インフラを取り巻く状況と インフラメンテナンス革命ministry of land,...
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Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism
インフラを取り巻く状況とインフラメンテナンス革命
平成30年7月30日
国土交通省 総合政策局 公共事業企画調整課
事業総括調整官 吉田 邦伸
1.インフラメンテナンス国民会議の概要 … 3
2.設立以降の取組みと今後の展開 …10
3.社会資本メンテナンス戦略小委員会 …20
2
1.インフラメンテナンス国民会議の概要
3
・我が国企業の海外展開⽀援・海外での競争⼒のある産業の育成
インフラメンテナンス革命 ~確実かつ効率的なインフラメンテナンスの推進~
ベストプラクティスの⽔平展開全国10ブロックにフォーラムを設⽴
⾰新的技術の開発と実装の加速 ⺠間企業のノウハウ活⽤
産学官⺠の技術や知恵を総動員するプラットフォームである「インフラメンテナンス国⺠会議」の取組を推進
⇒ インフラメンテナンス⼤賞の受賞案件をはじめとしたベストプラクティスを強⼒に横展開第2回インフラメンテナンス⼤賞
国⼟交通⼤⾂賞
メンテナンス産業
多様な産業分野ICT、ベンチャー、保険、素材、ロボット 等
建設関連産業ゼネコン、地元メンテナンス業 等
解決策の提案
課題の共有
施設管理者国、都道府県、市町村
連携
取組の活性化
新技術実装の後押し
⺠間企業のノウハウ活⽤
・現場試⾏の本格化
技術連携の後押し
・⾃治体の議論の活性化
会員( )の規模も拡⼤し、活動が本格化 ⇒ 新たな取組を進める⾃治体・⺠間企業の課題解決等を⽀援
⾃治体同⼠で⺠間の新技術等導⼊時の⾃治体内部の課題、解決策を共有し、同⼀の課題を持つ⾃治体グループによる解決に向けた取組を推進
199者 (2016.11) ⇒ 1,472者 (2018.7)
海外市場の拡⼤新たな市場展開
点検・診断のメンテナンスサイクル⼀貫システムを試⾏
×下⽔圧送管路の効率的な調査⼿法を試⾏
×
施設管理者のニーズに併せた現場試⾏を展開し、技術開発にもフィードバック
■新技術導⼊研究・意⾒交換会(品川区)
(セミナー、ピッチイベント等 16回実施) (フォーラム等 16回実施)
ベストプラクティスの掘り起こし・横展開
全国でフォーラム設⽴ メンテナンス実施現場における⼯夫部⾨ メンテナンスを⽀える活動部⾨
○我が国のインフラは急速に老朽化が進み、維持管理・更新費用が増大し、将来的な担い手不足が懸念されており、 予防保全等の計画的なメンテナンスによる費用の平準化・縮減や作業の省人化、効率化を図っていくことが必要
○インフラメンテナンスサイクルのあらゆる段階において、多様な産業の技術やノウハウを活用し、メンテナンス 産業の生産性を向上させ、メンテナンス産業を育成・拡大することで、確実かつ効率的なインフラメンテナンスを実現
プロジェクトの概要 インフラメンテナンス国民会議 推進体制 (2018.5時点)
(テーマ) 革新的技術 自治体支援 海外市場展開技術者育成 市民参画
北海道 東北 関東 北陸 中部 近畿 中国 四国 九州 沖縄(地方)
会員数 1472者 (企業 590 行政 613 団体 135 個人 134)
会 長:冨山 和彦 株式会社経営共創基盤代表取締役CEO
副会長:家田 仁 政策研究大学院大学 教授
フォーラム
技術開発部⾨県有施設の保有総量縮小・効率的利用・長寿命化の推進~次世代への価値ある施設の継承のために~
(⻘森県)みんなで守ろう。「橋のセルフメンテナンスふくしまモデル」の構築と実践
(⽇本⼤学⼤学院)
営業車に搭載可能な軌道検測装置の開発と実用化 (公共財団法⼈
鉄道総合技術研究所)
全国に先駆けて県有施設の効果的・効率的な維持管理や⻑寿命化等の取組を進め、全庁的な公共施設等のマネジメントを組織的かつ継続的に実施。
地域の橋を住⺠でも⽇常点検可能なチェックシートを作成し、住⺠だけでなく⾼校⽣の課外活動やインハウスエンジニアの巡回点検にも活⽤。点検結果を電⼦地図上にまとめ地域の橋の清掃活動等の予防保全活動を実施。
本装置を営業⾞に搭載し軌道検測の頻度を⾼めることで従来よりも軌道変位の時間的な変化を詳細に把握して、起動状態の診断、将来予測の各精度を⾼め、保守の効率化を実現。⾼校⽣による
橋梁の⽇常点検効率的利⽤等の⼀例庁舎の減築・耐震化
