は全ての PCT 締約国の国⺠及び居住者のための受理官

庁となる (規則 19.1(a)(iii))

■ 国の安全に関する規定を満たすことは出願⼈の責任

■ RO/IB は如何なる⾔語で出願された国際出願も受理する

■ 管轄 ISA 及び管轄 IPEA は、国際出願が管轄国内⼜は広域官庁に出願されたものとして決定する (規則 35.3(a) 及び 59.1(b)); 願書において ISA を表⽰しなければならない (規則 4.1(b)(iv) 及び 4.14の2)

6666

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IB-RO-325.10.2013

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受理官庁としての国際事務局 (RO/IB)(2)■ 管轄国内及び広域官庁に対して業として⼿続をとる権能を有する代

理⼈は RO/IB に対して業として⼿続をとる権能を有する(規則 83.1の2)

■ 願書の第 IV 欄に表⽰される代理⼈⼜は共通の代表者に関する別個の委任状若しくは包括委任状の提出要件をRO/IB は (所定の条件において) 放棄している(www.wipo.int/pct/en/texts/pdf/p_a_waivers.pdf 参照)

■ 所定の締約国からの出願⼈は送付⼿数料が無料

IB-RO-425.10.2013

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■ 以下の場合、国際出願は RO/IB に送付される:

PCT 締約国の出願⼈であって、出願⼈の国籍⼜は住所が出願した受理官庁としての管轄ではない官庁に対して出願がなされた場合

出願⾔語が、出願した受理官庁が認める⾔語ではない場合

他の理由により、出願した受理官庁と RO/IB が、出願⼈の承諾を得て、送付に合意した場合

RO/IB への国際出願の送付 (規則 19.4)(1)

6767

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IB-RO-525.10.2013

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RO/IB への国際出願の送付 (規則 19.4)(2)■ 送付の条件:

国の安全に関する規定を満たしている

送付⼿数料に等しい⼿数料が⽀払われている (すべての官庁が要求しているわけではない)

■ 国際出願⽇に関する送付の効果:以下の場合、「⾮管轄」官庁によって受理された⽇が国際出願⽇となる

国際出願⽇に関する最⼩限の要件を満たしている

IB-RO-625.10.2013

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RO/IB への国際出願の送付 (規則 19.4)(3)■ 送付の結果:

全ての PCT 出願⼿数料を国際事務局に対しスイスフラン、ユーロ⼜は⽶ドルで⽀払う RO/IB が実際に受理した⽇から1ヶ⽉以内に⽀払う

送付⼿数料に等しい⼿数料 (要求された場合) 以外の⾮管轄官庁に⽀払われた⼿数料は返還される

先に代理⼈として選任された者が RO/IB に対して業として⼿続きをとる権能を有しているか確認しなければならない(規則 83.1の2)

出願⼈が選択した国際調査機関が正しいか確認しなければならない (規則 35)

6868

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IB-RO-725.10.2013

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RO/IB への FAX による PCT 出願 (1)

■ RO/IB は国際出願を含む全ての⽂書を FAX で受理する; いくつかの種類の⽂書は送付の⽇から14⽇以内に書類を提出することが必要であり、その他の⽂書は請求に基づき提出 (14⽇⼜はそれ以上) *

■ 時差に注意: ⽂書が所定の期間内に提出される必要がある場合に、期間内に⽂書が送付されたか否かの判断にはジュネーブにおける期間の満了が⽤いられる (規則 80.4(b))

■ FAX 送信に伴う装置のトラブルやその他の問題は出願⼈側が責任を負う (規則 92.4(c))

* PCT 出願⼈の⼿引、⼀般情報、附属書 B2(IB) 参照

注: FAX送信は2018年1⽉1⽇以降は推奨されなくなりました

IB-RO-825.10.2013

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RO/IB への FAX による PCT 出願 (2)

■ PCT 出願の受領通知書 – 様式 PCT/RO/199: 出願⼈/代理⼈/送信者によって FAX 番号が提供されている場合には FAX で送信し、また(欧州外には) 国際宅配速達便で送付

■ RO/IB は⾴が受領されたか否かに関する決定に出願⼈が同意しない場合、その申⽴てについて決定する

6969

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IB-RO-925.10.2013

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PCT/IB 出願に関する優先権書類の提出(1)■ RO/IB への PCT 出願、⼜は規則 19.4 に基づき RO/IB へ送付され

たPCT 出願において、先の国内・広域・国際出願 (RO/IB 以外の受理官庁) に基づく優先権が主張されている場合: RO/IB は先の出願が出願された官庁ではないので、その出願の

認証謄本 (優先権書類) の作成を RO/IB に請求することはできない

願書の第 VI 欄の関連チェックボックスにレ印が付されている場合、RO/IB は職権訂正でそれを削除する

IB-RO-1025.10.2013

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PCT/IB 出願に関する優先権書類の提出(2)

出願⼈は、16ヶ⽉の期間内に関連する国内・広域官庁⼜は受理官庁から優先権書類を取得し提出しなければならない­ なお、関連する官庁が出願⼈に代わって優先権書類を国際事務局に送付する場合であっても16ヶ⽉の期間は適⽤される (⾔い換えると、規則 17.1(b) は適⽤されない); また、確認を条件として、期限を遵守するために国際事務局に対して優先権書類を FAX* で送信することができる

先の出願が DAS に参加している官庁に出願されている場合、RO/IB に対し、優先権書類を DAS 経由で⼊⼿するよう請求することができる (規則 17.1(bの2))

* 注: FAX送信は2018年1⽉1⽇以降は推奨されなくなりました

7070

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IB-RO-1125.10.2013

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PCT/IB 出願に関する優先権書類の提出(3)

■ 先の PCT/IB 出願に基づく優先権主張が後の PCT/IB 出願においてなされた場合、願書の第 VI 欄の関連するチェックボックスにレ印を付すことができ、RO/IB が対応する優先権書類を準備し、IB に送付する(規則 17.1(b) 及び21.2 参照)

IB-RO-1225.10.2013

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国際調査のための翻訳⽂(規則 12.3、20.1(c) 及び (d))

■ 国際出願が RO/IB に対して国際調査を⾏う ISA により認められていない⾔語によりされた場合には、出願⼈は翻訳⽂を求められる:

RO/IB に提出する

RO/IB が国際出願を受理した⽇から1ヶ⽉以内

国際調査を⾏う ISA が認める⾔語であって国際公開の⾔語への国際出願の翻訳

7171

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IB-RO-1325.10.2013

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要求される翻訳⽂の提出の求め(規則 12.3(c) 及び (e))■ RO/IB が PCT 出願番号と国際出願⽇を出願⼈に通知する時まで

に、出願⼈が要求される翻訳⽂を提出しない場合には、RO/IB は出願⼈に以下を求める:

国際出願を受理した⽇から1ヶ⽉以内に要求される翻訳⽂を提出すること

当該1ヶ⽉以内に要求される翻訳⽂が提出されなかった場合には、翻訳⽂を次の期間のうちいずれか遅く満了する期間内に提出すること (該当する場合には、国際出願⼿数料の25%に該当する遅延提出⼿数料を⽀払う)

求めの⽇から1ヶ⽉の期間、⼜は、

RO/IB による国際出願の受理の⽇から2ヶ⽉の期間

IB-RO-1425.10.2013

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翻訳⽂の未提出、及び/⼜は遅延提出⼿数料の未払い (規則 12.3(d))

■ 出願⼈が、適⽤される期間内に、要求された翻訳⽂の提出、及び/⼜は、必要に応じ、遅延提出⼿数料の⽀払を⾏わなかった場合には、国際出願は取り下げられたものとみなされ、RO/IB はその旨を宣⾔する

■ RO/IB によって下記期間までに受理される翻訳⽂及び⽀払は、適⽤される期間の満了前に受理したものとみなされる (すなわち、求めの⽇から1ヶ⽉⼜は国際出願の受理⽇から2ヶ⽉のうちいずれか遅く満了する期間内)

RO/IB が、国際出願が取り下げられたものとみなす旨の宣⾔を⾏う前、及び、

優先⽇から15ヶ⽉の期間の満了前

7272

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国際調査機関 (ISA) による国際調査及び⾒解書

Search-216.11.2017

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国際調査機関 (1)

■ 発明の単⼀性の確認 (規則 13及び40)

■ 発明の名称の確認 (規則 37)、要約の確認 (規則 38)

■ 請求の範囲に記載されている発明の調査 (第15条(3)、規則 33.3)

■ 明⽩な誤記が次の書類にある場合、その誤記の訂正の許可:

国際出願の願書以外の部分 (規則 91.1(b)(ii))

国際調査機関に提出された書類 (規則 91.1(b)(iv))

7373

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Search-316.11.2017

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■ 国際調査報告 (ISR) の作成 (規則 42及び43) 及び/⼜は国際調査報告を作成しない旨の宣⾔ (第17条(2))

■ ISA ⾒解書の作成 (規則 43の2): 請求の範囲に記載されている発明の新規性、進歩性 (⾮⾃明性) 及び産業上の利⽤可能性についての最初の⾮拘束的な⾒解

国際調査機関 (2)

Search-416.11.2017

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国際調査機関 (全23機関)■ AT – オーストリア■ AU – オーストラリア■ BR – ブラジル■ CA – カナダ■ CL – チリ■ CN – 中華⼈⺠共和国■ EG – エジプト■ ES – スペイン■ FI – フィンランド■ IL – イスラエル■ IN – インド■ JP – ⽇本

出願した官庁 (受理官庁) によりどの ISA を利⽤できるか決まる

■ KR – ⼤韓⺠国■ PH – フィリピン (準備中)■ RU – ロシア連邦■ SE – スウェーデン■ SG – シンガポール■ TR – トルコ■ UA – ウクライナ■ US – ⽶国■ EP – 欧州特許庁■ XN – 北欧特許機構

(デンマーク、アイスランド、ノルウェー)■ XV – ヴィシェグラード特許機構 (VPI)

(チェコ共和国、ハンガリー、ポーランド、スロバキア)

7474

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Search-516.11.2017

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国際調査における先⾏技術(第15条(2) 及び 規則 33)先⾏技術:

公衆に対して利⽤可能とされたものであり、

世界中の何れかの場所で、

書⾯により開⽰され、

請求の範囲に記載された発明が新規性、進歩性を有するかどうかの判断に役⽴ち得るものであり、

国際出願⽇の前に公衆に利⽤可能となったもの

PCT 最⼩限資料 (規則 34)

Search-616.11.2017

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国際調査報告 (ISR) (規則 42及び43)国際調査報告には次の事項が含まれる:

IPC (国際特許分類) 記号 調査を⾏った技術分野の表⽰ 発明の単⼀性の⽋如に関する表⽰ 関連する先⾏技術⽂献のリスト 特定の請求の範囲 (全ての請求の範囲ではない) について

有意義な調査ができなかったことに関する表⽰ ISR 及び ISA ⾒解書は、次のうちいずれか遅く満了する期間内に

作成されなければならない: ISA による調査⽤写しの受理の⽇から3ヶ⽉ (通常、優先権が

主張されている場合には、優先⽇から約16ヶ⽉) 優先⽇から9ヶ⽉

7575

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Search-716.11.2017

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国際調査報告が作成されない場合 (1)■国際出願が、ISA が調査を要しないとされている対象に関するもので

あり、調査を⾏わないことを決定した場合 (第17条(2)(a)(i) 及び規則39.1))

■明細書、請求の範囲⼜は図⾯が、いずれの請求の範囲に対しても有意義な調査を⾏うことができる程度にまで所定の要件を満たしていない場合 (第17条(2)(a)(ii))

■国際出願が、ヌクレオチド及び/⼜はアミノ酸の配列の開⽰を含んでいるが:

その配列リストが提出されていない

提出された配列リストが実施細則の附属書 C で規定されている基準を満たしていない、⼜は電⼦形式ではない (規則 13の3.1(d))

期間内に配列リストの遅延提出⼿数料が⽀払われなかった(規則 13の3.1(d))

Search-816.11.2017

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■その場合:

ISA は、国際調査報告を作成しない旨を宣⾔し、その宣⾔は公開された国際出願の⼀部として公開される (規則 48.2(a)(v))

出願は有効であるが、国際調査報告が作成されていないので、IPEA は国際予備審査を⾏う必要がない (規則 66.1(e))

国際調査報告が作成されない場合 (2)

7676

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Search-916.11.2017

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ISA の⾒解書 (規則 43の2) (1)

以下の事項についての最初の⾮拘束的な予備的⾒解:

新規性 (⾮予⾒性)

進歩性 (⾮⾃明性)

産業上の利⽤可能性

⾒解書は ISR と同時に全ての国際出願について作成される

⾒解書は ISR とともに出願⼈及び国際事務局に送付される

Search-1016.11.2017

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■ ⾒解書は国際公開⽇にPATENTSCOPEで原語で利⽤可能

■ ISA ⾒解書に対する出願⼈による正式な反論⼿続はない

■ ⾮公式コメントを国際事務局に提出可能

原語で⾒解書と共に公開される

IPRP (第 I 章) が送付されるのであればその際に DO へ送付される

■ IPRP (第 I 章) とその翻訳は優先⽇から30ヶ⽉で作成される

ISAの⾒解書 (規則 43の2) (2)

7777

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Search-1116.11.2017

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ISA の⾒解書における先⾏技術(規則 43の2.1(b) 及び 64.1)先⾏技術:

国際調査⽬的と同じ

しかし、優先⽇前に公に利⽤可能なものすべてが対象

ISA は国際事務局に対して優先権書類の写しを要請することができる (規則 66.7(a)); しかし、ISA ⾒解書の作成時に ISA がその写しを利⽤できない場合であっても、出願⼈が規則 17.1 の要件を満たさない場合を除き、⾒解書は、優先⽇が該当する先⾏技術の⽇として作成される

Search-1216.11.2017

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特許性に関する国際予備報告 (IPRP) (PCT 第 I 章) (規則 44の2)出願⼈が国際予備審査を請求しない場合には:

ISA の⾒解書に基づいて、IB が IPRP (第 I 章) を作成する

IPRP (第 I 章) 及びその翻訳は、

指定官庁に送付される

優先⽇から30ヶ⽉が経過した時に PATENTSCOPE にて公衆に利⽤可能となる (しかし、国際出願や ISR のように「公開」はされない)

7878

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Search-1316.11.2017

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第 II 章の⼿続におけるISAの⾒解書の利⽤ (規則 66.1の2)出願⼈が国際予備審査を請求する場合:

ISAの⾒解書がIPEAの⾒解書になる (IPEAが特定のISAが作成した⾒解書を受け⼊れないことを決定している場合を除く)

出願⼈によるISAの⾒解書に対する⾮公式コメントはIPEAには送付されない (第34条補正/抗弁のみ)

国際予備審査報告が作成された場合には、IBに提出された⾮公式コメントは指定官庁 (DO) や選択官庁 (EO) へ送付されない

7979

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補充国際調査 (SIS)(規則 45の2)

SIS-201.07.2017

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■ PCT 出願⼈が多⼤な費⽤をかけて国内移⾏した後に、新たな先⾏技術が⾒つかることへの懸念に応える

■ PCT 国際段階で任意の補充調査を導⼊することで、このリスクを軽減する

■ 先⾏技術が記載されている⾔語の種類が増加していることを考慮して、国際段階の調査範囲を拡⼤する

⽬的

8080

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SIS-301.07.2017

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主な特徴■ 出願⼈に対する任意のサービス

現在、次の機関がサービスを提供: AT、EP、FI、RU、SE、SG、TR、UA、XN、XV

今後、より多くの国際機関が補充国際調査 (SIS) を提供することが期待される

■ 出願⼈は、主国際調査を担当する機関を除き、このサービスを提供する機関による補充調査を請求することができる

■ 各機関は補充調査の範囲と⼿数料を決定する

■ SIS は⼀つの発明のみが対象 – 追加⼿数料を⽀払うという選択肢はない

SIS-401.07.2017

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このサービスの利⽤の決定 (1)

■ 主国際調査報告は、通常の⽬的において⼗分な程度に、⾼品質であることを意図している

■ したがって、補充国際調査サービスは全ての国際出願に対して利⽤するものではなく、国際段階において、追加費⽤をかける価値があると出願⼈が判断した場合に、追加の情報を与えるためのもの

■ 補充調査を請求する前に、出願⼈は次の事項を検討する必要がある:

主国際調査報告

特定の出願の商業的価値

ISA が専⾨としていない⾔語による、特定の技術分野に関連する⽂献の数

8181

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SIS-501.07.2017

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■ 特定の国際機関によって⾏われる調査の観点(SISA の選択は⾃由)■ 特定の⾔語での先⾏技術⽂献に対して⾏われる調査の観点■ 主 ISA が第17条(2)に従って調査されなかった特定の対象の観点

(例: 処置⽅法、規則 39.1(iv))

このサービスの利⽤の決定 (2)

SIS-601.07.2017

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期間及び⼿数料■ 補充調査の請求は優先⽇から22ヶ⽉の期間内に国際事務局に対し

て提出する■ ⼿数料は請求の提出から1ヶ⽉以内にスイスフランで⽀払う:

補充調査⼿数料* 補充調査取扱⼿数料*

■ 補充調査のために指定された機関は、補充調査請求及び国際調査報告 (ISR) を受理した場合に補充国際調査を開始する (主 ISR を受理していない場合であっても、遅くとも優先⽇から22ヶ⽉以内に開始する)

■ 補充国際調査報告は優先⽇から28ヶ⽉までに作成される

* PCT 出願⼈の⼿引、附属書 SISA、参照

8282

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SIS-701.07.2017

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(⽉)

PCT 出願

120 30

国際調査報告及び

国際調査機関の⾒解書

16 18

国際公開

(任意)国際予備審査請求

国内出願

国内段階移⾏

22 28

(任意)特許性に関する国際予備報告

PCT 制度における補充国際調査

(任意)補充国際調査請求

補充国際調査報告

SIS-801.07.2017

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補充調査請求 (1)■ 請求は補充調査請求書 (様式PCT/IB/375) を⽤いて、次の事項を

特定しなければならない

補充調査を⾏う機関

(所定の場合に – 発明の単⼀性を参照) 調査が⾏われる請求の範囲

■ 請求書には次の書類を伴う必要がある場合がある:

機関が認める⾔語による国際出願の翻訳⽂*

電⼦形式の配列リスト*

* PCT 出願⼈の⼿引、附属書 SISA、参照

8383

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SIS-901.07.2017

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■ 選任された代理⼈は補充国際調査のために特定された機関に対して代理することができるが、それにもかかわらず出願⼈が望む場合には、当該機関に対して代理する代理⼈を選任することができる

■ ⼿数料が1ヶ⽉以内に⽀払われず、国際事務局が⼿数料の⽀払いを求めた場合 (様式 PCT/IB/377)、後払⼿数料も⽀払う

■ 補充調査のための⼿数料が⽀払われない場合、請求は取下げられたものとみなされる

補充調査請求 (2)

SIS-1001.07.2017

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発明の単⼀性■ ⼀つの発明のみが調査される – 追加の発明のために、追加調査⼿数

料を⽀払う選択肢はない

■ 通常は請求の範囲に最初に記載されている発明が調査されるが、主ISA が発明の単⼀性の要件を満たしていないと認めた場合、出願⼈は最初に記載されている発明以外の発明に補充調査を限定することを請求することができる

ただし、補充国際調査機関は主 ISA が調査していない発明を調査する義務はない (規則 45の2.5(d))

■ 補充国際調査機関は主 ISA の単⼀性に関する⾒解に従う義務はない

■ 主調査の場合の「異議」⼿続に似た検査⼿続が利⽤可能

8484

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SIS-1101.07.2017

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調査範囲 (1)■ 補充調査は出願された請求の範囲に対して⾏われ、通常は、請求

の範囲の最初に記載されている発明に対して⾏われる (第19条及び第34条の補正は考慮されない)

■ 補充国際調査機関は次の対象を調査する必要がない: 第17条(2) に従って、通常、調査する必要がない対象 主 ISA によって調査されていない請求の範囲 サービスの範囲を規定する WIPO と補充国際調査機関との間

の取決めに基づき、制限の対象となる国際出願(www.wipo.int/pct/en/access/isa_ipea_agreements.html 参照) 実施する補充調査の総数に関する制限 調査を⾏う請求の範囲の数に関する制限

SIS-1201.07.2017

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■ 調査する先⾏技術の範囲は補充国際調査機関によって決定される

全ての PCT 最⼩限資料及び当該機関が保有するその他の⾔語で記載された⽂献を考慮して、新たな調査として⾏われる、⼜は、

主調査を補完するための調査として⾏われる、典型的には、当該機関によって保有される⾔語で記載された⽂献を含む

調査範囲 (2)

8585

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SIS-1301.07.2017

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現在利⽤できるサービス (1)■ SISA/AT: 3つの調査オプション

ドイツ語の⽂献のみの調査

欧州及び北⽶の⽂献のみの調査

PCT 最⼩限資料のみの調査

■ SISA/EP: PCT 最⼩限資料及び欧州特許庁が保有する⽂献

■ SISA/FI 及び SISA/SE: PCT 最⼩限資料及び同機関が保有するデンマーク語、フィンランド語、ノルウェー語及びスウェーデン語の⽂献

SIS-1401.07.2017

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■ SISA/RU: 2つの調査オプション

ロシア語の⽂献及び旧ソビエト連邦及び CIS 諸国の特許⽂献

主 ISA が規則 39.1(iv) に関する対象 (処置⽅法) であることを理由に、第17条(2)(a) の宣⾔を⾏っている出願: 上記に加え PCT 最⼩限資料

■ SISA/SG: PCT 最⼩限資料及び同機関が保有する英語及び中国語の⽂献

■ SISA/TR: PCT最⼩限資料及び同機関が保有するトルコ語の⽂献

現在利⽤できるサービス (2)

8686

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SIS-1501.07.2017

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■ SISA/UA: 3つの調査オプション

PCT 最⼩限資料のみの調査

旧ソビエト連邦のロシア語及びウクライナ語の⽂献のみの調査

欧州及び北⽶の⽂献のみの調査■ SISA/XN: PCT 最⼩限資料及び同機関が保有するデンマーク語、

アイスランド語、ノルウェー語、及びスウェーデン語の⽂献■ SISA/XV: 2つの調査オプション

同機関が保有するチェコ語、ハンガリー語、ポーランド語、及びスロバキア語の⽂献

PCT 最⼩限資料及び同機関が保有するチェコ語、ハンガリー語、ポーランド語、及びスロバキア語の⽂献

現在利⽤できるサービス (3)

SIS-1601.07.2017

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補充国際調査報告

■ 補充国際調査報告 (様式PCT/SISA/501) は ISR と類似しているしかし: 国際出願の分類⼜は発明の名称及び要約に対する⾒解は含まれな

い ISR に引⽤されていない新たな⽂献との関連で列記する必要があ

る場合を除くほか、ISR に引⽤されている⽂献を列記することを必要としない

次の説明を記載することができる: 関連があると認められる⽂献の列記に関する説明 (ISRにおける

記載よりも詳細) SIS の範囲 (特に、ISR が遅れて主調査の範囲を仮定した場合)

■ 補充国際調査報告とともに⾒解書は作成されない

8787

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SIS-1701.07.2017

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報告に関する更なる⼿続

■ 補充国際調査報告は出願⼈及び国際事務局に送付される

■ 国際事務局は報告を公衆に利⽤可能にする (国際出願が公開されている場合)

■ 報告が英語で記載されていない場合には、国際事務局は報告を英訳する

■ 国際事務局は報告とその英訳を、該当する場合には国際予備審査機関及び指定官庁に送付する

SIS-1801.07.2017

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調査が実施されない場合の払戻し

■ 補充国際調査機関が補充調査を開始したが、調査が実施されなかった場合:

主国際調査と同様の理由 (主題、明確性の⽋如、電⼦形式による配列リストの⽋如) の場合、⼜は、

主国際調査機関が第17条(2)(a) の宣⾔を⾏っていることが理由の場合

補充調査⼿数料は払い戻されない

機関によって提供されるサービスの範囲特有の限定が理由で、補充調査の請求は受理されないと認められた場合、

補充調査⼿数料は払い戻される

8888

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国際予備審査の請求

Demand-216.10.2017

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■ 国際予備審査の請求は PCT 第 II 章に基づく国際予備審査のための請求

■ 国際予備審査は PCT 国際出願の継続した審査を提供する国際予備審査機関 (IPEA) に対する任意の⼿続

■ 国際予備審査の請求はすべての指定国を⾃動的に “選択” する

国際予備審査の請求とは

8989

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Demand-316.10.2017

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国際予備審査を請求する理由 (1)

■ 国際予備審査期間中に明細書、請求の範囲、図⾯を補正する機会が与えられる

■ ISA によって提⽰された特許性に関する⾒解に対する抗弁を提出できる

■ 国際予備審査は、国際段階で特許性に関するより肯定的な⾒解を得るための最後の機会

Demand-416.10.2017

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■ 特許性に関する国際予備報告 (第 II 章) が作成される■ 特許性に関する肯定的な報告に基づき国内段階において優遇を受け

ることが⾒込まれる

国際予備審査を請求する理由 (2)

9090

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Demand-516.10.2017

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国際予備審査の請求をする資格のある者(第31条(2)(a) 及び規則 54.2)

■ 出願⼈ (出願⼈が⼆⼈以上いる場合にはそのうちの少なくとも⼀⼈)が以下に該当する場合

第 II 章に拘束される PCT 締約国の国⺠⼜は居住者、及び、

その出願⼈の国際出願が、第 II 章に拘束される締約国の受理官庁⼜はその締約国のために⾏動する受理官庁に出願されていること (現在、全ての締約国)

Demand-616.10.2017

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国際予備審査請求書の様式■ ePCT

■ IPEA によって提供される電⼦出願ソフト

■ 印刷された国際予備審査請求書の様式 (PCT/IPEA/401)

■ コンピュータで作成した国際予備審査請求書 (規則 53.1(a) 及び実施細則第102号(h)及び(i))

レイアウト及び内容に関する要件は願書様式と同じ

9191

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Demand-716.10.2017

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国際予備審査請求書: 内容 (規則 53)■ 国際予備審査請求書には、次の事項を記載しなければならない:

申⽴て 国際出願を特定できる表⽰ (例えば、国際出願番号) 第 II 章の下での出願⼈の⽒名⼜は名称 該当する場合は、代理⼈の⽒名 国際予備審査が⾏われるための基礎となる事項 (補正に関する

記述) 国際予備審査のための⾔語 少なくとも⼀⼈の出願⼈⼜は代理⼈の署名

Demand-816.10.2017

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国際予備審査請求書の署名 (規則 53.8)■ 国際予備審査請求書において選択国のための出願⼈として表⽰さ

れた者のみが国際予備審査請求書に署名する必要がある

■ 出願⼈が代理⼈⼜は共通の代表者を選任している場合は、その代理⼈⼜は共通の代表者が署名できる

■ 選任された代理⼈⼜は共通の代表者がいない場合は、出願⼈のうちの⼀⼈が請求書に署名していれば⼗分 (規則 60.1(aの3) 参照)

■ いくつかの機関では、別個の委任状⼜は包括委任状の写しの提出を要求していない (規則 90.4 及び90.5)

9292

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Demand-916.10.2017

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国際予備審査の請求先 (規則 59) (1)■ 管轄 IPEA に直接提出

受理官庁により特定されている もし受理官庁により⼆以上の IPEA が特定されている場合は、

出願⼈が選択する■ 選択の際に出願⼈が注意すべき事項

IPEA によって認められる⾔語 特定の ISA で国際調査された国際出願のみを対象とする

IPEA がある (例えば、IPEA/EP)

Demand-1016.10.2017

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■ 受理官庁としての国際事務局に国際出願がなされた場合、管轄 IPEA は、出願⼈の国籍⼜は住所に基づいた管轄受理官庁(のどれか) にその国際出願がなされていたと仮定した時に管轄となるであろう IPEA

■ IPEA の選択は国際予備審査請求書に表⽰する

国際予備審査の請求先 (規則 59) (2)

9393

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Demand-1116.10.2017

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管轄 IPEA への国際予備審査請求書の送付 (規則 59.3)■ 国際予備審査請求書が管轄しない IPEA や RO、ISA ⼜は IB に提

出された場合、それらの機関⼜は官庁は: 国際予備審査請求書に受理の⽇付を記載し、 当該請求書を IB に送付し、その後、IB は管轄 IPEA に送付す

る (管轄国際予備審査機関が複数ある場合は出願⼈の選択による)、⼜は、

当該請求書を管轄 IPEA (管轄国際予備審査機関が複数ある場合は出願⼈の選択による) に直接送付する

■ 管轄 IPEA に送付された国際予備審査請求書は、当該請求書が RO、ISA、IB ⼜は管轄しない IPEA によって受理された⽇に当該機関に代わって受理されたものとみなされる

Demand-1216.10.2017

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国際予備審査の請求の時期(規則 54の2.1(a)) (1)■ 次の期間のうちいずれか遅く満了する期間までにすることができる:

出願⼈への ISR 及び ISA ⾒解書の送付から3ヶ⽉ 優先⽇から22ヶ⽉

■ ただし、第22条(1) で規定する20ヶ⽉の移⾏期限を継続して適⽤する指定官庁に対して、国内段階への移⾏期限を優先⽇から20ヶ⽉から優先⽇から30ヶ⽉に繰り延べるためには、優先⽇から19ヶ⽉を経過する前に請求を⾏う必要がある LU、TZ、UGのみ適⽤

9494

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Demand-1316.10.2017

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■ 推奨:

国際調査報告及び ISA の⾒解書を受け取った後、引⽤された先⾏技術⽂献を評価し、さらに⼿続を進めるか否かを決断し、⼿続を進める場合は、⾒解書を参酌して補正/抗弁とともに可能な限り速やかに国際予備審査を請求することによって、国際予備審査報告の作成までの期間 (通常、優先⽇から28ヶ⽉) を⼗分に取ることができる

国際予備審査の請求の時期(規則 54の2.1(a)) (2)

Demand-1416.10.2017

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■ 補充により国際予備審査請求書の提出⽇が後になる⽋陥

請求を⾏う資格を有する出願⼈が⼀⼈もいない (規則 54.2(i))

国際出願が特定できない (規則 60.1(b))

■ LU、TZ 及び UG に対しては、優先⽇から19ヶ⽉経過後であって、規則 54の2.1(a) における適⽤期限内に国際予備審査請求書を提出した場合には、請求は有効となるが、国内段階への移⾏期限が30ヶ⽉まで繰り延べられない (第39条(1)(a))

第 II 章における⽋陥 (1)

9595

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Demand-1516.10.2017

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■ 請求⽇に影響を与えることなく補充できる⽋陥:

管轄外の IPEA への国際予備審査請求書の提出 (規則 59.3)

様式上の⽋陥 (規則 53.1)

出願⼈及び代理⼈に関する表⽰の⽋陥 (規則 53.4 及び 53.5)

国際予備審査請求書の⾔語 (規則 55.1)

少なくとも⼀⼈の署名の⽋如 (規則 53.8 及び 60.1(aの3))

第34条補正に⾔及しているが提出されていない (規則53.9(a)(i))

第 II 章における⽋陥 (2)

Demand-1616.10.2017

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ePCTと国際予備審査請求書の提出■ ePCTで⾼度な認証設定を利⽤することにより、国際予備審査請求書

の作成・提出が可能

■ フィールドは⾃動的に⼊⼒される

■ 作成時に⾃動的なチェックが⾏われる

■ すべての附属書類を添付することができる (例えば、19条補正書、34条補正書、翻訳⽂など)

■ 国際事務局は、提出された国際予備審査請求書を⾃動的に管轄IPEAに転送する

■ ⼿数料およびそれ以降のすべての通信は IPEA に直接提出しなければならない

9696

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Demand-1716.10.2017

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第 II 章における補充⼿続き■ IPEA による⽋陥の補充の求め (規則 60.1)

■ IPEA による未払い⼜は不⾜分の⼿数料の⽀払いの求め(規則 58の2)

■ 更なる可能性:

IPEA に対する明⽩な誤記の訂正の請求 (規則 91)

指定⼜は選択官庁による検査の請求及び補充の機会の利⽤(第25条、第26条及び第39条(3))

9797

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国際予備審査

IPE-201.07.2014

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国際予備審査■ 以下の事項についての⾮拘束的な⾒解を提供すること

新規性 (⾮予⾒性) (第33条(2) 及び規則 64)

進歩性 (⾮⾃明性) (第33条(3) 及び規則 65)

産業上の利⽤可能性 (第33条(4))

■ 国際予備審査は補正の機会が与えられ、且つ、ISA によって提⽰された特許性に関する⾒解に対する抗弁を提出できる

9898

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IPE-301.07.2014

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国際予備審査 (2)■ ISA にて調査された請求の範囲のみが IPEA において審査される

(規則 66.1(e) 及び 66.2(a)(vi))

IPE-401.07.2014

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国際予備審査の開始 (規則 69.1)■ IPEA が以下のものを保有したとき:

国際予備審査請求書

国際調査報告 (⼜は第17条(2)(a) に基づく宣⾔) 及び ISA ⾒解書

予備審査⼿数料及び取扱⼿数料

ただし、IPEA は、出願⼈が明⽰的に早期の開始を請求した場合を除くほか、規則 54の2.1(a) に規定する期間の満了前に国際予備審査を開始しない

■ 国際予備審査請求書が補正に関する記述を含んでいる場合は、その補正書の写しが利⽤可能であるとき (規則 69.1(c)、(d) 及び(e) 参照)

■ 国際予備審査が国際出願の翻訳⽂に基づいて⾏われる場合は、その翻訳⽂が利⽤可能であるとき (規則 55.2(c) 参照)

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IPE-501.07.2014

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発明の単⼀性⽋如の発⾒ (規則 68)

■ 要件は国際調査の場合と同じ (規則 13及び国際調査及び予備審査ガイドラインのパラグラフ 10.20 乃⾄ 10.59)

■ IPEA は請求の範囲の限定⼜は追加⼿数料の⽀払 (異議申⽴てとともに⽀払うことが可能) を求める

■ 出願⼈は「主発明」及び追加⼿数料を⽀払うべき発明を選択することができる

IPE-601.07.2014

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IPE における先⾏技術 (規則 64.1) (1)■先⾏技術とは?

