金融市場ウィークリー · 2017-06-09 · 1...

20
2017 6 9 日号 経済・金融市場動向] 金融市場見通し・内外経済指標 FOMCでの利上げは既定路線。米金利は低位での推移、 為替はドル安、米株・日本株は底堅い推移を予想。 FRBの政策スタンスやギリシャ債務問題に注目 [トピックス] 中国における最近の金融リスクの動向 シャドーバンキングが複雑化し、金融リスクへの懸 念が上昇。当局は対策を強化しているが、解消には 時間を要する見込みであり、動向には注視が必要 政治不安が再燃するブラジル 今後は、構造改革路線が維持されるかが焦点。「3 年連続マイナス成長」を回避するには、財政緊縮・ 金融緩和のポリシーミックス維持が不可欠 金融市場ウィークリー

Upload: others

Post on 27-May-2020

4 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

Page 1: 金融市場ウィークリー · 2017-06-09 · 1 金融市場ウィークリー(2017年6月9日号) ~今週の注目チャート~ 【 米国の政策金利と米国債利回り(2年・10年)

2017年 6月 9日号

[経済・金融市場動向]

◆ 金融市場見通し・内外経済指標

FOMCでの利上げは既定路線。米金利は低位での推移、

為替はドル安、米株・日本株は底堅い推移を予想。

FRBの政策スタンスやギリシャ債務問題に注目

[トピックス]

◆ 中国における最近の金融リスクの動向

シャドーバンキングが複雑化し、金融リスクへの懸

念が上昇。当局は対策を強化しているが、解消には

時間を要する見込みであり、動向には注視が必要

◆ 政治不安が再燃するブラジル

今後は、構造改革路線が維持されるかが焦点。「3

年連続マイナス成長」を回避するには、財政緊縮・

金融緩和のポリシーミックス維持が不可欠

金融市場ウィークリー

Page 2: 金融市場ウィークリー · 2017-06-09 · 1 金融市場ウィークリー(2017年6月9日号) ~今週の注目チャート~ 【 米国の政策金利と米国債利回り(2年・10年)

金融市場ウィークリー(2017年 6月 9日号)

✣[目次]✣

今週の注目チャート ···················································· 1

Ⅰ.経済・金融市場動向 ················································ 3

金融市場見通し ·································································· 3

金融市場レビュー ································································ 4

内外経済指標の解説と予測 ························································ 5

Ⅱ.トピックス ························································ 8

中国における最近の金融リスクの動向 ·············································· 8

政治不安が再燃するブラジル ····················································· 10

Ⅲ.参考資料 ························································· 12

今週・来週の主要経済指標 ······················································· 12

月次・四半期のスケジュール ····················································· 14

今週の金融市場の動き ··························································· 17

最新リポート一覧 ······························································· 18

〰〰 マーケット時流潮流 〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰

税収の鈍化は何を意味するか 調査本部本部長代理 長谷川克之

卑近な話ではあるが、とある国際会議で隣席の中国人に「中国の景気を占うにはどの指標を一番重

視するべきか」聞いたことがある。経済予測の専門家である彼の答えはGDP成長率でも、PMI指

数(景況感指数)でも、また、銀行貸出、鉄道貨物量、電力消費量のいわゆる李克強指数の構成指標

でもなく、「税収」。やや意外感はあったが、確かに税収はどこの国でも注目される指標の一つである。

中国経済は 1~3月期をピークとして緩やかに減速することが見込まれている。来週(14日)発表

予定の鉱工業生産や小売売上高などの主要月次指標では伸び率が若干鈍化するとの見方が一般的だ

が、総じて経済が好調さを維持していることを示すことになりそうだ。一方、税収統計を見てみると、

税収の伸び率(前年比)は年初の 20%弱から 4月には 5%弱にまで鈍化している。振れの激しい統計

ではあるが、隣席の専門家の見立てが正しいとすれば、楽観はできない。

税収の鈍化が気になるのは米国も同様である。企業業績の堅調を映じて法人税は順調に拡大する一

方で、個人所得税の伸びが鈍化している。税収鈍化の背景にはトランプ減税への期待から、納税を先

送りする動きもあるようだ。米国の場合、税収は連邦政府の債務上限問題にも直結するから厄介だ。

連邦政府の債務残高は法律で決められる上限を既に突破、現在は財務省の遣り繰りによって急場をし

のいでいる。遣り繰りが限界となり、国庫が底を付くのは従来は秋頃と見られていたが、税収の伸び

悩みから前倒しされるとの見方が強まっている。財務長官は議会に対して 7月末の夏季休暇入り前に

債務上限を引き上げるように要請しているが、議会での審議は一筋縄では行かないだろう。2011年 8

月のように米国債のデフォルト懸念から、金融市場が混乱に陥るリスクシナリオも考えられよう。

当面は中国、そして米国の税収動向から目が離せない。

〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰

Page 3: 金融市場ウィークリー · 2017-06-09 · 1 金融市場ウィークリー(2017年6月9日号) ~今週の注目チャート~ 【 米国の政策金利と米国債利回り(2年・10年)

金融市場ウィークリー(2017年 6月 9日号) 1

~今週の注目チャート~ 【 米国の政策金利と米国債利回り(2年・10年) 】

債券市場は先行きの利上げに対して慎重な見方、長短金利差が徐々に縮小

(資料)Bloombergより、みずほ総合研究所作成

【解説】債券市場では先行きの利上げに対する慎重な見方が根強いようだ。2015 年 12 月を皮切りに米国で

は既に 3 回利上げが行われている。短期債の利回りが緩やかに上昇する一方、長期債の利回りは足元で低下

しており、長短金利差は徐々に縮小している。市場参加者は、来週の FOMCでの利上げ決定を確実視している

が、FOMC後に長期金利の動きに変化が生じるかが注目される。

【 米機関投資家のセンチメントと S&P500指数 】

依然米国株に対して強気派が優勢

【解説】トランプ政権の政策停滞リスクが意識され、機関投資家の米国株への強気派が弱気派を上回る比率

は年初と比較すると低下したが、依然強気派が優勢である状況は不変である。先週末の 5 月の雇用統計発表

後に主要株価指数が最高値を更新したように、米景気は底堅さを示す一方で過熱感のない経済指標が続いて

おり、金融政策の引き締めが加速する状況でもないという見方が投資家心理を支えているとみられる。

0.0

0.5

1.0

1.5

2.0

2.5

3.0

15/12 16/1 16/2 16/3 16/4 16/5 16/6 16/7 16/8 16/9 16/10 16/11 16/12 17/1 17/2 17/3 17/4 17/5 17/6

(%、%Pt)

(年/月)

米10年国債利回り

米2年国債利回り

FF金利(上限)

利回り差(10年-2年)

1,800

1,900

2,000

2,100

2,200

2,300

2,400

2,500

▲ 20

▲ 10

0

10

20

30

40

50

15/1 15/4 15/7 15/10 16/1 16/4 16/7 16/10 17/1 17/4

投資家センチメント(強気派-弱気派)

S&P500(週次平均、右目盛り)

(強気派-弱気派、%)

(年/月)

(Pt.)

(注)強気(弱気)派:機関投資家アンケートにおいて現在の株式相場に対して強気(弱気)と答えた人の比率。

(資料)Investors Intelligence、Bloombergより、みずほ総合研究所作成

Page 4: 金融市場ウィークリー · 2017-06-09 · 1 金融市場ウィークリー(2017年6月9日号) ~今週の注目チャート~ 【 米国の政策金利と米国債利回り(2年・10年)

金融市場ウィークリー(2017 年 6 月 9 日号) 2

【 ポンドドル相場 】

4 月半ば以来のポンド安水準に

(資料)Bloomberg より、みずほ総合研究所作成

【解説】英下院選挙(6/8)の出口調査で与党保守党が過半数割れの公算が高まったことから、ポンドが急落

している。本稿執筆時点では選挙結果は確定していないが、ポンドドル相場は既に 4 月半ば以来 2 カ月ぶり

のポンド安水準となっている。実際にどの党も過半数を獲得できない、いわゆるハング・パーラメントとな

った場合、Brexit 交渉に向けた不確実性の高まりが意識され、ポンド安地合いがしばらく続く可能性がある。

【 オフショア人民元 HIBOR と人民元相場 】

当局による人民元高誘導

【解説】中国人民銀行は人民元相場の基準値(1日の変動抑制目標の中値)について、算出方法を変更して

過度な変動を抑える「逆周期因子」を導入すると発表した。利上げ局面に入った米国を念頭に、資金流出を

加速させる人民元安を抑える意図がある。オフショア市場でも投機筋の人民元売りポジションの縮小を狙っ

て流動性を引き締めており、オフショア HIBOR(香港銀行間金利)が急上昇するなどの影響が出ている。

1.20

1.22

1.24

1.26

1.28

1.30

1.32

3/1 4/1 5/1 6/1

(ポンド/ドル)

