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大阪市港区地域福祉計画 (平成 25年度~平成 27年度)

【案】

平成25年3月 大阪市港区

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目 次 第1章 港区地域福祉計画の策定にあたって・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1

1.策定の背景・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 2.「地域福祉」とは ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2 3.計画の位置づけ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2 4.計画期間・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3

第2章 地域福祉を取り巻く現状と課題・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4 1.高齢化の進展・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4 2.少子化と子育て家庭の福祉的課題・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5 3.障がい者の自立支援・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6 4.社会的孤立の拡大・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7 5.虐待やセルフネグレクト等の深刻な課題の増加・・・・・・・・・・・ 8 6.健康指標の現状と課題・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9 7.地域福祉活動の現状と課題・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10

第3章 地域福祉を進めるための基本的な視点・・・・・・・・・・・・・・・・ 12 1.だれもが「受け手」、「担い手」として主体的に地域福祉に関われるように ・・ 12 2.「自分らしく生きる」ことを支える権利擁護を基盤として ・・・・・・ 12 3.地域における人々のつながりの強化を・・・・・・・・・・・・・・・ 12 4.地域の課題はできるだけ市民の身近なところで・・・・・・・・・・・ 13 5.暮らしを支えるサービスや活動が総合的に進められるように・・・・・ 13 6.ビジネス的手法の導入・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 13 7.担い手の役割と特長を活かした「協働」を・・・・・・・・・・・・・ 14 第4章 施策の展開・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 16 1.地域における総合的な相談支援・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 16 ①住民による地域福祉活動の活性化・・・・・・・・・・・・・・・・・ 17 ②いきいきと自分らしく暮らすための場や機会の提供・・・・・・・・・ 17 ③身近なところで相談できるしくみづくり・・・・・・・・・・・・・・ 19 ④さまざまな相談支援機関の連携による支援の充実・・・・・・・・・・ 20 2.地域の福祉力の向上・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 21 ①みんなで支えあう地域づくり・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 22 ②自律的な地域運営による地域福祉活動の促進・・・・・・・・・・・・ 23

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③協働による多様なサービスの創出・・・・・・・・・・・・・・・・・ 23 ④災害時要援護者への支援・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 25 3.地域福祉の担い手の育成・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 25 ①地域福祉活動の担い手づくり・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 27 ②ボランティア活動の促進・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 28 ③セーフティネットを支える人材の専門性の確保・・・・・・・・・・・ 28 4.権利擁護の推進・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 29 ①虐待・DV防止施策の推進・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 30 ②判断能力の不十分な人々への支援・・・・・・・・・・・・・・・・・ 30 第5章 地域福祉計画の推進にあたって・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 32 1.地域支援システムの再構築・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 32 2.多様な中間支援組織による地域福祉活動支援・・・・・・・・・・・・ 33 3.地域の特性を踏まえた福祉施策の推進・・・・・・・・・・・・・・・ 34

4.計画の進捗管理と評価・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 34 用語解説集・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 39 参考資料 1.港区区政会議福祉部会委員名簿・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 45 2.地域福祉の現状と課題・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 47

