他者の存在が消費行動に及ぼす影響 ―消費者個人...

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1 他者の存在が消費行動に及ぼす影響 ―消費者個人がもつ性格特性の視点から考察- 13C3149009I 杉田一美 概要 消費者は、他者に影響されながら態度や消費行動を決定している。消費者に与え る他者の影響については、影響を与える他者側、影響を受ける消費者側の二つの 方向から研究がされてきた。本研究では、影響を受ける消費者側の自己要因とし て消費者の作動性、共同性の2つのタイプの性格特性の違いに着目することで、 買い物に同行する友人の存在が、消費者の支出額と商品選択に及ぼす影響につい て考察した。理論研究を通して、作動性と共同性の性格特性の違いが買い物に同 行する友人の存在によって、消費者の消費行動に及ぼす影響があることが明らか になった。しかし、本研究の実験では、消費者の性格特性の違いによって、消費 者の支出額と商品選択が異なることはなかった。他者の存在が消費行動に与える 影響を解明する有益な結果を提示するために、今後は大サンプルによるデータ収 集、質問項目の改良などを図る必要がある。 1 はじめに 1.1 問題意識 消費者は、他者に影響されながら態度や消費行動を決定している。消費者に与 える他者の影響については、影響を与える他者側、影響を受ける消費者側の自己 概念や自己観の異なる二つの方向から研究がされてきた。特に、影響を受ける消 費者側からのアプローチは、比較的新しい試みであり、さらなる展開が期待され る(宮澤 2014)。自己の性質や自己観の違いによって、他者から受ける影響に違 いが生じること(Escalas and Bettman 2005; Kurt et al 2011)に着目し、本研究で は、他者から影響を受ける消費者側の要因として新たな視点を加え研究すること で、他者の存在が消費行動に与える影響を解明する有益な結果を提示したい。 1.2 課題 本研究の課題は他者の存在によって同一消費者の消費行動がどのように変化す るのかを消費者側の自己要因から考察することである。本研究では、影響を受け る消費者側の自己要因として消費者の作動性と共同性の性格特性の違いに着目す

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1

他者の存在が消費行動に及ぼす影響 ―消費者個人がもつ性格特性の視点から考察-

13C3149009I 杉田一美

概要

消費者は、他者に影響されながら態度や消費行動を決定している。消費者に与え

る他者の影響については、影響を与える他者側、影響を受ける消費者側の二つの

方向から研究がされてきた。本研究では、影響を受ける消費者側の自己要因とし

て消費者の作動性、共同性の2つのタイプの性格特性の違いに着目することで、

買い物に同行する友人の存在が、消費者の支出額と商品選択に及ぼす影響につい

て考察した。理論研究を通して、作動性と共同性の性格特性の違いが買い物に同

行する友人の存在によって、消費者の消費行動に及ぼす影響があることが明らか

になった。しかし、本研究の実験では、消費者の性格特性の違いによって、消費

者の支出額と商品選択が異なることはなかった。他者の存在が消費行動に与える

影響を解明する有益な結果を提示するために、今後は大サンプルによるデータ収

集、質問項目の改良などを図る必要がある。

1 はじめに 1.1 問題意識

消費者は、他者に影響されながら態度や消費行動を決定している。消費者に与

える他者の影響については、影響を与える他者側、影響を受ける消費者側の自己

概念や自己観の異なる二つの方向から研究がされてきた。特に、影響を受ける消

費者側からのアプローチは、比較的新しい試みであり、さらなる展開が期待され

る(宮澤 2014)。自己の性質や自己観の違いによって、他者から受ける影響に違

いが生じること(Escalas and Bettman 2005; Kurt et al 2011)に着目し、本研究で

は、他者から影響を受ける消費者側の要因として新たな視点を加え研究すること

で、他者の存在が消費行動に与える影響を解明する有益な結果を提示したい。

1.2 課題

本研究の課題は他者の存在によって同一消費者の消費行動がどのように変化す

るのかを消費者側の自己要因から考察することである。本研究では、影響を受け

る消費者側の自己要因として消費者の作動性と共同性の性格特性の違いに着目す

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ることで、買い物に同行する友人の存在が、消費者の支出額と商品選択に及ぼす

