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イナビル吸入懸濁用 160 mg セットに係る 医薬品リスク管理計画書 本資料に記載された情報に係る権利及び内容の責任は、第一三共株式会社に あります。当該製品の適正使用に利用する以外の営利目的に本資料を利用す ることはできません。

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Page 1: セットに係る 医薬品リスク管理計画書...1 (別紙様式) 医薬品リスク管理計画書 令和元年7 月19 日 独立行政法人医薬品医療機器総合機構理事長

イナビル吸入懸濁用 160 mg

セットに係る

医薬品リスク管理計画書

本資料に記載された情報に係る権利及び内容の責任は、第一三共株式会社に

あります。当該製品の適正使用に利用する以外の営利目的に本資料を利用す

ることはできません。

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イナビル吸入懸濁用 160 mg セットに係る 医薬品リスク管理計画書(RMP)の概要

販売名 イナビル吸入懸濁用 160mg

セット 有効成分 ラニナミビルオクタン酸

エステル水和物 製造販売業者 第一三共株式会社 薬効分類 87625

提出年月 令和元年 7 月

1.1 安全性検討事項

【重要な特定されたリスク】 頁 【重要な潜在的リスク】 頁 【重要な不足情報】 頁 ショック、アナフィラキシ

ー 3 異常行動 4 低年齢の小児における安全

性 5

気管支攣縮、呼吸困難 3 皮膚粘膜眼症候群、中毒性

表皮壊死融解症、多形紅斑 5

1.2 有効性に関する検討事項

なし 7

↓上記に基づく安全性監視のための活動

2. 医薬品安全性監視計画の概要 頁

通常の医薬品安全性監視活動 8

追加の医薬品安全性監視活動 低年齢の小児に対する本剤投与時の安全

性の検討に関する特定使用成績調査 8

3. 有効性に関する調査・試験の計画の概要 頁

なし 10

各項目の内容は RMP の本文でご確認下さい。

↓上記に基づくリスク最小化のための活動

4. リスク最小化計画の概要 頁

通常のリスク最小化活動 11

追加のリスク最小化活動

医療従事者向け資材の作成と提供 11

患者及び患者家族向け資材の作成と提供 11

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(別紙様式)

医薬品リスク管理計画書

令和元年 7 月 19 日

独立行政法人医薬品医療機器総合機構理事長 殿

住所:東京都中央区日本橋本町三丁目 5 番 1 号

氏名:第一三共株式会社

代表取締役社長 眞鍋 淳

標記について次のとおり提出します。

品目の概要

承 認 年 月 日 令和元年 6 月 18 日 薬効分類 87625

再 審 査 期 間 4 年 承認番号 30100AMX00010000

国 際 誕 生 日 平成 22 年 9 月 10 日

販 売 名 イナビル吸入懸濁用 160mg セット

有 効 成 分 ラニナミビルオクタン酸エステル水和物

含 量及 び剤 型 1 バイアル中にラニナミビルオクタン酸エステル水和物 166.1 mg(ラニ

ナミビルオクタン酸エステルとして 160 mg)を含有する用時懸濁用の

吸入剤及びネブライザ吸入器により構成される医薬品たるコンビネー

ション製品

用 法及 び用 量 成人及び小児には、ラニナミビルオクタン酸エステルとして 160 mg を

日本薬局方生理食塩液 2 mL で懸濁し、ネブライザを用いて単回吸入投

与する。

効 能又 は効 果 A 型又は B 型インフルエンザウイルス感染症の治療

承 認 条 件 医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。

備 考

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変更の履歴

前回提出日

該当せず

変更内容の概要:

該当せず

変更理由:

該当せず

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1. 医薬品リスク管理計画の概要

1.1 安全性検討事項

重要な特定されたリスク

ショック、アナフィラキシー

重要な特定されたリスクとした理由:

1. これまでに実施した吸入粉末剤及び本剤の臨床試験(4402 例)ではショック、

アナフィラキシーの報告はないが、吸入粉末剤の製造販売後に因果関係が否定

できないショック、アナフィラキシーが報告されているため。

2. 発現した場合に重篤な転帰を辿る可能性があるため。

医薬品安全性監視活動の内容及びその選択理由:

【内容】

1. 通常の医薬品安全性監視活動

【選択理由】

ショック、アナフィラキシーの発現状況は、吸入粉末剤の製造販売後に一定の情報

が得られており、通常の医薬品安全性監視活動で情報収集を行う。

リスク最小化活動の内容及びその選択理由:

【内容】

通常のリスク最小化活動として、以下を実施する。

1. 添付文書の「重要な基本的注意」及び「重大な副作用」の項に記載して注意喚

起する。

2. 患者向医薬品ガイドに記載して注意喚起する。

【選択理由】

ショック、アナフィラキシーの発現をより早期に発見し、重篤化を防ぐため、ショ

ック、アナフィラキシーの初期症状及び具体的な処置内容を医療従事者及び患者に

対し確実に情報提供し、適正使用に関する理解を促す。

気管支攣縮、呼吸困難

重要な特定されたリスクとした理由:

1. これまでに実施した吸入粉末剤及び本剤の臨床試験(4402 例)では気管支攣

縮、呼吸困難の報告はないが、類薬である吸入型ノイラミニダーゼ阻害剤で重

大な副作用として報告されており、吸入粉末剤の製造販売後に因果関係が否定

できない気管支攣縮、呼吸困難の症例が報告されているため。

2. 発現した場合に重篤な転帰を辿る可能性があるため。

医薬品安全性監視活動の内容及びその選択理由:

【内容】

1. 通常の医薬品安全性監視活動

【選択理由】

気管支攣縮、呼吸困難の発現状況は、吸入粉末剤の製造販売後に一定の情報が得ら

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れており、通常の医薬品安全性監視活動で情報収集を行う。

リスク最小化活動の内容及びその選択理由:

【内容】

通常のリスク最小化活動として、以下を実施する。

1. 添付文書の「特定の背景を有する患者に関する注意」及び「重大な副作用」の

項に記載して注意喚起する。

2. 患者向医薬品ガイドに記載して注意喚起する。

【選択理由】

気管支攣縮、呼吸困難の発現をより早期に発見し、重篤化を防ぐため、気管支攣

縮、呼吸困難の初期症状及び具体的な処置内容を医療従事者及び患者に対し確実に

情報提供し、適正使用に関する理解を促す。

重要な潜在的リスク

異常行動

重要な潜在的リスクとした理由:

1. 吸入粉末剤の製造販売後に異常行動等の精神神経症状を発現した例が報告され

ているが、抗インフルエンザウイルス薬の使用の有無に関わらず異常行動が発

現するとの報告*があり、因果関係が明確でないため。

*厚生労働省科学班「インフルエンザ様疾患罹患時の異常行動に係る全国的な

動向に関する研究」

2. 発現した場合に転落等の重大な事故につながるおそれがあるため。

医薬品安全性監視活動の内容及びその選択理由:

【内容】

1. 通常の医薬品安全性監視活動

【選択理由】

異常行動の発現状況は、臨床試験及び吸入粉末剤の製造販売後に一定の情報が得ら

れており、通常の医薬品安全性監視活動で情報収集を行う。

リスク最小化活動の内容及びその選択理由:

【内容】

通常のリスク最小化活動として、以下を実施する。

1. 添付文書の「重要な基本的注意」及び「重大な副作用」の項に記載して注意喚

起する。

2. 患者向医薬品ガイドに記載して注意喚起する。

追加のリスク最小化活動として、以下を実施する。

1. 医療従事者向け資材の作成、配布

2. 患者及び患者家族向け資材の作成、配布

【選択理由】

異常行動による転落等の事故を防ぐため、異常行動の具体的な防止策を医療従事

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者、患者及び患者家族に対し確実に情報提供し、適正使用に関する理解を促す。

