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自家用電気工作物に関する 最近の関係法令、電気事故等について 平成26年度自家用電気工作物設置者及び電気主任技術者セミナー 説明資料 関東東北産業保安監督部

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自家用電気工作物に関する近の関係法令、電気事故等について

平成26年度自家用電気工作物設置者及び電気主任技術者セミナー 説明資料

平 成 2 7 年 2 月関東東北産業保安監督部電 力 安 全 課

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目 次

第1章 自家用電気工作物の電気保安規制

第2章 自家用電気工作物の電気主任技術者

第3章 自家用電気工作物(関東地域)の平成25年度電気事故

第4章 自家用電気工作物(関東地域)の平成25年度立入検査

第5章 自家用電気工作物における不適切な事例

第6章 最近の法令等改正状況

第7章 その他

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第1章 自家用電気工作物の電気保安規制

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1-1 電気工作物の分類

H25年度末自家用電気工作物設置件数約26万件(関東) / 85万件(全国) = 約31%

4

発電所

変電所

配電用変電所

電気事業の用に供するもの

発電所

1,807 ヶ所

〈送

電線

路〉

〈送

電線

路〉

〈配

電線

路〉

50 万V級

27 万V級

6万 V級

6000 V級

100 V/200V

送電

配電

発電所

大工場

自家発

〈配

電線

路〉

低圧 /約 8,420 万軒

電気事業の用に供さないもの

自家用電気工作物

変電所数

6,554 ヶ所

送電線路及び配電線路亘長

94,124 km

柱上変圧器

小出力発電設備

( 送電線路及び配電線路 )

〈配電線路 〉

自家発

100 V/200V

住宅、商店、小工場

工場、ビルディング

一般用電気工作物事業用電気工作物

発電所

変電所

配電用変電所

電気事業の用に供するもの

発電所

1,485 ヶ所

〈送

電線

路〉

〈送

電線

路〉

〈配

電線

路〉

50 万V級

27 万V級

50 万V級

27 万V級

6万 V級

6000 V級

100 V/200V

送電

配電

発電所

大工場

自家発

〈配

電線

路〉

低圧 /約 万軒

電気事業の用に供さないもの

自家用電気工作物

変電所数

6,698 ヶ所

電線路亘長(架空)87,383km(地中)14,855km

柱上変圧器

小出力発電設備

配電線路亘長(架空)1,255,701km(地中)42,325km

〈配電線路 〉

自家発自家発

100 V/200V

住宅、商店、小工場

工場、ビルディング

一般用電気工作物事業用電気工作物

(平成25年版電気事業便覧等)

3,346ヶ所

特別高圧 9,315軒

高圧 約77万軒

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1-2 電気保安体系

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電気工作物

一般用電気工作物

(自家用電気工作物

電気事業の用に供する電気工作物)

事業用電気工作物

電気供給者による補完

国の直接監督

自主保安体制

国が自主保安を補完

国の直接監督

技 術 基 準 適 合 調 査 義 務

技 術 基 準 の 適 合 命 令 、 国 の 立 入 検 査

( 電 気 工 事 士 法 : 電 気 工 事 士 に よ る 工 事 義 務 )

( 電 気 工 事 業 法 : 工 事 業 者 の 登 録 、 届 出 義 務 )( 電 気 用 品 安 全 法 : 適 合 機 械 器 具 、 材 料 の 使 用 義 務 )

[第57条](小出力発電設備を除く)

[第56条、第107条]

技 術 基 準 の 適 合 維 持 義 務

保 安 規 程 の 作 成 、 届 出 、 遵 守

主 任 技 術 者 の 選 任 、 届 出 、 外 部 委 託

法 定 事 業 者 検 査

安 全 管 理 検 査

工 事 計 画 の 認 可 、 届 出

自 家 用 電 気 工 作 物 の 使 用 開 始 届 出

使 用 前 検 査 ・ 定 期 検 査

立 入 検 査

技 術 基 準 適 合 命 令 、 保 安 規 程 改 善 命 令

[第39条]

[第42条]

[第43条]

使用前自主検査 [第51条]

溶接事業者検査 [第52条]

定期事業者検査 [第55条]

使用前安全管理審査 [第51条]溶接安全管理審査 [第52条]

定期安全管理審査 [第55条]

事 故 、 そ の 他 の 報 告 義 務

電気工事士法により、自家用電気工作物( 大電力500kW未満の需要設備)は、第一種電気工事士による工事義務

電気工事業法により、自家用電気工作物( 大電力500kW未満の需要設備)の工事を行う工事業者の登録、届出、通知義務

電気用品安全法により、適合機械器具、材料の使用義務

[第47条、第48条]

[第53条]

[第49条、第54条]

[第106条]

[第107条]

[第40条、第42条]

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1-3 電気保安関係法令の適用イメージ

一般用電気工作物 事業用電気工作物自家用電気工作物 ※ 自家用電気工作物 電気事業用電気工作物

600V以下で受電小出力発電設備

600Vを超える電圧で受電500kw未満の需要設備

発電所、変電所、送配電線路、500kw以上の需要設備

電気事業法 電気供給者に対する一般電気工作物調査義務(小出力発電設備は除く)

-○工事計画届(受電電圧1万V以上の需要設備の新設・受電用遮断器の取替など)○使用前自主検査の実施、定期自主検査の実施○安全管理審査の受審

○保安規程届○電気主任技術者選任○電気事故報告○技術基準維持義務

電気工事士法

○電気工事士でなければ電気工事をしてはならない。

第1種電気工事士でなければ、自家用電気工作物の工事をしてはならない。

-○電気工事士は、電気設備技術基準を遵守しなければならない。

電気工事業法

○営業所に主任電気工事士を置かなければならない

☆自家用電気工作物の工事のみを営む場合は、国(県)に通知しなければならない。

-○営業所を登録しなければならない。(☆の場合を除く)○電気工事士でない者に電気工事を行わせてはならない。○電気工事士に違法電気用品を使用させてはならない。

電気用品安全法

○電気工事士は、所定の表示のない電気用品を使用してはならない。

○自家用電気工作物設置者および電気事業者は、所定の表示のない電気用品を使用してはならない。

○電気用品の製造又は輸入事業者(届出事業者)は、粗悪な電気用品を製造・輸入、販売してはならない。○届出事業者は、電気用品が電気用品技術基準に適合することを確認しなければならない。○届出事業者及び販売事業者は、所定の表示が付された電気用品でなければ販売してはならない。

電気工事士講習テキストを参考に作成※電気事業法と電気工事士法における「自家用電気工作物」の定義の違いに注意

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1-4 自家用電気工作物とは

電気事業法第38条4項

この法律において「自家用電気工作物」とは、電気事業のように供する電気工作物及び一般用電気工作物以外の電気工作物をいう。

具体的には?

