制御モーター用フレキシブルカップリングの特性についてutilizing these data,...

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ORIENTAL MOTOR RENGA No.172 (2009) 1 制御モーター用フレキシブルカップリングの特性について 槇 浩永 糸岐 聡一郎 Characteristics of flexible couplings for control motors Hironaga MAKI, Soichiro ITOKI The couplings are widely used to couple a rotational axis with another, and to transfer the torque. It is also used to transmit not only the rotative power but also the minute angle when it is used being combined with a position control motor. Therefore, it is important to select the coupling that is suitable for the use from a wide variety of couplings. In this article, we introduce the types and the features, and explain the basic characteristics, the difference of the characteristics when it is combined with a position control motor. By utilizing these data, the selection of coupling can be done according to the usage. 1. はじめに フレキシブルカップリング(以後 カップリング)は、軸 と軸を締結して回転力を伝達する要素部品です。 制御モーター(ステッピングモーター、サーボモーター) と組み合わせて使用される場合、回転方向のバックラッシ (ガタ)のあるカップリングやねじり剛性(トルクに対す るねじれ角度)が低いカップリングを使用すると、モータ ー側と負荷側の回転角度にずれが生じ、位置決めの精度を 損なう場合があります。そのため高い精度が必要な用途で はバックラッシがなく、ねじり剛性が高いカップリングを 使用する必要があります。また装置の振動を重視する用途 では、振動吸収性に優れた機械共振がないカップリングが 適しています。 ここでは、カップリングの種類と特徴、制御モーターと 組み合わせて使用した時の特性について説明します。 2. 制御モーター用カップリングの種類と特徴 制御モーターと組み合わされ使用されることが多いディ スクタイプ、スリットタイプ及びゴムタイプについて構造、 特徴を説明します。 2.1. ディスクタイプカップリング ディスクタイプは、中央部に組み付けられたディスク(金 属板ばね)と両側のハブが、かしめによって一体化されて います(図 1a)参照)。ねじり剛性が最も高く、高精度 位置決め用途のステッピングモーター、サーボモーターと の組み合わせに適しています。 2.2. スリットタイプカップリング スリットタイプは、アルミ合金の円筒材にスリットを入 れた一体構造の金属ばねカップリングです(図 1 b)参照)。 スリットで形成された板ばねがミスアライメントを許容し ます。特に、ステッピングモーターとの組み合わせに適し ています。当社 MC カップリングはスリットタイプカップ リングです。 (a) ディスクタイプ (b) スリットタイプ (c) ゴムタイプ (d) ゴムタイプ断面 図 1 制御モーター用カップリングの種類

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  • ORIENTAL MOTOR

    RENGA No.172 (2009) 1

    制御モーター用フレキシブルカップリングの特性について

    槇 浩永 糸岐 聡一郎

    Characteristics of flexible couplings for control motors Hironaga MAKI, Soichiro ITOKI

    The couplings are widely used to couple a rotational axis with another, and to transfer the torque. It is also

    used to transmit not only the rotative power but also the minute angle when it is used being combined with a

    position control motor. Therefore, it is important to select the coupling that is suitable for the use from a wide

    variety of couplings. In this article, we introduce the types and the features, and explain the basic

    characteristics, the difference of the characteristics when it is combined with a position control motor. By

    utilizing these data, the selection of coupling can be done according to the usage.

    1. はじめに

    フレキシブルカップリング(以後 カップリング)は、軸と軸を締結して回転力を伝達する要素部品です。 制御モーター(ステッピングモーター、サーボモーター)

