きらめずに頑張れるのだと思います。 スポーツと将来の力...14 第 27 回...

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14 13 27回 明日TOKYO作文コンクール 優秀作品集 27回 明日TOKYO作文コンクール 優秀作品集 西

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14 13第27回 “明日のTOKYO”作文コンクール 優秀作品集第27回 “明日のTOKYO”作文コンクール 優秀作品集

きらめずに頑張れるのだと思います。

 

このように、多くの人が選手と共に、一つになって戦

うことができる「団結する力」と、目標を一つ掲げるこ

とで、「もっとかんばろう」と前向きに目標達成に向け

て頑張ることができる「目標を掲げる力」という二つの

力は、スポーツならではの素晴らしい力だと思います。

 

この二つの力は、近い未来の東京に多く活用できると

思います。私たちが住んでいるこの東京では、二千二十

年に東京オリンピックがあります。そこで私ができる活

動は、ボランティア活動を通して、世界中の人々とつな

がることです。私はボランティアで、ただ道案内をする

のではなく、積極的に外国人と会話をしたいと思ってい

ます。理由は、日本を応援している人とオリンピックと

いうスポーツを通してつながることはとても良いことだ

と思いますが、国境をこえてもっとたくさんの人と仲良

くなりたいからです。そして世界中の人々と仲良くなる

と、お互いの国同士の文化や言語を知り合うことが出来

ます。そうすると世界が一つの輪になるのではないかと

思います。世界が一つの輪になるために、私は少しでも

力になれるよう、今も頑張って一つ一つの目標を達成し

ていきたいと思っています。私は、人と人のつながりと

目標を自らつくり、達成し、また新しい目標を立てる、

目標を達成するには、地道に努力をして、一歩一歩確実

に目標に近づくことが大切であると思います。

 

スポーツ、特に近い未来にある東京オリンピックで、

私はたくさんの外国の人々と積極的にコミュニケーショ

ンをして、楽しみながら各国の文化などを交流を行いた

いと思っています。そして、東京の未来を支えることを

将来の目標として、少しでも力になれたらいいなと思い

ます。

 

スポーツの力は二つあると思います。

 

一つ目は「団結する力」です。運動会でクラス全員が

一致団結して戦うことで、勇気が出るだけでなく、応

援することで仲間の絆きずなを

深めることができます。また、

サッカーや野球の団体競技、水泳などの個人競技でも選

手は一人ではなく監督やコーチ以外に、応援している人

も一つになって戦っていると思います。例えば、選手が

大会に出ているところを大会の会場に行って声援を送る

人と、来ていなくても応援している人は、選手と共に団

結しているのだと思います。

 

二つ目は「目標をかかげる力」です。

 

私は小学校六年生までスイミングのクラブに入ってい

ました。四種目の泳法を泳げるようになったら、同じ

コースの友だちと速さを競うようになりました。その

時いつも掲げていた「友だちの中で一番速いタイムを出

す」という目標がありました。競っていた友だちは八人

いたのですが、最初私は四番目ぐらいに速かったです。

しばらく順位は変わらず、どうしたら順位を上げられる

かと考えていくうちに悔しくなっていきました。でも自

分で掲げた目標は変えずに、コーチのアドバイスを聞い

たりして、日々練習を積み重ねました。そしたら、徐々

にタイムが速くなっていき、最終的には友だちの中で一

番速くなりました。私は一つ目標を達成できたので、次

の新しい目標を掲げることができました。目標を掲げる

ことで、常に前を向くことができて、特に自分で決めた

目標は、その目標を達成するまで課題があるからこそあ

スポーツと将来の力

足立区立西新井中学校 

三年

阿部 

祐香

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16 15第27回 “明日のTOKYO”作文コンクール 優秀作品集第27回 “明日のTOKYO”作文コンクール 優秀作品集

は何度もあったが嬉しくて泣いたのは部活動以外では記

憶にない。

 

最後に、人との交流を深める力だ。日常生活ではなか

なか深く関わることのできない先輩や後輩、先生とも部

活動を通じて良い関係を築くきっかけになった。同じス

ポーツを好む人達が集まり、時に強く感情をぶつけ合い、

共に泣き、共に喜び、互いに切磋さ

琢たく

磨し目標に向かって

努力する環境は私達に強い絆を作ってくれた。スポーツ

を通してでなければ、三年間という短い時間で、これほ

ど強く人と繋つな

がることは出来なかったのではないかと思

う。

 

スポーツの力が私にこれだけ多くの恩恵をもたらせて

くれたが、未来の東京を創る上ではどのような力を発揮

してくれるのだろう。そう考えた時に、やはり一つの大

きな機会となるのは二〇二〇年に開催される東京オリン

ピックだろう。オリンピックという世界的な大会には、

海外から多くの人々が訪れるため経済的には大きな効果

が期待できるだろうし、文化的にも東京の魅力をアピー

ルする又とないチャンスになるだろう。

 

また、世界のトップアスリートを会場で直接観戦する

ことで、そのスポーツに関心を持つ子どもが増え、さら

にスポーツの輪が広がることも期待できる。私も是非テ

ニスの試合をコートで直接見て良い刺激を受けたいと考

えている。会場を訪れた際には海外の人々に見られてい

るということを忘れずに、また東京に来たいという記憶

を胸に帰って頂けるように貢献したいと思う。

 

私の生活に様々な良い影響を与えてくれたスポーツ。

そこで学んだことや経験したことを次の世代に伝えてい

き、私がそうであったように、スポーツをすることで肉

体的にも精神的にも健全な生活をみんなが送れる手伝い

をすることで、未来の東京を創ることに貢献していきた

いと思う。

 

私は中学の三年間、テニス部に所属していた。その中

で、スポーツというものに対する考え方が大きく変わっ

た。スポーツは技術の向上や試合の勝敗、記録だけでは

ない、いくつもの「力」があるということを部活動を通

して学ぶことができた。

 

まず、健康を維持、増進させる力だ。私はテニスをし

ていたことで三年間で筋力や持久力、敏捷しょう性

などをかな

り高める事ができた。また、スポーツをすると体力的に

も精神的にも疲労が大きいことから、早い時間に眠りに

つくことができ、規則正しい生活が送れていた。さらに、

空腹にもなりやすく、高たんぱくでバランスの良い食事

をとることで健康的な体作りができていた。

 

残念なことに、私は先日部活動を引退したのだが、も

のの数ヶ月で実感できるほどに体力が低下してしまい、

運動量が減ったことで、疲労が少なく就寝時間が遅く

なってしまい生活リズムが乱れてしまった。スポーツが

いかに私の健康的な生活に貢献していたのかを知ること

ができた。

 

