保育指導案 · 2テーマ 豊かな自然 ......

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-1- 保育指導案 戸河内町立戸河内幼稚園 二見 裕美 栗柄きさみ 河本ゆかり 3歳児 11名,4歳児 14名,5歳児 8名 計33名 対象児 豊かな自然,みんな友だち,あふれる笑顔 テーマ 3歳児(赤組 :秋の自然に触れ,いろいろな遊びを楽しむ。 ねらい 4歳児(黄組 :秋の自然を感じながら、友だちどうしで好きな遊びに 取り組む。 5歳児(青組 :身近な秋の自然に触れながら友だちと遊ぶ中で,互い に思いや意見を出し合い,遊びを広げていく。 各組の実態と教師のねがい **3歳児(赤組)** 入園当初は,教師のそばから離れられなかったり,兄姉の後を追ったりしていた 子ども達も,園での生活の流れや簡単な約束がほぼ分かり,一定の生活リズムの中 で,安定感をもって行動できるようになってきた。自分の好きな遊びを見つけて遊 ぶ中で,偶然出会った友だちと遊びや場を共有することも多く,かかわりが増えて きている。 しかしまだ,一人遊びが中心だったり,気持ちのすれ違いからトラブルになって しまったりすることもある。その際,教師が間に入り,友だちとのかかわりがより 広がり,深まっていけるように見守っているところである。 園外保育で草花や木の実を集めたり,PTAで自然物を使っての製作を楽しんだ りした子ども達は,園庭の数珠玉や花の種などに関心をもち,花や草をままごとに 使ったりしながら身近にあるいろいろな素材で遊べることに気付きはじめている。 教師は,子ども達が「やってみたい 「やってみよう 」という気持ちをもって 。」 意欲的に遊べるような環境づくりに心がけていきたい。また,子ども達が「ようち えんって楽しいな 「友だちと遊ぶのって楽しいな 」と思えるような毎日にする 。」 ためにきめ細かな援助を行っていきたい。 **4歳児(黄組)** 進級当初は,3月に兄姉が卒園し寂しがっている子どもや同年齢の友だちとのか かわりがうまくもてない子どもがいた。しかし,年少児や年長児との遊びを中心と

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Page 1: 保育指導案 · 2テーマ 豊かな自然 ... いことを教えてもらい遊びが広がっていくことのおもしろ ... 〇園庭の草花を使う遊びでは,「こうしたい。」。「あんなものを使ってみよう」と

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保育指導案

戸河内町立戸河内幼稚園 二見 裕美

栗柄きさみ

河本ゆかり

3歳児 11名,4歳児 14名,5歳児 8名 計33名1 対象児

豊かな自然,みんな友だち,あふれる笑顔2 テーマ

3歳児(赤組 :秋の自然に触れ,いろいろな遊びを楽しむ。3 ねらい )

4歳児(黄組 :秋の自然を感じながら、友だちどうしで好きな遊びに)

取り組む。

5歳児(青組 :身近な秋の自然に触れながら友だちと遊ぶ中で,互い)

