大腿一膝窩動脈バイパス術における ptfeグラフト …ptfeグラフトの位置付け...

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大腿一膝窩動脈バイパス術における PTFEグラフトの位置付け 旨:大腿・膝窩動脈バイパス術(以下F-P)における自家静脈とexpanded poly- tetrafiuoroethyleneグラフト(以下PTFE)の有用性を検討した. 1977年1月から1994年12月までに当科で初回F-Pを自家静脈あるいはPTFEで施行 した下肢閉塞性動脈硬化症(以下ASO)症例103例123肢を対象とした.これらの症例を 以下の4群に分類した.1.SV-AK群(43肢):自家静脈で膝上膝窩動脈に吻合. 2. SV- BK群(19肢):自家静脈で膝下膝窩動脈に吻合. 3. PTFE-AK群(27肢):PTFEで膝上 膝窩動脈に吻合4. PTFE-BK群(34肢):PTFEで膝下膝窩動脈に吻合.5年累積開存率 は自家静脈群69%, PTFE群53%で両群間に統計学的有意差はなかった.5年累積開存率 はSV-AK群69%, SV-BK群70%,PTFE-BK群54%でPTFE-AK群の4年累積開存率 は62%だった.4群間に統計学的有意差はなかった.大伏在静脈の内膜肥厚が著明であっ たり,内径が細い症例,高齢者やhigh risk症例で少しでも手術侵襲を軽減させたい症例に 対しては代用血管としてPTFEグラフトを使用してもさしつかえない. (日血外会誌5 : 563-568, 1996) 索引用語:閉塞性動脈硬化症,大腿・膝窩動脈バイパス術,自家静脈, PTFEグラフト, 開存率 はじめに ASOに対するF-Pのグラフト材料としては第1選 択として自家静脈が用いられている.しかし,自家静 脈の内膜肥厚が著明であったり,内径が細い症例,高 齢者やhigh risk症例で少しでも手術侵襲を軽減させ たい症例に対しては人工血管が選択される.われわれ はこの領域の血行再建術に1984年より人工血管材料 としてPTFEを主に使用してきたl).今回, F-Pにおけ 山口大学医学部第1外科(Tel : 0836-22-2261 〒755 宇部市小串1144 受付:1995年11月1日 受理:1996年5月20日 る自家静脈とPTFEの有用性をグラフト開存率より 知ることを目的として検討したので報告する. 対象と方法 1977年1月から1994年12月までに当科で初回F- Pを自家静脈あるいはPTFEで施行したASO症例 103例123肢を対象とした.年齢は48~85歳で平均69 歳だった.観察期間は1ヵ月~10年フカ月で平均3年 1ヵ月だった.自家静脈の直径が3mm未満の場合に はPTFEを用いた.PTFEはすべて直径6mmのもの を用いた.術後可能な限り抗血小板剤,抗動脈硬化剤, ワーファリンを投与した.ワーファリン投与例に対し てはトロンボテスト15~30%を目標とした.術後最初 35 藤岡顕太郎 斉藤 土生川光成 山下 晃正 吉村 耕一 善甫 宣哉 江里 健輔

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  • 大腿一膝窩動脈バイパス術における

      PTFEグラフトの位置付け

    要  旨:大腿・膝窩動脈バイパス術(以下F-P)における自家静脈とexpanded poly-

    tetrafiuoroethyleneグラフト(以下PTFE)の有用性を検討した.

     1977年1月から1994年12月までに当科で初回F-Pを自家静脈あるいはPTFEで施行

    した下肢閉塞性動脈硬化症(以下ASO)症例103例123肢を対象とした.これらの症例を

    以下の4群に分類した.1.SV-AK群(43肢):自家静脈で膝上膝窩動脈に吻合. 2. SV-

    BK群(19肢):自家静脈で膝下膝窩動脈に吻合. 3. PTFE-AK群(27肢):PTFEで膝上

    膝窩動脈に吻合4. PTFE-BK群(34肢):PTFEで膝下膝窩動脈に吻合.5年累積開存率

    は自家静脈群69%, PTFE群53%で両群間に統計学的有意差はなかった.5年累積開存率

    はSV-AK群69%, SV-BK群70%,PTFE-BK群54%でPTFE-AK群の4年累積開存率

    は62%だった.4群間に統計学的有意差はなかった.大伏在静脈の内膜肥厚が著明であっ

    たり,内径が細い症例,高齢者やhigh risk症例で少しでも手術侵襲を軽減させたい症例に

    対しては代用血管としてPTFEグラフトを使用してもさしつかえない.

