胸部ct上多発性のすりガラス影を示した胃癌肺転移の1例多発性すりガラス影を呈した胃癌肺転移...

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298 ●症 要旨:症例は 70 歳,男性.66 歳時に進行胃癌で胃全摘術の既往がある.明らかな再発徴候は無く経過して いたが,人間ドックで撮影された胸部 CT で,両側肺野に多発するすりガラス状の淡い結節影を指摘された. 経気管支肺生検では,肺胞間質へ印環細胞が散在性に浸潤・増殖しており,粘液貯留も認められた.過去の 胃切除標本の腫瘍と類似した組織像を示しており,免疫染色で消化管由来の細胞であることが示唆されたた め,胃癌の肺転移と診断した.転移性肺腫瘍の多くは境界明瞭な円型の多発結節影を呈するが,淡いすりガ ラス状の多発結節影を呈することもあることが確認された貴重な症例と思われ報告した. キーワード:胃癌,転移性肺腫瘍,粘液産生性腺癌,多発性すりガラス影 Gastric cancer,Metastatic lung tumor,Mucinous adenocarcinoma, Multiple ground glass opacity 今回我々は,全肺野に多発する淡いすりガラス影(mul- tiple ground glass opacity:multiple GGO)を呈した胃 癌の肺転移症例を経験した.転移性肺腫瘍の多くは境界 明瞭な円型の多発結節影を呈するが,本症例のような淡 い陰影を呈する可能性もあることを認識しておく必要が あり,その画像と組織学的特徴について,若干の文献的 考察を加え報告する. 症例:70 歳,男性. 入院目的:胸部異常陰影. 既往歴: 66 歳時に進行胃癌 T2N2M0 Stage IIIA で胃全摘術を 受けた. 68 歳時に限局型前立腺癌で前立腺焼勺術を受けた. 喫煙歴:20 本×11 年間,former-smoker. 粉塵吸入歴:なし. 現病歴:人間ドックの胸部 CT で両側肺野に多発する 淡いすりガラス状の結節影を指摘された.呼吸器症状は 伴わなかったが,CT 所見の悪化傾向があり精査目的で 当科入院となった. 入院時現症:身長 155cm,体重 45kg,体温 36.8℃, 血圧 126! 88mmHg,脈拍 82 回! 分,SpO2 96%. 貧血・黄疸・浮腫・チアノーゼなし.表在リンパ節は 触知せず.胸部聴診上は呼吸音,心音ともに異常所見な し.腹部正中に術創あり.神経学的異常所見なし. 入院時検査所見(Table1):血算ではHb 11.7g! dl と 軽度の貧血が認められ,生化学検査では CEA が 6.3ng! ml と軽度上昇していたが,胃癌の手術治療前 3.9ng! ml であった CEA は術後 2 年目以降 5~6 程度と正常値を わずかに超えて推移しており明らかな増加傾向は見られ ていなかった.炎症反応や KL-6 の上昇は無く,動脈血 ガス分析ならびに肺機能検査も正常範囲内であった. 画像所見:入院時の胸部 X 線では明らかな異常所見 は 認 め な か っ た が,胸 部 CT(Figs. 1A,B)で は,下 肺野優位の分布で全肺野に多発する淡い結節影や斑状の すりガラス影があり,人間ドック時の CT と比較して, 増加・増大傾向を認めていた.HRCT(Fig. 1C)では, 最大で約 15mm までの辺縁不明瞭な ground glass opac- ity(GGO)が肺野に多発し,葉間胸膜は不整で肥厚し ている部分も認められたが,縦隔肺門リンパ節腫大や胸 水貯留は指摘されなかった.腹部 CT 検査では明らかな 腹腔内リンパ節腫大や肝転移を疑う所見はなく,また上 部消化管内視鏡検査においても局所再発を疑う所見は認 めなかった. 気管支内視鏡:内腔に明らかな異常所見は無く,右 B 4 で行った気管支肺胞洗浄(BAL)でも有意な異常所見 は認めず,洗浄液の細胞診は class I であった. 病理組織所見:右 B 3a 及び右 B 8a で行った経気管支肺 胸部 CT 上多発性のすりガラス影を示した胃癌肺転移の 1 例 國方 佐和 横村 光司 松井 中野 須田 隆文 千田 金吾 〒3430808 埼玉県越谷市赤山本町 7―2 1) 貴昌会岡野クリニック 2) 聖隷三方原病院呼吸器センター内科 3) 浜松医科大学第 2 内科 (受付日平成 21 年 8 月 12 日) 日呼吸会誌 48(4),2010.

