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ISSN 13476602 昭和62年6月9日学術刊行物認可 家畜衛生学雑誌 家畜衛生学雑誌 Vol.41 No.1 2015. MAY 日本家畜衛生学会 The Japanese Society of Animal Hygiene The Japanese Journal of Animal Hygiene

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家畜衛生学雑誌41-1表

14.ai

K

DIC199p

ISSN 1347-6602 昭和62年6月9日学術刊行物認可

家畜衛生学雑誌家畜衛生学雑誌

Vol.41 No.12015. MAY

日本家畜衛生学会The Japanese Society of

Animal Hygiene

The Japanese Journal of Animal Hygiene

家畜衛生学雑誌

 第41巻第1号

       

二〇一五年五月

日本家畜衛生学会

Page 2: 家畜衛生学雑誌...家畜衛生学雑誌41-1表14.ai K DIC 199p ISSN 1347-6602 昭和62年6月9日学術刊行物認可 家畜衛生学雑誌 Vol.41 No.1 2015. MAY 日本家畜衛生学会

複写される方へ 日本家畜衛生学会は有限責任中間法人 学術著作権協会(学著協)に複写に関する権利委託をしていますので,本誌に掲載された著作物を複写したい方は,学著協より許諾を受けて複写して下さい.但し,社団法人日本複写権センター(学著協より複写に関する権利を再委託)と包括複写許諾契約を締結されている企業の社員による社内利用目的の複写はその必要はありません.(※社外頒布用の複写は許諾が必要です.)

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注意:複写以外の許諾(著作物の転載・翻訳等)は,学著協では扱っていませんので,直接日本家畜衛生学会へご連絡下さい.(電話:042-769-1641)

 また,アメリカ合衆国において本書を複写したい場合は,次の団体に連絡して下さい.  Copyright Clearance Center, Inc.         222 Rosewood Drive, Danvers, MA 01923 USA         Phone:1-978-750-8400  FAX:1-978-646-8600

家 畜 衛 生 学 雑 誌

日本家畜衛生学会 発行

President : Junsuke SHIRAI(Tokyo Univ. of Agric. and Technol.)Vice President : Shigeru MIYAZAKI(Res. Inst. for Anim. Sci. in Biochem. and Toxicol.)Editor-in-Chief : Shigeru MIYAZAKI(Res. Inst. for Anim. Sci. in Biochem. and Toxicol.)Editorial Board : Norihide KAKIICHI(Nippon Vet. Life Sci. Univ.) Shinji TAKAI(Kitasato Univ.) Hajime NAGAHATA(Rakunou Gakuen Univ.) Sadao NOGAMI(Nihon Univ.) Tsuguaki FUKUYASU(Azabu Univ.) Tadao WATANABE(Tohyo Univ. of Agri.)

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家畜衛生学雑誌41-1表

23.ai

The Japanese Journal of Animal HygienePublished by the Japanese Society of Animal Hygiene

理 事 長:白井淳資副理事長:宮﨑 茂

編集委員長:宮﨑 茂編集委員:柿市徳英・高井伸二・永幡 肇     野上貞雄・福安嗣昭・渡邊忠男

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「家畜衛生学雑誌」第41巻第 1号の送付にあたって

 会員の皆様におかれましては,ますますご清栄のこととお慶び申し上げます. ここに,「家畜衛生学雑誌」第41巻第 1号を刊行する運びとなりました.本学会は1974年に創立され,昨年は創立40周年を迎えました.本号は学会創立41年目の最初の号となりますが,残念ながら投稿論文が少なく,原著論文および短報それぞれ 1報のみの掲載となってしまいました. 本学会および「家畜衛生学雑誌」の更なる充実のため,学会役員一同,努力や工夫をしていきたいと思いますが,何よりも会員の皆様のご支援が重要です.「家畜衛生学雑誌」についても,会員の皆様からの積極的なご投稿をお願いいたします.

日本家畜衛生学会理事長  白井淳資家畜衛生学雑誌編集委員長 宮﨑 茂(日本家畜衛生学会副理事長)     

日本家畜衛生学会・学会費納入のお願い

 ご承知のように学会は会員の皆様からの会費をもって運営されています.学会の運営を円滑に運ぶために速やかに,所定の会費の納入をお願い申し上げます.*学会費は正会員4,000円,学生会員2,000円となっています.

日本家畜衛生学会 理事長 白井淳資

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切り取らないで郵便局にお出しください。

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(消費税込み)様

日本家畜衛生学会

0 0 2 4 0

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30 0 2 4 0 4 3 1 7 13

日本家畜衛生学会平成 23 24 25 26 27 年度

           (                )

        計       円

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・この払込請求書を郵便局の派遣員にお預けになるときは、引換えに預り証を必ずお受け取りください。

 この受領証は、郵便振替の払込みの証拠となるものですから大切に保存してください。 この払込取扱票の裏面には、何も記載しないでください。

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家畜衛生学雑誌第41巻 第1号 2 0 1 5

目  次

〈原 著〉畜舎汚水処理曝気槽からの微生物飛散抑制を目的とした防風ネットの利用方法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・田中康男・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1〜8

〈短 報〉牛乳房炎由来緑膿菌が産生するバイオフィルム形成に対するマクロライド系抗菌薬の減少効果 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・渡邉公平・木内明男・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9〜11

会員へのおしらせ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13〜14

家畜衛生学雑誌投稿規程 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・15〜16

日本家畜衛生学会会則 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・17

家 畜 衛 生 学 雑 誌

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The Japanese Journal of Animal Hygiene

Vol.41No.1 2 0 1 5 

Contents

〈Originalreport〉Utilizingmethodofwindbreaknetforreducingemissionofhazardous microbesfromaerationtankofanimalwastewatertreatmentfacilities. ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・YasuoTanaka・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1〜8

〈Note〉Thereductioneffectofmacrolideantibioticsoverthebiofilmformationthat thebovinemastitisoriginPseudomonas aeruginosaproduces ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・KoheiWatanabeet al.・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9〜11

InformationforMembers・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13〜14

InstructionforAuthors・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・15〜16

TheRegulationsofTheJapaneseSocietyofAnimalHygiene・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・17

Jpn.J.Anim.Hyg.

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1

序  文

養豚では,曝気槽を備えた活性汚泥方式の汚水処理施設が多く利用されている.これらの曝気槽には,覆蓋が取付けられている場合もある一方,上部開放の事例も多い.仮に口蹄疫ウイルス等の有害微生物が汚水に混入した場合,上部開放曝気槽から周囲へ飛散するリスクが懸念される.防疫の観点からは,平常時から可能な限りのリスク低減措置を講じておくことが重要である.しか

し,既存施設に覆蓋を設けるのは,構造上困難な場合や費用が高額になる場合も多いと考えられる.このような場合に適用可能な,簡易な飛散抑制手法が望まれる.

著者ら5 )は,上記の観点から目合1mmで高さ2mの防風ネットを曝気槽周囲に塀のように設置する手法を検討し,飛散抑制効果を確認している.このネットは軽量で耐久性が高く,支柱さえあれば設置は容易である.一方,強風時には破損が避けられず,そのたびに補修が必要になる問題がある.台風のように予測可能な強風の場合は巻き上げておくなどの対応もとれるが,天候急変による強風には対処不可能である.