世界のいずれかの場所において書⾯による開⽰ (図⾯その他の図解を含む) によって公衆が利⽤することができるようにされているもの全てを先⾏技術とする; ただし、公衆が利⽤することができるようにされていることが基準⽇前に⽣じていることを条件とする

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IPE-701.07.2014

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IPE における先⾏技術 (規則 64.1) (2)■基準⽇とは?

国際出願⽇が優先期間の満了後であるが、満了した⽇から2ヶ⽉の期間内であるとの理由以外の理由によって、IPEA が優先権主張を無効とみなさければ、優先権が主張された最先の出願の出願⽇; ⼜は、

その他の場合は、国際出願⽇

IPE-801.07.2014

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義務的なトップアップ調査(規則 66.1の3)■ ISR が作成された時点で利⽤可能ではなかった先⾏技術、特に公開

されていなかった先⾏技術 (ISR が作成された⽇以降に公開された特許出願で、より早い優先⽇のもの) を⾒つけることが⽬的

■ 例外:

IPEA が IPRP (第 II 章) を作成する請求の範囲が対象

サーチを実施することが有効ではない場合、例えば、IPEA が、ISRに列記された⽂献で対象すべての新規性⽋如を⽰すのに⼗分であると認めた場合

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IPE-901.07.2014

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IPEA ⾒解書 (規則 66.2 及び 66.6)

■ ISA ⾒解書が IPEA ⾒解書とみなされる (例外: IPEA が特定の他のISA が作成した⾒解書を受け⼊れないと決定した場合)

■ ISA ⾒解書が IPEA ⾒解書とされた場合には、2回⽬の⾒解書は作成されなくてもよい

■ 2回⽬の⾒解書が作成される場合には、当該2回⽬の⾒解書に⽰された期限までに答弁することができる

■ IPEA の審査官との⾯談の請求が可能 (規則 66.6)

IPE-1001.07.2014

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特許性に関する国際予備報告 (第 II 章)(1)■ 次の期間のうち最も遅く満了する期間内に IPEA により作成されなけ

ればならない (規則 69.2) :

優先⽇から28ヶ⽉

規則 69.1 に規定する国際予備審査の開始の時から6ヶ⽉

IPEA が規則 55.2 に基づく翻訳⽂を受理した⽇から6ヶ⽉

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IPE-1101.07.2014

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特許性に関する国際予備報告 (第 II 章)(2)■ 「附属書類」として次のものを含む (規則 70.16) :

第19条⼜は第34条の規定に基づく補正を含む差替え⽤紙及び補正の根拠を表⽰した書簡

規則 91に基づき IPEA によって許可された明⽩な誤記の訂正を含む差替え⽤紙及びその添付書簡

報告において表⽰されている場合、審査に間に合わずに考慮されなかった明⽩な誤記の訂正に関する⽤紙及び書簡(規則 66.4の2)

IPE-1201.07.2014

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特許性に関する国際予備報告 (第 II 章)(3)■ 「附属書類」として次のものを含む (規則 70.16) :

後の補正が以下の理由によって報告の基礎として⽤いられなかった場合は、先の補正

国際出願の開⽰の範囲を超えてされるものと認められる場合、⼜は、

補正の根拠を表⽰した書簡が添付されていない場合

■ 報告に添付されないもの: その他の通信、後の補正によって差替えられた補正の写し

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IPE-1301.07.2014

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特許性に関する国際予備報告 (第 II 章)(4)■ 国際段階において国際機関に対する不服の申⽴て⼜はさらなる⼿続

についての規定はない■ 出願⼈及び IB に送付される (規則 71.1)■ IB は報告の写し及びその報告について必要とされる英語への翻訳⽂

(IB が作成) を選択官庁に送付する (第36(3)(a) 及び規則 72.1)■ 附属書類は IB によって翻訳されない (第36条(3)(b))

IPE-1401.07.2014

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特許性に関する国際予備報告 (第 II 章) (5)■ 次の事項についての注意を喚起する:

書⾯による開⽰以外の開⽰ (規則 64.2 及び70.9 参照)ある種の公表された⽂書 (規則 64.3 及び70.10 参照)

■ 次の⽂献が列記される (規則 70.7) :請求の範囲に関してなされた記述を裏付けるために関連あると

認められる全ての⽂献⽂献は ISR に引⽤されているか否かを問わない ISR に引⽤された⽂献で IPEA が関連あると認めるもの

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IPE-1501.07.2014

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国際予備審査における遅延の理由 (1)

■ 出願⼈側: ⼿数料の⽀払の遅れ 国際予備審査請求書における⽋陥の補充の遅れ 国際予備審査請求書における、補正に関する不完全な陳述 陳述で⾔及された補正の未添付 要求された国際出願⼜は補正の翻訳の提出の遅れ 単⼀性の⽋如が発⾒された場合における追加審査⼿数料の⽀払の

求めに対する対応の遅れ ⾒解書に対する対応の遅れ 補正を含む差替え⽤紙の未提出

IPE-1601.07.2014

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国際予備審査における遅延の理由 (2)

■ ISA 側:

国際調査報告の作成の遅れ

■ IPEA 側:

単⼀性の⽋如の発⾒

⾒解書の作成の遅れ

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発明の単⼀性及び異議申⽴⼿続

Unity-225.10.2013

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発明の単⼀性の要件 (規則 13)■ 国際出願は以下について⾏わなければならない

⼀の発明のみ、⼜は、

⼆以上の発明の場合、単⼀の⼀般的発明概念を形成するように連関している⼀群の発明 (規則 13.1)

■ ⼀群の発明が、⼀⼜は⼆以上の同⼀の⼜は対応する「特別な技術的特徴」を含む技術的な関係があるときに限り、単⼀の⼀般的発明概念を形成するように連関しているとみなされる

■ 「特別な技術的特徴」とは、各発明が全体として先⾏技術に対して⾏う貢献を明⽰する技術的特徴をいう (規則 13.2)

(さらなる詳細及び例について、国際調査及び予備審査ガイドラインパラグラフ 10.20乃⾄10.59を参照)

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Unity-325.10.2013

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ISA における発明の単⼀性の⽋如 (1)(第17条(3) 及び規則 40)■ 複数の発明が存在する場合、請求の範囲において最初に記載されて

いる発明 (「主発明」) が常に調査される; 追加調査⼿数料が⽀払われた場合のみさらなる発明が調査される

■ ISA は:

発明の単⼀性を満たしているとは認められない理由を特定する(ISA/EP はこの通知とともに主発明についての部分的な調査の結果を送付する)

出願⼈に対し、求めの⽇から1ヶ⽉以内に追加調査⼿数料、及び、出願⼈が異議申⽴てに基づく追加⼿数料を⽀払うことを希望する場合は、異議申⽴⼿数料 (該当する場合) の⽀払いを求める

Unity-425.10.2013

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ISA における発明の単⼀性の⽋如 (2)(第17条(3) 及び規則 40)

■ 追加⼿数料の納付がなかった場合、出願に対して影響を及ぼさない; しかし、追加の発明は調査されず、⾒解書に調査されなかった請求の範囲についての予備的⾒解は含まれない; その後、IPEAは、調査されなかった発明に関連する請求の範囲について審査を⾏う必要はない

■ 国際段階において分割出願の規定はない; 特定の指定官庁に対して国内段階においてのみ可能 (適⽤国内法令を参照)

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Unity-525.10.2013

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ISA における異議申⽴⼿続 (規則 40.2)(1)■ 出願⼈が異議申⽴てに基づく追加⼿数料を⽀払う場合、ISA は追加

の発明について調査を実施し、同時に、追加⼿数料の⽀払いの求めを検査する

■ ISA によっては、異議申⽴⼿数料の⽀払いを条件に検査を⾏う

■ 検査により、ISA が異議を正当と認めた場合には、追加調査⼿数料の全額⼜は⼀部を払い戻す; ISA が異議を完全に正当と認めた場合のみ、異議申⽴⼿数料を払い戻す

Unity-625.10.2013

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ISA における異議申⽴⼿続 (規則 40.2)(2)

■ 検査により、ISA が求めを正当と認めた場合、異議は拒絶され、出願⼈に詳細な拒絶の理由を通知する

■ 出願⼈は、異議の内容及びその決定を指定官庁に通知することを請求することができる (注意: 指定官庁は出願⼈がその翻訳⽂を提出することを請求することができる)

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Unity-725.10.2013

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IPEAにおける発明の単⼀性の⽋如(第34条(3)(a) 及び 規則 68)■ 発明の単⼀性は、国際調査の場合と同じ基準に基づく (規則

13及び68)■ IPEA が発明の単⼀性の要件が満たされていないと認めた場合、

請求の範囲を減縮、⼜は追加審査⼿数料を⽀払うことを出願⼈に求める

■ 出願⼈は、追加⼿数料が⽀払われた分の発明を「主発明」として審査されることを選択することができる

■ 異議申⽴⼿数料の⽀払を条件とする場合、異議申⽴てに基づく追加⼿数料を⽀払うことができる

■ 異議の決定は国際調査の場合と同様に⾏われる

Unity-825.10.2013

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IPEAにおける異議申⽴⼿続 (規則 68.3)(1)■ 出願⼈が異議申⽴てに基づく追加⼿数料を⽀払う場合、IPEA は

追加の発明について国際予備審査を実施し、同時に、追加⼿数料の⽀払の求めを検査する

■ IPEA によっては、異議申⽴⼿数料の⽀払いを条件に検査を⾏う

■ 検査により、IPEA が異議を正当と認めた場合には、追加審査⼿数料の全額⼜は⼀部を払い戻す; IPEA が異議を完全に正当と認めた場合のみ、異議申⽴⼿数料を払い戻す

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Unity-925.10.2013

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IPEAにおける異議申⽴⼿続 (規則 68.3)(2)

■ 検査により、IPEA が求めを正当と認めた場合、異議は拒絶され、出願⼈に詳細な拒絶の理由を通知する

■ 出願⼈は、異議の内容及びその決定を国際予備審査報告の附属書類として選択官庁に通知することを請求することができる (注意: 選択官庁は出願⼈がその翻訳⽂を提出することを請求することができる)

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国際事務局の役割

IB functions-225.10.2013

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PCT における⼀般的任務 (1)

■ PCT 制度の国際的調整

■ 締約国 (すでに PCT に加盟している国⼜は加盟に関⼼を⽰している国) 及びその国内/広域官庁への⽀援

PCT を国内法令に組み⼊れる⽅法に関する助⾔

PCT 出願を取り扱うための、受理官庁の研修を含む、内部⼿続を構築する⽅法に関する助⾔

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IB functions-325.10.2013

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PCT における⼀般的任務 (2)■ PCT 制度に関する情報の普及

PCT 出願⼈の⼿引

PCT Newsletter

公⽰ (PCT公報)

メーリングリスト等

PCT 関連資料ウェブサイト

■ PCT セミナー及び研修コース

■ 全ての締約国の出願⼈のための受理官庁

IB functions-425.10.2013

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国際出願に関する任務 (1)

■ 国際出願の記録原本に対する様式要件の⼆度⽬の検査

■ 国際出願の公開

■ 19条補正の受理及び公開

■ 指定官庁に対する、国際出願、国際調査報告及び関係する書類の写しの送達

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IB functions-525.10.2013

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国際出願に関する任務 (2)

■ 規則 92の2 に基づく、出願⼈、発明者及び代理⼈に関する表⽰の変更の記録

■ 補充国際調査 (SIS) の請求書及び⼿数料の受理

■ SIS の請求書の関連する SISA の送付

■ 国際予備審査請求書の様式要件の⼆度⽬の検査

IB functions-625.10.2013

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国際出願に関する任務 (3)

■ 特許性に関する国際予備報告 (第 I 章⼜は第 II 章) のDO/EOへの送達

■ 発明の名称及び要約の翻訳 (英語及び仏語)、国際調査報告の翻訳 (英語、必要な場合)、特許性に関する国際予備報告 (第 I 章⼜は第 II 章) の翻訳 (英語、必要な場合)

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国際公開

Publication-208.02.2018

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国際公開 (第21条及び規則 48) (1)いつ?

優先⽇から18ヶ⽉経過後速やかにインターネットにて(https://patentscope.wipo.int)

公開⾔語:

アラビア語、中国語、英語、仏語、ドイツ語、⽇本語、韓国語、ポルトガル語、ロシア語、⼜は、スペイン語

発明の名称、要約及び調査報告は常に英⽂も含む

国際公開の内容

常に:

書誌事項と要約とを含む表紙 明細書、請求の範囲、及び図⾯ (ある場合) 国際調査報告

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Publication-308.02.2018

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該当する場合:

第19条に基づく請求の範囲の補正 (及び説明)

規則 4.17に規定する申⽴て (規則 48.2(a)(x))

規則 13の2に基づいて提出された寄託された⽣物材料に関する情報 (規則 48.2(a)(viii))

優先権の回復の請求に関する情報 (規則 48.2(a)(xi))

公開後に受理された、許可された明らかな誤記の訂正に関する陳述 (規則 48.2(i))

⾏われなかったものとみなされた優先権の主張に関する情報(規則 26の2.2(d))

国際公開 (第21条及び規則 48) (2)

Publication-408.02.2018

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出願⼈の要請により*:

出願⼈が優先権の主張の補充⼜は追加を希望しているが、規則 26の2.1(a) に規定する期間が満了している場合に、当該事項に関する情報 (規則 26の2.2(e))

拒否された明⽩な誤記の訂正のための請求 (規則 91.3(d))

* 適⽤される⼿数料については、PCT 出願⼈の⼿引 附属書 B2/IB を参照

国際公開 (第21条及び規則 48) (3)

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Publication-508.02.2018

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■ 国際公開からの特定情報の省略 (規則 48.2)

IB に対する、出願⼈による理由を⽰した請求

差替え⽤紙、及び差し替えられる⽤紙と差替え⽤紙との相違について注意を喚起する書簡の添付

規則48.2に基づく請求の期限:

国際公開の技術的な準備が完了する前

公開の対象から省略され得る情報

当該情報が国際出願について公衆に周知する⽬的に明らかに資さないこと

当該情報の公開により、いずれかの者の個⼈的な⼜は経済的な利益が明らかに損なわれること

当該情報を利⽤する優先的な公共の利益がないこと

国際公開 (第21条及び規則 48) (4)

Publication-608.02.2018

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■ 国際公開からの特定情報の省略 (規則 48.2) (続き)

RO、ISA、SISA ⼜は IB は、規則 48.2に基づき国際公開からの省略が適切であると認める情報について出願⼈の注意を喚起するとともに、規則 48.2に基づく請求をするよう⽰唆することができる

IB が規則 48.2に基づく請求を認めた場合、IB は当該情報を保有する全ての官庁、機関に対し、当該情報へのアクセスを認めないよう通知する

国際公開 (第21条及び規則 48) (5)

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Publication-708.02.2018

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公開された国際出願の送達(第20条及び規則 47)

公開された国際出願の紙の写しは請求によってのみ出願⼈に送付される

国際事務局から指定官庁に送達される

指定官庁に国際出願の送達が⾏われた旨の通知は、出願が指定官庁により受領された証拠となる(規則 47.1(c の2)、様式 PCT/IB/308 (最初の通知) : 修正された第22条(1)を未だ適⽤していない指定官庁が対象、様式 PCT/IB/308 (2回⽬の補⾜的通知) : 全ての指定官庁を対象)

Publication-808.02.2018

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早期の国際公開(第21条(2)(b)及び規則 48.4(a))

出願⼈の明⽰の請求により

国際調査報告が利⽤できる場合、無料

国際調査報告がまだ利⽤できない場合の⼿数料については、PCT出願⼈の⼿引 国際段階、⼀般情報 (附属書B2/IB) を参照

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Publication-908.02.2018

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公開の形式

公開された国際出願は、以下のサイトから利⽤可能https://patentscope.wipo.int/search/en/structuredSearch.jsf

公⽰(PCT公報)は、以下のサイトから利⽤可能www.wipo.int/pct/en/official_notices

Publication-1008.02.2018

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国際公開の頻度国際出願の国際公開及び PCT 公報の発⾏は、毎週⽊曜⽇に⾏われている

ただし、その⽊曜⽇が国際事務局の閉庁⽇ (例、キリスト昇天祭 (Ascension Day)、9⽉の第1⽇曜⽇後の⽊曜⽇、クリスマス/年始期間の⽊曜⽇) の場合を除く

このような場合、必要に応じて国際事務局に公開⽇がいつになるか問い合わせると良い (常にではないが、前⽇の⽔曜⽇に振り替えられる可能性がある)

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Publication-1108.02.2018

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国際公開のための技術的準備国際公開のための技術的準備は、通常の場合、実際の公開⽇の15⽇前に完了する

例: 国際公開⽇が2018年1⽉18⽇ (⽊) の場合、技術的準備の完了⽇は2018年1⽉3⽇ (⽔) となる

したがって、国際事務局に2018年1⽉2⽇ (⽕) に到着したいかなる書類も、国際公開において反映される (例、名称⼜はあて名の変更、第19条に基づく請求の範囲の補正、国際出願・指定・優先権主張の取下げ)

技術的準備は、国際公開⽇が国際事務局の閉庁⽇のため「通常の」⽊曜⽇でない場合や国際公開⽇までの15⽇間に多くの公休⽇があった場合には、その国際公開⽇の15⽇前よりも早く完了する場合がある; 疑わしい場合は、国際事務局に問い合わせるとよい

Publication-1208.02.2018

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国際公開の効果公開された PCT 出願は、国際公開⽇に先⾏技術となる(規則 34.1(b)(ii))指定国において公開された国内出願に仮保護が与えられるならば、国際公開によって当該指定国における同⼀の保護が与えられる(第29条)仮保護が与えられるために以下を条件とすることが可能

翻訳⽂ (請求の範囲のみの場合もある) の提出 PCT に基づいて公開された国際出願の写しの指定国による受

領、及び/⼜は、 第21条(2)(b) に基づく早期公開がなされた場合は、優先⽇か

ら18ヶ⽉の経過各国の特別の要件に関する更なる情報については、PCT 出願⼈の

⼿引 国際段階、⼀般情報 (附属書B1及びB2) を参照

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Publication-1308.02.2018

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国際出願の公開の回避 (規則 90の2.1(c))(1) どのように: 国際出願を取り下げることにより

いつ: 国際公開の技術的準備の完了前に

取下げの通知は:

書⾯によらなければならない (様式 PCT/IB/372 の利⽤を推奨)

全ての出願⼈、⼜は全ての出願⼈の代理 (選任された共通の代理⼈⼜は選任された共通の代表者により) によって署名され、且つ、

国際公開の技術的準備の完了前に国際事務局に到達しなければならない

Publication-1408.02.2018

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セーフガード: 公開回避に間に合って取下げ通知が国際事務局により受領されることを条件に取下げが可能

結果: 国際出願は公開されず、その出願の効⼒は消滅する

国際出願の公開の回避 (規則 90の2.1(c))(2)

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Publication-1508.02.2018

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国際出願の公開の延期(規則 90の2.3(d) 及び (e)) (1) どのように: (最先の) 優先権主張を取り下げることにより

いつ: 国際公開の技術的準備の完了前に

取下げの通知は:

書⾯によらなければならない (様式 PCT/IB/372 の利⽤を推奨)

全ての出願⼈、⼜は全ての出願⼈の代理 (選任された共通の代理⼈⼜は選任された共通の代表者により) によって署名され、且つ、

国際公開の技術的準備の完了前に国際事務局に到達しなければならない

Publication-1608.02.2018

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セーフガード: 公開延期に間に合って取下げ通知が国際事務局により受領されることを条件に取下げが可能

結果: 優先⽇に基づいて計算された全ての満了していない期限が、新たな優先⽇⼜は国際出願⽇に基づいて計算される、例えば:

国際公開

予備審査請求の提出

国内段階移⾏

国際出願の公開の延期(規則 90の2.3(d) 及び (e)) (2)

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公開後の⼀件書類の利⽤ ⼀般原則 官庁及び機関が保有する⼀件書類の利⽤

Access-214.03.2018

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⼀般原則■ 受理官庁 (RO)、国際調査機関 (ISA) 、国際予備審査機関 (IPEA)、

指定官庁 (DO)、選択官庁 (EO) 及び国際事務局 (IB) は国際出願に関する⼀件書類を管理する

■ 出願⼈⼜は出願⼈の承諾を得た者はいつでも国際出願の⼀件書類を利⽤することができる

■ 国際出願は国際公開まで第三者や他の官庁に対し秘密保持される

■ DO は、第 I 章の⼿続に関する限りにおいて、IB の⼀件書類の⽂書を利⽤することができる

■ EO は、上記に加えて、特許性に関する国際予備報告 (IPRP) (第 II 章) の作成の後は IPEA の⼀件書類を利⽤することができる

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Access-314.03.2018

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IB が保有する⼀件書類の利⽤ (1)■ 国際公開前: 出願⼈⼜は出願⼈の承諾を得た者のみ国際出願の⼀件

書類を利⽤することができる (⾼度な認証を⽤いた ePCT サービスの利⽤を推奨)

■ 公開された PCT 国際出願は PATENTSCOPE から利⽤可能

Access-414.03.2018

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■ 公開後の第三者による IB が保有する⼀件書類の⽂書の利⽤: 2009年1⽉1⽇以降に出願された国際出願:

PATENTSCOPE で公開後のすべての⼀件書類が利⽤可能 1998年7⽉1⽇から2009年1⽉1⽇までに出願された国際出願:

特定の⽂書は PATENTSCOPE で利⽤可能 ある⽂書は紙形式でのみ利⽤可能であり、費⽤の⽀払を条件と

して利⽤可能 1998年7⽉1⽇までに出願された国際出願:

⼀件書類の利⽤は不可

IB が保有する⼀件書類の利⽤ (2)

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Access-514.03.2018

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■ 制限: IPRP (第 I 章及び第 II 章) の写し⼜はその翻訳は優先⽇から

30ヶ⽉以降に PATENTSCOPE で利⽤可能

利⽤不可:

IPRP (第 II 章) を除き、第 II 章の⼿続に関するすべての⽂書(国際予備審査請求書、IPEA⾒解書など)

純粋な内部⽂書と官庁間の連絡事項

規則 48.2(l)に基づき公開の対象から省略された情報

規則 94.1(e)に基づき IB が保有する⼀件書類から省略された情報

IB が保有する⼀件書類の利⽤ (3)

Access-614.03.2018

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■ 規則 94.1(e)に基づき公衆による⼀件書類の利⽤から特定情報を省略するための要件: IB に対する、出願⼈による理由を⽰した請求差替え⽤紙、及び差し替えられる⽤紙と差替え⽤紙との相違につ

いて注意を喚起する書簡の添付 (該当する場合)規則 94.1に基づく請求の期限: いつでも可能公衆による⼀件書類の利⽤から省略され得る情報 当該情報が国際出願について公衆に周知する⽬的に明らかに

資さないこと 当該情報の公衆による利⽤により、いずれかの者の個⼈的な

⼜は経済的な利益が明らかに損なわれること 当該情報を利⽤する優先的な公共の利益がないこと

IB が保有する⼀件書類の利⽤ (4)

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Access-714.03.2018

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■ 規則 94.1(e)に基づき公衆による⼀件書類の利⽤から特定情報を省略するための要件 (続き) : IB は、規則 94.1(e)に基づき公衆による⼀件書類の利⽤からの

省略が適切であると認める情報について出願⼈の注意を喚起するとともに、規則 94.1(e)に基づく請求をするよう⽰唆することができる

IB が規則 94.1(e)に基づく請求を認めた場合、IB は当該情報を保有する全ての官庁、機関に対し、当該情報へのアクセスを認めないよう通知する

特定情報を省略するための請求が認められるか否かに関わらず、当該請求のいずれかの部分の書類に含まれるそのような情報を省略するための請求は、IB によって公開されることはない

IB が保有する⼀件書類の利⽤ (5)

Access-814.03.2018

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第三者による IB が保有する⼀件書類の利⽤⽅法 (1)■ PATENTSCOPE: https://patentscope.wipo.int

公開された国際出願、最新の書誌情報データ、特定の⽂書及び様式が利⽤可能

書類の利⽤可能性に関する詳細は、「ヘルプ」タブの下の「データ収録範囲」をクリックすることにより閲覧可能

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Access-914.03.2018

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[email protected] へのメール、⼜は、PCT 法務・ユーザ関連部への FAX * (+41 22) 910 00 30 費⽤の⽀払を条件として、紙の写しを送付

役務の費⽤に関する情報は、次のサイトから利⽤可能: www.wipo.int/pct/guide/en/gdvol1/annexes/annexb2/ax_b_ib.pdf

書類送付と別に請求書を送付

第三者による IB が保有する⼀件書類の利⽤⽅法 (2)

* 注: FAX送信は2018年1⽉1⽇以降は推奨されなくなりました

Access-1014.03.2018

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RO/ISA/IPEA が保有する⼀件書類の利⽤ (1)■ 国際公開前: 出願⼈⼜は出願⼈の承諾を得た者のみ RO、ISA ⼜は

IPEA が保有する⽂書を利⽤可能

■ 国際公開後、適⽤される国内法令によって定められた場合に限り:

RO が保有する⽂書:

第三者は、IB によって公開の対象⼜は公衆アクセス可能な⼀件書類から省略された情報を除く、すべての⽂書を利⽤可能 (第30条(3))

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Access-1114.03.2018

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■ 国際公開後、適⽤される国内法令によって定められた場合に限り:

ISA 及び SISA が保有する⽂書:

第三者は、IB によって公開の対象⼜は公衆アクセス可能な⼀件書類から省略された情報を除く、すべての⽂書を利⽤可能 (第30条(3))(⾒解書及び出願⼈が提出した⾮公式コメントは2014年7⽉1⽇以降に出願された国際出願において利⽤可能)

RO/ISA/IPEA が保有する⼀件書類の利⽤ (2)

Access-1214.03.2018

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IPEA が保有する⽂書:

選択官庁: IPRP (第 II 章) の作成後、IB によって公開の対象⼜は公衆アクセス可能な⼀件書類から省略された情報を除く、すべての⽂書を利⽤可能

第三者: 利⽤不可 (第38条)

RO/ISA/IPEA が保有する⼀件書類の利⽤ (3)

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Access-1314.03.2018

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DO/EO が保有する⼀件書類の利⽤ (1)■ 国際公開前: 出願⼈⼜は出願⼈の承諾を得た者のみ DO ⼜は EO が保

有する⽂書を利⽤可能

■ 国際公開後、適⽤される国内法令によって定められた場合に限り:

DO が保有する⽂書:

DO が国際出願の写しを受理した後、第三者はすべての⽂書を利⽤可能 (第30条)

Access-1414.03.2018

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■ 国際公開後、適⽤される国内法令によって定められた場合に限り:

EO が保有する⽂書:

1998年7⽉1⽇以降に出願された国際出願:

■ EO が国際出願の写しを受領した後、第三者はすべての⽂書を利⽤可能 (第30条)

1998年7⽉1⽇までに出願された国際出願:

■ 第三者は第 I 章の⼿続に関するすべての⽂書を利⽤可能だが、通常、第 II 章の⼿続に関する⽂書は利⽤可能ではない

DO/EO が保有する⼀件書類の利⽤ (2)

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PCT に基づく⽀払⼿数料

Fees-214.03.2018

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受理官庁 (RO) に対する⽀払⼿数料 送付⼿数料

国際出願⼿数料 (IB 向け)

調査⼿数料 (ISA 向け)

30枚を超える⽤紙毎の⼿数料 (IB 向け)

優先権書類のための⼿数料

後払⼿数料

遅延提出⼿数料 (国際出願の翻訳⽂)

優先権の回復の請求のための⼿数料

⽂書の写しのための⼿数料

(破線で囲まれた⼿数料は、特定の状況においてのみ⽀払う)

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Fees-314.03.2018

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国際調査機関 (ISA) に対する⽀払⼿数料

追加調査⼿数料

異議申⽴⼿数料 (該当する場合)

⽂書の写しのための⼿数料

遅延提出⼿数料 (配列リストの提出)

(上記⼿数料は、特定の状況においてのみ⽀払う)

Fees-414.03.2018

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(上記⼿数料は、特定の状況においてのみ⽀払う)

国際事務局 (IB) に対する⽀払⼿数料

早期公開のための⼿数料 (ISR 作成前)

拒否された明⽩な誤記の訂正の請求の公表のための⼿数料

遅れた優先権の主張の補充/追加の請求の公表のための⼿数料

⽂書の写しのための⼿数料

補充調査⼿数料 (SISA 向け)

補充調査取扱⼿数料

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Fees-514.03.2018

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国際予備審査機関 (IPEA) に対する⽀払⼿数料 予備審査⼿数料

取扱⼿数料 (IB 向け)

後払⼿数料

追加審査⼿数料

異議申⽴⼿数料 (該当する場合)

⽂書の写しのための⼿数料

遅延提出⼿数料 (配列リストの提出)

