食・農・環境の関わりと食育 - maff.go.jp...食・農・環境の関わりと食育...

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食・農・環境の関わりと食育 -食の循環や環境を意識しよう- 東京農業大学 国際食料情報学部 上岡 美保 平成28年度食育月間セミナー -気軽に始める『食と農の体験』 、そこから芽生える『もったいない』- 2016.6.27 Tokyo University of Agriculture

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食・農・環境の関わりと食育-食の循環や環境を意識しよう-

東京農業大学 国際食料情報学部

上岡 美保

平成28年度食育月間セミナー-気軽に始める『食と農の体験』 、そこから芽生える『もったいない』-

2016.6.27

Tokyo University of Agriculture

Page 2: 食・農・環境の関わりと食育 - maff.go.jp...食・農・環境の関わりと食育 -食の循環や環境を意識しよう- 東京農業大学国際食料情報学部

Ⅰ 今、重視される食の循環・環境◎食育基本法・食育基本推進計画の現在

Ⅱ 日本の食品廃棄の実態は?◎わが国の食品廃棄物の排出量

Ⅲ 食品ロスは何故出るのか?◎日本の食生活変化と諸問題

Ⅳ 食品ロスは何故いけないのか?◎消費者の視点から食料自給率を考える

Ⅴ 食品ロスを減らすためには?◎食品ロスを出さない取り組み

Tokyo University of Agriculture

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Ⅰ.今、重視される食の循環・環境

食育基本法2005年成立

食育推進

基本計画第二次食育推進基本計画

第三次食育推進基本計

2006年 - 2010年 2011年 - 2015年 2016年 - 2020年

【基本方針】①国民の心身の健康の増進と豊かな人間形成②食に関する感謝の念と理解③食育推進運動の展開

④子どもの食育における保護者、教育関係者等の役割

⑤食に関する体験活動と食育推進活動の実践

⑥伝統的な食文化、環境と調和した生産等への配意及び農山漁村の活性化と食料自給率の向上への貢献

⑦食品の安全性の確保等における食育の役割

コンセプト:周知から実践へ

【基本方針】継続→【重点課題】

①生涯にわたるライフステージに応じた間断ない食育の推進

②生活習慣病の予防及び改善につながる食育の推進

③家庭における共食を通じた子どもへの食育の推進

第三次

食育推進基本計画

Start!

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内閣府

農林水産省文部科学省

厚生労働省 消費者庁

食育

農業の維持・発展食料の安定確保

食品安全の向上リスク分析

国民の健康維持・増進

学校教育の充実

・食育推進基本計画作成・各省庁のとりまとめ・都道府県のとりまとめ

食品安全委員会国民健康運動推進子供・子育支援 等

食事バランスガイド

食品安全情報発信

和食・食文化継承取組農林漁業体験活動推進日本型食生活普及地産地消運動 等

栄養教諭配置

学校給食改善・活用総合的学習時間設置全国学校給食週間

教科横断面的食教育導入Super食育学校認定 等

「食育基本法」食生活指針

食育月間(6月)

■食育に関する主な関係省庁・機関

環境省

食品ロス削減自然環境維持 等

農林水産省

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■第3次食育推進基本計画(2016~2020年度)

食育の環と5つの

重点課題

実践の環を広げよう

重点課題

若い世代を中心とした食育の推進

重点課題

多様な暮らしに対応した食育の推進

健康寿命の延伸につながる食育の推進

重点課題

重点課題

食の循環や環境を意識した食育の推進

重点課題

食文化の継承に向けた食育の推進

具体的目標も12項目から21項目へ横断面的に・時系列的にスパイラルに広がる食育の推進

重点課題

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この数字は?

Tokyo University of Agriculture

約 5,500万t日本における年間の食料輸入総量

Ⅱ.日本の食品廃棄の実態は?

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では、この数字は?

