デリー首都圏と近隣諸州 及び マハラシュトラ州 - joi148 第5章...

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デリー首都圏と近隣諸州 及び マハラシュトラ州

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地 域 編

デリー首都圏と近隣諸州

及び

マハラシュトラ州

147

(出所)Maps of India に加筆・修正。

148

第5章 デリー首都圏地域諸州及びマハラシュトラ州の位置づけ

Ⅰ デリー首都圏地域諸州及びマハラシュトラ州の位置づけ

インド国内でも投資環境は地域によって大きく異なっている。今次報告書では、日系企

業の集積が進んでいる地域のうち、デリー首都圏地域及びマハラシュトラ州を取り上げる。

近年の企業進出はデリー首都圏(NCT:National Capital Territory、以下デリー)からそ

の衛星地域へ拡大しており、それらの地域はデリー首都圏地域(NCR:National Capital

Region)と称されている。NCR はデリー全県と、ハリヤナ、ウッタル・プラデシュ及びラ

ジャスタンの各州内のデリー近接地域で構成され、総面積は 30,242km2 でインド全国土の

0.9%を占める。

図表 5-1 デリー首都圏地域(NCR)

(出所)RIICOプレゼン資料“Development of Industrial Infrastructure in NCR”に加筆修正。

149

連邦直轄地のデリーと、デリー首都圏地域(NCR)諸州のハリヤナ、ウッタル・プラデ

シュ及びラジャスタン、そしてマハラシュトラの各州について全国における位置付けを見

ると、面積では、ラジャスタンが全国土の 10.4%を占め、35 の連邦直轄地及び州の中で最

大であるほか、マハラシュトラが第 3 位(シェアは 9.4%)、ウッタル・プラデシュが第 5 位

(同 7.3%)で、これら 3 州は広大な州である(図表 5-2)。一方、ハリヤナ(パンジャブと

共通の州都で、連邦直轄地でもあるチャンディガルを含む)とデリーは、それぞれインド

全土の 1.3%と 0.05%を占めるにすぎない。

図表 5-2 インド各州の面積

0

50,000

100,000

150,000

200,000

250,000

300,000

350,000

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'km2)

(出所)IBEF 等。

人口では、2001 年の人口調査によると、ウッタル・プラデシュが全国の州・連邦直轄地

のうち最大の 166,198 千人で全人口の 16.2%を占め、マハラシュトラが第 2 位の 96,879

千人(シェアは 9.4%)、ラジャスタンが第 8 位の 56,507 千人(同 5.5%)である(図表 5-3)。

これに対して、ハリヤナ(チャンディガルを含む)とデリーは全州のほぼ中位を占め、そ

れぞれのシェアは 2.1%と 1.3%である。

150

図表 5-3 インド各州の人口

0

20,000

40,000

60,000

80,000

100,000

120,000

140,000

160,000

180,000 ア

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'千人(

(出所)MOF, Economic Survey 2007-08。

経済規模(2005/06 年度の州内純生産〔NSDP:Net State Domestic Product〕)で見る

と、マハラシュトラが全国の 13.4%を占め最大で、ウッタル・プラデシュが第 2 位でその

シェアは 8.4%である(図表 5-4)。また、ラジャスタンのシェアは 3.9%、ハリヤナ(チャ

ンディガルを含む)が 3.5%、デリーが 3.4%である。一方、一人当たり所得(2005/06 年度

の一人当たり NEDP)では、ハリヤナとパンジャブの共通の州都でかつ連邦直轄地のチャ

ンディガルが 86,629 ルピーと全国平均の 3.4 倍の最高水準であるほか、デリーが全国平均

の 2.4 倍、ハリヤナ(チャンディガルを除く)が同 1.5 倍、マハラシュトラが同 1.4 倍と高

水準である。これに対して、ラジャスタンとウッタル・プラデシュはそれぞれ全国平均の

69.6%と 51.6%にすぎない(図表 5-5)。

このほか、識字率(2001 年)は、チャンディガルが第 3 位の 81.9%、デリーが第 4 位の

81.7%と高水準であるほか、マハラシュトラが 77.0%、ハリヤナが 67.9%と全国平均の

64.8%を上回っている。一方、ラジャスタンは 60.4%、ウッタル・プラデシュは 56.3%と

全国平均を下回っている(図表 1-7)。

151

図表 5-4 インド各州の州内純生産'2005/06 年度(

0

5,000

10,000

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30,000

35,000

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'億ルピー(

図表 5-5 インド各州の一人当たり州内純生産'2005/06 年度(

0

10,000

20,000

30,000

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50,000

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80,000

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(ルピー)

(注)図表 5-4&5とも 1/ 2004/05年度。

(出所)図表 5-4&5とも MOF,Economic Survey 2007-08。

152

Ⅱ 主要都市の位置づけ

図表 5-6 人口 100 万人以上の都市とその平均世帯所得

人口 平均世帯収入 人口 平均世帯収入(’000) (米ドル) (’000) (米ドル)

デリー 12,791 9,982 ヴァドダラ 1,492 3,665

ルディアナ 1,395 7,785 ナーシク 1,152 3,409

ファリダバード 1,055 6,938 アサンソル 1,090 3,316

ビジャヤワーダ 1,011 6,787 ジャイプル 2,324 3,278

ムンバイ 16,368 6,326 ベナレス 1,212 3,174

プネ 3,755 6,277 ラクナウ 2,267 3,158

ハイデラバード 5,534 5,534 カンプル 2,690 3,092

ナグプル 2,123 5,142 インドール 1,639 2,891

コインバトル 1,446 4,844 ボーパル 1,455 2,782

チェンナイ 6,425 4,797 パトナ 1,707 2,540

アーメダバード 4,519 4,192 ジャバルプル 1,117 2,538

バンガロール 5,687 4,102 ジャムシェドプール 1,102 2,510

ラジコット 1,002 3,982 ダーンバード 1,064 2,502

コチ 1,355 3,965 マデゥライ 1,195 2,448

コルカタ 13,217 3,744 アグラ 1,321 2,328

スラト 2,811 3,737 メーラト 1,167 2,306

アムリツァル 1,011 3,695 アラハバード 1,050 2,299

ビシャカパトナム 1,329 3,687

都市都市

(注) :デリー首都圏地域諸州およびマハラシュトラ州の都市。

(出所)国勢調査局、NCAERデータ、TSMG Estimates、投資委員会。

インドには人口 100 万人以上の都市が 35 市ある。それらの平均世帯所得を見ると、所

得水準の高い都市に、デリーや、ハリヤナのファリダバード、マハラシュトラのムンバイ

及びプネがランクインしており、これらの諸都市の平均世帯所得は 6,000 ドルを上回って

いる(図表 5-6)。また、平均世帯所得が 3,000 ドルを上回る都市に、ラジャスタンのジャ

イプルや、ウッタル・プラデシュのベナレス、ラクナウ、カンプルがある。このほか、ウ

ッタル・プラデシュのアグラ、メーラト、アラハバードで平均世帯所得が 2,200~2,300

ドルとなっている。

153

図表 5-7 都市人口と平均世帯収入の相関

(千ルピー)

