事業拡大のための調査...35 第5章 事業拡大のための調査 5-1...

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35 第5章 事業拡大のための調査 5-1 タイ国におけるパナソニック系工場廃棄物の発生状況 5-1.1 調査対象拠点の抽出 将来的な事業拡大に向け、マレーシアと並びパナソニックの生産拠点が多いタイについても調査 対象とした。インドネシア調査事業結果より、タイでは電子部品系を扱う生産拠点が多いことが判 明している。調査対象としたタイの生産拠点リストを図 5-1.1 及び表 5-1.1 にインドネシア調査事 業報告より転載する。 5-1.1 タイの拠点 5-1.1 主要生産拠点 タイ 1 PEWTH : Panasonic Electric Works (Thailand) Co., Ltd. 2 PECTH : Panasonic Energy (Thailand) Co., Ltd. 3 PEWTH-K : Panasonic Electric Works (Thailand) Co., Ltd. Khon Kaen Branch 4 PEWSLTH : Panasonic Electric Works Steel (Thailand) Co., Ltd. 5 PRDT : Panasonic Refrigeration Devices (Thailand) Co., Ltd. 6 PMRT : Panasonic Motor (Thailand) Co., Ltd. 7 PHAT : Panasonic Home Appliances (Thailand) Co., Ltd. 8 PEDTH : Panasonic Electronic Devices (Thailand) Co., Ltd. 9 PEWAY : Panasonic Electric Works (Ayutthaya) Co., Ltd. 10 PESTH : Panasonic Ecology Systems (Thailand) Co., Ltd. 11 PAVCTH : Panasonic AVC Networks (Thailand) Co., Ltd. 12 PASAP : Panasonic Automotive Systems Asia Pacific Co., Ltd.

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第5章 事業拡大のための調査

5-1 タイ国におけるパナソニック系工場廃棄物の発生状況

5-1.1 調査対象拠点の抽出

将来的な事業拡大に向け、マレーシアと並びパナソニックの生産拠点が多いタイについても調査

対象とした。インドネシア調査事業結果より、タイでは電子部品系を扱う生産拠点が多いことが判

明している。調査対象としたタイの生産拠点リストを図 5-1.1及び表 5-1.1にインドネシア調査事

業報告より転載する。

図 5-1.1 タイの拠点

表 5-1.1 主要生産拠点

タイ 1 PEWTH : Panasonic Electric Works (Thailand) Co., Ltd.

2 PECTH : Panasonic Energy (Thailand) Co., Ltd.

3 PEWTH-K : Panasonic Electric Works (Thailand) Co., Ltd. Khon Kaen Branch

4 PEWSLTH : Panasonic Electric Works Steel (Thailand) Co., Ltd.

5 PRDT : Panasonic Refrigeration Devices (Thailand) Co., Ltd.

6 PMRT : Panasonic Motor (Thailand) Co., Ltd.

7 PHAT : Panasonic Home Appliances (Thailand) Co., Ltd.

8 PEDTH : Panasonic Electronic Devices (Thailand) Co., Ltd.

9 PEWAY : Panasonic Electric Works (Ayutthaya) Co., Ltd.

10 PESTH : Panasonic Ecology Systems (Thailand) Co., Ltd.

11 PAVCTH : Panasonic AVC Networks (Thailand) Co., Ltd.

12 PASAP : Panasonic Automotive Systems Asia Pacific Co., Ltd.

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生産する製品によって廃棄物の種類に違いが出る可能性を踏まえ、非鉄金属系廃棄物を多く排出