次に、感情を豊かにする力だ。私は三年間、技術の向

上と試合で勝つことを目標に、人生においてこれほど真

剣に向き合ったことは他に無いと言っていいほど、全力

で日々の練習に励んだ。それだけに、出来なかったこと

ができるようになったり、今まで進めなかった所まで試

合で勝ち進むことが出来れば、他では得ることのできな

い喜びがあった。今まで、親に叱られる、友人との喧けんか嘩

や別れ、病気やケガの痛みや苦しみ、などで泣いたこと

スポーツがもたらすもの

世田谷区立千歳中学校 

三年

有馬 

紗耶

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18 17第27回 “明日のTOKYO”作文コンクール 優秀作品集第27回 “明日のTOKYO”作文コンクール 優秀作品集

いましたが、勝敗の先にあるものが見たい、そして知り

たいと思うようになりました。それは仲間との絆や失敗

を恐れない心、そして相手に対するリスペクトなど様々

ですが、今までに味わったことのない満足感でした。

 

サッカーWカップで日本代表は、サッカーに興味のな

い人達にも夢や感動を与えてくれました。日本中が一つ

になって応援し、負けてしまっても人々の心にとても大

きな希望を残してくれたと思います。

 

二〇二〇年に行われる、東京オリンピック、パラリン

ピックは、スポーツの力が一つに集まった舞台です。選

手の人達は、きっと、たくさんの努力の成果を見せてく

れることでしょう。私は、日本中が一つになることで、

起こる奇跡を信じています。

 

スポーツは、嬉しいことや楽しいことばかりではなく、

時にはつらいことや苦しいこともたくさんあるでしょう。

しかし、どんなにつらくても、継続していくことで生ま

れる様々な感情が、何事にも負けない強さに変わってい

くのだと思います。だからこそ、スポーツの力を拡げて

いくために、今、私ができることは、今まで部活を通し

て、先輩方などに教えてもらったたくさんのことを、次

は自分が後輩達に伝えていくことだと思います。

 

二〇二〇年の東京オリンピック、パラリンピックに向

けて、スポーツの力を私達のまちに、東京に、そして未

来につなげていきたいです。

 

私は今、学校の部活動でバスケットボール部に所属し

ています。最初は、ただ運動が好きだからという理由で

入部しましたが、実際、そんなに甘いものではありませ

んでした。練習はハードで、どれだけ苦しくても声を出

さなければいけません。また、チームスポーツだからこ

そ、相手のことを考えながら行動したり、みんなとのコ

ミュニケーションをとることがとても大事です。練習中

は、失敗してみんなに迷惑をかけてしまうことや、友達

が自分より良いプレーをしてほめられているのを見ると、

すごいなという素直な気持ちと、認めたくないという気

持ちが入り混じって、複雑な感情になりました。でも何

より、上手くいかない、出来ない自分が一番情けなく、

悔しくて仕方がありませんでした。しかし、そんな時も、

部活がいやになったり、苦にならなかったのは、つらい

時励ましてくれる「仲間」がいたからだと思います。分

からない時はお互いにアドバイスをしたり、声を掛け合

いました。また、ある先輩が、「あなたは誰よりも一生

懸命で、本当に見ていて尊敬するよ。」という言葉をか

けてくれたことがあります。一人でも、頑張っている所

を見てくれている存在がいるということは、とても幸せ

で、心強かったです。だからこそ、これからもたくさん

努力をして、誰よりも活躍する選手になれるよう、頑張

りたいと思いました。私は部活動を通して、仲間がいる

ことの大切さを学びました。

 

そして、私はスポーツを始めたことで、見方が変わっ

たことがあります。今までは、勝敗にばかり目が向いて

スポーツの

  

力で開ける未来の扉

小金井市立東中学校 

二年

飯田 

結子

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20 19第27回 “明日のTOKYO”作文コンクール 優秀作品集第27回 “明日のTOKYO”作文コンクール 優秀作品集

バトンをつなぐ全員リレーが、私は一番好きだ。練習で

は、「全員リレー」なのに、なかなか全員にならなくて、

一位になっても、あまりパっとした気分になれなかった。

本番でやっと全員揃そろ

って走れた。クラス全員が必死に応

援し、全力で取り組んだ。みんながすごく頑張っていた

ので、「結果はどうであれこの気持ちは変わらない。」と

思った。結果は一位だった。皆で成し遂げた達成感は、

本当に気持ちの良いものだった。

 

私は、この運動会で、沢山の事を学んだ。過去の失敗

を糧に練習に励み、努力は裏切らないということを実感

することができた。一位にはなれず、努力は必ず報われ

るわけではないが、努力したからこそ、自己記録を更新

することができたと思う。積み重ねてきた努力は、決し

て無駄にはならない。そのことを改めて知った。また、

少しまとまりに欠けていたクラスが、運動会を通して団

結し、絆を深めることができた。みんな自身の気持ちに

も変化があり、そのことが、何よりもの達成感に繋がっ

たと思う。スポーツには、人を変える力がある。みんな

で協力して、一つのことを成し遂げた達成感は、一人で

目標を達成できた気持ちとは、また違っていた。一人一

人が互いを認め合い、成長し、豊かな気持ちになる。私

は、実行委員になり、主体的に取り組むことで、運動会

をより楽しむことができた。この経験を今後の生活にも

活かして、前向きに色々な事に挑戦していきたい。

 

二〇二〇年、東京でオリンピック・パラリンピックが

開催される。世界中のアスリートがスポーツを通じて一

つになる。スポーツは世界を繋げるのだ。私は、ダンス

が好きで、小学校の時からダンススクールに通っている。

将来は、留学をして、海外でダンスを学びたいと考えて

いる。以前見た海外のダンス動画で、踊っている人達が

皆、自由で、個性的で楽しそうに踊っていた。そんな海

外のダンスに憧れ、英語の勉強も頑張っている。ダンス

を通じて、狭く小さい自分の世界が広くなり、知識や経

験も増やす事もできる。未知の世界に踏み出すのは少し

怖いけれど、進んだ先に何が待っているのか私は見てみ

たい。そして、進んだ先の人との輪を世界に出て、広げ

ていきたい。

 

スポーツには、人を変える力がある。私がそう考える

ようになったきっかけは、中学校に入学して最初の大き

な行事である運動会での経験だ。

 

