田村{叔訳・ミシェル・フーコー著 「監獄の誕生j...

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田村{叔訳・ミシェル・フーコー著 「監獄の誕生J (新潟社1977 年)を読む( 4 ) 評者はしがき 1 部身体刑 1 章受刑者の身体 2 章身体刑の華々しさ (54 頁まで) (続き) 2 部処 l 章一般化される処罰 (96 頁まで) (続き) 2 章刑罰のおだやかさ 3 部規律・訓練 l 章従順な身体 [以上52 3 号] [以上52 4 号] [以上田巻 l号] [以上本号] 凡例・ 0 買上O O 行は,田村仮訳の該当買上段O 段落目O 行日を示す。段落の表示がない 場合は,前段からの続きである。 [P .o, 10]は,原書のO O行目を示す。 ・左摘の文章は田村仮訳,右欄のそれは恒光の試訳である。 ・[ ]は,恒光による補足 コメントである。 ・原書とは, Mi chel Foucaul t Surve 田町 etpunir N 山田cede la prison (宜制on imard Biblioteque des Hi stiores 1 5) を指す。 141 頁よ 1 13 [p .l 37 113] 3 行[1l 9] 3 規律・訓練 discipline 第1 従順な身体 lescorpsdociles 以上をもってすれば,ある一定の 身長の人聞は必ずや敏捷かっ逗し くなりうるだろう」 人々は形をいまだなさ晶体賀,不 適格な身体でもって それらの徴は,ある一定の身長の 人聞が敏捷かっ還しくなりうるた めに必要なものであるj 人々は形をいまだなさぬ生地[パ ン生地のような形ををさないベー (法雑 '13)5 '3-1

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田村{叔訳・ミシェル・フーコー著

「監獄の誕生J(新潟社1977年)を読む(4 )

恒 光

評者はしがき

第 1部身体刑

第 1章受刑者の身体

第2章身体刑の華々しさ (54頁まで)

(続き)

第2部処 罰

第 l章一般化される処罰 (96頁まで)

(続き)

第2章刑罰のおだやかさ

第3部規律・訓練第 l章従順な身体

[以上52巻3号]

[以上52巻4号]

[以上田巻l号]

[以上本号]

凡例・ 0買上O段O行は,田村仮訳の該当買上段O段落目O行日を示す。段落の表示がない

場合は,前段からの続きである。

・[P.o, 10]は,原書のO頁O行目を示す。

・左摘の文章は田村仮訳,右欄のそれは恒光の試訳である。

・[ ]は,恒光による補足 コメントである。

・原書とは, Michel Foucault, Surve田町 etpunir, N山田cede la prison (宜制on刷 imard,

Biblioteque des Histiores 1肝5)を指す。

141頁よ1段13行

[p.l37, 113]

下3行[1l9]

第 3部 規律・訓練 discipline

第1章 従順な身体 lescorps dociles

以上をもってすれば,ある一定の

身長の人聞は必ずや敏捷かっ逗し

くなりうるだろう」

人々は形をいまだなさ晶体賀,不

適格な身体でもって

それらの徴は,ある一定の身長の

人聞が敏捷かっ還しくなりうるた

めに必要なものであるj

人々は形をいまだなさぬ生地[パ

ン生地のような形ををさないベー

(法雑 '13)5ト '3-1

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6行[121]

8行[124]

22行[p.l38,LlO]

142頁よ1段1行[Lll]

3行[1.15]

5mLl2]

6行[1.16]

7行[1.17]

9行[Ll9]

10行[L22]

14行[1.22]

18行[1.28]

却行[1.28]

下1行[1.34]

1段3行[1.39]

6行[1.42]

7行[1.43]

9行[1.44]

II行[p.l39,1.3]

14行[1.5]

]7j'W.8]

(法雑 '13)59 き 2

計画にもとづく拘束が,

暗黙のうちに残りつづける。

膝を

古典主義時代には

呼応l,能力が与えられるか,も

しくは力が多様になる,

容易に見出されるにちがいない。

大著『人間=機械論』は

デカルトがその最初のページを書

き,

他方,

身体の運用を

明確に相違した二つの領域。つま

り,有用な身体と理蝉可能な身体

それらの立場の中,いには,

概念がひろくゆきわたっている。

小型の機械に細心すぎる注意をは

らっていたフリードリイヒ二世

緊急かっ切実な攻囲の

禁忌

取締りの尺度

身体を,かたまりとして,大ざっ

ぱに扱うのが問題なのではなく,

力学の水準そのものにおける影響

一運動動作姿勢・速さを確実

に与えることが重要である。

取締りの客体

束縛の対象は[身体の〕表徴であ

るよりも体力であって

ストのようなものl. [当初は兵士

に]適さない[ような]身体から

計算にもとづいた強制が,

ひそかに残りつづける。

膝とひかがみ[~ひざのうらのく

ぼみ]を

古典主義時代の中で

返答l,熟練する身体,もしくは

その力が増大する身体,

容易に見出される。

[ラメトリーの]大著『人間=機

械論』は

一方のデカルトがすでにその最初

のページを書いていて,

他方の,

身体の活動を

二つの領域は明確に相違したもの

であった。つまり, [後者におけ

る]有用な身体と[前者におけ

る]理解可能な身体

二つの帰結の中心には

概念が支配している。

小型の機械に大変なこだわりを見

せていた[~小型の機械のマニア

であった]フリードリイヒ二世

威圧的で執拘な攻囲の

禁止

統制の尺度

身体を,かたまりとして,大ざっ

ぱに扱うのはもはや重要ではなし

力学の水準そのものにおける把握

一運動・動作姿勢速さを確実

にすることが重要である。

統制の客体

強制の対象は〔身体の]表徴であ

るよりも身体の力であって

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田村仮訳・ミシェル・ 7ーコー著「監獄の誕生J(新潮社 1977年)を読む(4) (恒光)

19行[1.10]

143頁上1行[1.1同

2行且l司

3行[1.1叫

8行[ロ2]

10行[1.23]

12行[1.25]

13行[1.2叫

16行[1.28]

17行[1.29]

18j1'日.30]

19行[1.28]

21行[1.33]

23行[L34]

24行[1.35]

下1行[1.36]

取締りの様相。それは活動の結果

によりも活動の過程に留意する,

絶えまのない恒常的な強制権を含

むのであり,

身体の運用への綿密な取締り

体力の匡常的な束縛

体力に

身体の占有関係にもとづかない点

では,それは奴隷申jとは異なって

いる。

こんをに大きな効用の成果を手に

入れることで高価で荒々しいかの

〔奴隷申lの〕関係を免れている点

は,この規律ー訓練の端麗さでさ

えある。

つぎに奉公人の主従関係が,

統制の様式。それは活動の結果よ

りも活動の過程を監視する,絶え

まのない恒常的な強制権を意味す

るのであり,

身体の活動への綿密な統制

身体の力の恒常的な拘束

身体の力に

身体の所有関係にもとづかない点

で,それは奴隷性と異なっている。

同じ大きさの成果の効用を手に入

れるに際l,費用がかかり暴力的

な,かの[奴隷制の〕関係なしに

すませる点は,この規律ー訓練の

洗練性でさえある。

つぎに奉公人の主従関係とも異

なっている。後者は,

〈気まぐれ}とでもいえる主人の|恒常的で総括的で高密度な,非分

単独な意思の形式をとって確立さ|析的で限度を欠く支配関係であり,

れた,恒常的で総括的で高密度なJ主人の一方的な意思の形式,すな

非分析的で限度を欠く支配関係で lわち彼の{気まぐれ}によって確

ある点では,こうした主従関係と|立される支配関係である。

も異在っている。

また封臣関係が

遠回りな服従関係

労働の所産

服従関係である点では,この封臣

関係とも異なっている。

私欲放棄の確実な実施を自らの機

能とする

ふくまれるにせよ

主要目的

歴史的契機は

また封臣関係[国王と封臣の関係

のみならず,領主と農奴の関係も

含んでいるのか?]とも異なって

いる。後者は,

希薄な服従関係

労働の生産物

服従関係である。

効用放棄の確実な実施のためのも

のである

ふくまれるとしても

主たる目的

歴史的局面は

(法雑 '13)5チー3-3

0

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2行[1.剖|一つの技術,つまり, |ある一つの技術が生まれる局面で