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Page 1: 胸部CT上多発性のすりガラス影を示した胃癌肺転移の1例多発性すりガラス影を呈した胃癌肺転移 301 Fig. 3 Chest CT scan taken at about 15 months

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●症 例

要旨:症例は 70歳,男性.66歳時に進行胃癌で胃全摘術の既往がある.明らかな再発徴候は無く経過していたが,人間ドックで撮影された胸部CTで,両側肺野に多発するすりガラス状の淡い結節影を指摘された.経気管支肺生検では,肺胞間質へ印環細胞が散在性に浸潤・増殖しており,粘液貯留も認められた.過去の胃切除標本の腫瘍と類似した組織像を示しており,免疫染色で消化管由来の細胞であることが示唆されたため,胃癌の肺転移と診断した.転移性肺腫瘍の多くは境界明瞭な円型の多発結節影を呈するが,淡いすりガラス状の多発結節影を呈することもあることが確認された貴重な症例と思われ報告した.キーワード:胃癌,転移性肺腫瘍,粘液産生性腺癌,多発性すりガラス影

Gastric cancer,Metastatic lung tumor,Mucinous adenocarcinoma,Multiple ground glass opacity

緒 言

今回我々は,全肺野に多発する淡いすりガラス影(mul-tiple ground glass opacity:multiple GGO)を呈した胃癌の肺転移症例を経験した.転移性肺腫瘍の多くは境界明瞭な円型の多発結節影を呈するが,本症例のような淡い陰影を呈する可能性もあることを認識しておく必要があり,その画像と組織学的特徴について,若干の文献的考察を加え報告する.

症 例

症例:70 歳,男性.入院目的:胸部異常陰影.既往歴:66 歳時に進行胃癌T2N2M0 Stage IIIA で胃全摘術を

受けた.68 歳時に限局型前立腺癌で前立腺焼勺術を受けた.喫煙歴:20 本×11 年間,former-smoker.粉塵吸入歴:なし.現病歴:人間ドックの胸部CTで両側肺野に多発する

淡いすりガラス状の結節影を指摘された.呼吸器症状は伴わなかったが,CT所見の悪化傾向があり精査目的で当科入院となった.

入院時現症:身長 155cm,体重 45kg,体温 36.8℃,血圧 126�88mmHg,脈拍 82 回�分,SpO2 96%.貧血・黄疸・浮腫・チアノーゼなし.表在リンパ節は

触知せず.胸部聴診上は呼吸音,心音ともに異常所見なし.腹部正中に術創あり.神経学的異常所見なし.入院時検査所見(Table 1):血算ではHb 11.7g�dl と

軽度の貧血が認められ,生化学検査ではCEAが 6.3ng�ml と軽度上昇していたが,胃癌の手術治療前 3.9ng�mlであった CEAは術後 2年目以降 5~6程度と正常値をわずかに超えて推移しており明らかな増加傾向は見られていなかった.炎症反応やKL-6 の上昇は無く,動脈血ガス分析ならびに肺機能検査も正常範囲内であった.画像所見:入院時の胸部X線では明らかな異常所見