営業⾞の下部に検測装置を設置
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インフラメンテナンス国民会議 設立概要について
設立の背景(平成28年11月28日設立)■ インフラは豊かな国民生活、社会経済を支える基盤であり、急速にインフラ老朽化が進む中で施設管理者は限られた予算の中で対応しなければならず、インフラメンテナンスを効率的、効果的に行う体制を確保することが喫緊の課題
■ 豊かな国民生活を送る上でインフラメンテナンスは国民一人ひとりにとって重要であることから、インフラメンテナンスに社会全体で取り組むパラダイムの転換が必要
目的 国民会議の性格
産官学民が連携するプラットフォーム
設立の位置付け
■ 社会資本整備審議会・交通政策審議会技術分科会技術部会 提言(平成27年2月)「社会資本のメンテナンス情報に関わる3つのミッションとその推進方策」
■ 日本再興戦略改訂2015-未来への投資・生産性革命-(平成27年6月30日閣議決定)
■ 日本再興戦略2016-第4次産業革命に向けて-(平成28年6月2日閣議決定)
■ 政務官勉強会 提言(平成28年7月29日)
準備状況■ 意見交換会(平成27年11月~12月、平成28年4月)2回■ 部会・フォーラム準備会(平成28年6月2日~9月29日)延べ11回
1. 革新的技術の発掘と社会実装
2. 企業等の連携の促進
3. 地方自治体への支援
4. インフラメンテナンスの理念の普及
5. インフラメンテナンスへの市民参画の推進
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支援
組織体制
自治体支援
総 会
国(国土交通省および関係省庁)
企画部会
■ 会長
実行委員会
企画等
広報部会
インフラメンテナンスの理念普及、国民会議の広報
自治体の課題解決、自治体のニーズ・民間企業等のノウハウの情報交換
海外市場展開
オープンイノベーションによる異業種の連携や技術の融合、マッチング
革新的技術
公認フォーラム
技術者育成
地域における技術者育成の活動を支援
市民参画
インフラやメンテナンスへの関わりを深めるための実践活動を展開
地方フォーラム
地方におけるオープンイノベーション推進等(全国10ブロック)
海外への情報発信や海外展開案件形成
インフラメンテナンス大賞
国民会議全体の運営
公認フォーラム
国民会議 会員(平成30年7月24日時点)1,487者(企業597、行政613、団体138、個人139)
冨山 和彦株式会社経営共創基盤代表取締役CEO
家田 仁政策研究大学院大学 教授
■ 副会長
インフラメンテナンス国民会議 推進体制について
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【北海道ブロック】(フォーラムリーダー)
北海道大学 横田 弘(活動計画)
・自治体のニーズの明確化・ニーズとシーズのマッチングの実施・実証実験の効果の検証・得られた成果の情報発信 等
【東北ブロック】(フォーラムリーダー)
東北学院大学 石川 雅美(活動計画)
・テーマ毎にマッチングイベント等を実施・産学官,企業間の連携推進・自治体間の情報共有 等
【北陸ブロック】(フォーラムリーダー)
長岡技術科学大学 丸山 久一(活動計画)
・様々な発注方式の検討、導入支援・新技術、新工法の情報共有・登録メンターによる個別技術相談 等
【中国ブロック】(フォーラムリーダー)
広島大学 藤井 堅(活動計画)
・オープンイノベーションによるマッチング・自治体ニーズ解決に向けた民間との情報共有・地域における技術者育成支援 等
【九州ブロック】(フォーラムリーダー)
九州大学 日野 伸一(活動計画)
・自治体ニーズの抽出・民間シーズとのマッチング・マッチング技術の適用性、効果等の検証 等
【四国ブロック】(フォーラムリーダー)
愛媛大学 谷田部 龍一(活動計画)
・自治体ニーズの収集・民間シーズのマッチング・マッチングの場の提供 等
【近畿ブロック】(フォーラムリーダー)
国土政策研究会 片岡 伸之(活動計画)
・自治体ニーズの収集、民間シーズの収集・マッチングのコーディネート 等
【沖縄ブロック】(フォーラムリーダー)
琉球大学 有住 康則(活動計画)
・自治体のニーズの明確化・ニーズとシーズのマッチングの実施・現場施行の適用性、効果用を検証 等
【中部ブロック】(フォーラムリーダー)
