看護師特定⾏為研修修了者の活⽤ -...

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看護師特定⾏為研修修了者の活⽤ 看護師特定⾏為研修修了者の活⽤ 滋賀医科大学医学部附属病院 西村 路子 平成30年度 第70回国⽴⼤学病院看護部⻑会議 実践報告

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看護師特定⾏為研修修了者の活⽤看護師特定⾏為研修修了者の活⽤

滋賀医科大学医学部附属病院 西村 路子

平成30年度 第70回国⽴⼤学病院看護部⻑会議 実践報告

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実践報告内容

1.本学における看護師特定行為研修の概要

2.特定行為研修修了者の活用について

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8

平成29年3月40施設

⼤学病院 4

病院 15医療関係団体 4

⼤学院 8

⼤学・短⼤ 9

滋賀医科大学

平成28年8月28施設

⼤学病院 4

病院 10医療関係団体 3

⼤学院 7

⼤学・短⼤ 4

滋賀医科大学

1.本学における看護師特定行為研修の概要

厚生労働省ホームページより引用:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000087753.html

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特定⾏為及び特定⾏為区分(21区分38⾏為)H28年度開講 3区分6⾏為 H29年度追加開講 6区分14⾏為

4

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今後の在宅医療等を支えていくため,診療の補助行為のうち特定の行為について,手順書により実施できる看護師を養成する研修制度

本学における看護師特定行為研修の概要

特定行為研修制度

【通 常】指示 指示範囲内での

診療の補助行為

【特定行為】作成

手順書による診療の補助行為

手順書

特定の診療の補助行為

医師 看護師 患者さん

看護師

特定行為研修指定研修機関(国立大学法人で初)

特定行為研修

特定行為研修制度

高度急性期から在宅医療まで,様々な場面で活躍が期待される

特定看護師

特定看護師看護師特定行為研修センター 患者さん

医師

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特定行為を活用するための体制

1. 特定看護師の育成と活用に向けた院内の支援体制づくり

• 活動範囲(部署内か?横断的か?)

• 関連部署との調整

• 医療安全体制を重視した特定行為業務管理委員会の設置

• 看護職賠償(任意)保険の確認

• 呼称の決定(CN,CNS,JNPを併せ持つ場合も)

• 電子カルテ記載時の身分区別(新規設定)

2. 導入の説明について

• 役割について職員への周知

• 特定看護師の導入と診療行為の表示(患者向け、職員向け)

3. 手順書作成と院内のコンセンサス

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看護師特定行為研修

全国の状況

国の目標 2025年までに 10万人

現状 2017年末時点 研修修了者 約740人

本学の状況

平成28年度 修了生 7人

平成29年度 修了生 5人 (標準コース)

1人 (追加区分コース)

平成30年度 研修生 11人 (標準コース)(定員16人)

うち院内から1名

うち院内から1名

うち院内から2名

1%も満たない

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平成30年5⽉現在

滋賀医科大学医学部附属病院 看護部 Resource nurse

がん看護 2名精神看護(リエゾン) 3名在宅看護 1名

救急看護 6名(うち育休2名)

皮膚・排泄ケア 5名集中ケア 4名緩和ケア 2名がん化学療法看護 3名がん性疼痛看護 1名感染管理 4名摂食・嚥下障害看護 2名小児救急看護 1名がん放射線療法看護 1名糖尿病看護 1名

脳卒中リハビリテーション 1名慢性⼼不全看護 1名

専門看護師 3分野 6名認定看護師 13分野 32名

特定看護師 3領域 3名

感染症管理領域 1名呼吸器関連領域 1名創傷管理関連領域 1名 トレーニング開始

2.特定行為研修修了者の活用について

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専門看護師・認定看護師・特定⾏為研修修了者について専門看護師

Certified Nurse Specialist認定看護師

Certified Nurse特定行為研修修了者呼称は各施設で自由

特 徴 患者の直接ケアと医療者の連携を図る「看護ケアのスペシャリスト」

臨床現場で水準の高い看護技術を実践できる「臨床現場におけるエキスパート」

手順書に従って高度な知識と技能が特に必要とされる38の特定行為を行う

役 割

教 育・

審 査

看護系大学院修士課程を修了して必要な単位を取得後、認定審査に合格

認定看護師教育機関課程(研修期間6ヵ月総時間615時間以上)修了後、認定審査に合格

国の定めた指定研修機関で研修を履修(315時間+15から72時間)