(破線で囲まれた⼿数料は、特定の状況においてのみ⽀払う)

Fees-614.03.2018

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国際段階において⽀払われない⼿数料

PCT では、以下についての⽀払⼿数料は発⽣しない:

■ ⽅式上の⽋陥の補充のための期間の延⻑の請求に対する⼿数料

■ クレーム⼿数料 (国際出願時、⼜は国際段階中にクレームが追加された場合)

■ 特定の通知への遅れた応答に対する⼿数料 (例、補充⼜は書⾯による⾒解の求め)

■ 規則 91に基づく明⽩な誤記の訂正の請求の提出に対する⼿数料

■ 規則 92の2に基づく出願⼈、発明者等に関する変更の記録要請に対する⼿数料

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Fees-714.03.2018

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⼿数料の⽀払の期限 (1)

■ 第 I 章:

送付⼿数料、国際出願⼿数料、調査⼿数料: RO による国際出願の受理の⽇から1ヶ⽉(規則 14.1(c)、15.4 及び16.1(f))

国際出願が規則 19.4に基づき RO/IB に送付された場合についての特別の規定 (規則 19.4(c))

Fees-814.03.2018

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⼿数料の⽀払の期限 (2)

■ 第 II 章:

予備審査⼿数料及び取扱⼿数料: IPEA による国際予備審査の請求書の受理の⽇から1ヶ⽉⼜は優先⽇から22ヶ⽉の期間のいずれか遅く満了する期間内 (規則57.3及び 58.1(b))

国際予備審査の請求書が規則 59.3に基づく管轄 IPEA に送付された場合についての特別の規定 (規則 57.3 及び 58.1(b))

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Fees-914.03.2018

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⼿数料の⽀払に関するセーフガード

■ 受理官庁に⽀払う送付⼿数料、国際出願⼿数料、調査⼿数料に関して (規則 16の2.1(d))

■ IPEA に⽀払う取扱⼿数料、予備審査⼿数料に関して (規則 58の2.1(d))

■ ⼿数料が適⽤される期間の満了後であるが、当該官庁⼜は機関による更なるアクションの前に⽀払われた場合、⼿数料は適⽤される期間内に⽀払われたものとみなす

Fees-1014.03.2018

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未払⼿数料の⽀払いの求め (第 I 章)(規則 16の2)■ ⼿数料 (例、送付⼿数料、調査⼿数料、国際出願⼿数料) が適⽤さ

れる期間内に⽀払われなかった場合: RO は、求めの⽇から1ヶ⽉以内に未払の⼿数料を⽀払うよう出

願⼈に求める; 及び、 RO は未払の⼿数料の額の50%の後払⼿数料を求めることがで

きる (最⼩: 送付⼿数料、最⼤: 国際出願⼿数料の50%)■ RO は、調査⼿数料が⽀払われるまで、調査⽤写しを ISA に送付し

ない (規則 23.1(a))■ ⼿数料が未払いの場合、最終的に:

国際出願は RO により取下げられたものとみなされる

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Fees-1114.03.2018

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未払⼿数料の⽀払いの求め (第 II 章)(規則 58の2)■ ⼿数料 (例、予備審査⼿数料、取扱⼿数料) が適⽤される期間内に

⽀払われなかった場合:

IPEA は、求めの⽇から1ヶ⽉以内に未払の⼿数料を⽀払うよう出願⼈に求める; 及び、

IPEA は未払の⼿数料の額の50%の後払⼿数料を求めることができる (最⼩: 取扱⼿数料、最⼤: 取扱⼿数料の2倍)

■ ⼿数料が⽀払われるまで審査は開始されない (規則 69.1(a)(ii))

■ ⼿数料が未払いの場合、最終的に:

予備審査⼿数料、取扱⼿数料、及び該当する場合、後払⼿数料を賄うために必要な⼿数料の⽀払が不⾜している場合、IPEA は、国際予備審査の請求が提出されなかったものとみなし、その旨宣⾔する

Fees-1214.03.2018

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受理官庁による⼿数料の払戻し(規則 15.4 及び 16.2)■国際出願⽇が認められない場合、⼜は、

国の安全に関する規定により国際出願が国際出願として取り扱われない場合: 国際出願⼿数料、調査⼿数料

■国際出願が取下げられ、⼜は、取下げられたものとみなされた場合: IB への記録原本の送付前: 国際出願⼿数料 ISA への調査⽤写しの送付前: 調査⼿数料

■他の⼿数料について (例、送付⼿数料)、⼜は表⽰された期間外の場合、特定の状況において払い戻される⼿数料もある (管轄官庁・機関に確認すること)

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Fees-1314.03.2018

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IPEA による⼿数料の払戻し■取扱⼿数料:全額払戻し(規則 57.4)

IPEA が国際予備審査の請求書を IB に送付する前に、国際予備審査の請求が取り下げられた場合

規則 54.4に基づき、国際予備審査の請求が⾏われなかったものとみなされた場合

■予備審査⼿数料: 状況及び IPEA により、100%を上限とする払戻し

国際予備審査の請求が⾏われなかったものとみなされた場合(規則 58.3)

国際予備審査の開始前に国際予備審査の請求が取り下げられた場合 (IPEA 及び WIPO の IB との取決め); 詳細は、PCT 出願⼈の⼿引 国際段階、国際予備審査機関 (附属書E) を参照

Fees-1414.03.2018

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注意 – 登録⼿数料についての詐欺的な⽀払請求■ PCT 出願⼈及び代理⼈が、IB 以外の者から PCT に基づく国際出

願の⼿続とは関係のない⼿数料請求書を受けるケースがある■ そのような請求書においていかなる登録サービスが提供されたと

しても、WIPO ⼜は WIPO による公式出版物とは全く無関係■ 国際公開は、IB によって別途の⼿数料なしに提供されるもので

あり (https://patentscope.wipo.int)、上記サービスは出願⼈に新たな価値をもたらすものではない

■ このような紛らわしい請求書の例について、次のリンク先のウェブサイトから閲覧可能: http://www.wipo.int/pct/en/warning/pct_warning.htm

135135

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The International Patent System

PCT における補正 第19条に基づく補正 第34条に基づく補正 補正の⽅法 国内段階移⾏の際の補正

Amendments-230.07.2014

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第19条に基づく補正 (規則 46) (1)

■ 国際調査報告及び ISA の書⾯による⾒解の受領後、請求の範囲を1回だけ補正できる

■ 補正された請求の範囲は出願時における国際出願の開⽰の範囲を超えてはならない (第19条(2)) (しかし、この時点ではこの要件を満たすか否かはチェックされない)

■ 補正書には説明書を添付することができる (19条(1) 及び規則46.4)

■ 通常の場合、国際調査報告及び ISA ⾒解書の送付の⽇から2ヶ⽉以内に提出されなければならない (規則 46.1)

136136

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Amendments-330.07.2014

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第19条に基づく補正 (規則 46) (2)

■ IB に直接提出する (規則 46.2)

■ ⼀般的に、仮保護の範囲 (適⽤される場合) をより明確に規定するために⽤いられる

■ 国際出願の⼀部として出願時における請求の範囲とともに優先⽇から18ヶ⽉経過後に公開される (規則 48.2(f))

Amendments-430.07.2014

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第34条に基づく補正(規則 53.9及び66.3乃⾄66.9) (1)■ 第 II 章に基づく国際予備審査において、明細書、請求の範囲及び図

⾯の補正が可能

■ 補正書は以下の時期に提出すべきである

当該補正に基づいた審査のために、国際予備審査請求書とともに (規則 53.9)、⼜は、

遅くとも国際予備審査請求書の提出期間 (規則 54の2.1(a)) が経過する前に

■ 留意事項: 審査官がさらなる⾒解書や報告書の作成を開始した後に補正書が提出された場合は、その補正書を考慮に⼊れる必要はない(規則 66.4の2)

137137

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Amendments-530.07.2014

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第34条に基づく補正(規則 53.9及び66.3乃⾄66.9) (2)■ 補正は、出願時における国際出願の開⽰の範囲を超えてしてはな

らない (第34条(2)(b))

■ 補正が出願時における国際出願の開⽰の範囲を超えてされた場合には、国際予備審査報告はその補正がされなかったものとして作成され、当該報告にはその旨を表⽰する

■ また、当該報告にはその開⽰の範囲を超えてされた補正と認める理由を記載する (規則 70.2(c))

Amendments-630.07.2014

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国際段階での補正の種類の⽐較第 I 章 (第19条)

全ての指定官庁に有効

請求の範囲のみ

ISR 及び ISA ⾒解書の受領後に提出

IB に直接提出 (ISAではない)

IB による⽅式審査

IB によって国際出願の⼀部として公開

撤回しない限り IPEA の審査の基礎となる

第 II 章 (第34条)

全ての選択官庁に有効

明細書、請求の範囲、図⾯

望ましくは国際予備審査請求書とともに、⼜は IPEAによる審査中に提出

IPEA に直接提出

IPEA による⽅式及び実体審査

補正書は IPEAと出願⼈との間で秘密であり、国際段階では公開されない

差替えのない限り IPEAの審査の基礎となる

138138

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Amendments-730.07.2014

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補正の⽅法 (規則 46.5及び 66.8)■ 第19条⼜は第34条に基づいた請求の範囲の補正を⾏う場合、完全な

⼀式の請求の範囲を含む差替え⽤紙を提出しなければならない

■ 出願⼈は出願時における国際出願中の補正の根拠を⽰さなければならない、さもなければ、補正がなかったものとして IPRP (第 II 章) が作成される

■ ⼀部の請求の範囲を削除する場合、残りの請求の範囲の再番号付けは要求されない

■ 請求する補正の内容を説明する添付書簡が求められる

■ 更なる詳細: 実施細則第205号

Amendments-830.07.2014

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第19条に基づく補正を含む差替え⽤紙

■ 受理官庁には提出しないこと

■ IB に直接提出しなければならない (ePCTの利⽤が推奨される)

■ 明⽩な誤記の訂正 (規則 91) は19条補正と区別されなければならず、ISA に直接提出する

139139

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Amendments-930.07.2014

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第34条に基づく補正を含む差替え⽤紙

■ ePCT において国際予備審査請求書を作成する際に提出可能

■ もしくは、管轄 IPEA に直接提出しなければならない

■ 明⽩な誤記の訂正 (規則 91) は34条補正と区別されなければならない

Amendments-1030.07.2014

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国内段階移⾏の際の補正(第28条、第41条、規則 52及び78)■ 明細書、請求の範囲及び図⾯の補正が可能

■ 期限 = 通常、国内段階移⾏の要件を満たしてから少なくとも1ヶ⽉(すなわち、第22条⼜は第39条(1) に基づく期限からではない)

■ 各国の国内法令によってはさらに遅い期限を適⽤

■ 指定官庁及び選択官庁ごとに異なる補正が可能

■ 通常、国内段階で必要となる請求の範囲に対する⼿数料は国内段階に移⾏したときの有効な請求の範囲の数に基づいて計算される

140140

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国内段階への移⾏

Natlphase-215.01.2016

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出願⼈が取りうる国内段階移⾏の決定■ 判断 国際出願の⼿続を継続するか中⽌するか?

■ いつ 優先⽇から30ヶ⽉の期間の経過前 (31ヶ⽉⼜はそれ以上の場合もあ

る) 第 I 章に基づく?* 第 II 章に基づく?

早期国内移⾏?

■ どこへ (指定/選択官庁に限られる) いずれかの国内官庁 いずれかの広域官庁

* LU, TZ 及び UG に対しては引き続き20ヶ⽉の移⾏期限が適⽤される

141141

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Natlphase-315.01.2016

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国際事務局によって⾏われる⾏為

* 写しの送付は、官庁によって、国際段階の間⼜は国内段階移⾏後 (当該官庁ら国際事務局への請求に応じて) になされる

優先権書類の写し*

公開された国際出願* は以下のものを含む:– 書誌事項– 出願当初の国際出願の写し (明細書、請求の範囲、要約、図⾯)– 国際調査報告の写し及びその英語翻訳 (英語で作成されていない場合)– 第19条に基づく請求の範囲の補正書 (及び説明書) の写し

WIP

O

指定/選択官庁

第 II 章のみ: 附属書類を含むIPRP (第 II 章) の写し*

第 II 章のみ: 附属書類を除くIPRP (第 II 章) の英語翻訳 (英語で作成されていない場合)*

国際予備審査の請求書が提出されていない場合: IPRP (第 I 章) の写し及びその英語翻訳 (英語で作成されていない場合) 及び⾮公式コメントの写し

Natlphase-415.01.2016

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出願⼈によって⾏われる⾏為

** 特定の指定/選択官庁についての要件の詳細及び適⽤される期限については、PCT 出願⼈の⼿引 国内段階の該当する国の章を参照

国内⼿数料の⽀払い

出願

指定/選択官庁

出願当初の国際出願の翻訳(明細書、請求の範囲、要約、図⾯の⽂⾔の翻訳)**

第 I 章のみ: 第19条に基づく補正書 (及び説明書) の翻訳**

第 II 章のみ: IPRP (第 II 章) の附属書類の翻訳**

早期に (すなわち、IB による国際出願の写しの送達前に) 国内段階に移⾏する場合は、国際出願の写し**

規則 51の2に基づく特別の要件の充⾜ (代理⼈の選定、発明者の宣誓・宣⾔・譲渡証など)**

142142

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Natlphase-515.01.2016

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国内段階移⾏期限国際段階における以下の⼿続の遅延に関係なく期限は適⽤される:

■ 国際調査報告及び ISA の書⾯による⾒解の作成の遅延

■ 国際予備審査の遅延

■ 特許性に関する国際予備報告 (第 II 章) の作成の遅延

■ 特許性に関する国際予備報告 (第 II 章) の翻訳作成の遅延

Natlphase-615.01.2016

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⼀般的な国内的要件(第22条(1) 及び第39(1)(a))■ 要件:

翻訳⽂ (該当する場合) 国内⼿数料の⽀払 特別の状況の場合には、国際出願の写し

■ 第22条(1)に規定された期間: 優先⽇から30ヶ⽉ 追加の期間について、PCT 出願⼈の⼿引 国内段階の概要を参照 例外について、以下参照

www.wipo.int/pct/en/texts/reservations/res_incomp.html

■ 第39条(1)(a)に規定された期間: 優先⽇から30ヶ⽉ 追加の期間について、PCT 出願⼈の⼿引 国内段階の概要を参照

143143

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Natlphase-715.01.2016

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特別な国内的要件(第27条及び規則 51の2.1)■ 規則 51の2.3に規定された期間:

第22条⼜は第39条に規定された国内段階移⾏期限内に、要件が満たされていない場合:

DO による求め

当該求めから少なくとも2ヶ⽉

Natlphase-815.01.2016

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規則 51の2.1に基づく特別の要件の例 (1)■ 発明者による宣誓⼜は宣⾔ (USのみ):

対応する申⽴てを国際段階において⼜は DO/EO に対して直接提出している場合、DO/EO/US は、その申⽴ての真実性の合理的な疑義がある場合以外に⽂書や証拠を求めることはできない

■ 譲渡書類 (優先権や出願に関する):

対応する申⽴てを国際段階において⼜は DO/EO に直接提出している場合、DO/EO は、その申⽴ての真実性に合理的な疑義がある場合以外に⽂書や証拠を求めることはできない

144144

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Natlphase-915.01.2016

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規則 51の2.1に基づく特別の要件の例 (2) 優先権書類の翻訳は次の場合に求めることができる (規則 51の2.1(e)):

優先権の有効性が発明の特許性判断に関連する場合引⽤による補充の場合

■ 国内代理⼈の選任及び委任状の提出■ 翻訳⼜は出願に関する書類の複数部の写しの提出■ 国際出願の認証翻訳⽂ (翻訳の正確さに合理的な疑義がある場合のみ)

Natlphase-1015.01.2016

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PCT 出願により簡略化された国内的要件 (1)■ 優先権書類

IB が優先権書類の写しを DO/EO に送付しているので、出願⼈が優先権書類を提出する必要はない

DO/EO が優先権書類の写しを受領していない場合、IB にその写しを請求しなければならない (出願⼈には請求しない)

■ 図⾯ 図⾯に翻訳すべき⽂⾔が含まれていない場合、DO から出願

された図⾯の写しを要求されることは少ない 図⾯に翻訳すべき⽂⾔が含まれている場合、翻訳された⽂⾔

を含む図⾯⼀式を提出する必要がある

145145

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Natlphase-1115.01.2016

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PCT 出願により簡略化された国内的要件 (2)

■ 国際出願の法的な⼜は認証された翻訳は必要ない

単なる翻訳は要求される

⼀部の官庁 (例えば、AU, GB, IN, NZ, SG, ZA) は「検証された (verified) 」翻訳を要求している

■ 国内段階移⾏には特別な様式の使⽤を必要としない (しかし、使⽤することを強く推奨)

Natlphase-1215.01.2016

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DO/EO への書類の送達 (規則 93の2)■ 送達、通知、通信⼜はその他の書類の国際事務局から DO/EO へ

の送付は、その官庁による請求によってのみ、且つ、当該官庁が特定する時に⾏われる

■ 多くの DO/EO は、出願⼈が当該官庁に対して国内段階移⾏した後にのみ関連する書類の⼤部分を受領している

■ 現在、ほとんど全ての PCT 締約国は公開された国際出願のフルテキストを収録した DVD を受領している

146146

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Natlphase-1315.01.2016

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国際事務局による優先権書類の写しの提出(規則 17.2(a))■国際事務局は優先権書類の写しを指定官庁に提供する:

請求に基づいて

出願⼈が第23条(2)に基づく早期処理の明⽰の請求を⾏った場合以外、国際公開後

■ほとんど全ての官庁は出願が当該官庁に対して国内段階移⾏された後に優先権書類の写しを請求する

■欧州特許庁のみが全ての優先権書類の写しを体系的に受領している

Natlphase-1415.01.2016

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国内段階移⾏の準備のための推奨事項 (1)■ 必要な場合、国際出願の翻訳⽂の準備のための⼗分な時間を

残す

■ 現地代理⼈に、提出済みの (関連) 書類の写しを送付: 国際公開公報、国際調査報告及び ISA ⾒解書、国際予備審査報告、優先権書類; これらの書類は、現地代理⼈による現地特許庁 (国内官庁) への提出が要求されているものではない点に留意

147147

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Natlphase-1515.01.2016

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国内段階移⾏の準備のための推奨事項 (2)■ 特定の国内法令に基づき適⽤される追加のクレーム⼿数料⼜は他の

⼿数料の⽀払を避けることを望むのであれば、国内実務に従って、出願及びその補正を準備しておくこと

■ いくつかの指定/選択官庁はより⻑い国内段階移⾏期限を設定しているが、(管理システム等において) 全ての官庁に対して、移⾏期限の設定を30ヶ⽉と記録しておくことが望ましい(www.wipo.int/pct/en/texts/reservations/res_incomp.html 第22条(1)に基づく例外を参照)

Natlphase-1615.01.2016

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■ 国内段階移⾏期限を忘れずに監視する

国際段階の遅延に関係なく適⽤される

■ 当該出願が国内段階に移⾏予定である、例えば、国内直接出願ではない旨の表⽰を⾏う

■ 国際出願の翻訳⽂は正しく、完全なものにしなければならない (主題を追加、及び/⼜は、削除することはできない)

■ 必要な⼿数料の⽀払 (国内直接出願に適⽤される額と異なる可能性がある)

覚えておきたいいくつかの助⾔

148148

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Natlphase-1715.01.2016

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DO/EOにおける権利の回復(規則 49.6) (1)

特定のDO/EO において、出願⼈が第22条⼜は第39条(1)に基づく国内段階移⾏期限を徒過した場合に適⽤される:

期間が遵守されなかったことが故意でない場合

⼜は、(官庁の選択により)

状況により必要とされる相当な注意を払ったにもかかわらず期間が遵守されなかった場合

Natlphase-1815.01.2016

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DO/EOにおける権利の回復(規則 49.6) (2)

出願⼈は、以下の期限のうちいずれか早く満了する期間内に権利の回復の請求を提出し、国内段階に移⾏する:

国内段階移⾏の期限を遵守できなかった理由がなくなった⽇から2ヶ⽉、⼜は、

国内段階移⾏の期限の満了の⽇から12ヶ⽉

149149

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Natlphase-1915.01.2016

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DO/EOにおける権利の回復(規則 49.6) (3)

さらに⻑い期間及び/⼜はさらなる要件が国内法令によって適⽤される

さらなる詳細は、PCT 出願⼈の⼿引 国内段階の各 DO/EO に関する記載を参照

Natlphase-2015.01.2016

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規則 49.6に基づく権利の回復が適⽤されない DO/EO 国内法令との不適合に関し、規則 49.6(f)に従って通知がなされた官庁:

CA カナダ LV ラトビアCN 中国 MX メキシコDE ドイツ NZ ニュージーランドIN インド PH フィリピンKR ⼤韓⺠国 PL ポーランド

これら官庁に適⽤される国内法令は、別の形態で権利の喪失に対する保護規定を⽤意している可能性がある – 詳細は、PCT 出願⼈の⼿引 国内段階の各 DO/EO に関する記載を参照

150150

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Natlphase-2115.01.2016

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権利の喪失の保護に関する追加のケース

■ 規則 49.6に基づく (最⼩限の) 保護以外: 期間が遵守されなかったことによる遅滞についての指定/選択官庁の許容 (第48条及び規則 82の2)

■ RO ⼜は IB による誤りの指定/選択官庁による訂正 (規則 82の3)

■ 指定/選択官庁による再検査、及び、指定/選択官庁に対する訂正の機会 (第24条(2)、第25条、第26条、第39条(3)、第48条、規則 82の2、規則 82の3)

151151

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取下げ

Withdrawals-225.10.2013

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第 I 章における取下げ (1)(第24条(1)(i) 及び規則 90の2) 対象は?

国際出願、指定 (保護の特定の種別も)、優先権の主張

いつ?

優先⽇から30ヶ⽉の期間の満了前

どのように?

全ての出願⼈、その代理⼈、⼜は選任された共通の代表者によって署名された取下げ通知 (様式PCT/IB/372の利⽤を推奨) を RO ⼜は IB に提出

152152

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Withdrawals-325.10.2013

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第 I 章における取下げ (2)(第24条(1)(i) 及び規則 90の2)

効果: RO ⼜は IB の受領時に取下げの効⼒を⽣じる 国内段階⼿続⼜は審査が既に開始されている場合、指定官庁におい

て取下げの効⼒は⽣じない 国際出願⼜は指定の取下げは:

該当する指定官庁における⼿続が終了し、その国の国内出願の取下げと同様の結果となる

国際公開の技術的準備の完了前に国際事務局が取下げの通知を受理した場合、国際公開されない (公開回避のために間に合った場合に取下げがなされることを条件とすることができる)

優先権の主張の取下げ: 取下げの結果、優先⽇に変更が⽣じる場合、まだ満了していない期間は変更された優先⽇から起算する

Withdrawals-425.10.2013

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第 II 章における取下げ (1)(第37条及び規則 90の2) 対象は?

国際出願、指定、国際予備審査請求、選択、優先権の主張

いつ?

優先⽇から30ヶ⽉の期間の満了前

どのように?

全ての出願⼈、その代理⼈、⼜は選任された共通の代表者によって署名された取下げ通知 (様式PCT/IB/372の利⽤) を次の官庁・機関に提出:

国際出願⼜は優先権の主張の取下げの場合、RO、IB ⼜はIPEA

国際予備審査請求⼜は選択の取下げの場合、IB

153153

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Withdrawals-525.10.2013

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第 II 章における取下げ (2)(第37条及び規則 90の2) 効果:

該当する機関 (前ページ参照) の受領時に取下げの効⼒を⽣じる 国内段階⼿続⼜は審査が既に開始されている場合、DO/EO にお

いて取下げの効⼒は⽣じない 国際予備審査請求⼜は選択の取下げ: 第 I 章の国内移⾏の期間の

満了後の取下げは、該当する国について国際出願が取下げられたものとみなされる

優先権の主張の取下げ: 取下げの結果、優先⽇に変更が⽣じる場合、まだ満了していない期間は変更された優先⽇から起算する

154154

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⽣物材料の寄託及び配列リストに関する要件

Biomat-Seqlist-230.01.2017

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微⽣物に係る発明■ 完全な開⽰要件を満たすための試料の寄託:

特許出願において公衆に利⽤可能になっていない⽣物材料への⾔及がなされる場合、多くの国内法令において、公認の微⽣物株保存機関に試料を寄託することが要求されている

■ 特許⼿続上の微⽣物の寄託の国際承認に関するブダペスト条約(ブダペスト条約) ブダペスト条約に基づき、いずれかの国際寄託当局 (IDA) へ

の寄託の締約国による承認を提供■ IDA は、PCT 出願⼈の⼿引の附属書L に⽰された全ての PCT 締約

国によって、当該国がブダペスト条約の締約国であるか否かにかかわらず、承認される

155155

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Biomat-Seqlist-330.01.2017

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寄託すべき時期

■ 多くの官庁が PCT 出願の出願⽇前に寄託が⾏われていることを要求している

■ しかし、寄託の遅れは、優先⽇から12ヶ⽉の期間の満了後に優先権主張を伴う PCT 出願を出願する弁明にはならない (優先権の回復は機能しない)

■ いくつかの官庁は、PCT 出願が優先権主張を伴う場合、当該優先権出願の出願⽇前に寄託が⾏われていること、及び、当該優先権出願も寄託された⽣物材料への⾔及がなされていることを要求している(例、BY, CN, US)

Biomat-Seqlist-430.01.2017

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PCT 出願における寄託された⽣物材料への⾔及 (規則 13の2)

■ 指定国の国内法令によって要求されている場合のみ、PCT 出願において要求される (通常は発明の完全な開⽰に必要)

■ PCT 出願⼈の⼿引 ⽣物材料の寄託 (附属書L) には、その国内法令に⽣物材料の寄託に関する規定が含まれている指定国の要件に関する情報が含まれており、そのような寄託された⽣物材料をいつ・どのように⾔及すべきかについて記載されている

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Biomat-Seqlist-530.01.2017

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寄託された⽣物材料への⾔及における表⽰の届出の期限 (規則 13の2.4)■ 出願時における国際出願の⼀部として (明細書に): 規則 13の2.3(a)(i)

から(iv)に従って⾔及

■ 優先⽇から16ヶ⽉以内、⼜は、国際公開のための技術的準備の完了⽇前: 国際出願の⼀部ではない寄託された⽣物材料に関するさらなる⾔及

■ 早期国際公開の請求の場合: 国際公開のための技術的準備の完了⽇前

Biomat-Seqlist-630.01.2017

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明細書における寄託された⽣物材料への⾔及■ 規則 13の2.3に従い、⾔及には次の事項を表⽰する:

寄託をした寄託機関の名称及びあて名当該寄託機関の⽣物材料を寄託した⽇付当該寄託機関が寄託について付した受託番号⽣物材料の特徴に関する関連情報

■ 通常、明細書の最初の段落に含まれている■ 代わりに、様式PCT/RO/134をこの⽬的で利⽤することが可能であ

り、明細書の⽤紙として番号が付される

157157

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Biomat-Seqlist-730.01.2017

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明細書と別個の、寄託された⽣物材料への⾔及■ “expert solution (専⾨家のみへの試料の分譲)” に関する陳述

■ 出願⼈が寄託者ではない場合、出願⼈が⽣物材料への⾔及、及び公衆に利⽤可能とする権利を有することについての寄託者による陳述

■ 様式BP/4: IDAによる受理の確認

■ 様式BP/9: ⽣存陳述書

■ 上記の⽂書は全て、IB によって国際出願とともに公開される

Biomat-Seqlist-830.01.2017

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“expert solution” (規則 13の2.6)■ 特定の指定官庁において、出願⼈は、請求⼈により推薦された

専⾨家へのみ試料分譲されることを請求する権限を有する

■ 様式PCT/RO/134 にはそのような表⽰を⾏うためのスペースが設けられている

■ 当該請求は国際公開の技術的準備が完了する前に IB に到達していなければならない

■ 官庁の中にはまた、国際公開前に直接当該官庁に通知することを出願⼈に要求している (例、DO/AU、DO/DE、DO/DK)

158158

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Biomat-Seqlist-930.01.2017

The International Patent System

出願⼈と試料の寄託者が異なる者である場合■ この場合、DO/GB、及び、DO/EP は次の陳述書を要求している

優先⽇から16ヶ⽉以内⼜は国際公開の技術的準備が完了する前に、

寄託者の⽒名 (名称) 及びあて名を⾔及に含めるとともに、寄託者が出願において寄託された⽣物材料への⾔及を⾏う権

限を出願⼈に与えており、寄託された材料が公に⼊⼿可能となる旨の留保不能かつ撤回不能な同意を出願⼈に与えていることを特定した陳述書

■ 上記⼿続を怠った場合、出願は、不⼗分な開⽰を理由として、国内段階で拒絶される可能性がある

Biomat-Seqlist-1030.01.2017

The International Patent System

規則 13の2によって対象とされる⾔及の種類■ ブダペスト条約に基づく寄託への⾔及のみ、規則 13の2に基づ

く⽣物材料への⾔及と取り扱われる

■ 欧州共同体植物品種庁によって発⾏された植物品種権の登録の証明書はブダペスト条約及び規則 13の2の対象とはならない

■ 規則 13の2に基づく⽣物材料以外への⾔及は国際出願の⼀部として公開されないが、PATENTSCOPE 上の「国際事務局において保管されている関連書類」で利⽤可能

159159

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Biomat-Seqlist-1130.01.2017

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ヌクレオチド及び/⼜はアミノ酸配列リストの表⽰ (1)■ 関連規定:

規則 5.2 及び 49.5(aの2)

実施細則第208号及び附属書C

■ 国際出願が⼀⼜は⼆以上のヌクレオチド及び/⼜はアミノ酸配列の開⽰を含む場合には、明細書には、実施細則附属書C (“PCT 配列リスト標準”) (同標準は、ISA、IPEA 及び指定/選択官庁の従前適⽤された様々な要件を差し替えたもの) に定める基準を満たす配列リストを含まなければならない

Biomat-Seqlist-1230.01.2017

The International Patent System

■ 管轄 ISA が求める場合には、出願に含まれる配列リストに加えて、PCT 配列リスト標準を満たす電⼦形式による配列リストの写しを提出しなければならない; その写しは: 書⾯による配列リストと同⼀でなければならない そのような趣旨を盛り込んだ陳述書とともに提出しなければ

ならない■ PCT 配列リスト標準を満たした配列リストは、次の機関・官庁に

よって受理されなければならない: 国際段階の⽬的で、全ての RO、ISA、IPEA 国内段階の⽬的で、全ての指定/選択官庁

ヌクレオチド及び/⼜はアミノ酸配列リストの表⽰ (2)

160160

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Biomat-Seqlist-1330.01.2017

The International Patent System

PCT 配列リスト標準 (1)■ 根拠: 実施細則第208号及び附属書C

■ 配列リストが国際出願とともに提出された場合:

明細書と別個の「配列リスト部分」として表⽰されなければならない

出願の最後に配置されなければならない

新しいページから開始しなければならない

好ましくは独⽴したページ番号が付されるべき

Biomat-Seqlist-1430.01.2017

The International Patent System

■ PCT 配列リスト標準は次の事項に関する更なる詳細を規定:

ヌクレオチド及び/⼜はアミノ酸配列の表⽰に⽤いなければならない記号及びフォーマット

配列リストに含まれる他の利⽤可能な情報に関して、必須記載要素、任意記載要素、及び、それら要素の表⽰順序

配列の特徴の表⽰

「フリーテキスト」の表⽰

PCT 配列リスト標準 (2)

