環境思想と環境倫理 - 福島大学a067/envplan...lovelock berg sale devall sessions macy fox...
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環境思想と環境倫理
環境文化論第8講 Jan.06, 2012
１．環境思想と環境倫理の系譜２．自然の保護・保存と保全の思想３．全体主義的思想と原子論的思想４．生態学的思想と批判５．地球の閉鎖系空間としての倫理
福島大学共生システム理工学類 後藤 忍
１．環境思想と環境倫理の系譜
２．自然の保護・保存と保全の思想
３．全体主義的思想と原子論的思想
４．生態学的思想と批判
５．地球の閉鎖系空間としての倫理
環境思想と環境倫理
環境思想と環境倫理の誕生
産業革命以降、西洋社会においても、特に原生自然の重要性を訴えたり、その保全や保存を求める考えを提唱する人物が現れるようになった。
同時期に、進化論や生態学など学問分野が発展し、人間と自然の関係や自然そのものに対する認識に影響を及ぼすようになった。
環境問題が発生し、また宇宙開発が進んで地球の有限性が認識されるようになる1960～70年代に、様々な環境思想・環境倫理が生まれた。
これらの時代に生まれた思想・倫理は、現在も世界的に大きな影響を与えている。
1800
1900
1960～1970年代
1980～1990年代
生態学関連事項
政治的エコロジー
動物愛護運動
反解剖運動
動物開放論
動物の権利
森林管理思想
土地倫理
Leopold
全体論的環境倫理学
自然物の当事者適格
ガイア仮説
ディープエコロジー
ディープエコロジー
生命地域主義
超越主義
ロマン主義
エコロジー概念
エコフェミニズム
ソーシャルエコロジー
宇宙船地球号
世代間倫理
Pinchot
MartinEmerson
Thoreau
Muir Swallow
Singer
ReganCallicott
Stone Naess
Lovelock
Berg
Sale
Devall
Sessions
Macy
FoxBookchin
Griffinn
Merchant
King
Mellor
Shiva
Hardin Commoner
Fuller
Bording
Shrader-Frechette
Carson
救命艇の倫理
Lynn WhiteJr.
Taylor
Passmore
生命中心主義
ディープ・ソーシャル・エコロジー
ソーシャル・エコフェミニズム
先住民思想
道徳的多元主義
スチュワードシップ
キリスト教批判
対立①
対立③対立⑤
対立⑥
対立⑦
環境思想の系譜年代
1700
Darwin
『種の起源』進化論
Lloyd
Trol景域生態学
MacArthor&Wilson
Wilson&Peter
種平衡説
Soule&Wilcox
保全生物学
生物多様性
Neumann
ゲーム理論
共有地の悲劇
生態系
進化的に安定な戦略
Dawkins
利己的な遺伝子
Heckel
生態学
Tansley
ビオトープ配置の原則
Diamond
Smith
共生関連
’89エコポリス
’90EECONET
’92生物多様性条約
’71アメリカ国立公園
’31 日本国立公園法
’94環境基本計画に｢共生｣
’72 自然環境保全法
’87自然生態観察公園
保全生態学の発展
生物多様性の保全
倫理概念の拡大
対立②
対立④
symbiosis登場
’23 椎尾｢共生｣を使用
’93エコシティ
’93環境基本法
環境思想と自然の価値認識の大まかな流れ
人間中心主義
人間非中心主義
生命中心主義
直接的利用価値
間接的利用価値
倫理的価値
使用価値
内在的価値
本質的価値
生態系中心主義
環境思想の展開 自然の価値認識
環境思想の系譜と生態学関連事項
環境思想へ影響を与えた生態学関連事項 Heckelによって1869年に生態学（ecology）が提示され、
Tansleyによって1935年に生態系（ecosystem）の概念が提示されたが，これらは「保全派」の論理として，Pinchotの森林管理思想の基礎となった
→自然への科学的管理を可能にする
Leopoldの土地倫理（land ethics）も，Darwinの進化論や生態学等の科学的知見から影響を受けている。
共有地の悲劇やゲーム理論がHardinの救命艇の倫理へ影響している
環境思想の展開から生物多様性保全へ倫理対象の拡大により人間中心主義から生命中心主義へと移行 →保全生態学の基礎
保全されるべき対象として生物全体を意味する生物多様性の概念の誕生
環境思想の対立軸 「保全－保存」：
人間の自然に対する働きかけを認めるか否かの軸．
「原子論的－全体主義的」：権利の所在として個体を重視する立場と全体の利益を優先させる立場の軸であり，生命倫理と環境倫理の対立としてもあらわれている．
「生物的－社会的」：環境問題の根源を人間の社会的要素に見出すか否かに関する軸で，「生物的原則」が適用できると捉えるか，人間の「社会性」により単純には適用できないと考えるかの違い．
「男性的－女性的」：ディープ・エコロジーとエコ・フェミニズムに特徴的なもので，ディープ・エコロジーにみられる原生自然重視の風潮や男性主義的な価値観，処女性の強調等に対してエコ・フェミニズムが批判する形をとる．
