山形県認知症施策推進行動計 · 2019-01-25 ·...

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山形県認知症施策推進行動計画 認知症になっても安心して生活できる 地域社会の実現を目指して 平成 30 年3月改訂 (平成 28 年1月策定)

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山形県認知症施策推進行動計画

~ 認知症になっても安心して生活できる

地域社会の実現を目指して ~

平成 30 年3月改訂

(平成 28 年1月策定)

山 形 県

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目 次

第1章 基本的な事項 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1ページ

1 計画策定の背景

2 計画の位置付け

3 計画の期間

4 計画の基本目標

第2章 基本目標ごとの具体的な施策 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2ページ

基本目標1 認知症の正しい知識の普及促進

基本目標2 医療と介護分野の対応力の向上及び連携の強化

(1)認知症の容態に応じたケアの流れの確立及び充実強化

(2)早期診断・早期対応のための体制強化

(3)適切な医療の確保

(4)良質な介護の確保

(5)医療・介護の連携

基本目標3 認知症の人と家族にやさしい地域づくり

(1)相談体制の充実強化

(2)地域による支援体制づくり

第3章 計画の推進体制と施策の評価 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9ページ

1 計画の推進体制

2 施策の評価

資 料 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11 ページ

資料1 新オレンジプランと本計画の目標指標の比較

資料2 認知症の適切な診療に向けた医療機関連携ガイドライン

資料3 山形県認知症施策推進協議会について

表紙の絵

県内にお住まいの 50 代の若年性認知症の方が描かれた絵画です。

自然の中の風、雨、嵐をイメージしています。

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第1章 基本的な事項

1

1 計画策定の背景

厚生労働省によると、全国で認知症の人の数は、平成 37 年には 700 万人前後、高齢者

の5人に1人の割合になると予測されています。これを背景に、平成 27 年1月、認知症

に関する国家戦略として「新オレンジプラン」※1 が策定されました(平成 29 年 7 月改訂)。

本県においても、後期高齢者の増加に伴い、認知症高齢者の数は今後ますます増えるこ

とが予想されます。このため県は、認知症になっても安心して生活できる地域社会の実現

を目指し、良好な医療、介護及び地域支援体制の構築など、県が講じていく具体的な施策

について、平成 28 年 1 月に「山形県認知症施策推進行動計画」を策定しました。

※1 認知症施策推進総合戦略。厚生労働省が、内閣官房、内閣府、警察庁、金融庁、消費者庁、総務省、法務省、文部科

学省、経済産業省、国土交通省と共同して策定。

※2 それぞれの推計は、平成 25年6月公表の厚生労働省研究班報告による5歳区分の有病率と、国立社会保障・人口問

題研究所「日本の地域別将来推計人口(平成 25年3月推計)」による各年 10月1日の推計人口を基にしたものである。

棒グラフの( )は高齢者数に占める認知症高齢者の割合。

2 計画の位置付け

本計画は、新オレンジプランにおいて認知症施策を総合的に推進する上で設定された具

体的な施策目標について、本県が目指すべき目標水準を設定するとともに、その目標水準

を達成するための工程と手段を示すためのものと位置付けます。

(資料1:新オレンジプランと本計画の目標指標の比較 →11 ページ)

3 計画の期間

新オレンジプラン(改訂後)において、施策ごとに具体的な数値目標を定めるに当たっ

ては 2020(平成 32)年度末等を当面の目標設定年度としていることを踏まえ、本計画

(改訂後)の対象期間は 2020(平成 32)年度末までとします。

4 計画の基本目標

本計画では、認知症になっても安心して生活できる地域社会の実現のため、次の3つを

基本目標として、認知症の方と家族の視点を重視しながら具体的な施策を進めていきます。

◎ 認知症の正しい知識の普及促進

◎ 医療と介護分野の対応力の向上及び連携の強化

◎ 認知症の人と家族にやさしい地域づくり

認知症高齢者

5万9千人

軽度認知障がい(MCI)

の高齢者 4万9千人

認知症でない高齢者

23万7千人

55

60

65

70

H27 H32 H37

本県の認知症高齢者の推計人数(H27)※2 本県の認知症高齢者の将来推計※2

5万9千人

(17%)

6万4千人

(18%)

6万7千人

(19%)

千人

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第2章 基本目標ごとの具体的な施策

2

基本目標1 認知症の正しい知識の普及促進

県及び市町村は、認知症についての知識の普及促進の一環として、認知症に対する正し

い理解を持ち、認知症の方や家族を温かく見守る応援者である「認知症サポーター」※3 の

養成を行ってきました。

これまでに、11 万 6 千人※4 を超えるサポーターを養成してきましたが、サポーターの

数が少ない若年層での養成を目指し、企業・団体においてサポーター養成講座の講師役と

なる「キャラバン・メイト」※5 を養成するほか、認知症の方のひとり歩き(徘徊)への声

かけや、傾聴ボランティアを行うなど、養成されたサポーターを、認知症の方や家族を支

援するための実践的な活動に結び付けるための取組みを促進します。

また、軽度認知障がい(MCI※6)への対応を含めた認知症の予防についての普及啓発に

も取り組み、認知症の理解促進を図ります。

具体的な施策 ●印は目標指標を示します。

➢印は目標の達成に向けた取組みを(目標指標がないものは取組み内容そのものを)示します。

① 認知症サポーターの養成

● 「認知症サポーター養成講座」の受講者数(累計)

目標指標 2020(平成 32)年度末:15 万人(平成 28 年度末現在:108,362 人)

計画期間の各年度において 10,000人以上を養成

企業・団体のキャラバン・メイトを養成

② サポーター活動の活性化促進

認知症サポーター活動の好事例の県内普及拡大

企業や地域住民との連携強化による見守り支援活動の推進等

※3 認知症サポーターキャラバンにおける「認知症サポーター養成講座」を受講し、認知症の方や家族を応援するボラン

ティアとなった方を「認知症サポーター」と称し、サポーターとなった方には、県や市町村を通じて全国キャラバンメ

イト連絡協議会より、シンボルグッズである「オレンジリング」が授与されます。 ※4 平成 29年 12月末現在の人数。 ※5 認知症サポーター養成講座を開き、講座の講師役となって認知症サポーターの養成を行うことができる方のことを

「キャラバン・メイト」と呼びます。県等が主催する「キャラバン・メイト養成研修」を受講することにより、キャラ

バン・メイトになることができます。

※6 日常生活に支障をきたす程度には至らないため認知症とは診断されないが、記憶障がいと軽度の認知障がいが認めら

れ、正常とも言い切れない中間的な段階。MCI には各種認知症疾患の前駆状態が含まれています。MCI と診断された人

の半数以上に、その後アルツハイマー病等への進行がみられるとのデータがあります。一方、この状態に長時間とどま

ったり、正常に戻る人もいます。(認知症サポーターキャラバン・メイト養成テキストより)

コラム 認知症サポーターの活動について

認知症サポーターに期待される役割の一つに、「見守り」

があります。地域によっては、認知症の方のひとり歩き(徘

徊)による行方不明を防ぐため、サポーターである住民に

よる声かけ訓練などが行われています。

認知症が疑われる方を見かけたら、勇気を持って一声か

けることも、サポーターとしてできることの一つです。

(写真:寒河江市の「認知症はいかい声かけ訓練」)

