みらい創りの全国展開 - fuji...

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技術論文 72 富士ゼロックス テクニカルレポート No.27 2018 みらい創りの全国展開 Expanding the Mirai Zukuri (future creation) Initiative Nationwide 富士ゼロックスは、地域をつなぐコミュニケーションプ ロセスを通じて地方創生への貢献を加速するため、「みら い創り ® 」の全国展開を開始した。本プロセスにおける具体 的行動は、展開先の地域や参加者との対話から生まれるも のであり、事前に標準化して直接的に示すことは難しい。 そこで、行動指針として「心得」の記述を試みた結果、「正 解」「主張」「恐れ」などにみらい創りを推進する担当者が 無意識にとらわれていることが、参加者との共創活動を阻 害していることに筆者らは気づいた。こうした前提を踏ま え、参加者と仲間となり、持続的な学び合いを体験するプ ログラム「みらい創り研修」を設計・実施した。これまで 70名が受講し、岩手県遠野市から始まったみらい創りは 11拠点まで広がっている。現在は、地域だけではなく、組 織のみらい創りへの貢献を目指し活動の輪を広げている。 Abstract Fuji Xerox has begun expanding the Mirai Zukuri (future creation) initiative nationwide to accelerate the revitalization of local economies using a communication process designed to connect communities. Standardizing the specific actions that comprise the Mirai Zukuri process, however, has proven difficult. This is because the actions in the process vary between each implementation and the unique dialog with local community and participants that ensues. While the authors attempted to stipulate guiding principles for the process, they discovered that organizers were subconsciously swayed by three factors— assumptions, insistence, and fear—and that these impeded collaboration. Based on this observation, the authors designed the Mirai Zukuri training program to enable organizers to establish sustainable, reciprocal learning relationships with participants. As of now, 70 people have completed the program, and due to their efforts, the Mirai Zukuri initiative (first introduced in Tono City, Iwate), is now implemented in 11 different locations. Now, Fuji Xerox is working to extend the initiative beyond local communities and into corporate organizations. 執筆者(Author水谷美由起(Miyuki Mizutani涌井美帆子(Mihoko Wakui尾崎夏穂(Nao Ozaki飯田 靖(Kiyoshi Iida研究技術開発本部 コミュニケーション技術研究所 Communication Technology Laboratory Research & Technology Group【キーワード】 コミュニケーション、つなぐ、手放す、生み出す、行動、みら い創り、学び合い、地域、組織、地方創生 Keywordscommunication, relationship-building, release, generate, action, Mirai Zukuri, future creation, reciprocal learning, local community, organization, regional revitalization

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  • 技術論文

    72 富士ゼロックス テクニカルレポート No.27 2018

    みらい創りの全国展開 Expanding the Mirai Zukuri (future creation) Initiative Nationwide

    要 旨 富士ゼロックスは、地域をつなぐコミュニケーションプ

    ロセスを通じて地方創生への貢献を加速するため、「みら

    い創り®」の全国展開を開始した。本プロセスにおける具体

    的行動は、展開先の地域や参加者との対話から生まれるも

    のであり、事前に標準化して直接的に示すことは難しい。

    そこで、行動指針として「心得」の記述を試みた結果、「正

    解」「主張」「恐れ」などにみらい創りを推進する担当者が

    無意識にとらわれていることが、参加者との共創活動を阻

    害していることに筆者らは気づいた。こうした前提を踏ま

    え、参加者と仲間となり、持続的な学び合いを体験するプ

    ログラム「みらい創り研修」を設計・実施した。これまで

    70名が受講し、岩手県遠野市から始まったみらい創りは

    11拠点まで広がっている。現在は、地域だけではなく、組

    織のみらい創りへの貢献を目指し活動の輪を広げている。

    Abstract

    Fuji Xerox has begun expanding the Mirai Zukuri (future creation) initiative nationwide to accelerate the revitalization of local economies using a communication process designed to connect communities. Standardizing the specific actions that comprise the Mirai Zukuri process, however, has proven difficult. This is because the actions in the process vary between each implementation and the unique dialog with local community and participants that ensues. While the authors attempted to stipulate guiding principles for the process, they discovered that organizers were subconsciously swayed by three factors—assumptions, insistence, and fear—and that these impeded collaboration. Based on this observation, the authors designed the Mirai Zukuri training program to enable organizers to establish sustainable, reciprocal learning relationships with participants. As of now, 70 people have completed the program, and due to their efforts, the Mirai Zukuri initiative (first introduced in Tono City, Iwate), is now implemented in 11 different locations. Now, Fuji Xerox is working to extend the initiative beyond local communities and into corporate organizations.