する生産拠点、さらに今まで調査を行っていない製品群の生産拠点を調査対象とすることとした。

5-1.2 工場廃棄物の発生状況調査の結果

前項のとおり抽出した工場の概要及び調査結果を以下に示す。

表 5-1.2 工場廃棄物発生状況の概要

生産拠点 P-1 P-2

主な製品 テレビ

テレビ用基板

リレー

スイッチ

コネクター等

廃棄物発生量 883t 381t

主な

非鉄金属系廃棄物

プリント基板

金属部品

はんだ屑等

リードフレーム

端子等

調査の結果、分別の徹底でリサイクル率を上げ最終処分を減らすことが徹底されていた。また、

分別の徹底については別の側面もあることが分かった。タイで製造された製品が輸出された場合、

輸入原料に対する関税の恩典が受けられる。この恩典は輸出向けであり、タイ国内向けに販売した

場合は恩典が受けられない。廃棄物をタイ国内リサイクラーに売却したケースも製品の国内販売と

判断されるため、廃棄物についても輸出することで恩典を受けられるようにしていた。ただし、輸

出先での処理業者や処理方法等のトレーサビリティはマレーシアの生産拠点同様無かった。

(1) 生産拠点:P-1

① 主な製品: テレビ、テレビ用プリント基板

② 廃棄物発生量(2011 年度):883 トン、内 最終処分量=5 トン、リサイクル率=99.4%

③ 現場ヒアリング調査による現状の処理状況および課題等の把握:

・ 廃棄物発生量の主な廃棄物は梱包材として使用されるダンボール、発泡スチロールが多く発

生している。

・ 廃プリント基板は 2 種類発生しており、①実装工程で発生するプリント基板端材②修理不可

能な部品つきの不良品扱いの廃プリント基板あわせて年間 50トン発生している。

・ 一次出荷先以降についてはヒアリングのみ実施している。

④現場確認による工場廃棄物に係る実態把握:

・ 有価性の高い銅廃棄物は鍵をかけて管理。

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⑤ 調査結果とりまとめ:

廃棄物 PCB broken

発生工程 製造工程

出荷時荷姿 フレコン

運搬方法 トラック

かさ比重 300 kg/m3

単位出荷量 ダンボール単位

出荷頻度 1ヶ月1回

発生量 5000kg

今後の排出量予測 TVセット需要減少に伴い減少

処理の現況

処理を委託している業者 年 1 回入札

事務所から最終処分場ま

での処理フロー Separating → Sold to oversea company

処理コスト 有価売却

(1) 生産拠点:P-2

① 主な製品: リレー、スイッチ、コネクター

② 廃棄物発生量(2011 年度):381 トン、内 最終処分量=2.6 トン、リサイクル率=99.2%

③ 現場ヒアリング調査による現状の処理状況および課題等の把握:

・ 有価物は生産工程から購入材料ごとに、161 品目で分別されている。

・ 工場で発生する有価物の80%が恩典対象

・ 一次出荷先以降についてはヒアリングのみ実施している。

④現場確認による工場廃棄物に係る実態把握:

・ 有価性の高い銅廃棄物は鍵をかけて管理。

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⑤ 調査結果とりまとめ:

廃棄物 銅系金属

発生工程 組立工程

出荷時荷姿 フレコン

運搬方法 トラック

かさ比重 3,000kg/m3

単位出荷量 フレコン単位

出荷頻度 1ヶ月数回

発生量 27090kg

今後の排出量予測 生産変動に伴い増減する

処理の現況

処理を委託している業者 年 1 回入札

事務所から最終処分場ま

での処理フロー reclamation → Used as copper resource.(Sold other company.)

処理コスト 有価売却

廃棄物 銅系金属

発生工程 組立工程

出荷時荷姿 フレコン

運搬方法 トラック

かさ比重 5,000kg/m3

単位出荷量 フレコン単位

出荷頻度 1ヶ月数回

発生量 8000 kg

今後の排出量予測 生産変動に伴い増減する

処理の現況

処理を委託している業者 年 1 回入札

事務所から最終処分場ま

での処理フロー reclamation → Used as copper resource.(Sold other company.)

処理コスト 有価売却

5-2 タイ国における電気・電子機器系工場廃棄物の発生状況

5-2.1 調査対象拠点の抽出

タイにはパナソニック以外の電気電子機器メーカーの生産拠点も多く立地されているため併せて

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調査を行った。主なメーカーの生産拠点を表 5-2.1に示す。

表 5-2.1 電気・電子機器メーカー主要生産拠点

メーカー名 親会社 設立 従業員数

(名) 生産製品 所在地

Casio (Thailand)

Co.,Ltd カシオ計算機 1991.6 - 電子時計他

ナコーンラーチャシ

ーマー県

Daikin

Airconditioning

(Thailand) Ltd

ダイキン工業 - 64 空調機 チョンブリー県

Daikin Compressor

Industries Ltd ダイキン工業 2001.1 1,165 空調機 ラヨーン県

Daikin Industries

(Thailand) Ltd ダイキン工業 2001.2 1,706

エアコン、

エアコン用コンプレッサ チョンブリー県

DENSO (Thailand)

