酒を核とした観光振興に関する調査報告書 · 2019. 8. 28. ·...

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酒を核とした観光振興に関する調査報告書 平成26年3月 国土交通省北陸信越運輸局

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酒を核とした観光振興に関する調査報告書

平成26年3月

国土交通省北陸信越運輸局

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第1章 事業の概要 ・・・・・1

1-1 事業の目的・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1

1-2 現状の課題と課題に対する本調査の実施方針・・・・・・・・・・・・・・2

1-3 調査実施体制・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4

第2章 調査実施結果 ・・・・・4

2-1 個人向け酒蔵見学に関する調査実施結果・・・・・・・・・・・・・・・・4

2-2 新潟清酒に合う料理を楽しむメニュー、サービスに関する調査実施結果・・8

2-3 まち歩きと連動した酒の楽しみ方に関する調査実施結果・・・・・・・・12

2-4 酒を核とした観光振興に関する連絡会議開催概要・・・・・・・・・・・19

第3章 酒を核とした観光振興の今後の方向性について ・・・ 21

参考資料 ・・・・23

酒を核とした観光振興に関する調査 報告書 目次

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第1章 事業の概要

1-1 事業の目的

1.事業の目的

観光立国推進基本計画(2012年3月30日閣議決定)では、新たな観光旅行の分野

の一つとして「食」を観光資源としたニューツーリズムの推進が掲げられている。中でも

酒については、観光庁内に「酒蔵ツーリズム®推進協議会」を設置し、関係者の考え方の共

有、連携のあり方を検討するとともに、海外からの酒蔵ツーリズム客の誘致促進について

も検討を実施している。

北陸信越運輸局管内4県(新潟県、長野県、富山県、石川県)は、日本酒消費量(一人

あたり)が全国上位10位以内にすべて入るなど、日本酒への親しみが大変深い地域であ

り、特に新潟県は日本酒消費量全国1位、日本酒出荷量全国3位であるなど、観光資源と

しての日本酒のポテンシャルが極めて高い地域である。こうした中、新潟市では2014

年春の新潟デスティネーションキャンペーン等に向け、市内の酒蔵を活用した旅行商品の

造成に取り組むなど、積極的な取組を行っている。その一方で、酒造会社、飲食店、旅行

関係者など多様な関係者間における合意形成や、取組に対する効果的な手法など課題も多

く存在するところである。

このことから、当局管内各県が共通して保有する観光資源としての酒、酒蔵を活用した

ツーリズムについて、新潟市をモデルケースとし、1-2に掲げる各課題について調査を

実施することにより、各地で進められている酒を核とした観光振興の一助となることを目

的とする。

2.本事業における調査対象地域

本事業の調査対象地域は新潟市とした。これは、上記1.で述べたように、新潟県が持

つ酒の観光資源としてのポテンシャルの高さ、及び公益財団法人新潟観光コンベンション

協会(新潟市)が進める「新潟清酒ふうどプロジェクト」※との連携により調査実施する

ことが、事業効果を最も引き出すことに繋がるものと考えた。

※新潟清酒ふうどプロジェクトとは

食に恵まれ、日本酒の産地として多くの酒蔵にあふれる新潟ならではの酒蔵ツーリズム

を、新潟の街を起点に展開するもの。新潟の日本酒の産地としての地域ブランディングを

構築し、「美味しい料理とお酒に出会える街 新潟」の具体化を目指す。