    執筆者(Author) 水谷美由起(Miyuki Mizutani) 涌井美帆子(Mihoko Wakui) 尾崎夏穂(Nao Ozaki) 飯田 靖(Kiyoshi Iida) 研究技術開発本部 コミュニケーション技術研究所 (Communication Technology Laboratory Research & Technology Group)

    【キーワード】

    コミュニケーション、つなぐ、手放す、生み出す、行動、みら

    い創り、学び合い、地域、組織、地方創生

    【Keywords】 communication, relationship-building, release, generate, action, Mirai Zukuri, future creation, reciprocal learning, local community, organization, regional revitalization

  • 技術論文

    みらい創りの全国展開

    富士ゼロックス テクニカルレポート No.27 2018 73

    1. はじめに

    富士ゼロックスでは、地域と共により良い未来を探求し

    共創する地方創生活動を「みらい創り」と称し、その実施

    プロセスとして「地域をつなぐコミュニケーションプロセ

    ス」を提案・試行してきた。みらい創りを全国に広めるに

    は、本プロセスの担い手を増やし、行動を促す必要がある。

    しかしながら、現場で求められる具体的行動は、展開先の

    地域や参加者との対話から生まれるものである。そのため、

    事前に標準化してマニュアルを整備することは難しい。そ

    こでまず、本プロセスのこれまでの実践者たちが大切にし

    てきた「心得」の記述を試みた。そして、その心得を体感

    できるような研修プログラムを設計・実施した。その結果、

    2014年には「遠野みらい創りカレッジ1)」1拠点であった

    みらい創りの活動拠点は、2018年1月時点で北は北海道

    から南は九州まで全国11拠点にまで広がった。

    本稿では、みらい創りの心得と研修プログラムの詳細に

    ついて述べる。第2章では心得を作成する背景となった、

    地域をつなぐコミュニケーションプロセスとその展開に向

    けた課題について説明し、第3章では心得の内容について

    述べる。第4章では心得を体感するために設計したみらい

    創り研修について説明し、第5章では全国展開の結果を述

    べる。最後に、第6章では今後の活動の展開可能性につい

    て触れる。

    2. 地域をつなぐコミュニケーションプロ

    セス

    地域をつなぐコミュニケーションプロセス2), 3)は複雑化

    する社会課題に地域住民、行政、大学、NPO、企業など皆

    で向き合い、地域を元気にしたいという願いから設計され

    たものである。具体的には、図1に示すように、次の4ステッ

    プで構成される。第1ステップとして個人が自らの所属す

    る組織を離れて人とつながり、第2ステップで自分ごとと

    して仲間とやりたいテーマを出し、第3ステップで小さく

    具体化し、第4ステップで活動成果を発表する。プロセス

    は、「聴くこと」と「待つこと」を重要な軸としている。こ

    れらを軸とした背景には、社会課題の性質の変容がある。

    2.1 社会課題の変容に伴う実行型から学習型

    への組織変容ニーズのシフト

    現代の社会課題は、日本国内では少子高齢化に起因する

    諸問題、世界的には人口増加と食糧難、環境問題など、も

    はや要素に切り分けて解けるレベルをはるかに超えた複雑

    さを示す。これを形容して「VUCAワールド」や「VUCA

    時代」という言葉が近年よく聞かれるようになった。

    VUCAはVolatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、

    Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字を

    取った単語である。1990年代後半に米国で軍事用語とし

    て生まれ、2010年ごろからは予測が極めて困難で曖昧模も

    糊こ

    とした現状を表す言葉としてビジネス用語としても使わ

    れるようになった。

    我々は2011年3月の東日本大震災をきっかけとして、

    VUCA時代をありありと認識し、対峙してきた。米国ゼ

    ロックス・コーポレーションを創設したJ. C. ウィルソン

    の経営哲学は次の言葉で象徴される。「我々のビジネスの目

    標は、より良いコミュニケーションを通じて、人間社会の

    より良い理解をもたらすことである」。これからのより良い

    コミュニケーションとは、何であろうか。より良い理解を

    今いちばん必要としている人間社会はどこであろうか。

    我々は、社会課題の先進地として地方都市に着目し、地

