住宅事情と住宅政策 - mlit1 住宅事情についての国際比較...

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住宅事情と住宅政策 1.住宅事情についての国際比較・・・・・・・・・・・・・・ 1-1 2.住宅ストックについての量的分析・・・・・・・・・・・・1-2 3.住宅ストックの質的分析・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1-3 4.持家率と居住水準についての分析・・・・・・・・・・ 1-4 5.取得能力についての分析・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1-5 6.日本の持家政策と借家政策の比較・・・・・・・・・・ 1-6 7.住宅政策の国際比較・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1-7 8.住宅政策の課題・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1-8

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住宅事情と住宅政策

1.住宅事情についての国際比較・・・・・・・・・・・・・・1-12.住宅ストックについての量的分析・・・・・・・・・・・・1-23.住宅ストックの質的分析・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1-3

4.持家率と居住水準についての分析・・・・・・・・・・1-45.取得能力についての分析・・・・・・・・・・・・・・・・・・1-56.日本の持家政策と借家政策の比較・・・・・・・・・・1-6

7.住宅政策の国際比較・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1-78.住宅政策の課題・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1-8

1 住宅事情についての国際比較

①日本の住宅数は世帯数を超えて欧米並みだが、中古流通で大きな格差

②戸当たり面積も持家は十分だが借家は不十分。1人当たり面積では見 劣り

③持家率は大同小異

④公共団体が所有する住宅ストックは相当レベル

⑤年収倍率はまだ高い

-④アメリカ(3.26)③イギリス(4.00)②日本・マンション(4.82)①日本・戸建(5.64)住宅の年収倍率(倍) ※3

⑤アメリカ(4%)④日本(7~8%)③ドイツ(8%)②フランス(18%)①イギリス(GB)(22%)公共賃貸住宅の全ストックに占める割合 (%) ※2

⑤ドイツ(40.1%)④フランス(54.7%)③日本(60.3%)②アメリカ(66.9%)①イギリス(UK)(67.3%)持家率(%)※1

⑤日本(33)④フランス(39)③ドイツ(42)②イギリス(43)①アメリカ(62)  ※41人当たりの住宅面積(㎡)※1

⑤日本(44)④イギリス(Eg)(65)②フランス(76)②ドイツ(76)①アメリカ(113) ※4(借家)※1

⑤イギリス(Eg)(92)④フランス(114)③日本(123)②ドイツ(124)①アメリカ(157) ※4(持家)※1

⑤イギリス(Eg)(84)③ドイツ(92)③日本(92)②フランス(97)①アメリカ(151) ※4戸当たりの住宅面積(㎡)   (全体)※1

⑤ドイツ(1.00)

④イギリス(GB)(1.03)

③アメリカ(1.11)

③日本(1.25)

②日本(1.13)

②アメリカ(16.35)

①フランス(1.21)

①イギリス(UK)(21.96)

1世帯当たりの住宅数(戸/世帯)※1

人口千人当たり中古住宅流通量(戸) ※1

※1住宅・土地統計調査('98),American Housing Survey,English House Condition Survey1996等

※2対象としたものは、イギリス:地方公共団体・NT開発公社住宅、住宅協会住宅、フランス:HLM住宅その他の公的借家、ドイツ:公共助成住宅(推計)、日本:公営住宅、公団・公社住宅、(8%は公庫融資賃貸住宅推計分を含む。)アメリカ:公共住宅、連邦(家賃)助成住宅である。

※3年収倍率=住宅価格÷平均年収

日本の住宅価格(戸建):住宅金融公庫利用者平均購入価格(全国)(住宅金融公庫「利用者報告・優良分譲住宅購入資金編」)

日本の住宅価格(マンション):新規発売民間分譲マンション平均価格(首都圏)(不動産経済研究所「全国マンションの市場動向」)

日本の平均年収:全国及び京浜大都市圏の勤労者世帯平均年収 (総務庁「貯蓄動向調査」)

※4アメリカの床面積は中央値であり、戸建て及びモービルホームを対象とする。

48,85349,27349,142

48,22746,40743,900

17,18016,58714,66812,89210,9568,668

124,133

126,444127,623

127,684

126,892125,569

0

10,000

20,000

30,000

40,000

50,000

1995 2000 2005 2010 2015 2020116,000

118,000

120,000

122,000

124,000

126,000

128,000(千世帯) (千人)