    (日血外会誌5 : 563-568, 1996)

    索引用語:閉塞性動脈硬化症,大腿・膝窩動脈バイパス術,自家静脈, PTFEグラフト,

         開存率

              はじめに

     ASOに対するF-Pのグラフト材料としては第1選

    択として自家静脈が用いられている.しかし,自家静

    脈の内膜肥厚が著明であったり,内径が細い症例,高

    齢者やhigh risk症例で少しでも手術侵襲を軽減させ

    たい症例に対しては人工血管が選択される.われわれ

    はこの領域の血行再建術に1984年より人工血管材料

    としてPTFEを主に使用してきたl).今回, F-Pにおけ

    山口大学医学部第1外科(Tel : 0836-22-2261 )

    〒755 宇部市小串1144

    受付:1995年11月1日

    受理:1996年5月20日

    る自家静脈とPTFEの有用性をグラフト開存率より

    知ることを目的として検討したので報告する.

             対象と方法

     1977年1月から1994年12月までに当科で初回F-

    Pを自家静脈あるいはPTFEで施行したASO症例

    103例123肢を対象とした.年齢は48~85歳で平均69

    歳だった.観察期間は1ヵ月~10年フカ月で平均3年

    1ヵ月だった.自家静脈の直径が3mm未満の場合に

    はPTFEを用いた.PTFEはすべて直径6mmのもの

    を用いた.術後可能な限り抗血小板剤,抗動脈硬化剤,

    ワーファリンを投与した.ワーファリン投与例に対し

    てはトロンボテスト15~30%を目標とした.術後最初

    35

    藤岡顕太郎   斉藤  聡   土生川光成   山下 晃正

        吉村 耕一   善甫 宣哉   江里 健輔

  • 564

    Q   O    O    O    O

    廣0987

     1

    0 0

    6 S

    40

    0 0 0 0

    CO

    tM

      .-

      0  1  2  3  4 5  6  7 8  9

             術後年数

      図1 大腿・膝寓動脈バイパス術の累積開存率

    図中下方に羅列されている数字は各年度始めのグラフト数

    で上段は自家静脈,下段はPTFEグラフト.呈示した開存

    率はすべて標準誤差10%以下.

    の2年間は毎月1回,それ以降は3ヵ月に1回外来受

    診としグラフト開存を確認した.グラフト開存の確認

    は動脈拍動の触知, ankle brachial index の測定,血管

    造影により行った.開存率は生命表法で計算し,2群間

    の開存率の比較検定にはlog rank testを用いた.2群

    間の異なる割合の比較にはが検定を用いた.p<0.05

    を有意差ありとした.

     これらの症例をグラフトおよび末梢側吻合部位別に

    以下の4群に分類した. 1. SV-AK群:自家静脈で膝

    上膝寫動脈に吻合(43肢). 2. SV-BK群:自家静脈で

    膝下膝寓動脈に吻合(19肢).3,PTFE-AK群:

    PTFEで膝上膝寫動脈に吻合(27肢).4. PTFE-BK

    群:PTFEで膝下膝窓動脈に吻合(34肢).

     自家静脈を使用した群の方が, PTFEを使用した群

    に比べ,膝上で末梢側吻合を行った症例が多かった.

    Run in改善のため付加手術として大動脈一大腿動脈

    バイパス術がSV-AK群では11肢,PTFE-AK群では

    13肢, PTFE-BK群では7肢同時に施行された.大

    腿‐大腿動脈バイパス術はPTFE-AK群では1肢,

    PTFE~BK群では2肢同時に施行された.肢鴛一大腿

    動脈バイパス術はPTFE-AK群, PTFE-BK群でそれ

    ぞれ3肢同時に施行された.

     自家静脈の使用方法はSV-AK群ではreversed 34

    肢, in-situ 8肢, non-reversed 1肢, SV-BK群ではin-

    situ 11肢, reversed 6肢, non-reversed 2肢だった.