玉野総合コンサルタント 原田 和樹(活動計画)
・ニーズ、シーズの情報交換・オープンイノベーション・技術の現場検証 等
【関東ブロック】(フォーラムリーダー)
大日本コンサルタント株式会社 小林 大(活動計画)
・自治体の課題の明確化・共有・実証試験、企業マッチング等の実施 等
インフラメンテナンス国民会議 地方展開について
○ ベストプラクティスの全国的な普及に向けて、各フォーラム等の地方における活動(地方フォーラム)を展開○ 全国10ブロックにおいて地方フォーラムが設立され、H30年度より各フォーラムで取組を展開
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インフラメンテナンス国民会議 参加会員内訳(H30.7.24時点)
会員内訳
企業会員597者
団体会員138者
⾏政会員613者
個⼈会員139者
全会員1,487者
会員種別 現在(H30.7.24)
設⽴時(H28.11.28)
増加数
企業会員 597 95 502
⾏政会員 613 73 540
団体会員 138 27 111
個⼈会員 139 4 135
計 1,487 199 1,288
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インフラメンテナンス国民会議 地方・会員種別内訳(H30.7.24時点)
北海道 東北 関東 北陸 中部 近畿 中国 四国 九州 沖縄 海外 記載無し 合計
⾏政会員数 56 64 133 25 91 75 38 38 78 15 0 0 613
企業会員数(本社ベース) 34 46 254 32 56 68 33 28 34 11 1 0 597
団体会員数(連絡先ベース) 2 17 60 9 9 16 6 6 9 4 0 0 138
個⼈会員数(連絡先ベース) 6 10 57 6 8 21 10 5 9 1 0 6 139
合計 98 137 504 72 164 180 87 77 130 31 1 6 1487
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国民会議 地方フォーラム等への参画について
⼊会⽅法(会費無料)
(インフラメンテナンス国⺠会議ウェブサイト トップページ)
TEL : 03-5253-8111(24543,24544) MAIL : [email protected]事務局:国⼟交通省 総合政策局 公共事業企画調整課 佐藤、福⽥
インフラメンテナンス国⺠会議 で検索頂き、会員申込のページから⼊会申込書をダウンロード頂き、
こちらから⼊会申込⼿続きができます!
※⼊会後、ご登録のメールアドレス宛に国⺠会議の取組をお知らせするメルマガが隔週⽕曜⽇に届きます。※各地⽅における活動⽀援への参加についても、本メルマガよりご案内しますのでそちらからご確認ください。
必要事項をご記⼊の上、事務局まで送付下さい
各地方フォーラムの活動において、・SIP等の開発主体により開発された新技術の実装に向けて取り組みます・自治体等施設管理者に有用な技術開発・取組について情報提供します
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2.設立以降の取組みと今後の展開
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○施設管理者のニーズや課題に対し、ピッチイベントやコンテスト等により解決のシーズ技術を掘り起こし、オープンイノベーションにより技術開発を促進
○技術開発にあたり企業マッチングや現場試行等をコーディネート
○セミナー等の技術紹介等を通じ、開発した技術の社会実装を後押し
革新的技術フォーラム
企業マッチングや現場試行
セミナー・シンポジウム等
技術開発の進んできた道路路面性状の効率的把握技術について、現場での実践事例の紹介と技術比較を行うセミナーを開催
参加者:約400名(本会場 約150名、サテライト会場 約100名、ウェブセミナー 約150名)
■道路舗装診断の自治体現場における実践事例セミナー
(これまでに10回実施)
■AI時代のインフラメンテナンスとビッグデータのあり方セミナー参加者:約500名(Webセミナーを含む)
〈テーマ〉 陸上・水中レーザードローン
IoTの活用、ビックデータの活用 など
・ 200m間の河川の形状が不明・ 現在のドローン測量では植生下は×
