生物多様性条約cop13の成果と今後に向けて¼Ž最近の国際動向(sdgs/g7環境大臣会合)...

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1 生物多様性条約COP13の成果と今後に向けて 環境省 自然環境計画課長 奥田直久 201737企業が語るいきものがたり Part 10

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Page 1: 生物多様性条約COP13の成果と今後に向けて¼Ž最近の国際動向(SDGs/G7環境大臣会合) 2.COP13と民間参画等に関する環境省の取組 3.森里川海プロジェクト

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生物多様性条約COP13の成果と今後に向けて

環境省 自然環境計画課長 奥田直久

2017年3月7日 企業が語るいきものがたり Part 10

Page 2: 生物多様性条約COP13の成果と今後に向けて¼Ž最近の国際動向(SDGs/G7環境大臣会合) 2.COP13と民間参画等に関する環境省の取組 3.森里川海プロジェクト

1.最近の国際動向(SDGs/G7環境大臣会合) 2.COP13と民間参画等に関する環境省の取組 3.森里川海プロジェクト 4.まとめ

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本日のお話

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1.最近の国際動向(SDGs/G7環境大臣会合) 2.COP13と民間参画等に関する環境省の取組 3.森里川海プロジェクト 4.まとめ

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本日のお話

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(国連広報センター作成) 生物多様性に係る目標

人間一人一人に焦点をあて、レジリエント・包括的・持続可能な「質の高い成長」の実現を目指す、経済・社会・環境の均衡の取れた「持続可能な開発」達成のための国際目標。(目標年:2030年) 17の目標と169のターゲットから構成。

2015年9月の国連持続可能な開発サミットで採択された世界全体で取り組む目標

「生物多様性」も核となる目標の一つ。(社会的・経済的発展の鍵は、地球の天然資源の持続可能な管理にあるとの認識も提示)

4 間接的に生物多様性に係る目標

持続可能な開発目標(SDGs)

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■「ゴールの達成」に関する考え方

– 「誰一人取り残されることがない」(No one left behind):全ての人にとって実現していなければ達成とは認められない

• 貧困の「削減」ではなく「根絶」が目標

– 持続可能な開発の3側面(経済・社会・環境)に関する課題が、初めてひとつの目標に統合された

• 新しい分野:エネルギー、防災

– 全てのゴールが全ての国に適用される「普遍性」

• 先進国、途上国の二元論ではない(cf.パリ協定)

• 先進国も自国内での対策が必要

– 例:持続可能な消費と生産、持続可能なライフスタイルと教育

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■フォローアップの仕組み

– 15年間にわたり、実施状況を体系的にフォローアップ&レビュー

– フォローアップは、地方、国、地域、地球規模それぞれのレベルで実施

– 地球規模では、年1回の国連「ハイレベル政治フォーラム」(HLPF)によるフォローアップ

• 毎年開催のHLPFは、4年に一度は国連総会とあわせて開催

• 2016年は7月11日~20日にニューヨークで開催

– 毎年、国連事務総長はSDGsの進捗を報告

SDGsの特徴

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G7として、2015年9月の国連サミットにおける「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の採択を歓迎し、「持続可能な開発目標」(SDGs)を中核とする2030アジェンダ(含SDGs)の実施を、全てのレベルで促進していく強い決意を表明。また、G7メンバーにおいて、SDGsの実施に向けた取組が行われていることを歓迎。

G7メンバーが協調してSDGsの環境的側面の実施に向けた行動を取ることの重要性が改めて共有され、環境問題の解決に向け、本会合後も継続して、実務者レベルでG7としての協調行動を立案していくことで一致。

環境大臣が各国内・世界で果たすべき役割が増しつつあり、気候変動・環境汚染という地球規模での問題に、国内・世界で率先して対処する役割を担うという強い政治的意思を共有した。「持続可能な開発のための2030アジェンダ」も7つの議題の一つとして取り扱われ、コミュニケを採択した。

