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    515

    『臺灣教科用書國民讀本』中「土語讀方」之探討 江秀姿

    久留米大學比較文化研究科博士生

    摘要

    明治三十一年「台灣公學校令」發布後,台灣初等教育機構「公

    學校」制度正式實施。因應此制度而編撰的新教科書『臺灣教科用書

    國民讀本』共有十二卷。該教科書的內容架構分為「本文」、「應用」、

    「土語讀方」三部分。

    本論文首先將『臺灣教科用書國民讀本』中的「土語讀方」譯為

    日文,並加上台語漢字表記之後,針對「土語讀方」的配置,與本文、

    「應用」的關係、教材內容等進行分析。各課中「土語讀方」的內容

    未必與該課的本文有關,若是與本文相關的「土語讀方」,其內容可分

    為本文內容的續文、總結、比較等三類。教材內容方面,以要求台灣

    兒童遵從日本道德規範,培養勤勉的國民性格等相關內容最多。又,

    該書中的台語已不同於以往日語教科書中的對譯文,而具有文化普及

    與應用練習的功用。另外,本論文擬透過「土語讀方」成立過程的探

    究,釐清當時的教育者如何看待此新發明的日文假名和發音記號標記

    台語之提案,以瞭解當時的日語教育。 關鍵詞:臺灣教科用書國民讀本、本文、應用、土語讀方

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    516

    A study of “Taiwanese reading” in “Taiwanese Textbook (Kokumin Dokuhon)”

    Chiang Hsiu-Tzu Graduate student of Kurume University

    Abstract

    The elementary education system “Public School” in Taiwan was started since the promulgation of the Regulations for “Taiwan Public School” in 1898. In consequence of that, the new textbooks(“Kokumin Dokuhon”)which were composed of twelve volumes were compiled for educating pupils in Taiwan. The arrangement of this textbook is divided into text, application and “Taiwanese reading”. In order to analyze the arrangement of “Taiwanese reading”, the relation to text and application, and the contents of the textbook, the author tried to translate “Taiwanese reading” into Japanese and inscribe it with Chinese character. The “Taiwanese reading” which is arranged in each lesson doesn’t always relate to the text contents. If the “Taiwanese reading” related to the text, it can be classified into three types of continuation, conclusion and comparison of text contents. The results also showed that the most part of contents in this textbook is to make the Taiwanese children grow up to be a diligent nationality in accordance with the Japanese moral norm. In addition, “Taiwanese reading” is different from the translation of the former Japanese textbooks. It plays the role of cultural spread and application practice. Furthermore, through analyzing the formation details of “Taiwanese reading”, and investigating how the educators think about the Taiwanese with kana and pronunciation inscription, we would understand the actual condition of Japanese education in that time. Key words:Kokumin Dokuhon, text, application, “Taiwanese reading”.

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    『臺灣教科用書國民讀本』に見える「土語讀方」について 江秀姿

    久留米大学大学院比較文化研究科博士生

    要旨

    明治三十一年「台湾公学校令」の発布により、台湾での初等教育

    機関「公学校」の制度が本格的に開始された。それに応じて、新し

    く編纂した教科書は『臺灣教科用書國民讀本』全十二巻である。本

    教科書は「本文」・「應用」・「土語讀方」という構成である。本稿で

    は、その中の「土語讀方」の日本語訳・台湾語漢字表記を試みたう

    えで、「土語讀方」の配置、本文、「應用」との関係及び教材内容を

    分析した。各課に配置された「土語讀方」は必ずしも当該の課の本

    文内容と関わるとは言えない。本文と関わる「土語讀方」であれば、

    本文内容の続き・まとめ・比較の三種類に分けられる。教材的には、

    台湾人児童を日本の道徳規範に従わせ、勤勉な国民性を育成すると

    いった内容が最も多いことが分かる。また、従来の日本語教科書の

    訳文と違って、文化普及および応用練習の役割が窺える。更に、こ

    の新しく発明された仮名と発音符号で台湾語を表記することについ

    て、当時の教育者はどのように考えたのか。「土語讀方」の成立経緯

    の考察を通して、考究したい。 キーワード:臺灣教科用書國民讀本、本文、應用、土語讀方

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    518

    『臺灣教科用書國民讀本』に見える「土語讀方」について

    江秀姿

    久留米大学大学院比較文化研究科博士課程

    1.はじめに

    台湾での日本語教育は領台直後の明治二十八年に芝山巌で始め

    られたが、外国人に日本語を教えることは初めての経験なので、教

    科書や教授法は全く手探りの状態であった。その後、明治三十一年

    七月「台湾公学校令」の発布により、台湾での初等教育機関「公学

    校」の制度が本格的に開始された。それに応じて、新しい教科書の

    編纂にも着手した。こうして、編纂したのが『臺灣公學讀本』巻一

    である。後に、『臺灣教科用書國民讀本』に改称されて、明治三十四

    年に巻一から巻六、明治三十五年に巻七から巻九、明治三十六年に

    巻十から巻十二がそれぞれ出版された。この『臺灣教科用書國民讀

    本』全十二巻の各課は基本的に「本文」・「應用」・「土語讀方」とい

    う構成である。本稿では、その中の「土語讀方」について考察した

    い。日本語教育の教科書に台湾語を入れたのはどんな目的であろう

    か。この「土語讀方」の内容を通して台湾人生徒に何を伝えようと

    しているのか。そして、当時の教育者はどのように思ったのかを中

    心に日本語教育を考究したい。 2.「土語讀方」の内容

    『臺灣教科用書國民讀本』全十二巻は基本的に「本文」・「應用」・

    「土語讀方」という構成である。「應用」は各課の文型練習のための

    短文であり、「土語讀方」というのは台湾語を片仮名で表記して発声

    記号も附しているものである。本稿では、その土語読方を考察する

    ために、全十二巻に掲載された「土語讀方」を日本語訳と台湾語の

    漢字表記で記してみた 1(資料一)。

    1台湾語の漢字表記は原則的に『台灣話大詞典』(1994)を参考に記した。日本語

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    2.1「土語讀方」の配置と本文との関係

    「土語讀方」(資料二)は巻一から巻四までは各課に配置される

    が、巻五・六では「應用」と「土語讀方」が不規則的に相互に掲げ

    られ、巻七から巻十二まではほぼ三・四課ごとに土語読方のみが掲

    載されている。そして、巻七以降の各巻に五課ずつの「土語讀方」

    が見られる。これらの「土語讀方」の内容を見ると、巻一~巻四は

    本文の文型を中心に作った文で、巻五以降は本文の文型に限らず、

    応用練習の内容が大半を占めていることが分かる。 まず、「土語讀方」の配置と本文内容の関係である。基本的には

    各課に「土語讀方」が配置されれば、土語の内容はその課の本文と

    関わる。しかし、後学年になって「土語讀方」の減少と伴って、土

    語の内容は当該の課の内容と関わるのみならず、前の数課の内容を

    含めて総合練習として現れる。例えば、巻九の第 19 課(課名省略。資料一を参照。以下同じ。)の「土語讀方」は 18、19 課の総合練習、巻十一の第 3 課は 1~3 課の総合練習、巻十一の第 20 課は 19、20課の総合練習、巻十二の第 12 課は 9~12 課の総合練習であると見なしていい。更に、当該の課の内容でなく、前のある課または数課の

    内容の練習であるものが見られる。例えば、巻九第 3 課の「土語讀方」は第 1 課の本文の練習、巻九第 15 課は 12、13 課の総合練習、巻十の第 8 課は第 6 課の練習、巻十の第 16 課は 15 課の練習、巻十二の第 4 課は 2、3 課の総合練習、巻十二の 16 課は 14、15 課の総合練習である。 2.2「土語讀方」の内容と本文、「應用」との関係

    2.2.1 本文の内容と関係なく、本文の文型に沿うもの

    生徒たちに文型を定着させるために、巻一から巻四までの「土語

    讀方」はほぼこの類である。本文が長い場合、当該の課で教えよう

    訳は原則的に『臺灣教科用書國民讀本』の本文や「應用」の文型・語彙に沿っ

    て訳した。ただし、よりよく内容を理解させるために、当時使われていた日本

    語の表現を多少変えたところがある。なお、本文は敬体で書かれているが、こ

    こでは常体を使う。

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    とする主要文型がぼやけないように、「應用」に主要の文型が掲げら

    れる。そして、この要約された文型に沿って、「應用」と全く同じ文

    型の「土語讀方」が見られる。 例:(巻三の第 15 課)

    「應用」:ワタクシ ガ、トンボ オ トロオ ト スル ト、ニゲテ シマイマシタ。アア オシイ コト オ シマシタ 2。 「土語讀方」の日本語訳:猫が鼠を捕ろうとすると、鼠が逃げてし

    まった。ああ、惜しいことをした。

    2.2.2 本文の文型に沿わないもの

    (1)本文の内容と関係するもの ①本文内容の続き 例:(巻六の第 15 課)