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基本目標2 医療と介護分野の対応力の向上及び連携の強化

(1)認知症の容態に応じたケアの流れの確立及び充実強化

厚生労働省が立ち上げたプロジェクトチームにより平成 24 年6月に報告された「今後

の認知症施策の方向性について」によれば、今後目指すべき基本目標として、「ケアの流れ

を変える」ということが打ち出されています。

これは、認知症の症状が悪化してから医療機関を受診し、その結果、長期入院・入所せ

ざるを得なくなるということが少なくなかったこれまでの認知症ケアの流れを改め、早期

診断・早期対応を軸として、容態の変化に応じて医療・介護のサービスが切れ目なく提供

されるための標準的な流れ(認知症ケアパス)に沿ったケアを確立しようとするものです。

認知症ケアパスがうまく機能するためには、関係者や機関が、各自の役割をしっかりと

理解し、それぞれの責任を果たすことが大切です。

このため県は、認知症の診断・治療にあたる医療機関等の役割を整理し、連携するため

に作成したガイドラインを普及させることにより、各市町村の認知症ケアパスの実効性を

高めていきます。

具体的な施策

③ 適切な医療の提供に向けたガイドラインの普及

ガイドラインを各市町村の認知症ケアパスに反映

ガイドラインに沿った効果的な医療・介護サービスの切れ目のない提供事例の

普及拡大

資料2:「認知症の適切な診療に向けた医療機関連携ガイドライン」→14 ページ

認知症疾患医療センター

一般病院

日常在宅介護

認知症地域支援推進員

かかりつけ医

医療分野

介護分野

初期集中支援チーム

引継ぎ

助言

介護サービス

相談・受診

訪問・受診・要介護認定の誘導

サービス利用

急性憎悪期

気付き 身体疾患の治療

症状悪化時の短期治療

切れ目のないサービスをコーディネート

短期入所施設等の利用

認知症サポート医専門医療機関

(精神科、神経内科、脳神経外科等)

診断

ケアマネージャー

専門医療機関

(精神科、神経内科、脳神経外科等)

正しい理解・見守り・

支援の実践活動

認知症サポーター

若年性認知症の方のワンストップの相談体制・

自立支援ネットワークの活用等による社会参加支援

さくらんぼカフェ・若年性認知症相談支援 早期の気づき・状況に応じた

歯科治療・口腔管理、薬学的管理

認知症カフェ

居場所・情報交換等

地域づくり分野

かかりつけ歯科医・薬剤師

経験・知識を活かし、地域に開かれた

相談機能を発揮し、在宅での介護を支援

介護事業所の相談体制

(図:標準的な認知症ケアパスの流れ)

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(2)早期診断・早期対応のための体制強化

認知症の中には、正常圧水頭症などの「治る認知症」があることから、早期診断により、

原因となっている疾患を特定することが大切です。原因疾患を特定することにより、医療

サービスの内容や介助時の対応も異なってきます。

このため県は、認知症の早期発見と症状の進行の把握等が期待される身近な主治医(か

かりつけ医)等の認知症対応力向上、認知症診療に関してかかりつけ医の相談役となる「認

知症サポート医」の養成、医療や福祉の専門職が家庭を訪問し、早い段階から適切な支援

を行う「認知症初期集中支援チーム」※6 や、専門的な診断を行う機関である「認知症疾患

医療センター」※7 の取組み等により、早期診断・早期対応の体制を強化します。

具体的な施策

④ かかりつけ医の認知症対応力向上

● 「かかりつけ医認知症対応力向上研修」の受講医師数(累計)

目標指標 2020(平成 32)年度末:700 人(平成 28 年度末現在:344 人)

計画期間の各年度において 90人程度の受講者を確保

受講医師を「やまがたオレンジドクター」として県ホームページで公開(平成 27 年度~)

⑤ 認知症サポート医の養成

● 「認知症サポート医養成研修」の受講医師数(累計)

目標指標 2020(平成 32)年度末:93 人(平成 28 年度末現在:51 人)

受講推薦枠の拡大により受講医師数を確保(平成 30年度~:9人以上)

養成にあたっては各市町村で少なくとも1名のサポート医の確保を目指す

⑥ 認知症疾患医療センターを核とした連携体制の充実強化等による効果的な取組みの推進

二次医療圏に1か所のセンターを維持(平成 28年度末現在:4か所)

各センターにおける医療連携協議会の充実強化

⑦ 認知症初期集中支援チームと関係機関との連携強化による効果的な取組みの推進

活動の継続等に必要となる研修受講に対する財政支援

広域的な対応が必要となる場合の調整支援

市町村認知症連絡会議等における関係機関との情報の共有及び好事例の普及拡大

⑧ 歯科医師の認知症対応力向上

● 「歯科医師認知症対応力向上研修」の受講者数(累計)

目標指標 2020(平成 32)年度末:170 人(平成 29 年度~:研修実施)

計画期間の各年度において 50人程度の受講者を確保

⑨ 薬剤師の認知症対応力向上

● 「薬剤師認知症対応力向上研修」の受講者数(累計)

目標指標 2020(平成 32)年度末:560 人(平成 29 年度~:研修実施)

計画期間の各年度において 140人程度の受講者を確保

※6 市町村が設置主体となり、家族や周囲の方からの連絡により、40 歳以上の在宅で生活している認知症の疑われる方又は認知

症の方で医療・介護サービスを受けていなかったり、中断している方を包括的、集中的(概ね6か月以内)にサポートします。

※7 県により認知症専門医療の提供を介護サービス事業者との連携を担う中核的機関として指定を受けた医療機関のこ

とをいいます。

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(3)適切な医療の確保

在宅や介護保険施設等で生活している認知症の方が、身体疾患により手術や処置等で入

院が必要となった場合、一般病院での入院を確保することが必要です。

県は、一般病院での対応が適切に行われるよう、病院勤務の医療従事者の認知症対応力

の向上に取り組みます。

具体的な施策

⑩ 一般病院勤務の医療従事者の認知症対応力向上

● 「一般病院勤務の医療従事者向け認知症対応力向上研修」の受講者数(累計)

目標指標 2020(平成 32)年度末:1,700 人(平成 28 年度末現在:835 人)

計画期間の各年度において 220人程度の受講者を確保

⑪ 看護職員(師長等)の認知症対応力向上

● 「看護職員認知症対応力向上研修」の受講者数(累計)

目標指標 2020(平成 32)年度末:370 人(平成 29 年度~:研修実施)

計画期間の各年度において 100人程度の受講者を確保

(4)良質な介護の確保

認知症の進行に伴い、在宅での対応が難しくなった場合でも、介護保険施設等において

適切なケアが行われれば、行動・心理症状(BPSD)※8 の発生のほか、全身疾患について

も予防することが可能です。

県は、不足する介護職員の人材育成や定着を図るとともに、認知症ケアに関する正しい

知識を持ち、良質な介護を担うことができる人材の確保に取り組みます。

具体的な施策

⑫ 良質な認知症介護を担う人材の育成

「認知症介護実践者研修」⇒「認知症介護実践リーダー研修」⇒「認知症介護

指導者養成研修」のステップアップ方式の研修の継続により人材を確保

● 「認知症介護指導者養成研修」の受講者数(累計)

目標指標 2020(平成 32)年度末目標:44 人以上を確保

毎年度の退職者等を考慮して養成

● 「認知症介護実践リーダー研修」の受講者数(累計)

目標指標 2020(平成 32)年度末:670 人(平成 28 年度末現在:510 人)

計画期間の各年度において 40人程度の受講者を確保

● 「認知症介護実践者研修」の受講者数(累計)

目標指標 2020(平成 32):3,600 人(平成 28 年度末現在:2,827 人)

計画期間の各年度において 200人程度の受講者を確保

● 「認知症介護基礎研修」の受講者数(累計)

目標指標 2020(平成 32)年度末:500 人(平成 28 年度末現在:121 人)

