小中学校教員の抱える問題解決を目的とした 統計リ...

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小中学校教員の抱える問題解決を目的とした 統計リテラシー教育の提案(2) ―― 頻度を中心とした結果のまとめ方 ―― 穂・山 群馬大学大学院教育学研究科教職リーダー講座 20149 17日受理) A Proposal on Statistical LiteracyEducation To Help Primaryand Lower Secondary School Teachers Work out the Day-to-dayProblems : The Ways of Summarizing of Categorical Data Wakaho OTOYAMA and Akihiro YAMAGUCHI Program for Leadership in Education, Graduate School of Education, Gunma University Accepted on September 17th, 201 4) 教育実践の成果をレポートや論文に示そうとする とき,心理学の研究計画法や統計解析法に関する知 識や技術が必要となることが多い。例えば筆者らが 所属する教職大学院を例に取ってみると,平成 24度までにまとめられた「課題研究報告書」のうち, 8割は何らかの統計的内容が含まれていた(音山 ら,2014 )。平成 25年度についても,同年度に提出 された 18編の報告書のうち,16編(88 %)では何ら かの数値データを収集し統計的分析を行った結果が 含まれており,その 16編のうち 5編(31 %)では統 計的検定が行われていた(表 1 )。内容をみると,児 童や教職員の実態把握や,実践の効果を事前・事後 比較しているものが多い。実践研究を始めるにあ たっては,実践そのもの準備だけでなく,ある程度 の研究計画法や統計解析法知識をベースとしなが ら,実践の成果を実証的に示すことが求められてい ると言えるであろう。 しかし,現職教員にとって,そうした知識や技術 を獲得した上で実践に臨むことは必ずしも容易では ない。筆者らが所属する教職大学院のカリキュラム においても,教育課程の編成や教科等の実践的指導 方法をはじめ,多領域にわたって授業が開設されて はいるものの,研究計画法や統計解析法を主題とす る授業は開設されていない。そうした内容は,個々 の院生の研究テーマに応じて,「課題研究」の担当教 員から個別に教授されているのが現状である。具体 的な実践内容が 2年次になって決まることも多く, 実践が始まる前の段階では,研究計画や統計解析に ついて十分な確認がなされていないこともある。そ うしたこともあり,報告書のなかには,ある程度の データ数を確保していて推測統計的な処理が可能で あるにもかかわらず,度数の記述にとどまっていた り,統計的処理や結果の表示が不足していたりして, 実証研究として物足りないものになっているケース も見受けられる。 そこで山口ら(2014 )は,所属する教職大学院で 201 群馬大学教育学部紀要 人文・社会科学編 64201 2122015

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小中学校教員の抱える問題解決を目的とした

統計リテラシー教育の提案(2)

―― 頻度を中心とした結果のまとめ方 ――

音 山 若 穂・山 口 陽 弘

群馬大学大学院教育学研究科教職リーダー講座

(2014年 9月 17日受理)

A Proposal on Statistical Literacy Education

To Help Primary and Lower Secondary School Teachers

Work out the Day-to-day Problems:The Ways of Summarizing of Categorical Data

Wakaho OTOYAMA and Akihiro YAMAGUCHI

Program for Leadership in Education,Graduate School of Education,Gunma University

(Accepted on September 17th,2014)