そこで簡易な強風対策として,5mを 1 単位としてユ

畜舎汚水処理用曝気槽からの微生物飛散抑制を目的とした防風ネットの利用手法

田 中 康 男*

Utilizing method of windbreak net for reducing emission of hazardous microbes from aeration tank of animal wastewater treatment facilities

YasuoTanaka*

(* NationalInstituteofLivestockandGrasslandScience,2,Ikenodai.Tsukuba-shi,Ibaraki,305-0901,Japan)(2014.12.1受付/2015.2.12受理)

Summary

Emissionofmicrobes fromaerationtanks inanimalwastewater treatment facilitiesmayadverselyaffectonlivestockepidemicprevention.Apreviousstudyhassuggestedthat2mheight1mmmeshwindbreakraschelnetmadeofpolyethylenewouldbeefficient for reduce theemissionofmicrobes fromaeration tank. Thewindbreaknet is,however,damagedbystrongwinds. Amethod forminimizingthedamageof thenetswasexaminedwithfullscaletests.Itwassuggestedthat5mlengthnetunitsfastenedwithhookandloopfastenerwaseffectivetopreventexcessivewindpressurethroughdetachmentofthefasteners.Thedetachmentof5cmwidth fastenerbecame remarkablewhenmaximum instantaneouswind speed exceed about 7m/s. Thedetachmentof the fastenerwasautomaticallydetectablewithanelectricalcablebreakagemonitor. Automaticshutoffofblowers foraerationofactivatedsludgetankbythesignal fromthemonitorwouldbeefficient forpreventingemissionofmicroorganismsduringstormweather.

Keywords:Animalwastewater treatment,Aeration tank,Emissionofmicroorganisms,Epidemicprevention,Windbreaknets

家畜衛生学雑誌 41, 1 〜 8 (2015)

原 著

* 国立研究開発法人農研機構 畜産草地研究所 〒305−0901 茨城県つくば市池の台 2

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2 家畜衛生学雑誌 第41巻第 1 号(2015)

ニット化したネットを面ファスナーで所要枚数連結して設置することを考案した.強風時には面ファスナーが分離し,風がユニット間を抜けることで,風圧が軽減され破損が防がれるものと予想される.また,分離したネットは面ファスナーを再係合することで容易に元の状態に戻すことが可能である.

この手法を最適化するため,実施設の曝気槽で以下の2 種類の試験を実施した.試験 1 (面ファスナー選定試験):適切な仕様の面ファスナーを選定するため, 2 ユニットを面ファスナーで結合した10mのネットを設置し,幅10cmの面ファスナーの場合と幅5cmの場合のそれぞれについて,風速が分離および破損に及ぼす影響を検討した.試験 2 (全周設置試験):前記試験で選定

した面ファスナーで連結した約60mのネットを円形曝気槽の円周上に設置し,風速と面ファスナー分離の関係,ネット下辺の可動式固定法,およびネット分離の自動検知法などを検討した.本論文ではこれらの検討結果を報告する.

材料および方法

( 1 ) 曝気槽ネットの設置試験は,畜産草地研究所内の畜舎汚水処

理用活性汚泥法曝気槽(図 1 )で実施した.この曝気槽は,直径20mの円形で無覆蓋,槽周縁部水深2.4m,中央部水深4.5m,有効容量1,298m3である.槽底部から微細気泡を散気する垂直エアレーター(11Kw,3 台)と,水車状のパドルを水面で回転させて液の攪拌と同時に空気を溶解させる水平エアレーター(1.5Kw, 6 台)とが設置されている.

( 2 ) ネット試験には,ポリエチレン製防風ネット(ダイオ化成株

式会社製,ラッセル織,目合1mm,防風率70%)を使用した(図 2 左).耐用年数は通常 3 〜 5 年とされている.なお,一般にラッセル織りのネットは飛沫抑制効果が高く 3 ),また裂け目ができた場合も拡大し難いという特性もあり,効果面・耐久性面で最適な資材と考えられる.幅2m×長さ5mのネットを 1 ユニットとし,外周部に補強用の6mmφロープを縫い付け,上辺には吊り下げ用の金属製リングを1m間隔で取り付けた(図2 右).なお,この加工はネット製造会社に依頼して行った.ネット下辺は,通常風速時にネット下部が吹き上げられないように固定を行った.この固定法として,試験 1 (面ファスナー選定試験)では 1 ユニット当たり

図 1 .試験を実施した曝気槽の形状

4.5m 5m

歩廊

20m

水平エアレーター

垂直エアレーター

N

S

W E

平面図

側面図

No.1

No.2

No.3No.4

No.5

No.6

図 2 .使用した防風ネットと設置の状況

2 m m φ ス テ ン レ ス ワ イ ヤ ー ロ ー プ 吊 金 具

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3田中:防風ネットによる曝気槽からの微生物飛散抑制

重りによりネット下辺は固定され,強風時にはロープによって重りが引き上げられながらネットの裾が広がり,過大な風荷重が回避される.

( 3 ) 面ファスナー面ファスナーは,クラレファスニング株式会社製ポリ

エステル面ファスナーニューエコマジック(A8693Y-71(フック面),B2790Y-00(ループ面))を使用した.テープ幅は10cm(有効巾9.6cm)および5cm(有効巾4.7cm)の 2 種類を用い,長さ2mにカットしたテープを各ネットユニットの両端部にフック面とループ面がネット設置の際に対合するように取り付けた(試験 1 の場合は結束バンドで固定し,試験 2 では家庭用ミシンによりナイロン糸で縫い付けた).なお,メーカー仕様書によれば,面ファスナーの係合力は,引張りせん断強さが10cm幅で7.5N/cm2,5cm幅で8.5N/cm2,はく離強さが10cm幅で0.66N/cm,5cm幅で0.87N/cmである.

( 4 )支柱およびネット懸架法支柱として,試験 1 では外径22mm,長さ2mの引

抜FRP製ロッド(フェザーフィールド株式会社製,品番K0501300)を用いた.試験 2 では,東側半周分を上記FRPロッド,西側半周分は外径25mm,肉厚1.2mm,長さ2mのメッキ鉄パイプを使用した.支柱は 1 ユニットのネットあたり 3 本を既設手摺のスチールアングル支柱のコーナー部空隙に差し込んで設置した(差し込み深さ70cm).ステンレスワイヤーロープ(2mmφ,SUS304製, 7 × 7 タイプ)を各支柱の上端にステンレス製ホースバンドで固定し張り渡した.このワイヤーに吊り下げリングを掛けてネットを懸架した.

( 5 ) ネット分離検出システム面ファスナーが分離するような強風時には,曝気槽か

らの飛沫飛散量の増大が予想される.よって,面ファスナーが分離した場合には曝気を自動停止すれば飛散抑制はより確実になる.この自動停止法として,試験 2 (全周設置試験)では断線検出機能付漏液検出器(オムロン株式会社製,K7L-UD形)を利用したシステムを設置した(図 5 ).本検出器の本来の利用目的は漏液検出であるが,検出器本体とセンサを結ぶ導線 3 本のうち少なくとも 1 本が断線した場合に,断線検出信号を出力する機能も有している.そこで,本体とセンサを同一のプラスチックボックス内に組み込み, 2 本の導線はボックス内で結線し,残り一本はステンレスワイヤーロープ

(1mmφ,SUS304製,7 × 7 タイプ)を導線としてボッ

2 点を結束バンドで曝気槽構造物に結束した.15ユニットを用いた試験 2 (全周設置試験)(図 3 )では,弱風では下辺が固定され,かつ強風では下辺が吹き上がり風圧を逃がすことができる可動式固定法として,各ユニットの中央下部にロープを結び付け,このロープを槽壁上端とネット懸架用ステンレスワイヤーロープに取付けた2 個のステンレス製ナス環に通した後,床面に置いた2 kgの重り(水を2L入れたペットボトル)に結び付けた(図 4 ).ネットユニットが係合されている場合は,

図 3 .ネット全周設置の状況

2 m 高 ネ ッ ト 風 向 風 速 計

図 4 .ネット下端の可動式固定手法

水入り2 Lペットボトル

ポリエチレンロープ

ネット

ステンレスワイヤーロープ

弱風時 強風時(面ファスナ分離時)

ステンレスナス環

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4 家畜衛生学雑誌 第41巻第 1 号(2015)

クス外に引き出した.ワイヤーロープは6mを 1 ユニットとして各ネットユニットの下辺に結束バンドで取り付け,各ワイヤーロープユニットの端部は,隣接するユニット端部に電気的な導通が確保されるように幅2mmのナイロン製結束バンドで結合し,本体とセンサが3 本の導線で導通されるようにした.いずれかの面ファスナーが分離しネットが煽られた際には,ワイヤーロープ同士を結合する結束バンドが切れて導通が断たれ,断線検出信号が出力される.この出力を利用して,曝気ブロアーを停止する回路を設ければ,面ファスナーの分離時に曝気が自動停止する.