計画期間の各年度において 100人程度の受講者を確保

※8 記憶障がい、見当識障がいなど、認知症の人に必ず現れる症状を「中核症状」と呼び、それによって及ぼされる、ひ

とり歩き(徘徊)や攻撃的言動、抑うつ状態などの生活障がいのことを「行動・心理症状(BPSD)」と呼びます。

指導者

実践リーダー

認知症介護実践者

認知症介護基礎研修受講者

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(5)医療・介護の連携

認知症ケアパスに沿ったケアの流れには、非常に多くの職種や機関が関わることから、

これら関係者や機関の相互連携のための調整が必要になります。

また、認知症の容態に応じて切れ目なく医療・介護のサービスを利用できるよう、本人

と家族に寄り添って、丁寧にサービス内容や提供機関等を周知することも必要です。

この役割を担うのが、各市町村が配置する「認知症地域支援推進員」です。

県は、認知症地域支援推進員の効果的な取組みが推進されるよう、市町村を支援してい

きます。

具体的な施策

⑬ 認知症地域支援推進員と関係機関の連携強化による効果的な取組みの推進

活動の継続等に必要となる研修受講に対する財政支援

市町村認知症連絡会議等における関係機関との情報の共有及び好事例の普及拡大

コラム 「認知症地域支援推進員」について

認知症地域支援推進員は、認知症の方が容態に応じて必要な医療や介護サービスを受

けられるように関係機関との連絡調整を行ったり、認知症の方や家族を支援する体制づ

くりのほか、認知症の対応力向上のための研修の企画など、地域の実情に応じた様々な

役割を担うことが期待されています。

(平成 27 年都道府県・指定都市認知症施策担当者会議資料(厚生労働省)を基に作成)

市町村

●認知症の方が容態に応じて必要な医療や介護等のサー

ビスを受けられるよう関係機関との連携体制の構築

●市町村等との協力による、認知症ケアパス(状態に応じ

た適切な医療や介護サービス等の提供の流れ)の作成・

普及 等

医療・介護等のネットワーク構築

(関係機関と連携し以下の事業の企画・調整を行う)

●認知症疾患医療センターの専門医等による、病院・施設

等における処遇困難事例の検討及び個別支援

●介護保険施設等の相談員による、在宅で生活する認知症

の方や家族に対する効果的な介護方法などの専門的な

相談支援

●認知症カフェの開設

●認知症に関する多職種の協働研修の実施 等

●認知症の方や家族等への相談支援

●認知症初期集中支援チームとの連携等による、必要なサ

ービスが認知症の方や家族に提供されるための調整 等

認知症対応力向上のための支援

相談支援・支援体制構築

〔推進員の要件〕

① 認知症の医療や介護の専門的

知識及び経験を有する医師、

保健師、看護師、作業療法士、

歯科衛生士、精神保健福祉士、

社会福祉士、介護福祉士

② ①以外で認知症の医療や介護

の専門的知識及び経験を有す

ると市町村が認めた者

【配置先】

○地域包括支援センター

○市町村本庁 など

認知症地域支援推進員

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基本目標3 認知症の人と家族にやさしい地域づくり

(1)相談体制の充実強化

介護者がストレスを抱えている場合、認知症の方と介護者の関係性によっては、認知症

の症状に悪影響を及ぼし、さらに介護負担を重くするという悪循環に陥ることが少なくあ

りません。

県は、介護者の負担の軽減のため、平成 27 年度に開設した認知症相談・交流拠点「さ

くらんぼカフェ」での電話や面談による個別の相談対応や、介護者同士が情報交換できる

交流機会の提供などを継続するとともに、身近な相談機関である地域包括支援センターの

相談対応力を向上させていきます。

また、65 歳未満で発症する若年性認知症は、仕事を失った場合の経済的な問題や、発症

者本人と親の介護が重なることによって配偶者に介護負担が集中するなど、高齢者とは異

なる問題を抱えることが多いことから、早期に様々な制度を活用することが大切です。

県は、若年性認知症の方に対する、ワンストップのきめ細かな相談体制を強化するとと

もに、若年性認知症の方本人のニーズを踏まえた支援に取り組みます。

具体的な施策

⑭ 認知症相談・交流拠点「さくらんぼカフェ」の出張交流会等による取組みの支援及び充実強化

相談窓口による電話・面談による対応

交流機会の提供、活動支援及び取組み好事例の普及拡大

⑮ 地域包括支援センターと関係機関の連携強化による効果的な取組みの推進

「地域包括支援センター現任者研修」の受講による認知症相談対応力の向上

市町村認知症連絡会議等における関係機関との情報の共有及び好事例の普及拡大

⑯ 若年性認知症に係る関係機関との連携による支援の充実強化

若年性認知症支援コーディネーターの機能強化

相談から医療・福祉・就労の総合的な支援の実施

若年性認知症自立支援ネットワークの活用及び事業所への啓発等

(2)地域による支援体制づくり

単身や夫婦のみの高齢者世帯が増える一方、認知症になっても安心して在宅で過ごせる

など、認知症の人と家族にやさしい地域をつくっていくためには、社会資源である様々な

人材、機関等の協力を得て、地域による支援体制を構築していく必要があります。

県は、認知症グループホーム(認知症対応型共同生活介護)を始めとする介護事業所の

経験や知識・人材等を生かし、認知症高齢者の見守りや認知症ケアの拠点とする取組みを

進めます。

さらに、介護者同士が介護方法について情報交換したり、認知症の方にとっては自分の

ペースで過ごすことができ、医療機関を受診するきっかけや、介護保険サービスを受ける

つなぎの役割を果たすなど、様々な効果が期待される「認知症カフェ」の活動を支援する

とともに、取組みの好事例を普及拡大させていきます。

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8

また、認知症高齢者等の移動支援や成年後見制度の活用促進のほか、介護と仕事の両立

支援に向けた環境の整備などにより、認知症の人を含む高齢者と家族にやさしい地域づく

りを推進します。

具体的な施策

⑰ 介護事業所を拠点とした地域支援体制の強化及び取組みの県内への普及

各介護事業所が身近な「まちかど相談所」としての役割を担えるよう、核とな

る人材を育成するための研修を試行(平成 28年度~)

取組みを県内に普及(平成 30年度~)

⑱ 認知症カフェ運営者の情報交換会等による効果的な取組みの推進

情報交換会の開催等による認知症カフェの活動支援

取組み好事例の普及拡大

具体的な施策

⑲ 認知症高齢者等の移動支援の促進

住民主体による移動支援サービス提供のための担い手の養成等

⑳ 権利擁護に関する事業の促進

市町村職員等を対象とした成年後見制度利用促進研修の実施等

コラム 「認知症カフェ」について

「認知症カフェ」は、特に決まった運営の仕方や場所がある訳ではなく、認知症の方

や家族、専門職、地域住民などの「集いの場」としての機能そのものをいいます。

市町村が介護保険の事業の一環で公民館等で開催するものや、町内会の呼びかけによ

り個人宅で開かれるものなど、開設者も様々であり、活動内容も、医師や専門職による

認知症に関する相談会や健康チェック、認知症予防のための体操などそれぞれ特徴があ

ります。

県内においては、徐々に認知症カフェの数も増え、様々な取組みが行われています。

(写真:山形市内の認知症カフェの様子)

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第3章 計画の推進体制と施策の評価

9

1 計画の推進体制

本計画の進捗状況については、年度ごとにその結果を、外部有識者や認知症の人と家族

の当事者等により構成された「山形県認知症施策推進協議会」に報告し、点検・評価を受

けるとともに、意見を聴取し、次年度以降の施策に反映します。

また、計画の進捗状況や評価の経過については、県ホームページ等で公表し、透明性の

確保に努めます。

さらに、新オレンジプランの各施策の進捗や改訂等を踏まえ、適宜、行動計画を見直し

ていくものとします。

(資料3:山形県認知症施策推進協議会について →19 ページ)