    域を元気にするより良いコミュニケーションプロセスの研

    究開発に取り組んだ2)。その過程で、これまで実行機能を

    担ってきた組織であっても、「学習」を取り入れる必要性が

    高まっていることを学んだ3)。実行機能を担う組織では、計

    画されたことを実行するためPlan-Do-Check-Action

    (PDCA)プロセスが用いられている。これは、計画を正

    確に立てることができれば、効率的で合理的なプロセスと

    なる。しかしながら、前述したVUCA時代においては、正

    確な計画立案を前提とすることは、現実的ではない。精緻

    な計画を立てたとしてもすぐに状況が変化し、見直しが必

    要となる。そこで、変化する状況に寄り添いながら目指す

    状態に近づいていくにはどうしたら良いか。今ある知識と

    プロセスでは足りないため、学習を取り入れるとして具体図1 地域をつなぐコミュニケーションプロセス

    関連動画をご覧いただけます。

  • 技術論文

    みらい創りの全国展開

    74 富士ゼロックス テクニカルレポート No.27 2018

    的にはどのような手順があり得るのか。我々は、PDCAプ

    ロセスが前提とする過去の専門家から学ぶモデルに限界が

    あることから、未来の自分から学ぶモデルを前提として置

    こうと考えた。その視点から、「学習する組織」4)と「U理

    論」5)、「 正しょう

    法ぼう

    眼げん

    蔵ぞう

    」6)に着目した。

    学習する組織とは、「目的に向けて効果的に行動するた

    めに、集団として『自覚』と『能力』を継続的に高め続け

    る組織」と定義される。そして、そのコア能力として次の

    3つが挙げられている。①システムを観る、②境界を超え

    て共創する、③大志を育む/ビジョンを持つ。U理論は、

    これらのコア能力を展開するために有効なプロセスとして

    次の手順を提案する。これまでの考え方や行動を一度保留

    し、事実を偏見なく観察し、こだわりを手放し、新たな気

    づきを迎えて行動を始める。また、禅僧・道元が著した正

    法眼蔵のうち、第一巻の「現げん

    成じょう

    公こう

    案あん

    」には、自らを学び、

    自己を忘れ、よろずのものに教えられることで自分と他人

    の境界がなくなることが記述されている。

    VUCA時代においては、未来の自分から学び、人と人と

    のより良いコミュニケーションを実現することこそが、地

    域を元気にすることにつながる。我々は、話すより「聴く」

    ことで自我を薄め自分のこだわりや偏見を手放し、共通価

    値の気づきを「待ち」、立ち現れる最高の未来を迎え入れる

    ことに価値を置き、図1に示したコミュニケーションプロ

    セスを考案した。

    2.2 みらい創りの全国展開と課題

    これまで我々が行ってきたコミュニケーションプロセ

    スの主な実施形態は、対話会である。したがって、みらい

    創りを全国に展開することとは、コミュニケーションプロ

    セスの①人脈形成、②テーマの特定、③テーマの具体化、

    ④普及・定着という4つのステップに沿って、対話会を複数

    回構成・実施していくことを意味する。

    対話会で用いる手法はホールシステム手法群である。た

    とえば、2人1組になって相手の物語に耳を傾ける形式や、

    6人ずつのテーブルを複数設けて一定時間で席替えをしな

    がらなるべく多くの人の想いを受けとめようとする形式な

    ど、さまざまなものが提案されている7)。先述した「U理論」

    に基づく実施手順書も複数公開されている8)。いずれの手

    法も、個人の想いに気づくこと、その想いを物語として語

    ること、他者の語りを評価することなく個人として心で聴

    くこと、すなわち「聴くこと」「待つこと」を促すデザイン

    となっている。言葉以外の表現を取り入れた手法も紹介さ

    れているが、現状では主に、話し合いによる手法を中心に

    コミュニケーションプロセスのステップごとに対話会を構

    成している。

    全国展開にあたり、本プロセスの提案者である研究チー

    ムのメンバー以外であっても対話会の構成と展開地域での

    実施をできるよう支援環境を整備した9)。具体的には、コ

    ミュニケーションプロセスの説明ビデオ10)や具体的な実

    施手順のガイドブック、実施事例の紹介ビデオ11),12)、実施

    にあたり大切にしている実践知集13)-15)などである。

    これら支援環境を提供し、各地域への展開を開始したと

    ころ、PDCAを使い慣れたビジネスパーソンの中には、「ビ

    デオと手順や実践知の記述を読むだけでは、みらい創りの

    現場で具体的に自信を持った行動までたどり着けない」と

    いう声を寄せる人もいた。そして、プロセスに慣れた研究