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Biomat-Seqlist-1530.01.2017

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PCT 配列リスト標準: フリーテキストの表⽰ (1)■ PCT 配列リスト標準は「フリーテキスト」を次のように定義して

いる:「フリーテキスト」とは、「⾔語中⽴的語彙」を使⽤しないで配列の特性を記述するための表現で、「⾔語中⽴的語彙」とは、配列データベース提供者が定める学術⽤語のように配列リスト中で使⽤する統制語彙である (学名、修飾語句及びその統制語、PCT 配列リスト標準の添付書類に記載された記号及び特徴を表す記号を含む)

■ 国際出願の配列リスト部分にフリーテキストを含む場合、フリーテキストは:英語での記載が可能であり、(明細書の主要な部分の⾔語に係

わらず) 好ましくは英語で記載すべき (規則 12.1(d))

明細書の主要な部分にも (「配列リストフリーテキスト」と題して) 当該部分の⾔語で表⽰しなければならない (ISA は、明細書の主要な部分に含まれていない場合、補充書を提出することを求める) (規則 5.2(b) 及び 13の3.1(f))

Biomat-Seqlist-1630.01.2017

The International Patent System

■ 国内段階の⽬的で (規則 49.5(aの2))、指定官庁は、明細書の配列リストの部分に含まれるフリーテキストが次の要件にしたがっている場合には、明細書の配列リストの部分に含まれるフリーテキストの翻訳⽂を提出するよう出願⼈に要求しない:

PCT 配列リスト標準に従って表⽰されている

明細書の主要な部分にも表⽰されている (従って翻訳⽂においても同様)

PCT 配列リスト標準: フリーテキストの表⽰ (2)

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Biomat-Seqlist-1730.01.2017

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国際出願の⼀部を構成する配列リストの提出■ 電⼦形式で出願された国際出願の⼀部として、ST.25 テキスト形式で

出願された配列リストについては、⽤紙ごとの⼿数料は不要

■ 電⼦形式で出願された国際出願の⼀部として、イメージ形式で出願された配列リストについては、⽤紙ごとの⼿数料が必要

■ 紙形式で出願された配列リストについては、⽤紙ごとの⼿数料が必要

■ 注意: ミックスモード (mixed mode) 出願 (旧実施細則第8部) は廃⽌されている

Biomat-Seqlist-1830.01.2017

The International Patent System

配列リストの関連テーブル

■ 配列リストの関連テーブルのページは、明細書の通常のページとして計算する

■ 電⼦形式で提出されたのか否かにかかわらず、配列リストの関連テーブルを含む⽤紙は、⽤紙ごとの⼿数料が必要

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Biomat-Seqlist-1930.01.2017

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国際出願の⼀部を構成しない配列リストの提出

規則 13の3.1に基づいて (国際調査のみの⽬的)、ST.25に準拠したテキスト形式の配列リストが ISA に提出された場合には、ISA は国際事務局に配列リストを送付する

国際事務局は、テキスト形式の全ての配列リストを PATENTSCOPE上で公衆に利⽤可能にする

Biomat-Seqlist-2030.01.2017

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配列リストが PCT 配列リスト標準を満たしていない場合の⼿続 (1)■ 出願時における国際出願が次のものを含んでいない場合:

PCT 配列リスト標準を満たした書⾯による配列リスト、及び/⼜は

PCT 配列リスト標準を満たした電⼦形式による配列リスト

ISA は、リストが既に⼊⼿可能である場合を除き、出願⼈に対し、上記標準を満たす (上記フォーマットでの) リストを提出することを求め、該当する場合には、遅延提出⼿数料を⽀払うことを求める(規則 13の3.1(a) 及び(b))

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Biomat-Seqlist-2130.01.2017

The International Patent System

■ 出願時における国際出願に含まれていないが、その後提出された配列リストは、出願時の出願の開⽰の範囲を超えてされてはならず、その旨の陳述とともに提出しなければならない (規則 13の3.1(e))

■ 出願⼈が求めにおいて指定された期間内に当該求めを満たさなかった場合、ISA はリストなしで有意義な調査が⾏うことができない範囲まで国際出願の調査を⾏うことを要しない (規則 13の3.1(d))

配列リストが PCT 配列リスト標準を満たしていない場合の⼿続 (2)

Biomat-Seqlist-2230.01.2017

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国際予備審査機関のための配列リスト(規則 13の3.2)

■ ISA における⼿続について適⽤される要件は、IPEA における⼿続について準⽤する

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Biomat-Seqlist-2330.01.2017

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指定/選択官庁のための配列リスト(規則 13の3.3)

■ 指定/選択官庁において国際出願の⼿続が開始された場合、ISA (及び IPEA) における⼿続について適⽤される要件は、指定/選択官庁における⼿続について準⽤する

■ 指定/選択官庁は、出願⼈に対し PCT 配列リスト標準を満たす配列リスト以外の配列リストを提出することを要求することができない

Biomat-Seqlist-2430.01.2017

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PatentIn ソフトウェア■ Windows ベースのバージョン (JPO、USPTO 及び EPO から

無料で⼊⼿可能) であり、WIPO 配列リスト標準を満たす標準化された電⼦形式での配列リストの作成⼿続を迅速化するために設計されたもの

■ 特許に開⽰された配列のデータベースの作成を⽀援

■ 三極配列データ交換プロジェクトにおける、EPO、JPO及びUSPTO 間の公開された配列データの交換をサポート

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国際出願の⼿続上の安全措置 (セーフガード)

Safeguards-205.08.2016

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⼿続上のセーフガード (1) ⾮管轄受理官庁による受理官庁としての国際事務局への国際出願の

転送 (規則 19.4)

⽋陥の補充の求め (様式上の⽋陥、優先権の主張)

受理官庁による期間の延⻑ (⼿数料の⽀払、優先権主張の補充及び/⼜は追加を除く)

未払い⼜は不⾜の⼿数料の⽀払の求め (規則 16の2 及び 58の2)

引⽤による補充 (規則 20)

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Safeguards-305.08.2016

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優先権の回復 (規則 26の2.3 及び 49の3)

明⽩な誤記の訂正 (規則 91)

公開の回避のための出願の取下げ

出願の公開を遅らせる及び/⼜は国内段階移⾏を延期するための優先権の主張の取下げ

期間を遵守するための FAX による提出 (規則 92.4)

出願⼈に送付された郵便の遅延: 7⽇ルール (規則 80.6)

⼿続上のセーフガード (2)

Safeguards-405.08.2016

The International Patent System

■ 出願⼈により送付された郵便物の遅延⼜は亡失: 5⽇ルール、登録された航空郵便及び運送事業者 (規則 82.1)

■ 適⽤される期間内に国内段階移⾏しなかった場合の権利の回復(規則 49.6)

■ 特定の期間が遵守されなかったことによる遅滞についての指定/選択官庁による許容 (第48条及び規則 82の2)

■ RO ⼜は IB による誤りの指定/選択官庁による訂正 (規則 82の3)

■ 指定/選択官庁による検査 (第24条、第25条及び第26条)

⼿続上のセーフガード (3)

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Safeguards-505.08.2016

The International Patent System

■ 不可抗⼒により期間が遵守されなかったことによる遅滞の許容(規則 82の4) RO, ISA, SISA, IPEA ⼜は IB は、以下の場合で当該官庁に

とって満⾜するものである場合に、規則に定める期間が遵守されなかったことによる遅滞を許容する 戦争、⾰命、市⺠暴動、ストライキ、天災、電⼦通信サービ

スの全般的な不通⼜はその他これらに類する事由により、期間が遵守できなかった場合であり、且つ、

その証拠が当該期間の満了後6ヶ⽉以内に提出された場合当該規則は以下の期間には適⽤されない

パリ条約に基づく12ヶ⽉の優先期間 国内段階移⾏期限

すでに国内段階に移⾏している場合は、当該指定官庁は遅滞の許容を考慮する必要はない

⼿続上のセーフガード (4)

169169

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2018年7⽉1⽇発効の PCT 規則改正

The International Patent SystemJuly2018

rule changes-214.03.2018

PCT 規則改正■ ⼿数料表の改正

90%の⼿数料減額は、減額の適格性を有しない者⼜は企業に代わって国際出願を提出する⼈ (例えば、企業の利益のために出願が⾏われる場合における、当該企業の取締役や従業員) ではなく、⾃らの権利として国際出願を提出する者のみを対象としていることを明確化

■ PCT 規則 4.1(b)(ii) 及び 41.2(b) の改正 2017年7⽉1⽇に発効した先の調査及び/⼜は分類結果の送付に

関する条⽂中における参照箇所の訂正

170170

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最近の進展

Recent dev-214.03.2018

The International Patent System

最近の進展■ 新しい ISA/IPEA

■ PCT ハイライト

■ ライセンシングの利⽤可能性

■ 第三者情報提供■ PATENTSCOPE■ WIPO Pearl■ PCT Direct■ PCT と PPH■ 仲裁調停センターの⼿数料軽減

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Recent dev-314.03.2018

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新しい ISA/IPEA■ 現在23の官庁が ISA/IPEA としての⽴場を有している

ウクライナ国家知的所有権庁 (SIPSU) は2016年2⽉5⽇からISA/IPEA として運⽤を開始した

ヴィシェグラード特許機構は2016年7⽉1⽇から ISA/IPEA として運⽤を開始した

トルコ特許商標庁は2017年3⽉8⽇から ISA/IPEA として運⽤を開始した

フィリピン知的所有権庁は2017年に ISA/IPEA として任命されたが、まだ運⽤を開始していない

Recent dev-414.03.2018

The International Patent System

PCT ハイライト■ PCT 制度の最近、及び今後の動向についてのハイレベルな概説

であり、より詳細な情報、データベース、ビデオなどへのリンクを提供する

■ 特に経営層や法律家を対象

■ PCT ハイライトのメーリングリストに登録すれば更新のお知らせを受信可能

■ http://www.wipo.int/pct/en/highlights/index.html

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Recent dev-514.03.2018

The International Patent System

ライセンシングの利⽤可能性 (1)■ ⾃⾝の国際出願に関するライセンシングに関⼼のある出願⼈は、国

際事務局に対して、この情報を PATENTSCOPE で表⽰するよう請求することが可能:

どのように? 出願⼈は「ライセンシングによる利⽤可能性の表⽰請求」を ePCT の “アクション” 機能を利⽤して IB に提出

もしくは、様式 PCT/IB/382 を利⽤可能

いつ? 出願時、⼜は、優先⽇から30ヶ⽉以内

無料

出願⼈はライセンシングによる利⽤可能性の表⽰請求を重複して提出可能、⼜は、すでに提出された請求を更新することが可能 (優先⽇から30ヶ⽉以内)

Recent dev-614.03.2018

The International Patent System

ライセンシングによる利⽤可能性の表⽰は国際出願の国際公開後に公衆に利⽤可能

ライセンシングによる利⽤可能性の表⽰は、PATENTSCOPE の「書誌情報」タブにおいて、提出された請求にリンク付けされ閲覧可能

PATENTSCOPE でライセンシングによる利⽤可能性の表⽰を含む国際出願を検索可能

「書誌情報」タブに⽰されたライセンシングによる利⽤可能性の表⽰は、出願⼈によって、優先⽇から30ヶ⽉以降であっても、いつでも取り消すことが可能

ライセンシングの利⽤可能性 (2)

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Recent dev-714.03.2018

The International Patent System

第三者情報提供 – 主な特徴■ 第三者は新規性及び進歩性に関する先⾏技術⽂献を提出可能■ ePCT を⽤いたウェブ上のシステム、⼜は PATENTSCOPE 上のウェ

ブフォームを⽤いる■ 無料■ 提出期限は優先⽇から28ヶ⽉まで■ 出願⼈は優先⽇から30ヶ⽉まで情報提供に対する反論を提出可能■ 匿名による第三者情報提供が可能■ 第三者が提供した⽂献は、PATENTSCOPE で閲覧可能とはならない

が、国際機関や国内官庁は利⽤可能

Recent dev-814.03.2018

The International Patent System

第三者情報提供 – IB の役割

■ スパムのチェック

■ 情報提供を受けた出願⼈への通知

■ PATENTSCOPE で提供情報を利⽤可能にする

■ 提供情報、引⽤⽂献、出願⼈の反論を国際機関、指定官庁に送付する

■ 2012年7⽉からサービス開始

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Recent dev-914.03.2018

The International Patent System

PATENTSCOPE■ 公開10⾔語 (+モバイルバージョン) でのインターフェースが利⽤可能■ “書類” タブに、新たな “調査及び審査関連書類” セクションが含まれる■ 50ヶ国以上の国内段階移⾏情報■ 40以上の検索可能な国内及び広域特許コレクションへのアクセス■ https を介しての PATENTSCOPE への安全なアクセス■ WIPO 翻訳

⾼度に技術的な特許⽂献を、⼀般的な使⽤⽅法を厳密に反映した書式と構⽂で第⼆⾔語に変換可能な、ニューラル機械翻訳技術に基づく翻訳ツール

■ 多⾔語検索 (Cross-Lingual Expansion:多⾔語への拡張) 1つの⾔語で⽤語を⼊⼒するだけで、幾つかの⾔語での⽤語/連語

及び異形/異綴語も検索可能であり、その他の⾔語での特許⽂献を検索可能にする当該⽤語の異形/異綴語や翻訳を提案する

Recent dev-1014.03.2018

The International Patent System

WIPO Pearl■ 特許⽂献で使われている科学技術⽤語にアクセス可能な多⾔語の

専⾨⽤語ポータルサイト■ PCT 全10⾔語で利⽤可能■ 科学技術知識の検索と共有を容易にすることで、⾔語横断的に

⽤語の正確で⼀貫性のある使⽤を推奨するのに役⽴つ■ 全てのコンテンツを信頼性の評価点で検証■ PATENTSCOPE に統合■ 詳細は以下のウェブサイトを参照:

www.wipo.int/reference/en/wipopearl

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Recent dev-1114.03.2018

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■ 新しいサービスの提供 EPO が2014年11⽉1⽇からイスラエル特許庁が2015年4⽉1⽇から

■ PCT ⼿続の間、出願⼈は同じ官庁により作成された優先基礎出願についての調査報告書で提⽰された特許性の問題について対処することが可能

■ ISA に対する⼿続きの効率と質の向上が⽬的■ 詳細は EPO のウェブサイトを参照:

http://www.epo.org/law-practice/legal-texts/official-journal/2014/09/a89.html

■ 詳細はイスラエル特許庁のウェブサイトを参照:http://index.justice.gov.il/En/units/ILPO/Departments/PCT/News/Pages/PCTDirect.aspx

“PCT Direct” (1)

Recent dev-1214.03.2018

The International Patent System

“PCT Direct” (2)■ 要件

⾮公式コメントは PCT 出願と共に以下に提出 ISA/EP を選択した場合は何れの RO でも可 ISA/IL を選択した場合は RO/IL に対して

ISA として EPO ⼜はイスラエル特許庁を選択以下の官庁により調査された先の出願の優先権を主張する PCT出願

EPO (欧州最初の出願⼜は国内最初の出願)1

イスラエル特許庁■ 様式

⾮公式コメントは PDF 形式の単⼀⽂書の “PCT Direct Letter” の形式で提出し、PCT 願書様式 (様式PCT/RO/101) の第 IX 欄の “その他” に “PCT Direct/⾮公式コメント” と表⽰

1 EPO はフランス、オランダ、ベルギー、ルクセンブルク、イタリア、トルコ、ギリシャ、キプロス、マルタ、サンマリノ、リトアニア、ラトビア及びモナコの国内調査を実施

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Recent dev-1314.03.2018

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■ ⾮公式コメントは、 PCT 出願の請求の範囲の特許性に関する意⾒出願書類、特に請求の範囲における、先の出願と⽐較したすべ

ての修正に関する説明を含む (例えば、マークアップの写し)優先基礎出願で作成された調査⾒解で提⽰された異議を解決す

る⽬的 PCT 出願の⼀部ではないが、PATENTSCOPE にて閲覧可能

“PCT Direct” (3)

Recent dev-1414.03.2018

The International Patent System

特許審査ハイウェイ (PPH) と PCT■ 国際機関の作成した肯定的な⾒解 (ISA や IPEA の⾒解書、IPRP

(第 I 章⼜は第 II 章)) に基づく国内段階での早期審査

■ 条件:

少なくとも⼀つのクレームが新規性、進歩性及び産業上の利⽤可能性の PCT の基準を満⾜すると ISA ⼜は IPEA によって判断され、且つ、

全てのクレームが PCT の基準を満⾜すると⾒なされたクレームと⼗分に対応すること (PCT出願のクレームと同⼀⼜は類似の範囲を有するか、PCT出願のクレームよりも狭い範囲)

■ グローバル PPH と PCT:

グローバル PPH 試⾏プログラムは2014年1⽉に開始

既存の PPH ネットワークを簡略化する単⼀の適⽤要件によりユーザの利便性を向上

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Recent dev-1514.03.2018

The International Patent System

■ グローバル PPH は既存の⼆国間の PPH 協定を補完する

■ PCT-PPH に関するウェブサイト:www.wipo.int/pct/en/filing/pct_pph.html

■ PPH ポータルサイト: www.jpo.go.jp/ppph-portal/index.htm

■ ⼿続と様式については参加官庁のウェブサイトを参照

■ PCT-PPHを利⽤された際のご意⾒などを IB にお送りください[email protected]

特許審査ハイウェイ (PPH) と PCT

Recent dev-1614.03.2018

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仲裁調停センター (AMC)■ 当事者間の商業上の紛争処理のための代替⼿段 (裁判より時間と

費⽤の⾯で効果的) を提供する独⽴した公平な機関

■ 知的財産やその他の商業上の紛争について、調停、仲裁、専⾨家による決定といったサービスを提供

■ 少なくとも⼀⽅の当事者が公開された PCT 国際出願の出願⼈⼜は発明者として記載されている場合 (紛争との関係は求められない)、AMC の登録及び実施⼿数料の25%軽減

■ ⼿数料計算www.wipo.int/amc/en/calculator/adr.jsp

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出願⼈のための ePCT(2018年1⽉)

ePCT-2January 2018

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ePCT の概要■ ePCT ポータル http://pct.wipo.int/ePCT

■ ⾼度な認証を⽤いた ePCT サービスと、⾼度な認証を⽤いないePCTサービス

■ ePCT 出願

■ PCT 出願の eOwnership

■ eHandshakes、アクセス権の共有と削除

■ 特徴と機能

■ 今後の予定

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ePCT-3January 2018

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ePCT とは? (1)

■ 出願⼈と官庁に対して PCT に関するサービスを提供するオンラインポータル (pct.wipo.int)

■ ユーザインターフェイスはすべての PCT 公開⾔語で利⽤可能

■ 国際事務局により管理される PCT 出願に対して安全で直接的なやりとりが可能

■ 出願⼈は、国際事務局に対して PCT に関するほとんどの⼿続を電⼦的に実⾏可能

■ ePCT出願 – ウェブ上から PCT 出願が可能

ePCT-4January 2018

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■ 受理官庁、国際調査機関、国際予備審査機関及び指定官庁は、安全な ePCT 官庁⽤アカウントを通して PCT 出願にアクセス可能

■ 出願⼈は、(ePCTの)参加官庁に対しても、PCT に関する多くの電⼦的な⼿続を ePCT を介して実⾏可能

ePCT とは? (2)

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ePCT-5January 2018

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ePCT の種類■ ePCT を利⽤するには、⼀つの WIPO ユーザアカウント (ユーザ

ネームとパスワード) が必要 https://pct.wipo.int/wipoaccounts/ePCT/

■ ⾼度な認証なしの ePCT サービス 限定的な機能、ドキュメントアップロード 紙 (による書類提出) の実⽤的な代替⼿段(FAX送信は2018年

1⽉1⽇以降は推奨されなくなりました)■ ⾼度な認証を⽤いた ePCT サービス

追加の本⼈確認 PCT 出願の作成と提出を含む、すべてのサービスや機能を

利⽤可能 2009年1⽉1⽇以降の PCT 出願 (公開前のものを含む) に

アクセス可能

ePCT-6January 2018

The International Patent System

⾼度な認証なしの ePCT サービス

■ 国際事務局のみに対してのドキュメントアップロード PDF 形式電⼦メールによる提出は不可

■ アクション機能を⽤いた書類の作成、提出公開された PCT 出願に対する規則 92の2に基づく請求 19条補正第三者情報提供⾼度な認証なしの ePCT サービスでは、アクションをドラフト

状態で保存することは不可能

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ePCT-7January 2018

The International Patent System

⾼度な認証なしの ePCT サービス– アクション機能

ePCT-8January 2018

The International Patent System

⾼度な認証を⽤いた ePCT サービス■ 追加の本⼈確認

認証アプリを利⽤したワンタイムパスワード

SMS を利⽤したワンタイムパスワード

“サポートされた” 電⼦証明書の取得/アップロード

■ ベストプラクティス: 少なくとも⼆つの認証⽅法を設定

■ 設定⽅法の解説やビデオチュートリアルを以下の ePCT サポートページにて閲覧可能http://www.wipo.int/pct/en/epct/support.html

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ePCT-9January 2018

The International Patent System

電⼦証明書■ “サポートされた” 電⼦証明書

WIPO 電⼦証明書

EPO 電⼦証明書 (スマートカード)

■ 注意: USPTO 電⼦証明書は利⽤できない

ePCT-10January 2018

The International Patent System

WIPO 電⼦証明書 (1)■ ユーザを認証するデータを含む⼩さな電⼦ファイル (⾼度な認証の

下でアクセスを認証するためには、ブラウザにインストールする必要あり)

■ 電⼦証明書を要求・取得する際にサポートされているブラウザはMozilla Firefox (推奨) と Internet Explorer

■ WIPO から無料で取得でき、⼆年間有効で更新可能

■ 請求された電⼦証明書を⼀度だけダウンロード可能(⼀週間以内に⾏う必要あり)

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ePCT-11January 2018

The International Patent System

■ 電⼦証明書のバックアップ

電⼦証明書をエクスポートしパスワードで保護(詳細は ePCT サポートページを参照)

電⼦証明書を⾃分宛に電⼦メールで送付、及び/⼜は USB メモリに保存 (パスワードを安全に保つこと)

ブラウザのアップデート後や他の PC やブラウザから⾼度な認証を⽤いてアクセスする際にバックアップが求められる場合がある

WIPO 電⼦証明書 (2)

ePCT-12January 2018

The International Patent System

多⾔語アドレス帳 (1)■ 出願⼈、発明者、代理⼈の連絡先を記録、保管■ アラビア語、中国語、⽇本語、韓国語、ロシア語での⼊⼒時に英訳

も含めることが可能■ PCT-SAFE や EPO-OLF ソフトウェアの既存のアドレス帳 (.csv形

式のファイル) をインポート可能■ アクセス権限に基づいたアドレス帳の共有

eOwner (編集、閲覧及び共有可能) eEditor (編集及び閲覧可能) eViewer (閲覧のみ可能)

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ePCT-13January 2018

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多⾔語アドレス帳 (2)

ePCT-14January 2018

The International Patent System

多⾔語アドレス帳 (3)

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ePCT-15January 2018

The International Patent System

■ すべての PCT 出願⼈が利⽤可能なウェブ上からの PCT 出願の提出■ 国際事務局の電⼦処理システムによるデータの即時検証■ すべての PCT 公開⾔語で願書様式を作成可能

ePCT 出願 (1)

ePCT-16January 2018

The International Patent System

■ PDF、DOCX、⼜は XML 形式での明細書 PDF 形式では、図⾯を含む⼜は含まない単⼀の明細書を選択可 XML 形式では、単⼀のファイルのみ

■ オンライン変換機能を⽤いて DOCX 形式の出願本体を XML に変換テンプレート (雛形) 及びサンプルファイルはすべての PCT 公

開⾔語で利⽤可能 DOCX のユーザガイド (英語) を利⽤可能

ePCT 出願 (2)

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ePCT-17January 2018

The International Patent System

■ カラー⼜はグレースケール要素 PCT出願では許容されていない(規則11) ePCTはカラー⼜はグレースケール要素を⾃動的に検知し、IBが

国際公開のためにそれを⽩⿊に変換することを出願⼈に警告ただし、元のカラー⼜はグレースケール要素はPATENTSCOPE

で公開された出願の書類の⼀部として利⽤可能となるカラー⼜はグレースケールが⽤いられた場合、公開されたPCT

出願の表紙には、提出された出願がカラー⼜はグレースケール要素を含んでいることを知らせる通知が含まれる

指定官庁はカラー⼜はグレースケール要素を考慮する義務はなく、⽩⿊で公開されたPCT出願に依拠することができる

ePCT 出願 (3)

ePCT-18January 2018

The International Patent System

■ PCT 出願の “複製” ePCT の新規国際出願として過去に作成した出願 (すでに出願さ

れたか否かに係わらない) の書誌情報を出願テンプレートとして利⽤可能

すべてのデータと書類を含むようにすることも可能アクセス権をコピーすることも可能

■ 国際事務局に対する出願⼿数料のクレジットカード⼜は WIPO 当座預⾦⼝座からの引き落としによる、即時オンライン決済 (RO/IB出願のみ) Visa, MasterCard/Eurocard, American Express, Discover,

Diners Club⽀払いは出願時でも出願後でも可能

ePCT 出願 (4)

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ePCT-19January 2018

The International Patent System

■ 添付書類 (PCT 出願の⼀部を構成しない)例えば⼀般の通信変換前の書類国際公開及び/⼜は国際調査のための翻訳⽂国際調査のための配列リスト

■ 同⽇付の補充が可能■ 出願前の新規 PCT 出願の写しをダウンロード可能

(ZIP ファイル (複数の PDF ファイル) ⼜は単⼀の PDF ファイル)■ 同種類の複数の規則4.17に基づく申⽴ては、ページ数を減らすため

に統合される

ePCT 出願 (5)

ePCT-20January 2018

The International Patent System

PCT 出願の eOwnership■ ePCT において、PCT 出願にアクセスし管理する権利

■ ePCT 出願を利⽤すると⾃動的に付与される

アクセス権は出願前に付与可能

アクセス権を有するユーザは PCT 出願の下書きにアクセス可能

■ ePCT 出願を利⽤しない場合は、eOwnership の取得のために追加の⼿順が必要

■ 個⼈または個⼈のグループのいずれかに対してデフォルトのアクセス権を設定し、オリジナルの eOwener であることが確認される度に⾃動的に当該設定を適⽤可能

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ePCT-21January 2018

The International Patent System

eOwnership の取得

■ ePCT 出願を利⽤する場合、アクセス権は⾃動的に付与される

■ PCT-SAFE、EPO オンライン出願、⼜は JPO PAS を利⽤して電⼦出願をする場合

■ サポートされた電⼦証明書を利⽤して電⼦出願する場合

■ 紙出願⼜はサポートされていない電⼦証明書で提出された電⼦出願の場合

ePCT-22January 2018

The International Patent System

他の互換性のある電⼦出願ソフトを利⽤する際の eOwnership の取得■ PCT-SAFE、EPO オンライン出願、⼜は JPO PAS を利⽤する際、

関連する署名欄に、ePCT において⽣成した⼀度限りの(ワンタイム)eOwnership コードと、カスタマー ID を⼊⼒

■ これにより、新規国際出願がWIPOアカウントに安全に関連付けられる

■ 記録原本が国際事務局によって受理されると、eOwnershipコードとカスタマー IDの照合に基づきアクセス権が⾃動的に付与される

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ePCT-23January 2018

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eOwnership の取得PCT-SAFE、EPO オンライン出願、JPO PAS

ePCT-24January 2018

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eOwnership の取得サポートされた電⼦証明書を利⽤して電⼦出願する場合■ サポートされた電⼦証明書を利⽤した公開前の電⼦出願

電⼦出願と ePCT の電⼦証明書が⼀致している必要有り様式 PCT/IB/301 の右下に記載された確認コードを⼊⼒ eOwnership が⾃動的に付与される

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ePCT-25January 2018

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eOwnership の取得紙出願⼜はサポートされていない電⼦証明書を利⽤した出願の場合 (1)■ 紙出願⼜はサポートされていない電⼦証明書で電⼦出願■ ワークベンチ外の出願を検索し、“アクセス権の取得申請”を選択

ePCT-26January 2018

The International Patent System

eOwnership の取得紙出願⼜はサポートされていない電⼦証明書を利⽤した出願の場合 (2)■ 様式 PCT/IB/301 (公開前の出願のみ) 、⼜は様式 PCT/IB/345

(規則92の2に基づく変更があった場合や公開された出願の場合)に表⽰された確認コードを⼊⼒

■ これにより、国際事務局が当該申請を承認⼜は却下するためのオンライン書式が作成される

■ アクセス権の取得申請が国際事務局によって処理された後、電⼦メールによる通知を受領する

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ePCT-27January 2018

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アクセス権の共有 – eHandshake (1)■ PCT 出願へのアクセス権を付与する最初のステップ

■ ⾼度な認証を⽤いた異なる WIPO ユーザアカウント間で、互いに信頼できる関係であることを確認する作業

■ PCT 出願へのアクセス権は eHandshakes によって⾃動的に付与されるわけではなく、別途設定を⾏う必要がある (ただし、デフォルトでアクセス権を与えるように設定をすることは可能)

■ eHandshakes は WIPO アカウント内で管理される (画⾯上部のユーザ名の隣のドロップダウンメニューから ”アカウント” を選択)

ePCT-28January 2018

The International Patent System

■ eHandshake は、出願のアクセス権を編集する画⾯からも設定可能

アクセス権の共有 – eHandshake (2)

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ePCT-29January 2018

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■ 新規の eHandshake の請求関係者のカスタマー ID を知っている場合、所定の欄に⼊⼒

関係者のカスタマー IDを知らない場合、関係者が当該設定を⾏えるよう、⾃⾝のカスタマー IDを電⼦メールで伝える

アクセス権の共有 – eHandshake (3)

ePCT-30January 2018

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アクセス権の種類■ eOwner

ePCT上で PCT 出願のすべてを完全に管理実際に国際出願を提出した出願⼈、 代理⼈、若しくは他の者

(例えば、事務所員、アシスタント、秘書)、⼜は既存のeOwnerによりアクセス権を付与された者

■ eEditorアクセス権を付与すること以外は可能

■ eViewer “閲覧” のみ、“処理” はできない

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ePCT-31January 2018

The International Patent System

アクセス権の付与と管理 (1)■ eOwner はワークベンチ⼜は各出願の“アクセス権”の項⽬を介して

他のユーザに対するアクセス権の付与/修正/削除が可能 (ワークベンチからは複数の出願への⼀括設定が可能)

ePCT-32January 2018

The International Patent System

■ 複数の出願のアクセス権を同時に管理可能であり、eHandshake のユーザに対する全ての ePCT アクセス権を⼀度の処理で削除することも可能

■ eHandshake のリストに登録されたユーザにアクセス権を⾃動付与可能

■ アクセス権の管理を促進し、少なくとも⼀⼈のユーザが PCT 出願にアクセスできるように、PCT 出願は⼆⼈以上の eOwner を有するべき

■ PCT 出願へのアクセスが不要となった ePCT ユーザ (例えば、名義変更や代理⼈の変更、辞任など) のアクセス権は削除する必要がある

■ すべてのアクセス権の変更の全履歴が閲覧可能

アクセス権の付与と管理 (2)

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ePCT-33January 2018

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署名■ ePCT アクセス権の保有者 (eOwner ⼜は eEditor) は権限のある署