・他の者(電力会社等)から600Vを超える電圧で受電している もの・構外にわたる電線路を有している もの・構内に小出力発電設備以外の発電設備が設置されているもの

【小出力発電設備とは】出力50kW未満の太陽電池発電設備出力20kW未満の風力発電設備出力20kW未満及び 大使用水量が1m3/s未満の水力発電設備(ダムを伴うものを除く。)出力10kW未満の内燃力を原動力とする火力発電設備出力10kW未満の燃料電池発電設備(固体高分子型又は固体酸化物型のものであって、燃料・改質系統設備の 高使用圧力が0.1MPa(液体燃料を通ずる部分にあっては、1.0MPa)未満のものに限る。)

・火薬類取締法に規定する火薬類を製造する事業場に設置されているもの・鉱山保安法施行規則の適用を受ける鉱山のうち、同令に規定する石炭坑に設置 されているもの

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1-5 自家用電気工作物に係る保安規制

8

設置者は、自らが自己責任のもとに電気の保安を確保する義務があり、電気事業法の規定により次のことを行う必要がある。

※主任技術者のうち、電気主任技術者は全ての事業用電気工作物について選任しなければならないが、加えて、一定の水力発電所についてはダム水路主任技術者を、一定の火力発電所についてはボイラー・タービン主任技術者を選任する必要がある。

※このほか、電気事故が発生した場合は事故報告、廃止した場合は廃止報告、受電電圧1万V以上の需要設備、ばい煙発生施設等を設置する場合は工事計画の事前届出等を行う必要がある。

条文 義務 概要

139条

技術基準適合維持設置者は、事業用電気工作物を経済産業省令で定める技術基準に適合するように維持する

242条

保安規程の制定、届出、遵守

設置者は、事業用電気工作物の工事、維持及び運用に関する保安を確保するために保安規程を定め、経済産業大臣に届け出ること。また、設置者及びその従業者は、保安規程を守る

343条

主任技術者の選任、届出

設置者は、事業用電気工作物の工事、維持及び運用に関する保安の監督をさせるために主任技術者を選任し、経済産業大臣に届け出る

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1-6 保安規程

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1 保安規程の役割(1)設置者は、事業用電気工作物の工事、維持及び運用に関する保安を確保するため、

保安を一体的に確保することが必要な事業用電気工作物の組織ごとに保安規程を定め、当該組織における事業用電気工作物の使用等の開始前に、経済産業大臣に届け出なければならない。(電気事業法第42条第1項)

(2)設置者及びその従業者は、保安規程を守らなければならない。(同条第4項)

2 保安規程に定めるべき事項(1)保安規程には次の事項について定める必要がある。(施行規則第50条第3項)

①電気工作物の工事、維持又は運用に関する業務を管理する者の職務及び組織に関すること。②電気工作物の工事、維持又は運用に従事する者に対する保安教育に関すること。③電気工作物の工事、維持及び運用に関する保安のための巡視、点検及び検査に関すること。④電気工作物の運転又は操作に関すること。⑤発電所の運転を相当期間停止する場合における保全の方法に関すること。⑥災害その他非常の場合に採るべき措置に関すること。⑦電気工作物の工事、維持及び運用に関する保安についての記録に関すること。⑧電気工作物の法定事業者検査に係る実施体制及び記録の保存に関すること。⑨その他事業用工作物の工事、維持及び運用に関する保安に関し必要な事項。

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1-7 電気主任技術者

10

1.事業用電気工作物の設置者は、事業用電気工作物の工事、維持及び運用に関する保安の監督をさせるため、電気主任技術者を選任し、その旨を経済産大臣に届け出なければならない。

(電気事業法第43条第1項、3項)

2. 電気主任技術者は、事業用電気工作物の工事、維持及び運用に関する保安の監督の職務を誠実に行わなければならない。

(同条第4項)

3. 事業用電気工作物の工事、維持又は運用に従事する者は、電気主任技術者がその保安のためにする指示に従わなければならない。

(同条第5項)

★ 事業用電気工作物の保安を確保するために設置者が定めるルールが保安規程であり、そのルールに則って保安の監督の業務を行う者が電気主任技術者である。

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1-8 使用前自主検査と安全管理審査

電気事業法第五十一条

第四十八条第一項の規定による届出(工事計画届)をして設置又は変更の工事をする事業用電気工作物であって、経済産業省令で定めるものを設置する者は、経済産業省令で定めるところによりその使用開始前に、当該事業電気工作物について自主検査を行い、その結果を記録し、これを保存しなければならない。

2 使用前自主検査においては、その事業用電気工作物が次の各号のいずれにも適合していることを確認しなければならない。

一 その工事が第四十八条第一項の規定による届けをした工事の計画に従って行われたものであること。

二 第三十九条第一項の経済産業省令で定める技術基準に適合するものであること。

3 使用前自主検査を行う事業用電気工作物を設置する者は、使用前自主検査の実施に係る体制について、経済産業省令で定める時期に・・・審査を受けなければならない。

4 前項の審査は、事業電気工作物の安全管理を旨として、使用前自主検査に係る組織、検査の方法、工程の管理その他経済産業省令で定める事項について行う。

※使用前自主検査の方法については、20121122商局第3号(平成24年11月30日)「電気事業法施行規則第73条の4に定める使用前自主検査の方法の解釈」

安全管理審査の方法については、20120919商局第67号(平成24年9月19日)「使用前・定期安全管理審査実施要領(内規)」

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第2章 自家用電気工作物の電気主任技術者

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2-1 電気主任技術者の免状の種類と監督範囲

免状の種類 保安監督することができる範囲

第1種電気主任技術者免状

事業用電気工作物の工事、維持及び運用

第2種電気主任技術者免状

電圧17万V未満の事業用電気工作物の工事、維持及び運用

第3種電気主任技術者免状

電圧5万V未満の事業用電気工作物(出力5千kW以上の発電所を除く)の工事、維持及び運用

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自家用電気工作物の電気主任技術者の選任形態は、事業場単位で次の4種類に区分