    チームのメンバーが、活動立ち上げにあたり現地で立ち会

    わなければならない状況が生じた。

    PDCAとみらい創りとでは、具体的行動としては真逆と

    なる場合があることが戸惑いをもたらしていた。たとえば、

    岩手県遠野市の事例では、閉校になった中学校を利用して

    「遠野みらい創りカレッジ」を開校しており、これが成功

    事例として示されている。しかし、それならば、みらい創

    りのテーマは、すべて「廃校利用」が正解かというと、そ

    うとはかぎらない。神奈川県南足柄市の事例では市役所側

    からの「廃校利用」の申し出をいったん保留して、まず我々

    は地域での対話会の開催を提案した16)。これは、遠野市で

    は「廃校利用」が地域をつなぐコミュニケーションプロセ

    ス実施の結果として出てきたが、南足柄市にも当てはまる

    とはかぎらないからである。同様に、長崎県壱岐市の事例

    では、最初に対話を行った結果、「廃校利用」ではなく、「農

    業活性化」「地域資源を活用した観光ツアー」のテーマが挙

    がった17)。

    3. みらい創りの心得

    このように、地域をつなぐコミュニケーションプロセス

    に基づく具体的行動は、展開先の地域や参加者との対話か

    ら生まれるものであり、事前に標準化して直接的に示すこ

    とは難しい。そこで、複数の地域で共通して生じる現地担

    当者の葛かっ

    藤とう

    と、それに対して有効に作用した行動を整理し、

    指針となる心得の記述を試みた。結果、「正解」「主張」「恐

    れ」といった無意識にとらわれている前提に気づき、これ

    らを手放すことが、現場で参加者と共に行動を生み出すこ

    とに有効に作用することがわかった18)。

    これら3つを手放すという心得は遠野市や南足柄市、壱

    岐市などでの活動記録や現地で活動するメンバーへの聞き

    取り調査を元に、次に説明するパターン・ランゲージ3.0の

  • 技術論文

    みらい創りの全国展開

    富士ゼロックス テクニカルレポート No.27 2018 75

    手法を用いて、「正解を手放す」「主張を手放す」「恐れを手

    放す」の3つのパターンとして記述した。

    3.1 心得の記述方法

    パターン・ランゲージ3.0は、学びや教育や変革活動など

    の人間行為に関わる実践知の記述方法として提案されてい

    る手法である。課題や問題に従事する者を、相互に学び合

    いながら実践するコミュニティーの当事者として扱うこと

    を特徴としている19)。

    パターン・ランゲージ3.0では、まず有効に作用した行動

    事例を集め、それらを起点として問題の本質を掘り下げて

    いく。そして最終的に現場で使える複数の「具体的な行動

    例」と、それをどのようなときに使うと良いのかについて、

    「状況」、「問題」、「背後にある葛藤」、「解決」、「予想され

    る顛てん

    末まつ

    」の5要素で整理する。これら6要素を1つの実践知

    として名前を付け、現場で使える語彙として提供する。

    これまでも実践知集として、地域とみらい創りプロセス

    を推進するために必要な基礎的な13語13)、対話会におけ

    る参加者への「おもてなし」に焦点を絞った4語14)、地域

    のかたがたや行政などさまざまなステークホルダーと一体

    になりながら進めるための実践的な7語15)を記述・提供し

    てきた。しかしながら、これらは主にみらい創りが始まっ

    てからのシーンを対象としており、これまでみらい創りの

    実践経験を持たない担当者が、新たにみらい創り拠点を立

    ち上げるには不十分であった。

    繰り返し述べてきたとおり、みらい創りは一回性の事象

    であり“専門家”はいない。存在するとすれば、担当する

    地域と、そして自分自身と真摯に向き合う個人である。特

    に、地域をつなぐコミュニケーションプロセスの第1ス

    テップ、「自らの所属を離れて人とつながる」ことを最後ま

    で忘れずにただただ向き合おうとするときに、迷いや戸惑

    いを感じることが多くある。そのときに、立ち戻れる一つ

    のよりどころとして心得を記述した。

    次に3つの心得の詳細として、それぞれについて「葛藤」

    と「具体的な行動例」を示す。

    3.2 心得1:正解を手放す

    これまで信じてきた正解を一度手放し、未来は開かれて

    いることを認識すれば、未来は自分で創ることができるよ

    うになる。しかし、しばしば次の葛藤が起きる。

    �● みらい創りには答えはなく、過去事例はヒントであると

    頭では理解していても、過去の成功事例を分析し、その

    とおりに進めたくなってしまう。

    �● 他地域での成功事例をなぞって実施するものの、自分の

    担当する地域にはうまく当てはまらない。