分 野 13分野がん看護、精神看護、地域看護、老人看護、小児看護、母性看護、慢性疾患看護、急性・重症患者看護、感染症看護、家族支援、在宅看護遺伝看護*、災害看護*

*:2017年12月誕生見込み

21分野救急看護、皮膚・排泄ケア、集中ケア、緩和ケア、がん化学療法看護、がん性疼痛看護、訪問看護、感染管理、糖尿病看護、不妊症看護、新生児集中ケア、透析看護、手術看護、乳がん看護、摂食・嚥下障害看護、小児救急看護、認知症看護、脳卒中リハビリテーション看護、がん放射線療法看護、慢性呼吸器疾患看護、慢性心不全看護

38行為21区分呼吸領域循環関連皮膚・排泄関連動脈血ガス分析関連ドレーン管理薬剤投与感染管理インスリン 他

実践

実践

実践相談

相談

調整

倫理調整 教育 研究 指導

2016年12月現在 2016年1月現在

相談連携調整

タイムリーな医療提供

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【連携に必要なこと】・自分が関わることで患者に対してどのようなアウトカムが期待できるのかを明確に他者に示していること・連携することの目的を互いに共有していること

【協調に必要なこと】・互いの⽴場や役割・状況を理解し、互いに尊重しあえること・自身の役割を共通の言語で他者にわかりやすく伝えられること

10

連携と協調を意識した活⽤

・患者の治療・療養⽣活を総合的に⽀援する存在・チーム医療のキーパーソン・医療スタッフの連携・補完の推進役・看護サービスチームの質の確保・向上・ ケアの専門家(アドバイザー)

専門看護師

認定看護師特定

看護師

対人関係知性(ソーシャル・スキル)

⾃⼰表現⼒アサーション

対⼈関係⼒

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【研修中の扱いについて】 「研修」として勤務扱い➡ 給与保障授業のない日は、所属部署にて勤務にあたる(就業)

【研修費について】 授業料 2分の1を当院負担/2分の1を県からの補助金

【臨地実習について】 本院で実習を行う場合、医療安全管理部・実習病棟関係者への事前説明周知に関する案内を看護部より行う

11

看護管理者としての考えまず、どのような看護師をこの研修に⾏かせるのか︖

【当院での申し合わせ事項】 認定看護師養成学校に入学に準ずる・看護の実践と活動実績があり、リーダーシップを発揮できている(看護実践能力評価クリニカルラダーⅢ以上)・特定行為研修の履修に対して強い意志がある(しっかりとした看護観をもち、誠実に取り組む姿勢があるか等、看護師長からの情報とレポートの記載内容をもとに面談を行い確認している)

・受け身ではなく、主体的に先駆的な取り組みができる人材である・本人のキャリア形成のためだけでなく

「患者のために・組織のために」という意識がある

研修⽣に対する⽀援について

これらを備えていることが前提

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看護管理者として特定⾏為研修修了者にのぞむこと

特定⾏為研修を修了した看護師は1.単に特定⾏為のみを⾏うのではなく、常に看護の視点をベースに

特定⾏為を含めた医療の提供を︕2.「何をさせてもらえるのか、どう支援してもらえるのか」ではなく、

「⾃分には何ができるのか」を看護の視点で提案できること3.連続した看護の関わりの中で、特定⾏為を実施することにより、受け手側が

安全で質の⾼い医療をタイムリーに受けられるように意識し⾏動すること4.修了がGOALではなく、修了からがSTARTであることを認識しておくこと5.研修中から修了後の自身の活動を描いておくこと

研修受講前の面談で伝えている内容

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看護師特定行為に関する組織体制

特定行為研修管理委員会 特定行為業務管理委員会

院内で実施する特定行為に係る安全性の確認及び評価等を審議

センター運営に関する重要事項及び特定行為研修の実施に関する必要事項を審議

本学の特定行為研修修了者 本院で働く特定看護師

徽章

病院長

本学の看護師特定行為研修 修了生

本院で活動する特定看護師

看護師特定行為研修生

手順書審査等業務支援

e-ラーニング,実習実施等研修実施

滋賀特定看護師研究会

(滋賀医大内)

