超偏極技術を用いた局所敏感nmr法の開発 強磁...
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超偏極技術を用いた局所敏感NMR法の開発
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Keywords: 核磁気共鳴(NMR)、 動的核偏極、 光ポンピング、ヘテロ界面観測
極限計測分野 強磁場NMRグループ
後藤 敦[email protected] | http://www.nims.go.jp/research/group/high-field-nmr/
現代の科学・技術の多くでは、表面・界面における物質の状態観測・制御が鍵を握る。
核磁気共鳴法(NMR)は、多彩な情報がミクロなレベルで非侵襲的に得られる重要な分析技術
だが、感度と空間選択性に課題があり、これまで、表面・界面分析への適用は限定的であった。
表面・界面等に超偏極核スピンを局在化させる「超偏極ラベリング技術」を開発し、NMRの感度と
空間選択性の問題を克服。
太陽電池やLEDなどの性能を左右する「半導体ヘテロ界面」を対象に、「局所敏感NMR」を実現。
・A. Goto, K. Hashi, S. Ohki and T. Shimizu, Physical Review Materials 1 (2017) 074601.・A. Goto, S. Ohki, K. Hashi and T. Shimizu, Japanese Journal of Applied Physics 50 (2011) 126701.・A, Goto, S. Ohki, K. Hashi and T. Shimizu, Nature Communications 2 (2011) 378.
光ポンピングNMR技術を基礎として、表面・界面に超
偏極を局在化させる「超偏極ラベリング技術」を開発。
半導体ヘテロ界面の局所敏感NMR測定に成功。
「表面・界面敏感NMR」や「光誘起現象のNMR測
定」等、光と組み合わせた次世代NMR技術の実現。
環境・エネルギー分野等、基幹技術における機能発
現機構の解明、光物質科学研究への貢献。
Optical systemOptical system Control systemControl system
Optical-pumping NMR probe
Optical-pumping NMR probe
GM cryocoolerGM cryocooler
SC magnetSC magnetOptical system Control system
Optical-pumping NMR probe
GM cryocooler
SC magnet
光ポンピングNMRシステム
核スピンの偏極状態である「超偏極」を界面近傍に局在化させるための角運動量連続転写プロセス。 半導体界面への超偏極生成・局在化プロセス。
InGaP/GaAsヘテロ界面における光ポンピング71Ga-NMRスペクトルの光子エネルギー依存性。緑・青色部分が界面に局在した超偏極により増強されたサテライト共鳴信号。
強磁場NMRの開発と材料分析への応用Keywords:: 核磁気共鳴法(NMR)、強磁場、 機器開発、構造解析
極限計測分野 強磁場NMRグループ
端 健二郎[email protected] | https://samurai.nims.go.jp/profiles/HASHI_Kenjiro?locale=ja
核磁気共鳴法(NMR)は有機化学や材料研究など広い分野で利用されている。
NMR装置の感度と分解能は測定で使用する磁場が高いほど良くなる。
より高い感度と分解能を得るための装置開発が求められてきた。
従来のNMR装置は金属系超伝導線材を利用した超伝導磁石が用いられてきた。
金属系超伝導線材のみで発生できる磁場の上限は1000MHzであった。
酸化物超伝導線材を利用して1000MHzを超える世界最高磁場のNMR装置の開発を行った。
・K. Hashi et al., J. Magn. Reson. 256 (2015) 30.・K. Hashi et al., Chem. Lett. 45 (2016) 209.・材料イノベーションを加速する先進計測テクノロジーの現状と動向(ISBN:978-4-9900563-7-7), p101.
世界最高磁場のNMRシステムを開発
酸化物高温超伝導線材を利用
生体材料・無機材料で強磁場の効果を実証
NMRプローブ・分光計の高度化
オペランドNMR計測の実現
高温超伝導線材の接続技術
双極⼦核 四極⼦核
従来のNMR測定は双極子核(水色)が主な対象
高磁場化により四極子核(ピンク)も対象になる。
生体材料の17O-NMR高い磁場のほうが線幅がシャープになり感度が向上している。
無機材料の11B-NMR高い磁場ではピークが2本になり、解析が容易になっている。
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先端材料解析