・ 航空レーザー測量はコスト大
課題・ 航空レーザー測量システムを
超小型化し、ドローンに搭載・ グリーンレーザーにより水中も測量
・ 低空からの高密度測量
面的連続データによる河川管理へドローン
グリーンレーザーは水中を透過する
ピッチイベント・フォーラム等(これまでに22回実施)
■ 企業マッチング(企業の連携、技術の融合)
■ 現場試行等
カメラによる舗装ひび割れ解析技術を試行し、約30kmの解析を実施
路面性状把握技術
ひび割れ率≧40%:ひび割れ率≧20%:ひび割れ率<20%:
富⼠通交通・道路データサービス
×
東芝インフラシステムズ
×
非破壊かつ、スピーディーに腐朽診断が可能な技術を試行
下水道本管から取付管を調査するTVカメラシステムを試行
樹木管理技術
下水道点検調査技術
×
×
インクリメントP
路面性状把握技術の海外展開
海外での技術適応性評価と新たな道路関連情報サービスの実現を目指し「舗装劣化状況把握技術の実証実験」をタイで実施
解析結果
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革新的技術フォーラム
「AI時代のインフラメンテナンスとビッグデータのあり方」セミナー 開催結果 (H29.10.16)
○⾰新的技術フォーラムの取組として、AI時代を迎えるにあたり「ビッグデータを扱う施設管理者や技術開発に携わる企業等に求められる視点」及び「ビッグデータ活⽤のための環境整備のあり⽅」を明らかにし、今後の企業連携や官⺠連携のきっかけとするためのセミナーを開催
○インフラメンテナンス分野でのAI活⽤の可能性や最新技術・取り組みの紹介があったほか、良質で⼤量のデータが深層学習に必要であること、教師データを産学官で連携して整備する必要性、AIを活⽤した「⼈の判断」⽀援による⽣産性向上の⽅向性等が共有された
開催概要<プログラム>
開会挨拶、①国の動向に関する話題提供、②ビッグデータの活⽤に求められる視点に関する特別講演、③インフラメンテナンスにおけるビッグデータ活⽤の最新技術紹介、④ビッグデータ活⽤に向けた⾃治体等の取り組み紹介、質疑応答<参加者>
約500名(Webセミナーを含む)<会場>
富⼠通デジタル・トランスフォーメーション・センター
会場の様⼦
佐藤寿延⽒(国交省 ⽔管理・国⼟保全局)「河川⾏政における
ビッグデータ時代の到来と課題」
⽯井宏幸⽒(国交省 ⽔管理・国⼟保全局)「下⽔道管路メンテナンスの
取組と今後の⽅向性」
新⽥恭⼠ ⽒ (国交省 総合政策局)「国交省におけるインフラロボット
導⼊の取組とAIへの期待」
若原敏裕 ⽒ (内閣府「SIP」)「SIPインフラにおける
AIの活⽤について」
古⽥ 均 ⽒ (関⻄⼤学)「AIのインフラメンテナンスへの応⽤
―AIと『データの品格』担保ー」
森⽥千尋 ⽒ (宮崎⼤学)「地⽅の道はだれがいかに守っていくのか!
〜道守とICTによるインフラ⻑寿命化〜」
岡⾕貴之 ⽒ (理化学研究所/東北⼤学)「画像認識のフロンティアと
インフラ維持管理応⽤の可能性」
相⾺知也 ⽒ (⽇本電気(株))「AIを活⽤した
インフラメンテナンスの取り組み」
甲斐隆嗣 ⽒ ((株)⽇⽴製作所)「ビッグデータやAI活⽤の
⽅策と考慮点」
吉澤尚⼦ ⽒ (富⼠通(株))「デジタル⾰新を加速する
富⼠通のAIご紹介」
蝦名拓也 ⽒ ((株)グリッド)「AIベンチャーから⾒た
インフラ分野の魅⼒」
情野正彦 ⽒ (葛飾区)「インフラ維持管理データのあり⽅」
君島昭⼀ ⽒ (柏市)「柏市の道路維持管理における
データ活⽤の取り組み」
⾼野正克 ⽒ (⾸都⾼速道路(株))「⾸都⾼のインフラマネジメント
システム『i-DREAMs』」
鈴⽊ 学 ⽒ (国交省 総合政策局) 開会挨拶
Webセミナー配信状況
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○⼩型無⼈航空機(ドローン等)によるインフラ点検・診断技術をテーマとして取り上げ、その試⾏・導⼊等を⽀援するための情報交換の場として、セミナーを開催した。
○前半は、インフラの点検・診断にドローンを実⽤化するための政策の動向の紹介を⾏い、後半は、メンターを招き、橋梁点検におけるドローンの試⾏結果等の発表とともにメンターから意⾒や助⾔をいただいた。
○最後に発表者と出席者との意⾒交換が盛況に⾏われ、発表者や出席者の今後の技術開発や企業連携に向けて有意義な情報交換の場となった。
