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ベーシック・インカム実現への道 ―世帯別の試算に基づく考察 群馬大学 社会情報学部 情報社会科学科 上田利佳 2010 年 1 月 15 日提出

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Page 1: ベーシック・インカム実現への道inuzuka/lec/ueda.pdf概 要 本論文の目的は、社会的排除への対応策であるベーシック・インカムが日本で導入された

ベーシック・インカム実現への道

―世帯別の試算に基づく考察

群馬大学 社会情報学部 情報社会科学科

上田利佳

2010 年 1 月 15 日提出

Page 2: ベーシック・インカム実現への道inuzuka/lec/ueda.pdf概 要 本論文の目的は、社会的排除への対応策であるベーシック・インカムが日本で導入された

概 要

本論文の目的は、社会的排除への対応策であるベーシック・インカムが日本で導入された

場合に、どのような効果をもたらすかを明らかにすることである。具体的には、いくつかの

世帯類型を設定し年収で場合分けをした上で、現行制度における収入とベーシック・インカ

ム導入後の収入との比較を試みる。試算の結果から、ベーシック・インカムの利点や課題に

ついての考察を行う。本論文の構成は以下のとおりである。

第1章では、日本の社会保障制度の成り立ちや目的について説明し、その全体像を捉える。

とくにベーシック・インカムに置き換わる生活保護制度については、制度の目的や種類につ

いて説明したのち、現在の受給世帯に関するデータを示す。さらに、生活保護制度に関して

生じている問題として「水際作戦」と「不正受給」の 2点を取り上げる。また、今日の社会

保障制度改革が必要とされる背景や、改革の目的を検討する。

第2章では、「社会的排除」と、その対抗概念である「社会的包摂」について概要を説明し

たのち、社会的排除への対応策としてのベーシック・インカムやワークフェアについて検討

する。第3節でベーシック・インカム構想の定義や特徴、構想立案に至った背景などを説明

し、財源をめぐる議論や最低限所得保障の類型を紹介する。さらに、ベーシック・インカム

を支給すると人々は働かなくなるのではないかというフリーライダー問題への反論として、

フィッツパトリックによる 4つの議論を紹介する。

第3章では、ベーシック・インカムを実際に導入した場合の試算を、6 つの世帯類型を設

定して行う。試算の結果、ある年収を境に、ベーシック・インカムを導入した場合の手取り

収入と現行制度下における手取り収入が逆転することが分かった。そして逆転する分岐点と

なる年収を、6 つの世帯類型ごとに求めている。この試算の結果から、ベーシック・インカ

ムが及ぼす影響には、「稼ぎ手の人数」「年収」「世帯人員数」という 3つの要素が大きく関わ

っているという考えを示す。

最後に、以上の議論と分析を踏まえ、ベーシック・インカムは誰にどのような影響を及ぼ

すのかをまとめる。そして、従来の福祉システムではなくベーシック・インカムが必要とさ

れるようになった背景を示した上で、ベーシック・インカム導入の必要性を主張する。

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目 次

はじめに ........................................................................................................................................ 3

第1章 社会保障の仕組みと現状................................................................................................. 4

第1節 社会保障制度 ............................................................................................................... 4

1 社会保障制度とは ........................................................................................................... 4

2 4 つの部門 ....................................................................................................................... 4

3 社会保障給付費............................................................................................................... 6

第2節 生活保護制度 ............................................................................................................... 8

1 基本理念.......................................................................................................................... 8

2 対象................................................................................................................................. 9

3 種類................................................................................................................................. 9

4 生活扶助の地区別基準額............................................................................................... 10

5 生活保護受給世帯数の推移 ........................................................................................... 11

6 生活保護をめぐる問題 .................................................................................................. 13

第3節 社会保障の改革 ......................................................................................................... 14

1 改革の背景 .................................................................................................................... 14

2 「企業中心社会」的特徴............................................................................................... 15

第2章 社会的排除への対応策 .................................................................................................. 17

第1節 社会的排除/包摂...................................................................................................... 17

1 社会的排除とは............................................................................................................. 17

2 社会的包摂とは............................................................................................................. 19

第2節 ワークフェア ............................................................................................................. 21

1 ワークフェアとベーシック・インカム ......................................................................... 21

2 日本におけるワークフェア ........................................................................................... 22

第3節 ベーシック・インカム構想........................................................................................ 22

1 ベーシック・インカムとは ........................................................................................... 22

2 構想立案に至る背景...................................................................................................... 23

3 ベーシック・インカムの利点 ....................................................................................... 24

4 財源をめぐる議論 ......................................................................................................... 25

5 最低限所得保障の諸類型............................................................................................... 26

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6 フリーライダー問題...................................................................................................... 28

第3章 ベーシック・インカム試算 ........................................................................................... 32

第1節 給付額の設定 ............................................................................................................. 33

第2節 財源と税率 ................................................................................................................ 35

1 財源と税率 .................................................................................................................... 35

2 社会保険料の減少 ......................................................................................................... 36

第3節 現行制度における所得の計算 .................................................................................... 40

第4節 ベーシック・インカムにおける所得の計算............................................................... 42

1 世帯類型........................................................................................................................ 42

2 計算方法........................................................................................................................ 43

第5節 試算の結果 ................................................................................................................ 44

1 試算の結果 .................................................................................................................... 44

2 分岐点の算出 ................................................................................................................ 46

3 分析............................................................................................................................... 50

第6節 補足的ケースについての考察 .................................................................................... 52

1 生活保護世帯とベーシック・インカム ......................................................................... 52

2 「子ども手当」とベーシック・インカム...................................................................... 55

おわりに ...................................................................................................................................... 58

引用・参考文献 ........................................................................................................................... 60

参考資料 ...................................................................................................................................... 64

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はじめに

本論文の目的は、社会的排除への対応策であるベーシック・インカムが日本で導入された

場合に、どのような効果をもたらすかを明らかにすることにある。具体的には、いくつかの

世帯類型を設定し年収で場合分けをした上で、現行制度における収入とベーシック・インカ

ム導入後の収入との比較を試みる。試算の結果から、ベーシック・インカムの利点や課題に

ついての考察を行う。本論文の構成は以下のとおりである。

第1章では、日本の社会保障制度の成り立ちや目的について説明し、その全体像を捉える。

とくにベーシック・インカムに置き換わる生活保護制度については、制度の目的や種類につ

いて説明したのち、現在の受給世帯に関するデータを示す。さらに、生活保護制度に関して

生じている問題として「水際作戦」と「不正受給」の 2 点を取り上げる。また、今日の社会

保障制度改革が必要とされる背景や、改革の目的を検討する。

第2章では、「社会的排除」と、その対抗概念である「社会的包摂」について概要を説明し

たのち、社会的排除への対応策としてのベーシック・インカムやワークフェアについて検討

する。第3節では、ベーシック・インカム構想の定義や特徴、構想立案に至った背景などを

説明し、財源をめぐる議論や最低限所得保障の類型を紹介する。さらに、ベーシック・イン

カムの議論の際に欠くことのできないフリーライダー問題に関して、どのような議論がされ

ているかを考察していく。

第3章では、ベーシック・インカムを実際に導入した場合の試算を、いくつかの世帯類型

について行う。ベーシック・インカムを導入すると現行制度と何が変わるのか、どんなメリ

ットやデメリットがあるのか、世帯によって収入に違いは出るのかなどの疑問点を、具体的

なデータの値を用いて明らかにしていく。その結果を分析することで、ベーシック・インカ

ムの利点と問題点を提示する。

「おわりに」において、本論文のまとめを行う。結論として、ベーシック・インカムは社

会にどのような影響を与えるかを考察し、ベーシック・インカム導入の是非を論じる。

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第1章 社会保障の仕組みと現状

本章では、日本の社会保障制度の成り立ちや目的について説明し、その全体像を捉えるこ

とを目的とする。また、今日の社会保障制度改革の背景及び目的を検討するとともに、実際

に生じている社会保障に関する問題を明らかにしていく。

第1節では社会保障制度の概要と 4 つの部門について、政府の勧告をもとに紹介する。ま

た、公的な社会保障制度の給付総額を示す社会保障給付費の推移を示す。第2節では生活保

護制度の目的や種類について説明したのち、現在の受給世帯に関するデータを示す。第3節

では社会保障制度改革の展開を探り、改革の背景や影響について論じる。

第1節 社会保障制度

1 社会保障制度とは

「いわゆる社会保障制度とは、疾病、負傷、分娩、廃疾、死亡、老齢、失業、多子その

他困窮の原因に対し、保険的方法または直接公の負担において経済的保障の途を講じ、生

活困窮に陥った者に対しては国家扶助によって最低限度の生活を保障するとともに、公衆

衛生及び社会福祉の向上を図り、もってすべての国民が文化的社会の成員たるに値する生

活を営むことができるようにすることをいう」1

昭和 25 年に社会保障制度審議会によって出された上記の「社会保障制度に関する勧告」

を境として、日本で本格的に社会保障についての議論や政策が展開されるようになった。

社会保障制度の体系は基本的にこの勧告の考え方を踏襲することとなる。この勧告では社

会保障制度は、「社会保険」「社会福祉」「公的扶助」及び「公衆衛生」の4つの部門から成

り立つものとしている。社会保障制度は、国民の「安心」や生活の「安定」を支えるセー

フティーネットであり、人々の生活を生涯にわたって支えるものである。

2 4 つの部門

図表 1-1 社会保障制度の概要

1 社会保険庁、社会保険のテキスト「第1 章 社会保障のあらまし」(http://www.sia.go.jp/infom/text/)より。

閲覧日09/12/20

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(出所)社会保険庁、社会保険のテキスト「第1 章 社会保障のあらまし」2

社会保障の 4 つの部門について触れておく(図表 1-1)。まず「社会保険」は、病気やけ

が、分娩、障害、死亡、老齢、失業などの困窮の原因に対して、保険的方法によって経済

的保障の途を講じることを目的とする、強制加入の保険制度である。具体的には、病気や

けがをした場合に誰もが安心して医療にかかることのできる医療保険、老齢・障害・死亡

等に伴う稼働所得の減少を補填し、高齢者、障害者及び遺族の生活を所得面から保障する

年金制度、加齢に伴い要介護状態となった者を社会全体で支える介護保険などがある。

次に「社会福祉」は、「国家扶助の適用を受けている者、身体障害者、児童、その他援護

育成を要する者が、自立してその能力を発揮できるよう必要な生活指導、更生補導、その

他の援護育成を行なうことをいう」と昭和 25 年の「社会保障制度に関する勧告」によって

定められており、何らかのハンディキャップを負う国民のための公的支援制度である。高

齢者、障害者等が円滑に社会生活を営むことができるよう、在宅サービス、施設サービス

を提供する社会福祉や、児童の健全育成や子育てを支援する児童福祉などがある。

2 URL(http://www.sia.go.jp/infom/text/shakaihosyou01.pdf)閲覧日09/12/20

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「公的扶助」は国民の生活を保障するための制度であり、健康で文化的な最低限度の生

活を保障し、その自立を助長する生活保護制度がこれに該当する。

「公衆衛生」は「社会保障制度に関する勧告」において、「あまねく国民に対して体位の

向上や疾病の予防を計るために行う保健衛生活動のことである」とされており、医療の充

実や伝染病の予防、食品衛生等が含まれる。具体的な内容としては、医師その他の医療従

事者や病院などが提供する医療サービス、疾病予防・健康づくりなどの保健事業、母性の

健康を保持・増進するとともに、心身ともに健全な児童の出生と育成を増進するための母

子保健、食品や医薬品の安全性を確保する公衆衛生などがある3。

3 社会保障給付費

我が国の社会保障給付費については、制度の充実と高齢化の進展の中で、その規模は年々

拡大してきている(図表 1-2)。

図表 1-2 社会保障給付費の部門別推移

(出所)平成19 年度社会保障給付費4より。

3 厚生労働省資料「社会保障制度とは」参照。(http://www.mhlw.go.jp/seisaku/dl/21a.pdf)閲覧日09/12/20 4 国立社会保障・人口問題研究所、平成19 年度社会保障給付費、

(http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?lid=000001059081)閲覧日09/12/20

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平成 19 年度の社会保障給付費の総額は 91 兆 4305 億円である。社会保障給付費は、「医

療」、「年金」、「福祉その他」の 3 つの部門に分類されている。部門別社会保障給付費をみ

ると、「医療」が 28 兆 9462 億円(31.7%)、「年金」が 48 兆 2735 億円(52.8%)、「福祉そ

の他」が 14 兆 2107 億円(15.5%)であり、全ての部門で年々増加している。

また、平成 19 年度社会保障給付費の対前年度伸び率は 2.6%であり(図表 1-3)、対国民

所得比は 24.4%である(図表 1-4)。さらに、国民1 人当たり社会保障給付費は71 万 5600

円であり、1 世帯当たりでは187 万 8700 円となっている(図表 1-5)。

図表 1-3 部門別社会保障給付費

(出所)平成19 年度社会保障給付費5より。

図表 1-4 部門別社会保障給付費の対国民所得比

5 同上。

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(出所)平成19 年度社会保障給付費6より。

図表 1-5 1人(1世帯)当たり社会保障給付費

(出所)平成19 年度社会保障給付費7より。

第2節 生活保護制度

1 基本理念

生活保護制度は、日本国憲法第 25 条に基づく、国民に健康で文化的な最低限度の生活を

保障する目的を実現するための制度である。生活保護法第 1 条によると、「この法律は、日

本国憲法第 25 条の理念に基づき国が生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度

に応じ、必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長す

ること」を目的としている。この制度は、単に生活に困窮している国民に対して最低生活

を保障することにとどまらず、さらに積極的にそれらの人々に対して自立の助長を図るこ

とをも目的としている8。

生活保護制度の基本理念は、①国家責任による最低生活保障の原理(生活保護法第 1 条)

9、②保護請求権無差別平等の原理 (同法第 2 条)10、③健康で文化的な最低生活保障の原

6 国立社会保障・人口問題研究所、平成19 年度社会保障給付費、

(http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?lid=000001059081)閲覧日09/12/20 7 同上。 8 杉本正「生活保護制度を考える」、2005 年、帝塚山大学心理福祉学部紀要pp.73-84、

(http://nels.nii.ac.jp/els/110004708732.pdf?id=ART0007451053&type=pdf&lang=jp&host=cinii&order_no=&

ppv_type=0&lang_sw=&no=1261213534&cp=)閲覧日 09/12/20 9 第1 条 この法律は、日本国憲法第25条に規定する理念に基き、国が生活に困窮するすべての国民に対し、そ

の困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長することを

目的とする。 10 第2 条 すべて国民は、この法律の定める要件を満たす限り、この法律による保護(以下「保護」という。)を、

無差別平等に受けることができる。

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理(同法第 3 条)11、④保護の補足性の原理(同法第 4 条)12である。この 4 つは、同法第

5 条において「この法律の基本原理」であると明記されている。特に重要なのが補足性の

原理であり、資産能力等の活用、他法による扶助などを優先しなければならないというこ

とが規定されている。

2 対象

実際に保護の申請をする際には、ケースワーカーによる審査が必要となる。具体的には、

預貯金・保険・不動産等の資産調査、扶養義務者による扶養の可否の調査、年金等の社会

保障給付・就労収入等の調査、就労の可能性の調査である。これらの審査の結果、生活保

護費を受給できると認められた者を被保護者といい、被保護者には生活保護法に基づく以

下の権利と義務13が発生する。

【権利】

・ 生活保護の要件を満たす限り、誰でも無差別平等に受けることができる。

・ 正当な理由がなければ、既に決定された保護を不利益に変更されることはない。

・ 保護費については、租税その他の公課を課せられることはない。

・ 既に給付を受けた保護費又は保護費を受ける権利を差し押さえられることはない。

【義務】

・ 利用し得る資産、能力その他あらゆるものを生活のために活用しなければならない。

・ 能力に応じて勤労に励み、支出の節約を図り、その他生活の維持・向上に努めなけ

ればならない。

・ 福祉事務所から、生活の維持、向上その他保護の目的達成に必要な指導又は指示を

受けたときは、これに従わなければならない。

3 種類

生活保護は、その内容によって生活扶助、教育扶助、住宅扶助、医療扶助、介護扶助、

出産扶助、生業扶助、葬祭扶助という 8 種類の扶助に分類されている。それぞれの役割は

以下の図表 1-6 にまとめた。

11 第3 条 この法律により保障される最低限度の生活は、健康で文化的な生活水準を維持することができるもの

でなければならない。 12 第4 条 保護は、生活に困窮する者が、その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生

活の維持のために活用することを要件として行われる。 13 厚生労働省「生活保護に関するQ&A」より。(http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/safety_net/dl/90c.pdf)

閲覧日09/12/20

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図表 1-6 各種扶助の内容

生活を営む上で生じる費用 対応する扶助の種類 支給内容

日常生活に必要な費用

(食費・被服費・光熱水費等)

生活扶助

基準額は、(1)食費等の個人的費用(年齢

別に算定)と、(2)光熱水費等の世帯共通

的費用(世帯人員別に算定)を合算して算

出。なお、特定の世帯については加算が上

乗せされる。

→老齢加算、母子加算、障害者加算等

アパート等の家賃 住宅扶助 定められた範囲内で実費を支給

義務教育を受けるために必

要な学用品費 教育扶助

定められた基準額を支給

医療サービスの費用 医療扶助

費用は直接医療機関へ支払

(本人負担なし)

介護サービスの費用 介護扶助

費用は直接介護事業者へ支払

(本人負担なし)

出産費用 出産扶助 定められた範囲内で実費を支給

就労に必要な技能の修得等

にかかる費用 生業扶助

定められた範囲内で実費を支給

葬祭費用 葬祭扶助 定められた範囲内で実費を支給

(出所)厚生労働省資料「生活保護制度の現状等について」14より作成。

4 生活扶助の地区別基準額

生活扶助の基準額は地区別に定められている。全国の市町村を 1 級地‐1 から 3 級地‐2

までの 6 段階のいずれかに分類し、受給者には該当する区分の基準額が支給される。1 級

地‐1 は東京・神奈川・大阪等の大都市であり、1 級地‐2 は 1 級地‐1 に順ずる都市が該

当する(札幌市、仙台市、北九州市など)。2 級地‐1 には都道府県の県庁所在地や主要都

市などが該当し、群馬県では前橋市・高崎市・桐生市が含まれる。2 級地‐2 は 2 級地‐1

に順ずる都市が該当する。3 級地‐1 には、上記以外の地方都市及び市町村が該当し、3級

地‐2 にはその他の市町村・郡・村が含まれる。1級地から 3 級地に向かうにつれて、生活

14 URL(http://www.mhlw.go.jp/shingi/2005/04/s0420-7c.html)閲覧日09/12/18

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扶助の基準額は減少していく15。

また、生活扶助には個人の年齢別に与えられる第 1 類と、世帯全体にその構成人数ごと

に与えられる第 2 類がある。さらに冬季(11 月から 3 月)には地区別に暖房費が支給され

る。第 1 類・第 2 類の金額と冬季加算の合計が生活扶助額となる。

5 生活保護受給世帯数の推移

平成 19 年度の社会福祉行政業務報告によると、1ヶ月平均の被保護世帯数は 110 万 5275

世帯であり、前年度に比べ 2 万 9455 世帯増加した(前年度比 2.7%)。被保護世帯数を世

帯類型別にみると、高齢者世帯が 49 万 7665 世帯(同 5.0%増)と最も多く、次いで障害

者世帯・傷病者世帯で 40 万 1088 世帯(同 0.9%増)となっている16(図表 1-7、図表 1-8)。

図表 1-7 世帯類型別の保護世帯数と世帯保護率の推移

(出所)厚生労働省資料「生活保護制度の現状等について」17より。

図表 1-8 世帯類型別被保護世帯数の年次推移(1か月平均)

15 全国障害者介護制度情報ホームページ、平成 19 年度生活保護基準・生活保護実施要領等より。

(http://www.j-hp.net/o/070314seiho-kijun-an.pdf)閲覧日 09/12/16 16 平成19 年度社会福祉行政業務報告より。

(http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/gyousei/07/kekka1.html)閲覧日09/12/24 17 URL(http://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/11/dl/s1104-3b_0001.pdf)閲覧日09/12/24

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対前年度

平成 15 年度 16 年度 17 年度 18 年度 19 年度

増減数 増減率(%)

総数 941270 998887 1041508 1075820 1105275 29455 2.7

高齢者世帯 435804 465680 451962 473838 497665 23827 5.0

障害者世帯・

傷病者世帯

336772 349844 389818 397357 401088 3731 0.9

母子世帯 82216 87478 90531 92609 92910 301 0.3

その他の世帯 84941 94148 107259 109847 111282 1435 1.3

対前年度

平成 19 年度 20 年度

増減数 増減率(%)

総数 1105275 1148766 43491 3.9

高齢者世帯 497665 523840 26175 5.3

障害者世帯・

傷病者世帯

401088 407095 6007 1.5

母子世帯 92910 93408 498 0.5

その他の世帯 111282 121570 10288 9.2

(注)総数には保護停止中の世帯も含む。

(出所)平成19 年度・20 年度 社会福祉行政業務報告18より作成。

平成 17 年度に生活保護世帯は100 万世帯を超え、その後も増加し続けていることが分か

る。とくに高齢者世帯数が平成 6 年ごろから年々増加傾向にあり、高齢化の影響によるも

のと考えられる。また、平成 20 年度は世界的な大不況に見舞われ景気が後退し、正社員の

解雇・賃下げ、年末の派遣切りなどが社会問題となった。この失業者の増加が生活保護世

帯の増加に大きな影響を及ぼしていると考えられる。図表 1-8 から分かるように、18 年度

から 19 年度の対前年度増減率と、19 年度から 20年度のそれを比較すると、後者の増減率

の方が高い。これは不況によって失業し、生活保護を受ける世帯が増えたということを表

している。

18 平成19 年度社会福祉行政業務報告(福祉行政報告例)、(http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/gyousei/

07/kekka1.html)閲覧日09/12/24

平成 20 年度社会福祉行政業務報告(福祉行政報告例)、(http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/gyousei/08/

kekka1.html)閲覧日09/12/24

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6 生活保護をめぐる問題

ここで生活保護をめぐる問題として、「水際作戦」と「不正受給」の 2 点を取り上げる。

前者が保護を提供する行政側の責任である問題、後者が受給者による制度の悪用という問

題である。

まず、水際作戦とは、保護を申請する際の受付窓口である福祉事務所が、違法に保護の

申請を拒否することをいい、受給まであと一歩のところである窓口という「水際」で阻止

することからそう呼ばれている。湯浅誠によると、1 人で福祉事務所へ行き申請しようと

しても、難癖をつけられたり申請書すら書かせてもらえなかったりする場合もある19。と

ころが、第三者が同行すると問題なく申請することができるという。担当職員と生活保護

申請者だけの密室での申請相談に第三者の目を持ち込むことで、だいぶ状況は変わってく

る。水際作戦は、「単に人々の生活再建を遅らせるだけでなく、行政への不信感を募らせ、

生活保護受給後の担当職員とのコミュニケーションを難しくする」20可能性もあることか

ら、何らかの対策がとられる必要がある。湯浅はこの点について、面談室に監視カメラを

付けることを提案している。

次に不正受給とは、受給資格を持たないにもかかわらず生活保護を受給すること、ある

いは本来支給されるべき金額以上の保護費を受給することを言う。最近では 2007 年、北海

道滝川市で元暴力団組員らによる不正受給が明らかになり、約 2 億 4000 万円が詐取された

事件がある21。2000 年には、香川県高松市で所得隠し等による不正受給をおこなった 45 世

帯の存在が明らかになった22。厚生労働省の調査によると、暴力団員が生活保護を受けた

り生活保護を申請しようとしたりするケースが、2007 年度に 605 件あったという23。

また、埼玉県深谷市では、暴力団組員の男が群馬県北部にある医療機関まで約 100 キロ

の道のりをタクシーで通院したとして料金を請求し、約 1800 万円を受給する事件があった

24。これを受け深谷市は不正受給防止策として、①生活保護申請時に暴力団員の有無の確

19 湯浅誠『反貧困―「すべり台社会」からの脱出』、岩波書店、2008、pp.133-136 より。 20 同上、p.134 より。 21 MSN 産経ニュース、「『2億円介護タクシー』市職員給与カットで詐取金を返還」、09/3/23 の記事、

(http://sankei.jp.msn.com/politics/local/090323/lcl0903231628004-n1.htm)閲覧日09/12/30 22 四国新聞社、「生活保護の不正受給 高松市」、00/12/4 の記事、

(http://www.shikoku-np.co.jp/feature/tuiseki/112/index.htm)閲覧日09/12/30 23 MSN 産経ニュース、「暴力団組員の生活保護受給・申請605件」、09/4/22 の記事、

(http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/090422/crm0904221341017-n1.htm)閲覧日 09/12/30 24 毎日新聞、「<生活保護費>タクシーで百キロ通院…不正受給の疑いで告発」08/6/27 の記事、THE DATEBASE

(http://0000linkinpark0000.blog107.fc2.com/blog-entry-544.html)08/6/27 のエントリーより。閲覧日

09/12/30

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認、②生活保護開始時における関係先に対する十分な調査、③収入申告義務の更なる周知・