環境倫理への批判 生命中心主義に対して
これを認めるならば、人間は生きていくために生物を殺すことができなくなる。
あらゆる区別をなくして、すべての生物を均しく配慮するなどできない。
生態系中心主義に対してこの場合の生態系はどんな生態系なのか？「生態系を守れ」と主張する場合も、「現在の生態系を守れ」と主張する以外にはない。これは「現在の生態系への偏愛」以外の何ものでもない。
多様な生物種の保存もそれが結局は人間の生存可能性につながるからであり、人間中心主義から脱却していることにならない。
普遍主義に対して環境倫理学自体も、欧米中心主義の普遍主義を免れておらず、多様な倫理観・価値観に共有可能なものとなっていない。
１．環境思想と環境倫理の系譜
２．自然の保護・保存と保全の思想
３．全体主義的思想と原子論的思想
４．生態学的思想と批判
５．地球の閉鎖系空間としての倫理
自然保護運動の誕生と超越主義 自然保護運動の誕生
18世紀の啓蒙主義（Enlightenment）の時代には，人間の自然への支配はむしろ称揚されていた。
原生自然（wilderness）でさえ，人間によって秩序づけられ，征服，管理
されるべきものと考えられていたため，森林は伐採され，野生生物は大量に殺戮され，多くの種が絶滅していった。
自然保護ということが話題になり，議論の対象となったのは19世紀になってからである。
ロマン主義と超越主義
啓蒙主義や産業革命への反動として，自然の全体性，人間と自然との一体性を説く思潮が，ロマン主義（英語：romanticism, ドイツ語：Romantik）の思潮という形で姿を現した。
すでに都市化された人たちの失われつつある「自然」を回復しようとするものであり，アメリカにおいてはRalph Emerson（1803～1882）やHenry Thoreau（1817～1862）の超越主義の思想が生まれた。
超越主義（transcendentalism）とは、有限な存在の中に神的なものの内在を認め、神秘的汎神論の要素をもった考え方のこと。
Ralph Emersonの自然認識 Ralph Waldo Emerson
Ralph Waldo Emerson（1803～1882）は、アメリカの思想家、哲学者、作家、詩人、エッセイスト。
18歳でハーバード大学を卒業し21歳までボストンで教鞭をとる。 その後ハーバード神学校に入学し、伝道資格を取得し、牧師になる。
ボストン郊外のコンコードに住み、文学評論で自然に対する精神的／宗教的な関係について理想主義を唱えた。
Ralph Emersonの自然認識 「自然は魂と対をなすものであり、その部分
部分が魂に対する応答なのである。一方は印章であり、他方は押印されてできる跡である。自然の美は彼（人間）自身の心の美である。自然の法則は彼（人間）自身の心の法則だ。」
「最も多くのことを知っている人、地下にどんな素敵なもの、役立つものがあるかを知っている人、海や川、植物、天界を知っている人、これら魅惑的な事物に近づく方法を知っている人は、豊かで高貴である。」
Ralph Waldo Emerson（1803～1882）
Henry Thoreauの自然保護認識 Henry Thoreauについて
Henry David Thoreau（1817～1862）は、アメリカの作家、思想家、詩人、博物学者。
ハーバード大学卒業後、家業の鉛筆製造業、教師、測量の仕事などにも従事したが、生涯を通じて定職につかず、自然の中での生活をもとに、自然文学の著作を多く記した。
Ralph Emersonらとも親交を結んだ。
Henry Thoreauの自然保護認識 産業革命に伴う自然破壊に対する解決策として、
社会が団結して「国家的な保存地域」をつくり出し、「学習とレクリエーションのための恒久的な共同財産」にすることなどを提案した。
それらの土地が、例えば森林地帯であれば、木を伐採するのではなく、「より高い目的のために立木のまま腐らせるべきである」と保存の倫理を提案した。
私有の森林地の管理には、「森林保護管が町によって指名されるべきだ」と考えていた。
Henry David Thoreau（1817～1862）
ここで問題①
世界で，環境保護運動に影響を与えた批判的な考え方と行動に関係のある重要な人物について記した書籍J.A. Palmer著“Fifty Key Thinkers On The Environemnt”（邦訳：『環境の思想家たち』，みすず書房，2004）では，古代から現代に至る中で，50人の環境思想家（と
位置づけられる人）が紹介されていますが，その中で日本人が一人含まれています。それは誰でしょうか。
（参考：南方熊楠ではありません）
John Muirと自然保護活動 John Muirについて
John Muir（1838～1914）は、アメリカの初の自然保護論者（preservationists）の1人。スコットランド生まれで，のちにアメリカに移住した。
福音主義長老教会の厳格で熱狂的な信者であった父親から厳しく宗教の教えを受けたが、その反発もあって、正式な宗派には一切加わらなかった。
John Muirの活動 カリフォルニア州のSierra Nevada 山脈に