2 施策の評価

新オレンジプランでは、認知症の方やその家族の視点が重視されており、施策の進捗状

況についても、当事者の意見を聞きながら随時点検していくこととされています。

県は、山形県認知症施策推進協議会に対して施策の点検・評価を求めるとともに、可能

な限り認知症の方の当事者による客観的な評価が得られるように努めます。

また、新オレンジプランでは、医療・介護サービス等の提供に関し、個々の資源の整備

に係る数値目標だけでなく、これらの施策のアウトカム指標※9 の在り方についても検討し、

できる限りの定量的評価を目指すこととしており、その動向を注視していきます。 ※9 施策の実施により発生する直接的な成果物(アウトプット)ではなく、得られる本質的な効果(アウトカム)を表す

指標のことをいいます。

山形県認知症施策推進協議会

県 市町村

県民

点検・評価、意見聴取

進捗状況の公表 進捗状況の報告

計画推進のための支援

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コラム 「タンタンタッチ体操」による認知症予防

■ タンタンタッチ体操とは

タンタンタッチ体操は、脳神経活動を高めることに役立つ運動として、県立米沢栄養

大学加藤守匡准教授と鹿俣体育研究所により考案されました。

好みの音楽に合わせ、どんな場所でも実践できる体操であることから、県内各地の市

町村で、認知症予防の体操として利用されています。

■ 体操の効果

タンタンタッチ体操の運動強度は、比較的緩やかなテンポで行うと 4.5METS※10(早

歩きと同程度)となり、テンポも高まり膝の曲げ伸ばしに伴う上下運動も加わると

6.5METS(一般的なエアロビックダンスと同程度)になります。

脳神経活動は、私たちの最大運動能力を 100%としたとき、約 40%に達し始めると、

高まることが確認されています。この傾向は若い世代でも中高齢者でも同じです。

タンタンタッチ体操は、身体に 40%程度の強度を与えることができる運動ですので、

お手軽に脳を活性化できます。

この体操と地域での運動教室などを併用することにより、認知症に関連深い記憶能力

の向上も期待されます。

■ 効果的な体操の頻度

この体操は、1回3分、1日3回、週3回の頻度で継続すると、認知機能向上、体力

向上の効果が期待されます。

※10 METS(メッツ)とは、運動の強度を表す指標で座って安静にしているときを1とし、様々な運動の強さを比較する

時に利用されています。

① 手を叩き、 ② 左脚は後ろへ下げ、右手は真直ぐ前へ、左手はお尻を叩いて、

④ 右脚を後ろへ下げ、左手は真直ぐ前へ、右手はお尻を叩く。

③ 再び脚を戻して手を叩き、

① から ④ までを、リズムに合わせて繰り返しましょう!

1回3分、1日3回、週3回のタンタンタッチ体操で期待される効果

■認知機能の向上 ■体幹脂肪率の減少 ■脚筋力の向上 ■持久力の向上

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11

資料1 新オレンジプランと本計画の目標指標の比較

具体的な施策 目標指標 新オレンジプラン(全国) 本県

① 認知症サ

ポーター

の養成

認知症サ

ポーター

養成講座

の受講者

数(累計)

【目 標】

・平成 28 年度末時点 880 万人

・2020(平成 32)年度末目標 1,200 万人

【考え方】

・近年の養成動向を踏まえて設定

・国民の 10 人に 1 人がサポーターになる

計算

【目 標】

・平成 28 年度末末時点 108,362 人

・2020(平成 32)年度末目標 150,000人

【考え方】

・近年の養成動向及び本県の高い高齢化率

等を踏まえ、新オレンジプランの水準を

超える養成を目指す

(県民の約 7.5 人に1人の計算)

② サポータ

ー活動の

活性化促

― ― 【目 標】

・好事例の県内への普及拡大によるサポー

ター活動の活性化促進

【考え方】

・新オレンジプランにおける目標指標の設

定はないが、本県の独自の取組みとして

実施する

③ 適切な医

療の提供

に向けた

ガイドラ

インの普

― ― 【目 標】

・好事例の県内への普及拡大による効果的

な取組みの推進

【考え方】

・新オレンジプランにおける目標指標の設

定はないが、本県の独自の取組みとして

実施する

④ かかりつ

け医の認

知症対応

力向上

かかりつ

け医認知

症対応力

向上研修

の受講医

師数(累計)

【目 標】

・平成 28 年度末時点 53,000 人

・2020(平成 32)年度末目標 75,000 人

【考え方】

・高齢者人口約 470 に対して1人のかか

りつけ医が必要

【目 標】

・平成 28 年度末時点 344 人

・2020(平成 32)年度末目標 700 人

【考え方】

・同左(全国及び本県人口 10 万対医師数

の比率を考慮し補正)

⑤ 認知症サ

ポート医

の養成

認知症サ

ポート医

養成研修

の受講医

師数(累

計)

【目 標】

・平成 28 年度末時点 6,000 人

・2020(平成 32)年度末目標 10,000 人

【考え方】

・一般診療所 10 か所につき医師1人を配

【目 標】

・平成 28 年度末時点 51 人

・2020(平成 32)年度末目標 93 人

【考え方】

・同左

⑥ 認知症疾

患医療セ

ンターを

核とした

連携体制

の充実強

化等

- 【目 標】

・平成 28 年度末時点 375 か所

・2020(平成 32)年度末目標 約 500 か

【考え方】

・二次医療圏に少なくとも1センター以上

【目 標】

・平成 28 年度末時点 4か所

・医療連携協議会の充実強化等

【考え方】

・各センターにおける医療連携協議会の充

実強化等による効果的な取組みを推進

⑦ 認知症初

期集中支

援チーム

と関係機

関との連

携強化

- 【目 標】

・平成 28 年度末時点 703 か所

・好事例の横展開等により効果的な取組の

推進

【考え方】

・各地域の課題を地域ケア会議等で検討す

るなど、地域の実情に応じた取組につな

げる

【目 標】

・平成 28 年度末時点 18 市町

・好事例の県内への普及拡大による効果的

な取組みの推進

【考え方】

・関係機関との連携、情報の共有を図ると

共に、市町村認知症連絡会議における好

事例の普及拡大により効果的な取組み

を推進

⑧ 歯科医師

の認知症

対応力向

歯科医師

認知症対

応力向上

研修の受

講者数

(累計)

【目 標】

・平成 28 年度から研修開始

(平成 28 年度末時点 4,000 人)

・2020(平成 32)年度末目標 22,000 人

【考え方】

・歯科診療所の歯科医師のうち4人に1人

以上

【目 標】

・平成 29 年度から研修開始

(平成 29 年度末時点 29 人)

・2020(平成 32)年度末目標 170 人

【考え方】

・同左

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12

具体的な施策 目標指標 新オレンジプラン(全国) 本県

⑨ 薬剤師の

認知症対

応力向上

薬剤師認

知症対応

力向上研

修の受講

者数

(累計)

【目 標】

・平成 28 年度から研修開始

(平成 28 年度末時点 8,000 人)

・2020(平成 32)年度末目標 40,000 人

【考え方】

・薬局の薬剤師のうち4人に1人以上

【目 標】

・平成 29 年度から研修開始

(平成 29 年度末時点 155 人)

・2020(平成 32)年度末目標 560 人

【考え方】

・薬局の薬剤師のうち3人に1人以上

⑩ 一般病院

勤務の医

療従事者

の認知症

対応力向

一般病院勤

務の医療従

事者向け認

知症対応力

向上研修の

受 講 者 数

(累計)

【目 標】

・平成 28 年度末時点 93,000 人

・2020(平成 32)年度末目標 220,000

【考え方】

・1病棟に 10 人以上

【目 標】

・平成 28 年度末時点 835 人

・2020(平成 32)年度末目標 1,700 人

【考え方】

・同左

⑪ 看護職員

(師長等 )

