内科ローテーション研修(循環器内科)...静岡市立静岡病院初期臨床研修プログラムローテーション部門別プログラム...

36
静岡市立静岡病院初期臨床研修プログラムローテーション部門別プログラム 内科ローテーション研修(循環器内科) 1.研修期間: 2ヶ月 2.目標: 1.一般目標 循環器科は、心不全、生活習慣病としての虚血性心疾患をはじめとして遭遇頻度 が高い疾患を扱うことが多い。また、救急外来での適切な処置を要するなどプラ イマリーケア的な要素が強く、初期臨床研修を受けるのに適した診療科である。 当科では、全般的で基本的な研修として、循環器的基本的診察法・検査・治療手 技と頻度の高い疾患の症状・病態・診断・治療法を研修する。 2.行動目標 ・ 患者とのコミュニケーション技術を磨き、適切な病歴の聴取と記載ができる。 ・ 心臓、胸部を含めた系統的身体診察ができ、所見を記載できる。 ・ 胸痛、息切れ、呼吸困難、浮腫、動悸など循環器疾患に関連する症状の鑑別診 断と診断確定のための検査計画と初期治療ができる。 ・ 一般的な循環器疾患の鑑別診断、検査計画、治療計画と初期治療ができる。 ・ 動脈血が採取できる。 ・ 動脈血ガス分析の適応の判定とオーダーができ、結果を解釈できる。 ・ 静脈ラインがとれる。 ・ 血液検査、生化学検査の適応の判定とオーダーができ、結果の解釈ができる。 ・ 胸部単純レントゲンの適応の判定とオーダーができ基本的読影ができる。 ・ 心電図、負荷心電図の検査適応を判断し、自ら実施あるいはオーダーでき、 その結果を解釈できる。 ・ 心エコー、心筋シンチの適応を判断、オーダーし、その結果を解釈できる。 ・ 利尿剤、血管拡張剤を適切に使用できる ・ 心肺停止の迅速な診断と適切な初期治療ができる。 ・ 急性心不全の迅速な診断と適切な初期治療ができる。 ・ ショックの迅速な診断と適切な初期治療ができる。 ・ 急性冠症候群の迅速な診断と適切な初期治療ができる。 ・ 気道確保、人工呼吸、心マッサージ、気管挿管、除細動を実施できる。 ・ 圧迫止血ができる。

Upload: others

Post on 20-May-2020

3 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

Page 1: 内科ローテーション研修(循環器内科)...静岡市立静岡病院初期臨床研修プログラムローテーション部門別プログラム 内科ローテーション研修(消化器内科)

静岡市立静岡病院初期臨床研修プログラムローテーション部門別プログラム

内科ローテーション研修(循環器内科)

1.研修期間: 2ヶ月

2.目標:

1.一般目標

循環器科は、心不全、生活習慣病としての虚血性心疾患をはじめとして遭遇頻度

が高い疾患を扱うことが多い。また、救急外来での適切な処置を要するなどプラ

イマリーケア的な要素が強く、初期臨床研修を受けるのに適した診療科である。

当科では、全般的で基本的な研修として、循環器的基本的診察法・検査・治療手

技と頻度の高い疾患の症状・病態・診断・治療法を研修する。

2.行動目標

・ 患者とのコミュニケーション技術を磨き、適切な病歴の聴取と記載ができる。

・ 心臓、胸部を含めた系統的身体診察ができ、所見を記載できる。

・ 胸痛、息切れ、呼吸困難、浮腫、動悸など循環器疾患に関連する症状の鑑別診

断と診断確定のための検査計画と初期治療ができる。

・ 一般的な循環器疾患の鑑別診断、検査計画、治療計画と初期治療ができる。

・ 動脈血が採取できる。

・ 動脈血ガス分析の適応の判定とオーダーができ、結果を解釈できる。

・ 静脈ラインがとれる。

・ 血液検査、生化学検査の適応の判定とオーダーができ、結果の解釈ができる。

・ 胸部単純レントゲンの適応の判定とオーダーができ基本的読影ができる。

・ 心電図、負荷心電図の検査適応を判断し、自ら実施あるいはオーダーでき、

その結果を解釈できる。

・ 心エコー、心筋シンチの適応を判断、オーダーし、その結果を解釈できる。

・ 利尿剤、血管拡張剤を適切に使用できる

・ 心肺停止の迅速な診断と適切な初期治療ができる。

・ 急性心不全の迅速な診断と適切な初期治療ができる。

・ ショックの迅速な診断と適切な初期治療ができる。

・ 急性冠症候群の迅速な診断と適切な初期治療ができる。

・ 気道確保、人工呼吸、心マッサージ、気管挿管、除細動を実施できる。

・ 圧迫止血ができる。

Page 2: 内科ローテーション研修(循環器内科)...静岡市立静岡病院初期臨床研修プログラムローテーション部門別プログラム 内科ローテーション研修(消化器内科)

3.方略:

1.基本的な循環器疾患を受持医として経験する。

・心不全

・狭心症、心筋梗塞

・心筋症

・不整脈(主要な頻脈性、徐脈性不整脈)

・弁膜症(僧帽弁膜症、大動脈弁膜症)

・動脈疾患(動脈硬化症、大動脈瘤)

・静脈・リンパ管疾患(深部静脈血栓症、下肢静脈瘤、リンパ浮腫)

・高血圧症

2.病棟回診

・月曜 16 時の総回診、水曜 16 時の CCU、HCU 回診に参加、受持患者の診療の指

導を受ける。また、先輩医師の診療を学ぶ。

3.症例検討会・心カテーテルカンファレンス。

・火曜日 15 時からの心臓外科との症例検討会に参加し、循環器疾患の外科的治療に

ついて学ぶ。

・火曜日 16 時からの心臓カテーテル後カンファレンス、木曜日 16 時からの心臓カ

テーテル前カンファレンスに参加し、受持ち患者のプレゼンテーションをし、他

の症例の討論に参加し、循環器疾患の診断、治療について学ぶ。

4.心電図読影・心エコー実習に参加し、所見の見方を学ぶ。

5.運動負荷心筋シンチを実施し、負荷心電図とシンチの所見の見方を学ぶ。

6.心臓カテーテルに参加し、その所見を学ぶ。

7.心臓カテーテル後の後の止血を行い、止血が確実にできるようにする。

8.上級医の CCU 当直に付き、循環器の救急を経験する。

4.研修週間スケジュール

月 火 水 木 金

午前 負荷シンチ

(上級医と)

心カテ 循環器救急当番

(上級医と)

心カテ 病棟

午後 心臓リハビリ

(上級医と)

総回診

(16:00 から)

心カテ

心外科と

合同カンファ

カテ後カンファ

(15:00 から)

循環器救急当番

(上級医と)

CCU,HCU 回診

(16:00 から)

病棟

カテ前カンファ

(16:00 から)

病棟

Page 3: 内科ローテーション研修(循環器内科)...静岡市立静岡病院初期臨床研修プログラムローテーション部門別プログラム 内科ローテーション研修(消化器内科)

静岡市立静岡病院初期臨床研修プログラムローテーション部門別プログラム

内科ローテーション研修(消化器内科)

1.研修期間: 2ヶ月

2.目標:

1.一般目標

日常遭遇する事の多い消化器疾患に対する診断・治療を習得する。当科では患者の

重症度の判断、プライマリケアに重点をおく。また、悪性疾患に遭遇する機会が最

も多く、インフォームドコンセント、緩和・終末期医療に対し全人的対応ができる

ために医学的のみならず心理的、社会的な診療の基本を修得する。

2.行動目標

・患者やその家族とのコミュニケーションができ、適切な病歴の聴取と記載がで

きる。

・ 腹部を含めた系統的診察が適切にでき、その所見を記載することができる。

・ 病状の重症度・緊急性を判断できるようになる。

・ 腹痛、消化管出血、便通異常(下痢・便秘)、嘔気・嘔吐、胸やけ、嚥下困難、

黄疸、食欲不振、体重減少・増加などの症状を来しうる消化器疾患に関連する

症状の鑑別診断と診断確定のための検査計画と初期治療がができる。

・ 以下に挙げる各種検査法の適応を判断し、その結果を解釈できる。

血算、血液生化学検査、免疫・血清学的検査、便検査、胸・腹部単純X

線検査、腹部超音波検査、上部消化管造影、低緊張性十二指腸造影、小

腸造影、注腸X線検査、経静脈的胆嚢造影、CT、MRI(MRCP)、

核医学検査、上部消化管内視鏡検査、下部消化管内視鏡検査、超音波内

視鏡、内視鏡的逆行性膵胆管造影、経皮経肝胆道造影、胆道鏡、腹部血

管造影、肝生検

・ 以下に挙げる処置・治療を適切に行うことができる。

注射法(静脈確保、中心静脈確保)、腹腔穿刺、経鼻胃管の挿入、ドレー

ン・チューブの管理、

・ 以下に挙げる薬物治療が適切に行うことができる。

抗生物質、ステロイド剤、解熱・鎮痛剤、麻薬、

・ 輸液管理が適切に行うことができる。

・ 輸血の適応と副作用を十分に理解し、適切に実施できる。

・ 以下に挙げる処置・手技はその適応や実際を理解できる。

イレウスチューブ挿入、食道静脈瘤破裂に対する S-B チューブ挿入・内

視鏡的静脈瘤結紮術(EVL)・硬化療法(EIS)、内視鏡的止血術、内視鏡的

ポリープ切除術、内視鏡的粘膜切除術(EMR)、消化管異物除去術、消化

Page 4: 内科ローテーション研修(循環器内科)...静岡市立静岡病院初期臨床研修プログラムローテーション部門別プログラム 内科ローテーション研修(消化器内科)

管バルーン拡張術、消化管ステント留置術、胃瘻造設術(PEG)、内視鏡

的胆道ドレナージ(EBD)、内視鏡的胆道結石除去術、内視鏡的乳頭拡張

術(EST,EPBD)、経皮的胆道ドレナージ(PTBD)、経皮的膿瘍ドレナージ

(PTABD)、胆道スレント留置術、膵管ステント留置術、経皮的肝細胞癌

局所治療 (PEIT,PMCT,RFA)、肝動脈塞栓療法/肝動注化学療法

(TAE/TAI,TACE)、

・ 以下に挙げる処置・治療はその適応や実際を理解できる。

経腸栄養、注腸療法、抗癌剤治療、疼痛緩和治療、血液浄化療法

・食事療法のマネージメントができる。

・予防医療の一環として肝炎ワクチン予防接種を経験する。

3.方略:

1.基本的な消化器疾患を受持医として経験する。

・GERD、食道静脈瘤、食道癌

・胃・十二指腸潰瘍、胃ポリープ、胃癌

・イレウス、小腸腫瘍、乳頭部癌

・感染性腸炎、急性虫垂炎、憩室炎、虚血性腸炎、炎症性腸疾患、大腸ポリープ、

大腸癌

・急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変、肝癌

・胆道結石、胆嚢炎・胆管炎、肝膿瘍、胆嚢ポリープ、胆道癌

・急性膵炎、慢性膵炎、膵癌

・腹膜疾患(汎腹膜炎、癌性腹膜炎)

・急性腹症

2.外来研修

・指導医の下に、消化器疾患の外来診療を研修する。

3.病棟回診

・火曜日午前中の科長回診に参加、受持患者の診療の指導を受ける。また、先輩

医師の診療を学ぶ。

4.症例検討会・内視鏡カンファレンス。

・月曜日午後 5 時からの外科、画像診断科との合同カンファレンスに参加し、

手術患者のプレゼンテーションを行い、また、他の症例の討論に参加し、

消化器疾患の診断、治療について学ぶ。

・月曜日午後7時からの新患紹介に参加し、受持患者のプレゼンテーションを行う。

・火曜日午前7時30分からの内視鏡カンファレンスに参加し内視鏡診断学につい

て学ぶ。

5.ミニレクチャー

・急性腹症の診断と治療

Page 5: 内科ローテーション研修(循環器内科)...静岡市立静岡病院初期臨床研修プログラムローテーション部門別プログラム 内科ローテーション研修(消化器内科)

・消化性潰瘍の診断と治療

・消化器癌の診断と治療

・ウイルス性肝炎の診断と治療

・炎症性腸疾患の診断と治療

・胆・膵疾患の診断と治療

・内視鏡偶発症について

6.学会、研究会への参加・発表

・消化器病学会及び内視鏡学会地方会、消化器関連の各種研究会で症例発表する。

4.研修週間スケジュール

月 火 水 木 金

7:30-8:30 内視鏡カン

ファレンス

午前 病棟回診 科長回診 病棟回診 病棟回診 病棟回診

腹部US 腹部US 腹部US 腹部US

上部内視鏡 上部内視鏡 上部内視鏡 上部内視鏡 上部内視鏡

消化管透視 消化管透視 消化管透視 消化管透視

胆・膵検査 胆・膵検査 内視鏡治療

午後 病棟回診 病棟回診 胆・膵治療 病棟回診 病棟回診

胆・膵治療 下部内視鏡 下部内視鏡 下部内視鏡 下部内視鏡

IVR(画) 肝癌治療 IVR(画) 肝癌治療

17:00-19:00 合同カン

ファレンス

19:00- 新患紹介

Page 6: 内科ローテーション研修(循環器内科)...静岡市立静岡病院初期臨床研修プログラムローテーション部門別プログラム 内科ローテーション研修(消化器内科)

静岡市立静岡病院初期臨床研修プログラムローテーション部門別プログラム

内科ローテーション研修(呼吸器内科)

1.研修期間: 1~2ヶ月

2.目標:

1.一般目標

呼吸器科においては、一般的で遭遇頻度が高い疾患を扱うことが多く、プライマ

リーケア的な要素が元来強く、初期臨床研修を受けるのに適した診療科である。

当科においては、全般的で基本的な研修を積み重ねながら、当科で修得する機会が

多い基本的診察法・検査・手技と症状・病態、疾患の診断、検査、治療法を研修

する。

2.行動目標

・患者とのコミュニケーションのスキルを磨き、適切な病歴の聴取と記載ができる。

・胸部を含め系統的身体診察ができ、所見を記載できる。

・咳、痰、血痰、喘鳴、発熱、胸痛、息切れ・呼吸困難、浮腫などの呼吸器疾患に

関連する症状の鑑別診断と診断確定のための検査計画と初期治療ができる。

・動脈血が採取できる。

・動脈血ガス分析の適応とオーダーができ、結果を解釈できる。

・微生物学的検査・薬剤感受性の適応とオーダーができ、結果を解釈できる。

・喀痰のグラム染色ができる。

・血液検査、生化学検査、免疫・血清学的検査の適応とオーダーができ、

結果の解釈ができる。

・肺機能検査・スパイロメトリーの適応と結果の解釈ができる。

・胸部単純レントゲンの適応とオーダーができ読影ができる。

・胸部 CT 写真の適応とオーダーができ、基本的な読影ができる。

・呼吸器疾患において、MRI の適応とオーダーができる。

・気管支鏡の適応が判断でき、指導医のもと経験する。

・胸腔穿刺の適応を判断し、実施できる。

・胸腔ドレーンチューブの挿入と管理ができる。

・経鼻胃管が挿入でき栄養管理ができる。

・気道の確保、気管内挿管と人工呼吸ができる。

・酸素療法が適切にできる

・吸入療法が適切にできる

・抗生物質が適切に使用できる

・ステロイドが適切に使用できる

Page 7: 内科ローテーション研修(循環器内科)...静岡市立静岡病院初期臨床研修プログラムローテーション部門別プログラム 内科ローテーション研修(消化器内科)