は認めなかったが,胸部CT(Figs. 1A,B)では,下肺野優位の分布で全肺野に多発する淡い結節影や斑状のすりガラス影があり,人間ドック時のCTと比較して,増加・増大傾向を認めていた.HRCT(Fig. 1C)では,最大で約 15mmまでの辺縁不明瞭な ground glass opac-ity(GGO)が肺野に多発し,葉間胸膜は不整で肥厚している部分も認められたが,縦隔肺門リンパ節腫大や胸水貯留は指摘されなかった.腹部CT検査では明らかな腹腔内リンパ節腫大や肝転移を疑う所見はなく,また上部消化管内視鏡検査においても局所再発を疑う所見は認めなかった.気管支内視鏡:内腔に明らかな異常所見は無く,右B4

で行った気管支肺胞洗浄(BAL)でも有意な異常所見は認めず,洗浄液の細胞診は class I であった.病理組織所見:右B3a及び右 B8aで行った経気管支肺

胸部 CT上多発性のすりガラス影を示した胃癌肺転移の 1例

國方 佐和1) 横村 光司2) 松井 隆2)

中野 豊2) 須田 隆文3) 千田 金吾3)

〒343―0808 埼玉県越谷市赤山本町 7―21)貴昌会岡野クリニック2)聖隷三方原病院呼吸器センター内科3)浜松医科大学第 2内科

(受付日平成 21 年 8月 12 日)

日呼吸会誌 48(4),2010.

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多発性すりガラス影を呈した胃癌肺転移 299

Fig. 1 Chest CT scans (Figs. A, B) and a high resolution CT scan (Fig. C) on admission, showing multiple ground-glass opacities in both lung fields.

Table 1 Laboratory findings on admission

SerologyBiochemistryHematologymg/dL0.1CRPg/dL6.8TP/mm34,100WBCng/mL<5.0β-D glucang/dL4.0Alb%48.7Neut (-)CMVantigenmg/dL18BUN%43.2LymIU/L10.7ACEmg/dL0.72Cre%5.9MonU/mL184KL-6mEq/L138Na%1.7Eosmg/mL<17.2SP-DmEq/L4.6K%0.5Bas

Tumor markermEq/L101Cl/mm3354×104RBCng/mL6.3CEAmg/dL0.6T-Bilg/dL11.7HbU/mL2.6CA19-9IU/L23GOT%36.6Ht

IU/L18GPT/mm317.7×104PltIU/L126LDHmm/h17ESRIU/L180ALPIU/L59CPK

生検(TBLB)のHE標本(Fig. 2A)では,淡明で泡沫状の胞体と,胞体の辺縁部に押しやられた不整な核を有する高度異型細胞,いわゆる印環細胞が散在性に間質に浸潤・増殖している像が認められており,過去の胃切除標本(Fig. 2B)の腫瘍と類似した組織像であった.PAS染色(Fig. 2C)では,細胞周囲の粘液は目立たなかったが,胞体には多量の粘液が存在していた.免疫染色で腫瘍細胞はTTF-1 陰性(Fig. 2D)で,サイトケラチン7(Fig. 2E)・サイトケラチン 20(Fig. 2F)が共に陽性であった.臨床経過:TBLBの結果から肺転移での胃癌再発と診

断し,確定診断後にテガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤,続いてパクリタキセルによる化学療法を試みたがいずれも無効であった.両肺のすりガラス影は緩徐に増強し,末梢をわずかに残すのみで全肺にほぼ一様なすりガラス影を呈するようになり(Figs. 3A,B),両側に多量に貯留した胸水中からも癌細胞が確認されるようになった.その後は呼吸困難に対して胸腔ドレナージ等の症状緩和を主体とした治療を行うこととなり,再発の診断から約 2年の経過で呼吸不全で永眠された.

