みずほ欧州経済情報...みずほ欧州経済情報 2018年9月号 トピック...

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  • みずほ欧州経済情報

    2018年9月号

    ◆ トピック

    欧州の10年、債務危機とポピュリズム台頭の因果

    2008年9月のリーマン・ショックから10年が経過した。ユ

    ーロ圏経済は好調だが、この間、欧州は様々な試練に直面

    した。蓄積された国民の不満は解消されないままだ。

    ◆ 景気判断

    景気拡大が継続、新興国リスクは限定的

    ユーロ圏経済は緩やかな拡大が続いている。新興国リスク

    の金融面での波及はまだ見られないが、輸出先の景況感は

    悪化している。金融政策に大きな変更は無い。

  • 1 みずほ欧州経済情報(2018 年 9 月号)

    1.トピック:欧州の 10 年、債務危機とポピュリズム台頭の因果

    リーマンショックから

    10年

    景気後退に歳出拡大で

    対応したEU

    その後に債務危機が発

    2008 年 9 月のリーマン・ショックから 10 年が経過した。2018 年のユーロ圏経済

    は好調で、失業率は緩やかに低下している。リーマン・ショック後の 10 年間を振り

    返ると、2010~12 年の欧州債務危機、2014~16 年の難民危機、EU離脱を決め

    た 2016 年の英国民投票など、欧州は様々な試練に直面した。本稿では、リーマ

    ン・ショック以降の欧州情勢を簡単に振り返ってみたい。

    リーマン・ショック後の景気後退に対し、欧州連合(EU)は、当初歳出拡大で対

    応した。2008年 12月のEU首脳会合では、欧州委員会が提案した総額 2,000億

    ユーロ規模の欧州経済開発計画の導入が承認された。更に、ドイツでは新車へ

    の買い替えに際して補助金が支給される「カー・スクラッページ・スキーム」が 2009

    年に導入され、2010 年ごろからユーロ圏経済は持ち直しに転じた。

    しかし、景気後退と財政出動の結果、2009 年のユーロ圏の財政赤字はGDP比

    6.3%と、ユーロ導入後の最高水準に達した。2010 年にギリシャで財政赤字の改

    ざんが判明して債務危機が発生すると、債務危機は瞬く間にポルトガル、アイル

    ランドへと飛び火し、2011 年夏には域内の大国であるスペインやイタリアにも波及

    した。南欧諸国が財政収支や経常収支の赤字といった共通の脆弱性を抱えてい

    たことが背景にはある。ユーロ導入後の低金利への収斂により(図表 1)、官民の

    借り入れが膨らんだことがその要因であった。

    歴史に残るドラギ総裁

    の発言

    緊縮策で困窮するギリ

    シャ国民、高まる政治へ

    の不満

    2014 年には難民問題が

    深刻化

    債務危機克服に向けたターニング・ポイントと言われるのは、マリオ・ドラギ欧州

    中央銀行(ECB)総裁の演説であった。2011 年 11 月に就任したドラギ総裁は、

    2012 年 7 月にロンドンで「出来ることは何でもやる、信じてほしい」と述べ、それが

    投資家の信頼回復の契機となった。その後間を置かず、ECBは国債市場への無

    制限介入を許容するOMT(Outright Monetary Transaction)の導入を発表し、

    欧州債務危機の終息に成功、国債利回りは低下に転じた(図表 1)。

    EUレベルでは、危機対応のための基金(欧州金融安定ファシリティ(EFSF)や、

    欧州安定メカニズム(ESM))が設立され、国際通貨基金(IMF)と共にギリシャな

    ど問題国への金融支援が実施された。しかし、金融支援を受ける見返りとして、被

    支援国には厳しい緊縮財政政策が課され、国民生活は困窮した。

    その結果、ギリシャでは、緊縮財政策を主導するドイツや欧州委員会、IMF、

    の緊縮策を支持する与党に対する国民の不満が募った。緊縮策を進める与党へ

    の反感の高まりはギリシャにとどまらず、2009~12 年までに行われたEU各国の

    選挙では、軒並み政権交代が起こった(図表 2)。ただ、まだこの時期は、既存の

    主要政党間の選択としての政権交代が中心であった。

    前述の通り、欧州債務危機は2012年には峠を越え、2013年4~6月期より欧州

    経済は回復局面に入った。しかし、景気回復のペースは緩やかで、失業率の高

    止まりなど、国民の不満は残った。更に、2014~16 年には大量のシリア難民がE

    U域内に流入した。難民申請者が容疑者に含まれる暴行事件やテロ事件が発生

    するに及び、EU各国では難民排斥を訴える極右勢力へ支持が集まった。

    斯かる状況下、2014 年に行われた欧州議会選挙では、EU懐疑的な新勢力が

    軒並み勢力を伸ばした。2015 年にギリシャで行われた総選挙ではアレックス・チ

  • 2 みずほ欧州経済情報(2018 年 9 月号)