私は、運動会実行委員として、クラスや学年をまとめ

ていかなければならなかった。初め、手を抜いたり、真

剣にやらない人がいてみんなをまとめるのに苦労した。

何度も注意することがつらく感じてきたころ、私よりも

先に一生懸命取り組んでいる人たちが注意してくれた。

自分以外の人が、注意をしてくれたことが嬉しかった。

みんなも少しずつ団結してきているように思えた。運動

会に向けて頑張り、どんどん成長していった。運動会当

日、みんなの団結力が最高になった。全種目、声を掛け

合って、一人一人がお互いを認め合い、まとまってい

た。私は、八百メートル走に出場した。八百メートル走

には、苦い経験があった。小学校六年生の連合運動会の

時に、ゴール手前で手を抜き、後ろから来た選手に抜か

されてしまったのだ。みんなに応援してもらっていたの

に、期待に応えられなかった。そのことをとても後悔し

ていたので、今回は、絶対に勝ちたいと思い、練習に励

んだ。結果は、全体で三位、学年で二位。先輩に一度抜

かされたけれど、気持ちで抜き返した。最後まで気を抜

かずに走れた。一位にはなれなかったが、自己記録を更

新することができた。本当に嬉しかった。自分に勝った

と思った。そして、全員リレーだ。クラスの代表選手が

競い合うクラス対抗リレーも華があっていいが、運動が

苦手な子も、障害がある子も、全員がフォローし合って

スポーツの力

荒川区立尾久八幡中学校 

一年

石神 

小百合

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22 21第27回 “明日のTOKYO”作文コンクール 優秀作品集第27回 “明日のTOKYO”作文コンクール 優秀作品集

癖が出て、泣いてしまった。私にはやっぱりスポーツは

できないのか。そう悲しんでいたら、新体操に誘ってく

れた友達が声をかけてくれた。

「最初は誰でもできないところから始まるんだよ。」

普通に考えれば当たり前のことだが、そのことを忘れ

かけていた私にはすごく心に響く言葉だった。「できな

かったのは私だけじゃない」と思い直し、自分を責める

のをやめられた。

 

それからの練習でも、思わずめげそうになるときも

あったが、友達が言ってくれた言葉を忘れずに、必死に

頑張った。

 

そして、いよいよ年に一度の発表会の当日が来た。客

席を見てみると、予想以上に多くのお客さんがいる。私

はそれに圧倒されてしまっていた。ついに本番が始まる。

くじけずにたくさん練習したはずだったのに、緊張から

かあまり体が動かず、大きなミスはしなかったものの納

得のいくものにはならなかった。しかし、自分を責める

ことはなかった。それは多分、あの日に友達から言われ

たあの言葉を忘れていなかったからだ。まだ新体操を始

めて一年なのだから、周りの先輩たちよりもできていな

いのは当然のことだ。それから、教室の年齢制限である

小学六年生になるまで、必死に練習をして、卒業した。

 

世の中には、私以外にも「自分にはどうせ何もできな

いのだ」と自分を責める癖がある人がいるだろう。しか

し、私は新体操というスポーツを通して、最初はみんな

何もできなくても、努力次第でいくらでも変われると知

ることができた。今では側転もスムーズにできるし、リ

ボンもからまらずきれいに回せる。私は、この「努力が

できるようになる力」は他のスポーツにも応用できるの

ではないかと考えている。だから、私は未来のTOKY

Oを、この力でうめつくしたいと思っている。そのため

に、まずは体育の授業で、得意なマット運動のときに、

友達にアドバイスをしてあげたり応援してあげたりした

いと思う。また、私も苦手な球技を諦めずに練習して、

みんなに努力のすごさを実感してもらいたい。

 「自分は何もできない」と自分を責めて、可能性を狭

めてしまうのは非常にもったいないことだ。スポーツを

通して、自分の可能性を見つけられる人が増えてほしい。

 「来てみるだけ来てみてよ。」

私は小学二年生のとき、同じクラスの友達に、その子が

習っていた近所の新体操教室に見学に来ないかと誘われ

た。初めはあまり乗り気ではなかった。なぜなら、私は

スポーツが大の苦手で、正直好きではなかったからだ。

もちろん体も硬い。しかし、友達の勢いに負け、入る気

は無かったが仕方なく見学に行った。

 

教室に着くと、先生や生徒が快く出迎えてくれた。と

ても嬉しかったが、それ以上に、生徒の着ていたノース

リーブの衣装に目が留まった。それはレオタードという

もので、新体操をするときに着るものだそうだ。本当に

きれいで可愛くて、着てみたいと思っていた。それから

すぐ、リボンの演技を見せてもらった。空中でひらひら

と舞うリボンを目で追ううちに、あのレオタードを着て、

リボンをくるくると回したいと考えていた。そして私は、

あっさりと入会してしまったのだ。

 

しかし、現実はそう甘くなかった。すぐにリボンを回

させてはもらえず、まずはとても痛い柔軟体操から練習

が始まる。次にうまく着地できなかったらケガをする側

転の練習をして、よく考えていないと混乱する基本のス

テップの練習をする。この時点でついていけず落ち込ん

でしまった。だが、やっとリボンが回せると聞き、少し

ばかりテンションが上がった。しかし、周りの真似をし

てもうまく回せず、どうしても片結びになってしまう。

何回も挑戦してもだめだ。私はとうとう、「自分にはど

うせ何もできないのだ」と、自分を責めるいつもの悪い

最初は誰でも

    

できないから

東京大学教育学部附属中等教育学校 

三年

延命 

杏咲実

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24 23第27回 “明日のTOKYO”作文コンクール 優秀作品集第27回 “明日のTOKYO”作文コンクール 優秀作品集

プロジェクトだと思った。

 

私が思う「スポーツの力」は「仲間力」と考えた

時、それは日本人の得意とすることではないかと思った。

サッカーW杯の解説者も「日本は一対一のプレーでは負

けてしまうが、組織力ではどこの国にも負けません」と

いう言葉をよく耳にした。この組織力こそ仲間力であり、

私もその仲間の一人として何かできないかと考えた。

 

現在、未来都市東京を創り出すべく、様々な企業が新

しい東京の街を創り出そうとしている。例えば、東京

オリンピックは多くの観光客が訪れるので、音声翻訳

機の開発が盛んに行われている。私はそのことを知った

時、音声翻訳機も便利で良いが、生の声で人と会話する

通訳のボランティアをしたいと思った。六年間のアメ

リカ生活で習得した英語力を生かして、微力ながら東京

オリンピック、未来を創るお手伝いができるのではない

かと思った。また、このボランティアから、他者とのコ

ミュニケーションの大切さも学ぶことができるのではな

いかと思った。スポーツを通して世界中の人々が東京に

集まってくる。通訳ボランティアができたらその仲間達

と、より良いオリンピックにするために様々な話し合い

をするであろう。例えば、広告は全てデジタル化し、人

が多く集まったりビッグニュースが流れた時は、空中映

像にしてみる等、近代化の東京をアピールすることがで

きるであろう。

 

通訳という仕事だけでなく、オリンピック後のことも

話し合い、ただのお祭りに終わらせたくはないと思う。

まだ中学生である私ができることは少ないかもしれない

が、私達世代が未来の東京を創るお手伝いができるので

あれば積極的に参加したい。なぜなら、未来の東京、日

本を創っていくのは私達世代なのだから。

 