影響について検討を行う。この時、消費者の性格特性を測る尺度として BSRI尺

度とセルフモニタリング尺度を使用する。BSRI尺度は、男性性と女性性を二次元

で考える性役割尺度である。セルフモニタリングは、状況や他者の行動に基づい

て自己の表出行動や自己呈示が社会的に適切かを観察し自己を統制することであ

る。また、セルフモニタリング尺度は、その個人差を測定する尺度である。

2 先行研究

消費者に与える他者の影響としては、影響を与える他者側の要因と、影響を受

ける消費者側の自己概念や自己観の異なる二つの方向から研究がされてきた。ま

ず、他者との関係から見る消費者行動を概観する(2.1)。次に、本研究と同様に

自己概念や自己観の要因に着目している研究を確認し(2.2)、特に、本研究と同

様に消費者側の性格特性に着目した Kurt et al.(2011)の研究を確認する(2.3)。最

後に、個人の性格特性を測る尺度として BSRI尺度(2.4)とセルフモニタリング

尺度(2.5)を用いることの妥当性を検討する。

2.1 他者との関係性から見る消費者行動

他者の存在は消費者の態度や購買行動に影響を及ぼす。他者の影響について

は、影響を受ける財が、私的な商品か公的な商品かなどの財の性質の違いや、友

人や家族といった影響を与える他者の属性や性質による違いなど、主に社会心理

学における社会的影響を背景に消費者への感情、認知、行動形成への影響が明ら

かにされてきた(Kurt et al. 2011)。他者側の要因や状況として例えば、内集団か

外集団かの違い(Escalas and Bettman 2005)や、期待の違い(Luo 2005)、他者の

人数と物理的距離の違い(Argo et al 2005)などによって消費者に異なる影響を与

えることが明らかにされている(図表 1)。

一方で影響を受ける消費者側の志向を考慮した新たな研究視点の必要性が主張

され(Kurt et al. 2011)、同じ条件と状況で他者から影響を受けた場合であって

も、消費者個人の持つ特性によって態度や行動が異なることが確認されるように

なった(図表 2)。

3

図表 1:影響を与える他者側の要因

要因 影響を 及ぼす先

時点 調査方法 結果

Luo (2005)

家族

同僚 衝動購買 購買時 シナリオ

友人との買い物では衝動購買が促進

され、家族との買い物では衝動購買

が抑制される

Escalas and Bettman(2005)

内集団

外集団

ブランド

との結び

つき

購買前 ~購買時

アンケー

ト調査

内集団と関連するブランドは自己と

ブランドの結びつきを強め、外集団

と関連するブランドは結びつきを低

下させる

White and Dahl

(2007)

分離準拠

集団

ブランド

との結び

つき

購買時 ~購買後

実証分析

男性を対象とした調査の結果、他者

が存在する場合、分離準拠集団を連

想させるブランド名の商品への購買

意向は低くなった

Ariely and Levav(2000)

同行した

他者 居合わせ

た他者

製品選択 (メニュ

ー選択) 購買時 観察調査

飲食店で他者と来店した場合は他者

と異なるメニューを注文し、一人で

来店した場合は、別のテーブルの他

者の選択にならう傾向がある

桑島

(2007)

自分との

関係が 直接的

間接的

ブランド

選択 購買前 ~購買後

ネットワ

ーク分析

近しい関係の他者とは差別化の意識

が働き、関係の距離が遠い他者に対

しては消費者の良い参照例となる

Ariely and Levav(2000) Argo et al(2005)

時間の 経過

ブランド

選択 購買時 観察調査

それほど時間が経っていない状況で

は、消費者は周囲の様子を見て同調

しようとするが時間の経過とともに

他者への同調から差異化へと態度が

変化する。

Argo et al(2005)

他者の数

と物理的

な距離

ブランド

選択 購買時 フィール

ド調査

他者との距離が近い場合、他者の存

在は感情や行動に影響を及ぼしてい

たが、距離が遠い場合、他者の存在

による影響はほとんどなかった。

Duhachek et al

(2007)

