患者のための薬局ビジョン 概 要 - mhlw.go.jp · 服薬...
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患者のための薬局ビジョン
概 要
今後の薬局の在り方(イメージ)
医療機関A 門前薬局a
医療機関B 門前薬局b
かかりつけ医・医療機関 かかりつけ薬剤師・薬局
現状 今後
処方箋 自宅 地域の薬局
受診
地域の医療機関
ケアマネジャー
栄養士
訪問看護ステーション 看護師
医療機関A
医療機関B
処方箋
自宅
受診
地域包括ケア 連携
連携
多くの患者が門前薬局で薬を受け取っている。 患者はどの医療機関を受診しても、 身近なところにあるかかりつけ薬局に行く。
○薬局の薬剤師が専門性を発揮して、ICTも活用し、患者の服薬情報の一元的・継続的な把握と薬学的管理・指導を実施。
○これにより、多剤・重複投薬の防止や残薬解消なども可能となり、患者の薬物療法の安全性・有 効性が向上するほか、医療費の適正化にもつながる。
受診
受診
在宅訪問
医薬分業に対する厚生労働省の基本的な考え方
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<患者本位の医薬分業で実現できること>
服用歴や現在服用中の全ての薬剤に関する情報等を一元的・継続的に把握し、次のような処方内容のチェックを受けられる
複数診療科を受診した場合でも、多剤・重複投薬等や相互作用が防止される
薬の副作用や期待される効果の継続的な確認を受けられる
在宅で療養する患者も、行き届いた薬学的管理が受けられる
過去の服薬情報等が分かる薬剤師が相談に乗ってくれる。また、薬について不安なことが出てきた場合には、いつでも電話等で相談できる
かかりつけ薬剤師からの丁寧な説明により、薬への理解が深まり、飲み忘れ、飲み残しが防止される。これにより、残薬が解消される など
地域包括ケアシステムの中で、かかりつけ薬局が服薬情報の一元的・継続的な把握や在宅での対応を含む薬学的管理・指導などの機能を果たす、地域で暮らす患者本位の医薬分業の実現に取り組む。
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患者本位の医薬分業の実現に向けて
・要指導医薬品等を適切に選択できるような供給機能や助言の体制 ・健康相談受付、受診勧奨・関係機関紹介 等
・専門機関と連携し抗がん剤の副作用対応や抗HIV薬の選択などを支援 等
☆ 国民の病気の予防や健康サポートに貢献 ☆ 高度な薬学的管理ニーズへの対応
健康サポート機能 高度薬学管理機能 健康サポート
薬局
「患者のための薬局ビジョン」 ~「門前」から「かかりつけ」、そして「地域」へ~
24時間対応・在宅対応 服薬情報の一元的・継続的把握
☆ 副作用や効果の継続的な確認 ☆ 多剤・重複投薬や相互作用の防止
・24時間の対応 ・在宅患者への薬学的管理・服薬指導
☆ 夜間・休日、在宅医療への対応
☆疑義照会・ 処方提案
☆副作用・服薬状況のフィードバック
※ 地域の薬局・地区薬剤師会との連携のほか、 へき地等では、相談受付等に当たり地域包括支援センター等との連携も可能
○ ICT(電子版お薬手帳等)を活用し、 ・患者がかかる全ての医療機関の処方情報を把握
・一般用医薬品等を含めた服薬情報を一元的・継続的に把握し、薬学的管理・指導
医療機関等との連携 ☆医薬品等に関する相談や健康相談への対応
☆医療機関への受診勧奨
かかりつけ薬剤師・薬局
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・医療情報連携ネットワークでの情報共有
服薬
主治医との連携、患者からのインタビューやお薬手帳の内容の把握等を通じて、患者がかかっている全ての医療機関や服用薬を一元的・継続的に把握し、薬学的管理・指導を実施。
患者に複数のお薬手帳が発行されている場合は、お薬手帳の一冊化・集約化を実施。
かかりつけ薬剤師・薬局が持つべき3つの機能
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開局時間外でも、薬の副作用や飲み間違い、服用のタイミング等に関し随時電話相談を実施。
夜間・休日も、在宅患者の症状悪化時などの場合には、調剤を実施。
地域包括ケアの一環として、残薬管理等のため、在宅対応にも積極的に関与。 (参考)・現状でも半分以上の薬局で24時間対応が可能。(5.7万のうち約3万の薬局で基準調剤加算を取得)
・薬局単独での実施が困難な場合には、調剤体制について近隣の薬局や地区薬剤師会等と連携。
・へき地等では、患者の状況確認や相談受付で、薬局以外の地域包括支援センター等との連携も模索。
3.
