美術文化専攻 1 2 3 4 - hokkyodai.ac.jp ·...

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多様化する芸術表現に対応する 4 つのコースを設定。 確かな技術と諸問題を切り拓く 構想力を有する表現者、 また幅広い視点から美術に精通し 美術文化を地域社会に広め、 美術による地域の活性化を 促すことのできる人の育成を 目指しています。 北海道教育大学 教育学部 芸術・スポーツ文化学科 18 1 年次 2 年次 3 年次 4 年次 大学で学ぶための 基本をマスター デッサンや着 彩 画などの基 礎や、幅広い入門科目により、 大学で学ぶための基本を修 得しながら自分の目指すジャ ンルを探ります。 専門の入り口、 基礎的内容の修得 研究室に所属し、自分のコー スにおける基礎を修得します。 加えて興味のある他コースの 基礎も学ぶことができます。 少人数体制による 実技能力の育成 専 門を深く理 解するための 理 論や演習を学びます。各 分 野 少 人 数 体 制で、個々 人に対 応したきめ細やかな 指導を行います。 卒業制作・卒業論文 に向け、総仕上げ 専門科目をより高度に学び、 社会でも通用する能力を身 につけるとともに、卒 業 制 作 や卒業論文に取り組みます。 総合造形 絵画・彫刻における歴史的経緯を踏まえ、両分野の概念及びその 表現が現代美術においてどのような展開を見せているのかの講義 と制作体験をします。 工芸Ⅰ 3分野ある工芸の基礎的授業として各種手道具や電動工具、技 法を用いた加工を行います。木材工芸では北海道の自然の恵み を活かし、道産材を使った木の器などを制作します。 アニメーションⅠ 紙、布や、プラスティックの板などの素材を切り抜いて作った平面的 な人形を、少しずつ動かしながら撮影する「カット・アウトアニメーショ ン」に挑戦します。 現代美術論・ 美術館学演習 この 授 業 は 国 際 的 な 造形作家である川俣正 との 地 域における現 代 アートプロジェクトや、道 立美術館との連携活動、 アール・ブリュット展覧会 の実施など、美術と社会 を繋ぐ体 験を通して、美 術文化の可能性を探求 し、アートマネジメント手法 を学びます。 美術文化専攻 19

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Page 1: 美術文化専攻 1 2 3 4 - hokkyodai.ac.jp · 1年次には美術・デザインについての基本的な思考 や表現への総合的な理解を「美術・デザイン文化基

