フォークリフトの災害ゼロを目指してフォークリフトの災害事例と防止対策...
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No.
2013 年
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( 株 ) レンタルのニッケン編集・発行:品質技術部/営業支援部
お問い合わせ:TEL03-5512-7411
発行日/ 2013 年 7 月 1 日
7 月号
139
e-mail:[email protected]:[email protected]安全ニュースで取上げて欲しい題材やご意見ご要望等がございましたらeメールをご活用下さい。K
フォークリフトによる平成24年度
点検個所の一例
※( )内は 死亡(内数)
(万台)
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目次contents
特集フォークリフトの歴史・国内生産台数・労働災害発生状況フォークリフトの災害事例と防止対策機械の熱中症にご注意を!
8 月号の予告特集 フォークリフト
電気使用安全月間
2013 年
弊社は、皆様の安全作業に関するよりよい情報・発展に寄与すべく、安全ニュースの製作・配布に取り組んでおります。下記、ご理解いただき、ご活用いただけますようお願い致します。●安全ニュースの一部または全部において、個人・法人を問わず、弊社および引用先(各種団体など)の許諾を得ずに、いかなる方法においても、営利目的にて、無断で販売・複写・複製・賃貸・加工・加筆および、公衆送信(インターネットやそれに類した送信)などを利用して提供することを禁じております。
●弊社は、本紙の内容において如何なる保証も行いません。●本紙内容にて発生した障害および事故についても、弊社は一切責任を負いません。
安全ニュースのご活用についてのお願い
フォークリフトも台数や活躍の場所が増えるにつれて、災害の発生する可能性も高くなります。中面では、フォークリフトによくある災害事例と、その対策例についてご紹介いたします
※参考:厚生労働省/労働災害統計
※参考:日本産業車両協会/統計資料
機械の熱中症にご注意を!
異常気象と言われる近年、夏には40℃近くまで気温が上昇する地域も少なくありません。そんな中、熱中症は人間だけでなく、屋外で炎天下にさらされる機械にも気を使う必要があります。特に注意したいのはエンジンのオーバーヒートです。
現在世界で広く使用されているフォークリフトは、荷物の積み下ろしを円滑にし、早く効果的な流通を行うことを目的に1920年代にアメリカで開発されました。その後、自動車メーカーの参入により改良が加えられています。 日本では戦前に開発されたバッテリー車が始まりであり、エンジン車は昭和30年代の中頃から開発・商品化されるようになりました。
ここ5年間のフォークリフトの生産台数を見ると、平成20年まで増加を続けていたものが21年に半減以下となり、22年以降はまた増加傾向にあります。バッテリー車とエンジン車の比率は、バッテリー車1に対してエンジン車は1.5 ~ 2となっています。 ただ、国内の販売台数を見てみると、以前はエンジン車が多かったものの最近はバッテリー車のほうが多くなっています。ただし輸出台数は以前からエンジン車が多くなっており、国内向けにはバッテリー車、海外向けにはエンジン車が多いという状況になっています。
そのまま使用を続けるとエンジンが焼き付きを起こしたり、ガスケットの破損、最悪の場合は火災を引き起こすなど、重大な故障にもつながりかねません。
オーバーヒートとはオーバーヒートとは
①冷却水不足・漏れ・汚れ②エアエレメントの目詰まり③ウォーターポンプの不良④サーモスタットの不良⑤ラジエーターの目詰まり⑥ファンベルトの張り状態が悪い
事故の型別で最多は「はさまれ・巻き込まれ」、発生件数に対し、死亡災害の割合が多かったのは「転倒」
歴 史
フォークリフトの災害ゼロを目指してフォークリフトの災害ゼロを目指して
国 内 生 産 台 数
労 働 災 害 発 生 状 況
激突され
墜落・転落
497人(2人)
227人(6人)激 突152人(0人)
104人(4人)転 倒118人(8人)
飛来・落下
崩壊・倒壊40人(2人) その他
動作の反動・無理な動作
25人(2人)36人(0人)