私は、この春入学したばかりの中学一年生だ。入学し

てまずはじめに自分自身で決めること。それは部活動を

何にするかということだと思う。私は全くの未経験者だ

が、先輩方の練習風景を見て、迷わず排球部(バレー

ボール部)に入部することに決めた。排球部の練習はど

の部活動よりも厳しく練習量も多い。練習が厳しい中、

果たして勉強との両立はできるのか?と不安に思いなが

らも約三カ月が経った。

 

そして今の私の気持ちはというと

「絶対にレギュラーになってみせる。がんばるぞ。」とい

う強い前向きな気持ちだ。どうしてそんな気持ちになっ

たかと考えると、それは「仲間力」だと思う。先輩方は

一生懸命で部活動以外の学校の定期試験や行事等につい

ても色々と教えてくれる。同級生もみな学校の課題やテ

ストに追われながらも、一緒にがんばり支え合っている。

部活動を通しての仲間との絆、一つのことに向かい合い

成し遂げる達成感。それらこそ「スポーツの力」ではな

いかと強く感じた。

 

二〇二〇年は東京五輪の年である。私はまだ東京にオ

リンピックがくるというすごさがピンとこない。ただ私

の祖母は一九六四年の東京オリンピックのころ二十歳前

後であり、オリンピックの話しを聞くと、「女子バレー

ボールは金メダルを獲得し“東洋の魔女”と呼ばれてす

ごかったのよ。敗戦国日本が先進国の仲間入りしたの

よ。」と興奮して話す様子から、東京に五輪がくること

は、すごいことであり、東京の未来も変えていくビッグ

「仲間とつくる

    

未来の東京」

筑波大学附属中学校 

一年

小 

瑠美

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26 25第27回 “明日のTOKYO”作文コンクール 優秀作品集第27回 “明日のTOKYO”作文コンクール 優秀作品集

ことができました。

 

結果は逆転し、一人差で勝つことができました。しか

し、三戦目で負けてしまいその後は観戦をすることにな

りました。この時にコーチに言われたこともとても印象

に残っています。「自分の知り合いが出てるチームとか、

かっこいいチームだけじゃなく全部のチームを応援して

みたらどうかな。自分の好きなチームを応援して盛り上

がるのも楽しいけど、それだと他のチームの良いところ

を見つけ出せないよ。」と言われた時、私は驚きました。

意識をしていなかったけれど、今まで私はオリンピック

などをテレビでみるときなど、日本のチームばかりを応

援していたと思います。けれど、それだけでは他のチー

ムには目を向けられていません。それでは互いの得意・

不得意を探して比べることもできず、観戦の面白さも半

減してしまうと感じました。

 

私はこのドッジボールの大会に出たことで、たくさん

のことを学べました。相手の力も自分の力も認めること

で、作戦を練るヒントが出てきます。そしてより接戦を

繰り広げることが出来ます。また、自分が応援するチー

ムだけでなくその相手のチームにも目を向けることで、

試合への理解も深まり、より楽しく観戦することができ

ます。これらより、私はスポーツには互いに認め合う力

があり、その力がスポーツに関わる上でとても大切だと

思います。

 

私は東京オリンピックを観戦する上で、挑戦したいこ

とがあります。それは、外国人の方と一緒に応援するこ

とです。いろいろな国のチームについて調べ、外国人の

方とも応援をすることで交流を深めてみたいです。その

ためには、日本以外のチームも素直にほめる認め合う力

が必要になると思います。

 

私は、スポーツには、互いに認め合う力があると思い

ます。これは、スポーツを行う人だけでなく、スポーツ

を観戦する人にも身に付く力だと私は考えます。

 

そう考えたきっかけは、私が小学生の時に出た、区の

ドッジボール大会です。年に一度の大会なので、メン

バー全員気合が入っていました。二戦目の試合で私の

チームは、以前練習試合を行ったチームと対戦しました。

練習試合では負けてしまっていたので、一戦目よりもメ

ンバー全員が勝とうと必死でした。前半が終わり、その

時点では私のチームの方が二人分負けていました。くや

しかった私達は、休憩時間中にくちぐちにこう言ってい

ました。「女子ばっかねらってきてずるい」「あの時絶対

ボールがかすってた」「フェアじゃない」などです。そ

の時コーチに「お前らも気づかないうちに同じようなこ

とをしてるだろ。自分たちばかり相手に文句を言ってた

ら対等な試合はできないし、強くなれないよ。」と怒ら

れてしまいました。その後キャプテンが、「相手の強さ

を認めて、早く策を練らないと本当に負ける。」と言っ

たのをきっかけに作戦会議が始まりました。

 

この時私は、相手を認めることで、おちついて試合を

することができることを学びました。相手の欠点ばかり

を見つけようとし、自分達の弱さを認めないで意固地に

なっているだけでは、大した作戦も立てられずに逆転で

きないことにイライラしてしまい、ミスをおかしてしま

うなどの悪循環が出来てしまったと思います。相手を認

めることで、相手の強いところ弱いところを考え始める

スポーツを

   

より楽しむには

東京都立桜修館中等教育学校 

二年

所澤 

こすず

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28 27第27回 “明日のTOKYO”作文コンクール 優秀作品集第27回 “明日のTOKYO”作文コンクール 優秀作品集

い人々を結びつけることのできる力をスポーツはもって

います。年齢も、性別も、住んでいる場所も超えて、人

と人とを結びつけることができ、人を笑顔にすることが

できます。

 

また、自然災害が起きて被害に遭った地域を早く復興

させてあげたい、そこに住んでいる人々を喜ばせてあげ

たいという願いをスポーツは叶かな

えることもできます。私

はそんなスポーツが大好きです。

 

二〇二〇年まであと二年となりました。私の住むマン

ションの隣では「馬術」の行われる馬事公苑えん

が毎日姿を

変えています。私は毎日、馬事公苑を見る度に、東京五

輪が一日一日と近付いてきていることを感じます。その

年、私は十七歳です。昔だったら十分な大人です。現代

に生まれた私は、五輪のために今でしかできない「何

か」をしたいと思います。東京五輪がくることが、自分

を成長させるきっかけにできたらよいです。とはいえ、

高校生ですからできることは限られています。自分の周

りをきれいに、落ちているゴミを拾って集めて、清潔な

街を保つこと、英語を相手に通じることのできるように

学習すること。周囲の人を思いやって行動すること。自

分にできる精一杯のことをしていきたいです。

 

未来のTOKYOは人と人とが笑い合えるそんな都市

であってほしいと心から願っています。生まれた境遇を

も、年齢をも超えて、私が、球場で感じたような思いを

日本中の人が、世界中の人が感じてほしいです。

 