(1)選任届出(法第43条第1項)

(2)選任許可申請(法第43条第2項)

(3)兼任承認申請(施行規則第52条第3項ただし書き)

(4)外部委託承認申請(施行規則第52条第2項)

2-2 電気主任技術者の選任形態

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執務形態 主な条件 需要設備の 大電力

100kw未満 100kw以上500kw未満

500kw以上2000kw未満

2000kw以上

専任 電気主任技術者免状

○ ○ ○ ○

選任許可 第1種電気工事士又は認定校卒

○ ○ × ×

第2種電気工事士等

○ × × ×

兼任 電気主任技術者免状

○ ○ ○ ×

外部委託承認

保安業務委託 ○ ○ ○ ○

※外部委託については、電圧7千V以下で受電するものに限る※発電所、配電所等は、それぞれの執務形態により設備規模の上限が異なる

2-3 自家用電気工作物に係る電気主任技術者の執務形態

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「選任届出」とは、原則として、自家用電気工作物である事業場に、そこに常時勤務している電気主任技術者免状の有資格者を選任する形態。

監督する事業場が掛け持ちの事業場ではないため、「専任」ともいう。

選任の手続き設置者は、選任後に遅滞なく「主任技術者選任又は解任届出書」を提出。

選任の時期事業場新設の場合 工事計画の策定に関与するときまでに人事異動等の場合 前任者の解任と同時に設置者変更の場合 譲り受けたと同時に

必要な資格必要な免状の種別は、概ね次のとおり。

第3種電気主任技術者免状・・・6kV受電、22kV受電第2種電気主任技術者免状・・・66kV受電、 154kV受電第1種電気主任技術者免状・・・275kV受電

2-4 選任届出(電気主任術者免状有資格者を1事業場に)

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「選任許可」とは、自家用電気工作物である事業場に、そこに常時勤務している電気主任技術者免状を有していない者を選任することの許可を受けた形態。

選任の手続き設置者は、「主任技術者選任許可申請書」を提出。

選任の時期事業場新設の場合 工事計画の策定に関与するときまでに人事異動等の場合 前任者の解任と同時に設置者変更の場合 譲り受けたと同時に

許可条件必要な資格は、概ね次のとおり。

第2種電気工事士免状等・・・・・・・・・・・ 大電力100kW未満第1種電気工事士免状、電験認定校卒業等・・・ 大電力500kW未満

標準処理期間申請を受理してから2週間

2-5 選任許可(電気主任技術者免状無資格者を1事業場に)

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「兼任承認」とは、自家用電気工作物である事業場に、すでに別の事業場に選任している電気主任技術者免状の有資格者を兼任させることの承認を受けた形態。

選任の手続き設置者は、「主任技術者兼任承認申請書」を提出。

選任の時期事業場新設の場合 工事計画の策定に関与するときまでに人事異動等の場合 前任者の解任と同時に設置者変更の場合 譲り受けたと同時に

承認条件・兼任しようとする事業場の 大電力が2,000kW未満・到達時間が2時間以内・兼任しようとする事業場の数が5カ所以内 等

標準処理期間申請書を受理してから2週間

2-6 兼任承認(電気主任技術者免状有資格者を複数事業場に)

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「外部委託承認」とは、中小規模の自家用電気工作物である事業場に、保安管理業務を所定の条件を満たす外部の法人(電気保安法人)又は個人(電気管理技術者)に委託して、自らの役員や従業員等から電気主任技術者を選任をしないことの承認を受けた形態。

選任の手続き設置者は委託契約を締結し、「保安管理業務外部委託承認申請書」を提出。

選任の時期(=契約開始日)事業場新設の場合 工事計画の策定に関与するときまでに委託先変更の場合 前委託先の解約と同時に設置者変更の場合 譲り受けたと同時に

外部委託承認を受けることができる事業場・電圧7,000V以下で受電する需要設備・出力2,000kW未満の発電所(※ 太陽電池、風力、水力、火力)・出力1,000kW未満の発電所(上記に掲げる発電所を除く)・電圧600V以下の配電線路を管理する事業場

標準処理期間申請書を受理してから2週間

2-7 外部委託承認(委託して選任しない事業場)

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第3章 自家用電気工作物(関東地域)の平成25年度電気事故

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(注)1.発電所における事故件数を含む。2.1回の事故で複数の事故分類にカウントする場合もある。3.感電・アーク等による死傷事故には電気工作物の破損等による死傷事故も含む。

16fy 17fy 18fy 19fy 20fy 21fy 22fy 23fy 24fy 25fy

波及事故 162 127 140 129 166 110 148 111 133 163

主要電気工作物の破損 14 14 10 18 15 17 36 26 22 30

電気火災 4 4 3 3 2 2 2 1 5 1

感電・アーク等による死傷 17 20 31 22 30 19 27 18 12 16

0

50

100

150

200

250

件数

過去10年間の管内自家用電気事故件数の推移

21

3.平成25年度の電気事故について3-1.過去10年間の電気事故件数の推移

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3.平成25年度の電気事故について3-2.波及事故

自然劣化

54件33%

氷雪

37件23%

29件18%

作業者の過失

15件9%

保守不完全

8件5%

火災

8件5%

風雨

5件3%

鳥獣接触

3件2%

水害

1件0.5%

樹木接触

1件0.5%

公衆の過失

1件0.5% 不明

1件0.5%

波及事故の原因分類

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3.平成25年度の電気事故について3-2.波及事故 “自然劣化”

“自然劣化”とは、製作、施工等に欠陥がなかったにもかかわらず、電気工作物の材質、機構等に劣化を生じさせたもの

高圧引込み

ケーブル

36件67%

PAS・PGS10件18%

VCB5件9%

LBS1件2%

SC1件2%

Tr1件2%

自然劣化の原因となる電気工作物内訳

・地絡点は、ハンドホール内や埋設部。

・絶縁破壊の原因は、経年劣化による地絡。

・絶縁破壊の原因は、経年劣化による内部短絡。

・経年劣化の原因の一つとして、パッキン劣化による内部水気侵入等がある。

23

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3.平成25年度の電気事故について3-2.波及事故 “自然劣化”