(年/月)

Page 5: 金融市場ウィークリー · 2017-06-09 · 1 金融市場ウィークリー(2017年6月9日号) ~今週の注目チャート~ 【 米国の政策金利と米国債利回り(2年・10年)

金融市場ウィークリー(2017年 6月 9日号) 3

Ⅰ.経済・金融市場動向 ~金融市場見通し~ 日米欧の中央銀行動向や

政治イベントを控え、金融

市場は総じて小動き

市場のコンセンサスを下回った前週の米雇用統計の結果を受け、米国の

金融引締めが景気に悪影響を及ぼしている可能性への警戒感が高まった。

米金融市場では、FRBの金融引締めのスピードが緩まるという観測が広

がったことを好感し、株式市場は上昇、米10年国債利回りは低下する展開

となった。一方、国内市場では米金利低下を受けて円高が進行するなか、

株式市場が弱含んで推移した。ただし、週後半から来週にかけての日米欧

の中央銀行会合や英総選挙やFBI前長官の議会証言などの重要イベント

を前に総じて小幅な動きに留まった。

米国の主要経済指標は景

気回復に対する安心材料

にはならないと予想。ギリ

シャ債務問題も注目

来週にかけては、米国の経済を見極める上で重要な指標が発表される。5

月の小売売上高や同消費者物価指数(いずれも6/14)の他、景況感や生産

関連指標の発表が予定されている。いずれの指標も1~3月の落ち込みから

景気が回復基調に復したという裏付けにはならないと予想する。物価につ

いては、特殊要因を背景に下振れていたサービス物価の復調を背景にコア

CPIは緩やかに上昇するだろう。欧州では、ユーロ圏財務相会合(6/15)

でギリシャ支援への合意が債権者団の間で形成されるかに注目が集まる。7

月に控える国債の大型償還に向け合意形成する最後のチャンスとの見方も

あるなか、債務軽減に対する見方は当事者間で異なっており、不調となっ

た場合の金融市場への影響には注視する必要がある。

金融市場は米利上げを織

り込み済み。ただし、タカ

派的なスタンスが示され

る場合の相場変動には留

FOMC(6/13・14)での政策金利の引き上げは市場に織り込まれており、

各市場に対する影響は限定的だと見込まれる。予想通り利上げされるなら、

今週のような相場展開となろう。債券利回りは低位で推移し、株式市場は

高値圏での揉みあい、為替市場は、金利差が意識されドル安が継続しそう

だ。ただし、FOMCで再投資政策停止等の過度な引き締めスタンスが示され

る場合や英国での政治混迷が意識される場合に各市場がボラタイルな反応

を示す可能性があるという点には留意が必要である。 (殿岡直樹)

【 来週の予想 】

USD LIBOR 3カ月(%) 1.210 ~ 1.250

米10年国債(%) 2.05 ~ 2.35

円 TIBOR 3カ月(%) 0.03 ~ 0.07

10年国債(%) 0.00 ~ 0.10

ダウ平均(ドル) 20,850 ~ 21,350

NASDAQ総合指数(ポイント) 6,190 ~ 6,390

日経平均(円) 19,800 ~ 20,400

TOPIX(ポイント) 1,580 ~ 1,640

円/ドル 108.0 ~ 112.5

ドル/ユーロ 1.100 ~ 1.145

円/ユーロ 120.0 ~ 126.0

為 替

項目 予想レンジ

内外金利

内外株式

Page 6: 金融市場ウィークリー · 2017-06-09 · 1 金融市場ウィークリー(2017年6月9日号) ~今週の注目チャート~ 【 米国の政策金利と米国債利回り(2年・10年)

金融市場ウィークリー(2017年 6月 9号) 4

~金融市場レビュー~

<内外金利動向> 米雇用統計が事前予想を

下回る結果となり、米 10

年国債利回りは低位推移

が継続

先週末以降の米 10年国債利回りは横ばい圏で推移した。5月米雇用統計

(6/2)では、非農業部門雇用者数が事前予想を下回ったほか、賃金上昇率

にも加速感はみられなかった。市場参加者は 6月利上げを依然として確実

視する一方、先行きの利上げに対する慎重な見方は変えておらず、米 10年

国債利回りは低位での推移が続いた。ECB政策理事会(6/8)では、政策

金利の据え置きが決定された。デフレリスクの解消を受けて、一段の利下

げを辞さないことを示唆する文言が声明文から削除されたが、ドラギ総裁

は記者会見で、引き続き金融緩和により物価上昇を支える必要があると述

べた。日本の 10年国債利回りは 0%近傍で推移している。 (坂中弥生)

<内外株式動向>

米国株は底堅い経済指標

を好感し上昇、日本株は

円高が下押しし下落

先週末以降の米株式相場は、上昇した。先週末の 5 月の雇用統計は米景

気の底堅さが確認された一方で賃金の伸びは鈍化する等金融政策の引き締

め加速を意識させる内容にも至らず、押し上げ材料となった。しかし、週

明け以降は英下院選挙やコミーFBI前長官の証言等の重要イベントを控

える中で投資家の様子見姿勢が強まり、上昇幅を縮小させる展開となった。

証言は無難に通過し週末にかけてはやや安心感が広がった。日本株は下落

した。米雇用統計後に進行した円高が嫌気された他、海外重要イベント前

であり積極的な買いも入りづらかった。ただし、米国株が史上最高値圏で

下値堅く推移しており、日本株も下値は限定的であった。 (大塚理恵子)

<為替動向> 米雇用統計の結果を受

け、ドル安進展

先週末以降のドル円相場は円高ドル安地合い。5月米雇用統計で非農業部

門雇用者数が市場予想を下回り、円高ドル安が進展した。中東諸国のカタ

ール断交表明もリスクオフによる円高圧力として働いた。コミーFBI前

長官の議会証言は新たな材料にかけ、ドル円相場への影響は限定的だった。

ユーロドル相場はもみ合う展開。先週末の米雇用統計を受けドル高が進展

した後、今週前半にかけては様子見姿勢が続いた。しかし 6 月ECB理事

会(6/8)後の記者会見で、ドラギ総裁が同理事会で量的緩和縮小の討議が

なかった旨の発言をしたことから、テーパリング期待がやや後退しユーロ

安に戻した。 (有田賢太郎)

<新興・資源国動向>

アジアの株高を中心に、

総じて落ち着いた値動き

新興国株は、株高基調のアジアを中心に落ち着いた値動きが続いている。

税制法案が承認される見通しのフィリピンでドゥテルテ大統領の経済政策

が進展するとの期待感から株価が続伸しているほか、ベトナムでも株価が 9

年ぶりの高値を記録している。一方、2017年 1~3月期の実質GDP成長率

が 2四半期連続のマイナス成長となった南アフリカでは、株価が続落した。

汚職疑惑のあるズマ大統領への反発から政情が不安定なことも株安要因と

なっている。通貨は、メキシコ州知事選の与党勝利を好感したメキシコペ

ソの上昇を除けば、総じて小幅な値動きとなっており、大統領の汚職関与

疑惑で急落したブラジルレアルも下落が一服している。 (井上淳)

Page 7: 金融市場ウィークリー · 2017-06-09 · 1 金融市場ウィークリー(2017年6月9日号) ~今週の注目チャート~ 【 米国の政策金利と米国債利回り(2年・10年)