約 1,704万t日本の食料廃棄物量

(H24年度推計 農林水産省資料)

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これでいいのか?日本の食品ロス

Tokyo University of Agriculture

日本の食料消費

日本の年間食料輸入総量

食品廃棄

コメ生産

無駄にしている

日本の食料消費の6割に相当(食料自給率39%)

日本の食料輸入総量の3割に相当

日本の年間コメ生産量の2倍に相当

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事業系廃棄物食品製造業/食品卸売業/

食品小売業/外食産業

819万トンうち可食部分と考えられる量

規格外品・返品・売れ残り・食べ残し

331万トン

家庭系廃棄物885万トン

うち可食部分と考えられる量

食べ残し・過剰除去・直接廃棄

312万トン

うち、焼却・埋立

326万t(39.8%)

うち、再生利用

493万t(60.2%)

うち、再生利用

55万t(6.2%)

うち、焼却・埋立

829万t(93.7%)

焼却・埋立による環境への負荷

高価な飼料・肥料・燃料

食品廃棄物全

体の51.9%

■わが国の食品廃棄物の排出量(H24年度推計)

食品由来の廃棄物 1,704万トン 農水省資料

フードロス“1,728万t”の中身・処理方法は!?

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2.0 1.9 2.5

1.7

0.7 0.8 0.6

0.7

1.0 1.4 1.0

1.0

0.0

1.0

2.0

3.0

4.0

5.0

世帯計 単身世帯 2人世帯 3人以上世帯

図 世帯構成別の食品ロス率

食べ残し

直接廃棄

過剰除去

3.7 4.1 4.03.4

0.0 200.0 400.0 600.0 800.0 1 000.0 1 200.0

食品ロス量(40.9g)

食品使用量(1103.1g)

調理加工食品 野菜類 穀類 飲料類 牛乳・乳製品 果実類 調味料類 肉類 魚介類 卵類 菓子類 その他

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

食品ロス内訳 野菜類 果実類 調理加工食品

調味料類

穀類 魚介

肉類

きのこ

乳飲料

■家庭での食品ロスの現状(H26年度)

図 1人1日当たり食品使用量・食品ロス量/食品ロス内訳(世帯計)

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Ⅲ.食品ロスは何故出るのか?食品廃棄の理由とは!?①

Q1.なぜ、食品を使用せずに捨てたのですか?

A.食品の鮮度が落ちたり、腐敗したり、カビがはえたからよ(51.7%)

※回答は複数回答資料:農林水産省「食品ロス統計調査」(H21年度)

A.消費期限・賞味期限が切れちゃったのよ(50.0%)

A.色や匂いで安全性に不安があったからよ(17.4%)

A.食品が中途半端に余っちゃったのよ(15.2%)

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Q2.なぜ、調理した料理を食卓に出さずに捨てたのですか?

※回答は複数回答資料:農林水産省「食品ロス統計調査」(H21年度)

A.料理を作り過ぎちゃって…(52.8%)

A.調理を失敗しちゃって…(18.9%)

A.家族の中で食事をとらなかった人がいて…(15.1%)

A.体調不良とか何らかの理由で普段より食事の量が少ない人がいて…(3.8%)

食品廃棄の理由とは!?②

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■日本の食生活変化と諸問題

伝統的食生活

洋風化米減少

畜産物増加

外部化内食減少

中・外食増加

栄養バランスの改善

「日本型食生活」実現

栄養バランスの崩れ

生活習慣病等増加・低年齢化

食習慣の乱れ

欠食・孤食・個食

家族のコミュニケーション欠如

心の問題にも影響の可能性

食品産業の発達

安価な輸入農産物の増大家畜飼料・農水畜産物・加工食品

地理的・段階的・時間的距離

食と農の距離の乖離(消費者の意識の薄れ)

食品安全への懸念食品ロスの増大

家庭での食教育力の低下

地域の食文化・調理技術等の伝承困難

*食料自給率低下の一要因*里山・生物多様性の消失*地球環境への負荷*食料安全保障の問題 等

バイオ燃料としての農産物生産

*残留農薬問題*輸入食品の安全*食品価格高騰 等

★国内農業の縮小

消費者が選択してきた食生活変化の中で、食品ロスの増大は、モラル・飢餓と飽食・地球環境・資源の有効活用等様々な面で問われる問題である。

※フードロスは一つの大きな食の問題

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私たちは何のために食べるのか?人間にとってのおいしさとは?