    使用したPTFEグラフトの種類はPTFE-AK群では

    36

    (%)

    100

    0 0

    9 8

    0 0

    7 6

    0 0 0 0 0

    10

    CO

    CVJ

    ≪-

    日血外会誌 5巻4号

      0 1  2 3 4 5  6 7 8 9

               術後年数

      図2 大腿・膝上膝突動脈バイパス術の累積開存率

    図中下方に羅列されている数字は各年度始めのグラフト数

    で上段はSV-AK群,下段はPTFE-AK群.PTFE-ΛK群

    の4年目開存率のみ標準誤差が10%より大.

    リング付きシンウォールグラフト18肢,シンウォール

    グラフト7肢,レギュラータイプグラフト,テクノグ

    ラフトそれぞれ1肢だった.PTFE-BK群ではリング

    付きシンウォールグラフト28肢,シンウォールグラフ

    ト3肢,レギュラータイプグラフト2肢,テクノグラ

    フトl肢だった.下腿3分枝の平均run o汀数はsv-

    AK群2.6±0.7本, SV-BK群2.8±0.4本, PTFE-AK

    群2.5±0.9本,PTFE-BK群2.5±0.8本だった.平均

    run off数は4群間において有意差はなかった.

     各群における術前症状とその肢数はSV-AK群では

    Fontaine 11 度29肢,m度H肢,IV度3肢, SV-BK

    群ではII度15肢,m度2肢,lv度2肢, PTFE-AK

    群ではII度17肢,m度7肢,lv度3肢, PTFE-BK

    群ではII度17肢,m度6肢,JV度H肢だった.

    PTFE-BK群では他の群に比べFontaine IV度症例が

    多かった.各群における高血圧,糖尿病,高脂血症,

    虚血性心疾患,脳血管障害の合併頻度はそれぞれsv-

    AK群では56, 13, 33, 23, 5%, SV-BK群では82,

    18, 47, 24, 6%, PTFE-AK群では43, 4, 43, 35,

    4%, PTFE-BK群では63, 25, 46, 29, 17%だった.

    合併症の頻度は4群間において有意差はなかった.

              結  果

     術後1ヵ月以内に閉塞した早期閉塞例はSV-AK群

    2肢,SV-BK群, PTFE-AK群,PTFE-BK群それぞ

    れ1肢だった.自家静脈群の累積開存率は1年81%,

  • 1996年6月

    (%)

    100

    0 0 0 0 0 0 0 0 0 0

    9 8 7 6 5 4 3 Z I

    藤岡ほか:鼠径靭帯下でのPTFEグラフトの位置付け

      0   1   2   3   4   5   6   7   8

            術後年数

      図3 大腿・膝下膝喬動脈バイパス術の累積開存率

    図中下方に羅列されている数字は各年度始めのグラフト数

    で上段はSV-BK群,下段はPTFE-BK群.SV-BK群の術

    後2年目まで, PTFE-BK群の術後3年目まで標準誤差が

    10%以下.

    3年72%, 4~9年69%で4年以降開存率はー定して

    いた.PTFE群の累積開存率は1年83%, 3年71%,

    5~7年53%だった.PTFE群は術後4年以降自家静

    脈に比べ開存率が低かったが統計学的有意差はなかっ

    た(図1).

     SV-AK群の累積開存率は1年80%, 3年73%, 4~9

    年69%だった.PTFE-AK群の累積開存率は1年

    96%, 3年81%, 4年62%だった.両群間に統計学的

    有意差はなかった(図2).

     SV-BK群の累積開存率は1年84%, 3~7年70%だ

    った.PTFE-BK群の累積開存率は1年72%, 3年

    61 %, 4~6年54%だった.両群間に統計学的有意差は

    なかった(図3).

     SV-AK群とSV-BK群(術後7年まで),PTFE-AK

    群とPTFE-BK群(術後4年まで)それぞれにおいて

    も両群間に累積グラフト開存率は統計学的有意差を認

    めなかった.

     Fontaine lJ度症例のみで累積開存率を検討したが

    自家静脈群とPTFEグラフト群の間に有意差はなか

    った.

