カバタ 人気沸騰中の旅グルマ 軽キャンパーのいまを探る!の …2015/07/12...

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人気沸騰中の旅グルマ 軽キャンパーのいまを探る! “BALOCCO Produced by FIELD LIFE” Balocco COCOvan !? 25 17 46 13 使使使使退キッチンシンクと冷蔵庫も標準装備。シンク は小さいが、歯磨きや化粧の時に使う“水場” として捉えれば十分でしょう。キッチン側のア クリル窓は4万800円のオプション。 L字型ソファをアレンジすると、長さ1810㎜、 幅1030 ㎜のベッドができる。スペック上の 就寝定員はルーフベッドと合わせて4名だが、 熟年夫婦なら、上と下にひとりずつですか。 「誰もが憧れるような日本一品質の高い国産 キャンピングカーを作り続けたい」。その一心 で日々新しい技術に挑み、新たなキャンピン グカーの開発を続けているフィールドライフ。 軽キャンパーのみならず、キャンピングカーの ことなら何でもご相談を! 群馬県渋川市中村 755-1 ☎0279-22-4841 http://www.fieldlife.co.jp 特装部外板の壁面に使われる断熱材、ハイ ドロバックパネル。車内の乗員を暑さ寒さか ら守ってくれる。荷台の上に部屋を新築する 軽トラベース・キャンパーならではのスペックだ。 ポップアップルーフ屋根裏のベッド。仲良し ならふたり寝られる。まわり三方のテントはメ ッシュ地になっていて風通しがいい。ルーフ の上げ下げは女性の細腕でもラクにできる。 ハイゼットトラックベースの本格 派軽キャンパー。バロッコとはイ タリア語で「おもちゃ箱」。ベー ス車のグレードにより、車両本 体価格は298.1~334.6万円。 ポップアップルーフもキッチンシ ンクも冷蔵庫もいらない、広い ベッドだけでいいという人には、 スズキ・エブリィバン・ハイルー フベースのCOCO vanもある。 162.3万円より。 新連載「カバタ屋」は、クルマ大好き、乗り物大好きな下野康史が いま気になる「おもしろ乗り物」にまつわるアレやコレを 独自の視点でいろいろ探求してみよう! という企画。 今回は、いま巷で話題の軽自動車をベースにした キャンピングカーについて研究してみた。 フィールドライフ フォト 柏田芳敬 Y.Kashiwada 今月の研究テーマ カバタ よろず 乗り物 研究所 その リポート 下野康史 Y.Kabata レポート 02 軽キャンパー こそが ニッポンの キャンピング カーである 02 SHOP GUIDE FIELD LIFE 116 2015 July 117 2015 July

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Page 1: カバタ 人気沸騰中の旅グルマ 軽キャンパーのいまを探る!の …2015/07/12  · 人気沸騰中の旅グルマ 軽キャンパーのいまを探る!“BALOCCO

人気沸騰中の旅グルマ軽キャンパーのいまを探る!“BALOCCO Produced byFIELD LIFE”

Balocco

COCOvan

 

軽のキャンピングカー!? 

ジョ

ークでしょ、と思う人もいるかも

しれないが、ぼくは最初に聞いた

時からハマってしまった。子ども

の頃、狭い押し入れの中で遊んだ

あの感じがオーバーラップしたか

らだ。大型の豪華キャンピングカ

ーはフツーだが、軽のキャンピン

グカーはロマンを誘う。そう感じ

る人が多いからかどうかは知らな

いが、近年、軽キャンパーが大人

気だという。

 

これだけ軽自動車が売れていて

も、まだメーカー純正のキャンパ

ーはない。手掛けるのは、小規模

な改造メーカーだ。

 

そこでやってきたのは、群馬県

渋川市。関越道・渋川ICそばに

あるフィールドライフは、25年前

から軽キャンパーを製造する老舗

メーカーである。展示場を兼ねた

広いバックヤードで、大はマイク

ロバス改の大型高級モデルまで作

っているが、いまは販売台数の7

〜8割が軽キャンパーだという。

 

この日、見て、乗って、運転も

させてもらったのは「バロッコ」。

ダイハツ・ハイゼットトラックを

ベースにしたフィールドライフ製

軽キャンパーの最高峰である。

 

スタッフの大石純也さんの案内

で、まずは利根川のほとりまで移

動する。試乗車は4WDのMT。

前を見ている限り、ハイゼットト

ラックそのものだが、振り返ると、

赤いソファのリビングダイニング

が広がっている。その落差という

か格差がスゴイ。

 

国道17号を走り出す。前席シー

ト下に搭載されるエンジンは、46

㎰の658㏄3気筒。MTのせい

もあって、意外に走る。ただ、ブ

レーキング時のノーズダイブの大

きさが重さを実感させる。特装化

による重量増は200〜300㎏。

軽トラの最大積載量(350㎏)ほ

どではない。というか、その範囲

内に収まるから車検がとれるわけ

だ。バロッコにはメーカーの新車

保証も付き、全国どこのダイハツ

ディーラーでも整備が受けられる。

 

川べりにクルマを止め、左側の

エントランスドアから部屋に上が

る。その時、向う脛を床の角にぶ

つける。ステップに奥行きがない

ため、少し前かがみになっただけ

で、そうなるのだ。スペースがと

れない軽キャンパーのイタイとこ

ろだ。なんてネガを感じたのは、

それくらいだった。

 