世界中の人々から長い間、愛され続けてきたスポーツ

が持っている様々な「力」にこれからもたくさん出会う

と思います。そして、スポーツのような誰からも愛され、

人と人とをつなぎ、人を笑顔に明るくできる人になりた

いです。今は無理かもしれないけれど、これから一年、

二年と年を重ねるにつれて私の「憧れ」に近付けるよう

になれるよう努力したいです。いえ、努力します。

 「家族、そして支えてくれた方々にありがとうと伝え

たいです。」とオリンピックやパラリンピック、その他

の大きな大会や試合で活躍した選手は言います。スポー

ツを行う・続ける上で必ずと言ってよいほど、周囲の支

えは必要になると思います。スポーツが持つ力、その一

つに「周囲の人々に助けられて生きていることに気付く

力」があると私は思います。もちろん、それだけではな

く、「人と人とをつなげる力」、「人を明るくする力」な

どスポーツはたくさんの力をもっているとも思います。

だからこそ、スポーツは長い間、人々に愛され続けてき

たのではないでしょうか。

 

私は小学校の頃からテニスを続けています。つらい時、

やめたいと思った時、私を支えてくれた家族や友達がい

たから今でも続けることができています。私が彼らに一

番伝えたい言葉は「ありがとう」という「感謝」の言葉

です。テニスを通じて友達ができた時、落ち込んでいて

も思いっきり動いて元気になった時、私は「スポーツの

力」というものを感じます。

 

テニス以外に私は「人と人とをつなげる」スポーツの

力をとても感じることがありました。私は幼い頃から親

の影響で野球が好きでした。球場に足を運んで試合を観

たときです。応援しているチームが得点した時、素晴ら

しいプレーで魅せた時、応援している人たちはみんなで

喜びます。隣に座っている人、後ろに座っている人は、

これまで会ったこともなく、これからも会えるかどうか

は分からない。けれど、そんな一期一会の縁かもしれな

スポーツの力を夢に

世田谷区立用賀中学校 

三年

白須 

桜花

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30 29第27回 “明日のTOKYO”作文コンクール 優秀作品集第27回 “明日のTOKYO”作文コンクール 優秀作品集

んな景色を見せられるとやる気が燃え上がってきた。そ

して風に吹かれながら橋を渡り切ると、さっきは壁のよ

うに感じた坂をさっそうと下る。下っているとまた勇気

がわいてきた。

 

その後も何度も挫折しそうになったが、その度に瀬戸

内のおだやかな海と、青々としげるレモンの木々や、お

いしい食べ物が僕にパワーをくれた。二日目の最後には、

全長四キロの来島海峡大橋が僕らを待ち構えていて、疲

労で倒れそうになったが、「完走したい」という気持ちで

必死にペダルをこぎ、ようやく今治駅までたどりついた。

 

この経験によってサイクリングの魅力は、自分が知ら

ない土地を走る楽しさ、季節によって変わる景色や風の

心地良さ、家族や仲間と助け合い励まし合うことの大切

さであると知った。そして自分の限界を超えた時の達成

感は、言葉では表せないほどのものだった。僕は自転車

が大好きになった。

 

この春、僕は中学生になり、入学祝いにロードバイク

を買ってもらった。東京でも週末には二十キロほどのト

レーニングをこなすようになったが、そこで感じたのは

しまなみ海道のサイクリングロードとの差だった。都心

部ではアスファルトがでこぼこしていたり、僕の家の前

には自転車専用レーンがあるが、専用道にも駐車車両が

多く、走りづらい。

 

最近では自転車がブームになっていて、街中でもたく

さんのサイクリストを見掛ける。また、オリンピックに

向けて訪日外国人も増えてきている。東京には自転車で

行ける名所が多数あり、より一層車道を整備してサイク

リストが走りやすい環境を整えていくことが必要だと思

う。それを実行するためにも、まずは僕たち一人ひとり

が安全マナーを守り、周りの人たちに自転車の魅力を発

信していきたい。そして東京にもしまなみ海道のように

便利なサイクリスト向けのレンタサイクルなどを整備し

て、沢山の人たちが車などでは見つけられなかった新し

い東京を発見してもらいたい。そして自分の五感で東京

の魅力を感じ、自分の限界を超えて走り切った達成感を

味わってもらいたい。

 

僕は未来の東京を自転車によって、異文化とのふれ合

いや、自分の力に挑戦できる場所にしていきたい。

 

僕は今、自転車にハマっている。そのきっかけは二年

前の夏休みに家族と行った、一泊二日のしまなみ海道サ

イクリングだ。その日は三十五度を超える猛暑日で、僕

は本当に八十キロ先の今治まで走れるのだろうかと不安

で一杯だった。

 

まず尾道駅のレンタサイクルでスポーツタイプの自転

車を借りて、自転車とともに約十分のフェリーに乗って、

スタート地点の向島へと向かった。その時、さわやかな

海風が吹き、僕の不安な気持ちを少し打ち消してくれた。

そして走り出して早々、僕はしまなみ海道に来てとても

良かったと思った。それは家族以外誰もいないサイクリ

ングロードをおだやかな海岸線をながめながら、さわや

かな風の中飛ばしていたからだろう。視線の先にはかす

かに次に渡るべき因島大橋が見えて来た。「これなら行

ける」と確信した。

 

しかし、橋の手前まで来た時、自信は打ちくだかれた。

遠くからはなだらかに見えていた橋までの坂道が、今

は僕の目の前に壁のように立ちはだかっているのだ。こ

の坂一つならどうってことない。しかし、あとこの坂が

ゴールまで六回もつづくと思うと足が進まなかった。な

にせよロードバイクでもなく、ギアは七段しかない。歯

をくいしばって登り切った時にはもう足がつりそうだっ

た。もう自転車をこぐ気力はなかった。「つらい、もう

無理かも」と思った。

 

その時、ふと顔を上げてみるとそこには青々とした海

と、今まで通った道やスタート地点の尾道も見えた。こ

自転車で伝えたい

      

東京の魅力

お茶の水女子大学附属中学校 

一年

内藤 

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ちになぜかおかしくなってきてしまったのです。他の人

もそうだったらしく、しまいにはみんなで笑い出してし

まいました。その後もみんなで笑いながら、単純だけど、

おもしろいルールで遊びました。勝ったり負けたり引き

分けだったり、私はそのルールを存分に楽しみました。

 

その時、私は、ふと思い出しました。この父子は日本

語は話せなくてシンガポーリアンだということ。私はそ

れほど英語が上手ではないということ。あれ、と思いま

した。みんなもまともに話していたわけではなかったの

に、なぜ私達は今こうやって楽しく遊べているのだろう

と考えました。でも、その時は考えても分かりませんで

した。

 

そして今回このような作文を書く前に、もう一度考え

てみると、これには「スポーツの力」が関係しているの

ではないかという結論に至りました。たとえ言葉が通じ

なかったり、文化などが違ったりしても、スポーツを通

して相手を知り、楽しむことができると思います。また、

同じ国やチームの人とはスポーツを通して心が通じ合え

るのではないかとも思っています。そして、私のように

スポーツがあまり得意じゃなくても、観客として選手を

知り、自分がやっているかのようにドキドキワクワクし

ながら応援し、楽しむことができます。選手も観客も、

みんなが一つの事に夢中になる。それはみんなの心が通

じ合い、心が一つになっている瞬間だと私は思います。

 