問 題

教育実践の成果をレポートや論文に示そうとする

とき,心理学の研究計画法や統計解析法に関する知

識や技術が必要となることが多い。例えば筆者らが

所属する教職大学院を例に取ってみると,平成 24年

度までにまとめられた「課題研究報告書」のうち,

約 8割は何らかの統計的内容が含まれていた(音山

ら,2014)。平成 25年度についても,同年度に提出

された 18編の報告書のうち,16編(88%)では何ら

かの数値データを収集し統計的分析を行った結果が

含まれており,その 16編のうち 5編(31%)では統

計的検定が行われていた(表 1)。内容をみると,児

童や教職員の実態把握や,実践の効果を事前・事後

比較しているものが多い。実践研究を始めるにあ

たっては,実践そのもの準備だけでなく,ある程度

の研究計画法や統計解析法知識をベースとしなが

ら,実践の成果を実証的に示すことが求められてい

ると言えるであろう。

しかし,現職教員にとって,そうした知識や技術

を獲得した上で実践に臨むことは必ずしも容易では

ない。筆者らが所属する教職大学院のカリキュラム

においても,教育課程の編成や教科等の実践的指導

方法をはじめ,多領域にわたって授業が開設されて

はいるものの,研究計画法や統計解析法を主題とす

る授業は開設されていない。そうした内容は,個々

の院生の研究テーマに応じて,「課題研究」の担当教

員から個別に教授されているのが現状である。具体

的な実践内容が 2年次になって決まることも多く,

実践が始まる前の段階では,研究計画や統計解析に

ついて十分な確認がなされていないこともある。そ

うしたこともあり,報告書のなかには,ある程度の

データ数を確保していて推測統計的な処理が可能で

あるにもかかわらず,度数の記述にとどまっていた

り,統計的処理や結果の表示が不足していたりして,

実証研究として物足りないものになっているケース

も見受けられる。

そこで山口ら(2014)は,所属する教職大学院で

201群馬大学教育学部紀要 人文・社会科学編 第 64巻 201―212頁 2015

Page 2: 小中学校教員の抱える問題解決を目的とした 統計リ …...小中学校教員の抱える問題解決を目的とした 統計リテラシー教育の提案(2)

音 山 若 穂・山 口 陽 弘表1

群馬大学教職大学院における課題研究のうち、統計処理を含む報告の概要(平成25年度報告分)

No.

研究テーマ

調査の内容、測度

対象(対象者数n)

分析の概要

検定

SD

データ

1シャドーイングを取り入れた小学校英

語科授業の実践

事前アンケート

①児童の実態・意識について(英語は好きか、およびその理由、

英語の勉強をどんなことに役立てたいか)選択式2項目、英

語の勉強が楽しいと思うとき(自由記述)

事後アンケート

②児童の実態・意識について

③(事

後)2学期の授業全体に関する項目(7項目、5段階評価)

④(事

後)シャドーイングに関する項目(4項目、5段階評価)

⑤(事

後)劇に関する項目(15項目、5段階評価)

①~⑤ともに児童1クラス

(n=27)

①、②度数(グラフ)

③~⑤項目ごとの平均値

2わかる授業により児童のつまづきを克

服する算数科学習指導

①事前アンケート

児童の実態・意識(9項目)

②レディネステスト結果(事前、事後)

①、②ともに児童1クラス

(n=35)

①回答の一覧表(事前・事後を並列表示して比較)

②設問ごとの正誤一覧表

3児童の思考力・表現力を育てる算数科

学習指導

①事前、事後アンケート(規範意識、言語活動に対する関心・

意欲・態度、言語活動の技能、算数科における言語活動に対

する関心・意欲・態度、算数科における言語活動の技能)選

択式16項目

②事後テスト(特定の課題に関する調査より引用)

①、②ともに児童2クラス

(n=75)

①度数・比率の事前事後比較(グラフ)、

個人内変化(事前・事

後のクロス表)、

対象学年と全国水準との比率の比較

②通過率について、全国水準との比較、クラス間の通過率の差

の比較(カイ2乗検定)

4中学校国語科における文章を読み深め

るための指導

①NRT国語科(大領域別)

②国語科における意味理解、解釈、知識・意味形成に関わる質

問項目(

15項目)、

知識の活用、モニタリング各1項目、およ

び説明的な文章と文学的文章の好き嫌い1項目

①、②ともに対象学年の生徒

(n=56)

①学年と、全国との比較

②説明的文章(3時点)、

文学的文章(4時点)の平均値の比較

(グラフ)と

一元配置分散分析、Ryan法による多重比較。お

よび、抽出生徒(A~J)

について個人内変化の一覧表

○○

5小学校高学年の国語科における書く力

を育てる指導方法

事前・事後での作文の比較(段落数、構成数、文の数、接続語

の数、文章の内容、文字数)

児童1クラス(n=37)

最小値、最大値、平均値、度数

6特別な支援が必要な児童を含む認め合

える人間関係づくり

①自己肯定感尺度(8項目、桜井,1992の自己意識尺度をもと

に独自作成)

②SEL-8S

自己肯定尺度(26項目,小泉・山田,2011)

いずれも、1学期2回、2学期1回の3時点で測定

①、②ともに児童1クラス

(n=31)

①、②とも、測定時点間の平均値を比較するとともに、回答一

覧表を示したうえで、個別児童への言及を含め考察

○○

7伝え合う力を育む中学校国語科の学習

指導

①コミュニケーション不安尺度(安永,2006)

②共同作業認識尺度(長濱ら,2009)