    「一月一日」という題名で日本内地で正月のお祝いの場面が描写さ

    れた。それに引き続き、「土語讀方」は「我々は同じく日本人だか

    ら、正月のお祝いは内地人と同時にすべきだ。」という文である。 例:(巻七の第 13 課) 「蒸気車」の話に引き続き、「土語讀方」は「台北から台南まで大体

    四十八舗だ。鉄道ができたら十時間ぐらいで着く。」という文である。 ②本文内容のまとめ 巻五を境に(その前の巻一~巻四の「土語讀方」は文型中心の文で

    ある)、巻五から文型に限らず、本文内容のまとめが殆どである。 例:(巻五の第 5 課) 第 3 課~第 5 課では「桃太郎」の物語を紹介した。続いて、「土語讀方」は「人は悪いことをすると、最後にはきっと苦しむことになる。」

    という文である。

    2『臺灣教科用書國民讀本』原文の本文と「應用」は原則的に単語ごとに分かち

    書きをした(助詞は独立して、半角スペースを離して書く)。本稿で引用した本

    文と「應用」の内容はこれに従い表記した。

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    (巻五の第 8 課) 題名は「犬と肉」の話であり、「土語讀方」に「どんな人でも欲張る

    と、自分のものさえもなくしてしまう。」という文が見られる。 ③本文内容との比較 例:題名「水牛」―土語読方「赤牛」(巻五の第 2 課)

    題名「砂糖」―土語読方「塩」(巻六の第 12 課) 題名「保己一」―土語読方「孔子」(巻八の第 18 課)

    (2)本文の内容と関係なく、「應用」の内容と関係するもの 例:巻二の第 13 課の「應用」は特に本文の内容と関係がないが、

    本文の文型に沿って作った「チイサイ ネコ ノ コ ガ、イチバン タカク、アガリマシタ。」という文に対して、「土語讀方」の日本語訳

    「大きい猫が一番下にいる。」を見ると「應用」内容の続きであると

    言えよう。 例:巻三の第 13 課の「應用」に「センセイ ガ、セイト ニ、ハ

    ナシ オ シテ イマス。セイト ワ、ワカラナイデ、カンガエテ イマス。」という文に対して、「土語讀方」に「分からないことも、暫く

    考えてみると分かるようになる。」という文が見られる。

    2.3 教材内容からみる「土語讀方」

    「土語讀方」の教材内容を更に整理してみると、次の表一の通り

    である。内容の分類は『公學校用國民讀本編纂趣意書』(1912)を参考して、本稿において「道徳に関するもの」・「智会に関するもの」・

    「雑」という三大類に従うこととする。

    <表一> 道徳に関するもの 智会に関するもの 国民的 一般的 科学的 実際的

    雑 総

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    皇室 国家 公徳 私徳 衛生 地理 理化 社会 家事 計 5 4 6 24 7 2 2 3 2 50 105

    巻一~巻四の「土語讀方」は文型中心の文であり、特に何かの内

    容を強調しないので、ほぼ「雑」の類に入れた。そして、全四巻に

    すべて配置されたので、全体に圧倒的に多いのは当然であるが、こ

    の以外に「私徳」は最も多い課数を占めていることが分かる。「私徳」

    という教育の目標を通して、台湾人児童を日本の道徳規範に従わせ、

    労働を愛すべき、懸命に仕事すべき、まじめに勉強すべきといった

    内容がしばしば見られる。これは実直かつ勤勉な日本国民を育成す

    るところに焦点を置いていたことだと思われる。次に、「衛生」に関

    する内容も多い。当時、衛生の環境が悪くて、病気にならないよう

    に、幼い時からよい生活習慣を身につけなければならないと教えら

    れていたのであろう。更に、皇室を尊ぶ、国家を愛する、人民は天

    皇に慈しまれるので皇室のために忠義を尽くすべきなど、本島人の

    新国民性を育成するための教材が見られる。 3.「土語讀方」成立の経緯

    当時、学務課が編纂した『臺灣教科用書國民讀本』は内地と同じ

    く教科書の検定制度を実施することが酒井(1998)の論文から分かる。この教科書を審査するために、明治三十三年から『臺灣教科用

    書國民讀本』の図書審査会を開催して、各課毎に文章表現の適正さ、

    教材選択の意図、教材の科学的な根拠、台湾の児童に教える教材と

    して適切かどうかなどが細かく検討されている。更に、審査会記録

    の中に、数課の原稿に審査委員の意見を入れたままの内容も窺える。

    勿論、その中に「土語讀方」に関する意見がある。ここで注目した

    いのは「土語讀方」のところに日本語で書かれている内容である。

    例えば、巻六の第 14 課「あわれみのふかい娘」の「土語讀方」に「すべてかわいそおなものおたすけてやる人お、あわれみのふかい人と

    いってたれもかんしんします。」という文がある。そして、その文の

    下に「たれも」から「だれも」に、「かんしんします」から「ほめま

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    す」に修正すべきなど、審査委員の意見が掲げられる。次回の審査

    の原稿に「たれも」のところが「だれも」に変ったが、「かんしんし

    ます」のところは変らない(酒井 1998,p.435,439)。次に、巻六の第15 課「一月一日」の「土語讀方」に「ワレラモ日本国ノ人デアルユエ一月ノオイワイオ本国人ト一ショニシナケレバナリマセヌ」(酒井

    1998,p.440)がある。なお、巻六の第 17 課「清吉の正直」の「土語讀方」に「正直ナ人ノアタマニハシジュウ神サマガ番ヲシテイルト

    イイマス」と書いてある。更に、これに対して、「人のあたまヲ省キ

    タシ土語ニ訳スルモ実際困難ニアリ亦解シ難キ理アリ神ヲ内ニアリ

    ト想像スルハ進歩シタルモノナラデハ会ハズ外ニ考フルヤ通考容易

    ニシテ実際アルコトナレバナリ譬喩ナリトシマ

    イマ

    ヘ此ノ想像ツカズハ

    到底解シカタキ理ナリ国語ニハ頭に神やどるトイフニ味アレドモ土

    語ニシテハ其ノ味甚覚束ナク且変ナ事トナラズヤ台湾ニモ実地試ミ

    テ解セサリキ」(酒井 1998,p.441)という審査委員の意見が見られる。 次に、「土語讀方」に使われている台湾語の語彙の適切さについて

    も、審査の内容となっている。例えば、巻二第 9 課の修正案(酒井1998,p.412)に「土語「チィノ キ.イ\」ノ如キ言葉ハ子供ノ余リイハザルヲ以テ當成子供等ノ用ヰル言葉ニ近キマデ務メテ選択セラ

    レタシ」のように、なるべく子供が用いる言葉を選択すべき提案が

    ある。また、巻四の第 14 課の「ビッ丶 カム」を「カム ア/」に変える内容が見られる(酒井 1998,p.422)。そして、すでに仮名で表記された台湾語の文に何かの語を省いたり、何かの語を加えたりする

    などの提案もある。これは恐らく前述した「土語讀方」の日本語原

    文を参考しながら、台湾語の翻訳文を正確かどうか審査したのであ

    ろう。 続いて、「土語讀方」の配置である。巻七第 14 課「まけぎらい」

    に「土語読方ハ本課ニアリテハ余リ突然ノ様ノ感ジガスレバ前課ノ

    終リニ附スルコトニシタシト之ニ決ス」(酒井 1998,p.454)と書いてあるように、後に出版した『臺灣教科用書國民讀本』の巻七 14 課に「土語讀方」がなく、13 課に配置されたことが分かる。この 13 課

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    の「土語讀方」を見ると、13 課「蒸気車」と関わる内容である。更に、巻七に配置された「土語讀方」の課を調べると、第 2・6・10・13・18 課である。そうすると、最初の審査の原稿によると、もともと第 14 課に配置される予定であれば、ちょうど四課ごとに配置されることになる。前述した巻七から巻十二までの「土語讀方」もほぼ

    四課ごとに配置されることと関連して考えると、内容よりもどの課

    に配置すべきかを先に決めた可能性が高いと思われる。そして、巻

    七第 10 課「茶(二)」に「土語読方ハイズレモ本課ニハ干マ

    系マ

    ナキモ

    ノデアルカラ省キテ茶ニ干ママ

    シタルコトニシタシ之ニ決ス」(酒井

    1998,p.453)という文がある。これによると、土語読方は当該の課と関わる内容のはずである。しかし、前にも触れたように、「土語讀

    方」は当該の課の内容と関係なく、前のある課または数課と関わる

    内容が見られる。これを見ると、恐らく「土語讀方」は基本的に、

    配置された課と関係すべきであるが、当該の課よりも前のある課は

    更に重要である場合、その課に沿って「土語讀方」の文を作ったと

    考えられる。 以上から「土語讀方」の成立の経緯について、次のように推論で

    きよう。まず、「土語讀方」の配置を決める。次に、その配置された

    課または前のある課の本文と関わる「土語讀方」の日本語の原文を

    作成する。その内容や語彙が適切かどうかを審査する。日本語の原

    文が決められたら、それを仮名表記及び音声符号が附された台湾語

    に翻訳する。最後に、台湾語の訳文を確認したうえで、教科書に掲

    載したという過程を推定することができよう。 4.「土語讀方」の役割

    『新日本語言集甲號』『台灣適用會話入門』『台灣適用國語讀本初

    歩』といった領台初期の日本語教科書を見ると、教科書の配列とし

    ては何れも日本語の本文とその台湾語の訳文がそれぞれ上下二段に

    付いていることが分かる。これは当時日本語の授業をうまく行うた

    めに、台湾語で説明しながら日本語の意味を理解させるという対訳

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    法を使ったのである。この時の台湾語は教授内容として教えるので