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1-2 現状の課題と課題に対する本調査の実施方針

本調査では、新潟市における酒を核とした観光振興に係る現状の課題を整理し、それぞ

れの課題について調査実施することにより、今後のあり方について検討することとした。

課題① 個人向け酒蔵見学の商品化ができていない

新潟県、新潟市を訪れる旅行者にとって、新潟のブランドイメージのひとつである「酒」

を体験できる「酒蔵見学」は、当地の歴史や文化を物語る上で大変魅力的な観光コンテ

ンツのひとつである。新潟市においても、実際に酒蔵見学を実施している酒造メーカー

は複数存在し、当地を訪れる旅行者にとって新潟を紹介する重要なインターフェースと

しての役割を担っている。しかし、酒蔵見学自体は無料であることが一般的であり、ビ

ジネスモデルとしての側面が弱いため、酒造メーカー側にとって、観光コンテンツとし

ての酒蔵見学に対する意欲向上には必ずしも繋がっていない。また、見学に訪れる旅行

者にとっても、酒蔵の施設見学が基本であるが故に、食事等の体験的要素に乏しく、付

加価値の高い魅力的な酒蔵見学の実施ができていない現状がある。

課題①に対する調査方針

酒造メーカーにとっても、旅行者にとっても魅力のある酒蔵体験案を提案する。具体

的には、酒蔵を訪れる個人旅行者を想定した利き酒や料理レシピの紹介などを盛り込ん

だ酒蔵体験プログラム案を作成する。本取り組みでは、現在酒蔵見学を実施している酒

蔵側の意見等を踏まえ、実態に即した酒蔵見学プログラム案を作成し、実際のツアー参

加者からの評価を実施する。また、個人旅行者の酒蔵見学用のガイドブックを作成し、

新潟県内の酒蔵メーカーにも配布することにより、付加価値の高い酒蔵体験の機運の醸

成を図ることとする。

課題② 酒に合う料理を楽しむメニュー、サービスのブランド力が弱い

新潟の酒、新潟の食文化それぞれが持つ観光資源としての力は大きい一方で、その組

み合わせ方や旅行者に対する提供方法について、他地域との差別化が図れておらず、新

潟清酒のポテンシャルを十分に発揮することができていないという現状がある。

また、酒造メーカーと飲食店との日頃の接点が、酒の販売といったビジネス的な側面

が強く、観光をはじめとした地域振興の関係者としての一体感に欠けるという指摘があ

る。「酒」と「食」をこれまで以上に結びつけ、酒と食の街新潟としての地域ブランディ

ングを行うこと、それによる他地域との差別化が求められている。

課題②に対する調査実施方針

宿泊業者や飲食店関係者を対象に、酒に合う料理を楽しむメニュー、サービスに関す

る講習会を開催する。講師として食の専門家、酒造メーカー、酒の専門家等を活用する

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ことにより、新潟清酒のブランド力を地域の飲食店関係者や酒造メーカーが共有すると

ともに、個々の飲食店において実際のメニュー、サービスとして反映させることを目的

とする。

課題③ お酒を目的とした旅行者は存在するが、宿泊や周遊観光など観光流動の増大に

繋がっていない

新潟市の中心市街地である古町地区は、新潟市を語る上で歴史的にも文化的にも最も

重要な地域の一つであり、時々の歴史を写した建造物や、花柳界の文化が今でもそこか

しこに感じられるなど、観光資源的な要素に溢れる地域である。一方で、他の地方都市

同様、近年中心市街地からの店舗数の減少なども顕著であるほか、新潟の「食」、「酒」

を発信している中心地であるにもかかわらず、必ずしも旅行者の新潟における観光地と

してのデスティネーションとして選択されていないという現状がある。これは、「酒」と

「食」とを結びつけた地域としてのブランド力がまだ弱いためであると推察される。

また、新潟市では、国内最大規模のお酒のイベント「にいがた酒の陣」が毎年開催され

ている。本イベントは例年約10万人規模の集客があり、県外からも相当数(約4割)