③ディスカッションスキル尺度(安永ら,1998)

いずれも、尺度の一部を中学生向けに改変して使用

①~③ともに対象学年の生徒

(n=136)

①~③とも、尺度得点を算出し、3時点の平均値の比較および一

元配置分散分析、Ryan法による多重比較。および、抽出生徒

(A~P)について個人内変化の一覧表

○○

8コミュニケーション能力を向上させる

自由英作文の指導

①英語の学習に関するアンケート調査(英語の学習は好きか、

授業で英文を写したり、英文を考えて書いたりすることは好

きか、書きたい表現が分からなかったらどうするか、など選

択式6項目、自由記述1項目)。

事前、事後で測定

②筆記テスト(特定の課題に関する調査より)

③パフォーマンス課題における達成度評価

①~③ともに生徒1クラス

(n=35)

①事前、事後の2時点間で比率の比較、および全国平均や群馬

県平均との比較(グラフ)

②通過率について全国平均との比較

③A~C評価について、度数の比較

9「造形的な見方」を身に着ける図画工

作科の鑑賞の指導の工夫

①観賞に対する概念(自由記述)、

②観賞への関心(選択式3問)

③解釈的言語表現の頻出度(選択式10項目)

いずれも事前、事中、事後の3時点で測定

④特定の課題に関する調査項目

①~④ともに児童1クラス

(n=36)

①観賞の概念についての自由記述から観賞スキルの頻出度を求

め、度数・比率(グラフ)の比較、事前~事後の比較。

②、③比率の事前~事後間での比較

④正答率について、全国平均との間の比較

10自他の安全に配慮し主体的に行動する

生徒の育成をめざす学校安全の推進

学校安全に関する学校評価

生徒、保護者、教職員

2カ年度間の比較(比率、グラフ)

11充実した小学校生活のための連携体制

の構築

①保護者対象アンケート(

入学をひかえての不安12項目、入学

前に知っておきたい情報11項目、小学校への要望8項目)、

11月、入学前の2回実施

②学校評価(保護者アンケート)

①保護者(n=76)

①比率の比較(グラフ)、

および入学前と11月との比率の比較

②対象学年(1学年)と全校との比較(比率、グラフ)

12人間力」を

身につけた技術者を育成す

る学校

①生徒の実態(身に着けていきたい力)

②人間力」に関してのアンケート調査

③国家資格技能検定受験者の推移

④事後アンケート調査

①対象学年の生徒(n=156)

②対象学科の生徒(n=35)

③平成21年から25年の生徒

④対象学年の生徒全員

①比率の比較、企業アンケートとの比較

②度数・比率の比較(グラフ)

③度数の比較(グラフ)

⑤比率の比較(グラフ)

13職能成長と組織力向上が実現する校内

研修

自己研修に関するアンケート(教職員対象)

教職員(n=17)

度数の比較

14学校力」を高めるための校内研修

教員意識調査アンケート(学習指導、生徒指導・学級経営、外

部連携、学校運営・組織貢献、選択式計21項目および自由記述

等、他)

教職員(n=28)

文中に概要の記述

15ビジョンを共有することで実現する学

校組織の活性化

①自己申告書作成後のアンケート

②ソーシャルスキルに関するアンケート

①教職員(n=22)

②児童1クラス(n=31)

①度数

②度数・比率および尺度平均のグラフ

16子ども達が過ごしやすい学校生活を支

える指導の在り方

学校評価(あいさつ、言葉づかい、読書に親しんでいる)