資料:国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(1997年1月推計)」 「日本の世帯数の将来推計(全国推計)(1998年10月推計)」

(注)高齢者世帯とは世帯主が65歳以上の世帯

一般世帯

人口

高齢者世帯

2 住宅ストックについての量的分析①今後の世帯増、特に第2次ベビーブーマーが世帯形成期を迎えるなかで、ストック増加が必要。②高齢化及び同居率の低下で、いわゆる相続や同居での解決は困難。

A.今後の世帯増加と住宅ストック B.相続との関係/同居率の低下

○被相続人の年齢別相続発生件数の推移

○日本の人口ピラミッド

○人口、世帯数、高齢者世帯数の将来推計

○同居率の推移

7499

120

6732

101

34

110

38 49

89106

31

150

43

140121

65

0

50

100

150

200

50~54歳 ~59歳 ~64歳 ~69歳 ~74歳 ~79歳 ~84歳 ~89歳 90歳~

千人

平成9年

昭和55年

昭和63年

2世代、3世代同居率 40%

2世代同居(長子18歳以上):25%3世代同居 :15%

平成10年

2世代、3世代同居率 32%

2世代同居(長子18歳以上):22%3世代同居 :10%

※被相続人が30歳の時に第一子が誕生したものと仮定。

昭和55年 平成9年

相続人が最も多い年代※ 45~49歳 50~54歳

(被相続人が最も多い年代) 75~79歳 80~84歳

世帯数ピーク  (2014年)

人口ピーク   (2007年)

0

500

1000

1500

2000

2500

単位:千人 第2次ベビーブーマー世代26~29歳

ベビーブーマー世代51~53歳

2000年10月1日現在人口(推計)資料:国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(1997年1月推計)」

0 1 0 2 0 30 4 0 50 6 0 70 8 0 9 02926 5 1 5 3

今後、5~10年の間に住宅購入のボリュームゾーンの30代に差し掛かる

(資料)「人口動態調査(厚生省)」

(資料)「住宅需要実態調査(建設省)」

0% 20% 40% 60% 80% 100%

借   家(1,648万戸)

持 ち 家(2,636万戸)

住宅総数(4,284万戸)

S46耐震基準一部改正

S56新耐震基準

施行▼

H 1 0 築▼

972万戸

(23% )

1,149万戸

(27%)

2 , 1 6 2万戸

(50% )

654万戸

(25% )

753万戸

(29%)

1,228万戸

(47%)

318万戸

(19% )396万戸

(24%)

934万戸

(57% )

3 住宅ストックの質的分析①ストックの内容をみると、耐震性、間取りなど質的に問題多し。建替えや大規模修繕が必要。国民の満足度も低い。②空家ストックの内容をみると、レジャー用などの本当の余裕部分が少なく、質的にも問題。実際の余裕率は相当落ちる。

○建築時期別ストック割合

(資料)「平成10年住宅・土地統計調査(総務庁統計局)全国編第18表」

6.4 6.1 6.1 6.46.8

7.2 7.46.6 6.8

6.1

5

6

7

8

終戦前

終戦後~ S3

5

S36 ~

45

S46 ~

55

S56 ~

H2H3 ~

7

H8~ 10

.9 全体

持家全体

借家全体

建築の時期

○1居住室当たり畳数(建築時期別・持家/借家別)

(資料)「平成10年住宅・土地統計調査(総務庁統計局)全国編第7表」

住宅総数 : 5,025 万戸

居住世帯のある住宅 : 4,392 万戸

居住世帯の (狭義の)空き家 二次的住宅 別荘 ※1

ない住宅 576 万戸 その他 ※2

632 万戸 (11.5%) 賃貸又は売却用の住宅 352 万戸 (7.0%)

( 12.6%) その他の住宅 ※3

一時現在者のみの住宅 ※4

建築中の住宅

修 理 を 要 し な い 又は小修理を要する

299万戸 (5.9%)