    台頭するEU懐疑的な

    ポピュリスト政党

    次の選挙は2021~22年

    プラス党首が率いる急進左派政党、シリザが第一党となり、初めてEU懐疑政党を

    中心とする政権がEU内に誕生した。更に、2016 年には英国でEU離脱の是非を

    問う国民投票が実施され、英国民が僅差で離脱を選択、世界中に衝撃が走った。

    2017 年に行われた欧州の選挙は、「EU離脱ドミノ」を測る試金石として注目を

    集めた。結果は図表 3 の通りで、離脱ドミノは回避されたものの、既存政党離れが

    より鮮明となった。経済絶好調のドイツですら、与党キリスト教民主同盟(CDU)の

    得票率は戦後 2番目の水準まで低下した。最近では、2018年にイタリアで行われ

    た総選挙で与党民主党が大敗、五つ星運動と同盟によるEU懐疑的なポピュリス

    ト政党の連立政権が誕生した。

    リーマンショックから 10 年が経ち、経済は現状に復し、ECBも金融正常化に向

    けて舵を切りつつある。しかし、この間に蓄積された国民の不満や不安は解消さ

    れないままだ。次の欧州選挙年は 2021~22 年である。

    図表1 ユーロ圏各国の長期債利回り

    (資料) Bloombergより、みずほ総合研究所作成

    図表2 欧州の選挙結果(2009-12) 図表3 欧州の選挙結果(2015-18)

    (資料) みずほ総合研究所作成 (注)スペインの政権交代は、選挙でなく不信任案可決。

    (資料) みずほ総合研究所作成

    0

    5

    10

    15

    20

    25

    93 95 97 99 01 03 05 07 09 11 13 15 17

    ドイツ フランス イタリア

    スペイン アイルランド ポルトガル

    ギリシャ

    30%台まで上昇(%)

    (年)

    長期金利は収斂

    選挙年 選挙前 選挙後

    ドイツ 2009 CDU(右) → CDU(右)

    英国 2010 労働党(左) →保守党・自民党(右)

    オランダ 2010CDA・PvdA・CU(右左)

    → VVD・CDA(右)

    イタリア 2011フォルツァ・イタリア(右)

    → 非政治家(中立)

    ポルトガル 2011 社会党(左) → 社会民主党(左)

    スペイン 2011 PSOE(左) → 国民党(右)

    ギリシャ 2011 PASOK(左) →新民主主義党(右)

    フランス 2012 UMP(右) → 社会党(左)

    選挙年 選挙前 選挙後

    ギリシャ 2015新民主主義党(ND)

    → シリザ(左)

    英国 2015 保守・自民(右) → 保守党(右)

    オランダ 2017 VVD・CDA(右) →VVD・CDA・D66・CU(右・中)

    フランス 2017 社会党(左) → REM(中)

    ドイツ 2017 CDU・SPD(右左) → CDU・SPD(右左)

    イタリア 2018 民主党(左) →五つ星運動、同盟(左右)

    スペイン 2018 国民党(右) → PSOE(左)

  • 3 みずほ欧州経済情報(2018 年 9 月号)