スポーツには、そんな力があるのだと、この体験で知

ることが出来てよかったです。

 「スポーツの力」で未来の東京を創っていくために私

に出来る事は、応援だと思います。私はスポーツが苦手

なのでスポーツ界で活躍する事はないでしょう。そんな

私に出来る事は応援が良いと思いました。応援と言って

も、競技場の観客席で応援するだけではありません。ス

ポーツに関するボランティアや募金などに取り組むだけ

でも、間接的に応援できるのではないでしょうか。ボラ

ンティアや募金のほうが気軽にできるので、多くの人が

応援できます。私も、積極的に参加したいです。

 

二〇二〇年には東京五輪が開かれるので、私が考えた

この「スポーツの力」大切にして応援していきたいです。

 「心を一つに!!」

 

私はバレエを習っています。バレエはスポーツと言う

より芸術と言われていて、私はそんなバレエが大好きで

す。体を動かすことは好きですが、私はスポーツが苦手

で学校の授業以外でスポーツを普段あまりすることがあ

りません。しかし、旅行先などで楽しく遊ぶようなこと

はありました。

 

私がシンガポールに住んでいたとき、旅行先で母、兄、

私の三人で卓球をして遊んでいました。そのとき、兄が、

二対一や一対一よりも二対二で遊んだ方が楽しいと言っ

たので誰かもう一人を入れようということになりました。

もちろんまわりに知人はいませんでした。さあどうしよ

う、と困っていると、シンガポーリアンの父子が私達が

使っている卓球台の近くにやってきました。すると、お

しゃべりな兄が、

「一緒に遊びませんか?」

と英語で話しかけました。その父子はこころよく承知

してくれました。でも、私は知らない人と遊ぶとは思っ

ていなかったので戸惑いをかくせませんでした。トラブ

ルは起きないか、意見がくいちがうような事があって楽

しくなくなってしまうのではないか、と心配しましたが、

私の兄はゲームを始めました。

 

私と私の家族は卓球初心者でしたが、その父子も初心

者だったようで、球はあちこちにコロコロところがって

いきました。サーブは打ち方が変、ラリーは全然続かな

い、といった様子で、こんなゲームで楽しいのだろうか、

とあきれていた私ですが、そんなゲームをやっているう

日本中の心が

    

一つになる瞬間

武蔵野市立第二中学校 

一年

永易 

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これらのスポーツの力からいえることは、「スポーツ

は平和への第一歩」ということだと私は考えます。なぜ

なら、スポーツが人々に勇気や希望を与えることによっ

て、人々の暮らしがさらに明るくなり、スポーツが人々

の心を一つにすることによって、争いが減り人々が協力

的になると思うからです。オリンピック・パラリンピッ

クはスポーツを通じて世界を一つにし、平和へ導く力が

あると思います。だからこそ、二〇二〇年の東京オリン

ピック・パラリンピックでは、世界の平和の中心となっ

ていけるような未来の東京を創っていこうと思います。

 

そのために私が身近にできることの一つとして「応

援」があると思います。なぜなら一人一人の応援が積み

重なることで、みんなが同じ一つのことに向かい、心も

一つになると思うからです。また、その声援が選手の大

きな力の源となり、良い成績を残すと地元や国に希望や

笑顔を与えることができると思います。このように、身

近な「応援」によって、平和の中心となるような東京の

未来を創っていくことはできると考えました。

 

他にも未来の東京を創っていくために私たちができる

こととして、日頃からスポーツへの意識を高めたり、積

極的なボランティア活動への参加などがあると思います。

普段あまりスポーツとは縁のない人も、少しずつ運動し

てみたり、知らないスポーツがあったら調べてみるなど

し、少しでもスポーツへ関心を寄せることで、世界中に

東京オリンピック・パラリンピック、そしてスポーツの

良さを発信していけると思います。また、東京の町をさ

らに良くしていくためにはボランティアがとても大切だ

と思います。日本の各地にはまだボランティアが必要な

ところがたくさんあります。積極的にボランティア活動

へ参加することで日本そして東京は思いやりに溢あふ

れたす

てきな町になると思います。

 

二〇二〇年にある東京オリンピック・パラリンピック。

私がこれからできることとして、今までよりさらにス

ポーツへの意識を高め、ボランティア活動にも積極的に

参加していこうと思います。そして、スポーツを通して

世界の平和の中心となっていけるような明るい東京の未

来を創っていこうと思います。

 

今から二年後には東京オリンピック・パラリンピック

が開催されます。オリンピック・パラリンピックは平和

を象徴するスポーツの祭典でもあります。そこで、私は

「スポーツと平和」について考えてみました。

 

世界には様々なスポーツがあります。今、人々はス

ポーツを「やる」だけでなく、「見て」楽しむことも多

くなっています。私たちは、スポーツをやったり見たり

することで、勇気や希望を与えることも、もらうことも

できると思います。私も今までにそのような経験をして

きました。例えば、体育大会で千メートルを走った時、

私が一生懸命走っている姿を見て、

「感動したよ。」

と声をかけてくれる人がいました。また、テレビから選

手などを応援していて、私が選手から勇気や希望をも

らったこともありました。これらの経験から、スポーツ

には人々に勇気や希望を与える力があると思いました。

 

また、それ以外にも人々の心を一つにする力がスポー

ツにはあると思います。例えば、小学校最後の運動会で

学年全員で創り上げる演目がありました。最初は動きも

バラバラでなかなか上手くいきませんでした。また、ス

ポーツが得意な人と不得意な人で気持ちの差があり、ま

とまりもありませんでした。しかし、みんなが「人に感

動を与えるような演技をする」という同じ目標を持つこ

とで、バラバラだった心が一つになり、その演目は大成

功を収めました。このことから、スポーツには人々の心

を一つにする力があると思いました。

世界の平和とスポーツ

国立市立国立第一中学校 

二年

西田 

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う。

 

僕は小学三年生から三年ほどロンドンで生活した。言

葉がわからない新しい環境の中で、ここでも地元の子達

との橋渡しをしてくれたのはサッカーだった。英語が話

せなくてもプレーでコミュニケーションを取ることがで

き、心が通じ合っていくのを感じた。スポーツに言葉は

いらないし、お互い言葉が通じなくても、同じ思いを共

有することができる。もし僕がサッカーをやっていなけ

れば、こんなに早く地元の仲間に打ち解けることができ

なかっただろうし、この時もスポーツの力を感じた。ス

ポーツは世界共通の言葉だと思う。

 