ある。その技術とは,叩;Iし…山立つ |…の逆山つ

6行[1.3'η 目ざす人体の一つの技術が生まれ 目ざすものである。

る契機である。

7行[1.42] 身体への働きかけたる, 身体への働きかけである,

8行[1.4幻 操作たる強制権による 操作からなる強制権による

16行[p.I40,1.2] ためには,いかにしてこちらは彼 ために,いかにしたら彼らの身体

らの身体を掌握できるか, を掌握できるようになるか,

分解させる

144頁上4行[1.l0] 増加される7プ素テイテユ質ードと増大される 増加する[労働者の]能力と増大

支配 する支配

1段4行[Ll8]I必要があるのだE さまざまに裁ち 必要があるのだ。その諸過程の集

直されたり, まりは,

6行[L2111適用領域の違いで 適用領域の違いにより

7行[1.22] 総括的な方策の完成図を描き出す, ひとつの一般的方法の大筋を描い

そうした諸過程の集まりとしてo ていった。

附 [lm]|工場の老齢軍問問 工場のひそかな軍隊組織化

18行[1.30] 拡がった,たとえば,こちらでは 必要になった。たとえば,こちら

産業上の改草, では工業上の刷新,

下1行日34] iそうした差異はあれ,やはり結局, [しかし]そのことは,その諸過

その諸過程は一般的で根本的な変 程が一般的で根本的な変容に全体

容を示しているのであり, として含まれていることを否定す

るものではない。そして,

1~ HT[lお;Iも一地もL-tul>個別的な もっているであろう個別的な

3行[1.羽] 相互にごく容易に影響を与えてー 重要な諸技術のうちの,相互に影

般化した根本的在技術のうちの若 響を与えてごく容易に一般化され

干について, たいくつかについて,四

5行[1.41]Iつ吋密な unl!微細な つねに事細かな,しばしばごくわ

九 だが重要性はもっているそうした ずかな,だが重要性はもっている

技櫛,というのは, そうした技術。重要牲をもってい

るというのは,

7行[1.43]Iその技術こそは,政治学上の詳細 その技術こそが,政治学上の細部

を身体攻囲の にわたる身体攻囲の

10行[1.45]Iるますます広範な領域に及びつづけ ますます広範な領域を獲得するこ

とをやめない

(桂雑 '13)5トー';3-4

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田村倣訳 ミシェル・フーコー著「監獄の誕生J(新潮社 1977年)を読む (4)(恒光)

12行[p.l41,1.3] 1甚害無邪気な,だがひどく疑い深 無邪気な,だがその奥では疑り深

い,微妙な配備,自ら白状しない い目をもっ巧妙な修正方法,後ろ

経済策に従うか,もしくは偉大古 暗い経済策に従う装置,もしくは

の欠ける強制権を追求する装置, 偉そうな様子のない強制権を追求

する装置

14行[16] こうした策略・配備・装置こそが こうした策略ー方法・装置こそが

15行[17] 処罰制度の変異 処罰制度の突然変異

16行[凶] 足踏み 足踏み状態

18行[LlO] ある意味を ある意味[方向]を

19行[1.10] 策略・配備・装置を, 策略・方法装置を,

145頁上3行[1l4] 何もかもを自分の穀粒にする 何もかもを自分の穀粒にする[あ

らゆるものを自分の穀粒にっくり

変える]

1段l行 [ 叶

5行[1.20] その成分をもたなければ, 細部に関する諸原則をもたなけ札

ば,

7M[122]|叩方 石の断ち割り方

9行[123] ある一つの歴史がすっかり書かれ ある一つのまとまった歴史を書か

なければなるまい一道徳を計量す なければならないだろう一道徳を

る簿記ならびに政治上の取締りに 計量する簿記ならびに政治上の統

合おラシ理けオ的ナるリ組,ザ織シ実オ化利シのを歴め史ざがしD た細部の 制に的ナおリ組けザ織シるオ化ン, 細部の功利主義的合理 の歴史を。

附[四11この時代には,微積分の言博もし この時代は,無限小の計算もしく

くは生物の微畑な性格の記述にお は生物の微細な[レベルの]特徴

けるなんらかのその反響が認めら の記述におけるなんらかのその反

れたにちがいない。 響を,その合理的組織化に認めた

にちがいない。一2] |無限の広判巨大なもの

2行[133] しかも神の個個の意思の一つが望 神の個々の意思の つが望まな四

まなかったくらいに小さいものは かったことの原因として,小ささ J¥

何ーっとして存在しないからであ は何の価値もないからである。

る。

146頁上l行[p.142,17]1どんな偉大なことを行いうるだろ どんな偉大なものを作りうるだろ

うか。 うか。

3行[19]I偉問…注じる場合 偉大岳ものが現れる場合,

下17行[139] その世界に有機的構造を与えよう その世界を組織しよう

(法雑 '13)59ー.3-5

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147頁上l段[p.l43,U2] 配分の技術 配置の技術

2段2行 配分である。 配置である。

3段1行[1.15] 閉鎖 閉鎖 doture[=囲い,閉じる動

作ではなく,閉じられた状態をさ

す。刑務所を閉鎖施設と呼ぶが,

その「閉鎖」の意味]

WIll5]|…い叫に それじたいにおいて

3行[1.15] 特定化を要求する。千篇一律な規 特定化を必要とする,規律訓練

律・訓練によって守られている場 の単調さによって保護される場所

5行[U8] いっそう秘密な,だが老狩で より目立たない,だが狭請で

下4行[1.26] 一般市民の当局者 [軍隊と]文官行政官

6行[ロ9] 南フランスに設けられた 南フランスに設けられていた

7行[L29] 厳重になるだろう。 厳重になることが予定されていた。

9行[1.30] 閉鎖され,その外壁は,四方に三 囲われ,その列陸は,いたる所三

十尺ずつの間隔をおいて 十ピエ[ニ324.84cmJの間隔を

あけて

17行[p.l44,1.3] マ製Zユヲ造アタ予ユ所←Nの寄せ集めが, 守製中造町一所の集まりが,

148頁上2行[UO] 尺度 尺度[規模]

41T[U3] 閉鎖的な都市 閉鎖的な[城壁によって囲まれ

た]都市

5行[1凶|作業開始 |作業再開[昼食をとりに自宅に

帰った労働者が工場に戻って仕事

を再開することヲ]

17行[1.24] 関係者 共同経営者の一人

19行[ロ:6] ことが可能となる ことを可能とする

1段2行[1.28] 恒常的でも ゆるぎないものでも

4行[l31] しかもまず,基本的な Lたがってまず,初量的な四

下2行[日3] 区分 [場所の]配分

七 3行[1.34] 混乱したり密集したり捉えどころ 雑然と1.-,密集1.-,あるいはつか

のない複数状態を分析すること まえようのない複数状惑を分解す

ること

5行[1.36] 要素が存在するその数 要素の数

6行[1.37] 不明確な配分 あいまいな配分

7行[1.38] 取締りのそとにある個々人〔の特 個々人が統制にしたがわずに持ち

性]の消失 場から消えてなくなること

(法雑 1泊 59~3-6

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田村倣訳ーミシェル・ 7ーコー著「監獄の誕生J(新潮社 1977年)を読む (4)(恒光)