Co.,Ltd デンソー(51) 1974.2 2,978 電装品、カーエアコン、他

サムットプラーカー

ン県

Fujitsu General

(Thailand) Co.,Ltd

富士通ゼネラ

ル 1992.1 - エアコン チョンブリー県

Fujitsu Ten

(Thailand) Co.,Ltd

富 士 通 テ ン

(89.7) 2002.7 - AV機器、電装品他 ラヨーン県

JVC Manufacturing

(Thailand) Co.,Ltd

JVCケンウッ

ド 1989.3 - 映像機器 パトゥムターニー県

Kang Yong Electric

Public Co.,Ltd

三 菱 電 機

(40.8) 1964.1 1,163 家電品

サムットプラーカー

ン県

Pioneer

Manufacturing

(Thailand) Co.,Ltd

パイオニア 1994.1 4,080 カーエレクトロニクス製品 アユタヤ県

Casio (Thailand)

Co.,Ltd カシオ計算機 1991.6 - 電子時計他

ナコーンラーチャシ

ーマー県

Daikin

Airconditioning

(Thailand) Ltd

ダイキン工業 - 64 空調機 チョンブリー県

Daikin Compressor

Industries Ltd ダイキン工業 2001.1 1,165 空調機 ラヨーン県

Sharp Appliances

(Thailand) Ltd シャープ 1987.1 2,300

電子レンジ、冷蔵工、空調

機器、洗濯機

チャチューンサオ

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表 5-2.1 電気・電子機器メーカー主要生産拠点(続き)

Sharp Manufacturing

Thailand Co.,Ltd シャープ 2005.4 380

家電、事務機器、

ソーラーモジュール ナコーンパノム県

Sony Technogy

(Thailand) Co.,Ltd ソニー 1995.4 - カーオーディオ アユタヤ県

Toshiba

Semiconductor

(Thailand) Co.,Ltd

東芝(52) 1990.1 - トランジスタ、IC、フォトカプラ、

LED 他 パトゥムターニー県

Toshiba Consumer

Products (Thailand)

Co., Ltd

東芝 1989 - 冷蔵庫、洗濯機 パトゥムターニー県

Toshiba Storage

Device (Thailand)

Co.,Ltd

東芝 1989.1 - 2.5 型 HDD パトゥムターニー県

Thai Toshiba Electric

Industries Co., Ltd. 東芝 1999 - 冷蔵庫、空調機器 ノンタブリー県

Thai Samsung

Electronics Co.,Ltd Samsung El. - 2,904

液晶 TV、PC、タブレット、スマ

ートフォンなど電子機器 チョンブリー県

L.G. Electronics

(Thailand) Co.,Ltd. LG El. - 1,788

洗濯機、食品貯蔵機、暖

房、空調機 ラヨーン県

Haier Electrical

Appliances

(Thailand) Co.,Ltd

Haiar - - 冷蔵庫、エアコン、洗濯

機、電子レンジ バンコク

Sharp Appliances

(Thailand) Ltd シャープ 1987.1 2,300

電子レンジ、冷蔵工、空調

機器、洗濯機

チャチューンサオ

Sharp Manufacturing

Thailand Co.,Ltd シャープ 2005.4 380

家電、事務機器、ソーラーモ

ジュール ナコーンパノム県

Sony Technogy

(Thailand) Co.,Ltd ソニー 1995.4 - カーオーディオ アユタヤ県

幅広い調査結果を求めることからこれらのうち、今まで調査を行っていないメーカー(非日系も

含む)や製品群の生産拠点を抽出した。マレーシアの調査と同じく、より多くのメーカー、製品由

来の工場廃棄物を調査することを目的としたため地理的要因は抽出条件に含めていない。

5-2.2 工場廃棄物の発生状況調査の結果

前項のとおり抽出した工場の概要及び調査結果を以下に示す。

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表 5-2.2 工場廃棄物発生状況の概要

調査対象

事業所 E F G H

所在地 ナコーンパノム県 チョンブリー県 ラヨーン県 サムットプラーカーン

主な製品と

製造実績

(2011 年)