おけるYosemite渓谷の原生自然の美しさに魅せられ、この地域を自然保護地域にすべく活動を展開した。
その成果として、1890年にヨセミテ国立公園（Yosemite National Park）が設置された。
1898年には、環境保護団体であるシエラ・クラブ（Sierra Club）を設立した。
自然保護を推進するため、当時のルーズベルト大統領をはじめとして重要人物をSierra Nevada山脈に案内した。これが、保護地域の拡大等につながった。
John Muir(1838～1914)
Muirの思想「世界は人間のために特別に作られたものであるとわれわれは教えられてきた――これは事実に合わない勝手な想定である。・・・なぜ人間は自分を、単一体である偉大な創造の小さな一部分以上のものだと評価するのであろうか。そして主がわざわざ作り給うた全被造物のなかのどれが、あの完全な単一体――コスモス―― にとって不必要なのであろうか。われわれの自惚れに満ちた眼と知識を越えたところに住む、顕微鏡でも捉えることのできない最小の生物でさえも、それを欠けば、宇宙は不完全であるだろう。植物はあいまいで不確かな感覚しかもたず、鉱物は感覚をいっさいもたないと信じられている。そして、われわれ人間は他のものには不可能な完成した状態にあると、何の疑いもなしに信じているけれども、鉱物に分類されるものも、われわれがどのようにしてもそれとコミュニケーションをもつことができないような特別の感覚を与えられているということは、ありえないだろうか？
だが、教会的な情熱と目を眩ませるものを離れて、私は喜んで自然の永遠不滅の真実と永遠不滅の美に立ち戻ろう。」
（Handbook of Nature-Studyより）
ヨセミテ国立公園 アメリカの国立公園
開拓前の原生自然や先住民の生活を守るためにつくられた制度。
1871年にYellow Stoneが 初の国立公園として指定された。
ヨセミテ国立公園とは アメリカ合衆国カリフォルニア州中
央部マリポサ郡及びツールム郡にある自然保護を目的とした国立公園。面積3,082.83km²。
先住民の言葉でグリズリーベアを意味するヨセムミティが変化したものという説が一般的。
1864年、州立公園に指定。
1890年、国立公園に指定。
1984年、ユネスコの世界遺産（自然遺産）に登録される。
ブラックベアや、アライグマなどの哺乳類が約100種類、鳥類が200種類以上生息している。
森林管理思想 森林管理と「保全」概念
アメリカ農務省の森林局（United States Forest Service ）の初代長官だったGifford Pinchotが提示した、森林の利用に関する考え方。
1901年からルーズヴェルト大統領の下で、公有地の天然資源管理の重要な役割を担った。
功利主義的な観点から保全（conservation）の考え方を自然資源に適用した。保全論者（conservationists）とも呼ばれる。
自然保全の基準として「 大多数の 長期間の 大幸福」を考えた。
Gifford Pinchot(1865～1946)
「保全」と「保存」の対立 Hetch Hetchy渓谷でのダム
開発 サンフランシスコ市がヨセミテの
Hetch Hetchy渓谷に、水資源確保と水力発電のためのダムを建設することを計画し、1908年に政府がそれを受理したことを巡って始まった論争。
「保全」と「保存」の考え方が対立した象徴的な事例として知られる。
MuirとPinchotの対立 Muirは原生自然に手を入れるこ
とに反対する「保存」派として活動した。
Pinchotは、適切な管理をしながら賢明な利用をしていくという「保全」の基本原則に則り、建設を認める立場をとった。
論争は、1913年に建設が認められることで決着した。
Hetch Hetchy渓谷（上：水没前、下：現在）
１．環境思想と環境倫理の系譜
２．自然の保護・保存と保全の思想
３．全体主義的思想と原子論的思想
４．生態学的思想と批判
５．地球の閉鎖系空間としての倫理
Aldo Leopoldと土地倫理 Aldo Leopoldとは
Aldo Leopold（1887～1948）は、アメリカの森林官、野生生物生態学者、環境倫理学者。
森林官をしていた当初は、Pinchotが提唱した森林管理の考えに基づき、スポーツハンティングのための鳥獣管理に従事していたが、実際にオオカミを駆除した経験や、それに伴うシカの異常繁殖／激減といった現象を見た経験から、人工的な管理に失望し、次第に生態系の保存へと考え方を転換していった。
死後1年経った1949年、彼の息子により出版された『砂の国の暦（A Sand County Almanac）』という著書の中で、土地倫理（land ethics）の考え方を提示し、後に大きな影響を与えた。このことから、 環境倫理学の父とも呼ばれている。
Aldo Reopold(1887～1948)
土地倫理とは 土地倫理とは
今までの倫理が機能していた共同体の枠を，土壌，水，植物，動物までをもひとまとめにした「土地（land）」に拡大し，「土地」という生命共同体の全体の安定や美観の保護を重視した考えのこと。
次の言葉に要約される。