8行[p.l45,Ll] 無用かっ危険な結合凝集 無益でかつ危険な徒党形成

1211'[13] しかもどうして しかもどのようにして

13行[15] 個々人の行状の監視と評価と賞罰, 個々人の行状を監視し評価し賞罰

その置もしくは長短の測定がたえ を与え,その質もしくは能力を測

ず可能であることである。 定することを絶えず可能とするこ

とである。

16行日7]|拡 方法[が重要となる]。

l段3行[I.ll] その空間によって配分される仕切 その方式の割りふる仕切り部屋が

り部屋がまったく理念的なものに まったく観念的なものであるにせ

なっていくにせよ, よ,

5行[1.13]I修道院独房の性質をおびるのであ 修道院の独房的なものである。

る。

5行[Ll3]Iかつては身体ならびに精神の必然 かつては,ある穫の禁欲主義が,

的な孤独が,ある種の禁欲主義の 身体ならびに精神の孤独の必然性

特色であった。 を語っていたo

7行[Ll4]I独力で心身は少なくとも時には誘 少なくとも一時的には,心身は,

惑に, 誘惑に,

149頁上4行[1.18] |寝床は配置され, 個々の寝床は[墓石のように]配

置され,

日行[121]|未完成な 粗野な

1段1行[123] 建築術によって般的には流用可 規律・訓練のための諸施設におい

能とされ幾多の用途に怯されてい て,その建築設計が,かつてはー

た空間を,規律・訓練中心の諸施 般に自由に使えて幾多の用途に供

設では徐々に記号体系化しようと されるようにしていた空間を,

する。 徐々に記号体系化していくことに

なる。

11行[1.31] 流通経路の点で, 流通経路であるが故に,

11行[1.33] 脱出 [兵士の]脱走

16行[138] 混乱状態を解体しつつ, 混合物を解体することにより,四

17行[138] 強固にする 確保する ノ、

下l行[1.40] 相互に緊密である。 連帯している。

211', 711'[1.41:p.146,1.7] 財務上 税務上の

10行[1.9] 病人の実際の人数,病人の識別, 病人の実際の人数,病人の身元,

属している病気の単位を検証する 荷人の所属部隊を確認するための

ための,組織的な措置が完了 L, ンステムが開発され,

附[1同|寝台の隔離 寝台の分離

(法雑 '13)59-3-7

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18行[1.16] 治療中心の空間に連結され, 治療中心の空間に姿を変えてゆき,

21行[Ll9] 実際の一タプ覧ロ表ーを組立てる。 現実のタプ覧ロ表ーを組立てる。

150頁上l行[l24] 評定可能な その位置の確認可能な

4行[126] 空間的整備, (持場}の配分にと 空間的配備,配置された{持場〉

もなう各種の活動形式 により異なった活動形式

町 7,1ヤ階…こと 段階を注意深〈見守ること

24行[1.4] 格子状の図表を形づくって,そこ 格子を形づくり,混乱が除去され

では混乱は除去されるのである。 る。

下1行[1.6] 生産は区分され, 生産は分割され,

4行[1.6] 有機的に配置される。 区分され,つなぎ合わされる

slartic叫e

5行[1.10] 粘り強さ 安定性

6ff[1ll] 特色づけられ, 明確に示され,

11行[1.15] われわれは生産過程の区分の背後 われわれは生産過程の分割jの背後

に,それと同時に,生産力の個人 に,その分割と同時期における生

分化的な分析を見出すのであって, 産力の個人分化的方向の解体を見

出す。

13行[Ll8]Iこの区分ならびに分析をしばしば この分割ならびに解体をしばしば

明確にもたらしたのが, 支えたのが,

1段8行[ロ5] 横の'iUと縦の列が 行と列が

9行[1.27] 序列の技術 序列の技町t

151買上l段5行[1.35] ローマ式もしくはカルタゴ式の相 ロ)マ陣営かカルタゴ陣営のいず

違はあれ,一つの陣営のなかに入 れかの陣営に入れられ,

れられ,

7行[附]I相手の十人組 |反対陣営の十人組[自陣がカルタ

ゴ晦営だったらローマ陣営の十人

組]

7行[1.37] その一般的な形怠は, その[教育の]一般的な形態は,

四 8行[1.お] 学級編成 学級の格付け

五 9行[1.39] 競争の形式で 騎馬試合の形式で

10行[1.40] 生徒の義務はこの一般的な合戦の 生徒の寄与はこの一般的な合戦に

なかに含まれていた1.., おいて行われていた1..,

11行[p.l必, Ll] I他方,その義務をとおして,一つ また,生徒にとっては,自身の寄

の陣営の勝散が決定されるので 与がその陣営の勝敗に関係してい

あって, IC 。

14行[12]I戦う人の値打に対応した位置を, 戦う人としての自分の値打ちに対

(法雑 '1司 59-3-8

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田村倣訳 ミシェル フーコー著「監獄の誕生j(新潮社 1977年)を読む (4)(恒光)

自分に与えられていた。 |応した位置を,自分に与えられて

いるのを見た。

15行[1.5J このローマ式な見コメ世デ物イ このローマ式告自コlメ形ヂ式イ

18行日.6J 敵対の二元的な行使 対立関係というこ元的練習形式

2C行[18J 二重の役割をはたしてきた点で 二重の役割をはたした占である。

あって, すなわち,

下2行[LllJ 規律訓練という理念的図式 規律・訓練の理想的枠組

4行[Ll2J 元老院の,しかもローマ軍団の 元老院の,またローマ軍団でもあ

6行[1l3J 陣営本位の 野営する軍国の

71T[Ll4J 古代ロ}マへ指示関連を求める態 古代ローマへの言及

山 4]!多義的…で伝達凶 陵昧に伝達することを意味した。

10行[1l7J 学校があいかわらず演じていた古 学校が常時演じていた古代風の寓

代風の寓話劇のなかに存在してい 話』闘のなかでは,

,日』。

lMT[118][一一競争 槍試合

15行[122J 順番に配列されて教師の視線に 教師の視線から見て列をなしてい

入ってくるようになる,個々の生 るように配列されるようになる,

徒を中心とした諸要素にかぎられ 個々の生徒からなる諸要素にかぎ

る。 られる。

1811'[邸JI大 相 り な 附 限 定 し は 問 大規模な形式を定義しは巳める

152頁上3行[1.33J ある系列の碁盤目は理念的なもの 一面において碁盤目は観念的なも

であり のであり,それは,

4行[胤JI階層秩序を明示し,別のは 階層秩序を示す。他面においてお

れは,

5行[1.36J あの配列を 配置を

5行[135J 具体的に 物的,客観的に

6行日38J 順次明確に区分される 明確に区分されている四

l段l行[1.39J 系列本位の このような配列本位の 四

8tT[pJ49,14J 新しい節約 新しい経済策

9行[15J 学ぶ 教える apprendre

下I段2行[1.29J 建築的なと同時に機能的で 同時に建築的で

4行[1.31J 許容する 可能にする

6行[133J 値うちを示す。 [個々人の]値打ちを示す。

7行[13同 節約 経済策

(桂雑 '13)5ト "3-9

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153頁上l行[1.36]

2i9[p.l5日" 1.2]

5行[1.5]

lli9[1.I2]

13行[1.15]

14行日15]

刊行[1.17]

18行[1.19]

2凶1[1.21]

下5行[1.28]

6行[1.30]

8行[1.32]

1段1行[1.36]

2行[1.36]

3行[1.38]

154頁上1行[p.15I,凶]

1段l行[Lll]

3行[Ll4]

711'[1.18]

9行[1.21]

II行[1.24]

14行[1.28]

17行[129]

下3行[日3]