看護師特定行為研修センター

特定行為研修教育指導部門 特定行為業務実践支援部門

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特定看護師(申請者)特定行為業務管理委員会 【受付:看護師特定行為研修センター】

特定行為業務管理委員会に特定看護師登録申請 特定行為業務管理委員会にトレーニング実施の申請【受付:看護師特定行為研修センター】【提出書類】  【受付:看護師特定行為研修センター】 【提出書類】 (過去にトレーニング実績のある診療科でトレーニングを行う場合、実績のある特定行為については審議は不要で看護師特定行為研修センターにて受理) □Ⅰ.特定看護師 登録申請書  □Ⅱ.看護師特定行為 トレーニング実施届(新規)

・指導医は、後期研修修了と同等以上の医師とすること看護師特定行為研修センターにて必要事項の確認・受理  □診療科における特定看護師が実施する特定行為に関する説明書(様式2)および同意書

・説明書および同意書(※1・2・3) 注)インフォームドコンセントワーキング(ICWG)の承認フロー滋賀医科大学医学部附属病院の「特定看護師」として登録  □トレーニング実施の申請をする方へ(チェックリスト) 診療情報係(竹内氏)に、申請予定の説明書および同意書を提出する・特定行為業務管理委員会が徽章を発行 (※1)診療科が改めて説明書と同意書の作成を不要と判断した場合、提出の必要はない ↓ 説明および同意書受取チェックリストを提出

(※2)説明同意書は、診療科、看護部⻑、関係部署の看護師⻑の事前承認を得ること ICWGは、第1・第3金曜日に開催される医療情報係に「特定看護師ID」を申請(医療情報要望書) (※3)説明同意書を用いる場合は、インフォームドコンセントワーキングで承認を得たものを提出すること ↓・特定看護師IDの登録 結果は、診療情報係より連絡がありその指示に従う

(HIS:Hospital Information System:病院情報システム) 医療情報要望書にICWGに承認を得た決裁印を受ける

特定行為業務管理委員会による審議 指摘事項を修正し再申請する承認 未承認 ・再申請の場合、委員⻑は指摘内容により、委員⻑決裁による承認か、業務管理委員会による再審議かを判断する

病院管理運営会議に付議(委員⻑) ・委員⻑決裁の承認については、委員⻑より直近の委員会で報告する

承認診療科⻑等会議に報告(委員⻑)

医療情報係に「説明書および同意書」をHIS(Hospital Information System:病院情報システム)に登録依頼(医療情報要望書)・電子カルテから「説明同意書」と「スキャン依頼用紙」が出力印刷できるように依頼すること

「特定看護師ID」、「説明書および同意書」がHISに登録されたことを特定行為研修センターへ報告

指定研修機関にて特定行為研修修了

申請からトレーニング開始まで

研修修了から申請まで

・特定行為業務管理委員会で承認された内容は、内容により管理運営会議には報告事項とし、直ちに特定看護師の登録に進む

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滋賀医科大学医学部附属病院 特定行為研修修了者の実施申請手続きフローチャート

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看護師特定行為 トレーニング開始

・トレーニング中は、指導医の具体的指示(直接指示)で特定行為を実施する・トレーニング中に、症例経験と技術の習得度を証明するもの(指導医からの評価表やフィードバック等)を蓄積しておく(症例記録・特定行為症例評価表・特定行為総合評価表)

トレーニング開始後に、申請した内容の変更が生じた場合・指導医の指導のもとに修正を行う・看護師特定行為 トレーニング 実施届(変更)」を看護師特定行為研修センターに申請する・委員⻑は届け出内容により委員⻑決裁もしくは委員会審議の必要性を判断し処理する

看護師特定行為 トレーニング期間について・事前に指導医と相談し、特定行為の難易度や特定看護師の経験から、評価期日を決定する(3か月後・6か月後)

指導医・診療科による評価 再度、指導医が任意の評価期日を決定しトレーニングを継続する。もしくはトレーニングを終了する。合格 不合格 実施診療科の変更の場合は、再申請を行う