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1.策定の背景

だれもが地域※で安心して自分らしく暮らしていくためには、住民や行政

をはじめ、地域に関わる全ての人の力をあわせて、共に生き共に支え合い、

みんなが生活をともに楽しむ地域をつくりあげていく「地域福祉」を推進し

ていく必要があります。

大阪市では平成16年3月に第1期の「大阪市地域福祉計画」(計画期間:平

成16~20年度)が策定され、また、第1期計画に基づく取り組みの成果と課

題を踏まえた第2期計画が平成21年3月(計画期間:平成21~23年度)に策

定されました。

これらの計画は、大阪市全体で地域福祉を進めるための理念としくみづく

りを示す計画として策定されたものであり、行政と、住民をはじめ地域団

体・保健・医療・福祉関係者など、地域の関係者の協働※により取り組みを

進めてきました。

大阪市では、大阪全体の持つ力を活かし、地域の活力を一層発揮させてい

くため、「成長は広域行政※、安心は基礎自治行政※」という考え方のもとで

「市政改革プラン」を平成24年8月に策定し、「ニア・イズ・ベター」(補完

性・近接性の原理)※の考え方から、区内の基礎自治に関する施策を区長の

権限と責任で実施することとしました。

近年の社会経済状況の変化に伴って、経済的困窮、社会的孤立、虐待の増

加など福祉課題が増大、深刻化する一方で、平成23年3月の東日本大震災を

契機として、自助・共助の大切さが再認識され、コミュニティに対する意識

に変化がみられます。

このような状況の中、これまでのような大阪市域を単位とした一つの計画

ではなく、区の特色のある地域福祉の取り組みを推進するため、平成24年11

月に「大阪市地域福祉推進指針」が策定されました。

港区においては、住民に身近な区役所が中心となって、地域の特色を活か

しながら地域福祉の理念である「公私協働」を一層促進し多様な福祉ニーズ

を充足するため、「大阪市港区地域福祉計画」を策定しました。

この計画に基づき、すべての区民※、団体、事業者、行政機関等が、一層

協力し、子どもから高齢者まで、住民の誰もが住み慣れた地域の中で心豊か

に安心して暮らせる、地域福祉の向上をめざします。

第1章 港区地域福祉計画の策定にあたって

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2.「地域福祉」とは

港区は、三方を海と川に囲まれており、長年にわたって住民とともに洪水

や高潮の被害からまちを守ってきました。 また、大阪大空襲や台風による壊滅的な被害から復興するため、世界でも

類を見ない大規模な盛土方式の土地区画整理事業を 45 年間もの年月をかけて実施し、区民と行政が協力してまちづくりを行ってきました。 このような歴史をもつ港区は、現在も住民どうしの絆や助け合いの気持ち

が強く地域活動が活発で、町会加入率も24区の中でトップクラス(平成

23 年 84.5%)となっており、一人暮らしの高齢者やこどもを見守る活動などにも地域全体で熱心に取り組んでいます。 「地域福祉」とは、このような公私協働によるコミュニティの力を活かし

て、共に生き共に支えあい、だれもが自分らしく安心して暮らせる地域、さ

らにみんなが生活を共に楽しむ地域を、地域に関わるすべての人の力でつく

りあげていく福祉です。 3.計画の位置づけ

港区においては、「港区将来ビジョン」において、「いちばん住みたいま

ち、住んで誇りに思えるまち」をめざし、それを実現するために①区民主体

のまちづくり②健やかにいきいきと暮らせるまちづくり③子育て世代が魅

力を感じるまちづくり④安全・安心・快適なまちづくり⑤訪れたい活気あふ

れるまちづくりの 5つの柱を中心に区政を推進していくこととしています。 この地域福祉計画※は、住民、福祉活動団体、福祉事業者、区役所などが、

それぞれの役割の中でお互いに力を合わせる関係をつくり、住民のボランテ

ィア活動、関係諸団体の活動、公的サービスの連携のもとで、「自助」、「共

助」、「公助」を重層的に組み合わせた「地域ぐるみの福祉」をつくるための

「理念」と「仕組み」を、港区の実態を踏まえて区独自につくるための計画

であり、「港区将来ビジョン」を実現するために不可欠なものであるととも

に、「市政改革プラン」における「大きな公共を担う活力のある地域社会づ

くり」、「自律した自治体型の区政運営」を福祉分野で具現化するものです。

また、区民の日常生活に関わるさまざまな分野の取り組みを、地域福祉の

視点から総合的に進めるため、関連する各種計画(大阪市高齢者保健福祉計

画・介護保険事業計画、大阪市次世代育成支援行動計画、大阪市障害者支援

計画・障害福祉計画、大阪市健康増進計画「すこやか大阪21」等)を推進

する共通の仕組みとして、市民参加や協働の促進、福祉サービスの利用支援

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などについて定めています。

さらに、地域福祉を推進する団体である社会福祉協議会が、市民・民間団

体等の参画と協働を進めるために策定した「地域福祉活動計画」と理念・方

向性を共有し、車の両輪となって地域福祉を推進するものです。平成18年3

月に港区社会福祉協議会とともに策定した港区地域福祉アクションプラン

の検証を踏まえて、地域福祉施策をさらに推進します。

連携 連携 4.計画期間

計画の期間については、福祉をはじめ生活関連分野における社会情勢の変

化の速さや市政改革の動きを考慮して定める必要があり、平成25年度~27

年度までの3年間の計画として策定することとし、その間、状況の変化を踏

まえて必要に応じて見直します。

港区地域福祉計画

その他の生活関連分野の計画

高齢者保健福祉計画・

介護保険事業計画

障害者支援計画・

障害福祉計画

次世代育成支援行動計画

地域福祉活動計画(大阪市社会福祉協議会)