美術文化専攻

多様化する芸術表現に対応する

4つのコースを設定。

確かな技術と諸問題を切り拓く

構想力を有する表現者、

また幅広い視点から美術に精通し

美術文化を地域社会に広め、

美術による地域の活性化を

促すことのできる人の育成を

目指しています。

北海道教育大学 教育学部 芸術・スポーツ文化学科

18

1年次 2年次 3年次 4年次カリキュラム

大学で学ぶための基本をマスター

デッサンや着彩画などの基

礎や、幅広い入門科目により、

大学で学ぶための基本を修

得しながら自分の目指すジャ

ンルを探ります。

専門の入り口、基礎的内容の修得

研究室に所属し、自分のコー

スにおける基礎を修得します。

加えて興味のある他コースの

基礎も学ぶことができます。

少人数体制による実技能力の育成

専門を深く理解するための

理論や演習を学びます。各

分野少人数体制で、個々

人に対応したきめ細やかな

指導を行います。

卒業制作・卒業論文に向け、総仕上げ

専門科目をより高度に学び、

社会でも通用する能力を身

につけるとともに、卒業制作

や卒業論文に取り組みます。

ピックアップ授業

総合造形

絵画・彫刻における歴史的経緯を踏まえ、両分野の概念及びその

表現が現代美術においてどのような展開を見せているのかの講義

と制作体験をします。

工芸Ⅰ

3分野ある工芸の基礎的授業として各種手道具や電動工具、技

法を用いた加工を行います。木材工芸では北海道の自然の恵み

を活かし、道産材を使った木の器などを制作します。

アニメーションⅠ

紙、布や、プラスティックの板などの素材を切り抜いて作った平面的

な人形を、少しずつ動かしながら撮影する「カット・アウト アニメーショ

ン」に挑戦します。

現代美術論・美術館学演習

この授業は国際的な

造形作家である川俣正

との地域における現代

アートプロジェクトや、道

立美術館との連携活動、

アール・ブリュット展覧会

の実施など、美術と社会

を繋ぐ体験を通して、美

術文化の可能性を探求

し、アートマネジメント手法

を学びます。

美術文化専攻

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Page 2: 美術文化専攻 1 2 3 4 - hokkyodai.ac.jp · 1年次には美術・デザインについての基本的な思考 や表現への総合的な理解を「美術・デザイン文化基

美術・デザインコース 油彩画/舩岳 紘行 現代美術・平面表現/末次 弘明現代美術・空間表現(彫塑・立体造形)/坂巻 正美プロダクトデザイン/前田 英伸 イラストレーション/大西 洋

美術の中心的な領域を学ぶ

作家、教育者、デザイナーなど多方面で活躍

 ファインアートからデザインまでの幅広い学びをベースに、地域社会における美術の意義、役割を学んだ学生達は様 な々進路を

目指します。卒業後は本コースで身につけた深い教養、知識を活かし、指導者を始め、各種デザイナー、作家、一般企業など多方

面で活躍しています。

 絵画、彫刻、デザインといった美術の中心的な領域

を学ぶコースです。これらの領域の伝統的造形から現

代的な表現まで幅広く学ぶことができます。現代は造形

の概念も大きく広がっています。その広がりの中で、美術

とデザインに関わる未来の表現者、発信者を目指しま

す。

1研究室2~4人のきめ細かい教育で、学生それぞれの個性を伸ばします。

美術とデザインに関わる未来の表現者、発信者を目指す

 1年次には美術・デザインについての基本的な思考

や表現への総合的な理解を「美術・デザイン文化基

礎」等の講義を中心に習得します。2年次には実制作

を行う体験的な学びにより経験値を高めます。2年次

前期から各研究室への仮所属を経て、後期より本所

属となり、教員と近い距離できめ細やかな指導を受ける

ことができます。3年次以降は演習を中心とした授業に

より、研究室において各学生の個性を活かし、専門性

の向上と技術・知識のスキルアップにより表現の幅を広

げます。

「多角的な学び」と「高度な専門性」の共存

油彩画制作風景

ヴィジュアルコミュニケーションデザイン実習風景

北海道教育大学 教育学部 芸術・スポーツ文化学科

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書画・工芸コース 書表現・書教育/青木 英昭(空豁) 日本画/羽子田 龍也木材工芸/阿部 吉伸 金属工芸/佐々木 けいし 染織/竹田 園子

時空を超え、輝く日本文化の表現者に

古きを温め、新たな創造性を社会で活かす

 このコースのキーワードである「伝統的な日本の美術・工芸文化」をベースに、新たな表現や素材の魅力を学んだ学生達は

様 な々進路を目指します。卒業後は本コースで身につけた確かな知識や技能を活かし、指導者をはじめ、各種関連施設の職員、

作家、企業など多方面で活躍しています。

 書画工芸とは、長らく日本の美術形態を示してきた

言葉で、世界の多様な美術ジャンルが交錯する昨今、

「日本らしさ」が新たな価値を持ち始めています。今の

時代だからこそ我々の大事なルーツである日本文化か

ら学ぶことは重要な意味を持ちます。このルーツを再発

見し、活かすことで、次世代の表現者を目指します。

書画・工芸は一日にして成らず。確かな技術力と表現力を早い時期から培います。

私たちのルーツを再発見、新たな表現を発信

 1年次には書・日本画・工芸について学ぶ「書画・工

芸文化基礎」等の講義により日本古来より伝わる表現、

技法、素材など基礎的知識を幅広く習得し、2年次に

は実制作を行うプログラムの中で経験値をさらに高め

て行きます。1年次の後期から各研究室への仮所属を

経て2年次から本所属となり、教員と近い距離できめ細

やかな指導を受けることができます。3年次以降は演習

を中心とした実践的な講義により、各分野における専

門性の向上と総合的な知識、技能を高めつつ学生の

個性とセンスを磨き、豊かな表現力を身につけます。

丁寧な指導のもと、確かな技術とセンスを磨く

日本画演習にて箔貼りの実践

金属工芸演習にて溶接の実践

美術文化専攻

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Page 3: 美術文化専攻 1 2 3 4 - hokkyodai.ac.jp · 1年次には美術・デザインについての基本的な思考 や表現への総合的な理解を「美術・デザイン文化基