徹底、④ケースワーカーによる日頃の生活実態の把握を実施していく考えを示している25。

しかし、不正受給の防止のために審査基準などのチェックを厳格化することで、一件の申

請にかかるコストが増大し、行政業務が鈍るというジレンマが生じることが考えられる。

今後、そのジレンマをいかにして解消していくかが鍵となってくると言える。

第3節 社会保障の改革

1 改革の背景

1995 年、社会保障審議会による「社会保障体制の再構築に関する勧告~安心して暮らせ

る 21 世紀の社会を目指して」(以下、1995 年勧告とする)は、戦後 50 年が経って社会の

あり方が大きく変容していくなかで、制度の限界を迎えている社会保障制度を未来に向け

て再構築していくことを目的としたものである。この 1995 年勧告が社会保障制度の見直し

を掲げた背景には大きく 2 つの要因がある。1 つは家族のあり方の変化、もう 1 つは労働

の変化である。

まず、家族のあり方についてだが、1995 年勧告によれば、「家族は変容しつつあり、こ

れからもその傾向は続くものと考えられる。今後の社会保障制度は、『家族の本来あるべき

姿』といった画一的な固定観念を前提とするのではなく、多様な家族形態を基本におき、

新しい家族関係を踏まえてその生活を充実・安定させる条件を強化する施策を展開すべき

である」26とされている。ここでいう「家族の本来あるべき姿」とは、1962 年の勧告27にお

いて明言された「夫婦と未成熟の子」つまり夫婦と未成年の子ども 2 人からなる 4 人家族

のことである。しかし、現在ではこのような核家族世帯に限らず、単身者世帯、一人親世

帯、高齢者夫婦または単独世帯など、家族形態の多様化が進んでいるため、1962 年の勧告

のように特定の世帯モデルを前提とした制度では今日の社会保障はうまく機能しない。こ

のことから、1995 年勧告は、家族のあり方の変容を踏まえた施策の展開を主張しているの

である。

25 深谷市ホームページ、「生活保護費の不正受給について」、08/9/25 更新、

(http://www.city.fukaya.saitama.jp/city_topics/seiho.html)閲覧日 09/12/30 26 小沢修司『福祉社会と社会保障改革 ベーシック・インカム構想の新地平』、高菅出版、2002、pp.3-4 より。 27 国民皆保険、皆年金下での社会保障制度の総合的なあり方を論じた勧告。

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次に、労働の変化についてである。日本の社会保障制度における被用者28保険には医療保

険や年金保険などがあり、雇用者の賃金から社会保険料を拠出することで保険給付の資格

を得る。つまり、常用雇用されている限りは社会保障の給付を得る権利を持つことになる。

しかし、1994 年の社会保障将来像委員会第 2 次報告において、「転職に対する意識の変化、

パート労働者や派遣労働者の増加など雇用形態の多様化が進みつつあり、主として常用男

子労働者を念頭に置いて構築されたこれまでの社会保障制度は再編されなければならな

い」29と指摘されているように、今日の就業形態はさまざまである(図表 1-9)。つまり、

増加する転職者や失業者、派遣社員、パート労働者は被用者保険の資格を得られず、それ

に伴い社会保障を受給する権利を喪失することから、被用者保険体制として展開してきた

社会保障の見直しが求められているのである。

図表 1-9 雇用者の雇用形態別構成の推移

(出所)小沢修司『福祉社会と社会保障改革 ベーシック・インカム構想の新地平』、高菅出版、2002、p.14 より。

2 「企業中心社会」的特徴

戦後日本の社会保障は「企業中心社会」的特徴を有しており、今日の社会保障改革はこ

の「企業中心社会」からの脱却を目的とするものである30。1990 年の第 12 次国民生活審議

会総合政策部会国民生活展望委員会報告書『国民生活を変える新たな主役たち』は、「これ

までの産業主義社会は生産効率の追求を目指したものであり、壮年男子を中心とする過度

に企業中心の社会経済システム、性別・年齢別の過度の役割分担システムであった。この

社会においては、生産至上主義と、個人よりも集団を優先する集団主義、長期就業を通じ

た年功的プロモーションや地位上昇と所得上昇の並進、あるいは強い企業帰属意識を背景

28 サラリーマンや公務員などの雇用者のこと。 29 小沢、前掲書、2002、p.12 より。 30 小沢、前掲書、2002、「序にかえて」より。

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とした日本的雇用慣行、女性が家庭で育児や介護に従事するといった日本型福祉社会等の

日本の特殊性とが相まって、いまだに他の先進国と比較して労働時間が長く、また、国の

生活関連公共財の整備も遅れている」31と指摘している。このように、これまでの社会保

障制度は性別や年齢別の役割分業によって支えられる「企業中心社会」としての特徴を持

っている(図表 1-10)。

図表 1-10 企業中心社会の構造

(出所)小沢修司『福祉社会と社会保障改革 ベーシック・インカム構想の新地平』、高菅出版、2002、p.17 より。

上述の第 12 次国民生活審議会に続く第 13次国民生活審議会は、「企業中心社会」を「個

人生活の自由度が制約された社会」と捉え、「企業中心社会」による弊害を是正することを

提起している。とくに、個人の自由を制約する社会が及ぼす影響の 1 つとして、少子化問

題の進行が挙げられる。少子化の一因としては未婚率の上昇が考えられ、その背景には女

性の社会進出や機会費用32の増大などがあることが指摘される。女性が社会に進出するこ

とが増え、従来の「企業中心社会」から生まれる性別役割分業への意識と相容れなくなっ

てきたことから、少子化の改善には企業中心的な社会保障のあり方を見直していく必要が

あると言える。個人の自立と、多様化する働き方を保障するために、社会保障制度改革が

求められている。

31 小沢、前掲書、2002、pp.16-17 より。 32 結婚・出産等で仕事を辞めた場合、働き続けていれば得られるはずだった所得の喪失分のこと。

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第2章 社会的排除への対応策

本章では、近年ヨーロッパを中心に注目度が高まっている「社会的排除」と、その対抗概

念である「社会的包摂」について概要を説明したのち、社会的排除への対応策としてのベー

シック・インカムやワークフェアについて検討する。

第1節では社会的排除と社会的包摂の定義などを、第2節ではワークフェアについて説明

する。第3節でベーシック・インカム構想の定義や特徴、構想立案に至った背景などを説明

し、財源をめぐる議論や最低限所得保障の類型を紹介する。さらに、ベーシック・インカム

の議論の際に欠くことのできないフリーライダー問題に関して、どのような議論がされてい

るかを考察していく。本論文の目的であるベーシック・インカム試算は次章で行うものとし、

本章はその前提知識としての役割を持つものである。

第1節 社会的排除/包摂

1 社会的排除とは

社会的排除という言葉は、フランスで生まれたと言われている。フランスでは戦後復興

と福祉国家の制度が達成されていながらも、そこから排除される人々の存在を「豊かな社

会の新しい貧困」だとする指摘が 1970 年代からあった33。社会的排除は近年のヨーロッパ

の社会政策のキーワードとなっている。

では、社会的排除とはどのようなことを表す言葉なのだろうか。社会的排除という考え

方の解釈は多様であり、ジェニー・パーシースミスは、1993 年に EU が公表した文書にお

ける次の説明を紹介している。

「社会的排除は、現代社会で普通に行われている交換や実践、諸権利から排除される

人々を生み出すような複合的で変動する諸要素に用いられている。貧困は最も明白な要

素の一つであるが、社会的排除はまた、住宅、教育、健康そしてサービスへのアクセス

の権利の不適切性をも意味する。それは個人や集団、とくに都市や地方で、場合によっ

ては差別され、隔離されやすい人々へ不利な影響を及ぼす。そしてそれは社会基盤(イ

ンフラ)の脆弱さと、二重構造社会をはじめから定着させてしまうようなリスクと強く

33 岩田正美『社会的排除 参加の欠如・不確かな帰属』、有斐閣、2008、p.17 より。

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関わっている。委員会は、社会的排除を宿命的なものとして受け入れることには断固反

対する。そして、すべての EU 市民が人間の尊厳を尊重される権利を有していることを信

じている」(Commission of the European Communities [1993] 1)34

また、イギリスのブレア前首相が 1997 年に立ち上げた「ソーシャル・エクスクルージョ

ン・ユニット」(Social Exclusion Unit)35による定義は以下である。

「社会的排除は、たとえば失業、低いスキル、低所得、差別、みすぼらしい住宅、犯

罪、不健康、そして家族崩壊などの複合的不利に苦しめられている人々や地域に生じて

いる何かを、手っ取り早く表現した言葉である」36

さらに、フランスにおける社会的排除と貧困に迫る都留民子の定義は、

「元気な青年・成人たちをつかみ、失業または不安定雇用を出発点として、生活の不

安定化、住宅状況や健康の弱化、社会的地位の劣化・低下、さらには家族関係や私的援

助、社会的紐帯の切断、そして社会(人間の共同的社会)そのものから脱落という全過

程を把握する概念」37

というものである。つまり社会的排除という言葉は、それがされて普通、当たり前と思わ

れるような社会活動への参加の欠如を意味するものであると言える。

ここで、社会的排除は貧困とどう違うのかについて触れておくと、「貧困が、生活に必要

なモノやサービスなどの『資源』の不足をその概念のコアとして把握するのに対して、社

会的排除は『関係』の不足に着目して把握したものである」38とされる。

では、具体的にどのような事態が社会的排除と結びつく複合的不利として挙げられてい

るのか。パーシースミスによると、排除の指標は 7 つの側面に区分できる39。①経済的側

面(長期失業、就業の不安定など)、②社会的側面(伝統的家族の解体、ホームレスなど)、

③政治的側面(政治の権利の欠如、選挙人登録率の低さ、投票率の低さなど)、④近隣(低

34 岩田、前掲書、2008、pp.20-21 より孫引き。 35 社会的排除と闘う特別機関。 36 岩田、前掲書、2008、p.21 より。 37 小沢修司『福祉社会と社会保障改革 ベーシック・インカム構想の新地平』、高菅出版、2002、p.138 より。 38 岩田、前掲書、2008、p.23 より。 39 岩田、前掲書、2008、p.25 より。

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質な住宅ストック、地域サービスの撤退など)、⑤個人的側面(心身の疾病、低教育など)、

⑥空間的側面(弱者の集中や周縁化)、⑦集団的側面(高齢者や障害者などの特定集団に上

記の特徴が集中していること)である。このように、社会的不利の要因は人々の社会活動

のあらゆる側面を視野に入れていることが分かる。

2 社会的包摂とは

社会的包摂とは、ヨーロッパを中心に展開してきた福祉改革の理念であり、人々の自立

を支援する機会保障型の福祉を指す40。社会的包摂は、社会的排除とセットで語られるこ

とが多い。社会的排除の対抗概念としての社会的包摂の意味するところは、単に排除を社

会から無くすことだけではなく、社会をどう統合し、安定させていくかという戦略を含む

ものである41。

ルース・レヴィタスは、社会的排除・包摂をめぐる 3 つの言説があると論じている(図

表 2-1)。

図表 2-1 レヴィタスによる社会的排除の 3 つの言説

(出所)福原宏幸編『社会的排除/包摂と社会政策』、法律文化社、2007(シリーズ・新しい社会政策の課題と挑

戦 第1 巻)、p.25 より。

1 つ目は再分配派の議論である。社会的排除の焦点を資源や市民権の不平等におき、そ

40 武川正吾編『シティズンシップとベーシック・インカムの可能性』、法律文化社、2008(シリーズ・新しい社会

政策の課題と挑戦 第 3巻)、pp.221-222 より。 41 岩田、前掲書、2008、p.166 より。

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の拡充を求める主張である。2 つ目はモラル派の議論であり、社会的排除の焦点をモラル

の欠落や文化におき、福祉への依存を排して労働市場への参加を求めるものである。3 つ

目は社会統合派の議論で、社会的排除を労働参加の欠落に焦点化し、労働への参加を促す

ことで経済効率と社会的包摂を結び合わせようとするものである42。

以上の議論は、労働への積極的な参加を国民の義務として位置づけ、従来の福祉から労

働を通じた福祉へ転換していくことで、社会的包摂を達成しようとするものである。宮本

太郎は、労働への参加を 2 つのアプローチに区分しており、それはワークフェアとアクテ

ィベーション43である。さらに宮本は、労働と切り離したベーシック・インカムをも社会

的包摂のための戦略の中に配置して整理している(図表 2-2)。

社会的包摂のための戦略として、ベーシック・インカムやワークフェアが新しい社会政

策の展開の焦点となることが考えられる。そこで次節では、社会的包摂のための戦略の 1

つであるワークフェアについて紹介していく。

図表 2-2 社会的包摂のための諸戦略

(出所)武川正吾編『シティズンシップとベーシック・インカムの可能性』、法律文化社、2008(シリーズ・新し

い社会政策の課題と挑戦 第3 巻)p.222 より。

42 岩田、前掲書、2008、pp.166-167 より。 43 岩田、前掲書、2008、p.167 より。就労促進のための社会サービスを所得保障と並列して行う政策のこと。

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第2節 ワークフェア

1 ワークフェアとベーシック・インカム

ワークフェアとは、ベーシック・インカムと共に社会的包摂のための戦略に含まれる就

労支援政策である。就労の有無や受給資格の有無を問わず、全ての人々に無条件に一定の

所得を保障しようという構想がベーシック・インカムであるのに対し、「働かざるもの食う

べからず」の考え方に則って、就労と福祉との結びつきを強めようとする理念がワークフ

ェアである44。

ワークフェアには、就労を福祉供給の条件とすることで就労しないことに対するペナル

ティが強いタイプから、福祉による就労支援の側面が強いタイプまで様々なものがある45。

埋橋孝文はそれらのタイプを大きく 3 つに分類しており、アメリカやイギリスを典型とす

る「福祉から就労へ」タイプ、スウェーデンに代表される「就労に伴う福祉」タイプ、後

発資本主義諸国に見られる「はじめに就労ありき」タイプである。

とくにアメリカやイギリスは各国に先駆けてワークフェアに注目した。1969 年、アメリ

カで当時のニクソン大統領は、福祉(ウェルフェア)ではなくワークフェアの必要性を説

いたし、イギリス労働党のブレア政権下ではワークフェア的政策の導入が進められた。「福

祉から就労へ」タイプのワークフェアは、労働市場の供給側に焦点を当てて労働者の雇用

可能性を高めることで就労を支援しようとする立場である。従来の福祉国家の理念である

完全雇用の達成は労働市場の需要側に焦点を当てていたことから、ワークフェアは福祉国

家の理念に重大な変更を加えたと言える。つまり、このワークフェアの新しさは、所得保

障の縮小と就労支援が対になっていることにある、すなわち所得保障型の福祉への攻撃と

対なのである46。

したがって、ワークフェアとベーシック・インカムは完全雇用の破綻が進行する社会の

中で、保障を伴った雇用の柔軟化に対応するという共通点を持っている47。福祉と就労を

切り離すところに特徴があるベーシック・インカムと、福祉と就労を結びつけようとする

ワークフェアは、共に社会的排除への対応策としての役割を持つけれども、制度の考え方

の方向性は全く逆を向いていると言える。

44 武川、前掲書、2008、p.218 より。 45 小沢、前掲書、2002、p.149 より。 46 山森亮『ベーシック・インカム入門 無条件給付の基本所得を考える』、光文社新書、2009、pp.46-48 より。 47 小沢、前掲書、2002、p.148,150 より。

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2 日本におけるワークフェア

このように諸外国ではワークフェア的政策が導入され始めているが、日本もワークフェ

アへと展開し始めている48。2000 年にホームレス自立支援事業が始まり、2002 年にはホー

ムレス自立支援法によって根拠付けられた。同年、児童扶養手当法、母子及び寡婦福祉法

が改正されて母子家庭自立支援策が導入された。2005 年には生活保護受給者等就労支援事

業が始まり、翌 2006 年に障害者自立支援法が施行される。この「自立支援」という言葉の

意味は「就労支援」と置き換えることができ、「自立支援」は日本版ワークフェアと言うこ

とができる。

しかし、日本版ワークフェアは米英のワークフェアとは異なっている。第一に、米英で

は所得保障の縮小や条件の強化という「ムチ」だけでなく、給付型税額控除などの「アメ」

を伴っているが、日本にはそういった「アメ」が無い。第二に、米英では労働可能な福祉

受給者を労働市場へ戻すことを念頭に置いているが、日本では労働可能な者はそもそも福

祉から排除されてしまっている49。ワークフェアは実施する国の福祉の状況によってそれ

ぞれ異なる特徴を持ちうるから、日本版ワークフェアを米英のワークフェアと単純に比較

することはできないが、日本版ワークフェアとしての自立支援策は現状ではうまく機能し

ておらず、さらなる制度の検討と吟味が必要であると考えられる。

第3節 ベーシック・インカム構想

1 ベーシック・インカムとは

ベーシック・インカムとは、就労・結婚の有無にかかわらず、全ての個人(年齢や性別

を問わない)に対して、ベーシック・ニーズを充足させるに足る所得を無条件で支給する

という最低限所得保障の構想である。現行の社会保障給付費のうち、各種保険・扶助・手

当といった現金給付部分をこれに置き換え、その財源を勤労所得への比例課税や各種所得

控除の廃止に求めようとするものである50。

以下は、アイルランド政府が2002 年に提出した「ベーシック・インカム白書」における

ベーシック・インカムの定義である51。

48 山森、前掲書、2009、pp.53-56 より。 49 山森、前掲書、2009、pp.54-55 より。 50 小沢、前掲書、2002、p.100 より。 51 山森、前掲書、2009、pp.21-22 より。

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・ 個人に対して、どのような状況におかれているかに関わりなく無条件に給付される。

・ ベーシック・インカム給付は課税されず、それ以外の所得は全て課税される。

・ 望ましい給付水準は、尊厳をもって生き、実際の生活において選択肢を保障するも

のでなくてはならない。その水準は貧困線と同じかそれ以上として表すことができ

るかもしれないし、「適切な」生活保護基準と同等、あるいは平均賃金の何割、とい

った表現となるかもしれない。

そして同白書ではベーシック・インカムの特徴として、以下の点を挙げている。現物(サ

ービスやクーポン)ではなく金銭で給付されるため、いつどのように使うかに制約が無い

こと、毎月ないし毎週といった定期的な支払いの形をとること、国家または地方自治体な

どの政治的共同体によって支払われること、世帯ではなく個々人に支払われること、資力

調査なしに支払われるため、一連の行政管理やそれにかかるコストが不要になること、稼

動能力調査なしに支払われることなどである。

2 構想立案に至る背景

ベーシック・インカム構想に直接的な影響を及ぼしているのは、ベヴァリッジ報告への

対案としてジュリエット・リーズ・ウィリアムズが提案した「新社会契約」という構想で

ある(1943 年)。1960 年代以降も、ベーシック・インカムの一種とも言えるフリードマン

の「負の所得税」構想などが多くの学者によって展開され、ベーシック・インカムの議論

は拡がりをみせた。しかし 1980 年代以降、議論はヨーロッパを中心にそれ以前とは異なる

考え方を持って展開していった。その背景にあるのが、労働、家族、環境の 3 つのファク

ターであると小沢は述べている52。

第一に、労働については、グローバル化の進展に伴い失業率が上昇し、パート・派遣な

ど雇用形態が多様化するとともに、不安定雇用が増大した。90 年代になると、長期失業の

形で社会から疎外される「社会的排除」問題が深刻化した。同時に、「完全雇用」政策のも

とで生活を保障し、社会保険に加入することでリスクに対処するための資格を得るという

構想がうまく機能しなくなってきたのである。

第二に、家族のあり方の問題がある。戦後の福祉国家では、「稼ぎ手としての夫、家事労

働に従事する専業主婦」を典型的な家族モデルとして社会保障や税制を考えてきた。しか

52 武川、前掲書、2008、pp.223-224 より。

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し、女性の労働力化が進んでくるにつれて、未婚率の上昇や単身世帯の増加という形で家

族形態が多様化してきているにもかかわらず、男女間の性別役割分業はなかなか解消され

ない。つまり、福祉を受給する受け皿としての家族形態が変わってきているということが

言える。

第三に、環境についてだが、従来の福祉国家が行ってきた社会政策は、まず経済成長あ

りきの生産至上主義に基づくもので、環境破壊を促進する危険性をはらんでいた。現在で

は、人間の生活の基盤である環境の破壊を問題視し、環境と調和のとれた持続的な経済発

展が進められている。脱生産主義的な福祉国家への改革として、ベーシック・インカムが

求められているのである。

以上が 1980 年代以降、ベーシック・インカムの議論が高まった背景である。

3 ベーシック・インカムの利点

ベーシック・インカムの魅力としては、以下の点が考えられる。第一に、家事労働をす

る専業主婦のように賃金労働に従事していない人々にも、独立した所得を与えることがで

きる。夫が働き、妻が家事をするという昔気質の性別分業に基づいた家族像を払拭し、個

人の自立を促す効果があると考えられる。

第二に、労働市場の二重構造化53が進み、不安定な労働賃金への依存から人々の生活を解

き放つと同時に、現行の社会保険制度の限界を乗り越えた普遍的なセーフティーネットを

国民に提供することである54。所得と労働を切り離し、人々に安定した所得を提供するこ

とができる。

第三に、資力調査(ミーンズテスト)に伴う人々のスティグマ(恥辱感)を無くし、失

業・貧困の罠55から回避することが可能である。現行の生活保護制度では、保護の給付を

53 近年、雇用区分は多様化している。とくに非正規従業員が飛躍的に増大しており(今や雇用者の 3 人に 1 人以

上が非正規従業員) 、正規・非正規の格差問題が顕在化してきている。この二重構造化は二つの面で悪影響を及

ぼす。一つは、若年層が「貧困の罠」にはまることで、労働者としての「スキル」や「能力」を獲得するチャンス

を奪われるという点である。もうひとつは、正規労働者と非正規労働者の間には流動性がとぼしいので、生涯賃

金に大きな格差をもたらすことになり、「公正」という面で大きな問題が生じることである。以上、【労働政策研

究・研修機構、石田眞「雇用区分の多様化と均等処遇」

(http://www.jil.go.jp/institute/zassi/backnumber/2009/05/pdf/001.pdf)閲覧日09/12/29】と【地方財政情

報館、澤井勝、2006 年度地方財政計画と地方自治体「格差社会を是正しセイフティーネットの再構築を」(初出:

自治総研06 年 2 月号)、(http://www.zaiseijoho.com/taisaku/taisaku060202.html)閲覧日 09/12/29】を参照。 54 小沢、前掲書、2002、p.126 より。 55 生活保護など,所得税を支払わないで社会保障給付を受けている家計にとって,自前の所得が増加すると,同

額だけ社会保障給付が削減され,手取りの所得が増加しない現象である。すなわち,社会保障が「措置」として

あるべき給付額を実現するように支給されるために,自前の所得が増加すると,実質的にそれに対して100%

課税されることになる。その結果,貧困世帯は自前で勤労意欲を活性化する努力(たとえば、人的投資をして将

来の所得機会を自分で大きくする努力)を失い,いつまでも政府からの公的扶助に依存する現象である。以上、

財務省財務総合政策研究所「フィナンシャル・レビュー」October‐2002「社会保障と税制」、井堀利宏、

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受けるためには所得や資産等を調べる資力調査を受けなければならず、保護の対象として

認められなければ生活保護を受給することはできない。つまり、一定の基準にそって選別

された者だけが利用できる、選別主義的な仕組みであると言える。選別的であるため、人々

は生活保護を受けることを恥だと認識する傾向がある。この点について、小沢は以下のよ

うに表現している。

「かねてより、「福祉国家」下での選別主義的な福祉施策による福祉受給者の自尊心の

損傷が、いわゆる「スティグマ」問題として常に大きな関心が寄せられてきたことは周

知のことである。すなわち、福祉施策が貧困・低所得者に限定される場合、福祉施策の

利用に際してのミーンズテスト(資力調査)が、「公衆のお世話」になるという「世間か

ら切り離された存在」であり「社会の落伍者」であることを福祉受給者に強く意識させ

たり、申請をためらわせたりする傾向があること、あるいは、福祉サービス自身が質の

劣った(=「劣等処遇」)ものになるということが問題にされたのであって、このような

選別主義を脱する普遍主義的な福祉施策(サービス)の展開が模索されてきたのであっ

た」56

つまり小沢は、生活保護の要件である資力調査が受給しようとする者にスティグマを与

えることを懸念し、福祉的な給付を選別的ではなく普遍的に行う、すなわち無条件の一律

給付を掲げるベーシック・インカムを支持する理由の 1 つとして挙げている。ベーシック・

インカムの最大の改革点は、現行の選別主義的な社会保障を普遍主義的なものへと変えよ

うとすることにあると考えられる。また、人々に保護を提供する行政側にとっては、資力

調査等にかかる費用や時間といったコストを省くことができるというメリットがある。

4 財源をめぐる議論

ベーシック・インカムの財源に関しては、いくつかの議論がある。小沢はベーシック・

インカムの財源を定率所得税に求めている。その理由は、「私たち全員の生活を維持するた

めの BI の財源は、私たち全員の労働により毎年新たに創出される所得によりまかなわれる

のが相応しいと考えてのことである」57としている。さらに小沢は、労働と所得の切り離

しを特徴とするベーシック・インカムにおいて、所得税を財源にすれば労働と所得との関

(http://www.mof.go.jp/f-review/r65/r_65_004_020.pdf)より。閲覧日09/12/29 56 小沢、前掲書、2002、p.109 より。 57 武川、前掲書、2008、p.196 より。

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係が断ち切れないのではないかとの疑問を踏まえた上で、次のように補足している。「切り