Page 3: 胸部CT上多発性のすりガラス影を示した胃癌肺転移の1例多発性すりガラス影を呈した胃癌肺転移 301 Fig. 3 Chest CT scan taken at about 15 months

日呼吸会誌 48(4),2010.300

Fig. 2 A: Histological findings of the lung tissue obtained by TBLB showing infiltration of signet-ring cell carcinoma into the alveolar septa (Hematoxylin-eosin staining). B: A transbronchial biopsy stained with PAS of the lung tissue showing tumor cells with abundant intracellular mucin. C: Histological findings of gastric tissue resected at age 66 showing the infiltration of signet-ring cell carcinoma, and which was very similar to those of the lung tissue (hematoxylin-eosin staining). D: Immunohistochemical staining of tumor cells with TTF-1, demonstrating no staining reaction of tumor cells. E & F: Immunohistochemical staining of tumor cells with CK7 (Fig. 2E) and CK20 (Fig. 2F), demonstrating strong staining reaction of tu-mor cells.

考 察

本症例は胃原発の印環細胞癌が肺胞隔壁に散在性に浸潤・増殖し,multiple GGOを呈した転移性肺癌の症例である.胃癌の肺転移は,一般に癌性胸膜炎や癌性リンパ管症を呈する事が多いとされており,梅原らは 10 年間に経験した胃癌症例 226 例の経過中に肺転移を生じた32 例を検討し,両側胸水 11 例(35%),片側胸水 7例(22%),癌性リンパ管症 8例(25%),多発結節 3例(9%),孤立結節 3例(9%)の転移形式を取ったと報告1)してい

る.今回,TBLB検体で確認された印鑑細胞は形態的に胃

癌の切除標本と類似していることは確認されたが,原発性肺癌,とりわけ粘液産生性肺癌との鑑別が必要であった.腫瘍細胞の免疫染色はTTF-1 が陰性で,サイトケラチン 7・サイトケラチン 20 ともに陽性であり,これらのサイトケラチンの染色パターンは胃切除標本における腫瘍細胞の染色パターンと同様であることが確認された.これらの結果により,腫瘍細胞は肺原発ではなく,消化管由来の癌細胞であることが示唆され,胃癌の肺転

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多発性すりガラス影を呈した胃癌肺転移 301

Fig. 3 Chest CT scan taken at about 15 months (Fig. 3A) and 18 months (Fig. 3B) after diagnosis. The mul-tiple ground-glass opacities in both lung fields were worsening.

移との診断を確定した.肺原発の細気管支肺胞上皮癌や高分化腺癌では,組織

学的に既存の肺胞構造を置換しながら増殖し,CTでGGOを呈するという多くの報告があるが2),multipleGGOを呈した転移性肺腫瘍の報告は少ない.従って,CT所見がGGOを呈する機序を多数例で検討した報告は無いが,今回我々が検索した範囲においては,①原発巣の癌細胞の形態的特徴によるもの,②転移巣における癌細胞の進展様式によるもの,の 2つの可能性が考えられた.まず前者は,消化管原発の粘性産生性腺癌からの肺転

移である.原発巣として胃癌3),膵癌4),大腸癌5)の報告があり,いずれも組織型は粘液産生性腺癌であった.HRCTでは直径 5mmから 20mmまでのmultiple GGOを呈していた.Kundu ら3)は胃原発印環細胞癌の肺転移症例において,開胸肺生検での組織所見を検討し,細胞内に多量の粘液を含む充実性の腫瘍細胞の集塊が肺胞隔壁に浸潤しており,一部で肺胞を破壊する像が認められていたと報告している.これら消化管由来の粘液産生性腺癌においては,多量の粘液を含む結合の疎な腫瘍細胞が間質に浸潤することにより,画像所見ではGGOを呈するものと推察することが出来る.