G7富山環境大臣会合における 2030アジェンダの取扱い

日程:2016年5月15日(日)-16日(月) 場所:富山県富山市 参加国:G7各国(日、伊、加、仏、米、英、独)、EU 招聘機関:地球環境ファシリティ(GEF)、持続可能性を目指す自治体協議(ICLEI)、

OECD、UNEP、国連グローバルコンパクト、100のレジリエント・シティ

(参考)開催概要

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生物多様性の重要性 生物多様性及び生態系全体は、食料や資源、薬、住居、

水などを提供し、自然災害を緩和又は防止し、気候を調整し、レクリエーションの機会を提供してくれる自然資本

生物多様性の損失や生態系の劣化は、人間の福利を減少させる社会経済問題であることも認識することが重要

社会経済システムの変革とともに、我々個人の行動の変革が必要

劣化よりも保全のほうが有益であり、非持続可能な利用よりも持続可能な利用のほうが有益であるような社会経済システムへの移行

生物多様性の主流化に向け、経済的アプローチを追求していくことを表明

経済的アプローチが重要

政府だけでなく、地方自治体や民間活動、市民の購買決定等を通じて、これらのアプローチに基づく生物多様性の保全活動が実施されることを歓迎

生態系サービスへの支払

製品認証 オフセット、税金、補助金、その他市場を活用した措置 自然資本勘定

生態系サービス の提供

管理費用等の負担

供給者 受給者

G7富山環境大臣会合からの提言(平成28年5月)

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本日のお話

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■ COP10 2010年10月 愛知県名古屋市

主な成果:「2010年以降の次期目標(愛知目標)」、「遺伝資源へのアクセスと利益配分に関する名古屋議定書」、「資源動員戦略」、「バイオセーフティに関するカルタヘナ議定書の責任及び救済に関する名古屋・クアラルンプール補足議定書」等の採択

■ COP11 2012年10月 インド・ハイデラバード

主な成果:「生物多様性に関する資源動員の暫定目標」決定 等

■ COP12 2014年10月 韓国・ピョンチャン

主な成果:地球規模生物多様性概況第4版GBO4の成果に基づく「生物多様性戦略計画2011-2020・愛知目標」の中間評価、資源動員目標の最終合意 等

※閣僚級会合では、生物多様性と持続可能な開発について「カンウォン宣言」を採択

COP10~12の主な成果

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10 来年度以降、国際的な次期目標及び次の国家戦略に盛り込むべき施策の検討に取り組む。

2010

2014

2016

2020

2018

2021

愛知目標(戦略計画2011-2020)採択 名古屋議定書採択 生物多様性日本基金を条約事務局に設置

国家戦略2012-2020を閣議決定

COP12(韓国): 愛知目標の中間評価

(会議テーマ) 生物多様性保全の主流化及び福利のための生物多様性の持続可能な利用

COP13(メキシコ・カンクン) 12/2-3 ハイレベルセグメント 12/4-17 本会議

COP14(次期目標の議論)

COP15(愛知目標の達成状況の評価/次期目標の 採択)

次期国家戦略の閣議決定

2011

生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)を名古屋で開催

国連生物多様性の10年

2010年から2020年に向けての流れ

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日時:2016年12月4日(日)-17日(土)(ハイレベルセグメント会合:12月2日(金)、3日(土))

場所:メキシコ・カンクン

会議テーマ:とりわけ農林水産及び観光業における各種セクターへの生物多様性の保全及び持続可能な利用の組み込み

Cited from https://en.wikipedia.org/wiki/Canc%C3%BAn

生物多様性条約COP13について

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ハイレベルセグメント会合(HLS)について

主要アジェンダ: 12月2日 午前:オープニングセレモニー及び総会 午後:ラウンドテーブルディスカッション(農業及び観光業) 12月3日 午前:ラウンドテーブルディスカッション(林業及び漁業) 午後:総会(閣僚級宣言:カンクン宣言の採択)