の認知症

対応力向

看護職員

認知症対

応力向上

研修の受

講者数

(累計)

【目 標】

・平成 28 年度から研修開始

(平成 28 年度末時点 4,000 人)

・2020(平成 32)年度末目標 22,000 人

【考え方】

・看護師長の半数以上

【目 標】

・平成 29 年度から研修開始

(平成 29 年度末時点 76 人)

・2020(平成 32)年度末目標 370 人

【考え方】

・看護師長等の全数の受講

⑫ 良質な認

知症介護

を担う人

材の育成

認知症介

護指導者

養成研修

の受講者

数(累計)

【目 標】

・平成 28 年度末現在 2,200 人

・2020(平成 32)年度末目標 2,800 人

【考え方】

・これまでの受講者数の動向から算出

【目 標】

・平成 28 年度末時点 42 人

・2020(平成 32)年度末目標 44 人以上を

維持

【考え方】

・各種研修運営上の必要数及び退職者等を

考慮し算出

認知症介

護実践リ

ーダー研

修の受講

者数(累

計)

【目 標】

・平成 28 年度末時点 3.8 万人

・2020(平成 32)年度末目標 5 万人

【考え方】

・認知症介護指導者養成研修と認知症介護

実践リーダー研修の受講者の平成 28 年

度末実績の比率(約1:17)により目

標算出

【目 標】

・平成 28 年度末時点 510 人

・2020(平成 32)年度末目標 670 人

【考え方】

・同左の目標水準(県内比率 約1:12)

※を踏まえ、今後も毎年の受講者数を維

持し、安定的な養成を目指す

(※44 人×12=528 人)

認知症介

護実践者

研修の受

講 者 数

(累計)

【目 標】

・平成 28 年度末時点 24.4 万人

・2020(平成 32)年度末目標 30 万人

【考え方】

・認知症介護実践リーダー研修の受講者と

認知症介護実践者研修の受講者数の平

成 28 年度末実績の比率(約1:6)に

より目標算出

【目 標】

・平成 28 年度末時点 2,827 人

・2020(平成 32)年度末目標 3,600 人

【考え方】

・同左の目標水準(県内比率約1:5.5)

※を踏まえ、今後も毎年の受講者数を維

持し、安定的な養成を目指す

(※528 人×5.5=2,904 人)

認知症介

護基礎研

修の受講

者数

(累計)

【目 標】

・平成 28 年度から研修開始

・認知症介護に携わる可能性のあるすべて

の職員の受講を目指す

【考え方】

・新任の介護職員等が認知症介護に最低限

必要な知識・技能を習得

【目 標】

・平成 28 年度から研修開始

(平成 28 年度末時点 121 人)

・2020(平成 32)年度末目標 500 人

【考え方】

・同左及びこれまでの受講者数の動向から

算出

⑬ 認知症地

域支援推

進員と関

係機関と

の連携強

- 【目 標】

・平成 28 年度末時点 1,200 市町村

・好事例の横展開等により効果的な取組の

推進

【考え方】

・先進的な取組事例を全国に紹介すること

等を通じて、地域の実情に応じた効果的

な活動を推進

【目 標】

・平成 28 年度末時点 全市町村

・好事例の県内への普及拡大による効果的

な取組みの推進

【考え方】

・関係機関との連携、情報の共有を図ると

共に、市町村認知症連絡会議における好

事例の普及拡大により効果的な取組み

を推進

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13

具体的な施策 目標指標 新オレンジプラン(全国) 本県

⑭ 認 知 症 相談・交流拠点「さくら

ん ぼ カ フェ」の出張交 流 会 等

に よ る 取組 み の 支援 及 び 充

実強化

― ― 【目 標】

・好事例の県内への普及拡大による効果的

な取組みの推進

【考え方】

・本県の独自の取組みとして実施する

⑮ 地域包括

支援セン

ターと関

係機関と

の連携強

― ― 【目 標】

・平成 28 年度末時点 46 か所

・好事例の県内への普及拡大による効果的

な取組みの推進

【考え方】

・本県の独自の取組みとして実施する

⑯ 若年性認

知症に係

る関係機

関との連

携による

支援の充

実強化

- 【目 標】

・平成 28 年度末時点 42 都道府県

・コーディネーター(CN)の資質向上

・好事例の横展開の推進

【考え方】

・若年性認知症支援 CN の資質向上や認知

症地域支援推進員との連携を進めると

ともに、先進的な取組事例を全国に紹介

すること等を通じて、地域の実情に応じ

た効果的な取組を推進

【目 標】

・若年性認知症自立支援ネットワークの活

用等による支援の充実強化

【考え方】

・若年性認知症支援 CNを引き続き配置し、

相談から医療・福祉・就労の総合的な支

援を実施するほか、認知症地域支援推進

員及び地域両立支援推進チーム等の関係

機関との連携強化を図り、効果的な取組

みを推進

⑰ 介護事業

所を拠点

とした地

域支援体

制の強化

― ― 【目 標】

・取組みの県内への普及による介護事業所

の対応力の向上及び地域の見守り体制の

強化

【考え方】

・本県の独自の取組みとして実施する

⑱ 認知症カ

フェ運営

者の情報

交換会等

による効

果的な取

組みの推

- 【目 標】

・2020(平成 32)年度末時点 全市町村

へ設置

【考え方】

・地域の実情に応じて認知症地域支援推進

員等が企画するなど、認知症の人が集ま

る場や認知症カフェなどの認知症の人

や家族が集う取組を全市町村に普及さ

せる

【目 標】

・好事例の県内への普及拡大による効果的

な取組みの推進

【考え方】

・「さくらんぼカフェ」の交流会等を通じ

た認知症カフェの取組みの支援及び好事

例の紹介

・県内各地の認知症カフェ運営者の情報交

換会等の開催による取組みの充実強化

⑲ 認知症高

齢者等の

移動支援

の促進

― 【目 標】 (目標の設定はなし)

【考え方】

・認知症の人を含め、自動車を運転するこ

とができない高齢者や自動車の運転を

避けたいと考えている高齢者に、自ら運

転しなくても、移動手段を確保できるよ

う、「高齢者の移動手段の確保に関する

検討会」における検討等を踏まえて、公

共交通の充実を図るなど高齢者の移動

手段の確保について推進する

【目 標】 (目標の設定はなし)

【考え方】

・同左

⑳ 権利擁護

に関する

事業の促

― 【目 標】 (目標の設定はなし)

【考え方】

・権利擁護の観点から、必要な人が成年後

見制度を利用できるよう、各地域で権利

擁護支援の地域連携ネットワークの構

築を段階的・計画的に図る必要がある

【目 標】 (目標の設定はなし)

【考え方】

・同左

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14

資料2 認知症の適切な診療に向けた医療機関連携ガイドライン

認知症の適切な診療に向けた医療機関連携ガイドライン(全体像)

MCI・軽度認知症 診断の段階 中等度認知症 高度認知症

Ⅰ 認知症の疑いから受診まで

Ⅱ 診断・治療

Ⅲ 日常生活における治療

Ⅳ 身体合併症・せん妄

Ⅴ BPSD (行動・心理症状)

Ⅵ 生活の場での医療

① 相談機関

② かかり つけ医

③ 認知症 サポート医

④ 専門医 療機関

⑤ 認知症 疾患医療セ ンター

⑥ 一般病院

⑦ 一般急 性期病院

(かかりつけ歯科医師・薬剤師)

(介護保険事業所・介護保険施設)