金融市場ウィークリー(2017年 6月 9日号) 5

~内外経済指標の解説と予測~ <国 内> 1~3月期の成長率(2次速

報)は下方修正も、景気回

復の広がりを示す内容

今週発表の指標は、概ね日本経済の回復を示す内容となった。

1~3月期の実質GDP成長率(2次速報、6/8)は、前期比+0.3%と、1

次速報(同+0.5%)から下方修正された。主要な項目では、設備投資(前

期比+0.2%⇒同+0.6%)が上方修正されたものの、在庫投資(前期比寄

与度+0.1%Pt⇒同▲0.1%Pt)の下方修正の影響が上回った。成長率は下

方修正されたが、輸出の増加や個人消費の持ち直しに加え、設備投資の増

勢も鮮明になっており、景気回復の広がりを示す内容と評価できる。

名目賃金は 2 カ月ぶりの

増加

4月の毎月勤労統計(速報値、6/6)によると、名目賃金は前年比+0.5%

(3月同0.0%)と2カ月ぶりに増加した。所定内給与がプラスに転じたこと

や、特別給与の伸びが高まったことが押し上げに寄与した。労働需給のひ

っ迫が続いていることから、今後も賃金の緩やかな回復が続くとみられる。

ただし、労働時間の短縮が下押し圧力となる可能性には注意が必要である。

経常収支は黒字幅が拡大 4月の経常収支(6/8)の黒字額は、21.7兆円(季調済年率換算値)と前

月(20.8 兆円)より拡大した。貿易収支と第一次所得収支の黒字が減少し

た一方で、サービス収支が 14カ月ぶりの黒字となった。今後も第一次所得

収支の大幅な黒字が続き、経常収支の黒字額は高水準を維持する見込みだ。

来週は、企業物価指数や機械受注統計が発表される。

企業物価指数の伸びは前

月から横ばい

5月の企業物価指数(6/12)は、前年比+2.1%(4月同+2.1%)と予測

する。原油価格の持ち直しの一服を背景に石油・石炭製品の伸びが鈍化す

るものの、円安や値上げの影響により飲食料品が上昇することから、前年

比は前月並で推移するだろう。

機械受注は 3 カ月連続の

プラス

4月の機械受注(船舶・電力を除く民需、6/12)は、前月比+1.4%(3月

同+1.4%)と予測する。建設機械の受注が底堅く推移するほか、IT需要

の拡大が続く中で半導体製造装置などの受注も好調に推移し、3カ月連続の

プラスとなる見通しである。 (田村優衣)

【 実質GDP成長率の推移 】 【 機械受注(船舶・電力を除く民需)の推移 】

(資料)内閣府「四半期別GDP速報」により、みずほ総合研究所作成

(期)

(年)

▲ 1.0

▲ 0.5

0.0

0.5

1.0

1.5

Q1 Q2 Q3 Q4 Q1 Q2 Q3 Q4 Q1

2015 2016 2017

(前期比、%)

家計

(消費+住宅)公的需要

外需

民間在庫投資

民間設備投資実質GDP

成長率

90

95

100

105

110

115

120

125

130

135

140

13/01 13/07 14/01 14/07 15/01 15/07 16/01 16/07 17/01(年/月)

(2010年=100)

予測値

(注)2017年4月の値は、みずほ総合研究所による予測値。

(資料)内閣府「機械受注統計調査報告」より、みずほ総合研究所作成

3カ月後方

移動平均

月次

Page 8: 金融市場ウィークリー · 2017-06-09 · 1 金融市場ウィークリー(2017年6月9日号) ~今週の注目チャート~ 【 米国の政策金利と米国債利回り(2年・10年)

金融市場ウィークリー(2017年 6月 9日号) 6

<海 外(米国)> 労働需給のタイト化が進

む一方、時間当たり賃金

上昇率は低調な動き

5月の雇用統計(6/2)では、非農業部門雇用者数(前月差)が+13.8 万

人と前月(同+17.4 万人)から減速した。一方、労働需給は一段とひっ迫

し、失業率(4.3%)、代替的失業率(U6、8.4%)は低下した。U6 の水

準は 2007 年 11 月以来の低さであり、2017 年 1 月から 1.0%ポイントも急

低下している。時間当たり賃金上昇率は前年比+2.5%と前月からほぼ変わ

らず、2017 年 2月(同+2.8%)をピークに減速傾向が続いている。

非製造業の業況は堅調さ

を維持

5 月の非製造業ISM指数(6/5、56.9)は高い水準を維持し、非製造業

の業況が引き続き堅調であることを示した。業種別では、18業種中 17業種

の業況が改善した(前月:16 業種)。企業のコメントは総じて前向きな内

容であったものの、小売業は「回復ペースが一服している。事業環境は良

好だが、ピークに達したのかもしれない」とやや慎重な見方を示していた。

来週発表される経済指標

は強弱混在する内容とな

る見通し

来週発表される 5月の小売売上高(6/14)は、自動車ディーラーやガソ

リンスタンドの売上減少を受けて、前月からほぼ横ばいで推移するとみら

れる。5月のコアCPI上昇率(6/14)は前月比+0.2%となり、前年比で

は+1.9%と前月から変わらないと予想する。5月の鉱工業生産指数(6/15)

は小幅に上昇すると見込まれる。しかし、製造業の平均労働時間が横ばい

であったこと(5月雇用統計)等を踏まえると、製造業の生産は伸び悩む可

能性が高い。4月に急増していた自動車生産の反動が生じるとみられること

も下押し要因となろう。一方、6月の地区連銀製造業業況指数(6/15:ニュ

ーヨーク、フィラデルフィア)は、製造業業況の堅調さが維持されている

ことを示す見通しである。5月の住宅着工件数(6/16)は、先行指標である

住宅建設許可件数の 1~2カ月前の水準から判断すると、3カ月ぶりに増加

し、年率 120万件超の水準に戻るとみられる。 (風間春香)

【 時間当たり賃金上昇率 】 【 小売売上高 】

(資料)米国労働省より、みずほ総合研究所作成

(注)2017年 5月はみずほ総合研究所予測値。

(資料)米国商務省、みずほ総合研究所作成

1.0

1.5

2.0

2.5

3.0

3.5

4.0

2009 11 13 15 17

(前年比、%)

5月の実績:

前月比+0.2%

前年比+2.5%

(年)

(前月比、%)

▲0.5

0.0

0.5

1.0

1.5

16/5 16/8 16/11 17/2 17/5

コア小売 自動車・部品

建材・造園 ガソリン

外食

(年/月)

Page 9: 金融市場ウィークリー · 2017-06-09 · 1 金融市場ウィークリー(2017年6月9日号) ~今週の注目チャート~ 【 米国の政策金利と米国債利回り(2年・10年)

金融市場ウィークリー(2017年 6月 9日号) 7

<海 外(欧州)> 1~3 月期のユーロGDP

は内需中心に増加

ECBの景気認識は改

善、ガイダンスは修正に

英総選挙はいずれの政党

も過半割れとなる公算大

1~3月期のユーロ圏GDP(3次推計値、6/8)は前期比+0.6%となり、

2 次推計値(同+0.5%)から上方修正された。需要項目別にみると、個人

消費や固定投資が増加し、内需中心の成長であったことが確認された。輸

出の増加率を輸入の増加率が上回り、外需寄与度はマイナスとなった。

欧州中央銀行(ECB)は政策理事会(6/8)で政策金利の現状維持を決

定した。ECBの景気認識は改善し、スタッフ見通しでは 2017~19 年の

GDP成長率見通しが引き上げられ、景気の先行きに係るリスクは、従来

の「均衡に近づいているが下振れ方向にある」という表現から「概ね均衡

している」に変更された。「政策金利は、当分の間、かつ純資産購入の期

間を十分に超えるまで、現状または現状未満の水準にとどまる」というフ

ォワード・ガイダンスについては、「現状未満」という文言が削除された。

英総選挙(6/8)については、出口調査の結果を踏まえると、メイ首相が

率いる保守党も他の政党も過半議席には届かず、「ハング・パーラメント」

になる可能性が高まっている。

今週末以降は、フランス

議会選やユーロ圏財務相

会合などが注目材料

今週末以降は、ユーロ圏やドイツの企業関連統計などの経済指標に加え、

フランス議会選(第 1 回投票、6/11)やユーロ圏財務相会合(6/15)など

が予定されている。フランス議会選では、マクロン大統領が率いる「共和

国前進」の動向が注目される。選挙では、各選挙区において、いずれの立

候補者も支持率が 50%に満たない場合、決選投票(6/18)にもつれこむこ

とになっている。世論調査では、共和国前進の支持率が 30%程度となって

おり、最終的な投票結果は決選投票を待つ必要があるだろう。ユーロ圏財

務相会合では、ギリシャ情勢が議論される。来月の大型償還を前に、債務

軽減に関して債権者団の間の溝が埋まるかが重要となる。 (松本惇)

