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ビジネスアプリケーションの構築と デプロイのためのよりスマートな方法 Magic xpa Application Platform 特集 マイナビニュース レポート記事 第一章:ビジネスロジックのみで開発! Magic xpa はユーザーにもメリットある開発環境 第二章:コードを書かないプログラミング Magic xpa の開発を体験 第三章:保険のセールスプロセスをシステムへ ── Magic xpa で作る PC/ モバイルクラウドアプリ

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ビジネスアプリケーションの構築と デプロイのためのよりスマートな方法

Magic xpa Application Platform 特集

マイナビニュース レポート記事

第一章:ビジネスロジックのみで開発! Magic xpa はユーザーにもメリットある開発環境

第二章:コードを書かないプログラミング Magic xpa の開発を体験

第三章:保険のセールスプロセスをシステムへ

    ── Magic xpa で作る PC/ モバイルクラウドアプリ

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■ 第一章 ビジネスロジックのみで開発! ■ Magic xpaはユーザーにもメリットある開発環境

ビジネスとプログラムは相容れない関係か?ビジネスアプリケーションを開発するエンジニアの大多数は、データベースとユーザーインタフェース

のやり取りを制御する「ビジネスロジック」を、実際にソフトウェアを構成する「プログラミング言語」へどのように反映するかという難題に、常日頃から悩まされていることだろう。

それもそのはずだ。プログラミング言語の仕様にも、APIにも、学術論文にすら、ビジネスロジックという用語は出てこないからである。ビジネスのルールやワークフローを、アプリケーション開発のために整理したものがビジネスロジックである。と言ってよいだろう。

だからこそ、エンジニアはその「翻訳」にいつも頭を悩まされている。ビジネスロジックは、実際にアプリケーションを動かすデバイスや通信環境、ひいては開発環境のことを考えてくれないからだ。

逆にビジネスロジックを考える立場からしてみれば、プログラミングの制約が厳しいために、最適なワークフローを実現できないなどの問題に悩まされていることだろう。

マジックソフトウェアの「Magic xpa Application Platform」は、こうした開発者の悩みをすっかり解消してしまう開発プラットフォームだ。

歴史の最新技術を積み上げた実績Magic xpaは、「メタデータ指向」という開発アプローチを採用しており、1つの開発手法でさまざまな

実装形態をサポートするという特長がある。そのため、開発者の時間は一番重要なビジネスロジックに集中させ、開発中のさまざまな作業もできるだけ軽減されるような作りになっている。まとめると、次のような5つの特長がある。

(1)ビジネスロジックのみを開発デバイスや通信環境などの機械的・低レベルな部分のコーディングはすべてMagic xpaに委ねることが

「Magic xpa Application Platform」ビジネスアプリケーションの構築とデプロイのためのよりスマートな方法

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でき、開発者はビジネスロジックの実装のみに専念できる。

(2)環境の違いを自動で吸収データベースソフトウェアやOSなどの違いについては、Magic xpaの実行エンジンが吸収してくれる。

ビジネスロジックという資産をさまざまな形態・デバイスに展開でき、将来にわたって有効に活用することができる。逆に、過去に開発した資産を最新の環境へ流用することも容易だ。

(3)カスタマイズや修正が容易作成したソフトウェアのカスタマイズや修正が非常に容易で、運用開始後の保守性が非常に高い。

(4)DBアプリ特化型で品質が均一DB特化と言っても、ほとんどのビジネスアプリケーションに対応できる。またそれを生かして処理フ

ローが標準化されているため、開発者によるバラつきが小さく高い品質を保持できるという特長がある。

(5)アジャイル/スパイラル開発に最適高級言語に近い作りでコンパイルやビルドが不要なため、アプリ開発からテスト、実配備までの期間が

大幅に短縮できる。そのため、プロトタイプ〜レビュー&フィードバック〜修正というサイクルを非常に短期間で進められる。

このような特長を聞くと、実に新しい仕組みのように思えるが、イスラエルの本社設立から30年、日本市場でも25年以上、時代時代の最新技術を常に吸収してきた実績のある開発プラットフォームだ。国