他者の態

度を予測

できる場

合・予測

できない

場合

ブランド

への態度 購買前 購買後 実証実験

あらかじめ態度を予測できずに相互

作用を行ったグループから得られた

ネガティブな追加情報はポジティブ

だった消費者の態度をネガティブに

変容させる可能性が高い。

出典:宮澤薫(2014)「他者との関係性から見る消費行動」『マーケティングジ

ャーナル』Vol.33 No.4(2014)を基に作成

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図表 2:影響を受ける消費者側の自己要因

出典:宮澤薫(2014)「他者との関係性から見る消費行動」『マーケティングジ

ャーナル』Vol.33 No.4(2014)を基に作成

2.2 影響を受ける消費者側の自己要因

影響を受ける消費者側の要因について整理していく。特にここでは、文化的背

景による自己観の違いと、アイデンティティの違いによる影響を取り上げる。

Escalas and Bettman (2005)は、消費者は、自己概念と一致するブランドを選

択するとした上で、消費者の文化的自己観の違いによる他者の影響に着目した。

文化的自己観とは「ある地域、グループ内で歴史的に作り出された文化的に共有

された自己観」であり、相互独立的自己観と相互協調的自己観という二つの自己

観によって説明される(池上、遠藤 1998)。相互独立的自己観とは「個人は他者

とは明確に区分された存在であり、その人独自の能力や性格などの属性を内に持

っているもの」と規定される。一方、相互協調的自己観とは「個人を他者から切

り離した存在と捉えず、それぞれの属性を他者と共有しているとみなすもの」で

ある(池上、遠藤 1998)。この二つは、個人の中に共存しうるものであり、相対

的な強さによって表面化する側面が変わる(Asker and Lee 2001)。相互独立的自

要因

影響を 及ぼす先

時点 調査方法 結果

Kurt et al.(2011) 性別 支出額 購買時 観察調査

作動性の強い消費者(男性)は、

一人で買い物するときよりも、友

人が同伴したときのほうがより多

く支出をする傾向にあった。セル

フモニタリング傾向が強い共同性

の強い消費者(女性)は友人が同

伴することで支出額が減少してい

た Escalas and

Bettman(2005)

文化的自

己観

ブランド

との結び

つき

購買前 ~購買時 実証分析

相互独立的自己観を、持つ場合、

外集団と一致するブランドはネガ

ティブな影響を与える

He et al.(2012)

文化的自

己観

サービス

経験の 満足度

購買時 ~購買後 実証分析

相互協調的自己間を有する場合、

他者の存在がサービスと満足度の

関係を強めている

Algesheimer et al.(2005)

社会的ア

イデンテ

ィティ

購買意向 ロイヤル

ティ 購買行動

購買後 アンケー

ト調査

消費者は自分が所属するコミュニ

ティに対して社会的アイデンティ

ティが高まるとコミュニティへの

参加、継続の意向が高まり、最終

的にはそのブランドに対するロイ

ヤルティ、購買行動にポジティブ

な影響を及ぼす

Thompson and Shinha(2008)

社会的ア

イデンテ

ィティ 購買意向 購買前

~購買後 実証分析

コミュニティへの参加頻度の高い

メンバーほど、また継続時間が長

いメンバーほど好みのブランドか

ら発売される新製品を選択する可

能性が高まり、競合ブランドの製

品を選択する可能性が減少する

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己観は独立と差別化を目指しているため、自分が所属していない外集団との比較

によって自己を創造しようとし、可能な限り外集団と差別化しようと試みる。一

方、相互協力的自己観は、内集団の中の関係形成・維持を目指しているので外集

団からの影響はあまり受けない。Escalas and Bettman (2005)は、実験の対象者

に、自分の所属しているグループ(内集団)に合致するブランドと自分の所属し

ていないグループ(外集団)に合致するブランドを挙げてもらい、それぞれのブ

ランドと消費者との結びつきの違いを実証研究で検証した。その結果、外集団と

合致するブランドは、相互協調的自己観を持つ消費者よりも、相互独立的自己観

を持つ消費者に強くネガティブな影響を与えることが明らかになった。

He et al.(2012)は、この相互協調的自己観と相互独立的自己観に着目し、他者

の存在が、サービス経験に対する満足度に及ぼす影響を調査した。相互協力的自

己観が活性化している消費者は、内集団の他者と一緒にいる方が、ポジティブな

サービスを経験した時の満足度が高くなるという結果を得ている。

White and Dahl(2007)は、自己の個人的アイデンティティと社会的アイデンテ

ィティのどちらかが顕在化しているかにより、他者からの影響に違いが生じると

考えた。個人的アイデンティティとは、「自分自身の性格特性や能力など内的属

性の点から自分という個人が他者とは異なる存在であると理解すること」であ

り、社会的アイデンティティとは、「自己と所属集団を同一化し所属集団の一員

として自己を理解し行動すること」を指す(池上、遠藤 1998)。人は社会的アイ

デンティティが顕在化すると、自分が所属している内集団を肯定的に評価し、外

集団に対する優位性を確認することで望ましい社会的アイデンティティを維持し

自己評価を高めようとする傾向がある。White and Dahl(2007)の実証研究では、

消費者の社会的アイデンティティが顕在化している時、分離集団に関連する製品

をネガティブに評価し選択を避ける傾向があることが明らかになった。

Algesheimer et al.(2005)は、車のブランドコミュニティに対して実証研究を行

った。消費者は自分が所属するコミュニティに対して社会的アイデンティティが

高まると、コミュニティへの参加、継続の意向が強まり、最終的にはそのブラン

ドに対するロイヤルティや購買行動にポジティブな影響を及ぼす。

また、コミュニティへの参加頻度が高いメンバーほど、また継続期間が長いメ

ンバーほど、好みのブランドから発売された新商品を選択する可能性が高まり、

競合ブランドの商品を選択する可能性が減少する。(Thompson and Shinha 2008)