の旅行者が新潟市に訪れている。その一方で、新潟-東京間の交通アクセスの良さも相ま

って、当日参加・当日帰京するといった動向もみられ、宿泊や周遊観光に必ずしも繋が

っていないという現状がある。新潟と酒の関係性を理解する旅行者に対し、一過性のイ

ベントに終わらせることなく、地域への観光流動を喚起し、地域ブランドとしての新潟

の「酒」、「食」を発信することが不可欠である。

課題③に対する調査実施方針

古町地区では、3月1日~16日の間、「古町花街ぶらり酒」(古町花街ぶらり酒千社

札めぐり運営委員会)が開催される。本イベントは、古町地区の約60店舗が参加する

ものであり、開催期間中においては各店舗が「地酒+地酒に合う料理」を全店舗定額に

て提供する取り組みであり、複数店舗を「はしご」してもらうことにより、利用者の地

域内周遊性を高めようとする取り組みである。本調査では、当該古町地区飲食店の取り

組みと連携し、古町地区における旅行者の観光周遊性を更に高めることを目的に、「新潟

の酒蔵とまちめぐりの紹介を目的としたガイドブック」を作成することとした。具体的

には、本パンフレットにおいて、課題②としてあげた新潟の食、酒のブランド力の浸透

を図るため、ストーリー性のある新潟の食、地酒の紹介を行うほか、「古町花街ぶらり酒」

参加店舗及び新潟市中心部における主要観光地の場所を明示した街歩き用マップを作成

することとした。

また、3月15日、16日に開催される「にいがた酒の陣」の参加者をターゲットと

し、参加者のデスティネーションを「酒の陣」会場である朱鷺メッセにとどまらせるこ

となく、新潟市古町地区へその観光流動を誘導することにより、街歩きなどの要素も加

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味した周遊観光に繋げる。このため、本調査では朱鷺メッセ~古町間にシャトルバスを

運行させることにより、同日開催される上記の古町地区でのイベント「古町花街ぶらり

酒」への誘導を図ることとした。なお、本シャトルバスの利用者は、「古町花街ぶらり酒」

の参加者のみとした。

1-3 調査実施体制

本調査では、酒や観光に造詣の深い関係者からなる「酒を核とした観光振興に関する連

絡会議」を立ち上げ、1-2で記載した調査事業の進め方や今後の酒を核とした観光施策

の取り組みの展開方策等について意見交換を行うこととした。

酒を核とした観光振興に関する連絡会議 名簿

所属 役職 氏名

新潟県酒造組合 専務理事 水間 秀一

新潟産地呼称協会 市場委員長 山崎 亮太郎

新潟県すし商生活衛生同業組合 理事長 横山 範夫

新潟市料理店仕出し組合 組合長 大橋 正明

新潟三業協同組合 理事長 行形 和滋

日本ホテル協会信越支部新潟市協議会 会長 下山 徹哉

新潟市旅館ホテル協同組合 理事長 堀 健治

新潟観光コンベンション協会 専務理事 貝瀬 功一

新潟市 文化観光・スポーツ部観光交流担当部長 長井 亮一

関東信越国税局 酒類業調整官 田村 英文

北陸信越運輸局 計画調整官 西川 康士

北陸信越運輸局 観光地域振興課長 中村 充夫

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第2章 調査実施結果

2-1 個人向け酒蔵見学に関する調査実施結果

① 個人向け酒蔵見学ツアーの検討

新潟駅を降りられた個人型観光客に対応して、通常の酒蔵見学(造り)に加え、利き酒

と香味を知るプログラムを開発し、新しい個人向け旅行商品造成に向けた見学企画を今代

司酒造で4月より実施することで検討。

検討にあたり、2月1日、2日に「にいがた日本酒旅ツアー」を実施し、今代司酒造の

酒蔵見学と新潟の食とお酒のペアリングを楽しむ夕食会を行い、アンケートを取った。

参加者の意見からも満足度の高さが伺えたことから、下記イメージでのプログラムで

4月1日より実施していくこととした。

イメージ) 無料 酒蔵見学(造りの環境を見学)30分

有料 利き酒+香味講座 60分

○にいがた日本酒旅ツアー(2/1〜2)

ツアー参加者:24人

(県内参加 5人、県外参加 15人、在日外国人参加 4人)

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※4 月以降の旅行商品イメージ

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②ガイドブックの作成

酒蔵見学を楽しむ際に参考にできる「新潟の酒と食を楽しむガイドブック」を作成。酒

の種類と温度の違いによる食の楽しみ方など、日本酒をより理解してもらうことで、新潟

の食との相性などを意識付けていくためのガイドブックを用意し、見学者に配布した。

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2-2 新潟清酒に合う料理を楽しむメニュー、サービスに関する調査実施結果