名者 (出願⼈⼜は代理⼈) と異なる

■ 出願⼈⼜は代理⼈は eOwner ⼜は eEditor である必要なし

■ ePCT 出願や他の PCT ⼿続 (例えば、規則92の2に基づく請求、国際予備審査請求、19条補正、取下げ) には出願⼈⼜は代理⼈の署名が必要

■ テキスト形式の署名、⼜は署名を含む画像ファイルのアップロードを利⽤可能

■ 添付書類に権限のある署名者の署名が含まれていることを表⽰することも可能

ePCT-34January 2018

The International Patent System

ワークベンチ (1)■ eOwner、eEditor、⼜はeViewer としてのアクセス権を有する

すべての PCT 出願の⼀覧■ ワークベンチでは、6つの予め設定されたショートカットフィルタ

ボタンを通じて、ステータスごとに出願を表⽰

■ 様々なフィルタの組み合わせを適⽤可能

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ePCT-35January 2018

The International Patent System

■ ワークベンチの列はドラッグ&ドロップによって再配置可能であり、列の表⽰/⾮表⽰をカスタマイズすることも可能

■ ワークベンチのリストをスプレッドシートにダウンロードすることも可能

■ ⼀つ⼜は複数の出願を選択すると、アクセス権の管理やアーカイブ、ポートフォリオへの移動といった機能にアクセスできるバーが表⽰される

■ PCT 出願や参照番号をクリックすることで詳細な出願情報を閲覧可能

ワークベンチ (2)

ePCT-36January 2018

The International Patent System

PCT 出願の閲覧■ 各セクションに移動するためのショートカットリンク

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ePCT-37January 2018

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国際出願番号のドロップダウンメニュー■ 多くの便利な機能へ素早くアクセスできる

ePCT-38January 2018

The International Patent System

データ (書誌情報)■ PCT 出願の最新の書誌情報を閲覧可能

■ 国際公開/再公開の予定⽇に関する情報や、国際公開のフロントページのレイアウトにおける書誌情報のプレビュー

■ 国際出願の出願⾔語がアラビア語、中国語、⽇本語、韓国語⼜はロシア語の場合、英語での書誌情報に加え上記⾔語での書誌情報も閲覧可能

■ PDF 形式⼜は XML 形式の “国際出願ステータスレポート” (IASR)として書誌情報を取得可能

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ePCT-39January 2018

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書類 (1)■ 国際事務局が保管する記録上の書類だけでなく、RO、ISA、IPEA

としての ePCT 参加庁に対して提出された書類も閲覧可能

ePCT-40January 2018

The International Patent System

■ 各種書類の状態、公衆閲覧の可能性に加え、利⽤可能な場合は処理の履歴を表⽰

書類 (2)

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ePCT-41January 2018

The International Patent System

■ “アップロード” ショートカットボタンをクリックすることによりアクションの “ドキュメントアップロード” が選択され、IB や RO、ISA、IPEA としての ePCT 参加庁に対して書類 (主に PDF 形式) を送信可能選択した送信先に応じてアップロードする書類の種類を選択可能カバーレターが⾃動的に作成される

ー カバーレターに連絡事項を記⼊可能■ 郵送で書類を提出することの、簡便で安全な代替⼿段

(FAX 送信は2018年1⽉1⽇以降は推奨されなくなりました)

■ 送信先の官庁での現在の⽇付と時間がインターフェイスに表⽰され、アップロードされた書類の受理⽇となる

■ アップロード後、書類は ePCT の “書類” から閲覧でき、システムが送信先の官庁へ通知

書類 (3)

ePCT-42January 2018

The International Patent System

ドキュメントアップロード – 優先権書類

■ 電⼦署名された優先権書類のアップロード BR、PT、US によって電⼦形式で発⾏された優先権書類に

ついてのみ利⽤可能

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ePCT-43January 2018

The International Patent System

アクション機能 (1)■ ⾼度な認証を⽤いて ePCT にサインインし、eOwner/eEditor とし

てのアクセス権を有している場合にのみ完全な⼀式のアクション機能を利⽤可能

ePCT-44January 2018

The International Patent System

■ 事前⼊⼒された書誌データと⾃動チェック機能を利⽤してエラーを回避可能; 期限チェック機能もあり

■ アクション機能で提出されたデータや書類は、再⼊⼒する必要なく処理のために直接インポートされる (転記エラーの減少)

■ “アクション” は受信先の官庁により確認される (IB ⼜は RO、ISA、IPEA としての ePCT 参加庁)

■ “アクション”は、相当するドキュメントアップロードの代替として利⽤すべきもの

■ “アクション” を下書きとして保存可能 (⾼度な認証を⽤いた場合のみ)

アクション機能 (2)

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ePCT-45January 2018

The International Patent System

■ 19 条補正のためのアクション機能

選択肢は常に表⽰されているが、IB が ISR を受理した後で提出期限が過ぎていない場合にのみ利⽤可能

DOCX ファイルかテキスト形式の PDF ファイルのみアップロード可能

DOCX ファイルはオンライン変換機能を⽤いて XML に変換される (テンプレートとサンプルが提供されている)

書簡はオンラインで作成可能

■ アクションの出⼒は、(インターフェイスの⾔語に関係なく) 常に出願の公開⾔語で表⽰される

アクション機能 (3)

ePCT-46January 2018

The International Patent System

タイムライン

■ 期限への注意喚起のため、スイス、ジュネーブの⽇付と時間がスクリーン上部に表⽰される

■ PCT の各種期限を図⽰

■ 主要な期⽇の⼀覧

■ これらの期限の多くについて電⼦メールによる通知を通知設定から設定可能

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ePCT-47January 2018

The International Patent System

履歴

■ 全ての ePCT ユーザが PCT 出願に対して⾏った全ての⼿続きの⼀覧

フィルター設定が可能

■ 履歴の初期表⽰は過去⼀週間分

■ ePCT 画⾯上部の名前の横にあるドロップダウンメニューから同様の “利⽤履歴” 機能を利⽤でき、国際出願に対して⾃⾝が⾏ったアクションのみを表⽰させることも可能

ePCT-48January 2018

The International Patent System

通知■ 通知設定

PCT 出願のライフサイクルにおいて通知を受けたいイベントの特定

通知⽅法 (電⼦メール、通知リスト、⼜はその両⽅) 及び通知の種類

■ フィルター設定

受信⽇、開封⽇、未読通知、⽇付の範囲

■ ⼀覧からの通知の削除

■ 直近の 1000 の通知を保存

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ePCT-49January 2018

The International Patent System

ポートフォリオ

■ PCT 出願のグループ分けのためにユーザが作成可能な個⼈的な“仮想フォルダー”

■ ポートフォリオは基本的に、定義したユーザーにとって意味のあるグループ内の PCT 出願を表⽰するためのフィルタ

■ ポートフォリオからの PCT 出願の削除やポートフォリオ⾃体の削除は仮想的なグループ分けのみを削除することを意味し、出願本体は削除されない

■ 出願のワークベンチ表⽰とポートフォリオ表⽰の切替

ePCT-50January 2018

The International Patent System

将来の発展

■ ePCT 外からの署名の適⽤可能性 (例えば、代理⼈は ePCT へのアクセス権を有していないが、ePCT を利⽤するパラリーガルによって作成された書類を承認し、署名する必要がある場合)

■ ユーザからのフィードバックに基づき、再設計されたユーザインタフェースをさらに洗練化

■ ePCT 出願の他の受理官庁への拡張■ マシンツーマシン (Machine-to-machine) 機能■ IB に⽀払う各種⼿数料 (出願後) のオンライン⽀払機能の拡充■ 他の⾔語によるユーザ⽂書/オンラインヘルプ

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ePCT-51January 2018

The International Patent System

ePCT のデモモード

■ pctdemo.wipo.int■ ePCT に触れ、習熟することができるデモ環境■ ePCT デモモードでは機密情報や重要なデータを利⽤しないこと

ePCT-52January 2018

The International Patent System

ePCT に関するお問い合わせ先 (1)

■ ePCT 画⾯上部の “サポート” を利⽤■ PCT 電⼦サービス

Tel: +41-22-338-9523電⼦メール: [email protected]受付時間: ⽉曜⽇から⾦曜⽇の午前9時から午後6時まで

(ジュネーブ時間)

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ePCT-53January 2018

The International Patent System

■ FAQ (よくあるお問い合わせ) 及びユーザのための⽂書サポート情報のデータベース FAQ の回答ページ⼜は「CONTACT US」から利⽤できる

オンラインチャット (営業時間内)■ ePCT のウェビナー

http://www.wipo.int/pct/en/seminar/webinars/index.html

ePCT に関するお問い合わせ先 (2)

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情報の取得

Help-214.03.2018

インターネットで利⽤可能な PCT 関連情報 (1)PCT 条約、規則(www.wipo.int/pct/en/texts/)

PCT 実施細則(www.wipo.int/pct/en/texts/)

PCT 出願⼈の⼿引 (毎週更新) (www.wipo.int/pct/guide/en/)

PCT Newsletter (毎⽉)(www.wipo.int/pct/en/newslett/)

PCT ハイライト(http://www.wipo.int/pct/en/highlights/)

PCT 条⽂索引 (PCT 条約、規則、実施細則、様式、PCT の各種ガイドラインへの参照を提供) (www.wipo.int/pct/en/texts/pdf/legal_index.pdf)

公⽰(www.wipo.int/pct/en/official_notices/index.html)

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Help-314.03.2018

PCT 受理官庁ガイドライン(www.wipo.int/pct/en/texts/gdlines.html)

PCT 国際調査・予備審査ガイドライン(www.wipo.int/pct/en/texts/gdlines.html)

WIPO 標準(www.wipo.int/standards/en/part_03_standards.html)

PCT 最⼩限資料、特許及び⾮特許⽂献(www.wipo.int/export/sites/www/standards/en/pdf/04-01-01.pdf 及び www.wipo.int/export/sites/www/standards/en/pdf/04-02-01.pdf)

WIPO 国際事務局と国際調査機関・国際予備審査機関との取決め(www.wipo.int/pct/en/access/isa_ipea_agreements.html)

インターネットで利⽤可能な PCT 関連情報 (2)

Help-414.03.2018

PCT 出願⼈の⼿引 (1) 無料で利⽤可能な、定期的に更新される、ウェブベースの公開情報

www.wipo.int/pct/ja/appguide/ 詳細な更新情報が無料で毎週送付される電⼦メールサービス 内容:

国際段階 国際出願の作成・提出・⼿続に関する指⽰ 様式 (願書、国際予備審査の請求書、委任状等) 「附属書」に各締約国、広域官庁、国際機関及び各官庁や

機関に関連する情報を掲載

207207

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Help-514.03.2018

内容 (続き): 国内段階

DO/EO に対して⾏わなければならない、⼜は、⾏うことが可能な全ての⾏動に関する情報

期限 ⼿数料 国内様式

PCT 出願⼈の⼿引 (2)

Help-614.03.2018

PCT 研修教材PCT ビデオシリーズ(http://www.wipo.int/pct/en/training/index.html)

PCT 制度の基礎知識から重要な点まで紹介する29の短編ビデオシリーズ (英語版)

PCT ディスタンスラーニングコース (通信講座) が10の公開⾔語で利⽤可能(https://welc.wipo.int/acc/index.jsf?page=courseCatalog.xhtml&lang=jp&cc=PCT_101J#plus_PCT_101J)

PCT ウェビナー(http://www.wipo.int/pct/ja/seminar/webinars/index.html) 要請に応じて企業や法律事務所のために PCT に関するウェビ

ナーを無料で提供さらなる情報は PCT 関連資料ウェブサイトを参照: www.wipo.int/pct/ja

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Help-714.03.2018

PCT 関連質問の WIPO 問い合わせ先 (1)

PCT 情報サービス (Infoline) 電話 +41 22 338 83 38Fax* +41 22 338 83 39電⼦メール [email protected]

RO/IB に関する問い合わせ 電話 +41 22 338 92 22 Fax* +41 22 910 06 10電⼦メール [email protected]

PCT 電⼦サービスヘルプデスク 電話 +41 22 338 95 23インターネット www.wipo.int/pct-safe電⼦メール [email protected]

* 注: FAX 送信は2018年1⽉1⽇以降は推奨されなくなりました

Help-814.03.2018

Marketing and Distribution 電話 +41 22 338 96 18 Section (PCT関係の出版物) +41 22 338 99 30

+41 22 338 95 90Fax* +41 22 740 18 12

+41 22 733 54 28

オンライン注⽂ インターネット www.wipo.int/ebookshop電⼦メール [email protected]

WIPO代表番号 +41 22 338 91 11

PCTインターネットサイト インターネット www.wipo.int/pct/ja

PCT 関連質問の WIPO 問い合わせ先 (2)

* 注: FAX 送信は2018年1⽉1⽇以降は推奨されなくなりました

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PCT 判例データベース

テキスト検索可能な PCT 判例データベースが利⽤可能:www.wipo.int/pctcaselawdb/en

内容: 国内裁判所の決定 広域⾏政機関の決定 IB による要約及び法的参考資料

コメント、追加事例は、IB 宛に提出可能: [email protected]

211211

Page 214: 特許協力条約(PCT)に基づく 国際出願制度に関するトピッ …...SIS – 補充国際調査 SISA – 補充国際調査機関 SISR – 補充国際調査報告

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PCT に関する⼀般的な質問については PCT インフォメーションサービスにお問い合わせください:

Telephone: (+41-22) 338 83 38 Facsimile*: (+41-22) 338 83 39 E-mail: [email protected]

⽇本語でのお問い合わせ先:Telephone: (+41-22) 338 99 16

PCT 関連資料/情報

* 注: FAX 送信は2018年1⽉1⽇以降は推奨されなくなりました

212212

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PCTの概要 Introduction to the PCT System

従来の外国特許制度

1. 従来の外国特許制度によれば、特許保護を求める国々のそれぞれに個別に特許出願をしなければなりません

でした(例外的に、アフリカ知的所有権機関(OAPI)、アフリカ広域知的所有権機関(ARIPO)により形成

されるハラレ議定書制度、ユーラシア特許制度、ヨーロッパ特許制度といった広域特許制度が存在)。従来の

「工業所有権の保護に関するパリ条約」(1883 年採択)に基づいた手続きでは、先の出願に基づく優先権を

外国において主張することが可能ですが、外国における後の出願は先の出願の日から 12ヶ月以内に出願しな

ければなりませんでした。したがって、出願人は、最初の出願から 1年以内に発明の保護を求める全ての国々

について特許出願を準備し提出する必要がありました。つまり、当該国において本当にその発明の権利化が

必要なのか、その発明は市場性のあるものなのか等に自信が持てない状況であっても、翻訳費用、それぞれ

の出願国での代理人費用、出願国の特許庁への出願費用の全てを一時に支払わなければなりませんでした。

2. 他方、こうした出願を受理したそれぞれの国の特許庁でも、別個に自国の方式要件を満たしているか方式審

査をする必要があります。また、特許出願を実体審査する場合には、発明の属する技術分野における先行技

術を調査し、特許性についての審査を行わなければなりません。

3. 従来の国内特許制度と上述の広域特許制度との大きな違いは、広域特許制度では複数の国に対する広域特許

が一つの特許庁により与えられることになることです。しかしながら、それ以外は手続きも同じであり、上

記1,2で述べたことが、そのまま該当します。

PCTの創設

4. 1966 年 9 月、パリ条約同盟の執行委員会は BIRPI(WIPO の前身)に対して、出願人と各国特許庁の両者

における重複作業を軽減する解決策を研究するよう要請しました。1967 年には国際条約草案が BIRPI によ

り準備され、専門家委員会に提出されました。その後数年に渡り、多くの会議で改訂草案が練られ、1970

年 6 月にワシントンで開催された外交会議で、特許協力条約(PCT)が採択されました。特許協力条約は 1

978年 1月 24日に発効し、同年 6月 1日から 18ヶ国の締約国により運用を開始しました。現在 152ヶ国

(2018 年 6 月 1 日現在)が PCT の締約国であり、この著しい増加は PCT に対する関心の高まりを示すも

のといえます。最新の締約国の一覧については、WIPO のウェブサイト(http://www.wipo.int/pct/ja/pc

t_contracting_states.html)をご参照下さい。

5. PCTは、1978年 6月 1日から国際出願の受付を開始しましたが、2017年 2月 2日には 300万件目の国際

出願が公開されるなど今後も大きな成長が見込まれます。PCTに関する統計情報は、WIPOのウェブサイト

(https://www3.wipo.int/ipstats/pmhindex.htm?tab=pct)をご参照下さい。

PCTとは何か?

6. その名が示すとおり、特許協力条約(PCT)は、特許の分野における国際的な協力についての条約です。そ

して、パリ条約の採択以来、この分野における国際協力で最も重要な進展であると言われています。PCTを

概説すると、特許出願の受理、先行技術調査及び審査に関する合理化及び協力と、特許出願に含まれる技術

情報の普及についての条約です。また、PCTはパリ条約の代用ではなく、パリ条約の利点を維持しながら、

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Page 216: 特許協力条約(PCT)に基づく 国際出願制度に関するトピッ …...SIS – 補充国際調査 SISA – 補充国際調査機関 SISR – 補充国際調査報告

更に便利に外国出願できるようにしたものです。ただし、PCTは「国際特許」といった権利を与えるもので

はありません。権利の付与は依然として各国特許庁(指定官庁)によってなされます。なお、PCTは、パリ

条約の締約国に対してのみ開放された、パリ条約に基づく特別協定です。

PCTの主な目的

7. PCTは出願人と各国特許庁の利益という観点から、従来からの外国出願の方法を合理化し、より有効でかつ

経済的なものにすることに狙いがあります。PCTの導入前に複数の国において発明の保護を受けるためには、

個別に、出願及び審査をそれぞれの国で繰り返す必要がありました。そこで、PCTではその目的を達成する

ために以下のような手続きを導入しました。

国際出願制度の導入により、出願人は一つの特許庁(受理官庁)に対して、一つの言語(日本の出願人

の場合は日本語又は英語)で作成した一つの出願(国際出願)を行うことによって、PCTに加盟するそ

れぞれの国(指定国)においても正規の国内出願の効果を有する。

一つの特許庁(受理官庁)が国際出願の方式審査を行う。

国際出願は、国際調査及び審査の過程で、特許文献を中心とした関連する先行技術が提示された報告(国

際調査報告)が作成され、発明の特許性判断に役立てられる他、請求の範囲に係る発明が特許性に関す

る国際的基準に適合するか否かについて書面による見解が作成される。報告及び見解書は出願人に送付

され、その後、報告は公開される。

国際出願の内容は、国際調査報告とともに、統一的に公開される(国際公開)。またそれらは各指定国

の特許庁(指定官庁)に送達される。

各指定国の特許庁に対する手続きに入る前に、出願人の選択によって、国際予備審査の請求が可能であ

り、請求の範囲に係る発明が特許性に関する国際的基準に適合するか否かについて報告が作成され、実

際に特許を付与するか否かを決定する各国の特許庁(選択官庁)及び出願人に送付される。

8. 上記の手続きが、いわゆる「国際段階」と呼ばれるものであって、この後、各指定官庁においてなされる特

許付与手続きは「国内段階」と呼ばれます。

9. 各国の特許庁は、長年に渡り、出願の処理負担(処理遅延)と格闘してきました。利用可能なマンパワーか

ら最大の結果を特許制度が産み出すために資源配分の適正化をどう実行するかが各特許庁にとって大きな課

題となっています。PCT制度の下では、国際出願が指定官庁に到達するまでに、受理官庁による方式審査、

国際調査機関による国際調査、国際予備審査機関による国際予備審査(任意)が既に行われています。この

ように指定官庁は国際段階の手続きの恩恵を受けられるため、国際段階の手続きと重複する仕事を省略する

ことができ、処理負担の軽減という大きなメリットを享受することができます。

10.PCT制度の他の重要な目的は、産業界や関連セクターによる技術情報へのアクセスを促進すること、また開

発途上国の技術に対するアクセスを支援することです。

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Page 217: 特許協力条約(PCT)に基づく 国際出願制度に関するトピッ …...SIS – 補充国際調査 SISA – 補充国際調査機関 SISR – 補充国際調査報告

更に便利に外国出願できるようにしたものです。ただし、PCTは「国際特許」といった権利を与えるもので

はありません。権利の付与は依然として各国特許庁(指定官庁)によってなされます。なお、PCTは、パリ

条約の締約国に対してのみ開放された、パリ条約に基づく特別協定です。

PCTの主な目的

7. PCTは出願人と各国特許庁の利益という観点から、従来からの外国出願の方法を合理化し、より有効でかつ

経済的なものにすることに狙いがあります。PCTの導入前に複数の国において発明の保護を受けるためには、

個別に、出願及び審査をそれぞれの国で繰り返す必要がありました。そこで、PCTではその目的を達成する

ために以下のような手続きを導入しました。

国際出願制度の導入により、出願人は一つの特許庁(受理官庁)に対して、一つの言語(日本の出願人

の場合は日本語又は英語)で作成した一つの出願(国際出願)を行うことによって、PCTに加盟するそ

れぞれの国(指定国)においても正規の国内出願の効果を有する。

一つの特許庁(受理官庁)が国際出願の方式審査を行う。

国際出願は、国際調査及び審査の過程で、特許文献を中心とした関連する先行技術が提示された報告(国

際調査報告)が作成され、発明の特許性判断に役立てられる他、請求の範囲に係る発明が特許性に関す

る国際的基準に適合するか否かについて書面による見解が作成される。報告及び見解書は出願人に送付

され、その後、報告は公開される。

国際出願の内容は、国際調査報告とともに、統一的に公開される(国際公開)。またそれらは各指定国

の特許庁(指定官庁)に送達される。

各指定国の特許庁に対する手続きに入る前に、出願人の選択によって、国際予備審査の請求が可能であ

り、請求の範囲に係る発明が特許性に関する国際的基準に適合するか否かについて報告が作成され、実

際に特許を付与するか否かを決定する各国の特許庁(選択官庁)及び出願人に送付される。

8. 上記の手続きが、いわゆる「国際段階」と呼ばれるものであって、この後、各指定官庁においてなされる特

許付与手続きは「国内段階」と呼ばれます。

9. 各国の特許庁は、長年に渡り、出願の処理負担(処理遅延)と格闘してきました。利用可能なマンパワーか

ら最大の結果を特許制度が産み出すために資源配分の適正化をどう実行するかが各特許庁にとって大きな課

題となっています。PCT制度の下では、国際出願が指定官庁に到達するまでに、受理官庁による方式審査、

国際調査機関による国際調査、国際予備審査機関による国際予備審査(任意)が既に行われています。この

ように指定官庁は国際段階の手続きの恩恵を受けられるため、国際段階の手続きと重複する仕事を省略する

ことができ、処理負担の軽減という大きなメリットを享受することができます。

10.PCT制度の他の重要な目的は、産業界や関連セクターによる技術情報へのアクセスを促進すること、また開

発途上国の技術に対するアクセスを支援することです。

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WIPO国際事務局の役割

11.通常「国際事務局」と称されるWIPOの職員は、PCT制度の国際調整と管理の責任を担います。その職責に

は、WIPO に提出される PCT 出願(国際出願)と関連文書の点検、送達、処理、そして公開が含まれます。

これらの任務に加えて、WIPOは、PCT締約国、出願人、その他の利害関係者に対し、PCT制度のメリット

や運用に関しての定期的なアドバイスや支援を行っています。

12.さまざまな参考資料、ガイド、その他 PCT制度に関する関連出版物が、WIPOのウェブサイト(http://ww

w.wipo.int/pct/ja/)の「PCT関連資料」よりご利用いただけます。

13.WIPOは PCTに関する知識の普及と利用の促進のために、各国の知的所有権庁、大学、企業、研究開発機関、

弁理士、一般の方々など幅広い利用者を対象に、世界各地で定期的に PCT制度に関するセミナー、研修コー

スや類似のイベントを開催しています。

PCT-手続きの概要

14.国内(第一国)出願 多くの場合、出願人は先ず国内特許庁又は広域特許庁に特許出願をします(典型的に

は出願人の自国での国内出願)。この場合の特許出願は一般的に国内(第一国)出願と呼ばれます。

15.PCT出願(国際出願) 国内(第一国)出願の内容に基づき PCT出願を準備し、提出します。受理官庁(典

型的には出願人の国内/広域特許庁)への PCT出願の提出は、国内出願の出願日から 12ヶ月以内に行う必要

があります。また、受理官庁としてのWIPO国際事務局に直接 PCT出願を提出することもできます(出願人

の国の国内法令における国の安全に関する規定に反する場合を除きます)。PCT 出願を提出することで、各

PCT締約国に個別に出願した場合と同じ効果が生じます。

16.国際調査報告及び国際調査機関の見解書 各 PCT締約国は、少なくとも 1つの国際調査機関(ISA)を、自

国の出願人のために国際調査を行い見解書を作成する管轄国際調査機関として選定しています。国際調査機

関として選定された国内/広域特許庁によって作成された国際調査報告(ISR)及び見解書は、国内出願の出

願日から約 16ヶ月が経過した頃に出願人に送付されます。

17.国際調査報告には、出願人の発明の特許性に関連のある特許文献や技術文献が列記されます。国際調査機関

による見解書は国際調査報告を補足するもので、国際調査報告に列記された文献を考慮した上で、当該発明

の特許性につき予備的かつ非拘束的な評価を提供します。

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Page 218: 特許協力条約(PCT)に基づく 国際出願制度に関するトピッ …...SIS – 補充国際調査 SISA – 補充国際調査機関 SISR – 補充国際調査報告

18.出願人は、国際調査機関による見解書の内容を検討した結果、PCT出願の評価の継続を取りやめ、国際予備

審査請求を行わないことを決定することができます。このような場合には、当該見解書にWIPOによって表

紙が添付され、特許性に関する国際予備報告(第 I 章)が作成されます。この特許性に関する国際予備報告

(第 I章)は、当該 PCT出願の優先日(第一国出願日)から 30ヶ月が経過した後に、公衆の閲覧に供され

ます。

19.国際公開 WIPO国際事務局は、優先日から 18ヶ月経過後速やかに、PATENTSCOPE(https://patentsco

pe.wipo.int/search/ja/search.jsf)上で PCT出願を公開します。PCT出願の公開を通じた発明の技術開示

により、技術の進歩と発展が促進されます。

20.補充国際調査(任意) 出願人は、補充国際調査が行われるよう請求することができます。補充国際調査請

求は、優先日から 22 ヶ月間の期間中であれば、いつでも提出することができます。補充国際調査は、出願

人の任意の請求により行われる手続です。特定の言語による先行技術情報をより網羅的に把握したい場合な

どに有用です。ただし、全ての国際調査機関において補充国際調査が実施可能なわけではありません。また、

補充国際調査の実施には手数料がかかります。補充国際調査報告は、通常優先日から 28 ヶ月以内に送付さ

れます。

21.国際予備審査請求(任意) 国際予備審査は、出願人の任意の請求により行われる手続です。出願人が国際

調査機関の見解書の内容に満足しない場合、国際予備審査機関(IPEA)として選定された国内/広域特許庁

に対して、優先日から 22 ヶ月以内に国際予備審査請求書を提出することにより、PCT 出願の発明の評価を

継続することができます。各 PCT締約国は、少なくとも 1つの国際予備審査機関を、自国の出願人のために

国際予備審査を行う管轄国際予備審査機関として選定しています。

22.優先日から約 28 ヶ月頃までに国際予備審査機関から出願人に、特許性に関する国際予備報告(第Ⅱ章)が

送付されます。この報告に含まれる国際予備審査機関の見解は、国内/広域特許庁が発明の特許性を評価する

際に参考にされます。この報告は特許性に関する非拘束的な見解であり、国際予備審査請求書を提出した出

願人のみに提供されます。

23.国内段階移行 国内段階へ移行することで PCT 手続の国際段階が終了し、国内/広域特許の取得手続が開始

します。出願人が希望する国での特許取得可能性を検討する際に、国際段階で入手した特許性に関する国際

予備報告(第Ⅰ章又は第Ⅱ章)が参考になります。特許性に関する国際予備報告は、国内段階で各国内/広域

特許庁が発明の特許性を判断する際にも指針として参考にされます。

24.国内段階に移行した後の特許出願には、各国の特許法、規則及び運用が適用されます。PCTに規定される要

件を満たしている限り、形式的理由や内容の点で拒絶されることはありません。

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18.出願人は、国際調査機関による見解書の内容を検討した結果、PCT出願の評価の継続を取りやめ、国際予備

審査請求を行わないことを決定することができます。このような場合には、当該見解書にWIPOによって表

紙が添付され、特許性に関する国際予備報告(第 I 章)が作成されます。この特許性に関する国際予備報告

(第 I章)は、当該 PCT出願の優先日(第一国出願日)から 30ヶ月が経過した後に、公衆の閲覧に供され

ます。

19.国際公開 WIPO国際事務局は、優先日から 18ヶ月経過後速やかに、PATENTSCOPE(https://patentsco

pe.wipo.int/search/ja/search.jsf)上で PCT出願を公開します。PCT出願の公開を通じた発明の技術開示

により、技術の進歩と発展が促進されます。

20.補充国際調査(任意) 出願人は、補充国際調査が行われるよう請求することができます。補充国際調査請

求は、優先日から 22 ヶ月間の期間中であれば、いつでも提出することができます。補充国際調査は、出願

人の任意の請求により行われる手続です。特定の言語による先行技術情報をより網羅的に把握したい場合な

どに有用です。ただし、全ての国際調査機関において補充国際調査が実施可能なわけではありません。また、

補充国際調査の実施には手数料がかかります。補充国際調査報告は、通常優先日から 28 ヶ月以内に送付さ

れます。

21.国際予備審査請求(任意) 国際予備審査は、出願人の任意の請求により行われる手続です。出願人が国際

調査機関の見解書の内容に満足しない場合、国際予備審査機関(IPEA)として選定された国内/広域特許庁

に対して、優先日から 22 ヶ月以内に国際予備審査請求書を提出することにより、PCT 出願の発明の評価を

継続することができます。各 PCT締約国は、少なくとも 1つの国際予備審査機関を、自国の出願人のために

国際予備審査を行う管轄国際予備審査機関として選定しています。

22.優先日から約 28 ヶ月頃までに国際予備審査機関から出願人に、特許性に関する国際予備報告(第Ⅱ章)が

送付されます。この報告に含まれる国際予備審査機関の見解は、国内/広域特許庁が発明の特許性を評価する

際に参考にされます。この報告は特許性に関する非拘束的な見解であり、国際予備審査請求書を提出した出

願人のみに提供されます。

23.国内段階移行 国内段階へ移行することで PCT 手続の国際段階が終了し、国内/広域特許の取得手続が開始

します。出願人が希望する国での特許取得可能性を検討する際に、国際段階で入手した特許性に関する国際

予備報告(第Ⅰ章又は第Ⅱ章)が参考になります。特許性に関する国際予備報告は、国内段階で各国内/広域

特許庁が発明の特許性を判断する際にも指針として参考にされます。

24.国内段階に移行した後の特許出願には、各国の特許法、規則及び運用が適用されます。PCTに規定される要

件を満たしている限り、形式的理由や内容の点で拒絶されることはありません。

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PCTを利用する主なメリット

25.世界各国への出願が容易に PCT 制度では、一つの PCT 出願をすることで、各 PCT 締約国で国内出願した

場合と同じ法的効果が得られます。PCTを利用しない場合には、各国において、個別に特許出願手続を行う

必要があります。PCTを利用することで、さまざまな言語で個別の出願を準備する時間、労力、費用を先送

り又は節減することが出来ます。

26.費用や時間面でのメリット PCT制度の主な特徴の 1つは、上記のとおり、世界規模で特許を取得する際に

発生するさまざまな費用負担を先延ばしにすることができることです(費用節減につながる場合もあります)。

PCT を利用することで、翻訳費用、国内官庁へ支払う手数料、現地代理人費用を、優先日から最長 30 ヵ月

後まで遅らせることができます(各国に直接出願する場合と比較して 18ヶ月先延ばし)。

27.特許取得費用の大半を占めるのは、翻訳費用、各国内/広域特許庁に支払う手数料、そして各国での現地代理

人費用です。PCT制度を利用することで発生する費用(国際出願手数料、調査手数料等)の総額は、平均す

ると出願から特許期間終了までに発生する費用総額の 2%以下であると見積もられています。

28.さらに、手続上出願人に対してより長い時間的猶予が与えられます。出願人は、例えばこの時間を次のよう

に活用することができます。

発明の発展や市場開拓を進める

特許取得に関するさまざまな選択肢を探り検討する

投資家や共同出資者を確保し資金を調達する

発明の商業化の可能性を探索する

29.特許性を判断するための重要な材料 PCTを利用するメリットは、費用支出を先延ばしできることや時間的

猶予が得られるといった点だけではありません。PCTでは、出願手続の一環として、発明の特許性に関する

情報(国際調査報告、見解書)が出願人に提供されます。この情報は出願人にとって非常に有用性の高いも

ので、例えばこの情報に基づいて国内移行先を当初の予定より減らすことにより、費用を節減することがで

きます。

30.出願人は、優先日から 30 ヶ月以内に、国内段階移行先(特許取得を希望する国)を決めます。この期間を

利用して、上記のとおり、発明を更に発展させたり、資金を確保したり、さまざまな商業化の可能性を探っ

たりすることができます。また、特許性に関する国際予備報告を取得し、発明の特許性についての評価を検

討することもできます。これにより、十分に情報を得た上で国内段階移行先を決定することが可能になりま

す。なお、国内段階へ移行するためには、移行先各国の国内官庁に手数料を支払い、必要に応じて出願書類

の翻訳文を提出する必要があります。

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PCT出願の手続 Filing of PCT Applications