(法雑 '13) 5トー.3~10

配置

〔個々人にたいする]特償明示

多数の人聞を

値うちをもちうる

しかも武力についての

病人を配分し

つまり,対になった多くの操作

相互に緊密になっている

組織化して

完全になって

容易になりうるだろう

いっそう容易に動かL指揮される

だろう

領域のなかで

もってはいない。

分類法の形式をとると

さまざまな構成要素の総体の取締

活動の取締り

拍子をつけた時間区分,所定の仕

事の強制,反復のサイクルの規制

困難ではなかったのであり,教育

機関や救済援護施設は,多くの場

合それらを併設している修道院の

生活態度と規則正しさをうけつい

でいた。

時間の正確さ

労働時聞を分けるきまりになる

だが依然として十九世紀にも,産

業界で

助力を求めるにいたり,

祈りによって時を刻む

配備

[個々人の]性格提示

群集を

役立ちうる

それによって軍事力についての

病人を振り分け

つまり,そんなに多くの対になっ

た採作

相互につながっている

組織化すること,すなわち,

進歩をとげて

容易になりうるのだが

動かし指揮することがいっそう容

易になるのだが

領域において

もっているわけではない。

[生物の]分類法の形式のもと,

互いに異なる構成要素の総体の統

活動の統制

はっきりとした時間区分の確立,

特定の仕事の強制,反復の周期の

規制

困難ではなかった。教育機関や救

済援護施設は,修道院の生活態度

と規則正しさをうけついでいた。

けだL-,教育機関や救済援護施設

は,しばしば修道院に併設されて

いたからである。

時聞の厳格さ

労働時聞をはっきりと区分するこ

とになる

もっとも,十九世紀にも依然とし

て,工場で

助力をもとめていた。

諸勤行によって区切られた時聞の

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長所Jのいくつかを保持していた

と思われる。

修道会は規律・訓練の指導者

maitres

偉大な技術家

みずから継承したこの時間規制の

方策を修正するのである。

ギベールは,射撃時聞の厳密な測

定ヴオ}パンがその発案者であ

る を系統立てて行わせた。

各種の命令によってほとんど枠が

はめられている。

漸次的な拡大

雇用した時聞の質を確保すること

も要請される。

すべての事柄の中止

どんな種類の賭事をすることも,

いったりすることも

[特定の長さに]限定された時間

であって賃金が支払われる時間は

専生したままである良質の時間で l専念した状態である良質の時間で

なければならない。 Iもなければ牢らない。

並足・早足ー護主の歩ほ幅はばは,1並足・早足・謹定の志幅は,二ピ

-v'-:>方ぼうの盲からもう一方lエ [64.968cm]とすべし。ここ

の彊のあいだの隔りを二ピエとす|でいう歩幅とは一方の題からもう

べし。 I方の腫までの聞の隔りをいう。

歩幅は |そのき長幅は

間隔を !間隔は

以上とすべし |以上となるようにすべし

片一方の |努力して片一方の

気取らずに |自然に

つまりこれら両者の規則のちがい lこれら両者の規則の聞に,新しい

は,新しく集められたさまざまな|強制の束が用いられるようになっ

強制 Iた。すなわち,

別種の方法,それらが用いられて l別種の方法。それらが用いられる

いる占にある。 Iようになったのである。

1977年)を読む (4)(恒光)田村倣訳・ミシェル・フーコー著「監獄の誕生J(新潮社

ふJな

人L

かあ・

修]

-L

9“

5

p

一7f

8

7行[136]

主要な技術家

みずから総承するこの時間規制の

方策を変化させるのである。

ギベールは,ヴオ}パンが最初考

案した射撃時聞の測定を系統的に

着手させた。

各種の命令がごく近距離から包囲

したようになっている。

漸次的な普及

使われる時聞の質を確保すること

も要請されている。

すべての事柄の除去

何であれ緒事をしたり,

いったりすることを

測定され賃金が支払われる時間は

10行[12]

11行[L4]

155頁上6行[l21]

11行[l27]

14行[L29]

17行[1.32]

18行[Lぉ]

犯行[p.l53.L4]

弘行[L司

17行[Ll凶

(法雑.,3)59-3-11

下l行[L5]

l段9行[Ll凶

4行[L33]

1311' [l22]

14行[L23]

14行[l23]

15行[l25]

17行[L28]

151)頁上l行[L30]

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l段3行へ律動 律動[~拍子町thme]

5行[l38] 計画表によって,行為じたいの磨 計画表は,行為じたいの念入りな

きあげが確実に行なわれ,また, 構成を確実に l,行為の展開,行

行為の展開と諸段階とが内部から 為の諸段階を内部から規制する。

規制されるのである。

7行[1.40] 区分したりしていた それに拍子をつけたりしていた

9行[1.41] 綱目 横糸[細かな指示?]

10行[142] ゑ討歯ニ庭面14d長古の図式が規 身体構造的=時系列的枠組み

定されるわけである schema anatomcrchronologiqueが

定義されるのである

12行[p.l54.1.3] 関節の位置は規定され, 関節の位置は明確に定められ,

13行[1.4] 方向と広がりと 方向と幅と

13行[1.4] それらの順序が それらの[時間的]順序が

14行[1.5] それにともなって権力によるすべ それによって権力の綿密な統制が

ての綿密な取締りが。 [身体にしみわたる]。

2段2行[1.7] 取締り 統制

4行日9] その取締りは,効果と速度の その統制は,有効性と迅速性の

下2行[Ll幻 時間の正しい使用を可能にする それによって時間の正しい使用が

可能になる

4行[1凶|無駄であるべきではなしいっさ 無駄であるものはなしいっさい

いは所定の行為の支えを形づくる は求められる行為の支えを形づく

ように定められ るために必要とされ

6行[Ll4]I最小限の身振りがもっ操作上の脈 最小限の身振りの操作上の背景を

絡を形づくる 形づくる

10mLl6] 習慣全体 定型的行動

11行[1.18] 抜かねばならず, 抜かねばならない。

11行[120] 肱を机の上に立てると顎が拳の上 それは,肱を机の上に立てること

にもたせかけられるくらいに,眼 によって,顎が拳の上にもたせか四 |の届く範囲に余裕があるかぎり, けうるようにするためである。

いくぶん前かがみにならなければ もっとも,視界に拳が入ることが

ならない。 可能になら辛ければならない[そ

の程度に顎と拳が離れていなけれ

ばならない]。

17行[1.24]I癖がつくのは健康に最も有害だか 癖がつく以上に健康に有害なもの

らである。 はないからである。

1911'[129] 1机からおよそ指五本分あけておく [この訳どおりの文章と思うが,

(桂雑 '13)5ト .3-12

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田村倣訳 ミシェル・フーコー著「監獄の誕生J(新潮社 1977年)を読む (4) (恒光)

ベl, l次の陥腕は机上で軽く支えるべ

loJと矛盾するように思える。

原書,訳書の図表8参照]

別判157頁上l段I行[1.35] 身体=客体の有機的配置

|身振りの支え同

身体ニ客体[関係]の明確化

l'articulation

2行[国 iつ一つは,規律訓練によって 一つ一つを,規律訓練が定義す

規定される。 る。

3行[1.37] それによって それは,

5行[l37] 組合わせがっくりあげられる。 組み合わせの設計を行なう。

下4行[p.l55,119J 最後には,標準的な連続した脈絡 最後には,標準的な連続を定める。

を定着させ,そこではこうした連 その連続において,これらの連関

関のそれぞれ古判定の位置を占的 のそれぞれが所定の位置を占める

る。 ことになる。

6行[凶J1いわば義務と化した統辞法は, 強制される統辞法syntaxe[=士

法]が,

明示的で

11行[l26J 身体=兵器,身体=道具,身体= 身体兵器,身体一道具,身体

機械 機械[原書では=ではなく が使

われている。]

18行[l31J1この権力には,先取の,よりも総 この権力が,先取の機能[生産物

合化の機能が, (身体の〕所産の の一部を権力が天引きする機能]