保護者、教師、児童

3時点間の比率の比較

*1 9までが支援、10以降が運営コース

*2

報告書題目のうち、一部語句を省略してある

*3

すでに公開されている他の調査結果、データ等を単に引用したものは除外した。

*4

統計的仮説検定の結果が示されているもの

*5

平均値に標準偏差(SD)が併記されているもの

*6

ローデータが表示されているもの。

202

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の研究指導の経験をふまえ,特に小中学校の教員が

研究・調査をするにあたって,最低限必要と思われ

る研究法や統計的手法について示すこととした。ま

ず山口ら(2014)は,山口(2013)で示した統計学

的知識の重要性と信頼性・妥当性の考え方を踏まえ

て,観察法や面接法といった研究技法,仮説を立て

ることの必要性や操作的定義,独立変数と従属変数

の種類に応じた統計的手法を示した。続いて音山ら

(2014)は,そこで示された統計的手法(山口ら,

2014,p161,表 1)のうち,「独立変数が質的,従属

変数が量的」のなかの「t検定」と「分散分析」につ

いて,基礎的な考え方や分析方法を解説した。本稿

ではこれに加えて,「独立変数が質的,従属変数も質

的」の分析について,クロス集計法を含め解説する

こととする。

1.適合度の検定

例として,あるクラスで収集したデータが,基準

となるデータ(全県や全国調査など)と比較して,

一致すると言えるか,異なっていると言えるかを検

討することを考える。表 2は,あるクラスにおいて

家庭での 1日あたりの平均学習時間の調査結果を,

全県で行われた同様の調査の公表値と比較したもの

である(村田,2014,p70をもとに改変)。

全県調査の結果は比率(%),あるクラスでの調査

結果は度数(人)で示されている。このクラスの結

果が全県の調査結果と同じか,異なるかどうかは,

χ(カイ 2乗)検定によって検討することができる。

まず,“全県と同じ”という仮説を立てる。選択肢

(カテゴリー,jで表す)ごとにみると

①このクラスの「1時間以上」(j=1)の回答割合

は,全県調査(9%)と等しい

②このクラスの「30分以上 1時間未満」(j=2)の

回答割合は,全県調査(39%)と等しい

③このクラスの「15分以上 30分未満」(j=3)の

回答割合は,全県調査(29%)と等しい

④このクラスの「15分未満」(j=4)の回答割合は,

全県調査(23%)と等しい

以上①~④を合わせて帰無仮説と呼ぶ。これらが

満たされない(すなわち,このクラスと全県とが等

しいとは言えない)場合には,帰無仮説は棄却され,

“このクラスの結果は全県の調査結果と異なる”と

いうことになる。

このクラスの回答割合が,全県平均と等しいかど

うかは,次に示すχの式によって近似的に求めるこ

とができる。

χ=k

Σj=1

(O-E)

E(1)

この式は,観測度数(O)と,それぞれに対応する

期待度数(E)との差をもとにしている。そこで,

比率(%)ではなく,度数(人数)のデータを用意

する必要がある。調査の結果を表にするときには,

比率だけでなく度数も表記しておくと,後になって

検定をする際に役立つ。

この場合,観測度数は表 2の「あるクラスでの調

査結果」の人数である。期待度数は,仮に帰無仮説

が正しいとしたときに,このクラスのなかで当該選

択肢を選ぶ理論的な人数のことである。これは,全

県調査の比率(期待確率とみなせる)pと,総度数(ク

ラスの人数)Nとの積によって求められる。すなわ

ち,

E=Np (2)

であり,計算すると表 3のようになる。

小中学校教員の抱える問題解決を目的とした統計リテラシー教育の提案(2)

表2 家庭での 1日あたり平均学習時間

全県調査(%)

あるクラスでの調査結果

人数 (%)

1時間以上 9.0 1 2.9

30分以上 1時間未満 39.0 10 28.6

15分以上 30分未満 29.0 19 54.3

15分未満 23.0 5 14.3

計 100.0 35 100.0

表3 全県の比率から期待度数を求めた結果

j N×p=E

1時間以上 1 35×0.09= 3.15

30分以上 1時間未満 2 35×0.39=13.65

15分以上 30分未満 3 35×0.29=10.15

15分未満 4 35×0.23= 8.05

計 35.0

203

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これを(1)式に代入して,χ値を求める。

χ=(1-3.15)

3.15+(10-13.65)

13.65+(19-10.15)

10.15

+(5-8.05)

8.05=11.32 (3)

検定には,他に自由度(df)と呼ばれる指標が必

要である。選択肢(カテゴリー)の数を kとすると,

自由度は

df=k-1=4-1=3 (4)

で求められる。χの表(山内,2009,p257;服部ら,

1996,p204をはじめ統計法のテキストには,他の統

計量とともに収録されている)を見ると,有意水準

(α)5%,df=3のときのχ値は 7.82である(有意

水準は 5%,または 1%に設定されることが多い)。

この値よりも,計算して求めたχ値が大きければ帰

無仮説を棄却し,「有意差あり」と判定する。今回求

めたχ値は 11.32であり,これより大であるので,

帰無仮説は棄却される。結果の記述の一例を示す。

あるクラスにおいて家庭での 1日あたりの平均

学習時間を調査した結果を表 2に示す。全県で行

われた同調査結果を基準とし,適合度の検定を

行ったところ有意差が認められ,このクラスの各

選択肢の回答割合は,全県の結果とは異なること

が示された(χ=11.32,df=3,p<.05)。

この“異なる”という意味は,この場合 4つある

選択肢のうちのいずれか.または 2つ以上の選択肢

において,このクラスと全県との回答割合が等しい

とは言えないということである。必ずしも 4つの選

択肢全てが異なるということではないので,注意が

必要である。

2.SPSSでの適合度検定の手順

以上の分析を SPSS(IBM SPSS Statistics Ver.22)