「あるものは、それが生物共同体の統合、安定、美を保つ傾向にあるならば、正しい。反対の傾向にあれば間違っている。」
"A thing is right when it tends to preserve the integrity, stability, and beauty of the biotic community. It is wrong when it tends otherwise.“
レオポルドの思想は，『砂の国の暦』出版直後はほとんど関心にとまらなかったが，その後全体論的な倫理体系の構築を目指すCallicottやディープ・エコロジーを提唱したNæss，倫理の進化概念をもとに自然物への倫理の拡大を行ったStoneなど，様々な思想家によって再評価され，新たな思想の展開へ影響を及ぼしている．
A Sand County Almanacの表紙
Baird Callicottと全体論的環境倫理学
Baird Callicottとは
Baird Callicott（1941～）はアメリカ・
テネシー州生まれの環境倫理学者。哲学者。
1971年にUniversity of Wisconsin-Stevens Pointにおいて、世界 初の環境倫理学の授業を行い、1979年にこの分野の専門誌を世界で初に発行した。
Aldo Leopoldの土地倫理の擁護者
として知られる。土地はそれ自身が内在的な価値をもつと論じており、「生態系中心主義者」とも呼ばれている。
Baird Callicott（1941～）
ここで問題②
Callicottは、全体論的な環境観をもっている
事例として、ある社会の世界観を取り上げて、環境に対する態度と倫理に関する理論があることを論じていますが、それはどの社会でしょうか。
ヒント：次回の講義内容
Christopher Stoneと自然物の当事者適格 自然物の当事者適格とは
適切な人間が代理人になることによって、森や海、川などの自然物が法的権利を主張することができるとする考え方。
1960年代、 Sierra Nevada 山脈ミネラルキング渓谷にウォルト・ディズニー社がリゾート施設をつくるという開発計画が持ち上がったとき、反対運動を進めていたシエラ・クラブの訴訟が1970年に却下されたのを受けて、アメリカの法学者Christopher Stoneが1972年に「樹木の当事者適格＝自然物の法的権利について」を執筆した。
Stoneは，社会が進化するに従って，「法人」のような無生物でも権利があると認められるようになってきたことを指摘し，森や海，川などの自然物にも法的権利を与えることができると論じた．自然環境に影響を及ぼすような損傷の評価についても，自然物それ自体の損傷として認めようとした。
結果は、僅差で上告棄却の判決が出たが、判決文の中でStoneの論文が引用され、この裁判はミネラル・キング対モートン（当時の内務長官）と名付けられるべきだと書かれ、自然物が当事者のように扱われたことで注目を集めた。
倫理の対象の拡大という論点は、Leopoldが土地倫理を提唱する中で用いてきたものであり、Stoneの論文もDarwinの言及から始まっているが、土地倫理のような自然環境を全体論的に捉えるという傾向は希薄である。
Peter Singerと動物解放論 動物解放論とは
オーストラリア生まれの哲学者、倫理学者であるPeter Singer（1946～）が1973年に発表した論文「動物の解放（Animal Liberation）」で提唱した考え方。
平等に考慮されるべき利害を、知性や能力ではなく、苦痛を感じるという点を基準にして行うことを提唱し、動物実験や工業的畜産に対して批判を展開した。
「感覚をもつ生物の利益に基礎を置く倫理は分かりやすい」
「もしわれわれが何か非常に悪いことが起こるのを妨げる力をもっており、かつそのことによってそれと比較すべき道徳的に重要なことを何も犠牲にしないですむのであれば、われわれはそれをなすべきである。」
代替としてベジタリアンとなることを主張するが、選好功利主義として批判も多い。
Peter Singer(1946～)
Tom Reganと動物の権利論 動物の権利論とは
アメリカの哲学者Tom Regan（1938～）が1983年に発表した著書『動物の権利擁護論（The Case for Animal Rights ） 』で提唱した考え方。
主体性ある生命としての自己意識を持つ動物（つまり哺乳類）のみが権利を持ちえると考える。
個体の権利を守ることは、必然的にその共同体全体を守ることになると主張。
Tom Reganの著書（例）
Tom Regan（1938～）
「全体主義的思想」と「原子論的思想」の対立
Callicottによる動物解放論への批判 1980年に「動物解放論―― 三極対立構造（Animal Liberation: A
Triangular Affair）」という論文を書いて、動物解放論を批判した。
動物開放論は権利主体の要件として感覚能力をあげて動物の権利を主張しているが，基本的に近代の個人主義の根本原理には触れておらず，原子論的な思想の域を出ていない。それに対してレオポルドの土地倫理では土地という生命圏共同体を重視しており，全体論的な捉え方をしていると論じた。