開催概要<プログラム>(午前)開会挨拶、①国の動向に関する話題提供、②基調講演1 インフラメンテナンスの必要性について、③基調講演2 ドローンの安全な運⽤に向けて、(午後)メンター挨拶、④インフラメンテナンスを実現するドローンサービス基盤、⑤インフラ構造物へのアクセスを⽀援するドローン技術、⑥様々なドローン活⽤事例、閉会挨拶、(プログラム終了後)登壇者との名刺交換会<参加者>
約260名<会場>
JR品川イーストビル20F (株)⽇⽴製作所内 Hall
革新的技術フォーラム「ドローン×インフラメンテナンス」連続セミナー 開催結果 (H30.5.10)
開会挨拶 鈴⽊学 ⽒(国交省総合政策局 事業総括調整官)
主催:インフラメンテナンス国民会議~第1回 ドローン関連政策・技術開発動向~
会場の様⼦
閉会挨拶 メンター代表 六郷恵哲 ⽒ 名刺交換会の様⼦
セミナーの狙い
講演⾵景
○他分野における活用状況の習得
・インフラ分野以外におけるドローン開発、活用状況を学ぶ
○インフラメンテナンスでドローンが実用化・普及しない背景にある課題や
改善策について
・「点検で使うに至っていない」自治体と「点検で十分使える」と考える企業
のギャップを共有する
・十分に活用が進まない理由は、製品側にあるものとの立場に立ち、
ギャップを埋めるためには、どのようなイノベーション、マッチングが必要
か考える
○プレゼン企業等のさらなる技術開発の促進、ソリューションへの導き
・プレゼン企業と他企業が協力をして、改善策の開発を促進する
・自治体が活用したくなる、具体的なソリューションの提案へ導いていく
メンターの⽅々(左から)六郷恵哲 ⽒(岐⾩⼤学⼯学部社会基盤⼯学科 名誉教授)、齋藤修 ⽒(茨城⼤学⼯学部ICTグローカル教育研究センター 副センター⻑・特命教授)、阿部雅⼈ ⽒(㈱ビーエムシー 研究・開発部部⻑)、⼟橋浩 ⽒(⾸都⾼速道路㈱ 保全・交通部⻑) 14
○自治体等が抱える体制や制度面等の課題や、それらに対する自治体の取り組み、民間企業等のノウハウ等についての情報交換等を促進
○自治体の課題解決に向けて、他の自治体の経験や民間企業等の知恵やアイデア等を参考にしてグループ討議を行い、解決の方向性を模索
平成29年2月21日 自治体支援フォーラム
〇場 所:富士ゼロックス株式会社お客様共創ラボラトリー〇参加者:施設管理者 7団体 28名
その他参加企業・団体等 34団体 35名
〇討議テーマ①自治体における技術者育成②建築物の劣化診断調査③メンテナンスへの市民参画④自治体における包括的民間委託の取組紹介
自治体支援フォーラム
ICTツールの導入により遠隔自治体等の参加を実現
フォーラムの様子
フォーラムには2自治体、3企業が遠隔参加
平成29年6月2日 自治体支援フォーラム「インフラ老朽化時代におけるレジリエントな郡山を目指して」
〇場 所:郡山市役所〇参加者:メンター 4名、自治体 23名(郡山市他6市町村、福島県)
民間企業等 38名、国土交通省 9名
〇討議テーマ①橋梁長寿命化修繕計画の策定②道路舗装の予防保全型維持管理の導入③道路維持補修業務における地域建設業の
連携やノウハウの活用方法の模索④市民参画の可能性
現地視察(大黒橋) 班別討議
⇒紹介された技術やノウハウを現場試行や長寿命化計画の検討に活用⇒このような取り組みを地方フォーラム等を通じ他の地域に展開⇒自治体の取り組みや工夫等をデータベース化して水平展開
市民がスマートフォンでインフラの不具合を通報し課題を共有する事例の運用の工夫等について説明
(例) 千葉市の取組
copyright(C)2014 ZENRIN CO., LTD.(Z14LD第1048号)
市長挨拶
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○12⽉18⽇(⽉)、⾃治体同⼠で新技術等導⼊における経緯、課題、解決策等を共有し、課題を解決するアイデア等を⽣み出すフラットな交流の場として「新技術導⼊研究・意⾒交換会」を品川区で開催。
○今後は本フォーラムでの議論を踏まえて、維持管理分野への新技術導⼊において各⾃治体が抱える課題を整理していき、各課題を解決する取組事例について研究を深め、横展開を図ることとした。
自治体支援フォーラム 新技術導入研究・意見交換会 開催結果(H29.12.18)
〈プログラム〉趣旨説明、取組紹介(⼟⽊学会、先進⾃治体)、班別討議、意⾒交換会、まとめ