    2.ユーロ圏経済の概況:景気拡大が継続。新興国不安の影響は限定的

    4~6 月期の成長率は前

    期と同水準。輸出入は再

    び増加に転じるが消費

    が減速

    ユーロ圏経済は緩やかな拡大が続いている。4~6 月期のユーロ圏GDP成長

    率(3 次推計値)は前期比+0.4%と、1~3 月期と同水準を維持した(図表 4)。

    需要項目別の内訳をみると、建設投資や機械投資を含む総固定資本形成が

    前期比+1.2%と伸びが拡大した。個人消費も同+0.2%と前期より増加したもの

    の、伸びは鈍化した。外需は、輸出(前期比▲0.7%→同+0.6%)、輸入(前期

    比▲0.3%→同+1.1%)ともに前期から増加に転じたが、輸入の伸びが輸出の

    伸びを上回り、純輸出の寄与度は▲0.2%pt と、2 四半期連続の減少となった。

    7~9 月期のユーロ圏経

    済の成長ペースは減速

    景気見通しのリスクは

    下方

    7 月以降もユーロ圏経済は拡大を続けたとみられるが、企業部門を中心に成長

    のペースは減速している。GDPとの連動が高い購買担当者指数(合成PMI、速

    報値)は、9月に54.2となり、小幅ながら前月より低下した(図表5)。業種別にみる

    と、製造業(53.3)の指数低下が続く一方、サービス業(54.7)は 2 カ月連続で上

    昇した。製造業の景況感弱含みは、主にドイツにおけるPMI低下を映じたもので

    ある。新規受注指数の低下が製造業を中心に続いたことが、指数低下の主因とみ

    られる。7~9月期平均の合成PMIは 54.3となり、前期(54.7)より僅かに低下した。

    7~9 月期のGDP成長率については、前期比+0.4%程度の成長率を維持する

    と予想している。

    景気見通しに関するリスクは下方にある。外部環境に目を向けると、米中、米E

    U間の貿易摩擦の深刻化や、トルコやアルゼンチンなど新興国不安の高まり、英

    国のEU離脱交渉の緊迫化、イタリアにおけるソブリンリスクの高まりなど、不安材

    料に事欠かない状況が続いている。先行きに対する不確実性が高まれば、雇用

    や投資の抑制に繋がる可能性があるため、状況の注視が必要だろう。

    新興国リスクは、今のと

    ころ管理可能な状況

    もっとも、上記のうち、新興国リスクの金融面からの波及の影響は限定的とみら

    れる。国際決済銀行(BIS)の国際与信統計を用いて、新興国向けのクロスボーダ

    ー与信額を示すと、図表 6 のようになる。スペインから新興国への与信が大きいこ

    とが分かる。スペイン大手銀行がトルコやブラジルに進出しているためであり、両

    国で通貨危機への不安が高まれば、スペインの銀行への影響が意識され易い。

    しかし、ブラジルでは通貨安が進んでいるとはいえまだ相対的に軽微で、通貨

    危機とは言えない。トルコでも大手格付機関が8月に行ったストレス・シナリオ分析

    に基づけば、在トルコ欧銀がトルコから撤退を余儀なくされた場合でも普通株式

    等ティア 1 比率(CET 1)にもたらす影響は軽微で、最大でも CET1 比率を 0.35%

    引き下げる程度にとどまるとされた。2018 年 3 月時点でのスペイン大手行の CET1

    比率は約 12%であり、更なる状況の悪化が無ければ、まだ新興国不安の金融面

    での影響は管理可能な状況と言えそうだ。

    米中通商協議の中国経

    済への影響に注目

    米中間の通商協議については、双方が関税を課し合う貿易戦争の様相が強ま

    っている。欧州への直接的な影響はまだ出ていないが、中国向けの輸出は既に

    減速している(図表 7)。中国で更に需要が減退すれば、影響が拡大する可能性

    があろう。EUと米国の通商協議については、米通商代表部(USTR)のライトハイ

    ザー代表と欧州委員会のマルムストローム委員(通商担当)の協議が始まってい

    るが、交渉はまだ始まったばかりだ。

  • 4 みずほ欧州経済情報(2018 年 9 月号)

    図表 4 ユーロ圏GDP成長率

    (資料)Eurostat より、みずほ総合研究所作成

    図表 5 ユーロ圏PMI

    (注)PMI は 50 が景気判断の節目となる

    (資料)Markit より、みずほ総合研究所作成

    図表 6 EU 各国の新興国向け与信

    図表 7 ユーロ圏の対中輸出(前年比)

    (資料) BIS より、みずほ総合研究所作成

    (資料) Eurostat より、みずほ総合研究所作成

    図表 8 ユーロ圏景気の全体感を示す主要統計

    (資料)Eurostat、欧州委員会経済金融総局、ECB、Markit、Datastream より、みずほ総合研究所作成

    ▲ 0.4

    ▲ 0.2

    0.0

    0.2

    0.4

    0.6

    0.8

    1.0

    16 17 18

    在庫・誤差 純輸出

    総固定資本形成 政府消費

    家計消費支出 GDP

    (前期比、%)

    (年)

    46

    48

    50

    52

    54

    56

    58

    60

    62

    13 14 15 16 17 18

    製造業PMI

    サービス業PMI

    合成PMI

    (Pt)

    拡大

    縮小

    (年)

    0

    3

    6

    9

    12

    15

    18

    0

    50

    100

    150

    200

    250

    300

    スペイン

    ポルトガル

    イタリア

    英国

    オーストリア

    フランス

    ドイツ

    オランダ

    南アフリカ トルコ

    ロシア インド

    インドネシア ブラジル

    アルゼンチン 新興国向け与信比率(右目盛)

    (10億ドル) (%)

    ▲ 20

    ▲ 10

    0

    10

    20

    30

    40(前年比%)

    (年)

    Q4 2017 Q1 2018 Q2 2018 Q3 2018 2018/04 2018/05 2018/06 2018/07 2018/08 2018/09

    ユーロ圏(19カ国) 前期比、% 0.7 0.4 0.4 n.a. - - - - - -

     ドイツ 前期比、% 0.5 0.4 0.5 n.a. - - - - - -

     フランス 前期比、% 0.7 0.2 0.2 n.a. - - - - - -

     イタリア 前期比、% 0.3 0.3 0.2 n.a. - - - - - -

     スペイン 前期比、% 0.7 0.7 0.6 n.a. - - - - - -

    景況感 ユーロ圏合成PMI Pt 57.2 57.0 54.7 54.3 55.1 54.1 54.9 54.3 54.5 54.2

    ユーロ圏製造業PMI Pt 59.7 58.3 55.5 54.3 56.2 55.5 54.9 55.1 54.6 53.3

    ユーロ圏サービス業PMI Pt 55.9 56.4 54.6 54.4 54.7 53.8 55.2 54.2 54.4 54.7

    ユーロ圏ESI 長期平均=100 114.3 114.0 112.5 111.9 112.7 112.5 112.3 112.1 111.6 n.a.