【 ユーロ圏GDP成長率 】

【 仏議会選の第 1回投票に関する世論調査 】

(資料)Eurostatより、みずほ総合研究所作成

(注)第 1回投票でどの党の候補に票を入れるかを問うたもの。

(資料)Ipsos(6/2~4調査)より、みずほ総合研究所作成

▲ 1.0

▲ 0.5

0.0

0.5

1.0

1.5

Q1 Q2 Q3 Q4 Q1 Q2 Q3 Q4 Q1 Q2 Q3 Q4 Q1

2014 15 16 17

在庫投資 外需 固定投資

政府支出 個人消費 実質GDP

(前期比、%)

(年/四半期)

8.5

12.5

17.0

23.0

29.5

0 10 20 30 40

社会党、

急進左派など

不服従のフランス

国民戦線

共和党、民主主義・

独立連合など

共和国前進、

民主運動

(%)

Page 10: 金融市場ウィークリー · 2017-06-09 · 1 金融市場ウィークリー(2017年6月9日号) ~今週の注目チャート~ 【 米国の政策金利と米国債利回り(2年・10年)

8 金融市場ウィークリー(2017年 6月 9日号)

Ⅱ.トピックス

~中国における最近の金融リスクの動向~

金融リスクの火種として

シャドーバンキングを警

戒する中国政府

主な問題点は、運用構造の

複雑化、貸出規制業種の資

金調達手段化、期間のミス

マッチによる流動性リス

シャドーバンキングの規

模は銀行貸出を上回るペ

ースで拡大

中国政府は、経済構造改革の一環として過剰生産能力やゾンビ企業の淘汰な

どを進める一方、2016 年後半から金融リスクの防止も重要政策課題としてい

る。なかでも、特に警戒感を強めているのがシャドーバンキングを巡るリスク

だ。シャドーバンキングは、銀行貸出以外の資金供給のチャネルの総称で、金

融当局の監督管理が及びづらいことから、2010年代初頭から金融リスクの火種

として中国内外で関心を集めるようになった。

その具体的な問題としては、複雑な運用構造が挙げられる。商業銀行が自己

資金や理財商品で集めた資金を運用するにあたり、他行の理財商品に投資した

り、証券会社など外部の金融機関に運用を委託したりしている。これにより資

金の流れが多層化し、各段階で利鞘などの獲得が目指されることで、運用のレ

バレッジ率が上昇している。また、多様な業態の金融機関が運用に関わるよう

になっているにもかかわらず、現行の金融行政が中央銀行および銀行、証券、

保険といった業態別の所管官庁に分かれているため、機動的かつ有効な対応が

難しい状態にある。

また、シャドーバンキングが不動産関連産業や、インフラ整備を担う地方政

府融資平台など、銀行貸出規制業種の資金調達ルートとして用いられている点

も問題とされている。理財商品の主な投資対象資産である債券の業種別発行残

高(2016年末)をみると、一部で過剰生産能力が問題となっている鉱業・製造

業が 18.9%、不動産および建設業が 33.7%、インフラ(電気・熱供給・ガス・

水、交通運輸・倉庫・郵政、水利・環境・公共施設管理)が 23.2%となってい

る。なお、債券以外にも、委託貸出資産や不動産開発プロジェクトの受益権な

ど流動性の低い「非標準化債権」と呼ばれる資産への投資も行われているとみ

られる。

このほか、期間のミスマッチによる流動性リスクが顕在化しやすい点も問題

だ。償還期間の大半が 1年未満である理財商品により調達された資金が、上述

のような長期の資産で運用されているためだ。理財商品のデフォルトは稀だ

が、単に表面化していないだけだろう。資金プールと呼ばれる運用管理方式に

より、各理財商品と運用対象資産を一対一対応にせずにどんぶり勘定で運用し

ていることが少なくない上、銀行が損失を補てんし、デフォルトを回避してい

るとみられている。

これら問題を内包するシャドーバンキングは、ここ数年一貫して規模を拡大

させてきた。社会融資総額統計の分類に基づき、シャドーバンキングを構成す

る理財商品の主な投資対象である債券や、委託貸出、信託貸出、銀行引受手形

の残高をみると、その多くが銀行貸出残高を上回るペースで拡大している(次

ページ図表 1)。また、同統計で遺漏があると指摘されている上述の非標準化債

権への投資残高も増加している。重複する可能性はあるものの、これら各項目

を単純に合計すると 2016年末時点で 64.3兆元と、銀行貸出残高(107.8兆元)

の 6割に近い規模にまで拡大していることになる。

Page 11: 金融市場ウィークリー · 2017-06-09 · 1 金融市場ウィークリー(2017年6月9日号) ~今週の注目チャート~ 【 米国の政策金利と米国債利回り(2年・10年)

9 金融市場ウィークリー(2017年 6月 9日号)

2010年=1

57.0 65.9 75.0 84.9 95.8 107.8 1.89

債券 5.2 7.5 9.3 11.7 14.6 17.9 3.46

委託貸出 4.4 5.2 7.2 9.3 11.0 13.2 2.99

信託貸出 1.7 3.0 4.8 5.4 5.5 6.3 3.68

銀行引受手形 5.1 6.1 6.9 6.9 5.9 3.9 0.77

非標準化債権 - - - 11.6 16.3 23.0 1.99(※)

銀行貸出

シャドーバンキングが関係する

資金

(単位:兆元)

2011 2012 2013 2014 20152016

所管官庁 通達名

人民銀行 ・金融機関の資産管理業務の規範化に関する指導意見(内部審査稿)(2/21メディア報道)

銀監会

・銀行業の「法律、規則、内規への違反」行為の特別取締りの実施に関する通知(3/29)・銀行業の「監督管理ルール違反、資金空回り、関連当事者を通じた利益獲得」の特別取締りの実施に関する通知(3/29)・銀行業の「不当なイノベーション、取引、業績インセンティブ、手数料徴収」行為の特別取締りの実施に関する通知(4/7)・銀行業の市場秩序の乱れの取締りの実施に関する通知(4/7)・銀行業の実体経済への貢献の質・効率の向上に関する指導意見(4/7)・銀行業のリスク防止・コントロールの取り組みに関する指導意見(4/10)・確実な監督管理の弱点補強および効果向上に関する通知(4/12)・商業銀行の担保管理の手引きの発行に関する通知(4/26)

銀行業理財登記保管中心

・銀行理財商品の通貫した登記の更なる規範化の取り組みに関する通知(5/15)

金融当局は 2017年に入り

対策を強化するも、金融リ

スクの解消には時間がか

かる見込み

こうした状況を受けて、銀行業監督管理委員会は 2017年春先から矢継ぎ

早に通達を公表し、現行の規制体系に存在する不足点を補完したり、金融

機関の法規違反を取り締まったりする姿勢を強めている(図表 2)。例えば、

理財商品の最終投資先の資産の把握や、必要な引当金の計上、緊急時の流

動性確保手段の準備、資金プールによる理財商品の管理禁止、非標準化債

権への投資規模の制限、金融商品の投資家向け情報公開の強化などが商業

銀行に要求されている。

また人民銀行が、金融機関の資産の質を査定するマクロプルーデンス評

価システム(MPA)の運用に際して、2017 年から銀行が組成した理財商

品も広義の貸出とみなして査定対象にするなど管理体制を強化したほか、

「穏健で中立的な」金融政策運営方針のもと、インターバンク市場金利を

これまでよりも高めの水準となるよう誘導し、シャドーバンキング等の野

放図な拡大を抑制するような金融調節を行っている。

このようにシャドーバンキング対策が強化されているが、金融システム

を不安定化させかねない急速な引き締めは回避される見込みだ。それゆえ、

金融リスクは今後数年にわたってくすぶり続けるだろう。足元、中国経済

に対する関する楽観ムードもみられるが、金融不安定化のリスクが依然と

して潜んでいることには引き続き留意が必要だ。 (三浦祐介)