〈参加者〉62名(メンター2名、⾃治体32名(18⾃治体)、国⺠会議運営・国⼟交通省28名)
品川区 「ICT活⽤によりデータが蓄積されてきた。多並 知広 ⽒ またこのような場で次の展開を議論したい」
〇新技術導⼊のメリット、期待される効果を把握することが難しい
〇直轄現場での新技術の実証結果等が⾃治体に共有できれば住⺠説明の材料になる
〇30代、40代の技術者が少ない中でどのように技術継承を図っていくかが課題
〇LCC・アセットマネジメントの考え⽅を導⼊するために情報共有をどう進めるか
ICTを活⽤した「道路パトロール⽀援サービス」による新たな点検⼿法の導⼊を検討した取組等を説明
千葉市 「新技術導⼊により業務が発⽣することも多いが⼤森 信⼈⽒ 全体の効率化を図る上で関係者の理解が必要」
⼟⽊学会 「新技術導⼊にはそのメリットの説明が重要。塚⽥ 幸広 ⽒ 次世代の技術者が新技術導⼊を求めている」
東京都市⼤学「技術継承には今後ICT等の⺠のコンテンツ皆川 勝 ⽒ と学の持つ教え⽅の技術との融合が必要」
班別討議
⼟⽊学会・先進⾃治体の取組紹介
意⾒交換会(メンター・先進⾃治体・国⼟交通省)
国⼟交通省 「⾃治体間の情報共有に国⺠会議を有効活⽤鈴⽊ 学 ⽒ 頂ければ。今後も継続参加をお願いしたい」(討議結果より抜粋)
公益社団法⼈⼟⽊学会 品川区 千葉市市⺠がスマートフォンでインフラの不具合を通報して課題を共有する「ちばレポ」の運⽤の⼯夫等を説明
「社会インフラ健康診断」を通じたインフラの⽼朽化の現状とメンテナンスの必要性や課題の認識等を説明
「道路パトロール⽀援サービスの活⽤」概要 「ちばレポ」コンセプト「社会インフラ健康診断」表紙と健康診断評価指標
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今後の取組 インフラメンテナンス・モデルプロジェクトについて
○ 先進的な自治体の取組の横展開を図るため、モデル自治体による自治体グループを形成してその取組を支援するモデルプロジェクトをインフラメンテナンス国民会議の取り組みとして実施(テーマ : ①新技術活用、②集約・再編、③地域におけるセーフティネット構築、④包括的民間委託、
⑤共同処理、⑥登録資格制度の活用、など)
平成30年6月22日社会資本メンテナンス戦略小委員会(第3期第3回)より
※モデル自治体・・・先進的な取組を行っているまたは関心・意欲のある自治体
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今後の取組 地方自治体による新技術の活用に向けた取組
○地方自治体による新技術活用の取組では、技術系職員のいない市町村は約3割を占めるなど、自治体側における体制も課題と考えられる。
○このため、広域的・自治体横断的な地方自治体グループによる新技術導入や情報活用の体制を促すため、地方自治体グループ形成を目指す自治体に対し、技術ニーズの整理・明示、ニーズを踏まえた現場試行の評価、本導入準備等に対する支援を充実する。
広域的・自治体横断的な取組への支援
広域的・自治体
横断的な取組
技術ニーズの
整理・明示
ニーズを踏まえた
現場試行の評価
実施準備・
課題まとめ
研究会・協議会等
設置
官民マッチング
自治体の課題・
ニーズに合わせ
テーマ設定
現場試行
フォーラム等
による技術紹介
単独自治体の取組
既存の枠組を拡充
インフラメンテナンス国民会議
A町
これまでのインフラメンテナンス国民会議の取組
インフラ維持管理における革新的技術の導入加速化・横断的展開の取組〔新規〕
広域的・自治体横断的に新技術を導入する取組みに対し、導入検討や現場試行・評価、運用の検討への支援
単独自治体に対する技術紹介や現場試行マッチング等の支援
新技術導入
(本運用
)
※官民研究開発投資プログラム(PRISM)にて実施予定
地方自治体の新技術導入が進むことにより、研究開発投資を誘発
ノウハウの共有 ニーズの提示
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3.社会資本メンテナンス戦略小委員会
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・現地調査 等
○ 平成25年を「メンテナンス政策元年」と位置付け、様々な取組を進めてきたところであるが、的確な維持管理に向けて体制や予算等の見通しを持つことが出来ず、社会資本の管理責任を果たせなくなるおそれのある市町村も未だ多いと想定される。