(出所)Mckinsey & Company, The’ Bird of Gold’:The Rise of India’s Consumer Market,

May 2007。

Ⅲ 気候

通常、ムンバイで 6 月 10 日(平均的月日)、デリーで同月 29 日(同)にそれぞれモン

スーン季に入り、9 月末から 10 月第一週にモンスーン明けとなる(図表 5-8)。ムンバイ

ではモンスーン季に降雤量は 700mm を越え、道路の冠水など輸送に大きな影響が生じる

(図表 5-9)。モンスーン季の雤量は農業生産を大きく左右する。

154

図表 5-8 モンスーン季の到来時期

(注)实線はモンスーン季の到来、破線は終了の平均的月日。 (出所)Maps of India。

図表 5-9 デリー、ムンバイ及び東京の月間平均最高気温と月間平均降雤量

(出所)http://www.ryoko.info/Temperature/india/newdelhi.htm

155

図表 5-10 投資環境比較

国 インド ベトナム 中国 タイ

人口'百万人(1/ 1,134 85.2 1,321 66

GDP'億ドル(2/ 11,398 711 32,418 2,454

一人当たり GNI'ドル(3/ 820 700 2,000 3,050

GDP 成長率(%) 8.7 8.5 11.9 4.8

消費者物価上昇率

'全国年平均、%(2/ 6.3 8.3 4.8 2.3

失業率(%)4/ 3.1 2.0 4.0 1.4

都市・地域 ニューデリー ムンバイ、プネ ホーチミン 華南 バンコク

労働力の質とコスト ・ 近年の賃金上昇率は毎年 15~20%ほど。組合と

の賃上げ交渉はタフ。大規模な労働争議に至る

ケースは減ってきているものの、賃上げ要求で生

産ラインが1日止まったり、賃上げ交渉に向けた

牛歩戦術で生産性が低下したりするといったこと

がある。

・ ワーカーは基本的に英語を話さないので、彼らと

の交渉の直接の窓口となる総務担当に、優秀な

インド人の起用が不可欠となる。

・ エンジニアや中間管理職では、ジョブホッピング

が激しく、優秀な人材を確保・維持するには高い

水準の給与を提示せざるえない状況。しかしなが

ら、絶対数が不足しているということではない模

様で、募集すれば人は集まってくる。

・ 賃金の上昇や労働組合の事情、間接部門及び

エンジニアのジョブホッピングの激しさは、基本

的にデリー首都圏と変わらない。セールス担当

や経理スタッフは、1~2年でほとんど入れ替わ

ってしまうようだ。

・ 言語の問題もデリー首都圏と同様。ワーカーの

言語は、日本ではあまりなじみのないマラーテ

ィー語である。

・ エンジニアが豊富なほか、プネには日本語人材

もいる。プネ大学日本語学科に学ぶ学生数は

300 人ほど。

・ ベトナムの平均年齢は 25 才と若く、基本的に

優秀'識字率 95%超(で、生産性が高い、ま

た、性格温厚、勤勉、器用との評判。

・ ワーカーの雇用は比較的容易であるが、南

部都市周辺部の人口の少ない省では、以前

よりはタイトになってきており、企業によって

は寮を建設して、北部・中部等から採用して

いるケースもある。

・ 中間管理者、技術者は不足気味。

・ 2007 年以降インフレの高進が顕著'2008 年 5

月末の消費者物価上昇率は対前年同月比

25.2%(で、賃金改定を求めたストライキが南

部の外資系企業で多発している。

・ 賃金の上昇が激しい。

・ ワーカーは周辺農村部地域からの出

稼ぎ労働者が中心であるが、近年は

農産品買い上げ価格の引き上げもあ

り、農村地域にとどまる者も増えたこ

となどから、不足気味となっている。

・ 携帯電話の普及で情報収集が容易に

なったことなどから、国内でも条件の

良い地域に移っていくようになってい

る。

・ 理工系の人材が不足気味のため、省

政府としても理工系教育機関の充実

を進めている。

・ 日本語人材も東北部出身者が多い。

・ バンコク周辺では、労働者'一

般工(を大量採用するのは難

しくなりつつある。

・ 東北部からバンコクやラヨン、

チョンブリなどへ労働者が出稼

ぎに来ている。東北部の人は

非常にまじめ。

・ 中間管理職、技術者・熟練工、

経理・税務の専門家は不足気

味で、優秀な人材の賃金は高

騰。

賃金水準/月'ドル(5/

ワーカー:134.7~312.3

エンジニア:186.9~387.1

中間管理職:519.8~1,020.6

ワーカー:78.7~125.6

エンジニア:100.5~208.5

中間管理職:391.2~736.1

ワーカー:148.4~236.4

エンジニア:201.9~392.8

中間管理職:720.0~1,260.0

ワーカー:231.9~361.2

エンジニア:314.0~551.6

中間管理職:1,234.0~2,050.8

日本人の

生活環境

・ 気候は、暑さが厳しく、年間を通じて気温差も大き

い。衛生上の問題も大きい、

・ 治安は一般的には悪くなく、凶悪犯罪に巻き込ま

れるといったことは基本的にない。

・ デリー首都圏地域の在留邦人は、最近、増加が

顕著で 1,500 人ほどとなっている。

・ 家賃は高騰しており、デリー周辺の一戸建ての賃

料は 4,800/月ドルほど。それでも停電・断水があ

る。グルガオンのローカルアパートメントの家賃

は1,300~,1600 ドル/月ほど。

・ 日本食材の調達は、乾物以外は困難であり、東

南アジアへの買出し休暇や日本からの送付で賄

っている。日本食レストランは数軒ある。

・ デリー周辺では、道路整備が急速に進んでおり、

ショッピングモールも次々とオープンしている。

・ 娯楽はゴルフやソフトボールなどに限られる。ゴ

ルフコースはデリーに 2 カ所、ハリヤナ州に 3 カ

所、U.P 州に1カ所で、週末のメンバー料金は 1R

で 2,500 ルピー'約 60 ドル(。

・ 気候は、気温は摂氏 25~35 度と、年間を通じ

て安定的だが、ムンバイでは 6~9 月のモンス

ーン季節の降雤量がきわめて多く、洪水もあ

る。プネは内陸に立地している分だけムンバイ

に比べると雤は少なく、すごしやすい。

・ ムンバイの在留邦人数は250人ほど、プネは留

学生も含むと 100 人ほどといわれている。

・ ムンバイの不動産価格の高騰はデリーよりもは

げしい。中心部のナリマン・ポイントでは家賃が

90~135 万ドル/月になっているところもある。

・ プネの家賃は 700~750 ドル/月程度。

・ ムンバイを除くと電力不足は深刻。デリー首都

圏と異なり、水は豊富。

・ プネでもスーパーマーケットで増えてきた。日本

食材の調達は困難だが、最近、日本食レストラ

ンが一軒オープンした。

・ プネ市内に居住する場合に、距離的に利用で

きるゴルフ場は 2 カ所。料金は 1R で 2200 ルピ

ー'約 53 ドル(。

・ 南北に長い地理的特性から、北部と南部で

は気候が大きく異なる。北部は、四季があり、

気温変化が大きく、湿度も高い。南部は、乾

期と雤期に分かれ、平均気温は年間を通じ

て 28℃以上である。

・ 食品は豊富。水道水は飲用に適さない。日本

食レストランもあり、日本食材の購入も可能。

・ ホーチミンの家賃は、外国人用サービスアパ

ートでは 62~104 ㎡、2,400~3,000 ドル/月。

アパート・マンションでは 700~1,000 ドル/

月、下宿では 200~300 ドル/月'2007 年 11

月時点(。

・ 医療はハノイに加えてホーチミンでも緊急の

対応可能。ただし、手術の場合は、国外での

治療が必要。

・ 娯楽は、ゴルフ、テニス、カラオケ等。ホーチ

ミンでは、子供向けに、遊園地、動物園等が

ある。

・ 治安は、深圳、東莞、広州などは注意

を要する。ひったくりは日常茶飯事。

ネクタイの着用やブリーフ・ケースの

所持は標的になりやすい。

・ すでにスーパーマーケット、ハイパー

マーケットは多くある。日本食材の調

達では、生鮮食品はやや難しいが、

香港への買い出しも可能であるた

め、それほど大きな不便はない。

・ 娯楽はゴルフの他、カラオケ、プー

ル、テニス・コートなどの設備を大きな

ホテルで利用できる。

・ タイの在留邦人は約 4 万人

'2006 年 10 月(。バンコクだけ

でなく、シラチャにも多くの日本

人が滞在。チェンマイには長期

滞在者も多い。

・ 大きな都市では日本食レストラ

ンも充実。また、バンコクには

日本語の書籍が手に入る書店

が複数有る。

・ 日本人学校はこれまでバンコ

クのみだったが、2009 年 4 月

にシラチャ校が開校予定。

・ バンコクの家賃は上昇中。安

全面を考えると月額 90~280 ド

ル程度は必要。家具付きで、

様々なサービスもあるサービ

スアパートの場合は月額 900

~2,800 ドル。

(注)1/ 2007年年央。 2/ 2007年。 3/ 2006年。 4/ インドは 2005年、それ以外は 2007年。 5/ 機械、金属、電機などの製造業。基本給、手当、賞与を含む。

(出所)ADB,Key Indicators 2008、IMF,IFS及び JETRO投資コスト比較(2008年 1月)

第6章

156

第 6 章 デリー首都圏地域の投資環境

【魅力】

●潜在市場の大きさ

全国でも所得水準の高い都市を擁し、ニューリッチ層の台頭も目覚ましく、一大消費地が形成さ

れている。

●自動車産業の集積

既に日系を含む自動車産業の集積が形成されており、部品産業にとって事業機会は多い。

●急速に進む輸送インフラの整備と企業誘致に積極的なラジャスタン州政府のスタンス

輸送インフラの整備が急速に進展しており、フロンティア地域のラジャスタンで州政府が積極的

に企業誘致を図っている。

【留意点】

●土地取得の困難

デリーから 2 時間以上の距離でないと、土地の取得が困難となっている。

●水

水不足のほか、地下水の水位の低下や水質汚染などが問題となっている。

Ⅰ デリー首都圏地域諸州の概要と投資促進政策

(1) デリー首都圏'NCT(

① 概要

インド北部の政治・経済の中心地である

デ リ ー (Delhi) 首 都 圏 (NCT : National

Capital Territory、以下デリー)は州に準ず

る行政区分に指定され、連邦の首都機能を

有するニューデリー(New Delhi)はじめ

とする 9 県で構成される。東側をウッタ

ル・プラデシュ(Uttar Pradesh、以下 U.P.)

州、それ以外をハリヤナ(Haryana)州と

接している。

デリーの面積は 1,483 km2(東京の 70%)

で、うち都市部が 700km2 を占める。北緯

28.67 度(奄美大島と同緯度)、東経 77.22

度に位置しており、広大なインダス・ガン

ジス平原の分水帯に位置する。東域には

ガンジス川支流のヤムナ(Yamuna)川が

南北に流れている。

(出所)Maps of India。

ヤムナ川

ニューデリー

図表 6-1 デリー首都圏の地図

第6章

157

図表 6-2 デリー首都圏(NCT)の概要

(注)デリー政府が定める貧困ライン(都市部613ルピー/月、農村410ルピー/月)以下で生活する人口の比率。

(出所)Planning Department Government of NCT of Delhi, Socio-Economic Profile of Delhi 2006-07など。

ニューデリーには、インド及び各国の政府機関、国際機関が集中しており、整備された道

路と豊かな緑、閑静な住宅街を特徴としている。商業の中心地であるムンバイと比較して、

政治の中心地であった NCT は経済発展の遅れが指摘されてきたが、現在では多くの外資系

企業の支店、事務所が進出を果たし、日系企業では、家電・機械などメーカーの販売会社、

商社、保険、銀行などの支店・駐在員事務所を中心に、118 社が進出している(第 3 章Ⅴ参

照)。製造工場は隣接地域に集積し、デリーは、サービス・統括拠点機能を果たすようにな

っている。

② 経済動向

デリーの州内総生産(GSDP:Gross State Domestic Product)の实質成長率は 2006/07

年度に、インド経済全体の 9.6%を大幅に上回る 12.0%を記録した(図表 6-3)。とりわけ、

2004/05 年度以降は 8~10%台の高成長を維持していることが注目される。また、デリーの

一人当たり所得は、インド全体を大幅に上回っており、2000/01 年度の 38,623 ルピーから

2006/07 年度には 50,565 ルピーに増加した(図表 6-4)。因みに同年度の全国の一人当たり

所得は 22,553 ルピーであった。

州内総生産 1 兆 1,824 億ルピー(2006/07 年度、名目)

一人当たり所得 66,728 ルピー(2006/07 年度)

人口 1,723 万人(2008 年推定)、2012 年 2,300 万人(デリー州政府予測)

産業部門別構成 第 1 次産業(1%)、第 2 次産業(20%、うち製造業〔12%〕)、第 3 次産

業(79%)

主要産業 製造業(軽工業が中心。食品加工、被服・繊維、化学品、プラスチック、機

械部品、PVC 製品等)

主要作物 小麦、雑穀、トウモロコシ、豆類、米

進出企業 市内は非製造業(商社、銀行の支店、事務所等)、製造業でも販社が中心

電力需給 利用可能電力 4,030MW、ピーク電力需要 4,075MW(2007/08 年度)

識字率 81.7%(男性 87%、女性 75%)、インド平均 64.9%(2001 年)

失業率 公式統計では 12.6%(1999/2000 年度)から 3.1%(2004/05 年度)に低下

貧困率 14.7%(2004/05 年度)(注)

主要言語 Hindi, Punjabi, Urdu, English

第6章

158

図表 6-3 経済成長率の推移

図表 6-4 一人当たり所得の推移

図表 6-5 デリー経済の産業構造

(出所)Economic Survey of Delhi, 2007/08。

(出所)図表 6-3&4とも Economic Survey of Delhi, 2007/08。

デリーの GSDP の産業別構成は、第 3 次産業に比

重が大きく傾斜しており、全体の約 8 割を占めている

(図表 6-5)。残りの約 20%が第 2 次産業で、第 1 次

産業は 1%に満たない。サービス産業の内訳では、銀

行・保険・不動産や、卸小売り・ホテル・レストラン

が中心となっている。第 2 次産業では、建設が 7%、

製造業が 12%を占め、家電(テレビ、テープレコーダ

ー)、機械部品、自動車・同部品、塩化ビニル樹脂製

品、化学肥料、医薬品、被服・繊維製品、革製品、ス

ポーツ用品、食品加工など多岐にわたる産業が発達し

ている。とはいえ、デリーの製造業は、依然として家

族経営を含む 75 万社の中小零細企業やインフォーマ

ル・セクターが中心である。

デリーの零細企業

4.0 3.7

7.5

4.2

10.7

8.6

12.0

4.4

5.8

3.8

8.57.5

9.4 9.6

0

2

4

6

8

10

12

14

2000/01 2001/02 2002/03 2003/04 2004/05 2005/6 2006/07

デリー インド

(%)

0

10000

20000

30000

40000

50000

60000

2000/01 2001/02 2002/03 2003/04 2004/05 2005/6 2006/07

デリー インド

(ルピー)

第1次産

業1%

製造業12%

建設7%

インフラ

関連1%

第3次産

業79%

第6章

159

③ 産業政策・投資促進政策

デリー政府は、資源節約型で環境にやさしい産業の促進などを盛り込んだ新産業政策の策

定作業を行っている。同政策には、育成を図りたい具体的な産業として IT/IT 活用型サービ

ス、電子、ハイテク産業などが謳われるほか、域内工業団地の開発・保守のための単一機関

の創設や、工業団地外に立地するローテク産業の高度化を促し、工業団地内のハイテク産業

として成長させることや、環境汚染産業や重工業の立地は認めないことなども盛り込まれる

見通しである。

このほか、インディラ・ガンディー国際空港近くに 100 エーカーほどの土地を手当てし、

IT ハイテクハイウェイ・シティを設ける構想などもある。

デリー政府レベルの優遇措置として、環境汚染防止機器への投資について 5 万ルピーを

上限に 50%の補助金支給などを行っている。

(2) ハリヤナ州

① 概要

ハリヤナ州は 1966 年にパンジャブ(Punjab)

州から分離して以降、現在の行政区分となった。

州都チャティスガルはパンジャブ州と共通で、

連邦直轄地となっている。面積は 4 万 4,212

㎞2(九州の 1.2 倍)で人口は 2,114 万人であ

る。北はパンジャブ州とヒマチャル・プラデシ

ュ州、西と南はラジャスタン州、東はヤムナ川

を境にウッタル・プラデシュ州に接している。

またデリーを三方から囲んでいる。

ハリヤナ州ではインドの平均的な構造と同

様に労働人口の内訳では農業が最大の 65%以

上となっているが、州内総生産の生産部門別内

訳では 22%程度にすぎず、第 2 次、第 3 次産

業の成長が目ざましい。州内には依然として 8

万社以上の零細企業が存在するが、SEZ の創

設をはじめとする工業インフラ整備に積極的な投資を行ってきており、国道の NH8 号沿い

に、グルガオン、バワル、マネサールといった工業団地に既に多くの外資系企業が進出して

いる。とりわけグルガオン地区では、IT 関連(ITeS/BPO)サービスを中心に飛躍的な発展

を遂げ、中間所得層の台頭も顕著で、近代的なショッピングモールや、他地域にはあまり例

のない高層マンションが続々と建設さている。2009 年に完成が見込まれている州内主要地

区を結ぶ高速道路(Kundli-Manesar-Palwal Expressway)も、経済発展をさらに後押しす

ると期待される。

図表 6-6 ハリヤナ州の地図

(出所)Maps of India。

第6章

160

図表 6-7 ハリヤナ州の概要

(出所)Government of Haryana, Economic Survey of Haryana 2007-2008など。

② 経済動向

2006/07 年度のハリヤナ州の实質経済成長率は、農業部門の好調もあり 11.4%の高水準

となった。産業部門別の伸び率では、農業部門は相対的に低いが同部門としては高水準の

9.7%であった。製造業の伸びは 10.9%にとどまったが、第 3 次産業がきわめて好調に推移

し、流通部門が 15.0%、通信部門が 11.9%、不動産・ビジネスサービスが 22.3%であった。

このうち不動産・ビジネスサービスの拡大は、IT 化の推進に伴うソフトウェア生産の増加

を背景としている。

州内総生産(GSDP)の産業部門別内訳では、1999/2000~2006/07 年度にかけて、第 1

次産業のシェアが 32.1%から 22.1%に縮小する一方、第 2 次産業が 28.5%から 30.2%に拡

大したほか、第 3 次産業が 39.4%から 47.7%に拡大している。

③ 産業政策・投資促進政策

産業政策では、州レベルで、投資家にフレンドリーな事業環境の創出や新規プロジェク

トの迅速な承認を目的とする 2005 年産業政策や、公共サービスの IT 化を目的とする 2000

年 IT 政策などがある。また、2005 年 SEZ 法(州法)や、2005 年ハリヤナ産業促進法があ

る。2005 年産業促進法に基づき、プロジェクト承認手続きが簡素化され、オンラインによ

る三層単一窓口の制度(投資規模が 119 万ドル未満の場合、119~714 万ドルの場合、714

万ドル以上の場合の 3 つに分類し、それぞれについて申請窓口を統一化)が整備されたほ

か、州政府の指定する後進地域の大規模プロジェクトや小規模零細企業、100%輸出志向企

業などを対象に、州レベルのインセンティブが導入されている(詳細は

http://haryana.gov.in/ip2005WEBSITE/HTML/incentives.htm を参照)。

ハリヤナ州で投資関連手続きに要する時間は図表 6-8の通りとなっている。

州内総生産 12,647 億ルピー(2006/007 年度、名目)

一人当たり所得 49,038 ルピー(2006/07 年度)

人口 2,114 万人(2001 年)

産業部門別構成 第 1 次産業(22.1%)、第 2 次産業(30.2%)、第 3 次産業(47.7%)(2006/07年度实質ベース)

主要産業 自動車(四輪/二輪)、トラクター、自転車、電気電子機器、手織り絨毯、石油精製、IT/IT 活用型サービスなど

主要作物 米、麦、トウモロコシ、豆類、芋、砂糖黍、綿花、油種など

日系進出企業 グルガオン地区、バワル地区、マネサール地区を中心に自動車部品、商社、家電販売、輸送、保険等が進出

識字率 67.9%、インド平均 64.9%(2001 年)

貧困率 8.7%(1999/00 年度)

主要言語 Hindi

第6章

161

図表 6-8 ハリヤナ州の投資関連手続きの所要日数

分野 内 容 所要日数

環境 進出地の環境関連手続き 60

環境法の遵守についての異議申し立てをしない証明書:設立 7

同上:操業 21

更新 30

ライセンス/登記/用地変更

産業ライセンス 15

小規模零細企業としての永久登録 7

売上税免税 90

工場用地の割り当て 30

工業用地の変更 30~60

優遇措置 地方レベルの認可 30

州レベルの認可 45

電力 20KW まで 36

70KW まで 66

250KW 以上 90

1MW 以上 105

融資 HSIDC/HFC による融資 30~45

(出所)IBEF,HARYANA,January 2008。

ハリヤナ州では 2005 年 SEZ 法に基づく公告済みの SEZ は、IT/IT 活用型サービスを中

心に 18 件となっている(巻末資料Ⅴ参照)。

④ 主要企業

図表 6-9 ハリヤナ州の主な企業

アグロインダストリー Yakult Danone India Pvt.Ltd.、Nestle India、

GlaxsoSmithKline Consumer Healthcare Ltd.、

Perfetti Van Melle India

繊維 Benetton India、DCM Textile、Orient Craft Lit.