特定行為業務管理委員会にトレーニング終了、手順書(包括的指示)での実施申請【受付 看護師特定行為研修センター】【提出書類】 ・委員会審議を速やかにするため、特定看護師が各部署と相談しながら、円滑に特定行為が実施できる環境を整えて申請する。 □Ⅲ.看護師特定行為 トレーニング終了届

・診療科⻑と指導医および所属⻑のサインが必要 □特定行為症例評価表・特定行為総合評価表 □Ⅳ.看護師特定行為 手順書(包括的指示)実施申請書 □手順書(包括的指示) □説明書及び同意書:診療科が必要とする場合

・説明同意書を用いる場合、診療科の事前承認(合意)を得て、インフォームドコンセントワーキングで承認を得たものを提出すること □トレーニング終了申請する方へ

特定行為業務管理委員会による審議 指摘事項を修正し再申請する。もしくはトレーニングを継続する。承認 未承認 ・再申請の場合、委員⻑は指摘内容により、委員⻑決裁による承認か、業務管理委員会による再審議かを判断する

病院管理運営会議による付議(委員⻑) ・委員⻑決裁の承認については、委員⻑より直近の委員会で報告する承認 ・特定行為業務管理委員会の審議で承認された内容は、内容により運営会議には報告とし、直ちに実施許可証の発行にすすむ

診療科⻑等会議への報告(委員⻑)

特定行為業務管理委員会より「看護師特定行為 手順書(包括的指示)による実施許可証」の発行

必要時、医療情報係に「説明書および同意書」をHISに登録依頼(医療情報要望書)医療情報係に「手順書(包括的指示)」の登録依頼(医療情報要望書)

・電子カルテから「説明書および同意書」と「スキャン依頼用紙」、「手順書」が出力印刷できるように依頼すること

「手順書(包括的指示)」がHISに登録されたことを特定行為業務管理委員会(センター)へ報告【提出書類】 □手順書(包括的指示)による実施許可を得た特定看護師の方へ(チェックリスト)

手順書(包括的指示)による特定行為の実施・トレーニング終了後に使用する手順書(包括的指示)は、特定行為業務管理委員会と管理運営会議の承認を得たものであること

手順書の追加・修正が発生した場合は特定行為業務管理委員会に提出する【受付:看護師特定行為研修センター】【提出書類】 □Ⅳ.看護師特定行為 手順書(包括的指示)実施申請書

・すでに実施している特定行為についての、追加申請の場合、委員⻑は委員⻑決裁もしくは審議の必要性を判断する・申請内容の変更の場合、委員⻑は委員⻑決裁もしくは審議の必要性を判断する・委員会で承認されなかった場合は、その時点で手順書(包括的指示)による行為を中断する

院内の診療マニュアル等のマニュアルに従い、実施する・特定行為が安全に実施できるよう研鑽に努める・特定行為が安全に実施できる環境の調整に努める・特定行為を安全に実施するために必要な事柄が生じた場合は、特定行為業務管理委員会に報告する

具体的指示(

直接指示)による特定行為の実施(

トレーニング)

指導医の下、手順書(

包括的指示)作成と修正

院内で承認された手順書(包括的指

示)により特定行為の実施

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院内掲示用ポスター

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特定⾏為研修修了者の活動について

特定⾏為研修修了者の活動

当院で誕生した特定⾏為研修修了者

呼吸器関連領域(3区分) 1名創傷管理関連領域(2区分) 1名

感染症管理領域(5区分) 1名

研修機関本学

研修機関日本看護協会

活用は特定行為業務管理委員会で事前に

協議

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特定⾏為研修修了者の配置と活動概要

呼吸器関連領域修了者 *看護部管理室配置 リサーチナースとして業務遂行麻酔科責任者(医師)、集中治療部責任者(医師)の指示のもと対象患者への特定行為を実施

*心臓血管外科(医師)の指示のもと、病棟にて特定行為を実施(トレーニング終了後)