皮膚粘膜眼症候群、中毒性表皮壊死融解症、多形紅斑

重要な潜在的リスクとした理由:

1. これまでに実施した吸入粉末剤及び本剤の臨床試験(4402 例)では皮膚粘膜眼

症候群、中毒性表皮壊死融解症、多形紅斑の報告はないが、類薬であるノイラ

ミニダーゼ阻害剤では重大な副作用として報告されており、本剤でも発現の可

能性が否定できないため。

2. 発現した場合に重篤な転帰を辿る可能性があるため。

医薬品安全性監視活動の内容及びその選択理由:

【内容】

1. 通常の医薬品安全性監視活動

【選択理由】

皮膚粘膜眼症候群、中毒性表皮壊死融解症、多形紅斑の発現頻度はきわめて低いと

考えられることから、通常の安全性監視活動により発現状況等の知見の収集に努

め、定期的な評価を行う。また、これらの情報を基に、必要に応じて新たな安全性

監視活動の実施を検討する。

リスク最小化活動の内容及びその選択理由:

【内容】

通常のリスク最小化活動として、以下を実施する。

1. 添付文書の「重大な副作用」の項に記載して注意喚起する。

2. 患者向医薬品ガイドに記載して注意喚起する。

【選択理由】

皮膚粘膜眼症候群、中毒性表皮壊死融解症、多形紅斑の発現をより早期に発見し、

重篤化を防ぐため、皮膚粘膜眼症候群、中毒性表皮壊死融解症、多形紅斑の初期症

状及び具体的な処置内容を医療従事者及び患者に対し確実に情報提供し、適正使用

に関する理解を促す。

重要な不足情報

低年齢の小児における安全性

重要な不足情報とした理由:

これまでに実施された臨床試験では、低年齢の小児に安全性上の特段の懸念は認め

られていないものの、吸入粉末剤の使用が困難である 5 歳未満の低年齢の小児で一

定の使用が見込まれるため。

医薬品安全性監視活動の内容及びその選択理由:

【内容】

1. 通常の医薬品安全性監視活動

2. 追加の医薬品安全性監視活動として、特定使用成績調査を実施する。

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【選択理由】

低年齢の小児での安全性を検討するため、本剤の使用状況、患者背景及び有害事象

の発現状況に関する情報の取得可能性を考慮し、特定使用成績調査を実施する。

リスク最小化活動の内容及びその選択理由:

【内容】

通常のリスク最小化活動:なし

【選択理由】

現時点では、低年齢の小児に安全性上の特段の懸念は認められていないため、添付

文書での注意喚起は行わない。今後の安全性情報の収集状況に応じて、注意喚起の

必要性を検討する。

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1.2 有効性に関する検討事項

該当なし

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2. 医薬品安全性監視計画の概要

通常の医薬品安全性監視活動

通常の医薬品安全性監視活動の概要:

副作用、文献・学会情報及び外国措置報告等の収集・確認・分析に基づく安全対策の

検討(及び実行)