大修理を要する、危

険又は修理不能

※1別荘 : 避暑・避寒などの目的で使用される住宅で、ふだんは人が住んでいな        い住宅      

※2その他 : ふだん住んでいる住宅とは別に、残業で遅くなったときに寝泊まり        するなど、たまに寝泊まりしている人がいる住宅 

※3その他の住宅 : 上記以外の人が住んでいない住宅で、例えば、出稼ぎ・入院           などのため居住世帯が長期にわたって不在の住宅や、建て            替えなどのために取り壊すことになっている住宅

※4一時現在者のみの住宅:昼間だけ使用しているとか、何人かの人が交代でふ               だん寝泊まりしているなど、そこにふだん居住して               いる者が1人もいない住宅

(資料)「平成10年住宅・土地統計調査(総務庁統計局)全国編第21表」

( )内は住宅総数に占める割合。

○空家ストックの内訳

(資料)「住宅・土地統計調査(総務庁統計局)」、「US Census Bureau」

4 持家率と居住水準についての分析 ①持家率が世帯形成期に低く、居住水準の上昇を妨げている。②借家では、世帯形成期の居住水準の向上を図る上で不十分。

A.日米の年齢別持家率比較 B.年齢別居住水準

12.7%

29.2%

49.1%

62.9%

70.0%73.4%

76.9%79.4% 81.5%

18.2%

36.2%

53.6%

63.7%

70.0%73.9%

77.8% 79.8% 82.1% 82.1%

2.7%

79.9%

76.2%

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

80%

90%

-24 25-29 30-34 35-39 40-44 45-49 50-54 55-59 60-64 65-74 75-

アメリカ

日本

(歳)

23.5%

24.4%

14.6%

世帯形成期の持家率が低い

70.5% 69.0%

62.0%

52.2%

44.8% 44.3%

50.8%

59.8%

68.0% 68.5%72.4% 70.7%

24.2%

39.6%33.7%

28.0%24.2% 24.5%

28.3% 29.7% 30.1% 30.7%33.7% 34.8%

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

80%

-24 25-29 30-34 35-39 40-44 45-49 50-54 55-59 60-64 65-69 70-74 75-

持ち家借家

○年齢・所有関係別誘導居住水準達成率

(資料)「平成10年住宅・土地統計調査(総務庁統計局)」

1998年

2,683

2,758

3,579

4,753

5,411

6,123

5,900

5,066

4,488

4,409

4,148

4,238

4,374

4,168

4,138

4,034

4.2

4.2

5.4

7.0

7.4

8.0

7.1

5.8

5.3

5.2

4.8

5.0

5.1

4.7

4.8

4.9

0 2,000 4,000 6,000 8,000

S60

S61

S62

S63

H元

H2

H3

H4

H5

H6

H7

H8

H9

H10

H11

H12

0.0 2.0 4.0 6.0 8.0

634

663

660

682

730

767

828

875

854

854

856

842

853

896

859

815

05001,000

5 取得能力についての分析 ①土地、建築費の値下がりで年収倍率が下がったが、まだ高い②建築費は一般的に下げ止まりつつあり、年収の上昇も期待薄③とくに世帯形成期は教育費負担と相俟って現状でも厳しい。

年収倍率

A.首都圏の住宅価格の年収倍率の推移(マンション)

B.年齢別住居費負担率、教育費負担率

(資料:「家計調査年報」総務省統計局平成12年)

(注)1.住宅のデータは、(株)不動産研究所「全国マンション市場動向」による首都圏の新規発売民間分譲マションの平均値より作成

    ※首都圏:東京・神奈川・千葉・埼玉   2.年収は、総務省「貯蓄動向調査」による京浜葉大都市圏の勤労者平均年収

(年収)(マンション価格)

18.4% 17.6%

12.7%

3.4%

17.3% 17.0% 15.1%

13.5%18.4%

17.5%15.6%

12.9%

0.9%0.6%

3.8%1.3%3.9%

6.6%4.7%

2.8%2.1%

1.3%

0%

5%

10%

15%

20%

25%

~29歳

30~34歳

35~39歳

40~44歳

45~49歳

50~54歳

55~59歳

60~64歳

65歳~

参考

:平均

参考

:借家

2 0 . 5 % 2 1 . 7 %2 2 . 3 %1 9 . 8 % 住居費+教育費

教育費

住居費

6 日本の持家政策と借家政策の比較

持家に対する施策 借家に関する施策

新築 中古 リフォーム 公的借家(直接供給) 借家(民間活力活用) 民間借家 融資

予算措置

法制度 その他

公 庫 融 資

特定優良賃賃貸住宅 高齢者向け優良賃貸住宅 ・建設・リフォーム改造資金融資 ・割増償却(所得税・法人税) ・固定資産税の減免

新住宅ローン減税制度(ローン残高の1%を税額免除)