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2.3 性格特性の差異による影響の違い

Kurt et al.(2011)は作動性(agency)、共同性(communion)の2つのタイプの性格特性の違いに着目することで買い物に同行する友人の存在が消費者の支出

額に及ぼす影響について検討を行った。作動性は一人の人間として目指すべき自

己成長や達成などに関する男性的特性であり、自分が中心となる活動を楽しむ傾

向がある。一方、共同性は他者との協調や親切さなどに関する女性的特性であ

り、和を重視し、注目されるような行動を自制する傾向にある(栗原 2011)。Kurt et al(2011)は、他者による影響は消費者自身の性格特性である作動性と共同性によって管理されることを考慮すべきであるとし、作動性を志向する消費者

として男性を、共同性を志向する消費者として女性を設定し、量販店や大学のブ

ックストアで観察調査を行った。その結果、(1)作動性志向の消費者(男性)は買い物の際同伴の友人の存在によってより多くの支出をする。(2)共同性志向の消費者(女性)のうちセルフモニタリングの高い人ほど同伴の友人の存在によっ

て支出を抑える。(3)共同性志向の消費者(女性)のうちセルフモニタリングの高い人は、チャリティや寄付という目的での支出の場合、同伴の友人の存在によ

ってより高額の寄付を行うことがわかった。セルフモニタリングとは「望ましい

自己呈示をするため自己の行動を客観的に観察し統制すること」である。

実験の結果から、友人を連れた男性客は店頭において高額な支出を期待できる

重要なターゲットであることが明らかになった。また、自分のための消費に与え

る他者の影響だけでなく、他者のための消費にも着目する必要がある。例えば、

共同性志向の消費者のうちセルフモニタリングが高い消費者については、寄付や

チャリティ以外に支出が増大する領域について検討するべきだとし、ギフトなど

の可能性を示唆している。Kurt et al (2011)の研究の問題点は、作動性を志向す

る消費者として男性を、共同性を志向する消費者として女性を対象に調査してい

る点である。そこで本研究では影響を受ける消費者側の要因を性別ではなく、消

費者個人が持つ性格特性と設定する。

2.4 BSRI尺度

本研究では、消費者個人のもつ作動性と共同性を測定する必要がある。男性的

特性、女性的特性は単一次元に考えられていた概念だが、Bem(1974)は男性

性、女性性を独立した二次元のものとみなし、それを測定する性役割尺度(Bem

Sex Role Inventory;以下BSRIと略す)を作成した。そして、そのBSRIの日本語版

を東(1990)が作成した。BSRIは、男性性尺度20項目、女性性尺度20項目、社会

的望ましさ20項目の計60項目からなっており、各項目に対して自分に当てはまる

程度を7件法で回答するように求めるものだ。土肥(2006)は、性格特性に関す

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るジェンダーステレオタイプについて、男性的特性は作動性(agency)、女性的

特性は共同性(communion)がその中核になっていると考えられてきていると述

べている。本研究では、土肥(2006)に依拠し、男性性を作動性、女性性を共同

性と捉え直し、消費者の性格特性を測定する。栗原(2011)に依拠し、BSRIの尺

度ごとに得点を単純加算し、作動性尺度と共同性尺度の中央値を基準として回答

者を、「統合化型」「作動性高型」「共同性高型」「未分化型」の4つにグループ分

けをする。統合化型は作動性・共同性がともに中央値より高い人であり、作動性

高型は作動性が中央値より高く、共同性が中央値より低い人であり、共同性高型

は共同性が中央値よりも高く、作動性が中央値より低い人である。未分化型は作

動性・共同性がともに中央値より低い人である。(図表3)

BSRI尺度は自己概念を測定する尺度として非常によく用いられており、本研究に

おいて個人の性格特性を測定するため尺度として採用した。

図表3:作動性、共同性の二次元的モデルに基づく4つの性格特性

出典:栗原有果(2011)「ジェンダー・タイプと家族イメージに関する研究」

『創価大学大学院紀要』第33号,167-195頁を基に作成

2.5 セルフモニタリング尺度

Kurt et al.(2011)では、「共同性消費者の中でもセルフモニタリングが高い消費者は、同伴の友人がいることで支出を抑える」、「共同性の性格特性を持つ消費者