離すべきなのは、これだけの労働を提供したのだからこれだけの所得を受け取るという労

働と所得の一対一対応なのであり、社会全体としての労働と所得の一体性は富の源泉が労

働である以上切り離すことはできないのは当然である。」58

また、消費税をベーシック・インカムの財源にすべきとの主張をしている者もいる。ヴ

ェルナーは、「価値を創造するのに貢献する生産への課税ではなく、創造された価値を消費

するものに課税する」59こと、つまり多く消費する者は多くの税を払い、消費の少ない者

は少ない税を払うということを提唱している。

環境税60によって財源を賄うべきと主張するのはロバートソンである。彼は自然資源の利

用に財源を求め、自然資源から「人間が引き出した価値」に課税するのが相応しいとして

いる。その提案によれば、既存の所得税や法人税は全廃される。ロバートソンは、個人や

企業が新たに生み出した価値に課税することに異を唱え、地球上の希少な資源の利用や環

境汚染にこそ課税すべきと主張する61。

その他には、累進所得税や相続税、法人税などに財源を求める主張もあり、ベーシック・

インカムの財源をめぐる議論は多様に展開している。

5 最低限所得保障の諸類型

ベーシック・インカム構想には、3 段階の提案が含まれている。完全なベーシック・イ

ンカム(Full BI=FBI)、部分的ベーシック・インカム(Partial BI=PBI)、過渡的ベーシ

ック・インカム(Transitional BI=TBI)である。FBI は生活に必要なベーシック・ニー

ズを充足する金額を支給するものであり、PBI は他の社会保障給付等によって補足される

必要のあるベーシック・インカムである。TBI は FBI や PBI の導入に至るまでの過渡的な

措置としての意味合いを持つ。

このようなベーシック・インカムには、最低限の所得を保障する制度として類似の提案

がある。それは主に「負の所得税」、「参加所得」、「社会配当」の 3 つであるが、フィッツ

パトリックは、これらの最低限所得保障の構想を図表 2-3 のように整理している。縦軸は

保障が十分か不十分か、横軸は無条件な給付か限定的な給付かを表している。

58 武川、前掲書、2008、pp.196-197 より。 59 ゲッツ・W・ヴェルナー(渡辺一男訳)『ベーシック・インカム―基本所得のある社会へ』、現代書館、2007、p.209 60 具体的には、地価税(その土地の賃貸価格に対する課税)とエネルギー税(石炭・石油・天然ガス・原子力な

どの使用に対する課税)を提唱している。 61 山森、前掲書、2009、p.227 より。

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図表 2-3 最低所得保障構想

(出所)T.フィッツパトリック(武川正吾・菊地英明訳)『自由と保障 ベーシック・インカム論争』、勁草書房、

2005、p.43 より。

負の所得税とは、1962 年にフリードマンの著書『資本主義と自由』において提案された

最低限所得保障の政策アイデアであり、一定の収入のない人々からは税金を徴収せず、逆

に政府から給付金を受け取るというものである。この負の所得税とベーシック・インカム

には大きな違いがあり、負の所得税の場合は世帯に対して資力調査に基づいて事後的に支

給されるが、ベーシック・インカムの場合は個人に対し、資力調査なしで、事前にかつ自

動的に支給される62(図表 2-4)。

図表 2-4 ベーシック・インカムと負の所得税の比較

(出所)小沢修司『福祉社会と社会保障改革 ベーシック・インカム構想の新地平』、高菅出版、2002、p.118

62 小沢、前掲書、2002、p.118 より。

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参加所得は、アトキンソンによって提唱されている構想である63。アトキンソンは、「市

民としての社会的責任を自覚した行動をしようとしない者に対してさえも支給されるベー

シック・インカムの無条件的性格への懸念」64を抱いており、ベーシック・インカム給付

の条件として「認定された職業訓練や教育を受けていること、子ども、高齢者、障害者な

どをケアしていること、認定されたボランタリー活動へ参加していることの 3 点のうちい

ずれかを満たすことをつけ加えるよう提案」65することで、市民社会に積極的に参加して

いる者に対してのみ最低限所得保障を行おうと主張する。しかし、この参加所得を実施す

るには、フィッツパトリックの指摘66のとおり、市民社会への積極的な参加の意思がある

か無いかを誰がどのように判断するのか、あるいはたとえそれが判断できたとしても、ケ

アやボランタリー活動をしたという事実はどのように証明されるのか、などという大きな

問題がある。

社会配当とは、「生産手段の社会的所有や資産所有の不平等是正と結びついて提案され、

ミードの所論の他、ローマーの市場社会主義においても登場する最低限所得保障構想」67で

ある。フィッツパトリックは、「ベーシック・インカム構想を生産手段の集団的社会的所有

形態と結合させたものが社会配当である」68としている。

フィッツパトリックは、このような「社会配当、参加所得と負の所得税は、BI のイデオ

ロギー的な変種として区別される」69と定義している。

6 フリーライダー問題

ベーシック・インカム構想の効果は上述の通りだが、構想に対する問題点としてはどの

ようなものがあるのか。ベーシック・インカム構想を語る際には、避けては通れない重要

な問題がある。それは、ベーシック・インカムを導入した場合、働かなくても最低限の生

活が出来る所得が手に入ることから、働かなくなる人が増えるのではないかという道徳的

な懸念が生じるということである。つまり、人々の労働インセンティブが低下し、フリー

63 小沢、前掲書、2002、p.121 より。 64 小沢、前掲書、2002、p.122 より。 65 小沢、前掲書、2002、p.122 より。 66 T.フィッツパトリック(武川正吾・菊地英明訳)『自由と保障 ベーシック・インカム論争』、勁草書房、2005、

pp.138-139 より。 67 小沢、前掲書、2002、p.124 より。 68 小沢、前掲書、2002、pp.124-125 より。 69 T.フィッツパトリック、前掲書、2005、p.45 より。「BI」はベーシック・インカムのこと。

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ライダー(ただ乗り)70が増えるのではないかという指摘である。

そもそもフリーライダーの存在が問題視されるのは、フリーライダーが互酬性の規範を

侵犯するからである。他者からの行為に対し必ずお返しをするというのが互酬性の原理で

あり、ベーシック・インカムの給付を受けたのにもかかわらず働かない者に対して人々が

嫌悪感を抱くのは、この原理に反しているからである71。

このフリーライダー問題はベーシック・インカムに限らず、これまでの社会政策の歴史

の中で、「社会保障の導入は惰民を生む」として議論されてきた。「働かなくなるのではな

いか」との疑問に対しての解答を 1 つに絞ることは困難であり、実に多様な議論が形成さ

れているが、フィッツパトリックはそれらの反論の中でも特に説得的なものを 4 つ挙げて

いる72。

第一は、「自然と過去からの授かりもの説」である。働く能力は持っているのに働こうと

しない者にはベーシック・インカムを支給すべきでないというのが有力なフリーライダー

反対論であり、まさに「働かざるもの食うべからず」の思想だと言える。しかし、ベーシ

ック・インカムの財源となる生産物は、「現在の労働」「自然」「過去の労働」という 3 つの

部分に由来し、どれが欠けても現在の姿にはならない。だから、フリーライダーが現在の

労働に従事していないからといって、ベーシック・インカムを受け取る権利が全くなくな

るかというと、そうではないのである。つまり、自然の恵みや過去の人間の労働の成果は、

すべての人間が平等に享受すべきものであるから、現在働いていない者にも「自然」と「過

去の労働」に由来する部分については権利がある。したがって、フリーライダーにもベー

シック・インカムを受ける権利がある、と主張するのが「自然と過去からの授かりもの説」

である73。

第二は、「雇用レント説」である。雇用されている人間は、他の人間の雇用機会を奪って

いると言うことができる。現に働いている者を解雇して、より安い賃金で働いてくれる者

を雇うと利益があるように思えるが、実際は諸問題74が生じるため利益は得られない。こ

のとき、現に働いている者とより低賃金で働く者との賃金の差額のことを雇用レントとい

う75。現に働いている者は、この雇用レントを独占していることになる。そこで、雇用レ

70 フリーライダー問題とは、寛大な福祉給付は賃金労働せずに給付に依存する人間を増大させるというものであ

る。山森、前掲書、2009、p.213 より。 71 武川、前掲書、2008、p.34 より。 72 T.フィッツパトリック、前掲書、2005、pp.68-84 より。 73 武川、前掲書、2008、p.35 より。 74 賃金が安いと勤労意欲が下がる、新しく人間を雇うと訓練コストがかかる、解雇は法的に帰省されている等々。

武川、前掲書、2008、p.35 より。 75 現に働いている者の賃金が30 万、より低賃金で働く者の賃金が 20 万とすると、雇用レントは 10 万円となる。

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ントの部分は、雇用レントを享受できない者に対するベーシック・インカムの財源として

拠出すればよいというのが「雇用レント説」である。

第三は、「プラグマティックな議論」である。これは便宜的な理由からフリーライダーを

容認する主張であり、ベーシック・インカムはフリーライダーを生むかもしれないが、そ

れは社会にとっての必要悪だという考え方である。フリーライダーか否かを判断するのは

困難で金銭的にも負担が出るし、プライバシーの侵害にもなりかねないから、フリーライ

ダーの存在を仕方の無いものとして容認している。また、ベーシック・インカムの水準は

最低限の生活を想定しているため、贅沢をしたい者は結局働かざるをえないだろうという

考え方もある。

第四は、「プライスタグ(代償)説」であり、ホワイトは「BI は生きるということ、す

なわち個性や社会の多様性についての実験を促しているのであるから、ある程度のフリー

ライダーの存在は、私たちが受け入れなければならない代償である」76と主張する。しか

も、ベーシック・インカムはフリーライダーを生むかもしれないが、雇用の機会を増やし

たり無償労働の価値を評価したりすることで、互酬性の原理を侵犯せず、代償の大きさは

深刻ではなくなるとしている。

このように、「働かなくなるのではないか」との疑問への反論は諸説あり、所得保障とフ

リーライダーをめぐる問題は単純に解決できるものではないと考えられる。

ところで、この問題に関しての小沢の見解は以下である。「もちろん、フリーライダー層

が生まれてくることは避けられない」。しかし、「ワークフェア的な労働の刺激は『働かな

いと生活できないぞ』といういわば追い詰められた飢餓的状況下で発揮される後ろ向きの

刺激や労働意欲であり、労働の尊厳を損なう」恐れがあるし、また「働いている・働いて

いない、労働と非労働の線をどこで引くのかは、今日非常に難しくなってきて」おり、「富

の生産に関与する場所や時間が・・・(中略)・・・限定されなくなって」いる。よって小

沢は、「富や社会的剰余は、言語的、コミュニケーション的、情動的なネットワークを通じ

た非物質的労働によって、協同的な相互作用を通して生み出されるわけで、・・・(中略)・・・

あらゆる人たちがあらゆる場や時間で富の生産に関与している以上、万人への所得保障が

必要となる」77とのネグリとハートの主張を紹介した上で、フリーライダー問題へのさら

なる検討が必要だと述べている。つまり、人々の労働への尊厳を損なわないまま、今日の

多様な富の生産方法に適した万人に対する所得保障の道を考えるには、フリーライダー層

76 T.フィッツパトリック、前掲書、2005、p.76 より。 77 武川、前掲書、2008、pp.226-227 より。

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の出現は避けられないとしている。この小沢の考え方は、フィッツパトリックの挙げる「プ

ラグマティックな議論」に近いものと考えられる。

また、フリーライダー問題への対策として、アトキンソンの参加所得がある78。アトキン

ソンは労働せず楽な暮らしを貪ろうとする者に対して所得を与えることを否定し、条件付

きの最低限所得保障を提案しているが、これは、ベーシック・インカムの政治的不可能性

を回避する妥協案とも言える。というのも、ベーシック・インカムの問題の 1 つに、政治

的合意を得られにくいというものがある。それはまさに、アトキンソンの主張にあるよう

に、働かざる者(もしくは無償労働に従事する者)に無条件に給付することへの嫌悪感な

いしは危惧が存在するためである。その点で、給付条件付きのアトキンソンの主張は、政

治的合意を得られやすいものとなっている。

78 第2節の5に説明あり。

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第3章 ベーシック・インカム試算

本章では、ベーシック・インカムを実際に導入した場合の試算を、いくつかの世帯類型に

対して行う。ベーシック・インカムを導入すると現行制度と何が変わるのか、どんなメリッ

トやデメリットがあるのか、世帯ごとに違いは出るのかなどの疑問点を、具体的なデータの

値を用いて明らかにしていきたい。その結果を分析することで、ベーシック・インカムの利

点と問題点を提示する。

試算の方法は小沢の2002年の著書79及び武川の2008年の編著書80における小沢の論文を参

考にしている。小沢の 2002 年の著書の試算の特徴としては、財源を所得税にしていること、

給付額を一律 8 万円(月額)に設定していること、そして計算式が明快で理解しやすいとい

うことが挙げられる。彼は 3 つの世帯類型81についてそれぞれに仮の年収を設定して試算を

行っているが、本章では世帯類型を増やし、かつ年収もそれぞれの世帯について変えながら

試算を行う。その根拠は後ほど触れることにする。

また小沢は、2008 年の武川の編著書における自身の論文の中で、2002 年の試算にいくつか

修正ないしは補足を加えている。まず、ベーシック・インカムの税率を 50%から 45%に変更

している82。それから給付額の設定に関して、8万円では十分に生活できない者も出てくるの

ではないかとの懸念に対し、ベーシック・インカムの良さは無条件の一律給付にあるが万能

の制度ではないとした上で、ベーシック・インカムをどのような政策パッケージと組み合わ

せて導入するかが重要だと補足している。さらに、2002 年当時の所得税制から、2008 年度の

所得税制に置き換えて計算しなおしている83。本章では、以上の修正をふまえて現行の手取

り収入を割り出している。

79 小沢修司『福祉社会と社会保障改革 ベーシック・インカム構想の新地平』、高菅出版、2002 80 武川正吾編『シティズンシップとベーシック・インカムの可能性』、法律文化社、2008(シリーズ・新しい社会

政策の課題と挑戦 第 3巻) 81 ケース 1:夫婦(片働きと専業主婦)で子ども2 人(うち1人は 16 歳から 22 歳で特定扶養控除対象とする)、

給与収入700万円の場合。ケース2:シングルペアレントで子ども 1人、給与収入 500 万円の場合。ケース3:夫

婦(共働き)で子ども 1人、給与収入それぞれ500万円の場合。 82 2002 年の小沢の著書における 50%という数字は、ベーシック・インカム所要額を、源泉徴収される給与所得者

の給与総額で割ったものであるが、ここには申告所得税に関わる所得への課税が含まれていないことになる。よ

って 2008 年の論文では源泉所得税・申告所得税の双方における所得金額を合計したものでベーシック・インカム

所要額を割っている。これが45%になる。 83 2002 年度からの変更点は、配偶者特別控除(上乗せ分)ならびに定率(20%)減税の廃止。

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第1節 給付額の設定

まず、ベーシック・インカムの給付額を設定するにあたり、現在の生活保護における生

活扶助の水準を参考にすることとする。生活保護で保障される最低生活費では最低限の生

活レベルしか実現できず、ベーシック・ニーズの充足には不十分であるかもしれないが、

そうした細部への配慮はここでは行わない。本章の目的は給付額を一定にした場合の結果

を知ることにあるからである。

生活扶助額は、年齢・居住地・世帯構成によってそれぞれの基準額が定められている(図

表 3-1)。居住地によって 1 級地‐1 から 3 級地‐2 に区分され、個人に与えられる第 1 類

の金額と、世帯全体にその構成人数ごとに与えられる第 2 類の金額の合計が生活扶助額と

なる。ただし、11 月から 3 月までは地区別冬季加算が加わる(暖房費がかかるため)。1

級地の中には主に東京、神奈川、大阪といった大都市が含まれ、主な地方都市は 2 級地、

その他の都市は 3 級地に分類される。たとえば、20~40 歳で都会(1 級地‐1)に一人暮ら

しをしている場合、第 1 類の 40270 円に第 2 類の 43430 円を加えると83700 円である(月

額)。東京で暮らしていると仮定すると、冬季加算の区分はⅥ区ということになるので、3090

円の 5 か月分である 15450 円を月平均にすると約1288 円の加算となる。この 1288 円と第

1 類、第 2 類とを合わせると、生活扶助額は月平均約 84988 円となる。また、20~40 歳の

夫婦に 12 歳と 6 歳の子どもがいる世帯について同様に計算すると、月平均約 21 万 4104

円となる84。

また、平成 19 年度版厚生労働白書(図表 3-2)によると、同年度の高齢単身世帯の生活

扶助基準額は 80820 円である。以上のことから、ここではベーシック・インカムの給付額

を仮に月額 8 万円(年額 96 万円)としてシミュレーションすることにする。しかし、高齢

者世帯や障害者を含む世帯にとっては、8 万円という額では不十分であるかもしれない。

逆に、8 万円も支給する必要の無い世帯もあるかもしれない。この試算においては、あく

まで一定の金額を設定した場合にどうなるかという概算を目的としているため、そのよう

な調整の必要な世帯についてはここでは配慮していない。

84 第1 類(40270×2+42080+34070)+第 2 類(55160+5410×5÷12)=約21万 4104 円

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図表 3-1 生活保護における生活扶助額

(出所)全国障害者介護制度情報ホームページ 平成 19 年度生活保護基準・生活保護実施要領等(案)85より。

85 URL(http://www.j-hp.net/o/070314seiho-kijun-an.pdf)閲覧日09/12/16

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図表 3-2 世帯類型別生活扶助基準(平成 19 年度)

標準 3人世帯(33歳男・

29歳女・4歳子) 高齢単身世帯(68歳女)

高齢夫婦世帯(68歳

男・65歳女)

母子 3人世帯(30歳

女・9 歳子・4 歳子)

1 級地‐1 162,170 80,820 121,940 155,970

1 級地‐2 154,870 77,190 116,460 148,950

2 級地‐1 147,580 73,540 110,960 141,930

2 級地‐2 140,270 69,910 105,480 134,910

3 級地‐1 132,980 66,260 99,990 127,900

3 級地‐2 125,680 62,640 94,500 120,870

(注)冬季加算(Ⅵ区×5/12)を含む。単位:円。

(出所)平成19 年度厚生労働白書86より作成。

第2節 財源と税率

1 財源と税率

ベーシック・インカムの一人当たりの年間給付額が 96 万円ということは、年間に必要な

ベーシック・インカム総額は 115 兆 2000 億円(96万円×1 億 2000 万人)ということにな

る。この試算では、その財源を所得税に求めることとする。世帯ごとの収入を割り出す本

試算において、直接的に値(税率)を変えることができ、結果を明確な数字で表すことが

できるということと、小沢の試算においても財源を所得税としていることから所得税を採

用した。

では、所得税を財源にするとした場合、どのような税率にすべきか。現行制度において、

所得税には累進課税が採られており、これは所得金額が大きくなるにつれて次第に高い税

率を適用するという課税方式である。一方、ベーシック・インカムでは累進課税ではなく

定率課税を採用している。したがって、115 兆円を所得税として負担する際の税率を導き

出すためには、まず年間の給与総額を知る必要がある。2007 年度の給与総額は 270 兆円で

ある(図表 3-3)。これは、源泉徴収されるサラリーマン等の給与所得者の給与総額 223.4

兆円と、自営業者等の申告による総所得金額 46.6 兆円の合計金額である。つまり、ベーシ

ック・インカムに必要な財源を確保するためには、約 42.6%の所得税率が求められるとい

86 URL(http://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/07-3/kousei-data/PDF/030809.pdf)閲覧日09/12/16

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うことになる(115 兆円÷270 兆円×100)。ただし、本試算では、2007 年度以前及び以降

の税率も鑑み、かつ計算する際にきりの良い数字であるということから、所得税率を 45%

に統一してシミュレーションを進めていくこととする。

図表 3-3 ベーシック・インカムの所得税率

(出所)武川正吾編『シティズンシップとベーシック・インカムの可能性』、法律文化社、2008(シリーズ・新し

い社会政策の課題と挑戦 第3 巻)p.197 より。

2 社会保険料の減少

ここで、社会保障を受けるために支払う社会保険料について触れておく必要があるよう

に思う。ベーシック・インカムとは、既存の社会保障の現金給付部分に代わるものである

わけだから、ベーシック・インカムが導入されれば、当然、納める社会保険料は減ること

になる。具体的には、2007 年度の社会保障給付費の総額は 91.4 兆円であり(図表3-4)、

そのうちの現金給付部分を合計すると約 53.9 兆円になる(図表 3-5)。つまり、現金給付

部分は社会保障給付費の総額のおよそ 59%にあたる(53.9 兆円÷91.4 兆円×100)。機能

別社会保障給付費の項目説明は図表3-6 に示す。

このことから、ベーシック・インカムが導入されると、社会保障給付費のうち約 6 割が

不要となることがわかる。社会保険料は社会保障の現物給付部分である 4 割を負担するだ

けで済むことになり、結果的に社会保険料は安くなる。本試算では、社会保険料を収入の

10%として統一しているが、ベーシック・インカム導入後はこのような理由から収入の4%

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で計算している。

図表 3-4 収入、制度、部門、機能、対象者からみた社会保障給付費

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(出所)国立社会保障・人口問題研究所「平成19 年度社会保障給付費」87より。

図表 3-5 機能別社会保障給付費の推移

87 (http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?lid=000001059081)閲覧日 09/12/16

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(出所)国立社会保障・人口問題研究所「平成19 年度社会保障給付費」88より。

図表 3-6 機能別社会保障給付費の項目説明

(出所)国立社会保障・人口問題研究所「平成19 年度社会保障給付費」89より。

88 (http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?lid=000001059081)閲覧日 09/12/16 89 (http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?lid=000001059081)閲覧日 09/12/16

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第3節 現行制度における所得の計算

ベーシック・インカムの試算を行う前に、現行制度における所得がどのような経緯を経て

導き出されているのかを簡単にまとめておきたい。現行とベーシック・インカム導入後の世

帯収入の比較が本章では重要な地位を占めているからである。

以下の図表 3-7 は、年間の給与収入からどのように所得税額が計算されるかを示したもの

である。まず、給与収入から給与所得控除(図表 3-8)を差し引き、さらにそこから基礎控

除、配偶者控除、扶養控除、特定扶養控除、社会保険料控除等の所得控除を差し引いた金額

が課税所得となる。その課税所得金額に応じて税率が 6 段階に区分されており、算出された

税額から税額控除を差し引いた金額が、納付税額とみなされる(図表 3-9)。

例えば、給与収入 700 万円の世帯(夫婦子 2 人、子のうち 1 人は特定扶養親族に該当)の

場合の所得税の課税ベースは図表3-10 のとおりである90。課税所得が263万円ということは、

図表 9 より所得税率は 10%で、税額控除額は 9 万 7500 円ということになる。したがって、

所得税負担は約 16 万 6000 円となる。なお、本試算においては、所得税を財源としているこ

とから税負担は所得税のみとし、住民税やその他の税については考慮に入れていない。

図表 3-7 所得税額計算の仕組み(給与所得者の場合)

90 700(給与収入)‐190(給与所得控除)‐70(社会保険料)‐38(基礎控除)‐38(配偶者控除)‐38(扶養控除)‐

63(特定扶養控除)=263(課税所得) ※単位は万円。

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(出所)財務省ホームページ91より。

図表 3-8 給与所得控除

給与等の収入金額

(給与所得の源泉徴収票の支払金額) 給与所得控除額

1,800,000 円以下 収入金額×40%

650,000 円に満たない場合には650,000 円

1,800,000 円超 3,600,000 円以下 収入金額×30% + 180,000 円

3,600,000 円超 6,600,000 円以下 収入金額×20% + 540,000 円

6,600,000 円超 10,000,000 円以下 収入金額×10% + 1,200,000 円

10,000,000 円超 収入金額× 5% + 1,700,000 円

(注)平成21 年 4 月 1 日現在の法令において、給与所得の金額は、給与等の収入金額から給与所得控除額を差し

引いて算出するが、この給与所得控除額は給与等の収入金額に応じて上のようになる。

(出所)国税庁ホームページ92より作成。

図表 3-9 所得税の税率

課税される所得金額 税率 控除額

195 万円以下 5% 0 円

195 万円を超え 330 万円以下 10% 97,500 円

330 万円を超え 695 万円以下 20% 427,500 円

695 万円を超え 900 万円以下 23% 636,000 円

900 万円を超え 1,800 万円以下 33% 1,536,000 円

1,800 万円超 40% 2,796,000 円

(注)平成 21 年 4 月 1 日現在の法令において、所得税の税率は、分離課税に対するものなどを除くと、5%から

40%の 6 段階に区分されている。課税される総所得金額(千円未満の端数金額を切り捨てた後の金額)に対する所

得税の金額は、上の速算表から求められる。例えば「課税される所得金額」が 700 万円の場合には、求める税額

は次のようになる。700 万円×0.23‐63 万 6 千円=97 万 4 千円。

(出所)国税庁ホームページ93より作成。

91 URL(http://www.mof.go.jp/jouhou/syuzei/siryou/025.htm)閲覧日09/12/16 92 URL(http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1410.htm)閲覧日09/12/16 93 URL(http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/2260.htm)閲覧日09/12/16

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図表 3-10 所得税の課税ベース(給与収入700 万円の場合)