    見通し 専門家調査(当年のユーロ圏GDP成長率、%) 2.2 2.3 2.4 n.a. - - - - - -

    金融 ECB主要政策金利 末値、% 0.00 0.00 0.00 n.a. 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00

    ドイツ10年国債利回り 末値、% 0.42 0.50 0.31 n.a. 0.56 0.34 0.31 0.38 0.33 n.a.

    ユーロ/ドル 末値、€/$ 1.20 1.23 1.17 n.a. 1.21 1.17 1.17 1.17 1.16 n.a.

    実質GDP

    成長率

  • 5 みずほ欧州経済情報(2018 年 9 月号)

    3.ユーロ圏内外需動向:輸出の先行きに暗雲、雇用所得環境は改善

    ユーロ圏輸出は停滞気

    味。先行きは弱含む可能

    ユーロ圏の輸出は停滞している。7 月のユーロ圏域外向け輸出金額(国際収支

    統計の財・サービス輸出)は、前月比▲1.5%と減少した。内訳をみると、財輸出が

    同▲2.7%と前月(同+2.3%)より減少に転じ、サービス輸出は同+2.0%と、前月

    (同▲1.5%)より増加に転じた。

    輸出はしばらく弱含む可能性がある。ユーロ圏の輸出先のPMIを加重平均し

    た輸出先PMIは 8 月に低下した(図表 9)。輸出PMIの低下は主として新興国の

    景況感の悪化を映じたものであり、ブラジル、南アフリカ、トルコ、インドなど複数

    国でPMIの低下がみられる。輸出の先行指標となるユーロ圏製造業受注(域外向

    け)も、7 月は同▲1.5%と 2 カ月連続で低下した。今後は、実体経済面からの新興

    国危機の波及が見られるのかが注目点となる。

    ユーロ圏固定資本形成

    は機械投資を中心に伸

    びを高める

    4~6 月期のユーロ圏固定資本形成は前期比+1.2%と、前期(同+0.3%)

    より伸び率が高まった(図表10)。年初の寒波による影響が剥落し、輸送機を

    除く機械投資が増加したことが主因である。

    機械投資は前期(同▲0.5%)の減少から増加に転じた(同+2.3%)。内

    訳をみると、輸送機械投資が同▲6.3%と大幅な減少に転じた一方、その他

    機械投資は同+5.9%と増加した。建設投資は同+0.8%と緩やかな増加傾向

    を継続し、住居、非住居ともに投資額は増加した。

    4~6月期の機械投資はスペインなど一部の国で増加したものの、前述の通

    り足元で域外受注が弱含むなど、設備投資を巡る環境は必ずしも良好とは言

    えない。輸出と設備投資の相関を考えれば、4~6月期の機械投資の好調さは

    持続的とは言えず、7~9月期以降に伸びが鈍化する可能性があろう。

    4~6 月期のユーロ圏消

    費は減速

    4~6 月期のユーロ圏個人消費は前期比+0.2%と増加したが、前期より伸

    びは鈍化した。4~6月期はフランスで7四半期ぶりに消費が減速に転じたほ

    か、主要国全てで伸びが鈍化した(図表11)。

    供給側統計をみると、7月のユーロ圏小売数量(除く自動車)は、同▲0.2%

    と3カ月ぶりに減少に転じた。食料品(同▲0.6%)や、電気機器・家具(同

    ▲1.3%)、自動車燃料(同▲0.7%)などの販売が減少に転じたことが主因

    である。エネルギー価格上昇を受けた消費者物価の上昇が、購買力を押し下

    げた可能性などが考えられる。ユーロ圏全体では消費の拡大基調は崩れてい

    ないとみるが、イタリアでは減少傾向が続き、国別にはばらつきがある。

    ユーロ圏の雇用所得環

    境は改善が続く

    消費の源泉となる雇用所得環境は、改善が続いている。4~6月期のユーロ

    圏一人当たり雇用者報酬は前年比+2.3%、同期の交渉妥結賃金は同+2.2%

    といずれも前期より上昇し、高い伸びを示した(図表12)。ドイツにおける賃

    金交渉の結果などが反映されているとみられるが、失業率の低下など労働需

    給のひっ迫が徐々に賃金に反映されはじめている。

    7月のユーロ圏失業率は8.2%となり、3カ月連続で同水準となった。ドイ

    ツでは 3.4%と東西ドイツ統合後最低水準を維持した、イタリアでも失業率

    が 10.4%と 2012 年 3 月以来の水準に低下した。雇用環境は改善が続いてい

    ると評価できよう。

  • 6 みずほ欧州経済情報(2018 年 9 月号)