■ ガイドラインの役割

このガイドラインは、医療機関をはじめとする関係機関に望まれる役割と連携のあり方につ

いて、認知症の程度・状態ごとにまとめたものです。

■ ガイドラインの見方

ガイドラインの本編は、認知症の程度や状態ごとに、15 ページから 18 ページに分割して

掲載しています。ガイドラインの全体像と、各ページの位置付けを表すと、下表のようになり

ます。

16 頁 2/4 枚目

参照

17 頁 3/4 枚目

参照

18 頁 4/4 枚目

参照

15 頁

1/4 枚目 を

参照

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15

① 相談機関 〇

〇 必要に応じて医療機関(かかりつけ医)への情報提供や通院介助に関する支援を行う。

〇 本人の受診拒否により受診が困難な場合や、周囲の人との間でトラブルが生じている場合は最寄りの保健所に相談する。

② 本人・家族から相談があった場合

〇 認知症と診断された場合の日常的な相談窓口として、地域包括支援センターや認知症の人と家族の会の相談窓口を紹介する。

自院の患者に認知症の疑いがある場合

〇 認知症と診断された場合の日常的な相談窓口として、地域包括支援センターや認知症の人と家族の会の相談窓口を紹介する。

③ 認知症サポート医 〇 本人・家族からの受診希望があれば、まず、かかりつけ医に相談してみることを勧める。

〇 認知症と診断された場合の日常的な相談窓口として、地域包括支援センターや認知症の人と家族の会の相談窓口を紹介する。

④ 専門医療機関 〇

⑤ 〇

⑥ 一般病院 〇 高齢者の身体疾患の治療を行っている場合でも、常に認知症の兆候に留意する。

〇 (②かかりつけ医と同様の対応)

⑦ 一般急性期病院 〇 高齢者の身体疾患の治療を行っている場合でも、常に認知症の兆候に留意する。

〇 (②かかりつけ医と同様の対応)

〇 〇

〇 〇

(精神科、神経内科、脳神経外科等)

緊急を要しない場合は、かかりつけ医に相談してみることを勧める。その対応が困難な場合は、かかりつけ医認知症対応力向上研修修了医、認知症サポート医、専門医療機関(精神科、神経内科、脳神経外科等)への相談を勧める。

やむを得ず自ら診断・治療にあたる場合も経過観察に努め、必要に応じ、認知症疾患医療センター、専門医療機関への受診を勧める。

関係機関

(地域包括支援センター等)

認知症を心配する人・家族、認知症が疑われる人・家族に対し、DASC-21、大友式認知症認知症予測テスト等による自己チェックを勧める。

上記の結果、認知症が疑われる場合の診断は、「せん妄」や「うつ病」、「正常圧水頭症など治療可能な認知症」との鑑別が必要であることから、可能な限り認知症疾患医療センター、専門医療機関(精神科、神経内科、脳神経外科等)への受診を勧める。この際、認知症疾患医療センター受診までの待機期間が長ければ、専門医療機関の受診を勧める。

やむを得ず自ら診断・治療にあたる場合も経過観察に努め、必要に応じ、認知症疾患医療センター、専門医療機関への受診を勧める。

Ⅰ 認知症の疑いから受診まで

かかりつけ歯科医師、薬剤師

認知症の疑いのある人について、専門医療機関(精神科、神経内科、脳神経外科等)、認知症疾患医療センターでの診断を受けていない場合は、家族等に対し受診を勧める。

介護保険事業所、介護保険施設

介護保険事業所・施設利用者で認知症の疑いの症状がありながら、専門医療機関(精神科、神経内科、脳神経外科等)、認知症疾患医療センターでの診断を受けていない場合は、家族等に対し受診を勧める。

介護者から生活状況の変化(もの忘れ、出来ごとの前後関係の失認、自発性低下、実行できていた生活行為(IADL)・身の回りの動作(ADL)の低下、性格変化等)を聞き取る。

認知症が疑われる場合、かかりつけ医への相談を勧める。その対応が困難な場合は、かかりつけ医認知症対応力向上研修修了医、認知症サポート医、専門医療機関(精神科、神経内科、脳神経外科等)への相談を勧める。(障害年金を受給するには、初診から1年6か月経過している必要があるため、できるだけ早期に確実に受診してもらう。)

認知症疾患医療センター

本人・家族等からの相談に応じる。内容により、直ちに認知症疾患医療センターへの受診が必要と判断した場合は、受診を勧めるとともに、かかりつけ医に認知症疾患医療センターへの紹介状を依頼する。

本人・家族からの受診希望があればまず、かかりつけ医から紹介状を書いてもらうよう依頼する。

上記の対応が困難な場合は、DASC-21、HDS-R、MMSE、かなひろいテスト等によるスクリーニングを行い、自らかかりつけ医になって診療にあたるか、又は専門医療機関(精神科、神経内科、脳神経外科等)、認知症疾患医療センターへの受診を勧める。この際、認知症疾患医療センター受診までの待機期間が長ければ、専門医療機関の受診を勧める。

上記と同様のスクリーニングを行い、認知症が疑われる場合の診断は、「せん妄」や「うつ病」、「正常圧水頭症など治療可能な認知症」との鑑別が必要であることから、可能な限り認知症疾患医療センター、専門医療機関(精神科、神経内科、脳神経外科等)への受診を勧める。この際、認知症疾患医療センター受診までの待機期間が長ければ、専門医療機関を勧める。

加齢による単なる「もの忘れ」との判断は慎み、DASC-21、HDS-R、MMSE、かなひろいテスト等によるチェックを勧める。なお、待合室等で看護師が実施するなどの工夫も可能。(各検査の結果、病状と本人の病識にズレがある場合があるので注意。特に、病識がない場合は本人を受容する姿勢が必要。)

行方不明等で保護された場合、警察等との連携により身元確認、本人・家族への受診勧奨を行う。その後、受診から治療までの確認・支援を行う。

認知症と診断された場合の日常的な相談窓口として、地域包括支援センターや認知症の人と家族の会の相談窓口や本人・家族の集い等を紹介する。

認知症と診断された場合の日常的な相談窓口として、地域包括支援センター、認知症の人と家族の会の相談窓口や本人・家族の集い等を紹介する。

かかりつけ医、かかりつけ医認知症対応力向上研修修了医

MCI・軽度認知症

研修、普及啓発、保健

所等関係機関との連携

については省略

(1/4枚目) (中・重度で初めて対応する場合を含む)

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16

① 相談機関 〇

〇 独居の人などへ必要に応じ通院介助や服薬の見守りなどを行う。

② やむを得ず自ら診断した場合

〇 運転免許保有者である場合、道路交通法第101条の6第1項に基づく公安委員会への医師の届出を行うことができることに留意する。

認知症疾患医療センター等からの逆紹介により日常的な治療にあたる場合

〇 認知症治療薬服薬後の経過観察について介護者に依頼する。

〇 運転免許保有者である場合、道路交通法第101条の6第1項に基づく公安委員会への医師の届出を行うことができることに留意する。

③ 認知症サポート医 〇

〇 (自ら診療にあたる場合の対応は、上記「かかりつけ医」に同じ。)

④ 専門医療機関 〇

〇 安定時のかかりつけ医への逆紹介や対応困難時の助言等を行う。

〇 運転免許保有者である場合、道路交通法第101条の6第1項に基づく公安委員会への医師の届出を行うことができることに留意する。

〇 (道路交通法第102条関係)(②かかりつけ医と同様の対応)

⑤ 〇 診断と治療方針の決定を行う。

〇 かかりつけ医・認知症サポート医・専門医療機関(精神科、神経内科、脳神経外科等)の診断依頼や相談に対応する。

〇 安定時のかかりつけ医への逆紹介や対応困難時の助言等を行う。

〇 同意を得て、地域包括支援センター等の関係機関への情報提供を行い、地域での支援体制をつくる。

〇 運転免許保有者である場合、道路交通法第101条の6第1項に基づく公安委員会への医師の届出を行うことができることに留意する。

〇 (道路交通法第102条関係)(②かかりつけ医と同様の対応)