(出所)財務省ホームページ94より作成。

第4節 ベーシック・インカムにおける所得の計算

1 世帯類型

ベーシック・インカムの試算を行うにあたって、2002 年の小沢の試算を基に 6 つの世帯

モデルを設定した。ケース 1 は夫婦(片働き)と子ども 2 人とし、世帯人数(4 人)をそ

のままに夫婦が共働きの世帯をケース1-2 とした。なお、ケース 1 については 2 人の子ど

もの中で特定扶養親族に該当する人数が0~2人で場合分けをしている。ケース2は夫婦(片

働き)と子ども 1 人とし、世帯人数(3 人)をそのままに夫婦が共働きの世帯をケース2-2

とした。ここでも、子どもが特定扶養親族か否かで場合分けをしている。ケース 3 はシン

グルペアレントで子どもが 1 人という世帯で、ここでも子どもが特定扶養親族か否かで場

合分けをしている。ケース 4 は単身者の世帯である。

これらの各ケースにおいて、年収を 50 万円単位で設定し、それぞれで現行の手取り収入、

ベーシック・インカム導入後の手取り収入、ベーシック・インカム導入後と現行の手取り

収入の差額を算出している。2002 年の小沢の試算では、状況の異なる世帯ケースごとの試

算が少なく、ベーシック・インカムと現行制度の比較をするにはデータが不十分だと考え

る。そこで、世帯ケースを増やし異なる年収で場合分けをすることで、ベーシック・イン

カムのメリット、デメリットをより正確に提示できるのではないか。具体的には、ベーシ

ック・インカムを導入することで、それ以前よりも手取り収入が減少する世帯が出てくる

と考えられるが、その分岐となる年収はいくらなのかということを明確な数字で表すこと

94 URL(http://www.mof.go.jp/jouhou/syuzei/siryou/236.htm)閲覧日09/12/16

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ができる。以上のことから、6 つの世帯ケースそれぞれについて年収を変えて算出した結

果には、ベーシック・インカムの可能性について考える際に非常に有効な素材となりうる

と考えている。

2 計算方法

実際にどのような計算をして世帯の収入を算出したのかを以下にまとめる。ケース 1 の

年収が 700 万円の場合を例として考えてみたい。まず、ベーシック・インカムの給付額は、

世帯の人数が 4 人なので 384 万円となる(96 万円×4 人)。次に、ベーシック・インカム

導入後の課税所得だが、収入から社会保険料負担分の 28 万円を差し引いた672万円がそれ

にあたる。本章2節で触れたとおり、社会保険料は社会保障の現物給付部分のみの負担と

いうことになるので、社会保険料は現行の「収入の 10%」から「収入の 4%」になり、700

万円の 4%、すなわち 28 万円を負担すればよいことになる。このことは、「課税所得=収

入の 96%」と同義であるので、計算の容易さから本試算ではこのような式を用いて計算を

行っている。

このようにして算出した課税所得の 45%が所得税として徴収されるので、所得税額は

302 万 4000 円となる(672 万円×0.45)。そして、ベーシック・インカム導入後の手取り

収入は、「ベーシック・インカム給付額+年収‐所得税額‐社会保険料」というシンプルな

式から求めることが出来る。例の場合、世帯の手取り収入は 753 万 6000 円ということにな

る(384 万円+700 万円‐302 万 4000 円‐28 万円)。

ここで、現行の手取り収入(特定扶養親族が 1 人の場合)を見ると 613 万 4500 円であり、

ベーシック・インカム導入後の収入との差額は140 万 1500 円ということになる。つまり、

世帯の手取り収入は 140 万円ほど増加することになり、ベーシック・インカムを導入する

メリットは十分にあるということが分かる。ただし、試算した全ての世帯にとって増収と

いうわけでもない。この点については次節で触れたいと思う。

ここではケース 1 を例として挙げたが、その他のケースについても同様の方法で計算し

ている。

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第5節 試算の結果

1 試算の結果

ここでは、エクセルの数値データ及びグラフから結果を読み取り説明する(図表3-11)。

試算の資料は本論文の最後部に掲載している。

まずケース 1 では、年収 400 万円の場合、ベーシック・インカムにすると今よりも約 240

万円の増収となる。しかし、グラフからも分かるようにその差はだんだん縮まっていき、

年収 1350 万円程のところで現行制度とベーシック・インカムの収入は逆転することが分か

る。つまり、高所得者にとってはベーシック・インカムを導入すると所得が増えるどころ

か減収になってしまう。

ケース 1-2 でも同様に、世帯年収 400 万円の場合には 240 万円に近い増収となるが、だ

んだんその差は狭まり、世帯年収 1100 万円あたりで現行制度の手取り収入がベーシック・

インカムを上回っている。

ケース 2 では、年収 400 万円の場合に 140 万円程の増収となっている。しかし、年収 900

万円と 1000 万円の間で上と同様に逆転している。

ケース 2-2 では、世帯年収 400 万円のときにケース 2 と同様、140 万円程の増収となる

が、世帯年収が 800 万円と 900 万円の間で逆転している。

ケース 3 では、年収 200 万円の場合に 120 万円程の増収だが、年収 550 万円あたりに「現

行制度>ベーシック・インカム」となる分岐点があると思われる。

ケース 4 では、年収 100 万円の場合、約 60 万円の増収が見込めるが、年収 250 万円から

300 万円の間あたりで早くも分岐点がある。

こうして 6 つのケースそれぞれの結果を見てみると、どのケースにも必ず現行制度にお

ける手取り収入がベーシック・インカムの手取り収入を上回る地点があることが分かる。

しかも、その上回る地点(以下、分岐点とする)は世帯ケースごとに全て異なる値である

ことが予想できる。

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図表 3-11 現行とベーシック・インカム(BI)の手取り収入の関係

【ケース1】夫婦(片働き)と子ども2人

0

100

200

300

400

500

600

700

800

900

1000

1100

1200

1300

400 500 600 700 800 900 1000 1100 1200 1300 1400 1500

年収(万円)

現行

BI

【ケース1-2】夫婦(共働き)と子ども2人

0

100

200

300

400

500

600

700

800

900

1000

1100

1200

1300

1400

400 500 600 700 800 900 1000 1100 1200 1300 1400 1500

世帯年収(万円)

現行

BI

【ケース2】夫婦(片働き)と子ども1人

0

100

200

300

400

500

600

700

800

900

1000

1100

1200

400 500 600 700 800 900 1000 1100 1200 1300 1400

年収(万円)

現行

BI

【ケース2-2】夫婦(共働き)と子ども1人

0

100

200

300

400

500

600

700

800

900

1000

1100

1200

1300

400 500 600 700 800 900 1000 1100 1200 1300 1400

世帯年収(万円)

世帯の手取り収入

現行

BI

【ケース3】シングルペアレントで子ども1人

0

100

200

300

400

500

600

700

800

900

200 300 400 500 600 700 800 900 1000

年収(万円)

現行

BI

【ケース4】単身者

0

50

100

150

200

250

300

350

400

450

500

550

600

650

100 150 200 250 300 350 400 450 500 550 600 650 700

年収(万円)

手取り収入

現行

BI

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2 分岐点の算出

では、現行制度における手取り収入がベーシック・インカムにおける手取り収入を上回

る分岐点となる年収はいくらか。各ケースについて方程式を作成し計算を試みた。以下は

その算出過程である。

【ケース1】夫婦(片働き)と子ども 2人 ※特定扶養親族1人の場合

年収・・・Ⅹ 課税所得・・・Y 所得税額・・・Z

課税所得=年収‐給与所得控除‐社会保険料控除‐基礎控除‐配偶者控除‐扶養控除‐特定扶養控除

Y=Ⅹ‐(Ⅹ×0.05+170000)‐Ⅹ×0.1‐380000‐380000‐380000‐630000=0.85Ⅹ‐3470000

所得税額=課税所得×税率‐税額控除

Z=Y×0.23‐636000=(0.85Ⅹ‐3470000)×0.23‐636000=0.1955Ⅹ‐1434100

年収‐社会保険料‐所得税額=現行の手取り収入

Ⅹ‐Ⅹ×0.1‐Z=0.9Ⅹ‐(0.1955Ⅹ‐1434100)=0.7045Ⅹ+1434100

ベーシック・インカム給付額+年収‐所得税額‐社会保険料=ベーシック・インカムの手取り収入

3840000+Ⅹ‐(Ⅹ×0.96×0.45)‐Ⅹ×0.04=0.528Ⅹ+3840000

0.7045Ⅹ+1434100=0.528Ⅹ+3840000

∴0.1765Ⅹ=2405900

∴Ⅹ=13631161

【ケース1-2】夫婦(共働き)と子ども2 人

それぞれの年収・・・Ⅹ 一人目の課税所得・・・Y 二人目の課税所得・・・Y´

一人目の所得税額・・・Z 二人目の所得税額・・・Z´

一人目の課税所得=年収‐給与所得控除‐社会保険料控除‐基礎控除‐扶養控除

Y=Ⅹ‐(Ⅹ×0.2+540000)‐Ⅹ×0.1‐380000‐380000=0.7Ⅹ‐1300000

一人目の所得税額=課税所得×税率‐税額控除

Z=Y×0.1‐97500=(0.7Ⅹ‐1300000)×0.1‐97500=0.07Ⅹ‐32500

二人目の課税所得=年収‐給与所得控除‐社会保険料控除‐基礎控除‐特定扶養控除

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Y´=Ⅹ‐(Ⅹ×0.2+540000)‐Ⅹ×0.1‐380000‐630000=0.7Ⅹ‐1550000

二人目の所得税額=課税所得×税率‐税額控除

Z´=Y´×0.1‐97500=(0.7Ⅹ‐1550000)×0.1‐97500=0.07Ⅹ‐57500

それぞれの年収×2‐社会保険料×2‐一人目の所得税額‐二人目の所得税額=現行の手取り収入

Ⅹ×2‐Ⅹ×0.1×2‐Z‐Z´=1.66Ⅹ+480000

ベーシック・インカム給付額+年収×2‐所得税額×2‐社会保険料×2=ベーシック・インカム手取り収入

3840000+2Ⅹ‐(Ⅹ×0.96×0.45×2)‐Ⅹ×0.04×2=1.056Ⅹ+3840000

1.66Ⅹ+480000=1.056Ⅹ+3840000

∴0.604Ⅹ=3360000

∴Ⅹ=5562913.9

【ケース2】夫婦(片働き)と子ども 1人 ※特定扶養親族1人の場合

年収・・・Ⅹ 課税所得・・・Y 所得税額・・・Z

課税所得=年収‐給与所得控除‐社会保険料控除‐基礎控除‐配偶者控除‐特定扶養控除

Y=Ⅹ‐(Ⅹ×0.1+1200000)‐Ⅹ×0.1‐380000‐380000‐630000=0.8Ⅹ‐2590000

所得税額=課税所得×税率‐税額控除

Z=Y×0.2‐427500=(0.8Ⅹ‐2590000)×0.2‐427500=0.16Ⅹ‐945500

年収‐社会保険料‐所得税額=現行の手取り収入

Ⅹ‐Ⅹ×0.1‐Z=0.9Ⅹ‐(0.16Ⅹ‐945500)=0.74Ⅹ+945500

ベーシック・インカム給付額+年収‐所得税額‐社会保険料=ベーシック・インカムの手取り収入

2880000+Ⅹ‐(Ⅹ×0.96×0.45)‐Ⅹ×0.04=0.528Ⅹ+2880000

0.74Ⅹ+945500=0.528Ⅹ+2880000

∴0.212Ⅹ=1934500

∴Ⅹ=9125000

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【ケース2-2】夫婦(共働き)と子ども1 人 ※特定扶養親族 1 人の場合

それぞれの年収・・・Ⅹ 一人目の課税所得・・・Y 二人目の課税所得・・・Y´

一人目の所得税額・・・Z 二人目の所得税額・・・Z´

一人目の課税所得=年収‐給与所得控除‐社会保険料控除‐基礎控除

Y=Ⅹ‐(Ⅹ×0.3+180000)‐Ⅹ×0.1‐380000=0.6Ⅹ‐560000

一人目の所得税額=課税所得×税率‐税額控除

Z=Y×0.05=(0.6Ⅹ‐560000)×0.05=0.03Ⅹ‐28000

二人目の課税所得=年収‐給与所得控除‐社会保険料控除‐基礎控除‐特定扶養控除

Y´=Ⅹ‐(Ⅹ×0.3+180000)‐Ⅹ×0.1‐380000‐630000=0.6Ⅹ‐1190000

二人目の所得税額=課税所得×税率‐税額控除

Z´=Y´×0.05=(0.6Ⅹ‐1190000)×0.05=0.03Ⅹ‐59500

それぞれの年収×2‐社会保険料×2‐一人目の所得税額‐二人目の所得税額=現行の手取り収入

Ⅹ×2‐Ⅹ×0.1×2‐Z‐Z´=1.74Ⅹ+87500

ベーシック・インカム給付額+年収×2‐所得税額×2‐社会保険料×2=ベーシック・インカムの手取り収入

2880000+2Ⅹ‐(Ⅹ×0.96×0.45×2)‐Ⅹ×0.04×2=1.056Ⅹ+2880000

1.74Ⅹ+87500=1.056Ⅹ+2880000

∴0.684Ⅹ=2792500

∴Ⅹ=4082602.3

【ケース3】シングルペアレントで子ども 1人 ※特定扶養親族 1 人の場合

年収・・・Ⅹ 課税所得・・・Y 所得税額・・・Z

課税所得=年収‐給与所得控除‐社会保険料控除‐基礎控除‐特定扶養控除

Y=Ⅹ‐(Ⅹ×0.2+540000)‐Ⅹ×0.1‐380000‐630000=0.7Ⅹ‐1550000

所得税額=課税所得×税率‐税額控除

Z=Y×0.1‐97500=(0.7Ⅹ‐1550000)×0.1‐97500=0.07Ⅹ‐252500

年収‐社会保険料‐所得税額=現行の手取り収入

Ⅹ‐Ⅹ×0.1‐Z=0.9Ⅹ‐(0.07Ⅹ‐252500)=0.83Ⅹ+252500

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ベーシック・インカム給付額+年収‐所得税額‐社会保険料=ベーシック・インカムの手取り収入

1920000+Ⅹ‐(Ⅹ×0.96×0.45)‐Ⅹ×0.04=0.528Ⅹ+1920000

0.83Ⅹ+252500=0.528Ⅹ+1920000

∴0.302Ⅹ=1667500

∴Ⅹ=5521523.1

【ケース4】単身者

年収・・・Ⅹ 課税所得・・・Y 所得税額・・・Z

課税所得=年収‐給与所得控除‐社会保険料控除‐基礎控除

Y=Ⅹ‐(Ⅹ×0.3+180000)‐Ⅹ×0.1‐380000=0.6Ⅹ‐560000

所得税額=課税所得×税率‐税額控除

Z=Y×0.05=(0.6Ⅹ‐560000)×0.05=0.03Ⅹ‐28000

年収‐社会保険料‐所得税額=現行の手取り収入

Ⅹ‐Ⅹ×0.1‐Z=0.9Ⅹ‐(0.87Ⅹ‐28000)=0.87Ⅹ+28000

ベーシック・インカム給付額+年収‐所得税額‐社会保険料=ベーシック・インカムの手取り収入

960000+Ⅹ‐(Ⅹ×0.96×0.45)‐Ⅹ×0.04=0.528Ⅹ+960000

0.87Ⅹ+28000=0.528Ⅹ+960000

∴0.342Ⅹ=932000

∴Ⅹ=2725146.1

以上の計算結果を見ると、ケース1の分岐点は年収1363万1161円であることが分かる。

一方、ケース 1-2 で示される分岐点は給与所得者それぞれの年収であるため、世帯年収は

約 1112 万 5828 円となる(5562913.9 円×2)。さらにケース 2 の分岐点は 912 万 5000 円、

ケース 2-2 の分岐となる世帯年収は約816 万 5205 円である(4082602.3 円×2)。ケース 3

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の分岐点は年収 552 万 1523 円であり、ケース 4 では年収 272 万 5146 円が分岐となる。

この分岐点とは、現行制度下における手取り収入が、ベーシック・インカムを導入した

場合に得られうる手取り収入を上回る地点ということである。つまり、ケース 1 の場合、

1363 万円を超える年収を得ている世帯にとっては、ベーシック・インカムを導入すること

で減収になってしまうということを表している。その他のケースについても、同様のこと

が言える。高所得者にとってはメリットが無いと言われるベーシック・インカムだが、そ

の境界線となる年収を割り出すことでベーシック・インカムの問題を考えやすくなったと

思われる。

3 分析

上記のようにして割り出した分岐点に関してケース 1 とケース 1-2 を比べると、それぞ

れ世帯人員数と子どもの数・年齢は同じなのに、分岐となる年収に 250 万円程もの差があ

るということが分かる。ケース 2 とケース 2-2 とを比べても同様のことが言え、その差額

は 100 万円程である。

そもそも現行制度においては、同じ世帯年収のシングルインカム世帯とダブルインカム

世帯の手取り収入を比較すると後者の方が高い。これは課税所得の額が 1 人ずつに分割さ

れていることがその一因だと考えられる。例えば、ケース 1 とケース 1-2 において、世帯

年収 700 万円の場合を考えると、ケース 1 の手取り収入は約 613 万円、ケース 1-2 の収入

は約 620 万円である。約 7 万円の差があり、世帯年収が増加するにつれてその差は逓増し

ていく。ベーシック・インカム導入後の手取り収入はそれぞれ 753 万円だから、その差額

はシングルインカムが 140 万円、ダブルインカムが 133 万円となる。この 2 つの値が示す

のは、ベーシック・インカムにした時によりメリットがあるのは、今の時点で収入の少な

いシングルインカムの方だということである。このため、ベーシック・インカムを導入し

た場合に、損益の逆転する分岐年収がシングルインカム世帯(1363 万円)よりダブルイン

カム世帯(1112 万円)の方が低くなる。

ここで、ケース 1 とケース 1-2 の世帯年収 1200 万円の場合について具体的な数値で確認

してみる(特定扶養親族は 1 人とする)。ケース 1の手取り収入は 988 万円で、ケース 1-2

の手取り収入は 1044 万円である。ベーシック・インカム導入後の手取り収入はそれぞれ

1017 万円だから、ケース 1 の片働き世帯にとっては 29 万円の増収、ケース 1-2 の共働き

世帯にとっては 27 万円の減収となる。このことから、同じ年収を得ていても稼ぎ手の人数

が違うと、ベーシック・インカムがプラスに作用するかマイナスに作用するかで、はっき

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りと分かれるということが分かった。

ベーシック・インカムはダブルインカム世帯にとって不利で、シングルインカム世帯に

とって有利な制度であるように見える。このシングルインカム世帯については、別の観点

から考えることが出来る。それは、家事労働に従事する専業主婦に対して賃金が支払われ

ているとの認識である。「家事労働に賃金を!」というスローガンがベーシック・インカム

の主張につながっているとの背景もあるし95、もともと労働と所得を切り離して考えるの

がベーシック・インカムの特徴として挙げられており、賃金労働をしようがしまいが全て

の人が平等になることを掲げたものだからである。シングルインカム世帯にとって有利に

見えるのは、現行制度下で専業主婦への配慮を欠いていた分、その埋め合わせとしてベー

シック・インカムが給付されているためであると考えられる。つまり、家事労働に対して

賃金が支払われるという点にベーシック・インカムを導入する意義があると思われる。

以上のことは、ケース 2 とケース 2-2 を比較した場合にも同様のことが言える。

次に、ケース 3 とケース 4 について考えてみる。両ケースの違いは、世帯人員数すなわ

ち子どもの有無である。注目したいのは、ケース 4 の単身者世帯における分岐点である。

年収 272 万円でベーシック・インカムを現行が上回るとの結果が出ており、その額は他の

ケースと比べてかなり低い。つまり、額面上ベーシック・インカムは単身者世帯にとって

最もマイナスに作用すると言える。ここで、ケース 3 と比較をしてみると、ベーシック・

インカム導入後の収入について興味深いことが分かる。まず例を挙げると、それぞれのケ

ースで年収 200 万円の場合におけるベーシック・インカム後の手取り収入を見ると、ケー

ス 3 では 297 万円、ケース 4 では 201 万円である。その差額は 96 万円であり、これは 1

人分のベーシック・インカムの年間給付額に相当する。このことから言えるのは、ケース

3 とケース 4 のベーシック・インカム給付額の差額は、そっくり子どもに対して給付され

ているということである。これは他のケースについても同様に言えることだが、重要なの

は、現行制度において親の収入の中に含まれていた子どものための収入が、ベーシック・

インカムでは子ども個人に収入が分配されるようになるということである96。つまり、ベ

ーシック・インカムを導入することで、上述した専業主婦への報酬と、親の扶養に埋もれ

るのではなく子ども個人に対して富を分配するという効果が生じると言える。

また、ケース 4 へのマイナスの作用に関してだが、こう捉えることも出来る。つまり、

減収を免れたければ結婚し子どもを作るとよい、という一種の少子化対策になるのではな

95 山森亮『ベーシック・インカム入門 無条件給付の基本所得を考える』、光文社新書、2009、pp.66-68 より。 96 「repon の日記」08/1/27 のエントリー参照。URL(http://d.hatena.ne.jp/repon/20080127)閲覧日09/12/16

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いか。先ほど示したとおり、ベーシック・インカムでは子どもが 1 人増えれば世帯収入は

一気に 100 万円程増えるわけだから、結婚して世帯人員数を増やすことで世帯収入の増加

が見込めることから、子どもを作ることを助長するような制度として捉えることができる

と考える。

このように試算の結果について考察したことで、ベーシック・インカムが及ぼす影響に

は、①稼ぎ手の人数(シングルインカムかダブルインカムか)、②年収、③世帯人員数(特

に子どもの有無)が大きく関わっていると考える。

第6節 補足的ケースについての考察

以上、試算で得たデータを用いてベーシック・インカムと現行制度との比較をしてきた

が、設定した 6 つのケースだけでベーシック・インカムの是非を検討し、決め付けるのは

危険であると考える。国民全員が必ずどれかの世帯類型に当てはまるはずもないし、世帯

の形は何通りもある。ただ、一般的で世帯数も多いであろうとの予測のもと、6 つの世帯

ケースを設定しているにすぎない。ここでは補足的に、6 つのケース以外の世帯について

データを算出し、ベーシック・インカムの影響を見ていきたい。具体的には、前半で生活

保護を受給している世帯について、後半で民主党が推進する「子ども手当」を導入した場

合の試算について考える。現行制度やベーシック・インカムと比較し、利点、問題点を明

らかにしたい。

1 生活保護世帯とベーシック・インカム

ここでは、現在の生活保護を受給している世帯が、ベーシック・インカムを導入するこ

とでどのような影響を受けるのかを調べる。現行の生活保護制度では、生活するために最

低限必要とされる金額すなわち最低生活費から、収入を差し引いた額が生活保護費として

給付される。平成 19 年版厚生労働白書における世帯類型別生活扶助基準(図表 3-2)の 4

つの世帯類型について、現行の手取り収入とベーシック・インカム導入後の手取り収入を

試算してみた。どの世帯でも、収入は月に5 万円(年収 60 万円)とする。

まず、現行の生活保護費の算出についてだが、図表 3-12 のように最低生活費の計算から

始める。生活、住宅、教育、介護、医療、出産、生業、葬祭の 8 つの扶助の基準額と、各

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世帯の状況に応じて認められる加算97の合計で、最低生活費が算出される。例えば、標準 3

人世帯(33 歳男、29 歳女、4 歳子)の最低生活費(月額)98は、生活扶助額 16 万 2170 円99、

住宅扶助額 6 万 9800 円100、児童養育加算 5000 円101より、合計 23 万 6970 円である。よっ

て、最低生活費 23 万 6970 円から収入 5 万円を差し引いた 18 万 6970 円が、生活保護費と

して支給される。これを年額にすると 224 万 3640 円となり(18 万 6970 円×12 ヶ月)、収

入と合わせた年間総収入は 284 万 3640 円である(224 万 3640 円+5 万円×12 ヶ月)。

図表 3-12 生活保護費の計算方法

(出所)平成19 年度厚生労働白書102より。

では、ベーシック・インカム導入後の収入(年額)はどうなるか。収入は 60 万円、世帯

人数は 3 人だから給付額は 288 万円、収入の45%を所得税として徴収するから所得税額は

25 万 9200 円、社会保険料は収入の 4%で 2 万 4000 円である。これらから、年間の収入は

319 万 6800 円ということになり103、現行と比べると 35 万 3160 円のプラスである。

他の 3 つの世帯類型についても同様に生活保護費を算出し、現行とベーシック・インカ

ム後の収入を比較した結果を図表 3-13 にまとめた。これを見ると、標準 3 人世帯と母子3

人世帯ではベーシック・インカムと現行との差額がプラス 35 万円程であり、大幅な収入の

97 妊産婦加算や児童養育加算など。 98 居住地区分は1 級地-1 とする。 99 図表3-2参照。第 1節に内訳の説明あり。 100 神戸公務員ボランティアHP(http://homepage3.nifty.com/kobekoubora/2007juutakufujo.html)参照(閲

覧日 09/12/16)。1 級地、東京で3 人家族は6 万 9800 円である。 101 全国障害者介護制度情報ホームページ、平成 19 年度生活保護基準・生活保護実施要領等(案)より。

(http://www.j-hp.net/o/070314seiho-kijun-an.pdf)閲覧日 09/12/16 102 URL(http://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/07-3/kousei-data/PDF/030809.pdf)閲覧日09/12/16 103 給付額(96 万×3 人)+年収(60万)‐所得税額(60 万×0.96×0.45)‐社会保険料(2 万 4000 円)=319

万 6800 円。算出方法は第4節の2と同様に行っている。

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増加となっている。しかし、高齢単身世帯(1 人)と高齢夫婦世帯(2 人)ではどちらもマ