自動車及び同部品 Maruti Suzuki、Hero Honda、

Honda Motorcycle and Scooter India、

Sona Koyo Steering Systems、Yamaha Group、Escorts、

Munjal Showa、Talbros Automotive Components、

Rico Auto Industries、Omax Auto

石油精製 India Oil Corporation

不動産・建設 DLF Group、Unitech Group、Vipul Group、Ansal Group、

Emaar MGF

IT/IT 活用型サービス Tata Consultancy Services、Wipro Infotech、IBM Daksh、

Genpact,、Evalueserve、Convergys India Services

製薬/バイオテクノロジー Ranbaxy Laboratories、

Eli Lilly and Company (India) Pvt. Ltd.、

Proago Seeds Company Pvt. Ltd.

(出所)IBEF,HARYANA, January 2008。

第6章

162

(3) ウッタル・プラデシュ'U.P.(州

① 概要

U.P.州は、インド最多の人口

1 億 6,600 万人を擁する。広大

な州面積は 24 万 km2(本州と

同程度)に達し、北はウッタ

ランチャル、西はハリヤナ、

デリー、ラジャスタン、南は

マディヤ・プラデシュ、ビハ

ールなどの 9 つの州・連邦直

轄地と接している。

U.P.州の 2005/06 年の一人

当たり所得(州内純生産

NSDP)は、インド全体の

25,716 ルピーを大幅に下回る

13,262 ルピーにとどまってお

り、Bihar に次ぐ貧困州である。U.P.州政府は、人口の 5 人に 1 人が貧困ライン以下で生活

しているため、就学率の向上などの人材開発政策を柱に生活水準の向上を目指している。

U.P.州はインド・ガンジス平原の肥沃な土壌や比較的良好な灌漑設備により芋、砂糖、小

麦、米などの農作物の生産が盛んで、労働人口の約 66%が農業に従事している。しかしな

がら、NSDP の産業部門別構成では、第 1 次産業のシェアは 36.8%にとどまり、高付加価

値の第 3 次産業が 43.2%を占めている。州内には被服・繊維、食品加工など約 230 万の小

規模零細企業が存在するほか、ノイダには、デリー中心部から国道 NH24 号で 14km の地

の利を活用して IT 関連や二輪/自動車部品の外資系企業が集積している。

図表 6-11 U.P.州の概要

州内純生産 2 兆 4,119 億ルピー(2005/06 年度名目)

一人当たり所得 1/ 13,262Rs(2005/06 年度)インド平均 25,716 ルピー

人口 1 億 6,620 万人(2001 年)

産業部門別構成 第 1 次産業(36.8%)、第 2 次産業(20.0%)、第 3 次産業(43.2%)

労働人口構成 農業(66%)、工業(6%)、その他(28%)

主要産業 セメント、被服・繊維(含カーペット)、食品加工(砂糖精製、植物油)

真鍮製造、硝子製造、オフィス機器、IT/IT 活用型サービス

主要作物 芋(47%)、小麦(38%)、米(32%)、豆類、油種、砂糖黍(45%)

等。カッコ内は国内生産に占めるシェア。

日系進出企業 ノイダ地区を中心に二輪/自動車部品メーカー、家電メーカーが進出

識字率 56.3%(2001 年)、インド平均は 64.8 で第 14 位

貧困率 29.2%(4,880 万人)(2002/03 年度)

主要言語 Hindi、Urdu

(注)1/ 州内純生産ベース。

(出所)MOF, Economic Survey 2007/08、Government of Uttar Pradesh Planning Department, Annual Plan 2006-07。

(出所)Maps of India。

図表 6-10 U.P.州の地図

ノイダ

第6章

163

(出所)Maps of India。

② 産業政策・投資促進政策

州レベルのインセンティブとして、100%輸出志向企業の新規設立の投資資金について

10%(ただし 46,500 ドルを上限)の補助金の支給や、IT 及びバイオテクノロジー産業の登

録料及び印紙税の免税などがある。

また、2005 年 SEZ 法に基づき公告済みの SEZ は、州内に IT/IT 活用型サービスを中心

に 10 件となっている(巻末資料Ⅴ参照)。

③ 主要企業

図表 6-12 U.P.州の主な企業

IT/IT 活用型サービス HCL Infosystems Ltd.、Birlasoft、EXL Service Holdings Inc

Computer Science Corporation、Adobe Systems India Pvt.Ltd.

自動車及び同部品 Honda Siel Cars India Ltd.、LML Scooters、

Yamaha Motor India、Motherson Sumi Systems Ltd.

電気電子機器 LG Electronics India Ltd.

電力 Reliance Energy

消費財 Dabur India Ltd.

メディア/娯楽/旅行等サー

ビス

Sahara Group

(出所) IBEF, UTTAR PRADESH, October 2007。

(4) ラジャスタン州

① 概要

ラジャスタン州は、インド

北西部に位置し、州面積は

34.2 万 km2(ドイツとほぼ同

じ)で、インド最大の州であ

る。パキスタンと国境を接す

る州西部には、広大な半砂漠

地帯が広がっており、乾燥気

候に属する。

人口は 5,651 万人(2001 年)、

州都はデリーの南西 260km

に 位 置 す る ジ ャ イ プ ル

(Jaipur、人口525万人〔2001

年〕)である。州内には宮殿や

城塞などで有名なウダイプー

ル(Udaipur)、ジャイ

図表 6-13 ラジャスタン州の地図

第6章

164

サルメール(Jaisalmer)、ジョドプール(Jodhopur)などインド有数の観光都市が存在す

る。西はパキスタン(Pakistan)、南西はグジャラート(Gujarat)州、南東はマディヤ・

プラデシュ(Madhya Pradesh)州、北東はウッタル・プラデシュ(Uttar Pradesh、U.P.)

州とハリヤナ(Haryana)州、北はパンジャブ(Punjab)州にそれぞれ接している。

図表 6-14 ラジャスタン州の概要

(注)1/ 州内純生産ベース。

(出所)MOF,Economic Survey 2007-08、ラジャスタン州政府ホームページなど。

② 経済動向

ラジャスタンでは、2002/03 年度にマイナス成長となった後、2004/05 年度も 3.3%の低

成長となった(州内総生産ベース)。これは天候不順による農業生産高の落ち込みに起因す

る。その後、2005/06 年度、2006/07 年度には 7.3%、11.2%と好調に推移している。

産業部門について、第 1 次産業の中心である農業部門には労働人口の約 7 割が従事し、

米、大麦、トウモロコシ、豆類、油種、綿花、たばこなどが栽培されている。食用油の生産

はインド最大で、油種の生産はインド第 2 位である。また、第 2 次産業では、羊毛・繊維

製品の伝統的な生産地として知られ、絹・綿織物の染色、捺染の技術は国際的にも高く評価

されている。そのほか、鉱業(亜鉛、銅)、食品加工、セメント、ガラス、ポリエステル、

ナトリウム精製、除草剤、化学肥料、家電(テレビ)部門などが発達している。なお、州内

には小規模零細企業が 27.5 万社存在し、105 万人以上が雇用されている(2006 年)。

③ 産業政策・投資促進政策

デリー首都圏地域のノイダやグルガオンで企業集積の進展に伴い新規進出の余地が次第

に限定的となる中、その外延に位置するラジャスタンでは、州政府が投資誘致を積極的に進

めている。州内東部は、中央政府が進めているNH整備プロジェクトの「黄金の四角形(GQ)」

と「東西回廊(NSEW)」(第 4 章P127 参照)に囲まれることになるほか(図表 6-15)、DMIC

州内純生産 1 兆 1,067 億ルピー(2005/06 年度名目)

一人当たり所得 1/ 17,863 ルピー(2005/06 年度)

人口 5,651 万人(2001 年)

産業部門別構成 第 1 次産業(28.7%)、第 2 次産業(29.1%)、第 3 次産業(42.2%)

主要産業 食品加工、鉱物関連産業(亜鉛、銅)、繊維・被服産業(絹・綿織物の染

色、捺染)、セメント、ガラス、ポリエステル、ナトリウム、化学肥料

主要作物 米、大麦、小麦、トウモロコシ、豆類、油種、綿花、たばこ

日系進出企業 ニムラナ工業団地には、二輪/自動車部品メーカー、商社、家電、物流会社

が進出予定

電力需給 利用可能電力 5,564MW、ピーク電力需要 6,374MW(2007/08 年度)

識字率 60.4%(男性 75.7%、女性 43.9%)、インド平均 64.9%(2001 年)

貧困率 22.1%(都市部 32.9%、農村部 18.7%)

主要言語 Hindi、Rajasthani

第6章

165

構想もあり(第 4 章P140 参照)、注目が高まっている。

図表 6-15 ラジャスタンと NH 整備プロジェクト

投資誘致機関として、州政府に直

接投資の誘致を目的とする投資促

進局(BIP:Bureau of Investment

Promotion)があるほか、政府機関と

してラジャスタン州産業開発・投資

公社(RIICO:Rajasthan State

Industrial Development and

Investment Corporation)、ラジャ

スタン金融公社(RFC:Rajasthan

Financial Corporation)、

プロジェクト開発公社

( PDC : Project Development

Corporation)がある。このうち

RIICO は工業団地の開発を担い、

RFC は主に中小企業への中長期融

資を行っている。また、PDC はイ

ンフラ投資への民間セクターの参

入を促進すべく、商業ベースの開発

が可能なインフラ・プロジェクトを

図表 6-16 NH8 号沿線の工業団地

(出所)Maps of India に加筆。

(出所)RIICOプレゼン資料に加筆。

第6章

166

特定し入札を行うなどしている。

RIICO は SEZ を含む合計 309 件の工業団地を開発している。日系企業の当面の進出先候

補として、NH8 号沿線のニムラナや、ビワディ、チョパンキ、クシケラといった工業団地

が注目される(図表 6-16)。ニムラナには日系企業専用工業団地が開設されている(詳細は

後述)。

ラジャスタン州では州レベルのインセンティブとして図表 6-17 を設けている。

図表 6-17 ラジャスタン投資促進スキーム

・賃金総額の 25%を付加価値税(VAT)より相殺

・国内銀行ローン金利支払額の 5%を VAT より相殺

・消費電力州税を 7 年間、50%割引き。

・土地取得印紙税を 50%割引き。

・奢侈税を 7 年間 100%免税。

・娯楽税を 5 年間、50%免税。

(注)有効期間は 2003/7/1~2009/3/31。

(出所)RIICO プレゼン資料。

④ 主要企業

図表 6-18 ラジャスタン州の主な企業

セメント ACC、Ambuja Cement、Birla Corp、Mangalam Cement、

Grasim Industries Ltd.

化学 Chambal Fertilizes and Chemicals Ltd.、PI Industries Ltd.

鉄鋼 Asian Alloys Ltd.、Kamdhenu Ispat Ltd.、PSL Ltd.

自動車及び同部品 Amtek Auto Ltd.、Ashok Leyland Ltd.、Eicher Tractor Ltd.、

Honda Siel Cars Ltd.、International Tractors Ltd.、

Hitech Gears Ltd.、Rajastan Fasteners Pvt Ltd.、

Garima Overseas Casting Ltd.、Monto Motors Ltd.、

Caparo Fasners Ltd.

電気電子 GE、Ericcson

ホテル East India Hotels、India Hotels

鉱業 Hindustan Zinc Ltd.、Hindustan Copper Ltd.