    と組み合わせて使用される場合、回転方向のバックラッシ

    (ガタ)のあるカップリングやねじり剛性(トルクに対す

    るねじれ角度)が低いカップリングを使用すると、モータ

    ー側と負荷側の回転角度にずれが生じ、位置決めの精度を

    損なう場合があります。そのため高い精度が必要な用途で

    はバックラッシがなく、ねじり剛性が高いカップリングを

    使用する必要があります。また装置の振動を重視する用途

    では、振動吸収性に優れた機械共振がないカップリングが

    適しています。 ここでは、カップリングの種類と特徴、制御モーターと

    組み合わせて使用した時の特性について説明します。

    2. 制御モーター用カップリングの種類と特徴

    制御モーターと組み合わされ使用されることが多いディ

    スクタイプ、スリットタイプ及びゴムタイプについて構造、

    特徴を説明します。

    2.1. ディスクタイプカップリング

    ディスクタイプは、中央部に組み付けられたディスク(金

    属板ばね)と両側のハブが、かしめによって一体化されて

    います(図 1(a)参照)。ねじり剛性が最も高く、高精度位置決め用途のステッピングモーター、サーボモーターと

    の組み合わせに適しています。

    2.2. スリットタイプカップリング

    スリットタイプは、アルミ合金の円筒材にスリットを入

    れた一体構造の金属ばねカップリングです(図 1(b)参照)。スリットで形成された板ばねがミスアライメントを許容し

    ます。特に、ステッピングモーターとの組み合わせに適し

    ています。当社 MC カップリングはスリットタイプカップリングです。

    (a) ディスクタイプ (b) スリットタイプ (c) ゴムタイプ (d) ゴムタイプ断面

    図 1 制御モーター用カップリングの種類

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    2.3. ゴムタイプカップリング

    ゴムタイプは、アルミ合金製の爪のついたハブ間を水素

    化ニトリルゴム製の防振ゴムで成型した一体構造です

    (図 1(c)、(d)参照)。運転時の振動を小さく抑える振動

    吸収性や両ハブ間の電気絶縁性を持っています。また同じ

    サイズで比較すると連続的に伝達できるトルク値(常用ト

    ルク)が最も高いためカップリングのサイズダウンが可能

    です。ステッピングモーター、サーボモーターとの組み合

    わせに適しています。当社 MCV カップリングはゴムタイ

    プカップリングです。

    3. カップリングの特性

    3.1. 許容ミスアライメント

    ミスアライメントとは、軸心のずれのことで図 2 のよう

    に偏心、偏角、エンドプレイの 3 種があります。

    モーター軸と負荷軸にずれがないことが理想ですが実際

    にはミスアライメントが存在し、振動の発生や寿命が急速

    に低下することがあります。

    ここで紹介するディスクタイプ、スリットタイプはバネ

    で、ゴムタイプは防振ゴムでミスアライメントを許容して

    います。

    (a) 偏心:両軸心の平行誤差

    (b) 偏角:両軸心の角度誤差

    (c) エンドプレイ:シャフトのアキシャル方向の移動

    図 2 ミスアライメント

    表 1にカップリング外径φ25のカップリングの仕様と許

    容ミスアライメント値をまとめます。

    表 1 カップリングの仕様と特徴

    3.2. ねじり剛性

    図 3 に示したねじり剛性特性は、ねじれ角度とトルクの

    関係を表しています。グラフの傾きを静的ねじりばね定数

    といい、これが大きいほどねじれの少ないカップリングと

    なります。

    図 3 ねじり剛性特性

    3.3. 静的ねじりばね定数の温度特性

    ディスクタイプ、スリットタイプでは温度による静的ね

    じりばね定数の変化はほとんどありませんが、ゴムタイプ

    は温度によって変化します。使用温度の範囲内でのゴムタ

    イプの静的ねじりばね定数の変化を 20℃における値との

    比で示すと図 4 のようになります。

    図 4 温度による静的ねじりばね定数の変化

    ゴムタイプでは常用トルク・最大トルクも温度により変

    化します。周囲温度が 30℃を超える場合、表 2 の温度補正

    係数で補正する必要があります。

    RENGA No.172 (2009) 2

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    表 2 温度補正係数

    周囲温度 -20 を超え

    30℃以下

    30 を超え

    40℃以下

    40 を超え

    60℃以下

    60を超え

    80℃以下

    温度補正係数 1.00 0.80 0.70 0.55

    3.4. 固有振動周波数

    ディスクタイプ、スリットタイプなどの板バネ構造でミ

    スアライメントを吸収するカップリングには、共振する周

    波数が存在します。軸方向の共振周波数を図 5 のようにカ

    ップリングを上下に振動させて調べます。周波数と振幅(カ

    ップリング固定端の加速度 G’と自由端の加速度 G との比)

    の関係を図 6 に示します。

    図 6 軸方向の共振特性

    ゴムタイプは 1000Hz 以下では共振点がないのでモータ

    ーの振動や装置振動との共振が起きませんが、ディスクタ

    イプ、スリットタイプは共振が問題となることがあります。

    4. 制御モーターとの組み合わせ特性

    ステッピングモーターと組み合わせたときの振動特性、

    ダンピング特性と、AC サーボモーターと組み合わせたと

    きの位置決め特性のカップリングの種類による違いについ

    て以下に示します。

    4.1. 振動特性

    2 相ステッピングモーター(CMK シリーズ)、5 相ステッ

    ピングモーター(RK シリーズ)とカップリングを組み合

    わせた時の振動特性の違いを比較します。

    4.1.1. 測定方法

    測定装置の概要を図 7 に示します。慣性体(円板)を軸

    に取付け、タコジェネレータで回転速度を検出します。

    モーターに直結したタコジェネレータとカップリングを

    介した慣性体に直結したタコジェネレータの 2 箇所で回転

    速度の変動を振動成分電圧として測定しカップリングによ

    る振動特性の違いを比較します。

    対象カップリング

    図 7 振動測定装置概要

    4.1.2. 振動特性比較

    図 8 に当社 2 相ステッピングモーターユニット

    CMK266AP と 3 タイプのカップリング(同サイズφ25)を

    組み合わせた振動特性を示します。

    (a) ディスクタイプ

    (b) スリットタイプ(MC)