0

5

10

15

20

25

30

5年 7年 9年 11年 13年 15年 17年 19年 21年 23年 25年 27年 29年 31年 33年 35年 37年 39年 41年 43年 45年

PAS/PGS引込ケーブル

設置年数

波及事故件数

自然劣化が原因で波及事故となったPAS/PGSとケーブルの設置年数(8年分)

24

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3.平成25年度の電気事故について3-3.波及事故“氷雪”

“氷雪”とは、雪、結氷、ひょう、あられ、みぞれ又は暴風雪によるもの。

氷雪

37件86%

1件3%

風雨

1件2%

樹木接触

1件2%

作業者の過失

1件2%

自然劣化

2件5%

H26.2/8~9・2/14~15に発生した波及事故の原因内訳

25

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3.平成25年度の電気事故について3-3.波及事故“氷雪”

氷雪 樹木接触 自然劣化

未選任 15件 1件 1件年次未実施 23件 1件 2件絶縁低下指摘 4件 0件 0件

0件

10件

20件

30件

40件

H26.2/8~9・2/14~15に発生した波及事故の間接的な事故原因

(延べ件数)

26

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3.平成25年度の電気事故について3-3.波及事故“氷雪”

屋上キュービクルの通気孔から雪が侵入し、内部で結露が生じ、更に舞い込んだ粉雪の影響もあり、LBSが破損(短絡)し、波及事故に至った。なお、LBSは直近の点検での絶縁

状態は良好だったが、経年設備であった。

事例1

屋上キュービクルの通気孔から雪が侵入し、内部で結露が生じ、LBSに

積もった塵埃が水気を吸湿したことから、短絡し。波及事故に至った。

なお、長期間主任技術者が未選任だったため、キュービクル内部は著しく汚損していた。

事例2

風向き

内部の積雪状況

破損したLBSの状況

破損したLBSの消弧砂

焼損したLBS 内部汚損の状況(Tr上蓋に塵埃が積もっている。)

27

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3.平成25年度の電気事故について3-4.波及事故“雷”

“雷”とは、直撃雷又は誘導雷によるもの。

PAS・UGS27件93%

LBS1件3.5%

高圧引込

ケーブル

1件3.5%

雷による波及事故原因となった電気工作物

0

2

4

6

8

10

12

14

16

18

20

LA内蔵 LA外付け LA電気室 LAなし

件数

雷が原因による波及事故事業場の

避雷器設置状況

PAS・UGSなし

PAS・UGS付き

28

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3.平成25年度の電気事故について3-5.波及事故“作業者の過失”

短絡接地器具の

外し忘れ

4件

事故点

未特定のまま復電

4件

工事等による

引込ケーブル損傷

3件

PAS等制御回路

誤接続

2件

その他

2件

“作業者の過失”の原因分類

“作業者の過失”とは、作業者(自社又は自社の工事請負者の命を受けて作業に従事している者)の過失によるもの。

29

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3.平成25年度の電気事故について3-6.波及事故“保守不完全”

“保守不完全”とは、巡視、点検、手入れ等の保守の不完全によるもの。

30

設置者と主任技術者とのコミュニケーションがうまく図られていなかったため、長期間月次点検・年次点検を行うことが出来ず、PASの内外で

錆びによる腐食が進み、内部短絡に至り、波及事故に至った。

事例2

腐食(発錆)が進んだPAS PAS内部(可動接触部)の状況

強風で樹木が差込型屋外終端末部分に接触し、地絡短絡が発生。DGRが動作しなかったことからPGSが開放されず波及事故に至った。従前よりDGRの不動作について指摘して

きたが、設置者は特段改修を行ってこなかった。また、引込ケーブルへの樹木接触についても指摘をしていた。

事例1

1号柱PGS付近への樹木接触状況 終端末部における短絡箇所

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31

波及事故は、事故点となった需要家のみならず、その配電線に接続されている住宅、ビル、工場、病

院、交通機関等を含む広い範囲を停電させ、多大な被害を与える恐れがあります。

それぞれの設置者の電気工作物等を保守・点検されております電気主任技術者の皆様におかれましては、設置者に対して、波及事故による社会的な影響の大きさを伝えていただきますとともに、事故防止対策に必要な措置を講じていただきますよう、お願いいたします。

3.平成25年度の電気事故について3-7.波及事故“まとめ”

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32

柱上気中開閉器(PAS)

高圧CVケーブル

高圧真空遮断器

高圧気中負荷開閉器(LBS)

変圧器高圧進相コンデンサ

その他の高圧機器

10~25 15~25 15~28 15~25 20~32 15~27 10~31

<高圧設備の各機器の更新推奨時期(単位:年)>

<地中線で受電する場合>

・高経年設備については、計画的且つ早目の更新を推奨します。

・GR付PAS、UGSを受電点に設置することを強く推奨します。<架空線で受電する場合>

※出典:2013年版 自家用電気工作物保安管理規程 表240-1より

3.平成25年度の電気事故について3-8.波及事故に対する防止対策例①

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33

・引込みケーブルの敷設状況が地中埋設等、水の影響を受ける恐れのある場合は、E-Eタイプのケーブルを選定されることを推奨します。

3.平成25年度の電気事故について3-8.波及事故に対する防止対策例②

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34

<風雨・風雪の侵入対策例>

・キュービクル前面の換気口に防噴流対策板や水平水切板を設置。・下駄基礎で設置されている場合は、遮風板等を設置。

3.平成25年度の電気事故について3-8.波及事故に対する防止対策例③

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35

・小動物の侵入する恐れのある穴・隙間はシール材やパンチングメタル等で塞ぐ。

・LBS等の高圧充電部には、絶縁バリアや防護カバーの取付。

3.平成25年度の電気事故について3-8.波及事故に対する防止対策例④

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3.平成25年度の電気事故について3-9.感電・アーク等による死傷事故

36

0件

1件

2件

3件

4件

5件

6件

7件

4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月

23年度(死亡)

24年度(死亡)

25年度(死亡)

26年度(死亡)

