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事例カタログ Internet of toilet® 導入事例 富士通の新しい拠点:新川崎テクノロジースクエアに IoT の実践ソリューション「Internet of toilet®」を導入 富士通株式会社 (富士通新川崎テクノロジースクエア) 製品名 導入の背景 新事業所にふさわしい IoT 設備の導入をめざす 株式会社富士通九州システムズ 未来社会ソリューション本部 デジタルサービス開発部 堀野 健児 富士通株式会社 総務・リスクマネジメント本部 新川崎テクノロジースクエア 総務部マネージャー 阿部 賢司 氏 富士通株式会社 総務・リスクマネジメント本部 新川崎テクノロジースクエア 総務部 福井 誠 氏 富士通新川崎テクノロジースクエアは、富士通 のネットワーク事業の中核拠点です。総務・リス クマネジメント本部 新川崎テクノロジースクエ ア総務部は、当該拠点において、働きやすい、安 心安全な環境づくりを一手に担い、従業員のため の様々なサービス・サポートを展開しています。 「新事業所の開設に向けて設備を検討していく 過程で、新しい開発拠点にふさわしい新たな IoT 実践の取り組みとなる設備を導入したいと考えて いました。その時に FJQS から提案されたのが Internet of toilet® でした。トイレの看守り、混 富士通株式会社が、ネットワーク事業の中核拠点と位置付ける富士通新川崎テクノロジースクエア。その開設に合わせて新川崎テ クノロジースクエア総務部では、新しい開発拠点にふさわしい新たな IoT 実践の取り組みとなる設備の導入を検討。そこで選ばれ たのが、富士通九州システムズ(以下、FJQS)のトイレの混雑緩和・看守りサービス「Internet of toilet®」です。元々、トイレの 混雑緩和は各事業所の共通課題でもあるため、 IoT の実践例にふさわしいソリューションと考えました。 Internet of toilet® の導入で、 社員は個室トイレの空き状況を、自席のパソコンやスマートフォン、廊下の表示灯で確認できるため混雑回避に貢献しています。 また、通報ボタンで防災センターへ異常を通知する機能や、長時間利用者に自動音声で呼びかける看守り機能により、急病人の早 期発見をアシストしています。さらに、利用状況のデータを有効活用して従業員の健康管理等に役立てることをめざしています。 各フロアのトイレの空き状況を、自席で確認できるため混 雑回避に貢献。また、通報ボタンや看守り機能により、自 ら動けない急病人の早期発見をアシストし、安心感を提供 している。 利用状況のデータを有効活用して従業員の健康管理等に役 立てることをめざしている。 ネットワーク事業の中核拠点となる新事業所の開設にあた り、新しい開発拠点にふさわしい、新たな IoT 実践の取り組 みとなる設備の導入を検討することになった。 一定の時間帯に個室トイレが混雑する事態をできるだけ解消 するとともに、個室トイレ内で急病を発症した場合に発見の 遅れを防止したい。 トイレの混雑緩和・看守りサービス「Internet of toilet®雑緩和は他事業所も含めた共通の課題であり、安 心安全な環境づくりの一環として効果が期待さ れ、かつユニークな取り組みになると考えました」 と総務・リスクマネジメント本部 新川崎テクノ ロジースクエア 総務部マネージャーの阿部 賢 司氏は振り返ります。 富士通新川崎テクノロジースクエアの人員あた りのトイレ個室数は充実している状況ではありま すが、昼休みなど、どうしても利用が集中する時 間帯には混雑も起こりうると予想されていまし た。「そうした事態を避けるとともに、リスク管 理という観点から、万一、個室内で急病になった 際に早期発見できる仕組みを備えていることを評 価しました」と同本部 新川崎テクノロジースク エア 総務部の福井 誠氏は説明します。 Internet of toilet® は、2016 年 5 月より FJQS が自社で実証実験を進めてきたサービスで、 2017 年 6 月に新川崎テクノロジースクエアに導 入したものは、POC 版です。その後、製品化開 発を行い、2018 年 1 月に製品版の販売を開始し ています。 導入効果 混雑緩和と安心感に加え、 利用状況が可視化 Internet of toilet® は、各フロアのトイレの空 き状況を、自席のパソコンやスマートフォン、廊 下に設置した表示灯で確認できるクラウド型サー ビスです。トイレに実際に向かう前に空き状況が わかるため、空いているフロアのトイレを利用す るなどして、混雑を回避できるようになっていま