    �● 自分なりの工夫が生まれない。自分の過去の経験がうま

    く生かせない。

    このような葛藤に対し、次のような行動が有効であった。

    1) たくさんの事例を並べて観察する。これまでのみらい

    創り活動についての紹介映像や各自治体による報告

    資料などを、何の前提も置かずにただただ眺めること

    は、活動の多様性を知り正解がないということを実感

    することにつながる。

    2) 自分の現場を思い浮かべて、今の不安を認識する。不

    安を誰かに聞いてもらう。不安は、正体がわかればも

    う恐れるに足る存在ではなくなることを感じ取ること

    ができ、そのままの自分を受け入れることにつながる。

    3) 一緒に活動している仲間たちや、同じような課題を抱

    えている人と不安を共有する。自分と同じような立場

    でみらい創りに取り組み始めた仲間と、体験を共有す

    るワークショップをやってみる。たとえば各人が5~

    10分で率直に、不安に思っていることや迷いを感じて

    いることを話してみる。話すことは自分の思考パター

    ンを再認識する機会となり、聴くことは活動の多様性

    を知り、正解がないことを実感することにつながる。

    3.3 心得2:主張を手放す

    最高の未来を決めるのは、私でもあなたでもなく、我々

    の間に立ち現れるもの。そのためにお互いの主張は手放し

    たい。しかし、しばしば次の葛藤が起きる。

    ●� みらい創りで地域の声を取り入れることが大切だとは

    知っている。しかし一方で、ビジネスの場において顧客

    である地域や自治体の職員のかたに時間をもらったと

    きには、事前に十分な準備をし、仮説を整えて持参しな

    ければ失礼にあたる。みらい創り活動でも、仮説を持参

    するべきではないか。

    ●� みらい創りに取り組むのは初めてだ。恥ずかしい思いを

    しないように、隙のない仮説を持っていかなければ、と

    構えてしまう。その結果、接する人たちの気持ちや想い、

    アイデアが入り込む余白がなくなってしまい、「共創」

    にならなくなってしまう。

    このような葛藤に対し、次のような行動が有効であった。

    1) 坐禅を組む。普段の意識的思考が頭を支配している環

    境において、自分の内なる声を聴き取るのは非常に困

    難である。そこで、「何も考えない」という時間を意

    識的に作る。そのために、坐禅の手順は参考になる。

    坐禅堂を訪れてしっかりと時間を取れば高い効果が

  • 技術論文

    みらい創りの全国展開

    76 富士ゼロックス テクニカルレポート No.27 2018

    期待できるが、自席において短時間で行える「椅子坐

    禅」でも効果は得られる。

    2) 事前に準備したシナリオがあっても、それをポケット

    にしまってまず傾聴する。目の前にいる人が今、感じ

    ていることは何か。そこにまず耳を傾けてから自分の

    持ってきた話をしても、遅くはないはず。まずは真っ

    白な気持ちで、話を聴くように努める。

    3.4 心得3:恐れを手放す

    最高の未来を創れるのは、自分自身。そのままの自分が、

    いちばんの専門家である。恐れを手放せば一歩を踏み出せ

    る。しかし、しばしば次の葛藤が起きる。

    �● 自分はまだ対話会を実施したことがない。実施の手順書

    はあるが実地体験はない。地域や自治体職員のかたを含

    む対話会が、経験豊富な人の同席なしにできる気がしな

    い。

    このような葛藤に対し、次のような行動が有効であった。

    1) 取り組もうとしている地域課題は、一回性であり、経

    験者はいない。そのことを認識したうえで、身近な職

    場の同僚と模擬対話会を実施し、対話会実施手順につ

    いての不安を解消する。

    2) 新しいことをやることに対して漠とした不安がある

    だけかもしれない。であれば、とにかくやったことが

    ないことに同僚や友人とチャレンジし、自信をつける。

    3) 普段使っていないコミュニケーション手段をあえて

    使ってみる。言葉だけがコミュニケーションの手段で

    はない。歌を歌ったりダンスを踊ったり、コミュニ

    ケーション手段は多様である。同僚や友人数名に1時

    間ほど協力してもらい、普段使っていない手段を試し、

    新しい体験に対する恐怖を和らげ、柔軟性を上げる練

    習をする。

    4. みらい創り研修

    心得の記述により「正解」「主張」「恐れ」といった無意

    識にとらわれている前提を「手放す」ことが、現場で多様

    な参加者と共にみらい創りの行動を生み出すことにつなが

    ることがわかった。しかしながら、自らが無意識に持って

    いる前提に、日常の中で気づくのは難しい。そこで、これ

    からみらい創りに取り組もうとする仲間と共に、禅寺とい