    はなく、日本語を教授するための手段だと言えよう。しかし、その

    後に出版された『臺灣教科用書國民讀本』の「土語讀方」を見ると、

    台湾語が担う役割の変化が窺える。

    まず、土語読方は単なる日本語本文の訳文ではない。「土語讀方」

    の内容を見ると、本文の文型に沿って作り出した台湾語の例文もあ

    れば、本文の内容を要約したもの、本文から発展したものもある。

    『臺灣公學校國語教授要旨』(1900,p.25)の国民読本編纂例に「応用ナキ課ニ於テハ、土語ヲ国語ニ言ヒ替ヘシムル際、其応用ヲ兼ネ

    ントスルナリ」と書かれているように、「土語讀方」は本文の文型の

    使い方を、台湾語の例文を通して生徒たちに定着させようという作

    用のほかに、応用練習の役割も担っている。更に、国語学校第一附

    属教諭前田孟雄の教案 3 にも、土語読方の応用で既知の土語の入れ

    替えによって、日本語に訳す練習が見られる。これについて、蔡

    (1989,p.299)は「土語読方は五十音字を運用して台湾語の音声を記したものだが、これは土語を日本語で口述させるためのものとい

    うよりも、五十音字の表記に慣れさせ、日本語の練習に供したもの

    と考えられる」と述べている。

    次に、台湾語は従来日本語教授のための媒介語から、「国語」科

    の教授内容になった。前述した前田の教案を見ると、土語読方は日

    本語の教授内容の一部を占めていることが分かる。教程に特別に「土

    語讀方」の教授を設けて、台湾語の仮名表記や音声符号を定着させ

    た後、台湾語の仮名表記の書き方・読み方を教えた。

    「土語讀方」の役割については、『臺灣公學校國語教授要旨』

    (1900,p.25)の国民読本編纂例第六項目に、次のような内容が明示

    3 『臺灣公學校國語教授要旨』(1900,p.48)に掲載された前田孟雄の読方科教授例では、『臺灣教科用書國民讀本』巻一第一課「オトコノコガオキマシタ」の授

    業に「予備・授与・応用・復習・土語読方」の順で一日ずつ授業を進めること

    が窺える。そして、土語読方の指導方法は更に「予備・授与・応用」の形で行

    われている。

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    されている。 是レ一ハ、五十音字ノ運用ヲ示シテ、国字ノ至便ニシテ貴ブベ

    キ所以ヲ知ラシメ以テ文化普及ノ一助トナシ、一ハ、其土語ノ

    意ヲ国語モテ口述セシメテ、国語ヲ練修セシムルト同時ニ、其

    熟否ヲ試ミルニアリ。 これを見ると、土語読方を設けた理由はもう単純な対訳用ではな

    く、文化普及と応用練習の役割をも担っていた。それに、日本の仮

    名で台湾語を表記できるという仮名の持っている尊ぶべき包摂的文

    化力を強調しようという意図が窺える。植民地時代の言語政策では

    日本語教育を推進すると同時に、完全に現地語の台湾語を滅ぼすの

    でなく、かえって学校教育に採り入れて日本仮名で台湾語を保存し

    ようとする混合的な文化普及だと言えよう。しかしながら、これだ

    けの役割では「土語讀方」の存在が必要かどうか、当時様々な議論

    が窺える。 5.「土語讀方」をめぐる議論

    まず、『國民讀本參照假名遣法』(1903,p.53)の説明によると、「土語讀方」は 1901 年台湾総督府学務課から出された『訂正台湾十五音

    字母詳解』に従って表記されたものであることが分かる。そして、

    当時『國民讀本參照假名遣法』の執筆者である小川尚義はこの表記

    法の普及に力を尽くす姿が窺える。まず、小川(1900,p.37)の「仮名遣ニ関スル調」という文に、「己レノ思想ヲ記スルニ当リ、従来ノ

    如ク数千ノ異様ノ文字ヲ覚ユル困難ナクシテ、此ノ六十有マ

    許マ

    ノ簡単

    ナル文字ヲ、自由ニ利用シテ、彼我ノ意ヲ通スルニ至ル便利アルベ

    シ」と書かれているように、台湾語の表記において、漢字よりも表

    音的な仮名のほうが便利であると主張した。 しかし、実際の教育現場に携わった教師はこの表記法について

    様々な議論が見られる。長井生(1907,p.40)は「宗教と何等の関係なく、実用上彼等は一向必要を認めない。他に漢文や国語の発表法

    を有して居るのであるから、僅々『国民読本』の一部に挿入し、他

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    527

    に練習の機会少なく其の上漢文の発表法も授けるのでは、迚も成功

    の見込はない」と指摘しながら、台湾語の八声の難しさと教授上の

    困難も言及した。 これに対して、小川(1907,p.30)は以下の反論を行っている。

    本島人にして国語又わ漢文で文を綴る時に、適当なる語句又わ

    漢字の見出されざる場合など屡々起ることであらママ

    う。是等の場

    合に於てわ一定の台湾仮名を以て之お発表することお覚えてい

    たらば如何計り便利なことであらママ

    う。又別の話でわあるが愚考

    によれば、毎年地方でやる夏期講習会などに書房教師お集めて

    三週間計の国語教授おやるよりわ、この台湾仮名お教えて之お

    書房に用いしめ、国語教授お受けることの出来ない書房児童に

    この法お授けることわ、目下台湾の為めに最も急務でわなかろ

    おか。 ここで、台湾語仮名表記を書房にも導入することが注目されてい

    る。小川の考えでは、この表記法は公学校の生徒のみならず、書房

    の生徒にも教えることである。そうすると、本島で台湾語 表記が更に普及して実用性も高まるという意図が推測できよう。中に、従来

    の漢文電報の代わりに、台湾語を仮名で表記する提案も見られる。 そして、翌年 1908 年 8 月桃園で書房教師向けの講習会があって、実際に仮名表記台湾語の読み方・書き方を教えた。この表記法につ

    いて、この仮名書き教授を担当した岡本要八郎(1908, p.12-13)は「複雑な漢字よりも仮名は音を表わすので、覚えやすい。いったん

    台湾語仮名表記を覚えれば、友人間の文通や商業上の手控えなどに

    容易に応用できる。漢文学習の時間が少ない人でも、この書き方を

    応用すると便利なことになる」と様々な利点を述べた。 それにもかかわらず、「土語讀方」は当時の公学校の教師にあま

    り認められなかったことが窺える。猫裡生(1908)は「台湾語の仮名書きが難しい。仮名で完全に台湾語を表記できない。台湾の地域

    によって通用できない。公学校の生徒にとって台湾語仮名表記は日

    本語の発音に悪影響を与える」などのように反論した。更に、本荘

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    528

    太一郎(1910,p.7)は「土語を綴れる文字が仮名類似であると云ふだけの極めて浅薄なる理由で、言語の上より何等の関係なき土語の

    読み方を国語読本に挿入する理由は露ほどもなき事」と言い、多大

    の時間を割いて「土語讀方」を教える価値がないと批判した。 以上のように、「土語讀方」の台湾語仮名表記をめぐって、当時の

    様々な議論が見られる。 6.おわりに

    本稿を通して、「土語讀方」の配置、本文、「應用」との関係、教

    材内容、成立経緯を明らかにした。そして、その新たな役割も想定

    できると考える。しかしながら、前述した教育者の議論でも見られ

    るように、結局「土語讀方」の存在は日本語教育の普及の阻害物だ

    と認められたせいか、その後、『臺灣教科用書國民讀本』を改訂して

    1914 年に出版した『公學校用國民讀本』に「土語讀方」が再び掲載されることがなかった。 参考文献 岡本要八郎・平沢平七(1908)「台湾語の仮名書き教授に関する二時間の実験」『台湾教育会雑誌』82 号、台湾教育会、12-20 頁 小川尚義(1900)「仮名遣ニ関スル調」『国語研究会報』1 号、台湾教育会、8-37 頁 小川尚義(1907)「答弁二題」『台湾教育会雑誌』66 号、台湾教育会、28-33 頁 酒井恵美子(1998)「『台湾教科用書国民読本』の編纂と公学校教科用図書審査会」、中京大学社会科学研究所ほか編『台湾総督府文書目録』第 5 巻、ゆまに書房 399-463 頁 蔡茂豊(1989)『台湾における日本語教育の史的研究―1895 年~1945 年―』 東呉大学日本文化研究所 台湾総督府民政部学務課(1903)『國民讀本參照假名遣法』 台湾総督府民政部学務課(1900)『臺灣公學校國語教授要旨』 台湾総督府( 1912)『 公 學 校 用 國 民 讀 本 編 纂 趣 意 書 』 陳修編(1994)『台灣話大詞典』、遠流出版公司 長井生(1907)「『国民読本』の土語読方に就いて」『台湾教育会雑誌』64 号、台湾教育会、38-41 頁 本荘太一郎(1910)「公学校の国民読本」『台湾教育会雑誌』94 号、台湾教育会 1-8 頁 猫裡生(1908)「台湾語の仮名書き論」『台湾教育会雑誌』81 号、台湾教育会 34-40 頁