に思いや意見を出し合い,遊びを広げていく。

4 各組の実態と教師のねがい

**3歳児(赤組)**

〇 入園当初は,教師のそばから離れられなかったり,兄姉の後を追ったりしていた

子ども達も,園での生活の流れや簡単な約束がほぼ分かり,一定の生活リズムの中

で,安定感をもって行動できるようになってきた。自分の好きな遊びを見つけて遊

ぶ中で,偶然出会った友だちと遊びや場を共有することも多く,かかわりが増えて

きている。

しかしまだ,一人遊びが中心だったり,気持ちのすれ違いからトラブルになって

しまったりすることもある。その際,教師が間に入り,友だちとのかかわりがより

広がり,深まっていけるように見守っているところである。

〇 園外保育で草花や木の実を集めたり,PTAで自然物を使っての製作を楽しんだ

りした子ども達は,園庭の数珠玉や花の種などに関心をもち,花や草をままごとに

使ったりしながら身近にあるいろいろな素材で遊べることに気付きはじめている。

〇 教師は,子ども達が「やってみたい 「やってみよう 」という気持ちをもって。」 。

意欲的に遊べるような環境づくりに心がけていきたい。また,子ども達が「ようち

えんって楽しいな 「友だちと遊ぶのって楽しいな 」と思えるような毎日にする。」 。

ためにきめ細かな援助を行っていきたい。

**4歳児(黄組)**

〇 進級当初は,3月に兄姉が卒園し寂しがっている子どもや同年齢の友だちとのか

かわりがうまくもてない子どもがいた。しかし,年少児や年長児との遊びを中心と

Page 2: 保育指導案 · 2テーマ 豊かな自然 ... いことを教えてもらい遊びが広がっていくことのおもしろ ... 〇園庭の草花を使う遊びでは,「こうしたい。」。「あんなものを使ってみよう」と

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したかかわりの中では,自分たちの経験したことを伝える喜びを感じたり分からな

いことを教えてもらい遊びが広がっていくことのおもしろさを感じたりしてきてい

る。

しかし,友だちと遊ぶのが楽しくなってきた反面,自分の思いや考えが十分に伝

えきれないことや互いの思いがかみ合わないことで遊びが中断したり,ぶつかり合

ったりする場面も多くなってきている。そこで,教師は,子ども達がぶつかり合う

ことも互いの思いに気付く大切な機会としてとらえ,子ども達が,自分の気持ちを

素直に出し,互いを認め合いながら遊びを進めていく楽しさを感じられるように援

助していきたい。

〇 園庭の草花を使う遊びでは 「こうしたい 「あんなものを使ってみよう 」と, 。」 。

工夫しながら作って遊んだり,少々難しいことでも自分でやってみようとする姿や

年少児に作ってあげたりする姿も見られる。

また,草花を使ったジュースやごちそうを作って遊んだり,PTA活動では,木

の実や木切れなどを使った製作活動を体験したりしている。

〇 教師は,子ども達が遊びのイメージを出しやすいような環境を作り,友だちとの

遊び,自然との遊びなど,身の回りには多くの楽しみがあることを知らせていきた

い。

また,こうした遊びの中での子ども達のつぶやきを聞き逃さず,遊びを発展させ

ていくように援助していきたい。そして 「あしたもみんなと幼稚園で遊びたい 」, 。

「あしたもあの遊びがしたい 」と思えるように援助していきたい。。

**5歳児(青組)**

〇 年長になり,今まで興味を示さなかったことに対して「挑戦してみよう 「が。」

んばってみよう 」という気持ちをもって,年少・年中児のことを気にかけたりや。

さしく世話をしたりする意欲的な姿が見られるようになってきた 「これどうする。

ん?」とか「○○ができない 」と困っている友だちがいたら 「こうするんよ 」。 , 。

「ほうらね,こうしたらできるんよ 」などとやさしく応えたり励ましたりもして。

いる。

しかし反面,接し方が分からず,うまく伝えられない時など,きつい口調になっ

。 , ,てトラブルが生じることもある その際 様子を見守りながら互いの話をよく聞き

遊びが楽しく進められるような援助を心がけている。

〇 PTA活動で子ども達は,木の実や木片を使って製作遊びを親子で楽しんだこと

から,身近なところにたくさんの自然物があることを改めて感じたと同時に,より

一層,自然に関心をもち 「これは何? 「調べてみよう 」と絵本や図鑑を見たり, 」 。

している。

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〇 教師は,木の実や木の葉などを使っていろいろな物を作り,それらを使って楽し