固定資産税の軽減 (新築住宅に対する税額の減額、住宅用地に係る課税標準を軽減)

公庫に対する補給金(平成13年度 4,400 億円)

高齢者の居住の安定確保に関する法律(H13~) ・高齢者円滑入居賃貸住宅の登録・閲覧制度及び家賃債務保証制度

・終身建物賃貸借制度

定期借家制度(H12~)

住宅の家賃に対する消費税非課税

特定優良賃貸住宅(H11 約12万戸) ・共同施設整備費補助(国 1/3、地方1/3) ・家賃対策補助(国 1/2、地方1/2) ・平成13年度予算:30,000戸

高齢者向け優良賃貸住宅 (H12 約1,700 戸) ・共同施設整備費補助(国 1/3、地方1/3) ・家賃対策補助(国 1/2、地方1/2) ・平成13年度予算:16,000 戸

公団住宅(H13 約75万戸) ・ 平成13年度予算:12,500 戸

公庫融資を受けて建設された賃貸住宅 ・フロー累計178万戸

・ストックベース(推計※) 約133万戸

※賃貸住宅全体の滅失率が一様と仮定

贈与税の特例(住宅取得資金への生前贈与)

不動産取得税の軽減(軽減税率、課税標準の軽減) 同 左

登録免許税の減免

同 左

同 左

公営住宅(H11 217万戸) ・ 地方公共団体の建設に対する補

助(国 1/2) ・ 家賃対策補助(国1/2、地方1/2) ・ 平成13年度予算:4,700 千戸

相続税の特例(小規模宅地等の特例)

住宅の品質確保の促進等に関する法律(住宅の性能評価・表示制度、瑕疵担保責任の義務づけ、紛争処理体制の整備)(H12~)

高齢者の居住の安定確保に関する法律(H13~) ・公庫等による死亡時一括償還型

融資に対する債務保証制度

インターネットの活用によるリフォーム事業の再編(H13~) ・標準契約書、リフォーム事業者情報、

リフォーム工事内容等をインターネット上で提供

中古住宅瑕疵保証制度(H13~) ・築後15 年以内の一戸建て住宅が対

公庫融資を受けて供給された持家 ・フロー累計1,572万戸(H10年度末)

(・新築1,300 万戸、中古56万戸、・リフォーム216 万戸)

・新築ストックベース(推計※)約990万戸 ※持家全体の滅失率が一様と仮定

(介護保険)20万円まで(バリアフリーリフォーム事業費を支援)

7 住宅政策の国際比較

アメリカ イギリス ドイツ フランス 日本

持家施策 住宅ローン保証 政府の保険(FHA)の付いた民間住宅ロー

ンを民間金融機関が証券化し、その証券の元

利払いをジ ニー メイが保証。

モーゲージ担保証券(MBS)の発行 民間住宅ローンをファニー メイ、フレデ ィマックが買上

げ住宅ローン担保証券を発行。

連邦住宅貸付銀行(FHLB)による直接融資(MPFプログラム) 固定金利による融資

住宅ローン利子所得控除 住宅ローンの利子を毎年の所得額から控

除。

公営住宅払い下げ 公営住宅、ニュータウン住宅、住宅協会住

宅を居住期間に応じた値下げ率により払い下

げ。

社会住宅融資 低所得者の持家取得に対し、頭金相当額(2

割程度)を低利で融資。

建築貯蓄金庫による融資 中堅勤労者の住宅取得資金を融資(住宅購

入額の2割迄)

※ 原資は、住宅取得予定者の積立貯蓄。

(積立貯蓄に対し、国から助成)

持家取得に係る補助金給付 住宅新築、購入、増改築に対し、国と地方

が8年間補助金(5%~2.5%)を支給。 復興金融公庫による融資 ① 若年家族世帯の持家取得、

② 断熱工事などリフォー ム、

に対し融資。

住宅費負担額に対する補助(住宅手当) 住居費を所得の一定割合に抑えるため、世

帯規模、所得等から計算された住宅手当を支

給。

0%融資制度 中低所得者の住宅取得に対し、金利0%で

融資。(住宅価格の 20%が上限。国は利息相

当部分を金融機関に対し補助)