車の両輪

健康増進計画「すこやか大阪 21」

港区将来ビジョン

実現

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1.高齢化の進展

平成22(2010)年の前期高齢者数は11,050人、後期高齢者数は8,846人、

高齢化率は23.4%となっています。平成2(1990)年と比較すると、前期高

齢者は約1.9倍に増加しているのに対して後期高齢者は約2.7倍に増加して

おり、後期高齢者数の増加が顕著になっています。 なお、大阪市全体の推移をみても、平成2(1990)年と比較すると、前期

高齢者は約1.8倍に増加しているのに対して後期高齢者は約2.3倍に増加し

ていますが、後期高齢者の伸び率は港区のほうが高くなっています。

高齢夫婦及び高齢単身者世帯数は、平成22(2010)年でそれぞれ、3,504

世帯、5,512世帯となっています。平成 2(1990)年ではそれぞれの世帯数

に大差はありませんでしたが、平成 22(2010)年になると高齢夫婦世帯数

は約2倍に、高齢単身者世帯数は約3倍に増えています。

この間、全世帯に占める割合は、高齢夫婦世帯数が 5.1%から 8.6%に、

高齢単身者世帯数が5.5%から13.5%に増加しています。

第2章 地域福祉を取り巻く現状と課題

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地域におけるさまざまな生活課題を抱えた高齢者の相談への対応、支援の

必要な人の見守り体制づくり、緊急時の一時的な援助、関係機関と連携して

福祉の制度につなぐ地域福祉の支援体制づくりが極めて重要です。 2.少子化と子育て家庭の福祉的課題

大阪市の合計特殊出生率(女子が一生の間に産む子どもの数として用いら

れる数値)は、平成 22(2010)年 1.21人となっており、全国の 1.39人を

かなり下回っています。

昭和 60(1985)年以降減少し、平成 22(2010)年にやや持ち直したもの

の、依然として低い水準にあり、長期的な少子化の傾向が継続しています。

少子化や核家族化の進行、地域のつながりの希薄化など、社会環境が変化

する中で、身近な地域に相談できる相手がいないなど、子育て家庭の孤立等

による育児不安やストレスを抱える子育て家庭が増大しています。

したがって、妊娠期から出産、乳幼児期を通じて、子育て家庭に対する適

切な支援と支援情報の提供が必要です。 また、ひとり親の世帯数は、平成22(2010)年で966世帯です。その内、

母子世帯は父子世帯の7倍となっており増加傾向にあります。

ひとり親家庭においては、特に母子家庭の母の場合、就業経験が少なかっ

たり、結婚、出産等により就業が中断していたこと等により、就職や再就職

が難しいことが多く、また、就業している場合でも時間的、精神的、経済的

余裕が少ないことから、社会的にも孤立するケースが見受けられます。

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ひとり親家庭が、子育てと就業を両立し、自立した生活を営むことができ

るよう、行政と地域住民の協働※によりサポートすることが必要です。

3.障がい者の自立支援

平成23(2011)年度の障がい者手帳所持者数は、身体障がい者手帳が5,786

人、療育手帳が 758人、精神障がい者保健福祉手帳が 662人となっていま

す。ここ数年の推移をみると、いずれの手帳所持者数も増加傾向にあります

が、平成 18(2006)年度と比べると、身体障がい者手帳及び療育手帳の所

持者数は 10~20%の増加率であるのに対し、精神障がい者保健福祉手帳の

所持者数は413人から662人へと約60%の大幅な増加率となっています。

障がい者の自立と社会参加を一層推し進めるためには、施設中心の支援か

ら、地域生活の中の自然な交流を通じた、障がいのある人ない人の相互理解

を、より推進することが重要です。また、障がいのある人の社会参加の促進

にともなう多様なニーズに対応するため、生活関連施設も含めたバリアフリ

ー化を進め、障がいのある人が住みやすい生活環境の整備や移動手段の確保

に取り組んでいく必要があります。

また、発達障がいのある子やその保護者が抱える問題は、その子どもの個

性や発達の状況等によって多様であることから、その子や家族に応じたきめ

細かな支援が必要です。安心して子どもを産み育てられる環境づくりの一つ

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として、できるだけ早期の段階から、就学前、学齢期を通じた適切な発達の

