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人間本意の産業を目指して 2018 Copyright Robot Revolution Initiative, All Rights Reserved. “Connected Industries” New vision for the future of Japanese industries RRI-WG1 情報マーケティングチーム ~活動概要報告~ 2018年5月30日 ロボット革命イニシアティブ協議会 RRI-WG1 情マ・チームリーダー 藤野直明(株式会社 野村総合研究所 主席研究員)

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人間本意の産業を目指して

2018 Copyright Robot Revolution Initiative, All Rights Reserved.

“Connected Industries”New vision for the future of Japanese industries

RRI-WG1

情報マーケティングチーム~活動概要報告~

2018年5月30日

ロボット革命イニシアティブ協議会

RRI-WG1 情マ・チームリーダー 藤野直明(株式会社 野村総合研究所 主席研究員)

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1

WG1の体制(情報マーケチームの位置づけ)

ロボットイニシアティブ協議会

提案

報告

全体戦略、活動の方向性等の案作成メンバー : 有識者、国内外企業

分野別サブ幹事会

・会員企業自身が主体となり、メンバー企業を募って組成。・新たなサブWGの設置については随時可能。

・必要に応じて、分野別の施策や課題検討の場を設置。

AG(アクショングループ)

・ドイツPF4.0の各AGにも対応する立て付け。

経済産業省

連携・提案等

テーマ別サブWG

WG1: 「IoTによる製造ビジネス変革WG」

情報マーケティングチーム

調査研究チーム

工業会・協会・学会連携チーム

新設

国際標準化活動事務局事務局国際標準化国内委員会

広報戦略・プロモーションチーム

インテリジェンス・連携・広報

課題抽出

施策検討

施策実行

アドバイザリーボード幹事会

組織運営

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“Connected Industries”New vision for the future of Japanese industriesWG1 情報マーケティングチーム

2

1.目的

本チームの目的は、「全体戦略、活動の方向性等の案作成」を担っているRRIアドバイザリーボードへ、必要に応じて「更なる調査・検討課題の提言を行うこと」である。

2.活動実績と計画・5回検討会議を実施(2回の終日合宿含む)

・多様な視点から問題意識を共有。検討領域を拡大する方向で検討中

・検討フレームワークについて議論

3.体制・メンバー

国内外企業・研究機関他、WG1での参加希望者の他に、内外有識者10数名から構成

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情報マーケティングチーム・メンバー

3

・株式会社 野村総合研究所 産業ITイノベーション事業本部 主席研究員 藤野 直明

・株式会社 島津製作所 技術推進部 マネージャ 小林 裕

・TDK 株式会社 技術・知財本部 技術企画グループ 担当部長 臼井 博哉

・東洋ビジネスエンジニアリング株式会社 新商品開発本部 マーケティング企画本部

商品企画1部 部長 小林 剛

・東洋ビジネスエンジニアリング株式会社 ソリューション事業本部

デジタルサービス本部 本部長 志村健二

・東芝デジタルソリューションズ株式会社 インダストリアルソリューション事業部

デジタルトランスフォーメーション推進部 参事 八木 秀規

・オークマ株式会社 FA開発部 ITプラザ開発課 梶原 靖人

・ダッソーシステムズ株式会社 DELMIA事業部 エバンジェリスト 米田 尚登

・PTCジャパン株式会社 ソリューション戦略企画室 ディレクター・フェロー 後藤 智

・ジーメンス株式会社 プロセス&ドライブ事業本部 プロセスオートメーション部 部長神澤太郎

・国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構 技術戦略研究センター

・電子・情報・機械システムユニット 研究員 砂口 洋毅

・RRI ロボット革命イニシアティブ協議会 万仲 豊

・RRI ロボット革命イニシアティブ協議会 水上 潔 (以上敬称略)

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“Connected Industries”New vision for the future of Japanese industries本チームの検討フレームワーク(1)

4

フレームワークは、論理軸と階層構造軸から構成

1)論理軸

① 現状と課題(なりゆきシナリオ含む)

② 将来の見通しとあるべき姿

③ ロードマップと加速方策

④ 検討課題、新しい論点

①現状と課題

③ロードマップと加速方策

②将来の見通しとあるべき姿

④検討課題(調査項目他)

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本チームの検討フレームワーク(2)

5

2)階層構造軸の基本的な考え方① 産業レベル

・産業構造の変化

・産業政策

・中小企業政策

② 科学技術政策・企業

のR&D政策、人材育成

③ 経営戦略、特にビジネス

モデルの転換について

④ 製品・サービス戦略

⑤ オペレーション

・マネジメント戦略

⑥ IT・IOT活用戦略

・導入戦略

⑦ その他

産業レベル

(産業構造の変化/産業政策/中小企業政策)

科学技術政策・R&D政策・人材育成

経営戦略(ビジネスモデル)