(出所) IBEF, RAJASTHAN October 2007、RIICOプレゼン資料。

Ⅱ デリー首都圏地域のインフラ

(1) 陸上輸送

① デリー首都圏地域

デリー首都圏地域では、国道及び周辺のバイパス整備が急速に進められている。NH8 号

は片側 2 車線で、時速約 80km の走行が可能である。デリー~ニムラナ間では 3 車線化の

工事が進められている。また、デリー~グルガオン間はフライオーバーの完成で約 20 分の

第6章

167

距離に縮まった。整備された国道は有料で ETC の採用も始まっているものの、料金徴収の

非効率から、徴収所の前で渋滞が生じる事態となっている。

デリーでは、2010 年のコモンウェルスゲーム(英連邦に所属する 53 カ国・地域が参加

し 4 年毎に開催される総合競技大会)の開催に向け、輸送インフラの整備が喫緊の課題と

なっている。デリー第 11 次 5 カ年計画(2006/07~2011/12 年度)では交通/輸送部門が最

重視され、高架/道路橋や接続/周回道路の建設、デリーメトロの拡張、空港の整備など(図

表 6-19)に、投資計画総額の 34%(1,525 億ルピー)を予定している。

デリーメトロでは、現在、ノイダまでの拡張工事が行われているが、今のところ順調に進

捗しているとのことで、2010 年までの完了はほぼ確实視されている。

図表 6-19 2010 年までのインフラ整備計画

道路 10 カ所で高架道路/道路橋を建設

(Flyover; Apsara Border, Bahadurshah Zafar Marg, Mukarba Chowk, Azadpur

Intersection, Naraina, Nangloi-NH-10 Crossing, Mangol Puri Crossing/ Road over

Bridge; G.T. Road, Road No.68, Najafgarh Drain)

リンク道路(NH24 to Lodhi Road)、周回道路(Okhala to Wazirabad)、回廊道路(東西

Rajghat to Punjabi Bagh、南北 Majnu-ka-Tilla to Dhaula Kuan 等)、地下道(Vikas Marg

)の建設

デリーメト

ロ路線拡張

工事

(Phase 2)

セクション 完成予定年月

1 Vishwavidayalaya-Jahangirpuri 2009 年 10 月

2 Central Secretaria-Qutab Minar 2010 年 6 月

3 Indraprastha-New Ashok Nagar 2009 年 6 月

4 Shahdara-Dilshad Garden 2008 年 12 月

5 Yamuna Bank-Anand Vihar 2009 年 12 月

6 Mundka-Inderlok 2010 年 3 月

7 Qutab Minar-Sushant Lok 2010 年 1 月

8 Central Secretaria-Badar Pur 2010 年 9 月

9 New Ashok Nagar-Noida Sector 32 2010 年 1 月

10 Airport Express Link (New Delhi-IGI) 2010 年 8 月

11 Dwarka Sec.9-Sec.21 2009 年 12 月

(出所)Economic Survey of Delhi, 2007/08。

グルガオンに向かう NH8号 渋滞中の料金所

第6章

168

図表 6-20 デリーメトロ路線図'2008 年 6 月現在(

(出所)Maps of India。

デリー近郊の Flyover デリーメトロ路線拡張工事(ノイダ)

デリーメトロ入口 デリーメトロ

第6章

169

図表 6-21 RIDCOR の道路インフラ整備計画

(出所)RIDCOR資料より作成。

② ラジャスタン州

ラジャスタン州では、ラジャスタン道路開発公社(RIDCOR:Road Infrastructure

Development Company of Rajasthan)が中心となって主要都市間の高速道路建設及び道路

改修工事を精力的に進めている。

(2) 電力

デリー首都圏地域でも電力不足は大きな問題であり、絶対的な供給量の不足ばかりでなく、

供給電力の電圧が不安定な場合もある(図表 6-22)。日に数度の瞬間停電は通常のことであ

る。各州では、民間資金の活用を図りつつ、電源開発を進めている(図表 6-23)。

図表 6-22 デリー首都地域諸州の電力需給'2007/08 年度(

電力需要 電力供給 不足率 ピーク電力需要 ピーク電力供給 不足率

'GWh( (%) 'MW( (%)

デリー 22,439 22,301 0.6 4,075 4,030 1.1

ハリヤナ 29,353 25,652 12.6 4,956 4,821 2.7

U.P. 62,628 51,335 18.0 11,104 8,568 22.8

ラジャスタン 36,738

35,597 3.1 6,374 5,564 12.7

(出所)Central Electricity Authority, Power Sector Reports, April 2008。

高速道路建設

Phalodi~Ramji Ki Gol 292 ㎞

Hanumangarh~Kishangarh 407 ㎞

Alwar~Sikandra 81 ㎞

Lalsot~Kot, Baran~Jhalawar 273 ㎞

総延長 1,053㎞

道路改修工事(2006 年 1 月開始)

Phalodi~Pachpadra 154 ㎞

Pachpadra~Ramji Ki Gol 138 ㎞

Hanumangarh~Ratangarh 207 ㎞

Ratangarh~Kishangarh 200 ㎞

Alwar~Sikandra 81 ㎞

Baran~Jhalawar 78 ㎞

総延長 858 ㎞

第6章

170

図表 6-23 デリーの主な電源開発計画

Jhajiar'ハリヤナ( 石炭火力発電所'1,500MW(、2010 年 10 月に稼働開始予定。

Bawaba ガス・コンバインドサイクル発電所'1,500MW(

2008 年 6 月ターンキー契約'工事期間は第 1 フェーズが 28 カ月、第 2 フェーズが 32 カ

月の予定(

Bamnauli ガス・コンバインドサイクル発電所'750MW(

Rohini 90MW

(出所)Economic Survey of Delhi, 2007/08。

(3) 水

デリー首都圏地域では、水不足も深刻である。デリー第 11 次 5 カ年計画には、新規造水

プラントとして Dwarka(日量 50 百万ガロン)及び Okhla(日量 20 百万ガロン)の建設

計画が盛り込まれているほか、ハリヤナ州西ヤムナ川のアクアダクト(水路橋)の建設、

U.P.州 Sonia Vihar 造水プラント建設計画などがあるが、水不足解消の見通しは立っていな

い(図表 6-24)。また、下水処理も不十分で、環境・衛生上の大きな問題となっている。

図表 6-24 デリーにおける水の需給及び下水処理の現状と見通し

'千㎥/日( 2004 2005 2006 2011 2021

需要量 2,685 3,763 4,090 5,181 6,272

家庭 - 2,880 3,099 3,689 3,673

商業 - 161 178 248 367

工業 - 722 813 1244 2,232

供給量 2,265 2,362 2,461 3,573 5,259

下水'廃水/汚水( 1,812 3,010 3,272 4,144 5,017

下水処理能力 1,876 2,240 2,316 2,736 3,760

(出所)Economic Survey of Delhi, 2007/08。

デリー首都圏地域の工業団地に立地する日系企業では、井戸を掘る許可を得て、自前で

井戸を掘り、地下水を用いているが、近年では、地下水の水位の低下や、水質汚染が問題

となっている。とりわけ、デリー南部及び南西部で水位の低下が顕著となっているほか、

デリー北西及び南西地域では地下水汚染が人的に有害な水準に達しているとの報告もある。

第6章

171

Ⅲ デリー首都圏地域の工業団地

(1) デリー首都圏地域の工業団地の現状

デリー首都圏地域では、インフラの整備された優良工業団地の多くで入居率がほぼ 100%

となっているほか、土地価格も上昇している(図表 6-26~28)。日系企業の集積が進んでい

るマネサール、グレイターノイダ、バワルでは、实際に訪問してみると建設余地が多くある

ように見受けられるが、工業用地への転用の認可取得に時間を要していることなどから、实

質的に工場の建設ができないところも尐なくない。商業用(ショッピングモールなど)、住

居用の開発が優先され、工業用地の開発は後回しにされているということもあるようだ。ま

た、土地価格の高騰も激しい。

デリー近郊では、北部へ向かう NH1 号沿線のライ(Rai)、バリー(Barthi)、クンドゥ

リ(Kundli)にも入居余地はあるが、当面、日系企業としては、日系企業専用工業団地と

して開発され、域内では土地価格が破格の安さ(基本価格 1,300 ルピー/m2)となってい

る NH8 号沿線のニムラナ(Neemrana)が最も有力な候補地となろう(図表 6-29)。

(2) ニムラナ工業団地の概要

ラジャスタン州では日系企業の投資誘致を図るべく、2006 年 7 月に RIICO とジェトロ

との間では MOU を締結し、ニムラナ工業団地第Ⅲフェーズを日系企業専用工業団地とし

て開発した。ニムラナ工業団地では、フェーズⅠ、フェーズⅡ及び EPIP(Export Promotion

Industrial Park)に既に 152 社が入居している。フェーズⅢの工業用分譲地面積は 588 エー

カーである(図表 6-30)。

ニムラナでは、インセンティブとして先述の図表 6-17 に加えて、土地価格をはじめとす

る進出日系企業向け特別インセンティブ(図表 6-31)がある。また、ガス利用に問題はな

いほか、電力供給では、220kVの変電所が建設中となっている。フェーズⅡまでの進出地

場企業によると、電力では自家発電は不要で供給量に大きな問題はない模様であるほか、

地下水の水質はインド基準で飲料に適する水質とのことである。2008 年 6 月現在で、日系

企業 14 社が土地を取得済みである(図表 6-32-1)ほか、6 社が土地を予約もしくは進出予

定となっており(図表 6-32-2)、ほぼ半分が入居済みとなっている。ニムラナがグルガオン

から通勤圏にあることも、日系企業にとって進出しやすい工業団地となっている。

RIICO ではフェーズⅣの開発を予定しており、日系企業専用団地となるかどうかは不明

であるが、年度内に開発計画の詳細を発表する意向とのことである。

第6章

172

図表 6-25 デリー首都圏地域略図

Uttar Pradesh 州

24 号線

10 号線

8 号線

2 号線

New Delhi

1 号線

インディラガンジー空港

Haryana 州

Manesar

Bawal

Neemrana

Rajasthan 州

15 分

Bahadurgarh

Kundli

Faridabad

Greater Noida

赤字:州、都市、道路名

青字:工業団地名

●:コンテナデポ(ICD)

Rohtak

Rai

Barhi

Gurgaon

1 時間 15 分~30 分

Yamuna 川

ICD Faridabad

ICD Gurgaon

ICD Dadri

ICD Surajpur

ICD Ballabhgarh

ICD Tughlakabad

ICD Patparganj

ICD Rewari

ICD Palwal

ICD Bhiwadi

ICD Patli

第6章

173

図表 6-26 日系企業の集積が進んでいる工業団地'ただし、新規進出余地は限定的(

Manesar(Haryana) GreaterNoida(UP) Bawal(Haryana)

利用可能土地面積 1,700 エーカー 6,250 エーカー 1,200 エーカー

アクセス ICD から 10km。Delhi

から 45km。車で約 1 時間。

ダドリ ICD および国道に隣接

デリーから 90km。1 時間半程度(車で)。

水 HSIDC より供給 井戸水 HSIDC

土地価格 9,000 ルピー/㎡ 2,010 ルピー/㎡ 3,000 ルピー/㎡

進出余地'現状( ほぼ満杯 ほぼ満杯 ほぼ満杯

今後の開発計画 1,800 エーカーの拡張計画あり(土地収用中)。

1,000ヘクタールの拡張計画あり(土地収用中)。

-

分譲者 ハリヤナ州産業開発公社(HSIDC)及びハリヤナ州都市開発局(HUDA)

Greater Noida

Industrial

Development

Authority

ハリヤナ州産業開発公社(HSIDC)及びハリヤ ナ 州 都 市 開 発 局(HUDA)

備考 入居企業例:

Maruti Udyog、Hero ホンダ、デンソー、Carrier

Aircon(東芝製エアコン販売)等

ターゲット業種:

ハイテク、精密機械、その他無公害産業

入居企業例:

ホンダ Siel、LG 電子、Pepsi、デンソー、

Escorts ヤマハ、

Moser Baer(光学ディスク)、Videocon(家電)など。

入居企業例:

米Beckton&Dickinson、スウェーデン Svedala、韓 TDT Copper、日 YKK

など。

ターゲット業種:自動車部品、軽工業、化学、機械、電子部品、医薬品、繊維製品

連絡先 Haryana:Investment

Promotion Center

連絡先:Haryana C-8,

Baba Kharagh Singh

Marg New Delhi-110001,

India

電話番号:+91 11

23364822, 23363628,

23742801, 23341518

Email:

[email protected]

Website:http://haryanainvest.org/

Greater Noida

Industrial

Development

Authority

連絡先:169,Chitvan

Estate,Sector

Gamma,Greater

Noida,Greater Noida

City,U.P.,India

電話番号:+91-120-2326150,23

26151,2326335-7

Email:[email protected]

nl.net.in

http://www.greatern

oida.com

Haryana:Investment

Promotion Center

連絡先:Haryana C-8,

Baba Kharagh Singh

Marg New

Delhi-110001, India

電話番号:+91 11

23364822, 23363628,

23742801, 23341518

Email:

[email protected]

Website:http://haryanainvest.org/

(出所)各州投資促進センター。

第6章

174

図表 6-27 NH1 号沿線の主な工業団地

Kundli Rai Barhi

利用可能土地面積 輸出企業向けに 39 社分、それ以外に 164 社分の割当有り。

265 社分の進出割当有り。さらに、フードパークに 72 社分の割当あり。

190 社分の割当有り。

アクセス デリー中心部より約30km。車で 60~75 分。

デリー中心部より約35~40km。車で 75

分~90 分。

デリー中心部より 55

~60km。車で 90~120 分。

土地価格 5,500 ルピー/㎡ 3,000 ルピー/㎡ 3,000 ルピー/㎡

(PhaseII)

進出余地 輸出企業向け(最低でも 33%は輸出)については、利用可能なエリアの土地がある。

450 エーカーの拡張を予定。

1,000-1,500 エーカーの拡張を予定。

PhaseII(繊維、手織り、靴下等の製造業向け)の土地収用が完了(330 エーカー)。

備考 輸出促進工業パーク、フードパーク、コールドチェーン・コンプレックスを開発済み。

ターゲット業種:

製造一般、回転部品、食品加工、皮革製品、衣料品、通信エレクトロニクス、自動車部品など

入居企業例:

Atlas Cycle Industries

(自転車)、Hilton

Rubbers(ベルトコンベア)、ECE Industries

Ltd(電気部品)等。

輸出促進工業パーク、フードパーク、コールドチェーン・コンプレックスを開発済み。

フードパークは、食品加工とその関連(冷蔵、食品包装、衛生設備など)業種のみ。

靴下・繊維製品中心の工業団地。

連絡先 Haryana:Investment Promotion Center

連絡先:Haryana C-8, Baba Kharagh Singh Marg New Delhi-110001,

India

電話番号:+91 11 23364822, 23363628, 23742801, 23341518

Email: [email protected]

Website:http://haryanainvest.org/

(出所)ハリヤナ州投資促進センター。

第6章

175

図表 6-28 NH10 及び 2 号沿線の主な工業団地

Rohtak Bahadurgarh Faridabad

利用可能土地面積 - - -

アクセス デリーから 60km。車で1 時間 20~30 分程度。

デリーから 30km。車で約 45 分。

デリーから 40km。車で約 1 時間。

土地価格 - 4,000 ルピー/㎡ -

進出余地 2008年 6月に 202社分の割当てを開始(312.5

㎡を 60 社分、450 ㎡を50 社分、1,012.5 ㎡を50 社分、1,800 ㎡を 30

社分、4,050 ㎡を 12 社分)。

107.3エーカーを 85社に割当て済み。現在割当ての空きはない。

2,336.91 エーカーを1,546 社に割当て済み

分譲者 ハリヤナ州産業開発公社(HSIDC)およびハリヤナ州都市開発局(HUDA)