     Fontaine Ill, IV度症例のみで同様の検討を行った

    が有意差はなかった.自家静脈群,PTFEクラフト群そ

    れぞれにおいてFontaine II 度症例とIll, IV度症例の

    累積開存率を検討したが有意差はなかった.

    37

    565

     同様にSV-AK群, SV-BK群,PTFE-AK群,

    PTFE-BK群それぞれにおいてFontaine II度症例と

    Ill,IV度症例の累積開存率を検討したが有意差はなか

    った.

              考  察

     F-Pを行う際自家静脈と人工血管いずれを使用す

    べきか未だ議論のあるところである.当科では自家静

    脈を第1選択として用い,自家静脈がグラフトとして

    適さない場合や全身状態が不良なため少しでも手術時

    間を短縮したい場合には人工血管として1984年より

    PTFEを主に使用してきた.PTFEはフッ素系樹脂テ

    フロンを特殊延伸加工した人工血管で,J976年より臨

    床応用されている2).PTFEの有用性を検討するため

    にprospective randomized studyが行われた報告が

    Veithら3)とQuinones - Baldrich ら4)によってなされ

    ている. Veithらは,4年累積開存率が大腿・膝上膝寓

    動脈バイパス術(以下AK)では自家静脈を用いた場合

    61%, PTFEでは38%,大腿・膝下膝需動脈バイパス

    術(以下BK)では自家静脈を用いた場合76%, PTFE

    では54%でありBKでは自家静脈とPTFEの間に有

    意差が認められたと報告している.また彼らは術後2

    年までは自家静脈とPTFEとの間に累積開存率がほ

    とんど同じだったことより生命予後の悪い症例に対し

    ては第1選択としてPTFEを使用しても良いがそれ

    以外の症例には自家静脈をまず用いるべきであると述

    べている.われわれの成績でも術後3年までは自家静

    脈とPTFEの累積開存率はほぼ同等であったがそれ

    以降自家静脈の方がPTFEより開存率が上回る傾向

    が認められた.

     Quinones-BaldrichらはPTFEの5年累積開存率は

    AKでは63 %, BKでは44%であり両群間に統計学的

    有意差が認められたと報告している.彼らは肢救済の

    みが目的ならまずPTFEを用いグラフト閉塞後に自

    家静脈を使用した方が長期間にわたり肢救済を維持で

    きると述べている.

     各群における5年累積開存率は文献的にはSV-AK

    群では67~855`7)%,SV-BK群では47~735~7)%,

    PTFE-AK群では38.7~75.64`6・8~14)%,PTFE-BK群

    では16~594~6・9・11・13)%と報告されている(表1).われ

    われの開存成績はほぽ標準的であったがPTFE-BK

    群の成績が比較的良好であった.これは術後の薬物療

  • 、566

    表1 文献的にみた各群における5年累積開存率

      著者

     SU-flK

     Budd^

     Kent^

     Breiuster^

    SU-BK

     Budd^

     Kent^

     Bre Ulster^

    PTFE-HK

     Budd^

     0‘Riordain^

     Quinones-Baldrich'^

     Kent^

     Cristenson^

     Haiders^̂

     Qumones-Baldrich^ ^

     RosenthaM^

     UJhittemore13

     PrendiLヌille14

    PTFE-BK

    Budd^

    Quinones-Baldrich'*

    Kent^

    Cristenson^

    Quinones-Baldrich^ ^

    UJhittemore^^

    肢数

    1  7  1n

    nj      00      CO

    82 皿 

    62

    1  1 1 3 3 9 9 0 4 4

    8 7 0 6 5 4 1 0 6 1

          1     1    7』 1     1

    法を徹底して行っているためだと考えている15)

     F-Pに対する人工血管としてPTFE以外にはEXS

    ダクロングラフト(以下EXS),ヒト臍帯静脈グラフト

    (以下HUV)が主に使用されている. EXSによる5年

    累積開存率をAK, BKにおいて松原ら16)はそれぞれ

    71%, 50.9%と,森ら17)はそれぞれ87.4 %, 69.7%と報

    告している. Buddら5)はHUVによる5年累積開存率

    をAKでは54%, BKでは27%と報告している.これ

    らの成績と比較しPTFEはF-Pを人工血管を用いて

    行う際十分に選択肢に入りうると考えられた.