MFP(複合機):72K 台

CRT-TV:120k台

ソーラーパネル:

1,200 台

FPD-TV:1,650K 台

洗濯機:1,500k台

冷蔵庫:1,300k台

エアコン:400K 台

電子レンジ:1,000K 台

カーCD/DVD ドラ:

1,200k台

換気扇、扇風機:

1,000K 台

水ポンプ:180K 台

冷蔵庫:900K 台

廃棄物

プリント基板(部品付)

CRT ガラス

蛍光灯

バッテリー

ソルダードロス、金属く

電子部品、電子機器

不良品

ソルダードロス

電子部品、電子機器

不良品

プリント基板(縁部分)

ソルダードロス(Pb)

ソルダードロス(PBフリ

ー))

冷蔵庫筐体

プリント基板

アルミニウム

処理業者の

選定 1 年ごとに入札制 1 年ごとに入札制 1 年契約

1 年ごとに入札制

(一部つど入札)

調査の結果、マレーシアと比較し比較的リサイクル意識が低い事がわかった。更に、タイ国内で

も生産拠点ごとにリサイクル意識に違いがあることがわかった。処理フローについてはマニフェス

ト制度があるため、1 次出荷先までしっかり把握しているが、マレーシア同様最終利用先までのト

レーサビリティは無く、確認していたとしても一次出荷先からのヒアリングのみであった。

(1) 生産拠点:E

① 主な製品: MFP(複合機)、CRT-TV、ソーラーパネル

② 廃棄物発生量(2011 年度):金属くず関連で 2,853㎏、うち 1,223㎏を売却

③ 現場ヒアリング調査による現状の処理状況および課題等の把握:

・ 当該工場では廃棄物を、部品(電子部品、電池、蛍光灯、乾電池、クロス、その他)、はんだ・

金属くず(ソルダードロス、アルミ・鉄・銅くず、その他)、紙、プラスチック、パレット(木)、

シンナー、生ゴミなどに分類している。

・ 電子部品においてはプリント基板と部品は分別されていない。担当者は、極力分別しようと

考えているが、処理業者のほうで行っているため分別しないで出している。と言っているが、

処理業者が分別しているかは確認していない。

・ 一次出荷先での処理及びその後の販売先等まで把握していない。

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④ 調査結果とりまとめ:

廃棄物 プリント基板(部品付)

廃棄物の内容 ダイオード、キャパシタなどが着いたままのコンポーネント付プリント基板、プリン

ト基板の縁、ダイオード、キャパシタなど

撮影不可

発生工程 MFP、CRT-TV 用の不良品

出荷時荷姿 ダンボール詰め

運搬方法 5tトラック

かさ比重 不明(特に計測せず)

単位出荷量 規定なし

出荷頻度 年 1 回

発生量 年間 800kg(2011 年トータル)

今後の排出量予測 セット製品の生産数量は減少傾向そのため(特に

CRT-TV)今後の排出量は減ると予測

処理の現況

処理を委託している業者 年 1 回入札、今年は MII-TECH

事務所から最終処分場ま

での処理フロー 仕分け→工場内にストック→処理業者により一次処理場

処理コスト 有価売却

廃棄物 CRT ガラス

廃棄物の内容 CRT の不良品

撮影不可

発生工程 CRT の不良品

出荷時荷姿 倉庫にそのまま置く

運搬方法 5tトラック

かさ比重 不明(特に計測せず)

単位出荷量 規定なし

出荷頻度 年 2 回

発生量 CRT 不良品の発生数量年 600~700 台

今後の排出量予測 セット製品の生産数量は減少傾向そのため今後の排出

量は減ると予測

処理の現況

処理を委託している業者 年 1 回入札、今年は MII-TECH

事務所から最終処分場ま

での処理フロー 仕分け→工場内にストック→処理業者により一次処理場

処理コスト 委託処理

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廃棄物 蛍光灯

廃棄物の内容 使用済み蛍光灯

撮影不可

発生工程 使用済み蛍光灯

出荷時荷姿 倉庫にそのまま置く

運搬方法 -

かさ比重 不明(特に計測せず)