強奪の,よりも生産装置(=身 よりも,合成 syn白色聞の機能を,

体〕への強制的関係の機能がそな 生産物の強奪の機能よりも,生産

わるのである。 装置への強制的関係づけの機能を

有する[という性格が現れてく

る]。

l段1行[吋きざる活用

2行[l35J 根本的には消極的であった。 主として否定のもの[否定の面か四

ら見るもの]であった。。

3行[l36J 拒否の原理 否定の原理

311'[I.37J 神によって計算されている, 神によって重要とされ,

158頁上l行[l39J 道徳上の罪 道徳上の過ち

2行[I.38J 除去していなければならなかった。 除去していなければならないとい

うものであった。

4行[l41JIしかも理論上は |理論上は

(法雑 '13)59ー3-13

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6 行[凶~ I尽きざる消費 徹底的な使用

8行[1.42] どんな些細な瞬間の活用をも強化 それは,次のように,どんな些細

するようにしなければならない, な瞬間の活用をも強化するように

という意味であって, 努めなければならない,というこ

とを意味する。

町民lヤ吋悦れても その分割において

Jl行[1.4] ますます細分化される内的な整備 すくなくともますます細かくして

をもってすれば,すくなくとも いく内的な整備によって,人々は,

人々 は,

1狩[1.6][理想的な目標点へ向かいうるかの 理想点へ向かいうるかのように,

ょうである。 である。

17行[1.9] 模倣Lたのであった。 模倣したほどであった。

20行[l.ll] 展開させればさせるほど, 並べれば並べるほど!

下2行[1.15] 全体からして重要となるはずで 全体によって[その後]重要とな

あった。 るべきものであった。

3行[Ll6][六拍子 六動作 [4行の四拍子,十三拍子

も同様に四動作,十三動作]

7行[ロ1] 教師中心教育の線状で 教師中4、教育の単線的で

9fy[l22] そのおかげで,復習監督の生徒や その編成は,復習監督指導員や

10行[1.22] 行なう,対位法のように重なり 行なう別々の作業を,対位法のよ

合った作業が整えられた うに同時平行的に規制した

14行[凶][課される律動が,学習過程を速め 課されるリズムが,学習過程を速

ると同時に速やかさを一つの美徳 めなければならないと同時に迅速

(能力,でもある)として教える 性を一つの美徳として教えなけれ

はずの, ばならないとういう 1

19行[1.32] 速やかさ 迅速性

159頁上1行[p.l57,1.4] 運動作用をいとなむ身体 運動によって影響される身体

HT[I.8] みずから秩序 時間・内的条件・ 種別化された作業,すなわち,独四

構成要素をそなえる種別化された 自の秩序・時間・内的条件ー構成

九 作業を 要素をそなえる作業を

9行[1.14] 効力ある訓育に属する身体 訓育・調教 dressageが有効な身

10mLl4][それは純理的喉械論に属するので それは純理的機械論に属する身体

はなく,そこではその点からして ではない。この新しい身体におい

も, ては,以上のことからして,

14行[Ll剖 i訓練が身体に課されると身体は反 身体に課され,身体がそれに耐え

(怯雑 '13)5ト .3-14

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田村仮訳・ミシェル・フーコー著「監獄の誕生J(新潮社 1977年)を読む (4) (恒光)

援するが,そうした訓練では身体 る訓練においては,身体は,みず

はみずからの本質的な相関作用を からと訓練の聞の根本的な相関主

しめして, をくっきりと浮かび上がらせるが,

[その一方で]

22行ι2叫|与えたいと明瞭に望んでいる姿勢i与えることを明瞭に命じている姿

問[凶l両肩の中央に垂直にすえて,すら 両肩から引き離され,両肩町中央

りと伸ばし, に垂直に置かれ,

下3行[日1] l円〈動いてしまうならば,それと 円環運動するならば,それと同じ

同じ方向に肩の支脈の一方が 方向に両肩のうちの一方が

10行[l認]I銑は人によって右寄りか左寄りに 銃は,ある人々には右寄りに,別

の人々には左寄りに

M行[凶~I開山町 差異があることになる。

l段1行[p.l58,11] どのようなかたちで,分類学およ 分類学およびタプ表ロ一による図示とい

ぴタプ表ローによる図示にかんする同時 う同時代の諾技術のをかに位置を

代の諸技術のなかに位置を占めて 占めてきたことを,以上見てきた。

きたかは,以上見てきたとおりで

ある。

4行[臼1Iだが,さらにわれわれが見てきた しかし, [それだけではなく]そ

のは,その配分技法がそれらの技 の配分技法が諸個人とその多様性

術のなかに,どのようなかたちで, という[規律・訓練に]固有の問

個性ならびに多様性という種別的 題を持ち込んだことも見た。

な問題をもちこんでいたかという

点であった。

活動の統制は,

9行[l6] 実務上のあらゆる研究調査のなか 実際上のあらゆる探究のなかにふ

にふくまれているが,しかし,そ くまれるが,しかし, [それだけ

の装置のなかに種別的な過程を発 ではなく,規律・訓練の技法は]

見しはじめているのであって, その装置のなかに[規律・訓練]四

固有の過程を発見しはじめている。 八

160頁上1行日.8] 有機体としての要求が 有機体[~生命]としての諸要請

iJ'

4行[1.10] 要請されているので, 要請されるが,その際,

51T[1ll] 対照させ明示する 対立させ,明示する

6行[1.12] 権力には,相関的なものとして, 権力は,それに相関するものとし

(法雑 '13)59-3-15

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8 jj'[I.l4] 個人性がともなっている。 個人性を有している。

2段7行[122] 損益 負担

8行[ロ3] 尽力奉仕 お礼奉公

9行[124] 彼らは 4度らには

13行日幻] 依存関係,一定の 依存関係,それは一定の

下l行 細分されているわけではない規約 細かく区分されているわけではな

上の養成期間, い,規約に基づく養成期問。

2行[1.32] 多くの場合に しばしば

411'[1.32] 奉公人の身分関係 奉公人という形式

5行[134] 混ざりこむわけである。 混ざりこんでいる。

6行[134] 定めているが,その学校の目的は, 定めたが,その学校は,親方のも

親方のもとでの徒弟の葺成を とでの[職人の]養成を

間[1初~ I補完間町時補完することを目的と Lていた。

9行[136] まったく別の時間配分計画が含ま [徒弟制度のそれとは]まったく

れているのである。 別の時間配分計画が含まれていた。

15行[p.l59,1.6] 難易差はあれモデルの 難易差はあるが見本の

16行[1η 若干の原理 若干の基礎知識

18行[111] 「初見によって時聞をかけずにj 「見ながら,しかし見本の輪郭を

ただし図柄だけに注目しつつ行な なぞるのではなく」図柄のみを考

わなければならない。 慮して行なわなければならない。

21行[Ll2] 規則的に,生徒は個人別で 定期的に生徒は個人別に課される

22行[Ll3] 練習課題 練習作品 exercices

161頁上1行[1.17] 目下の成績 現在の実力

l段2行[1.24] 支配する 引き受ける

4行[127] 過ぎ申く時の動きを 流れゆく時の動きを

7行[128] 個人の時聞を資本として活用すベ 個人の時間を蓄積すべきか,

きか,

9行[1.30] 利用と取締りが可能なやり方で重 利用と統制が可能なやり方で重ね四 ね合わせるべきか,である。 合わせるべきか,

七 11行[131] 組立てるべきか,である。 組立てるべきか[にかかわる技術

の発展l.である。

13行口弘] 時間を加算して資本化する 時間を加葬して蓄積する

15行[135] もっとも明瞭に きわめて明瞭に

2段1行[13凶 平行的であれ線分に分割し,各人 並列的であれ,分割し,分割され

がその線分の特定な終局にまで達 た時聞のそれぞれが特定の終局に

しなければならない。 まで達しなければならない。

(法雑 '13)59-ー3-16

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田村倣訳・ミシェル フーコー著[監獄の誕生J(新潮社 1977年)を読む(4) (恒光)