新潟の酒と料理の相性を料理人や飲食店がより理解し、来訪者へ詳しく説明できるレベ

ルにすることで「清酒王国新潟」という印象を強くすることを目的に、勉強会を実施。

「新潟清酒ふうどプロジェクト」参加店として、新潟清酒の提供方法や相性の良い料理メ

ニューの開発・提供を促す。

■第1回 メニュー開発に向けての料理関係者の勉強会

日時・場所 2013年 11月 28日(木)14:00~16:00

於:新潟日報メディアシップ 20階そらの広場

プログラム 1、開催あいさつ

2、主旨説明 ・新潟清酒ふうどプロジェクトについて

・新潟清酒と食の楽しみ方募集について

3、セミナー「お酒と料理の相性について」講師:中島有香氏

参加者:ホテル関係者11名、新潟三業協同組合1名、飲食店関係者、酒造会社1名、

事務局関係者8名

(内容)

●吟醸、純米、普通酒の比較と相性のよい料理について

●温度差で変わる 日本酒の風味の違いと 相性の良い料理

料理研究家。大阪出身、新潟在住。1988年に渡仏し、フランス料理の基礎を学ぶ。

帰国後東京にて、女性誌や料理教室でオリジナルの家庭料理を提案。94年、結婚を機に

新潟に暮らす。利酒師の資格を持ち、新潟清酒名誉達人でもある。著書に「日本酒でご

はん」など、日本酒とともに楽しむ料理を提案し続けている。

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■第2回 料理人関係者に対するお酒についての基礎勉強会

日時・場所 2013年 12月 19日(木)

於:新潟日報メディアシップ 6階ナレッジルーム

プログラム 1、開催あいさつ

2、主旨説明 ・新潟清酒ふうどプロジェクトの動きについて

3、セミナー「新潟清酒の特徴について」

講師:山﨑亮太郎氏(新潟県産地呼称協会)

木村 明裕氏(高の井酒造 杜氏)

参加者:ホテル関係者8名、新潟県すし商生活衛生同業組合1名、雪ひらの会1名、

飲食店関係者1名、古町花街ぶらり酒事務局1名、酒造会社2名、事務局関係者5名

(内容)

●新潟清酒の特徴について

・酒質の違い

・火入れ酒、生貯蔵酒の違い

・酒米の違い

・アルコール度数の違い など

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■第3回 飲食店接客関係者に対するお酒についての基礎勉強会

日時・場所 2014年 2月 25日(火)

於:新潟日報メディアシップ 6階ナレッジルーム

プログラム 1、開催あいさつ

2、主旨説明 ・新潟清酒ふうどプロジェクトの動きについて

3、セミナー「新潟清酒金の達人が語るお酒の飲み方・もてなし方」

講師:大滝俊輔氏(利酒師/新潟清酒達人検定 金の達人)

参加者:ホテル関係者11名、新潟県すし組合5名、新潟三業協同組合3名、

飲食店関係者3名、事務局関係者5名

(内容)

●新潟清酒のできるまで

●特定名称酒の種類

●数字で見る新潟清酒

●日本酒と健康

●日本酒の「旬」

●最近の日本酒事情

●日本の「おもてなし」 新潟の「おもてなし」

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◎新潟清酒ふうどプロジェクト 勉強会 参加者アンケート

(回答者数 14名)

問1 勉強会にご参加いただき、感想をお聞かせください。

・お酒について知らなかった所を学ぶことができた。他のお酒の楽しみ方を知ることができた。

・日本酒が好きなので良く飲むが、知識はあまりなかったので話を聞けて良かった。

・知らない知識、発見等あり楽しめた。

・日本酒を各種類別に実体験させて頂き、この機会に飲んでみると違いが大きく感じられた。

・とてもわかりやすく良かった。

・久しぶりに最後まで興味を持って勉強ができた会だった。

・勉強になった。短時間で残念だった。

・日々、日本酒が変化しているのだと改めて思った。

・日本酒についてはまったく無知で、お客様に聞かれてもなかなか答えられないことが多々

あった。今日色々話を聞いてこれから話せることが増えたし、燗の温度を飲み比べてみたい

なぁと思った。

・とても楽しく飽きずに話を聞くことができた。日本酒もいろいろと種類も工程もあり、

その上で出来上がっているのだと思った。

問2 今後、新潟清酒ふうどプロジェクトで期待することは何ですか?該当する項目に○をお

つけください。(複数回答可)