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Page 1: 事例カタログ Internet of toilet - Fujitsu事例カタログ Internet of toilet® 導入事例 富士通の新しい拠点:新川崎テクノロジースクエアに IoTの実践ソリューション「Internet

事例カタログ Internet of toilet® 導入事例

富士通の新しい拠点:新川崎テクノロジースクエアにIoT の実践ソリューション「Internet of toilet®」を導入

富士通株式会社(富士通新川崎テクノロジースクエア)

す。プライバシーを考慮して、管理部門、男性、女性でそれぞれ異なるインターフェイスを採用しています。 もうひとつの機能が看守りです。トイレの個室にはドア開閉センサーと緊急通報ボタンを設置して、通報ボタンを押下することで防災センターに設置してあるパトランプが点灯して異常を通知します。また、2018 年 5 月には、トイレの長時間利用者に自動音声で呼びかける機能を追加、自ら動けない急病人についても早期発見できる仕組みを通じて、安心感を提供しています。なお、体調に問題がない場合は、リセットボタンで緊急通報をキャンセルできるようになっています。 「新事業所での導入のため導入前後の効果比較はできませんが、混雑緩和に一定の効果は出ていると思います。事実、個室の空きを待って列をなすような光景は開設以来見かけません。トイレの利用状況は個々人で異なるもので、決して時間制限をしているわけではないものの、あまり長時間利用となると混雑の原因になります。自動音声による呼びかけ機能は、それをやんわりとした形で自覚してもらうことにもつながっているのではないかと考えています」と阿部氏は効果を語ります。 Internet of toilet® では、トイレの利用状況を見える化するための各種のレポートを用意しています。各トイレから取得されたデータは、ゲートウェイからニフクラに送信されてビッグデータとして蓄積。BI 機能によって、ユーザーの利用回数や利用時間を可視化することができます。 「データによって可視化されていくことで、漠然と仮説として捉えていたトイレの利用状況を、裏付けをもって把握できるようになると考えています。実際、当社でも実証実験から、フロアごとの特性や、曜日による違い、さらに同じフロアのトイレでも、奥と手前と中間で個室の埋まる順序があるなど、利用の実態をより正確に把握できるよ う に な っ て き ま し た」(FJQS 未 来 社 会 ソリューション本部 デジタルサービス開発部 堀野 健児)

製品名

導入の背景

新事業所にふさわしいIoT 設備の導入をめざす

株式会社富士通九州システムズ未来社会ソリューション本部デジタルサービス開発部

堀野 健児

富士通株式会社総務・リスクマネジメント本部新川崎テクノロジースクエア 総務部マネージャー

阿部 賢司 氏

富士通株式会社総務・リスクマネジメント本部新川崎テクノロジースクエア総務部

福井 誠 氏

 富士通新川崎テクノロジースクエアは、富士通のネットワーク事業の中核拠点です。総務・リスクマネジメント本部 新川崎テクノロジースクエア総務部は、当該拠点において、働きやすい、安心安全な環境づくりを一手に担い、従業員のための様々なサービス・サポートを展開しています。 「新事業所の開設に向けて設備を検討していく過程で、新しい開発拠点にふさわしい新たな IoT実践の取り組みとなる設備を導入したいと考えていました。その時に FJQS から提案されたのがInternet of toilet® でした。トイレの看守り、混