    図表 9 ユーロ圏輸出先PMI 図表 10 ユーロ圏総固定資本形成

    (注)各国PMIをユーロ圏の輸出ウェイトで加重平均。

    (資料)Markit より、みずほ総合研究所作成

    (資料)Eurostat より、みずほ総合研究所作成

    図表 11 ユーロ圏各国別個人消費

    図表 12 ユーロ圏賃金関連統計

    (資料)Eurostat より、みずほ総合研究所作成

    (資料)Eurostat より、みずほ総合研究所作成

    図表 13 ユーロ圏内外需関連統計

    (資料)Eurostat、欧州委員会経済金融総局、ECBより、みずほ総合研究所作成

    50

    51

    52

    53

    54

    55

    16/1 7 17/1 7 18/1 7

    (Pt)

    (年/月)▲ 2.0

    ▲ 1.5

    ▲ 1.0

    ▲ 0.5

    0.0

    0.5

    1.0

    1.5

    2.0

    2.5

    16 17 18

    その他 知財投資

    その他機械投資 輸送設備

    その他建設 住居

    総固定資本形成

    (前期比、%)

    (年)

    ▲ 0.6

    ▲ 0.4

    ▲ 0.2

    0.0

    0.2

    0.4

    0.6

    0.8

    13 14 15 16 17 18

    その他 西

    伊 仏

    独 ユーロ圏

    (前期比、%)

    (年)

    0.0

    0.5

    1.0

    1.5

    2.0

    2.5

    3.0

    3.5

    4.0

    00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18

    一人当たり雇用者報酬

    交渉妥結賃金

    (前年比、%)

    (年)

    Q4 2017 Q1 2018 Q2 2018 Q3 2018 2018/04 2018/05 2018/06 2018/07 2018/08 2018/09

    企業 鉱工業生産

    ユーロ圏(19カ国) 前期比、% 1.2 ▲ 0.7 ▲ 0.2 n.a. ▲ 0.8 1.4 ▲ 0.8 ▲ 0.8 n.a. n.a.

    ドイツ 前期比、% 0.8 0.0 0.2 n.a. ▲ 1.6 2.2 ▲ 0.6 ▲ 1.8 n.a. n.a.

    フランス 前期比、% 1.7 ▲ 1.3 ▲ 0.3 n.a. ▲ 0.5 ▲ 0.1 0.7 0.7 n.a. n.a.

    イタリア 前期比、% 0.5 ▲ 0.4 ▲ 0.2 n.a. ▲ 1.3 0.7 0.3 ▲ 1.8 n.a. n.a.

    スペイン 前期比、% 2.0 ▲ 1.0 ▲ 0.6 n.a. ▲ 1.9 0.7 ▲ 0.6 ▲ 0.3 n.a. n.a.

    ユーロ圏設備稼働率 % 84.0 84.5 84.3 n.a. - - - - - -

    前期比、% 2.6 ▲ 0.6 ▲ 0.1 n.a. ▲ 0.2 1.2 ▲ 0.9 n.a. n.a. n.a.

    外需 ユーロ圏経常収支 億ユーロ 34.1 37.0 26.0 n.a. 29.7 24.6 23.8 21.3 n.a. n.a.

    ユーロ圏財・サービス輸出 前期比、% 2.3 ▲ 1.9 0.2 n.a. ▲ 0.6 1.0 1.3 ▲ 1.5 n.a. n.a.

    ユーロ圏財・サービス輸入 前期比、% 2.6 ▲ 1.6 3.7 n.a. 2.6 1.5 0.9 ▲ 1.2 n.a. n.a.

    雇用 ユーロ圏実質雇用者報酬 前期比、% 0.4 0.6 0.8 n.a. - - - - - -

    ユーロ圏失業率 % 8.7 8.6 8.3 n.a. 8.4 8.2 8.2 8.2 n.a. n.a.

    家計 ユーロ圏小売数量 前期比、% 0.4 0.0 0.6 n.a. ▲ 0.2 0.3 0.3 ▲ 0.2 n.a. n.a.

    ユーロ圏新車登録台数 前期比、% 2.4 1.6 0.1 n.a. ▲ 1.1 2.1 ▲ 0.0 2.3 19.6 n.a.

    ユーロ圏製造業受注

    (大型輸送機器除く)

  • 7 みずほ欧州経済情報(2018 年 9 月号)