「パッケージソフト .com」では、Magic xpa で開発された業務アプリケーションが紹介されている

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内でも800社以上の開発パートナーを抱え、「パッケージソフト.com」にはMagic xpaで開発されたパッケージアプリケーションが300種類以上も登録されている。

ユーザーも大きなメリットを得られる上述の5つの特長からわかるように、Magic xpaの恩恵を受けられるのは開発者だけではない。アプリ

ケーションを使うユーザーにこそ、大きなメリットがある。

例えば(2)に関する事例を紹介しよう。あるユーザー企業では、長年使ってきたアプリケーションを最新のWindows8に移植したいというニーズがあった。そのアプリケーションは、なんと「MS-DOS」で作られていた。

普通の開発会社であれば「新しく作ったほうが安いですよ」と言うところだろう。しかしMagic xpaを導入している開発会社は「やりましょう。なんならAndroidでも使えます」と言う。

実際、そのアプリケーションに使い慣れた社員のために使用方法をなるべく変更せず、ちゃんとWindows8に対応させることができた。しかも、今後新しいWindowsやスマートデバイスが登場したとしても、そのままアプリケーション資産として生かすことができるというのだ。

また(5)について、タブレット用アプリケーションのプロトタイプをごく短期間でリリースし、ユーザーと開発会社がタッグを組んで作り上げていくというスパイラル開発の事例がある。フィードバックは1週間ごとに行ったとのことだが、社員の意見や要望を吸収しつつ、手元のアプリケーションがどんどんグレードアップしていくさまは、使っていて楽しいことだっただろう。

3つのアプリケーションを構築可能メタデータ指向を採用したMagic xpaは、1つの開発手法で「クライアント/サーバ型」「Webアプリケー

ション」「Rich Internet Application(RIA)/モバイルRIA」という多彩な実装形態をサポートしている。つまり、ビジネスアプリケーションで標準的に使われている形式のすべてを一つのツールで開発できるということだ。中でもRIAについては、開発者の負担を大きく軽減でき、「クライアント/サーバ型」とほぼ同等の操作性を実現している。

RIAは、サーバ側のアプリケーションとクライアント(スマートデバイス)側のアプリケーションを、それぞれ同期できるようにソフトウェアを開発しなければならない。したがって通常の開発環境では、多くのプログラムとWeb技術・知識が必要で、特に同期を制御する部分には高いスキルが必要となる。しかも、サーバとクライアントのアプリケーションはそれぞれ異なる言語を用いるケースがほとんどだ。

モバイルRIAなど、サーバとクライアントで環境が大幅に変わる場合は、それぞれ異なる会社で開発する必要があるかもしれない。開発中に何らかのエラーが生じた際には、どこに問題があるのかを切り分けにくく、複数の開発会社が関わる場合には、さらに複雑化することだろう。

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Magic xpa では、1 つで“クラサバ”からモバイル RIA まで多彩な実装に対応するビジネスアプリケーションを製作できる

Magic xpa による RIA アプリケーションの開発と実行

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Magic xpaならば、開発環境はもちろん1つで、しかも業務ロジックと画面定義のみを記述するだけでよい。クライアントとサーバを2つに分けて開発する必要はなく、1つのプログラムとして作ればよい。最初のアクセスでクライアントへアプリが配布される際に、自動的に必要な部分のみが提供される仕組みだ。データベースへのアクセスや通信・同期といった作業も、Magic xpa側が自動的に処理してくれる。

当然のことながら、開発プロセスも大幅に短縮できる。一般的なモバイルRIAならば、サーバとクライアントのそれぞれでプロセスが進行し、ちゃんと同期しながら進める必要があるが、Magic xpaはそもそもプロセスが1つでコンパイルやインストールという概念もないため、非常に短期間で開発を進められるだろう。

Magic xpaを用いた実際の開発作業の様子については、次回、同社が定期的に開催しているハンズオンセミナーのレポートで詳しく紹介しよう。筆者も実際にアプリ製作を体験したが、マウスに触っていた時間のほうがずっと長く、プログラミングをしたという実感は得られないほど簡単だった。ぜひ期待していただきたい。

モバイル RIA アプリケーションの開発プロセスの違い

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■ 第二章 コードを書かないプログラミングMagic xpaの開発を体験