・解熱剤・鎮痛剤が適切に使用できる

・麻薬が適切に使用できる

・一般的な呼吸器疾患の鑑別診断、検査計画、治療計画と初期治療ができる。

・急性呼吸不全の迅速な鑑別診断と適切な初期治療ができる。

・痴呆、脳梗塞、脳出血後遺症による寝たきり高齢患者の誤嚥性肺炎の治療と

管理を経験する。

・インフルエンザ、結核、MRSAなどの伝染性の強い感染症に適切に対応できる。

・肺癌において緩和・終末期医療を経験する。

・予防医療の一環として禁煙の意義と方法を理解し、経験する。

・予防医療の一環としてインフルエンザ予防接種を経験する。

3.方略:

1. 基本的な呼吸器疾患を受持医として経験する。

・インフルエンザ

・急性気管支炎

・肺炎(診断、検査、治療計画をたて実施しレポートする)

・肺結核・非定型抗酸菌症

・肺癌

・肺気腫

・気管支喘息

・気管支拡張症

・気胸

・胸水の患者(癌性胸膜炎、結核性胸膜炎)

・びまん性疾患・間質性肺炎

2.外来研修

・火、木曜日の午前中、科長外来に付き、呼吸器疾患の外来診療を研修する。

3.病棟回診

・月、水曜日午前中の科長回診に参加、受持患者の診療の指導を受ける。

4.症例検討会・気管支鏡カンファレンス。

・水曜日午後4時からの呼吸器カンファレンスに参加し、受持ち患者のプレゼン

テーションをし、また、他の症例の討論に参加し、呼吸器疾患の診断、治療に

ついて学ぶ。

・金曜日午後4時30分からの呼吸器外科との合同カンファレンスに参加し、

呼吸器疾患の外科的治療について学ぶ。

5.ミニレクチャー

・肺癌の診断と治療

・肺炎の診断と治療

Page 8: 内科ローテーション研修(循環器内科)...静岡市立静岡病院初期臨床研修プログラムローテーション部門別プログラム 内科ローテーション研修(消化器内科)

・肺非結核性抗酸菌症の診断と治療について

・気管支喘息の診断と治療

・呼吸不全の診断と治療

・胸部レントゲンの見方の基本

・医療安全について

・腫瘍マーカーについて

6.学会、研究会への参加・発表

・年4回開催される静岡胸部疾患研究会で症例発表する。

4.研修週間スケジュール

月 火 水 木 金

8:30-8:40 朝ミーティング 朝ミーティング 朝ミーティング 朝ミーティング 朝ミーティング

9:00-12:00 科長回診 科長外来 病棟 科長外来 科長回診

13:00-16:00 気管支鏡検査

胸腔鏡検査

気管支鏡検査

胸腔鏡検査

血管造影

(症例あるとき)

気管支鏡検査

胸腔鏡検査

気管支鏡検査

胸腔鏡検査

16:00-17:00 呼吸器

カンファレンス

16:30-17:30 チェストカンファレンス

17:30 抄読会

Page 9: 内科ローテーション研修(循環器内科)...静岡市立静岡病院初期臨床研修プログラムローテーション部門別プログラム 内科ローテーション研修(消化器内科)

静岡市立静岡病院初期臨牀研修プログラム診療科別プログラム

内科ローテーション診療科名(神経内科)

1.研修期間 1ヶ月

※当院神経内科常勤医不在時は、希望があれば静岡市立清水病院にて研修可能。

2.目標

1.一般目標

・ 当科疾患では行動抑制がかかるものが多く、その取り扱いに細心の注意を払える

よう指導する。

2.行動目標

・ 適切な病歴の聴取と記載が出来る。

・ 系統的神経学的所見がとれ、記載できる

・ 意識障害の鑑別が出来る

・ 鑑別診断、診断確定のための検査・初期治療ができる

・ 腰椎穿刺、髄液採取ができる

・ 眼底所見がとれ、所見を記載できる

・ 眼振検査ができ、所見を記載できる

・ 頭部 CT・MRI 検査、脳血管撮影の適応とオーダーができ、基本的な読影が出

来る

3.方略

1.受持医として臨床経験する

2.カンファレンスへの参加とプレゼンテーション

3.学会への参加と発表

4.剖検の義務づけ

4.研修週間スケジュール

毎朝 8 時 30 分からの回診

火曜日 17 時からのカンファレンス

水曜日(隔週)リハビリカンファレンス

Page 10: 内科ローテーション研修(循環器内科)...静岡市立静岡病院初期臨床研修プログラムローテーション部門別プログラム 内科ローテーション研修(消化器内科)

静岡市立静岡病院初期臨床研修プログラムローテーション部門別プログラム

内科ローテーション研修(内分泌代謝内科)

1.研修期間: 2ヶ月

2.目標:

1.一般目標

糖尿病、高脂血症、高血圧、高尿酸血症などの代謝疾患は、近年著しく増加して

おり、診療対象として扱うことが多い。また他科疾患にて受診時にも合併疾患と

して診療対象となることも多い。

当科においては、これら頻度の多い代謝疾患について全般的で基本的な研修を積

み重ねる。また、見逃してはならない内分泌疾患についても基本的診察法・検査・

手技と症状・病態、疾患の診断、検査、治療法を研修する。

2.行動目標

・患者とのコミュニケーションのスキルを磨き、適切な病歴の聴取と記載ができる。

・系統的身体診察ができ、所見を記載できる。

・多彩で非特異的な症状から、代謝疾患、内分泌疾患に関連する症状の鑑別診断と

診断確定のための検査計画と初期治療ができる。

・動脈血が採取できる。

・動脈血ガス分析の適応とオーダーができ、結果を解釈できる。

・血液検査、生化学検査、免疫・血清学的検査の適応とオーダーができ、

結果の解釈ができる。

・胸部腹部単純レントゲンの適応とオーダーができ読影ができる。

・腹部 CT 写真の適応とオーダーができ、基本的な読影ができる。

・内分泌疾患において、MRI、シンチの適応とオーダーができる。

・糖負荷試験や内分泌負荷試験が適切に計画実施でき、検査結果を解釈できる。

・補液の指示が適切にできる。

・抗生物質が適切に使用できる

・ステロイドが適切に使用できる

・インスリンが適切に使用できる

・糖尿病の鑑別診断、検査計画、治療計画と初期治療ができる。

・急性代謝失調(糖尿病性昏睡、低血糖、副腎不全)の迅速な鑑別診断と適切な初

期治療について指導医のもとで経験する。

・高齢、痴呆、脳血管障害遺症、糖尿病性腎症などの多彩な合併条件のある糖尿病

患者の管理を経験する。

・基本医療として食事療法、運動療法の処方を経験する。

・疾患について患者教育を経験する。

Page 11: 内科ローテーション研修(循環器内科)...静岡市立静岡病院初期臨床研修プログラムローテーション部門別プログラム 内科ローテーション研修(消化器内科)

・合併症の評価や予防のため、他科との連携を図り、総合的な治療計画ができる。

3.方略:

1.基本的な内分泌代謝疾患を担当医として経験し、上級医と共に診療する(診断に必

要な負荷テストなどの検査を立案実施、経口血糖降下薬、インスリン、脂質低下薬、

降圧薬などの基本的治療薬の処方の経験を含む)。

・ 2 型糖尿病(診断、検査、治療の計画をたて、実施し、評価する)

・ 1 型糖尿病、糖尿病性昏睡、高血糖症、低血糖症

・ 甲状腺疾患、下垂体疾患、副腎疾患等の内分泌疾患

・ 脂質異常症、高血圧症、肥満症、痛風

・ 電解質異常

2. 外来研修

・ 担当した患者さんの退院後の外来診療を経験する(経過を知り適切な療養指

導を考えることができる)。け

・ 科長外来に同席し、外来診療(初診・再診)を経験する。

3.病棟回診

・ 月曜日 8 時 45 分から、木曜日 9 時 30 分からの科長回診に参加し、診療を学

び、また担当患者の診療の指導を受ける。

4.症例検討会(カンファランス)・抄読会

・ 木曜日 8時 30分から病棟症例検討会に受け持ち患者のプレゼンテーションを

し、また、他の症例の検討に参加し、代謝・内分泌疾患の診断、治療につい

て学ぶ。月曜日 17 時から、最新文献についての抄読会に参加し、ミニレクチ

ャーを受講する。

5.学会、研究会への参加(受講、発表)