382人(閣僚50人を含む)が参加

環境大臣のみならず生物多様性に関連するセクターの主務閣僚が集まり、農林漁業および観光業のテーマ別のラウンドテーブルが行われ、対話と成功事例の共有が行われた。

「福利のための生物多様性の保全および持続可能な利用の主流化」に関する誓約を含むカンクン宣言が採択された。

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ハイレベルセグメント会合(HLS)について

カンクン宣言の概要

福利のための生物多様性の保全及び持続可能な利用の主流化に関しての誓約から構成。法体系や政策等に生物多様性を組み込むことに加え、観光業、農林水産業による生物多様性への影響に対する配慮を、事業活動に内部化すること等が記載されている。

観光業の場合の例) 観光に関する政策やモデルに生物多様性の取組みを統合すること

農業の場合の例) 花粉媒介者の適切な管理と保全の推進

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ハイレベルセグメント会合(HLS)について

環境省からは関環境副大臣が参加。日本の「エコツーリズム推進法」に基づく取組や「国立公園満喫プロジェクト」について紹介し「保全と利用を好循環させる仕組みづくり」の重要性を主張。

この機会に、日本を含む9か国・団体から、2020年の愛知目標達成に向けたイニシアティブの表明がなされた。

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ハイレベルセグメント会合(HLS)について

地球規模での取組強化 生物多様性日本基金(2010年に名古屋で開催した

COP10の議長国として条約事務局に設置した基金)を

用いた、愛知目標達成取組の能力養成の集中的な実施。

国内での取組

取組強化のため、国家戦略中間評価を行った上で関係省庁により一層加速させる施策のとりまとめと実施。

多様な主体で構成される「国連生物多様性の10年日本委員会」(UNDB-J)による2020年に向けたロードマップの策定とその実施。

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生物多様性の主流化とは

生物多様性の保全と持続可能な利用の重要性が地方自治体、事業者、 国民などにとって常識となり、それぞれの意思決定や行動に反映させる

「生物多様性の社会における主流化」

生物多様性国家戦略2012-2020

実体験を通じた生物多様性への理解を進め、生物多様性の保全と 持続可能な利用に向けた取組を国民運動として展開し、

生物多様性に配慮した社会システムやライフスタイルの変換を図っていく 「生物多様性の主流化」

愛知目標

遅くとも2020年までに、生物多様性の価値と、 それを保全し持続可能に利用するために可能な行動を、人々が認識する。

目標1

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生物多様性の主流化の決定概要

セクター内および複数のセクターにまたがる生物多様性の主流化を含む、条約および生物多様性戦略計画2011-2020 の実施を強化する戦略的行動(決議ⅩⅢ/3)

農林水産業および観光業を含む様々なセクター内および複数のセクターにまたがる主流化に向けて、ステークホルダーの関与などにより努力を強化することを締約国に強く求めるもの。具体的には、次のカテゴリ別に具体的な勧告が提示された。

• 関連国際プロセスを通じた主流化の強化 • セクター横断的な主流化 • セクター別主流化(農業、林業、漁業および水産養殖業、観光業)

• 主流化を強化するための主要主体の参画(企業、準国家および地方自治体、先住民および地域コミュニティー、科学コミュニティー、ジェンダー)

• 更なる取組 →COP14 エネルギー、鉱業、インフラ、製造業及び健康セクターへの主流化を

考慮

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生物多様性の主流化の決定概要

セクター内および複数のセクターにまたがる生物多様性の主流化を含む、条約および生物多様性戦略計画2011-2020 の実施を強化する戦略的行動(決議ⅩⅢ/3) <我が国からのインプット等> • 我が国のUNDB-Jにおける取組の経験も踏まえた、取組多様なセ

クターによるプラットフォームを通じた主流化のための活動強化

• 業界全体の企業の取組を強化する観点からの事業者団体の重要性

• 地方自治体の参画と取組強化のための地方自治体ネットワークの有用性

• 食料と農業における「持続可能性」について情報共有・技術移転支援を促進(SATOYAMAイニシアティブ等をもとに)