Magic xpaのメリットを実際に体験してほしい!連載第1回では、マジックソフトウェア・ジャパン

の「Magic xpa Application Platform」の利点を述べたが、言葉だけではなかなか伝わりにくい部分もあったことだろう。そこで同社では、実際にMagic xpaで簡単なアプリケーションを作成する無料のハンズオンセミナーを定期的に開催している。

筆者もハンズオンセミナーに参加し、Magic xpaでアプリケーションを “開発” することに成功した。今回は、その体験をレポートしたい。筆者はプログラミングにはあまり詳しくなく、きっと付いていけないだろうと思っていたが、それは杞憂にすぎず、Magic xpaならば、初級者でも簡単にアプリケーションを作成できてしまうのだ。

キーボードだけでも開発可能 マウス中心でもスムーズで使いやすい今回の講師は、マジックソフトウェア・ジャパン ソリューション本部プロフェッショナルサービス部コ

ンサルタントの佐藤公二郎氏が務めた。

今回のハンズオンセミナーでは、ノートブックPCとAndroidタブレットを使用した。PCにはMagic xpa と、Web サ ー バ と し て「IIS」、 デ ー タ ベ ー ス サ ー バ と し て「Microsoft SQL Server Express Edition」が稼働している。Android端末は、RIA (Rich Internet Applications)開発を体験するため無線LANで接続されている。また今回は、あらかじめ用意されたデータベース(顧客マスタ、商品マスタ、上場企業データ)を利用した。

Magic xpaは、ほとんどの設定や表示などがマウスを中心に操作することができる。佐藤氏の解説によれば、開発を高速化できるように、よく利用する作業はキー操作だけで扱えるようにショートカットが豊富に用意されている。操作に慣れると、キーボードからほとんど手を離さずに、どんどんアプリケーションを定義していくことができるという。逆にマウス中心の操作でも、少しキータッチが必要になるくらいで、問題なく開発を進めることができる。

ハンズオンセミナーの様子

パソコンと Android タブレットでアプリケーションを開発する

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数クリックの設定でデータベースを操作できるようになった最初の作業は、データベースを定義することだ。任意の名称(今回は、ハンズオンBP)を付けて、すで

に用意されているMicrosoft SQL Serverをマウスクリックで指定するだけである。

Magic xpaの開発は「プロジェクト」単位で管理される。プロジェクトは、「モデル」「テーブル」「プログラム」「ヘルプ」といった“定義(リポジトリ)”から構成され、これを指定していくことでアプリケーションが開発できる。

まず、新規作成で「MyProject」プロジェクトを作り、続けてモデルを登録する。モデルリポジトリでは、共通して使われるデータ項目やGUI部品(フォーム、ボタンなど)の特性を定義する。今回は、Android端末へ対応するため、タブレットのサイズに合わせて表示形式などを設定したモデルを作っておく。

Magic xpa全般に言えることだが、各項目はマウスでダブルクリックするかF5キーを押すことで「ズーム」でき、手軽にパラメータを入力することができる。キーボードでの打ち込みが少なくなり、入力ミスが軽減される。

次に、事前に準備してあるSQL Serverからテーブルの定義を取得するため、データリポジトリを設定する。と言っても、リスト画面で「定義取得」をクリックし、先ほど作った「ハンズオンBP」を指定して、必要なデータソースを選択するだけでよい。

マニュアル:顧客データベースの登録が完了し、すでにデータベースを照会できるようになっている

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たったこれだけの設定で、実はすでにデータベースへのCRUD (Create/Read/Update/Delete)が可能になっている。実際、Magic xpaのAPG (Auto Program Generator)機能を用いて、データベースの内容を閲覧したり、修正したりできるプログラムが自動生成されたことが確認できた。

マウスしか触ってないのにデータベースアプリケーションが完成さて、ここからが本番だ。今度はもう少し本格的に、クライアント/サーバ型のアプリケーションを作る。

アプリケーションを作る際には、プログラムリポジトリを定義する。APG機能を起動して、プログラムのモードを「照会」にし、スタイルを「スクリーン」に設定して「OK」をクリック。