*(将来的)病院➡病棟➡在宅または施設への移動時、同伴

感染症管理領域修了者 *感染制御部配置 ICD(医師)の指示のもと対象患者への特定行為を実施*医師からの依頼時、栄養・カテーテル等の特定行為を実施

創傷管理関連領域修了者*患者支援センター配置(トレーニング期間中) 皮膚科(医師)の指示のもと対象患者への特定行為を実施

*退院支援部門にて業務を遂行 褥瘡患者に対して介入していく方向現在、トレーニング中である。

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特定⾏為研修修了者の活動診療科と特定⾏為について

トレーニング終了 手順書による実践開始者 B

診療科 特定⾏為

麻酔科救急・集中治療部総合診療部

経口用気管チューブまたは経鼻用気管チューブの位置の調整

侵襲的陽圧換気の設定変更

非侵襲的陽圧換気の設定変更

⼈⼯呼吸管理がなされている歓あに対する鎮静薬の投与の変更

⼈⼯呼吸器からの離脱

特定⾏為研修修了後トレーニング開始者 D

診療科 特定⾏為

麻酔科

経口用気管チューブまたは経鼻用気管チューブの位置の調整

侵襲的陽圧換気の設定変更

非侵襲的陽圧換気の設定変更

⼈⼯呼吸管理がなされている歓あに対する鎮静薬の投与の変更

⼈⼯呼吸器からの離脱

特定⾏為研修修了後トレーニング開始者 C

診療科 特定⾏為

皮膚科褥瘡または慢性創傷の治療における⾎流のない壊死組織の除去

創傷に対する陰圧閉鎖療法

乳腺一般外科 創傷に対する陰圧閉鎖療法

消化器外科 創部のドレーン抜去

トレーニング終了 手順書による実践開始者 A

診療科 特定⾏為

呼吸器内科⻭科口腔外科※

中心静脈カテーテルの抜去

PICC(末梢留置型中心静脈注射用カテーテル)の挿入

※緊急時対応の体制整備後

トレーニング終了後は、手順書に基づいた特定行為に関する代行入力を承認してもらう必要がある

例)・カテーテル抜去後の薬剤中止オーダー・PICC挿入時の造影に伴う放射線撮影オーダー・評価のための血液ガス検査オーダー など

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特定看護師の配置および活動範囲概要図(配置の考え方案)

役職

看護師長

副看護師長

履修区分による活動範囲

限定

横断

履修区分による活動範囲

履修区分による活動範囲

限定

横断

限定

横断

特定行為が関連する診療科のある部署

・病棟・手術部(ORNurse経験者)・ICU

診療科と連携をとり、

対象者がいる際に特定行為を実施できる部署

・看護管理者として1単位の部署を担当しながら特定行為必要時活動

診療科と連携をとり、

対象者がいる際に特定行為を実施できる部署

・1単位の部署に所属し、特定行為必要時活動

・看護管理者として1単位の部署を担当しながら、部署内で特定行為必要時活動

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自施設で活動するための準備について(案)

When 平成28年度 平成29年度前半 平成29年度後半

Where 院内診療科長等会議

看護部運営会議

院内

PICCチームの活動開始

Who 特定行為研修生 指導医 看護部長 特定行為修了生 指導医 看護部長

チームメンバー

特定行為修了生、指導医

薬剤師、栄養士

What PICC挿入症例を集める PICCチーム構成に向けての説明

チームでPICCの適応や栄養管理(評価)や薬剤調整を実施

PICCを取り扱う病棟看護師に対する教育

Why PICCチーム構成に向けて PICCチーム構成に向けて承認を得るため 患者QOL向上のため

How ICU退室患者 CVC→PICCへ変更ICU退出患者 CVC→PICCへ変更

PICC挿入の実績数 (PICC感染率)

研修受講中に立案し、看護部内で共有

活動の実際 修了者 Aの場合

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常に考えておくように助言修了者A

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活動の実際 修了者 Bの場合

トレーニング修了︓5⾏為

1. 経口用気管チューブ又は経鼻用気管チューブの位置の調整2. 侵襲的陽圧換気の設定の変更3. 非侵襲的陽圧換気の設定の変更4. ⼈⼯呼吸管理がなされている者に対する鎮静薬の投与量の変更5. ⼈⼯呼吸器からの離脱

トレーニング継続︓1⾏為

1. 気管カニューレの交換

• 手術室• I CU(集中治療部管理の場合)• 救急部/総合診療部• 救急病棟など(救急部・総合診療部に入院の場合)