備考 - ケミカル(アグリ工業)が中心。

軽工業が中心。

連絡先 Haryana:Investment Promotion Center

連絡先:Haryana C-8, Baba Kharagh Singh Marg New Delhi-110001,

India

電話番号:+91 11 23364822, 23363628, 23742801, 23341518

Email: [email protected]

Website:http://haryanainvest.org/

(出所)ハリヤナ州投資促進センター。

第6章

176

図表 6-29 ラジャスタン州の NH8 号沿線の工業団地

Neemrana Bhiwadi

利用可能土地面積 2,316 エーカー(フェーズⅠ&Ⅱ:1,150 エーカー、フェーズⅢ:1,166 エーカー)

2,138.63 エーカー

アクセス デリー中心部より約 120km。車で120 分。NE8号沿線。

デリー中心部より 50~60km。車で 90~100 分。NH8号まで 6km。

水 敷地内設置の地下水ポンプは無料。RIICO 設置の地下水供給もある。

RIICO が地下水を供給

土地価格 基本価格 1,300 ルピー/㎡(割引あり)

-

進出余地 フェーズⅠ&Ⅱは入居済。フェーズⅢは 2006 年 7 月以降2年間の期間限定で日本企業専用に分譲中。フェーズⅣの開発を予定。

1,701 社分のうち 1,682 社分が割当て済み。

分譲者 Rajasthan State Industrial Development & Investment

Corporation Ltd.(RIICO)

連絡先 Rajasthan State Industrial Development & Investment

Corporation Ltd.(RIICO)

担当:Mr. Mukesh Saxena, Senior Regional Manager RIICO Unit-

Ⅱ RIICO Chowk, Udyog Bhawan, Bhiwadi 301019

電話:01493-220811

FAX:220728

http://www.riico.co.in/

Chopanki Khushkhera

利用可能土地面積 802.00 エーカー 825 エーカー

アクセス デリー中心部より 70~80km。車で 100~120 分。NH8号まで13km。

デリー中心部より 70~80km。車で 100~120 分。NE8号まで10km。

水 RIICO が地下水を供給

土地価格 2,000~2,500 ルピー/㎡ 2,000~2,500 ルピー/㎡

進出余地 1,053 社分のうち 1,013 社分が割当て済み。

537 エーカーの拡張計画あり。

961 社分のうち 925 社分が割当て済み。

776 エーカーの拡張計画あり。

分譲者 Rajasthan State Industrial Development & Investment

Corporation Ltd.(RIICO)

連絡先 Rajasthan State Industrial Development & Investment

Corporation Ltd.(RIICO)

担当:Mr. Mukesh Saxena, Senior Regional Manager RIICO Unit-

Ⅱ RIICO Chowk, Udyog Bhawan, Bhiwadi 301019

電話:01493-220811

FAX:220728

http://www.riico.co.in/

(出所)ラジャスタン州産業開発・投資公社。

第6章

177

図表 6-30 ニムラナ工業団地の詳細

(出所)RIICO 提供資料より作成。

建設中の道路 レジデンス(フェーズ 1内)

電柱の敷設 変電所(GSS, 220kV)

第6章

178

図表 6-31 ニムラナ進出日系企業向け特別インセンティブ

(出所)RICCO及びジェトロ資料。

図表 6-32 日本企業専用工業団地'フェーズ III(内の進出企業'2008 年 6 月現在(

税制優遇措置

・州外の物品販売にかかる中央売上税(CST)を 0.25%に軽減。

土地価格

・土地取得規模に応じて購入価格から割引き

10,000m2 で 10%を割引き、さらに 1,000m2 ごとに割引き率を 0.5%ずつ増加。ただし割

引き率上限を 25%とする。

・20,000m2 以上かつ初期投資額が 5 億ルピー以上の場合、生産開始後に RIICO より土地購入

総額の 10%を返金

(例)取得土地面積 40,000m2 、初期投資 5 億ルピー以上の場合

基本価格 1,300 ルピー/m2 × 0.75 × 0.9=877.5 ルピー/m2

(注)○(数字)は土地取得済み企業、□は予約済みもしくは進出予定企業

(出所)RIICO資料

建設中の日系企業工場 予定地

第6章

179

図表 6-32-1 ニムラナ工業団地進出企業'土地取得済み(

企業名 業種 面積

(m2)

雇用見込み(人)

投資額(億ルピー)

Nissin Brake India Pvt. Ltd.(日信工業)

四輪車/二輪車用ブレーキ製品、アルミ製品の製造。

121,410 836 18

○工場を建設中で 08 年 10 月に稼働予定。

Mitsui Prime Advanced Composites

India Pvt. Ltd.(三井化学)

ポリプロピレン(PP)自動車材の製造。

60,750 150(57) 12

○工場建設中で 09 年 4 月に生産開始予定。年間生産能力 1.5 万

トン。

I.I.Inspection & Export Pvt. Ltd. 繊維・被服(輸送) 9,615 123 1

Tenjuku Hotel Pvt. Ltd. 宿泊/会議施設 12,000 20 0.5

Teikoku Piston Rings Co. Ltd.

(TPR)(帝国ピストンリング)

四輪車用ピストンリング/シリンダの製造

30,000 25 5.6

Imasen Electric Industrial Co. Ltd.

(今仙電機製作所)

四輪車用シートアジャスタの製造

40,000 170 4

Daikin Air-conditioning India Pvt.

Ltd.(ダイキン工業)

空調機器の製造 160,000 575 36

○08 年4月に用地取得。工場建設中で 09 年 3 月から生産開始予定。業務用空調機(VRV)は年間2万台、大型空調熱源機器(チラー)は同 1,800 台を予定。

Takata India Pvt. Ltd.(タカタ) シートベルト/エアバック等の製造

60,000 300 5

Dainichi Color India Pvt. Ltd.(大日本精化工業、丸紅)

樹脂コンパウンド製造・販売 21,600 100 8

NYK Logistics(日本郵船) ロジスティックス 156,609 300 10

Toyoda Gosei India Pvt. Ltd.(豊田合成)

セーフティシステム部品(ハンドル、エアバック等)製造

80,000 950 5

○08 年 4 月に設立、09 年 4 月に生産開始予定。インドで 3 番目の生産拠点。

Mitsubishi Chemical Corp. Ltd.(三菱化学)

ポリプロピレン(PP)コンパウンドの製造

46,945 100 8.2

Mytex Polymers ポリプロピレン(PP)コンパウンドの製造

16,055 50 4.1

Mitsui Chemical Inc.(三井化学) ポリプロピレン(PP)不織布の製造

74,750 100 40

合計 889,734 3,799 157.4

(出所)RIICO資料(Neemrana At a Glance)及び各社プレスリリースより作成。

図表 6-32-2 ニムラナ工業団地進出企業'予約済み、予定(

企業名 業種 面積(m2)

Exedy Corp(エクセディ) 四輪車・二輪車用クラッチの製造

16,188

Uni-Charm(ユニ・チャーム) ベビーケア(紙おむつ)、ヘルスケア製品の生産

121,410

Hitachi Lift India Pvt. Ltd.(日立製作所)

昇降機

○08 年 1 月にニューデリーに販社設立。中・高級品昇降機市場への参入を計画。

64,752

Nippon Express(日本通運) ロジスティックス 20,235(Visited Area)

Itochu Corp(伊藤忠) 倉庫 100,000(Request Received)

Nissin Corp(日新) ロジスティックス 40,000(Visited Area)

合計 366,632

(出所)RIICO資料(Neemrana At a Glance)及び各社プレスリリースより作成。

第6章

180

Ⅳ 進出日系企業が直面している課題

(1) 土地取得を巡る問題

・デリー首都圏地域に限らないが、進出企業にとって最大の問題は用地取得が困難となって

きていることである。

・工業団地では、不動産価格が高騰する中、土地を収用された農民が値上がり益に注目する

ようになり、土地を巡るトラブルも生じるようになっている。バワル工業団地では、土地

収用後の値上がり益の農民への還元要求を巡り、ハリヤナ州産業開発公社と日系企業の間

で訴訟問題に発展している。

(2) インフラ及び物流事情

① 輸送インフラ及び物流事情

・道路事情はかなり改善されてきているが、交通マナーは良くない。

・料金所の混雑が深刻であるほか、トラックの横転事故なども尐なくなく、ひとたびそのよ

うな交通事故があると、輸送所要時間はまったく予測できなくなる。このため、在庫を厚

くするなどの対応を余儀なくされている。

・海外からのデリー向け貨物は、一般にムンバイのナバシェバ港に到着し、そこからデリー

まで輸送し、デリーで通関を行うケースが多いが、この過程に 5 日間ほど要する(第 3

章ひとくちメモ参照)。

・デリ~ムンバイ間は 1,300~1,400km で、トラックでは NH8 号を利用する場合は 3~4

日、迂回路である NH3 号を利用する場合は 4~5 日を要する。地場物流業者を活用する

場合には、所要輸送時間の予測が立てにくい。事故による渋滞も尐なくないほか、トラッ

ク運転手が副業をする(=途中で依頼されれば、他の荷物もいっしょに運んでしまうなど)