医師の処方内容をチェックし、必要に応じ処方医に対して疑義照会や処方提案を実施。
調剤後も患者の状態を把握し、処方医へのフィードバックや残薬管理・服薬指導を行う。
医薬品等の相談や健康相談に対応し、医療機関に受診勧奨する他、地域の関係機関と連携。
○ 地域包括ケアシステムの一翼を担い、薬に関して、いつでも気軽に相談できる かかりつけ薬剤師がいることが重要。
○ かかりつけ薬剤師が役割を発揮するかかりつけ薬局が、組織体として、業務管理(勤務体制、薬剤師の育成、関係機関との連携体制)、構造設備等(相談スペースの確保等)を確保。
服薬情報の一元的・継続的把握
医療機関等との連携
24時間対応・在宅対応
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患者等のニーズに応じて充実・強化すべき2つの機能①
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関係機関※とあらかじめ連携体制を構築
※医療機関、地域包括支援センター、訪問看護ステーションのほか、健診や保健指導の実施機関、市町
村保健センターその他の行政機関、介護保険法における介護予防・日常生活支援総合事業の実施者等
人員配置・運営
相談対応や関係機関への紹介に関する研修を修了した薬剤師が常駐
平日働く社会人も相談できるよう、土日も一定時間開局
地域住民の健康の維持・増進を具体的に支援
※薬剤師のお薬相談会、健診の受診勧奨、認知症の早期発見、管理栄養士の栄養相談会など
医薬品等の取扱い・設備
要指導医薬品等を適切に選択できるような供給機能や助言の体制
プライバシーに配慮した相談窓口を設置
健康サポート機能を有する旨やその内容を薬局内外に表示
健康サポート機能
今後、かかりつけ薬剤師・薬局としての機能に加えて積極的な健康サポート機能を有する薬局について、「健康サポート薬局」として住民に公表する仕組みを設けることで、薬局の積極的な取組を後押し。 (「健康情報拠点薬局(仮称)のあり方に関する検討会報告書」参照)
患者等のニーズに応じて充実・強化すべき2つの機能②
学会等が提供する専門薬剤師の認定等を受けた、高度な知識・技術と臨床経験を
有する薬剤師を配置。
専門医療機関との間で、新たな治療薬や個別症例等に関する勉強会・研修会を共
同で開催する等の取組を継続的に実施。
がんやHIV、難病のような疾患を有する患者に対して、あらかじめ医療機関との
間で対応要領を定め、次のような高度な薬学的管理ニーズへの対応を行う。
抗がん剤服用時などに、発熱等の副作用が生じた際に、担当医への受診など
の対応について助言。
抗HIV薬服用患者の場合に、他の併用薬等の情報をもとに、適切な抗HIV療
法を選択できるよう支援。
高度薬学管理機能
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すべての薬局を 「かかりつけ薬局」へ
• 高度薬学管理機能 (抗がん剤等の薬学的管理)
• 健康サポート機能 (地域住民による主体的な健康の維持・増進の支援)
薬局再編の全体像
+
※健康サポート薬局として活動 (日常生活圏域ごとに必要数確保)
・ICTを活用し、 服薬情報の一元的・ 継続的把握 ・24時間対応・在宅対応 ・医療機関をはじめとする関係機関との連携
57,000薬局あるが、門前中心に医薬分業のメリットを実感しにくいとの声
かかりつけ薬局
様々な医療機関からの処方箋を受付
特定の診療所からの処方箋を受付
特定の病院からの
処方箋を受付
建替え時期等を契機に立地を地域へ移行
門前薬局を含め、すべての薬局がかかりつけ薬局としての機能を持つことを目指す
既に地域に立地
大病院門前
中小病院門前
診療所門前
日常生活圏域でのかかりつけ機能の発揮
立地も地域へ
面分業
現状 2025年まで 2035年 まで
~ 立地 から 機能 へ~
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○団塊の世代が要介護状態の方が多い85歳以上に到達
○一般的な外来受診はかかりつけ医が基本となる
かかりつけ薬剤師としての役割の発揮に向けて
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「薬中心の業務」
・処方箋受取・保管
・調製(秤量、混合、分割)
・薬袋の作成
・報酬算定
・薬剤監査・交付
・在庫管理
医薬関係団体・学会等で、専門性を向上するための研修の機会の提供
医療機関と薬局との間で、患者の同意の下、検査値や疾患名等の患者情報を共有
医薬品の安全性情報等の最新情報の収集
「患者中心の業務」
・処方内容チェック
(重複投薬、飲み合わせ)
・医師への疑義照会
・丁寧な服薬指導
・在宅訪問での薬学管理
・副作用・服薬状況の
フィードバック
・処方提案
・残薬解消
「患者中心の業務」
「薬中心の業務」
~ 対物業務 から 対人業務 へ~
専門性+コミュニケーション
能力の向上
薬中心の業務
薬中心の業務
患者中心の業務 患者中心の業務
医薬分業の質を評価できる指標を今後具体的に検討し、毎年の政策評価(業績評価)でモニタリングを実施
(例)① かかりつけ薬剤師・薬局の数
② 疑義照会の実施率、件数