で行う手順について示す。

まず,データエディタの「編集ビュー」で変数の

定義をする。名前欄には「学習時間」と「度数」の

2つを入力,少数桁数はいずれも 0にする。続いて,

学習時間の「値」の欄をクリックし,値ラベルを入

力する。

「値」に 1,「ラベル」に「1時間以上」を入力し,

「追加ボタン」をクリックする。続いて,残りの 3つ

についてもラベル入力し,終えたら「OK」をクリッ

クする。

続いて,データエディタの画面左下の「データ

ビュー」タブをクリックし,数値を入力する。学習

時間には値ラベルを割り当ててあるので,数値だけ

を入力すればよい。

データ入力が終わったら,「データ」メニューから

「ケースの重みづけ」を選ぶ。今回の例では,デー

タはクラスの生徒 35人分であるが,SPSSは 1行に

つき 1ケースとしてデータを扱うため,図 3の状態

では 4行しかなく,4人分のデータとして扱われて

しまう。そこで「度数」のデータを利用して,たと

えば 2行目の(学習時間=2)データは 10人分ある

ものとして数えるといった具合に,各行のデータに

図1 データエディタでの変数定義

図2 値ラベルの指定(学習時間の指定例)

204 音 山 若 穂・山 口 陽 弘

Page 5: 小中学校教員の抱える問題解決を目的とした 統計リ …...小中学校教員の抱える問題解決を目的とした 統計リテラシー教育の提案(2)

重みをつけていく必要がある。

「データ」メニューから「ケースの重み付け」を

クリックし(図 4),次画面で「ケースの重み付け」

を選択する。「度数変数」には「度数」を指定して,

「OK」を押す(図 5)。データエディタの画面上では

特に変化はないが,この操作により,全体で 35人分

のデータがあるものとして分析される。

なお,集計値ではなく,1人ひとりのデータ(ロー

データ)から分析する際には,「ケースの重み付け」

の操作は必要ない。この場合は,「学習時間」の変数

のみを作成し,1人あたり 1行に入力する。すなわ

ち,学習時間「1」が 1行(1ケース),「2」が 10行,

「3」が 19行,「4」が 5行,計 35行のデータが入力

されることになる。データ入力の順番は学習時間の

番号順である必要はなく,たとえば出席番号順で構

わない。

ここまでで,データの入力については完了である。

次に,分析に移る。「分析」メニューから「ノンパラ

メトリック検定」「過去のダイアログ」「カイ 2乗」

を選ぶ(図 6)。

図 7において,「検定リスト」には「学習時間」を指

定し,「期待度数」の「値」の欄に,期待度数を順番

に追加していく。

図3 数値データの入力

図4 データメニューの「ケースの重み付け」

図5 ケースの重み付け」と度数変数の指定

図6 ノンパラメトリック検定」のメニュー

205小中学校教員の抱える問題解決を目的とした統計リテラシー教育の提案(2)

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今回は「3.15,13.65,10.15,8.05」の 4つを追加

し,「OK」をクリックすると,結果が表示される(表

4)。

「検定統計量」の中にある漸近有意確率には,

「.010」と表示されている。この値が,有意水準(一

般に 5%すなわち 0.05,または 1%すなわち 0.01)