実はこれだけで、すでに照会プログラムは完成だ。プログラムリポジトリのリストを選択して実行すれば、データベース照会プログラムが起動する。何も設定しなくとも、PageUp/Downキーでデータを次々表示できる。

佐藤氏の解説によれば、このようなデータを参照するプログラムをベースとし、テーブルに対するレコードのループ処理を「タスク」として登録していくことで、データベースアプリケーションを作っていくことができるという。タスクの各ステップで行うべき処理は「ロジック」として定義する。

ポイントは、下記のような低レベルの処理は、Magic xpaのエンジンが自動で行ってくれるという点だ。この部分を開発者が考える必要はなく、ループの各ステップでロジック(ビジネスロジック)を考えること

マニュアル:たった数クリックでデータベースを照会する Windows プログラム(フォーム)が完成

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に集中できる。

 ・テーブル、ファイル、内部データの初期化・終了 ・レコードフェッチ、修正データの書き込み ・データベースソフトウェアに依存するSQL文の違い

Magic xpaは、画面表示(フォーム)の編集も簡単だ。フォームエディタで直接サイズを入力したり、ドラッグでパーツを組み込んだりと、図形描画ツールのような感覚でウィンドウを生成することができる。

次に、受注データの「顧客番号」をキーにして、顧客マスタからレコード(顧客情報)を引っ張ってきて画面に表示するというアプリケーションを作る。Magic xpaでは、この1対1の関係は「データリンク」によって実現される。

まず「タスクエディタ」を開き、顧客番号に対する照会リンクを設定して顧客マスタを紐付ける。次に顧客番号をカラムコマンドで追加して、検索条件を設定する。さらに顧客名と住所のデータを「カラム」コマンドで読み込むという具合だ。最後に、フォームエディタを開き、追加したデータをドラッグ&ドロップでウィンドウ上に配置して、サイズと位置を調整するだけである。

いよいよAndroidアプリを起動 RIAもマウス一本で!いよいよ、Android端末に対応したRIAの開発へ移る。今回は、上場企業データから企業名とホームペー

マニュアルなどなくても、パレットやコマンドのアイコンから何ができるのかはすぐわかる。直感的な操作性も Magic xpa の特徴の 1 つだ

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ジURLのリストを表示するアプリを作る。

プログラムリポジトリに新しい行を追加し、APG機能を開いて「リッチクライアント」に設定。参照するカラムを選択して、最初に作成しておいたAndroidタブレット用のモデルリポジトリを選択しておく。タブレットでの利用を想定しながら、フォームを埋めてサイズを調整する。こうしてできたアプリケーションは、Windowsマシンでも容易に稼働する。

このアプリケーションは、すでにAndroidでも動かすことができる。さらに、URLをタップしたらWebブラウザからアクセスできるようにする。ロジックウィンドウに追加するのは、たった2行。URLを「クリック」するという “イベント” が発生したら、「外部コントロール」でブラウザを起動することを指定するだけだ。

今回筆者が体験したのは、ごく簡単なアプリケーション開発に過ぎないが、ほとんどマウス操作だけでAndroidへの対応も実現できた。複雑な処理をするアプリケーションであっても、操作の基本は変わらない。

佐藤氏によれば、ある開発会社では少人数のエンジニアがビジネスロジックの設計に注力し、Magic xpaでのプログラミング作業はオフショアのパートナー企業に任せているという。

よりよいアプリケーションを短期間で開発するためには、優秀なエンジニアがビジネスロジックの開発に集中できる環境が必要である。Magic xpaは、その環境を提供できる開発プラットフォームである。

データベースの顧客マスタと受注データからデータを引っ張ってくるアプリケーションが完成した

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上場企業のリストを表示するリッチクライアントアプリケーションを Windows 上で起動した

マニュアル:背景色の調整は必要だが、少し設定をしただけでAndroid アプリが稼働している

講師の佐藤氏はわからないことがあっても直接指導してくれた

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■ 第三章 保険のセールスプロセスをシステムへ ■ ──Magic xpaで作るPC/モバイルクラウドアプリ