・ 内科学会東海地方会、糖尿病学会中部地方会、内分泌学会東海地方会、静岡

市内での各種研究会などに参加し、知識を習得するとともに、積極的に症例

発表等を行う。

4.研修スケジュール

月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日

午前 8:45

科長回診

病棟業務

病棟業務

科長外来実

病棟業務 8:30

カンファランス

9:30

科長回診

病棟業務

Page 12: 内科ローテーション研修(循環器内科)...静岡市立静岡病院初期臨床研修プログラムローテーション部門別プログラム 内科ローテーション研修(消化器内科)

午後 検査

病棟業務

処置

病棟業務

処置

病棟業務

13:30

病棟カンファラ

ンス(看護師と

医師、管理栄養

士、薬剤師)

検査

病棟業務

14:00

糖尿病教室

17:00 抄読会、ミニレクチ

ャー

Page 13: 内科ローテーション研修(循環器内科)...静岡市立静岡病院初期臨床研修プログラムローテーション部門別プログラム 内科ローテーション研修(消化器内科)

静岡市立静岡病院初期臨床研修プログラムローテーション部門別プログラム

内科ローテーション研修(腎臓内科)

1.研修期間: 2ヶ月

2.目標:

1.一般目標

腎臓内科では腎臓を原因とする腎臓病および他臓器の障害にて生じた腎障害の診

断・治療をおこなっている。短期間の研修であり、①AKI(急性腎障害)の鑑別診断

とその治療、②慢性腎不全患者の透析導入、③ネフローゼ症例の診断と治療 を経験

することを目標におく。腎不全患者の多くは心血管系を中心とした合併症を有してい

るため、臓器に偏らないで診察することの重要性に気付いてもらう。

2.行動目標

・患者とのコミュニケーションのスキルを磨き、適切な病歴の聴取と記載ができる。

・胸部・腹部・四肢の系統的身体診察ができ、所見を記載できる。

・動脈血が採取でき、結果を解釈できる。

・胸部単純レントゲンの適応が判断でき読影ができる。

・尿検査、血液検査、生化学検査、免疫・血清学的検査の適応とオーダーができ、

結果の解釈ができる。

・腎機能が障害された患者に対する抗生物質が適切に使用できる

・ネフローゼの患者を対象にステロイドおよび免疫抑制剤が適切に使用できる

・解熱剤・鎮痛剤が適切に使用できる

・急性腎不全の迅速な鑑別診断と適切な初期治療ができる。

・咳、痰、喘鳴、息切れ・呼吸困難、浮腫などの心不全に関連する症状の鑑別診断

と診断確定のための検査計画と初期治療ができる。

・血液透析について一般的な理解ができる。

・血液透析患者の貧血管理を理解する

・血液透析患者の除水管理を理解する

3.方略:

1.基本的な腎臓病疾患を受持医として経験する。

・急性腎不全

・慢性腎不全の急性増悪

・慢性糸球体腎炎

・ネフローゼ症候群

・慢性腎不全(透析導入期)

・腎不全合併肺水腫

Page 14: 内科ローテーション研修(循環器内科)...静岡市立静岡病院初期臨床研修プログラムローテーション部門別プログラム 内科ローテーション研修(消化器内科)

・急性腎盂腎炎

2.病棟回診

・水曜日夕方の全体回診と月曜日夕方科長レジデント回診に参加。主治医回診にも

毎日参加し、受持患者について指導を受ける。

3.症例検討会、人工透析室カンファレンス

・木曜日午後 6 時からの病棟症例検討会に参加し、受持ち患者のプレゼンテーショ

ンをする。他の症例の討論に参加し、症例理解を深める。

・火曜日朝 7 時 45 分(月 1 回程度)からの人工透析室カンファレンスに参加し、

血液浄化症例について学ぶ。

4.検査

・1 か月に 3-4 回午後 1 時より腎生検が行われる。簡単な検査であり、検査医とし

て参加する。

5.シャント手術

・月曜日、水曜日、木曜日はシャント手術がおこなわれる可能性が高い。病棟業務

に余裕があれば積極的に手洗いし、シャント手術に参加する。

6.学会、研究会への参加・発表

中部糸球体腎炎談話会(名古屋)、静岡腎不全研究会、静岡腎疾患談話会などで症

例発表する。

4.研修週間スケジュール

月 火 水 木 金

07:45-08:15 (透析カンファ)

13:00 (腎生検)

シャント手術

(腎生検)

シャント手術

シャント手術

18:00 科長レジデント回診 全体回診 勉強会/検討会

*これ以外は病棟および透析室での臨床業務に参加する

括弧は不定期

Page 15: 内科ローテーション研修(循環器内科)...静岡市立静岡病院初期臨床研修プログラムローテーション部門別プログラム 内科ローテーション研修(消化器内科)

静岡市立静岡病院初期臨床研修プログラムローテーション部門別プログラム

内科ローテーション研修(血液内科)

1.研修期間: 2ヶ月

2.目標:

1.一般目標

当院の血液内科で扱う疾患は主として造血器悪性腫瘍であり、化学療法や輸血療法、

免疫不全状態のマネジメントを研修することとなる。一般には血液内科はいささか専

門的であると考えられているが、一般臨床医として広く求められる告知の問題や終末

期医療、抗悪性腫瘍薬の投与法、重症感染症への適切な対応、適正な輸血の実施など

修得すべき対象は幅広い。当科では血液学的基礎疾患を有する症例を通して、広く応

用のできる基本的病態、検査とその解釈法、病態の把握、治療法を研修する。

2.行動目標

・患者とのコミュニケーションのスキルを磨き、適切な病歴の聴取と記載ができる。

・リンパ節腫大、息切れ、出血傾向、発熱などの血液疾患に関連した自他覚所見の

鑑別診断と診断確定のための検査計画と初期治療ができる。

・血液検査、生化学検査、免疫・血清学的検査の適応とオーダーができ、結果の解

釈ができる。

・血液培養が適切にできる。

・骨髄穿刺、骨髄生検の適応が判断でき、実施できる。

・リンパ節生検の適応と検査項目のオーダーができ、結果の解釈ができる。

・化学療法が適切にできる。

・輸血の適応を判断し、適切に実施できる。

・抗生物質、抗真菌剤投与の適応を判断し、適切に使用できる。

・一般的な血液疾患の鑑別診断、検査計画、治療計画と初期治療ができる。

・敗血症の診断と適切な治療ができる。

・造血器悪性腫瘍において緩和・終末期医療を経験する。

3.方略:

1.基本的な血液疾患を受持医として経験する。

・急性白血病

・悪性リンパ腫

・骨髄異形成症候群

・多発性骨髄腫

・不明熱

・SLE

Page 16: 内科ローテーション研修(循環器内科)...静岡市立静岡病院初期臨床研修プログラムローテーション部門別プログラム 内科ローテーション研修(消化器内科)

2.外来研修

・受け持ち患者の退院後外来フォローを行う。

3.病棟回診

Page 17: 内科ローテーション研修(循環器内科)...静岡市立静岡病院初期臨床研修プログラムローテーション部門別プログラム 内科ローテーション研修(消化器内科)

静岡市立静岡病院初期臨床研修プログラムローテーション部門別プログラム

外科ローテーション研修(外科・消化器外科)