    (C) ゴムタイプ(MCV)

    図 8 振動特性(CMK シリーズ)

    DC タコジェネレータ DC タコジェネレータ モーター

    取付板 慣性体

    ベース

    図 5 固有振動の測定

    RENGA No.172 (2009) 3

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    カップリングを介した慣性体の振動はモーターの振動

    成分電圧に比べて小さくなっていることがわかります。ま

    たゴムタイプでの振動はディスクタイプ、スリットタイプ

    に比べ 35r/min、80r/min 付近で小さいことがわかります。

    図 9 に、5 相ステッピングモーターユニット RK566AAE

    での振動特性を示します。

    (a) ディスクタイプ

    (b) スリットタイプ

    (c) ゴムタイプ

    図 9 振動特性(RK シリーズ)

    モーター側の振動は、2 相ステッピングモーターに比べ

    て全体的に小さくなっています。ゴムタイプのカップリン

    グでは振動が減少していますが、ディスクタイプ、スリッ

    トタイプのカップリングでは、80~120r/min の範囲で慣性

    体の振動成分電圧が大きくなっています。

    モーター軸にカップリングを介して慣性体を取付けた状

    態でトルクに対する応答の周波数を測定した結果を図 10

    に示します。

    図 10(a)スリットタイプ、(b)ディスクタイプは 500Hz

    前後で共振点を持っています。そのためステッピングモー

    ターとカップリングの機械共振により振動が増幅されたと

    考えられます。

    一方、図 10(c)のゴムタイプは振動を吸収するため共

    振点がなく、振動が減少したと考えられます。

    (a) スリットタイプの共振周波数(500Hz)

    (b) ディスクタイプの共振周波数(500Hz)

    (c) ゴムタイプの共振周波数(共振点なし)

    図 10 回転方向の共振特性

    4.2. ダンピング特性

    ステッピングモーターによる位置決め運転では、運転指

    令終了後に減衰振動が発生しワークが完全に停止するまで

    に時間がかかることがあります。これをダンピング特性と

    いいます。カップリングの違いによるダンピング特性の違

    いを以下に示します。

    4.2.1. 測定方法

    測定装置の概要を図 11 に示します。円板状の慣性体を軸

    に取付け、エンコーダを用いて慣性体の回転角度と回転速

    度を測定します。

    図 11 ダンピング特性測定装置概要

    慣性体

    対象カップリング モーター エンコーダ

    ベース 取付板

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    高効率ステッピングモーターユニットαStep AR66AK-1