    4.ユーロ圏物価動向:単位労働コストが 2013 年以来の高い伸び

    8 月のインフレ率は

    +2.0%と前月から小幅

    に低下

    ULCは 2013 年以来の

    高い伸びに

    8 月のユーロ圏インフレ率は前年比+2.0%と、前月(同+2.1%)から小幅

    に低下した(図表 14)。前月に続き、エネルギー物価の上昇(同+9.2%)が

    インフレ率を押し上げた。エネルギーや食料品など振れの大きな項目を除い

    たコア・インフレ率は同+1.0%となり、前月(同+1.1%)から伸びが低下し

    た。コア・インフレ率の内訳をみると、サービス物価(同+1.3%)、非エネ

    ルギー産業財(同+0.4%)上昇率は、ともに前月から低下した(図表 15)。

    賃金上昇率が高まっている割に、コア・インフレ率に加速感はみられない。

    他方で、4~6月期のユーロ圏単位労働コスト(ULC)は、前年比+1.7%

    と、2013 年 1~3 月期以来の高い伸びとなった(図表 16)。ULCの上昇は、

    製造業を中心とした労働生産性上昇率の低下と、製造業、不動産サービス業、

    専門サービス業等の業種での時間当たり賃金上昇率の上昇によるものであ

    る。労働生産性上昇率は、ユーロ圏経済の減速が続けば低位で推移する可能

    性があり、4~6 月期同様の高めのULC上昇率が 7~9 月期も続く可能性が

    ある。労働需給のひっ迫と共に、賃金上昇のすそ野が幅広い産業に拡大して

    くれば、徐々にコア・インフレ率が上昇する可能性があろう。

    ECBの政策理事会は

    政策の枠組みを据え置

    欧州中央銀行(ECB)は、9月13日に行われた政策理事会で、金融政策

    の枠組みを据え置いた。ECBは、賃金上昇圧力の高まりなどを背景に、物

    価については強気の見通しを維持し、景気の先行きに関するリスクについて

    は中立を維持した(図表 17)。新興国における通貨危機不安の高まりに関し

    て、ドラギ総裁はこれまでのところ大きな波及はみられないと回答している。

    ECBのスタッフ見通

    しでは、成長率、コア・

    インフレ率が小幅に下

    方修正

    同時に発表されたECBスタッフの経済見通しでは、2018年・19年のGD

    P見通しが0.1%ptずつ下方修正され、2018~20年の成長率見通しは、各+

    2.0%、+1.8%、+1.7%となった。コア・インフレ率については、2020 年

    の見通しが0.1%ptずつ下方修正され、2018~20年の見通しは、各+1.1%、

    +1.5%、+1.8%となった。

    なお、ドラギ総裁は、9月24日に欧州議会で行った公聴会の中で「比較的

    旺盛な基調的インフレ率の加速(があった)」と述べ、利上げ期待が高まる

    局面があった。しかし、チーフ・エコノミストであるプラート理事は、翌 9

    月 25 日に行われた講演で、ECBの政策は長期に渡り緩和的である旨を改

    めて述べ、市場の早期利上げ観測をけん制している。

    ECBとしては、緩和策からの正常化を急ぎたい気持ちは潜在的に有るだ

    ろうが、基調物価の代表的な指標であるコア・インフレ率の上昇は未だ確認

    できていない。米中貿易戦争の行方や新興国市場の動向、ブレグジットなど

    今後の不確定要素は多く、出来る限りフリーハンドを得ておきたいというの

    がECBの本音だろう。

  • 8 みずほ欧州経済情報(2018 年 9 月号)

    図表14 ユーロ圏インフレ率 図表15 コアインフレ率の内訳

    (資料)Eurostatより、みずほ総合研究所作成

    (資料)Eurostatより、みずほ総合研究所作成

    図表16 ユーロ圏の単位労働コスト

    図表17 ECB理事会(9/13)のポイント

    (資料)ECBより、みずほ総合研究所作成

    (資料)ECBより、みずほ総合研究所作成

    図表18 ユーロ圏物価関連統計

    (資料) Eurostat、Datastreamより、みずほ総合研究所作成

    ▲ 1.0

    ▲ 0.5

    0.0

    0.5

    1.0

    1.5

    2.0

    2.5

    3.0

    3.5 消費者物価指数

    エネルギー・食料品等を除くコア

    (前年比、%)

    (年)

    ▲ 0.5

    0.0

    0.5

    1.0

    1.5

    2.0

    2.5

    エネルギー・食料品等を除くコア

    非エネルギー産業財

    サービス

    (前年比、%)

    (年)

    ▲ 4.0

    ▲ 2.0

    0.0

    2.0

    4.0

    6.0

    8.0

    08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18

    時間当たり生産性(符号逆) 産業計

    時間当たり賃金 産業計

    単位労働コスト 産業計

    (前年比、%)

    (年)

    景気見通し

    ユーロ圏の景気見通しを巡るリスクは、概ねバランスしている。同時に、保護主義の台頭や新興国の脆弱性に関連したリスクや、金融市場のボラティリティは上昇している。

    物価我々はコアインフレ率の見通しについて強気を維持しており、これは景気の基調的な強さと賃金上昇を映じたものである。

    金融環境家計や企業向けの貸出環境は、前回の政策理事会より幾分タイトになったが、引き続き良好である。

    再投資政策について再投資政策については議論しておらず、いつ議論するかについても話していない。年内残りの2回の理事会で議論するだろう。

    新興国市場の影響今までのところ、トルコやアルゼンチンからの他国への波及は大きなものでは無い。

    Q4 2017 Q1 2018 Q2 2018 Q3 2018 2018/04 2018/05 2018/06 2018/07 2018/08 2018/09

    物価 ユーロ圏インフレ率 1.4 1.3 1.7 n.a. 1.3 1.9 2.0 2.1 2.0 n.a.