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    529

    (資料一) 「土語讀方」の日本語訳と台湾語漢字

    「土語讀方」 4 巻 課 日本語訳 台湾語漢字 一 1 ギヌ/ ア/ キ.イ/ ライ<。

    子供が起きた。 囝仔起来。 2 イイ テェノ チ.ェン| オエ<。 あの人は靴をはいている。 伊得穿鞋。

    3 ギヌ/ ア/ ソエ/ ビヌ|、ソエ タ.ウ<。 子供が顔を洗っている。髪の毛を梳いている。 囝仔洗面梳頭。

    4 ラウ| ブウ/ ツウ/ プン 7、ツウ/ サ_

    .イ\。 お母さんは飯を炊いている。おかずを作っている。老母煮飯煮菜。

    5 ゴア/ チァ丶 サ_

    ア/ キ.イ/ キ.イ\ ハク丶 ハウ|。 私は朝ご飯を食べる。学校へ行く。 我食早起去学校。

    6 サ_

    ア/ キ.イ/ チ.ッノ チ_

    ァム/ チェン ク.イ オヲ丶。 朝は七時から学校が始まる。 早起七點鐘開学。

    7 シェヌ シイ 1 コン/、ハク丶 シェン チ_

    ァム| チ_

    ァム| チ_

    .ア 1。 先生が話をしている。生徒は静かに聞いている。 先生講、学生恬恬聴。

    8 ハク丶 シェン チ_

    イ| ゴア| カ.ウ/ チ_

    .ッノ ト.ヲ<。 学生は外で遊んでいる。 学生在外口迫迌 。

    9 ゴア/ プッノ チイ/ アイ\ タク丶 ツウ、イイ ム 7 アイ\。 私は勉強が大変好きだ。あの人は好きではない。 我不止愛読書、伊不愛。

    10 ゴア/ アム\ シイ< カ.ァノ サ_

    ア/ ク.ヌ\、ペエ| ブウ/ カ.ァノ オア 3ク.ヌ\。

    私は夜早く寝る。父母は遅く寝る。 我暗時較早睏、父母較晩睏。 二 1 チッノ エ< ギヌ/ ア/ イァウ/ ベエ| ソエ/ ビヌ|。

    この子はまだ顔を洗っていない。 此個囝仔猶未洗面。 2 ゴア/ ツウ パウ ホヲ/ ラァノ。リイ/ イア| チ

    _ォ丶 コア 2 キヌ/ パウ。

    私は本を包んだ。あなたも早く包みなさい。 我書包好了、你亦着趕緊包。 3 リイ/ チァ丶 ベエ|。ベエ|、ゴア/ イァウ/ ベエ| チァ丶。 あなたはご飯を食べた。いいえ、私はまだ食べていない。

    你食未、未、我猶未食。

    4 カ.ァノ キヌ/ ライ<、チッノ チ_

    ェン/ スイ/ エ< ボヲ| ア/ ベェノ ホオ| リイ/ チ

    _イ\。

    早くおいで。このきれいな帽子をかぶらせよう。 較緊来、此頂美的帽仔要給你戴。5 チア エ< ギヌ/ ア/ シア/ ジイ|。チッ丶 エ< シア/ ホヲ/、チッ丶 エ<