1回目「ビジネスロジックのみで開発! Magic xpaはユーザーにもメリットある開発環境」、2回目「コードを書かないプログラミングMagic xpaの開発を体験」と紹介してきた本連載もいよいよ最後。本稿では実際にMagic xpaで構築したビジネス基盤により他社との差別化に成功したエフピーステージと、その構築を一任されているダイレクト・コンサルティングにMagic xpaの特徴とメリットを伺った。

五島聡氏が代表取締役を務めるエフピーステージは、主に法人向けの保険営業マンを育成する「戦略法人保険営業塾」を事業の1つとして営んでいる。営業ノウハウや知識を習得するためのセミナーやメールマガジン、Webマガジンの提供だけでなく、Magic xpaを用いて新たに開発されたクラウド型顧客コミュニケーションツール「カスタマービジョンサポート(CVS)」の提供によって、保険営業の最適化とビジネスモデルの構築をサポートする。

保険業界は、安価なネット保険や巨大な総合乗合代理店の登場によって、競争は激化の一途をたどっている。その中で、保険営業マンが生き残り、成功するためには、強力な武器が必要だ。

「企業経営者が希望していることは、自らのビジョンを実現することです。情緒的な “なんとなく” という経営を、物理的に “何をどうすればよいのかわかっている” という経営に変え、黒字を最大化したいと考えています。保険と保険営業マンは、そうしたお客さまのビジョンの具現化・達成を支えるものでなければなりません。CVSは、そうした営業マンを強力にサポートするツールです」(五島氏)

CVSの開発は、Magicシリーズで20年以上の開発実績を誇るダイレクト・コンサルティングが担当した。ではどのようにして同社は、五島氏が持つ “ノウハウ” や、保険営業マンが実現したい “セールスプロセス”を、システムに具現化したのだろうか。

保険営業マンのセールスプロセスをシステム化するCVSで提供されている機能のは大きく3つ、顧客管理(個人情報、資産・負債情報、課題、将来プランなど)

とメールマガジン(編集・配信)、そして全文検索の機能だ。

顧客管理は情報が多岐に渡り、全てを把握できている営業マンは少ないのが実情である。専門のシステムが必要となる分野も多く、当然紙の手帳などでは追い切れない。しかし、顧客のビジョン達成という面ではなくてはならない情報管理である。メールマガジン機能では、保険営業塾から配信されるテンプレートを基に、個々の顧客に応じ編集して送付ができる。きめ細かい活動が可能となる目玉の機能である。全

エフピーステージ株式会 社代表取締役 五島聡氏

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文検索は、顧客情報や商品情報、税制資料などをすばやく探すことができ、特に社外活動で役に立つ機能である。

このCVSの開発は、ダイレクト・コンサルティングのマネージャーである那倉慎一氏が主に担当した。

「五島氏は、Excelに画面のイメージなどを描いて、実現したいアプリケーションのコンセプトを細かく作りこんでいました。もちろんデータベースやシステムについての仕様があったわけではありませんが、叶えたい仕組みというものがよく伝わってきたので、少し手直しして、数回すり合わせをしただけで実際の製作に入りました」(那倉氏)

もちろんこれは、Magic xpaがアジャイル開発に最適なツールであるという表れでもある。一般的な開発であれば、仕様を細かく詰めてから製作にかかるため、プロトタイプですら長時間の開発期間がかかってしまう。Magic xpaであれば、コンセプトからいきなり画面を作って見せることも可能で、余計な作画に時間を取られることもないし、実際に画面を操作できるので意見も吸収しやすい。

遠隔地からの確認とフィードバックを短期間で繰り返すダイレクト・コンサルティングは、1か月半ほどでプロトタイプアプリケーションを提出した。と言っ

ても、マニュアルなく扱えるPC版のRIAアプリケーションであるから、AWSクラウドに評価用環境を用意してアップロードし、遠隔地の五島氏にメールで確認を依頼するだけだ。これも、Magic xpaのアジャイル開発の軽快さと言えるだろう。

最初の時点で、那倉氏によれば50%、五島氏は “かなり完成していた” という印象を持つほどだった。PC版CVSの開発は、2012年10月から12月の3か月で完了した。プロトタイプの提出以降も、数回の修正や調整を行った程度で、開発はスムーズかつスピーディに行われた。