【 図表1 各年末の社会融資総額残高の規模 】

(注)1.銀行貸出(人民元および外貨)と債券、委託貸出、信託貸出、銀行引受手形は、社会融資規模(ストック)統計による。非標準

化債権の残高は、「瑞银:社会融资中“缺失”的影子信贷有多少?」(『财经网』2016年 7月 1日)記載の方法を用いて推計。

2.2016年末までの伸び幅は、非標準化債権のみ「2014年=1」。

(資料)中国人民銀行、中国信託業協会、中国証券投資基金業協会、CEIC Dataより、みずほ総合研究所作成

【 図表2 2017年に入り金融当局等が公布した、または検討中のシャドーバンキング関連政策 】

(資料)中国銀行業監督管理委員会、「整个资管行业将迎来统一监管」(『财经网』2017年 2月 22日)、「理财产品穿透登记出新规」(『财经

网』2017年 5月 16日)等より、みずほ総合研究所作成

Page 12: 金融市場ウィークリー · 2017-06-09 · 1 金融市場ウィークリー(2017年6月9日号) ~今週の注目チャート~ 【 米国の政策金利と米国債利回り(2年・10年)

10 金融市場ウィークリー(2017年 6月 9日号)

~政治不安が再燃するブラジル~

テメル大統領の汚職疑惑

が発覚、市場は政治情勢に

神経質に反応

ブラジルの政治不安が、市場を揺るがしている。テメル大統領の汚職疑

惑(司法妨害および収賄)が発覚し、ブラジル最高裁判所が捜査を許可し

たことを受け、5 月 18 日の為替・株式・債券市場ではトリプル安が進行し

た。レアルの対ドルレートは前日比 7.0%安と 1999 年の変動相場制移行直

後以来の下げ幅を記録し、年初からの上昇分が一時帳消しになった。ボベ

スパ指数は、前日比 8.8%安と 2008 年の金融危機以来の下げとなり、一時

は下げ幅が 10%を超えてサーキットブレーカーが発動された。10年国債利

回りは、前日比 1.8%pt上昇、CDSプレミアムは 60bp 上昇と信用リスク

に対する警戒感が強まった(図表 1)。ブラジル中銀による通貨スワップ入

札(先物市場でのドル売りに相当)実施等を受け、市場は反発したが、政

治動向に神経質に反応する展開が続いている。

テメル大統領は辞任を否

定も、失職のリスク

構造改革路線の維持が今

後の焦点に

テメル大統領は、汚職疑惑の証拠はねつ造されたものであるとして、辞

任を否定しているが、最高裁の有罪判決や、2014 年大統領選挙での違法献

金による選挙無効判決、議会での弾劾により、失職するリスクがある。テ

メル大統領が辞任ないし失職した場合、30 日以内に国会議員による間接選

挙が実施され、2018 年末までの任期を担う大統領が選出される(次期大統

領選挙は 2018年 10月)。

今後は、テメル大統領の去就そのものより、構造改革路線が維持される

か否かが焦点になると考えられる。テメル大統領は、2016 年 5 月の暫定政

権発足以降の 1 年間、財政再建策を筆頭に、労働、エネルギー、インフラ

投資等、広範な分野で構造改革を推進してきた。今回の汚職問題により、

当初は年内の成立が期待されていた年金・労働改革等の議会審議が遅れて

構造改革が停滞し、政府の信認低下によりエネルギーやインフラ分野への

民間投資が手控えられるとの懸念が強まっている。特に懸念されるのは、

最優先課題である財政再建の遅れだ。テメル大統領は、財政緊縮措置を推

進しており、利払い費を除く歳出の伸びを前年インフレ率以下に抑制(2017

~36年の 20 年間)する歳出上限を導入する憲法改正法を成立させた。

【 図表1 テメル大統領汚職問題と市場の反応 】

(資料)Bloombergより、みずほ総合研究所作成

30,000

40,000

50,000

60,000

70,000

80,0002.5

3.0

3.5

4.0

4.516 17

レアル/ドル(左逆目盛)株価(ボベスパ指数、右目盛)

(レアル/ドル)

(年)

テメル暫定政権

2016

テメル政権

正式発足(8/31)

0

100

200

300

400

500

600

8

10

12

14

16

18

20

16 1710年国債利回り

CDSプレミアム(右目盛)

(bp)

(年)

(%)

2016

テメル暫定政権

発足(5/12)

テメル政権

正式発足(8/31)

Page 13: 金融市場ウィークリー · 2017-06-09 · 1 金融市場ウィークリー(2017年6月9日号) ~今週の注目チャート~ 【 米国の政策金利と米国債利回り(2年・10年)

11 金融市場ウィークリー(2017年 6月 9日号)

年金改革の年内成立に

暗雲

歳出上限の実効性を確保するうえで不可欠となるのが、年金改革だ。テ

メル政権は、受給開始年齢の導入等を含む憲法改正法案を提出し、下院特

別委員会を通過したが、汚職問題の発覚により議会審議の前進が危ぶまれ

る状況となっている。

内容面でも、すでにこれまでの審議過程で政府は当初案から譲歩を迫ら

れてきた。当初男女ともに 65 歳としていた受給開始年齢を女性は 62 歳に

引き下げたほか、新制度への移行措置の緩和、教員・軍警察官・農村労働

者の受給条件の緩和等の変更が検討されている。メイレレス財務相は、「プ

ランBはない」として年金改革の見直しを否定しているが、今後支持を増

やすためにさらなる譲歩を迫られる場合には、内容面で骨抜きになり、歳

出上限の実効性が低下する可能性が高まる。

年金改革不成立なら、

遠のく投資適格への復帰

主要格付け機関は、2015 年 9 月以降、相次いでブラジル国債の格付けを

投機的水準に引き下げてきた。スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)

は 5月 22日、長期債格付け(BB)をクレジットウォッチ・ネガティブに

指定し、政治の機能不全が継続する場合には、3カ月以内に追加的な格下げ

を行う可能性を示唆している。年金改革の実現性が低下し、財政収支の黒

字転換シナリオが修正されることになれば、追加的な格下げは避けられな

くなり、投資適格への復帰は一段と遠のくことになる。

「3年連続マイナス成長」

回避へ正念場

ブラジル経済は、2015 年以降 2 年連続のマイナス成長という深刻な景気

後退にあったが、2017 年 1~3 月期の実質GDP成長率は前期比+1.0%と

3年ぶりのプラス成長に転じ、景気の底打ちが確認された矢先だ(図表 2)。

今後の景気回復には、金融緩和が欠かせない。インフレ率(4月+4.1%)

が目標中央値(+4.5%)を下回る水準に沈静化するなか、ブラジル中銀は

利下げを実施している(図表 3)。中銀は声明文で、不確実性が高まるなか、

次回会合で利下げ幅を縮小する可能性を示唆した。政治不安により金融・

為替市場の混乱が長期化すれば、金融政策の自由度は低下する。「3年連続

マイナス成長」を回避し、景気を持続的な回復軌道に乗せるためには、財

政緊縮を中心とした構造改革路線を推進しつつ、金融緩和を継続するポリ

シーミックスを維持することが不可欠だ。 (西川珠子)

【 図表2 実質GDP成長率 】 【 図表3 インフレ率と政策金利 】

(資料)ブラジル地理統計院より、みずほ総合研究所作成

(資料)Bloombergより、みずほ総合研究所作成

▲ 6

▲ 4

▲ 2

0

2

4

6

8

10

08 09 10 11 12 13 14 15 16 17実質GDP前年比 実質GDP前期比

(%)

2008(年)

10.25

4.1

0

2

4

6

8

10

12

14

16

09 10 11 12 13 14 15 16 17

政策金利(SELIC) 拡大消費者物価(前年比)

インフレ目標中央値

(%)

2009 (年)

Page 14: 金融市場ウィークリー · 2017-06-09 · 1 金融市場ウィークリー(2017年6月9日号) ~今週の注目チャート~ 【 米国の政策金利と米国債利回り(2年・10年)

金融市場ウィークリー(2017年 6月 9日号) 12

Ⅲ.参考資料

今週の主要経済指標

予想:情報ベンダー(Bloomberg、Reuters等)の取りまとめた予想コンセンサス。米国の経済指標は特に断りのない限り季調値。

Rは改定値。

日:日本、米:米国、欧:欧州、英:英国、独:ドイツ、仏:フランス、中:中国、韓:韓国、印:インド、

尼:インドネシア、泰:タイ、比:フィリピン、伯:ブラジル、馬:マレーシア

日 付 今回実績 予想

6/2(金) 米 貿易収支(4月) ▲476億㌦ ▲461億㌦ R ▲453億㌦

前月差前月比

4.3%+138千人

+0.2%

4.4%+182千人

+0.2%RR

4.4%+174千人

+0.2%

6/5(月) 中 52.8 N.A. 51.5

米 非製造業ISM指数(5月) 56.9 57.1 57.5

6/6(火) 日 毎月勤労統計(4月速報) 名目賃金 前年比 +0.5% +0.3% R 0.0%

6/7(水) 日

景気動向指数(4月速報)

38.9%100.0%

104.5117.7

N.A.N.A.