動物解放論では、感覚能力さえ持たない植物や、さらには川や山などの自然物が道徳的に尊重する範囲に入っておらず、生命圏の生態系全体に及ぼす影響やその中の生物や無生物の関係に関心が低いのではないか、と批判的にとらえた。
Tom Reganによる反論 個別の動物をさしおいて，種や生態系のようなシステム全体を倫理の
対象にして保護しようとするのは「環境ファシズム」であると批判した。
そういった動物の権利への侵害を放置して、他の動植物に対する倫理意識を優先することは、受け入れがたい。
１．環境思想と環境倫理の系譜
２．自然の保護・保存と保全の思想
３．全体主義的思想と原子論的思想
４．生態学的思想と批判
５．地球の閉鎖系空間としての倫理
Arne Næssとディープ・エコロジー Deep ecologyとは
ノルウェーの哲学者Arne Næss（1912～2009）によって提示された、自然保護に関わる倫理の考え方。
これまでのエコロジー思想が 終的には先進国に住む人たちの健康と繁栄を意図しているだけの「sharrow（浅いもの）」であるとして，それに対して1973年に「deep（深い）ecology」を提唱した．
生命体や人間を個々のバラバラなものではなく，相互に関連し，全体のフィールドに織り込まれた網の結び目のようなものとして捉え，さらに，すべての生命体は，自己開花し相互に関連して「自己実現」していく本質的な価値とそのための普遍的な権利をもっていると主張する概念のこと．
個々人の世界観や価値観にかかわるような，実践性の高いsofia（叡知）としてのエコソフィ（ecosophy）の存在を主張した．
Arne Næss(1912～2009)
エプロン・ダイヤグラムとプラットフォーム原則
ディープ・エコロジー運動の全体像を示すモデル図で、個人の根底的な価値観から具体の行動まで4つのレベルからなり、多様性を認めつつも、レベル2のプラットフォームで原則の一致ができると考える。
プラットフォーム原則（1） 8つの原則
第1原則（固有の価値）
地球上の人間そして他の生命の繁栄は、固有の価値をもっている。人間以外の生命形態の価値は、人間の狭い目的のためにこれらが有している有用性からは独立している。
第2原則（相互依存）
生命形態の豊かさと多様性は、それら自身において価値があり、地球上の人間と他の生命の繁栄に寄与する。
第3原則（豊かさ・多様性の維持）人間は自らの生存に関わる必要（vital needs）を満たす場合を除き、この豊かさと多様性を削減する権利はない。
第4原則（人為）
人間以外の世界に対する、人間の現在の干渉は度を越しており、その状況は急速に悪化している
プラットフォーム原則（2） 8つの原則（つづき）
第5原則（人口）人間の生活・文化の繁栄は、人口がかなり減少しても成り立ちうる。他の生物の繁栄のためには、そのような人口の減少が必要である。
第6原則（政治）生活状況の意味ある改善には、政治の変革が必要である。これは、経済・技術・イデオロギーの基本構造に影響を及ぼす。
第7原則（価値観）イデオロギーの変革とは主に、高い生活水準への執着ではなく、むしろ（固有の価値を有する状況に根付いた）生き方の質を理解する変革である。大きい（big）ことと偉大である（great）こととの違いが深く自覚されるだろう。
第8原則（ディープ・エコロジー運動の展開）以上の諸点に賛同する人は、必要とされる変革を実行する企てに、直接的ないし間接的に参加する義務がある。
ディープ・エコロジーへの批判（1） Eco feminismからの批判
エコ・フェミニズムは，女性原理を積極的に賛美する立場から，人間と男性，自然と女性を重ね合わせ，家父長制的でヒエラルキー的な人間の自然に対する支配こそが自然破壊の原因であり，その構造を変えることが解決となるという考え方。
インドの物理学者、環境活動家、作家であるVandana Shiva（1952～）らが代表的提唱者である。
ディープ・エコロジーの原生自然の価値を重視する観点に，処女性の強調や，冒険，闘争，原生自然の興奮といった男性中心主義的な価値が含まれており，反フェミニズム的だと批判した。また、全体論的指向は、その中にある個人の役割、特に女性の役割を軽視する、という意見も提示した。
Vandana Shiva（1952～）
ディープ・エコロジーへの批判（2） social ecologyからの批判
1960年代、アメリカの自由社会主義者、政治・社会哲学者、演説家、作家であるMurray Bookchin（1921～2006）によって唱えられた、人間の社会的関係性を重視した考え方。
人間の支配によって生じた環境問題を解決するためには、人間の他の人間に対する支配を取り除く必要があるとする。自然に対する人間の態度には、人間の人間に対する態度が反映されているという。
ディープ・エコロジーの生態学的知見を重視する視点では人間の歴史と葛藤を説明するのに不十分である点，思考法として単純な二元論を用いている点などを指摘して批判した。
Murray Bookchin（1921～2006）
１．環境思想と環境倫理の系譜
２．自然の保護・保存と保全の思想
３．全体主義的思想と原子論的思想
４．生態学的思想と批判
５．地球の閉鎖系空間としての倫理