    と 3 タイプのカップリング(同サイズφ25)を組み合わせ

    たダンピング特性を図 12 に示します。モーターの運転指令

    終了時点から慣性体の角度と目標位置との差が 0.072°以下

    になるまでの時間を整定時間とします。

    4.2.2. ダンピング特性比較

    図 12(a)~(c)より、ゴムタイプの整定時間は 120ms

    で、ディスクタイプの 173ms に比べ 30%の短縮、スリット

    タイプの 214ms に比べ 44%の短縮となりました。 また、

    一定速度で運転している時の振動(回転ムラ)も低減され

    ていることがわかります。

    (a) ディスクタイプ

    (b) スリットタイプ

    (c) ゴムタイプ

    図 12 ダンピング特性

    ゴムタイプのねじれ角-トルク特性は図 13 のように、ヒ

    ステリシス特性を持っています。これは、外力によって変

    形したゴムがもとに戻るとき内部に歪が残るためです。こ

    の曲線で囲まれた面積は、変形時に吸収されるエネルギー

    を表しています。正逆方向のトルクが繰返し加えられた場

    合、カップリング内部で振動のエネルギーを損失として消

    費させることにより振動やダンピングを抑えています。

    図 13 ゴムタイプのねじれ角-トルク特性

    4.3. 位置決め特性

    チューニングレス AC サーボモーターユニット NX シリ

    ーズは、ゲイン調整をすることなく大慣性駆動やベルト駆

    動を安定して行えます。またゲイン調整を行えば、より短

    時間での位置決め運転が可能です。しかし、カップリング

    によっては発振(鳴き:カップリングが振動し音を発生す

    る現象)がおこり位置決めゲインを高く出来ないことがあ

    ります。

    ディスクタイプ、ゴムタイプについて位置決め時間の違

    いを比較します。

    4.3.1. 測定方法

    スライダ[荷重(20kg)、ねじ径(15mm)、リード(20mm)、

    全長(800mm)]と AC サーボモーターユニット NX シリー

    ズの軸間にディスクタイプ、ゴムタイプのカップリングを

    組み込み、NX シリーズドライバ前面のパネルスイッチ

    SW2(図 14 参照、機械剛性設定 16 段階)を表 3 のように

    0 から順に上げ、カップリングの発振(鳴き)状態の確認

    と各目盛での位置決め時間を測定します。

    図 14 NX シリーズドライバ前面

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    表 3 機械剛性設定目盛と整定時間の関係

    4.3.2. 位置決め特性比較

    表3のようにディスクタイプでは機械剛性設定SW2の目

    盛[4]で発振(鳴き)が始まり、目盛[5]では停止時を

    含めて常時発振が発生し駆動できなくなりました。一方ゴ

    ムタイプでは機械剛性設定 SW2 の目盛[C]で発振が発生

    し駆動できなくなりました。

    それぞれのカップリングについて発振が起きず駆動可能

    な機械剛性設定での位置決め運転を行ったところ位置決め

    時間は、図 15 のようにディスクタイプ 466ms、ゴムタイプ

    336ms で 130ms の差がありました。

    (a) SW2 目盛:[3] ディスクタイプ

    (b) SW2 目盛:[B] ゴムタイプ

    図 15 位置決め特性

    NX シリーズとスライダなどの高剛性な機器と組み合わ

    せて使用する場合、機械剛性設定 SW2 の目盛は A~F を目

    安とします。しかし組み合わせるカップリングやボールね

    じの剛性、荷重によっては機械剛性設定の目盛を上げられ

    ないことがあります。

    サーボモーター用のカップリングは、高精度位置決めを

    重視してねじり剛性の高さに注目が集まりがちですが、実

    際は発振を起こしてしまい高応答性というサーボモーター

    の特長を生かせない場合があることがわかります。

    ゴムタイプのカップリングは、ディスクタイプに比べて

    ねじり剛性は低くなりますが、振動吸収性に優れているた

    め、発振を抑え高ゲイン設定での高応答短時間位置決め運

    転が可能です。

    しかしゴムタイプはヒステリシスによって回転方向によ

    る停止位置に差があります。それをロストモーションとい

    います。今回比較した条件で、カップリングのねじり剛性

    の違いによる影響を計算すると、静的ねじりばね定数、位

    置決め方向の違いによるねじれ角度の誤差および位置精度

    誤差は表 4 のようになります。

    スライダの摩擦トルクは実測より 0.04N・m となりまし

    た。位置決めの方向が同一の場合、位置精度はねじれの影

    響は受けません。

    位置決めの方向が逆になった場合でも、位置精度の差は

    0.9μmと微小なためねじり剛性の違いによる影響が小さ

    いことがわかります。

    表 4 ディスク、ゴムタイプ位置精度差

    静的ねじり

    ばね定数

    [N・m/rad]

    ロストモーション

    角度 [°] 位置 [μm]

    ディスクタイプ 1000 0.0046 0.26 ゴムタイプ 220 0.0208 1.16

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    5. まとめ

    カップリングの種類と特徴、制御モーターと組み合わせ

    て使用した時の特性について説明しました。

    制御モーター用カップリングを選定する場合、バックラ

    ッシの有無やカップリング単体の剛性の高さをポイントに

    選定します。しかし、組み合わせるモーターの特性によっ

    ては、剛性の高いカップリングのほうが運転中の振動が大

    きくなることや、停止時の振動や発振により停止時間が長

    くなる現象もあることがわかりました。

    制御モーター用カップリングを選定する場合、用途に合

    わせた使い分けが必要です。

    ●精密位置決めを行う場合

    高ねじり剛性なディスクタイプ、スリットタイプ(MC

    カップリング)

    ●ステッピングモーターで振動やダンピングを重視する

    場合

    振動吸収性に優れたゴムタイプ(MCV カップリング)

    ●AC サーボモーターで、短時間位置決めを行う場合

    発振を起こしにくく高ゲイン設定が可能なゴムタイプ

    (MCV カップリング)

    モーターに合わせてカップリングを選定することでより

    精密な位置決めを行うことができます。参考文献

    (1) 山本 武,「制御モーター用カップリング(MCS カップリング)の特性について」,RENGA,No.160, (2001), p20-25

    (2) 鍋屋バイテック会社,「THE HANDBOOK 2008 カップリング・伝動サポート部品」,p42-51

    筆者

    槇 浩永

    MC事業部 制御モーター技術統括部

    技術部

    糸岐 聡一郎

    MC事業部

    販促技術課

    Copyright 2009 ORIENTALMOTOR CO.,LTD.