・新潟の酒と食の語り部のような人材育成・・・・・・・・・・・・・5名

・関係者同士の情報共有の機会提供・・・・・・・・・・・・・・3名

・新潟ならではの食と酒の楽しみ方を提案するイベントの実施・・11名

・新潟の食と酒を提供する飲食店の認定と紹介・・・・・・・・・・7名

・県外への新潟の食と酒が楽しめる街としてのプロモーション・・・9名

・その他

経済的部分の発展も含む

問3 今後、新潟清酒ふうどプロジェクトのなかで実施してほしい企画/アイデアがございま

したらご記入お願いします。

・日本酒に合う料理提供の仕方

・燗酒の(温度)飲み比べ

・酒蔵見学×飲食店での酒と食のマリアージュ体験(有料で OK)

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<参考> 第1回勉強会で募集した「新潟清酒と食の楽しみ方」をメニュー化し、

サービス提供した例

2-3 まち歩きと連動した酒の楽しみ方に関する調査実施結果

新潟清酒で集客を図るイベント(にいがた酒の陣)と新潟の酒と食文化を感じる街イベ

ントとの連動を図り、3月 15日(土)、16日(日)に無料シャトルバスを運行した。

<にいがた酒の陣と古町花街ぶらり酒の連動イメージ>

メニュー化し、サービス提供している店の証として

店頭ステッカーを配布

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●にいがた酒の陣2014 入場者数

●古町花街行き無料シャトルバス運行について

「にいがた酒の陣」会場である朱鷺メッセにとどまらせることなく、新潟市の古町地区へ

その観光流動を誘導することにより、点から面への周遊観光に繋げることを目指し、古町

への無料シャトルバスを実験運行。

(酒の陣会場配布チラシ)

会期 2014年 3 月 15 日(土)10:00~18:00

3 月 16日(日)10:00~17:00

入場者数 3月 15日 61,604 人

3 月 16日 38,221 人 2 日間計 99,825 人

主催 新潟淡麗にいがた酒の陣実行委員会

※古町花街ぶらり酒(千社札めぐり)イベント参加者を

対象に無料で乗車。1台あたり30枚の整理券を事前配

布し、申し込みいただいた号車のバスに乗車いただくよ

う誘導。

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(整理券配布所:酒の陣会場内)

(シャトルバス発車所)

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(乗車人数内訳)

(各便整理券配布と実乗車数)

◎シャトルバス 利用者アンケート

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・無料シャトルバスについては、特に大きな広報活動をしていなかったが、県内利用者で

は「知っていた」が過半数を占めており、事前の県内新聞記事等による効果が出ていると

考えられる。また、県外利用者では、全体の3割程度しか事前に情報を知っていなかった

ものの、利用者全体の4割を県外利用者が占めるなど、当日の会場広報が一定の効果を果

たしていることが伺える。

・県内者・県外者とも高い割合で酒の陣の後もお店での飲食を求めており(県外者は98%)、

シャトルバス利用者からもバスの利便性を評価する声があった。

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※参考

シャトルバスに関する事前のプレス報道

・新潟日報記事

・BSNテレビのニュース紹介

・日経新聞記事

・情報誌「cushu手帖」のプレ版及び当日版への掲載

・酒の陣のチラシ

・当日会場内ステージでのプレゼンテーション

◎その他バスの運行についての分析

・整理券対応をしたが、整理券利用者率は 71.7%

・整理券をもたずの利用者が 22.2%。

・県外の方には、古町の認知度がない。

・会場内での千社札巡りの告知には限界もあり、酒の陣のプロモーションと一体となった告知と

事前の認知度を高める必要がある。

・初日は会場内が混んでいたこともあり、運行時間を早めることへのニーズがあった。

・2日目については、バスに乗っても、千社札巡りに行かない人が多かったようだ。

・2つのイベントを結ぶ意味では効果的。次年度以降の運行の継続について検討が必要。

●2日目については、バスに乗っても、千社札巡りに行かない人が多かったようだ。

●2つのイベントを結ぶ意味では効果的。次年度以降の運行の継続について検討が必要。

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●古町花街ぶらり酒の実施結果について

会期 2014年 3 月 1日(土)~16(日)