    コア(エネルギー・

    食品等除く)前年比、% 0.9 1.0 0.9 n.a. 0.8 1.1 0.9 1.1 1.0 n.a.

    エネルギー 前年比、% 3.5 2.1 5.5 n.a. 2.6 6.1 8.0 9.5 9.2 n.a.

    食品・アルコール・タバコ 前年比、% 2.2 1.7 2.6 n.a. 2.4 2.5 2.7 2.5 2.4 n.a.

    非エネルギー工業品 前年比、% 0.4 0.5 0.3 n.a. 0.3 0.3 0.4 0.5 0.4 n.a.

    サービス 前年比、% 1.2 1.3 1.3 n.a. 1.0 1.6 1.3 1.4 1.3 n.a.

    ドイツ・インフレ率 前年比、% 1.6 1.4 1.9 n.a. 1.4 2.1 2.0 2.0 1.9 n.a.

    フランス・インフレ率 前年比、% 1.2 1.5 2.1 n.a. 1.8 2.3 2.3 2.6 2.6 n.a.

    イタリア・インフレ率 前年比、% 1.1 0.9 1.0 n.a. 0.7 1.1 1.3 1.9 1.7 n.a.

    スペイン・インフレ率 前年比、% 1.6 1.1 1.8 n.a. 1.1 2.1 2.3 2.3 2.2 n.a.

    生産者物価(消費財) 前年比、% 1.6 n.a. n.a. n.a. 0.5 0.4 0.2 0.1 n.a. n.a.

    輸出物価 前年比、% 1.8 ▲ 0.3 0.8 n.a. ▲ 0.1 0.4 2.2 n.a. n.a. n.a.

    輸入物価 前年比、% 3.6 ▲ 0.2 3.3 n.a. 0.9 2.4 6.7 n.a. n.a. n.a.

    商品 ブレント原油(ユーロ建て) 前年比、% 9.4 4.6 33.8 n.a. 16.7 36.6 48.8 62.3 44.6 n.a.

  • 9 みずほ欧州経済情報(2018 年 9 月号)

    5.英国経済の概況:4~6 月期の成長率は上昇も、先行きにはリスク

    4~6 月期のGDP成長

    率は上昇も、輸出が減少

    7~9 月期は緩やかな景

    気拡大が続く見込み

    英国経済は、緩やかに拡大している。4~6月期の実質GDP成長率は、前

    期比+0.4%増と、前期(同+0.2%)より上昇した(図表 19)。需要項目別

    には、在庫投資が同+0.5%のプラス寄与となりGDPを押し上げた。個人

    消費も同+0.3%と前期より伸び率が高まった。

    他方で、輸出が前期比▲2.2%と2四半期連続で落ち込み、輸入(同▲0.3%)