1. 研修期間: 2ヶ月

2. 目標

1.一般目標

全人的医療の概念を理解し、入院から退院までのプライマリーケアができる基本的な診

療能力を身につける。具体的には外科系各科に共通して必要とされる、患者‐医師関係、

知識、基礎的技術の習得を目標とする。

2.行動目標

・良好な患者‐医師関係を構築できる。

・打撲、擦過傷、骨折、熱傷など四肢・体表の外傷患者を診察、治療できる。

・胸部、腹部、骨盤など深部臓器の外傷患者の病態、診断、治療を経験する。

・消化器疾患(各種ヘルニア、乳腺を含む)の病態、診断、治療を経験する。

・入院患者の病歴をとり、適切な検査、準備ができる。

・鏡視下手術、日帰り手術に参加する。

・胸・腹レントゲン、超音波、CT、MRI の読影、診断に参加する。

・注射、体腔の穿刺法の理論と手技を理解できる。

・胃管、膀胱留置カテーテルにつき理解できる。

・局所麻酔法、切開法、ドレナージ、縫合の理論と手技を理解できる。

・手術時に助手として、治療に参加できる。

・術後の合併症とその治療法につき理解できる。

・癌患者の心のケア‐、疼痛管理、終末期医療を理解できる。

・診療録、手術記録、各種診断書の必要性、様式を理解できる。

3. 方略:

1. 基本的な外科疾患を受持ち医として経験する。

・期間を通じ指導医の監督、指導を受ける。

・指導医、上級医師に適切な時期に必要な助言を申し出る。

・患者‐医師関係、説明と同意などの基本的対応を身につける。

・患者の診察と、診療録への記載。

・疾患の診断、病態、治療につき討論に参加。

・疾患、患者の状態に応じた治療計画の立案。

・術前術後の検査、処置、輸液、輸血、栄養などの指示。

Page 18: 内科ローテーション研修(循環器内科)...静岡市立静岡病院初期臨床研修プログラムローテーション部門別プログラム 内科ローテーション研修(消化器内科)

・採血(静脈、動脈) ・注射(皮下注、筋注、静注、点滴留置)。

・局所麻酔、切開、穿刺、排膿、縫合、圧迫法、止血法。

・術後創処置(消毒、ガーゼ交換、抜糸などの手技)。

・胃管、膀胱留置カテーテルの挿入。

・手洗い、ガウンテクニック、消毒、ドレーピング。

・手術室で実際の手術手技、器具の操作の習得。

・術後のバイタルサインの評価と、適切な対応。

・術後の合併症の予測、予防的および治療的抗生物質の投与。

・中心静脈栄養チューブの留置、処方。

・化学療法の適応、用量、副作用の理解。

・癌患者の緩和療法、終末期医療への参加。

・診療録、手術記録、各種診断書、退院サマリー、診療情報提供書の作成。

・退院時の患者の治療方針の立案。

2. 外来診療

・科長外来で、外科疾患患者の診察、検査、説明、手術準備などにつき研修する。

3. 手術室研修

・月曜日・火曜日・水曜日・金曜日に手術室で、手術操作の基本を研修し、術後の患者管理、

手術記録作成を指導医の監督の元に行う。

4. 病棟回診

・木曜午前の主任科長回診で、入院患者の診察、創の観察、処置などにつき研修する。

5. 外科・消化器外科カンファレンス ・その他の症例検討

・火曜午前 7 時半より外科・消化器外科の翌週手術予定の患者の病態・術式の発表。

・木曜午前 7 時半より外科・消化器外科の入院患者の経過、治療、画像などにつき研修する。

・不定期で研修医小勉強会として事例検討、消化器癌・乳癌キャンサーボードへの参加。

6.消化器総合センター合同カンファレンス

・月曜午前 7 時半より消化器総合センターとして内科からの手術予定症例の提示、画像の読

影、外科より術後患者の経過などについての合同カンファレンスに参加する。

7. 学会、研究会への参加・発表

・年2回開催の静岡県外科医会にて症例発表する。症例によって全国学会も考慮する。

Page 19: 内科ローテーション研修(循環器内科)...静岡市立静岡病院初期臨床研修プログラムローテーション部門別プログラム 内科ローテーション研修(消化器内科)

4. 週間予定

月曜 火曜 水曜 木曜 金曜

7:30~ 消化器総合センター 外科術前カンファ 外科病棟カンファ 不定期 8:00~

カンファレンス 研修医小勉強会

終日 手術室研修 手術室研修 手術室研修 午前・主任科長回診 手術室研修

午後 毎日病棟で指導医と担当症例の検討 隔月木:消化器癌キャンサーボード

隔月木:乳癌キャンサーボード

Page 20: 内科ローテーション研修(循環器内科)...静岡市立静岡病院初期臨床研修プログラムローテーション部門別プログラム 内科ローテーション研修(消化器内科)

静岡市立静岡病院初期臨床研修プログラムローテーション部門別プログラム

麻酔科ローテーション研修

1.研修期間: 1ヶ月

2.目標:

1.一般目標

麻酔科においては、手術患者の麻酔管理を通じて、様々な医療現場における全身管

理の基礎となる、気道確保、静脈路確保、および基本的バイタルサインの測定、解

析ならびに異常時の対処法を修得することが目標である。

2.行動目標

・術前患者の全身状態を適切に評価できる。

・血圧、心電図など基本的バイタルサインの測定および解析ができる。

・バイタルサインが変動した場合に適切な対処ができる。

・静脈路の確保ができる。

・動脈血が採取できる。

・動脈血ガス分析の結果を解析し適切に対処できる。

・マスク、バッグによる気道確保と人工呼吸ができる。

・気管挿管ができる。

・胃管の挿入ができる。

・腰椎穿刺ができる。

・術中の輸液管理ができる。

・術中の輸血(成分輸血を含む)の適応について理解し、輸血が実施できる。

・術中に発生した心肺停止、ショックなどの異常事態を迅速に正しく診断し、適切

な初期治療ができる。

・麻酔指導医を含む全ての医師、看護師および他の職種の医療従事者と協調して手

術室におけるチーム医療を実践できる。

3.方略:

3.術中麻酔管理

麻酔指導医とともに手術患者の麻酔管理に従事し、その中で全身管理の基礎とな

る知識、技術を修得する。

2.術前診察および術後回診

手術患者の術前診察を行って全身状態を評価し、術後回診を行って手術、麻酔が

患者に及ぼす影響を観察する。

Page 21: 内科ローテーション研修(循環器内科)...静岡市立静岡病院初期臨床研修プログラムローテーション部門別プログラム 内科ローテーション研修(消化器内科)

3.症例提示

毎朝8時20分からの症例検討会に参加して、当日の麻酔担当患者のプレゼンテ

ーションを行い、他の症例の討論にも参加して全身状態の評価について学ぶ。

4.ミニレクチャー

・術前診察と術前評価、術前管理

・気道確保の用具、方法

・気管挿管のこつとポイント

・循環作動薬の使い方

4.研修週間スケジュール

月 火 水 木 金

8:20-8:30 症例提示 症例提示 症例提示 症例提示 症例提示

8:30- 麻酔管理 麻酔管理 麻酔管理 麻酔管理 麻酔管理

PM 麻酔管理

術前診察

術後回診

麻酔管理

術前診察

術後回診

麻酔管理

術前診察

術後回診

麻酔管理

術前診察

術後回診

麻酔管理

術前診察

術後回診

ミニレクチャーは随時行う。

緊急手術の麻酔管理には、時間内時間外を問わず積極的に参加する。

Page 22: 内科ローテーション研修(循環器内科)...静岡市立静岡病院初期臨床研修プログラムローテーション部門別プログラム 内科ローテーション研修(消化器内科)

静岡市立静岡病院初期臨床研修プログラムローテーション部門別プログラム

救急ローテーション研修(整形外科)

1.研修期間: 1ヶ月(救急3ヶ月のうち)

2.目標:

1.一般目標

プライマリケア、救急外来における整形外科的診療の基本を理解する。

2.行動目標

・骨・関節・筋肉の身体診察ができる。

・打撲、擦過傷、捻挫、脱臼、靭帯損傷、骨折など四肢・体表の外傷患者の診察

法を理解する。

・打撲、擦過傷、捻挫、脱臼、靭帯損傷、骨折など四肢・体表の外傷患者の基本

処置を理解する。

・打撲、擦過傷、捻挫、脱臼、靭帯損傷、骨折など四肢・体表の外傷患者の重大

な合併症を理解する。

・腰痛患者、膝関節症、鞭打ち患者の診断、処置を理解する。

・適切な骨、関節のレントゲン撮影のオーダーが出来、読影できる。

・関節腔の穿刺法の理論と手技を理解できる。

3.方略:

・指導医について整形外科外来の研修をする。

・指導医について救急外来の患者の診療を行う。

・指導医について手術に参加する。

・入院患者を指導医とともに受持ち、腰痛、捻挫、骨折患者の管理をする。

・整形外科カンファレンス・回診に参加する。

・骨折の画像読影を参加する。

4.週間スケジュール:

月曜 火曜 水曜 木曜 金曜

8:30 カンファレンス カンファレンス カンファレンス カンファレンス カンファレンス

午前 手術 外来 外来 手術 外来

午後1 手術 総回診 ギプス 手術 ギプス

午後2 手術 検査 手術 検査

OP 後 術後検討会 術後検討会

Page 23: 内科ローテーション研修(循環器内科)...静岡市立静岡病院初期臨床研修プログラムローテーション部門別プログラム 内科ローテーション研修(消化器内科)

静岡市立静岡病院初期臨床研修プログラムローテーション部門別プログラム

救急ローテーション研修(脳神経外科)

1.研修期間: 1ヶ月(救急3ヶ月のうち)

2.目標:

1.一般目標

神経疾患の全般的で基本的な診察法・検査・手技と症状・病態、疾患の診断、検

査、治療法を研修する。

2.行動目標

・頭部を含め系統的身体診察ができ、所見を記載できる。

・頭痛・意識障害・神経脱落症状などの神経疾患に関連する諸症状の鑑別診断と診

断確定のための検査計画と初期治療ができる。

・意識障害の評価や神経症状の変化を把握し、病態の変化が理解できる。

・腰椎穿刺の手技を学び、髄液検査の適応とオーダーができ、結果を解釈できる。

・単純 X線写真検査・造影X線検査・CT・MRIなど画像診断の適応を判断、

オーダーし、その結果を解釈できる。

・神経生理学的検査(脳波・筋電図など)の適応を判断・オーダーし、その結果

を解釈できる。

・頭痛・意識障害・神経脱落症状など、神経疾患における症状を経験し、初期診断

を行い、鑑別診断と必要な検査を計画・実行し、適切な初期治療を計画する。

・意識障害の迅速な鑑別診断と適切な初期治療ができる。

・神経脱落症状を有する患者の食事・運動・生活指導をマネージメントできる。

3.方略:

1.基本的な脳神経疾患を受持医として経験する。

・頭部外傷

・脳梗塞・脳出血

・くも膜下出血

・脳腫瘍

2.病棟回診

・毎日午前中および午後、各1回の病棟回診に参加、受持患者の診療の指導を

受ける。また、先輩医師の診療を学ぶ。

3.手術・検査

・手術および脳血管撮影に参加し、その実際を学び手技の一部を習得する。

・緊急手術にもできる限り参加し、脳神経外科疾患の急性期の診断・治療につ

Page 24: 内科ローテーション研修(循環器内科)...静岡市立静岡病院初期臨床研修プログラムローテーション部門別プログラム 内科ローテーション研修(消化器内科)

いて学ぶ。

4.カンファレンス。

・月 1 回リハビリカンファレンスに参加し、受持ち患者のリハビリの経過を把握し、

今後の治療計画を作成する。

5.ミニレクチャー

・脳神経外科の診断と治療

・神経疾患の基本的診断法、処置手技について。

・頭蓋内圧管理の基本と実際

・頭部画像診断法(Xp・CT・MR・SPECT)の見方の基本

4.研修週間スケジュール

月 火 水 木 金

8:00-8:30 回診 回診 回診 回診 回診

8:30-12:00 病棟 病棟

9:00-17:00 手術 血管撮影 病棟 手術 血管撮影

16:30-17:30 リハビリ

カンファレンス

(月1回)

Page 25: 内科ローテーション研修(循環器内科)...静岡市立静岡病院初期臨床研修プログラムローテーション部門別プログラム 内科ローテーション研修(消化器内科)

静岡市立静岡病院初期臨床研修プログラムローテーション部門別プログラム

救急科ローテーション研修

1.研修期間: 2ヶ月(救急3ヶ月のうち)

2.目標: 各コースで定義された、診療科に関連のある SBO を取りこむ。

1.一般目標

生命や機能予後に係わる緊急を要する病態や疾病、外傷に対して適切に対応でき

るために、全般的で基本的な研修を積み重ねながら、救急外来で修得する機会が

多い基本的診察法・検査・手技と症状・病態、疾患の診断、検査、治療法を研修

する。

2.行動目標

・ 患者とのコミュニケーションのスキルを磨き、適切な病歴の聴取と記載を行い

ながらインフォームドコンセントを行える。

・ バイタルサインが把握できる。

・ 重傷度および緊急度の把握ができる。

・ ショックの診断と治療ができる。

・ 二次救命処置ができ、一次救命処置が指導できる。

・ 頻度の高い救急疾患の初期治療ができる。

・ 専門医への適切なコンサルテーションができる。

・ 大災害時の救急医療を理解し、自己の役割を把握できる。

・ 気道の確保、人工呼吸ができる。

・ 心マッサージを実施できる。

・ 圧迫止血法を実施できる。

・ 包帯法を実施できる。

・ 静脈確保ができる。

・ 導尿管の挿入ができる。

・ 経鼻胃管の挿入ができる。

・ 局所麻酔法ができる。

・ 骨折、脱臼、靭帯損傷の診断ができる。

・ 創部消毒とガーゼ交換ができる。

・ 皮膚縫合法ができる。

・ 軽度の外傷、熱傷の処置ができる。

・ 中耳炎の診断ができる。

・ 喉頭、気管、食道異物の診断と治療ができる。

・ 中毒(アルコール、薬物)の診断と初期治療ができる。

・ 熱中症、凍傷の診断と初期治療ができる。

Page 26: 内科ローテーション研修(循環器内科)...静岡市立静岡病院初期臨床研修プログラムローテーション部門別プログラム 内科ローテーション研修(消化器内科)

・ 気管内挿管の適応を判断し指導医の介助ができる。

・ 除細動の適応を判断し指導医の介助ができる。

3. 方略:

1.研修医は、救急医療に必須の技術と経験を習得できる救急科2か月と脳外科、整形

外科のいずれか1科に1ヶ月所属し、指導医の下、救急外来で救急医療に当たり、

救急医療の手技を習得する。下記の病態、疾患を指導医のもとに救急治療室で経験

・ 心肺停止状態 ・ショック状態 ・意識障害 ・脳血管障害

・ 急性呼吸不全 ・急性心不全 ・急性冠症候群

・ 急性腹症

・ 急性感染症

・ 急性期外傷(頭部外傷、骨折・捻挫、多発外傷、高エネルギー外傷、小外傷)

・ 急性中毒 ・誤飲、誤嚥 ・熱傷

2.病棟研修

救急科より入院した患者の診療ならびに治療経過を適宜追跡し研修する。

Page 27: 内科ローテーション研修(循環器内科)...静岡市立静岡病院初期臨床研修プログラムローテーション部門別プログラム 内科ローテーション研修(消化器内科)

静岡市立静岡病院初期臨床研修プログラム

精神科ローテーション研修

1 研修期間 1ヶ月

溝口病院、日本平病院、県立こころの医療センター、清水病院各施設で1ヶ月研修す

る。

2 一般的目標(GIO)

精神医療に必要な基本姿勢・態度や基本的な知識を身につけると同時に精神障害者を

全人的に理解し、その患者・家族とも良好な関係を確立して精神障害者に的確に対応でき

るために、プライマリー・ケアに求められる精神疾患の診断と診療技術、医療コミュニケ

ーション技術をみにつける。

3 行動目標(SBO)