※15 日(土)、16 日(日)は酒の陣会場よりシャトルバス運行

参加店舗 60 店※店舗ごとに「ぶらり酒特別メニュー」を用意。1600円または 800 円

・3月1日から16日までの間に当該イベントを利用した者の人数は合計3027人であり、特に新潟

酒の陣開催期間中における利用者が多かった。また、酒の陣開催が近づくにつれて動員数が伸びてい

る傾向があり、大規模イベントとしての酒の陣に対するプレイベント的な位置づけとしてのぶらり酒

に一定の効果があると考えられる。なお、古町花街ぶらり酒実行委員会の意見として以下聞き取りし

た。

・15日(土)については、例年酒の陣からの流れもあり混んでいるが、今年はバスもあってよかった。

・店によっては混んで断っていたのでぶらりのイベントとしては難しさもある。

・バスに乗ってきた方の多くはホテルを古町近辺で取った人で、直接花街へというより、チェックインし

に戻ってからという感じだった。

・イベントをやっていることは知っていても、ほとんどが、内容までは理解していないようで、告知の仕

方については課題。

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2-4 酒を核とした観光振興に関する連絡会議開催概要

第1回 酒を核とした観光振興に関する連絡会議

日 時 平成 26年 2月 26日(水) 10:00~11:30

場 所 新潟美咲合同庁舎2号館6階 聴聞室

(新潟市中央区美咲町 1丁目2番1号)

議 題

■酒蔵ツーリズム®の取り組みについて(報告)

■新潟観光コンベンション協会が進める取り組みについて(報告)

■今後の進め方 その他

参加者

<参加者の意見>

・酒や食だけでなく、それ以外との観光の組み合わせも必要ではないか。

・県内しか流通していないようなものを利き酒で出すだけでも強力なコンテンツになる。

地元の人はそういうことに気づいていないのでは。

・インバウンドを考えると、地域間の連携も検討する必要がある。

<次回に向けて>

・にいがた酒の陣と古町花街ぶらり酒を結ぶシャトルバス運行等の結果を踏まえ、今後の

可能性について議論

・今回の会議を機に業種をこえた議論と取り組みを検討していく。

所属 役職 氏名

新潟産地呼称協会 市場委員長 山崎 亮太郎

新潟県すし商生活衛生同業組合 理事長 横山 範夫

日本ホテル協会信越支部新潟市協議会 会長 下山 徹哉

新潟市旅館ホテル協同組合 理事長 堀 健治

新潟観光コンベンション協会 専務理事 貝瀬 功一

新潟市 文化観光・スポーツ部観光交流担当部長 長井 亮一

関東信越国税局 酒類業調整官 田村 英文

北陸信越運輸局 計画調整官 西川 康士

北陸信越運輸局 観光地域振興課長 中村 充夫

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第2回 酒を核とした観光振興に関する連絡会議

日 時 平成 26年 3月 25日(火) 10:00~11:30

場 所 新潟美咲合同庁舎2号館6階 聴聞室

(新潟市中央区美咲町 1丁目2番1号)