( 6 )風向・風速の測定風車型風向風速計(光進電気工業製KVS-501型)を曝

気槽上部に設置して(図 3 )風向・風速を計測した.試験 1 では,曝気槽の東側にネットを設置したため,

ネット面に対する風の角度によって同じ風速であっても風荷重は大きく異なることが予想された.そこで,ネッ

トへの風荷重の相対的指標値を,以下の手順で算出した.まず,10分ごとの最大瞬間風速からネットの内側から外側に向かう風向時のデータのみ抽出した.次に,抽出した風速値を下式によりネット面に垂直な方向の風速ベクトル値に換算した(以下補正最大瞬間風速と呼ぶ).

補正最大瞬間風速=最大瞬間風速×SINα(α:ネット面と最大瞬間風速時風向が成す角度)

2 〜 3 日ごとにこの補正最大瞬間風速の最大値を求め,ネットへの最大風荷重の指標とした.

試験 2 の場合は,円形曝気槽の全周にネットを設置したことから上記のような風向による補正は行わず,面ファスナーの分離が確認された場合には,その直近の観察日と分離確認日の間に観測された10分ごとの最大瞬間風速の最大値を分離発生風速とした.

( 7 )試験期間試験 1 (面ファスナー選定試験)は,幅10cmの面

図 5 .ネットの全周設置およびネット分離検知システムの概要

ケーブル接続箇所

断線検知機能付漏液検出器

漏液センサー

ステンレスワイヤーロープ(ネットの下縁に沿わせる)

防風ネット

ネット係合部位

曝気槽

検出器-センサー接続配線(3本)

防水ボックス

ネ ッ ト 配 線 セ ン サ 本 体

断 線 検 知 用 配 線 設 置 状 況 配 線 の 接 続 箇 所 断 線 検 知 器

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5田中:防風ネットによる曝気槽からの微生物飛散抑制

ファスナーについては2013年 4 月 4 日〜 9 月11日,幅5cmの面ファスナーについては2013年 9 月12日〜2014年 2 月17日に試験を実施した.

試験 2 (全周設置試験)は,2014年 6 月 4 日から2014年11月17日まで実施した.

結  果

( 1 )試験 1 :面ファスナー選定試験10cm幅面ファスナーの試験期間に補正最大瞬間風速

(図 6 上)は最大9.2m/sを示したが,面ファスナーの係合には影響がみられなかった.一方,下辺の結束バンド固定部位ではネットに裂け目が生じた.この結果から,10cm幅では係合強度が強すぎると考えられた.

5cm幅面ファスナーでは(図 6 下),試験期間中に補正最大瞬間風速8.3m/sおよび9.9m/sの場合の 2 回について分離が見られた(図 7 ).一方,ネットおよび支柱の損傷は生じなかった.よって,5cm幅面ファスナーを使用すれば,風速がおよそ8m/s以上の強風時は分

離し,それ以下の場合は通常使用が可能と推定された.ただし,試験後半には8m/sを超える補正最大瞬間風速が 5 回観測されたにもかかわらず分離は生じなかった.強風時の降雨状況も風荷重に影響した可能性が考えられる.

( 2 ) 試験 2 :全周設置試験図 8 に試験期間における最大瞬間風速とネット係合部

分離箇所数の関係を示した.最大瞬間風速が4m/sを超えると 1 カ所分離するケースが出始め,7m/sを超えると分離箇所数は最大 5 カ所に増加した.ただし, 7 〜10m/sの最大瞬間風速でも分離が皆無の場合もあった.このばらつきの原因としては,強風の継続時間,および既述のように強風時の雨量も考えられる.同じ風速レベルでも,その際の雨量が大きければ,付着雨水によるネットの重量増加とメッシュの閉塞が同時に起こり,風圧の影響が強くなったと推定される.

試験期間の約160日で分離は 9 回発生した.平均発生

図 6 .試験 1 (面ファスナー選定試験)期間中の最大瞬間風速の変化

0

2

4

6

8

10

2013/4/3

2013/4/10

2013/4/17

2013/4/24

2013/5/8

2013/5/15

2013/5/22

2013/5/29

2013/6/5

2013/6/12

2013/6/19

2013/6/26

2013/7/3

2013/7/10

2013/7/19

2013/7/26

2013/8/2

2013/8/16

2013/8/23

m/s

10cm幅面ファスナー試験

0

2

4

6

8

10

12

14

2013/9/12

2013/9/19

2013/9/26

2013/10/3

2013/10/10

2013/10/17

2013/10/24

2013/10/31

2013/11/7

2013/11/14

2013/11/21

2013/11/28

2013/12/5

2013/12/12

2013/12/19

2013/12/26

2014/1/2

2014/1/9

2014/1/16

2014/1/23

2014/1/30

2014/2/6

2014/2/13

m/s

日付

分離分離

5 cm幅面ファスナー試験

図 7 .強風による面ファスナーの分離状況

図 8 .試験 2 (全周設置試験)期間中の最大瞬間風速とネット分離箇所数の関係

0

1

2

3

4

5

6

0 2 4 6 8 10

分離箇所数

最大瞬間風速(m/s)

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6 家畜衛生学雑誌 第41巻第 1 号(2015)

頻度は約18日に 1 回になる.分離箇所数が 5 カ所の場合でも再係合作業は 5 分程度で完了するので,月に 2 回 5カ所またはそれ以下の修復を行う作業負担は軽微と思われる.

ネット分離検知システムについては,絶縁用被覆の無いステンレスワイヤーロープを断線検出用導線に用いたが,断線検出は問題なく作動した.このシステムを用いれば安価な機材でネット分離の検知ができる.また,ワイヤーロープの再結合は,結束バンドを用いるので,作業は容易であり,保守管理負担は少ない.

考  察

今回試験に用いた面ファスナーはフック面とループ面を対合させる仕様の製品であった.このため,ネットユニットへの面ファスナーの取付けおよびネットユニットの設置の際に対合に注意を払わないと係合不能箇所が生じることもあった.この煩雑さを無くすためには,同一面にフックとループを備えたファスナーを使用する選択肢もある.この場合,対合を配慮する必要は無くなる.ただし,係合力は通常品よりやや小さくなるのでテープ巾を5cmより広げる必要は出てくると予想される.なお,防風ネットへの面ファスナーの取付けは,購入の際にネットメーカーに依頼可能である.

ネット懸架に用いた直径2mmステンレスワイヤーロープは設置から約 1 年後に支柱への固定箇所での切断が数カ所発生した.従って耐久性が不十分であったと考えられ,実施の際は直径3mmまたはそれ以上の直径のステンレスワイヤーロープにすべきである.

ネットの飛散抑制効果は,高さが増すほど確実になると予想される.一方,ネットが高くなるほど大きな風荷重に耐える支柱強度が必要になりコスト上昇につながる.現実的には,ネットの設置や保守の際に2m以上では脚立の使用が不可欠になり,作業負担が大幅に増加することから,2mが適切なネット高と考えられる.

今回の試験においては直径22mmのFRP製ロッドおよび直径25mmのメッキ鉄パイプを支柱に用いたが,どちらも面ファスナーを使用し始めた後は屈曲等の損傷は生じなかった.メッキ鉄パイプの方がかなり廉価なことから,実用的にはメッキ鉄パイプが適当と思われる.強度面で不安が有る場合は,工事足場用単管パイプ(外径48.6mm,肉厚1.8mm)の利用が確実と推定される.コンクリート床の場合,単管パイプ専用固定ベース金具を利用すれば設置も容易である.