を超えなければ帰無仮説が棄却され,「有意差あり」

となる。今回の例では,有意水準 5%とすると,漸

近有意確率のほうがこれを下回っており,有意差あ

りである。

なお,図 6で「ノンパラメトリック検定」のメ

ニューから「過去のダイアログ」を選ぶのではなく,

「1サンプル」を選んでも,同様な分析が可能であ

る。「1サンプルのノンパラメトリック検定」の「設

定」タブを開き,「検定のカスタマイズ」をクリック,

「観測された確率を仮説と比較する(カイ 2乗検

定)」をチェックして「オプション」をクリックする

(図 8)。

「検定オプションの選択」で「期待確率をカスタ

マイズする」を選び,「相対度数」の欄に期待度数を

入力して(図 9),「OK」をクリックする。

結果は別ウインドウに表示される。「検定の統計」

欄が,χ値を示している(図 10)。

図7 ノンパラメトリック検定」の指定

図8 1サンプルのノンパラメトリック検定

図9 期待確率のカスタマイズ

表4 ノンパラメトリック検定」で

の検定結果

学習時間

カイ 2乗 11.316

df 3漸近有意確率 .010

206 音 山 若 穂・山 口 陽 弘

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3.独立性の検定

データが 2つの変数によって分類されている場合

で,両変数間の関連の有無を調べたい時にも,χ検

定を用いることができる。これは独立性の検定と呼

ばれる。

例えば,生徒 57人を対象に,ある課題が解決でき

たかどうかと,過去に類似した学習経験があるかど

うかを調べた結果,表 5の分割表(クロス表)が得

られたとしよう。

「解決できた」生徒の内訳は「経験あり」が 20人

で「経験なし」の 9人を上回っており,一方「解決

できなかった」生徒の内訳は「経験なし」が 16人で

「経験あり」の 12人を上回っている。見かけ上,課

題解決と学習経験との間には関連がありそうであ

る。そこで,「課題解決と学習経験との間には関連が

ある」という仮説を立てる。同時に,これと反対の

仮説,すなわち「課題解決と学習経験との間には関

連がない,すなわち独立している」という仮説も立

てる。今回はこの仮説が帰無仮説である。

帰無仮説のとおり,課題解決と学習経験が独立し

ているならば,「解決できた」かどうかは経験の有無

に関わりなく決まるということであるから,「経験あ

り」と「経験なし」の間で「解決できた」割合には

差がないはずである。

そこで,課題が解決したかどうかの割合から見て

いくことにする。まず,「解決できた」人の割合は,

57人中 29人が「解決できた」のであるから,

p =29 57

(5)

であり,「解決できなかった」割合は同様に

p =28 57

(6)

となる。学習経験についても同様に,「経験あり」の

割合は,

p =32 57

(7)

であり,「経験なし」の割合は,

p =25 57

(8)

となる。

次に,「経験あり」であり,かつ「解決できた」人

(i=1,j=1)の割合は,両者の割合の積を取って,

(1)と(3)より,

Pe =p ×p =29 57

×32 57

(9)

によって求められる。これは,帰無仮説の元で期待

される確率を表し,期待確率(Pe )と呼ばれる。

この期待確率に全体の度数を掛けたものが,期待

度数(E)となる。総度数(全体の人数)をNとす

ると,

図10 検定結果のアウトプット(1サンプルの検定)

表5 観測度数(O )の分割表

経験あり(j=1)

経験なし(j=2)

解決できた(i=1)

(O 11) 20 (O 12) 9 29

解決できなかった(i=2)

(O 21) 12 (O 22) 16 28

計 32 25 57 (N)

207小中学校教員の抱える問題解決を目的とした統計リテラシー教育の提案(2)

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E =N×Pe (10)

この場合,N=57であるから

E =57×29 57

×32 57

=16.28 (11)

他の部分についても同様に計算すると,表 6のよう

な期待度数の表ができる。

検定のための式は,行を i,列を jとすると

χ=m

Σi=1

c

Σj=1

(O -E )

E(12)

で表される。これは実質的に(1)式と同じである。

表 5と表 6をもとに,(12)式に代入すると

χ=(20-16.28)

16.28+(12-15.72)

15.72+

(9-12.72)

12.72

+(16-12.28)

12.28=3.94 (13)

自由度は,分割表の行の数をm,列の数を cとする

と,それぞれから 1を引いた上で,両者の積を取っ

て求められる。今回は 2行,2列であるから,自由度

は 1となる。

df=(m-1)(c-1)=(2-1)(2-1)=1 (14)

統計法のテキストの巻末に収録されているχの

表をみると,有意水準(α)5%,df=1のときのχ

値は 3.84である。今回求めたχ値は 3.94であり,こ

れより大であるので,帰無仮説は棄却される。すな

わち,ある課題が解決できたかどうかは,過去の類

似した学習経験の有無によって,統計的に有意に異

なることが示されたと言える(χ=3.944,df=1,

p<.05)。

4.SPSSでの独立性の検定の手順

まず,データエディタの「編集ビュー」で変数の

定義をする。「課題解決」「学習経験」「度数」の 3つ

を定義し,「課題解決」と「学習経験」には値ラベル

を定義する。図 11においてそれぞれの「値」欄をク

リックすると,図 12の定義画面に移る。

「課題解決」には値「1」に「解決できた」,値「2」

に「解決できなかった」を指定する。「学習経験」に

は値「1」に「経験あり」,値「2」に「経験なし」を

それぞれ指定し「OK」をクリックする。

次に,データを入力する。データエディタの画面

左下の「データビュー」タブをクリックし,数値を

入力する(図 13)。

図11 データエディタでの変数定義

図12 値ラベルの指定(学習経験の指定例)