といったこともあるようだ。

ひとくちメモ:ローカルのトラック運送業者事情'現地でのヒアリングによる(

デリー~ムンバイ間について、ローカルのトラック運送業者の場合には所要時間を 7 日

と見ておいた方が良い。また、デリー~ムンバイ間のような長距離輸送になると、途中でア

ルバイトをすることも尐なくない。例えば、途中でマンゴーの輸送を頼まれ、これを引き受

けたため、本来の貨物がマンゴーの汁まみれになって到着し、使い物にならなくなったとい

ったこともあった。

② 電力

・電力はバックアップが不可欠で、安定器も必要である。最近は燃料費の高騰で発電コスト

の負担が大きくなっている。

・供給電力の電気料金は日本並みの水準である。なお、燃料費のうちガソリン代は最近の値

上げに伴い日本並みの高水準となったが、ガス料金は安価である。

第6章

181

③ 水

・水は、供給量にも水質にも問題が尐なくない。

・砂漠を農地転用しているため大量の水を使っていることや、溜池などの再利用施設も不十

分であることから、デリー首都圏地域は恒常的な水不足となっている。

・一般的には自前で井戸を掘って対応している。

・ノイダやバワルでは、塩分が強いため、業種によっては濾過プラントが必要となる。

④ 通信インフラ

・通信インフラは、グルガオンよりノイダの方が良好といわれている。しかしながら、ノイ

ダでも、接続できなくなったりすることがある模様だ。

・通信コストは比較的安価である。

(3) 労働事情

・労働者保護的な雇用環境に変わりはないことに加えて、近年は賃金の上昇が激しい。

・ワーカーについては、組合のハンドリングにかなりの労力を要する。ワーカーは一般にヒ

ンディーしか話さないので、彼らと直接の窓口となる総務・人事担当に優秀なインド人を

確保することが重要となる。

・組合とは賃上げ交渉を行うが、最近は毎年 10~15%の上昇となっている。日系企業のワ

ーカーの賃金水準は、5,000~15,000 ルピー/月ほどの模様(2008 年 6 月ヒアリング)。

日系企業では、当初は契約社員とし、パフォーマンスを確認して正社員にするなどしてい

るところが多いようだ。賃上げ要求で生産ラインが止まってしまったり、賃金交渉に向け

牛歩戦術をとったりと、組合の行動は激しいものがある。

・間接部門の管理職やエンジニアはジョブホッピングが激しく、優秀な人材を確保しようと

すると高い賃金を提示しなければならなくなっている。絶対的な供給量が不足していると

いうわけではない模様で、募集に応じる人数は多いとのことだ。エンジニアは優秀である。

大卒新人で1万ルピー/月ほど、管理職では 2~5 万ルピー、財務部長などでは 10 万ルピ

ー/月といったところ(2008 年 6 月ヒアリング)。財務部長が 30 万ルピー/月でヘッドハ

ントされたといった話もあるようだ。総じて日系企業の中堅管理職以上はシンガポールよ

りも高い模様。

・カーストについては、日常的に問題があるといったことはないが、地域によって注意が必

要なこともある。

第6章

182

ひとくちメモ:カーストの問題

2008 年 5 月にラジャスタン州グジャール部族が「指定カースト」への指定を要求して暴

動を起こし、幹線道路や駅を封鎖したため、ムンバイ~デリー間の物流に混乱が生じる事態

となった。「指定カースト」としていわゆる最下層カーストに指定されると、経済的支援を

受けられるほか、公務員の採用や公立学校への進学で優先枠を享受することができる。グジ

ャールの「指定カースト」への指定の要求を巡る示威運動自体は、半ば恒例化しているとの

ことだが、今回のような大規模暴動はこれまではなかったとのことだ。ノイダのワーカーに

はグジャールが尐なくないので、示威運動が予定されている時にはあらかじめ工場を閉鎖す

るなどして対応しているようだ。

このほか、下位カーストの優遇措置によって職場の役職では上位となっても、地元に帰る

と立場が逆転するといったこともあり、そのような場合には両者の間で仕事上のコミュニケ

ーションが不十分になることもあるようだ。このため、当局との交渉などで、担当者と上位

役職者の両方に同じ説明をしないと、事が運ばない場合もあるようだ。

(4) 金融事情

・デリーには、三菱東京 UFJ、みずほコーポレートの支店があり、預金、貸付、外為、保

証などのフルバンキングサービスを提供している。日本人駐在員も派遣されていることか

ら、インドでの業務拡大やインド進出について、日本語での相談が可能。

・外国銀行では、ANZ Grindlays Bank、ABN Amro、Banque National de Paris、HSBC、

Standard Charterd Bank、Deutsche Bank などがある。このうち Standard Chartered

Bank は三井住友銀行との業務提携でジャパンデスクに日本人スタッフが常駐している。

(5) 現地調達

・地場企業からの調達は安価だが、品質や納期の管理にコストがかかる。

(6) 税制・会計制度

・インドの税制や会計制度は複雑で、運用も不透明な部分がある。日系企業では、パートナ

ーにアウトソースするケースが多い。

(7) 商慣習

・インドの商習慣は一般的に日本人にわかりにくいとされている。このため、新規進出時に

は、コンサルタントにコストをかけ、調査に時間をかけるべきといわれている。コンサル

タント料では、50~100 万円程度をかけるのが一般的のようだ。

Ⅴ デリー首都圏地域の生活環境

デリー首都圏地域での生活は、暑さが厳しく、年間を通じての気温差が大きいことなど

もあり、楽ではない。インド全体に言えることであるが、衛生上の問題もあり、蚊や水など

を媒介とする赤痢・コレラ・マラリアなどに十分に注意する必要がある。デリー日本人会の

第6章

183

ホームページ(http://www.delhi-nihonjinkai.com/)は、生活環境(医療、買い物等)の情

報が充实しているので参考になる。デリー首都圏の日本人は急速に増えてきており、1,500

人ほどとなっている。

(1) 治安

・治安は一般的に悪くはない。日本人駐在員が凶悪犯罪に巻き込まれるような事件はないよ

うに見受けられる。しかしながら、流しのタクシーやバスなどに乗るときには注意が必要

である。空き巣も余り無いが、各アパート毎(乃至は各戸毎)に警備員を雇っている。

(2) 住宅 / 情報

・インドには外国人用マンションなどはないため、駐在員も一般的にインド人が住むアパー

トなどに居住している。最近は家賃の上昇も激しく、契約更新時に倍増されることも珍し

くない。グルガオンでは 5.5~6.5 万ルピー/月ほど(2008 年 6 月ヒアリング)。

・ノイダに工場のある駐在員はデリー市内に住むケースが多く、デリーメトロの拡張工事が

完成すれば通勤も便利になろう。一方、グルガオンではすでに高層マンションも多く、イ

ンド人高所得向けマンションなどに居住している。

・停電の頻発で電化製品の故障が多い。また、断水も尐なく

なく、とくに夏場は 3 日に 1 回の頻度で給水車を呼ぶとい

った有様である。

・日本の新聞はインドでは1日遅れの購読となる。日本のテ

レビ放送は、ケーブルに加入すれば NHK World の視聴が

可能。

(3) 買い物、食事、娯楽

・日本食材の調達は依然として困難である。デリー市内に日

本食材販売店として Yamato-ya(日本米、冷凍魚類、食肉

加工品、キムチ、日本食、日本文具、冷凍品などを販売)

があるが、高価である。このため、日本本社からの送付制

度やバンコクへの買出し休暇制度などがとられている。

・日本食レストランは、日航ホテル内の「さくら」の他、「た

むら」が 2 店舗、グランドホテル内のレストランなど、数

軒ある。

・娯楽は、ゴルフやソフトボールなど。ゴルフ場はデリー市

内に 2 カ所、ハリヤナ州に 3 カ所、ウッタル・プラデシュ

州に1カ所と、合計 6 カ所ある(Delhi Golf Club〔デリー

市内〕、Classic Golf Club〔グルガオン〕、DLF Golf〔グル

デリー近郊のショッピング

モールとショッピングモール

の食品売り場

第6章

184

ガオン〕、JP〔グレイター・ノイダ〕など)。料金はメンバー(またはメンバーを含む)

で週末に 2,500 ルピー。

・近年はショッピングモールが次々と建設されており、海外ブランド品や輸入食料品も急速

に充实してきている。

(4) 学校、医療

・ニューデリーには、日本人学校、アメリカンスクール、ブリティッシュスクールがある。

日本人学校は順番待ちとなっている模様。なお、詳細は、デリー日本人会ホームページ(h

ttp://www.delhi-nihonjinkai.com/funingo_09.htm)が参考になる。

図表 6-33 デリー首都圏地域の学校

New Delhi 日本人学校

所在地 Pocket B&C, Sector A, Vasant Kunj, New Delhi, India

TEL&FAX Tel :+91-11-2689-1230 FAX: +91-11-2689-1331

E-mail [email protected]

URL http://www.ndjs.org/

生徒数 小学部・中学部合計で 120 名ほど。

New Delhi 日本人学校附属幼稚園

所在地 Pocket B&C, Sector A, Vasant Kunj, New Delhi, India

TEL&FAX TEL:+91-11-2689-1230(代表) FAX: +91-11-2689-1331

URL http://www.ndjs.org/youchien/newpage2.htm

定員 3 歳児~5 歳児(43 名)

The American Embassy School (AES)

所在地 Chandragupta Marg, Chanakyapuri,New Delhi,110021, India

TEL&FAX TEL :91-11-2688-8854 (代) FAX: 91-11-2687-3320

URL http://www.aes.ac.in/

・病院については、デリー日本人会ホームページで、ニューデリー、グルガオン、ノイダの

病院が紹介されている。それらは概ね清潔で建物や検査設備は最先端レベル。医師も欧米

で研修している等、技術レベルに問題はない。しかしながら、言葉の問題があるほか、医

師を除く医療スタッフについては技術レベル等に問題がある。食事は、コンチネンタルス

タイルの食事(シリアルやジュースと、オーブンで温めた数種類のパン、紅茶かコーヒー

など)は提供されるが、日本食は望めないとのことである。

図表 6-34 デリー首都圏地域の病院

外来専門病院 Indraprastha Apollo Cliniq(Vasant Kunj)

総合病院(入院も可) Rockland Hospital(60 床)

Fortis Flt. Lt. Rajan Dhall Hospital(200 床)

ndraprastha Apollo Hospitals(650 床)

Aashlok Hospital(19 床)

Sitaram Bhartia Institute(75 床)

第7章

185

第 7 章 マハラシュトラ州の投資環境

【魅力】

●金融や物流のハブであるムンバイを擁するほか、工業化も進んでいる。

ムンバイは国内最大の金融センターであるほか、国内最大のコンテナ取扱量を誇るナバシェバ

港がある。工業化の水準も高く、州内には自動車や IT 産業などの集積がある。

●主要都市間の高速道路網などの整備が進んできている。

●エンジニアが豊富で、プネには日本語人材もいる。

【留意点】

●とりわけムンバイで顕著な不動産価格の高騰

ムンバイの不動産価格の高騰は国際的に見ても著しいものとなっており、進出企業が直面して

いるコスト高は深刻なものがある。また、港湾設備の拡充などインフラ開発にも悪影響が懸念され

る。

●電力不足

ムンバイを除くと、電力不足は他の州と比較しても深刻である。

●州産業開発公社の日系企業に対する誘致姿勢は今一歩。

Ⅰ マハラシュトラ州の概要と投資促進政策

(1) 概要

図表 7-1 マハラシュトラ州の地図

(出所)Maps of India。

第7章

186

マハラシュトラ州は、インド西部に位置し、アラビア海に接している。州面積は

307,713km2 でインド全土の 9.4%に相当する。州内には南北にデカン高原があり、標高差

を利用した避暑地も存在する。人口は、約 9,688 万人で、43%が都市部で生活しているほか、

34 歳未満の若年層が 67%を占めている。古くからデカン高原一帯で学術、芸術、宗教文化

が栄え、インド独立の際には、マハトマ・ガンジーの運動の拠点でもあった。南にゴア(Goa)

州、カルナタカ(Karnataka)州、東南にアンドラ・プラデシュ(Andhra Pradesh)州、

北にグジャラート(Gujarat)州とマディヤ・プラデシュ(Madhya Pradesh)州、東にチ

ャッティスガル(Chattisgarh)州がある。

マハラシュトラ州は「インド工業発展のエン

ジン」とも言われ、直接投資受入れ累計額で最

大州となっている(図表 2-19 参照)。自動車メ

ーカのメルセデス・ベンツ、GM のほか、製薬

のファイザーや消費財のユニリバーなども進

出している。

州都ムンバイは、1,637 万人のインドの都市

のうちの最大の人口を擁し、インド経済の商業、

金融の中心地である。ムンバイにはインド最大

の財閥タタのグループ本社(ボンベイハウス)

やリライアンス・グループの中核企業リライア

ンス・インダストリーズの本社がある。またイ

ンド準備銀行があり、内外の金融機関が集積し

ているほか、国際空港や、国内最大のコンテナ

港ナバシェバを有する物流ハブである。さらに、

巨大な映画撮影所があり、娯楽映画産業(ボリ

ウッド)の中心地としても有名である。

最近はムンバイでは、中心地のナリマン・ポ

イントの地価高騰から、空港周辺のムンバイ北

部地域や、対岸の新興エリアであるナビ(新)・

ムンバイ(Navi Mumbai)の開発が進められ

ている(図表 7-2)。

ムンバイに次ぐ第二の都市プネは、ムンバイ

から 170km 東南(車で 2~3 時間)に位置し、

製造業の集積が進んでいる。古くから文教都市

として知られ、日本語学習者も多い。英国統治

時代に軍の街として開発されたことから、今で

も軍事関連の研究・教育機関がおかれ、軍需業

図表 7-2 ムンバイの地図

ナリマン・ポイント(Nariman Point)

ナバシェバ港(Nhava Sheva)

ナビ・ムンバイ(Navi Mumbai)

(出所)Maps of India に加筆。

開発中のナビ・ムンバイ

第7章

187

が盛んであるほか、三輪大手のバジャージュ・オート、タタ・モーターズといった自動車産

業の伝統的な集積地でもある。さらに、民族系 IT/IT 活用型サービス企業のタタ・コンサル

タンシー・サービシズの R&D センターがあり、IT 産業の中心地となっている。

図表 7-3 マハラシュトラ州の概要

(出所)Government of Maharashtra, Economic Survey of Maharashtra 2007-08,

MOF,Economic Survey 2007-08など。

(2) 経済動向

2006/07 年度のマハラシュトラの实質経済成長率は、対前年度比 0.4%増の 9.7%となっ

た。産業部門別伸び率では、第 2 次産業が 12.6%と好調で、第 1 次産業は降雤量に恵まれ

た農業部門の好調から 9.0%となり、第 3 次産業は 8.5%であった。2007/08 年度の経済成

長率はやや鈍化するものの 9.0%と、好調を維持したと推計されている。

マハラシュトラの産業構造はサービス部門を中心とし、第 3 次産業の国内総生産に占め

るシェアは 60%近くとなっている。インドの地場金融機関の本社のほとんどが立地してい

るほか、ボンベイ証券取引所(BSE)及びナショナル証券取引所(NSE)がある。両証券取引

所の上場企業数は 6,000 を数える。このような金融サービスに加えて、IT 部門ではインド

の主要 IT 企業の約 25%がマハラシュトラ州に拠点を置き、インド全体のソフトウェア輸出

の約 20%を担っている。

サービス部門ばかりでなく製造業の基盤も確立されている。経済自由化や投資手続きの簡

素化の奏功もあり、マハラシュトラでは 1990 年代後半から工業投資プロポーザルの伸びが

著しい (図表 7-4)。(注:工業投資プロポーザルは、 IEM:Industrial Entrepreneur

Memorandum、LoI:Letter of Intents、EOU:100%Export Units 及び MoU:Memorandum

of Understanding)1991 年以降の累計でマハラシュトラ州向け工業投資プロポーザルのイ

ンド全体に占める比率は、件数で 17%、投資額では 12%となっている。伝統的な産業集積

州内総生産 5 兆 936 億ルピー(2006/07 年度、名目)

一人当たり所得 48,171 ルピー(2006/07 年度)

人口 9,685 万人(都市部 43%、郊外 57%)(2001 年)

産業部門別構成 第 1 次産業(13.7%)、第 2 次産業(28.1%)、第 3 次産業(58.2%)(2006/07年度)

主要産業 食品加工、飲料、たばこ、繊維/被服、紙製品、ゴム、プラスチック、化学製品、機械/電子機器、自動車、製薬、宝石、金属加工

主要作物 米、トウモロコシ、ヒエ、小麦、油種、豆類、綿花、サトウキビ、ターメリック、野菜・果物(マンゴー、ブドウ、バナナ、オレンジ)

日系進出企業業種 製薬、商社、物流会社、銀行、保険、IT 機器、通信等。プネを中心に自動車/部品企業が集積

電力需給 利用可能電力 13,575MW、ピーク電力需要 18,441MW(2007/08 年度)

識字率 77.3%(男性 86.3%、女性 67.5%)

貧困率 30.7%(都市部 32.2%、農村部 29.6%、2004/05 年度)

主要言語 Marathi

第7章

188

にこのような投資が相まって、食品加工、飲料、たばこ、繊維/被服、紙製品、ゴム、プラ

スチック、化学製品、機械/電子機器、自動車、製薬、宝石、金属加工等の広範な部門の産

業クラスターが形成されている。(図表 7-5)。

図表 7-4 工業投資プロポーザル'1991.08~2007.07 累計(

州 件数 投資額

(1000 万 Rs)

雇用数

(10 万人)

Gujarat 9,440 452,983 15.84

Maharashtra 14,069 389,190 25.07

うち生産開始 6,475 101,416 6.38

Chhatisgarh 1,883 323,956 4.13

A.Pradesh 5,976 273,540 10.36

Orissa 1,212 250,549 3.56

Karnataka 3,628 237,823 6.60

Tamilnadu 7,654 229,529 21.00

U.Pradesh 6,790 186,314 16.21

M.Pradesh 2,860 98,370 5.98

All India 79,465 3,165,645 155.87

(出所)Government of Maharashtra,Economic Survey of Maharashtra 2007-08。

図表 7-5 マハラシュトラ州のエリア別産業集積

(出所)MIDC 提供資料。

第 1 次産業は州内総生産の 13.7%を占めるに過ぎないが、農業部門についてみると、マ

第7章

189

ハラシュトラ州の灌漑面積は国内トップクラスで、米、トウモロコシ、ヒエ、小麦、油種、

豆類、綿花、サトウキビのほか、野菜・果物の生産も盛んである。マンゴーは 2006 年 6 月

から日本にも輸出されているほか、州産のブドウを使ったワインも生産されている。

(3) 産業政策・投資促進政策

マハラシュトラ州の産業政策として「2006 年産

業・投資及インフラ政策(Industrial, Investment &

Infrastructure Policy 2006)」がある。同政策には、

民間及び公的部門による産業及びインフラへの投資

を促進し、持続的な経済発展や地域格差の是正、雇

用の創出を図ることを目標に掲げ、具体的な数値目

標として、2010 年まで工業部門で毎年 10%の成長

を、サービス部門で同 12%の成長を維持し、200 万

人の新規雇用を創出するとしている。同政策の下で、

マハラシュトラ産業開発公社(MIDC:

Maharashtra Industrial Development Corporation)が中心となって、工業団地や SEZs

の開発・整備を進めている。

マハラシュトラ州の工業団地は、6 つのカテゴリーに分類され、それぞれに州レベルのイ

ンセンティブが設けられている。カテゴリーは A、B、C、D、D+及び NID とされ、A の

先進地域(ムンバイ首都圏、プネ市街地)から開発段階に応じて区分されている。インセン

ティブには、消費電力州税の免税や土地取得印紙税の減免、オクトロイ(州境税)還付など

がある(詳細は

http://www.midcindia.org/MIDCWebSite/investment/investscheme.aspx?inav=2 を参照)。

マハラシュトラ州の投資関連手続きに要する時間の目安は図表 7-6 の通りとなっている。

図表 7-6 マハラシュトラ州の投資関連手続きの所要時間

手続き内容 所要時間

土地割当状の交付 15 日

土地所有権取得 7日

建設計画承認 7日

用水接続承認 10 日

市街地上限使用許可 10 日

(出所)MIDC資料。

マ ハ ラ シ ュ ト ラ 州 産 業 開 発 公 社

'MIDC(

第7章

190

(4) 主要企業

図表 7-7 マハラシュトラ州の主な製造業企業

自動車及び同部品 Tata Motors、Bajaj Auto、Daimler Chrysler、Fiat、Bharat Forge、

Mahindra & Mahindra、Mercedes Benz、GM

エンジニアリング SBEM Pvt. Ltd.、Atul Electro Formers Pvt. Ltd.、

Hylo Transmissions Pvt. Ltd.、Kirloskar Group

Kam-Avida Enviro Engineers Pvt. Ltd.