一方後者のGGO発生機序を説明し得る症例としては,2005 年の Okita らによる副鼻腔原発の悪性黒色腫の肺転移の報告例6)がある.画像上は中心部に充実性成分を含む直径 11~28mmまでのmultiple GGOを呈していたが,胸腔鏡下肺生検で得られた病理所見では,肺胞構造をほとんど破壊することなく,肺胞上皮を置換・被覆するようにメラノーマ細胞が進展する組織像を示していた.肺胞上皮に沿って鱗状に発育する進展様式はlepidic growth と言われ,原発性肺癌では細気管支肺胞上皮癌によく認められるものである.また,1996 年のGaeta らは,消化管由来の腺癌から気腔内への転移 6症例(膵臓癌 3例,大腸癌 2例,小腸癌 1例)を報告7)しており,この中でGGOを呈した膵癌の肺組織所見はlepidic growth を呈していたと指摘しており,消化管由来の腺癌がこのような進展形式を取った場合にもGGOを呈する可能性が考えられた.このように,転移性肺腫瘍がGGOを呈するメカニズ

ムは,腫瘍や粘液が肺胞腔内を不規則・不完全に充填することによる場合と,癌細胞が肺胞構造を破壊することなく肺胞上皮を置換して増殖する場合とが考えられ,本症例におけるGGOの機序は前者に相当するものと判断した.

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転移性肺腫瘍の大半は境界明瞭な多発性結節影を呈するが,本症例のようにmultiple GGOを呈することもあり,鑑別診断を進めるにあたり重要と思われた.本症例の要旨は第 91 回日本呼吸器学会東海地方学会において報告した.

引用文献

1)梅原晴彦,宮原 透,吉田雅行,他.胃癌肺転移症例の臨床病理学的検討.日消外会誌 1989 ; 22 :2772―2777.

2)Gaeta M, Caruso R, Barone M, et al. Ground-glass at-tenuation in nodular Bronchioalveolar carcinoma :CT patterns and prognostic value. J Comput AssistTomogr 1998 ; 22 : 215―219.

3)Kundu S, Murphy J, Towers M, et al. Computed to-mographic demonstration of very-low-density pul-

monary nodules in metastatic gastric carcinoma :case report. Can Assoc of Radol J 1999 ; 50 : 198―201.

4)John HW, Bemedek B. CT halo sign in pulmonarymetastasis from mucinous adenocarcinoma of pan-creas. South Med J 2001 ; 94 : 448―449.

5)Miyake H, Matsumoto A, Terada A, et al. Mucin-producing tumor of the lung : CT findings. J ThoracImaging 1995 ; 10 : 96―98.

6)Okita R, Yamashita M, Nakata M, et al. MultipleGround-Glass Opacity in Metastasis of malignantmelanoma Diagnosed by Lung Biopsy. Ann ThoracSurg 2005 ; 79 : e1―2.

7)Gaeta M, Volta S, Scribano E, et al. Air-space pat-tern in lung metastasis from adenocarcinoma of GItract. J Comput Assist Tomogr 1996 ; 20 : 300―304.

Abstract

A case of metastatic lung tumor with multiple ground glass opacities on chest CT

Sawa Kunikata1), Koushi Yokomura2), Takashi Matsui2), Yutaka Nakano2),Takafumi Suda3)and Kingo Chida3)

1)Kishokai Okano Clinic2)Department of Respiratory Medicine, Respiratory Disease Center, Seirei Mikatahara Hospital

3)Second Department of Internal Medicine, Hamamatsu University School of Medicine

A 70-year-old man was admitted to our hospital because of multiple ground-glass opacities on his chest CTscan. A transbronchial lung biopsy specimen revealed signet-ring cell carcinoma infiltrating into the alveolarsepta. The histological findings of the carcinoma obtained from the lung were very similar to those of his gastriccarcinoma which had been resected at age 66. Immunohistochemical staining of the cancer cells were positive forkeratin 7 and keratin 20, therefore a metastatic lung tumor from gastric cancer was diagnosed. Although multiple,well-defined nodules are typically considered to be the presentation of pulmonary metastases, clinicians shouldalso be aware that multiple, ill-defined ground-glass opacities can also be recognized as pulmonary metastasis.