支援、障がいのある子どもを抱え悩んでいる保護者が気軽に相談できる支援

体制を構築する必要があります。

4.社会的孤立の拡大

地域※には、外に出て活動することがなくなり家庭内に「閉じこもり」と

なっている高齢者をはじめ、地域とのつながりが薄く介護や育児の負担を 1人で抱え込んでいる介護者や養育者、就業等により社会的自立ができず「ひ

きこもり」がちの若者、経済的困窮から住居を喪失し「ネットカフェ難民」

等のホームレス状態となっている人など、複合的な課題を抱え、支援を必要

とする生活状態にありながらも、社会的に孤立し、適切な支援につながって

いない人々が多数存在しています。 とくに高齢者に関しては、港区はひとり暮らしの高齢者の割合が他区、他

の大都市地域などとくらべても大きく、認知症の高齢者なども急速に増加し

ていることから、孤立化の恐れのある状態にある高齢者が多数存在している

と推測されます。 「閉じこもり」等、支援を必要としながらも、支援につながりにくい状態

にある人々に対しては、その人たちからSOSの声があがるのを受け身で待

っているだけでは問題の解決が困難であり、その人たちのもとへ積極的に出

向いて、つながりをつくる取り組みが必要です。また、つながりができた場

合には、その人が地域の中に自分の役割や居場所を見つけることができるよ

うに支援し、再び孤立状態に戻ることを防止する取り組みも重要です。

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5.虐待やセルフネグレクト等の深刻な課題の増加

高齢者虐待相談、DV相談についての平成 23(2011)年度の状況をみる

と、それぞれ13件、21件となっています。

また、児童虐待相談については平成 23(2011)年度 44件となっており、

大阪市こども相談センターで受けた市全体の相談件数については、平成 21

(2009)年度にホットラインが開設されたこともあり急増している状況です。

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DV被害者については、迅速かつ安全な保護及び各種法制度の利用に関す

る援助などの自立支援が、児童虐待に関しては、未然防止と早期発見及び保

護された後の児童へのケアが重要であり、引き続き取り組まなければならな

い課題です。

また、「ごみ屋敷」問題などで明らかになった、自分で飲食や体調管理、

最低限の衛生状態の保持、金銭の管理などの行為をしない、あるいは、する

能力がないために、安全や健康が脅かされる「セルフネグレクト※」の状態

の人々もいます。 支援を必要とする生活状態にありながらも、適切な支援を受けられない

状態が長期化することは、問題をより大きく深刻なものとし、場合によって

は孤立死や虐待死などの痛ましい結果につながることもあります。 高齢者・児童等に対する虐待や、孤立死、セルフネグレクトなど、深刻な

福祉課題に対応するためには、その予防のために住民による要援護者の発見

や見守りが重要であるとともに、保健福祉センターが中心となった迅速な対

応、地域包括支援センター※や大阪市こども相談センター等の専門相談支援

機関との連携が不可欠であります。 6.健康指標の現状と課題

平成 17(2005)年度における港区の男性の寿命は 75.9 歳で 24 区中 23

番目、また女性の寿命は 84.3歳で 24区中 19番目と他区と比較して短い現状にあります。 平成 22(2010)年度における死因の第1位は男性、女性とも「悪性新生

物」で、部位別では「気管、気管支及び肺」が第 1位となっています。

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また、平成 23(2011)年度における、港区の結核羅患率(人口 10万人対の新登録結核患者数)は 41.6 で大阪市全区の中で 5 番目に高い羅患率となっています。 一方で、平成 20(2008)年~22(2010)年度の港区のがん検診受診者数

は「胃がん」「大腸がん」「肺がん」「子宮頸がん」「乳がん」とも目標数より

下回っており、また平成 22(2010)年度の港区の特定健康診査受信者は15.3%と市全体の受診率 18.2%よりも大幅に下回り、全区の中で 3 番目に低い受診率となっています。 今後は、がん検診、特定健康診査の受診率を上げる取り組みが重要です。

7.地域福祉活動の現状と課題

港区では、民生委員※や児童委員による見守りや相談をはじめ、地域ネッ

トワーク委員会活動など、多くの方々が地域福祉活動に日々熱心に取り組ん

でおられますが、地域活動の担い手の高齢化が見られるとともに、一部の担

い手に役割が集中していることから負担感が大きく、後継者不足につながっ

ています。 一人暮らしの高齢者が増加し、家族や地域における関わりが希薄化する中

で、地域における多様な生活課題を解決するためには、地域福祉活動に担い

手として参加する人を増やし、その人たちがさまざまな場面でそれぞれの長

所を発揮し、補い合うことのできる取り組みを進めることが必要です。 支援を必要とする人が地域で安心して暮らせるよう、新たな地域活動の担

い手を育成するとともに、保健・医療・福祉の関係者やボランティア、NPO

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※、企業など、地域に関わる多様な活動主体が協働・参画する「地域活動協

議会※」を地域ごとに設置し、地域福祉活動のプラットフォームとして、地

域社会全体で支えていく必要があります。 また、コミュニティビジネス※やソーシャルビジネス※の手法を導入して、

地域の福祉課題を地域が主体となって解決することにより、地域におけるヒ

ト・モノ・カネ・情報等の資源の循環や雇用の創出を促して、活動の自律性

を高めるとともに地域の活性化を図ることも重要です。