住宅貯蓄融資(PEL) 中堅勤労者向け長期低利融資。(上限60万

フラン)

※ 原資は、住宅取得予定者の積立貯蓄。

(積立貯蓄に対し、国から助成)

協定融資(PC) 中堅勤労者向け融資(貸出金利の上限あ

り)。

※ 政府保証付き融資が大半。

住居費負担額に対する補助(住宅手当) 住居費を所得の一定割合に抑えるため、協

定融資等を受けた住宅に居住する世帯を対象

に一定額の住宅手当を支給(=対人住宅手当

(APL))。

住宅金融公庫による融資 住宅建設・取得等に対し、長期・固定・低

利の融資を行う。

新住宅ローン減税制度(所得税) 10年間ローン残高の1%を税額控除。

借家施策

公営住宅 地方自治体から独立した組織である地方公

共住宅庁が供給、管理、運営。家賃負担は応

能家賃制度。

低所得者に対する家賃補助

家賃とは無関係に収入によって一定の額

を補助(バウチャー方式)。

公営住宅 地方公共団体が供給、管理、運営。払い下

げ、住宅協会への移管が進んでいる。

住宅協会(HA)による公的賃貸住宅 住宅協会が公的賃貸住宅の建設、管理を行

う。近年は管理業務の受託、大規模公営住宅

団地譲渡の受け皿等としても機能。

低所得者(ただし、資産を考慮)世帯に対する家賃減額・家賃補助(住宅給付金) 公営住宅居住世帯については家賃を減額、

民間(住宅協会を含む)賃貸住宅居住世帯につ

いては家賃を補助。

社会住宅 国・地方の低利融資を受けて、公益住宅企

業・民間等が建設する住宅。

住宅費負担額に対する補助(住宅手当) 同上

HLM住宅(適正家賃住宅)の建設に対する低利融資(PLUS) 預金供託金庫(CDC)等が社会住宅建設、

改善に係る経費に対し低利融資を行う。

※あわせて、企業からの拠出金を建設資金

として活用。

住居費負担額に対する補助(住宅手当) 住居費を所得の一定割合に抑えるため、協

定融資等を受けた住宅に居住する世帯を対象

に一定額の住宅手当を支給(=対人住宅手当

(APL))。

※上記の他、特定階層を対象とした以下の

住宅手当が存在

家族住宅手当(ALF):夫婦、単身等を対象

に、扶養家族のある世帯への住居費軽減。

社会住宅手当(ALS):扶養家族のいない世

帯への住居費負担を適正化。

公営住宅 公団住宅 特定優良賃貸住宅 高齢者向け優良賃貸住宅 住宅金融公庫による融資

8 住宅政策の課題

〈 現状 〉 〈 課題 〉

○急速な高齢化に対応したバリアフリー住宅が不足

○省エネルギー性・耐震性を備えた住宅が不足

○リフォームでは対応できない老朽・陳腐化した住宅ス トックの存在

○世帯形成期の居住水準が不十分

2.少子高齢化等に対応した市場で流通し得る良質な住宅ストックの整備

○新築住宅のバリアフリー化の普及定着と中古住宅のバリア フリーリフォームの誘導

○省エネルギー、耐震性能を備えた新築住宅の整備促進と中 古住宅のリフォームの誘導

○大量の密集住宅市街地が依然として未整備

○都心部における良質な住宅が不足

○新築住宅に比べて中古住宅流通が著しく見劣り

○中古住宅に対する定期的なメンテナンスやリフォーム

 がなされない

 

1.バランスのとれた住宅ストックの整備

○質的に不十分な老朽住宅ストックの円滑な更新への支援

○世帯増や世帯形成期の居住水準の向上のために一定の広さ

の住宅取得への支援

3.都市居住の再生

○密集住宅市街地の整備解消を緊急に実施

○職住が近接した良質な住宅の供給 

4.ストック循環の仕組みづくり

○中古住宅ストックが市場で円滑に流通し、リフォームしや

 すい住宅市場の環境を整備