単位出荷量 規定なし

出荷頻度 新品を発注する引き取ってもらう。

発生量 年間 90 本

今後の排出量予測 大幅な変動はないと思われる。

処理の現況

処理を委託している業者 納入時に納入業者に引取ってもらう

事務所から最終処分場ま

での処理フロー 仕分け→工場内にストック→処理業者により一次処理場

処理コスト ―

廃棄物 バッテリー

廃棄物の内容 大型バッテリー、乾電池

撮影不可

発生工程 大型バッテリー:フォークリフト用、乾電池:リモコン用等

出荷時荷姿 ダンボール詰め

運搬方法 -

かさ比重 不明(特に計測せず)

単位出荷量 規定なし

出荷頻度 昨年は 0

発生量 昨年は 0

今後の排出量予測 いづれにしても数は少ない

処理の現況

処理を委託している業者 昨年実績ないため選定無し

事務所から最終処分場ま

での処理フロー ―

処理コスト ―

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廃棄物 ソルダードロス、金属くず

廃棄物の内容 ソルダードロス、アルミ・鉄くず、銅線(リードフレームのくず)

撮影不可

発生工程 ソルダードロス:はんだかす、アルミ:ソーラーセル生産

時、銅:リードフレームのくず

出荷時荷姿 カン詰め

運搬方法 -

かさ比重 不明(特に計測せず)

単位出荷量 規定なし

出荷頻度 年 1 回

発生量 年間 16.8kg

今後の排出量予測 大幅な変動はないと思われる。

処理の現況

処理を委託している業者 ソルダードロスはハンダマーカーが引き取り

事務所から最終処分場ま

での処理フロー 仕分け→工場内にストック→ハンダメーカー

処理コスト 有価売却

(2) 生産拠点:F

① 主な製品: PDP-TV、LCD-TV(LED、蛍光管)、洗濯機、冷蔵庫、エアコン、電子レンジ

② 廃棄物発生量(2011 年度):不明

③ 現場ヒアリング調査による現状の処理状況および課題等の把握:

・ 電子部品、電子機器系廃棄物は、工場の敷地が広く、大型廃棄物が多いため、廃棄物の管理

は各事業部ごとに行っている。そのため、これらの廃棄物の細かい統計は集中的に管理でき

ていない。

・ これらの廃棄物は、基板、電子部品、サブアセンブリ・TV・冷蔵庫の不良品、客からの不良

品などであるが、仕分けはしておらず、事業部ごとに決められた保管場所があり処理業者が

運んでいる。業者は、事業部ごとに出荷ごとに入札で決めている。出荷時期なども事業部に

任せてある。各事業部から出される廃棄物の出荷回数の合計は年 5~6 回、出荷量は少ない。

・ ソルダードロスのみは処理業者に買い取ってもらっているため、1箇所に集められ管理してい

る。

・ 売却費等金額については回収時に見た目で判断をしている。

・ 一次出荷先以降についてはヒアリングのみで実際に確認まではしていない。

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④ 調査結果とりまとめ:

廃棄物 電子部品、電子機器不良品

廃棄物の内容 基板、電子部品、サブアセンブリ・TV・冷蔵庫の不良品

発生工程 基板実装時、アセンブリ時、製品検査で不合格、客から

の不良品(一番多い)

出荷時荷姿 倉庫にそのまま置く

運搬方法 不明

かさ比重 不明(特に計測せず)

単位出荷量 規定なし、倉庫がある程度一杯になったら

出荷頻度 各事業部の出荷数合計で年 5~6 回

発生量 不明(各事業部に分散しているため:それほど多くない)

今後の排出量予測 今後、製品当たりの発生量を減らしていく方針

処理の現況

処理を委託している業者 出荷ごとに入札制できめる。業者名は不明(各事業部に任せている)

事務所から最終処分場ま

での処理フロー 仕分け→工場内にストック→処理業者により一次処理場→(二次処理場)

処理コスト 不明(外見で判断?)