ポップアップルーフを開けると、

キャビンは、肩すかしを食らわせ

るほどの広々感がある。タテヨコ

のサイズが限られていても、天井

が高いと狭さを感じさせないとい

う空間のトリックだ。L字型のソ

ファは、少ない手順でダブルベッ

ドに変わり、天井に床板を渡せば、

ポップアップルーフの真下でもふ

たりが寝られる。

 

その代わり、キッチンシンクは

おままごとサイズ。13ℓの清水タ

ンクと汚水タンク(グレータンク)

を備えて、水は使えるが、コンロ

はない。トイレやシャワーも軽キ

ャンパーは最初から諦めている。

 

1000万円を超すヨーロッパ

の高級モーターホームに何度か乗

ったことがあるが、自由に乗って

下さいという試乗車でも、トイレ

を使うのは御法度だった。たとえ

オーナーになっても、ブラックタ

ンクを自分で処理するのはハード

ルが高そうだ。インフラの整った

日本を旅するなら、重装備は不要

という割り切りは、軽キャンパー

人気の大きな理由だと思う。

 

かなり暑い日だったが、エンジ

ンを止めていても、車内はそれほ

ど暑くならなかった。壁面や床に

大型キャンパーと同じ断熱材を使

用しているからだ。ワゴンやバン

ボディをそのまま使う軽キャンパ

ーとはそこが一線を画すポイント

である。

 

典型的な顧客は、定年退職して

これから国内を旅して楽しもうと

いう熟年カップル。4WDのMT

だと、価格は312万円ほど。軽

としては結構なお値段だが、バロ

ッコのお客さんには、あれこれオ

プションを加えて、乗り出しで5

00万円近くまでいく人もいるそ

うだ。8ナンバーだから、自動車

税は年間5000円。この春から

値上げして10800円になった

軽乗用車の半分以下ですむ。

 

欧米でいう「モーターホーム」

のような大型キャンパーは、たと

えどんなに広くても、広い家には

かなわない。だとしたら、モータ

ーホームのミニマムを突き詰める

バロッコの方がむしろ潔いし、面

白いし、楽しい。軽自動車が日本

の特産品なら、これは日本特産の、

日本発の純和風モーターホームだ。

カバタ屋よろず乗り物研究所とし

ては、世界自動車遺産への登録を

勧告したいところである。

キッチンシンクと冷蔵庫も標準装備。シンクは小さいが、歯磨きや化粧の時に使う“水場”として捉えれば十分でしょう。キッチン側のアクリル窓は4万800円のオプション。

L字型ソファをアレンジすると、長さ1810㎜、幅1030㎜のベッドができる。スペック上の就寝定員はルーフベッドと合わせて4名だが、熟年夫婦なら、上と下にひとりずつですか。

「誰もが憧れるような日本一品質の高い国産キャンピングカーを作り続けたい」。その一心で日々新しい技術に挑み、新たなキャンピングカーの開発を続けているフィールドライフ。軽キャンパーのみならず、キャンピングカーのことなら何でもご相談を!

群馬県渋川市中村755-1☎0279-22-4841http://www.fi eldlife.co.jp

特装部外板の壁面に使われる断熱材、ハイドロバックパネル。車内の乗員を暑さ寒さから守ってくれる。荷台の上に部屋を新築する軽トラベース・キャンパーならではのスペックだ。

ポップアップルーフ屋根裏のベッド。仲良しならふたり寝られる。まわり三方のテントはメッシュ地になっていて風通しがいい。ルーフの上げ下げは女性の細腕でもラクにできる。

ハイゼットトラックベースの本格派軽キャンパー。バロッコとはイタリア語で「おもちゃ箱」。ベース車のグレードにより、車両本体価格は298.1~334.6万円。

ポップアップルーフもキッチンシンクも冷蔵庫もいらない、広いベッドだけでいいという人には、スズキ・エブリィバン・ハイルーフベースのCOCO vanもある。162.3万円より。

新連載「カバタ屋」は、クルマ大好き、乗り物大好きな下野康史がいま気になる「おもしろ乗り物」にまつわるアレやコレを独自の視点でいろいろ探求してみよう! という企画。今回は、いま巷で話題の軽自動車をベースにしたキャンピングカーについて研究してみた。

フィールドライフ

フォト 柏田芳敬 Y.Kashiwada

今 月 の 研 究 テ ー マ カバタよろず乗り物研究所

その

リポート下野康史 Y.Kabata

日本には日本の

モーターホームがある

振り返ると

リビングダイニング

の 巻

レポート 02

軽キャンパーこそがニッポンのキャンピングカーであるカーである

カカーである

カカーである

カカカーである

カカーである

バタタタタタバタバカーであるカーであるカーであるカーであるカーであるカーであるカーであるカーであるカーであるカーであるカーであるカーであるカーであるカーであるカーであるカーであるカーであるカーであるカーであるカーであるカーであるカーであるカーであるカーであるカーであるカーであるカーであるカーであるカーであるカーであるカーであるカーであるカーであるカーであるカーであるカーであるカーであるカーであるカーであるカーであるカーであるカーであるカーであるカーであるカーであるカーであるカーであるカーであるカーであるカーであるカーであるカーであるカーであるカーであるカーであるカーであるカーであるカーであるカーであるカーであるカーであるカーであるカーであるカーであるカーであるカーであるカーであるカーであるカーであるカーであるカーであるカーであるカーであるカーであるカーであるカーであるカーであるカーであるカーであるカーであるカーであるカーである

02

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