○ メンテナンス政策元年から5年が経過するにあたり、施策の進捗や市町村の動向等を把握して、これまでの取組のレビューを行うとともに、今後の取組の方向性について検討を行う。
社会資本メンテナンス戦略小委員会(第3期)
委員長 家田 仁 政策研究大学院大学教授委 員 臼井 純子 オフィス・ウスイ代表
大橋 弘 東京大学大学院経済学研究科教授大森 文彦 東洋大学法学部教授・弁護士小澤 一雅 東京大学大学院工学系研究科教授梶浦 敏範 (一社)日本経済団体連合会
情報通信委員会 企画部会長代行小浦 久子 神戸芸術工科大学大学院
芸術工学研究科教授小林 潔司 京都大学経営管理大学院教授
・経営研究センター長末松 則子 三重県鈴鹿市長滝沢 智 東京大学大学院工学系研究科教授戸田 祐嗣 名古屋大学大学院工学研究科教授羽藤 英二 東京大学大学院工学系研究科教授横田 弘 北海道大学大学院工学研究院教授
<委員名簿(平成29年12月22日時点)>
メンテ小委③ (中間取りまとめ)・緊急的に取り組む施策の取りまとめ、詳細レビュー(メンテナンスサイクルの更なる発展)等
メンテ小委 (新たな提言の取りまとめ)・今後5年間で取り組むべき新たな施策の提言、施策ロードマップの取りまとめ
メンテ小委① (議論)・スケジュール、進め方・メンテナンス政策元年以降の取組の概略レビュー等
・自治体アンケートの実施
メンテ小委② (議論)・自治体アンケートの報告、施策の詳細レビュー(メンテナンスサイクルの着実な実施)等
メンテ小委 (議論) 2回程度・今後5年間に新たに検討すべき取組についての議論
・取りまとめ作業
H30年3月28日
6月22日
H29年12月22日
年内
<今後のスケジュール(予定)>
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社会資本の老朽化対策に関するこれまでの経緯
平成24年 7月25日 社会資本整備審議会・交通政策審議会に対し、国土交通大臣が「今後の維持管理・更新のあり方について」を諮問
7月31日 上記を受け、技術部会の下に「社会資本メンテナンス戦略小委員会」を設置し、技術的な検討に着手
中央自動車道笹子トンネル天井板落下事故12月 2日
「今後の社会資本の維持管理・更新のあり方について」 答申
「社会資本メンテナンス戦略小委員会(第2期)」において答申の施策の具体化に向けた検討に着手
平成25年 12月25日
4月16日
「社会資本メンテナンスの確立に向けた緊急提言:民間資格の登録制度の創設について」の公表8月22日
平成26年主要な検討4テーマ
・点検・診断に関する資格制度の確立・維持管理を円滑に行うための体制、地方公共団体等の支援方策・維持管理・更新に係る情報の共有化、見える化・メンテナンス技術の国際化
「社会資本メンテナンス情報に関わる3つのミッションとその推進方法」の公表平成27年 2月27日
「市町村における持続的な社会資本メンテナンス体制の確立を目指して」の公表
平成29年 第3期第1回社会資本メンテナンス戦略小委員会国土交通省インフラ長寿命化計画(行動計画)のフォローアップ
12月22日
第3期第2回社会資本メンテナンス戦略小委員会3月28日
第3期第3回社会資本メンテナンス戦略小委員会6月22日
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社会資本メンテナンス戦略小委員会(第3期)
第3回以降の検討の進め方について
(1)点検・診断
(2)補修・修繕
(3)集約・再編等
(5)自治体の体制
(6)技術の継承・育成
(7)新技術の活用
(9)国民の理解と協力
緊急的に取り組む施策(案)
メンテナンスサイクルの着実な実施
第1回で提示した検討の視点
検討項目を再整理(第2、3回)
第3回(6月)第2回(3月)
①メンテナンスサイクルの更なる発展②地方自治体におけるメンテナンスの新たな課題③個別施設計画の策定
④着実な補修・修繕、更新とLCCの把握⑤インフラの集約・再編 等⑥技術開発と新技術の導入
⑦インフラ・データプラットフォーム(構想)を活用したアセットマネジメント等の検討
(4)メンテナンスサイクルの確立
(8)データの活用
・国によるマクロ推計の推計条件・(1)~(9)について今後のあり方と取り組むべき施策
現地調査 (秋)
5年で取り組むべき方向性施策と時期をとりまとめ
(とりまとめ案)・提言(小委員会)・ロードマップ(国)