イナスの値を示しており、現行の生活保護制度のままであったほうが収入は多いという結

果となった。この結果は、ケース 1~4 の結果と似ている104。つまり、世帯人数が少ない世

帯はベーシック・インカムの効果を得にくいということが、生活保護世帯についても言え

るということである。

図表 3-13 生活保護制度とベーシック・インカムにおける収入(年額)

生活保護(A) ベーシック・インカム(B) B‐A

標準 3 人世帯 284 万 3640 円 319 万 6800 円 +35 万 3160 円

高齢単身世帯 161 万 4240 円 127 万 6800 円 ‐33 万 7440 円

高齢夫婦世帯 230 万 880 円 223 万 6800 円 ‐6 万 4080 円

母子 3 人世帯 285 万 5040 円 319 万 6800 円 +34 万 1760 円

(筆者作成)

元々、ベーシック・インカム構想は生活保護に代わる制度として提案されたにもかかわ

らず、現在生活保護を受給している高齢単身者・夫婦にはマイナスに作用するという結果

が出た。この点については、補足や修正が必要だと考える。生活保護受給者にとってメリ

ットがないのなら、ベーシック・インカムは経済的弱者のための制度とは言えないからで

ある。例えば、収入が最低生活費を下回る世帯からは所得税を徴収しないとか、あるいは

生活保護対象世帯には何らかの補助を行うといったことが考えられる。その補助の対象を

自己申告制ではなく、「収入が最低生活費を下回る世帯」全てに設定すれば、「100 世帯中、

10 世帯が生活保護基準以下の生活をしているが、実際に保護を受けることができているの

は、たったの 2 世帯」105という現状から脱することが出来るのではないかと考える。

しかし、小沢が指摘するように、ベーシック・インカムの生命力は無条件の一律給付と

いうシンプルさにあることから、ごてごてと条件を付けて制度を複雑にすることは避けた

い。そこで小沢は、ベーシック・インカムを他の政策と組み合わせて導入することが重要

だとした上で、「一律給付によるベーシック・インカム」+「個々のニーズを反映した生活

扶助システム」+「各種社会サービス」という組み合わせでの導入を提案している106。ま

た、野崎は「ベーシック・インカムと生活保護の合わせ技」で、ベーシック・インカムを

104 第5 節の 3 を参照。 105 山森、前掲書、2009、p.32 より。 106 武川、前掲書、2008、p.199、213 より。

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分配しつつ、ニーズに即した分配をも行うことを主張している107。生活保護世帯のように

ベーシック・インカムの一律給付では不十分な世帯に対しては、何らかの対策を講じる必

要があると言える。

2 「子ども手当」とベーシック・インカム

子ども手当とは、民主党が政権公約の目玉として掲げた子育て支援策で、中学生までの

子どもに1人当たり月額 2 万 6 千円(年額 31 万 2 千円)を支給するというものである108。

親の所得制限は設けない。平成 22 年度は半額支給で、23 年度から全額支給を見込んでい

る。予算は、平成 22 年度の概算要求で約 2 兆 3000 億円となっており109、他政策に比べて

規模が大きい。子ども手当の導入に伴い、政府は現行の扶養控除・配偶者控除を原則廃止

する方針でいる(09/12/17 時点)。現行の児童手当は廃止ではなく、子ども手当と併存す

る形をとる110。子ども手当の影響を簡単にまとめると、

・ 中学卒業までの子どもがいる世帯では収入が増える。

・ 中学生以下の子どもを持たず、65 歳未満の専業主婦のいる世帯では増税・減収となる。

・ 独身世帯や中学生以下の子どものいない共働き世帯・1 人親世帯は、収入に変化はない。

という具合になる。

では、子ども手当が支給された場合、世帯の収入はどのように変化するのか。第4節の

1で設定したケース 1、2-2、3、4 について考えてみたい。試算にあたり、扶養控除と配偶

者控除は廃止されたものとして考えることとする。まずケース 1(夫+専業主婦+子 2人)

では専業主婦がいるため、配偶者控除の廃止による影響がある。また、子ども 2 人のうち

中学生以下が何人いるかによっても手取り収入は変化することになる。もし子どもが 2 人

とも 16 歳以上ならば、それぞれ特定扶養控除に該当するので、扶養控除廃止の影響は受け

ない。また、ケース 2-2(共働きの夫婦+子 1 人)とケース 3(シングルペアレント+子1

107 野崎泰伸、立命館大学グローバル COE プログラム「生存学」創成拠点――障老病異と共に暮らす世界の創造、

「ベーシック・インカム/生活保護/働く/働かない」、08/01/19 更新。(http://www.arsvi.com/2000/0801ny.htm)

閲覧日09/12/16 108 民主党マニフェスト2009、(http://www.dpj.or.jp/special/manifesto2009/index.html)閲覧日09/12/16 109 読売新聞、「子ども手当・地方負担検討…菅国家戦略相、概算要求見直しで」09/11/20 の記事。

(http://osaka.yomiuri.co.jp/mama/society/ms20091120kk05.htm)閲覧日09/12/17 110 2010 年度予算案によると、子ども手当は現行の児童手当に上乗せされる形でスタートする。新たな子ども手当

の仕組みでは、現在、児童手当が月5000 円支給されている世帯には、形式的には児童手当5000 円と、子ども手

当 8000 円の計1 万 3000 円が支給されることになる。(読売新聞「子ども手当、支給開始遅れ懸念」09/12/25 の記

事より、(http://osaka.yomiuri.co.jp/mama/society/ms20091225kk01.htm)閲覧日10/1/6)

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人)では、子どもが中学生以下かどうかで手取り収入は変化する。ケース 4(単身者)は

配偶者も子どももいないので、子ども手当の導入による変化はない。よって試算を行うの

はケース 1、2-2、3 とし、第 4 節で設定したケースと区別するため、それぞれケース 1´、

ケース 2-2´、ケース 3´とする。

ケース 1´は、年収 400 万円、700 万円、1000 万円のそれぞれの場合について、子ども

を特定扶養親族に該当する人数で分けて試算を行っている。計算方法は第 3 節の説明と同

様だが、配偶者控除と扶養控除を削除している点で異なる。まず年収 400 万円について見

てみると、特定扶養親族が 2 人の場合の手取り収入は 356 万 9000 円であり、特定扶養親族

が 1 人の場合の手取り収入は 384 万 9500 円、特定扶養親族がいない場合は 413 万円という

結果になった。それぞれの現行の手取り収入は、358 万 8000 円、357 万 5500 円、356 万 3000

円であるから、子ども手当導入後の手取り収入から現行を差し引くと、順に1万9000円減、

27 万 4000 円増、56 万 7000 円増となることが分かる。特定扶養親族が 2 人の場合に手取り

収入が減っているのは、配偶者控除の廃止によるものと考えられる。一方、収入が大幅に

増えているのは特定扶養親族が 1 人ないしは 0 人の場合だが、これは子ども手当の給付に

よる影響である。年収 700 万円、1000 万円の場合にも同様のことが言える。このことから、

中学校卒業までの子どものいる世帯では収入が増える、ということが数字的に明らかにな

った。

ケース 2-2´では、それぞれの年収が 200 万のとき、特定扶養親族が 1 人の場合は手取

り収入に変化はない。配偶者控除と扶養控除に該当する人がいないからである。特定扶養

親族が 0 人の場合の手取り収入は世帯全体で384万 8000 円であり、現行の世帯手取り収入

が 355 万 5000 円だから、29 万 3000 円増である。また、ケース 3´の年収が 200 万円のと

き、ケース 2-2´と同様に特定扶養親族が 1 人の場合は手取り収入に変化はない。しかし

特定扶養親族がいない場合の手取り収入は 208 万円となり、現行の世帯手取り収入が 178

万 7000 円だから、29 万 3000 円増である。このことから、中学生以下の子どものいない共

働き世帯・1 人親世帯にとっては、その収入に変化はないと言える。

このような特徴を持つ子ども手当は、子供向けのベーシック・インカムだと小沢は指摘

する111。だが現在(09/12/17 時点)、親の所得制限を設ける方向の議論がされており、政

権内でも意見が分かれている状態である。もし所得制限をすることになったら、子ども手

当は選別主義的な側面を持つことになり、普遍主義を掲げるベーシック・インカムの一部

だとは言えなくなるのではないかとの疑問がある。子ども手当が子供向けのベーシック・

111 武川、前掲書、2008、p.206-207 より。

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インカムだと言うためには、親の所得制限を設けず、対象となる全ての子どもに一律給付

される必要があると考える。

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おわりに

最後に、前章までの内容を踏まえた上で、ベーシック・インカムが人々ないし社会にもた

らす効果をまとめる。そして、ベーシック・インカムを導入すべきか否かという点について

考察し、本論文の結論とする。

社会の高度情報化・サービス化に伴って、労働生産性が著しく発展している現代社会にお

いては、必要な労働量が減少することは避けられない。社会に必要な労働量が減少すれば、

従来の福祉国家が前提としていた「完全雇用」が達成されず、労働で得た賃金から社会保険

料を拠出して福祉給付の資格を得るという仕組みが成り立たなくなる。つまり、労働するこ

とによって得られる賃金に依存する生活が難しくなることから、所得と労働を切り離して考

える必要があるということになる。そこで、完全雇用の達成が見込めない現代社会において、

従来の福祉国家システムに代わる新しい社会保障の形として提案されたのが、ベーシック・

インカム構想である。

ベーシック・インカムは現行のセーフティーネットのあり方を大きく変える制度である。

完全雇用や社会保険から滑り落ちた人々のための公的扶助という位置付けから、前提的に保

障される経済的基盤になる。生活が保障された後の人生は、個人の自由な自己決定に委ねら

れることから、経済的に困窮していた者や性別役割分業に縛られていた女性などの活動が活

発化することが期待できる。

ベーシック・インカムが導入されると、貧困の罠を回避することができるという利点があ

る。現在の社会保障システムでは、所得が増えると逆に所得保障の給付の権利を失うことに

なるため、労働インセンティブを低下させるという問題があったが、ベーシック・インカム

では働けば働くほど所得は増加するため、労働インセンティブはむしろ高まると言える。ま

た、ベーシック・インカムは給付条件を持たない普遍主義政策であり、現在の生活保護制度

のような選別主義ではないため、ミーンズテストを実施する必要がない。したがって、ミー

ンズテスト実施に伴う時間的・金銭的コストを削減することができ、行政業務の効率化につ

ながる。さらに、受給者にとっては受給に際してのスティグマを感じることがなくなる。そ

れから、第3章の分析結果にあるように、専業主婦といった賃金労働に従事していない人々

や、親の扶養に埋もれていた子ども個人に対して、独立した所得を与えることができるとい

うメリットもある。

このような利点がある一方で、ベーシック・インカムは無条件の一律給付というシンプル

な制度ゆえに、個々人のニーズに対応できないという問題が生じる。しかし、人々のニーズ

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を把握するためにミーンズテストを実施すれば、選別的な制度に逆戻りしてしまう。そこで

重要なのは、ベーシック・インカムを他の政策パッケージと組み合わせて導入することであ

る。例えば、高齢者や子どもに対しては給付額を調整するとか、各自治体が地域の実情に即

した政策を取り入れるなどして、ベーシック・インカムをより効果的な制度にするための補

助的制度の構築が必要だと考えられる。

また、一定額が全ての人に支給されるとなると、自分で働こうとしないフリーライダーが

出てくる可能性がある。この点に関してはいくつかの説得的な反論があることを第2章3節

で示した。政治的な合意の形成やベーシック・インカムへの人々の関心を集めるためには、

このフリーライダー問題に関する議論の周知を図り、フリーライダーの存在に対する不安を

取り除く試みが必要だと考えられる。

近年、日本でもベーシック・インカム構想が認知され注目を集めるようになっており、政

界での議論が高まっている。ベーシック・インカムが初めて国会で議論されたのは、2004 年

10 月、参議院本会議における民主党の代表質問の場であったとされる112。社会保障改革を検

討するにあたり重要な概念として取り上げられ、当時の小泉元首相はその答弁で、現在の社

会保障とは異質のベーシック・インカムが国民の合意を得ることは難しいとの考えを示した。

導入には消極的であったとしても、ベーシック・インカムが政治的議論の場に登場し、今後

の社会保障改革の一つの方法として認識されたことが重要なのである。そして、まだ記憶に

新しい 2009 年の衆議院議員選挙では、新党日本とみんなの党がベーシック・インカムの実現

をマニフェストに掲げており113、ベーシック・インカムを求める声や認知度も急速に高まっ

てきていると言える。

今、変容する社会状況に即した社会保障システムの構築が求められている。限界を迎えた

現在の社会保障を改革し、再構築するための手段としてベーシック・インカムが提案された

のは、至極必然的なことではないだろうか。人々の生活を保障し、個々人が自由な自己決定

のもとに生きることができる社会をつくるために、ベーシック・インカムは導入されるべき

である。そのためには、財源やフリーライダーといった課題への対処、政治的合意及び市民

の合意の獲得が必須であり、より効果的に機能するような社会保障の形を検討することが必

要だと考える。

112 武川正吾編『シティズンシップとベーシック・インカムの可能性』、法律文化社、2008(シリーズ・新しい社

会政策の課題と挑戦 第3 巻)pp.204-205 より。 113 全く同じ基準での保障を定めているわけではないが、程度は違えど両政党ともベーシック・インカム的政策を

掲げていることは事実である。(新党日本マニフェスト(http://www.love-nippon.com/2009manifesto.htm)閲覧

日 10/1/10、みんなの党マニフェスト(http://www.your-party.jp/policy/manifest.shtml)閲覧日 10/1/10 より。)

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厚生労働省、平成 20 年度社会福祉行政業務報告(福祉行政報告例)、

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山森亮『ベーシック・インカム入門 無条件給付の基本所得を考える』、光文社新書、2009

湯浅誠『反貧困―「すべり台社会」からの脱出』、岩波書店、2008

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参考資料

(ベーシック・インカム試算データ)

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【ケース1】 夫、妻(片働き)、子、子

年収 4000000 円の場合

1 特定扶養親族が2人 (以降、単位は円)

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 配偶者控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

1340000 400000 380000 380000 0 1260000 240000

所得税額 12000

手取り収入 3588000

年収 4000000

BI給付額 3840000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 3840000

BI導入後の所得税額 1728000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 160000

BI導入後の手取り収入 5952000

BI導入後‐現行 2364000 所得増

2 特定扶養親族が1人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 配偶者控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

1340000 400000 380000 380000 380000 630000 490000

所得税額 24500

手取り収入 3575500

年収 4000000

BI給付額 3840000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 3840000

BI導入後の所得税額 1728000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 160000

BI導入後の手取り収入 5952000

BI導入後‐現行 2376500 所得増

3 特定扶養親族が0人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 配偶者控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

1340000 400000 380000 380000 760000 0 740000

所得税額 37000

手取り収入 3563000

年収 4000000

BI給付額 3840000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 3840000

BI導入後の所得税額 1728000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 160000

BI導入後の手取り収入 5952000

BI導入後‐現行 2389000 所得増

年収 4500000 円の場合

- 65 -

Page 68: ベーシック・インカム実現への道inuzuka/lec/ueda.pdf概 要 本論文の目的は、社会的排除への対応策であるベーシック・インカムが日本で導入された

1 特定扶養親族が2人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 配偶者控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

1440000 450000 380000 380000 0 1260000 590000

所得税額 29500

手取り収入 4020500

年収 4500000

BI給付額 3840000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 4320000

BI導入後の所得税額 1944000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 180000

BI導入後の手取り収入 6216000

BI導入後‐現行 2195500 所得増

2 特定扶養親族が1人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 配偶者控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

1440000 450000 380000 380000 380000 630000 840000

所得税額 42000

手取り収入 4008000

年収 4500000

BI給付額 3840000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 4320000

BI導入後の所得税額 1944000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 180000

BI導入後の手取り収入 6216000

BI導入後‐現行 2208000 所得増

3 特定扶養親族が0人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 配偶者控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

1440000 450000 380000 380000 760000 0 1090000

所得税額 54500

手取り収入 3995500

年収 4500000

BI給付額 3840000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 4320000

BI導入後の所得税額 1944000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 180000

BI導入後の手取り収入 6216000

BI導入後‐現行 2220500 所得増

年収 5000000 円の場合

1 特定扶養親族が2人

- 66 -

Page 69: ベーシック・インカム実現への道inuzuka/lec/ueda.pdf概 要 本論文の目的は、社会的排除への対応策であるベーシック・インカムが日本で導入された

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 配偶者控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

1540000 500000 380000 380000 0 1260000 940000

所得税額 47000

手取り収入 4453000

年収 5000000

BI給付額 3840000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 4800000

BI導入後の所得税額 2160000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 200000

BI導入後の手取り収入 6480000

BI導入後‐現行 2027000 所得増

2 特定扶養親族が1人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 配偶者控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

1540000 500000 380000 380000 380000 630000 1190000

所得税額 59500

手取り収入 4440500

年収 5000000

BI給付額 3840000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 4800000

BI導入後の所得税額 2160000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 200000

BI導入後の手取り収入 6480000

BI導入後‐現行 2039500 所得増

3 特定扶養親族が0人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 配偶者控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

1540000 500000 380000 380000 760000 0 1440000

所得税額 72000

手取り収入 4428000

年収 5000000

BI給付額 3840000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 4800000

BI導入後の所得税額 2160000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 200000

BI導入後の手取り収入 6480000

BI導入後‐現行 2052000 所得増

年収 5500000 円の場合

1 特定扶養親族が2人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 配偶者控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

- 67 -

Page 70: ベーシック・インカム実現への道inuzuka/lec/ueda.pdf概 要 本論文の目的は、社会的排除への対応策であるベーシック・インカムが日本で導入された

1640000 550000 380000 380000 0 1260000 1290000

所得税額 64500

手取り収入 4885500

年収 5500000

BI給付額 3840000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 5280000

BI導入後の所得税額 2376000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 220000

BI導入後の手取り収入 6744000

BI導入後‐現行 1858500 所得増

2 特定扶養親族が1人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 配偶者控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

1640000 550000 380000 380000 380000 630000 1540000

所得税額 77000

手取り収入 4873000

年収 5500000

BI給付額 3840000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 5280000

BI導入後の所得税額 2376000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 220000

BI導入後の手取り収入 6744000

BI導入後‐現行 1871000 所得増

3 特定扶養親族が0人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 配偶者控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

1640000 550000 380000 380000 760000 0 1790000

所得税額 89500

手取り収入 4860500

年収 5500000

BI給付額 3840000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 5280000

BI導入後の所得税額 2376000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 220000

BI導入後の手取り収入 6744000

BI導入後‐現行 1883500 所得増

年収 6000000 円の場合

1 特定扶養親族が2人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 配偶者控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

1740000 600000 380000 380000 0 1260000 1640000

所得税額 82000

- 68 -

Page 71: ベーシック・インカム実現への道inuzuka/lec/ueda.pdf概 要 本論文の目的は、社会的排除への対応策であるベーシック・インカムが日本で導入された

手取り収入 5318000

年収 6000000

BI給付額 3840000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 5760000

BI導入後の所得税額 2592000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 240000

BI導入後の手取り収入 7008000

BI導入後‐現行 1690000 所得増

2 特定扶養親族が1人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 配偶者控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

1740000 600000 380000 380000 380000 630000 1890000

所得税額 94500

手取り収入 5305500

年収 6000000

BI給付額 3840000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 5760000

BI導入後の所得税額 2592000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 240000

BI導入後の手取り収入 7008000

BI導入後‐現行 1702500 所得増

3 特定扶養親族が0人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 配偶者控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

1740000 600000 380000 380000 760000 0 2140000

所得税額 116500

手取り収入 5283500

年収 6000000

BI給付額 3840000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 5760000

BI導入後の所得税額 2592000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 240000

BI導入後の手取り収入 7008000

BI導入後‐現行 1724500 所得増

年収 6500000 円の場合

1 特定扶養親族が2人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 配偶者控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

1840000 650000 380000 380000 0 1260000 1990000

所得税額 101500

手取り収入 5748500

年収 6500000

- 69 -

Page 72: ベーシック・インカム実現への道inuzuka/lec/ueda.pdf概 要 本論文の目的は、社会的排除への対応策であるベーシック・インカムが日本で導入された

BI給付額 3840000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 6240000

BI導入後の所得税額 2808000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 260000

BI導入後の手取り収入 7272000

BI導入後‐現行 1523500 所得増

2 特定扶養親族が1人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 配偶者控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

1840000 650000 380000 380000 380000 630000 2240000

所得税額 126500

手取り収入 5723500

年収 6500000

BI給付額 3840000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 6240000

BI導入後の所得税額 2808000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 260000

BI導入後の手取り収入 7272000

BI導入後‐現行 1548500 所得増

3 特定扶養親族が0人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 配偶者控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

1840000 650000 380000 380000 760000 0 2490000

所得税額 151500

手取り収入 5698500

年収 6500000

BI給付額 3840000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 6240000

BI導入後の所得税額 2808000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 260000

BI導入後の手取り収入 7272000

BI導入後‐現行 1573500 所得増

年収 7000000 円の場合

1 特定扶養親族が2人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 配偶者控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

1900000 700000 380000 380000 0 1260000 2380000

所得税額 140500

手取り収入 6159500

年収 7000000

BI給付額 3840000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 6720000

BI導入後の所得税額 3024000

- 70 -

Page 73: ベーシック・インカム実現への道inuzuka/lec/ueda.pdf概 要 本論文の目的は、社会的排除への対応策であるベーシック・インカムが日本で導入された

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 280000

BI導入後の手取り収入 7536000

BI導入後‐現行 1376500 所得増

2 特定扶養親族が1人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 配偶者控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

1900000 700000 380000 380000 380000 630000 2630000

所得税額 165500

手取り収入 6134500

年収 7000000

BI給付額 3840000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 6720000

BI導入後の所得税額 3024000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 280000

BI導入後の手取り収入 7536000

BI導入後‐現行 1401500 所得増

3 特定扶養親族が0人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 配偶者控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

1900000 700000 380000 380000 760000 0 2880000

所得税額 190500

手取り収入 6109500

年収 7000000

BI給付額 3840000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 6720000

BI導入後の所得税額 3024000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 280000

BI導入後の手取り収入 7536000

BI導入後‐現行 1426500 所得増

年収 7500000 円の場合

1 特定扶養親族が2人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 配偶者控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

1950000 750000 380000 380000 0 1260000 2780000

所得税額 180500

手取り収入 6569500

年収 7500000

BI給付額 3840000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 7200000

BI導入後の所得税額 3240000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 300000

BI導入後の手取り収入 7800000

- 71 -

Page 74: ベーシック・インカム実現への道inuzuka/lec/ueda.pdf概 要 本論文の目的は、社会的排除への対応策であるベーシック・インカムが日本で導入された

BI導入後‐現行 1230500 所得増

2 特定扶養親族が1人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 配偶者控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

1950000 750000 380000 380000 380000 630000 3030000

所得税額 205500

手取り収入 6544500

年収 7500000

BI給付額 3840000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 7200000

BI導入後の所得税額 3240000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 300000

BI導入後の手取り収入 7800000

BI導入後‐現行 1255500 所得増

3 特定扶養親族が0人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 配偶者控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

1950000 750000 380000 380000 760000 0 3280000

所得税額 230500

手取り収入 6519500

年収 7500000

BI給付額 3840000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 7200000

BI導入後の所得税額 3240000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 300000

BI導入後の手取り収入 7800000

BI導入後‐現行 1280500 所得増

年収 8000000 円の場合

1 特定扶養親族が2人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 配偶者控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

2000000 800000 380000 380000 0 1260000 3180000

所得税額 220500

手取り収入 6979500

年収 8000000

BI給付額 3840000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 7680000

BI導入後の所得税額 3456000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 320000

BI導入後の手取り収入 8064000

BI導入後‐現行 1084500 所得増

2 特定扶養親族が1人

- 72 -

Page 75: ベーシック・インカム実現への道inuzuka/lec/ueda.pdf概 要 本論文の目的は、社会的排除への対応策であるベーシック・インカムが日本で導入された

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 配偶者控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

2000000 800000 380000 380000 380000 630000 3430000

所得税額 258500

手取り収入 6941500

年収 8000000

BI給付額 3840000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 7680000

BI導入後の所得税額 3456000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 320000

BI導入後の手取り収入 8064000

BI導入後‐現行 1122500 所得増

3 特定扶養親族が0人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 配偶者控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

2000000 800000 380000 380000 760000 0 3680000

所得税額 308500

手取り収入 6891500

年収 8000000

BI給付額 3840000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 7680000

BI導入後の所得税額 3456000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 320000

BI導入後の手取り収入 8064000

BI導入後‐現行 1172500 所得増

年収 8500000 円の場合

1 特定扶養親族が2人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 配偶者控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

2050000 850000 380000 380000 0 1260000 3580000

所得税額 288500

手取り収入 7361500

年収 8500000

BI給付額 3840000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 8160000

BI導入後の所得税額 3672000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 340000

BI導入後の手取り収入 8328000

BI導入後‐現行 966500 所得増

2 特定扶養親族が1人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 配偶者控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

2050000 850000 380000 380000 380000 630000 3830000

- 73 -

Page 76: ベーシック・インカム実現への道inuzuka/lec/ueda.pdf概 要 本論文の目的は、社会的排除への対応策であるベーシック・インカムが日本で導入された

所得税額 338500

手取り収入 7311500

年収 8500000

BI給付額 3840000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 8160000

BI導入後の所得税額 3672000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 340000

BI導入後の手取り収入 8328000

BI導入後‐現行 1016500 所得増

3 特定扶養親族が0人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 配偶者控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