⑥ 一般病院 〇

〇 (②かかりつけ医と同様の対応)

⑦ 一般急性期病院 〇 (②かかりつけ医と同様の対応)

〇 〇 (認知症の人の状況に応じた歯科治療や口腔機能の管理、又は薬学的管理や服薬指導等を行う。)

〇 〇 (介護上の相談、生活支援を行う。)

関係機関

かかりつけ医、かかりつけ医認知症対応力向上研修修了医

訪問などにより、診療を確実に受けているか確認を行う。診療を受けていなければ、かかりつけ医の指示を仰ぎながら確実な診療につながるよう支援する。

閉じこもり予防、仲間づくりなど認知症進行予防のための脳活性化リハビリ、生きがいづくり、運動療法等の目的で、通所リハビリ、通所介護等の介護保険サービスの利用を促す。

家族介護者に対し、生活環境や家族対応の改善が効果的であることから、認知症の正しい知識(認知症の人が辿る経過を含む)や対応上の留意点、生活環境の整備のポイント等を伝える。この際、認知症の人と家族の会山形県支部が作成する「安心カード」も活用する。また、できるだけ早く専門医療機関(精神科、神経内科、脳神経外科等)でのセカンドオピニオンの依頼を行う。

(地域包括支援センター等)

医師から認知症の診断を受けた人の家族介護者等に対し、なるべく速やかに介護保険の認定申請(既に認定済みの場合は必要に応じ区分変更申請)の手続きや認知症の人と家族の会などの支援体制について助言・支援を行う。また、手帳(情報連携ツール)やケアパスを整備し配布する。

Ⅱ 診断・治療

認知症サポート医、専門医療機関(精神科、神経内科、脳神経外科等)との連携関係をつくり、日常診療において支援を受けやすい体制をつくる。

治療経過中に別の認知症を疑う症状が発現した場合は認知症疾患医療センターに紹介する。この際、認知症疾患医療センター受診までの待機期間が長ければ専門医療機関(精神科、神経内科、脳神経外科等)の受診を勧める。

典型的な症例をはじめ、状態が不安定な患者本人・家族が受診を希望している場合(かかりつけ医からの紹介によるものを含む)は診断・治療を行う。

家族介護者に対し、生活環境や家族対応の改善が認知症の症状緩和に効果的であることから、認知症の正しい知識(認知症の人が辿る経過を含む)や対応上の留意点、生活環境の整備のポイント、日常的な相談窓口(地域包括支援センター、認知症の人と家族の会の相談窓口や本人・家族の集い)等を伝える。この際、「安心カード」やケアパスを活用する。

介護保険事業所、介護保険施設

本人・家族の同意を得て地域包括支援センターにも連絡の上、家庭を訪問してもらい介護サービスの説明など長期間にわたる支援体制をつくり生活の不安を緩和する。

かかりつけ医から診断、服薬等について相談があった場合、治療又は専門医療機関(精神科、神経内科、脳神経外科等)への紹介等の助言を行う。

(精神科、神経内科、脳神経外科等)

診断後は、家族介護者に対し、生活環境や家族対応の改善が効果的であることから、認知症の正しい知識(認知症の人が辿る経過を含む)や対応上の留意点、生活環境の整備のポイント、日常的な相談窓口(地域包括支援センター、認知症の人と家族の会の相談窓口や本人・家族の集い)等を伝える。この際、「安心カード」やケアパスを活用する。

認知症疾患医療センター

身体疾患の治療を行っている場合でも、常に認知症について意識し、疑いがあった場合には、かかりつけ医又は専門医療機関での受診を促す。

認知症と診断した場合は、介護保険の利用を勧め、その後市町村の依頼に基づき、介護保険認定審査用の「主治医意見書」を作成する。

(道路交通法第102条関係)公安委員会による認知機能検査で認知症のおそれがあると判定され、診断書提出命令を受けた人の診断書作成については、「かかりつけ医向け 認知症高齢者の運転免許更新に関する診断書作成の手引き(平成29年3月 日本医師会)」を参考とする。

かかりつけ歯科医師、薬剤師

診 断 の 段 階(2/4枚目) (中・重度で初めて対応する場合を含む)

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17

① 相談機関 〇 緊急時に求められる対応

② 緊急時に求められる対応〇

〇 軽微な身体疾患(脱水、低血糖等)が要因となっている場合は、自ら治療にあたる。

〇 身体的な問題が大きい場合は総合病院を紹介する。

緊急時に至ることを避けるために、日ごろから求められる対応

③ 認知症サポート医 〇 Ⅱに同じ。

④ 専門医療機関 緊急時に求められる対応〇

緊急時に至ることを避けるために、日ごろから求められる対応

〇 一般急性期病院における認知症ケアへの助言・支援を行う。

⑤ 〇 〇 かかりつけ医と協議のうえ、自ら治療を行うか適切な医療機関・診療科への振り分けを行う。

⑥ 一般病院 〇

⑦ 緊急時に求められる対応〇

緊急時に至ることを避けるために、日ごろから求められる対応

〇 〇

〇 〇

関係機関

Ⅱの治療に同じ)

介護者に対し、本人の食事、睡眠、排せつ等の様子や気分の変化に目を配るよう助言し、異常があれば連絡をもらう。

認知症の人を保護した場合の対応体制をあらかじめ決めておく。

介護者が不在などの場合において、緊急時に初動対応を行った場合は、外来時・救急時の付き添いを担うこともある。同時に介護者親族への連絡調整を行う。

(地域包括支援センター等)

かかりつけ医、かかりつけ医認知症対応力向上研修修了医

激しいせん妄が出ている場合でも、直ちに専門医療機関(精神科、神経内科、脳神経外科等)に紹介するのではなく、まず、せん妄の要因についての判断を行う。

Ⅲ 日常生活における治療 Ⅳ 身体合併症 ・ せん妄

(家族の負担軽減のために、介護保険サービスを活用する。)

かかりつけ医、一般急性期病院等との連携を確保し、薬の処方や家族介護者支援についての助言を行う。

認知症疾患医療センター、専門医療機関(精神科、神経内科、脳神経外科等)と連携して可能な治療を行う。

一般急性期病院

(精神科、神経内科、脳神経外科等)

認知症疾患医療センター

かかりつけ医等からの相談対応を行う。

介護保険事業所、介護保険施設

認知症のケアチームを編成するなどにより、身体合併症患者の認知症の症状に対する許容力を向上する。

かかりつけ医では対応困難な身体疾患について、可能な限り認知症の症状を許容し、患者を受け入れて身体疾患の治療を行う。

一般急性期病院での治療後も対応困難な精神症状が続いている場合は受け入れる。

身体疾患の治療が必要な場合でも、急性期を脱しているのであれば可能な限り受け入れてBPSDへの対応を行う。

身体疾患の治療を行い、急性期を脱した後は、専門医療機関(精神科、神経内科、脳神経外科等)への転院やかかりつけ医への紹介を行う。

かかりつけ歯科医師、薬剤師

(認知症の人の状況に応じた歯科治療や口腔機能の管理、又は薬学的管理や服薬指導等を行う。)

中 等 度 認 知 症(3/4枚目)