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民間参画関連の決定

事業者に対する主な奨励事項 • 生物多様性に影響のある企業活動の情報収集。 • 生物多様性についての複数の価値を決定するための、自然資本

プロトコルのような様々なツールやアプローチを考慮すること。 • 生物多様性に影響のある企業活動に関する、蓄積した情報をビジ

ネスに関する意思決定に活用すること。 • 生物多様性に関する評価及び会計処理のための現存するフレー

ムワーク等について情報提供すること。 政府(締約国)に対する奨励事項 • 持続可能な生産・消費パターン達成に役立つ行動変容を促進する

こと。 • エコラベル等の消費者ベースの様々なアプローチを促進すること。 • ビジネス上の意思決定における生物多様性主流化の促進や、ビジ

ネスにおける事例の透明性及び国民意識の向上を図ること。

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生物多様性に関する活動への事業者の参画を促すことを通じて、生物多様性の保全と持続可能な利用に関する事業者の活動を促進するため、様々な取組を実施。

生物多様性民間参画 ガイドライン

• 事業者による生物多様性の保全と持続可能な利用を促進することを目的に、2009年8月に生物多様性民間参画ガイドラインを作成し、普及広報を実施。

• 平成28年度から改訂に向けた検討に着手。

事業者団体への取組支援 「事業者団体向け手引き」

• 事業者団体には、業種の特性を考慮した取組の方向性を示すなど、業界の取組を促進する役割が期待されているが、行動指針などを作成しているのはごく一部。

• 事業者団体が業界における取組を促進する際のヒントとなるような「手引き(案)」を作成。

「生物多様性と生態系サービス」「企業の生物多様性保全活動」の経済的な価値の評価

生物多様性の民間参画に関する環境省の取組

<2013~2014年度> 湿地(湿原及び干潟)や里地里山が有する経済的な価値の評価を実施。 <2015年度~>

企業の生物多様性保全活動の評価・算定手法を検討。

(実際の企業の活動について、経済的な価値の評価を試行)

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UNDB-Jとは 国連の定めた「国連生物多様性の10年」(2011年から2020年)を受け、愛知目標の達成を目指し、国内のあらゆるセクターの参画と連携を促進し、生物多様性の保全と持続可能な利用に関する取組を推進するため、「国連生物多様性の10年日本委員会」(UNDB-J)が2011年9月に設立(委員長は榊原経団連会長)。

UNDB-Jロードマップ(一部抜粋) <目指すべき社会像> 1. 生物多様性に配慮した消費活動・産業活動が普

及 ① 認証商品等の環境に配慮した商品等の価値が

広く認識、流通、選択する消費者が増加 ② 企業活動における取組が進み、適切に評価 <取組の方向性> ① 企業、消費者に対して、生物多様性に配慮した

生産・流通・消費活動等に関する教育・普及啓発を実施

② 認証商品等の生物多様性に配慮した商品について、消費者に対して的確な情報提供を実施

• UNDB-Jでは、主流化の取組をさらに加速するため、UNDB-J及び委員の2020年までの目標と具体的取組をまとめたロードマップを作成(平成28年10月)。

• この中で、目指すべき社会像として「生物多様性に配慮した消費活動・産業活動が普及」、この社会像に向けた「取組の方向性」等を示している。

第6回UNDB-J委員会の様子(平成28年6月)

多様な主体の連携による取組 (国連生物多様性の10年日本委員会(UNDB-J)ロードマップ)

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1.最近の国際動向(SDGs/G7環境大臣会合) 2.COP13と民間参画等に関する環境省の取組 3.森里川海プロジェクト 4.まとめ

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本日のお話

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チーム外

私たちの暮らしを支える「森里川海」。それが今、過度の開発や利用、管理の不足などにより、つながりが分断されたり、質が低下しています。人口減少、高齢化が進行する中で、どのように森里川海を管理し、それを通じて地方を創生していくか、官民一体となって考えていく必要があります。 環境省では、「つなげよう、支えよう森里川海」プロジェクトとして、地方公共団体、有識者、先進的な取組を行っている方々との対話や議論を行いながら、森里川海の恵みを将来にわたって享受し、安全で豊かな国づくりを行うための基本的な考え方と対策の方向をとりまとめ、全国で取組を進めていきます。