    う非日常に身を置き、自分の持つ前提に耳を澄ます「みら

    い創り研修」を設計・実施した。

    研修受講後も、常に先行している他地域の事例から学び

    合えるように、研修を起点としたみらい創りの学習コミュ

    ニティーを構築し、オンラインでの交流の場「オンライン

    みらい創り対話会」を設けた20)。コミュニティーのメン

    バーで月1回のビデオ通話を利用したオンライン対話会を

    開催し、現在も継続している。ここで目指す学習とは、「別々

    の対面プログラムの参加者同士が、相互の経験や気づきの

    共有を通じて新たな考え方を獲得すること」とした。全国

    の他の地域ではどんなことが起きているのか、同じプロセ

    スを用いたとしても、どのような結果のバリエーションが

    あるのか。さまざまな人の語りを通じてそれらを知ること

    こそが、つい無意識に見過ごしてしまうような、自分の持っ

    ている前提に気づくきっかけとなっている。

    4.1 研修プログラムの設計思想

    どうすれば、「正解」「主張」「恐れ」を手放せるのか。み

    らい創りは一回性の事象であり“専門家”はいない。これ

    はどのようにしてお伝えできるだろうか。我々は、これを

    伝える最も効果的な方法は、我々自身が研修実施の都度

    やって見せることだと考えた。そこで、みらい創り研修の

    プログラムの中では、毎回実施する禅寺での修行体験に加

    え、我々がその日の参加者のためだけに新たに設計する一

    度かぎりのプログラムを行う枠として「対話基本プロセス

    習得演習」という時間を設け、実施してきた。

    4.2 集合研修のプログラム

    禅寺での集合研修の具体的なプログラム内容を紹介す

    る。1日目は、心得カードを用いた自己紹介(図2)、写経、

    坐禅などを行う。

    2日目は再び坐禅を行い、朝のご祈祷と作務を行う。1日

    目の夕食と2日目の朝食は修行の作法に倣なら

    っていただく。

    図2 心得カードを用いた自己紹介

  • 技術論文

    みらい創りの全国展開

    富士ゼロックス テクニカルレポート No.27 2018 77

    そして2日目の9時から15時までの時間枠では、「想いを乗

    せる紙ヒコーキ」や「みらい創りボードゲーム実践」(図3)

    「みらい創りトランプ大会」など、その日、そのメンバー

    のためだけに特別に準備したさまざまなプログラムを実践

    してきた。

    プログラムのスケジュール例を図4に示す。

    5. みらい創りの広がり

    禅寺という非日常に身を置き、前提に耳を澄ます「みら

    い創り研修」は、過去2年間で10回実施され、70名が受講

    した。結果、みらい創りは、2018年1月時点で図5に示す

    11カ所に広がっている。北は北海道美瑛町から、南は鹿児

    島県徳之島町まで、さまざまな地域でみらい創りが始まっ

    ている。

    図5のオレンジ色の丸で示した地点は地域をつなぐコ

    ミュニケーションプロセスを用いて参加者がお互いの想い

    を語り、傾聴し合う「みらい創り対話会」の開催実績のあ

    る場所である。緑星で示した地点は、そのような対話会に

    より見いだされた「やってみたいこと」を実現するための

    活動「みらい創りプロジェクト」まで含めて取り組まれた

    実績のある場所である。

    6. おわりに

    みらい創りの全国展開について、これまでの歩みを振り

    返った。

    オンラインみらい創り対話会はこれまでみらい創り研

    修卒業生のみを対象としてきたが、試験的に地域のかたが

    たも含めて、全国のみらい創り拠点をつなぐ試みを始めて

    いる21)。

    前提に気づき、これを手放すことで課題の本質が見える

    という構図は、地域の課題だけではなく、組織の課題にも

    当てはまり、解決策を探るプロセスに活用できる。

    たとえばこのプロセスを活用して、環境経営について対

    話を通じて本質をつかみ、メンバーそれぞれが気づきを得

    て主体的な行動につなげようとする活動22)が起こった。ま

    図3 みらい創りボードゲーム

    時刻 プログラム

    二日目

    (起床)4:30暁天(坐禅)

    5:30朝課~祈祷

    6:30小食(朝食)

    7:30作務

    9:00対話演習の説明

    9:30

    対話基本プロセス習得演習Ⅰ

    11:30昼食

    12:30

    対話基本プロセス習得演習Ⅱ

    15:00気づきの共有とチェックアウト

    16:00現地解散

    沈黙

    静けさの中での対話

    図4 みらい創り研修のプログラム

    図5 みらい創りの展開先 時刻 プログラム

    一日目

    12:0012:25集合

    13:00 参加者同士の自己紹介(みらい創りの実践知、心得カードを用いたチェックイン)