表6 観測度数(E )の分割表

経験あり(j=1)

経験なし(j=2)

解決できた(i=1)

(E 11)16.28 (E 12)12.72 29

解決できなかった(i=2)

(E 21)15.72 (E 22)12.28 28

計 32 25 57 (N)

208 音 山 若 穂・山 口 陽 弘

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入力を終えたらデータの重み付けを行う。度数変

数には「度数」を指定する(図 14)。なお,集計値で

はなく,1人ひとりのデータ(ローデータ)から分析

する際には,「ケースの重み付け」の操作は必要ない。

その場合には「課題解決」と「学習経験」の 2変数

について,個々人のデータを入力すればよく,「度数」

変数は不要である。

以上でデータの入力は終わりで,続いて分析に移る。

「分析」メニューから順に「記述統計」,「クロス集

計表」へと進む(図 15)。

行には「課題解決」,列には「学習経験」をそれぞれ

指定し,右上の「統計量」をクリックする(図 16)。

「クロス集計表:統計量の指定」では,「カイ 2乗」

のチェックを入れ,「続行」をクリックする。指定は

以上である。「OK」をクリックすると,表 7に示す

結果が表示される。

「Pearsonのカイ 2乗」の行にある数値が,これまで

説明したχ値,自由度(df)および有意確率である。

ここにある「漸近有意確率(両側)」の値が有意水準

図15 記述統計」メニューと「クロス集計表」

図16 クロス集計表とカイ 2乗統計量の指定

図13 数値データの入力

図14 ケースの重み付け」と度数変数の指定

209小中学校教員の抱える問題解決を目的とした統計リテラシー教育の提案(2)

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(ここでは 5%,すなわち 0.05)を超えていなければ

帰無仮説が棄却され,有意差が示されたと言える。

なお,期待度数のなかに値の小さい(5以下)ものが

含まれる場合には,「Yatesの連続性の修正」を行な

うか,他の方法(Fisherの直接確率を計算する方法

など)をとることが望ましいと言われている(e.g.,繁

桝ら,2008,p46;古谷野ら,1992,p149;岩原,1965,

p220)。

SPSSのクロス集計表のアウトプットでは,前者

は「連続性の修正」,後者は「Fisherの直接法」を参

照すればよい(表 7)。なお,“両側”“片側”は,検

定の方向性を表し,例えば「経験がある方が解決す

る割合が大である」のように一方向に偏った仮説を

立てる場合には片側を用い,そのような仮説にこだ

わらない(どのような違いがあるのかが分からない)

場合には両側を用いる。

「Pearsonのカイ 2乗」と,「連続修正」または

「Fisherの直接法」のいずれをとるかは,期待度数

を見て判断する。SPSSで期待度数を表示させると

きには,「クロス集計表」で行と列の変数を指定した

後で,右上の「セル」ボタンをクリックし,「セル表

示の設定」を開く。その中の「期待度数」にチェッ

クを入れればよい(図 17)。

5.比率の等質性の検定

もう 1つ例を挙げてみる。“制服をだらしなく着用

すること”についての意識の男女差を調べるために,

男子,女子それぞれについて質問した結果を分割表

(表 8)に示す(鎌田,2011;p21をもとに改変)。

比率の等質性の検定では,調査対象は男子と女子の

2つであり,それぞれについて同一調査を行った

データをもとにしている。この場合は,男子と女子

にそれぞれ“制服をだらしなく着用すること”を問

うており,その解答割合が異なっているかどうかが

問題となる。

一方,独立性の検定では,調査対象は 1つであり,

そこから得られたデータを,2変数(例えば,課題達

成と学習経験)により分類しており,比率の等質性

の検定とは調査対象(正確には母集団)のとらえ方

が異なっている。もっとも,検定のための式は両者

とも同じ(14)式で,計算の手順は共通であり,SPSS

でも特に区別されていない。

SPSSでの検定結果を表 9に示す。

表 7と同様に,「Pearsonのカイ 2乗」の行を見れば

よい。自由度は,2行 3列の分割表であるから,

df=(m-1)(c-1)=(2-1)(3-1)=2 (15)