単管パイプの使用を想定して今回の約60mのネット設置に要する費用を試算すると約23万円であった(表 1 ).なお,設置作業は自前で行うことを想定し,工事費は入

表 1 .長さ60mのネット設置に要する費用試算

品 名 仕 様 単 価 所用数量 金額(円)

防風ネット

目合1mm,ラッセル織,ポリエチレン製,幅2m,長さ5m,周囲に直径6mmポリエチレン製ロープ縫込み,上縁に1m間隔で吊金具固定.

6,900円/枚 15枚 103,500

面ファスナーポリエステル製,テープ巾50mm(有効巾47mm),引張りせん断強さ8.5N/cm2,はく離強さ0.87N/cm

フック面:534円/mループ面:462円/m

フック面:30mループ面:30m 29,880

支柱 足場用単管パイプ,外径48.6mm,長さ2m 951円/本 45本 42,795

パイプ固定用ベース金具 足場用単管パイプ固定ベース 244円/個 45個 10,980

ネット設置用ステンレスワイヤーロープ SUS304製,直径3mm, 7 × 7 158円/m 60m 9,480

ワイヤーロープ固定金具 単管パイプ用垂木止めクランプ 162円/個 45個 7,290

断線検出機能付漏液検出器 配線可能距離400m 27,500円/台 1 台 27,500

ネット分離検知用ステンレスワイヤーロープ SUS304製,直径1mm, 7 × 7 2000円/1巻(100m) 1 巻 2,000

合  計  額 233,425

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7田中:防風ネットによる曝気槽からの微生物飛散抑制

れていない.1m当たりの単価にすると約4,000円である.この程度の額であれば,リスク削減効果が明確ではない状況でも農家が前向きな対応を考える余地はあると思われる.

なお,多数の樹脂製ボールを曝気槽水面にカバーのように浮かべて飛沫飛散を防ぐ手法も検討され,一定の効果が報告 1 )されている.この目的に利用可能な資材として,理化学用に市販されているポリプロピレン製中空ボールがある.しかし,コストを試算すると,今回試験を行った曝気槽に適用することを想定した場合,直径1cm のボールで57,148,000円,直径5cm のボールで9,796,800円と高額になり,非現実的である.比較的安価な練習用卓球ボール(直径4cm)を使用した場合でも,1,789,800円となり,ネットの場合の約 8 倍のコストとなる.これらの試算より,ボールの使用はコスト面で実用性に欠けると考えられる.また,表面曝気装置が設置された曝気槽での使用は曝気の支障となり不可能である.

覆蓋の設置が構造上可能であれば,当然対策の選択肢になるが,直径20mの円形槽を想定した公表価格では,荷重条件100kg/m2 で21,600,000〜24,970,000円 2 )

とかなり高額になる.簡易な覆蓋としてビニールハウスを設置することを想

定すると,風速50m/s以上又は耐雪荷重50kg/m2以上の強度を有する鉄骨補強パイプハウスの標準価格が1,000万円/10aとされている 4 )ことから,上記と同じ槽へ設置するとした場合の費用は3,140,000円となり,本格的覆蓋に比べれば低額ではあるものの,ネットの約14倍の金額となる.

曝気槽上部に,梁材を水平に設置し,その上に防風ネットを水平に取り付けて水面をカバーする手法も考え得るが,この場合の所要ネット面積は,フェンス状の設置の場合の約 3 倍になる.また,曝気槽水面から舞い上がる飛沫の付着や,風で飛来する落葉・ゴミ等のネット上への堆積の可能性もあり,フェンスに比較して管理負担の増大が予想される.

以上のことから,各種の飛散抑制手法は考えられるものの,コスト面や管理面で最も取り組みが容易なのはネットをフェンス状に設置する手法と考えられる.

今回試用した漏液検出器は,ネット下辺に敷設したステンレスワイヤーロープを本体とセンサを結ぶ 3 本の信号線のうちの 1 本にすることで,ネット係合部の分離検知に利用できた.このシステムで断線警報信号が発出された場合,その信号により曝気槽ブロアーを自動停止する回路を組み込んでおくことで,強風時の飛散リスクを回避できると考えられる.

農薬散布時のドリフトを防ぐ手法として,日本植物防

疫協会はネット設置の他に,適当な高さの生け垣の造成も効果がある 3 )としている.曝気槽からの飛散抑制にも生け垣は同様な効果を発揮する可能性が推測される.曝気槽周囲に植栽可能な用地があれば,低コストで強風対策の不要な飛散抑制手法の選択肢になる.最適樹種および樹形に関する定量的な検討が今後望まれる.

引 用 文 献

1 ) Hung,H.F.,Kuo,Y.M.,Chien,C.C.et al.(2010)Useoffloating balls for reducing bacterial aerosolemissions fromaeration inwastewatertreatmentprocesses.JournalofHazardousMaterials,175(1-3):866-871.

2 )(一財)経済調査会.公表価格一覧─覆蓋工─.http://kohyo.kensetsu-plaza.com/search/price/H070200060030/

3 ) 日本植物防疫協会(2005)地上防除ドリフト対策マニュアル.

4 ) 農林水産省生産局農産部技術普及課生産資材対策室(2011)品目別生産コスト縮減戦略〜生産現場の取組のヒント〜(トマト)http://www.maff.go.jp/j/seisan/sien/sizai/s_cost/pdf/data5-2.pdf

5 ) 田中康男・山下恭広・荻野暁史(2012)畜舎汚水処理施設曝気槽からの飛沫および微生物の飛散に対する防風ネットの抑制効果.家畜衛生学雑誌,38

(3):65-72.

謝  辞

風速測定およびネットの状況記録を担当された畜産草地研究所男山啓子氏に謝意を表します.また各種試験の実施に協力いただいた畜産草地研究所の代永道裕氏,鈴木伸明氏,熊谷正男氏,坂本由成氏に謝意を表します.

要  旨

畜舎汚水浄化用曝気槽からの微生物飛散を抑制するため,ラッセル織ポリエチレン製防風ネット(高さ2m,目合1mm)が効果的なことが報告されているが,強風により損傷する問題点があった.このため,損傷を防ぐ簡易な設置法として,ネットを長さ5mのユニットとし,複数のユニットを面ファスナーで係合して所要長さとし,曝気槽周囲にフェンス状に設置する手法を考案した. 2 ユニットを係合した予備試験の結果,幅10cmの面ファスナーは係合力が強すぎ,強風時でも分離しないためネットに損傷が生じた.一方,5cm幅面ファスナーでは一定以上の強風時には分離し,ネットが受ける風圧が軽減されるため損傷を防ぐことができた.この結

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8 家畜衛生学雑誌 第41巻第 1 号(2015)

果を受け,5cm幅の面ファスナーで15ユニットのネットを係合した長さ約60mのネットを円形曝気槽の全周に設置したところ,強風時には係合部が分離することで風圧が軽減され損傷を防ぎながら使用することができた.また,ネットの係合部の分離検知は,断線検出機能付漏液検出器の断線検出機能を利用することで簡易に行

うことができた.この断線検出信号により曝気槽の曝気を止めることも有効と推測された.

キーワード:畜舎汚水処理,曝気槽,微生物飛散,防疫,防風ネット

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9

牛の疾病の中で乳房炎は最も発生数が多く,乳量の低下,治療費,また感染牛の廃用等農家の経営・経済的負担も大きく,防除方法や治療法の研究が多くされてきた.牛の乳房炎の原因菌の一つである Pseudomonas aeruginosa(緑膿菌)は,北海道における河合らの臨床型乳房炎の発生状況の調査 4 )では,0.9%とそれほど高い発生割合を占めていないものの,本菌で環境が汚染された牛群では潜在的に保菌されている事例が見受けら

れ,それが新たな臨床型乳房炎を誘発すると推察されている.P. aeruginosaは耐性を持つ薬剤が多く,選択される投与薬剤が限られ,またディスク法による感受性試験において効果のある薬剤も治療の際の効果は低い.そのため,治癒率は低く 2 ),多くの乳房が盲乳となる.耐性の獲得には菌そのものの耐性のみではなく,biofilmの関与が疑われている 7 ).