Legend Communications Pvt. Ltd.、Mahavir Group of Industries

IT/IT 活用型サービス Tata Consultancy Services、Infosys、Wipro、Panti Computers、

i-Flex Technologies、Veritas、EDS

電気電子 Schneider Electric、Siemens、Electrolux、Voltas、Siemens

製薬/バイオ Wockhardt、Nicholas Piramal、Cipla、Lupin、 Phizer

石油化学 Reliance Petrochemicals、Bharat Petroleum Corporation Ltd.、

Nagothane、Rabale、Mumbai Refinery,Tata Chemicals

セメント ACC Ltd.

食品・飲料 Coca Cola、

消費財 Procter & Gamble、Hindustan Unilever Ltd.

繊維 Bombay Dyeing、Century Textiles、Raymond、Carrera Holding Inc、

(出所)MIDC資料及び IBEF,Maharashtra, October 2007。

Ⅱ マハラシュトラ州のインフラ

(1) 陸上輸送

マハラシュトラ州の道路総延長距離は 266,000km で、全国の国道網の 11%を占めている。

主要都市間の道路の舗装率は 96%に達している。2002 年にムンバイ~プネ間の高速道路が

開通しているほか、過去 2 年ほどの間にプネ地区の工業団地まわりの道路も急速に整備さ

れてきている。今後、総延長 3,000km の高速道路の新規敷設や 5,000km の片側 2 車線化

などが予定されている。

鉄道総延長は 5,527km で全国の国鉄網の 9%を占めている。州内鉄道網のハブであるム

ンバイは、全国主要都市に接続している。

ムンバイでは深刻な交通渋滞の緩和のために、高架鉄道(ムンバイ・メトロ)や海上高速

連結道路(シーリンク)などが計画されている。ムンバイ・メトロでは、第 1 線(ヴェル

ソヴァーアンデーリー~ガートコーパル間の 12km、所要時間 21 分、投資額 230 億ルピー)

が 2008 年 2 月に着工された。建設主体はリライアンス・エネルギーとマハラシュトラ州政

府メトロポリタン地区開発局(MMRDA)の合弁企業で、2012 年の完成を予定している。

さらに、第 2 線が入札实施済み(チャルコップ~バンドラーマンクルド間の 32km、投資額

620 億ルピー、2011 年完成予定)であるほか、第 3 線(コラバ~バンドラ間、投資額 800

億ルピー)が計画されている。また、シーリンクでは、バンドラ~ウォールリ間(投資額

130 億ルピー)が着工されており、2009 年 2 月に完成の予定である。ウォールリ~ナリマ

ン・ポイント間(16km、投資額 260 億ルピー)のシーリンクは着工が遅れている。

第7章

191

当面の主な整備計画は図表 7-8 の通りとなっている。

図表 7-8 マハラシュトラ州の陸上輸送インフラ整備プロジェクト'MSRD、MMRDA(

(出所)Government of Maharashtra, Economic Survey of Maharashtra 2007-08。

プロジェクト 完成予定'年度(

マハラシュトラ州道路開発公社(MSRD)

1 Bandra-Worli Sealink 2008/09

2 Western Freeway Sealink 2012/13

3 Mumbai Trans Harbour 2011/12

4 Sealink improv. of Nagpur-Aurangabad-Sinnar-Ghoti Road 2009/10

5 Road Work in Nagpur city, Aurangabad, Nandurbar, Amravati, Nanded,

Pune, Baramati, Solapur, Kolhapur

2009/10

ムンバイ地域開発公社(MMRDA)

1 MUTP(Mumbai Urban Transport Project):新規鉄道路線の開設

2 MUIP(Mumbai Urban Infrastructure Project):道路、高架/地下道路

3 Mumbai Metro Railway Project:メトロ(第 3 フェーズ)

4 Mumbai Mono Rail Project:4 路線(70Km)

5 Mithi River Development Project

6 Skywalk:Bandra~Kalanagar 間

プネ~ムンバイ高速道路 プネ~ムンバイ高速道路沿線のサービスエリア

チャカン工業団地内 ムンバイの渋滞

第7章

192

'写真(MIDC 提供資料より。因みに JNPT ターミナルのコンテナ取扱速度は25 個/時間と、国際標準並み。

(2) 港湾

マハラシュトラ州には、ムンバイ市中心部に位置するムンバイ港(通称オールド・ポート)

とナビ・ムンバイに位置するジャワハルラル・ネルー・ポート(通称ナバシェバ港)がある。

このうちムンバイ港は主に完成車を取り扱い、鉄道・道路との連絡も良く、インドの物流を

支えているものの、港から幹線道路への区間が未舗装となっている。一方、ナバシェバ港は

インド最大のコンテナ取扱量を誇っている。同港の 2007/08 年度のコンテナ取扱量は 406

万 TEU と、インド全体の 60.5%を占めた。

ナバシェバ港のコンテナ取扱量は、2000/01 年度以降毎年約 20%の伸びを示しており、

今後 10 年で5倍に増加する見込みである。同港には、NSICT 第 1 ターミナル、JNPT 第 2

ターミナル、そして 2006 年 8 月に開港した GTI 第 3 ターミナルが

ある。2007 年に JNPT のバースを延長し、コンテナ取扱い能力は

430 万 TEU となった。今後、第 4 ターミナルの建設が予定されて

おり、第 1 フェーズが 2010 年に、第 2 フェーズが 2014 年にそれ

ぞれ開港を予定しており、コンテナ取扱い能力はそれぞれ 150 万

TEU の合計 300 万 TEU の能力増強が見込まれている(図表 7-9)

が、それでも、2011/12 年度には能力不足が顕在化すると見られて

いる。先般行われた第 4 ターミナルの国際入札は 200 社以上が参

加し活況を呈したが、入札価格が資材価格・建設費用の高騰から巨

額になっているともいわれ、ターミナル利用料金で回収可能な实現

性のある投資計画かどうか、疑問視する向きもある。

図表 7-9 ナバシェバ港第 4 ターミナル予定地

JNPT 第 4 ターミナル

(出所)日本郵船資料。

第7章

193

(3) 空港

州内に、国内空港 5 港(ムンバイ、プネ、オーランダバード、ナシック及びナグプール)

と国際空港1港(ムンバイ)がある。ナビ・ムンバイの第二新国際空港計画があるが、マハ

ラシュトラ都市産業整備公社(CIDCO:City and Industrial Development Corporation of

Maharashtra Ltd.)による計画が環境省の基準に抵触し再検討中となっている。

(4) 電力

マハラシュトラ州の発電設備容量は 2007年 3月現在で中央政府管轄分からの割当てを含

み 17,984MW となっている(図表 7-10)。発電主体としては、州発電公社 MAHAGENCO

が州全体の設備容量の 54.0%を所有し最大であるが、歴史的経緯もあり財閥グループのタ

タが 9.9%を占めているほか、リライアンスのシェアが 2.8%となっている。燃料別構成で

は石炭火力を中心とする火力発電が主である。

図表 7-10 マハラシュトラ州の発電設備容量'2007 年3月末現在(

'単位:MW)

マハラシュトラ発電公社 火力 6,425'MAHAGENCO) 水力 2,450

天然ガス 852小計 9,727

タタ 火力 1,150水力 447天然ガス 180小計 1,777

リライアンス 火力 500ダボール'RGPPL)1/ 天然ガス 728自家発電 908再生可能エネルギー 1,653原子力'割当て分( 160

中央政府管轄分からの割当て2/ 2,531

合計 17,984

'注(1/ Ratnagiri Gas and Power Pvt.Ltd. 2/ 火力発電公社'NTPC(及び原子力発電公社'NPC)の 発電設備の割当て分。

(出所)Government of Maharashtra, Economic Survey of

Maharashtra 2007-08。

ムンバイでは伝統的にタタが電力事業を行っていることもあり、停電は問題とされること

はないようだが、州全体として電力不足はインドの中でも深刻である。2007/08 年度の電力

不足率は 18.3%、ピーク電力不足率は 26.4%であった(図表 4-8)。また、送配電ロス率も

高く(2006/07 年の送電ロス率は 5.5%、送電ロス率は 29.5%)、盗電対策も重要な課題と

なっている。州当局は、2012 年までに 14,000MW の追加能力の電源開発及び送配電網の拡

充を計画しており、総投資額 270 億ドルを見込んでいる。

第7章

194

Ⅲ マハラシュトラ州の工業団地

州内にはMIDCの開発による工業団地229件(総面積60,000ha)が運営されている。MIDC

では、インフラ整備や土地取得を行い、ワン・ストップサービスを提供している。

ムンバイ及びプネエリアの主な工業団地の概要は図表 7-11 及び 12 の通り。

図表 7-11 ムンバイ近郊の工業団地

Marol(カテゴリーA)

概要 Andheri East(Andheri 地区東側)に位置する。IT 企業をはじめ多様な企業が進出。

ロケーション Andheri 鉄道駅(西鉄道ライン)から 500m。 ムンバイ~アーメダバード 国道から 1km。ムンバイ国際空港から 4km。

価格 工業用: 26,250 ルピー/㎡、産業用:52,500 ルピー/㎡。

インフラ ソフトウェア開発ゾーン、宝飾ゾーン、Santacruz Electronics 輸出加工区

(SEEPZ) がある。

進出余地 無

備考 各種 IT サービス(CAD/CAM・GIS、企業向け情報システム他)およびPC 製造販売を行なう企業が入居。ほか、国営通信事業者であるMTNL、ナショナルテストハウス(国家規格検査院)、ISI インド標準機構なども立地。

Taloja(カテゴリーA)

概要 1986 年設立、主な分野は工業、化学、食品加工業。

ロケーション ナビ・ムンバイに立地する。900 ヘクタールは、旧ムンバイ~プネ国道 4 号線上にあり、Panvel市内から約 10km。最も近い空港は、Santa CruzおよびSahar

で約 50km。

Konkan 鉄道が通っており、最寄り駅は Navade 駅である。病院、学校、大学、娯楽施設などは約 10~20km ほどでアクセス可能。

価格 工業用:3,000 ルピー/㎡、商業用:7,500 ルピー/㎡。

進出余地 有

備考 入居企業の製造品目:アルミ加工製品、朝食シリアル、風邪薬・ビタミン剤、液体アンモニア・メタノール製品、接着・封止剤など。

連絡先 MIDC(Maharashtra Industrial Development Corporation)

住所:`Udyog Sarathi`, Mahakali Caves Road, Andheri (E),

Mumbai -400 093.

電話番号: 91-022-26870052 / 54 / 73 Fax: 91-022-26871587

E-mail: [email protected]

*製造業以外は、 MIDC 内 Industries Secretary (工業担当次官)

Tel:+91-22-2202-5393 Fax:+91-22-2282-4446

(出所)MIDC。

第7章

195

図表 7-12 プネ地区の工業団地

団地名 カテゴリー 概 徴 進出

余地

Baramati C/D 面積:761.65 ヘクタール。プネ市内から 105km、シャトル便(鉄道)

の利用も可能。土地代は工業用:150 ルピー/㎡、商業用:750 ルピー/

㎡。MIDC はインフラを提供。1,278 社分の割当てのうち 1,275 社分が

割当て済み。

限定的

Chakan

industrial

area

C 面積:258.04 ヘクタール。プネ市内から 30km、空港から 45km。ムン

バイまで 140km。ナバシェバ港まで 110km。土地代は工業用:1,200

ルピー/㎡、商業用:3,000 ルピー/㎡。Bajaj オートなどが進出。

Jejuri C 面積:118.37 ヘクタール。プネから 60km、ムンバイから 110km。土

地代は工業用:350 ルピー/㎡、商業用:800 ルピー/㎡。Knoll などが進

出。216 社分の割当てのうち 197 社分が割当て済み。

Kharadi

Knowledge

Park

A 面積:30 ヘクタール。知的ビジネス専門の工業団地。プネ空港から

10km。ムンバイから 170km。土地代は 1,000 ルピー/㎡(工業用)。14

社分の割当てのうち2社分が割当て済み。

Kurkumbh C プネ市内から 65km、空港から 75km。土地代は工業用:200 ルピー/㎡、

商業用:600 ルピー/㎡。

Pandare C 面積:28.22 ヘクタール。土地代は工業用:50 ルピー/㎡、商業用:100

ルピー/㎡。50 社分の割当てのうち 48 社分が割当て済み。

Pimpri

Chinchwad

A 1962 年に開発された州内工業団地の中でもパイオニア的存在。面積:

1,224.02 ヘクタール。土地代は工業用:3,500 ルピー/㎡、商業用:7,500

ルピー/㎡。プネ空港から 25km。

Rajiv Gandhi

Infotech

Park,

Phase I, II,

Hinjawadi

A プネ市内から 10km、空港から 21km。ムンバイから 145km。

進出企業は、Infosys Technologies Ltd.、Mercedez Benz Education

Academy、Tata Technologies Ltd. など。土地代は 2,000 ルピー/㎡(工

業用)。現在 PhaseII を開発中。

Ranjangaon B/C 空港から 55km。Whirlpool、LGPhilips などが進出。土地代は工業用:

1,200 ルピー/㎡、商業用:2,500 ルピー/㎡。

限定的

連絡先 MIDC(Maharashtra Industrial Development Corporation)

住所:`Udyog Sarathi`, Mahakali Caves Road, Andheri (E),Mumbai - 400 093.