Magic xpaは、複数の開発者でも齟齬なく開発を行うことができ、タイプミスなどによるバグがほとんど発生しないツールである。もしアプリケーション全般に影響する修正があったとしても、影響範囲をもれなくチェックし反映できるような仕組みも備わっている。だからこそ、開発期間を短縮することができる。

「Magic xpaは、ビジネス(ビジネスロジック)に特化したツールですから、派手なアプリケーションを作れるわけではありません。しかし、だからこそシンプルで誤りが少なく、ユーザーの使い勝手に集中できるという面もあります」(那倉氏)

モバイル版CVSも新機能を追加しながら迅速に開発CVS の開発当初は、モバイル版への対応は想定されていなかったが、開発途中に Magic xpa の

ダイレクト・コンサルティング株式会社 マネージャー那倉慎一氏

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Android対応が発表されたこともあり、五島氏との相談でやってみようということになった。

「保険営業は、想像どおり外出が多いビジネスです。ただ、使い勝手は非常に重要ですし、入力ミスなどがあっては困りますから、モバイル版は情報の検索と閲覧のみに絞ることにしました」(五島氏)

モバイル版の開発は、PC版の完成直後、2013年1月後半から3月までの約2か月で完了した。

「Android対応は急遽決まったことですが、Magic xpaがデバイスの差を吸収してくれることはわかっていたので、実はそれほど心配はしていませんでした」(那倉氏)

モバイル版には、新機能として、タブレット端末のGPSを活用した「付近検索機能」が追加されている。現在地点から指定距離範囲の顧客を地図上に表示して、情報を参照することができる。

「1日に訪問できる件数には限りがあります。だからこそ、地図を使った事前の計画は非常に重要です。また、ある商談が短時間で終わった場合や、年末年始の挨拶にカレンダーを配りたい場合など、短い時間を有効に活用したいというニーズもあります。付近検索機能を使えば、時間を最大限に活用することができるのです」(五島氏)

この機能は、マジックソフトウェア・ジャパンが提供するアプリケーションテンプレートで容易に作ることができた。地図連携のサンプルプログラムをコピーして、CVS用にパラメータを調整しただけだという。純粋なAndroidプログラミングをしたら、2か月では開発を終えることはできなかっただろうと、那倉氏は述べる。

詳細検索 付近検索

PC 版顧客検索

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今後もさらに進化を期待できるCVSMagic xpaによるアプリケーション開発について、那倉氏によれば、まずシンプルに作ること、そして

使い慣れてきたユーザーのフィードバックを基に、よりよく改善したり機能を追加したりしていくことがポイントであると述べる。

「特にモバイル版は、情報を読む部分はともかく、ボタンやタップするエリアを広めに取らなければ使いにくいため、この調整がポイントになります。プロトタイプを実際に使っていただきながら、細かくユーザビリティを改善していきました」(那倉氏)

現在では、CVSへの要望も少しずつ出てきており、より細かな操作性の向上や便利機能の追加も検討しているとのことだ。

「現在CVSは、問題なく稼働していますが、まだまだ完成版ではありません。教育コンテンツとからめた新しいサービスも展開していきたいと考えています。レベルの高い開発を行ってくれるダイレクト・コンサルティングはもちろん、将来的に新しいデバイスやOSが出てきたとしても継続的に資産を活用できるという点で、Magic xpaとマジックソフトウェアも信頼に値します」(五島氏)

本連載により、改めてマジック ソ フ ト ウ ェ ア が 提 供 す るMagic xpa のすばらしさがご理解頂けたのではないでしょうか。開発側はもちろんのこと、そのビジネスモデルを導入する企業側にこそ真のメリットがあるのではないかと、筆者は思う。

お問い合わせ:マジックソフトウェア・ジャパン株式会社 (Magic Software Japan, K.K.)〒 151-0053 東京都渋谷区代々木三丁目 25 番 3 号       あいおいニッセイ同和損保新宿ビル 14 階TEL:03-5365-1600(代表)HP URL:http://www.magicsoftware.com/ja製品 URL:http://www.magicsoftware.com/ja/magic-xpa-application-platform