4行[1.39] いっしょに扱ってはならず, いっしょに扱ってはならない。

下I行[1.4OJ 開設し( 開設した(

3行[1.42J 創設), 創設)。

4行[1.42J 子供たちを引受けて「祖国に採用 子供たちを採用して「祖国の養子

させ,特定の学校で にL.,特別の学校で

6jT[p.l60, llJ 順次教えこんで, 順次教えてゆくが,その際,

7行[13J 次の段階に移るべきであって! 次の段階に移る。

12行[1.7J 可能なかぎり単純な諸要素のいく 可能告かぎり単純な諾要素を,

つかの連続が,或る増大する複雑 徐々に複雑さを増大させるやり方

さにもとづいて結び合わされるか で[単純な要素から順により複雑

らである。 な要素に並べるやり方でJIIいに

結びつけるという方法をとるべき

である。

14行[1.9JI似かよった反復練習 I [戦闘と]類似の[行動の]反復

練習

17行[1.1幻 一括して増大させる 全体的に増大させる

19行[1l3J {手や足〉 {手や足[ニ手引き])

21行[1.17J 有効な行動をもたらす基礎的な成 少なくとも有効な行動の基礎的な

分を少なくとも構成していて, L. 要素を構成していて,加えて,

かも,

24行[1凶|ーである

162頁上l行[1l8] 部分部分に目標を与えて 部分部分を仕上げるべきである。

すなわち,

2行[1.19] しめくくるべきであり, しめくくるべきである。

3行日20J 水準に達したかどうかの指示, 達したか否かを示すこと,

4行[l22J 能力の区別 能力の差異を示すこと

7行[1.24], 10行[1.27J 最終クラス 第一クラス[最上級クラス]

121T日.30] それが適切なりと判断するならば 面会が必要と判断するならば

14行[I.31J どんなに些細であれ誤ちをおかす いかなる些細な過ち fauteも合格四

場合その兵は不合格とすべL., を拒否するに十分たり,」ノ」、

開[1.3泊!いくつかの系列から或る系列を配 割l練の諸[下位]系列を系1'1)j~L.

置して, て配置する。

刊行[1.3ヤ位階 経歴の長さ,階級

初行[1.36J 分化した役割が与えられ,それぞ 各人の違いを明らかにするという

れの区別には,種別的な訓練が古 役割が与えられ,それぞれの違い

まれる。 は,独自の訓練をもたらす。

(法雑 '13)5トー3← 17

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23行[p.l61,l21 I各個人は,水準ないし位階を削 各個人は,彼の水準ないし順位を

的に規定する,時間中心の系列の 個別的に明らかにしている,時間

なかに組込まれる。 的系列のなかに組込まれる。

下l段2行[1.13] |養成期聞を特定して,成人期間, 養成時聞を特定して,大人の時間,

職業既得期聞から区別1.-, 職を身につけた時間から切り離す。

3行[1l5]I段階的な試験で相互に区別された 難度を上げていく試験によってそ

さまざまの発展段階を計画調整し,れぞれを区別する様々な発展段階

一定期間にそれぞれ展開されるべ を整備する。一定時間内にそれぞ

き計画表, れ実行されるべき計画表,

5行[l.l7]I順次困難となる訓練をふくむ計画 順次難度が高くなる訓練を含む計

表を設定し, 画表を設定する。そして,

6行[1l91I諸系列をたと寄っていく 諸系列[の訓練]を突破していっ

7行日18]I彼らの資格を定める |彼らの資格を定める[ニ評価する

qualifier]

8行[凶|これまでの伝統的な養成を中心と これまでの伝統的者養成の{秘伝

する{手ほどき}の時間(ただひ 的授受}の時間(ただひとりの師

とりの教師が取締って,一回だけ が統制1.-,一回だけの試験で判定

の試験で判定される,ーまとめの される,ーまとめの時間)にか

時間)のかわりに, わって,

11行[12泊|段階的な系列をいくつか持ち込ん 段階的な[時聞の]集合を持ち込

だのである。 んだのである。

l桁[1.2泊|分析本位の一つの教育方法が完全 この上なく分析本位の教育方法が

に形づくられているわけであり, 形づくられたのである。

1桁[胤]Iその由来かければきわめて早す 教育の歴史においてきわめて早い

ぎる時期 時期

163頁上5行[1.32] 文字のちがいを 文字[アルファベット]を

6行[1.32] 文字をひとつひとつ拾い読むこと 語の綴りを言うこと四

(つまり,語の綴りを言うこと)

五 9行[125] 句読点を入れて |句読点かはの句読占のところま

11行[1.37] 写本 手書き本

11行[1.3日] に分けたのである。ところが に分けるべしとする。また,

13行[1.39] 望ましく,たとえば第一クラスに 望ましいとする。たとえば第一ク

は四つの群がふくまれるべきであ ラスは,四つの群に分ける。

り,

(桂雑 '13)59-3-18

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田村倣訳 ミシェル・ 7ーコー著「監獄の誕生J(新潮社 1977年)を読む (4) (恒光)

附 [p.l62,1.1] 1三つの群に分けるべきであろうし,1三つの群に分けるとする。すなわ

ち,

20行[12] 文字を数える 文字数を数える

22行[1.5] などに分かれるのである。 などに分けるというのである。

23行[防] もろもろの構成要素の組合せにお もろもろの構成要素の組合せにお

けるそれぞれの段階は,時間上の けるそれぞれの段階は, (生徒の]

大きな系列のなかに古まれなけれ 精神の自然な歩みであり,同時に,

ばならないのであり,その系列は 教育手段にとっての つの記号

〔生徒の]精神の自然な歩みであ 体系(準則でもある)であるので,

り, 同記時号に体,系教育(手段にとっての それらは,時間上町大きな系列の

一つの 準則でもある) なかに位置づけられなければなら

である。 ないのである。

下 1設4行[1.11] 時聞を厳守した 時間を限定した

HHL11] 区別 分類

5jT[L14] 個々人が自分のたどる系列のなか 個々人がたどった一連の活動のな

で占める水準に かでそ¢個人が占めた水準に

日行[L16] 利用可能なかたちで 利用可能なものとして,

13行[1.20] 時聞の活用に責任をもっ。 時聞の活用を保証する。

2段 1行日21] 線形の 在線的な

6行[1.26] 累積を中心とした 累積を持徴とした

1日買上1行[127] 個人重視の 個人にかかわる

4jT[1.31] 権力の新たな諸技術と相関的であ 権力の新たな諸技術と,

ろうし,

5行[1泣]1時聞の管理と活用における,続分 [時聞を]切り分けて細分化l,

単位の分割や系列化や総合ならび その細分化したものを系列化し!