スポーツは体と心を鍛え、街を熱くし、世界共通の言

葉でもある。それは、関係がうまくいっていない国同士

もお互いをたたえ合えることのできる場である。スポー

ツの大会があるたびに、一つの街に小さな世界が生ま

れ、世界が一つになれる。それがスポーツの役割だと思

う。あと二年で東京にオリンピックがやってくる。世界

中から選手や応援の人達がたくさんやってくる。街で

困っている外国人を助けたり、一緒になって応援したり、

それもオリンピックの一つだし、そんなことに関われた

ら嬉しく思う。選手達はオリンピックでどんな感覚を味

わうのか、僕達は開催国の一員として何を感じるのだろ

うか。何らかの形で関わることができたら、この先の人

生に何か影響を与えてくれるような気がする。僕には高

校サッカー選手権大会の全国大会に出たいという夢があ

る。その夢に向かって頑張っている時にオリンピックが

ある。オリンピック選手を見て自分も頑張ろうと思うの

か、自分も頑張っているからオリンピック選手も応援し

たいと思うのか、それはその時になってみないとわから

ない。しかし、スポーツで高い目標を目指しチャレンジ

しているということは同じなので、僕の励みになること

は間違いない。同時に二〇二〇年は東京にとってもチャ

レンジの年である。東京がどんなふうに変わるのか、世

界からどんなふうに見られるのか、選手の活躍や自分の

成長とともに今からとても楽しみだ。

 

僕は小学一年生の時からサッカーを始めた。すぐに

サッカーの面白さに夢中になり、同時にサッカーによっ

て友達がたくさんできた。同じスポーツをすることに

よって友情が生まれ、勝つことの喜び、負けることの悔

しさを共に味わった。時にはうまくいかないこともあり

ケンカもしたが、それを越えるとさらに友情は深まり、

またチームも前進できることも知った。スポーツにはそ

んな魅力がある。スポーツは、技術、体力などの運動能

力だけでなく、努力、精神力、チーム力など人が世の中

で生きていくのに大切な力を身につけさせてくれるのだ。

また、サッカーワールドカップで経験したように、ス

ポーツはプレーしている選手だけでなく、応援している

人達の心も一つにし、感動を与え、夢を持たせてくれる。

このように、スポーツにはいろいろな力があると僕は思

う。

 

東京という街は人がたくさんいて、いつも忙しそうで

あり、気付くとあまり人との関わりがない街のように感

じる。そんな中にスポーツの大会がやってくると、普段

スポーツに興味のない人達まで渋谷に集まり、知らない

人と言葉を交わし、勝てば歓喜に沸き盛り上がる。世界

大会では、改めて自分達が日本人であることを認識し、

自然と自分の国を応援している。また、東京にいる外国

人もそれぞれ自分の国を応援し、勝敗が決まった時には

悔しさもありながらお互いの健闘をたたえ合っている。

この時ばかりは東京にいる人々が一つになり、何か暖か

みを感じる。スポーツには東京を熱くする力があると思

スポーツが果たす役割

大田区立大森第六中学校 

三年

原 

理貴

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主義のアメリカで育った私にとって、団体行動の多い日

本の学校生活、そして連帯感を重んじる運動会の練習に

正直なところ違和感を感じることもありました。しかし、

クラスメートたちと運動会に向けて練習をするにつれ、

次第に仲間と共に一生懸命に練習することを楽しんでい

る自分に気づきました。もちろん暑さの中、体力的につ

らいと感じることもありましたが、そのつらい練習を通

じてクラスメート達との連帯感が深まり、絆が深まって

いくのも感じました。こうして、最初はとても憂ゆううつ鬱だと

感じていた運動会でしたが、日に日に楽しみになり段々

と一生懸命に頑張ろうと思える様になりました。特に、

百むかで足競争などの団体競技では、仲間を思いやる気持ちや

みんなと気持ちを一つにすることの大切さを実感しまし

た。そして、これが日本のスポーツ精神なのだと改めて

実感しました。

 

運動会当日、焼ける様な暑さの中、仲間を必死になっ

て応援し、また自分も一生懸命に競技に参加する中で、

私はこれまでに経験したことのない感動を覚えました。

アメリカの学校では、これほどまでに全校生徒が一丸と

なり、スポーツに全校生徒で全力投球するイベントはあ

りません。決して運動が得意でない私でも、運動会当日、

仲間と共に一生懸命に頑張ったことで、それまで疎外感

を感じていた自分も日本の中学生の一員になれたと初め

て感じた瞬間でした。あの日にかいた汗は、私にスポー

ツの素晴らしさを実感させてくれただけでなく、連帯感

と調和、そしてそこから生まれる「絆」を重んじる日本

人特有のスポーツ精神を教えてくれたのです。

 

この様な経験を通じ、二年後に世界のオリンピックが

この東京で開催されるにあたり、私にできること、それ

は世界中から東京を訪れた人々にこの日本ならではのス

ポーツ精神、日本人が大切にしている、スポーツを通じ

て生まれる絆の素晴らしさを伝えていくことではないか

と感じています。その頃には、通訳ボランティアとして

世界の人々と日本の人々の架け橋となり、「国や肌の色、

文化の違う世界中の人の気持ちを一つにする、絆を深め

る東京オリンピック」となる様な手伝いができればと心

から願っています。

 

私は、今年の春、六年二ヶ月のアメリカ生活を経て、

家族と共に帰国し、ふるさとの東京に移り住んできまし

た。アメリカを離れる際、約六年間を共にしたアメリカ

人の友人の多くが「2020年の東京オリンピックの時

に日本に遊びに行きたい」と言ってくれました。小、中

学校生活のほとんどを共にした友人との別れは本当につ

らいものでしたが、ずっと先だと思っていた東京オリン

ピックが実は二年後とそう遠くでない日であることを知

り、世界中の人に夢と元気を与えるオリンピックが、海

の向こうに住む友人と私を繋げてくれる、そんな気持ち

になったことを思い出します。

 

スポーツは、大の得意ではない私ですが、それでもス

ポーツ大国であるアメリカで過ごした六年間で、スポー

ツを通じて学んだこと、感動した経験は数多くあります。

しかし、スポーツの本当の力を実感したのはこの春日本

に帰国してからのことでした。

 

アメリカの中学生から、いきなり日本の中学校三年生

になった私は、カルチャーショックを経験し、慣れない

日本の生活の中で戸惑いを感じていました。小、中学校

のほとんどをアメリカで過ごした私にとって、何もかも

がアメリカと違う日本の中学校生活にはじめは、馴染め

ず自分だけが人と違うという疎そ

外感を感じることも多く

ありました。そんな中、新学期が始まってまもなく春の

運動会に向けての練習が始まりました。元々スポーツが

そんなに得意でない私は、はじめのうちは、炎天下の校

庭でのほぼ毎日の練習をつらいと感じていました。個人

KIZUNAオリンピック

世田谷区立砧中学校 

三年

増田 

佳蓮

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40 39第27回 “明日のTOKYO”作文コンクール 優秀作品集第27回 “明日のTOKYO”作文コンクール 優秀作品集