宇宙船地球号（1） 宇宙船地球号とは
地球を宇宙に浮かぶ宇宙船に見立てて、資源の分配を考える考え方。
アメリカの思想家、デザイナー、建築家のBuckminster Fuller（1895～1983）が、1963年に「宇宙船地球号の操縦マニュアル（Operating Manual for Spaceship Earth）」を出版したことで広まった。
地球と人類が生き残るためには、個々の学問分野や個々の国家といった専門分化された限定的なシステムでは地球全体を襲う問題は解決できないことを論じ、地球を包括的・総合的な視点から考え理解することが重要であり、そのために教育や世界のシステムを組みなおすべきだとした。
フラーレンの構造を用いたジオデシック・ドーム（カナダ）
Buckminster Fuller（1895～1983）
宇宙船地球号（2） Buckminster Fullerの指摘
「我々は、すでに手にしている科学力と技術力を適切に使えばすべての人類を幸せにすることが可能である。世界を飲み込む産業の進化は、規則正しく積み立てられ宇宙船地球号の船内に保存されてきた数十億年分のエネルギーの貯金を、天文学的な歴史から見ればほんの一瞬の間に消費し続けるほど我々が愚かであってはならないことを規定している。これらのエネルギー貯金は、我々の宇宙船の『生命再生産保障銀行（Spaceship‘s life-regeneration-guaranteeing bank ）』の口座の
中に蓄えられてきたが、この口座を我々はセルフ・スターター部門（始動部門）のみに消費すべきである。」
宇宙船地球号（3） Kenneth Bouldingの指摘
Kenneth Boulding （1910～1993）は、イギリス出身のアメリカの経済学者。
1966年『来たるべき宇宙船地球号の経済学（The Economics of the Coming Spaceship Earth）』の中で、かつての「開かれた経済」は無限の資源を想定していた（彼はこれを「カウボーイ経済」と呼びたい誘惑に駆られると述べた）とし、次のように指摘した。
「未来の『閉じた経済』は、同様に『宇宙飛行士経済』と呼ばれるべきだろう。ここでは地球は一個の宇宙船となり、無限の蓄えはどこにもなく、採掘するための場所も汚染するための場所もない。それゆえ、この経済の中では、人間は循環する生態系やシステムの中にいることを理解するのだ。」
Kenneth Boulding （1910～1993）
救命艇の倫理 救命艇の倫理とは
アメリカの生態学者Garrett Hardin（1915～2003）によって提示された、資源分配に関する一つの比喩的な表現。
人間が共倒れにならず生き残るためには、環境や資源を保全する必要があり、そのためには、多くの人間の犠牲を必要悪とみなす倫理。
ほどほどの人が乗船している救命ボートを豊かな国に、猛烈に混んでいる救命ボートを貧しい国と考えた場合、混雑したボートの乗客全員に対して余裕のあるボートへの乗船を認めると、すべてのボートが沈んで「完璧な正義の実現が完璧な破局」になるとし、この問題を解決するためには、「豊かな国」のボートのことだけを考えるべきだと主張した。
この主張は、反人間的、配分的正義の侵害など強い反発を受けた。
Garrett Hardin（1915～2003）
共有地の悲劇 共有地の悲劇
共有地の悲劇（The Tragedy of Commons）とは、誰でも自由に利用できる共有資源が、乱獲されることによって資源の枯渇を招いてしまうということ。
Garrett Hardinが1968年に『サイエンス』誌に論文「The Tragedy of Commons」を発表したことで、一般に広く認知されるようになった。
実際にコモンズの悲劇が起こるのはその共有地がオープンアクセスの場合に限られ、多くの場合、所有権を利害関係者に与えて管理させる事によってコモンズの悲劇を防ぐ事が出来る。
→cf. 入会地
これは、自然保護や地球環境問題の解決を、住民のローカル・コモンズ管理の手法に見習うという発想をもたらした。
まとめ 産業革命以降、19世紀頃から西洋社会においても自然環
境の保全や保存に関する概念が誕生し，展開してきた。
環境問題や地球の有限性が認識されるようになる1960～70年代に様々な環境思想・環境倫理が生まれ、大まかな傾
向として、人間中心主義から非人間中心主義、生命中心主義、そして生態系中心主義へと重点が移ってきた。
環境思想や倫理においていくつかの対立構造が見られるが、それらは、1)保全的視点－保存的視点，2) 原子論的視点－全体論的視点，3) 生物的視点－社会的視点，4) 男性的視点－女性的視点，の大きく4つを捉えることができる。
文化や価値観の多様性を認めつつ、環境に関する思想や倫理の共通認識が得られるような考え方を見出すための試みが続けられている。
主な参考資料
参考文献
鬼頭秀一(1996)『自然保護を問い直す』、ちくま新書
鬼頭秀一(1994)，思想潮流の三段階論，AERAMOOK『環境学がわかる』，朝日新聞社、pp.111-120
岡島成行(1990)『アメリカの環境保護運動』，岩波新書
ジョイ・Ａ・パルマー編、須藤自由児訳(2004)『環境の思想家たち 上 古代-近代編』、みすず書房