1. 各締約国は、その国民及び居住者が出願人として国際出願を提出できる官庁を決定します。PCTにおいては、

この官庁を「受理官庁」と呼びます。出願人が複数いる場合は、その内の少なくとも一人が国民又は居住者

である締約国の受理官庁又はその締約国のために行動する受理官庁が、これらの出願人により提出される国

際出願を受理します。または、出願人の選択により、出願人がどの締約国の国民又は居住者であるかに関係

なく、受理官庁としての国際事務局に出願することができます。出願人が二人以上の場合、その内の少なく

とも一人が締約国の国民又は居住者であれば、国際出願を受理官庁としての国際事務局に出願することがで

きます。なお、国内法令に基づく国家の安全に関する規定に従うことは出願人の義務です。

国際出願の作成

2. 国際出願は願書、明細書、請求の範囲、図面(必要な場合のみ)及び要約を含まなければなりません。それ

らは所定の形式的要件を満たさなければならず、また所定の言語の一つによって記述されなければなりませ

ん。さらに必要な手数料を支払う必要があります。これらの要件はそれぞれ別々に処理されます。

3. 願書は、印刷様式で作成可能であり、願書様式のコピーは無料で受理官庁(JPO)又は国際事務局(WIPO)

から入手できます。また、編集可能な願書様式(PCT/RO/101)が PCTウェブサイト(http://www.wipo.

int/pct/en/forms/#request)から入手できます。願書はまた、PCT-SAFEソフトウェア、受理官庁により

認められている他のソフトウェア(JPOのインターネット出願ソフト等)又は ePCT出願を利用することに

より、電子形式で出願された国際出願の一部として提出することもできます。

4. 願書には、その国際出願が PCTに従って処理される旨の申立てが記載されます。さらに、発明の名称、出願

人、発明者及び出願人を代理する代理人に関する必要な情報を記載する必要があります。願書を提出するこ

とにより、PCTの全ての締約国を指定したことになり、全ての種類の保護について国際出願日が確保できま

す。なお、ドイツ、日本及び韓国については、国際出願が当該国における先の出願に基づく優先権主張を含

む場合には、自動的かつ包括的な指定から除くことができます。もし、他の締約国の指定を望まない場合に

は、出願時又はその後において指定を取下げることができます。

5. 願書には、優先権主張を含むことができます。また、願書は出願人又は代理人により署名されなければなり

ません。出願人が二人以上いる場合には、少なくとも出願人のうち一人により署名されていれば、受理官庁

は出願人に対して欠落している署名の補充を求めることはありません(規則 26.2の 2(a))。

6. 願書には、PCT 出願の国内段階における手続を円滑に進めるために、規則 4.17 に基づく以下の申立てを含

めることができます。

発明者の特定に関する申立て

出願し及び特許を与えられる出願人の資格に関する申立て

先の出願に基づく優先権を主張する出願人の資格に関する申立て

発明者である旨の申立て(米国を指定国とする場合)

不利にならない開示又は新規性喪失の例外に関する申立て

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PCT出願の手続 Filing of PCT Applications

1. 各締約国は、その国民及び居住者が出願人として国際出願を提出できる官庁を決定します。PCTにおいては、

この官庁を「受理官庁」と呼びます。出願人が複数いる場合は、その内の少なくとも一人が国民又は居住者

である締約国の受理官庁又はその締約国のために行動する受理官庁が、これらの出願人により提出される国

際出願を受理します。または、出願人の選択により、出願人がどの締約国の国民又は居住者であるかに関係

なく、受理官庁としての国際事務局に出願することができます。出願人が二人以上の場合、その内の少なく

とも一人が締約国の国民又は居住者であれば、国際出願を受理官庁としての国際事務局に出願することがで

きます。なお、国内法令に基づく国家の安全に関する規定に従うことは出願人の義務です。

国際出願の作成

2. 国際出願は願書、明細書、請求の範囲、図面(必要な場合のみ)及び要約を含まなければなりません。それ

らは所定の形式的要件を満たさなければならず、また所定の言語の一つによって記述されなければなりませ

ん。さらに必要な手数料を支払う必要があります。これらの要件はそれぞれ別々に処理されます。

3. 願書は、印刷様式で作成可能であり、願書様式のコピーは無料で受理官庁(JPO)又は国際事務局(WIPO)

から入手できます。また、編集可能な願書様式(PCT/RO/101)が PCTウェブサイト(http://www.wipo.

int/pct/en/forms/#request)から入手できます。願書はまた、PCT-SAFEソフトウェア、受理官庁により

認められている他のソフトウェア(JPOのインターネット出願ソフト等)又は ePCT出願を利用することに

より、電子形式で出願された国際出願の一部として提出することもできます。

4. 願書には、その国際出願が PCTに従って処理される旨の申立てが記載されます。さらに、発明の名称、出願

人、発明者及び出願人を代理する代理人に関する必要な情報を記載する必要があります。願書を提出するこ

とにより、PCTの全ての締約国を指定したことになり、全ての種類の保護について国際出願日が確保できま

す。なお、ドイツ、日本及び韓国については、国際出願が当該国における先の出願に基づく優先権主張を含

む場合には、自動的かつ包括的な指定から除くことができます。もし、他の締約国の指定を望まない場合に

は、出願時又はその後において指定を取下げることができます。

5. 願書には、優先権主張を含むことができます。また、願書は出願人又は代理人により署名されなければなり

ません。出願人が二人以上いる場合には、少なくとも出願人のうち一人により署名されていれば、受理官庁

は出願人に対して欠落している署名の補充を求めることはありません(規則 26.2の 2(a))。

6. 願書には、PCT 出願の国内段階における手続を円滑に進めるために、規則 4.17 に基づく以下の申立てを含

めることができます。

発明者の特定に関する申立て

出願し及び特許を与えられる出願人の資格に関する申立て

先の出願に基づく優先権を主張する出願人の資格に関する申立て

発明者である旨の申立て(米国を指定国とする場合)

不利にならない開示又は新規性喪失の例外に関する申立て

218

7. 申立てを提出した場合、申立てた内容に関しては、指定官庁が合理的な疑義を発見しない限り国内段階で追

加の書類又は証拠の提出は要求されません(不利にならない開示又は新規性喪失の例外に関する申立てを除

く)。出願の際に申立てを含めなかった場合や、後から申立てを追加したい場合には、国際公開の技術的な準

備が完了する前であれば、補充又は追加の申立てを国際事務局に提出することができます。

8. 明細書は、当業者が実施することができる程度に明確かつ十分に、発明を開示するものでなければなりませ

ん。明細書には、最初に発明の名称を記載します。次に、発明が属する技術分野を特定します。ここでは、

いわゆる「背景となる技術」として、発明の属する技術分野の「先行技術」又は「技術水準」となる技術文

献を記載します。

9. 更に明細書には、技術的課題及びその解決手段が理解できるように発明を開示します。公知技術と比較して

その発明の有利な効果があれば説明します。また、添付した図面を簡単に説明します。発明を実施するため

に出願人が考える最良の形態を明らかにするとともに、出願人が包含したいと考える他の形態を記載します。

そして最後に、その発明の産業上の利用方法を明らかにします。

10.請求の範囲では、保護が求められている事項を明示しなければなりません。それらは、簡潔、明確、かつ、

明細書で十分に裏付けられたものでなければなりません。請求の範囲は出願人の権利の保護範囲を明示する

ものです。あらゆる先行技術との違いを示すのに十分な程度に特定された内容であると同時に、潜在的な権

利侵害に対する防衛のために十分な程度に広範囲に保つことが重要です。請求の範囲の構成及び記載方法に

関して、PCTの要件は多くの特許庁で受け入れられているものと概ね同様です。

11.図面は、発明の理解に必要な場合にのみ要求されます。これは機械の発明の場合に該当する可能性がありま

す。化学物質のように、発明を図示できないような場合には該当しない可能性があります。この要件も多く

の特許庁での要件と概ね同様です。

12.要約は、技術情報を提供することのみを意図しています。条約は、要約がそれ以外の目的で考慮されてはな

らないことを明確に述べています。これは特に、求められた保護の範囲を解釈する目的で要約が使用されて

はならないことを意味しています。

13.要約は、明細書、請求の範囲及び図面に含まれる発明の開示内容の簡潔な概要からなり、好ましくは英語に

翻訳した場合に 50語以上 150語以内のものです。これは、技術的課題、発明によるその課題の解決方法の

要点、及び発明の主な用途が明瞭に理解できるように記載されなければなりません。

14.国際出願は所定の様式上の要件を満たさなければなりません。これは、主に PCT 規則 10 及び 11 に含まれ

る国際出願の様式及び形式的要件に関する詳細な規定の順守を意味しています。

15.前記要件は、例えば重さ、長さ、温度の記載方法や、使用する用紙の種類、余白が規定されています。文章

は原則としてタイプ又は印刷されていなければなりません。また、図面の作成のために特別に詳細な規定が

設けられています。ローマ字以外の文字(日本語等)で名称又はあて名を記載するときは、音訳(又は英語

訳)しなければなりません。

219219

Page 222: 特許協力条約(PCT)に基づく 国際出願制度に関するトピッ …...SIS – 補充国際調査 SISA – 補充国際調査機関 SISR – 補充国際調査報告

16.国際出願は、受理官庁が認める言語の 1つで提出されなければなりません。条約及び規則は、国際出願の言

語を列挙していません。特定の言語が使用できるか否かは、受理官庁がその言語を認めるか否かによります。

しかしながら、各受理官庁は、国際調査機関(又はその受理官庁に提出された国際出願を管轄する国際調査

機関が複数ある場合はそのうちの少なくとも一つ)が受け入れる言語であって、かつ国際公開言語(すなわ

ち、アラビア語、中国語、英語、フランス語、ドイツ語、日本語、韓国語、ポルトガル語、ロシア語、又は

スペイン語)のうちの少なくとも一つを、国際出願の言語として認めなければなりません。そうすることに

よって、出願人は、国際調査又は国際公開のための翻訳文を要求されることのない言語で国際出願を提出す

ることを選択できます。

17.国際出願の言語が、受理官庁は認めるが国際調査機関は認めないものである場合は、出願人は、国際出願の

受理の日から一ヶ月以内に、次の全ての要件を満たす言語の一つによる翻訳文の提出を要求されます。(i) 国

際調査が行われる国際調査機関が認める言語、(ii) 公開言語、(iii) 受理官庁が認める言語(国際出願の言語

が公開言語でない場合)(規則 12.3)

18.国際出願の言語が、受理官庁及び国際調査機関は認めるが公開言語でない場合、国際出願は、受理官庁が認

める公開言語に出願人が翻訳した翻訳文で公開されます(規則 12.4)。願書は常に、受理官庁が認める言語

であって、かつ 10の公開言語のうちの一つで提出されなければなりません(規則 12.1(c))。

手数料

19.PCT出願に際して、所定の手数料を受理官庁に支払われなければなりません。これは、送付手数料、国際出

願手数料、調査手数料からなり、通常 PCT出願の受理日から 1ヶ月以内に支払われなければなりません。た

だし、追加料金を支払うことを条件として手数料の支払期限は延長される場合があります。(規則 16の 2)

20.送付手数料は、受理官庁のための手数料です。これは、受理官庁がその国際出願について行う業務に対する

対価となるものです。その額は受理官庁によって定められます。

21.国際出願手数料は、国際事務局のための手数料です。これは PCTのもとで国際事務局が遂行しなければなら

ない業務のコストをカバーするものです。この額は、PCT規則の一部をなす「手数料表」において示されて

います。

22.調査手数料は、国際調査機関のための手数料です。これは、国際調査報告の作成に関連する業務に対する対

価となるものです。

23.手数料が支払期限までに受理官庁に支払われなかった場合、受理官庁は出願人に対し、1 ヶ月以内に未払い

手数料を支払うよう求めます。この際受理官庁は、未払い手数料の額の 50%を後払手数料として求めること

が出来ます。未払い手数料が支払われない場合には、受理官庁はその PCT出願が取り下げられたものとみな

し、その旨を宣言します。

220220

Page 223: 特許協力条約(PCT)に基づく 国際出願制度に関するトピッ …...SIS – 補充国際調査 SISA – 補充国際調査機関 SISR – 補充国際調査報告

16.国際出願は、受理官庁が認める言語の 1つで提出されなければなりません。条約及び規則は、国際出願の言

語を列挙していません。特定の言語が使用できるか否かは、受理官庁がその言語を認めるか否かによります。

しかしながら、各受理官庁は、国際調査機関(又はその受理官庁に提出された国際出願を管轄する国際調査

機関が複数ある場合はそのうちの少なくとも一つ)が受け入れる言語であって、かつ国際公開言語(すなわ

ち、アラビア語、中国語、英語、フランス語、ドイツ語、日本語、韓国語、ポルトガル語、ロシア語、又は

スペイン語)のうちの少なくとも一つを、国際出願の言語として認めなければなりません。そうすることに

よって、出願人は、国際調査又は国際公開のための翻訳文を要求されることのない言語で国際出願を提出す

ることを選択できます。

17.国際出願の言語が、受理官庁は認めるが国際調査機関は認めないものである場合は、出願人は、国際出願の

受理の日から一ヶ月以内に、次の全ての要件を満たす言語の一つによる翻訳文の提出を要求されます。(i) 国

際調査が行われる国際調査機関が認める言語、(ii) 公開言語、(iii) 受理官庁が認める言語(国際出願の言語

が公開言語でない場合)(規則 12.3)

18.国際出願の言語が、受理官庁及び国際調査機関は認めるが公開言語でない場合、国際出願は、受理官庁が認

める公開言語に出願人が翻訳した翻訳文で公開されます(規則 12.4)。願書は常に、受理官庁が認める言語

であって、かつ 10の公開言語のうちの一つで提出されなければなりません(規則 12.1(c))。

手数料

19.PCT出願に際して、所定の手数料を受理官庁に支払われなければなりません。これは、送付手数料、国際出

願手数料、調査手数料からなり、通常 PCT出願の受理日から 1ヶ月以内に支払われなければなりません。た

だし、追加料金を支払うことを条件として手数料の支払期限は延長される場合があります。(規則 16の 2)

20.送付手数料は、受理官庁のための手数料です。これは、受理官庁がその国際出願について行う業務に対する

対価となるものです。その額は受理官庁によって定められます。

21.国際出願手数料は、国際事務局のための手数料です。これは PCTのもとで国際事務局が遂行しなければなら

ない業務のコストをカバーするものです。この額は、PCT規則の一部をなす「手数料表」において示されて

います。

22.調査手数料は、国際調査機関のための手数料です。これは、国際調査報告の作成に関連する業務に対する対

価となるものです。

23.手数料が支払期限までに受理官庁に支払われなかった場合、受理官庁は出願人に対し、1 ヶ月以内に未払い

手数料を支払うよう求めます。この際受理官庁は、未払い手数料の額の 50%を後払手数料として求めること

が出来ます。未払い手数料が支払われない場合には、受理官庁はその PCT出願が取り下げられたものとみな

し、その旨を宣言します。

220

受理官庁における手続

24.受理官庁では、PCT出願が PCTの所定の形式的要件を満たしているか否かが確認されます。受理官庁による

チェックは形式的なものに限り、発明の実体審査は行われません。

25.PCT 出願が国際出願日の認定を受けるためには、少なくとも 1 人の出願人が PCT 締約国の居住者又は国民

である必要があり、出願に最低限 (a) PCT出願をする意志の表示、 (b) 少なくとも 1人の出願人の氏名(名

称)、 (c) 明細書、 (d) 請求の範囲、の要素を含む必要があります。これらの要件が満たされていない場合、

受理官庁は出願人に対し、欠陥の補充を求めます。この場合、補充の受理日が国際出願日になります。欠陥

の補充が適切に行われなかった場合は、PCT出願として取り扱われません。

26.なお、PCT 第 11 条に規定される出願の要素の欠落や、出願の一部分の欠落については、国際出願日を維持

したままで、当該欠落要素及び/又は部分の出願後の提出が認められる救済措置(引用による補充)が設けら

れています。要素又は部分の引用による補充の手続や国際出願日への影響についての詳細情報は、「PCT出願

人の手引」(国際段階の概要パラグラフ 6.026-6.031)を参照して下さい。

27.PCT出願につき、様式上の要件が満たされていない又は手数料が全て支払われていないなどの形式上の欠陥

があると受理官庁が判断した場合には、出願人に当該欠陥を補充する機会が与えられます。出願人がこれに

応じて PCT に規定される期限内に欠陥を補充し、及び/又は手数料を支払った場合、当初の国際出願日を維

持することができます。

優先権主張の補充(訂正)又は追加

28.優先権主張の補充又は追加は、所定の期間内(※)に、受理官庁又は国際事務局に対して書面で行います(PCT

規則 26 の 2.1(a))。優先権の主張の補充又は追加によって優先日に変更が生じる場合には、(先に適用され

た優先日から起算した場合に)まだ満了していない期間は変更後の優先日から起算されます。

<※手続可能な期間>

- 国際出願日から 4ヶ月以内、又は

- 次の期限が上記 4ヶ月よりも遅い場合、次の期限のうち早く満了する期限:

(a)補充又は追加前の優先日から 16ヶ月

(b)補充又は追加後の優先日から 16ヶ月

優先権の回復

29.PCT 出願の提出が、先の出願日(優先日)から 12 ヶ月の優先期間の満了後になってしまった場合でも、優

先期間満了日から 2ヶ月以内であれば、出願人は、先の出願の優先権の回復を請求することができます。優

先権の回復請求は、国際段階で、受理官庁に対して PCT規則 26の 2.3に規定される一定の条件に従い行い

ます。

30.優先権の回復を請求する際には、優先期間内に国際出願が提出されなかったことの理由を説明した陳述書を

添付する必要があります。優先権回復を、「故意ではない」基準に該当するとして請求する場合には、出願を

失念したというような簡潔な内容の陳述書で足ります。優先権の回復を、より厳密な「相当な注意」基準に

該当するとして請求する場合には、出願人には、相当な注意を払ったことの立証が求められます。

221221

Page 224: 特許協力条約(PCT)に基づく 国際出願制度に関するトピッ …...SIS – 補充国際調査 SISA – 補充国際調査機関 SISR – 補充国際調査報告

31.PCT 出願の国際出願日が先の出願日(優先日)から 14 ヶ月以内である限り、先の出願に基づく優先権の回

復請求が認められたか否かにかかわらず、当該優先権の主張は、PCT出願において維持されます。当該優先

権主張が出願中唯一の優先権主張である場合(又は、最先の優先権主張である場合)、国際段階における全て

の期限はこれを基礎として計算されます。ただし、優先権の主張が PCT出願において維持されるということ

は、当該主張が国内段階において有効と認められることを意味するものではありません。優先権の回復に関

する手続の詳細については、「PCT 出願人の手引」(国際段階の概要パラグラフ 5.062-5.069 及び

6.041-6.044)をご参照下さい。

優先権書類

32.優先権を主張する出願人は、優先日から 16 ヶ月以内に、先の出願の謄本(優先権書類)を国際事務局又は

受理官庁に提出する必要があります。優先権書類が受理官庁によって発行される場合には、出願人は、出願

人自身による優先権書類の提出に代えて、優先日から 16 ヶ月以内に受理官庁に対し、優先権書類を作成し

て国際事務局に直接送付するよう請求することができます。16ヶ月の期間の満了後であっても、国際公開の

日より前に国際事務局で受理された優先権書類については、当該期間の末日に国際事務局で受理されたもの

とみなされます。

33.また、国際事務局が優先権書類を電子図書館(優先権書類デジタルアクセスサービス:DAS)から入手する

ことが可能な場合は、出願人は、国際事務局に対し、国際公開の日より前に当該優先権書類を電子図書館か

ら直接入手するよう請求することができます。

(参考)日本の出願人が選択し得る出願形式

XML形式での電子出願 紙

JPO PAS PCT-SAFE ePCT

必要な

ソフトウェア

インターネット

出願ソフト PCT-SAFE Client

ePCT出願

(インストール不要) なし

受理官庁 JPO IB1 IB JPO IB

送付媒体 インターネット

インターネット

物理媒体

(DVD等)

インターネット FAX3、

郵送又は持参

出願言語 日本語又は英語 英語 日本語又は英語 日本語又は英語

国際出願手数料

の減額 34,700円 2 300 スイスフラン 300 スイスフラン なし

1 受理官庁としての国際事務局(RO/IB)発行の電子証明書を取得し、利用する必要があります。

2 2018年 6月 1日現在。

3 国際事務局(RO/IB)への出願に関しては、FAXの利用を推奨しておりません。

なお、PCT-SAFEや ePCTを利用することにより、国際事務局(RO/IB)を受理官庁として、文字コード形

式(XML形式)によらない電子出願(PDF、TIFF等)をすることもできます。その場合の国際手数料の減額

は 200スイスフランです。

222222

Page 225: 特許協力条約(PCT)に基づく 国際出願制度に関するトピッ …...SIS – 補充国際調査 SISA – 補充国際調査機関 SISR – 補充国際調査報告

31.PCT 出願の国際出願日が先の出願日(優先日)から 14 ヶ月以内である限り、先の出願に基づく優先権の回

復請求が認められたか否かにかかわらず、当該優先権の主張は、PCT出願において維持されます。当該優先

権主張が出願中唯一の優先権主張である場合(又は、最先の優先権主張である場合)、国際段階における全て

の期限はこれを基礎として計算されます。ただし、優先権の主張が PCT出願において維持されるということ

は、当該主張が国内段階において有効と認められることを意味するものではありません。優先権の回復に関

する手続の詳細については、「PCT 出願人の手引」(国際段階の概要パラグラフ 5.062-5.069 及び

6.041-6.044)をご参照下さい。

優先権書類

32.優先権を主張する出願人は、優先日から 16 ヶ月以内に、先の出願の謄本(優先権書類)を国際事務局又は

受理官庁に提出する必要があります。優先権書類が受理官庁によって発行される場合には、出願人は、出願

人自身による優先権書類の提出に代えて、優先日から 16 ヶ月以内に受理官庁に対し、優先権書類を作成し

て国際事務局に直接送付するよう請求することができます。16ヶ月の期間の満了後であっても、国際公開の

日より前に国際事務局で受理された優先権書類については、当該期間の末日に国際事務局で受理されたもの

とみなされます。

33.また、国際事務局が優先権書類を電子図書館(優先権書類デジタルアクセスサービス:DAS)から入手する

ことが可能な場合は、出願人は、国際事務局に対し、国際公開の日より前に当該優先権書類を電子図書館か

ら直接入手するよう請求することができます。

(参考)日本の出願人が選択し得る出願形式

XML形式での電子出願 紙

JPO PAS PCT-SAFE ePCT

必要な

ソフトウェア

インターネット

出願ソフト PCT-SAFE Client

ePCT出願

(インストール不要) なし

受理官庁 JPO IB1 IB JPO IB

送付媒体 インターネット

インターネット

物理媒体

(DVD等)

インターネット FAX3、

郵送又は持参

出願言語 日本語又は英語 英語 日本語又は英語 日本語又は英語

国際出願手数料

の減額 34,700円 2 300 スイスフラン 300 スイスフラン なし

1 受理官庁としての国際事務局(RO/IB)発行の電子証明書を取得し、利用する必要があります。

2 2018年 6月 1日現在。

3 国際事務局(RO/IB)への出願に関しては、FAXの利用を推奨しておりません。

なお、PCT-SAFEや ePCTを利用することにより、国際事務局(RO/IB)を受理官庁として、文字コード形

式(XML形式)によらない電子出願(PDF、TIFF等)をすることもできます。その場合の国際手数料の減額

は 200スイスフランです。

222

国際調査及び国際調査機関の見解書 International Search and Written Opinion of the ISA

1. 国際出願は全て国際調査という先行技術調査に付されます。2018年 6 月 1 日現在、以下の国際調査機関が

国際調査を行っています。日本の国民又は居住者の場合には、日本語出願では日本国特許庁(JPO)、英語出

願では日本国特許庁(JPO)、欧州特許庁(EPO)又はシンガポール知的所有権庁(出願人の選択による)が

管轄国際調査機関になっています。

-オーストリア特許庁

-オーストラリア特許庁

-国立工業所有権機関(ブラジル)

-カナダ知的所有権庁

-国立工業所有権機関(チリ)

-中華人民共和国国家知識産権局

-エジプト特許庁

-欧州特許庁

-スペイン特許商標庁

-フィンランド特許登録庁(PRH)

-イスラエル特許庁

-インド特許庁

-日本国特許庁

-韓国知的所有権庁

-知的所有権庁(フィリピン)(運用開始日は未定)

-連邦知的所有権行政局(ROSPATENT)(ロシア連邦)

-スウェーデン特許登録庁

-シンガポール知的所有権庁

-トルコ特許商標庁

-ウクライナ国家知的所有権庁

-米国特許商標庁

-北欧特許機構

-ヴィシェグラード特許機構

2. これらの調査機関のうちどの調査機関が調査を行うのかについては、受理官庁としての国内/広域官庁が、

WIPO 国際事務局と各国際調査機関との取決めに従って、受理した国際出願の調査を管轄する一以上の国際

調査機関を特定し国際事務局に通知します。国際事務局が受理官庁として行動する場合には、その国際出願

が本来管轄の国内官庁又は広域官庁に出願されたと仮定した場合に管轄となる機関が管轄国際調査機関とな

ります。複数の機関が該当する場合には、出願人は、それらの中から一つを選択しなければなりません。

3. 受理官庁が国際調査機関を特定する際には、機関によっては特定国の出願人のためにのみ国際調査を行う場

合があるため、一定の制限を受けます。これらの制限は、上述の国際事務局と各国際調査機関の取決めに明

記されています。

223223

Page 226: 特許協力条約(PCT)に基づく 国際出願制度に関するトピッ …...SIS – 補充国際調査 SISA – 補充国際調査機関 SISR – 補充国際調査報告

調査手続

4. 国際調査の目的は、「関連する先行技術」を発見することにあります。PCTの定義によれば、「先行技術」は、

書面による開示(図面、その他の図解を含む)によって世界のいずれかの場所において公衆が利用可能であ

るあらゆるものからなります。またその先行技術が、出願されている発明の新規性や進歩性を判断するため

に役立ち得るものであり、かつ国際出願日より前に公衆が利用できたものであるならば、この先行技術は「関

連する」ものであることになります。

5. 国際調査で使用される文献は、いわゆる「PCT最小限資料」によって構成されます。この資料は、フランス、

旧ドイツ(1945年まで)、ドイツ連邦共和国(1949年から)、日本、大韓民国、中華人民共和国(2012年

7 月 1 日から適用)、旧ソヴィエト連邦及びロシア連邦、スイス(ドイツ語及びフランス語のものに限る)、

英国、米国、アフリカ広域知的所有権機関(ARIPO)、アフリカ知的所有権機構(OAPI)、ユーラシア特許庁

(EAPO)及び欧州特許庁(EPO)により 1920年以降に発行された特許文献からなります。また、国際事務

局により公開された国際出願を含みます。さらに、上記以外の国で 1920 年以降に英語、フランス語、ドイ

ツ語、スペイン語のいずれかで発行された特許文献のうち、優先権主張がなく、かつ当該国が各国際調査機

関に対して利用可能な状態に整備しているものを含みます。加えて、この資料は約 145種の技術的な定期刊

行物からなる非特許文献も含みます。

6. 各国際調査機関は、上述の「最小限資料」だけでなく、自ら利用可能な他の資料の調査も義務づけられてい

ます。なお、国際調査機関の公用語に中国語、日本語、韓国語、ロシア語、又はスペイン語が含まれていな

い場合、当該国際調査機関によるこれらの言語における調査は、英語による要約文が一般的に入手可能な限

りで行われます。

7. 国際出願の記載が有意義な調査を行うことができないほど不明瞭な場合には、国際調査機関は調査報告を作

成しない旨の宣言を行います。また、国際調査機関が調査を拒否することができる規則 39 で列挙された六

つのカテゴリー(例えば、科学の理論、診断方法、コンピュータプログラム)の何れかに発明の主題が該当

する場合も同様です。

8. 国際調査機関は、その出願が発明の単一性の要件に適合するか否かを審査します。これは、国際出願が、一

の発明、又は単一の一般的発明概念を形成するように連関した一群の発明に関するものでなければならない

ことを意味しています。

9. 国際調査機関は、発明の単一性の欠如を発見したならば、出願人に対して国際出願の請求の範囲に記載され

ている追加的な発明各々について追加調査手数料の支払を求めます。出願人は、異議を申立てた上で追加料

金を支払うこともできます。国際調査機関の審査官は、さほどの労力をかけることなく全発明について完全

な調査ができる場合(追加手数料の支払は求めない)を除いて、調査手数料又は追加調査手数料が支払われ

た発明についてのみ調査報告を作成します。

国際調査報告

10.国際調査報告には、関連があると認められた文献の引用、発明の主題の分類(国際特許分類)及び調査分野

が記載されます。また、国際調査報告には、引用文献が関連する請求項の特定、引用文献のカテゴリーの表

示、及び新規性又は進歩性の評価と当該引用文献の関連性についての記載が含まれます。

224224

Page 227: 特許協力条約(PCT)に基づく 国際出願制度に関するトピッ …...SIS – 補充国際調査 SISA – 補充国際調査機関 SISR – 補充国際調査報告