は同伴の友人の存在によって支出を抑える」、「チャリティや寄付という目的での

支出の場合は同伴の友人の存在によってより高額の寄付を行う」ことが指摘され

ている。

本研究ではセルフモニタリングを測るためにセルフモニタリング尺度を用い

る。Snyder(1974)は、社会的状況要因に対する反応の個人差を説明する社会心

共同性

① 作動性も共同性も高い

(統合化型)

③ 共同性が高く作動性は低い

(共同性高型)

② 共同性が高く作動性は低い

(作動性高型)

④ 作動性も共同性も低い

(未分化型)

作動性

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理学的過程としてセルフモニタリング(Self-Monitoring)を提唱し、その尺度を構

成した。セルフモニタリングは、状況や他者の行動に基づいて自己の表出行動

(expressive behavior)や、自己呈示(self-predentation)が社会的に適切なのかを

観察し(self-observation)、自己の行動を統制すること(self-control)と定義され

る。個人の社会行動は、外的な状況や対人場面における他者の反応などの外的要

因、あるいは自己の内的状態、先有傾向、態度などの内的要因のどちらかの情報

に基づいて決定されるとしている。外的要因に基づいて行動する傾向の強い個人

は、自己の社会的行動の状況的適切さについての関心が高いため、自己の行動を

状況に応じて統制する傾向が強いとされる。(高いセルフモニタリング)これに対

して、内的要因に基づいて行動する傾向の強い個人は自己の社会的行動の状況的

適切さについての関心がそれほど高くないため、自己の行動を状況に応じて統制

する傾向は弱い(低いセルフモニタリング)。高いセルフモニタリングの概念に

は、「社会的行動の適切さへの関心」「重要な手掛かりに対する感受性」「自己規整

(self-regulation)」などの特徴が含まれる(Cheek & Buss1980)。

Schachter(1959)は、第1子の方が他の出生順位の子より親和動機が高いた

め、第1子の方がより高いセルフモニタリングを示すであろうと想定して分析し

たが、差異は認められなかった。また。Younger & Pliner(1976)は、肥満型の方

が細身型よりも高いセルフモニタリングを示すとした。性別ではなく個人の持つ

セルフモニタリングの測定が可能であること、先行研究のセルフモニタリングの

定義と合致することなどから本研究ではセルフモニタリング尺度を用いる。

3 仮説

本研究では、BSRI尺度とセルフモニタリング尺度により共同性と作動性を測定

する。そして、個人がもつ性格特性と消費行動との関係性をみる。また、Kurt et

al.(2011)は、共同性志向の消費者に対しては、寄付やチャリティ以外に支出が

増大する領域について検討すべきギフトなどの可能性を示唆した。本研究では

Kurt et al.(2011)に依拠し、以下の1〜4の仮説を提唱する。

仮説1: 友人の同伴する買い物の時、作動性の高い消費者は、共同性の高い消費者よりも、支出額が高い

仮説2: 友人の同伴する買い物の時、共同性の高い消費者の中でセルフモニタリングの高い人は、作動性の高い消費者よりも支出額が低い

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仮説3: 友人の同伴のもと、寄付やチャリティをする時、共同性の高い消費者の中

でセルフモニタリングの高い人は、作動性の高い消費者よりも高い額を寄

付する

仮説4: 友人の同伴のもと、ギフトを購入する時、共同性の高い消費者の中でセル

フモニタリングの高い人は、作動性の高い消費者よりも高い額のギフトを

購入する

消費者に与える他者の影響の及ぼす先は支出額に加え、先行研究では(図表

1、2)ブランドの選択や購買意向にも影響を及ぼすとされてきた。そこで本研

究では仮説として「消費者の性格特性の違いにより他者から受ける影響は商品選

択にも影響を及ぼす」と考える。具体的には、

仮説5: 共同性の高い消費者は、作動性の高い消費者よりも、友人が勧める商品を選択する

と考える。

4 実験 4.1 実験概要

本研究では、同一消費者の消費行動がどのように変化するのかを消費者側の自

己要因から考察するために、質問紙法による調査を行った。質問項目は、性別、

出生順位、身長、体重に関する質問と、消費行動を問う質問、BSRI尺度、セルフ

モニタリング尺度に関する質問である。全ての質問項目は、7件法で回答を得た。

この実験は、中央大学商学部「広告論II」の授業内において、同大学に在籍する

学生69名に対し、2016年12月19日に実施された。

4.2 消費行動に関する測定

本研究では、影響を受ける消費者側から他者の影響を考察する事を目的として

いる。Kurt et al.(2011)の観察調査を参考に設計した。質問項目は以下の通りで

ある。

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図表4:消費行動に関する質問項目

番号 質問項目

1 一人で買い物に行く時よりも、友人と一緒に買い物に行くほうがよ

り多くの出費をする

2 友人と買い物に行き他の友人にプレゼントを買う時、一人で購入す

るよりも高い金額のプレゼントを購入する(友人と一緒に買うので

はなく、自分一人だけが購入する場合)