104.3117.5

RRR

72.7%55.6%105.7114.4

6/8(木) 日 景気ウォッチャー調査(5月) 48.6 48.6 48.1

国際収支(4月速報)

+1兆9,519億円+7.5%

5,536億円▲18.9%

+1兆6,988億円▲6.5%

+4,940億円▲27.6%

+2兆9,077億円▲2.2%

+8,655億円▲1.3%

GDP(1~3月期2次速報)前期比 +0.3% +0.6%

1~3月期1次速報+0.5%

中 貿易収支(5月) 米ドル +408億㌦ +478億㌦ R +380億㌦

輸出総額(5月) 前年比 +8.7% +7.2% +8.0%

輸入総額(5月) 前年比 +14.8% +8.3% +11.9%

米 245千人 240千人 R 255千人

欧 ECB政策理事会

6/9(金) 日

マネーストック(5月速報)M2M3広義流動性

前年比前年比前年比

+3.9%+3.4%+2.8%

+4.3%+3.6%

N.A.

RRR

+4.0%+3.4%+2.6%

中 消費者物価指数(5月) 前年比 +1.5% +1.5% +1.2%

前回実績経 済 指 標 等

雇用統計(5月) 失業率 非農業部門雇用者数 時間当たり賃金(全従業員ベース)

財新サービスPMI(5月)

財・サ収支

失業保険新規申請件数(~6/3)

先行DI一致DI先行CI一致CI

30年利付国債入札:最高利回り 0.822%、 平均利回り 0.817%、 入札倍率 3.63倍

金融政策決定会合(6・7日)

現状判断DI

経常収支(前年比)

貿易収支(前年比)

5年利付国債入札:最高利回り ▲0.063%、 平均利回り ▲0.065%、 入札倍率 4.71倍

Page 15: 金融市場ウィークリー · 2017-06-09 · 1 金融市場ウィークリー(2017年6月9日号) ~今週の注目チャート~ 【 米国の政策金利と米国債利回り(2年・10年)

金融市場ウィークリー(2017年 6月 9日号) 13

来週の主要経済指標

予想:[ ]はみずほ総合研究所予想、それ以外はコンセンサス(Bloomberg等)。予定は変更になる可能性があります。

日:日本、米:米国、欧:欧州、英:英国、独:ドイツ、仏:フランス、中:中国、韓:韓国、印:インド、

尼:インドネシア、泰:タイ、比:フィリピン、伯:ブラジル、馬:マレーシア

日 付 予 想 前 回 前々回

6/9(金) 日 第3次産業活動指数(4月) 前月比 [+0.6%] ▲0.2% 0.0%

6/12(月) 日前月比前年比

[+1.4%][+8.3%]

+1.4%▲0.7%

+1.5%+5.6%

国内企業物価指数(5月)前月比前年比

[+0.1%][+2.1%]

+0.2%+2.1%

+0.2%+1.4%

6/13(火) 日

米前月比前月比

0.0%+0.2%

+0.5%+0.4%

▲0.1%0.0%

6/14(水) 中 鉱工業生産(5月) 前年比 +6.4% +6.5% +7.6%

米 小売売上高(5月) 前月比 [0.0%] +0.4% +0.1%

前月比前月比

[0.0%][+0.2%]

+0.2%+0.1%

▲0.3%▲0.1%

6/15(木) 米鉱工業生産指数(5月)設備稼働率(5月)

前月比 [+0.1%]76.8%

+1.0%76.7%

+0.4%76.1%

[+27.0] +38.8 +22.0

[+10.0] ▲1.0 +5.2

[240千人] 245千人 255千人

6/16(金) 日

米住宅着工件数(5月)住宅着工許可件数(5月)

年率年率

[120.0万件][125.0万件]

117.2万件122.8万件

120.3万件126.0万件

[97.1] 97.1 97.0

日銀金融政策決定会合(15・16日)

フィラデルフィア連銀製造業業況指数(6月)

ニューヨーク連銀製造業業況指数(6月)

失業保険新規申請件数(~6/10)

英中銀金融政策委員会(14・15日)

金融政策決定会合(14・15日)

経 済 指 標 等

機械受注(4月)  [船舶・電力を除く民需]

3年国債入札

10年国債入札

20年利付国債入札

生産者物価指数(5月) [食品・エネルギーを除く]

30年国債入札

消費者物価指数(5月) [食品・エネルギーを除く]

FOMC(13・14日)

日銀総裁定例記者会見

ミシガン大消費者信頼感指数(6月速報)

法人企業景気予測調査(4~6月期)

Page 16: 金融市場ウィークリー · 2017-06-09 · 1 金融市場ウィークリー(2017年6月9日号) ~今週の注目チャート~ 【 米国の政策金利と米国債利回り(2年・10年)

金融市場ウィークリー(2017年 6月 9日号) 14

6月のスケジュール

国 内 米 国 他 1 法人企業統計調査(1~3月期)

新車販売台数(5 月),10 年利付国債入札

1 米 製造業ISM指数(5 月)

労働生産性(1~3月期改訂)

2 消費動向調査(5 月) 2 米 雇用統計(5 月),貿易収支(4 月)

3 3

4 4

5 5 米 非製造業ISM指数(5 月)

製造業新規受注(4 月)

6 毎月勤労統計(4 月速報)

30 年利付国債入札

6

7 景気動向指数(4 月速報) 7

8 GDP(1~3月期 2次速報) ,国際収支(4 月速報)

景気ウォッチャー調査(5 月),5年利付国債入札

8 欧

ECB政策理事会

英下院選挙

9 マネーストック(5月速報),第 3次産業活動指数(4月) 9

10 10

11 11

12 企業物価指数(5 月)

機械受注統計(4 月)

12 米 連邦財政収支(5 月)

3 年国債入札,10 年国債入札

13 法人企業景気予測調査(4~6月期)

20 年利付国債入札

13 米 PPI(5 月)

30 年国債入札

14 14 米 FOMC(13・14日)

小売売上高(5 月)

CPI(5 月)

15 15 英

英中銀金融政策委員会(14・15 日)

鉱工業生産・設備稼働率(5 月)

ネット対米証券投資(4 月)

ニューヨーク連銀製造業業況指数(6月)

フィラデルフィア連銀製造業業況指数(6月)

16 日銀金融政策決定会合(15・16日)

日銀総裁定例記者会見

16 米 住宅着工・許可件数(5 月)

ミシガン大学消費者信頼感指数(6月速報)

17 17

18 18

19 貿易統計(5 月) 19

20 20 米 経常収支(1~3月期)

21 日銀金融政策決定会合議事要旨(4/26・27 分)

全産業活動指数(4 月)

21 米 中古住宅販売件数(5 月)

22 22 米 景気先行指数(5 月)

23 23 米 新築住宅販売件数(5 月)

24 24

25 25

26 日銀金融政策決定会合における主な意見(6/15・16 分) 26 米

耐久財受注(5 月) ,米 2年国債入札

ifo景況感指数(6月)

27 資金循環統計(1~3月期速報)

2年利付国債入札

27 米 S&P/コアロジックCS住宅価格指数(20 都市・4 月)

カンファレンスボード消費者信頼感指数(6月)

5 年国債入札

28 28 米 7 年国債入札

29 商業動態統計(5 月速報) 29 米 GDP(1~3月期確定),企業収益(1~3月期改訂)

30 鉱工業生産(5 月速報),家計調査(5 月)

消費者物価(5 月全国・6月都区部)

労働力調査(5 月),住宅着工統計(5 月)

30 米 個人所得・消費支出(5 月)

ミシガン大学消費者信頼感指数(6月確報)

シカゴPMI指数(6月)

*印は期日未定、網掛け部分は休場を示す〔予定は変更の可能性があります〕

日:日本、米:米国、欧:欧州、英:英国、独:ドイツ、仏:フランス

Page 17: 金融市場ウィークリー · 2017-06-09 · 1 金融市場ウィークリー(2017年6月9日号) ~今週の注目チャート~ 【 米国の政策金利と米国債利回り(2年・10年)