     われわれはF-Pを行った症例を4群に分け累積開

    存率を検討した.各群において統計学的有意差は認め

    =3    in    o\    rr    in    。-

    5  4  ・・・ 7  7  2

    38

    5年累積開存率(%)

    67

    85

    70

    47

    72

    75

    49

    5963

    55

    75.6

    38.7

    60.5

    65

    2  2

    6  4

    6  4

    1  4

    42

    43.1

    59

    42

    日血外会誌 5巻4号

    られなかったもののPTFE使用群では術後3年以降

    開存率が自家静脈に比べ劣る傾向にあったため全身状

    態の良好な症例に対してはできるだけ自家静脈を用い

    るべきだと考えられた.しかし自家静脈が使えない場

    合や患者の全身状態が不良な場合はPTFEを代用血

    管として使用してもよいと思われた.

              結  語

     1.大腿・膝裔動脈バイパス術で自家静脈とPTFE

    グラフトの累積開存率に有意差はなく,累積開存率は

    末梢側吻合部(膝上,膝下),用いられた代用血管(自

    家静脈あるいはPTFE)に左右されなかった.

  • 1996年6月 藤岡ほか:鼠径靭帯下でのPTFEグラフトの位置付け

     2.大伏在静脈の内膜肥厚が著明であったり,内径

    が細い症例,高齢者やhigh risk症例で少しでも手術侵

    襲を軽減させたい症例に対しては代用血管として

    PTFEグラフトを使用してもさしつかえない.

                文  献

    1)江里健輔,善甫宣哉:大腿・膝寫動脈領域-

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    39

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       a1. : Long-term results with the above-knee po’

       pliteal expanded polytetrafluoroethylene graft. J.

       Vase. Surg。 11 : 5 17-524, 1990.

    15)江里健輔,藤岡顕太郎,大原正己他:下肢閉塞性

       動脈硬化症に対する大腿一膝寓動脈バイパスの

       遠隔成績―長期補助療法の有用性-.外科,49:

       181-185, 1987.

    16)松原純一,辻 孝仁,永吉靖弘他:ダクロンEXS

       グラフトによる大腿・膝裔動脈バイパスの長期

       成績.日血外会誌,4 : 401-406, 1995.

    17)森  彬,山村普史,坂田久信他:慢性動脈閉塞

       症に対する大腿一膝寫動脈バイパスの遠隔成績

       の検討.日血外会誌,2: 343-348, 1993.

  • 568 日血外会誌 5巻4号

    The Clinical Significance of Polytetrafluoroethylene Grafts

    in Femoropopliteal Bypass

    Kentaro Fujioka, Satoshi Saito, Mitsunari Habukawa, Akimasa Yamashita,

    Kouichi Yoshimura, Nobuya Zempo and Kensuke Esato

    First Department of Surgery, Yamaguchi University School of Medicine

    Key words: Femoropopliteal bypass, Expanded polyletrafluoroethylene graft, Autogenous saphenous vein,

    Arteriosclerosisobliterans, Cumulative patency rate

    The objective of this review is to evaluate the clinical significance of expanded polytetrafluoroethylene

    (PTFE) grafts in femoropopliteal (FP) bypass. From 1977 to 1994, 123 primary FP bypasses were

    performed in 103 patients. Patients were divided into four groups: above-knee bypass with autogenous

    saphenous vein (ASV) graft (SV-AK group, n=43), below-knee bypass with ASV graft (SV-BK group,

    n=19), above-knee bypass with PTFE graft (PTFE-AK group, n = 27), and below-knee bypass with

    PTFE graft (PTFE-BK group, n = 34). The primary 5-year cumulative patency rates were 69% for the

    SV-AK group, 70% for the SV-BK group and 54% for the PTFE-BK group. The primary 4-year

    cumulative patency rate was 62 % for the PTFE-AK group. There was no significant difference in patency

    among the four groups. SV and PTFE grafts to the popliteal artery failed with roughly equal frequency up

    to 3 years; thereafter the PTFE grafts failed more frequently. We conclude that femoropopliteal bypass

    with PTFE grafts is a reasonable alternative for patients with poor autogenous saphenous veins or high

    risk patients. (Jpn. J. Vase. Surg., 5: 563-568, 1996)

    40

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