今回,牛乳房炎由来臨床株 P. aeruginosa におけるbiofilm形成量の比較,biofilm減少が確認されているマクロライド系抗菌薬5,10)による牛由来株での減少効果の検定,多剤耐性緑膿菌の状況観察のため感受性試験を行ったのでその結果を報告する.

牛乳房炎由来緑膿菌が産生するバイオフィルム形成に対するマクロライド系抗菌薬の減少効果

渡邉公平 1 )・木内明男 2 )

The reduction effect of macrolide antibiotics over the biofilm formation that the bovine mastitis origin Pseudomonas aeruginosa produces

KoheiWatanabe1)andAkioKiuchi2)

(1)VeterinaryClinic,TonanbuAgriculturalMutualAidAssociation.19-20-7,Tuchibuchi,Tuchibuchi,Tono,Iwate,028-0555,Japan

2)KiuchiAnimalClinic.3-25-1,Numame,Isehara,Kanagawa,259-1126,Japan)(2014.9.8受付/2015.3.31受理)

Summary

Pseudomonas aeruginosaisoneofthecausativeagentsofintractablemastitis.Participationofbiofilmwassuspectedasanintractablecauseandresearchonevaluationanddrugresistanceof

theamountreductioneffectofbiofilmbythemacrolideantibioticserythromycin(EM)wasdone.Theclinicalstrain inwhichmostmanyamountsofbiofilmformationwereshownwasused for theamount

reductioneffectexperimentofbiofilm.UsingEM,reductionofthesignificantamountofbiofilmwasobservedbyPAO1strain(5,10,and50µg/ml)and

aclinicalstrain(50µg/ml).Theresult,whichsuggeststhepossibilityinthePseudomonas aeruginosacurativemedicineofgentamicin(GM),

couldbeobtained.

Keywords:Mastitis,Pseudomonas aeruginosa,macrolide,Quorumsensing

家畜衛生学雑誌 41, 9 〜11(2015)

短 報

1 )NOSAI東南部 家畜診療センター 〒028-0555 岩手県遠野市土淵町土淵19-20-72 )きうち動物病院 〒259-1126 神奈川県伊勢原市沼目3-25-1

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10 家畜衛生学雑誌 第41巻第 1 号(2015)

供試菌株は乳房炎由来P. aeruginosa臨床株10菌株と標準株としてP. aeruginosaPAO1株の11菌株を使用した.

biofilmの形成・染色および計測はO’tooleら 9 )の方法を参考に行った.−80℃凍結された菌株をBHI寒天培地

(Oxiod)で,35℃24時間培養後, 1 白金耳量 1 µlをLB培地(日本製薬) 1 mlに接種し,35℃24時間培養したものを前培養液とした.96穴プレートに100倍希釈した菌液を接種し,接種したプレートをbiofilmモデルとした.蒸留水で洗浄後,クリスタルバイオレット溶液120µl添加し,15分静置し,その後十分に洗浄・乾燥後,95%エタノールを加えクリスタルバイオレットを溶解後,吸光度(OD=595nm)を計測した.それぞれの菌株につき 5 ウェル使用し,その平均値をbiofilm量とした.biofilmモデルに 1 , 5 ,10,50,100µg/mlとなるよう希釈した抗菌剤液を添加し(controlには溶媒を添加),35℃48時間好気培養後,染色および計測を行った.データの統計処理は,スチューデントt検定を用いた.

Biofilm量はP. aeruginosa PAO1株との比較を行い,10菌 株 中 4 菌 株 で 多 く(p<0.05), 2 菌 株 で 少 な く

(p<0.01)他の 4 株で同等の結果を得た.OD値でPAO1株 の 3 倍 の biofilm 形 成 量 が 認 め ら れ た KH1848株 とPAO1株でのマクロライドによる形成量減少効果の測定を 行 っ た と こ ろ, エ リ ス ロ マ イ シ ン(EM) で は

PAO1: 5 −50µg/ml,KH1848:50µg/ml,クラリスロマイシン(CAM)ではPAO1: 1 −100µg/ml,KH1848:1 ,10−100µg/ml,アジスロマイシン(AZM)ではPAO1: 1 −10,100µg/ml,KH1848: 1 −100µg/mlに抗菌薬無添加対照と比べそれぞれ有意なbiofilmの減少が見られた(表 1 ).

biofilmの形成にはQS機構(Quorumsensing)のlas系およびrhl系の 2 つが関与しているとされている1,3).今回,las,rhl両遺伝子の保有についてPCR法を用いて検索したところ,11菌株のうちlasI,lasR欠損株が 1株,lasR欠損株が 1 株検出されたが,これらの株に有意なbiofilmの減少は確認できなかった.治療薬剤としてマクロライド系抗菌薬によるP. aeruginosaの抗菌効果は期待できないが,エリスロマイシン少量投与により,難治性であったびまん性汎細気管支炎(DPB)の予後が改善するという結果が報告されている 6 ).EMは臨床株に お い て KH1848株 で50µg/ml,AZM・CAM で は1 µg/mlの低い濃度からbiofilm量の減少が見られた.これらの結果から,EMはin vitroでのbiofilm減少効果の有効性が示された.

現在乳房内注入薬に含有されている薬剤および緑膿菌に対して効果があるとされている抗菌剤カナマイシン

(KM),ゲンタマイシン(GM),ストレプトマイシン(SM),オキシテトラサイクリン(OTC),アンピシリン(AMPC),エンロフロキサシリン(ERFX)および

表 1 .マクロライド系抗菌薬添加後のバイオフィルム減少効果

EM CAM AZM

µg/ml µg/ml µg/ml

PAO1

0 1.94±0.34a 0 1.32±0.26 0 2.43±0.46

1 1.90±0.75 1 0.81±0.09* 1 1.24±0.14*

5 1.48±0.17** 5 0.81±0.13* 5 1.36±0.18*

10 1.40±0.14** 10 0.56±0.04* 10 1.51±0.21*

50 1.03±0.13* 50 0.50±0.08* 50 1.60±0.84

100 1.69±0.35 100 0.77±0.12* 100 1.45±0.65**

HK1848 

0 2.37±0.63 0 1.67±0.19 0 3.99±0.04

1 2.20±0.59 1 1.24±0.17* 1 0.68±0.21*

5 2.06±0.41 5 1.12±0.42 5 0.76±0.16*

10 2.55±0.86 10 0.76±0.19* 10 1.18±0.16*

50 1.31±0.24** 50 0.54±0.08* 50 0.56±0.11*

100 1.51±0.57 100 0.62±0.18* 100 0.77±0.21*

a:OD=595nm  *P<0.01,**P<0.05

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11渡邉ら:バイオフィルム形成とマクロライド系抗菌薬

内和世監訳(2012)牛の乳房炎コントロール 酪農家と獣医師のための実践ガイド 増補改訂版.緑書房.東京.

3 ) Davies,D,G.,Parsek,M,R.,Pearson,J,P.,et al.(1998)The involvement of cell-to-cell signals in thedevelopmentof abacterialbiofilm.Science. 280,295-298.

4 ) 河合一洋・竹田津史央・大林哲ら(2012)北海道における臨床型乳房炎の発生動向と防除への提言.家畜衛生誌.38,54-55.

5 ) 小林宏行(1995)宿題報告 “びまん性汎細気管支炎に対するマクロライドの作用機序”.日化療会誌.43,96-101.

6 ) 工藤翔二・植竹健司・萩原弘一ら(1987)びまん性汎細気管支炎に対するエリスロマイシン少量長期投与の臨床効果に関する研究─ 4 年間の治療成績─.日胸疾誌.25,632-642.