23年度

24年度

25年度

26年度

過去3年の月別発生数の推移と、平成26年度の発生状況

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取外し作業中のPAS

拡大図

①コンセントにプラグ

②ブレーカーが遮断

37

3.平成25年度の電気事故について3-10.死傷事故事例①

想定外の作業によって生じた電流による感電事故

<施設概要>

受電電圧:66kV 主任技術者:専任(自社)発生月:8月

<事故概要>

サブ変電所のTr1台とPAS2台の更新工事のため、負荷側を停電させ設置者側2名(主任技術者含む)と請負業者6名で作業にあたったていた。

午後からは、Tr2次側配線を行うA班と、PASを母線から切り離すB班の2班体制で作業を開始した。

B班の被災者XがPAS1次側R相を外し、S相の切り離しにかかり、被災者Yが2次側のR相S相を外し、T相の切り離しにかかろうとしたところ、突然感電した。

<原因>

停電中の負荷施設の警務員室から火災報知機の点検も同時に行われており、その電源として発電機を用意していた。

警報受信機のバッテリーが切れそうになったため、点検者が警報受信機の電源端子台からケーブルを作り、そのプラグを発電機で供給している配電盤コンセントに差し込んだところ、ブレーカーが遮断するまでの一瞬、電流が上流にあるPASまで流れたもの。

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部分停電による年次点検中に発生した感電事故

<施設概要>受電電圧:22kV 主任技術者:専任(自社)発生月:11月

<事故概要>

年次点検を部分停電(商用母線を活かし発電機側の点検・清掃を実施)で行っていた。

被災者は、清掃のため発電機連絡盤を開け、遮蔽板を外し、中に手を入れた際、誤って充電中の商用母線に触れて感電した。

なお、被災者は商用母線(母線連絡盤)が充電中であることは認識していた。

<原因>

被災者は、盤のブロック図で充電部の確認をしていたが、発電機連絡盤内に充電中の商用母線が混在しているとは想定しておらず、盤内全てが停電中だと思い込んでいた。

また、充電部がある盤には標識を掲げることとなっていたが、現場作業責任者は、当該盤に「充電中」の標識を掲げることを失念した。

発電機連絡盤(上段)

母線連絡盤(下段)

発電機連絡盤内部(上段)

母線連絡盤内部(下段)

遮蔽板

※作業時は、下段扉は充電中であるため、施錠していた。

3.平成25年度の電気事故について3-10.死傷事故事例②

38

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関係者以外が不用意に充電部へ触れたことによる感電事故

<施設概要>受電電圧:6kV 主任技術者:外部委託発生月:10月

<事故概要>

事務所に設置されているデマンド監視装置モニターに警報が鳴り、ブザー停止ボタンを押しても再び鳴り出したため、当該装置を設置した業者に連絡をした。

業者は、警報の原因はキュービクル内の本体にあると推測し、設置者側の従業員と共にキュービクルを開錠した。

設置者側の従業員は、キュービクル内のデマンド監視装置モニター本体に雨水が付着していたため、布巾を持ってきて拭いていたところ、LBS2次側若しくはCTに布巾が触れ、感電した。

なお、デマンド警報装置は湿気が取れたあと、警報が動作しなくなったので、水気により誤動作したものと推測される。

<原因>

電気主任技術者に連絡をせずに、設置者の判断でキュービクルを開け、安全の確保が出来ていない状態で、雑巾がけを行なった。

布巾が触れたと推測される箇所

39

3.平成25年度の電気事故について3-10.死傷事故事例③

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需要設備

1件4%

風力発電

1件3%

水力発電

7件23%

火力発電

21件70%

主要電気工作物の破損事故(事業種別)

“主要電気工作物”とは、平成16年4月1日付経済産業省告示第66号で定められた電気工作物のことをいう。

・10kV以上の遮断器

・10kV以上且つ10,000kVA以上の変圧器

・10kV以上且つ10,000kVA以上のコンデンサー

・50kV以上の電線路

40

3.平成25年度の電気事故について3-11.主要電気工作物の破損事故

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波及事故によって事故報告を提出した設置者に対して、任意でアンケート調査を実施。

持っていた53%

持っていな

かった22%

回答なし26%

問1.電気保安に対する意識は事故前

からお持ちでしたか。

保安に対し

て意識する

ようになっ

た65%

特に変化

はない8%

その他2%

回答なし25%

問2.事故後、電気保安に対する意識

は変わりましたか。

41

3.平成25年度の電気事故について3-12.アンケート結果①

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はい53%

いいえ20%

回答なし28%

問3.電気主任技術者とコミニュケー

ションは取られていましたか。

42

はい58%

いいえ13%

回答なし29%

問3.事故発生時に連絡体制は機能

しましたか。

・連絡体制が整っていなかった。・どこへ連絡していいのか分からなかった。・事故発生時、委託先から連絡がなく状況把握が出来なかった。・委託先のコールセンターに電話をし続けたが繋がらず、結局、電力会社の技術者が対応してくれた。・委託先のコールセンターが自動音声となっており、波及事故発生の連絡がダイレクトに伝わらなかった。

3.平成25年度の電気事故について3-12.アンケート結果②

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はい44%

いいえ23%

回答なし33%

問4.事故を受けて操業(営業)に

影響はありましたか。

・復旧まで休業せざるをえなかった。・宿泊客からキャンセルが相次いだ。・高架水槽に水が上がらなかった。・テナント(店舗)がパニックになった。

・病院が入っているため、発電機をリースした。

・自社内設備が損傷して修繕に多額を要した。

・損害賠償請求を受けて、対応に苦労した。

43

3.平成25年度の電気事故について3-12.アンケート結果③

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44

3.平成25年度の電気事故について3-12.アンケート結果④

500万円以上・・・8件

200万円~500万円・・・17件

50万円以上200万円未満・・・88件

問5.事故によって生じた損害額(工事費含む)を教えてください。

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45

第4章 自家用電気工作物(関東地域)の平成25年度立入検査

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46

立入検査先の選定方法について

① 電気関係報告規則に基づく事故が発生した事業場② 技術基準適合命令を受けた事業場③ 施設した電気工作物に新技術等を用いた事業場④ 社会的に影響の大きい事業場⑤ 保安の確保が適切でないおそれのある事業場⑥ 電気保安の実態把握が必要な事業場

等々

立入検査の実施内容について

① 技術基準への適合状況② 保安規程の遵守状況③ 主任技術者の選任状況、保安の監督状況

これらについて、電気工作物、帳簿類、書類、その他の物件によって検査を行う。

4.平成25年度自家用電気工作物立入検査について①

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○平成25年度自家用電気工作物立入検査件数・・・27事業場