精神疾患の診察法、医療コミュニケーション技術を修得する。

精神疾患の診断、状態像の把握、重症度の客観的評価法を修得する。

精神疾患の薬物療法、精神療法の基礎を取得する。

指導医のもと外来診療に携わり、出来るだけ多くの症例を経験する。

指導医のもと下記の入院症例(5例程度)を受け持つ。

統合失調症(1-2例)

痴呆症例(1-2例)

気分障害症例(1-2例)

その他(1-2例)

アルコール依存症、不安障害(パニック症候群)、身体表現障害、

ストレス関連障害

4 方略

1 基本事項の講義を受ける(第1日、第2日)

A) 基本的事項

1)オリエンテーション(病院の概要、精神的疾患(ICD-10)の分類・概要等)

2)医の倫理(患者・家族への人権の配慮、インフォームド・コンセント等)

3)面接技法(精神疾患に対する対応の仕方、興奮・拒絶患者への対応等)

4)精神症状学(精神症状の捉え方、状態像の把握、診断等)

5)薬物療法(抗精神薬、抗うつ薬、抗不安薬・睡眠薬の使い方、副作用等)

6)身体療法(電気痙攣療法等)

7)精神療法(個人精神療法、集団精神療法、家族面接など)

8)心理検査(知能検査、性格検査等)

9)司法精神医学(精神保健福祉法・司法精神鑑定など)

Page 28: 内科ローテーション研修(循環器内科)...静岡市立静岡病院初期臨床研修プログラムローテーション部門別プログラム 内科ローテーション研修(消化器内科)

10)リハビリテーション(作業療法・デイケアなど)

11)コンサルテーション・リエゾン精神医学

12)地域支援体制(保健所、診療所、福祉施設、作業所)

B)各精神障害に対する講義

1)統合失調症とその治療

2)うつ病とその治療

3)痴呆(含器質性精神障害)および症状精神病とそれらの治療

4)中毒性精神障害とその治療

5)神経症およびストレス関連疾患とそれらの治療

6)睡眠障害・摂食障害とそれらの治療

7)人格障害とその治療

8)児童の精神障害とその治療

2 指導医のもとに外来診療に従事する。

1)外来新患の予診と陪診をする。

2)再来患者の陪診および予診患者の再診の陪診をする。

3)入院時診察の陪診をする。

4)専門外来(児童、老年期)の陪診をする。

3 指導医のもと入院症例を受け持つ

4 その他

1)午後、昼休み、夕方に講義を受ける。

2)医療部で行う、症例検討会、新入院紹介には必ず出席する。

3)週1回程度、指導医とともに副当直、精神科救急医療相談業務を体験する。

4)デイケアおよび作業療法部門で研修(半日単位で1日)

5)保健所、児童相談所、グループホーム、介護保健施設等の訪問(1日)。

6)訪問看護に同席する。

7)うつ病・痴呆・統合失調症のレポート作成をする。

Page 29: 内科ローテーション研修(循環器内科)...静岡市立静岡病院初期臨床研修プログラムローテーション部門別プログラム 内科ローテーション研修(消化器内科)

5 研修スケジュール

〔第1週目〕

午前 午後 その他

1日目 基本的事項の講義1-A 基本的事項の講義1-A

2日目 基本的事項の講義1-A 基本的事項の講義1-A

3日目 外来部門での研修 病棟部門での研修 講義 1-B-1

4日目 外来部門での研修 病棟部門での研修 副当直

5日目 外来部門での研修 病棟部門での研修 講義 1-B-2

〔第2週目〕

午前 午後 その他

1日目 外来部門での研修 病棟部門での研修 講義 1-B-3

2日目 外来部門での研修 病棟部門での研修 症例検討会(医療部)

3日目 外来部門での研修 病棟部門での研修 講義 1-B-4

4日目 外来部門での研修 専門外来の陪審(児童) 副当直

5日目 外来部門での研修 病棟部門での研修 講義 1-B-5

〔第3週目〕

午前 午後 その他

1日目 入院時診察の陪診 病棟部門での研修 講義 1-B-6

2日目 外来部門での研修 病棟部門での研修 症例検討会(医療部)

3日目 外来部門での研修 病棟部門での研修 講義 1-B-7

4日目 外来部門での研修 専門外来の陪審(老年期) 副当直

5日目 外来部門での研修 病棟部門での研修 講義 1-B-8

〔第4週目〕

午前 午後 その他

1日目 作業療法研修 病棟部門での研修 指導医との話し合い

2日目 デイケア研修 レポート作成 症例検討会(医療部)

3日目 地域支援システム(保健

所等へ PSW と訪問)

指導医との話し合い

4日目 訪問看護の研修 レポート作成 副当直

5日目 レポート作成症例に関す

る指導医との質疑応答

Page 30: 内科ローテーション研修(循環器内科)...静岡市立静岡病院初期臨床研修プログラムローテーション部門別プログラム 内科ローテーション研修(消化器内科)

静岡市立静岡病院初期臨床プログラムローテーション部門別プログラム

地域医療ローテーション研修

1.研修期間 1ヶ月

西伊豆健育会病院・共立蒲原総合病院・岡本石井病院・富沢病院・静岡市医師会診療

所各施設で1ヶ月研修する。

2.目標

1.一般目標

医療の多様性と社会性・公共性を理解し、診療所、へき地診療所、在宅医療、

介護保健施設、社会福祉施設、保健所など、地域の医療、保健、社会福祉サービス

の全体を理解し、患者とその家族に対し全人的な医療ができるために地域保健・

医療の現場で研修する。

2.行動目標

・診療所・かかりつけ医の役割を理解する。

・病診連携を理解する。

・患者の日常的な訴えや、健康問題の基本的な対処について理解する。

・健康維持に必要な患者教育(食生活、運動、禁煙など)が行える。

・患者の年齢・性別に応じて必要なスクリーニング検査・予防接種を勧める

ことができる。

・へき地における医療の特殊性を理解する。

・介護療養型病院の役割を理解する。

・老人保健施設や老人ホームの役割を理解する。

・居宅介護や在宅医療について理解する。

・患者の問題解決に必要な医療・福祉資源を挙げ、各機関に相談・協力ができる。

・献血業務の役割を理解する。

・紹介状・診療情報提供書や介護保険の主治医意見書の作成を補助できる。

3.方略

・医師会診療所において診療研修する。

・療養型病院において、診療研修する。

・静岡県赤十字血液センターで献血業務の研修をする。

Page 31: 内科ローテーション研修(循環器内科)...静岡市立静岡病院初期臨床研修プログラムローテーション部門別プログラム 内科ローテーション研修(消化器内科)

静岡市立静岡病院初期臨床研修プログラムローテーション部門別プログラム

産婦人科ローテーション研修

1.研修期間 1ヶ月

2.一般目標(GIO)

1)女性特有の緊急を要する疾患を鑑別し初期治療を研修する。

女性の加齢と性周期に伴うホルモン環境の変化を理解し、その失調に起因する疾

患に関する診断と治療を研修する。

2)妊娠、分娩と産褥の管理ならびに新生児の医療の基礎知識を研修する。

3.行動目標(SBO)

A. 経験すべき診療法、検査、手枝

・問診及び病歴の記載

・産婦人科診察法

・婦人科内分泌・不妊症検査

・妊娠の診断

・感染症の検査

・細胞診・組織検査

・超音波・内視鏡検査

・放射線学的検査

B. 経験すべき症状、病態、疾患

1)産科関係:

・正常妊娠の外来管理

・正常分娩・産褥の管理

・正常新生児の管理

・腹式帝王切開術

・流・早産の管理

・産科出血に対する応急処置法の理解

2)婦人科関係:

・婦人科内分泌調節系の理解

・不妊症、内分泌疾患の外来における検査と治療計画の立案

・婦人科性器感染症の検査・診断・治療計画の立案

・婦人科良性腫瘍の診断ならびに治療計画の立案

・婦人科悪性腫瘍の早期診断法と集学的治療の理解

Page 32: 内科ローテーション研修(循環器内科)...静岡市立静岡病院初期臨床研修プログラムローテーション部門別プログラム 内科ローテーション研修(消化器内科)