合計1,982人(34人)
フォークリフトの事故型別労働災害発生状況
フォークリフトの生産台数及び国内販売/輸出台数
「エンジンの適正温度を超えてしまい、本体が熱くなりすぎた状態」
下記のような原因があげられます。
オーバーヒートの原因とはオーバーヒートの原因とは
①作業開始前点検を必ず実施する。
オーバーヒートの原因となる要素を取り除くために、下記を励行しましょう。
労働安全衛生規則で定められた作業開始前点検項目に基づき、点検を行いましょう。冷却水が不足しているようでしたら、補充をしましょう。また、不良個所がある場合は、清掃したり、修理するなどして正しい状態にしましょう。
②水温計を常にチェックする。 水温が少し高いという段階で気づき、メンテナンスを実施することで、重大な被害になる前に対処できる可能性も少なくありません。
オーバーヒートの防止対策オーバーヒートの防止対策
平ボディー車の場合平ボディー車の場合
掘削機の場合掘削機の場合
発電機の場合発電機の場合
リザーブタンクリザーブタンク
リザーブタンクリザーブタンク
ファンベルトファンベルト 冷却水投入口冷却水投入口
リザーブタンクリザーブタンク
冷却水投入口冷却水投入口
ラジエーターラジエーター
サーモスタットサーモスタット
エアエレメントエアエレメント
フォークリフトによる労働災害を事故の型別に見てみると、最も多いのは「はさまれ・巻き込まれ」となっており、災害全体の約40%となっています。次は「激突され」が25%となり、この2つで災害全体の約3分の2を占めています。 また、「墜落・転落」は災害件数では3番目・「転倒」は5番目となっていますが、死亡災害はいずれも8件と最多の「はさまれ・巻き込まれ」の10件の次に多くなっています。
フォークリフトというと運送業や倉庫業での使用が連想されますが、他の分野でも多く使われるようになってきました。そこで今月号は、さまざまな分野で使われるようになったフォークリフトの災害事例や対策などをご紹介します。
はさまれ・巻き込まれ
783人(10人)
平成19年 20年 21年 22年 23年
生産国内販売輸出
生産国内販売輸出
バッテリー車
エンジン車
▲リーチ型 (バッテリー車)
▲カウンター型 (バッテリー車)
生産台数
国内販売・輸出台数
バッテリー車輸出
バッテリー車輸出
バッテリー車国内販売
バッテリー車国内販売
エンジン車輸出
エンジン車輸出
エンジン車国内販売エンジン車国内販売
全体の約2/3全体の約2/3
フォークリフトの災害事例と防止対策※一部参考資料:三井住友海上株式会社様ご提供 商品事故防止一口メモ
作業開始前点検記録簿の例
▲
フォークリフトによくある災害事例フォークリフトによくある災害事例 フォークリフトの事故防止対策フォークリフトの事故防止対策
フォークリフトは物流・建設現場等で最も多く使われている搬送機器の一つですが、不適切な使用・操作ミスによる荷物の破損事故・労働災害も発生しています。ここでは実際によくある災害事例と災害防止のためのポイントをまとめてみました。実作業にかかわる方の日頃の点検や社内資料としてお役立ていただければ幸いです。
事例01
一方のフォーク部で吊った荷が、地面の凹凸で荷ぶれして、バランスを崩したフォークリフトが転倒。作業員が下敷きになってしまった。
フォークリフトが倒れ作業員が下敷きに!
事例02
Point 01
荷を高く積みすぎたことにより、前方の視界が悪くなり、屈んでいた作業中の作業員が視野に入らず、積まれた荷との間に挟んでしまった。
別の作業員を荷との間に挟んでしまった
事例03
段積みコンテナ現場で、パレット部に作業員が乗り上昇した状態で、荷を移そうとしたところ、身体がふらつき、荷と一緒に転落してしまった。
パレットに乗った作業員がマスト上昇時に転落!
事例04
資格を取得したての作業員が荷を降ろして、旋回しようとしたところ、操作を誤り、近くに駐車中の車にフォーク部が接触してしまった。
操作ミスで駐車中の車にフォーク部が接触!
事例05
トラックからコンテナを降ろそうとフォークリフトで荷を持ち上げたところ、爪先端のみで積載していたため、荷が落下してしまった。
荷物を爪先端に積載していたために荷が落下!
事例06
商品を積載して、下り坂を走行していた際、横から急に人が出てきたので、急ブレーキをかけたところ、荷が崩壊してしまった。
坂道を走行中、急停止をしたところ、荷が崩壊!