富士通株式会社が、ネットワーク事業の中核拠点と位置付ける富士通新川崎テクノロジースクエア。その開設に合わせて新川崎テクノロジースクエア総務部では、新しい開発拠点にふさわしい新たな IoT 実践の取り組みとなる設備の導入を検討。そこで選ばれたのが、富士通九州システムズ(以下、FJQS)のトイレの混雑緩和・看守りサービス「Internet of toilet®」です。元々、トイレの混雑緩和は各事業所の共通課題でもあるため、IoT の実践例にふさわしいソリューションと考えました。Internet of toilet®の導入で、社員は個室トイレの空き状況を、自席のパソコンやスマートフォン、廊下の表示灯で確認できるため混雑回避に貢献しています。また、通報ボタンで防災センターへ異常を通知する機能や、長時間利用者に自動音声で呼びかける看守り機能により、急病人の早期発見をアシストしています。さらに、利用状況のデータを有効活用して従業員の健康管理等に役立てることをめざしています。

各フロアのトイレの空き状況を、自席で確認できるため混雑回避に貢献。また、通報ボタンや看守り機能により、自ら動けない急病人の早期発見をアシストし、安心感を提供している。

利用状況のデータを有効活用して従業員の健康管理等に役立てることをめざしている。

ネットワーク事業の中核拠点となる新事業所の開設にあたり、新しい開発拠点にふさわしい、新たな IoT 実践の取り組みとなる設備の導入を検討することになった。

一定の時間帯に個室トイレが混雑する事態をできるだけ解消するとともに、個室トイレ内で急病を発症した場合に発見の遅れを防止したい。

トイレの混雑緩和・看守りサービス「Internet of toilet®」

雑緩和は他事業所も含めた共通の課題であり、安心安全な環境づくりの一環として効果が期待され、かつユニークな取り組みになると考えました」と総務・リスクマネジメント本部 新川崎テクノロジースクエア 総務部マネージャーの阿部 賢司氏は振り返ります。 富士通新川崎テクノロジースクエアの人員あたりのトイレ個室数は充実している状況ではありますが、昼休みなど、どうしても利用が集中する時間帯には混雑も起こりうると予想されていました。「そうした事態を避けるとともに、リスク管理という観点から、万一、個室内で急病になった際に早期発見できる仕組みを備えていることを評価しました」と同本部 新川崎テクノロジースクエア 総務部の福井 誠氏は説明します。 Internet of toilet® は、2016 年 5 月より FJQS

が 自 社 で 実 証 実 験 を 進 め て き た サ ー ビ ス で、2017 年 6 月に新川崎テクノロジースクエアに導入したものは、POC 版です。その後、製品化開発を行い、2018 年 1 月に製品版の販売を開始しています。

導入効果

混雑緩和と安心感に加え、利用状況が可視化

 Internet of toilet® は、各フロアのトイレの空き状況を、自席のパソコンやスマートフォン、廊下に設置した表示灯で確認できるクラウド型サービスです。トイレに実際に向かう前に空き状況がわかるため、空いているフロアのトイレを利用するなどして、混雑を回避できるようになっていま

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2019 年 3 月Copyright 2019 FUJITSU KYUSHU SYSTEMS LIMITED

事例カタログ Internet of toilet® 導入事例

株式会社 富士通九州システムズ(FJQS)未来社会ソリューション本部 デジタルサービス開発部電話:092-260-6211製品ページ:http://www.fujitsu.com/jp/group/kyushu/solutions/business-technology/digital/iot/toilet/