■ これまでの流れ 26年12月 「つなげよう、支えよう森里川海」プロジ ェクトチーム立ち上げ、第1回勉強会 27年1~6月 勉強会、意見交換会、公開シンポジウム等 6月 中間とりまとめ 10月~28年2月 全国リレーフォーラム、総括シンポジウム 28年9月 提言の公表

私たちの暮らしを支える森里川海

土砂災害を防ぎ、 豊かな水を育む

しなやかで、 生命があふれる

災害に強く、 魚湧く

生命の恵みを活かし、 安全で豊かな暮らしを育む

恵み(生態系サービス) 安全・安心・清く豊かな水 清浄な空気・土壌の保全 安全で美味しい食糧 バイオマス・地域特産品 災害防止・レクリエーション

■ プロジェクトチームの立ち上げ

官房長をチーム長として、総合環境政策局、自然環境局、水・大気環境局及び地球環境局の職員、外部アドバイザー(有識者)で構成するプロジェクトチームを設置。また、広く地方公共団体、有識者、先進的な取組を行っている方々等と意見交換を行いながら基本的な考え方と対策の方向のとりまとめを行う。

プロジェクトチーム

・チーム長 官房長 ・副チーム長

大臣官房審議官(総合政策、自然環境、水・大気環境担当の3名)

・主査等チーム員 総合政策局、自然環境局、水・大気環境局、地球環境局から指名

・外部アドバイザー 有識者5名程度

地方公共団体

有識者

先進的な取組を行っている方々

連携・ 意見交換

官民一体となってとりまとめ

※ プロジェクト名称「つなげよう、支えよう森里川海」について 自然資源を象徴する「森」「里」「川」「海」を保全してつなげること、また、それぞれに関わる人をつなげること、そして、都市部に住む人たちも含めて国民全体で「森里川海」の保全とそれに関わる人たちを支えることを示している。

自然の恵みを引き出す仕組みの構築やライフスタイルの転換

守る、支える

関係省庁

「つなげよう、支えよう森里川海」プロジェクト

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農村・漁村

都市

◆自然資源・生態系サービス ・食料、水、木材 ・自然エネルギー ・水質浄化、自然災害の防止 等

自立分散型社会 (地域資源【自然・物質・人材・資金】の循環)

◆資金・人材などの提供 ・自然保全活動への参加 ・社会経済的な仕組みを通じた支援等

自立分散型社会 (地域資源【自然・物質・人材・資金】の循環)

地産地消、再生エネルギー導入等

地産地消、再生エネルギー導入等 里

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地域循環共生圏

地域が自立し、支えあう関係づくり

低炭素・資源循環・自然共生

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森里川海を豊かに保ち、その恵みを引き出す取組 ・流域における森里川海の保全・再生 ・取組同士の連携の仕組み ・取組を支える人材育成 ・経済・社会システムとリンクした資金づくり

一人一人が、森里川海の恵みを支える社会づくり ・森里川海の恵みへの意識・支える気持ちの醸成 ・子ども達の笑顔あふれる自然体験の場づくり ・オシャレで豊かなライフスタイルの提案

地域で まわる 仕組み づくり

国全体で 支える

社会づくり

プロジェクトの今後のアクション

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平成28年度 実施事業

「つなげよう、支えよう森里川海」

中間とりまとめ(H27.6) ・全国リレーフォーラムの実施(H27.10 ~H28.2)参加者からのコメント ・パブリックコメント(H28.5~6)

提言とりまとめ(H28.9)

1.全国プロジェクト=国民的運動 ①ライフスタイル転換キャンペーン 「クールチョイス」、「NO! フードロス」、「食」や「健康」とも一体となったイベントを全国的に展開 ②「森里川海大好き!読本(仮称)」の作成 編集委員会を設置し、教員・小中学生を対象とした読本の作成を検討。全国の学校、図書館等へ配布 ③普及啓発 ア.ふるさと絵本づくり イ.シンポジウム、イベントの実施 ④情報発信 ア.ホームページの更新 イ.ツイッターでの発信 ⑤グッドライフアワードとの連携