金融市場ウィークリー(2017年 6月 9日号) 15

7月のスケジュール

国 内 米 国 他 1 1

2 2

3 日銀短観(6 月調査),消費動向調査(6月)

新車販売台数(6月)

3 米 製造業ISM指数(6 月)

4 10 年利付国債入札 4 米 独立記念日(米国休場)

5 5 米 FOMC議事録(6/13・14),製造業新規受注(5 月)

6 30 年利付国債入札 6 米 非製造業ISM指数(6 月),貿易収支(5 月)

7 景気動向指数(5 月速報),毎月勤労統計(5 月速報) 7 米 雇用統計(6 月)

8 8 G20(サミット、ハンブルグ(ドイツ))(7・8日)

9 9

10 機械受注統計(5 月)

景気ウォッチャー調査(6月)

国際収支(5 月速報)

10

11 マネーストック(6月速報),5年利付国債入札 11 米 3 年国債入札

12 第 3次産業活動指数(5 月)

企業物価指数(6月)

12 米 ベージュブック(地区連銀経済報告),10 年国債入札

13 20 年利付国債入札 13 米 連邦財政収支(6月)

PPI(6月)

30 年国債入札

14 14 米 鉱工業生産・設備稼働率(6 月)

小売売上高(6 月),CPI(6 月)

ミシガン大学消費者信頼感指数(7 月速報)

15 15

16 16

17 海の日(日本休場) 17 米 ニューヨーク連銀製造業業況指数(7 月)

18 18 米 ネット対米証券投資(5 月)

19 19 米 住宅着工・許可件数(6月)

20 日銀金融政策決定会合(19・20日)

日銀総裁定例記者会見

日銀「経済・物価情勢の展望」(基本的見解)

全産業活動指数(5 月),貿易統計(6月)

20 欧

ECB政策理事会

フィラデルフィア連銀製造業業況指数(7 月)

景気先行指数(6月)

21 21

22 22

23 23

24 24 米 中古住宅販売件数(6月)

25 日銀金融政策決定会合議事要旨(6/15・16 分)

40 年利付国債入札

25 米

S&P/コアロジックCS住宅価格指数(20 都市・5 月)

カンファレンスボード消費者信頼感指数(7 月)

2年国債入札

ifo景況感指数(7 月)

26 26 米

FOMC(25・26日)

新築住宅販売件数(6月),5年国債入札

27 2年利付国債入札 27 米 耐久財受注(6 月),7年国債入札

28 消費者物価(6 月全国・7月都区部)

日銀金融政策決定会合における主な意見(7/19・20 分)

商業動態統計(6月速報)

家計調査(6月)

労働力調査(6月)

28 米

GDP(4~6月期速報)

ミシガン大学消費者信頼感指数(7 月確報)

雇用コスト指数(4~6月期)

29 29

30 30

31 鉱工業生産(6 月速報),住宅着工統計(6月) 31 米 シカゴPMI指数(7 月)

*印は期日未定、網掛け部分は休場を示す〔予定は変更の可能性があります〕

日:日本、米:米国、欧:欧州、英:英国、独:ドイツ、仏:フランス

Page 18: 金融市場ウィークリー · 2017-06-09 · 1 金融市場ウィークリー(2017年6月9日号) ~今週の注目チャート~ 【 米国の政策金利と米国債利回り(2年・10年)

金融市場ウィークリー(2017年 6月 9日号) 16

四半期スケジュール 8月 9月 10月

日 本 1 新車販売台数(7 月) 10年利付国債入札 2 消費動向調査(7 月)

3 10年物価連動国債入札 4 毎月勤労統計(6 月速報) 7 景気動向指数(6 月速報)

8 景気ウォッチャー調査(7 月) 国際収支(6 月速報) 30 年利付国債入札

9 マネーストック(7 月速報) 10 第 3次産業活動指数(6 月) 企業物価指数(7 月)

機械受注統計(6 月) 14 GDP(4~6月期 1次速報) 17 貿易統計(7 月)

5 年利付国債入札 21 全産業活動指数(6 月) 22 20年利付国債入札

25 消費者物価(7 月全国・8月都区部) 29 家計調査(7 月) 労働力調査(7 月)

30 商業動態統計(7 月速報) 31 鉱工業生産(7 月速報) 2年利付国債入札

1 法人企業統計調査(4~6月期) 消費動向調査(8 月) 新車販売台数(8 月)

6 毎月勤労統計(7 月速報) 7 景気動向指数(7 月速報) 8 GDP(4~6月期 2次速報)

景気ウォッチャー調査(8 月) 国際収支(7 月速報) 11 第 3次産業活動指数(7 月)

マネーストック(8 月速報) 機械受注統計(7 月) 13 企業物価指数(8 月)

法人企業景気予測調査(7~9月期) 20 資金循環統計(4~6月期速報) 貿易統計(8 月)

21 日銀金融政策決定会合(20・21日) 日銀総裁定例記者会見

全産業活動指数(7 月)

29 商業動態統計(8 月速報) 鉱工業生産(8 月速報) 家計調査(8 月)

労働力調査(8 月) 消費者物価(8 月全国・9月都区部)

2 日銀短観(9 月調査) 新車販売台数(9 月) 3 消費動向調査(9 月)

6 毎月勤労統計(8 月速報) 景気動向指数(8 月速報) 10 景気ウォッチャー調査(9 月)

国際収支(8 月速報) 11 機械受注統計(8 月) 12 第 3次産業活動指数(8 月)

企業物価指数(9 月) 13 マネーストック(9 月速報) 19 全産業活動指数(8 月)

貿易統計(9 月) 27 消費者物価(9 月全国・10月都区部) 30 商業動態統計(9 月速報)

31 日銀金融政策決定会合(30・31 日) 日銀総裁定例記者会見

日銀「経済・物価情勢の展望」(基本的見解)

鉱工業生産(9 月速報) 家計調査(9 月) 労働力調査(9 月)

米 国 1 製造業ISM指数(7 月) 個人所得・消費支出(6 月) 3 非製造業ISM指数(7 月)

4 貿易収支(6 月) 雇用統計(7 月) 8 3 年国債入札

9 労働生産性(4~6月期暫定) 10年国債入札 10 連邦財政収支(7 月)

PPI(7 月) 30 年国債入札 11 CPI(7 月)

15 ニューヨーク連銀製造業業況指数(8 月) 小売売上高(7 月) 16 FOMC議事録(7/25・26)

住宅着工・許可件数(7 月) 17 鉱工業生産・設備稼働率(7 月) フィラデルフィア連銀製造業業況指数(8月)

景気先行指数(7 月) 18 ミシガン大学消費者信頼感指数(8 月速報) 23 新築住宅販売件数(7 月)

24 中古住宅販売件数(7 月) 25 耐久財受注(7 月) 28 2年国債入札

5 年国債入札 29 S&P/コアロジ ックCS住宅価格指数(20都市・6月) カンファレンスボード消費者信頼感指数(8 月)

7年国債入札 30 GDP(4~6月期暫定) 企業収益(4~6月期暫定)

31 個人所得・消費支出(7 月) シカゴPMI指数(8 月)

1 製造業ISM指数(8 月) 雇用統計(8 月) 6 非製造業ISM指数(8 月)

貿易収支(7 月) ベージュブック(地区連銀経済報告) 7 労働生産性(4~6月期改訂)

11 3 年国債入札 12 10年国債入札 13 連邦財政収支(8 月)

PPI(8 月) 30 年国債入札 14 CPI(8 月)

15 鉱工業生産・設備稼働率(8 月) ミシガン大学消費者信頼感指数(9 月速報) ニューヨーク連銀製造業業況指数(9 月)

小売売上高(8 月) 19 経常収支(4~6月期) 住宅着工・許可件数(8 月)

20 FOMC(19・20日) 中古住宅販売件数(8 月) 21 フィラデルフィア連銀製造業業況指数(9月)

景気先行指数(8 月) 26 新築住宅販売件数(8 月) S&P/コアロジ ックCS住宅価格指数(20都市・7月)

カンファレンスボード消費者信頼感指数(9 月) 2年国債入札 27 耐久財受注(8 月)

5 年国債入札 28 GDP(4~6月期確定) 企業収益(4~6月期改訂)