お問い合わせ先

す。プライバシーを考慮して、管理部門、男性、女性でそれぞれ異なるインターフェイスを採用しています。 もうひとつの機能が看守りです。トイレの個室にはドア開閉センサーと緊急通報ボタンを設置して、通報ボタンを押下することで防災センターに設置してあるパトランプが点灯して異常を通知します。また、2018 年 5 月には、トイレの長時間利用者に自動音声で呼びかける機能を追加、自ら動けない急病人についても早期発見できる仕組みを通じて、安心感を提供しています。なお、体調に問題がない場合は、リセットボタンで緊急通報をキャンセルできるようになっています。 「新事業所での導入のため導入前後の効果比較はできませんが、混雑緩和に一定の効果は出ていると思います。事実、個室の空きを待って列をなすような光景は開設以来見かけません。トイレの利用状況は個々人で異なるもので、決して時間制限をしているわけではないものの、あまり長時間利用となると混雑の原因になります。自動音声による呼びかけ機能は、それをやんわりとした形で自覚してもらうことにもつながっているのではないかと考えています」と阿部氏は効果を語ります。 Internet of toilet® では、トイレの利用状況を見える化するための各種のレポートを用意しています。各トイレから取得されたデータは、ゲートウェイからニフクラに送信されてビッグデータとして蓄積。BI 機能によって、ユーザーの利用回数や利用時間を可視化することができます。 「データによって可視化されていくことで、漠然と仮説として捉えていたトイレの利用状況を、裏付けをもって把握できるようになると考えています。実際、当社でも実証実験から、フロアごとの特性や、曜日による違い、さらに同じフロアのトイレでも、奥と手前と中間で個室の埋まる順序があるなど、利用の実態をより正確に把握できるよ う に な っ て き ま し た」(FJQS 未 来 社 会 ソリューション本部 デジタルサービス開発部 堀野 健児)

今後の展望

データ分析でメンタルを含めた健康管理に役立てる

富士通株式会社 名 称設 立所 在 地

代 表 者資 本 金ホ ー ム ペ ー ジ

富士通株式会社1935 年 6 月 20 日[ 本店 ]〒211-8588 神奈川県川崎市中原区上小田中 4-1-1[ 本社事務所 ]〒105-7123 東京都港区東新橋 1-5-2 汐留シティセンター [ 新川崎テクノロジースクエア ]〒212-8510 神奈川県川崎市幸区新小倉 1-1代表取締役社長 田中 達也3,246 億円http://www.fujitsu.com/jp/

お客様プロフィール

テクノロジーソリューション、ユビキタスソリューション、デバイスソリューションの 3 つを事業の柱とする日本を代表する ICT企業。ICT 分野において、各種サービスを提供するとともに、これらを支える最先端、高性能かつ高品質のプロダクトおよび電子デバイスの開発・製造・販売から保守運用までを総合的に提供する、トータルソリューションビジネスを行っている。

 Internet of toilet® は、各フロアのトイレの空き状況を、自席のパソコンやスマートフォン、廊下に設置した表示灯で確認できるクラウド型サービスです。トイレに実際に向かう前に空き状況がわかるため、空いているフロアのトイレを利用するなどして、混雑を回避できるようになっていま

 「現状、アラームが1日平均で 2、3 回は作動しており、都度、防災センターのスタッフが確認するという状況があります。幸い、これまでのところ本当に急を要する病人は発生しておらず、単に長時間利用によるアラームでしたが、対応スタッフの工数を考慮すると、今後、アラームの原因が急病人なのか、単なる長時間利用なのかを自動的に見極める仕組みが必要になると考えています」と福井氏は語ります。 トイレはデリケートな問題でもあることから、システムによって個人を特定するようなことはできません。それでも蓄積したデータを分析することで、健康管理に役立てていくことはできないか

  左から、富士通株式会社 阿部 氏・福井 氏・FJQS 堀野

と考えます。 「アラームの頻度や発生場所・時間帯等の傾向から、従業員の体調や心の健康・ストレスの状況を推し測るためのツールとして活用できるようになり、さらにそこから健康維持・管理につなげられるようになると、真の成果が発揮されるのではないでしょうか」と阿部氏は展望を語ります。 FJQS では、新川崎テクノロジースクエアにおける実証例からのフィードバックを受けて、さらに改善を進めています。新川崎テクノロジースクエアにおける今回の先進的な取り組みに対する関心は高く、富士通のグループ会社をはじめ、周辺地区のお客様など、多くの見学者が訪れています。 「本社や他事業所からの問い合わせも多々あり、今後データを積み重ねるなかで、コスト対効果が実証されていけば、採用例は増えていくのではと考えています」(阿部氏)