生理的に欠乏しているもの

子どものころから食べている食文化に叶っているもの

本能が強く関与する、やみつきになるようなおいしさ(油、砂糖、出汁)

情報は人間のおいしさを味とは関係なくリードすること(人間特有のおいしさ)

伏木(2008)は人間にとってのおいしさは以下の4つに分類されるとしている。

資料:伏木亨「人間にとってのおいしさ」湯本貴和編(2008)『食卓から地球環境がみえる』昭和堂,5pから引用

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• 安全の情報は何よりもおいしい– 人間のおいしさというのは、まずこれを食べて大丈夫

という情報のベースがあって、はじめて成り立つ。したがって、安全の情報というのは最もおいしいといえる。

• 私たちは情報という口に入れなくても安全を確かめられる便利を得た。賞味期限、消費期限も獲得した情報である。野生動物のように口に入れて命がけで判断しないので五感が鈍くなっているようである。

伏木は、次のように述べている。

適切な情報発信の必要性と消費者自身の学び(食育)の重要性

食料ロスの増加を招くことにも…味覚教育の重要性

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■正しく理解したい「消費期限」と「賞味期限」賞味期限 Best-before おいしく食べることができる期限です。この期限を過ぎても、すぐ食べられないということではありません。定義:定められた方法により保存した場合において、期待されるすべての品質の保持が十分に可能であると認められる期限を示す年月日をいう。ただし、当該期限を超えた場合であっても、これらの品質が保持されていることがあるものとする。

消費期限 Use-by date 期限を過ぎたら食べない方が良いんです。定義:定められた方法により保存した場合において、腐敗、変敗その他の品質の劣化に伴い安全性を欠くこととなるおそれがないと認められる期限を示す年月日をいう。

農林水産省資料

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食品ロスは何故出るのか?

• フードシステムの深化– 流通経路の複雑化

– 加工段階の拡大

– 責任の所在の複雑化

• 生産者と消費者の距離の乖離– 消費者意識(農業への理解・食料への感謝)の薄れ

• 食品産業発達/国内農業の縮小– 人(地域内・世代間等)のつながりの薄れ

– 調理技術・伝統文化の継承困難

• 味とは関係なくリードする情報というおいしさ

消費者が選択した結果であるTokyo University of Agriculture

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Ⅳ. 食品ロスは何故いけないのか?

• 食料資源の無駄遣い(もったいない!)• 生産者と消費者の思いのギャップ• 消費者と無関係ではない食料自給率• 食料安全保障(将来の食料は安定供給できるか)

• 世界の中に併存する飢餓と飽食• 世界の人口増加・所得増加で、食料不足が懸念される中で…• 単収の伸びが今後期待されない中で…• 地球温暖化・砂漠化で、耕作可能な面積・収量の減の中で…• 食料がバイオエネルギーとして生産される中で…• 高価な肥料・飼料・燃料• 地域や地球環境への影響

食料面・農業面・環境面等、多面的に影響

個人レベルから国レベル、地球レベルで関係Tokyo University of Agriculture

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生産と消費が関わる食料自給率

食料自給率 = 国内生産量国内消費仕向量

1)分子(国内生産量)が一定であるならば、分母(国内消費量)を小さくする。

2)分母(国内消費量)が一定であるならば、分子(国内生産量)を増大させる。

◇食料自給率を上げるには2つの方法しかない!

消費者の観点から食料自給率を上げる1シナリオを考える

×100

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①分子一定で、分母を小さくするには?◇食料自給率とフードロスとの関係

食料自給率 =国内生産量

国内消費仕向量

国内消費仕向の内訳

食料自給率 =国内生産量

食料消費+食品廃棄(ロス)

無駄な消費を減らすことで、分母を小さくする

食品廃棄の縮小

(実際に消費された食料) (実際に消費されなかった食料)

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環境負荷軽減の点からも重要

意識改革食育の重要性

食品廃棄を無くすことで、分母を小さくする(自給率向上)ことが期待できる!

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②分母が一定で、分子を増大させるには?◇日本農業を維持・発展させるためには

食料自給率 = 国内生産量国内消費仕向量

生鮮農水畜産物を消費する主体の内訳

食料自給率 =国内生産量

(何を消費) 国産食料+輸入食料

双方の主体の国産志向を増大する必要がある

(誰が消費)一般消費者+食品産業(外食・中食)

Tokyo University of Agriculture

地産地消(国産国消)することで、国内生産を誘発し、国内農業の維持・発展(自給率向上)につなげる!

農業を知る・応援する

食育の重要性

フードロス減少

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Ⅴ. 食品ロスを減らすためには?