3 友人と買い物に行った時、その友人が勧めた商品を購入する

4 一人の時よりも友人と一緒に募金・寄付・義援金などをした時のほう

が高い額を支払う

4.3 BSRI尺度の測定

個人の作動性志向と共同性志向を測定するために、BSRI尺度を用いる。BSRI尺

度は、東(1990)とSnyder(1974)に依拠し設計した。質問項目は以下の通りで

ある。

図表5:BSRI尺度に関する質問項目

尺度 質問項目

作動性 自立した

共同性 従順な

社会的望ましさ おおらかな

作動性 自分の信念を曲げない

共同性 明るい

社会的望ましさ 不真面目な

作動性 独立心がある

共同性 慎しみ深い

社会的望ましさ 快活な

作動性 たくましい

共同性 母性のある

社会的望ましさ 不道徳な

作動性 自己主張的な

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共同性 繊細な

社会的望ましさ 地道な

作動性 精神的に強い

共同性 謙虚な

社会的望ましさ 心の狭い

作動性 力強い

共同性 女らしい

社会的望ましさ 誰にでも平等に接することができる

作動性 判断力

共同性 あいきょうのある

社会的望ましさ 協調性のある

作動性 指導力のある

共同性 人に気をつかう

社会的望ましさ 正直な

作動性 冒険心のある

共同性 物静かな

社会的望ましさ 軽率な

作動性 決断力のある

共同性 思いやりのある

社会的望ましさ 誠実な

作動性 勇敢な

共同性 人に尽くす

社会的望ましさ 画一的な

作動性 意志の強い

共同性 おしとやかな

社会的望ましさ 理解を示す

作動性 男らしい

共同性 あたたかい

社会的望ましさ つまらない

作動性 明確な態度がとれる

共同性 優しい

社会的望ましさ 人情味のある

作動性 積極的な

共同性 素直な

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社会的望ましさ 陰鬱な

作動性 統率力のある

共同性 ちゃめっ気のある

社会的望ましさ 社会性のある

作動性 行動力のある

共同性 純粋な

社会的望ましさ 怠慢な

作動性 頼り甲斐がある

共同性 子供を可愛がる

社会的望ましさ ユーモアのある

作動性 やる気のある

共同性 親切な

社会的望ましさ 愚かな

4.4 セルフモニタリング尺度の測定

個人のもつセルフモニタリングの高さを測るために、セルフモニタリング尺度

を用いる。セルフモニタリング尺度に関する質問は、岩井・田中・中里(1982)