調査手続

4. 国際調査の目的は、「関連する先行技術」を発見することにあります。PCTの定義によれば、「先行技術」は、

書面による開示(図面、その他の図解を含む)によって世界のいずれかの場所において公衆が利用可能であ

るあらゆるものからなります。またその先行技術が、出願されている発明の新規性や進歩性を判断するため

に役立ち得るものであり、かつ国際出願日より前に公衆が利用できたものであるならば、この先行技術は「関

連する」ものであることになります。

5. 国際調査で使用される文献は、いわゆる「PCT最小限資料」によって構成されます。この資料は、フランス、

旧ドイツ(1945年まで)、ドイツ連邦共和国(1949年から)、日本、大韓民国、中華人民共和国(2012年

7 月 1 日から適用)、旧ソヴィエト連邦及びロシア連邦、スイス(ドイツ語及びフランス語のものに限る)、

英国、米国、アフリカ広域知的所有権機関(ARIPO)、アフリカ知的所有権機構(OAPI)、ユーラシア特許庁

(EAPO)及び欧州特許庁(EPO)により 1920年以降に発行された特許文献からなります。また、国際事務

局により公開された国際出願を含みます。さらに、上記以外の国で 1920 年以降に英語、フランス語、ドイ

ツ語、スペイン語のいずれかで発行された特許文献のうち、優先権主張がなく、かつ当該国が各国際調査機

関に対して利用可能な状態に整備しているものを含みます。加えて、この資料は約 145種の技術的な定期刊

行物からなる非特許文献も含みます。

6. 各国際調査機関は、上述の「最小限資料」だけでなく、自ら利用可能な他の資料の調査も義務づけられてい

ます。なお、国際調査機関の公用語に中国語、日本語、韓国語、ロシア語、又はスペイン語が含まれていな

い場合、当該国際調査機関によるこれらの言語における調査は、英語による要約文が一般的に入手可能な限

りで行われます。

7. 国際出願の記載が有意義な調査を行うことができないほど不明瞭な場合には、国際調査機関は調査報告を作

成しない旨の宣言を行います。また、国際調査機関が調査を拒否することができる規則 39 で列挙された六

つのカテゴリー(例えば、科学の理論、診断方法、コンピュータプログラム)の何れかに発明の主題が該当

する場合も同様です。

8. 国際調査機関は、その出願が発明の単一性の要件に適合するか否かを審査します。これは、国際出願が、一

の発明、又は単一の一般的発明概念を形成するように連関した一群の発明に関するものでなければならない

ことを意味しています。

9. 国際調査機関は、発明の単一性の欠如を発見したならば、出願人に対して国際出願の請求の範囲に記載され

ている追加的な発明各々について追加調査手数料の支払を求めます。出願人は、異議を申立てた上で追加料

金を支払うこともできます。国際調査機関の審査官は、さほどの労力をかけることなく全発明について完全

な調査ができる場合(追加手数料の支払は求めない)を除いて、調査手数料又は追加調査手数料が支払われ

た発明についてのみ調査報告を作成します。

国際調査報告

10.国際調査報告には、関連があると認められた文献の引用、発明の主題の分類(国際特許分類)及び調査分野

が記載されます。また、国際調査報告には、引用文献が関連する請求項の特定、引用文献のカテゴリーの表

示、及び新規性又は進歩性の評価と当該引用文献の関連性についての記載が含まれます。

224

見解書

11.国際調査機関は、国際調査報告の作成と同時に予備的かつ非拘束的な見解書を作成します。これは、請求の

範囲に記載された発明が新規性、進歩性及び産業上の利用性を備えているかについての見解を示すものであ

り、国際予備審査の過程において国際予備審査機関が作成する見解書と同じものです。

12.見解書を作成する上で、先行技術の判断の基準日は、国際出願日、又は優先権が主張された場合にあっては

優先日となります(規則 43の 2.1(b)及び 64.1)。この基準日は、国際予備審査における基準日と一致して

いますが(規則 64.1)、国際調査報告を作成する上では国際出願日が適用される基準日となります(規則

33.1(a))。国際調査機関の見解書は、国際調査報告が作成される言語で作成され、出願人及び国際事務局に

国際調査報告とともに送達されます。

13.国際調査機関は、調査用写しの受理から 3ヶ月又は優先日から 9ヶ月のうちいずれか遅く満了するまでに国

際調査報告及び見解書を作成します。

14.国際調査機関の見解書に対して、出願人は国際事務局に非公式にコメントを提出することができます。この

コメントに関して PCT規則に特別の規定は設けられていませんが、PCT同盟総会での決定に基づいたもので

す。この非公式コメントは、国際予備審査が請求されない場合において、出願人に、国際調査機関の見解書

に対する反論を提出する機会を与えることを目的としています。非公式コメントは、国際調査機関ではなく

国際事務局に直接送付します。国際事務局が受理した全ての非公式コメントは、見解書と同時に PATENTSC

OPE(https://patentscope.wipo.int/search/ja/search.jsf)で公衆に閲覧可能となります。

15.国際予備審査報告が作成された場合又は作成される予定の場合を除いて、国際調査機関の見解書を基礎にし

て、国際調査機関の代わりに国際事務局が「特許性に関する国際予備報告(IPRP)(第Ⅰ章)」を作成します。

IPRP(第Ⅰ章)は、出願人により提出された非公式コメントとともに全ての指定官庁に送達されます。この

IPRP(第Ⅰ章)は、優先日から 30ヶ月後に公衆に利用可能となります。(なお、2014年 7月 1日以降に出

願された PCT 出願では、国際調査機関の見解書は国際調査報告が公開されるのと同時に PATENTSCOPE で

原語で閲覧可能となります。しかし、IPRP(第Ⅰ章)及びその翻訳については引き続き優先日から 30 ヶ月

で作成されます。)

第 19条に基づく補正

16.出願人は、国際調査報告(ISR)及び見解書を受領した後、請求の範囲について補正することができます。

出願人が国際予備審査請求を行わない場合は、補正を行う機会はこの 1回のみです。補正は、出願時の発明

の開示の範囲を超えて行うことはできません。出願人は同時に、補正の根拠を説明した書簡を提出する必要

があります。また、補正の内容を説明する簡単な説明書を任意で提出することもできます。この補正は、一

般的に「19条補正」と呼ばれています。

17.19条補正は通常、ISR及び見解書の送付の日から 2ヶ月又は優先日から 16ヶ月の期間のうち、いずれか遅

く満了する期間内に提出しなければなりません。19条補正は、国際調査機関ではなく、国際事務局に直接提

出します。提出された補正は、優先日から 18 ヶ月経過後に、PCT 出願の一部として出願時における請求の

範囲とともに公開されます。

225225

Page 228: 特許協力条約(PCT)に基づく 国際出願制度に関するトピッ …...SIS – 補充国際調査 SISA – 補充国際調査機関 SISR – 補充国際調査報告

18.一般的に、19条補正は、国際調査報告で引用された先行技術の内容を回避する目的や、特定の法的管轄にお

いて国際公開に際して認められ得るPCT出願の仮保護について、その範囲を明確化する目的で用いられます。

補充国際調査

19.出願人は「主」国際調査に加えて、他の国際調査機関(ISA)による補充国際調査(複数可)の実施を請求

することができます。補充国際調査は、より広範囲に先行技術を把握することを目的とするものです。例え

ば主国際調査を行う ISAが通常は調査の対象としない言語での調査が望まれる場合などが想定されます。

20.補充国際調査の請求は、優先日から 22 ヶ月の間に国際事務局に対して提出します。関連手数料は請求が受

理された日から 1ヶ月以内に支払う必要があります。補充国際調査のために選択された国際調査機関である

補充国際調査機関(SISA)は、国際調査報告(ISR)及び見解書(利用可能な場合)を考慮に入れて、補充

国際調査を行います。

21.補充国際調査は、全ての国際調査機関において実施されるものではありません。どの国際機関がどのような

条件のもとで補充国際調査を実施しているのかについては、「PCT出願人の手引」の附属書 SISAに記載され

ています。

22.補充国際調査機関(SISA)は、優先日から 28ヶ月以内に補充国際調査報告を作成します。補充国際調査報

告の内容は、基本的に主国際調査報告と同じです。補充国際調査報告は、見解書は伴いませんが、文献情報

や調査の範囲についての簡単な説明を含みます。補充国際調査報告は、利用可能になると、PATENTSCOPE

で閲覧可能になります。

226226

Page 229: 特許協力条約(PCT)に基づく 国際出願制度に関するトピッ …...SIS – 補充国際調査 SISA – 補充国際調査機関 SISR – 補充国際調査報告

18.一般的に、19条補正は、国際調査報告で引用された先行技術の内容を回避する目的や、特定の法的管轄にお

いて国際公開に際して認められ得るPCT出願の仮保護について、その範囲を明確化する目的で用いられます。

補充国際調査

19.出願人は「主」国際調査に加えて、他の国際調査機関(ISA)による補充国際調査(複数可)の実施を請求

することができます。補充国際調査は、より広範囲に先行技術を把握することを目的とするものです。例え

ば主国際調査を行う ISAが通常は調査の対象としない言語での調査が望まれる場合などが想定されます。

20.補充国際調査の請求は、優先日から 22 ヶ月の間に国際事務局に対して提出します。関連手数料は請求が受

理された日から 1ヶ月以内に支払う必要があります。補充国際調査のために選択された国際調査機関である

補充国際調査機関(SISA)は、国際調査報告(ISR)及び見解書(利用可能な場合)を考慮に入れて、補充

国際調査を行います。

21.補充国際調査は、全ての国際調査機関において実施されるものではありません。どの国際機関がどのような

条件のもとで補充国際調査を実施しているのかについては、「PCT出願人の手引」の附属書 SISAに記載され

ています。

22.補充国際調査機関(SISA)は、優先日から 28ヶ月以内に補充国際調査報告を作成します。補充国際調査報

告の内容は、基本的に主国際調査報告と同じです。補充国際調査報告は、見解書は伴いませんが、文献情報

や調査の範囲についての簡単な説明を含みます。補充国際調査報告は、利用可能になると、PATENTSCOPE

で閲覧可能になります。

226

国際公開 International Publication

1. 国際事務局は、国際出願を国際公開する責任を有します(第 21 条)。この国際公開は、優先日から 18 ヶ月

が経過した後速やかに行われます。従って、国際出願が先の出願に基づく優先権を主張し、かつ、優先期間

の最後に出願される場合には、通常、国際出願の出願から国際公開まで 6ヶ月しかありません。国際公開は、

出願人の請求によって早期に行うことも可能です。

2. 国際公開された全ての国際出願は、PATENTSCOPE(https://patentscope.wipo.int/search/ja/search.jsf)

上で第三者の閲覧に供されます。第三者には、出願の新規性及び進歩性に関し、関連性を有する先行技術文

献の情報を提供してオンラインで見解を述べる機会が与えられます。第三者の見解に対し、出願人は反論を

提出することができます。

公開の内容

3. 国際公開は電子形式でのみ行われ、出願人によって提出された出願の全文を含みます。しかし、願書そのも

のは公開されず、代わりに願書から抽出した主な書誌事項を含む表紙が公開されます。この国際公開は、国

際調査報告及び出願人が提出した場合には第 19 条に基づく請求の範囲の補正も含みます。国際調査機関の

見解書は、国際公開の一部を構成するわけではありませんが、国際調査報告の公開と同時に PATENTSCOPE

上で閲覧可能となります。

4. 出願人は、所定の要件の充足を条件に、国際出願に含まれる特定の機微な情報(例:クレジット カード情報

等)を国際公開の対象から省略するよう国際事務局に請求することができます。

公開言語

5. 国際出願が公開言語(アラビア語、中国語、英語、フランス語、ドイツ語、日本語、韓国語、ポルトガル語、

ロシア語、又はスペイン語)で出願された場合は、その出願の言語で公開されます。

6. 国際出願が公開言語以外の言語で提出された場合には、公開言語の一つであって、国際調査のために出願人

が提出した翻訳文の言語、又は国際調査のために翻訳文が求められていない時には国際公開のためだけに出

願人が提出した翻訳文の言語で公開されます。国際公開が英語によって公開されない場合は、要約及び国際

調査報告の英語への翻訳文が含まれます。

公開の効果

7. 国際公開の法律的効果は、指定国の国内法令に依存します。国内出願の公開によって「仮保護」が認められ

る国内法令の下では、一般的に、公開された国際出願に対しても同じ保護が認められます。

公開の頻度/公開のための技術的準備

8. 国際公開は通常、毎週木曜日に行われます。国際公開のための技術的準備は、実際の公開日の 15 日前に完

了します。国際事務局の閉庁日に重なるため国際公開が木曜日に行われない場合や、公開日に先立つ 15 日

間に閉庁日が多い場合などには、公開のための技術的準備が通常の 15 日前よりも早く完了することがあり

ます。これらの公開日に関する変更については PCT Newsletterで発表されます。

227227

Page 230: 特許協力条約(PCT)に基づく 国際出願制度に関するトピッ …...SIS – 補充国際調査 SISA – 補充国際調査機関 SISR – 補充国際調査報告

公開の回避

9. 出願人が、出願の公開を回避したいという状況になることがあるかもしれません。公開を回避する唯一の方

法は、公開のための技術的準備が完了する前(通常公開日の 15日前)に国際出願を取り下げることです。

10.出願の取下げに、国際公開が行われない場合という条件を付すことも可能です。この場合、当該出願の取下

げは、取下げの通知が国際公開の技術的準備の完了前に国際事務局において受領された場合にのみ、有効に

なります。これにより、出願が取り下げられたのにもかかわらず公開されるという事態を回避することがで

きます。

公開の延期

11.(最先の)優先権主張を取下げることで、公開を延期させることも可能です。取下げの通知が国際事務局によ

って適時に受領された場合にのみ取下げが有効となるという条件を付した手続とすることも可能です。これ

により、国際事務局が取下げの通知を適時に受理した場合に限り、優先権主張が取り下げられるようになり

ます。

12.優先権主張が取り下げられた場合には、優先日に基づいて計算された期限のうち満了していない全ての期限

が、新たな優先日又は国際出願日に基づいて再計算されます。優先権を取下げることによって先の出願日の

利益を喪失するため、優先権の取下げを行う前に、優先権を取下げることによって発明の特許性に生じる影

響を考慮する必要があります。

228228

Page 231: 特許協力条約(PCT)に基づく 国際出願制度に関するトピッ …...SIS – 補充国際調査 SISA – 補充国際調査機関 SISR – 補充国際調査報告

公開の回避

9. 出願人が、出願の公開を回避したいという状況になることがあるかもしれません。公開を回避する唯一の方

法は、公開のための技術的準備が完了する前(通常公開日の 15日前)に国際出願を取り下げることです。

10.出願の取下げに、国際公開が行われない場合という条件を付すことも可能です。この場合、当該出願の取下

げは、取下げの通知が国際公開の技術的準備の完了前に国際事務局において受領された場合にのみ、有効に

なります。これにより、出願が取り下げられたのにもかかわらず公開されるという事態を回避することがで

きます。

公開の延期

11.(最先の)優先権主張を取下げることで、公開を延期させることも可能です。取下げの通知が国際事務局によ

って適時に受領された場合にのみ取下げが有効となるという条件を付した手続とすることも可能です。これ

により、国際事務局が取下げの通知を適時に受理した場合に限り、優先権主張が取り下げられるようになり

ます。

12.優先権主張が取り下げられた場合には、優先日に基づいて計算された期限のうち満了していない全ての期限

が、新たな優先日又は国際出願日に基づいて再計算されます。優先権を取下げることによって先の出願日の

利益を喪失するため、優先権の取下げを行う前に、優先権を取下げることによって発明の特許性に生じる影

響を考慮する必要があります。

228

国際予備審査 International Preliminary Examination

1. 特許協力条約(PCT)の第Ⅱ章によって出願人は国際出願の国際予備審査を求めることができます。国際予

備審査は国際段階において出願人の任意で行われる手続です。国際予備審査を行うことで、出願人は、国内

段階に移行する前に、発明の新規性、進歩性(非自明性)及び産業上の利用可能性に関する国際予備審査機

関(IPEA)の見解が示された国際予備審査報告(特許性に関する国際予備報告(IPRP(第Ⅱ章))を得るこ

とができます。これは、出願人が特許取得の可能性を判断する上で有用な情報となります。

2. また、国際調査機関(ISA)による国際調査報告と見解書の内容に対応するために補正が必要となった場合に、

国際予備審査請求を行うことで、出願の明細書、請求の範囲及び図面の補正を行うことができます。これに

より、国内段階における特許取得手続に向けて国際出願をより精査することができます。

3. IPRP(第Ⅱ章)は、国内・広域官庁(選択官庁)の審査を拘束するものではありませんが、信頼性の高いも

のとして国内・広域官庁によって評価されており、いくつかの官庁では国内・広域段階における審査手数料

を減額しています。

4. 国際予備審査の手続は、翻訳費用、国内手数料及び現地代理人費用等の相当な出費を伴なう国内・広域段階

への移行をするか否かを判断する前に、発明の商業的見込みや国内・広域段階における特許取得の見通しに

ついて評価する時間と機会を出願人に与えます。さらに、国内・広域段階に入ったとき、国際予備審査の結

果を活用できるため、選択官庁での処理が容易になります。

国際予備審査請求書

5. 国際予備審査請求書の様式には、国際予備審査の結果が全 PCT締約国において利用されることを出願人が意

図している旨の記載があります。国際予備審査の結果が利用に供される対象国の官庁は「選択官庁」と呼ば

れます。

6. 国際予備審査請求書は、国際調査報告及び見解書が出願人に送付された日から 3 ヶ月、又は優先日から 22

ヶ月の、いずれか遅く満了する期間内に、管轄の国際予備審査機関(IPEA)に提出しなければなりません。

しかしながら、誤ってその国際予備審査に対して管轄しない国際予備審査機関、又は受理官庁、国際調査機

関、若しくは国際事務局に請求書が提出された場合には、その請求書は、その官庁又は機関によって管轄国

際予備審査機関に直接送付されるか、又は国際事務局を経由して管轄国際予備審査機関に送付されます。そ

の間、当初の請求書の提出日は維持されます(規則 59.3)。

7. 国際予備審査請求書は印刷された様式又はコンピュータで作成された様式(様式 PCT/IPEA/401)を用いて、

様式上に明示された必要事項を記入しなければなりません(規則 53参照)。国際予備審査請求書の編集可能

な様式は(http://www.wipo.int/pct/en/forms/#demand)から入手できます。

8. 国際出願が調査された言語又は公開された言語が、国際予備審査機関によって認められない言語である場合

は、出願人は一ヶ月以内に翻訳文を提出するよう求められます。出願人が所定期間内に翻訳文を提出しなか

った場合、予備審査請求書は提出されなかったものとみなされ、国際予備審査機関はその旨を宣言します。

229229

Page 232: 特許協力条約(PCT)に基づく 国際出願制度に関するトピッ …...SIS – 補充国際調査 SISA – 補充国際調査機関 SISR – 補充国際調査報告

明細書、請求の範囲、図面の補正

9. 出願人には、国際予備審査請求書を提出する際又は国際予備審査の開始前に、明細書、請求の範囲、及び図

面を補正する機会が与えられます。これは第 34 条に基づく補正と呼ばれます。補正は、出願時の開示の範

囲を超えて行うことはできません。第 34 条に基づく補正は、請求の範囲に関して、国際予備審査開始前に

与えられる二度目の補正の機会です(一度目は国際調査報告の受領後に国際事務局へ提出可能な第 19 条に

基づく補正)。国際調査報告で引用された文献や国際調査機関の見解書を検討した上で、出願を補正する必要

があると判明した場合、通常出願人は、国際予備審査請求書とともに補正書を国際予備審査機関へ提出しま

す。

国際予備審査機関(IPEA)による見解書

10.国際調査機関と国際予備審査機関とが同機関である場合、国際調査機関の見解書は通常、国際予備審査機関

の最初の見解書として利用されます。このような場合に補正等がされていないと、国際予備審査機関から「2

回目」の見解書を受け取ることはほとんどありません。このため、第 34 条に基づく補正や国際調査機関の

見解書に対する答弁書を国際予備審査請求書とともに提出することが推奨されます。

11.国際予備審査機関は、トップアップ調査を行うことが義務付けられています。トップアップ調査とは、追加

の関連文献、特に国際調査報告の作成日以降に公開された、いわゆる「以前は非公開であった先行技術(secret

prior art)」を新たに発見することを目的として行われるものです。「以前は非公開であった先行技術」とは、

国際調査報告が作成された日より後に公開された特許文献で、かつ、その優先日が調査対象の出願よりも早

いものを指します。先行技術に該当する可能性のある文献が新たに発見されることで、出願人は、国内段階

に移行する前の国際予備審査(第Ⅱ章)手続段階で、出願の新規性や進歩性に関する否定的意見に備えて補

正を行う機会を得ることになります。

12.通常、国際予備審査は、国際調査機関が国際調査報告及び見解書を作成した後に開始されます。したがって

出願人は、国際調査報告及び見解書における新規性・進歩性の評価を参照した上で、費用を支払って国際予

備審査請求を行うかどうか決定できます。

13.例外的に、国際予備審査機関が 2回目の見解書(様式 PCT/IPEA/408)を作成し、出願人が応答を求められ

る場合があります。このような場合には、出願人はさらなる補正書又は答弁書を提出することができます。

補正の機会の回数は、国際予備審査にどれだけ時間的余裕があるかという点に大きく影響されます。国際予

備審査報告は、通常優先日から 28 ヶ月以内に作成されなければなりません。審査官が報告の作成を開始し

た後に提出された補正は考慮されません。さらなる補正を希望する場合は、国内段階に移行した後に選択官

庁へ提出することができます。

14.国際予備審査は、一つの例外を除き、特許庁での通常の特許審査に似ています。例外とは、予備審査では審

査官が指定する応答期間が通常の特許審査手続における応答期間より短いことです。国際予備審査が期限内

に完了するために、予備審査の期間中に出願人の迅速な応答が求められます。

230230

Page 233: 特許協力条約(PCT)に基づく 国際出願制度に関するトピッ …...SIS – 補充国際調査 SISA – 補充国際調査機関 SISR – 補充国際調査報告

明細書、請求の範囲、図面の補正

9. 出願人には、国際予備審査請求書を提出する際又は国際予備審査の開始前に、明細書、請求の範囲、及び図

面を補正する機会が与えられます。これは第 34 条に基づく補正と呼ばれます。補正は、出願時の開示の範

囲を超えて行うことはできません。第 34 条に基づく補正は、請求の範囲に関して、国際予備審査開始前に

与えられる二度目の補正の機会です(一度目は国際調査報告の受領後に国際事務局へ提出可能な第 19 条に

基づく補正)。国際調査報告で引用された文献や国際調査機関の見解書を検討した上で、出願を補正する必要

があると判明した場合、通常出願人は、国際予備審査請求書とともに補正書を国際予備審査機関へ提出しま

す。

国際予備審査機関(IPEA)による見解書

10.国際調査機関と国際予備審査機関とが同機関である場合、国際調査機関の見解書は通常、国際予備審査機関

の最初の見解書として利用されます。このような場合に補正等がされていないと、国際予備審査機関から「2

回目」の見解書を受け取ることはほとんどありません。このため、第 34 条に基づく補正や国際調査機関の

見解書に対する答弁書を国際予備審査請求書とともに提出することが推奨されます。

11.国際予備審査機関は、トップアップ調査を行うことが義務付けられています。トップアップ調査とは、追加

の関連文献、特に国際調査報告の作成日以降に公開された、いわゆる「以前は非公開であった先行技術(secret

prior art)」を新たに発見することを目的として行われるものです。「以前は非公開であった先行技術」とは、

国際調査報告が作成された日より後に公開された特許文献で、かつ、その優先日が調査対象の出願よりも早

いものを指します。先行技術に該当する可能性のある文献が新たに発見されることで、出願人は、国内段階

に移行する前の国際予備審査(第Ⅱ章)手続段階で、出願の新規性や進歩性に関する否定的意見に備えて補

正を行う機会を得ることになります。

12.通常、国際予備審査は、国際調査機関が国際調査報告及び見解書を作成した後に開始されます。したがって

出願人は、国際調査報告及び見解書における新規性・進歩性の評価を参照した上で、費用を支払って国際予

備審査請求を行うかどうか決定できます。

13.例外的に、国際予備審査機関が 2回目の見解書(様式 PCT/IPEA/408)を作成し、出願人が応答を求められ

る場合があります。このような場合には、出願人はさらなる補正書又は答弁書を提出することができます。

補正の機会の回数は、国際予備審査にどれだけ時間的余裕があるかという点に大きく影響されます。国際予

備審査報告は、通常優先日から 28 ヶ月以内に作成されなければなりません。審査官が報告の作成を開始し

た後に提出された補正は考慮されません。さらなる補正を希望する場合は、国内段階に移行した後に選択官

庁へ提出することができます。

14.国際予備審査は、一つの例外を除き、特許庁での通常の特許審査に似ています。例外とは、予備審査では審

査官が指定する応答期間が通常の特許審査手続における応答期間より短いことです。国際予備審査が期限内

に完了するために、予備審査の期間中に出願人の迅速な応答が求められます。

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特許性に関する国際予備報告(第Ⅱ章)

15.国際予備審査は IPRP(第Ⅱ章)(様式 PCT/IPEA/409)の作成によって終了します。この報告は、優先日か

ら 28ヶ月以内、規則 69.1に規定する国際予備審査の開始の時から 6ヶ月以内、又は規則 55.2に従って提

出された翻訳文を IPEA が受理した日から 6 ヶ月以内、のうち最も遅く満了する期間内に作成されます(規

則 69.2)。報告の一般的な内容は、第 35条(2)及び(3)、並びに規則 70に規定されています。

16.IPRP(第Ⅱ章)は、非拘束的な見解であり、各請求の範囲について PCT で定義された新規性、進歩性及び

産業上の利用可能性の要件が満たされているか否かの見解を示すものです。また、見解を裏付けるとされる

文献の引用が示されます。必要に応じて、追加説明も付されます。ただし、選択国の国内法令に基づいた特

許性の評価は含まれません。補正された出願に基づいて報告が作成された場合は、補正を含む全ての用紙の

写しが、附属書類として報告に添付されます。

17.IPRP(第Ⅱ章)は国際予備審査機関から出願人及び国際事務局に送付されます。報告は国際出願が公開され

た言語、又は国際予備審査が国際出願の翻訳により行われた場合には翻訳の言語で作成されます。選択官庁

によって認められる言語の条件上必要な場合には、国際事務局が IPRP(第Ⅱ章)を英語に翻訳します。国際

事務局による英語への翻訳は報告のみを対象とし、附属書は対象外となります。報告は公開されず、出願人

及び選択官庁以外の者は国際段階の間は利用できません。IPRP(第Ⅱ章)の送付により第Ⅱ章に基づく手続

きは完了します。

18.出願人は、IPRP(第Ⅱ章)を受け取った後、優先日から 30 ヶ月の期間が満了する前に、選択国の国内段階

又は広域段階に移行するかどうか決定します。国内段階に入る際に選択官庁に翻訳文を提出しなければなら

ない場合は、通常、出願当初の国際出願の翻訳文と国際予備審査報告の附属書とされる補正書の翻訳文を提

出しなければなりません。附属書の翻訳文についての要件は選択官庁によって多少異なります。「PCT出願人

の手引」の国内段階に関する章に、各庁において適用される要件が記載されています。

手数料

19.国際予備審査の請求をする時は、二種類の手数料を支払います。一つは予備審査手数料(規則 58)で国際予

備審査機関が受け取ります。もう一つは、取扱手数料(規則 57)で国際事務局が受け取ります。これらの手

数料は、各国際予備審査機関が指定する通貨で国際予備審査機関に対して支払います。手数料に関する情報

は、WIPO ウェブサイトでご確認いただけます(http://www.wipo.int/pct/ja/fees/index.html)。予備審

査手数料と取扱手数料に関しては表Ⅱをご覧下さい。

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国内段階への移行 Entry into the national Phase

1. PCT では国際段階の後に国内段階があります。出願人は、国際段階で特許性に関する国際予備報告(IPRP

第Ⅰ章又は第Ⅱ章)を取得します。発明の特許性に関する見解が含まれるこの報告は、出願人に、国内段階

における特許取得の可能性に関連する貴重な情報を提供するものです。出願人は、この情報や発明の商業的

可能性を検討することで、特許取得手続を継続するかどうかについて、よりしっかりとした根拠に基づき判

断することができます。

2. 国際調査機関及び/又は国際予備審査機関が作成した報告は、国内官庁に対しては非拘束的なものであり、ま

た PCTで定義される新規性、進歩性及び産業上の利用可能性に基づいて作成されるものですので、国内レベ

ルの特許付与の基準や運用とは異なる可能性があります。しかし、国際調査報告や国際予備審査報告の内容

が完全に肯定的なものである場合には、これが国内特許手続を促進する可能性があります。

国内段階移行のための基本的要件

3. 国内段階における処理や審査が開始する前に、出願人は、希望する各国の国内官庁に対し、国内段階移行手

続を行う必要があります。各官庁が定めた所定の期間内に国内段階移行手続が行われない場合、当該国際出

願は放棄されたものとみなされます。特に、所定の国内手数料を支払い、出願の言語が当該国内官庁が認め

る言語でない場合には求められる翻訳文を提出することが重要です。

4. 国内段階への移行は一定の期間内に行わなければならず、一般的には、第Ⅰ章及び第Ⅱ章の何れの場合も、

国内段階移行期限は優先日から少なくとも 30 ヶ月となります(第 22 条及び第 39 条)。この期限は関連国

内法令に基づいてさらに長い場合もあります。しかし、2002年 4月 1日に発効した第 22条(1)の変更に基

づく期限を適用していない締約国(ルクセンブルク、タンザニア、ウガンダ)があることに留意する必要が

あります。これらの締約国においては、第Ⅰ章に基づく国内段階移行期限は優先日から少なくとも 20 ヶ月

になります(2002年 4月 1日より前の第 22条(1))。しかし、それらの締約国においても、優先日から 19

ヶ月が経過する前に国際予備審査請求書を提出すれば(国際予備審査のために全ての指定国が自動的に選択

される)、国内段階への移行期限は優先日から少なくとも 30ヶ月になります。詳細は、「PCT出願人の手引」

の国内段階に関する章を参照してください。

5. 支払うべき国内手数料は、通常は国内又は広域出願に必要な手数料とほぼ同じです。しかしながら、いくつ

かの官庁では、国際調査報告や国際予備審査報告に基づき、国内又は広域出願料、調査又は審査手数料の減

額措置を設けています。これは、部分的にせよ国際出願に係る費用負担の一部を補填することになります。

追加的な特別の要件

6. 国内官庁は、国内手数料の支払い及び必要に応じた翻訳の提出のほかに、国内段階に移行するための追加要

件を満たすよう要求することはできません。一部、例えば代理人の選任、通知のあて名の表示、発明者であ

る旨の宣言、譲渡書類などを要求することは許容されていますが、出願人は、国内段階移行期間である 30

ヶ月の期間内にこれらの要件を満たすことは求められていません。当該期間の経過後にこれら追加的要件を

満たすための機会が出願人に与えられます。国内段階移行の要件に関する詳細情報は、「PCT出願人の手引」

の国内段階についての説明をご覧下さい。

232232

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国内段階への移行 Entry into the national Phase