るんだよ。」と言ってくれました。確かに、バスケット

ボールを続けてきた事で得られたことがたくさんありま

す。試合で勝って嬉しい、負けて悔しいという気持ちは

当たり前ですが、勝ったのに自分のプレーに納得できな

いときの悔しさや練習でたくさん練習してきたプレーが、

仲間と協力してできて、それが嬉しくて、負けたのにす

がすがしい気持ちになることなど、私が大人になる上で、

結果が全てではなく、努力してきた過程や、勝ち負け以

上に大切なものがあるということを教えてくれたのもバ

スケットボールを続けてきたおかげであり、これがス

ポーツの力だと思います。

 

だから私は、他の競技を見るときも、ニュースなどで

勝ち負けを伝えて、良かったとか残念だとかを言ってい

るのを見聞きすると、悲しい気持ちになります。なぜ、

この選手の努力してきた全部を知らない人が、批判した

りできるのだろうと、一番悔しいのは、この選手や一緒

に頑張ってきた仲間なのだから、私達がこの選手に送る

ことができるのは、エールだけなのではないかと思いま

す。

 

あと、約2年でオリンピックが開催されます。そのと

き私は、高校生になっています。私に何ができるか分か

りませんが、オリンピックにはたくさんのボランティア

が募集されるそうです。多くの人が色々な形でオリン

ピックに関わると思いますが、オリンピックという大舞

台に立つ選手たちに敬意を払い、その気持ちが真っ直ぐ

選手たちに届くように、批判ではなく、全力でエールを

送ることのできる人間に、私は成長していきたいと思い

ます。

 

2020年にある東京オリンピックも約2年後に迫っ

てきました。いろいろな所で着々と準備が進められてい

ますが、私も今回の作文を書く上でスポーツの力につい

て考えてみました。

 

私が生まれてから15年経ちましたが、そのうち8年間

と数ヶ月、バスケットボールをしてきました。小学1年

生の時にミニバスケットボールを始め、中学校に入学す

るとバスケットボール部に入部し、頑張ってきました。

「継続は力なり」という言葉がありますが、この言葉の

通り、バスケットボールを続けてきたことで、努力する

ことの大切さや結果が出たときの喜びなど、たくさんの

ことを体験することができました。バスケットボールを

続けることはとても楽しく、練習に行きたくないと思っ

たことはありませんが、時にはしんどいと感じることも

ありました。そんなとき、母に心のものさしについて話

してもらいました。「何かを続けていると楽しいことば

かりではなく、真面目に取り組めば取り組むほど、辛い

ことやしんどいこともある。そんなときは、心の中に自

分だけのものさしがあるはずだから、頑張ってきた日々

を振り返って、ものすごくしんどかったあの日よりも今

日は本当に辛いのか、あのときより今は成長しているし、

たくさん練習をしてきたのだから、もっとできるのでは

ないかと心の中のものさしで、今の自分と過去の自分を

比べてごらん。そうしたら、大抵のことはクリアできる

よ。知らない間に頑張って、バスケットボールを続けて

いることが、きっと将来、役に立つ財産を手に入れてい

将来役立つスポーツの力

稲城市立稲城第四中学校 

三年

室井 

万由子

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42 41第27回 “明日のTOKYO”作文コンクール 優秀作品集第27回 “明日のTOKYO”作文コンクール 優秀作品集

心強くなりました。

 

私はスポーツをすることはもちろん、以前から、その

サポートをする仕事にも少し関心がありました。特に、

スポーツ選手が最高の状態で競技できるようにサポー

トをする、スポーツトレーナーになりたいと漠然と思っ

ていました。怪我の予防に細心の注意を払いながら、ト

レーニング方法から生活リズム、メンタルの整え方まで、

幅広く指導する職業です。今回私を救ってくれた『柔道

整復師』は、その中の資格の一つであることを知り、そ

の思いはより強くなりました。

 

また、先日、メジャーリーガーの大谷翔平選手のテレ

ビを見たとき、管理栄養士の大前恵けい

さんという方が紹介

されていました。管理栄養士は、人それぞれ違う、その

選手に必要なカロリーや栄養を教えます。そのサポート

を受けている選手が自分でも栄養面を管理できるよう、

しっかりと働きかけます。

 

このように、スポーツには、職種の異なる人同志が出

会い、つながって、支え合うという力があると私は考え

ます。

 

私には、一つの夢ができました。スポーツ選手を自分

が支えることです。スポーツ界ではやはりメインは選手

ですが、スポーツトレーナーや管理栄養士などは、選手

たちには欠かせません。私は、今はバスケットボールを

主とした、自分がプレイすることに専念しています。今

後も、自分がプレイすることも楽しむつもりです。しか

し、大人になったら専門の勉強をし、自分がスポーツを

していたときのことを参考にしながら、今度は陰ながら

サポートをしたいと思います。

 

二〇二〇年には、東京でオリンピック・パラリンピッ

クが開かれ、様々な優秀な選手が活躍すると思います。

世間の人々も、当然選手にスポットを当てますが、少し

視点を変えてみると、支える人たちが必ずいるはずです。

だから、選手にはもちろん、裏でサポートしている人が

いることを忘れずに、応援してほしいです。さらに、ス

ポーツトレーナーや管理栄養士などを目指す若者が増え、

東京のスポーツがもっと充実すると良いと、願っていま

す。

 

私はバスケットボール部に所属しています。ある試合

前の練習中に、怪我をしてしまいました。右足首の捻挫

と、左ふくらはぎの打撲です。キャプテンとしての責任

を背負いながらみんなをまとめる立場なのに、逆に私が

足を引っ張ると思うと、悲しくなりました。

 

そして、処置をするために病院へ行き、期待しながら

診てもらうと、

「しばらく安静にしてください。運動は控えてください。」

とだけ言われて、とてもショックでした。自然に治るの

を待つしかなく、部活もただただ禁止だと言われてし

まったからです。

 

私は途方に暮れていました。部活に行っても、一生懸

命走り回って練習しているチームメイトを見て、ハンド

リングをすることしかできないという日々は、つらかっ

たです。

 

しかし、そんなとき、柔道整復師がいる病院を紹介さ

れました。またさらに自分を否定されるのが怖くて戸惑

いましたが、行ってみました。無理かもな、と思ってい

ると想定外なことに、その柔道整復師の方は、

「これから一緒に治していけば、また満足いくような部

活ができますよ。」

と、前向きに声をかけてくれたのです。そして、怪我を

した原因を教えながら私の足についての詳しい説明をし

てくれ、そのうえ、次に怪我をしないためにどうしたら

良いのかというアドバイスもしてくれました。これから、

一緒にトレーニングまでしてくれるとのことで、とても

選手のために

東京都立大泉高等学校附属中学校 

二年

渡辺 

帆美