    テェノ シア/、チッ丶 エ< イァウ/ ベエ| シア/。 この子供たちが字を書く。一人は書いた。一人は今書いている。一人はまだ書いていない。

    者的囝仔写字、一個写好、一個得

    写、一個猶未写。 6 トア| ビア 1 テェノ タ.ク丶 ツウ、ゴア/ ベェノ チ

    _ァム| チ

    _ァム| チ

    _.ア 1。

    4「土語讀方」の原文は基本的に音節ごとの分かち書きで記されているが、場合によっ

    て単語ごとの分ち書きで記したものもある。そこで、上の表では音節ごとの分かち書き

    で統一して示すことにした。なお、鼻音が入った発音符号は便宜上数字で表記した。

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    530

    お兄さんが本を読んでいる。私は静かに聞いている。

    大兄得読書、我要恬恬聴。

    7 ラウ| ブウ/ テェノ キオ\ リイ/、コア/ ベェノ カプノ リイ/ ソ_

    エ\ チ_

    | ライ< キ.イ\。 お母さんがあなたを呼んでいる。私もあなたと一緒に行こう。

    老母得叫你、我要合你做陣来去。

    8 シェヌ シイ 1 チ_

    イ| オオ パン ウイ| アン ア/ ハク丶 シェン チ_

    イ| チォ丶

    ポア 5 シア/ ジイ|。 先生は黒板に絵を描いている。学生は石盤に字を書いている。

    先生在黒板書尫仔、学生在石盤写

    字。 9 シオ/ チ

    _イ| ギア< ピッノ ホオ| トア| ヒア 1。トア| ヒア 1 カア| イイ

    チィノ キ.イ\。 弟がお兄さんに筆をあげる。お兄さんはそれを受け取る。

    小弟挙筆給大兄、大兄加伊接去。

    10 サ_

    ア ポオ ギヌ/ ア/ ギア< サウ\ チウ/ テェノ サウ\ パン< ア/。 男の子がほうきを持って部屋を掃いている。 査晡囝仔挙掃箒得掃房仔。

    11 チッノ エ< ギヌ/ ア/ テェ.丶 ヌン 7 リァプ丶 カヌ ロク丶。チッ丶 リァプ丶イイ エ< チッ丶 リァプ丶 パッ丶 ラン< エ<。

    この子供は独楽を二つ持っている。一つはその子のもので、一つは別の子のものだ。

    此個囝仔提両粒干楽、一粒伊的、

    一粒別人的。 12 ゴア/ エ< サア 1 ラウ| ブウ/ カプノ トア| チイ/ ソ

    _エ\ エ<。

    私の服はお母さんとお姉さんが作った。 我的衫、老母合大姊做的。 13 トア| チァノ ニァウ 1 チ

    _イ| シォン| エエ| カ.ア。

    大きい猫は一番下にいる。 大隻猫在上下脚。 14 ヒア エ< ギヌ/ ア/ ウウ| チ.ェン| オエ<。チア エ< ギヌ/ ア/ ボヲ<

    チ_

    イ\ ボヲ| ア/。 あちらの子供は靴をはいている。こちらの子供は帽子をかぶっていない。

    彼的囝仔有穿鞋、此的囝仔無戴帽

    仔。 15 ホオ| ナア 2 ライ<。ゴァヌ/ チァノ コア 2 キヌ/ ツ

    _ン 2 ライ< キ.イ\。

    雨がだんだんひどくなる。急いで帰ろう。 雨愈来、阮藉趕緊転来去。 三 1 チ

    _.イ 1 クン 1 ラァノ。チ.ェクノ チァウ/ ア/ テェノ ハウ/。ラン< キ.イ/ライ<、テェノ ツ.ッノ パン< キェン ムン 5。

    夜が明けた。雀が鳴いている。人が起きて玄関から出てくる。

    天光了、雀鳥仔得哮、人起来得出

    房間門。 2 テェノ ク.イ エ< ホエ シイ| ン 5 キイ 1。ハム< ルイ/ エ< ホエ シイ| ハ

    ム< シァウ\。

    咲いている花はくちなしだ。蕾んでいる花は含笑(花の名前)だ。

    得開的花是黄梔、含蕾的花是含

    笑。 3 サ

    _ア ボオ/ テ.ェ丶 ヘエ/ ト.ア 3、ヘエ| ロヲ丶 ハン ロオ< ライ|。ヒッノエ< シイ| ベェノ ヒア 5 クヌ/ ツイ/。

    女の人が炭と火鉢とこんろを持ってきた。これは湯を沸かすのだ。

    査某提火炭・火爐・烘爐来、彼的

    是要焚滾水。 4 ナア 7 チ

    _ァム/ チ

    _ェン、ツ.ウ\ ライ| ロン/ オエ| クン 1。

    ランプをつけると、家の中は明るくなる。 若点燈、厝内攏会光。 5 ゴア/ チァ丶 サ

    _ア/ キ.イ/ リァウ/、パウ セ

    _.ェノ カプノ チォ丶 ポア 5、イ

    ア/ チァ/ キ.イ\ オヲ丶 ツ_

    ン 5。

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    531

    私は朝飯を食べてから、本と石盤を包む。それから学校へ行く。

    我食早起了、包冊合石盤、也藉去

    学堂。 6 ゴア/ ピア 2 ボエ/ ライ< ラァノ 、タァ 1 ベェノ キ.イ\ ヒア、サア 1 カプ

    ノ チァ丶。 私は菓子を買ってきた。早くあそこへ行って食べよう。

    我餅買来了、今要去彼相合食。

    7 ヒッノ エ< ギヌ/ ア/ シイ| ホヲ/ エ< ギヌ/ ア/、チ_

    ェクノ カ.クノ ボヲ< ラム< サム/ チ

    _.ッノ ト.ヲ<。

    あの子はよい子だ。決してむだに遊ばない。 彼個囝仔是好的囝仔、的確無濫擅迫迌 。

    8 ヒッノ エ< ギヌ/ ア/ ミア 5 キオ\ ソ_

    エ\ タロオ、コン/ オエ| プッノ チイ/ ビェン< ラン/。

    あの子は太郎という。はっきりと話をする。 彼個囝仔名叫做太郎、講話不止明朗。

    9 コエ ツ_

    ウ/ ツ_

    ウ/、ツ_

    イ\ コエ チ_

    ァウ<、テェノ ベェノ ツ.ッノ ライ<。 鶏が鳥屋を出ようとしている。 鶏抵抵対鶏稠得要出来。

    10 ゴア/ チァウ\ リイ/ カア\ ゴア/、ソ_

    エ\ ホン セ_

    .エ 。ソ_

    エ\ リァウ/ ホヲ/。ソオ/ イイ/ テェノ ホア 1 ヒイ/。

    私はあなたに教わったとおり凧を作った。よくできたから、喜んでいる。

    我照你教我做風吹、做了好、所以

    得歓喜。 11 トア| ヒア 1 カア| ラン< テ.ェ丶 ピア 2。シオ/ チ

    _イ| キ.イ\ チ

    _.ッノ

    ト.ヲ<、イア/ ベエ|ツ_

    ン 2 ライ<。ソオ/ イイ/ イア/ ベエ| チァ丶、テェノ チ

    _.ェン\ ハウ|。

    兄さんが人から菓子をもらった。弟が遊びに行ってまだ帰らないから、食べないで待っている。

    大兄加人提餅、小弟去迫迌 猶未転来、所以猶未食、得等候。

    12 ニァウ 1 ア/ キア 2 テェノ チ_

    .ッノ ト.ヲ<。サ_

    ア ボオ/ ギヌ/ ア/ ベェノリァ丶 イイ。イイ スイ< シイ< サ

    _ウ/ ツ

    _イ\ ヒア キ.イ\。

    子猫が遊んでいる。女の子がその猫を捕まえようとすると、猫はすぐあちらへ行った。

    猫仔子得迫迌 、査某囝仔要掠伊、伊随時走対彼去。

    13 ボエ| ヒァウ/ エ< タイ| チイ\、ナア 7 シウ 7 チッ丶 チ_

    ァプノ ア/ クウ/、チウ| オエ| ヒァウ/。

    分からないことも、暫く考えてみると分かるようになる。

    没曉的代誌、若想一節仔久就会

    曉。 14 チッノ エ< オヲ丶 ツ

    _ン 5 エ< ハク丶 シェン、ロン/ ソ

    _ン/、シイ| イォン|

    カン、ソオ/ イイ/ ガウ< タ.ク丶 ガウ< シア/。 この学校の生徒は皆まじめだ。そうして、うまく読んだり、書いたりする。

    此個学堂的学生攏總是用工、所以

    賢読賢写。 15 ニァウ 1 テェノ ベェノ カア| ニァウ 2 ツ.ウ/、ニァウ 2 ツ.ウ/ サ

    _ウ/ キ.

    イ\ リァウ/。アア|、チヌ ポヲ< サ_

    .イ/。 猫が鼠を捕ろうとすると、鼠が逃げてしまった。ああ、惜しいことをした。

    猫得要咬老鼠、老鼠走去了。啊!

    真無彩。 16 ゴア/ プッノ ルヌ| キ.イ\ シア 2 ソオ/ サ

    _イ|、プッノ コァヌ/ シイ<、

    チウ| コア 2 キヌ/ ツ_

    ン 2 ライ<。 私はどんな場所へ行っても、いつも急いで帰る。 我不論去甚所在、不管時、就趕緊

    転来。

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    532

    17 ゴア/ チェン シヌ<、ツ_

    ウ/ ツ_

    ウ/ テェノ ベェノ キ.イ/ ライ<。イイ ライ< キオ\ ゴア/ キ.イ/ ライ<。

    私は目を覚まして起きようとするところだ。あの人は私を起こしに来る。

    我精神、抵抵得要起来、伊来叫我

    起来。 四 1 ゴア/ イア| タ.ク丶 ツウ、イア| オヲ丶 シア/ ジイ|、イア| ソア\ オヲ

    丶 スン 3 ポア 5。 私は本を読んだり字を習ったりして、それから、そろばんを習う。

    我亦読書、亦学写字、亦順学算盤。

    2 チッノ エ< ギヌ/ ア/ テェノ タ.ウ/ チ_

    ァム/ シム パウ、プヌ シオ/ チ_

    |。 この子供は菓子の包みを解いて、弟に分けている。此個囝仔得解点心包分小弟。

    3 シオ/ チ_

    イ| ホア 1 ヒイ/ テェノ コン/。チヌ シム シェクノ、チヌ シム シェクノ。

    弟は喜んで面白い、面白いと言っている。 小弟歓喜得講:「真心適、真心適」。

    4 ホァヌ/ ア/ チ_

    ェン ナア 7 シッノ キ.イ\、スイ< シイ< アム\。 ランプが消えると、たちまち暗くなる。 番仔燈若熄去、随時暗。

    5 シヌ ク.ウ、ナア 7 ボヲ< チ.ェン キ.イ\ オエ| ホオ| ラン< ヒァム<、イェン カイ チ

    _ォ丶 ソエ\ ジイ|。

    体が汚いと人が嫌がる。気をつけなければならない。

    身躯若無清気、会被人嫌、応該着

    細膩。 6 キ.イ\ コ.ア 3 パン< ア/、トヲノ チ

    _ェン/ エ< バク丶 オオ<、カア ラゥ丶

    ロヲ丶、イイ/ キェン ポ.ア\ ラァノ。 部屋へ行ってみると、机の上の墨の瓶が落ちてわれていた。

    去看房仔、卓頂的墨壺加落落、已

    経破了。 7 ゴア/ タア 1 テェノ ウイ| アン ア/、ナア 7 ホヲ/ エ< シイ< ツヌ|、チ

    ァノ ホオ| リイ/。 私は今絵を描いている。できたら、あなたにあげよう。

    我當得書尫仔、若好的時陣、藉給

    你。 8 ギヌ/ ア/ テェノ ピイ| パヌ| ベェノ キ.イ\ オヲ丶 ツ

    _ン 5、タア 1 テェノ

    パウ セ_

    .ェノ カプノ チォ丶 ポア 5。 子供が本と石盤を包んでいる。これは、学校に行く準備なのだ。

    囝仔得備辦要去学堂、當得包冊合

    石盤。 9 ソァッノ ブヌ< パ.ウ| シイ| テエ< アウ ライ|、ヘエ| タム| ポヲ丶 ア

    / ソァッノ ブヌ< イウ 5 キ.イ\、チァノ オエ| プヌ< チ_

    ッノ。 シャボン玉は、茶碗にシャボンを少し入れて溶かすと、吹くことができる。

    雪文泡是茶甌内下淡薄仔雪文、溶

    去藉会噴得。 10 チッノ エ< ギヌ/ ア/ シォノ リォ丶 セ

    _.ェノ カプノ チォ丶 ポア 5。チッノ

    エ< シイ| ガウ< エ< ギヌ/ ア/。 この子は本と石盤を大事にしている。この子は賢い子だ。

    此個囝仔惜略冊合石盤、此個是賢

    的囝仔。 11 チッノ プヌ/ セ

    _.ェノ、ソ

    _ア/ ホヲ/、ジイ| ビェン<、シイ| ホヲ/ エ< セ

    _.