い遊びができるということにも気付かせたり知らせたりしていきたい。また,一人

一人の子どもを見つめながら,いろいろな環境を工夫し,子ども達が 「友だちと,

遊ぶのが楽しい 「幼稚園が大好き 」と思えるような毎日にしていけるように援。」 。

助していきたい。

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5 本時の流れ

時 刻 予想される幼児の活動 教 師 の 援 助

○登園する。 ○一人一人の子どもと明るい挨拶をし,健康状態を把8:00

握する。・朝の挨拶をする。 ・持ち物の始末をする。

・健康観察を受ける。

○自分の選んだ遊びをする。 ○登園時の活動がすむとすぐ戸外に行きたい子,保育

興味のある活動にかかわって 室で友だちとのかかわりを楽しみたい子,何かを作

* 先生と一緒に遊ぶ。 りたい子など興味が多様なので,子ども達の活動の,

* 友だちとかかわって遊ぶ。 様子を見ながら,教師の位置や動きを考えていく。

* 異年齢児とかかわって遊ぶ。 ○経験させたい遊びを取り入れ,友だちとのかかわり

* 興味のあるもので遊ぶ。 が生まれるような,環境構成を心がける。

○教師と一緒に,遊びができるようにコーナ ○遊びに入りにくい子どもには,どんな遊びがしたい

ーの準備をする。 のか問いかけたり,教師が一緒に遊びに加わったり

○友だちのやり方を模倣したり,取り入れた しながら,自分のしたい遊びが見つけられるように

りして遊ぶ。 していく。

○遊びに必要な材料や用具を自分で用意した ○自分の考えを言ったり,相手の考えに気付いたり,

り要求したりする。 遊びのイメージを伝え合いながら,遊びに取り組め

○遊びの中の発見や驚き・喜びを友だちに伝 るよう,子どもの気持ちを受けとめていく。

える。 ○教師も遊びに加わりながら,必要に応じて遊びの材

○互いの考えを伝え合ったり,聞いたりしな 料を出し,うまくいかない所などは,子どものイメ

がら遊ぶ。 ージを大切にしながら援助していく。

(室内) ○それぞれの遊びの場で,友だちと考えたり,力を合

・製作遊びをする。 わせたりして遊んでいる姿を認め励ましていく。

身近な素材を使って好きなものを作る。 ○友だちとかかわる中で,トラブルが生じたときは,

・ごっこ遊びをする。 互いの思いをよく聞いたり伝えたりしながら,一人

ねこ,おかあさん,おひめさま・神楽等 一人の子どもが納得のできるように声かけをする。

・ブロック遊び,積み木遊びをする。 (年少)

・自然物を使って遊ぶ。 ○遊びの中でトラブルが生じたときは,互いの言い分

大工遊びケ-キづくりじゅず玉つなぎ等 をしっかり出させ,遊びや友だち関係が広がるよう, ,

(園庭) 見守る (年中・年長)。

・固定遊具・乗り物で遊ぶ。 ○拾い集めた自然物を使って,いろいろな遊びが楽し

ブランコ滑り台タイヤの塔スケ-タ- めるようにする。, , ,

・砂場で遊ぶ。 ○危険のないよう配慮し,自分たちで遊びができるよ

川・ダム作り,ままごと遊び うにする。

・種・花・木の葉を集めて遊ぶ。 ○自分なりに目標をもってくり返し挑戦する姿を認

め,少しでもできた喜びに共感していく。

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○片付ける。 ○時間を十分にとり,最後まで力を合わせて片付けら9 50:

・自分の使ったものは,決められたところ れるよう言葉がけをする。

へ片付ける。 ○明日も楽しく遊べるよう,自分たちで生活の場をす

・協力して最後まで片付ける。 すんで整えようとする気持ちを大切に育てていく。

○子ども達の様子を見ながら必要に応じて声かけや

○排便・手洗いをする。 手助けをする。

○今日の遊びについて話をしたり聞いたりす ○一日の遊びを振り返り,頑張ったことや発見したこ10 10:

る。 となどをしっかりと受けとめ,明日の遊びや園生活

○降園準備をする。 に意欲がわくような言葉がけをする。10 15:

○降園する。10 20:

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8 遊び場における具体案(◎幼児の活動 ○環境と援助)