に総体化などの新たな方法と 総合化・総体化することによって,

時間を支配し,瞬間を有用なもの

にする新たな方法と

13行[1.岨]Iそのころ組立てられているような そのころ作り上げられた しかも四

ーしかも深部で組立てられている 深部で作り上げられたので今日で 四

ので今日でも多くの人に一つの証 もなお多くの人にとって自明の理

拠となっている {進化発展}中 となっているー{進化発展}中心

心の歴史性は, の歴史的なるものは,

16行[1.42]Iおそらくは年代記や血統図や武勲 年代記や血統図や偉業や国王統治

や国王統治や記録などにまつわる や[有名な]文書などにまつわる

{故事来歴=思い出}が長らく権 {歴史=物語り}が長らく権力の

(法雑 '13)59-3-19

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20行[p.l臼.1.4]

l段2行日7]

下2行[LlO]

4行[Ll3]

7行[1.13]

18行[125]

22行[ロ9]

165買上3行[1.34]

7行[1.8]

7行[1.40]

8行[1.42]

11行[p.1仏 U]

13行[1.6]

14行[1.4]

19行[1.8]

21行[1.1凶

下1行[1.14]

2段8行日26]

91"1日25]

16行[p.I65.1.7]

18{j'[I.9]

(法雑 '13)59-3-20

力の別種の様式と結びついてきた

出来事を扱ってきた

個人性=独房もしくは個人性ニ有

機体と同様に,

個々人の配分および独房本位の切

り取り

有機的な取締り

この訓練こそは,反復されもし

終始発展的かつ線形の

児童につきまとい,

心霊修行の技術によってもたらさ

れるものを

生徒の完全化

苦行生活によって計画される

善行

競争試験

集団としては役立つ

生み出すべき方法

逆転しようとするのである。

累積するのに役立ち,こうして

それは完結が絶対におこらない服

従強制を目標にしている。

狙いをあまりつけられない

別種の様式とおそらく結びついて

いた

出来事からなる

個人性=要素的なものもしくは個

人性=有機的なもの[~自然性]

として

個々人の配置および[時聞の]要

素的分割

有機的な統制

この訓練こそは, [場合により]

反復されもし

常に発展的で直線的な

児童を対象と l,

霊魂[救済]上の技術の一部を

生徒の改良

苦行者の生活が定める

皇き品行

競争

集団としては有用な

作り出すことをめざした方法

逆転してゆくことになる。

累積l,このように

それはけっして完結に至らない服

従強制に向かっている。

狙いを定めることをあまり可能に

しない

砦として活用されていて, (恐る|砦として用いられていた。たとえ

ベきスベイン軍歩兵隊}の例が|ば, (恐るべきスペイン軍歩兵隊}

あったD しかもこうした密集部隊!がそうである。こうした密集隊で

での兵たちの配分は Iの兵たちの配置は,

一連の綿密な有機的配置 |ある綾密で分化した活動[集団]

或る配置のかたちに達して特定の|相互にその位置を交換できる多様

成果を入手するために,相互の関|な部品をもった一種の機械装置に

係で移しかえられる多様な部品か|なる。その結果,特定の成果を得

ら成る一種の機械装置に変化する」るための特定の形状をとることが

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田村恨訳 ミシェルーフーコー著「監獄の誕生J(新潮社 1977年)を読む(4) (恒光)

可能になる。

20行[Ll2]Iこうした変化の理由といえば,い こうした変化の理由は何か。いく

くつかは経済的である。 っかは経済上のものである。

1邸頁上問[1同 |有利におこなう 採算に合うようにする

9行[Ll9] 一段とすぐれる占で,個個の兵士 一段とすぐれているために,個人

の水準で火器の力を十分に活用で レベルで火器の力を活用すること

きたのである。だが逆に, を可能にLた。その一方で,逆に,

11行且21]I可能性を生みだし,同時に,以前 可能性を生みだすので,以前より

より著しい隊形移動を招いた。 大きな[兵士の]可動性を呼ぴお

こした[これがないと簡単に撃ち

殺される]。

l桁 [l24]Ilたがって密集戦術をな〈して, したがって[小銃の発明は]密集

そのかわりに,相対的に柔軟で動 戦術を消滅させ,そのかわりに,

的な,拡がった横の列にそって, 相対的に柔軟で動的である列,拡

げられた横の列にそってE

1折叫 技術を生みだしたのである。

17行[l27] 立場の亥更などについての計画的 持ち場の変更について計算されつ

な実務などをそっくり見出す必要 くした実践方法を見つけ出す必要

が生じた。 が生じた。

18行[l29]I要するに,その原則が密集隊形の 要するに,その原則が,密集隊形

動や不動にはもはや存しない一つ の動や不動にはもはや存せず,基

の仕組を見出す,ただし,その基 礎的単位が小銃をたずさえた動的

礎的単位が小銃をたずさえた動的 兵士である分割可能な切片からな

な兵である分割可能な線分につい る一つの劉可学が原則となる,一

ての一つの幾何学を見出す必要が つの仕掛けを発明する必要が生じ

生じたわけである。 たのである。

問 [lおiI向的下向 その兵自身の内部では,

24行日.34] 空聞の断片が取上げられるだろう。 断片的空聞が[新しい技術の対象

となっている]。四

下l段1行[l36] 生産力を組立てる 生産力を構成する

2tT[l37] 総理日をしのがねばならない 総和を上まわれねばならない

6行[p.l66.Ll] こうした増大した生産力を こうした[個々の労働日の生産力

の葬術的和を]上まわる生産力を

6行[ロiI労向学的性能 労働の力学上の能力

7行[l3] 労働の空間的作用範囲を拡大する 一定の空間における労働の作用範

色、 囲を増大するか

(法雑 '13)59-3 型

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2段l行[18] このように このようにして

3行[1.10] 慎重な有機的な配置 考え抜かれた配列

6行日12] それらから それら身体から

3段l行且15] 一つの身体は, 個々の身体は,

3行且1η その身体の特徴である主要な変化 その身体を特徹づける変数ではも

7項-プ目ル,ではもはやない, はゃない。

167頁上1行[1.17] |それは それは[=身体を特徴づける主要

な変数となったのは]

l刊 抑制間隔 i身山間隔

2行[Ll8] 場合の元にある規則正しき りつ 場合の際の規則正しさ・手際良さ

ぱな秩序

4行[1却] 動的な空間部分 動的空聞の部分

5行[ロ1] 兵の特徴を示して, 次のように兵士を特叡づけている。

6行[123] 最大の直径では 最大の直径[=横幅]では

7行[ロ3] 端から端まで兵を考えると約二尺 一方の端[たとえば右側]から他

を占める。 方の端[たとえば左側]までの幅

を測ると約二ピエ[二 64.968

cm]を占める。

8行[1.24]I最大の厚さでは約一尺であり, |厚さを測ると最大で約一ピエであ

り,

9行[125] 間隔のー尺 間隔のーピエ

10行[ロ7] 四方に二尺 四方に三ピエ

11行[128] 正面からも奥行からも,隊伍と同 隊伍の前面においても,中央部に

じだけの歩幅を占めるI。 おいても同じ歩幅で列を組むj。

13行[1.30] この身体=線分は, この身体=部品は,

13行[1.31] それが連結される或る全体の つながっている或る全体の

14行[1.32] 兵の身体は所定の活動のために 以前は兵の身体は特定の活動のた

めに凹

15行[13幻 訓練されてきた 訓練されていた

16行[L34]他ミ多エ向の様水な準山線の分或=ー状る機の構機械の装置の部品

以前とは別のレベルの機構の

23行[p.l67.L4] 多数の部品からなる機械装置のー

部品

下l段2行[L司 ー|各種の時クロ間ノ継ログ起ー上の系列 多様な時系列の集合

3行[L副 引き出せて最も望ましい成果をあ 引き出せて,最も望ましい成果に

げるように結ぴ合わせうるような 結ぴ合わせうるように,

仕方で

(法雑 '13)5少ー-3-22

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田村倣訳 ミシェル・ 7ーコー著「監獄の誕生J(新潮社 1977年)を読む (4) (恒先)

5行[1.7]1他の人の時間に合わされなければ 他の人の時間にぴったり合わされ

ならないのだ。 なければならないのだ。

8行[Lll]Iだが自分がおかれている一連の だが自分のおかれている部品とし

段階的形成や線分状の進化発展い ての発展段階,すなわち形成の段

かんでは異なるやり方で, 階により異在ってくるやり方で,

叩 4!教山ばならず 教えこまなければならない。

12行[1l5] その生活がこの同じ館で終了する その生活は,この同じ館で終結を

と, 迎える。[すなわち,現役を退い

た後,]