• 消費者(個人)として

– 食品廃棄・ロスをできるだけ出さない意識(ゴミを増やさない)

– 地産地消(国産国消)で日本農業を可能な限り応援する

– 農業を知る、理解する・生産者を意識する

– 買いすぎない、作りすぎない

– 賞味期限や消費期限内に使い切る

– 調理技術(保存方法)を修得する

– 味覚を鍛える

– 人(家族・地域・世代・生産者)との

つながりを大切にする

意識

知識

Tokyo University of Agriculture

つながり

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農家での実地研修後の学生アンケートより

体験や学び、知ることによる意識の変化Tokyo University of Agriculture

『食と農の体験』 そこから芽生える『もったいない』

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食品ロスを出さない取り組み

◎ 3010(さんまるいちまる)運動

「家でもてあましている食材」の新たな使い道を考えて、食材を救う考え方です。

仲間同士で工夫して、楽しんで食品ロスを削減!

写真:(一社)フードサルベージ提供

◎ サルベージ・パーティ♪「フードサルベージ(食材を救う、の意)」

長野県松本市で始まった運動。宴会などでの食べ残しを減らすため、注文時に適量を注文すること、乾杯後30分(さんまる)は席を立たず料理を楽しむこと、お開き前10分

間(いちまる)は自分の席に戻って、再度料理を楽しむというもの。

3.5

13.4

18.9

05

101520%

図 外食シーンでの食品ロス率

楽しみながら!

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• 生産者として– 情報発信(地域・生産・規格外・保存や調理等々)– 消費者・地域とのつながりを大切にする

• 食品企業として– 消費者への情報発信– 業界の常識の改革– 生産者・地域とのつながりを大切にする

• 一般企業として– CSR活動で広く農業・生産者への理解を– 地域とのつながりを大切にする

• 社会全体として– 教育の改革(国民への食農環境教育の充実)– マスコミから消費者に正しい情報発信

全ての国民の意識改革と主体間のつながりが重要

あらゆる主体の

連携つながり

Tokyo University of Agriculture

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家庭

(消費者)

教育機関

行政

地域

食品

産業

地域住民生産者農協・生協各種団体・企業

学校給食への協力情報発信・PR活動生産者と消費者の交流

CSR活動

流通業者外食産業中食産業

給食の活用

学習等を通した横断面的な食育

情報提供PR活動

主体間の橋渡し

子ども

情報発信・各種企画食育ノウハウの提供

CSR活動生活・食生活を含めた基礎教育 有

効な食育の実践

食の諸問題の改善

国全体の厚生を高める

■ 食育推進の課題と社会的意義

主体間連携が重要

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■食育の社会的意義

日本農業回復と国民の農業への理解・関心

疾病減少

食品廃棄の減少(環境への配

慮)

家庭

学校

地域

行政

国内の農林畜漁への関心が高まる

国産や地域の農産物を大切にする

国産農産物の消費量増加

食材の知識・関心が高まる

食料の無駄な消費が減る

食農環境問題への理解が深まる

偏食がなくなる

肥満や痩せが減少する

生活習慣病が減る

心の豊かさを養う

家族の団らんや人との交流増

栄養バランスが良くなる

食品産業

食に対する知識の向上

食生活の改善

農林畜産漁業への理解を深める

伝統料理や食文化への関心高まる

食品選択の知識向上

食・環境に配慮した生活者の増加

国民の食生活への正しい理解深まる

食生活を大切にする

規則正しい食習慣を促す

健康寿命が延びる

食べ残しが減る

期待される潜在効果

諸問題改善による社会的・

経済的効果は大きい

諸問題改善による社会的・

経済的効果は大きい

主体

食育実践

具体的改善内容

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豊かな私たちの食生活をめぐっては、食・農・環境に関わる沢山の諸問題が存在しています。こうした中にあっても、今日、私たちは多くの食料を捨てています。何故、食品ロスが出るのか?この現状を作り上げたのは、これまでの消費者ニーズです。だとすれば、私たち消費者が意識を変えることで、社会は再び変わる可能性があるといえます。

食の循環・環境を意識した消費行動や、農業を理解、知ることで、食料の無駄な消費は削減できるはずです。私たち一人一人がこうした意識を持つことが今、求められています。

食品ロスを出さない社会のために

Tokyo University of Agriculture 125th

ご清聴誠にありがとうございました。