2050000 850000 380000 380000 760000 0 4080000

所得税額 388500

手取り収入 7261500

年収 8500000

BI給付額 3840000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 8160000

BI導入後の所得税額 3672000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 340000

BI導入後の手取り収入 8328000

BI導入後‐現行 1066500 所得増

年収 9000000 円の場合

1 特定扶養親族が2人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 配偶者控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

2100000 900000 380000 380000 0 1260000 3980000

所得税額 368500

手取り収入 7731500

年収 9000000

BI給付額 3840000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 8640000

BI導入後の所得税額 3888000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 360000

BI導入後の手取り収入 8592000

BI導入後‐現行 860500 所得増

2 特定扶養親族が1人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 配偶者控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

2100000 900000 380000 380000 380000 630000 4230000

所得税額 418500

手取り収入 7681500

- 74 -

Page 77: ベーシック・インカム実現への道inuzuka/lec/ueda.pdf概 要 本論文の目的は、社会的排除への対応策であるベーシック・インカムが日本で導入された

年収 9000000

BI給付額 3840000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 8640000

BI導入後の所得税額 3888000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 360000

BI導入後の手取り収入 8592000

BI導入後‐現行 910500 所得増

3 特定扶養親族が0人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 配偶者控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

2100000 900000 380000 380000 760000 0 4480000

所得税額 468500

手取り収入 7631500

年収 9000000

BI給付額 3840000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 8640000

BI導入後の所得税額 3888000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 360000

BI導入後の手取り収入 8592000

BI導入後‐現行 960500 所得増

年収 9500000 円の場合

1 特定扶養親族が2人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 配偶者控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

2150000 950000 380000 380000 0 1260000 4380000

所得税額 448500

手取り収入 8101500

年収 9500000

BI給付額 3840000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 9120000

BI導入後の所得税額 4104000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 380000

BI導入後の手取り収入 8856000

BI導入後‐現行 754500 所得増

2 特定扶養親族が1人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 配偶者控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

2150000 950000 380000 380000 380000 630000 4630000

所得税額 498500

手取り収入 8051500

年収 9500000

BI給付額 3840000

- 75 -

Page 78: ベーシック・インカム実現への道inuzuka/lec/ueda.pdf概 要 本論文の目的は、社会的排除への対応策であるベーシック・インカムが日本で導入された

BI導入後の課税所得(年収の96%) 9120000

BI導入後の所得税額 4104000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 380000

BI導入後の手取り収入 8856000

BI導入後‐現行 804500 所得増

3 特定扶養親族が0人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 配偶者控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

2150000 950000 380000 380000 760000 0 4880000

所得税額 548500

手取り収入 8001500

年収 9500000

BI給付額 3840000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 9120000

BI導入後の所得税額 4104000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 380000

BI導入後の手取り収入 8856000

BI導入後‐現行 854500 所得増

年収 10000000 円の場合

1 特定扶養親族が2人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 配偶者控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

2200000 1000000 380000 380000 0 1260000 4780000

所得税額 528500

手取り収入 8471500

年収 10000000

BI給付額 3840000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 9600000

BI導入後の所得税額 4320000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 400000

BI導入後の手取り収入 9120000

BI導入後‐現行 648500 所得増

2 特定扶養親族が1人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 配偶者控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

2200000 1000000 380000 380000 380000 630000 5030000

所得税額 578500

手取り収入 8421500

年収 10000000

BI給付額 3840000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 9600000

BI導入後の所得税額 4320000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 400000

- 76 -

Page 79: ベーシック・インカム実現への道inuzuka/lec/ueda.pdf概 要 本論文の目的は、社会的排除への対応策であるベーシック・インカムが日本で導入された

BI導入後の手取り収入 9120000

BI導入後‐現行 698500 所得増

3 特定扶養親族が0人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 配偶者控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

2200000 1000000 380000 380000 760000 0 5280000

所得税額 628500

手取り収入 8371500

年収 10000000

BI給付額 3840000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 9600000

BI導入後の所得税額 4320000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 400000

BI導入後の手取り収入 9120000

BI導入後‐現行 748500 所得増

年収 10500000 円の場合

1 特定扶養親族が2人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 配偶者控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

2225000 1050000 380000 380000 0 1260000 5205000

所得税額 613500

手取り収入 8836500

年収 10500000

BI給付額 3840000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 10080000

BI導入後の所得税額 4536000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 420000

BI導入後の手取り収入 9384000

BI導入後‐現行 547500 所得増

2 特定扶養親族が1人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 配偶者控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

2225000 1050000 380000 380000 380000 630000 5455000

所得税額 663500

手取り収入 8786500

年収 10500000

BI給付額 3840000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 10080000

BI導入後の所得税額 4536000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 420000

BI導入後の手取り収入 9384000

BI導入後‐現行 597500 所得増

- 77 -

Page 80: ベーシック・インカム実現への道inuzuka/lec/ueda.pdf概 要 本論文の目的は、社会的排除への対応策であるベーシック・インカムが日本で導入された

3 特定扶養親族が0人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 配偶者控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

2225000 1050000 380000 380000 760000 0 5705000

所得税額 713500

手取り収入 8736500

年収 10500000

BI給付額 3840000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 10080000

BI導入後の所得税額 4536000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 420000

BI導入後の手取り収入 9384000

BI導入後‐現行 647500 所得増

年収 11000000 円の場合

1 特定扶養親族が2人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 配偶者控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

2250000 1100000 380000 380000 0 1260000 5630000

所得税額 698500

手取り収入 9201500

年収 11000000

BI給付額 3840000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 10560000

BI導入後の所得税額 4752000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 440000

BI導入後の手取り収入 9648000

BI導入後‐現行 446500 所得増

2 特定扶養親族が1人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 配偶者控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

2250000 1100000 380000 380000 380000 630000 5880000

所得税額 748500

手取り収入 9151500

年収 11000000

BI給付額 3840000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 10560000

BI導入後の所得税額 4752000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 440000

BI導入後の手取り収入 9648000

BI導入後‐現行 496500 所得増

3 特定扶養親族が0人

- 78 -

Page 81: ベーシック・インカム実現への道inuzuka/lec/ueda.pdf概 要 本論文の目的は、社会的排除への対応策であるベーシック・インカムが日本で導入された

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 配偶者控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

2250000 1100000 380000 380000 760000 0 6130000

所得税額 798500

手取り収入 9101500

年収 11000000

BI給付額 3840000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 10560000

BI導入後の所得税額 4752000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 440000

BI導入後の手取り収入 9648000

BI導入後‐現行 546500 所得増

年収 11500000 円の場合

1 特定扶養親族が2人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 配偶者控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

2275000 1150000 380000 380000 0 1260000 6055000

所得税額 783500

手取り収入 9566500

年収 11500000

BI給付額 3840000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 11040000

BI導入後の所得税額 4968000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 460000

BI導入後の手取り収入 9912000

BI導入後‐現行 345500 所得増

2 特定扶養親族が1人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 配偶者控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

2275000 1150000 380000 380000 380000 630000 6305000

所得税額 833500

手取り収入 9516500

年収 11500000

BI給付額 3840000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 11040000

BI導入後の所得税額 4968000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 460000

BI導入後の手取り収入 9912000

BI導入後‐現行 395500 所得増

3 特定扶養親族が0人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 配偶者控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

2275000 1150000 380000 380000 760000 0 6555000

- 79 -

Page 82: ベーシック・インカム実現への道inuzuka/lec/ueda.pdf概 要 本論文の目的は、社会的排除への対応策であるベーシック・インカムが日本で導入された

所得税額 883500

手取り収入 9466500

年収 11500000

BI給付額 3840000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 11040000

BI導入後の所得税額 4968000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 460000

BI導入後の手取り収入 9912000

BI導入後‐現行 445500 所得増

年収 12000000 円の場合

1 特定扶養親族が2人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 配偶者控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

2300000 1200000 380000 380000 0 1260000 6480000

所得税額 868500

手取り収入 9931500

年収 12000000

BI給付額 3840000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 11520000

BI導入後の所得税額 5184000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 480000

BI導入後の手取り収入 10176000

BI導入後‐現行 244500 所得増

2 特定扶養親族が1人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 配偶者控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

2300000 1200000 380000 380000 380000 630000 6730000

所得税額 918500

手取り収入 9881500

年収 12000000

BI給付額 3840000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 11520000

BI導入後の所得税額 5184000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 480000

BI導入後の手取り収入 10176000

BI導入後‐現行 294500 所得増

3 特定扶養親族が0人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 配偶者控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

2300000 1200000 380000 380000 760000 0 6980000

所得税額 969400

手取り収入 9830600

- 80 -

Page 83: ベーシック・インカム実現への道inuzuka/lec/ueda.pdf概 要 本論文の目的は、社会的排除への対応策であるベーシック・インカムが日本で導入された

年収 12000000

BI給付額 3840000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 11520000

BI導入後の所得税額 5184000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 480000

BI導入後の手取り収入 10176000

BI導入後‐現行 345400 所得増

年収 12500000 円の場合

1 特定扶養親族が2人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 配偶者控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

2325000 1250000 380000 380000 0 1260000 6905000

所得税額 953500

手取り収入 10296500

年収 12500000

BI給付額 3840000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 12000000

BI導入後の所得税額 5400000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 500000

BI導入後の手取り収入 10440000

BI導入後‐現行 143500 所得増

2 特定扶養親族が1人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 配偶者控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

2325000 1250000 380000 380000 380000 630000 7155000

所得税額 1009650

手取り収入 10240350

年収 12500000

BI給付額 3840000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 12000000

BI導入後の所得税額 5400000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 500000

BI導入後の手取り収入 10440000

BI導入後‐現行 199650 所得増

3 特定扶養親族が0人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 配偶者控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

2325000 1250000 380000 380000 760000 0 7405000

所得税額 1067150

手取り収入 10182850

年収 12500000

BI給付額 3840000

- 81 -

Page 84: ベーシック・インカム実現への道inuzuka/lec/ueda.pdf概 要 本論文の目的は、社会的排除への対応策であるベーシック・インカムが日本で導入された

BI導入後の課税所得(年収の96%) 12000000

BI導入後の所得税額 5400000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 500000

BI導入後の手取り収入 10440000

BI導入後‐現行 257150 所得増

年収 13000000 円の場合

1 特定扶養親族が2人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 配偶者控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

2350000 1300000 380000 380000 0 1260000 7330000

所得税額 1049900

手取り収入 10650100

年収 13000000

BI給付額 3840000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 12480000

BI導入後の所得税額 5616000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 520000

BI導入後の手取り収入 10704000

BI導入後‐現行 53900 所得増

2 特定扶養親族が1人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 配偶者控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

2350000 1300000 380000 380000 380000 630000 7580000

所得税額 1107400

手取り収入 10592600

年収 13000000

BI給付額 3840000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 12480000

BI導入後の所得税額 5616000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 520000

BI導入後の手取り収入 10704000

BI導入後‐現行 111400 所得増

3 特定扶養親族が0人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 配偶者控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

2350000 1300000 380000 380000 760000 0 7830000

所得税額 1164900

手取り収入 10535100

年収 13000000

BI給付額 3840000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 12480000

BI導入後の所得税額 5616000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 520000

- 82 -

Page 85: ベーシック・インカム実現への道inuzuka/lec/ueda.pdf概 要 本論文の目的は、社会的排除への対応策であるベーシック・インカムが日本で導入された

BI導入後の手取り収入 10704000

BI導入後‐現行 168900 所得増

年収 13500000 円の場合

1 特定扶養親族が2人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 配偶者控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

2375000 1350000 380000 380000 0 1260000 7755000

所得税額 1147650

手取り収入 11002350

年収 13500000

BI給付額 3840000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 12960000

BI導入後の所得税額 5832000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 540000

BI導入後の手取り収入 10968000

BI導入後‐現行 -34350 所得減

2 特定扶養親族が1人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 配偶者控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

2375000 1350000 380000 380000 380000 630000 8005000

所得税額 1205150

手取り収入 10944850

年収 13500000

BI給付額 3840000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 12960000

BI導入後の所得税額 5832000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 540000

BI導入後の手取り収入 10968000

BI導入後‐現行 23150 所得増

3 特定扶養親族が0人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 配偶者控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

2375000 1350000 380000 380000 760000 0 8255000

所得税額 1262650

手取り収入 10887350

年収 13500000

BI給付額 3840000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 12960000

BI導入後の所得税額 5832000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 540000

BI導入後の手取り収入 10968000

BI導入後‐現行 80650 所得増

- 83 -

Page 86: ベーシック・インカム実現への道inuzuka/lec/ueda.pdf概 要 本論文の目的は、社会的排除への対応策であるベーシック・インカムが日本で導入された

年収 14000000 円の場合

1 特定扶養親族が2人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 配偶者控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

2400000 1400000 380000 380000 0 1260000 8180000

所得税額 1245400

手取り収入 11354600

年収 14000000

BI給付額 3840000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 13440000

BI導入後の所得税額 6048000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 560000

BI導入後の手取り収入 11232000

BI導入後‐現行 -122600 所得減

2 特定扶養親族が1人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 配偶者控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

2400000 1400000 380000 380000 380000 630000 8430000

所得税額 1302900

手取り収入 11297100

年収 14000000

BI給付額 3840000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 13440000

BI導入後の所得税額 6048000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 560000

BI導入後の手取り収入 11232000

BI導入後‐現行 -65100 所得減

3 特定扶養親族が0人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 配偶者控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

2400000 1400000 380000 380000 760000 0 8680000

所得税額 1360400

手取り収入 11239600

年収 14000000

BI給付額 3840000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 13440000

BI導入後の所得税額 6048000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 560000

BI導入後の手取り収入 11232000

BI導入後‐現行 -7600 所得減

年収 14500000 円の場合

- 84 -

Page 87: ベーシック・インカム実現への道inuzuka/lec/ueda.pdf概 要 本論文の目的は、社会的排除への対応策であるベーシック・インカムが日本で導入された

1 特定扶養親族が2人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 配偶者控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

2425000 1450000 380000 380000 0 1260000 8605000

所得税額 1343150

手取り収入 11706850

年収 14500000

BI給付額 3840000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 13920000

BI導入後の所得税額 6264000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 580000

BI導入後の手取り収入 11496000

BI導入後‐現行 -210850 所得減

2 特定扶養親族が1人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 配偶者控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

2425000 1450000 380000 380000 380000 630000 8855000

所得税額 1400650

手取り収入 11649350

年収 14500000

BI給付額 3840000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 13920000

BI導入後の所得税額 6264000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 580000

BI導入後の手取り収入 11496000

BI導入後‐現行 -153350 所得減

3 特定扶養親族が0人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 配偶者控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

2425000 1450000 380000 380000 760000 0 9105000

所得税額 1468650

手取り収入 11581350

年収 14500000

BI給付額 3840000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 13920000

BI導入後の所得税額 6264000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 580000

BI導入後の手取り収入 11496000

BI導入後‐現行 -85350 所得減

年収 15000000 円の場合

1 特定扶養親族が2人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 配偶者控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

- 85 -

Page 88: ベーシック・インカム実現への道inuzuka/lec/ueda.pdf概 要 本論文の目的は、社会的排除への対応策であるベーシック・インカムが日本で導入された

2450000 1500000 380000 380000 0 1260000 9030000

所得税額 1443900

手取り収入 12056100

年収 15000000

BI給付額 3840000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 14400000

BI導入後の所得税額 6480000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 600000

BI導入後の手取り収入 11760000

BI導入後‐現行 -296100 所得減

2 特定扶養親族が1人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 配偶者控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

2450000 1500000 380000 380000 380000 630000 9280000

所得税額 1526400

手取り収入 11973600

年収 15000000

BI給付額 3840000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 14400000

BI導入後の所得税額 6480000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 600000

BI導入後の手取り収入 11760000

BI導入後‐現行 -213600 所得減

3 特定扶養親族が0人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 配偶者控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

2450000 1500000 380000 380000 760000 0 9530000

所得税額 1608900

手取り収入 11891100

年収 15000000

BI給付額 3840000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 14400000

BI導入後の所得税額 6480000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 600000

BI導入後の手取り収入 11760000

BI導入後‐現行 -131100 所得減

- 86 -

Page 89: ベーシック・インカム実現への道inuzuka/lec/ueda.pdf概 要 本論文の目的は、社会的排除への対応策であるベーシック・インカムが日本で導入された

【ケース1-2】 夫、妻(共働き)、子、子  ※「特定扶養親族が1人」の場合のみ考える。

それぞれの年収が 2000000 円の場合

(以降、単位は円)

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 扶養控除 課税所得

780000 200000 380000 380000 260000

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 特定扶養控除 課税所得

780000 200000 380000 630000 10000

世帯の年収 4000000

上表の所得税額 13000

上表の手取り収入 1787000

下表の所得税額 500

下表の手取り収入 1799500

世帯の手取り収入 3586500

BI給付額 3840000

BI導入後の課税所得(1人あたり) 1920000

BI導入後の所得税額(1人あたり) 864000

BI導入後の社会保険料(1人あたり) 80000

BI導入後の手取り収入(世帯あたり) 5952000

BI導入後‐現行 2365500 所得増

それぞれの年収が 2500000 円の場合

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 扶養控除 課税所得

930000 250000 380000 380000 560000

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 特定扶養控除 課税所得

930000 250000 380000 630000 310000

世帯の年収 5000000

上表の所得税額 28000

上表の手取り収入 2222000

下表の所得税額 15500

下表の手取り収入 2234500

世帯の手取り収入 4456500

BI給付額 3840000

BI導入後の課税所得(1人あたり) 2400000

BI導入後の所得税額(1人あたり) 1080000

BI導入後の社会保険料(1人あたり) 100000

BI導入後の手取り収入(世帯あたり) 6480000

BI導入後‐現行 2023500 所得増

それぞれの年収が 3000000 円の場合

- 87 -

Page 90: ベーシック・インカム実現への道inuzuka/lec/ueda.pdf概 要 本論文の目的は、社会的排除への対応策であるベーシック・インカムが日本で導入された

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 扶養控除 課税所得

1080000 300000 380000 380000 860000

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 特定扶養控除 課税所得

1080000 300000 380000 630000 610000

世帯の年収 6000000

上表の所得税額 43000

上表の手取り収入 2657000

下表の所得税額 30500

下表の手取り収入 2669500

世帯の手取り収入 5326500

BI給付額 3840000

BI導入後の課税所得(1人あたり) 2880000

BI導入後の所得税額(1人あたり) 1296000

BI導入後の社会保険料(1人あたり) 120000

BI導入後の手取り収入(世帯あたり) 7008000

BI導入後‐現行 1681500 所得増

それぞれの年収が 3500000 円の場合

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 扶養控除 課税所得

1230000 350000 380000 380000 1160000

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 特定扶養控除 課税所得

1230000 350000 380000 630000 910000

世帯の年収 7000000

上表の所得税額 58000

上表の手取り収入 3092000

下表の所得税額 45500

下表の手取り収入 3104500

世帯の手取り収入 6196500

BI給付額 3840000

BI導入後の課税所得(1人あたり) 3360000

BI導入後の所得税額(1人あたり) 1512000

BI導入後の社会保険料(1人あたり) 140000

BI導入後の手取り収入(世帯あたり) 7536000

BI導入後‐現行 1339500 所得増

それぞれの年収が 4000000 円の場合

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 扶養控除 課税所得

1340000 400000 380000 380000 1500000

- 88 -

Page 91: ベーシック・インカム実現への道inuzuka/lec/ueda.pdf概 要 本論文の目的は、社会的排除への対応策であるベーシック・インカムが日本で導入された

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 特定扶養控除 課税所得

1340000 400000 380000 630000 1250000

世帯の年収 8000000

上表の所得税額 75000

上表の手取り収入 3525000

下表の所得税額 62500

下表の手取り収入 3537500

世帯の手取り収入 7062500

BI給付額 3840000

BI導入後の課税所得(1人あたり) 3840000

BI導入後の所得税額(1人あたり) 1728000

BI導入後の社会保険料(1人あたり) 160000

BI導入後の手取り収入(世帯あたり) 8064000

BI導入後‐現行 1001500 所得増

それぞれの年収が 4500000 円の場合

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 扶養控除 課税所得

1440000 450000 380000 380000 1850000

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 特定扶養控除 課税所得

1440000 450000 380000 630000 1600000

世帯の年収 9000000

上表の所得税額 92500

上表の手取り収入 3957500

下表の所得税額 80000

下表の手取り収入 3970000

世帯の手取り収入 7927500

BI給付額 3840000

BI導入後の課税所得(1人あたり) 4320000

BI導入後の所得税額(1人あたり) 1944000

BI導入後の社会保険料(1人あたり) 180000

BI導入後の手取り収入(世帯あたり) 8592000

BI導入後‐現行 664500 所得増

それぞれの年収が 5000000 円の場合

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 扶養控除 課税所得

1540000 500000 380000 380000 2200000

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 特定扶養控除 課税所得

- 89 -

Page 92: ベーシック・インカム実現への道inuzuka/lec/ueda.pdf概 要 本論文の目的は、社会的排除への対応策であるベーシック・インカムが日本で導入された

1540000 500000 380000 630000 1950000

世帯の年収 10000000

上表の所得税額 122500

上表の手取り収入 4377500

下表の所得税額 97500

下表の手取り収入 4402500

世帯の手取り収入 8780000

BI給付額 3840000

BI導入後の課税所得(1人あたり) 4800000

BI導入後の所得税額(1人あたり) 2160000

BI導入後の社会保険料(1人あたり) 200000

BI導入後の手取り収入(世帯あたり) 9120000

BI導入後‐現行 340000 所得増

それぞれの年収が 5500000 円の場合

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 扶養控除 課税所得

1640000 550000 380000 380000 2550000

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 特定扶養控除 課税所得

1640000 550000 380000 630000 2300000

世帯の年収 11000000

上表の所得税額 157500

上表の手取り収入 4792500

下表の所得税額 132500

下表の手取り収入 4817500

世帯の手取り収入 9610000

BI給付額 3840000

BI導入後の課税所得(1人あたり) 5280000

BI導入後の所得税額(1人あたり) 2376000

BI導入後の社会保険料(1人あたり) 220000

BI導入後の手取り収入(世帯あたり) 9648000

BI導入後‐現行 38000 所得増

それぞれの年収が 6000000 円の場合

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 扶養控除 課税所得

1740000 600000 380000 380000 2900000

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 特定扶養控除 課税所得

1740000 600000 380000 630000 2650000

世帯の年収 12000000

- 90 -

Page 93: ベーシック・インカム実現への道inuzuka/lec/ueda.pdf概 要 本論文の目的は、社会的排除への対応策であるベーシック・インカムが日本で導入された

上表の所得税額 192500

上表の手取り収入 5207500

下表の所得税額 167500

下表の手取り収入 5232500

世帯の手取り収入 10440000

BI給付額 3840000

BI導入後の課税所得(1人あたり) 5760000

BI導入後の所得税額(1人あたり) 2592000

BI導入後の社会保険料(1人あたり) 240000

BI導入後の手取り収入(世帯あたり) 10176000

BI導入後‐現行 -264000 所得減

それぞれの年収が 6500000 円の場合

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 扶養控除 課税所得

1840000 650000 380000 380000 3250000

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 特定扶養控除 課税所得

1840000 650000 380000 630000 3000000

世帯の年収 13000000

上表の所得税額 227500

上表の手取り収入 5622500

下表の所得税額 202500

下表の手取り収入 5647500

世帯の手取り収入 11270000

BI給付額 3840000

BI導入後の課税所得(1人あたり) 6240000

BI導入後の所得税額(1人あたり) 2808000

BI導入後の社会保険料(1人あたり) 260000

BI導入後の手取り収入(世帯あたり) 10704000

BI導入後‐現行 -566000 所得減

それぞれの年収が 7000000 円の場合

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 扶養控除 課税所得

1900000 700000 380000 380000 3640000

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 特定扶養控除 課税所得

1900000 700000 380000 630000 3390000

世帯の年収 14000000

上表の所得税額 300500

上表の手取り収入 5999500

下表の所得税額 250500

下表の手取り収入 6049500

- 91 -

Page 94: ベーシック・インカム実現への道inuzuka/lec/ueda.pdf概 要 本論文の目的は、社会的排除への対応策であるベーシック・インカムが日本で導入された

世帯の手取り収入 12049000

BI給付額 3840000

BI導入後の課税所得(1人あたり) 6720000

BI導入後の所得税額(1人あたり) 3024000

BI導入後の社会保険料(1人あたり) 280000

BI導入後の手取り収入(世帯あたり) 11232000

BI導入後‐現行 -817000 所得減

それぞれの年収が 7500000 円の場合

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 扶養控除 課税所得

1950000 750000 380000 380000 4040000

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 特定扶養控除 課税所得

1950000 750000 380000 630000 3790000

世帯の年収 15000000

上表の所得税額 380500

上表の手取り収入 6369500

下表の所得税額 330500

下表の手取り収入 6419500

世帯の手取り収入 12789000

BI給付額 3840000

BI導入後の課税所得(1人あたり) 7200000

BI導入後の所得税額(1人あたり) 3240000

BI導入後の社会保険料(1人あたり) 300000

BI導入後の手取り収入(世帯あたり) 11760000

BI導入後‐現行 -1029000 所得減

- 92 -

Page 95: ベーシック・インカム実現への道inuzuka/lec/ueda.pdf概 要 本論文の目的は、社会的排除への対応策であるベーシック・インカムが日本で導入された

【ケース2】 夫、妻(片働き)、子

年収 4000000 円の場合

1 特定扶養親族が1人 (以降、単位は円)

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 配偶者控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