ジョイ・Ａ・パルマー編、須藤自由児訳(2004)『環境の思想家たち 下 現代編』、みすず書房
小原秀雄監修(1995)『環境思想の系譜』（１～３）、東海大学出版会
前回の講義での感想等
前回の講義での感想等（1） 回収数：56 講義全般について
今日の講義はとても分かりやすい内容だった。聞いたことのある話が多かったので、興味持って聞けた。
今までは一人の人物を詳しく学ぶことはなかったので、熊楠さんについて詳しく知れてよかった。
国だけでなく、個人についての学習でも様々なことを学べるんだと思った。
環境文化論の授業で一人の人にフォーカスをあてたものは初めてだったので、深い内容まで話を聞いて人生の流れなど分かったが、難しいという反面も感じました。
南方熊楠の伝記は小学校のときに読んだことがあったが、今回はさらに詳しく知れて、さらに興味を持った。
南方熊楠という名前は知っていたけど、どういう人物かは知らなかったので、今回の講義はとても勉強になった。
南方熊楠という名前は知っていたが、どういったことをした人か分からなかったので、功績を知れて良かったです。
熊楠は高校の日本史で名前だけ聞いたことがあったけど、詳しくは知らなかった。
南方熊楠という人物は高校の教科書に出てきたので名前だけは知っていましたが、今回の講義で改めて凄い人だということが分かりました。
南方熊楠という方を今日初めて知ることができ、良かった。
神社合祀反対運動など、今まで聞いたことのない歴史の話だったので、驚くことが多かった。
南方熊楠は昔テレビで少し見たことがあって、今回はいろいろ勉強になった。
前回の講義での感想等（2） 南方熊楠の果たした役割について
南方熊楠は鎮守の森の重要性を大事にし、神社合祀に反対して保護運動を展開し、世界遺産などにもつながったなんて、とてもすごいと思った。
熊楠の行為で鎮守の森が守れたことに感銘を受けた。
誰も森が持つ多面的な力を知らない時代から、森林の重要性を誰よりも認識していた点がすごいと思いました。
長年にわたり神社合祀令の反対運動を続け、森が重要であることが多くの人に認められるようになった。南方の行動はすばらしいことだと思った。
南方熊楠は、日本の自然の豊かさにとってなくてはならない人であり、彼がいなかったら今のような自然はかなり少ないものになっていたであろうと思います。
この人がいなかったら、世界遺産は守られなかったと思う。
100年ほども前に環境保護活動をしていた人がいたことに驚いた。南方熊楠はとても頭が良い人物であると分かった。
熊楠の森を大切にしていた考え、エコロジーを初めて使った人と知らなかった。彼の行動が今の天然記念物につながってるのはすごいと思う。
自分も生物を学んでいるので、熊楠は尊敬すべき人だと思った。
神社合祀反対運動で守れずに伐採されたものもあったが、訴え続けた結果天然記念物などにつながり、とてもよかったと思った。
粘菌学者として多くの実績を上げたのにもかかわらず、神社などの整備に関して異議を唱え、林業の減少などを防ぐことに精進したことは、現在にも繋がらなくてはいけない思考だと感じた。
前回の講義での感想等（3） 南方熊楠の果たした役割について
粘菌のような小さな生き物に関心をもち、スポットを当てて研究を進めていくうちに、熊楠の中で後の森林伐採に強く反対するような自然への愛が育まれていったのかなと感じた。自分の名前の由来になったくらいだから、熊楠には神社への特別な思い入れもあったと思う。熊楠の思いがもっと当時の多くの人に届いていれば、今日の世界遺産ももっと多く存在したかもしれない。
反対運動には困難なこともあったと思うし、危険な目にあうかもしれないのに、それでもやり通してやり遂げた。とても強い信念を感じる。
これほど昔に環境保護について唱えている人がいるとは考えていなかったので驚いた。考え方にも非常に同意できる点が多かった。
南方がいなかったらイースタ島の文明みたいに滅ぶ可能性もあったかもしれない。今でも言えることだけど、国で法律や条令を定めるときは専門の学者にきちんと意見を伺ってから決定するべき。
粘菌という菌が非常におもしろい生物だと思った。自分が熊楠だったとしても、このおもしろい生物を研究してみたいと思っただろう。自然保護のために暴力を使う団体に熊楠を見習ってほしいと思う。
前回の講義での感想等（4） 熊楠の性格や行動力について
本当に熊楠はユーモアが溢れていると思った。自身の知識をいかんなく活かして、タバコを獄舎でやってみたり、天皇へ進献する際、キャラメルの箱を入れ物にしてみたりと、面白い人だと感じた。
南方熊楠はとても博識であると思った。
好きなことを追い続けるのは、時代が変わっても同じなんだと思った。
熊楠さんの行動で、普通は敵である政府側に信者を増やしていくことから、正しさと熊楠さんの知識の多さが分かり、素晴らしいと思った。
熊楠は広い分野に対して興味を抱き、熱心に勉強していると知り、とても尊敬できる人であると感じた。世界に名を残す人であり、とても印象に残った。
熊楠の「いやな学問を無我無尽にやったところで何の利益になるのか」という考え方に共感しました。私も、せっかく大学にきているのだから、“単位のため”という考えではなく、自分の学びたいことを学ぼうと思いました。