7 ) Melchior,M.B.,Vaarkamp,H.,Fink-Gremmels, J.(2006) Biofilms: A role in recurrent mastitisinfection.Vet.J.171,398-407.

8 ) Ohnishi,M., Sawada,T.,Hirose,K., et al. (2011)Antimicrobial susceptibilitiesandbacteriologicalcharacteristicsofbovinePseudomonas aeruginosa andSerratia marcescensisolatesfrommastitis.Vet.Microbiol.154,202-207.

9 ) O’tooleG,A.,PrattL,A.,WatnickP,I., et al. (1999)Geneticapproachestostudyofbiofilms.MethodsEnzymol.310,91-109.

10) Yasuda, H. ,Ajiki , Y. ,Koga, T. , et al. (1994)InteractionbetweenclarithromycinandbiofilmsformedbyStaphylococcus epidermidis.AntimicrobAgentsChemother.38,138-141.

多剤耐性緑膿菌の探索のためにイミペネム(IPM)を用いて感受性試験を実施したところ,GMとIPMに対しては全ての菌株において感性を示した.

多剤耐性緑膿菌(multidrug-resistantPseudomonas aeruginosa:MDRP)は,現在日本で使用されている抗菌薬全てが単独投与では効果は期待できない.以前の報告 8 )同様,MBL 産生株・MDRP は今回も検出されなかった.しかし,乳房炎治療薬として使用されているSMやKM,OTCやβ-ラクタム系のAMPCに対して耐性を示す菌株が多く,使用頻度の高い薬剤における耐性の成立が示唆された.緑膿菌による乳房炎と判断された場合,今回の結果から現在使用されている注入薬による抗菌薬投与では効果が期待できず,現在のところ盲乳の選択が最も望ましいと考えられる.また,現在第二選択薬として使用されているフルオロキノロン系抗菌薬ERFXでも感受性が中間を示す菌株が 6 菌株確認され,使用継続によりERFXの耐性菌の出現も懸念される.

以上の成績から,緑膿菌による牛乳房炎においてもDPB同様の効果の可能性がin vitroで示唆された.GMおよびマクロライド系抗菌薬を共に含有した注入剤等P. aeruginosaのみに特化したbiofilm対策も考えた治療薬の開発が望まれる.

臨床型乳房炎由来緑膿菌株を分与いただいた麻布大学衛生学第一研究室河合一洋氏に深謝いたします.

引 用 文 献

1 ) Bjarnsholt,T., Jensen,P,O.,Burmolle,M., et al.(2005) Pseudomonas aeruginosa tolerance totobramycin, hydrogenperoxide andpolymorphnuclear leukocytes isquorum-sensingdependent.Microbiology.151,373-383.

2 ) Blowey,R.,Edmondso,P.浜名克己・河合一洋・竹

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会 員 へ の お し ら せ

①第82回大会について

 開催場所を,昨年まで実施してきた麻布大学から東京農工大学に変え,定期大会を開催いたします.演題のエントリーよろしくお願いいたします.

Ⅰ 日時及び場所  日時:平成27年 7 月11日(土)     総 会 13:00〜      発表会 13:30〜  場所:東京農工大学第一講義棟     総 会 21教室     発表会 25教室     東京都府中市幸町 3 − 5 − 8

Ⅱ 発表申し込み  エントリー:演題名,発表者,所属         6 月 5 日(金)まで  発表要旨 :1,000〜1,300文字程度         6 月19日(金)まで  [email protected]まで

Ⅲ 懇親会  大会終了後に大学内にある武蔵野荘でビアパー

ティー(会費1,500円程度)を企画しております.

ビアパーティー

理事会、大会

東京農工大学

JR中央線……「国分寺駅」下車,南口 2 番乗場から「府中駅行バス(明星学苑経由)」約10分「晴見町」バス停下車

京王線………「府中駅」下車,北口バスターミナル 2 番乗場から「国分寺駅南口行バス(明星学苑経由)」約 7 分「晴見町」バス停下車

JR武蔵野線…「北府中駅」下車,徒歩約12分

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②家畜衛生フォーラム2015について

 今年も「家畜衛生フォーラム2015」を企画進行中です.日時と場所は決定しております.詳細は決まり次第,HPや雑誌でお伝えいたします.

  日時:平成27年12月18日(金)午後〜  場所:MeijiSeikaファルマ(株)講堂     東京都中央区京橋 2 − 4 −16     (東京メトロ銀座線・京橋駅徒歩 1 分      JR東京駅・八重洲口徒歩10分)

東京国際フォーラム

八重洲南口

みずほ証券

三井住友銀行

パシフィックセンチュリープレイス

パイロット

みずほ銀行

フィルムセンター

八重洲ブックセンター

八重洲通り

鍛冶橋通り

昭和通り

中央通り

常陽銀行

福岡銀行

3番出口

A5出口

京橋K-1ビル

Meiji Seika ファルマ株式会社

山形銀行

ローソン

しんきん信託銀行

秋田銀行

JR 東京駅

東京メトロ銀座線 京橋駅

都営浅草線 宝町駅

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「家畜衛生学雑誌」投稿規程

1 .本誌には原則として,家畜衛生に関する総説,原著論文,短報を掲載する.なお,原稿は編集委員会事務局へ電子メール添付(PDFファイル)で提出する.印刷原稿 3 部(うち 2 部は鮮明なコピーでもよい)の書留郵便あるいはレターパックによる提出も可とする.

2 .投稿論文は他誌に未発表であること.また,筆頭著者および連絡著者(コレスポンディングオーサー)は本学会会員に限るが,共著者は非会員でも差支えない.共著者が非会員の場合は 1 名につき,3,000円の投稿手数料を徴収する.

3 .掲載論文は総説,原著論文,短報とし,編集委員会が掲載の採否を決定する.

4 .投稿論文は和文または英文とし,次の指示(記述順序など)に従うこと.1 ) 論文原稿は別に定める注意に従って作成するこ

と.用紙サイズはA 4 とし,和文の場合は30字で25行程度,英文の場合はダブルスペース(70字で25行程度)とする.

2 ) 和文の場合も句読点は,「 ,」,「 .」を用いること.

3 ) 論文原稿は第 1 ページに表題,著者名,所属機関名およびその所在地を和文と英文で記載するとともに,連絡著者とその電子メールアドレスを記載する.また,和文の場合は20字,英文の場合は40字以内の略表題(runninghead)を記載する.

4 ) 原著論文の構成は原則として,Summary(本文が和文の場合も英語),序文(Introduction),材料および方法(MaterialsandMethods),結果(Results), 考 察(Discussion), 引 用 文 献

(References),要旨(本文が和文であっても英文であっても,和文の要旨)とする.ただし,謝辞は,別項目を設けず,本文の最後に 1 行の空白をとった後に記載する.

5 ) 英文Summaryは250語以内,和文要旨は600字以内とし,それぞれの最後の行に 5 つ以内のKeywords(キーワード)をつける.

6 ) 英語論文および和文論文の英文Summaryは,投稿前にしかるべき校閲を受けること.

7 ) 原著論文で刷り上り 6 頁(30文字×25行=750文字で,図表を含めて12枚程度)までは,印刷費を本学会で負担する.ただし,超過ページについては,その費用を著者の負担とする.な

お,総説についてはこの限りではない.また,カラーや特殊な用紙での印刷は,その費用を著者の負担とする.

8 ) 使用する動植物・微生物などの学名はイタリック体で表記する.

9 ) 度量衡の単位,略記はSI単位系を基本とし,以下の例に従う.

[例]m,cm,mm,µm,nm,kg,g,mg,µg,ng,L,mL,µL,nLM,mM,µM,%,cm2,m3,hr,min,sec,OC,pH,Pa(血圧はmmHg,生体内圧力はTorr)など.

10) 表および図(写真を含む)は用紙 1 枚に 1 つとし,個々に番号と表題を記入し,投稿原稿の最後に添付する.