1340000 400000 380000 380000 0 630000 870000

所得税額 43500

手取り収入 3556500

BI給付額 2880000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 3840000

BI導入後の所得税額 1728000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 160000

BI導入後の手取り収入 4992000

BI導入後‐現行 1435500 所得増

2 特定扶養親族が0人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 配偶者控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

1340000 400000 380000 380000 380000 0 1120000

所得税額 56000

手取り収入 3544000

BI給付額 2880000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 3840000

BI導入後の所得税額 1728000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 160000

BI導入後の手取り収入 4992000

BI導入後‐現行 1448000 所得増

年収 5000000 円の場合

1 特定扶養親族が1人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 配偶者控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

1540000 500000 380000 380000 0 630000 1570000

所得税額 78500

手取り収入 4421500

BI給付額 2880000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 4800000

BI導入後の所得税額 2160000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 200000

BI導入後の手取り収入 5520000

BI導入後‐現行 1098500 所得増

2 特定扶養親族が0人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 配偶者控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

- 93 -

Page 96: ベーシック・インカム実現への道inuzuka/lec/ueda.pdf概 要 本論文の目的は、社会的排除への対応策であるベーシック・インカムが日本で導入された

1540000 500000 380000 380000 380000 0 1820000

所得税額 91000

手取り収入 4409000

BI給付額 2880000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 4800000

BI導入後の所得税額 2160000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 200000

BI導入後の手取り収入 5520000

BI導入後‐現行 1111000 所得増

年収 6000000 円の場合

1 特定扶養親族が1人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 配偶者控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

1740000 600000 380000 380000 0 630000 2270000

所得税額 129500

手取り収入 5270500

BI給付額 2880000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 5760000

BI導入後の所得税額 2592000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 240000

BI導入後の手取り収入 6048000

BI導入後‐現行 777500 所得増

2 特定扶養親族が0人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 配偶者控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

1740000 600000 380000 380000 380000 0 2520000

所得税額 154500

手取り収入 5245500

BI給付額 2880000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 5760000

BI導入後の所得税額 2592000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 240000

BI導入後の手取り収入 6048000

BI導入後‐現行 802500 所得増

年収 7000000 円の場合

1 特定扶養親族が1人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 配偶者控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

1900000 700000 380000 380000 0 630000 3010000

所得税額 203500

手取り収入 6096500

- 94 -

Page 97: ベーシック・インカム実現への道inuzuka/lec/ueda.pdf概 要 本論文の目的は、社会的排除への対応策であるベーシック・インカムが日本で導入された

BI給付額 2880000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 6720000

BI導入後の所得税額 3024000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 280000

BI導入後の手取り収入 6576000

BI導入後‐現行 479500 所得増

2 特定扶養親族が0人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 配偶者控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

1900000 700000 380000 380000 380000 0 3260000

所得税額 228500

手取り収入 6071500

BI給付額 2880000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 6720000

BI導入後の所得税額 3024000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 280000

BI導入後の手取り収入 6576000

BI導入後‐現行 504500 所得増

年収 8000000 円の場合

1 特定扶養親族が1人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 配偶者控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

2000000 800000 380000 380000 0 630000 3810000

所得税額 334500

手取り収入 6865500

BI給付額 2880000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 7680000

BI導入後の所得税額 3456000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 320000

BI導入後の手取り収入 7104000

BI導入後‐現行 238500 所得増

2 特定扶養親族が0人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 配偶者控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

2000000 800000 380000 380000 380000 0 4060000

所得税額 384500

手取り収入 6815500

BI給付額 2880000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 7680000

BI導入後の所得税額 3456000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 320000

BI導入後の手取り収入 7104000

- 95 -

Page 98: ベーシック・インカム実現への道inuzuka/lec/ueda.pdf概 要 本論文の目的は、社会的排除への対応策であるベーシック・インカムが日本で導入された

BI導入後‐現行 288500 所得増

年収 9000000 円の場合

1 特定扶養親族が1人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 配偶者控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

2100000 900000 380000 380000 0 630000 4610000

所得税額 494500

手取り収入 7605500

BI給付額 2880000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 8640000

BI導入後の所得税額 3888000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 360000

BI導入後の手取り収入 7632000

BI導入後‐現行 26500 所得増

2 特定扶養親族が0人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 配偶者控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

2100000 900000 380000 380000 380000 0 4860000

所得税額 544500

手取り収入 7555500

BI給付額 2880000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 8640000

BI導入後の所得税額 3888000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 360000

BI導入後の手取り収入 7632000

BI導入後‐現行 76500 所得増

年収 10000000 円の場合

1 特定扶養親族が1人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 配偶者控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

2200000 1000000 380000 380000 0 630000 5410000

所得税額 654500

手取り収入 8345500

BI給付額 2880000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 9600000

BI導入後の所得税額 4320000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 400000

BI導入後の手取り収入 8160000

BI導入後‐現行 -185500 所得減

2 特定扶養親族が0人

- 96 -

Page 99: ベーシック・インカム実現への道inuzuka/lec/ueda.pdf概 要 本論文の目的は、社会的排除への対応策であるベーシック・インカムが日本で導入された

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 配偶者控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

2200000 1000000 380000 380000 380000 0 5660000

所得税額 704500

手取り収入 8295500

BI給付額 2880000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 9600000

BI導入後の所得税額 4320000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 400000

BI導入後の手取り収入 8160000

BI導入後‐現行 -135500 所得減

年収 11000000 円の場合

1 特定扶養親族が1人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 配偶者控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

2250000 1100000 380000 380000 0 630000 6260000

所得税額 824500

手取り収入 9075500

BI給付額 2880000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 10560000

BI導入後の所得税額 4752000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 440000

BI導入後の手取り収入 8688000

BI導入後‐現行 -387500 所得減

2 特定扶養親族が0人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 配偶者控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

2250000 1100000 380000 380000 380000 0 6510000

所得税額 874500

手取り収入 9025500

BI給付額 2880000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 10560000

BI導入後の所得税額 4752000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 440000

BI導入後の手取り収入 8688000

BI導入後‐現行 -337500 所得減

年収 12000000 円の場合

1 特定扶養親族が1人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 配偶者控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

2300000 1200000 380000 380000 0 630000 7110000

- 97 -

Page 100: ベーシック・インカム実現への道inuzuka/lec/ueda.pdf概 要 本論文の目的は、社会的排除への対応策であるベーシック・インカムが日本で導入された

所得税額 999300

手取り収入 9800700

BI給付額 2880000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 11520000

BI導入後の所得税額 5184000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 480000

BI導入後の手取り収入 9216000

BI導入後‐現行 -584700 所得減

2 特定扶養親族が0人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 配偶者控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

2300000 1200000 380000 380000 380000 0 7360000

所得税額 1056800

手取り収入 9743200

BI給付額 2880000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 11520000

BI導入後の所得税額 5184000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 480000

BI導入後の手取り収入 9216000

BI導入後‐現行 -527200 所得減

年収 13000000 円の場合

1 特定扶養親族が1人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 配偶者控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

2350000 1300000 380000 380000 0 630000 7960000

所得税額 1194800

手取り収入 10505200

BI給付額 2880000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 12480000

BI導入後の所得税額 5616000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 520000

BI導入後の手取り収入 9744000

BI導入後‐現行 -761200 所得減

2 特定扶養親族が0人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 配偶者控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

2350000 1300000 380000 380000 380000 0 8210000

所得税額 1252300

手取り収入 10447700

BI給付額 2880000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 12480000

BI導入後の所得税額 5616000

- 98 -

Page 101: ベーシック・インカム実現への道inuzuka/lec/ueda.pdf概 要 本論文の目的は、社会的排除への対応策であるベーシック・インカムが日本で導入された

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 520000

BI導入後の手取り収入 9744000

BI導入後‐現行 -703700 所得減

年収 14000000 円の場合

1 特定扶養親族が1人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 配偶者控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

2400000 1400000 380000 380000 0 630000 8810000

所得税額 1390300

手取り収入 11209700

BI給付額 2880000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 13440000

BI導入後の所得税額 6048000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 560000

BI導入後の手取り収入 10272000

BI導入後‐現行 -937700 所得減

2 特定扶養親族が0人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 配偶者控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

2400000 1400000 380000 380000 380000 0 9060000

所得税額 1453800

手取り収入 11146200

BI給付額 2880000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 13440000

BI導入後の所得税額 6048000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 560000

BI導入後の手取り収入 10272000

BI導入後‐現行 -874200 所得減

- 99 -

Page 102: ベーシック・インカム実現への道inuzuka/lec/ueda.pdf概 要 本論文の目的は、社会的排除への対応策であるベーシック・インカムが日本で導入された

【ケース2-2】 夫、妻(共働き)、子

それぞれの年収が 2000000 円の場合

1 特定扶養親族が1人 (以降、単位は円)

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 課税所得

780000 200000 380000 640000

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

780000 200000 380000 0 630000 10000

世帯の年収 4000000

所得税額 32500

手取り収入 3567500

BI給付額 2880000

BI導入後の課税所得(1人あたり) 1920000

BI導入後の所得税額(1人あたり) 864000

BI導入後の社会保険料(1人あたり) 80000

BI導入後の手取り収入 4992000

BI導入後‐現行 1424500 所得増

2 特定扶養親族が0人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 課税所得

780000 200000 380000 640000

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

780000 200000 380000 380000 0 260000

世帯の年収 4000000

所得税額 45000

手取り収入 3555000

BI給付額 2880000

BI導入後の課税所得(1人あたり) 1920000

BI導入後の所得税額(1人あたり) 864000

BI導入後の社会保険料(1人あたり) 80000

BI導入後の手取り収入 4992000

BI導入後‐現行 1437000 所得増

それぞれの年収が 2500000 円の場合

1 特定扶養親族が1人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 課税所得

930000 250000 380000 940000

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

- 100 -

Page 103: ベーシック・インカム実現への道inuzuka/lec/ueda.pdf概 要 本論文の目的は、社会的排除への対応策であるベーシック・インカムが日本で導入された

930000 250000 380000 0 630000 310000

世帯の年収 5000000

所得税額 62500

手取り収入 4437500

BI給付額 2880000

BI導入後の課税所得(1人あたり) 2400000

BI導入後の所得税額(1人あたり) 1080000

BI導入後の社会保険料(1人あたり) 100000

BI導入後の手取り収入 5520000

BI導入後‐現行 1082500 所得増

2 特定扶養親族が0人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 課税所得

930000 250000 380000 940000

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

930000 250000 380000 380000 0 560000

世帯の年収 5000000

所得税額 75000

手取り収入 4425000

BI給付額 2880000

BI導入後の課税所得(1人あたり) 2400000

BI導入後の所得税額(1人あたり) 1080000

BI導入後の社会保険料(1人あたり) 100000

BI導入後の手取り収入 5520000

BI導入後‐現行 1095000 所得増

それぞれの年収が 3000000 円の場合

1 特定扶養親族が1人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 課税所得

1080000 300000 380000 1240000

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

1080000 300000 380000 0 630000 610000

世帯の年収 6000000

所得税額 92500

手取り収入 5307500

BI給付額 2880000

BI導入後の課税所得(1人あたり) 2880000

BI導入後の所得税額(1人あたり) 1296000

BI導入後の社会保険料(1人あたり) 120000

BI導入後の手取り収入 6048000

- 101 -

Page 104: ベーシック・インカム実現への道inuzuka/lec/ueda.pdf概 要 本論文の目的は、社会的排除への対応策であるベーシック・インカムが日本で導入された

BI導入後‐現行 740500 所得増

2 特定扶養親族が0人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 課税所得

1080000 300000 380000 1240000

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

1080000 300000 380000 380000 0 860000

世帯の年収 6000000

所得税額 105000

手取り収入 5295000

BI給付額 2880000

BI導入後の課税所得(1人あたり) 2880000

BI導入後の所得税額(1人あたり) 1296000

BI導入後の社会保険料(1人あたり) 120000

BI導入後の手取り収入 6048000

BI導入後‐現行 753000 所得増

それぞれの年収が 3500000 円の場合

1 特定扶養親族が1人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 課税所得

1230000 350000 380000 1540000

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

1230000 350000 380000 0 630000 910000

世帯の年収 7000000

所得税額 122500

手取り収入 6177500

BI給付額 2880000

BI導入後の課税所得(1人あたり) 3360000

BI導入後の所得税額(1人あたり) 1512000

BI導入後の社会保険料(1人あたり) 140000

BI導入後の手取り収入 6576000

BI導入後‐現行 398500 所得増

2 特定扶養親族が0人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 課税所得

1230000 350000 380000 1540000

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

- 102 -

Page 105: ベーシック・インカム実現への道inuzuka/lec/ueda.pdf概 要 本論文の目的は、社会的排除への対応策であるベーシック・インカムが日本で導入された

1230000 350000 380000 380000 0 1160000

世帯の年収 7000000

所得税額 135000

手取り収入 6165000

BI給付額 2880000

BI導入後の課税所得(1人あたり) 3360000

BI導入後の所得税額(1人あたり) 1512000

BI導入後の社会保険料(1人あたり) 140000

BI導入後の手取り収入 6576000

BI導入後‐現行 411000 所得増

それぞれの年収が 4000000 円の場合

1 特定扶養親族が1人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 課税所得

1380000 400000 380000 1840000

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

1380000 400000 380000 0 630000 1210000

世帯の年収 8000000

所得税額 152500

手取り収入 7047500

BI給付額 2880000

BI導入後の課税所得(1人あたり) 3840000

BI導入後の所得税額(1人あたり) 1728000

BI導入後の社会保険料(1人あたり) 160000

BI導入後の手取り収入 7104000

BI導入後‐現行 56500 所得増

2 特定扶養親族が0人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 課税所得

1380000 400000 380000 1840000

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

1380000 400000 380000 380000 0 1460000

世帯の年収 8000000

所得税額 165000

手取り収入 7035000

BI給付額 2880000

BI導入後の課税所得(1人あたり) 3840000

BI導入後の所得税額(1人あたり) 1728000

BI導入後の社会保険料(1人あたり) 160000

BI導入後の手取り収入 7104000

- 103 -

Page 106: ベーシック・インカム実現への道inuzuka/lec/ueda.pdf概 要 本論文の目的は、社会的排除への対応策であるベーシック・インカムが日本で導入された

BI導入後‐現行 69000 所得増

それぞれの年収が 4500000 円の場合

1 特定扶養親族が1人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 課税所得

1530000 450000 380000 2140000

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

1530000 450000 380000 0 630000 1510000

世帯の年収 9000000

所得税額 192000

手取り収入 7908000

BI給付額 2880000

BI導入後の課税所得(1人あたり) 4320000

BI導入後の所得税額(1人あたり) 1944000

BI導入後の社会保険料(1人あたり) 180000

BI導入後の手取り収入 7632000

BI導入後‐現行 -276000 所得減

2 特定扶養親族が0人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 課税所得

1530000 450000 380000 2140000

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

1530000 450000 380000 380000 0 1760000

世帯の年収 9000000

所得税額 204500

手取り収入 7895500

BI給付額 2880000

BI導入後の課税所得(1人あたり) 4320000

BI導入後の所得税額(1人あたり) 1944000

BI導入後の社会保険料(1人あたり) 180000

BI導入後の手取り収入 7632000

BI導入後‐現行 -263500 所得減

それぞれの年収が 5000000 円の場合

1 特定扶養親族が1人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 課税所得

1680000 500000 380000 2440000

- 104 -

Page 107: ベーシック・インカム実現への道inuzuka/lec/ueda.pdf概 要 本論文の目的は、社会的排除への対応策であるベーシック・インカムが日本で導入された

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

1680000 500000 380000 0 630000 1810000

世帯の年収 10000000

所得税額 237000

手取り収入 8763000

BI給付額 2880000

BI導入後の課税所得(1人あたり) 4800000

BI導入後の所得税額(1人あたり) 2160000

BI導入後の社会保険料(1人あたり) 200000

BI導入後の手取り収入 8160000

BI導入後‐現行 -603000 所得減

2 特定扶養親族が0人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 課税所得

1680000 500000 380000 2440000

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

1680000 500000 380000 380000 0 2060000

世帯の年収 10000000

所得税額 255000

手取り収入 8745000

BI給付額 2880000

BI導入後の課税所得(1人あたり) 4800000

BI導入後の所得税額(1人あたり) 2160000

BI導入後の社会保険料(1人あたり) 200000

BI導入後の手取り収入 8160000

BI導入後‐現行 -585000 所得減

それぞれの年収が 5500000 円の場合

1 特定扶養親族が1人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 課税所得

1830000 550000 380000 2740000

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

1830000 550000 380000 0 630000 2110000

世帯の年収 11000000

所得税額 290000

手取り収入 9610000

BI給付額 2880000

BI導入後の課税所得(1人あたり) 5280000

BI導入後の所得税額(1人あたり) 2376000

- 105 -

Page 108: ベーシック・インカム実現への道inuzuka/lec/ueda.pdf概 要 本論文の目的は、社会的排除への対応策であるベーシック・インカムが日本で導入された

BI導入後の社会保険料(1人あたり) 220000

BI導入後の手取り収入 8688000

BI導入後‐現行 -922000 所得減

2 特定扶養親族が0人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 課税所得

1830000 550000 380000 2740000

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

1830000 550000 380000 380000 0 2360000

世帯の年収 11000000

所得税額 315000

手取り収入 9585000

BI給付額 2880000

BI導入後の課税所得(1人あたり) 5280000

BI導入後の所得税額(1人あたり) 2376000

BI導入後の社会保険料(1人あたり) 220000

BI導入後の手取り収入 8688000

BI導入後‐現行 -897000 所得減

それぞれの年収が 6000000 円の場合

1 特定扶養親族が1人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 課税所得

1980000 600000 380000 3040000

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

1980000 600000 380000 0 630000 2410000

世帯の年収 12000000

所得税額 350000

手取り収入 10450000

BI給付額 2880000

BI導入後の課税所得(1人あたり) 5760000

BI導入後の所得税額(1人あたり) 2592000

BI導入後の社会保険料(1人あたり) 240000

BI導入後の手取り収入 9216000

BI導入後‐現行 -1234000 所得減

2 特定扶養親族が0人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 課税所得

1980000 600000 380000 3040000

- 106 -

Page 109: ベーシック・インカム実現への道inuzuka/lec/ueda.pdf概 要 本論文の目的は、社会的排除への対応策であるベーシック・インカムが日本で導入された

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

1980000 600000 380000 380000 0 2660000

世帯の年収 12000000

所得税額 375000

手取り収入 10425000

BI給付額 2880000

BI導入後の課税所得(1人あたり) 5760000

BI導入後の所得税額(1人あたり) 2592000

BI導入後の社会保険料(1人あたり) 240000

BI導入後の手取り収入 9216000

BI導入後‐現行 -1209000 所得減

それぞれの年収が 6500000 円の場合

1 特定扶養親族が1人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 課税所得

2130000 650000 380000 3340000

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

2130000 650000 380000 0 630000 2710000

世帯の年収 13000000

所得税額 414000

手取り収入 11286000

BI給付額 2880000

BI導入後の課税所得(1人あたり) 6240000

BI導入後の所得税額(1人あたり) 2808000

BI導入後の社会保険料(1人あたり) 260000

BI導入後の手取り収入 9744000

BI導入後‐現行 -1542000 所得減

2 特定扶養親族が0人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 課税所得

2130000 650000 380000 3340000

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

2130000 650000 380000 380000 0 2960000

世帯の年収 13000000

所得税額 439000

手取り収入 11261000

BI給付額 2880000

BI導入後の課税所得(1人あたり) 6240000

BI導入後の所得税額(1人あたり) 2808000

- 107 -

Page 110: ベーシック・インカム実現への道inuzuka/lec/ueda.pdf概 要 本論文の目的は、社会的排除への対応策であるベーシック・インカムが日本で導入された

BI導入後の社会保険料(1人あたり) 260000

BI導入後の手取り収入 9744000

BI導入後‐現行 -1517000 所得減

それぞれの年収が 7000000 円の場合

1 特定扶養親族が1人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 課税所得

2280000 700000 380000 3640000

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

2280000 700000 380000 0 630000 3010000

世帯の年収 14000000

所得税額 504000

手取り収入 12096000

BI給付額 2880000

BI導入後の課税所得(1人あたり) 6720000

BI導入後の所得税額(1人あたり) 3024000

BI導入後の社会保険料(1人あたり) 280000

BI導入後の手取り収入 10272000

BI導入後‐現行 -1824000 所得減

2 特定扶養親族が0人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 課税所得

2280000 700000 380000 3640000

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

2280000 700000 380000 380000 0 3260000

世帯の年収 14000000

所得税額 529000

手取り収入 12071000

BI給付額 2880000

BI導入後の課税所得(1人あたり) 6720000

BI導入後の所得税額(1人あたり) 3024000

BI導入後の社会保険料(1人あたり) 280000

BI導入後の手取り収入 10272000

BI導入後‐現行 -1799000 所得減

- 108 -

Page 111: ベーシック・インカム実現への道inuzuka/lec/ueda.pdf概 要 本論文の目的は、社会的排除への対応策であるベーシック・インカムが日本で導入された

【ケース3】 シングルペアレント、子

年収 2000000 円の場合

1 特定扶養親族が1人 (以降、単位は円)

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

780000 200000 380000 0 630000 10000

所得税額 500

手取り収入 1799500

BI給付額 1920000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 1920000

BI導入後の所得税額 864000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 80000

BI導入後の手取り収入 2976000

BI導入後‐現行 1176500 所得増

2 特定扶養親族が0人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

780000 200000 380000 380000 0 260000

所得税額 13000

手取り収入 1787000

BI給付額 1920000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 1920000

BI導入後の所得税額 864000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 80000

BI導入後の手取り収入 2976000

BI導入後‐現行 1189000 所得増

年収 2500000 円の場合

1 特定扶養親族が1人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

930000 250000 380000 0 630000 310000

所得税額 15500

手取り収入 2234500

BI給付額 1920000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 2400000

BI導入後の所得税額 1080000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 100000

BI導入後の手取り収入 3240000

BI導入後‐現行 1005500 所得増

2 特定扶養親族が0人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

- 109 -

Page 112: ベーシック・インカム実現への道inuzuka/lec/ueda.pdf概 要 本論文の目的は、社会的排除への対応策であるベーシック・インカムが日本で導入された

930000 250000 380000 380000 0 560000

所得税額 28000

手取り収入 2222000

BI給付額 1920000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 2400000

BI導入後の所得税額 1080000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 100000

BI導入後の手取り収入 3240000

BI導入後‐現行 1018000 所得増

年収 3000000 円の場合

1 特定扶養親族が1人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

1080000 300000 380000 0 630000 610000

所得税額 30500

手取り収入 2669500

BI給付額 1920000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 2880000

BI導入後の所得税額 1296000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 120000

BI導入後の手取り収入 3504000

BI導入後‐現行 834500 所得増

2 特定扶養親族が0人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

1080000 300000 380000 380000 0 860000

所得税額 43000

手取り収入 2657000

BI給付額 1920000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 2880000

BI導入後の所得税額 1296000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 120000

BI導入後の手取り収入 3504000

BI導入後‐現行 847000 所得増

年収 3500000 円の場合

1 特定扶養親族が1人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

1230000 350000 380000 0 630000 910000

所得税額 45500

手取り収入 3104500

- 110 -

Page 113: ベーシック・インカム実現への道inuzuka/lec/ueda.pdf概 要 本論文の目的は、社会的排除への対応策であるベーシック・インカムが日本で導入された

BI給付額 1920000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 3360000

BI導入後の所得税額 1512000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 140000

BI導入後の手取り収入 3768000

BI導入後‐現行 663500 所得増

2 特定扶養親族が0人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

1230000 350000 380000 380000 0 1160000

所得税額 58000

手取り収入 3092000

BI給付額 1920000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 3360000

BI導入後の所得税額 1512000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 140000

BI導入後の手取り収入 3768000

BI導入後‐現行 676000 所得増

年収 4000000 円の場合

1 特定扶養親族が1人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

1340000 400000 380000 0 630000 1250000

所得税額 62500

手取り収入 3537500

BI給付額 1920000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 3840000

BI導入後の所得税額 1728000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 160000

BI導入後の手取り収入 4032000

BI導入後‐現行 494500 所得増

2 特定扶養親族が0人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

1340000 400000 380000 380000 0 1500000

所得税額 75000

手取り収入 3525000

BI給付額 1920000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 3840000

BI導入後の所得税額 1728000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 160000

- 111 -

Page 114: ベーシック・インカム実現への道inuzuka/lec/ueda.pdf概 要 本論文の目的は、社会的排除への対応策であるベーシック・インカムが日本で導入された

BI導入後の手取り収入 4032000

BI導入後‐現行 507000 所得増

年収 4500000 円の場合

1 特定扶養親族が1人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

1440000 450000 380000 0 630000 1600000

所得税額 80000

手取り収入 3970000

BI給付額 1920000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 4320000

BI導入後の所得税額 1944000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 180000

BI導入後の手取り収入 4296000

BI導入後‐現行 326000 所得増

2 特定扶養親族が0人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

1440000 450000 380000 380000 0 1850000

所得税額 92500

手取り収入 3957500

BI給付額 1920000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 4320000

BI導入後の所得税額 1944000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 180000

BI導入後の手取り収入 4296000

BI導入後‐現行 338500 所得増

年収 5000000 円の場合

1 特定扶養親族が1人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

1540000 500000 380000 0 630000 1950000

所得税額 97500

手取り収入 4402500

BI給付額 1920000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 4800000

BI導入後の所得税額 2160000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 200000

BI導入後の手取り収入 4560000

BI導入後‐現行 157500 所得増

- 112 -

Page 115: ベーシック・インカム実現への道inuzuka/lec/ueda.pdf概 要 本論文の目的は、社会的排除への対応策であるベーシック・インカムが日本で導入された