③ 24時間対応、在宅対応(医療保険・介護保険)の実施率、件数
④ 残薬解消の実施率、件数
⑤ 後発医薬品の使用割合への影響
診療報酬については、改定の都度、中央社会保険医療協議会(中医協)診療報酬改定結果検証部会でその効果の検証を行っており、この仕組みを引き続き有効に活用
KPIを活用したPDCAサイクルの実施
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PDCAサイクルの実施
医薬分業の政策効果について、医薬品による治療の安全性向上と保険財政の効率化の観点から、定性・定量両面で検証を行い、今後の医薬分業推進における政策目標や評価指標を明確化
政策目標の達成状況を適切に管理し、政策の継続的な改善を図るため、PDCAサイクルでの政策評価を実施し、診療報酬改定等の際に政策評価結果を活用し、制度の見直しに反映
規制改革会議の指摘
【クラウド型】 患者同意のもと、薬局から直接サーバにデータを保管
【スマホ型】 患者が薬剤情報提供書に表示されているQRコードを撮影して取り込む
ICTを活用した服薬情報の一元的・継続的把握
お薬手帳は、患者の服用歴を記載し、経時的に管理するもの。患者自らの健康管理に役立つほか、医師・薬剤師が確認することで、相互作用防止や副作用回避に資する。
紙のお薬手帳に比べた電子版お薬手帳のメリット
①携帯電話やスマートフォンを活用するため、携帯性が高く、受診時にも忘れにくい。
②データの保存容量が大きいため、長期にわたる服用歴の管理が可能。
③服用歴以外に、システム独自に運動の記録や健診履歴等健康に関する情報も管理可能。
一つのお薬手帳で過去の服用歴を一覧できる仕組みを構築するとともに、異なるシステムが利用される下でも、全国の医薬関係者で必要な情報が共有化できるようにする。
医療情報連携ネットワークの普及で、将来、ネットワーク上の情報の一部を患者が手帳として携行することも想定。今後を見据え、データフォーマットの統一化などの整備を図る。
電子版お薬手帳の意義
普及のための方策
※どの薬局の情報でも記録できるよう、平成24年に保健医療福祉情報システム工業会(JAHIS)が標準データフォーマットを策定
~ バラバラから一つへ~
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患者のための薬局ビジョン推進事業
薬局・薬剤師による健康サポートの取組を推進(モデル事業、基準作成等)
現 状
事業概要
事業イメージ案
2.患者のための薬局ビジョン実現のための 実態調査・ロードマップ検討事業
患者のための薬局ビジョン(「門前」から「かかりつけ」へ)の実現のための具体的な施策を検討する上で参考となるよう、薬局の実態(立地条件、店舗面積、開局時間等)を調査し、ビジョン実現のためのロードマップや具体の施策を講じる上での留意点等を検討する。
1.患者のための薬局ビジョン実現
に資するテーマ別モデル事業
薬局・薬剤師の地域住民による主体的な健康の維持・増進の支援(健康サポート)を推進するため、平成26年度にモデル事業を実施し、平成27年度には、平成26年度事業で把握した課題や好事例等を踏まえ、事業内容の充実・発展を図るとともに、健康サポート機能を有する薬局(健康サポート薬局)の基準の作成等を行うなど継続的な取組を行ってきている。 今後、健康サポート薬局の推進・活用を図ることを含め、規模や立地条件等様々な薬局が全体として、健康サポートや地域包括ケアに貢献できるようにしていくことが必要であり、かかりつけ薬剤師・薬局機能を明確化し、将来に向けた薬局再編の姿を示す「患者のための薬局ビジョン」を平成27年○月に策定。かかりつけ薬剤師のいる薬局としてかかりつけ薬局が機能するよう、ビジョンを実現するための具体的な施策を進めていく必要がある。
このため、平成28年度においては、 1.患者のための薬局ビジョン実現に資するかかりつけ薬剤師・薬局機能の強化のためのテーマ別のモデル事業
2.患者のための薬局ビジョン実現のための実態調査・ロードマップ検討事業 を実施することとする。
①地域全体のかかりつけ薬剤師・薬局機能強化のための連携推進事業 ・ 地域全体のかかりつけ薬剤師・薬局機能の強化を図るため、その地域の特性等に応じた地域の薬局同士の連携方策を検討・実施する。
②多職種連携による薬局の在宅医療サービスの推進事業 ・ かかりつけ医を中心に多職種連携を図りつつ、薬剤師が在宅訪問を必
要とする患者を把握し、在宅医療サービスを提供する取組を推進する。 ③電子版お薬手帳を活用した地域の先進的な健康サポート推進事業 ・ 様々な健康情報(食事・運動情報)などとリンクした電子版お薬手帳の活用を地域の中で推進し、総合的な健康サポート機能の充実を図る。
④薬局・薬剤師によるアウトリーチ型健康サポート推進事業 ・ 地域の多様な機関と連携し、薬局以外の場所でお薬・健康相談などを実施し、薬局・薬剤師の機能強化を図る。
健康サポート薬局も含めた薬局全体のかかりつけ薬局機能の強化に向けた患者のための薬局ビジョン実現のための事業( テーマ別モデル、実態調査・ロードマップ検討事業)
メニュー事業
H28年度事業
次のステップ
H26・27年度事業
○ ○ 薬 局
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