○うち電気工作物の施設状況について、電気設備の技術基準に適合していると認められない事項や、保安上改善等の検討が必要な事項があった事業場・・・8事業場

○具体的な指摘事項

受変電設備

不良事項及び検討事項 条数 指摘件数

接地抵抗の値が過大 10,11(19) 1

電柱の足場金具等が地表上1.8m未満に設置されている 24(53) 1

高圧(低圧)架空電線が植物に接触している 29(79) 1

高圧(低圧)架空電線等相互の離隔距離が不足している 28(74~76) 1

負荷

設備

電路の絶縁抵抗値が基準を満たしていない 5,58(14,15) 5

受変電設備

注意事項及び検討 指摘件数

通気孔、ケーブル貫通部等から小動物侵入の可能性あり 1

注1)1事業場の立入検査で複数の指摘事項がある場合は、それぞれに計上。注2)条数は電気設備の技術基準の該当条数を表し、カッコ内が電気設備の技術基準の解釈の該当条数を表す。

4.平成25年度自家用電気工作物立入検査について②

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4.平成25年度自家用電気工作物立入検査について③

○電気主任技術者の執務状況で執務不十分と指摘を受けた事業場・・・兼任・兼務:1事業場、外部委託:1事業場

○保安規程の遵守状況において指摘を受けた事業場・・・11事業場(延べ件数)

○具体的な指摘事項

専任 兼任・兼務 外部委託

届出書類の手続き不良 2 1

保安業務の保安管理体制不十分 1

電気工作物の保守状況不良(点検不履行等) 1 3

図面等の整備不良 1

保安業務従事者に対する保安教育未実施 1 1

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第5章 自家用電気工作物における不適切な事例

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50

保安管理業務に係る年次点検の未実施について

電気保安法人が電気事業法施行規則第52条第2項の規定に基づき保安管理業務を受託する事業場の一部において、保安規程及び委託契約に基づく年次点検が未実施であることを確認したため、以下の対応を行いました。

当該電気保安法人に対して・部長名による注意文書の発出・設置者と調整の上、速やかに年次点検を実施するとともに再発防止のための更なる取

組を要請

他の電気保安法人及び電気管理技術者に対して年次点検を適切に行っているか確認を行うとともに未実施の事業場があった場合に

は速やかに実施するよう当部ホームページで注意喚起

年次点検の未実施は、設置者にあっては保安規程遵守義務違反(電気事業法第42条第1項)に、受託者である電気保安法人・電気管理技術者にあっては職務誠実義務違反(電気事業法施行規則第53条第3項)に該当するものであり、年次点検が実施されない場合は、同規則第53条第5項の規定により、外部委託承認の取消しがあり得ることをご認識ください。

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保安管理業務の不履行について

電気保安法人が受託している複数の事業場において、保安業務担当者が保安規程及び委託契約に基づく月次点検、年次点検を長期間、行っていなかったにもかかわらず、当該保安業務担当者が点検を実施したものと当該電気保安法人に偽って報告していたことを確認したため、以下の対応を行いました。

当該電気保安法人に対して部長名による厳重注意文書の発出

当該保安業務担当者に対して電気事業法第44条第4項の規定に基づく電気主任技術者免状の返納命令の発動

当該設置者に対して今後、点検の記録等について確認するよう口頭により注意

保安規程及び委託契約に基づく月次点検、年次点検の未実施は、受託者である電気保安法人・電気管理技術者にあっては職務誠実義務違反(電気事業法施行規則第53条第3項)に該当するものであり、同規則第53条第5項の規定により、外部委託承認の取消しが、また、保安業務従事者・電気管理技術者にあっては、電気事業法第44条第4項の規定により免状返納命令があり得ることをご認識ください。

なお、設置者にあっては保安規程遵守義務違反(電気事業法第42条第1項)に該当することをご認識ください。

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52

主任技術者の不適切な選任について

自家用電気工作物の工事、維持及び運用に関する保安の監督に係る業務を管理会社

に委託している事業場に対して、当部が立入検査を実施したところ、同法第43条第3項の規定に基づく、電気主任技術者が管理会社側の都合により当該事業場に常時勤務していないことを確認しました。

このため、当該設置者に対して他の事業場について、同様の不適切な電気主任技術

者の選任の有無について報告を求めたところ、立入検査を実施した事業場以外の複数の事業場及び他の複数の管理会社5社においても同様の事例があることが判明しました。

当該設置者に対して文書により厳重注意

当該管理会社に対して

文書により厳重注意するとともに、発生原因及び再発防止対策について当部に報告するように指示

主任技術者制度の解釈および運用(内規)にて、電気事業法第43条第1項の選任については、1(1)の但し書きにて、委託契約に基づく事業所に常時勤務することが求められており、設置者にあっては、主任技術者の選任義務違反(電気事業法第43条第1項)に該当することをご認識ください。

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第6章 近の法令等改正状況

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6-1 外部委託に係る告示(※)の一部改正について

平成26年5月30日、外部委託制度の受託者に必要な実務経験の一部を改正しました。

(※)「電気事業法施行規則第五十二条の二第一号ロの要件、第一号ハ及び第二号ロの機械器具並びに第一号ニ 及び第二号ハの算定方法等並びに第五十三条第二項第五号の頻度に関する告示」(平成15年経済産業省告示第249号)

改正後の対象範囲の区分 必要な経験年数

1)対象範囲の全てを受託できる区分 現行どおり(1種3年、2種4年、3種5年)

2)需要設備のうち以下の要件を全て満足する設備のみを受託できる区分①需要設備の容量は300kVA以下であること。②受電設備がキュービクル式のものであること。③主遮断装置の種類はPF-S式のものであること。

現行より1年ずつ削減(1種2年、2種3年、3種4年)

54

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平成27年4月1日、経済産業省は電気事業法告示の改正を行います。(平成26年3月31日、公表しました。)

・全量買取制度に基づく太陽電池発電設備の点検頻度見直しに伴う改正

□経済産業省の関係ホームページhttp://www.meti.go.jp/policy/safety_security/industrial_safety/oshirase/2014/03/260331-2.html

55

6-1 外部委託に係る告示(※)の一部改正について

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○太陽電池発電設備の点検頻度について

設置形態の違いによる点検頻度の比較

56

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(参考)太陽電池発電設備に係る受変電設備の点検頻度

点検箇所

点検周期

平成27年3月31日まで

平成27年4月1日から

パネル、パワコン 6箇月 6箇月(変更なし)