廃棄物 ソルダードロス

廃棄物の内容 はんだかすを集めたもの

発生工程 はんだかすを集めたもの

出荷時荷姿 石油缶詰め

運搬方法 2tトラック

かさ比重 不明(特に計測せず)

単位出荷量 規定なし、倉庫がある程度一杯になったら

出荷頻度 1 年に 1 回程度

発生量 年間 4.6t(2011 年)

今後の排出量予測 今後、単位当たりの発生量を減らしていく方針

処理の現況

処理を委託している業者 1 年ごとに入札制できめる。

事務所から最終処分場ま

での処理フロー

仕分け→工場内にストック→処理業者により一次処理場→(二次処理場)→(リ

サイクル品)

処理コスト PB フリーは有価売却、それ以外は委託処理だが、見た目で判断

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(3) 生産拠点:G

① 主な製品: カーCD ドライブ、カーDVD ドライブ

② 廃棄物発生量(2011 年度):非鉄金属関係 44t/月

③ 現場ヒアリング調査による現状の処理状況および課題等の把握:

・ 廃棄物としては、紙、プラスチックが多い。

・ 不良品等については機能破壊(車両で破砕し、水をまいて使用不能の状態)を実施して業者

に渡す。

・ 一次出荷先以降についてはヒアリングのみで実際に確認まではしていない。

④ 調査結果とりまとめ:

廃棄物 電子部品、電子機器不良品

廃棄物の内容 不良品、部品、PCB(部品付き)

発生工程 ラインから発生した NG 品

出荷時荷姿 袋詰め、ダンボール詰め

運搬方法 2t、5t、10tトラック

かさ比重 不明(特に計測せず)

単位出荷量 規定なし

出荷頻度 1 年に 1 回

発生量 年間 2.7t(2011 年)

今後の排出量予測 単位当たりの発生量を減らしていく方針

処理の現況

処理を委託している業者 1 年契約で問題なければ翌年も更新

事務所から最終処分場ま

での処理フロー

仕分け→工場内にストック→機能破壊→処理業者により一次処理場→(二次処

理場)

処理コスト 委託処理

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廃棄物 プリント基板(縁部分)

廃棄物の内容 プリント基板の縁、使用できない部分

発生工程 プリント基板数枚分の回路を書いた後切り取ったときの

残り

出荷時荷姿 袋詰め

運搬方法 2t、5t、10tトラック

かさ比重 不明(特に計測せず)

単位出荷量 規定なし

出荷頻度 1 年に 1 回

発生量 年間 38t

今後の排出量予測

製品生産数量が増えているため当該品の数量も増えて

いる。しかし、今後製品に載る基板が 2 個から 1 個にな

るため、将来的に当該品の発生量は減る見込み。

処理の現況

処理を委託している業者 1 年契約で問題なければ翌年も更新

事務所から最終処分場ま

での処理フロー 仕分け→工場内にストック→処理業者により一次処理場→(二次処理場)

処理コスト 有価売却

廃棄物 ソルダードロス

廃棄物の内容 はんだかすを集めたもの

発生工程 はんだかすを集めたもの

出荷時荷姿 缶詰め

運搬方法 2tトラック

かさ比重 不明(特に計測せず)

単位出荷量 規定なし

出荷頻度 新しいはんだを持ってきたとき

発生量 1,376.3kg

今後の排出量予測 今後、単位当たりの発生量を減らしていく方針

処理の現況

処理を委託している業者 ハンダメーカーが買取る

事務所から最終処分場ま

での処理フロー 仕分け→工場内にストック→ハンダメーカー引取り→(リサイクル品)

処理コスト 有価売却

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廃棄物 ソルダードロス(Pb フリー)

廃棄物の内容 鉛フリーはんだかすを集めたもの

発生工程 はんだかすを集めたもの

出荷時荷姿 缶詰め

運搬方法 2tトラック

かさ比重 不明(特に計測せず)

単位出荷量 規定なし

出荷頻度 新しいはんだを持ってきたとき

発生量 1,549.5kg

今後の排出量予測 今後、単位当たりの発生量を減らしていく方針

処理の現況

処理を委託している業者 ハンダメーカーが買取る

事務所から最終処分場ま

での処理フロー 仕分け→工場内にストック→ハンダメーカー引取り→(リサイクル品)

処理コスト 有価売却

(4) 生産拠点:H

① 主な製品: 換気扇、扇風機、水ポンプ、冷蔵庫

② 廃棄物発生量(2011 年度):不明

③ 現場ヒアリング調査による現状の処理状況および課題等の把握:

・ アセンブリのみを行っており、部品、サブアセンブリ製品の廃棄物がほとんど無い。

・ アセンブリ前の不良品は、出荷元へ返却している。

・ 一次出荷先以降についてはヒアリングのみで実際に確認まではしていない。

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④ 調査結果とりまとめ:

廃棄物 冷蔵庫筐体

廃棄物の内容 ライン内で NG となった冷蔵庫の筐体、内部の部品は抜いてある

発生工程 傷や汚れなどでライン内で NG となったもの

出荷時荷姿 そのままの形状

運搬方法 10tトラック

かさ比重 不明(特に計測せず)

単位出荷量 規定なし

出荷頻度 3 ヶ月に 1 回程度

発生量 年間 1,000 台未満

今後の排出量予測 発生量を減らしていく方針

処理の現況

処理を委託している業者 その都度入札

事務所から最終処分場ま

での処理フロー 仕分け→工場内にストック→処理業者により一次処理場→(二次処理場)

処理コスト 有価売却

廃棄物 プリント基板

廃棄物の内容 部品付プリント基板

発生工程 ライン内で NG となったもの

出荷時荷姿 ダンボール詰め

運搬方法 2tトラック

かさ比重 不明(特に計測せず)

単位出荷量 規定なし、倉庫がある程度一杯になったら

出荷頻度 3 ヶ月に 1 回程度

発生量 年間 50kg

今後の排出量予測 発生量を減らしていく方針

処理の現況

処理を委託している業者 1 年ごとに入札制できめる。

事務所から最終処分場ま

での処理フロー 仕分け→工場内にストック→処理業者により一次処理場→(二次処理場)

処理コスト 委託処理

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廃棄物 アルミニウム

廃棄物の内容 アルミニウムの廃材

発生工程 冷蔵庫の筐体用、ライン内で NG となったもの

出荷時荷姿 ダンボール詰め

運搬方法 2tトラック

かさ比重 不明(特に計測せず)

単位出荷量 規定なし、倉庫がある程度一杯になったら

出荷頻度 3 ヶ月に 1 回程度

発生量 年間 900kg

今後の排出量予測 発生量を減らしていく方針

処理の現況

処理を委託している業者 その都度入札

事務所から最終処分場ま

での処理フロー 仕分け→工場内にストック→処理業者により一次処理場→(二次処理場)

処理コスト 有価売却

5-3 タイ国における既存リサイクル事業者の調査

前述のとおり、タイでは輸入原料の減免制度が存在する。これは投資委員会(BOI:Board of

Investment)スキームに基づく輸出のための物品・素材輸入関税に対する免税と言われ、輸出生産

用の生産用機械設備、原材料・部品の輸入関税が免除される。生産工程で発生した廃棄物について

も、タイ国内で販売してしまうと免税の対象外となってしまう可能性が高く、輸出を選択する方向

にある。そのため、タイ国内では通常のスクラップ事業者以外にも輸出専門の商社等も存在し全体

像を把握し難くなっている。今回の調査企業でも恩典のため輸出している企業も多い中、実際に出

荷しているリサイクル事業者等を調査した。

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5-3.1 Namoya Shinpo Nations Group Co.,ltd.

取扱品目

廃棄物(紙、プラスチック、ゴム、一般)

一般廃棄物には、アルミニウム、銅、ニッ

ケル、亜鉛などのスクラップ、非金属スク

ラップ、エレクトロニクススクラップ(少数)

発生量(月) 不明

回収頻度 毎日 発生工程 タイ全国の事業所から発生するロ

ス品、使用済み製品の回収

処理方法 手解体、分別、選別、破砕、粉砕 処理コスト 不明

運搬

二次処理業者が取りに来るケースと

Wongpanit のトラックを使うケースがあ

る。輸出向けは後者のみである。

荷姿 フレコン、ダンボール

販売状況

回収した廃棄物は、選別→コンパクト化

→タイ国内に販売もしくは海外へ輸出

買取時、売却時は入札を行うこともある

設備状況 破砕機、粉砕機、圧縮機など

概要

同社は、タイ全国から廃棄物を回収し、

選別したあと、二次処理業者へ売却す

る。最近は、中国、韓国、日本向けの輸

出が多い。エレクトロニクススクラップは

少量である

敷地面積 不明

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5-3.2 Wongpanit Garbage Recycle Separetion Plant