2.地域プロジェクト=実証地域の支援 ①対象地域の公募 環境省が応援する実証地域を公募。 10か所を選定し、以下②、③を実施。 ②実証地域の支援 ア.多様な主体によるプラットフォームづくり イ.自立のための経済的仕組みづくり ウ.人材育成 ③効果の測定、課題の抽出 対象地域にもたらした社会的、経済的効果や生態系サービスを測定、併せて課題も抽出

3.実証事業の評価手法検討 各地域での取組が経済や社会、そして生態系サービスにどのように寄与したかを「見える化」

平成28年度 森里川海プロジェクトの概要

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南三陸町 (CEPAジャパン)

小田原市 (小田原市)

鹿島市 (鹿島市ラムサール条約

推進協議会)

宗像市 (宗像国際環境会議実行委員会)

珠洲市 (珠洲市)

大阪府吹田市・豊能郡能勢町 (NPO法人大阪自然史センター)

山口県(椹野川流域) (椹野川河口域・

干潟自然再生協議会)

高梁川流域 (一般社団法人高梁川流域学校)

徳島県吉野川流域 (コウノトリ定着推進協議会)

東近江市 (NPO法人まちづくりネット東近江)

地域循環共生圏構築実証事業 実施地域一覧

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1.最近の国際動向(SDGs/G7環境大臣会合) 2.COP13と民間参画等に関する環境省の取組 3.森里川海プロジェクト 4.まとめ

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本日のお話

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■事業者の取組は着実に進展 ・生物多様性民間参画パートナーシップの会員の増 (2010. 424 → 2015 467) ・同会員で生物多様性を経営理念等に盛り込んでいる割合の増 (2010 50% → 2015 97%)

■本業との関連性が高い取組も進展 ・木材調達基準の設定 ・認証商品の販売 等

■一部の事業者団体等においても取組が進展 ・行動指針の策定、研修会の実施 (日本製薬工業協会) ・事例集の作成、発注者の要求事例の分析 (日本建設業連合会) 等

■業種による取組の実施状況の違い、中小事業者の取組の活性化の必要性

■生物多様性主流化の阻害要因の存在(次ページ)

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事業者の取組に対する認識

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生物多様性に関するアンケートー自然の恵みと事業活動の関係調査ー <2016年度調査結果> 2017年2月 一般社団法人日本経済団体連合会、経団連自然保護協議会、生物多様性民間参画パートナーシップ

調査対象:(1) 経団連企業会員(約1,300社<経団連自然保護協議会会員含む>) (2) 生物多様性民間参画パートナーシップ(JBBP)企業会員(約400社) 有効回答数、回答率:238社、17%

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■各企業、各業界の特性に応じた生物多様性に関する取組の推進

• 定性的・定量的に拘らず、生物多様性と事業活動の関係性の見つめ直し • 事業活動による生物多様性への負の影響だけでなく、正の影響についても念

頭においた(ビジネスチャンスとして捉えた)取組の推進 • 多様なステークホルダー(自治体、民間団体、地域住民等)と連携した、地域に

おける生物多様性の保全や地域活性化に資する活動への参画

■事業者団体における取組の推進 • 業種の特性を考慮した行動指針等の作成 • ガイドラインや取組事例集の作成

■その他 • 事業活動を通じた消費者の意識変革への働きかけ(消費者に生物多様性に配慮

した商品・サービスの価値を認めてもらい消費してもらうこと)

事業者の皆様に期待される取組

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ご清聴ありがとうございました。

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ABS(Access and Benefit-Sharing)

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本ページ以降は、時間の都合上、講演の中では説明しなかったが配布資料には含まれている内容。

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名古屋議定書について

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国内における検討経緯

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遺伝資源の取得の機会及びその利用から生ずる利益の 公正かつ衡平な配分に関する指針案(告示)の概要