11) 引用文献は下記の例にならって,アルファベット順にならべ,本文中では 1 ), 3 − 6 )のように上付き(superscript)で記入する.ただし,著者名 は 3 名 ま で と し, 4 人 目 以 降 は 省 略 し,

「ら」,「etal」で示す.[例]雑誌

1 ) 内田孝治・藤井武・高山公一ら(1991)ブロイラーにおける実験的大腸菌症に対するラノフロキサシンの治療効果および用量設定試験.家畜衛生研究会報.33,19-24.

2 ) Oshida,T.,Fukuyasu,T.,Kohzaki,K.,etal.(1993)Anewtreatmentsystemforanimalwastewaterusingmicroorganism,soilandvagetation.Asian-Australasian Journal ofAnimalSciences.6,205-209.

電子ジャーナル3 ) Wilson,D.J.,Rood,K.A.,Bunnel,J.,etal.(2014)

Johne’sdisease,mycoplasmaandBVD inUtah-Bulktankmilktestingandcomparisonto previous regional prevalence andindividualherdresultsovertime.JournalofVeterinaryScienceandTechnology. 5 :182.doi:10.4172/2157-7579.1000182.

単行書4 ) 伊予部志津子(1980)薬剤耐性因子(R)の

検出法,薬剤感受性測定法.22-48頁.三橋進編,講談社,東京.

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論文原稿を作成する上での注意

1 ) 執筆にあたり,投稿規定をもう一度,熟読すること.

2 ) 各行の行末での強制改行をしないこと.3 ) 投稿論文が和文,英文のいずれの場合も数字,欧文

は全て 1 バイト文字(いわゆる半角)で入力すること.ただしかっこ( )は 2 バイト文字(いわゆる全角)とする.「µ」(マイクロ)は半角立体で入力すること.

4 ) 投稿論文原稿はPDFファイルとして事務局まで電子メールで提出すること.その際には必ずパスワードロックし,パスワードは別メールで事務局まで連絡すること.特段の理由がある場合は,印刷原稿 3部(うち 2 部は鮮明なコピーでも可)を事務局まで書留郵便あるいはレターパックで送付すること.

5 ) 写真は印刷に耐えうる鮮明なものを使用すること.6 ) 図は,MicrosoftPowerPoint,Excel,AdobePhoto

shop,Illustrator等のソフトウェアで作成するのが望ましい.

7 ) 論文受理後の最終原稿は,MicrosoftWord(あるいはMicrosoftWord互換ソフトウェア)ファイルとして提出する.ただし,MicrosoftWord互換ソフトウェアを使用した場合は,MicrosoftWordで正しく表示されることを確認すること.グラフィックソフトウェアで作成した図データは,jpeg,tiff等の汎用フォーマットで提出する.

日本家畜衛生学会編集委員会

5 ) McDonrd,P.(1976)Trendsinsilagemaking,Microbiology inAgriculture,FisheriesandFood.pp109-121.Shinner,F.AandCarr,J.G.eds.Acad.Press,London,NY.

12) 図はグラフィックソフトウェアで作成することが望ましい.手書きで作成する場合は,そのまま製版できるよう,白色紙または青色方眼紙にタイプやレタリングなどにより作成する.

13) 投稿原稿が受理(掲載決定)されたならば,著者はすみやかに最終原稿のMicrosoftWordファイルを電子メールで提出すること.図については,グラフィックソフトウェアで作成したファイルも併せて提出する.

5 .短報は,その内容を成績および考察(ResultsandDiscussion)としてまとめ,要旨(Summary)は英文では200字以内の和文,和文では100語以内の英文をつける.原稿の長さは刷り上りで, 2 頁以内とする,その他の規定については原著の場合に準じ

る.6 .総説の構成については特に規定を設けないが,引用

論文の記載法は原著論文の場合に準じることとする.

7 .別刷りは50部に限り無料とする.追加分についてその費用を著者の負担とする.

8 .本誌の発行は原則として,年 4 回( 4 月, 7 月,10月および 1 月)とする.

9 .編集委員会事務局を下記に置く. 〒252−0132  神奈川県相模原市緑区橋本台 3 − 7 −11   (一財)生物科学安全研究所内   日本家畜衛生学会編集委員会  Tel 042(762)2775  Fax 042(762)7979  E-mail:[email protected]

附則本規定は,2015年 1 月 1 日以降の投稿論文に適用する.

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日本家畜衛生学会会則

 (総 則)第 1 条 本学会は、日本家畜衛生学会(英文表記:

TheJapaneseSocietyofAnimalHygiene)(以下、「学会」とする。)と称する。

第 2 条 学会の事務局は、原則として理事長の所属する機関におく。

第 3 条 学会は、家畜衛生とその関連領域における学究の向上を図り、畜産の進歩発展に寄与することを目的とする。

第 4 条 学会は、前条の目的を達成するために、次の事業を行う。

(1) 研究発表会及び学術講演会等の開催 (2) 学会誌「家畜衛生学雑誌」の発行 (3) 学会の発展に貢献した者への表彰 (4)その他学会の目的達成のために必要な事業

 (会員および会費)第 5 条 学会の会員は正会員、学生会員、賛助会員お

よび名誉会員より構成する。 (1) 正会員:学会の趣旨に賛同し、会費を納

入した個人 (2) 学生会員:学会の趣旨に賛同し、会費を

納入した学生、大学院生 (3) 賛助会員:学会の趣旨に賛同し、その事

業を援助するため所定の会費を納入した個人又は団体

(4) 名誉会員:学会に永年功労があり、総会において承認された個人

第 6 条 会費は正会員にあっては年額4,000円、学生会員にあっては年額2,000円、賛助会員にあっては 1 口年額10,000円とし、毎年 7 月末までに納入するものとする。

 (役員および役員会)第 7 条 学会に次の役員をおく。 (1)理 事 長   1 名 (2)副理事長   1 名 (3)常務理事  若干名 (4)監  事   2 名 (5)理  事  35〜45名第 8 条 理事長は常務理事の互選により選出する。    2 .理事長は学会を代表し、会務を総理する。    3 .理事長は常務理事の中から庶務・会計を担当

する事務局担当者を委嘱する。    4 .理事長は第 4 条の事業を達成するための常設

の学術委員会、編集委員会およびホームページ管理委員会を設置する。

(1)委員会の委員は原則として理事長が常務理事の中から指名する。但し、常務理事会が必要と認めた場合は会員の中から指名することが出来る。

(2)委員会の委員長は、委員の互選により選出し、理事長が指名する。

第 9 条 副理事長は常務理事の互選により選出し、理

事長を補佐する。第10条 常務理事および監事は理事の互選により選出

し、総会において承認を受ける。    2 .常務理事は常務理事会を組織し、理事長を補

佐し、学会の運営に関して第 4 条の事項を行う。    3 .監事は理事長を補佐し、会務と会計を監査する。第11条 理事は理事長が委嘱し、総会の承認を受ける。    2 .理事は理事会を組織し、理事長を補佐し、学

会の運営に関して第 4 条の事項を行う。第12条 役員の任期は 2 年とし、再任を妨げない。    2 .役員の補欠又は増員は、第 8 条第 1 項、第 9

条、第10条若しくは第11条の規定により選任し、その任期は前任者又は現任者の残任期間とする。ただし、常務理事会が会務の運営に支障がないと認めたときは、この限りでない。

第13条 常務理事会および理事会は理事長が随時招集する。

 (総 会)第14条 通常総会は毎年 1 回、理事長が招集する。第15条 理事長が必要と認めた場合は、臨時総会を招

集することができる。第16条 総会では次の事項を議決する。 (1) 事業計画および事業報告に関する事項 (2) 予算および決算に関する事項 (3) 会則の改正に関する事項 (4) その他、学会の目的を達成するために必