メンテナンスサイクルの更なる発展
第5回第4回(9月) 第6回
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緊急的に取り組む施策(案) ※H30.7にとりまとめ予定
①点検・診断
• 一巡目点検実施中の道路【H30】、下水道【H29~】、港湾【H30】分野において分野別メンテナンス会議等を通じ、点検実施状況のフォローアップ
• インフラの重要度や老朽化度合等に応じた点検内容・方法の設定や、新技術の活用など、効率的な点検・診断ができるよう点検基準・要領等を見直し(道路【次巡点検まで】、河川・ダム【H30済み】、砂防【H31~】、下水道【H30~】、公園【H30】)
• NETISテーマ設定型や「インフラ維持管理における革新的技術の導入加速化・横断的展開事業」により新技術導入を推進【H30~】
• 国・地方自治体における新技術導入の取り組み状況や今後の取組方針を調査・とりまとめ【今秋~】
②補修・修繕
• 診断結果(診断区分別割合)の全国集約と公表【H30】を行うとともに補修・修繕等の措置が必要な施設への対応に必要な費用を把握し、計画的に取組を推進【H30~】
③集約・再編
• 全施設分野を対象に分野別にガイドライン・考え方・事例集等の作成・公表〕【H30~】
④メンテナンスサイクルの確立
• 市町村毎のインフラの利用状況や老朽化状況、メンテナンスコスト等の見える化、公表【H30~】
• 維持管理情報のデータ化【H30~】• 個別施設計画において考慮すべき事項(優先順位や管理
水準等)やLCC算定時に考慮すべきコストの種類やその定義等の計画内容を標準化・充実化し、留意事項(ガイドライン)としてとりまとめ【H30】
• 国土交通省インフラ長寿命化計画(行動計画)の対象14分野の推計を実施【出来るだけ早期】
⑤メンテナンスサイクルの更なる発展
• アセットマネジメントの導入をはじめとするメンテナンスサイクルの改善の方向性と今後5年間のロードマップを作成
• 先端的な取組を行うモデル自治体への取り組み支援と好事例の横展開【H30~】
〔自治体の体制・技術の継承・育成〕• 包括的民間委託・共同処理等の事例のとりまとめやメリッ
ト・運用方法等についての研究を推進• 地域における自治体体制のセーフティネットの構築を推進
〔新技術やデータの活用〕• 今後5年間のロードマップを作成【H30】
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国による維持管理・更新費用の推計
■算定の考え方の整理■老朽化状況の把握
○予防保全によるライフサイクルコスト(LCC)の考え方
○新技術の導入等による効率化(コスト縮減)の考え方
維持管理・更新費用を新たに推計(できるだけ早期に実施)
診断
老朽化状況の把握
点検
個別施設計画
※2020年度策定完了予定
※状態の把握と対策等の判断に必要な情報の収集
※健全度の区分
○ 2013年度に、社会資本整備審議会・交通政策審議会の審議を踏まえ、国土交通省所管の社会資本の将来の維持管理・更新費を推計(マクロ推計)
○ 点検等を通じた老朽化状況の把握や予防保全や新技術導入等についての知見の蓄積を踏まえ、ライフサイクルコスト(LCC)算定の考え方の整理を行い、できるだけ早期に維持管理・更新費を推計
年度 推計結果
2013年度 約3.6兆円※)
2023年度(10年後)
約4.3~5.1兆円
2033年度(20年後)
約4.6~5.5兆円
※)2013年度の値(約3.6兆円)は、実績値ではなく、今回実施した推計と同様の条件のもとに算出した推計値
【将来の維持管理・更新費の推計結果(2013年)】 【新たな維持管理・更新費の推計】
※1.国土交通省所管の社会資本10分野(道路、治水、下水道、港湾、公営住宅、
公園、海岸、空港、航路標識、官庁施設)の、国、地方公共団体、地方道路公
社、(独)水資源機構が管理者のものを対象に、建設年度毎の施設数を調査
し、過去の維持管理、更新実績等を踏まえて推計。
※2.施設更新は同等の機能で更新(現行の耐震基準等への対応は含む。)す
るものとし、今後の新設、除却量は考慮していない。
※3.個々の社会資本で立地条件等に違いがあることから、維持管理・更新
単価や更新時期に幅があるため、推計額は幅を持った値としている。
※4.予防保全等に関しては、推計時点で把握可能な部分について考慮し、
それ以降の取組については推計に反映していない。 24