取扱品目

紙、プラスチック、金属、E-Waste(プラス

チック、ガラス、アルミニウム、鉄・スチー

ル、プリント基板、モーター、ケーブル、

その他)

E-Waste の 95%がコンピュータ、モニタ

やそれらのアクセサリから発生

発生量(月)

全ての廃棄物を合わせると約

3,000t、ただし、E-Waste はまだ少

ない

回収頻度 毎日 発生工程

①タイ全国の事業所から発生する

ロス品、使用済み製品の回収

②タイ全国の事業所を回っている

回収業者から廃棄物の購入

③E-Waste については①、②とも

ある

処理方法 手解体、分別、選別、破砕、粉砕、溶解 処理コスト

E-Wastの購入価格(単位kg):

プリント基板(IC付き:コンピュータ/TVモ

ニタ) 2.00B

プリント基板(ハードディスク) 100.00B

プリント基板(CPU) 50.00B

TV 0.50B、携帯電話 2.00B、事

務機器 5.00B

運搬

二次処理業者が取りに来るケースと

Wongpanit のトラックを使うケースがあ

る。輸出向けは後者のみである。

荷姿 フレコン、ダンボール

販売状況

リサイクル可能なものは、選別→コンパ

クト化→タイ国内に販売もしくは海外へ

輸出

リサイクル不可能なものの一部は一時

保管して使用用途を開発

設備状況 破砕機、粉砕機、圧縮機、溶解炉

など

概要

E-Waste は同社が今後注目している廃

棄物であるが、今のところ発生量は少な

い。主力は、紙、プラスチック、メタル、ガ

ラスなどである。

現在、リサイクル不可能な E-Waste の

内、大学などと再利用の方法について開

発を行っているものもある。

敷地面積 不明

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5-3.3 Thanakhun Metal Co.LTD

取扱品目

ステンレス:家庭用品

ニッケル:アロイ品(Ni60%、Fe40%)

銅、アルミ:99%

発生量(月)

ステンレス(304):1500t

ニッケル:50t

銅:50t

アルミ:100t

回収頻度 工場から出るものは買わない 発生工程

タイ国内の工場から、回収業者に

よって発生ロス品、廃棄物などを

回収

処理方法 手解体、分別、選別、圧縮 処理コスト

ステンレス(304):50 バーツ/kg

ニッケル(99%):450-500 バーツ

/kg

銅:220 バーツ/kg

アルミ:39-40 バーツ/kg(UPC

Price)

運搬 搬入は回収業者から

搬出は自社で行っている 荷姿 フレコン

販売状況

ステンレス:台湾、日本メーカー中心

YISCO、WALSIN、日新製鋼、阪和興業

*インドのエージェントも来ている

設備状況 圧縮機(ソフト、ハード)

概要

同社は廃棄物を国内に出荷しているが、

海外は輸出に関するライセンスが必要で

直接出来ない。

中国、台湾、日本人へ売ることで輸出し

ている。その先はどうしているか把握し

ていない。

敷地面積 1600×8 ㎡

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5-3.4 V.P.Lohakij.Co., LTD.

取扱品目

銅:電線、電子部品の一部

アルミニウム:自動車アルミダイキャス

ト、建材、スプレー缶、なべ・たらいの廃

真鍮:トイレ部品、仏教関係の器、オブジ

発生量(月)

1,500t~2,000t/月

アルミニウム:70%

銅:20%

真鍮:10%

回収頻度 工場から出るものは買わない 発生工程

タイ国内の工場から、回収業者に

よって発生ロス品、廃棄物などを

回収

処理方法 手解体、分別、選別、圧縮、溶解 処理コスト 不明

運搬 搬入は回収業者から

搬出は自社で行っている 荷姿 フレコン

販売状況

アルミ:DAIKI ALUMINIUM

INDUSTRY(THAILAND)CO.,LTD(大紀ア

ルミニウム工業所、日本軽金属の合弁

企業)

銅:韓国、中国の業者

真鍮:タイ国内

*分別、選別し溶解して圧縮または延棒

にして最終処理業者へ出す

設備状況 圧縮機約 10 台

溶解炉(原料重油)

概要

アルミは、DAIKI などが大国内でリサイク

ルし、タイを中心とする東南アジアの自

動車工場に販売している

敷地面積 -