    の減少幅を上回ったことから、純輸出が▲0.6%pt の大幅なマイナス寄与と

    なった。在庫投資の増加が輸出減による意図せざる在庫の積み上がりを意味

    するのだとすれば、あまり良い形の成長とは言えない。

    7~9月期以降も緩やかな景気拡大が続くと予想される。7月の月次GDP

    成長率は前月比+0.3%となり、前月(同+0.1%)より持ち直した(図表20)。

    業種別にはサービス業(6 月同 0%→7 月同+0.3%)が、卸小売業や専門サ

    ービス業などを中心に持ち直している。7月の月次GDPは、7~9月期のG

    DP成長率の加速を示唆している(図表 20)。他方で、購買担当者指数(合

    成PMI)は、7~8月を均すると53.9となり、4~6月期平均(54.3)より

    小幅に低下した。

    足元の雇用所得環境は

    改善。失業率は 1975 年

    以来の低水準

    雇用所得環境は改善が続いている。7月の週次所定内賃金は前年比+3.1%

    と2015年 7月以来の高い伸びとなった(図表21)。同月のインフレ率は、同

    +2.5%と前月より低下し賃金上昇率を下回ったため、実質賃金は増加した。

    所定内賃金が上昇を続ける背景には、1975年以来の低水準で推移する失業率

    が示す、労働需給のひっ迫が挙げられよう(図表22)。 なお、8月のインフ

    レ率については同+2.7%と再び上昇している。

    ブレグジットに関する

    景気リスク

    しかし、景気の先行きについて楽観はできない。最大のリスクは、EU離

    脱(ブレグジット)に関連するものだ。現在、英政府とEUは離脱の条件を

    定めた離脱協定と、離脱後の通商関係など新協定の大枠を定めた政治宣言に

    ついて、2018 年 11 月頃までの大筋合意を目指して交渉を重ねている。しか

    し、交渉は難航し、交渉決裂の懸念も台頭している状況だ。

    今後、万が一にも交渉が決裂した場合には、投資や雇用判断の先送りや、

    通関手続きの発生により英経済は大きなダメージを受ける可能性がある。ま

    た、英・EU間の交渉難航が伝えられれば、英ポンドが下落し、インフレ率

    上昇を通じて実質賃金が下落する可能性もあろう。

    BOEは金融政策の現

    状維持を決定

    斯かる状況下、カーニー総裁の任期は2020年 1月末まで延長された。9月

    12日に行われたイングランド銀行(BOE)の金融政策委員会(MPC)では、

    全会一致で金融政策の現状維持が決定された。同時に発表された議事要旨で

    は、新興国市場の混乱や貿易戦争の激化による輸出の下方リスクが指摘され

    た。今後もブレグジットの期限が近付くなか、金融政策はしばらく様子見が

    続くだろう。チーフ・エコノミストであるホールデン委員は、交渉決裂の場

    合の金融政策への影響として、ポンド相場への影響を睨みつつ利上げと利下

    げの「どちらの方向もあり得る」と述べている。

    以上

  • 10 みずほ欧州経済情報(2018 年 9 月号)

    図表19 英実質GDP

    図表20 英月次GDPの推移

    (資料)英統計局より、みずほ総合研究所作成

    (資料)英統計局より、みずほ総合研究所作成

    図表21 英インフレ率と週次賃金の推移

    図表22 英失業率の長期推移

    (資料)英統計局より、みずほ総合研究所作成

    (資料)英統計局より、みずほ総合研究所作成

    図表23 英景気の全体感を示す主要統計

    (資料)英統計局、Nationwide、Markit、Datastreamより、みずほ総合研究所作成

    ▲ 1.5

    ▲ 1.0

    ▲ 0.5

    0.0

    0.5

    1.0

    1.5

    16 17 18

    在庫等 純輸出

    総固定資本形成 政府消費

    個人消費 実質GDP成長率(前期比、%)

    (年)

    ▲ 0.4

    ▲ 0.2

    0.0

    0.2

    0.4

    0.6

    0.8

    1.0

    1.2

    2012 13 14 15 16 17 18

    月次GDP(の四半期平均)

    GDP公表値

    (年/四半期)

    (前期比、%)

    ▲ 1

    0

    1

    1

    2

    2

    3

    3

    4

    所定内給与

    インフレ率

    (前年比、%)

    (年)

    0

    2

    4

    6

    8

    10

    12

    14(%)

    (年)

    Q4 2017 Q1 2018 Q2 2018 Q3 2018 2018/04 2018/05 2018/06 2018/07 2018/08 2018/09

    成長率 実質GDP 前期比、% 0.4 0.2 0.4 n.a. - - - - - -

    景況感 合成PMI Pt 55.2 53.4 54.3 n.a. 53.2 54.4 55.2 53.5 54.2 n.a.

    製造業PMI Pt 57.0 55.0 54.1 n.a. 53.9 54.2 54.1 53.8 52.8 n.a.

    サービス業PMI Pt 54.5 53.1 54.0 n.a. 52.8 54.0 55.1 53.5 54.3 n.a.

    企業 鉱工業生産 前期比、% 0.7 0.4 ▲ 0.8 n.a. ▲ 0.7 ▲ 0.3 0.5 0.1 n.a. n.a.

    外需 財輸出 前期比、% ▲ 0.8 0.9 ▲ 0.3 n.a. ▲ 2.9 3.3 3.6 2.8 n.a. n.a.

    財輸入 前期比、% 0.3 ▲ 1.7 2.0 n.a. ▲ 1.1 1.7 ▲ 0.5 0.3 n.a. n.a.

    雇用 失業率 % 4.3 4.2 4.1 n.a. 4.2 4.2 4.0 4.0 n.a. n.a.

    前期比、% 0.8 0.6 0.7 n.a. 0.2 0.3 0.2 0.3 n.a. n.a.

    家計 小売数量 前期比、% 0.5 ▲ 0.4 2.1 n.a. 1.4 1.6 ▲ 0.4 1.0 0.3 n.a.

    Nationwide住宅価格指数 前年比、% 2.4 2.4 2.3 n.a. 2.6 2.4 2.0 2.5 2.1 n.a.

    物価 消費者物価指数 前年比、% 2.8 2.7 2.4 n.a. 2.4 2.4 2.4 2.5 2.7 n.a.

    金融 主要政策金利 末値、% 0.50 0.50 0.50 n.a. 0.50 0.50 0.50 0.50 0.75 0.75

    英10年国債利回り 末値、% 1.51 1.59 1.57 n.a. 1.68 1.53 1.57 1.59 1.57 n.a.

    ポンドドル 末値、£/$ 1.35 1.40 1.32 n.a. 1.38 1.33 1.32 1.31 1.30 n.a.

    民間賃金(賞与除く、

    3カ月平均)

  • 2018年 9月28日 発行

    欧米調査部上席主任エコノミスト 吉田健一郎

    03-3591-1265 [email protected]

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    表紙1809みずほ欧州経済情報表紙