太陽電池発電設備専用の受変電設備

要件 パターン① 更に下記の条件が加わると・・・

随時監視制御方式or

常時遠隔監視制御方式採用

(※2)

+連絡体制の確立

パターン②

第六号ただし書に準ずるもの

6箇月

6箇月( 低頻度)

6箇月( 低頻度)

第六号本文及び第九号に準ずるもの

4箇月 5箇月

第七号のイからホまでの設備条件の全てに適合する信頼性の高いもの又は低圧受電のもの

3箇月 4箇月

上記以外 2箇月 3箇月

1箇月の延伸

※1 それぞれ平成25年経済産業省告示第164号第1条改正における第4条に記載。※2 これらの監視制御方式は、電気設備の技術基準の解釈(20130215商局第4号)第47条に定める各項目に

準ずる方式。

57

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○保安管理業務従事者に係る圧縮係数の見直し

58

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経済産業省は、以下のとおり「電気設備の技術基準の解釈」の改正を行いました。

平成26年3月24日

・電気自動車等から自家用電気工作物(高圧需要場所等)へのV2H(自動車を電源として住宅等に給電すること)を行う場合について、「電気設備の技術基準の解釈の解説」に追記しました。

□経済産業省の関係ホームページhttp://www.meti.go.jp/policy/safety_security/industrial_safety/oshirase/2014/03/260319-1.html

平成26年7月18日

・IEC60364規格の改定等への対応(218条)

・引用JISの改定への対応(56,57,173,183,194条)□経済産業省の関係ホームページhttp://www.meti.go.jp/policy/safety_security/industrial_safety/oshirase/2014/07/260718-2.html

6-2 電気設備の技術基準に関する改正について

59

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平成26年3月18日発電用風力設備のうち、高さが15メートルを超える風車を支持する工作物については、

建築基準法及び電気事業法のそれぞれにおいて安全規制が課されていたが、平成26年4月1日付けで、建築基準法の規制対象から除外し、電気事業法での安全規制に一本化することとしました。

□経済産業省の関係ホームページhttp://www.meti.go.jp/policy/safety_security/industrial_safety/oshirase/2014/03/260318-2.html

平成26年3月31日「発電用風力設備の設置又は変更の工事計画に関する審査実施要領」を定めました。

□経済産業省の関係ホームページhttp://www.meti.go.jp/policy/safety_security/industrial_safety/oshirase/2014/04/260401-2.html

6-3 発電用風力設備の電気事業法への審査一本化について

60

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(1)法律の適用関係

陸上又は洋上(着床式)風力発電設備への法令適用関係

①支持物

②ナセル+ブレード

③電気設備

洋上(浮体式)風力発電設備への法令適用関係

船舶安全法:①電気事業法:①(※)+②+③※ただし、電気事業法では、船舶安全法に適合していることを要求。

①支持物(タワー+船体+係留)

②ナセル+ブレード

海底

③電気設備

61

電気事業法:①+②+③

建築基準法:①電気事業法:①(※)+②+③※ただし、電気事業法では、建築基準法に適合していることを要求。

H26.4.1~

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指定性能評価機関による性能評価

国土交通

大臣認定

建築主事

等による

建築確認

建築主事

等による

完了検査

【建築基準法における安全性確保の仕組み※1】

設計段階 工事開始 工事完了 使用開始

国による

工事計画

届出審査

設置者に

よる

使用前

自主検査

国による使

用前安全

管理審査

建築主事等に

よる中間検査

特定行政庁による報告徴収及び立入検査

管理者(工事中は建築主)等による維持保全努力義務及び 特定行政庁による違反是正措置命令

国による報告徴収及び立入検査

【電気事業法における安全性確保の仕組み】

電気主任技術者の監督 及び 保安規程に基づく自主保安

設置者による技術基準適合義務 及び 国による技術基準適合命令

高さ60m超の風力発電設備にのみ適用

※1 高さ15m超のものが建築基準法の対象となる。

出力500kW以上の風力発電設備

(2)電気事業法及び建築基準法における安全性確保の仕組み

62

H26.4.1~

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事業者事業者 産業保安監督部産業保安監督部 本省本省

③支持物、風車、電気設備など、全ての設備について審査

工事計画 ②標準/特殊の判定(※1)

安全審査専門家会議の開催

新エネルギー発電設備安全審査

専門家会議

新エネルギー発電設備安全審査

専門家会議

⑤支持物部分の審査(複数回の場合もあり)

届出後原則30日以内(延長可能)

①工事計画届出

工事開始

審査期間経過(※2)

④使用前自主検査

工事完了

使用開始

⑤使用前安全管理審査

審査申請

⑥評定結果の通知

※1 標準的なものと特殊なものの判定に係る内規※2 審査の結果、技術基準違反等が認められる場合は、計画の変更又は廃止を命ずることができる。

④支持物部分以外の設備等について審査

②標準/特殊の判定(※1)

工事開始

延長した審査期間経過

(※2)

⑥使用前自主検査

工事完了

使用開始 ⑦使用前安全管理審査

工事計画

③(必要に応じ)審査期間延長通知

連絡

とりまとめ

全ての設備についての審査結果のとりまとめ

審査申請

⑧評定結果の通知

連絡特殊なケースで数ヶ月に及ぶ場合もありうる。

(※3)

※3 安全審査専門家会議での審査結果を用いて、一部産業保安監督部で支持物部分以外の審査が必要となることもある。

標準的な風力発電設備の場合

特殊な風力発電設備の場合

①工事計画届出

(3)審査体制

63

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経済産業省は、以下のとおり「発電用風力設備の技術基準の解釈」を

制定しました。

平成26年3月31日

□経済産業省の関係ホームページ

http://www.meti.go.jp/policy/safety_security/industrial_safety/oshirase/2014/04/260401-1.html

6-4 発電用風力設備の技術基準の解釈について

64

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○発電用風力設備の技術基準の解釈(1)

【風車の構造】第4条 省令第4条第二号に規定する「風圧」とは、発電用風力設備を設置する場所の

風車ハブ高さにおける現地風条件(極値風及び乱流を含む。)による風圧が考慮されたものであって、次に掲げるものを含むものをいう。一 風車の受風面の垂直投影面積が 大の状態における 大風圧二 風速及び風向の時間的変化による風圧