追加の医薬品安全性監視活動

低年齢の小児に対する本剤投与時の安全性の検討に関する特定使用成績調査

【安全性検討事項】

低年齢の小児における安全性

【目的】

本剤を使用した 5 歳未満の小児患者における副作用発現状況を把握する。また、

副次評価項目として、これら集団における有効性(解熱時間、罹病時間)を検討

する。

【実施計画】

調査対象:A 型又は B 型インフルエンザウイルス感染症患者に対して本剤を初め

て投与した 5 歳未満の小児患者

実施期間:登録期間:2019 年 11 月 1 日~2020 年 4 月 16 日予定

調査期間:2019 年 11 月 1 日~2020 年 4 月 30 日予定

目標症例数:1000 例

【設定根拠】

既承認のイナビル吸入粉末剤 20 mg の使用成績調査(治療適応)における 10 歳

未満の小児の副作用発現率は 2.5%(24 例/960 例)、5 歳未満の小児の副作用発

現率は 2.4%(1 例/42 例)であった。また、本剤の臨床試験における 5 歳未満

の副作用発現率は 2.8%(2 例/71 例)であった。

本調査における 5 歳未満の小児の副作用発現率を 2.5%程度と仮定し、95%信頼

区間を±1%の精度で評価可能な症例数を算出すると 1000 例となる。

実施方法:中央登録方式にて実施する。

観察期間は 15 日間(本剤吸入日を 1 日目)とする。

【設定根拠】

本剤は長時間作用型の薬剤であるため、臨床試験時の観察期間と同様

に 15 日間と設定した。

【節目となる予定の時期及びその根拠】

当該調査終了時及び安全性定期報告作成時。安全性情報について包括的な検討を

行うため。

【当該医薬品安全性監視活動の結果に基づいて実施される可能性のある追加の措置

及びその開始の決定基準】

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当該調査終了時及び安全性定期報告作成時に、必要に応じて医薬品リスク管理計

画の見直しを行う。

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3. 有効性に関する調査・試験の計画の概要

該当なし

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4. リスク最小化計画の概要

通常のリスク最小化活動

通常のリスク最小化活動の概要:

添付文書及び患者向医薬品ガイドによる情報提供

追加のリスク最小化活動

医療従事者向け資材の作成と提供

【安全性検討事項】

異常行動

【目的】

本剤投与後の異常行動発現のリスク周知と異常行動による転落等の事故防止のた

めの情報提供を行う。

【具体的な方法】

インフルエンザ流行期に合わせて MR が提供、説明し、資材の活用を依頼す

る。

企業ホームページ(医療関係者向け)に掲載する。

【節目となる予定の時期、実施した結果に基づき採択される可能性がある更なる措

置】

リスク最小化活動の更なる強化が必要と判断される場合は、資材の改訂、配布方

法等の実施方法の改訂、追加の資材作成等を検討する。

節目となる予定の時期: 安全性定期報告時

患者及び患者家族向け資材の作成と提供

【安全性検討事項】

異常行動

【目的】

本剤使用後の異常行動発現のリスク周知と異常行動による転落等の事故防止のた

めの情報提供を行う。

【具体的な方法】

インフルエンザ流行期に合わせて MR が提供、説明し、資材の活用を依頼す

る。

企業ホームページ(医療関係者向け)に掲載する。

【節目となる予定の時期、実施した結果に基づき採択される可能性がある更なる措

置】

リスク最小化活動の更なる強化が必要と判断される場合は、資材の改訂、配布方

法等の実施方法の改訂、追加の資材作成等を検討する。

節目となる予定の時期: 安全性定期報告時

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5. 医薬品安全性監視計画、有効性に関する調査・試験の計画及びリスク最小

化計画の一覧

5.1 医薬品安全性監視計画の一覧

通常の医薬品安全性監視活動

副作用、文献・学会情報及び外国措置報告等の収集・確認・分析に基づく安全対策の検討

(及び実行)

追加の医薬品安全性監視活動

追加の医薬品安全

性監視活動の名称

節目となる症例

数/目標症例数

節目となる

予定の時期実施状況

報告書の作

成予定日

特定使用成績調査 1000 例/1000 例 ・安全性定期

報告時

・報告書作成

販売開始後に

実施予定

2020 年 12 月

予定

5.2 有効性に関する調査・試験の計画の一覧

有効性に関する

調査・試験の名称

節目となる症例

数/目標症例数

節目となる

予定の時期実施状況

報告書の作

成予定日

該当なし

5.3 リスク最小化計画の一覧

通常のリスク最小化活動

添付文書及び患者向医薬品ガイドによる情報提供

追加のリスク最小化活動

追加のリスク最小化活動の名称 節目となる予定の時期 実施状況

医療従事者向け資材の作成と提供 安全性定期報告書提出時 実施前

患者及び患者家族向け資材の作成

と提供

安全性定期報告書提出時 実施前