7年国債入札 29 個人所得・消費支出(8 月) シカゴPMI指数(9 月)

2 製造業ISM指数(9 月) 4 非製造業ISM指数(9 月) 5 貿易収支(8 月)

6 雇用統計(9 月) 11 FOMC議事録(9/19・20) 3 年国債入札

10年国債入札 12 連邦財政収支(9 月) PPI(9 月)

30 年国債入札 13 ミシガン大学消費者信頼感指数(10 月速報) 小売売上高(9 月)

CPI(9 月) 16 ニューヨーク連銀製造業業況指数(10 月) 17 鉱工業生産・設備稼働率(9 月)

18 住宅着工・許可件数(9 月) ベージュブック(地区連銀経済報告) 19 フィラデルフィア連銀製造業業況指数(10 月)

景気先行指数(9 月) 20 中古住宅販売件数(9 月) 24 2年国債入札

25 新築住宅販売件数(9 月) 耐久財受注(9 月) 5 年国債入札

26 7年国債入札 27 GDP(7~9月期速報) 30 個人所得・消費支出(9 月)

31 シカゴPMI指数(10 月) S&P/コアロジ ックCS住宅価格指数(20都市・8月) カンファレンスボード消費者信頼感指数(10 月)

雇用コスト指数(7~9月期)

欧 州 3 英中銀金融政策委員会(2・3 日) 7 ECB政策理事会 14 英中銀金融政策委員会(13・14日)

26 ECB政策理事会

*印は期日未定を示す〔予定は変更の可能性があります〕

Page 19: 金融市場ウィークリー · 2017-06-09 · 1 金融市場ウィークリー(2017年6月9日号) ~今週の注目チャート~ 【 米国の政策金利と米国債利回り(2年・10年)

金融市場ウィークリー(2017年 6月 9日号) 17

今週の金融市場の動き

(注)前週末比は、海外などについては現時点での直近値と前週末値との比較。

東京市場の発行日表示値は終値もしくは 11:30 時点値。

米国 10 年債、米金利スワップ 10 年物は Bloombergの終値。

日本株出来高・売買代金はそれぞれ東京証券取引所第一部出来高・売買代金。

TIBORは全銀協発表のユーロ円 TIBOR平均値。

新発 10 年国債は日本相互証券発表の気配値。

金利先物は東京金融取引所(TFX)のユーロ円 3ヵ月金利先物。

独・英 10 年国債は Bloombergの提示する終値。

為替は NY時間終値(発行日のみ東京時間 11:30 時点、出所:Bloomberg)。

[海外金利]6/1 6/2 6/5 6/6 6/7 6/8 6/9 前週末比

ドルLIBOR 3M(%) 1.21806 1.22250 1.21956 1.21900 1.22100 1.22811 0.006

ユーロドル金先(Dec17) 98.580 98.585 98.585 98.600 98.590 98.585 0.000

米国債(10年、%) 2.211 2.159 2.182 2.145 2.173 2.189 0.029

スワップ金利(10年、%) 2.156 2.106 2.130 2.101 2.132 2.150 0.045

独国債(10年、%) 0.305 0.274 0.287 0.252 0.269 0.256 ▲ 0.018

英国債(10年、%) 1.073 1.038 1.041 0.984 1.001 1.033 ▲ 0.005

[内外株式]6/1 6/2 6/5 6/6 6/7 6/8 6/9 前週末比

ダウ平均(㌦) 21,144.18 21,206.29 21,184.04 21,136.23 21,173.69 21,182.53 ▲ 23.76

S&P500指数 2,430.06 2,439.07 2,436.10 2,429.33 2,433.14 2,433.79 ▲ 5.28

NASDAQ総合指数 6,246.83 6,305.80 6,295.68 6,275.06 6,297.38 6,321.76 15.97

日経平均(円) 19,860.03 20,177.28 20,170.82 19,979.90 19,984.62 19,909.26 20,089.90 ▲ 87.38

TOPIX(Pt.) 1,586.14 1,612.20 1,609.97 1,596.44 1,597.09 1,590.41 1,595.29 ▲ 16.91

出来高(百万株) 1,738.31 2,315.13 1,648.11 1,704.83 1,718.17 1,983.76 - -

売買代金(億円) 24,665.98 32,232.87 23,784.42 24,671.74 23,239.48 25,299.37 - -

日経JASDAQ平均(円) 3,193.63 3,202.30 3,233.01 3,210.18 3,222.12 3,224.67 3,229.77 27.47

[円金利]6/1 6/2 6/5 6/6 6/7 6/8 6/9 前週末比

TIBOR 3カ月(%) 0.05600 0.05600 0.05600 0.05600 0.05600 0.05600 0.05600 0.00

ユーロ円金先(Dec17) 99.960 99.960 99.960 99.960 99.960 99.955 99.965 0.01

新発国債(10年、%) 0.040 0.050 0.045 0.045 0.045 0.065 0.060 0.010

長国先物(Jun17) 150.69 150.69 150.72 150.79 150.75 150.47 150.60 ▲ 0.09

スワップ金利(5年、%) 0.091 0.091 0.093 0.089 0.089 0.106 0.101 0.01

[為替]6/1 6/2 6/5 6/6 6/7 6/8 6/9 前週末比

円/$ 111.37 110.40 110.45 109.41 109.82 110.02 110.33 ▲ 0.07

$/EUR 1.1213 1.1279 1.1254 1.1277 1.1257 1.1214 1.1193 ▲ 0.0086

円/EUR 124.86 124.58 124.32 123.38 123.62 123.39 123.50 ▲ 1.08

Page 20: 金融市場ウィークリー · 2017-06-09 · 1 金融市場ウィークリー(2017年6月9日号) ~今週の注目チャート~ 【 米国の政策金利と米国債利回り(2年・10年)

金融市場ウィークリー(2017年 6月 9日号) 18

最新リポート一覧

<みずほインサイト>

2017年 6月 5日 中国における金融リスクの動向~高まる信用リスクと複雑化するシャドーバンキング~

https://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/insight/pl170531.pdf

2017年 6月 5日 天井感が強まる米自動車市場~中古車の「津波」と、劣化する自動車金融債権~

https://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/insight/us170605.pdf

2017年 6月 2日 視界不良となる英下院選挙~「ハング・パーラメント」で何が起こるか?~

https://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/insight/eu170602.pdf

2017年 6月 2日 政治不安が再燃するブラジル~「3 年連続マイナス成長」回避へ正念場~

https://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/insight/us170602.pdf

<内外経済見通し>

2017年 6月 9日 2017・18 年度 内外経済見通し(2017年 1~3月期 GDP2次速報後改訂)

~日本経済は内外需ともに回復基調~

https://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/forecast/outlook_170608.pdf

2017年 5月 19日 2017・18 年度 内外経済見通し

~世界経済は緩やかに拡大、米政策や地政学的リスクには要警戒~

https://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/forecast/outlook_170519.pdf

2016年 5月 10日 MIZUHO Research & Analysis no.1

特集 グローバル経済の中長期展望と日本産業の将来像~パラダイムシフトと日本の針路~

https://www.mizuho-fg.co.jp/company/activity/onethinktank/vol001/pdf/all.pdf

執筆担当者

発行・編集/みずほ総合研究所 調査本部

〒100-0011 東京都千代田区内幸町 1-2-1 TEL.03-3591-1296

・市場調査部

武内浩二 03-3591-1244 [email protected]

野口雄裕 03-3591-1249 [email protected]

井上 淳 03-3591-1197 [email protected]

大塚理恵子 03-3591-1420 [email protected]

殿岡 直樹 03-3591-1248 [email protected]

坂中弥生 03-3591-1242 [email protected]

・欧米調査部

小野 亮 03-3591-1219 [email protected]

吉田健一郎 03-3591-1265 [email protected]

松本 惇 03-3591-1199 [email protected]

風間春香 03-3591-1418 [email protected]

・経済調査部

有田賢太郎 03-3591-1419 [email protected]

平良友祐 03-3591-1432 [email protected]

坂本明日香 03-3591-1435 [email protected]

田村優衣 03-3591-1416 [email protected]

当レポートは情報提供のみを目的として作成されたものであり、商品の勧誘を目的としたものではありません。

本資料は、当社が信頼できると判断した各種データに基づき作成されておりますが、その正確性、確実性を保

証するものではありません。また、本資料に記載された内容は予告なしに変更されることもあります。