青 組 保育室

赤 組 保育室

黄 組 保育室

小学校

うさぎ 小 屋 倉 庫

藤だな

ジャングルジム

すべり台

トンネル山

ブランコ わくわくさんの おうち

畑 タイヤの塔

タイヤバランス タイヤ峠

くもの巣山

つり輪 のぼり棒

雲てい 太鼓橋

ジャングルジム すべり台

鉄棒

ままごと遊びをする。 ◎友だちと一緒に,いろいろな料理やジュースを作って楽しむ。 ○友だちと一緒に工夫して楽しめるよう,いろいろな素材を用意する。 ○必要な遊具や用具を十分に用意し,思う存分楽しめるようにする。 ○要求に応じて,材料や遊具・用具を子どもと一緒に考えたり,探したりできるようにする。 ○新しい発想や工夫していることを認め,みんなに広がるような声かけをしていく。

花や野菜の世話をする。 ◎植物に興味を持ち,世話をしようとする。○水やりや花摘みなど,子どもと一緒に楽しみながら,必要な世話に気づかせていく。○次年度に期待を持たせながら実や種の収穫を共に喜ぶ。

固定遊具や乗り物にかかわって遊ぶ。

◎友だちどうし,励まし合ったり,教えあったりする。 ◎繰り返し試したり挑戦したりして,自分なりのめあてに向かって頑張ろうとする。 ○子どもの小さな頑張りを見逃さないように見守り,必要に応じて,励ましや手助けをする。

うさぎなどの小動物と遊ぶ。

◎うさぎや鳥に親しみをもち,やさしい気持ちでかかわる。 ○えさをやったり話し掛けたりする姿を見守る。 ○家からえさを持ってきている子どもの気持ちをくんだ声かけをする。

神楽遊びをする。 ◎友だちと一緒に郷土芸能を楽しむ。 ○遊びに必要なものを準備したり,工夫して創り出そうとしたりする姿を認め,みんなに広がるような言葉がけをする。 ○その子どもなりの表現を認め,見守る。

大工遊びをする。

◎金づちを使ってくぎを打つことを楽しむ。 ○用具を安全に使えるように見守る。 ○がんばったところや工夫しているところを認め,意欲につながるような声かけをする。

自然物を使って,製作遊びをする。

◎身近にある自然物を使って,いろいろなものを作って楽しむ。 ○材料や用具の準備や配置など,製作意欲がわくような環境づくりに努める。 ○今までの経験を生かしたり,工夫したりする姿をしっかり認める。

小動物探しをする。 ◎身近な小動物に,触れたり観察したりし,関心を持つ。 ○子どもの様子を見守り,気づいたことに共感したり,触れ方などを知らせたりする。 ○関心がより深まるように図鑑などを用意し,教師も一緒にかかわる。

ダンボールで遊ぶ。

◎素材そのものを楽しんだり,作ったもので遊んだりすることを楽しむ。 ○友だちと思いを出し合ったり,協力して遊びに取り組んだりする様子を認める。 ○遊びの様子を見ながら,必要に応じて援助する。

ごっこ遊びをする。 ◎友だちと一緒に遊ぶことの楽しさを感じる。 ◎友だちと思いを出し合いながら遊びをすすめることの楽しさを感じる。 ○それぞれの遊びの場で,友だちとのかかわりが持てるよう見守る。

わらで遊ぶ ◎素材のもつ感触をしっかり楽しむ。 ○わらを十分に用意し,危険のないように環境を整える。

黄 組 保育室

砂遊びをする。 ◎砂や水の感触を味わい,試したり,工夫したりする。 ○遊びの目的に応じて,用具が選べるようにシャベル,バケツ,トイ,ペットボトルなどの用具を準備する。 ○友だちと考えを出し合いながら遊ぶ姿に共感し,必要に応じて,イメージが伝え合えるような仲立ちをする。 ○砂や水の感触を楽しみ,解放感を感じることができるような雰囲気づくりに努める。 砂場

職員室