を参考に設計した。逆転項目は項目番号1、2、3、4、12、14、17、20、21、22、

23である。全項目の得点を合計し、セルフモニタリング尺度の得点とする。

図表6:セルフモニタリング尺度に関する質問項目

人の行動をまねるのが苦手だ

自分の気持ちや、考え・信じていることを行動にそのまま表す

パーティーや集まりで、他の人が気に入るようなことを、言ったりした

りしようとはしない

確信を持っていることしか主張できない

あまり詳しくないトッピックスでも即興のスピーチができる

自分を印象付けたり、他の人を楽しませようとして演技することがある

いろんな場面でどう振る舞っていいかわからない時、他の人の行動を見

てヒントにする

たぶん、良い役者になれるだろうと思う

映画や本・音楽などを選ぶ時、友人のアドバイスを滅多に必要としない

実際以上に感動しているかのように振る舞うことがよくある

13

喜劇を見ている時、一人よりみんなと一緒の方がよく笑う

グループの中で、めったに注目の的にならない

状況や相手が異なれば、自分も違うようにふるまうことがよくある

他の人に自分に好意を持たせるのが、特別上手な方ではない

本当は楽しくなくても楽しそうに振舞うことがよくある

私は常に見かけのままの人間というわけではない

人を喜ばせたり人に気に入ってもらおうとして、自分の意見や振る舞い

方を変えようとしない

自分はエンターテイナーであると思ったことがある

仲良くやっていったり、好かれたりするために他の人が自分に望んでい

ることをする方だ

これまでに、ジェスチャーや即興の芝居のようなゲームでうまくできた

試しがない

いろいろな人や状況に合わせて自分の行動を変えていくのは苦手だ

パーティーでは冗談を言ったり話したりするのは他の人に任せて、自分

は黙っている方だ

人前ではきまりが悪くて思うように自分を出せない

良かれと思えば、相手の目を見て真面目な顔をしながら嘘をつくことが

できる

本当に嫌いな相手でも表面上はうまく付き合っていける

5 結果

性格特性では、作動性と共同性の得点をそれぞれ単純加算し、中央値を基準と

して作動性高型と共同性高型とする。本研究では、質問紙調査により収集したデ

ータを基に、作動性は中央値84を基準として作動性高型、共同性は中央値91を基

準として共同性高型とした。得点のヒストグラムは以下の通りである。

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図表7:作動性得点

図表8:共同性得点

仮説1、2、3を検証するために共同性高型の消費者の中でセルフモニタリン

グの高い消費者を選出する必要がある。質問紙調査により収集したデータを基

に、セルフモニタリング尺度の得点を単純加算した。中央値106を基準とし、共同

性高型消費者の中でセルフモニタリングの高い消費者を共同性セルフモニタリン

グ高型とした。

02468

101214161820

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140

人数

得点

0

5

10

15

20

25

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140

人数

得点

15

図表9:セルフモニタリング得点

これらを踏まえ、作動性高型、共同性高型、共同性セルフモニタリング型(共

同性高型の内数)の3つに分類した。人数の分布は以下の通りである。

図表10:人数分布

性格特性 n 男性 女性

作動性高型 34 19 15

共同性高型 31 20 11

共同性セルフモニタリング高型 14 7 7

性格特性ごとに消費行動の平均は以下の通りである(図表11)。質問4「一人の

時よりも友人と一緒に募金・寄付・義援金などをした時のほうが高い額を支払

う」に関しては友人と一緒に募金や寄付を行った人が10人であった。他の質問と

比べ対象が少なく、十分な母集団ではないと判断したため、ここでは質問1、

2、3、仮説における1、2、4について検討をする。

図表11:消費行動

性格特性 支出額

(質問1)

プレゼント支出額

(質問2)

商品選択

(質問3)