    ェノ。 この本は紙がよくて字がはっきりしていて、よい本だ。

    此本冊紙好、字明、是好的冊。

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    533

    12 ゴア/ キェヌ\ ナア 7 ツ_

    イ\ ゴア| ビヌ| ツ_

    ン 2 ライ< エ< シイ<、チウ| カア| ケエ ライ| エ< ラン< コン/。ゴア/ タア 1 ツ

    _ン 2 ライ<。

    私は外から帰った時には、家の人に「ただ今帰りました」と言う。

    我見若対外面転来的時、就加家内

    的人講:「我今転来」。 13 ニァウ 1 ナア 2 チ.ヌ チ.ウ 7 ラン<、ソエ/ ビヌ|、ソオ/ イイ/ ビヌ| プ

    ッノ シイ< チ.ェン キ.イ\。 猫は人のように顔を洗うから、いつもきれいな顔をしている。

    猫若親像人洗面、所以面不時清

    気。 14 ゴア/ チ

    _ァム/ シム ピイ/ カム ア/、カム ア/ カ.ァノ アイ\。

    私は菓子よりもみかんが好きだ。 我点心比柑仔、柑仔較愛。 15 リイ/ オヲ丶 シア/ ジイ| ホヲ/、サア 1 ム 7 タ.ン バクノ チ

    _ォ丶 バク丶。

    あなたが字を習うのはよいが、服に墨をつけないようにしなさい。

    你学写字好、衫不當浴着墨。

    16 チ.ェッノ サ_

    .イ\、サ_

    .イ\ チ_

    ォ丶 ソエ/ チ.ェン キ.イ\、ヘエ| チ_

    ァム ニィ丶、イア/ チ

    _ァノ イェン| サ

    _.イ\ トヲ チ.ェッノ。

    菜を切るには菜をきれいに洗い、まないたに置いて、それから包丁で切る。

    切菜、菜着洗清気、下砧裡、也藉

    用菜刀切。 17 ラン< コア 7 ナア 5、ツ

    _イ\ ヒッノ ウイ| ライ<。ヒッノ エ< カア 2 シイ|、

    キ.イ\ チ.イ| チ_

    ウ 5 ツ_

    ン 2 ライ< エ<。 人が篭をさげて向こうから来る。あれは、市場へ行った人が帰るところだ。

    人棺籃対彼位来、彼個敢是去市場

    転来的。 五 2 チ.ァノ グウ< ナア 2 チ.ヌ チ.ウ 7 ツイ/ グウ< エ< コ.ァヌ/、ム 7 クウ

    / シェン ク.ウ ピイ/ ツイ/ グウ< カ.ァノ ソエ\ カクノ イア| カ.ァノソエ\。

    赤牛は水牛の様子に似ている。ただし、体は水牛に比べ小さくて角も小さい。

    赤牛若親像水牛的款、不過、身躯

    比水牛較細、角亦較細。 5 ラン< ナア 7 ソ

    _エ\ パ.イ 2 タイ| チイ\、カウ\ ベエ/ チ

    _ェクノ カ.クノ オ

    エ| カヌ コ.オ/。

    人は悪いことをすると、最後にはきっと苦しむことになる。

    人若做歹代誌、到尾的確会艱苦。

    7 ギヌ/ ア/ ム 7 タ.ン ペェノ コァイ 5 ペェノ ケエ|、ム 7 ツ_

    ウ/ ホヲ/ カア 2 オエ| ポァ丶 ロヲ丶 ライ<。

    子供は高いところへ登ったり下りたりしてはいけない。まかり間違うと、落ちることがある。

    囝仔不當爬高爬低、不抵好敢会跌

    落来。 8 プッノ ルヌ| シア 2 ラン<、ナア 7 シウ 1 タ.ム シム、リェヌ< カア キイ|

    エ< ミィ 8 トオ オエ| パ.ァノ ム 7 キイ 3。 どんな人でも欲張ると、自分のものさえもなくしてしまう。

    不論甚人、若太貪心、連自己的物

    都会打不見。 11 ギヌ/ ア/ カア キイ| ナア 7 オエ| ヒァウ/ エ< タイ| チイ\、イェン カ

    イ チ_

    ォ丶 カア| ペエ| ブウ/ タウ\ サア 1 カン| ソ_

    エ\ カ.ン ケ.エ\。 子供は自分でできることなら、父母の手伝いをして仕事をするべきだ。

    囝仔自己若会曉的代誌、応該着加

    父母鬥相加做工課。 14 プッノ ルヌ| シム/ ミィ 8 タイ| チイ\ ナア 7 ボヲ< ジヌ| チヌ、チウ|

    ボエ| オエ| シェク丶 チ.ウ/。 どんなことでも、まじめでなければ熟練できない。不論甚麼代誌、若無認真就未学熟

    手。

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    534

    16 ペエ| ブウ/ カプノ シェヌ シイ 1 カア| ゴア/ コン/、チッノ ホヲ| タイ| チイ\ ム 7 タ.ン ソ

    _エ\、ゴア/ チ

    _ェクノ カ.クノ ム 7 カア 2 ソ

    _エ\。

    父母と先生がこのことをしてはいけないと言ったら、私はきっとしない。

    父母合先生加我講此号代誌不當

    做、我的確不敢做。 六 2 ジッ丶 チオ\ ボヲ< ホヲ/ セエ\、イア| ボヲ< タ.ン ホン、キァム ラァノ

    サプノ ツ.ウ\、トア\ エ< ラン<、タゥ丶 タゥ丶 オエ| ポ.ア\ ピイ 7。 日当たりが悪くて風が通らない。そして、家が汚いと住む人はよく病気になる。

    日照無好勢、亦無通風、兼濫擅

    厝、住的人廔々会破病。 4 チァ丶 テェノ イォン| エ< キ.イ\ ク.ウ|、ナア 7 バクノ チ

    _ォ丶 ラア< サ

    ム<、チァ丶 ロヲ丶 パクノ トオ/ トエ/、オエ| ポ.ア\ ピイ 7。 食べる時に使う道具が汚れていると、病気になる。食得用的器具、若浴着濫擅、食落

    腹肚底会破病。 6 カヌ タア シウ 7 コオ\ ツウ| キイ/ ホヲ/ エ< ラン<、シイ| パ.イ 2 ラ

    ン<、ソオ/ イイ/ オエ| ホオ| ラン< オァヌ\ フヌ|。 自分のことしか考えない人は悪い人だから、人に恨まれる。

    干當想顧自己好的人是歹人、所以

    会被人怨恨。 8 ラヌ/ ジッ丶 プヌ/ エ< テンノオヘイカ、チ

    _.ア 3 ペェノ シイ 3、ペェノ シイ

    3 イア| チヌ| チ_

    ォン。 わが日本の天皇陛下は人民を慈しむ。人民も忠義を尽くす。

    咱日本的天皇陛下痛百姓、百姓亦

    盡忠。 10 キ.イ\ カ.ァノ フン 7 エ< ソオ/ サ

    _イ |チ

    _.ッノ ト.ヲ<、オエ| コ.ア 3 キ

    イ 3 ハヌ/ チ_

    ッノ コ.ア 3 エ< ミィ 8、シェン ク.ウ イア| オエ| カ.ァノ イォン/。

    遠いところへ遊びに行くと、珍しいものが見られるし、体も丈夫になる。

    去較遠的所在迫迌 、会看見罕得看的物、身躯亦会較勇。

    12 イァム< シイ| イォン| ハイ/ ツイ/ パ.ク丶 エ<、シェクノ チ_

    イ\ ペェ丶、ビイ| ソオ\ キァム<。

    塩は海水を干したものだ。色は白くて味は塩辛い。塩是海水曝的、色緻白、味素鹹。14 コ.ア 3 キイ 3 ラン< ロヲ丶 ラヌ|、スイ< シイ< キウ\ イイ、ラン< オヲ