    14:15 参籠に関する説明、本研修の狙い

    15:00

    法話

    16:30 写経

    17:30

    薬石(夕食)

    19:00 入浴

    20:00 坐禅

    21:00 開枕(就寝)

    沈黙

    徐々に沈黙へ・・・

    松崎町での活動の様子を

    動画でご覧いただけます。

  • 技術論文

    みらい創りの全国展開

    78 富士ゼロックス テクニカルレポート No.27 2018

    た、経営トップの想いを対話により共有し、参加メンバー

    が全社の共通価値に触れることで、「最高の未来」を組織と

    して迎え入れ、自分起点の組織変革につなげようとする活

    動23)、地域・大学・企業が共同して社会課題に取り組むと

    きに必要な枠組みを新たに探求する活動24)などが起きて

    いる。

    今後は、働き方変革など組織のみらい創りへの貢献も視

    野にみらい創り活動の輪を広げていきたい。

    商標について

    みらい創り、みらい創りカレッジ、みらい創りキャンプは、富士ゼロックス株式会社の日本における登録商標です。

    �その他の商品名、会社名は、一般に各社の商号、登録商標または商標です。

    参考文献

    1) 地域社会の未来をひらく-遠野・京都二都をつなぐ物語-, 遠野みら

    い創りカレッジ(編), 水曜社, (2015).

    2) 高橋正道, 涌井美帆子, 堀田竜士, 林 直樹, 河野克典: “コンタクティビティ−岩手県遠野市における持続的な地域共創活動を支援・促進する方法のケーススタディー”, 電子情報通信学会技術研究報告, ヒューマ

    ンコミュニケーション基礎114(517), pp.1-6, (2015).

    3) 河野克典: “地域をつなぐコミュニケーションプロセス”, 富士ゼロッ

    クステクニカルレポート, No.25, pp.4-13, (2016).

    https://www.fujixerox.co.jp/company/technical/tr/2016/pdf/s_01.pdf (参照日: 2018.01.10)

    4) ピーター・M・センゲ: 学習する組織−システム思考で未来を創造する, 枝廣淳子, 小田理一郎, 中小路佳代子, 英治出版, (2011).

    5) オットー・C・シャーマー, カトリン・カウファー: 出現する未来から

    導く−U理論で自己と組織、社会システムを変革する, 由佐美加子, 中土井 僚, 英治出版, (2015).

    6) 道元: 正法眼蔵(一), 水野弥穂子(校注), p.54, 岩波書店, (1990).

    7) アニータ・ブラウン, デイビッド・アイザックス, ワールド・カフェ・

    コミュニティ: ワールド・カフェ-カフェ的会話が未来を創る-, 香取

    一昭, 川口大輔, ヒューマンバリュー, (2007).

    8) Presencing Institute: https://www.presencing.org/#/resource/tools(参照日: 2018.1.11)

    9) 堀田竜士, 涌井美帆子, 飯田 靖: “地域共創プロセスの水平展開を支

    援するプラットフォームの構築”, 地域活性研究, vol.8, (2017).

    10) 富士ゼロックス 地域をつなぐコミュニケーションプロセス:

    https://www.youtube.com/watch?v=3PoubdEVbMM ( 参 照 日 : 2018.01.10)

    11) 富士ゼロックス 子どもたちと地域のみらい創り(成長編):

    https://www.youtube.com/watch?v=g6o-dXwIOgc ( 参 照 日 : 2018.01.10)

    12) 地域の人々が描いたみらいの実現 ~松崎町~:富士ゼロックス:

    https://www.youtube.com/watch?v=pPlr8bBWsjY ( 参 照 日 : 2018.02.20)

    13) M. Mizutani, M. Takahashi; "Patterns for a Company to Collaborate with Local Community on Social Issues", Proc. of 22nd Conference on Pattern Languages of Programs (PLoP), PLoP'15, (2015).

    14) M. Mizutani, M. Wakui, N. Ozaki; "Patterns for Collaboration between companies and Local Communities on Social Issues: Co-facilitating Dialogue Workshops", Proc. of 23rd Conference on Pattern Languages of Programs (PLoP), PLoP'16, (2016).

    15) N. Ozaki, M. Mizutani; "Empirical Patterns for Contact-Activity Communication Process Practitioners", Proc. of 6th Asian Conference on Pattern Languages of Programs (Asian PLoP), Asian PLoP'17, (2017).