議 題

■古町花街ぶらり酒(3/1~3/16)の実施結果について

■酒の陣開催時におけるシャトルバス等社会実験結果について

■次年度以降の展開について

参加者

<参加者の意見>

・酒の陣会場から古町や他エリアへ流れる需要はある。今後は事前に古町を知ってもらう

広報の仕掛け等必要。

・日曜日の宿泊が少ない点について、比較的年配で時間もお金も余裕のある層をターゲッ

トにしたツアー開発ができないか。

・古町方面へのバスの需要はありそうなので、バスの料金、時間などのあり方を検討して

も良いのではないか。

・ホテルのチェックインの時間を早めて、酒の陣会場から街場に移動しやすくする工夫は

できるのでは。

<今後に向けて>

・今回の連絡会議は終わるが、業種をこえた議論と取り組みを検討していくことは大事。

何かしらの形で同様の会議を継続していきたい。

所属 役職 氏名

新潟産地呼称協会 市場委員長 山崎 亮太郎

新潟県すし商生活衛生同業組合 理事長 横山 範夫

日本ホテル協会信越支部新潟市協議会 副会長 藤田 義幸

新潟観光コンベンション協会 専務理事 貝瀬 功一

新潟市 文化観光・スポーツ部観光交流担当部長 長井 亮一

関東信越国税局 酒類業調整官 田村 英文

北陸信越運輸局 計画調整官 西川 康士

北陸信越運輸局 観光地域振興課長 中村 充夫

20

14

年4

月8

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第3章 酒を核とした観光振興の今後の方向性について

本調査結果を踏まえ、酒を核とした観光振興の今後の方向性については以下のとおりで

ある。

■個人向け酒蔵見学のあり方について

今回調査実施により、酒造メーカーの酒蔵見学におけるこれまでの一般的なスタイル

である無料見学から、有料でも品質の高い、旅行商品となりうる個人向け酒蔵見学のモ

デルケースの造成が図られたと考える。本個人向け酒蔵見学モデルについては、旅行商

品としての展開を予定する酒蔵もあると聞いており、一定程度の成果を得ることはでき

たものと捉えている。一方で、酒蔵の施設条件や地理的条件等によっては必ずしも画一

的な酒蔵見学モデルでは通用しないといった意見もあることから、今回作成したモデル

を各酒蔵毎の条件に併せた個々の意欲的な展開に繋げていくことが期待される。

■新潟清酒に合う料理を楽しむメニュー、サービスのあり方について

今回調査実施により、実際に旅行者に接客し、新潟の酒と食を紹介する事となる飲食

店関係者が、酒蔵関係者や新潟の食、酒の専門家らによる講習会を受講することにより、

新潟の酒と食との相性やブランド価値を理解し、ストーリー性をもった酒・食の旅行者

に対する説明を行うための一助になったものと考える。講習会参加者からは、「講義で日

本酒についてより理解できた。日本酒についてお客様に深く説明できる。」といった意見

がでるなど、今回の講習会が実際のサービス提供の場で具体的に活かされている。本講

習会については、今後も新潟観光コンベンション協会において引き続き実施されていく

こととなっており、更なる知識の習得だけでなく、地域一帯となった新潟地酒・食のブ

ランド力向上が期待される。

■まち歩きと連動した酒の楽しみ方のあり方について

今回調査実施により、シャトルバスの利用者が344人に及ぶなど、「にいがた酒の陣」

の観光流動を、古町地区を中心とした新潟市域へ誘導させ、地域の観光流動の増加に寄

与することができたと考えている。また、「古町花街ぶらり酒」の利用者数が3,000

人を越えるなど、一定の成果が発揮されたものと考える。特に、15日、16日の利用

者数(690人)を踏まえれば、「にいがた酒の陣」と「古町花街ぶらり酒」の同日開催、

「シャトルバスの運行」が相乗効果として相当程度の効果を産み出したものと考えられ

る。これまでの「にいがた酒の陣」の来場者数の傾向や、チケット有料化が参加者数の

減少に繋がっていない現状を踏まえれば、来年度以降の参加者数も概ね本年程度である

ことが予想される。次年度以降も、当該イベント参加者の観光流動を新潟地域への観光

周遊に繋げていく取り組みが期待される。その際には、個人向け酒蔵見学の調査結果と

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Page 25: 酒を核とした観光振興に関する調査報告書 · 2019. 8. 28. · 新潟の酒、新潟の食文化それぞれが持つ観光資源としての力は大きい一方で、その組

してのモデルプラン等を活用し、観光客にとって更に品質が高く、新潟のブランド力向

上に繋げられるようなプランニングを行うことが期待される。

■今後の酒を核とした観光振興に関する展開についての課題と展望

今回調査実施した上記3つの課題に対する方向性のほか、他の視点として今後検討し

ていく必要性があると考えられるものを以下のとおり列記する。

・個々のイベントの成功で終わらせず、いかにブランディングを行い、通年型の観光

需要の引き込みを行うことができるか。

・行政主体ではなく、酒蔵、飲食店、観光関係者が主体的な動きとして地域のブラン

ディング等に加わっていくことができるか。

・酒蔵メーカーにとっても魅力的なプランとなる販売等にも繋げる工夫。

・訪日外国人2000万人時代を目指した、外国人向けツールの開発。

・全国的な酒蔵ツーリズム®との連携。

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<参考資料>

2014 年 3 月 18 日掲載 新潟日報朝刊

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