    ロヲ/ イイ、シイ| ホヲ/ シム エ< ラン<。 困っている人を見ると、すぐ助ける。人はあの人をいい人だと褒める。

    看見人落難、随時救伊、人謳楽伊

    是好心的人。 15 ラヌ/ ピイ 5 ピイ 5 シイ| ジッ丶 プヌ/ ラン<、ソオ/ イイ/ ソ

    _エ\ チア

    1 ゲェ丶、イェン カイ チ_

    ォ丶 カプノ プヌ/ コクノ ラン< シァン| シイ< ソ_

    エ\。 我々は同じく日本人だから、正月のお祝いは内地人と同時にすべきだ。

    咱平平是日本人、所以做正月応該

    着合本国人相時做。 17 ラン< コン/、ホヲ/ シム エ< ラン<、ウウ| シヌ< ビェン< テェノ ポヲ

    / ピイ\。 人は、心のやさしい人は神様が加護しているという。

    人講好心的人有神明得保庇。

    七 2 クスノキマサシゲ シイ| チヌ| チ_

    ォン エ< ラン<、ソオ/ イイ/ カウ\ タア 1 イア/ ホオ| ラン< テェノ キェン\ チ

    _ォン|。

    楠木正成は忠義を尽くす人だから、今に至るまで人から尊敬されている。

    楠木正成是盡忠的人、所以到今亦

    被人得敬重。

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    535

    6 サ_

    イ| プヌ/ コクノ エ< チ_

    ウ| ア/ シイ| イウ チッ丶 タン、サア 1 シイ\ゲェ丶 ロヲ丶 チェン/ チイ/、カウ\ チア 5 サ

    _プ丶 ゲェ丶 チァノ シウ シェン

    <。 内地の稲は一年に一度しかとれない。三、四月に種をまいて十月頃に刈り取る。

    在本国的稲仔是収一冬、三四月落

    種子、到成十月藉収成。 10 テエ< ビイ| シァプノ、イア| ウウ| パ.ン、チァ丶 リァウ/ シム コア 1 オ

    エ| ソン/ コ.ァイ\。 茶の味は渋くてよい匂いがあって、飲むと心持ちがよい。

    茶味渋亦有香、食了心肝会爽快。

    13 タイ< パクノ カウ\ タイ< ラム< タイ| カ.イ\ ウウ| シイ\ サ_

    プ丶 ポェノ ポ.オ\、ヘエ/ チ.ア ロオ| ナア 7 ソ

    _.ン\ ホヲ/、サ

    _.ア プッノ トヲ サ

    _

    プ丶 チ_

    ァム/ チェン チウ| オエ| チ_

    ッノ カウ\。 台北から台南まで大体四十八舗(長さの単位)ある。鉄道ができたら、十時間ぐらいで行ける。

    台北到台南大概有四十八舗、火車

    路若創好、差不多十点鐘就会直

    到。 18 シェン ク.ウ プッノ シイ< シイ 1 シェヌ、ナア 7 ピヌ< トア 7 ソエ/、カウ

    \ ベエ/ オエ| ポ.ア\ ピイ 7 、ソオ/ イイ/ チー

    ォ丶 チ.ェン キ.イ\ シウ3 カ.ァノ イァウ\ キヌ/。

    体は始終垢が出ている。洗うのを怠けるとしまいには病気にかかるから、きれいにすることが大切

    だ。

    身躯不時生垢、若懶惰洗、到尾会

    破病、所以着清気相較要緊。

    八 4 シェン リイ/ ラン< ナア 7 ボヲ< ラウ/ シッ丶、ラン< チウ| ム 7 シォンシヌ\、ラン< ナア 7 ム 7 シォン シヌ\、シェン リイ/ チウ| ボエ| ラウ|ジェッ丶。

    商人は正直でないと人が信用しない。人が信用しないと商売が繁盛しない。

    生理人若無老実、人就不相信、人

    若不相信、生理就無鬧熱。 8 ケ.エ/ チア/、リイ/ クヌ| ジッ丶 ア/ ベェノ キ.イ\ プヌ/ コクノ コ.

    ア 3 コン キェン/、ナア 7 キ.イ\ カウ\ トオ キョオ、ヒッノ ソオ/ サ_

    イ|

    エ< コン キェン/ エ< シォン\、カア| ゴア/ ボエ/ ジイ| サア 1 サ_

    プ丶

    チ_

    ウ 1 トヲ\ ライ<、パイ\ ト.クノ。 拝啓 あなたは近日中に本国へ観光に行くでしょう。東京に着いたら、そこの風景の写真を二、三

    十枚買って帰ってきて、お願い。

    啓者、汝近日仔要去本国看光景、

    若去到東京、彼所在的光景的相加

    我買二三十張到来、拜託。 12 ソ

    _ヲノ サ

    _.ヌ< シイ| チヌ イァウ\ キヌ/ エ< タイ| チイ\、ラン< ナア 7

    ツ.ッノ シイ\ チ_

    イ| ソ_

    ヲノ サ_

    .ヌ< ラン< エ< ツ.ウ\ ム 7 アイ\ ソ_

    ヲノ

    サ_

    .ヌ< チヌ ム 7 チ_

    ォ丶。 耕作することは大事なことだ。人が農家の家に生まれたら、耕作を嫌がるのはとても間違っている。

    做田是真要緊的代誌、人若出世在

    做田人的厝、不愛做田真不着。 16 チァ丶 アア ピ.ェヌ\ フヌ エ< ラン<、サ

    _.ヌ< フン 5 ツ.ウ\ テ.ェ丶 ボオ

    / キア 2 、ロン/ オエ| ツ_

    イ\ チ_

    ェクノ コン/ カ.ン ジプ丶 キ.イ\。 アヘンを吸う人は、田畑、家屋敷、妻、子供すべて竹筒(アヘン用きせる)の中に吸い込んでしま

    う(失ってしまうことの譬え)。

    食阿片煙的人、田園、厝宅、母子

    攏会対竹管孔入去。

    18 コ.ン/ ツウ/ コン バッノ コン/、ゴア/ ム 7 シイ| シイ 1 ツ.ッノ シイ\チウ| バッノ トヲ| リイ/、カヌ タア チヌ| シム カン/ キウ\ ナア 7 チ

    _ア

    7。

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    536

    孔子様はかつて言った。吾は生まれながら、道理を知っていたのではない。ただ、懸命に勉強した

    のみだ。

    孔子公曾講、我不是生出世就識道

    理、干當盡心講究而已。

    九 3 ラヌ/ エ< コクノ タイ| タイ| エ< テンノオヘイカ、キェク丶 ガウ< チ_

    .ア 3 ペェノ シイ 3、ソオ/ イイ/ タア 1 ペェノ シイ 3 ナア 2 ホヲ/ ギァ丶、コクノ イア| ナア 2 キォン<。

    わが国の代々の天皇陛下は非常に人民を慈しむ。だから、人民が富み、国が強くなる。

    咱的国代代的天皇陛下極賢痛百

    姓、所以今百姓愈好額、国亦愈

    強。 7 タ.ウ< ロオ| ナア 7 ボヲ< ジヌ| チヌ、ホヲ/ ギァ丶 イア| オエ| ソン

    \ ヒォン、ナア 7 ジヌ| チヌ、ソン\ ヒォン イア| オエ| ホヲ/ ギァ丶。 仕事にまじめでなければ金持ちも貧乏になる。まじめにやれば、貧乏人も金持ちになる。

    頭路若無認真、好額亦会貧窮、若

    認真、貧窮亦会好額。 11 タイ| ケエ ナア 7 キ.イ\ プヌ/ コクノ、コ.ア 3 タク丶 ハン| エ< コン キ

    ェン/、シム コア 1 チウ| オエ| ト.ン キ.ァウ\、ナア 7 ベェノ ソ_

    .ン\ シア 2 ヘエ\、ロン/ カ.ァノ オエ| チェン コン。

    皆が本国へ行っていろいろな光景を見ると視野が広がる。そうして、何かことをするなら、もっと

    うまくいく。

    大家若去本国看各項的光景、心肝

    就会通竅、若要創甚貨、攏較会成

    功。 15 ナア 7 アイ\ ホオ| シェン ク.ウ イォン/ キア 7、ウヌ| トン| ピイ/ チァ

    丶 ホヲ/ チァ丶 ミィ 8、カ.ァノ イァウ\ キヌ/。 体を丈夫にするには、うまいものを食べるよりも運動が大切だ。

    若愛俾身軀勇健、運動比食好食物

    較要緊。 19 ラヌ/ チ

    _ォ丶 チヌ| チ

    _ォン テンノオヘイカ、イア| チ

    _ォ丶 ウウ| ハウ\ ペ

    エ| ブウ/、チッノ ヌン 7 ハン|、ペェノ シイ 3 チッ丶 ジッ丶 イア| ム 7 タ.ン ボエ| キイ\ チ

    _ッノ。

    我々は天皇陛下に忠義を尽くし、父母にも孝行しなければならない。この二つのことは人民は一日

    も忘れてはいけない。

    咱着盡忠天皇陛下、亦着有孝父

    母、此二項百姓一日亦不當不記

    得。 十 4 ビッ丶 パ.ン シイ| チヌ クッノ ラッ丶、コヲノ ウウ| チァウ\ クイ クウ/、

    セ_

    エ ウウ| ラン< イア| オエ| ム 7 タッ丶 チ_

    ォ丶 イイ。 蜂蜜はよく働く。そして、規律正しい。この点かれらに及ばない人もいる。

    蜜蜂是真骨力、更有照規矩、這有

    人亦会不値着伊。 8 シオ/ コ.ア/ エ< ミィ 8 ナア 7 チェクノ クウ/ チヌ キア 1 ラン<、アヌ ニ

    イ 1 シイ 1 、チッ丶 ホヲ< チッ丶 リイ< イア| ム 7 タ.ン ラム| サム/ イェン。

    少しずつでも蓄えておくと、驚くほどの量になるから、一厘、一毫もむだに使ってはいけない。

    少許的物若積久真驚人、安爾生、

    一毫一厘亦不當濫擅用。 12 ラン< ム 7 タ.ン ナア 2 チ

    _ァム\ カ.ン クウ、チ

    _ォ丶 ツ.ッノ ゴア| コ.ア 3

    コン キェン/、シム コア 1 チァノ オエ| ク.イ コ.ァノ。 人は家の中にばかり閉じこもってはいけない。外へ出て光景を見ると視野も広くなる。

    人不當若站空居、着出外看光景、

    心肝藉会開濶。

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    537

    16 ケ.エ/ チア/、ボオ/ ボオ/ ベェノ チ_

    ィ丶 シォン| ツ_

    .ン 5 ゴオ| パァノクヌ、シイ| ゴア/ カア| イイ パウ パヌ|、ム 7 クウ/ ゴア/ カア キイ|ボヲ< ピェヌ|、チ.ア 2 リイ/ カア| ゴア/ ト.エ\ パヌ|、ケエ\ チイ 5 チッ丶 パァノ クヌ イォクノ リォク丶 サ