1市[1.21]1という主張である。 !というのが[セルヴアンの]欄

である。

21行叶231'f[1.2凶 別の適性をもっ一人前の職工 多くの他の適性ももっ一人前の職

揃[叩 それに加えて老人子供は

168頁上7行[l33] こうした異ことなる時タロ間f経"l-'過ーにか 様々な時系列のこうした調整が最

んする調整が最も精密なものにな も精密なものになることになる。

るにちがいをい。

10行[1.36] 複合的な時聞の仕組は, 複雑な時計は,

11行[1.3伺 組立てるようになる。 組立てられてゆく。

12行[1.38] まずは簡単な見張り,つぎに勉強 まずは簡単な監督,つぎに勉強の

の取締り, 統制,

13行且37] 仕事を託したわけで, 仕事を託した。

15行[1.40] 充当される 当てられる

16行[1.41] 学校は,それぞれの児童,それぞ 学校は,ひとつの学習の装置とな

れの水準,それぞれの時期がみご る。そこでは,各児童,各水準お

とに組み合わされると,それらが よぴ各時期が完壁に結びつくなら

教育の総括的過程のなかで永久に ば,それらは,教育の総合的な過

活用される,学習の装置となるわ 程において,常時活用されるもの四

けである。 となる。。

20mp.l68, 1.3] こうした進歩の規模 この進詳の大いなる意義 mes町e

下1段2行[llO] 精確な 明確な

3 m 1.12] 簡潔さと明瞭さからその効果が生 簡潔さと明瞭さにその有効性が立

じる 脚している

4行且11] 時間の区切りをつけて 区切りをつけて

6 m 1.14] 所定の行動へのきっかけを与えね 求める行動へのきっかけを与える

(法雑 '13)59-3一泊

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ばならないが, ものでなければならないが,

12iT[1.19] それぞれの信号には, それぞれの信号に,

14行[L18] 身体を配置することであって, 身体を対置することである。

14行[1.20] 「すべての点で専制的に,どんな 「専制的に,どんなに些細な表象

些細企表象をも,そしてどんなに [連想問:pr,出祖国包on?]をも,そ

僅かな不平をも拒否するj してどん在に僅かな不平をも完全ド訓レツ母←育ジユの

に排除する」訓育・調教の

附担]I生向育も 生徒の訓育調教も

169頁上4行[1.301 命令の技術をも服従の道徳をも合 命令の技術と服従の道徳を合わせ

わせもたねばならなかった。 もつことになっていた。

5行[1.32] 一挙に 一打ちで

8行[1.お] 中止させたいたびに, 中止させたいときはいつでも,

10行[1.39] 自分の名前を呼ぶ神 その,教師と名乗っている神

14行[1.41] 習得してしまい, 前もって習得し,

2日行[p.169,1.9] そうした注意を受けたのちも子供 読み直しの注意を受けたにもかか

が,まちがって発音した語よりさ わらず,子供が,まちがって発音

らに先までいくつかの語を読み進 した語よりさらに先までいくつか

めてしまっているから元のまち の語を読み進めている場合,

がった語を読み直さない場合,

下2行日 13] 反応を必要とする 反応を要求する

3 iT[1.12] 行動規制 行動統制

7行[1.16] 音を立てながら置き, 音を立てて置き,

l段4行[1.26] 独房的であり, 要素的であり, [訳書l印頁上7行

(原書 p.l58,L14)にも同じ表現]

9行[日1] マ操ヌー練ずル 操作法

170頁上l行[1.34] 能力などを 誇能力を

1行[1.34] そこでは各種の力の所産をそれら その仕組において各種の力による

力の計画的な組合せによって増大 生産をそれら力の計揮され尽した四

させる技法であって, 組合せによって増大させられる技。九法であって,

7 iT[p.l70, 12] 一般的基礎 一般的土台

10行[1.7] 一分野にほかならないが, 一分野にすぎないが,

13iT[Lll] しかも多数のものを使いこなす しかも多数を操縦する

16行[L13] なぜならばそれはこうした知識す なぜならこうした知識すべて¢集

べての集まりであり,その集まり まりこそが先の軍事活動を

がこうした動きを

(法雑 '13)59←3-24

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田村倣訳 ミシェル フーコー著「監獄の誕生J(新潮社 1977年)を読む (4) (恒光)

21行[Ll6] 概念を 考え方 ideeを

下4行[1.26] 完壁な軍隊 完壁な軍隊装置,すなわち

6行[1.27] 密集部隊 大集団 [165頁下2段 5行の密集

部隊と同じ詩 ma田eであるが,

「密集部隊という物理的モデルを

すてきることJ(同 5行)が17世

紀末以来課題になったのであるか

ら,密集部隊の語ではなく大集団

の語を選択した]

4行[126] 装置を活用する努力 装置を利用する試み

8行[1.29] 市民の平和 囲内の治安

18行[1.41] 人口勢力 人口数による力

18行[1.40] さいの基盤たる, さいに用いられる,

21行[p.l71,1.1] 規制が加えられる場合に, 統制が加えられる場合に用いられ

る,

間[1.ヤ事{般} 軍事〈的なもの}

171頁上l行[日] 戦火の響き (rうわさ」でもある) 戦火の響きと,

とのあいだの,

3行[1.5J それぞれの交叉点 交叉点

3行[1.7] 完壁な理想、社会 完壁な社会

511'[1.9] 他方さレ関らフJ連にLラ枠, シス

[削除]

6行日.9] それの は それが基本的に依拠するものは

8行[I.ll] 原始的な契約 原初契約

日行[Ll2] 強制権に 強制に

9 jT[1.l3] 盤限に発展的な訓育に 限りなく段階的な訓育に

l段2行日16] 私が述べる国家は, 私が描く国家は,

3行[1.17J あまり複雑でないばね仕掛でもっ その固まは,巨大な機械に似るだ

て著しい効果をあげるあの大規模 ろう。そんなに複雑でないぜんま

な機械に似なければなるまい。 いによって大きな効果をあげる機四

械に。ノOl

7行日却] 時聞が 時期が

8行[1.21] 信じこませる 思いこませる

1011'[123] しかもその体制とともに,それ以 その体制とともに,この国家形態

上に生命を保つようになるこの固 も到来する。そして,この国家形

家形態の到来は遠くはないのであ 態は,ナポレオン体制以上に生命

り, を保つことになる。

(法雑 '13)59-3-25

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13jJ[125] Iさらには兵士であり 兵士でもあること 1

下l行[ロ:6] 国政参議と下級官吏であり,法律 コンセイユ デタの評定員だけで

の人と陣営の人であった占である。 はなく下士官でもあり,法律の人

だけではなく戦場の人でもあった

点である。

3 行[四~ Iト マ 帝 ー 示 関 連 ローマ帝国への依拠

7行[1.33] 規律訓練を旨とする技術家たち 規律訓練に関する技術者たちは,

は,個人および集団にわたっての 身体の個人的・集団的強制のため

身体への強制権のための諸方式を の諸方法をつくりあげていたので

みがきあげていたのである。 ある。

146頁下15行原(注~~ I序文をもとにして, |序論において,

[p.l42, 2]

161頁下附~一州問闘れけ加 「以上のほか水泳と格闘をつけ加

[p.lω" 3] えるなら,一段とすぐれたものに えるとしても,よりすぐれたもの

なる,実際こうしたすべてをもっ になるだけである。実際こうした

てすれば兵はより強壮,より器用 すべてをもってしても兵はより強

となるからであるん 壮,より器用となるだけである」。

165頁上15行 (45) ふたたび用いて,そこに箪事モデ ふたたび用いた。軍事モデルをふ

[p.l64, 1] Jレをふたたび導入した。 たたび導入したことになる。

166頁上22行 (49) 一定の高度の或る前線全体におい あらゆる前線と若干の高地におい

[p.l65, 3] て, て,

166頁下12行 (50) 総和 算術和

[p.l66, 1] 同ーの不分割の作業 一つの共同作業

四O七

(法雑 '13)59-3-26