要な事項

 (会 計)第17条 学会の経費は会費その他の収入をもって、こ

れにあてる。第18条 会計年度は 4 月 1 日より、翌年 3 月31日ま

でとする。

 附 則 (1) この会則は平成14年 7 月 6 日より施行

する。 (2) 学会設立時の役員は家畜衛生研究会(以

下「研究会」と略す)の役員が暫定的に就任することとし、理事長は研究会の会長が、常務理事は研究会の幹事が、理事は研究会の評議員が、監事は研究会の監事がそれぞれ就任する。

(3) この会則は平成15年 7 月 5 日に改正し、同日に施行する。

(4) この会則は平成16年 7 月 3 日に改正し、同日に施行する。

(5) この会則は平成17年 7 月 2 日に改正し、同日に施行する。

(6) この会則は平成21年 7 月 4 日に改正し、同日に施行する。

(7) この会則は平成23年 7 月 2 日に改正し、同日に施行する。

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協賛団体・企業一覧日本家畜衛生学会は以下の各団体・企業からの協賛を受けています.ここに記して謝意を表します.(五十音順)

(株)インターベット (株)科学飼料研究所

共立製薬(株) コーキン化学(株)

住化エンバイロメンタルサイエンス(株) ゾエティス・ジャパン(株)

田村製薬(株) 日本イーライリリー(株)

(一般財団法人)日本生物科学研究所 日本全薬工業(株)

日本ハム(株) バイエル薬品(株)

ベーリンガーインゲルハイム・ベトメディカルジャパン(株) MeijiSeikaファルマ(株)

家畜衛生学雑誌 第41巻第 1 号

平成27年 5 月30日発行(会員配布)

発  行 日本家畜衛生学会  理事長 白井淳資 〒183−8509 東京都府中市幸町 3 − 5 − 8  東京農工大学農学部獣医伝染病学講座内 ☎/FAX:042(367)5780   ホームページ:http://www.kachiku-eisei.jp/   e-mail:[email protected] 振替口座:00240− 3 −43171 取引銀行:横浜銀行渕野辺支店 411−1719271印刷所 明誠企画株式会社 〒208−0022 東京都武蔵村山市榎 2 −25− 5 ☎ 042(567)6233 FAX 042(567)6230

日本家畜衛生学会入会のすすめ

The Japanese Society of Animal Hygiene

 日本家畜衛生学会は家畜衛生とその関連領域における学術の交流を図り、畜産の進歩発展に寄与することを目的とした学会です。

<主な活動> ・ 年2回(7月、11月)の研究発表会 ・ 年1回のフォーラム(11月ごろ)の開催   これまでの主なテーマ「狂犬病」、「口蹄疫」、   「鳥インフルエンザ」、「BSE」、「家畜ふん尿」など ・ 年4冊の機関誌「家畜衛生学雑誌」の発行 ・ 学会賞の授与

年会費4,000円(但し、学生は2,000円)御請求戴ければ、見本誌を贈呈します!! Hpで活動内容がご覧になれます!!(日本家畜衛生で検索)

日 本 家 畜 衛 生 学 会183-8509 東京都府中市幸町3-5-8

東京農工大学農学部獣医伝染病学講座内TEL/FAX:042(367)5780

http://www.kachiku-eisei.jp/e-mail:[email protected]

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平成  年  月  日

日本家畜衛生学会 御中

入 会 申 込 書

貴会への入会を下記の通り申込ます.

フリガナ

氏  名:

所属名称:

部  署:                     役 職

所属住所:〒

    TEL:                     FAX:

    e-mail:

自宅住所:〒

    TEL:

    e-mail:

会員の種類 : ○正 会 員 ・ ○学生会員 ・ ○名誉会員

会報送付先 : ○自  宅 ・ ○勤 務 先

      ○内にチェックを付して下さい.

1.入会申込書は必要事項をすべて正確に記入し,郵便またはFAX(042-367-5780)にてご送付下さい.2.年会費は個人会員 4,000円,賛助会員 10,000円/口(1口以上)を郵便振替口座(加入者名:日本家畜衛生

学会,No. 00240-3-43171)へお振込下さい.3.申込先は 〠183-8509 東京都府中市幸町3-5-8 東京農工大学農学部獣医伝染病学講座内  日本家畜衛生学会事務局宛  TEL/FAX:042-367-57804.ホームページからも申し込めます:http://www.kachiku-eisei.jp/

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平成  年  月  日

日本家畜衛生学会 御中

変  更  届

変更手続きを下記の通り致します.記

  フリガナ

○ 氏  名:

○ 所属名称:

○ 部  署:                      役 職

○ 所属住所:〒

○     TEL:          FAX:          e-mail:

○ 自宅住所:〒

○ TEL:                  e-mail:

○会員の種類:○正会員 ・ ○学生会員 ・ ○名誉会員

○会報送付先:○自 宅 ・ ○勤務先

全てご記入の上,上記変更部位の○内にチェックを付して下さい.

1.変更届出書は必要事項を正確に記入し,郵便またはFAX(042-367-5780)にてご送付下さい.

2.届け先は 〠183-8509 東京都府中市幸町3-5-8 東京農工大学農学部獣医伝染病学講座内

  日本家畜衛生学会事務局宛  TEL/FAX:042-367-5780

3.ホームページからも手続きできます:http://www.kachiku-eisei.jp/

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複写される方へ 日本家畜衛生学会は有限責任中間法人 学術著作権協会(学著協)に複写に関する権利委託をしていますので,本誌に掲載された著作物を複写したい方は,学著協より許諾を受けて複写して下さい.但し,社団法人日本複写権センター(学著協より複写に関する権利を再委託)と包括複写許諾契約を締結されている企業の社員による社内利用目的の複写はその必要はありません.(※社外頒布用の複写は許諾が必要です.)

  権利委託先: 有限責任中間法人 学術著作権協会         〒107-0052 東京都港区赤坂9-6-41 乃木坂ビル3階         電話:03-3475-5618  FAX:03-3475-5619  E-mail:info@jaacc. jp

注意:複写以外の許諾(著作物の転載・翻訳等)は,学著協では扱っていませんので,直接日本家畜衛生学会へご連絡下さい.(電話:042-769-1641)

 また,アメリカ合衆国において本書を複写したい場合は,次の団体に連絡して下さい.  Copyright Clearance Center, Inc.         222 Rosewood Drive, Danvers, MA 01923 USA         Phone:1-978-750-8400  FAX:1-978-646-8600

家 畜 衛 生 学 雑 誌

日本家畜衛生学会 発行

President : Junsuke SHIRAI(Tokyo Univ. of Agric. and Technol.)Vice President : Shigeru MIYAZAKI(Res. Inst. for Anim. Sci. in Biochem. and Toxicol.)Editor-in-Chief : Shigeru MIYAZAKI(Res. Inst. for Anim. Sci. in Biochem. and Toxicol.)Editorial Board : Norihide KAKIICHI(Nippon Vet. Life Sci. Univ.) Shinji TAKAI(Kitasato Univ.) Hajime NAGAHATA(Rakunou Gakuen Univ.) Sadao NOGAMI(Nihon Univ.) Tsuguaki FUKUYASU(Azabu Univ.) Tadao WATANABE(Tohyo Univ. of Agri.)

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家畜衛生学雑誌41-1表

23.ai

The Japanese Journal of Animal HygienePublished by the Japanese Society of Animal Hygiene

理 事 長:白井淳資副理事長:宮﨑 茂

編集委員長:宮﨑 茂編集委員:柿市徳英・高井伸二・永幡 肇     野上貞雄・福安嗣昭・渡邊忠男

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家畜衛生学雑誌41-1表

14.ai

K

DIC199p

ISSN 1347-6602 昭和62年6月9日学術刊行物認可

家畜衛生学雑誌家畜衛生学雑誌

Vol.41 No.12015. MAY

日本家畜衛生学会The Japanese Society of

Animal Hygiene

The Japanese Journal of Animal Hygiene

家畜衛生学雑誌

 第41巻第1号

       

二〇一五年五月

日本家畜衛生学会