    _プ丶 ジイ| コ.オ、フイ\ シヌ< フイ

    \ シヌ<。 拝啓 ~さんは上等の砂糖が五百斤必要だ。私がそれを引き受けたが、都合がつかないので私の代

    わりにあなたにお願いしたい。値段は百斤当たり

    十二元ぐらいだ。よろしく。

    啓者、某某必挃上糖五百斤、是我

    教伊包辦、不過、我自己無便、請

    你加我替辦、価銭一百斤約略十二

    元、費神費神。 19 ペェノ シイ 3、ナア 7 ロン/ ジヌ| チヌ ソ

    _.ン\ タ.ウ< ロオ|、コクノ チウ

    | オエ| チァム| チァム| ナア 2 ホヲ/ ギァ丶、アヌ ニイ 1、ペェノ シイ 3 イア| チウ| オエ| ク.イ 3 オァ丶。

    人民が皆まじめに仕事をすれば、国はだんだん豊かになる。そうすれば、国民も安楽に暮らすこと

    ができる。

    百姓若攏認真創頭路、国就会漸々

    愈好額、安爾百姓亦就会快活。

    一 3 ニッポン コクノ、ヌン 7 チ.ェン ゴオ| パァノ ニイ 5 イイ/ ライ<、バヌ| セ

    エ\ イッノ ヘエ| エ< テンノオ、セ_

    エ| チ_

    .イ 1 ウイ|、シォン| ハア| ホヲ< ボク丶、コクノ カア ナア 2 チ.ォン シェン|。

    日本国は二千五百年万世一系の天皇が在位する。上下睦まじく、国家はますます栄える。

    日本国、二千五百年以来、萬世一

    系的天皇、坐天位、上下和睦、国

    家愈昌盛。 8 クウ チ.オ\ ピィノ ボヲ< ベエ/。

    アァノ ブウ/ ツン 1 キム シヌ、イア| シイ| ピイ 2 ツ.イ\。 サア 1 ジッ丶 ボヲ< リウ|、オエ| サ

    _ウ/ チウ 7 チ.ウ|。

    亀はすっぽんに尾がないと笑う。 あひるは、全身を金で飾っても嘴が平べったい。

    三日復習しないと、習った事が木の上に這い上が

    る。(ちょっとの間、復習しないと忘れてしまう。)

    亀笑鼈無尾。 鴨母装金身、亦是扁嘴。 三日無餾、会走上樹。

    12 ニッポン ペェノ シイ 3、ソ_

    エ\ ラン< チ_

    ォン ホオ| カァノ クッノ ラッ丶、ソオ/ イイ/ コクノ チァム| チァム| ナア 2 ホヲ/ ギァ丶。イァウ/ ウウ|イェン ヒォン< エ< キ.イ\ カ.イ\、ソオ/ イイ/ ツウ| コオ/ イイ/ ライ<、ツ

    _イ\ ゴア| コクノ ラン< ム 7 バッノ チッ丶 パイ/ シッノ テ.エ/

    ビェヌ|。 日本の人民は実直で勤勉であるから、国がだんだん富んでくる。その上、英雄の気概があるから、

    昔から外国人に対しても、一度も肩身が狭くなっ

    たことはない。

    日本百姓做人忠厚合骨力、所以国

    漸々愈好額。猶有英雄的気概、所

    以自古以来、対外国人不八一回失

    体面。 16 アイ\ ベェノ ソ

    _.ン\ ホヲ/ ミィ 8、イェン カイ チ

    _ォ丶 ホヲ/ キ.イ\ クウ

    |、イア| チ_

    ォ丶 ホヲ/ サイ フウ|、ヘェノ アヌ ニイ 1、ラン< ナア 7 ベェノ ソ

    _エ\ ホヲ/ サイ フウ| ベェノ イェン| ホヲ/ キ.イ\ クウ|、イェン

    カイ チ_

    ォ丶 シェン オヲ丶 ハク丶 ブヌ|。 良い物を作ろうと思ったら、よい道具が要る。その上、よい職人も要る。人がよい職人になろうと

    か、よい道具を使おうとか考えているのであれば、

    まず学問を習わなければならない。

    愛要創好物、応該着好器具、亦着

    好司阜、彼安爾、人若要做好司

    阜、要用好器具、応該着先学学

    問。

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    538

    20 チェン\ フウ/、ウイ| コクノ カア ポヲ/ ホオ| ペェノ シイ 3、ソオ/ イイ/ ペェノ シイ 3 チ

    _ォ丶 テ.エ/ チ

    _.ァプノ チェン\ フウ/ エ< イイ\ スウ

    \ ソ_

    エ\ タ.ウ< ロオ|、ケエ ライ| チァノ オエ| ヒェン オン|、コクノ カア イア| オエ| チ.ォン シェン|。

    政府は国家のために人民を守るから、人民は政府の意思を理解して職業を営めば、家内が栄えるよ

    うになる。国家も隆盛になる。

    政府為国家保護百姓、所以百姓着

    体貼政府的意思做頭路、家内藉会

    興旺、国家亦会昌盛。 十

    二 4 ラン< ム 7 タ.ン カヌ タア シウ 7 ヒェヌ| シイ< エ< タイ| チイ\、イェ

    ン カイ チ_

    ォ丶 チァウ\ コ.ア 3 コオ/ キム エ< ラン< ソオ/ ソ_

    エ\ エ<、チァノ ライ< シウ 7 ホヲ/ エ< ホァッノ トオ|。

    人はただ現在のことばかり考えてはいけない。古今の人のやったこともよく見て、よい方法を考え

    るべきである。

    人不當干當想現時的代誌、応該着

    照看古今的人所做的、藉来想好的

    法度。 8 シオ タ.イ< シイ| ウイ| チ

    _ォ丶 テンノオヘイカ エ< ビェン| リェン|、ベ

    ェノ シウ/ コクノ カア、ポヲ/ ホオ| ペェノ シイ 3 キ.イ/ エ< イヌ トア1。

    戦争は天皇陛下の命令により、国家を守り、人民を保護するために起きるものである。

    相乨是為着天皇陛下的命令、要守

    国家、保護百姓起的因端。 12 ヒェヌ| シイ< チ

    _.ェヌ ハア| バヌ| ハン| エ< タイ| チイ\、ロン/ シ

    イ| チ_

    ォ丶 チ_

    イ\ シェクノ、ラン< ナア 7 アイ\ ベェノ ウウ| チ_

    イ\ シェクノ、キ.ォクノ ボヲ< パッ丶 ハン| ホァッノ トオ|、ナア 7 ウウ| チッ丶 ハン| ハク丶 ブヌ| タ.ン オヲ丶 ナア 7 ニア 7。

    現在、天下のすべての物事は知識が必要だ。人が知識を得る方法はほかにはない、ただ学問を学ぶ

    のみだ。

    現時天下萬項的代誌、攏是着智

    識、人若愛要有智識、却無別項法

    度、只有一項学問當学而已。 16 ツ.ッノ ジプ丶 エ< チイ 5 グヌ<、ムイ 2 ジッ丶 キイ\ ロヲ丶 シァウ\ ポ.オ

    |、カウ\ ゲェ丶 ベエ/、イア| シイ| カウ\ ニイ 5 タウ エ< シイ<、サ_

    .

    ア< キ.イ/ ライ<、チウ| オエ| イェン| カ.ァノ リァム/ シェン/ チ_

    ノ。 金銭の出入を毎日帳簿に記入する。月末や年の終わりになると調べる手間が省ける。

    出入的銭銀毎日記落帳簿、到月尾

    亦是到年都的時、査起来就会用較

    斂省得。 20 ラヌ/ イェン カイ チ

    _ォ丶 サ

    _イ、ラヌ/ キヌ ア/ ジッ丶、ツ.ッノ シイ\ チ

    _ッ

    ノ ニッポン コクノ、ウウ| タ.ン ヒォン/ ホクノ ケエ\ ジッ丶、カイ ロン/シイ| テンノオヘイカ エ< ウヌ チ

    _ェクノ。

    今日日本国に生まれて幸せに生活できるのはすべて天皇陛下の恩徳であることを私たちは知らなけ

    ればならない。

    咱応該着知、咱今仔日出世在日本

    国、有當享福過日、皆攏是天皇陛

    下的恩徳。

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    539

    (資料二)

    『臺灣教科用書國民讀本』に現れた「土語讀方」 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 課

    応 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 巻 1 土 ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

    10

    応 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 巻2 土 ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

    15

    応 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 巻3 土 ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

    17

    応 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 巻4 土 ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

    17

    応 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 巻5 土 ● ● ● ● ● ● ●

    17

    応 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 巻6 土 ● ● ● ● ● ● ● ● ●

    18

    応 巻7 土 ● ● ● ● ●

    18

    応 巻8 土 ● ● ● ● ●

    18

    応 巻9 土 ● ● ● ● ●

    19

    応 巻10 土 ● ● ● ● ●

    19

    応 巻11 土 ● ● ● ● ●

    20

    応 巻12 土 ● ● ● ● ●

    20

    (注:○は「應用」が配置されている課、●は「土語讀方」が配置されている課。)

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