4.方略(L.S)

1)婦人科、産科(流・早産、正常分娩・産褥)患者を指導医のもとに担当医として

診察、研修する。

2)外来において妊婦検診、婦人科検診、内診や各種検査を見学、研修する。

3)産科、婦人科手術は指導医のもと担当医として、第2助手として参加もしくは見

学し周術期管理を習得する。

婦人科悪性腫瘍患者の抗癌剤治療を指導医のもと見学し、治療と薬剤の副作用に

ついて習得する。

4)産婦人科カンファレンス、小児科との合同カンファレンスに参加する。

5)産婦人科症例検討会に参加し、抄読会で発表する。

5.研修医の週間スケジュール

月 火 水 木 金

午前 外来

又は病棟、科長回診

外来

又は病棟

手術・病棟 外来

又は病棟

手術・病棟

午後 外来

又は病棟

外来

又は病棟

手術・病棟 外来

又は病棟

手術・病棟

毎週月曜 8:00~ 産婦人科カンファレンス

毎月第2火曜 産婦人科、小児科合同カンファレンス

毎月第3金曜 産婦人科症例検討会および抄読会

Page 33: 内科ローテーション研修(循環器内科)...静岡市立静岡病院初期臨床研修プログラムローテーション部門別プログラム 内科ローテーション研修(消化器内科)

静岡市立静岡病院初期臨床研修プログラムローテーション部門別プログラム

小児科ローテーション研修

1.研修期間: 1ヶ月

選択期間を含め、2ヶ月以上ローテートすることも可能です。

2ヶ月以上ローテートする場合、希望により静岡県立こども病院での研修(例:当院2ヶ月研修

なら、うち1~2週間、3ヵ月研修なら、うち2~3週間)が可能です。

2.目標:

1.一般目標

小児科および小児科医の役割を理解し、小児医療を適切に行うために必要な基礎知識、

技能、態度を習得する。

1)小児の特性を学ぶ

・病室研修において入院小児の疾患の特性を知り、病児の心理状態を考慮した治療計

画を立てる

・成長、発達過程の小児の診療のためには正常の成長、発達に関する知識と経験が不

可欠である。そのために正常新生児の診察、乳幼児健診などを経験する。

・正常児に関して出生から新生児期の生理的変動を観察し、記録する

・夜間小児救急を訪れる患者の特性を理解し、適切な対応方法を学ぶ

・保護者(母親)の不安を理解し、育児不安、育児不満についての対応法、育児支援の実

際を学ぶ。

2)小児の診療の特性を学ぶ

・小児の年齢別の適切な診療方法を学ぶ。保護者(母親)から適切な情報を入手する面

接方法を経験する。

・母親との信頼関係を築き、良好なコミュニケーションができることが重要である。また、協

力を得られない乳幼児の診察において、患者に恐怖感を持たれず診察ができる配慮も

必要である。

・検査や画像診断に頼らない「初期印象診断」の経験を蓄積する。

・年齢、体重などから適切な投薬量、輸液量を設定できる経験を積む。

・予防医学の研修として予防接種、マススクリーニングについて経験する。

3)小児期の疾患の特性を学ぶ

・小児疾患は発達段階により疾患の内容が異なる。同じ症候でも年齢により鑑別すべき疾

患が異なることを学ぶ。

・同じ病名でも成人とは病態が異なることが多い。小児特有の病態を理解し、病態に応じ

た治療計画を立てることを学ぶ。

・成人にはない小児特有の病態(染色体異常、先天性異常、免疫不全)や、各発達段階

に特有の疾患を学ぶ。

Page 34: 内科ローテーション研修(循環器内科)...静岡市立静岡病院初期臨床研修プログラムローテーション部門別プログラム 内科ローテーション研修(消化器内科)

・小児期に多いウィルス性疾患について症状から病原体の推定を行い、同定、管理、治

療について学ぶ。

・細菌感染症についても感染病巣と起炎菌との関係に年齢的特徴があることを学ぶ。

・分娩立ち会いを行い異常分娩の際の緊急処置を学習する。

2.行動目標

1)病児—家族(母親)—医師関係

・病児を全人的に理解し、病児・家族(母親)との良好な人間関係を築く

・医師、病児、家族がともに納得できる医療ができるように話し合いができる

・病児のプライバシーに配慮できる

・子供独特の不安、不満に配慮できる。

2)チーム医療

・医療チームの構成員としての役割を理解し、他の職種と協調して全人的医療を実施

する。

・指導医、他の専門医、他科の医師に適切なコンサルテーションができる

・同僚、後輩への教育的配慮ができる

3)問題対応能力

・病児の疾患を病態、生理的側面、発達、発育面、疫学・社会的側面から問題点を抽

出し、解決するための情報収集の方法を学び、その情報を評価、適応を判断できる

・疾患の全体像を把握し、医療・保健・福祉への配慮をしながら一貫した診療計画の策

定ができる。

・病児、家族の経済的・社会的問題に配慮し、関係機関の担当者と適切な対応策を構

築できる。

・病児の臨床経過、対応について要約し症例提示・討論ができる。

4)安全管理

・医療事故、院内感染対策に積極的に取り組み安全管理の方策を身に付ける。

・医療事故防止、および発生時の対応についてマニュアルにそって適切な行動がとれ

る。

・小児特有の感染症とその対策について理解し、対応できる。

5)外来実習

・小児期に多いいわゆる「common disease」について経験を積むことにより小児科全体

像を把握する。

・外来における家族からの情報収集、コミュニケーションの取り方について経験する

・母親の「育児不安」、「育児不満」に対応することで育児支援の方法を学ぶ

・予防接種について種類、接種時期、実際の接種方法、副反応、禁忌について学ぶ

Page 35: 内科ローテーション研修(循環器内科)...静岡市立静岡病院初期臨床研修プログラムローテーション部門別プログラム 内科ローテーション研修(消化器内科)

6)救急医療

・小児救急医療の現場で一般的な疾患から重症患者を見逃さずトリアージする経験を

積む。

・救命的な救急処置について学ぶ

・病児と保護者(母親)の不安に対応する方法を学ぶ

3.方略:

1)基本的な小児疾患を受持医として経験する。

・感染症(ウィルス感染、細菌感染など)

・未熟児、新生児疾患(低出生体重児、仮死、呼吸障害、黄疸、出血傾向など)

・肺炎、気管支炎、細気管支炎などの呼吸器疾患

・胃腸炎などの消化器疾患

・心雑音の評価、心疾患

・川崎病、アレルギー性紫斑病などの血管炎症候群

・気管支喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、結膜炎などのアレルギー疾患

・低身長、糖尿病、甲状腺疾患などの内分泌疾患。

・熱性痙攣、てんかんなどの神経疾患

・膠原病、悪性腫瘍、免疫不全など

2)外来研修

・午前中病棟での業務が終わり時間があれば外来にて診察や処置を経験する

・午後の予防接種外来、乳児健診に参加する。

・学童外来、専門外来を見学する。

3)病棟回診

・午前は病棟当番医とともに採血などの処置、正常新生児の診察、病棟回診に参加する

4)症例検討会、カンファレンス。

・水曜午後に入院患者のカンファレンス、勉強会を行う。

・金曜日午後より病棟にて回診を行う。

・産科小児科カンファレンスに参加する

5)学会、研究会への参加・発表

・市内公的病院症例検討会、小児科学会地方会に参加し、発表の機会を得る

Page 36: 内科ローテーション研修(循環器内科)...静岡市立静岡病院初期臨床研修プログラムローテーション部門別プログラム 内科ローテーション研修(消化器内科)

4.研修週間スケジュール

月 火 水 木 金

午前 病棟処置

病棟回診

正常新生児

診察

外来処置

→ → → →

午後 予防接種

4,10 ヶ月

健診

1ヶ月健診

カンファレンス、

勉強会

学童外来

専門外来

学童外来