留置所でも研究するなんてなかなかできないと思った。進講役に選ばれるくらいなのだから、もっと学者として教科書等で取り上げられてもいいのではないかと思った。
南方熊楠のように自由に学べることがあるというのはすごいことだと思った。自然を守るために様々なことをしたのもすごいと思った。
この時代に外国へ渡り、研究をしていることに驚いた。とても大変なことであったと思うのに、すごいと感じた。さらに監房の中でも粘菌の研究をするとは考えもつかず、とても粘菌が好きであったのだとよくわかった。
私は歴史が苦手なので南方熊楠という人物を初めて知ったのですが、孫文と交流するようなすごい人なんだなと思いました。また、予備門を中退してしまったとありましたが、自分の興味のある学問に対する熱意がすごいなと感じました。私もそのくらい没頭できることを見つけたいです。
前回の講義での感想等（5） 熊楠の性格や行動力について
南方熊楠の勉強に対する熱意は、私たち大学生にとってお手本になるのではないかと思いました。ただ、図書館で勉強して授業に出ないのは、大学に入った目的が違うのではないかと思います。
自分の好きなことだけを勉強する楽しさを今実感しているため、南方熊楠にとても共感した。
南方熊楠がアメリカからイギリスに行くときに残した言葉「何にせよ～下れるにおいてや」という言葉にとてもひかれた。
南方熊楠の行動や人柄は素晴らしく、自分も見習いたいと思った。
自分の興味関心のあることに対し迷うことなくひたすら勉強する姿勢はとても尊敬する。
自分が興味のあるものを追求するために世界中を飛び回った熊楠がすごいと思った。自分も何かをとことんやりたいことを見つけたいと思った。
南方熊楠は自分の思うままに書物を読み勉強していたということで、すごくそれがうらやましい。そして、そのくらい没頭できるような事に自分も興味を持てていればと思った。
南方熊楠という人物がとてもすごい人だと分かった。この時代にアメリカやイギリスに渡り様々なことをするなんてすばらしいと思った。
熊楠だけでなく昔の偉人には学業の成績が悪かったという人が多いなと思った。それぞれ個別に勉強することにより後の世に名を残すことができたことは素晴らしいと思う。
熊楠は様々な面でとても熱心な人だと思った。
熊楠って不思議な名前だなぁと思っていたけど、今日の講義を聞いて納得した。もう少し熊楠の出生について知りたいと思った。この人の自然や神に対するものは、生まれた環境が作り上げたのだろうと感じた。いつか鎮守の森に行きたい。
現代は留学など容易にすることができるが、昔は大変だったのだろうと思った。
前回の講義での感想等（6） 熊楠の性格や行動力について
南方熊楠は興味があるものはとことん調べるなり研究するということはそれに必要性があるスキルなら勉強するだろうが、必要でないものはやらなかったと思う。だから、別に興味のない学問はからきしだめだったのかなと思う。だからこそ、自分が気に入っている分野や物が汚されたら過激な批判や否定をするんだなぁと思った。
熊楠の生い立ちから見ると、授業へも出席せず退学となったが、素晴らしい生い立ちであると感じた。
キャラメルの箱を使って献上したことがおもしろいと思った。
神社合祀について 前回の授業で、日本は資源を大切にしていたはずだったのに、伐採をたくさん行ったこ
とに驚いた。
神社合祀という神社を廃止し、木材を伐採し、大きな利益を得る働きはとてもひどいと思った。
神社合祀という言葉を初めて聞きました。三重県で約9割もの神社が廃止されたり、全国でも多くの神社が廃止され、全国で18万余りあった神社のうち5万もの神社が廃止されたことには驚きました。
いつの時代も程度の差はあるものの、国の権力の濫用というのは存在するものなのだなと。また、以前のキリスト教のときの話と通じるところがあると感じた。
神社合祀は日本が欧米の自然環境事情を知らずに行ったように思える。知識のある人には神社合祀で自然も一緒になくなることは 悪な出来事だったんだろうなと思う。
ヘンリーのしめ縄の記述は共感できた。日本人からしれみれば当たり前すぎるが、大事な感覚なのだなと思った。
前回の講義での感想等（7） エコロジーの使用について
エコロジーという言葉を初めて使い始めた人ということに驚いた。
エコロジーという言葉が日本では今とてもメジャーな言葉だが、初めて使ったのはすごいと思った。
エコロジーという言葉は今では普通に使われているが、日本人で初めて使ったというのは驚いた
柳田国男について 神社合祀を推し進める政府の中にいても、それは間違っていると言って行動できた柳
田さんに感動しました。そういう人がいれば、きちんと良い方向に世界は動くんだと感じました。
柳田国男という人物はよく耳にする名前で、熊楠と協力し合って自然保護運動をしていたことに驚きと敬意を感じました。
ところどころで現れては力になった柳田国男がとても格好よかった。
その他 那智の滝を一度見に行ってみたい。
キャラメルの箱の大きさにびっくりした。
前回の問題の答え
監房に顕微鏡をもちこみ、これまで、原形体のときは白色と見られていたステモニチス・フスカという粘菌の、深紅のものを発見した。
獄舎の庭に生えているハナヒリグサの実が鼻タバコの代用になることを知っていたので、これを楽しんだ。