心臓血管外科病棟

特定看護師(呼吸領域)活動場所

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手術室(麻酔科)︓特定看護師活動フ ロ ー

「麻酔に関する説明書 」の中で、特定看護師の活動を説明 & 掲示物でオプトアウト

患者の拒否がなければ・・・

特定看護師が対象患者に対してI .Cフォローアップ麻酔科医師&看護師(OP&病棟)と情報共有

⿇ 酔 管 理 中 の 診 療 の 補 助( 特 定 ⾏ 為 を 含 む )

⿇ 酔 管 理 中 の 診 療 の 補 助( 特 定 ⾏ 為 を 含 む )

術 前 診 察

患 者 訪 問

①患者の診察

② Niho:手順書の発行

直接指示入力

③特定看護師に連絡

(PHSなど)

医 師 の フ ロ ー修了者B

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• 術前診察後、I .Cのフォローアップ

• リスクのある局所麻酔手術患者の術中観察のサポート

• 麻酔を必要とする検査、内視鏡を受ける患者の観察のサポート

• 術後患者移送の介助とベッドサイドで術後患者管理についての支援

• 術後、呼吸管理・鎮静管理を主とした患者観察とケアの実施

• 看護師教育へのかかわり

手 術 に 関 わ る 活 動手 術 前 手 術 中 手 術 後

I.Cフォローアップ麻酔導入介助気管チューブの位置調整・評価

帰室介助と術後モニタリング

手術日 直前訪問麻酔維持介助

⼈⼯呼吸器設定変更鎮静・鎮痛剤調整

担当看護師への情報伝達と共有

情報共有(麻酔計画確認)

麻酔覚醒介助⼈⼯呼吸器ウィニング

(覚醒トライアル・⾃発呼吸トライアル)

気管チューブの位置調整・評価

患者・家族説明

麻酔準備 術後ラウンド

担当看護師・他職種との連携

手 術 室 ( 麻 酔 科 ) : 特 定 看 護 師 の 活 動 例

シームレスな周術期のトータルケアの提供を目指して活動する

修了者B

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救 急 科 、 集 中 治 療 部 、 総 合 診 療 部 : 特 定 行 為 実 施 の 基 本 フ ロ ー救 急 科 、 集 中 治 療 部 、 総 合 診 療 部 : 特 定 行 為 実 施 の 基 本 フ ロ ー

①オプトアウト

院内掲示

ICU入室の説明書

②医師の診察

【朝の回診など】

③患者の特定

【特定⾏為の実施可否の判断】

④特定看護師に連絡

【必要手順書の発⾏】

⑤患者の病状の確認

【手順書受け取り】

⑥事象発生・介入必要時

特定⾏為の実施

⑦医師に報告

記録

医師

特定看護師

範囲内

範囲外⑥ʻ医師に指示を求め

対応する

修了者B

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特定看護師ワーキングの⽴ち上げ

特定看護師が安全に活動するための基盤を構築する各領域における特定看護師の活動を共有する特定看護師の実践の質向上を図る

特定行為に関するマニュアルの作成・整備を行う手順書および説明書・同意書の評価を行う特定看護師の活動実績のデータの蓄積を行う

目標

目的

会期 毎月1回 1〜2時間程度

特定行為研修修了者看護師特定行為研修センター構成員

オブザーバー 各診療科の指導医等

ワーキングメンバー

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特定⾏為研修修了者活⽤に向けた看護管理者の課題

病院の方針と特定⾏為領域

特定⾏為研修修了者⽀援

活動周知と

活⽤推進

活動周知と

活⽤推進

病院の使命・方針の周知とともに、めざす特定行為領域への動機づけ

1.特定行為研修修了者への活動に向けた助言や所属看護師長に対しての理解2.領域に関連する医師への協力依頼・円滑なコミュニケーションを図り、特定行為研修

修了者が活動しやすい環境づくり

特定⾏為研修修了者の適所配置 習得した特定行為領域とキャリアを見据えた配置の考慮

1.看護師長に対しての働きかけ(情報発信、活用イメージの伝達、研修推進)2.病院組織(幹部、医療安全部門、医師、医療情報等)への働きかけ3.特定行為研修修了者の活動を可視化