となる。有意水準を 5%とすると,有意差が認めら

れ,“制服をだらしなく着用すること”に対する意識

には男女差が認められると言える(χ=6.128,df=

2,p<.05)。

表7 クロス集計表での検定結果

値 df漸近有意確率(両側)

正確有意確率(両側)

正確有意確率(片側)

Pearsonのカイ 2乗 3.944 1 .047

連続修正 2.955 1 .086

尤度比 3.990 1 .046

Fisherの直接法 .064 .042

線型と線型による連関 3.874 1 .049

有効なケースの数 57

表8 観測度数(Oj)の分割表

絶対にしてはいけない(J=1)

あまりしてはいけない(J=2)

それほど悪いとは思わない(J=3)

女子(i=1) 25 44 17 86

男子(i=2) 16 49 6 71

計 41 93 23 157 (N)

表9 クロス集計表での検定結果

値 df漸近有意確率(両側)

Pearsonのカイ 2乗 6.128 2 .047

尤度比 6.308 2 .043

線型と線型による連関 .224 1 .636

有効なケースの数 157

210 音 山 若 穂・山 口 陽 弘

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6.残差分析

以上の分析はいずれも,(1)式をみれば分かるよ

うに,観測度数と期待度数の差をもとにしている。

そして検定の結果,有意差が認められた場合には,

さらに細かくどことどこに差があるのかを調べたい

という場合もあるだろう。そうした分析にはしばし

ば,調整済み残差が用いられる

調整済み残差AR は,行の周辺度数をN,列の周

辺度数をNとすると,

AR =O -E

E (1-N

N)(1-

N

N)

(16)

で表される。SPSSでは,「クロス集計表」で行と列

の変数を指定した後で,右上の「セル」ボタンをク

リックし,「セル表示の設定」の中の「調整済みの標

準化」にチェックを入れればよい(図 17)。続いて「続

行」をクリックし,「OK」をクリックすると結果が

表示される。

表 8のデータを例にとる。「女子」の「絶対にしては

いけない」についてみると,(観測)度数はO =25,

期待度数は E =22.5,行(女子)の度数はN=86,

列(絶対にしてはいけない)の度数はN=41である

から,(16)式に代入して調整済み残差を求めると

AR =25-22.5

22.5(1-86 157

)(1-41 157

)

=0.91 (17)

となる。調整済み残差は漸近的に標準正規分布に当

てはめられると考えられ,有意水準が 5%であれば,

絶対値が 1.96を超えるものに注目すればよい(およ

そ,絶対値が 2を超えるものとしているテキストも

ある:e.g.,海保ら,1996,p95)。

表 10であれば,「あまりしてはいけない」と「そ

れほど悪いとは思わない」の調整済み残差の絶対値

が 1.96を超えている。すなわち,これらについては,

期待度数とのズレが大きい(すなわち,男女差があ

る)と言える。

7.ま と め

本稿で取り上げた方法はいずれも,大規模なデー

タでなくても可能であり,学級単位の実践から得ら

れたデータをまとめ,検討する際にも適用の機会が

多いものと思われる。検定がなければ研究とならな

い訳ではないが,調査や実験の結果を一般化するた

めに行われるのが検定であり(古谷野ら,1992,

p133),仮説を検証するうえでの一つの根拠となり

うる。また,実践研究では自ら実践し自らデータを

取ることが多いが,検定結果を得ることで,自らの

実践の思い入れから一歩離れた,ある種客観的な視

点で自らのデータひいては自らの実践を見つめ直す

図17 クロス集計表のセル表示の設定

表10 調整済み残差を表示したクロス集計表

制服着用

絶対にしてはいけない

あまりしてはいけない

それほど悪いとは思わない

合計

性別 女子 度数 25 44 17 86期待度数 22.5 50.9 12.6 86.0調整済み残差 .9 -2.3 2.0

男子 度数 16 49 6 71期待度数 18.5 42.1 10.4 71.0調整済み残差 -.9 2.3 -2.0

合計 度数 41 93 23 157期待度数 41.0 93.0 23.0 157.0

211小中学校教員の抱える問題解決を目的とした統計リテラシー教育の提案(2)

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