→ 風圧の定義(追記)

2 (略)

【風車の安全な状態の確保】第5条 省令第5条第1項に規定する「安全かつ自動的に停止するような措置」及び同

条第2項に規定する「安全な状態を確保するような措置」とは、常用電源の停電時においても、非常用電源の保持等により、風車を制御可能な状態が確保できるような措置を含むものをいう。

→ 安全な状態の確保の定義(追記)

2~5 (略)

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○発電用風力設備の技術基準の解釈(2)

6 省令第5条第3項に規定する「雷撃から風車を保護するような措置」とは、次に掲げる要件の全てを満たすものをいう。一 発電用風力設備を設置する場所の落雷条件を考慮し、レセプターの風車への取付け及び雷撃によって生ずる電流を風車に損傷を与えることなく安全に地中に流すことができる引下げ導体等を施設すること。二 風車を支持する工作物(船舶安全法(昭和8年法律第11号)第2条第1項の規定の適用を受けるものを除く。)の高さが20 メートルを超える部分を雷撃から保護するように、次に掲げる要件の全てを満たす避雷設備を設けること。イ 雷撃によって生ずる電流を風車を支持する工作物に被害を及ぼすことなく安全に

地中に流すことができる避雷設備として、日本工業規格A4201(建築物等の雷保護)―2003に規定する外部雷保護システムに適合する構造であること。

ロ 避雷設備の雨水等により腐食のおそれのある部分にあっては、腐食しにくい材料を用いるか、又は有効な腐食防止のための措置を講じたものであること。

7 省令第5条第3項に規定する「周囲の状況によって雷撃が風車を損傷するおそれがない場合」とは、当該風車を保護するように避雷塔、避雷針その他の避雷設備が施設されている場合を含むものをいう。

→ 建築基準法から取り込み(落雷)

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○発電用風力設備の技術基準の解釈(3)

【風車を支持する工作物の構造耐力】第7条 (略)2~3 追加【特定支持物の構造等】第8条 追加【特定支持物の基礎】第9条 追加【特定支持物に係る構造計算】第10条 追加【風力設備全体高が60メートル以下の特定支持物に係る構造計算】第11条 追加【風力設備全体高が60メートル以下の特定支持物の構造上主要な部分】第12条 追加【風力設備全体高が60メートル以下の特定支持物の基礎】第13条 追加

→ 建築基準法から取り込み(構造)

第14条 追加

→ 新工法及び浮体式

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経済産業省は、以下のとおり「主任技術者制度の解釈及び運用(内規)」を改正しました。

平成26年3月31日

・電気主任技術者を選任する場合における「従業員」の考え方の明確化

□経済産業省の関係ホームページhttp://www.meti.go.jp/policy/safety_security/industrial_safety/oshirase/2014/03/260331-1.html

平成26年9月30日

・ダム水路主任技術者制度における規制見直しに関する改正

□経済産業省の関係ホームページhttp://www.meti.go.jp/policy/safety_security/industrial_safety/oshirase/2014/09/2601003-1.html

6-5 主任技術者制度の解釈及び運用(内規)の改正について

68

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平成26年3月31日改正分

電気主任技術者を選任する場合における「従業員」の考え方の明確化

自社で電気主任技術者を選任しようとする場合は、以下の両方の条件を満たせば、

定年退職後に再雇用された嘱託社員等、いわゆる正社員でなくても差し支えありません。

条件1:自社で直接雇用している者であって、電気事業法施行規則第52条第1項に

定める主任技術者の選任場所に常時勤務する者。

条件2:例えば勤務時間外の事故発生といった場合においても対応が可能である等、

当該事業場の保安監督業務に専念することができる者。

6-5 主任技術者制度の解釈及び運用(内規)の改正について

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平成26年9月30日改正分

小水力のダム水路主任技術者の許可要件の緩和について

・水力発電所には、ダム・水路主任技術者の選任が必要とされているところ。

ただし、規模の小さな水力発電所については、一定の要件をもって選任を許可することがある。その要件の緩和がおこなわれた。

(発電所の要件)

・導水路に圧力のかからない水路式の水力発電所の許可を、従来の500kW未満から、

水路式発電所で、かつダムの基礎地盤から堤頂までの高さが15メートル未満であれば

2000kW以下まで可能とした。

(主任技術者の許可要件)

・500kW未満は、従来通り。

・500kW以上は、高等学校又はこれと同等以上の教育施設において土木工学の課程を

修めて卒業した者、技術士試験で合格した者等で、経済産業省が実施する講習を修了した者

6-5 主任技術者制度の解釈及び運用(内規)の改正について

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7.その他

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7-1 電気保安功労者表彰制度

表彰年度 工場等電気工事業者の営業所

主任技術者 電気工事士 永年勤続者

平成19年度 - 1 8 5 5

平成20年度 1 4 9 4 6

平成21年度 1 1 8 6 5

平成22年度 2 1 12 8 3

平成23年度 1 3 12 8 6

平成24年度 - 3 8 8 6

平成25年度 - 1 8 12 4

平成26年度 3 1 5 10 4

経済産業省関東東北産業保安監督部は、電気保安において永年にわたり保安の確保に努め、その功績が極めて顕著である事業者、個人に対する関東東北産業保安監督部長表彰式を実施しております。本表彰は、電気保安業務に携わっている者の保安意識の高揚を図り、電気保安のより一層の推進を図ることを目的として実施するものです。

<過去の表彰者数>

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7-2 関東東北産業保安監督部HPのご紹介

http://www.safety-kanto.meti.go.jp/index.htm

関東東北産業保安監督部 検索

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7-2 関東東北産業保安監督部HPのご紹介(メールマガジン)

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関東東北産業保安監督部電力安全課では、電気保安に関する法改正の情報や、事故情報などについてのメールマガジンを配信しています。(配信申し込みのURLは下記のとおり)

電力安全課メールマガジン配信の申し込みホームページhttp://www.safety-kanto.meti.go.jp/denki/merumaga.html

電力安全課のホームページからもリンクされています。http://www.safety-kanto.meti.go.jp/denki/index.htmlsafety-kanto.meti.go.jp/index.html

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ご清聴ありがとうございました。

関 東 東 北 産 業 保 安 監 督 部電 力 安 全 課