    16) 樋口邦史, 保井美樹: 3章遠野から南足柄へ、「みらい創り」活動はこう

    すすめる, 学びあいの場が育てる地域創生 産学官民の協働実践, 遠野

    みらい創りカレッジ(編), pp.76-79, 文化とまちづくり叢書, (2017).

    17) 千葉祥子, 涌井美帆子, 湯澤秀人, 河野克典: “みらい創り活動 -長崎

    県壱岐市での持続的な地域共創活動-”, 第1回市民共創知研究会論文

    集, pp.5-6, (2016).

    18) M. Mizutani, M. Wakui, N. Ozaki; "Primary Patterns for Contact-Activity Communication Process Practitioners", Proc. of 6th Asian Conference on Pattern Languages of Programs (Asian PLoP), Asian PLoP'17, (2017).

    19) 井庭 崇: “パターンランゲージ3.0:新しい対象×新しい使い方×新し

    い作り方”, 情報処理, Vol.52, No.9, (2011).

    20) 水谷美由起, 飯田 靖: “みらい創りの学習コミュニティー構築”, 第1

    回市民共創知研究会論文集, pp.67, (2016).

    21) 水谷美由起, 尾崎夏穂, 千葉祥子, 山口昌美: “複数みらい創り拠点間

    市民協働を目的とした遠隔対話実験結果の検討”, 第3回市民共創知研

    究会論文集, (2017).

    22) 川島奈穂: “富士ゼロックスの環境経営の取り組み”, 第1回市民共創

    知研究会論文集, pp.33-34, (2016).

    23) 柳原公揮, 三井 実, 河野克典: “組織内におけるダイアログによる影

    響とその伝播”, 第1回市民共創知研究会論文集, pp.35-37, (2016)

    24) R. Horita, M. Mitsui, T. Ito, S. Shiramatsu, A. Sengoku, K. Fujita, N. Fukuta; "A Design of Research Group Workshop to Generate Co-Creation Between Researchers and Citizens", The 12th International Conference on Knowledge, Information and Creativity Support Systems (KICSS 2017), (2017).

    筆者紹介

    水谷美由起 研究技術開発本部 コミュニケーション技術研究所に所属

    専門分野:コミュニケーション、ソシオセマンティクス、集合知

    涌井美帆子 研究技術開発本部 コミュニケーション技術研究所に所属

    専門分野:コミュニケーション、非線形光学、組織学習

    尾崎夏穂 研究技術開発本部 コミュニケーション技術研究所に所属

    専門分野:コミュニケーション、基礎老化学、フィールドワーク

    飯田 靖 研究技術開発本部 コミュニケーション技術研究所に所属

    専門分野:コミュニケーション、半導体、組織変容

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    管理ツールウェブブラウザ上で動作し、紙面にマークを付け、印刷データを出力するツールで簡単にコンテンツと紐づいた紙面を作成できます。

    ◀印刷物を配布

    詳しくはSkyDesk Media Switchのサイトをご覧ください! 富士ゼロックス テクニカルレポート 第 27号 2018年Fuji Xerox Technical Report No.27 2018

    企画・編集 富士ゼロックス株式会社 RTD&M企画管理統括部 R&D企画管理部 〒220-8668 神奈川県横浜市西区みなとみらい六丁目 1番 Tel. 045-755-9391

    編集委員長 大西康昭編集委員 相田美智子/吉村宏樹/小清水 実/上村 健/岩崎栄介/小野友季絵翻訳 清水真希/ニコラス モリアーティ/田邊愛子/吉岡萌黄/本田佑佳/渡邉紫乃/松下浩之/高尾桃子/石毛綾紀子原稿制作 富士フイルムビジネスエキスパート株式会社 土岐慶一/小林文子/大和田恒子編集デザイン 富士ゼロックスシステムサービス株式会社 コンテンツソリューションセンター(CSC) 藤川晴悟/松尾美穂

    発行日 2018 年 4月 1日発行人 大西康昭発行所 富士ゼロックス株式会社 〒107-0052 東京都港区赤坂 9-7-3印刷所 株式会社 白橋 (Shirahashi Co.,Ltd)      〒104-0032 東京都中央区八丁堀 4丁目 4番 1号      Tel. 03-3551-1181 Fax. 03-3555-0981非売品 禁無断転載 本誌に関するお問い合わせは企画・編集までご連絡ください。 本誌は環境に配慮した森林認証紙(C2)を使用し、当社プロダクションプリンターにて印刷しております。 本誌は弊社ホームページでも全文を公開しております。 (URL : http://www.fujixerox.co.jp/company/tr/index.html) 執筆者の所属は 2018年 3月 31日現在のものです。

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