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① 相談機関 緊急時に求められる対応 〇

② 緊急時に求められる対応 〇〇

緊急時に至ることを避けるために、日ごろから求められる対応

〇 早めに地域の専門医療機関の外来と連携を図っておく。

③ 認知症サポート医 〇 Ⅱに同じ。

④ 専門医療機関 緊急時に求められる対応〇

緊急時に至ることを避けるために、日ごろから求められる対応〇

⑤ 〇 〇 かかりつけ医、相談機関、家族等からの相談に応じる。

⑥ 一般病院 〇

⑦ 緊急時に求められる対応

〇 〇

〇 〇 〇

関係機関中等度認知症 高度認知症

Ⅴ BPSD(行動・心理症状) Ⅵ 生活の場での医療

訪問などにより、診療を確実に受けているか確認を行い、必要に応じて在宅サービスや医療機関との調整を行う。

(健康な状態にある人々に、高度認知症や終末期の状態について十分な教育を行い、どのような看取りを望むか、延命治療を望むか否か等の意思表示(リビング・ウィル)をあらかじめ明示しておくことを啓発する。)

介護者が不在などの場合において、緊急時に初動対応を行った場合は、外来時・救急時の付き添いを担うこともある。同時に介護者親族への連絡調整を行う。

高度認知症・終末期の状態像を把握し、家族介護者に対して十分な説明を行う。

(地域包括支援センター等)

かかりつけ医、かかりつけ医認知症対応力向上研修修了医

本人の生活環境について検討し、本人に好ましくない環境の変化がある場合は元の状態へ戻すよう助言して経過を観察するが、必要に応じて専門医療機関(精神科、神経内科、脳神経外科等)を紹介する。

(健康な状態にある時に、高度認知症、終末期の状態像について十分教育をする。そのうえで、延命治療を望むか否かの意思表示をしておくシステムを作る(エンディングノート等))。

一般急性期病院

身体合併症を優先すべきケースでBPSDにも対応しなければならない時は、専門医療機関(精神科、神経内科、脳神経外科等)や認知症疾患医療センター等と連携して対応する。病状によっては、転院等も検討できるよう(日頃から)連携をとる。

かかりつけ医、一般急性期病院等との連携を確保し、薬の処方や家族介護者支援についての助言を行う。

認知症疾患医療センター

かかりつけ医と協議のうえ、自ら治療を行うか専門医療機関(精神科、神経内科、脳神経外科等)などへの紹介を行う。

介護保険事業所、介護保険施設

(家族の負担軽減のために、介護保険サービスを活用する。)

身体合併症に伴ってBPSDが生じている場合は身体合併症の治療を行うが、BPSDが悪化している場合は、認知症疾患医療センター、専門医療機関(精神科、神経内科、脳神経外科等)と連携し治療を行う。

(精神科、神経内科、脳神経外科等)

かかりつけ医に対し、薬の処方や家族介護者支援についての助言を行う。

積極的な身体疾患の治療が必要でない状態であれば受け入れてBPSDの治療を行う。

必要に応じて相談できる窓口(地域包括支援センターや認知症の人と家族の会等)を紹介しておく。

ADL全介助、四肢拘縮、意思疎通不能、嚥下障がい、呼吸不全等の状況に対応しつつ、本人・家族の要望や同意があれば、介護施設や在宅で看取り介護を行う。

かかりつけ歯科医師、薬剤師

(認知症の人の状況に応じた歯科治療や口腔機能の管理、又は薬学的管理や服薬指導等を行う。)

中等度認知症 / 高度認知症(4/4枚目)

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資料3 山形県認知症施策推進協議会について

山形県認知症施策推進協議会設置要綱

(趣旨)

第1条 認知症になっても安心して生活できる地域社会の実

現に向け、本県の施策の推進方向を検討し、良好な医療、

介護及び地域支援体制を構築するため、山形県認知症施策

推進協議会(以下「協議会」という。)を設置する。

(所掌事項)

第2条 協議会の所掌事務は、次のとおりとする。

(1) 早期受診に向けた方策の検討及び体制の構築に関す

ること。

(2) 正しい知識の普及及び見守り体制の構築に関するこ

と。

(3) 良好な医療と介護の提供体制の構築に関すること。

(4) 若年性認知症の人と家族への支援に関すること。

(5) 施策の取組状況の把握、課題の分析及び先進的な事

例の収集に関すること。

(6) その他施策の推進に関すること。

(組織)

第3条 協議会は、次に掲げる者のうちから知事が委嘱する

委員20名程度で組織する。

(1) 学識経験者

(2) 保健医療関係者

(3) 地域福祉・介護関係者

(4) その他知事が必要と認める者

2 委員の任期は2年とする。ただし、委員が欠けた場合に

おける補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

(会長及び副会長)

第4条 協議会に会長及び副会長を置き、委員の互選により

定める。

2 会長は会務を総理し、協議会を代表する。

3 副会長は会長を補佐し、会長に事故あるときはその職務

を代理する。

(会議)

第5条 協議会は、会長が必要に応じて招集し、会長が議長

となる。

2 委員が会議に出席できない場合は、会長は、代理の者の

出席を認めることができる。

3 会長は、必要と認めるときは、会議に委員以外の者を出

席させることができる。

(事務局)

第6条 協議会の事務を処理するため、事務局を山形県健康

福祉部健康長寿推進課に置く。

(補則)

第7条 この要綱に定めるもののほか、協議会の運営に関し

必要な事項は、会長が別に定める。

附 則

この要綱は、平成26年8月26日から施行する。

附 則

この要綱は、平成27年4月1日から施行する。

山形県認知症施策推進協議会委員等

(平成 29 年 11 月現在、敬称略、順不同)

医療

国立大学法人山形大学医学部准教授

林 博史 福祉・介護

山形県地域包括・在宅介護支援センター協議会副会長

長谷部 宏行

山形県公立大学法人山形県立米沢栄養大学准教授

加藤 守匡 一般社団法人山形県老人福祉施設協議会理事

野口 瑞穂

一般社団法人山形県医師会理事 三條 典男 山形県老人保健施設協会幹事 大島 扶美

公益社団法人日本精神科病院協会山形県支部長

江口 拓也 山形県認知症高齢者グループホーム協議会会長

佐藤 裕邦

一般社団法人山形県作業療法士会副会長

椿野 幸子 医療法人仁誠会小規模多機能型居宅介護事業所 フラワーみつえ管理者(キャラバン・メイト)

髙橋 明美

篠田総合病院認知症疾患医療センター臨床心理士

遠藤 里美 公益社団法人認知症の人と家族の会山形県支部世話人代表

山名 康子

新庄明和病院認知症疾患医療センター精神保健福祉士

土田 由美 行政

寒河江市高齢者支援課地域包括支援主査

黒田 美紀

佐藤病院認知症疾患医療センター精神保健福祉士

上村 静 山形県置賜総合支庁保健福祉環境部医療監(兼)置賜保健所長

山田 敬子

日本海総合病院認知症疾患医療センター精神保健福祉士

今野 智美 山形県精神保健福祉センター所長 有海 清彦

一般社団法人山形県歯科医師会常務理事

大沼 智之 オブザーバー

公立大学法人福島県立医科大学会津医療センター教授 篠田総合病院認知症疾患医療センター医師

川勝 忍

一般社団法人山形県薬剤師会副会長

岡嵜 千賀子 国立大学法人山形大学医学部教授 鈴木 匡子

福祉・介護

社会福祉法人山形県社会福祉協議会地域福祉部長

植木 憲司 さいとう脳神経内科クリニック 斎藤 尚宏

一般社団法人山形県介護支援専門員協会副会長

髙木 知里 山形県認知症相談・交流拠点「さくらんぼ カフェ」若年性認知症支援コーディネーター

草苅 さえ子

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山形県認知症施策推進行動計画

平成 30 年3月改訂

(平成 28 年 1 月策定)

編集:山形県健康福祉部 健康長寿推進課 地域包括ケア推進担当

〒990-8570 山形県山形市松波二丁目8番1号