2 特定扶養親族が0人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

1540000 500000 380000 380000 0 2200000

所得税額 122500

手取り収入 4377500

BI給付額 1920000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 4800000

BI導入後の所得税額 2160000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 200000

BI導入後の手取り収入 4560000

BI導入後‐現行 182500 所得増

年収 5500000 円の場合

1 特定扶養親族が1人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

1640000 550000 380000 0 630000 2300000

所得税額 132500

手取り収入 4817500

BI給付額 1920000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 5280000

BI導入後の所得税額 2376000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 220000

BI導入後の手取り収入 4824000

BI導入後‐現行 6500 所得増

2 特定扶養親族が0人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

1640000 550000 380000 380000 0 2550000

所得税額 157500

手取り収入 4792500

BI給付額 1920000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 5280000

BI導入後の所得税額 2376000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 220000

BI導入後の手取り収入 4824000

BI導入後‐現行 31500 所得増

年収 6000000 円の場合

1 特定扶養親族が1人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

- 113 -

Page 116: ベーシック・インカム実現への道inuzuka/lec/ueda.pdf概 要 本論文の目的は、社会的排除への対応策であるベーシック・インカムが日本で導入された

1740000 600000 380000 0 630000 2650000

所得税額 167500

手取り収入 5232500

BI給付額 1920000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 5760000

BI導入後の所得税額 2592000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 240000

BI導入後の手取り収入 5088000

BI導入後‐現行 -144500 所得減

2 特定扶養親族が0人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

1740000 600000 380000 380000 0 2900000

所得税額 192500

手取り収入 5207500

BI給付額 1920000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 5760000

BI導入後の所得税額 2592000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 240000

BI導入後の手取り収入 5088000

BI導入後‐現行 -119500 所得減

年収 6500000 円の場合

1 特定扶養親族が1人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

1840000 650000 380000 0 630000 3000000

所得税額 202500

手取り収入 5647500

BI給付額 1920000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 6240000

BI導入後の所得税額 2808000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 260000

BI導入後の手取り収入 5352000

BI導入後‐現行 -295500 所得減

2 特定扶養親族が0人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

1840000 650000 380000 380000 0 3250000

所得税額 227500

手取り収入 5622500

BI給付額 1920000

- 114 -

Page 117: ベーシック・インカム実現への道inuzuka/lec/ueda.pdf概 要 本論文の目的は、社会的排除への対応策であるベーシック・インカムが日本で導入された

BI導入後の課税所得(年収の96%) 6240000

BI導入後の所得税額 2808000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 260000

BI導入後の手取り収入 5352000

BI導入後‐現行 -270500 所得減

年収 7000000 円の場合

1 特定扶養親族が1人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

1900000 700000 380000 0 630000 3390000

所得税額 250500

手取り収入 6049500

BI給付額 1920000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 6720000

BI導入後の所得税額 3024000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 280000

BI導入後の手取り収入 5616000

BI導入後‐現行 -433500 所得減

2 特定扶養親族が0人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

1900000 700000 380000 380000 0 3640000

所得税額 300500

手取り収入 5999500

BI給付額 1920000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 6720000

BI導入後の所得税額 3024000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 280000

BI導入後の手取り収入 5616000

BI導入後‐現行 -383500 所得減

年収 7500000 円の場合

1 特定扶養親族が1人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

1950000 750000 380000 0 630000 3790000

所得税額 330500

手取り収入 6419500

BI給付額 1920000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 7200000

BI導入後の所得税額 3240000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 300000

- 115 -

Page 118: ベーシック・インカム実現への道inuzuka/lec/ueda.pdf概 要 本論文の目的は、社会的排除への対応策であるベーシック・インカムが日本で導入された

BI導入後の手取り収入 5880000

BI導入後‐現行 -539500 所得減

2 特定扶養親族が0人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

1950000 750000 380000 380000 0 4040000

所得税額 380500

手取り収入 6369500

BI給付額 1920000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 7200000

BI導入後の所得税額 3240000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 300000

BI導入後の手取り収入 5880000

BI導入後‐現行 -489500 所得減

年収 8000000 円の場合

1 特定扶養親族が1人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

2000000 800000 380000 0 630000 4190000

所得税額 410500

手取り収入 6789500

BI給付額 1920000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 7680000

BI導入後の所得税額 3456000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 320000

BI導入後の手取り収入 6144000

BI導入後‐現行 -645500 所得減

2 特定扶養親族が0人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

2000000 800000 380000 380000 0 4440000

所得税額 460500

手取り収入 6739500

BI給付額 1920000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 7680000

BI導入後の所得税額 3456000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 320000

BI導入後の手取り収入 6144000

BI導入後‐現行 -595500 所得減

- 116 -

Page 119: ベーシック・インカム実現への道inuzuka/lec/ueda.pdf概 要 本論文の目的は、社会的排除への対応策であるベーシック・インカムが日本で導入された

年収 8500000 円の場合

1 特定扶養親族が1人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

2050000 850000 380000 0 630000 4590000

所得税額 490500

手取り収入 7159500

BI給付額 1920000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 8160000

BI導入後の所得税額 3672000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 340000

BI導入後の手取り収入 6408000

BI導入後‐現行 -751500 所得減

2 特定扶養親族が0人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

2050000 850000 380000 380000 0 4840000

所得税額 540500

手取り収入 7109500

BI給付額 1920000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 8160000

BI導入後の所得税額 3672000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 340000

BI導入後の手取り収入 6408000

BI導入後‐現行 -701500 所得減

年収 9000000 円の場合

1 特定扶養親族が1人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

2100000 900000 380000 0 630000 4990000

所得税額 570500

手取り収入 7529500

BI給付額 1920000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 8640000

BI導入後の所得税額 3888000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 360000

BI導入後の手取り収入 6672000

BI導入後‐現行 -857500 所得減

2 特定扶養親族が0人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

2100000 900000 380000 380000 0 5240000

- 117 -

Page 120: ベーシック・インカム実現への道inuzuka/lec/ueda.pdf概 要 本論文の目的は、社会的排除への対応策であるベーシック・インカムが日本で導入された

所得税額 620500

手取り収入 7479500

BI給付額 1920000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 8640000

BI導入後の所得税額 3888000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 360000

BI導入後の手取り収入 6672000

BI導入後‐現行 -807500 所得減

年収 9500000 円の場合

1 特定扶養親族が1人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

2150000 950000 380000 0 630000 5390000

所得税額 650500

手取り収入 7899500

BI給付額 1920000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 9120000

BI導入後の所得税額 4104000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 380000

BI導入後の手取り収入 6936000

BI導入後‐現行 -963500 所得減

2 特定扶養親族が0人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

2150000 950000 380000 380000 0 5640000

所得税額 700500

手取り収入 7849500

BI給付額 1920000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 9120000

BI導入後の所得税額 4104000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 380000

BI導入後の手取り収入 6936000

BI導入後‐現行 -913500 所得減

年収 10000000 円の場合

1 特定扶養親族が1人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

2200000 1000000 380000 0 630000 5790000

所得税額 730500

手取り収入 8269500

- 118 -

Page 121: ベーシック・インカム実現への道inuzuka/lec/ueda.pdf概 要 本論文の目的は、社会的排除への対応策であるベーシック・インカムが日本で導入された

BI給付額 1920000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 9600000

BI導入後の所得税額 4320000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 400000

BI導入後の手取り収入 7200000

BI導入後‐現行 -1069500 所得減

2 特定扶養親族が0人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得

2200000 1000000 380000 380000 0 6040000

所得税額 780500

手取り収入 8219500

BI給付額 1920000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 9600000

BI導入後の所得税額 4320000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 400000

BI導入後の手取り収入 7200000

BI導入後‐現行 -1019500 所得減

- 119 -

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【ケース4】 単身世帯(子供なし)

年収 1000000 円の場合

(以降、単位は円)

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 課税所得

400000 100000 380000 120000

所得税額 6000

手取り収入 894000

BI給付額 960000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 960000

BI導入後の所得税額 432000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 40000

BI導入後の手取り収入 1488000

BI導入後‐現行 594000 所得増

年収 1500000 円の場合

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 課税所得

600000 150000 380000 370000

所得税額 18500

手取り収入 1331500

BI給付額 960000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 1440000

BI導入後の所得税額 648000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 60000

BI導入後の手取り収入 1752000

BI導入後‐現行 420500 所得増

年収 2000000 円の場合

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 課税所得

780000 200000 380000 640000

所得税額 32000

手取り収入 1768000

BI給付額 960000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 1920000

BI導入後の所得税額 864000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 80000

BI導入後の手取り収入 2016000

BI導入後‐現行 248000 所得増

- 120 -

Page 123: ベーシック・インカム実現への道inuzuka/lec/ueda.pdf概 要 本論文の目的は、社会的排除への対応策であるベーシック・インカムが日本で導入された

年収 2500000 円の場合

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 課税所得

930000 250000 380000 940000

所得税額 47000

手取り収入 2203000

BI給付額 960000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 2400000

BI導入後の所得税額 1080000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 100000

BI導入後の手取り収入 2280000

BI導入後‐現行 77000 所得増

年収 3000000 円の場合

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 課税所得

1080000 300000 380000 1240000

所得税額 62000

手取り収入 2638000

BI給付額 960000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 2880000

BI導入後の所得税額 1296000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 120000

BI導入後の手取り収入 2544000

BI導入後‐現行 -94000 所得減

年収 3500000 円の場合

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 課税所得

1230000 350000 380000 1540000

所得税額 77000

手取り収入 3073000

BI給付額 960000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 3360000

BI導入後の所得税額 1512000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 140000

BI導入後の手取り収入 2808000

BI導入後‐現行 -265000 所得減

年収 4000000 円の場合

- 121 -

Page 124: ベーシック・インカム実現への道inuzuka/lec/ueda.pdf概 要 本論文の目的は、社会的排除への対応策であるベーシック・インカムが日本で導入された

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 課税所得

1340000 400000 380000 1880000

所得税額 94000

手取り収入 3506000

BI給付額 960000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 3840000

BI導入後の所得税額 1728000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 160000

BI導入後の手取り収入 3072000

BI導入後‐現行 -434000 所得減

年収 4500000 円の場合

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 課税所得

1440000 450000 380000 2230000

所得税額 125500

手取り収入 3924500

BI給付額 960000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 4320000

BI導入後の所得税額 1944000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 180000

BI導入後の手取り収入 3336000

BI導入後‐現行 -588500 所得減

年収 5000000 円の場合

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 課税所得

1540000 500000 380000 2580000

所得税額 160500

手取り収入 4339500

BI給付額 960000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 4800000

BI導入後の所得税額 2160000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 200000

BI導入後の手取り収入 3600000

BI導入後‐現行 -739500 所得減

年収 5500000 円の場合

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 課税所得

- 122 -

Page 125: ベーシック・インカム実現への道inuzuka/lec/ueda.pdf概 要 本論文の目的は、社会的排除への対応策であるベーシック・インカムが日本で導入された

1640000 550000 380000 2930000

所得税額 195500

手取り収入 4754500

BI給付額 960000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 5280000

BI導入後の所得税額 2376000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 220000

BI導入後の手取り収入 3864000

BI導入後‐現行 -890500 所得減

年収 6000000 円の場合

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 課税所得

1740000 600000 380000 3280000

所得税額 230500

手取り収入 5169500

BI給付額 960000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 5760000

BI導入後の所得税額 2592000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 240000

BI導入後の手取り収入 4128000

BI導入後‐現行 -1041500 所得減

年収 6500000 円の場合

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 課税所得

1840000 650000 380000 3630000

所得税額 298500

手取り収入 5551500

BI給付額 960000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 6240000

BI導入後の所得税額 2808000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 260000

BI導入後の手取り収入 4392000

BI導入後‐現行 -1159500 所得減

年収 7000000 円の場合

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 課税所得

1900000 700000 380000 4020000

- 123 -

Page 126: ベーシック・インカム実現への道inuzuka/lec/ueda.pdf概 要 本論文の目的は、社会的排除への対応策であるベーシック・インカムが日本で導入された

所得税額 376500

手取り収入 5923500

BI給付額 960000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 6720000

BI導入後の所得税額 3024000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 280000

BI導入後の手取り収入 4656000

BI導入後‐現行 -1267500 所得減

- 124 -

Page 127: ベーシック・インカム実現への道inuzuka/lec/ueda.pdf概 要 本論文の目的は、社会的排除への対応策であるベーシック・インカムが日本で導入された

【生活保護世帯】

世帯類型別生活扶助基準(平成19年) 平成19年度厚生労働白書から

標準3人世帯(33歳男・29歳女・4歳子)

高齢単身世帯(68歳女)

高齢夫婦世帯(68歳男・65歳女)

母子3人世帯(30歳女・9歳子・4歳子)

1級地‐1 162,170 80,820 121,940 155,970

1級地‐2 154,870 77,190 116,460 148,950

2級地‐1 147,580 73,540 110,960 141,930

2級地‐2 140,270 69,910 105,480 134,910

3級地‐1 132,980 66,260 99,990 127,900

3級地‐2 125,680 62,640 94,500 120,870

標準3人世帯(33歳男・29歳女・4歳子)

         (以降、単位は円)

収入 児童養育加算 生活扶助 住宅扶助 教育扶助

600000 60000 1946040 837600 0

医療扶助 介護扶助 出産扶助 生業扶助 葬祭扶助

未知数 0

収入:(月額50000円)

児童養育加算:(月額5000円)

生活扶助:上表より。(月額162170円)

住宅扶助:東京の場合。(月額69800円)

教育扶助:小中学校に通う子どもがいないため無し。

医療扶助:世帯でかかる医療費の総額。

介護扶助:介護保険の対象者がいないため適用無し。

最低生活費(月額) 236970

最低生活費(年額) 2843640

支給額(月額) 186970

支給額(年額) 2243640

年間総収入 2843640

BI支給額 2880000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 576000

BI導入後の所得税額 259200

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 24000

BI導入後の手取り収入 3196800

BI導入後‐現行 353160 所得増

高齢単身世帯(68歳女)

収入 生活扶助 住宅扶助 教育扶助

600000 969840 644400 0

医療扶助 介護扶助 出産扶助 生業扶助 葬祭扶助

未知数 0

収入:(月額50000円)

生活扶助:上表より。(月額80820円)

- 125 -

Page 128: ベーシック・インカム実現への道inuzuka/lec/ueda.pdf概 要 本論文の目的は、社会的排除への対応策であるベーシック・インカムが日本で導入された

住宅扶助:東京の場合。(月額53700円)

教育扶助:小中学校に通う子どもがいないため無し。

医療扶助:世帯でかかる医療費の総額。

介護扶助:介護保険の対象者がいないため適用無し。

最低生活費(月額) 134520

最低生活費(年額) 1614240

支給額(月額) 84520

支給額(年額) 1014240

年間総収入 1614240

BI支給額 960000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 576000

BI導入後の所得税額 259200

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 24000

BI導入後の手取り収入 1276800

BI導入後‐現行 -337440 所得減

高齢夫婦世帯(68歳男・65歳女)

収入 生活扶助 住宅扶助 教育扶助

600000 1463280 837600 0

医療扶助 介護扶助 出産扶助 生業扶助 葬祭扶助

未知数 0

収入:(月額50000円)

生活扶助:上表より。(月額121940円)

住宅扶助:東京の場合。(月額69800円)

教育扶助:小中学校に通う子どもがいないため無し。

医療扶助:世帯でかかる医療費の総額。

介護扶助:介護保険の対象者がいないため適用無し。

最低生活費(月額) 191740

最低生活費(年額) 2300880

支給額(月額) 141740

支給額(年額) 1700880

年間総収入 2300880

BI支給額 1920000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 576000

BI導入後の所得税額 259200

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 24000

BI導入後の手取り収入 2236800

BI導入後‐現行 -64080 所得減

母子3人世帯(30歳女・9歳子・4歳子)

収入 児童養育加算 生活扶助 住宅扶助 教育扶助

600000 120000 1871640 837600 25800

医療扶助 介護扶助 出産扶助 生業扶助 葬祭扶助

- 126 -

Page 129: ベーシック・インカム実現への道inuzuka/lec/ueda.pdf概 要 本論文の目的は、社会的排除への対応策であるベーシック・インカムが日本で導入された

未知数 0

収入:(月額50000円)

児童養育加算:(月額10000円)

生活扶助:上表より。(月額155970円)

住宅扶助:東京の場合。(月額69800円)

教育扶助:小学校に通う子どもがいるため月額2150円。

医療扶助:世帯でかかる医療費の総額。

介護扶助:介護保険の対象者がいないため適用無し。

最低生活費(月額) 237920

最低生活費(年額) 2855040

支給額(月額) 187920

支給額(年額) 2255040

年間総収入 2855040

BI支給額 2880000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 576000

BI導入後の所得税額 259200

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 24000

BI導入後の手取り収入 3196800

BI導入後‐現行 341760 所得増

- 127 -

Page 130: ベーシック・インカム実現への道inuzuka/lec/ueda.pdf概 要 本論文の目的は、社会的排除への対応策であるベーシック・インカムが日本で導入された

【ケース1´】 夫、妻(片働き)、子、子

年収 4000000 円の場合

1 特定扶養親族が2人 (以降、単位は円)

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 配偶者控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得手当導入後の課税所得

1340000 400000 380000 380000 0 1260000 240000 620000

現行の所得税額 12000

手取り収入 3588000

子ども手当導入後の所得税額 31000

子ども手当給付額 0

子ども手当導入後の手取り収入 3569000

BI給付額 3840000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 3840000

BI導入後の所得税額 1728000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 160000

BI導入後の手取り収入 5952000

BI導入後‐現行 2364000 所得増

子ども手当‐現行 -19000

2 特定扶養親族が1人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 配偶者控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得手当導入後の課税所得

1340000 400000 380000 380000 380000 630000 490000 1250000

現行の所得税額 24500

手取り収入 3575500

子ども手当導入後の所得税額 62500

子ども手当給付額 312000

子ども手当導入後の手取り収入 3849500

BI給付額 3840000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 3840000

BI導入後の所得税額 1728000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 160000

BI導入後の手取り収入 5952000

BI導入後‐現行 2376500 所得増

子ども手当‐現行 274000

3 特定扶養親族が0人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 配偶者控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得手当導入後の課税所得

1340000 400000 380000 380000 760000 0 740000 1880000

現行の所得税額 37000

手取り収入 3563000

子ども手当導入後の所得税額 94000

子ども手当給付額 624000

子ども手当導入後の手取り収入 4130000

- 128 -

Page 131: ベーシック・インカム実現への道inuzuka/lec/ueda.pdf概 要 本論文の目的は、社会的排除への対応策であるベーシック・インカムが日本で導入された

BI給付額 3840000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 3840000

BI導入後の所得税額 1728000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 160000

BI導入後の手取り収入 5952000

BI導入後‐現行 2389000 所得増

子ども手当‐現行 567000

年収 7000000 円の場合

1 特定扶養親族が2人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 配偶者控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得手当導入後の課税所得

1900000 700000 380000 380000 0 1260000 2380000 2760000

所得税額 140500

手取り収入 6159500

子ども手当導入後の所得税額 178500

子ども手当給付額 0

子ども手当導入後の手取り収入 6121500

BI給付額 3840000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 6720000

BI導入後の所得税額 3024000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 280000

BI導入後の手取り収入 7536000

BI導入後‐現行 1376500 所得増

子ども手当‐現行 -38000

2 特定扶養親族が1人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 配偶者控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得手当導入後の課税所得

1900000 700000 380000 380000 380000 630000 2630000 3390000

所得税額 165500

手取り収入 6134500

子ども手当導入後の所得税額 250500

子ども手当給付額 312000

子ども手当導入後の手取り収入 6361500

BI給付額 3840000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 6720000

BI導入後の所得税額 3024000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 280000

BI導入後の手取り収入 7536000

BI導入後‐現行 1401500 所得増

子ども手当‐現行 227000

- 129 -

Page 132: ベーシック・インカム実現への道inuzuka/lec/ueda.pdf概 要 本論文の目的は、社会的排除への対応策であるベーシック・インカムが日本で導入された

3 特定扶養親族が0人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 配偶者控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得手当導入後の課税所得

1900000 700000 380000 380000 760000 0 2880000 4020000

所得税額 190500

手取り収入 6109500

子ども手当導入後の所得税額 376500

子ども手当給付額 624000

子ども手当導入後の手取り収入 6547500

BI給付額 3840000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 6720000

BI導入後の所得税額 3024000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 280000

BI導入後の手取り収入 7536000

BI導入後‐現行 1426500 所得増

子ども手当‐現行 438000

年収 10000000 円の場合

1 特定扶養親族が2人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 配偶者控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得手当導入後の課税所得

2200000 1000000 380000 380000 0 1260000 4780000 5160000

所得税額 528500

手取り収入 8471500

子ども手当導入後の所得税額 604500

子ども手当給付額 0

子ども手当導入後の手取り収入 8395500

BI給付額 3840000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 9600000

BI導入後の所得税額 4320000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 400000

BI導入後の手取り収入 9120000

BI導入後‐現行 648500 所得増

子ども手当‐現行 -76000

2 特定扶養親族が1人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 配偶者控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得手当導入後の課税所得

2200000 1000000 380000 380000 380000 630000 5030000 5790000

所得税額 578500

手取り収入 8421500

- 130 -

Page 133: ベーシック・インカム実現への道inuzuka/lec/ueda.pdf概 要 本論文の目的は、社会的排除への対応策であるベーシック・インカムが日本で導入された

子ども手当導入後の所得税額 730500

子ども手当給付額 312000

子ども手当導入後の手取り収入 8581500

BI給付額 3840000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 9600000

BI導入後の所得税額 4320000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 400000

BI導入後の手取り収入 9120000

BI導入後‐現行 698500 所得増

子ども手当‐現行 160000

3 特定扶養親族が0人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 配偶者控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得手当導入後の課税所得

2200000 1000000 380000 380000 760000 0 5280000 6420000

所得税額 628500

手取り収入 8371500

子ども手当導入後の所得税額 856500

子ども手当給付額 624000

子ども手当導入後の手取り収入 8767500

BI給付額 3840000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 9600000

BI導入後の所得税額 4320000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 400000

BI導入後の手取り収入 9120000

BI導入後‐現行 748500 所得増

子ども手当‐現行 396000

- 131 -

Page 134: ベーシック・インカム実現への道inuzuka/lec/ueda.pdf概 要 本論文の目的は、社会的排除への対応策であるベーシック・インカムが日本で導入された

【ケース2-2´】 夫、妻(共働き)、子

それぞれの年収が 2000000 円の場合

1 特定扶養親族が1人 (以降、単位は円)

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 課税所得

780000 200000 380000 640000

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得手当導入後の課税所得

780000 200000 380000 0 630000 10000 10000

世帯の年収 4000000

上表の所得税額 32000

上表の手取り収入 1768000

下表の所得税額 500

下表の手取り収入 1799500

世帯の手取り収入 3567500

子ども手当導入後の手取り収入 変わらない

BI給付額 2880000

BI導入後の課税所得(1人あたり) 1920000

BI導入後の所得税額(1人あたり) 864000

BI導入後の社会保険料(1人あたり) 80000

BI導入後の手取り収入(世帯あたり) 4992000

BI導入後‐現行 1424500 所得増

2 特定扶養親族が0人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 課税所得

780000 200000 380000 640000

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得手当導入後の課税所得

780000 200000 380000 380000 0 260000 640000

世帯の年収 4000000

上表の所得税額 32000

上表の手取り収入 1768000

下表の所得税額 13000

下表の手取り収入 1787000

世帯の手取り収入 3555000

子ども手当導入後の所得税額 32000

子ども手当給付額 312000

子ども手当導入後の手取り収入 2080000

世帯の手取り収入 3848000

BI給付額 2880000

BI導入後の課税所得(1人あたり) 1920000

BI導入後の所得税額(1人あたり) 864000

BI導入後の社会保険料(1人あたり) 80000

BI導入後の手取り収入 4992000

- 132 -

Page 135: ベーシック・インカム実現への道inuzuka/lec/ueda.pdf概 要 本論文の目的は、社会的排除への対応策であるベーシック・インカムが日本で導入された

BI導入後‐現行 1437000 所得増

- 133 -

Page 136: ベーシック・インカム実現への道inuzuka/lec/ueda.pdf概 要 本論文の目的は、社会的排除への対応策であるベーシック・インカムが日本で導入された

【ケース3´】 シングルペアレント、子

年収 2000000 円の場合

1 特定扶養親族が1人 (以降、単位は円)

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得手当導入後の課税所得

780000 200000 380000 0 630000 10000 10000

所得税額 500

手取り収入 1799500

子ども手当導入後の手取り収入 変わらない

BI給付額 1920000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 1920000

BI導入後の所得税額 864000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 80000

BI導入後の手取り収入 2976000

BI導入後‐現行 1176500 所得増

2 特定扶養親族が0人

給与所得控除社会保険料控除

基礎控除 扶養控除 特定扶養控除 課税所得手当導入後の課税所得

780000 200000 380000 380000 0 260000 640000

所得税額 13000

手取り収入 1787000

子ども手当導入後の所得税額 32000

子ども手当給付額 312000

子ども手当導入後の手取り収入 2080000

BI給付額 1920000

BI導入後の課税所得(年収の96%) 1920000

BI導入後の所得税額 864000

BI導入後の社会保険料(年収の4%) 80000

BI導入後の手取り収入 2976000

BI導入後‐現行 1189000 所得増

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