作動性高型 4.94 3.87 3.43

共同性高型 3.88 3.84 4.07

共同性セルフモニタリング高型 4.24 4 4.57

0

5

10

15

20

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160 170 180

人数

得点

16

仮説1「友人の同伴する買い物の時、作動性の高い消費者は、共同性の高い消

費者よりも、支出額が高い」と、仮説2「友人の同伴する買い物の時、共同性の

高い消費者の中でセルフモニタリングの高い人は、作動性の高い消費者よりも支

出額が低い」を検討するために、質問1「一人で買い物に行く時よりも、友人と

一緒に買い物に行くほうがより多くの出費をする」の得点を用いて、二元配置分

散分析(対応なし)を行った。

図表12:支出額に関する分散分析

変動因 平方和 自由度 平均平方 F

作動性 6.631 1 6.631 1.698 P>0.5 共同性

(セルフモニタリング) 1.350 1 1.350 0.346 P>0.5

作動性×共同性(セル) 0.766 1 0.766 0.196 P>0.5

誤差 253.842 65 3.905

総和 261.942 69

分散分析の結果、要因「作動性」と「共同性セルフモニタリング」は有意な主

効果はみられなかった。また、交互作用も有意でなかった。そのため、仮説1

「友人の同伴する買い物の時、作動性の高い消費者は、共同性の高い消費者より

も、支出額が高い」仮説2「友人の同伴する買い物の時、共同性の高い消費者の

中でセルフモニタリングの高い人は、作動性の高い消費者よりも支出額が低い」

は採択されなかった。

次に仮説4「友人の同伴のもと、ギフトを購入する時、共同性の高い消費者の中で

セルフモニタリングの高い人は、作動性の高い消費者よりも高い額のギフトを購

入する」を検討するために、質問2「友人と買い物に行き他の友人にプレゼント

を買う時、一人で購入するよりも高い金額のプレゼントを購入する(友人と一緒

に買うのではなく、自分一人だけが購入する場合)」の得点を用いて、二元配置分

散分析(対応なし)を行った。

17

表13:プレゼント時の支出料に関する分散分析

分散分析の結果、要因「作動性」と「共同性セルフモニタリング」は有意な主

効果はみられなかった。また、交互作用も有意でなかった。そのため、仮説4「友

人の同伴のもと、ギフトを購入する時、共同性の高い消費者の中でセルフモニタ

リングの高い人は、作動性の高い消費者よりも高い額のギフトを購入する。」は採

択されなかった。

次に仮説5「共同性の高い消費者は、作動性の高い消費者よりも、友人が勧める

商品を選択する」を検討するため、質問3「友人と買い物に行った時、その友人

が勧めた商品を購入する」の得点を用いて、二元配置分散分析(対応なし)を行

った。

図表14:商品選択に関する分散分析

変動因 平方和 自由度 平均平方 F

作動性 0.002 1 0.002 0.001 P<0.5

共同性 2.176 1 2.176 0.992 P<0.5

作動性×共同性 0.530 1 0.530 0.241 P<0.5

誤差 142.592 65 2.194

総和 145.304 68

分散分析の結果、要因「作動性」と「共同性」は有意な主効果はみられなかっ

た。また、交互作用も有意でなかった。そのため、仮説5「共同性の高い消費者

は、作動性の高い消費者よりも友人が勧める商品を選択する」は採択されなかっ

た。

変動因 平方和 自由度 平均平方 F

作動性 1.445 1 1.445 0.663 P>0.5 共同性

(セルフモニタリング高) 3.382 1 3.382 1.552 P>0.5

作動性×共同性(セル高) 0.621 1 0.621 0.285 P>0.5

誤差 141.672 65 2.180

総和 150.435 69

18

追加分析として、実験の対象を性別と設定し(Kurt et al. 2011)、男女における

消費行動を比較した。

図表15:消費行動平均点(性別)

仮説1「友人の同伴する買い物の時、作動性の高い消費者は、共同性の高い消

費者よりも、支出額が高い」と、仮説2「友人の同伴する買い物の時、共同性の

高い消費者の中でセルフモニタリングの高い人は、作動性の高い消費者よりも支

出額が低い」を検討するために、質問1「一人で買い物に行く時よりも、友人と

一緒に買い物に行くほうがより多くの出費をする」の得点を用いて二標本によるt

検定を行った。結果、t(65)=3.03、p=0.35であり、男性と女性の平均点の差が見

られた。つまり、男性の場合、友人の同伴する買い物の時、支出額が高くなり、

女性の場合、友人の同伴する買い物の時、支出額が低くなる。仮説4「友人の同伴

のもと、ギフトを購入する時、共同性の高い消費者の中でセルフモニタリングの

高い人は、作動性の高い消費者よりも高い額のギフトを購入する」仮説5「共同

性の高い消費者は、作動性の高い消費者よりも、友人が勧める商品を選択する」

においても同様の分析を行ったが、男性と女性の平均点の差は見られなかった。

6 考察

本研究では、他者の存在によって同一消費者の消費行動がどのように変化する

のかを消費者のもつ性格特性から考察した。

理論研究を通じて、同じ条件、状況で他者から影響を受けた場合でも、消費者

の特性によってその後の態度や行動が異なる。影響を受ける消費者側の志向を考

慮した新たな研究視点の必要性が主張されていること(Kurt et al. 2011)が明らか

になった。

影響を受ける消費者側の自己要因として消費者の作動性、共同性の2つのタイ

プの性格特性の違いに着目することで、買い物に同行する友人の存在が、消費者

の支出額と商品選択に及ぼす影響について実験をした。実験において、友人の同

伴する買い物時の作動性と共同性の消費者の支出額の違いを分析した結果、2つ

の消費者に差異は見られなかった。また、プレゼントを購入する場合においても

性別(n) 支出額

(質問1)

プレゼント支出額

(質問2)

商品選択

(質問3)

男性(36) 4.31 3.89 4.25

女性(32) 2.97 3.38 4.34

19

作動性と共同性の消費者の支出額の違いは見られなかった。商品選択において、

共同性の高い消費者の方が作動性の高い消費者よりも友人の勧める商品を購入す

ると考えたが、作動性と共同性の消費者の購買行動の違いは見られなかった。ま

た、追加分析では支出額の大きさに関してのみ、男性と女性で平均の差があり、

男性は友人の同伴する買い物の時、支出額が高くなることが明らかになった。つ

まり、友人を連れた男性客は、店頭において高額な支出を期待できる重要なター

ゲットであることが再度証明された。

今回の実験では統計的な確認を行い、検定の結果は出なかった。しかし、作動

性と共同性の性格特性の違いが買い物に同行する友人の存在によって、消費者の

消費行動に及ぼす影響があるということは、理論から明らかである。

今後の課題として、大サンプルによるデータ収集、質問項目の改良などを図り

たい。また、性格特性の測定の際に使用したBSRI尺度は、1974年に作成された尺

度である。ジェンダーイメージは時代とともに変化し、1970年代から1990年代の

20年の間に男女を区別する性格特性語はかなり減少してきている(湯川、清水、

廣岡2008)。そのため、1974年に男性的だと強く関連付けられたと判断された言葉

が、現代でも同じだけ関連付けられているかどうかを、再度調査し直し、有効性

を確認したうえで使用する必要がある。これらの知見を統合することにより、マ

ーケティング実務において、他者の存在が消費行動に与える影響を解明する有益

な結果を提示することができる。

20

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