作業前のチェックポイント
Point 02 走行時のチェックポイント
Point 03 荷役作業時のチェックポイント
□ 作業開始前点検を励行する
□ フォークリフトの有資格者が作業する
□ 指定された作業服、保護帽、安全靴等を着用する□ KY(危険予知)活動を実施する
□ フォーク部を下げて走行する
□ 構内では構内指定速度以下で走行する
□ カーブでの内輪・外輪差を意識してハンドリングする
□ 下り坂ではバックで走行する
□ 不整地・坂道、狭い場所での急発進、急ブレーキ、急旋回をしない
□ 視界の悪いコーナーでは一時停止する
□ 荷役作業時の安全確認を行う
□ 高い積み荷の時は、バック走行する
□ 倉庫や工場の出入り口ではマストがあたらないよう、高さ調整して走行する
□ フォークリフト許容荷重以上の荷物を積載しない
□ フォークリフトの動作範囲内に人を立ち入らせない
□ 運転台以外に人を乗せない□ フォークの先端で荷物を押したり、移動したりしない
□ 所定のアタッチメント以外の吊り具を使用しない
①毎日の作業開始前点検 ②月例点検(定期自主検査) ③年次点検(特定自主検査)を行うことで、フォークリフト自体の異常を原因とする事故を未然に防ぐことが出来ます。
フォークリフトの運転には、最大荷重1t未満の場合は特別教育、1t以上の場合は技能講習が必要です。
荷物の落下を避けるため、最も安定した状態を維持するべく、極力重心を下げて走行しましょう。
作業前に危険のポイントを指摘して、対策や行動目標を決め、行動する前に事故を防止しましょう。
一般に荷物積載時は6~ 8km/h、空車時は15~ 20km/hが適当とされています。
一般の自動車と比べ、約2倍のタイヤ切角をもっているため、ハンドルの切りすぎに注意しましょう。
荷物の落下防止のため、下り坂ではバックで走行、反対に上り坂では前進走行しましょう。
整地走行以上に減速することを心がけましょう。
視界の悪い曲がり角や、交差点では停止線を設けるなどして、一時停止をしましょう。
あらかじめ、進行方向や動作部分の安全確認をしましょう。どうしても視界不良で操作する場合は誘導員をつけるようにしましょう。
積み荷の高さが視界を遮る場合は、進行方向の視界を確保するため、必ずバックで走行しましょう。
フォークリフトに貼られた許容荷重表を確認し、許容荷重を守りましょう。
荷の落下時の危険性だけでなく、不意の作動に備えて、動作範囲内には人を立ち入らせないでください。
フォークの先端で、荷物を傷付けてしまったり、地面の凹凸などにより荷物の転倒を招く場合があります。
特殊な形態の荷物を扱う場合は、専用の吊り具(アタッチメント)を利用しましょう。
出入り口などでマストが衝突すると、設備及びフォークリフトの破損だけでなく、人的な二次災害を生じる可能性もありますので、注意が必要です。
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7 月号
139
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フォークリフトによる平成24年度
点検個所の一例
※( )内は 死亡(内数)
(万台)
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10
15
20
目次contents
特集フォークリフトの歴史・国内生産台数・労働災害発生状況フォークリフトの災害事例と防止対策機械の熱中症にご注意を!
8 月号の予告特集 フォークリフト
電気使用安全月間
2013 年
弊社は、皆様の安全作業に関するよりよい情報・発展に寄与すべく、安全ニュースの製作・配布に取り組んでおります。下記、ご理解いただき、ご活用いただけますようお願い致します。●安全ニュースの一部または全部において、個人・法人を問わず、弊社および引用先(各種団体など)の許諾を得ずに、いかなる方法においても、営利目的にて、無断で販売・複写・複製・賃貸・加工・加筆および、公衆送信(インターネットやそれに類した送信)などを利用して提供することを禁じております。
●弊社は、本紙の内容において如何なる保証も行いません。●本紙内容にて発生した障害および事故についても、弊社は一切責任を負いません。
安全ニュースのご活用についてのお願い
フォークリフトも台数や活躍の場所が増えるにつれて、災害の発生する可能性も高くなります。中面では、フォークリフトによくある災害事例と、その対策例についてご紹介いたします
※参考:厚生労働省/労働災害統計
※参考:日本産業車両協会/統計資料
機械の熱中症にご注意を!