電話番号: 91-022-26870052 / 54 / 73 Fax: 91-022-26871587

E-mail: [email protected]

* 製 造 業 以 外 は 、 MIDC 内 Industries Secretary ( 工 業 担 当 次 官 )

Tel:+91-22-2202-5393 Fax:+91-22-2282-4446

(出所)MIDC。

今後、州政府としてはムンバイ、プネに加えて、ナシック、オーランガバードの開発に注

力し、これら諸都市を結ぶ四角形地帯の総合的な発展を目指す計画である(図表 7-5 参照)。

また、IT 関連産業の促進にも力を入れており、州内には公的部門(MIDC、CIDCO)の開

発による IT パークが 33 件、民間部門の開発による同パークが 47 件運営されている。州政

府はムンバイ~プネ知識回廊(Mumbai-Pune Knowledge Corridor)構想を打ち出し、両

都市間の地域を軸に、近年はカルナタカ州バンガロールにやや遅れをとった感も否めない

IT 産業の発展を目指す計画である。

2008 年 5 月現在で公告済み SEZ は州内に 37 件となっている(巻末資料Ⅴ)。

第7章

196

図表 7-13 ムンバイ-プネ間知識回廊構想

(出所)MIDCホームページ

図表 7-14 ムンバイ、プネの IT パーク

ムンバイからプネにかけた地域に、IT 関連産業のハブを形成。

両都市を結ぶ片側 3 車線の高速道路の整備。

光ファイバーの敷設。

世界トップクラスのインフラを完備した IT パークをムンバイ、プネにそれぞれ 3 件ずつ建設。

ムンバイ、プネ両都市に、居住、教育、輸送、電力で最高水準のインフラを整備。

ムンバイ IT パーク

プネ IT パーク

ムンバイ北部の民間デベロッパーによ

る公告済み SEZ'IT パーク(のパース

第7章

197

Ⅳ 進出日系企業が直面している課題

(8) ムンバイのオフィス賃料の高騰

・ムンバイでは、とりわけナリマン・ポイントを中心にオフィス賃料の高騰が著しい。日系

企業でも、ナリマン・ポイントから賃料のより安価な北部へ、オフィスを移転する動きが

みられる。

・ムンバイの日系企業拠点では、ローカルスタッフに権限を移譲し、日本人駐在員を常駐さ

せていないところも尐なくない。

(9) 土地取得を巡る問題

・工業団地に進出するには MIDC に申請することになる。MIDC は日系企業の誘致を促進

したいとの姿勢を表明してはいるものの、ラジャスタン州のように具体的なインセンティ

ブを用意するといったほどではなく、申請後の対応について不満の声もきかれる。

・リライアンスなどの民間デベロッパーによる SEZ の開発計画もあるが、そのようなケー

スでは一般に土地価格が MIDC の開発によるものよりも高くなる。

(10) インフラ及び物流事情

① 輸送インフラ及び物流事情

・デリー~ムンバイ間や州内のムンバイ~プネ間等の高速道路、プネ地域の工業団地周辺の

道路は、改善され良く整備されており、快適な走行が可能である。例えばプネ地区のチャ

カン工業団地では、プネ市内からの幹線道路の整備によって通勤時間は 90 分から 50 分

に短縮されている。1.5 年ほど前までは、工業団地内の道路は雤が降るとぬかるみ、通勤

にも難儀をしていたが、今は舗装されそのようなこともなくなったとのことである。

・ムンバイでは交通渋滞の早期解消が待たれるところだが、インフラ整備計画は総じて遅れ

気味である。

・ムンバイの通関業務に対する評価はあまり良くなく、悪化してきているとの声もある。手

続き面ではデリーの方が透明性は高いとする向きもある。

ひとくちメモ:ムンバイ通関業務の実態

ナバシェバ港のコンテナの取り扱いは整然と行われており、港湾労働者のストもないと

のことだが、通関業務への不満の声は依然として多く聞かれる。日系企業では、通関をき

るのに 2 週間待たされ、急がせたところ袖の下を要求され、かつ、入手できた貨物は、

通常は施錠された状態であるはずのものが、鍵が開いていた(=壊れていた)という例も

あったようだ。

② 電力

・ムンバイは基本的に停電の心配はないが、マハラシュトラ州としては電力不足が深刻であ

る。州内の工業団地では、曜日ごとに停電が割り当てられている。日中の瞬間停電は通常

第7章

198

の事態で、バックアップが不可欠である。

・ナビ・ムンバイの住宅では、5 時間の停電もあるようだ。

ひとくちメモ:発電所建設よりマンゴーが大事?

マハラシュトラ州の電力不足は深刻で、発電所の建設が急がれるが、サイトの候補地とし

て有力なムンバイの西側地域ではマンゴー畑があり、このため発電所の建設もままならない

といわれている。

③ 水

・プネ地区について、チャカン工業団地では水の供給量に問題はない模様であるが、場所に

よっては断水があるようだ。

④ 通信インフラ

・通信インフラは悪くはないが、携帯電話では通話中などに時々切れることがある模様だ。

(11) 労働事情

・プネ地区のワーカーでは、日系企業の平均賃金は

1.3~1.5 万ルピー/月ほど。労働組合の賃上げ交渉

がタフなことに変わりはなく、最近は毎年 10~

15%の上昇となっている(2008年6月ヒアリング)。

・ワーカーは基本的に地元からの通勤者で、日系企

業では送迎バスを用意するなどしている。女性の

場合は、夜 10 時以降の労働は禁止されている。

・間接部門やエンジニアはジョブホッピングが激し

い。セールス担当や経理スタッフなどは 1~2 年で

全員が入れ替わってしまうとのことだ。エンジニア

の初任給は 17,000 ルピー/月ほど、マネージャークラスの賃金は 5 万ルピー/月ほどのよ

うだ(2008 年 6 月ヒアリング)。

・州内にはエンジニアが豊富である。州立大学だけで毎年 400 名のエンジニアの卒業生を

輩出しているほか、民間教育機関もあり、卒業生の合計は毎年 5,000 名ほどになる。ま

た、プネには、インドであまり例のないことだが、優秀な日本語人材がいる。プネ大学に

は日本語学科があり、300 名ほどが日本語を学んでほか、日本語スクールもある。日系企

業では日本語通訳をおいてアシスタント・スーパーヴァイザーとのコミュニケーションに

活用している例もある。

プネ市内

第7章

199

(12) 金融事情

・ムンバイは国内金融の中心地であり、ほとんどの銀行が本支店を置いている。日系では、

三菱東京 UFJ、みずほコーポレートの支店があり、預金、貸付、外為、保証などのフル

バンキングサービスを提供している。日本人駐在員も派遣されていることから、インドへ

の進出や業務拡大について、日本語での相談が可能。

Ⅴ マハラシュトラ州ムンバイ及びプネ地区の生活環境

ムンバイの気候は、気温は摂氏 25~35 度で安定的で

あるが、モンスーン季の 6~10 月は東京の年間降水量

(1,500mm)を上回る雤が降り、排水・下水網の未整備

から道路の冠水、洪水が頻発する。プネは内陸に立地し

ていることもあり、ムンバイに比べると降雤量も尐なく、

過ごしやすい気候である。

ムンバイの在留邦人数は 250 人ほどで、プネでは留学

生も含むと 100 人ほど(日本人会登録数では 2008 年 3

月末現在で 65 名)といわれている。

(1) 治安

・ムンバイもプネも一般に治安は悪くないが、2006 年 7 月にはテロが発生しており、注意

を 要 す る 。 一 般 的 な 安 全 情 報 に つ い て は 外 務 省 海 外 安 全 ホ ー ム ペ ー ジ

(http://www.pubanzen.mofa.go.jp/manual/mumbay.html)が参考になる。

(2) 住宅 / 情報

・ムンバイでは外国人は築 30~40 年のマンションに居住することが多い。これらは老朽化

しているうえに家賃も高く、日本の 2DK と同様の広さで 25~30 万ルピー。家賃の高騰

から、最近は、中心部のナリマン・ポイントから空港近くの北部へ移る人が多い。

・プネ地区では、日本人駐在員は市内に居住している。外国人用アパートは無いため、ロー

カルの人と同じ所に住んでいる。家賃は 3 万ルピー/月ほど(2008 年 6 月ヒアリング)。

(3) 買い物、食事、娯楽

・ムンバイ、プネでは日本食材販売店はなく、調達は困難である。このため、日本本社から

の送付制度やバンコクへの買出し休暇制度などがとられている。

・日本食レストランは、ムンバイでは Taj ホテル内の“Wasabi”があるが、超高級店である。

また、Japengo(ドバイ資本の和食店)にラーメンがあるほか、Oberoi ホテル内の Indiana

Jones に和食メニューがある。プネでは、2008 年 5 月に開業した O ホテル内に市内はじ

めての日本食レストラン”Harajuku”がオープンした。こちらも高級店である。

夜景の美しさから「女王のネッ

クレス」と呼ばれる海岸線マリ

ーン・ドライブ。夕日を眺める市

民が防波堤に集まる。

第7章

200

・娯楽は、ゴルフなど。プネでは、市中心部から 15 分ほどのところに1カ所、2 時間ほど

のところにもう 1 カ所ある。料金は 2,200 ルピーほど。

・プネ市内でも近年はスーパーマーケットが増えてきている。プネ・セントラルに加えて、

リライアンスのスーパーマーケット「リライアンス・フレッシュ」が数店舗ある。

(4) 学校、医療

・ムンバイには、日本人学校及び幼稚園がある。日本人学校には、小学部、中学部あわせて

約 20 名の生徒が在籍。そのほかアメリカンスクール、ジャーマンスクール、フレンチス

クールに通っている子供たちもいる。

・プネには日本人学校はなく、家族帯同者で学齢期に達した子供のいる家庭では、「メルセ

デスベンツ」という学校名のインターナショナルスクールに通学させている。日本人駐

在員では家族帯同者も増えつつあるが、単身赴任が一般的。

プネ市内の日本食レストラン“Harajuku”の和食例

プネ市内のスーパーマーケット「セントラル」

第7章

201

図表 7-15 ムンバイの学校

Sunflower Nursery School(幼稚園)

所在地 36 Ridge Malabar Hill, Mumbai, 400 006.India.

TEL 0091-22-2361-5817

Mail [email protected]

URL http://www.sunflowerschool.com/

ボンベイ日本人学校(Bombay Japanese School)

所在地 7-17 Worli Sea Face , Mumbai 400018 India

TEL 0091-22-2493-2392、0091-22-2495-0334(両番号とも FAX も兼用)

Mail [email protected]

URL http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Namiki/6682/index.html

American School of Bombay

所在地 SF 2, G Block, Bandra Kurla Complex Road,Bandra East, Mumbai -400 098

TEL 91-22-2652 1111、91-22-2652-1837

FAX 91-22-2652 1234

URL http://www.asbindia.org

・医療面では、日本人駐在員は、シンガポールやバンコクの病院、または日本に帰国した際

に病院にかかる人も多いが、Mumbai には Breach Candy Hospital Trust、Bombay

Hospital のほか、Harvard Medical School と提携しているワークハーツ病院(Wockhardt

Hospital and Heart Institute)もある。詳細は、在インド日本大使館医務室ホームペー

ジ(http://www.in.emb-japan.go.jp/Japanese/Medical/index.html)を参照。

図表 7-16 ムンバイの病院

Breach Candy Hospital Trust(総合病院)

住所:60-A Bhulabhai Desai Road, Mumbau 400 026

電話:022-26371888 外来担当:Dr. Rohit Barman 氏(携帯:9820042042)

FAX:022-23672666

●1952 年開業で、建物は古くなっているが、検査機器は最新のものを導入している。英国、ドイツ、アメリカの多くの外交団の指定病院となっており、信頼性が高い。内科医の Dr.

Rohit Barman 氏は、英国、ドイツ、米国総領事館の顧問医を勤めており、日本人に対しても便宜を図ってくれている。日常の外来診療、健康診断には十分使用に耐えるレベルである。

Bombay Hospital(総合病院)

住所:12, Marine Lines, Mumbau 400 020

電話:022-22067676 外来担当:Dr. R. K. Choudhary (携帯:9820628046)

FAX:022-22080871

●財団によって経営される大総合病院であり、卒後研修指定病院となっている。図書館や博物館等の設備もあり、検査機器や手術室には最新の機器が導入されている。病室も清潔であり、邦人の使用に耐えるものと思われる。特に循環器疾患や脳外科疾患の場合の第一選択と言える。しかし慈善病院的性格も併せ持つため、玄関口や外来はたいへん混雑しており、やや使い勝手が悪い面もある。

Wockhardt Hospitals

Mulund Goregaon Link Road, Mumbai 400078

Tel no: 91-22-67994444 mail:[email protected]

Website: http://www.wockhardthospitals.net/general/mumbai.asp