1. PCT では国際段階の後に国内段階があります。出願人は、国際段階で特許性に関する国際予備報告(IPRP

第Ⅰ章又は第Ⅱ章)を取得します。発明の特許性に関する見解が含まれるこの報告は、出願人に、国内段階

における特許取得の可能性に関連する貴重な情報を提供するものです。出願人は、この情報や発明の商業的

可能性を検討することで、特許取得手続を継続するかどうかについて、よりしっかりとした根拠に基づき判

断することができます。

2. 国際調査機関及び/又は国際予備審査機関が作成した報告は、国内官庁に対しては非拘束的なものであり、ま

た PCTで定義される新規性、進歩性及び産業上の利用可能性に基づいて作成されるものですので、国内レベ

ルの特許付与の基準や運用とは異なる可能性があります。しかし、国際調査報告や国際予備審査報告の内容

が完全に肯定的なものである場合には、これが国内特許手続を促進する可能性があります。

国内段階移行のための基本的要件

3. 国内段階における処理や審査が開始する前に、出願人は、希望する各国の国内官庁に対し、国内段階移行手

続を行う必要があります。各官庁が定めた所定の期間内に国内段階移行手続が行われない場合、当該国際出

願は放棄されたものとみなされます。特に、所定の国内手数料を支払い、出願の言語が当該国内官庁が認め

る言語でない場合には求められる翻訳文を提出することが重要です。

4. 国内段階への移行は一定の期間内に行わなければならず、一般的には、第Ⅰ章及び第Ⅱ章の何れの場合も、

国内段階移行期限は優先日から少なくとも 30 ヶ月となります(第 22 条及び第 39 条)。この期限は関連国

内法令に基づいてさらに長い場合もあります。しかし、2002年 4月 1日に発効した第 22条(1)の変更に基

づく期限を適用していない締約国(ルクセンブルク、タンザニア、ウガンダ)があることに留意する必要が

あります。これらの締約国においては、第Ⅰ章に基づく国内段階移行期限は優先日から少なくとも 20 ヶ月

になります(2002年 4月 1日より前の第 22条(1))。しかし、それらの締約国においても、優先日から 19

ヶ月が経過する前に国際予備審査請求書を提出すれば(国際予備審査のために全ての指定国が自動的に選択

される)、国内段階への移行期限は優先日から少なくとも 30ヶ月になります。詳細は、「PCT出願人の手引」

の国内段階に関する章を参照してください。

5. 支払うべき国内手数料は、通常は国内又は広域出願に必要な手数料とほぼ同じです。しかしながら、いくつ

かの官庁では、国際調査報告や国際予備審査報告に基づき、国内又は広域出願料、調査又は審査手数料の減

額措置を設けています。これは、部分的にせよ国際出願に係る費用負担の一部を補填することになります。

追加的な特別の要件

6. 国内官庁は、国内手数料の支払い及び必要に応じた翻訳の提出のほかに、国内段階に移行するための追加要

件を満たすよう要求することはできません。一部、例えば代理人の選任、通知のあて名の表示、発明者であ

る旨の宣言、譲渡書類などを要求することは許容されていますが、出願人は、国内段階移行期間である 30

ヶ月の期間内にこれらの要件を満たすことは求められていません。当該期間の経過後にこれら追加的要件を

満たすための機会が出願人に与えられます。国内段階移行の要件に関する詳細情報は、「PCT出願人の手引」

の国内段階についての説明をご覧下さい。

232

国内段階移行後の補正

7. 国際段階で提起された否定的意見や見解に対応するために、国内段階において追加の補正書や意見書を各国

内官庁に提出することが可能です。この場合の補正は、明細書、請求の範囲、図面を含む国際出願の全ての

部分について行うことができます。また、翻訳に誤りがあった場合、その誤りを訂正することができます。

これらの補正は、国際段階で行った補正に加えて行うことができます。ただし、国内法令で特に許可されて

いる場合を除き、出願時の発明の開示の範囲を拡大する補正を行うことはできません。

法的救済、権利喪失に対する保護

8. 期間内に訂正しなかった欠陥によって国際出願が取下げられたとみなされた場合、出願人はその決定の検査

を各指定官庁に請求することができます。検査の請求に加えて、出願人は各指定官庁に対して権利の回復を

請求する機会を有します(規則 49.6)。さらに、規則 49.6の対象外の手続きについても、第 48条及び規則

82及び 82の 2に基づき期限に間に合わなかったことに対する弁明を請求することができます。そのような

請求の法的根拠及びそのための条件は、適用される国内法令又は広域条約によるものであり、国際出願にも

同様に適用されます。以上のように、各指定国における手続上の安全措置は、少なくとも PCTを経由しない

国内出願又は広域出願の出願人と同程度まで PCTの出願人にも適用されます。

国内段階移行の適否、時期、対象国

9. 出願人が国内段階移行の適否、時期、対象国について決定する際には、主に発明の商業的可能性が判断を左

右します。出願人は、発明が国内段階移行までの 30 ヶ月の間に商業的成功をおさめた国々、又は著しい成

長の機会があると考えられる国々における国内段階移行を希望するでしょう。特許を取得していない状態で

は、競争相手が当該発明に関する商業開発を承諾なく無許可で自由に行うことができるからです。

10.国内段階への移行期間は 30 ヶ月ありますが、早期に国内移行することを望む状況もあるでしょう。特に、

発明がすでに商業的成功をおさめていて、現地の競争相手から発明を守る必要がある場合などが挙げられま

す。早期に国内段階へ移行する場合には、各手続に適用される期限を考慮する必要があります。

11.出願時に全ての PCT締約国が自動的に指定されているので、全ての国から特許保護の対象国を選ぶことがで

きます。PCT 出願を行うことによって最長 30 ヶ月間先延ばしされていた国内官庁手数料の支払いは、国内

段階移行の際に求められます。さらに、現地の特許代理人の費用、翻訳費、その他の国内段階での特許取得

及び維持に関わる手数料を考慮する必要があります。

233233

Page 236: 特許協力条約(PCT)に基づく 国際出願制度に関するトピッ …...SIS – 補充国際調査 SISA – 補充国際調査機関 SISR – 補充国際調査報告

特別な国際段階の手続 Special International Phase Procedures

1. PCTの手続を開始した後に、出願を訂正したり、出願人や発明者又は代理人に関する変更を届け出る必要が

生じる場合があります。また、PCT制度ではさまざまな取下げ手続を行うこともできます。

取下げ(PCT規則 90の 2)

2. PCTでは、いくつかの手続を取り下げることができます。すなわち、国際出願の取下げ、指定の取下げ、優

先権主張の取下げ、補充調査請求の取下げ、予備審査請求の取下げ、及び選択の取下げです。取下げの通知

は書面によって行われ、全ての出願人の署名、又は共通の代理人若しくは共通の代表者の署名が必要です。

3. 国際出願の取下げ 出願人が、経済的、商業的又はその他の理由によって、国際出願の取下げを希望するこ

とがあります。国際公開の技術的な準備が完了する前に出願が取り下げられた場合、国際公開は中止されま

す。18ヶ月の公開時期に近い場合には、国際事務局が国際公開の技術的な準備を完了する前に取下げ通知が

国際事務局に到達したことを条件として、出願を取下げることも可能です。国際出願の取下げは、その出願

に関する特許権の喪失となり、重大な結果をもたらすことに注意が必要です。国際出願の取下げの期限は、

優先日から 30ヶ月です。

4. 指定の取下げ PCTでは、全ての締約国が出願時に自動的に指定されます。出願人が特定の国の指定の取下

げを希望する場合があるかもしれません。出願人はいつでも特定の国の国内段階への移行を選択しないとい

う決定を行うことができるため、実務的な観点からは、特定の国の指定の取下げは必要ではありません。し

かし、いくつかの国々では、国際出願が先の国内出願と抵触することを避けるために、一定の条件の下で正

式な指定の取下げを行うよう求められています。このような手続を求めている国は、ドイツ、日本、及び韓

国です。これらの国々についての指定の除外は、出願時に願書において直接行うことができます。指定の取

下げの期限は、優先日から 30ヶ月です。

5. 優先権の主張の取下げ 優先権の主張を取り下げた場合、元の優先日から起算してまだ満了していない期間

については、変更後の優先日又は国際出願日から起算されます。優先権の主張の取下げは、優先権の主張を

取り下げた国における潜在的な特許性の喪失という、重大な結果をもたらす可能性があります。優先権の主

張の取下げの期限は、優先日から 30ヶ月です。

6. 補充国際調査請求の取下げ 補充国際調査請求は、補充国際調査報告(又は補充国際調査機関による報告が

作成されない旨の宣言)の発行の日より前であればいつでも取り下げることができます。国際事務局が補充

国際調査請求を補充国際調査機関に送付する前であれば、補充調査取扱手数料と補充調査手数料の両方が出

願人に払い戻されます。

7. 国際予備審査請求又は選択の取下げ 国際予備審査請求を行うと、全 PCT 締約国が自動的に選択されます。

実務的には、国際予備審査請求の取下げ又は選択の取下げによる国際出願への影響はなく、取下げ後も特許

権に関する全ての可能性は維持されます。国際予備審査請求の取下げ又は選択の取下げの期限は、優先日か

ら 30ヶ月です。

234234

Page 237: 特許協力条約(PCT)に基づく 国際出願制度に関するトピッ …...SIS – 補充国際調査 SISA – 補充国際調査機関 SISR – 補充国際調査報告

特別な国際段階の手続 Special International Phase Procedures

1. PCTの手続を開始した後に、出願を訂正したり、出願人や発明者又は代理人に関する変更を届け出る必要が

生じる場合があります。また、PCT制度ではさまざまな取下げ手続を行うこともできます。

取下げ(PCT規則 90の 2)

2. PCTでは、いくつかの手続を取り下げることができます。すなわち、国際出願の取下げ、指定の取下げ、優

先権主張の取下げ、補充調査請求の取下げ、予備審査請求の取下げ、及び選択の取下げです。取下げの通知

は書面によって行われ、全ての出願人の署名、又は共通の代理人若しくは共通の代表者の署名が必要です。

3. 国際出願の取下げ 出願人が、経済的、商業的又はその他の理由によって、国際出願の取下げを希望するこ

とがあります。国際公開の技術的な準備が完了する前に出願が取り下げられた場合、国際公開は中止されま

す。18ヶ月の公開時期に近い場合には、国際事務局が国際公開の技術的な準備を完了する前に取下げ通知が

国際事務局に到達したことを条件として、出願を取下げることも可能です。国際出願の取下げは、その出願

に関する特許権の喪失となり、重大な結果をもたらすことに注意が必要です。国際出願の取下げの期限は、

優先日から 30ヶ月です。

4. 指定の取下げ PCTでは、全ての締約国が出願時に自動的に指定されます。出願人が特定の国の指定の取下

げを希望する場合があるかもしれません。出願人はいつでも特定の国の国内段階への移行を選択しないとい

う決定を行うことができるため、実務的な観点からは、特定の国の指定の取下げは必要ではありません。し

かし、いくつかの国々では、国際出願が先の国内出願と抵触することを避けるために、一定の条件の下で正

式な指定の取下げを行うよう求められています。このような手続を求めている国は、ドイツ、日本、及び韓

国です。これらの国々についての指定の除外は、出願時に願書において直接行うことができます。指定の取

下げの期限は、優先日から 30ヶ月です。

5. 優先権の主張の取下げ 優先権の主張を取り下げた場合、元の優先日から起算してまだ満了していない期間

については、変更後の優先日又は国際出願日から起算されます。優先権の主張の取下げは、優先権の主張を

取り下げた国における潜在的な特許性の喪失という、重大な結果をもたらす可能性があります。優先権の主

張の取下げの期限は、優先日から 30ヶ月です。

6. 補充国際調査請求の取下げ 補充国際調査請求は、補充国際調査報告(又は補充国際調査機関による報告が

作成されない旨の宣言)の発行の日より前であればいつでも取り下げることができます。国際事務局が補充

国際調査請求を補充国際調査機関に送付する前であれば、補充調査取扱手数料と補充調査手数料の両方が出

願人に払い戻されます。

7. 国際予備審査請求又は選択の取下げ 国際予備審査請求を行うと、全 PCT 締約国が自動的に選択されます。

実務的には、国際予備審査請求の取下げ又は選択の取下げによる国際出願への影響はなく、取下げ後も特許

権に関する全ての可能性は維持されます。国際予備審査請求の取下げ又は選択の取下げの期限は、優先日か

ら 30ヶ月です。

234

明白な誤記の訂正(PCT規則 91)

8. 国際出願に明白な誤記が含まれている場合、これを訂正することができます。これには、管轄機関から訂正

の許可を受ける必要があります。特に、下記の場合は、それぞれ下記に示される権限のある機関の明示的な

許可を受ける必要があります。

国際出願の願書部分又はその補充書における誤記の場合には、受理官庁

明細書、請求の範囲若しくは図面、又はそれらの補充書における誤記の場合には、国際調査機関(ISA)

明細書、請求の範囲、図面若しくはそれらの補充書、又は第 19 条若しくは第 34 条に基づく補正書に

おける誤記の場合で、国際予備審査請求が行われているときは、国際予備審査機関(IPEA)

受理官庁、国際調査機関、国際予備審査機関又は国際事務局に提出された、上記以外の書類における誤

記の場合であって、要約又は第 19条に基づく補正書における誤記以外の場合には、当該受理官庁、当

該機関又は国際事務局

9. 訂正の請求は、訂正を許可する権限のある機関に、優先日から 26ヶ月以内に提出されなければなりません。

出願人、代理人又は発明者に関する変更の記録(PCT規則 92の 2)

10.国際段階の期間中に、願書又は請求における下記の表示の変更を、国際事務局に要請することができます。

名義、氏名 (名称)、あて名 出願人、代理人、共通の代表者、発明者についての変更

住所、国籍 出願人についての変更のみ

11.PCT規則 92の 2に基づく変更の要請は、ePCT(WIPOが提供するウェブサービス)のオンラインアクショ

ン(手続書類を作成し提出する機能)で直接提出できます。または、書面による要請を、ePCT のドキュメ

ントアップロードサービスで提出するか、又は FAX(非推奨)にて国際事務局へ提出します。変更の要請は、

優先日から 30 ヶ月の期間内に国際事務局で受理されなければなりません。記録の要請が期間の満了後に国

際事務局に到達した場合には、要請された変更は記録されず、出願人は、国内段階において各国内官庁に対

して直接手続を行わなければなりません。

12.国際出願の国際公開に特定の変更が反映されるよう希望する場合には、変更の記録の要請が国際事務局に国

際公開の技術的準備が完了する前に到達しなければなりません。これは通常、実際の公開日の少なくとも 15

日前です。

13.国際事務局は、要請された変更が記録された旨を、様式 PCT/IB/306によって出願人に通知します。

235235

Page 238: 特許協力条約(PCT)に基づく 国際出願制度に関するトピッ …...SIS – 補充国際調査 SISA – 補充国際調査機関 SISR – 補充国際調査報告

PCTの展望 PCT Outlook

PCTを効果的に利用するための戦略

1. 一つの発明について複数の国で特許を取得するためには、多額の費用が発生します。発明に対するより大き

なリターンを得るためには、限られた資金を効果的に使う必要があります。PCTを利用することで、保護を

求める発明に関する有用な情報を入手することができます。入手した情報を検討し、特許を取得する価値が

ある発明であるか否かを判断することで、特許取得のための投資をより効果的に行うことが可能になります。

また、多くの場合、PCTの利用は特許出願の国内処理の加速につながるため、長期的に見て、出願人の時間

と費用の節約につながります。

2. WIPOでは、実際に PCTを利用した出願人から、フィードバックや利用戦略に関する意見、また、経済動向

や各国の状況、国内の法令など、特許取得の過程で考慮対象とした外的要素についての情報が複数寄せられ

ています。以下はその例です。

PCT制度を利用したことで、国内手続が円滑になり、付加価値が生まれた。

複数の発明についての優先順位を決めて、特許保護を求める国を選ぶ助けになった。

2つの異なる国際機関によって国際調査と予備審査を行ったため、特許性に関してより精度の高い評価

を入手できた。

共同出資やライセンス契約の可能性を検討する機会になり、費用の節減と市場機会の拡大につながった。

PCTの利用による時間的猶予を最大限に活用し、特許取得に関する選択肢を確保することができた。

3. PCT の利用戦略については、WIPO のウェブサイト(http://www.wipo.int/pct/en/pct_strategies/)で

閲覧可能です。いつ、どのように PCT 制度を利用するか、またいかにして PCT を最大限に活用し、ビジネ

ス戦略に取り入れるかを検討する上で参考になるでしょう。

PCTの継続的改善

4. 出願人や国内官庁のニーズに対応するため、PCTの整備のための取り組みが継続されることが重要です。こ

れまで、PCTの運用を円滑化また簡素化するために、法的整備が行われてきました。また、ITソリューショ

ンを活用することで、出願人、国内官庁、及びWIPO国際事務局の効率性を向上し、コスト削減を実現して

います。PCT制度の運用と実績は定期的に調査され、出願人、国内官庁、及びWIPO国際事務局のビジネス

ニーズとフィードバックに基づいて評価が行われます。

最後に

5. 1970 年にワシントンで採択されてから、PCT は大きな成功と継続的な成長を実現してきました。国際調査

報告と国際予備審査報告は PCTの基盤となるもので、出願人がビジネス方針や特許手続について意思決定を

行う際の基礎となり得る貴重な情報を提供します。PCT制度における時間的猶予を活用することで、出願人

は、特許取得に関する選択肢を検討し、資金調達、商業化、ライセンシング、パートナーシップの可能性を

探る時間を確保できる上、費用の支出を先延ばしにすることもできます。PCTは発明の特許化を促進する制

度です。グローバルな規模での特許取得を目指す出願人にとって最良の出願手段であるといえます。

236236

Page 239: 特許協力条約(PCT)に基づく 国際出願制度に関するトピッ …...SIS – 補充国際調査 SISA – 補充国際調査機関 SISR – 補充国際調査報告

PCTの展望 PCT Outlook

PCTを効果的に利用するための戦略

1. 一つの発明について複数の国で特許を取得するためには、多額の費用が発生します。発明に対するより大き

なリターンを得るためには、限られた資金を効果的に使う必要があります。PCTを利用することで、保護を

求める発明に関する有用な情報を入手することができます。入手した情報を検討し、特許を取得する価値が

ある発明であるか否かを判断することで、特許取得のための投資をより効果的に行うことが可能になります。

また、多くの場合、PCTの利用は特許出願の国内処理の加速につながるため、長期的に見て、出願人の時間

と費用の節約につながります。

2. WIPOでは、実際に PCTを利用した出願人から、フィードバックや利用戦略に関する意見、また、経済動向

や各国の状況、国内の法令など、特許取得の過程で考慮対象とした外的要素についての情報が複数寄せられ

ています。以下はその例です。

PCT制度を利用したことで、国内手続が円滑になり、付加価値が生まれた。

複数の発明についての優先順位を決めて、特許保護を求める国を選ぶ助けになった。

2つの異なる国際機関によって国際調査と予備審査を行ったため、特許性に関してより精度の高い評価

を入手できた。

共同出資やライセンス契約の可能性を検討する機会になり、費用の節減と市場機会の拡大につながった。

PCTの利用による時間的猶予を最大限に活用し、特許取得に関する選択肢を確保することができた。

3. PCT の利用戦略については、WIPO のウェブサイト(http://www.wipo.int/pct/en/pct_strategies/)で

閲覧可能です。いつ、どのように PCT 制度を利用するか、またいかにして PCT を最大限に活用し、ビジネ

ス戦略に取り入れるかを検討する上で参考になるでしょう。

PCTの継続的改善

4. 出願人や国内官庁のニーズに対応するため、PCTの整備のための取り組みが継続されることが重要です。こ

れまで、PCTの運用を円滑化また簡素化するために、法的整備が行われてきました。また、ITソリューショ

ンを活用することで、出願人、国内官庁、及びWIPO国際事務局の効率性を向上し、コスト削減を実現して

います。PCT制度の運用と実績は定期的に調査され、出願人、国内官庁、及びWIPO国際事務局のビジネス

ニーズとフィードバックに基づいて評価が行われます。

最後に

5. 1970 年にワシントンで採択されてから、PCT は大きな成功と継続的な成長を実現してきました。国際調査

報告と国際予備審査報告は PCTの基盤となるもので、出願人がビジネス方針や特許手続について意思決定を

行う際の基礎となり得る貴重な情報を提供します。PCT制度における時間的猶予を活用することで、出願人

は、特許取得に関する選択肢を検討し、資金調達、商業化、ライセンシング、パートナーシップの可能性を

探る時間を確保できる上、費用の支出を先延ばしにすることもできます。PCTは発明の特許化を促進する制

度です。グローバルな規模での特許取得を目指す出願人にとって最良の出願手段であるといえます。

236

2017年 PCT出願人上位 100 2017年に当該出願人名(筆頭出願人のみ)で国際公開された国際出願件数に基づく

順位 出願人名 国 2017年

公開件数

1 HUAWEI TECHNOLOGIES CO., LTD. CN 4,024

2 ZTE CORPORATION CN 2,965

3 INTEL CORPORATION US 2,637

4 MITSUBISHI ELECTRIC CORPORATION 三菱電機(株) JP 2,521

5 QUALCOMM INCORPORATED US 2,163

6 LG ELECTRONICS INC. KR 1,945

7 BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD CN 1,818

8 SAMSUNG ELECTRONICS CO., LTD. KR 1,757

9 SONY CORPORATION ソニー(株) JP 1,735

10 TELEFONAKTIEBOLAGET LM ERICSSON (PUBL) SE 1,564

11 MICROSOFT TECHNOLOGY LICENSING, LLC US 1,536

12 HEWLETT-PACKARD DEVELOPMENT COMPANY, L.P. US 1,519

13 LE HOLDINGS (BEIJING) CO., LTD. CN 1,397

14 ROBERT BOSCH CORPORATION DE 1,354

15 PANASONIC INTELLECTUAL PROPERTY MANAGEMENT CO., LTD. パナソニック IPマネジメント(株) JP 1,280

16 KONINKLIJKE PHILIPS ELECTRONICS N.V. NL 1,077

17 SIEMENS AKTIENGESELLSCHAFT DE 1,063

18 SHENZHEN CHINA STAR OPTOELECTRONICS TECHNOLOGY CO., LTD CN 972

19 FUJIFILM CORPORATION 富士フイルム(株) JP 970

20 DENSO CORPORATION (株)デンソー JP 968

21 SHARP KABUSHIKI KAISHA シャープ(株) JP 963

22 OLYMPUS CORPORATION オリンパス(株) JP 934

23 HITACHI, LTD. (株)日立製作所 JP 923

24 NEC CORPORATION 日本電気(株) JP 899

25 LG CHEM, LTD. KR 850

26 HALLIBURTON ENERGY SERVICES, INC. US 798

27 GOOGLE INC. US 789

28 ALIBABA GROUP HOLDING LIMITED CN 707

29 MURATA MANUFACTURING CO., LTD. (株)村田製作所 JP 684

30 3M INNOVATIVE PROPERTIES COMPANY US 678

31 PROCTER & GAMBLE COMPANY US 566

237237

Page 240: 特許協力条約(PCT)に基づく 国際出願制度に関するトピッ …...SIS – 補充国際調査 SISA – 補充国際調査機関 SISR – 補充国際調査報告

32 TENCENT TECHNOLOGY (SHENZHEN) COMPANY LIMITED CN 560

33 BASF SE DE 556

34 YULONG COMPUTER TELECOMMUNICATION TECHNOLOGIES (SHENZHEN) CO., LTD. CN 517

35 HITACHI AUTOMOTIVE SYSTEMS, LTD. 日立オートモティブシステムズ(株) JP 503

36 KONICA MINOLTA, INC. コニカミノルタ(株) JP 492

37 SCHAEFFLER TECHNOLOGIES AG & CO. KG DE 489

38 SABIC GLOBAL TECHNOLOGIES B.V. NL 488

39 UNIVERSITY OF CALIFORNIA US 482

40 GUANG DONG OPPO MOBILE TELECOMMUNICATIONS CORP., LTD CN 474

41 AUTONETWORKS TECHNOLOGIES, LTD. (株)オートネットワーク技術研究所 JP 452

42 DOW GLOBAL TECHNOLOGIES INC. US 421

43 BAYERISCHE MOTOREN WERKE AKTIENGESELLSCHAFT DE 414

44 COMPAGNIE GENERALE DES ETABLISSEMENTS MICHELIN - MICHELIN & CIE FR 411

45 GENERAL ELECTRIC COMPANY US 407

46 NTN CORPORATION NTN(株) JP 398

47 KYOCERA CORPORATION 京セラ(株) JP 377

48 APPLIED MATERIALS, INC. US 359

49 XIAOMI INC. CN 354

50 CORNING INCORPORATED US 340

51 FUJITSU LIMITED 富士通(株) JP 338

52 CONTINENTAL AUTOMOTIVE GMBH DE 335

53 L'OREAL FR 332

54 ABB SCHWEIZ AG CH 328

54 LG INNOTEK CO. LTD. KR 325

56 HONDA MOTOR CO., LTD. 本田技研工業(株) JP 323

57 NTT DOCOMO, INC. (株)エヌ・ティ・ティ・ドコモ JP 317

58 PHILIPS LIGHTING HOLDING B.V. NL 316

59 NOKIA TECHNOLOGIES OY FI 315

60 SCHLUMBERGER TECHNOLOGY CORPORATION US 313

61 CANON KABUSHIKI KAISHA キヤノン(株) JP 309

62 MITSUBISHI HEAVY INDUSTRIES, LTD. 三菱重工業(株) JP 306

63 TORAY INDUSTRIES, INC. 東レ(株) JP 300

63 COMMISSARIAT A L'ENERGIE ATOMIQUE ET AUX ENERGIES ALTERNATIVES FR 300

65 NITTO DENKO CORPORATION 日東電工(株) JP 296

66 SUMITOMO ELECTRIC INDUSTRIES, LTD. 住友電気工業(株 JP 293

238238

Page 241: 特許協力条約(PCT)に基づく 国際出願制度に関するトピッ …...SIS – 補充国際調査 SISA – 補充国際調査機関 SISR – 補充国際調査報告

32 TENCENT TECHNOLOGY (SHENZHEN) COMPANY LIMITED CN 560

33 BASF SE DE 556

34 YULONG COMPUTER TELECOMMUNICATION TECHNOLOGIES (SHENZHEN) CO., LTD. CN 517

35 HITACHI AUTOMOTIVE SYSTEMS, LTD. 日立オートモティブシステムズ(株) JP 503

36 KONICA MINOLTA, INC. コニカミノルタ(株) JP 492

37 SCHAEFFLER TECHNOLOGIES AG & CO. KG DE 489

38 SABIC GLOBAL TECHNOLOGIES B.V. NL 488

39 UNIVERSITY OF CALIFORNIA US 482

40 GUANG DONG OPPO MOBILE TELECOMMUNICATIONS CORP., LTD CN 474

41 AUTONETWORKS TECHNOLOGIES, LTD. (株)オートネットワーク技術研究所 JP 452

42 DOW GLOBAL TECHNOLOGIES INC. US 421

43 BAYERISCHE MOTOREN WERKE AKTIENGESELLSCHAFT DE 414

44 COMPAGNIE GENERALE DES ETABLISSEMENTS MICHELIN - MICHELIN & CIE FR 411

45 GENERAL ELECTRIC COMPANY US 407

46 NTN CORPORATION NTN(株) JP 398

47 KYOCERA CORPORATION 京セラ(株) JP 377

48 APPLIED MATERIALS, INC. US 359

49 XIAOMI INC. CN 354

50 CORNING INCORPORATED US 340

51 FUJITSU LIMITED 富士通(株) JP 338

52 CONTINENTAL AUTOMOTIVE GMBH DE 335

53 L'OREAL FR 332

54 ABB SCHWEIZ AG CH 328

54 LG INNOTEK CO. LTD. KR 325

56 HONDA MOTOR CO., LTD. 本田技研工業(株) JP 323

57 NTT DOCOMO, INC. (株)エヌ・ティ・ティ・ドコモ JP 317

58 PHILIPS LIGHTING HOLDING B.V. NL 316

59 NOKIA TECHNOLOGIES OY FI 315

60 SCHLUMBERGER TECHNOLOGY CORPORATION US 313

61 CANON KABUSHIKI KAISHA キヤノン(株) JP 309

62 MITSUBISHI HEAVY INDUSTRIES, LTD. 三菱重工業(株) JP 306

63 TORAY INDUSTRIES, INC. 東レ(株) JP 300

63 COMMISSARIAT A L'ENERGIE ATOMIQUE ET AUX ENERGIES ALTERNATIVES FR 300

65 NITTO DENKO CORPORATION 日東電工(株) JP 296

66 SUMITOMO ELECTRIC INDUSTRIES, LTD. 住友電気工業(株 JP 293

238

67 HENKEL KOMMANDITGESELLSCHAFT AUF AKTIEN DE 292

68 KABUSHIKI KAISHA TOSHIBA (株)東芝 JP 291

69 NISSAN MOTOR CO., LTD. 日産自動車(株) JP 290

69 WUHAN CHINA STAR OPTOELECTRONICS TECHNOLOGY CO., LTD CN 290

71 ARCELIK ANONIM SIRKETI TR 287

72 BAKER HUGHES INCORPORATED US 282

72 ASAHI GLASS COMPANY, LIMITED 旭硝子(株) JP 282

74 SUMITOMO CHEMICAL COMPANY, LIMITED 住友化学(株) JP 281

75 FRAUNHOFER-GESELLSCHAFT ZUR FORDERUNG DER ANGEWANDTEN FORSCHUNG E.V. DE 279

76 MASSACHUSETTS INSTITUTE OF TECHNOLOGY US 278

77 APPLLE INC. US 277

78 NIPPON STEEL & SUMITOMO METAL CORPORATION 新日鐵住金(株) JP 268

79 PHILIP MORRIS PRODUCTS S.A. CH 266

80 NOKIA SOLUTIONS AND NETWORKS OY FI 263

80 MASTERCARD INTERNATIONAL INCORPORATED US 263

82 ZF FRIEDRICHSHAFEN AG DE 255

82 NESTEC S.A CH 255

84 KABUSHIKI KAISHA KOBE SEIKO SHO (株)神戸製鋼所 DAIKIN INDUSTRIES, LTD. JP 250

85 SZ DJI TECHNOLOGY CO., LTD CN 238

86 BRIDGESTONE CORPORATION (株)ブリヂストン JP 235

87 UNI-CHARM CORPORATION ユニ・チャーム(株) JP 234

88 BSH HAUSGERATE GMBH DE 233

89 FUJI MACHINE MFG. CO., LTD. 富士機械製造(株) JP 232

90 NIKE INNOVATE C.V. US 227

91 OSRAM OPTO SEMICONDUCTORS GMBH DE 218

92 VOLKSWAGEN AKTIENGESELLSCHAFT DE 217

93 KAO CORPORATION 花王(株) JP 216

94 ZEON CORPORATION 日本ゼオン(株) JP 215

95 SAUDI ARABIAN OIL CO. SA 214

96 HONEYWELL INTERNATIONAL INC. US 213

96 KAWASAKI JUKOGYO KABUSHIKI KAISHA 川崎重工業(株) JP 213

96 OMRON CORPORATION オムロン(株) JP 213

96 DIC CORPORATION DIC(株) JP 213

96 MITSUBISHI CHEMICAL CORPORATION 三菱化学(株) JP 213

239239

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表 3

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表4

<本テキストの内容に関するお問い合わせ先>

世界知的所有権機関(WIPO)PCT法務・ユーザ関連部

電話:+41-22-338-9916

世界知的所有権機関(WIPO)日本事務所

電話:03-5532-5030

特許協力条約(

PCT)

に基づく国際出願制度に関するトピックス

平成30年度

特 

許