異常気象と言われる近年、夏には40℃近くまで気温が上昇する地域も少なくありません。そんな中、熱中症は人間だけでなく、屋外で炎天下にさらされる機械にも気を使う必要があります。特に注意したいのはエンジンのオーバーヒートです。
現在世界で広く使用されているフォークリフトは、荷物の積み下ろしを円滑にし、早く効果的な流通を行うことを目的に1920年代にアメリカで開発されました。その後、自動車メーカーの参入により改良が加えられています。 日本では戦前に開発されたバッテリー車が始まりであり、エンジン車は昭和30年代の中頃から開発・商品化されるようになりました。
ここ5年間のフォークリフトの生産台数を見ると、平成20年まで増加を続けていたものが21年に半減以下となり、22年以降はまた増加傾向にあります。バッテリー車とエンジン車の比率は、バッテリー車1に対してエンジン車は1.5 ~ 2となっています。 ただ、国内の販売台数を見てみると、以前はエンジン車が多かったものの最近はバッテリー車のほうが多くなっています。ただし輸出台数は以前からエンジン車が多くなっており、国内向けにはバッテリー車、海外向けにはエンジン車が多いという状況になっています。
そのまま使用を続けるとエンジンが焼き付きを起こしたり、ガスケットの破損、最悪の場合は火災を引き起こすなど、重大な故障にもつながりかねません。
オーバーヒートとはオーバーヒートとは
①冷却水不足・漏れ・汚れ②エアエレメントの目詰まり③ウォーターポンプの不良④サーモスタットの不良⑤ラジエーターの目詰まり⑥ファンベルトの張り状態が悪い
事故の型別で最多は「はさまれ・巻き込まれ」、発生件数に対し、死亡災害の割合が多かったのは「転倒」
歴 史
フォークリフトの災害ゼロを目指してフォークリフトの災害ゼロを目指して
国 内 生 産 台 数
労 働 災 害 発 生 状 況
激突され
墜落・転落
497人(2人)
227人(6人)激 突152人(0人)
104人(4人)転 倒118人(8人)
飛来・落下
崩壊・倒壊40人(2人) その他
動作の反動・無理な動作
25人(2人)36人(0人)
合計1,982人(34人)
フォークリフトの事故型別労働災害発生状況
フォークリフトの生産台数及び国内販売/輸出台数
「エンジンの適正温度を超えてしまい、本体が熱くなりすぎた状態」
下記のような原因があげられます。
オーバーヒートの原因とはオーバーヒートの原因とは
①作業開始前点検を必ず実施する。
オーバーヒートの原因となる要素を取り除くために、下記を励行しましょう。
労働安全衛生規則で定められた作業開始前点検項目に基づき、点検を行いましょう。冷却水が不足しているようでしたら、補充をしましょう。また、不良個所がある場合は、清掃したり、修理するなどして正しい状態にしましょう。
②水温計を常にチェックする。 水温が少し高いという段階で気づき、メンテナンスを実施することで、重大な被害になる前に対処できる可能性も少なくありません。
オーバーヒートの防止対策オーバーヒートの防止対策
平ボディー車の場合平ボディー車の場合
掘削機の場合掘削機の場合
発電機の場合発電機の場合
リザーブタンクリザーブタンク
リザーブタンクリザーブタンク
ファンベルトファンベルト 冷却水投入口冷却水投入口
リザーブタンクリザーブタンク
冷却水投入口冷却水投入口
ラジエーターラジエーター
サーモスタットサーモスタット
エアエレメントエアエレメント
フォークリフトによる労働災害を事故の型別に見てみると、最も多いのは「はさまれ・巻き込まれ」となっており、災害全体の約40%となっています。次は「激突され」が25%となり、この2つで災害全体の約3分の2を占めています。 また、「墜落・転落」は災害件数では3番目・「転倒」は5番目となっていますが、死亡災害はいずれも8件と最多の「はさまれ・巻き込まれ」の10件の次に多くなっています。
フォークリフトというと運送業や倉庫業での使用が連想されますが、他の分野でも多く使われるようになってきました。そこで今月号は、さまざまな分野で使われるようになったフォークリフトの災害事例や対策などをご紹介します。
はさまれ・巻き込まれ
783人(10人)
平成19年 20年 21年 22年 23年
生産国内販売輸出
生産国内販売輸出
バッテリー車
エンジン車
▲リーチ型 (バッテリー車)
▲カウンター型 (バッテリー車)
生産台数
国内販売・輸出台数
バッテリー車輸出
バッテリー車輸出
バッテリー車国内販売
バッテリー車国内販売
エンジン車輸出
エンジン車輸出
エンジン車国内販売エンジン車国内販売
全体の約2/3全体の約2/3