メディア・タイムアートコース メディアコンテンツ/三浦 啓子 映像/伊藤 隆介アニメーション/倉重 哲二

メディアを多角的にみつめ培う新たな表現力

培った力は多彩な方向へ

 本コースでは、時間軸をもった表現やインタラクティブな表現など、現代のメディアに関わる表現について学び、その力は様 な々進

路に向かいます。本コースで身につけた深い教養と知識を活かし、作家を始め、放送業界、ゲーム業界、広告業界、一般企業の

広報部門など多方面で卒業生は活躍しています。

 新しい媒体(メディア)を活用して現代的なテーマや

感性を表現する「メディア・アート」。「映像」「アニメー

ション」に代表される「時間軸」を持った表現の「タイ

ム・アート」。双方を横断的に学び、次 に々生まれる新た

なテクノロジ(道具)を使いこなし、新たな表現を提案す

る開拓者を目指します。

技術体系の知識をベースに多層な次元の表現で、

これからのメディア表現を探求します。

多様な視点でテクノロジを捉える

 1年次には「メディア・タイムアート文化基礎」等の講

義により本コースの基礎的な知識を習得し、制作の上

で欠かせないデジタルメディアの基礎演習を行います。

2年次には実習による体験的なプログラムが用意され、

実践的な経験値を高めます。2年次の前期から各分

野への仮所属を経て、後期から本所属となり教員と近

い距離できめ細やかな指導を行います。3年次以降は

各研究室での演習を中心とした講義により、学生の個

性を活かした指導を行い、時代を見据えた専門性の

向上と豊かな表現力と知識、技能を持った人材を育

成します。

ディスカッションを重ねて、実現力を培う

展覧会にてインタラクティブな仕掛けを入れた展示

プロの映像スタッフを交え4K機材等を使用した映画製作

北海道教育大学 教育学部 芸術・スポーツ文化学科

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美術文化教育コース アートマネジメント美術/三橋 純予 美術教育/阿部 宏行芸術学/一條 和彦

美術文化と社会をつなぐ創造的な人間を育む

文化や芸術を創造し豊かな社会を育む

 本コースで芸術学からアートマネジメント、美術教育等、地域社会における美術との関わりを横断的に幅広く学んだ学生達は

様 な々進路を目指します。卒業後は身につけた深い教養と知識を活かし、美術の魅力を広めるべく教育者や学芸員、各種企業

総合職などで活躍しています。

 「美術文化と社会をつなぐ指導者」育成を目的とし、

アートマネジメント、美術教育、芸術学に関する専門理

論を学び、美術館や教育現場、地域連携事業を通し、

豊かな人間力や企画力を育てます。美術文化専攻他

コースの実技の履修とともに美術教員免許や学芸員・

社会教育主事の資格取得ができ、美術を総合的に

学ぶことができます。

美術文化と社会のかけ橋となる人材を育む

 1年次には「美術文化基礎」等の講義により美術

全般・社会を見据えた美術教育等の基礎的知識を

習得します。2年次には「美術史」「美学」の講義を通

してさらなる知識を高めます。2年次の前期から各研究

室に所属し専門的な講義が始まり、教員と近い距離で

きめ細やかな指導を受けることができます。3年次以降

は演習を中心とした体験的で多彩な講義により豊かな

知識と経験を身に付け、地域で美術文化が果たす役

割や社会との関わりについて幅広く学ぶことができます。

豊かな社会の創造を目指し、専門性を磨くとともに、

多彩な講義を通して幅広く学びます。

探究する心を多彩なカリキュラムで育む

美術指導に関連した小学校での実習

アートマネジメント美術ゼミと道立近代美術館の連携活動

美術文化専攻

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