①製品・サービス戦略

②オペレーションマネジメント戦略

③IT・IOT活用戦略

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<産業構造変化の大局観(1)>

6

① グローバルエコシステムを前提として、デジタライゼーションが推進されている・ 独は、「スマートxxx」の構成要素をスマートプロダクトとし、これらのデータ流通、活用が行える共通のCPS基盤(概念、構造、経済環境など)までを検討・構想立案・実現へ向けて動いている。• 既に国際連携体制で、グローバルエコシステムの形成が計画的に推進されている。もはや各国の対立(米独中など)構造はない。

② 日本でのデジタライゼーション推進は、日本的(ボトムアップ対応)な3現2原主義( 現場、現物、現実、原理、原則)の課題解決活動とも連携させて推進することが効果的と考えられている。

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IoT化によるブレイクスルー(加速)

<産業構造変化の大局観(2)>

7

1000万

100万

10万

1万

1980年代 2010年代 2020年代

工作機械ロボット

内燃機関自動車

EV

旅客機

防衛宇宙

旅客船

スマートシティ

自動運転・交通

工場システム

すり合わせ

システム化技術領域

効率的に総合的に論理的に早く・安く製品化

システム化の領域拡大ソフト化で安価で利用可能に新興国でも盛んに利用開始

日本の強み

部品点数

①産業は、複雑な巨大システム産業(コネクティッド・インダストリ)へ展開してくる②複雑さへは、産業構造をモジュール化することで、工学的適応を図る③モジュール化は、モジュール間インタフェイスの国際標準化により実現される。④この結果、グローバルエコシステムが形成されていく

⑤日本が従来進めてきた作業者レベルまでが、3現主義で行う改善は、データ活用でさらに進化する。人の柔軟性を活かし創造力を働かせる仕事の重要性はますます高まる。

⑥仕事がよりシステマティックに行われるようになり、共通部品化も拡大、ソフトウェア活用による業務の進化が期待される。

欧米はすり合わせを日本から学習技術体系化

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<産業構造変化の大局観(3)>

8

製造業と生産設備業のデュアル戦略

製造エンジニアリング+

プラットフォーム+先進機器システム群

(強い組込システム& 自動制御技術)

+新興国 機器

Win-Win

製造エンジニアリング+

プラットフォーム+先進機器システム群

(強い組込システム& 自動制御技術)

+新興国 機器

Win-Win

独と新興国とのエコシステム

出典 Acatech I4.0勧告書Acatech/2013 より作成

ドイツの例

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<産業構造変化の大局観(4)>

9

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<産業構造変化の大局観(5)>

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スマートエナジー

スマートロジスティック

スマートファクトリー

スマートビル・ホーム

共通のCPSプラットフォーム(スマートxxx間を連携)

スマートプロダクト

スマートプロダクト

スマートプロダクト

スマートプロダクト

サービス・アプリケーション

・・・

独では、単に工場の設備機器だけを意識しているのではなく、I4のコンポーネント化されたスマートプロダクトが、それぞれの分野(スマートxxx)のサービスを生む。その際共通のCPSプラットフォームを介して各分野のスマートプロダクトが連携し提供する世界を目指す。このスマートプロダクトとその生産及び生産プロセス自体の生産を対象にしたものがIndustrie4.0。

スマートファクトリー

出典 Acatech I4.0勧告書Acatech/2013 より作成

Industrie4.0はあらゆる分野に影響

Industrie4.0対象

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情報マーケティングチームからの提言

11

今後の活動として下記を提案させて頂きたい

情報マーケティングチームリーダー株式会社野村総合研究所藤野直明

1 RRIの活動体制強化・運営体制構築

2

国内産業界へのアピールの強化

3

国際的学識者の巻き込みの拡大

4

国際及び国内(Society5.0、C.I.)概念含めたシステム化・構

造化

5 ”システム”的アプローチのアピール強化

6 体験重視のリカレント教育の拡大

以下、強化すべき点

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情報マーケティングチームからの提言

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項目 主な論点

① 運営体制の強化 RRIは国内外で日本のIIoT・第4次産業革命・ConnectedIndustriesものロボの推進主体である。このための運営体制構築が必須であり、行政協働・行政予算との連携の強化が必要。

② 国際的学識者の巻込みの拡大

検討体制を充実させるためには、国際的に活躍している学識を巻き込むことが重要である。特に経営工学・オペレーションマネジメントなどの分野。さらには、彼らの人脈で海外の学識者にも支援いただく。

③ 国際及び国内(Society5.0、C.I.)概念含めたシステム化・構造化

国際で議論している最上位の概念とSociety5.0提言の超スマート社会との構成要素である「スマートな製品」と「データ活用によるサービスを提供するプラットフォーム」について、このレベルの抽象度でシステム化・構造化を整理が必要。

④ 国内・産業界へのアピール強化

今回のRRIで言う革命は、日本企業の閉塞を打破する機会を創造する。このメリットを強く日本の産業社会にアピールしていくべきである。

⑤ システム的なアプローチの支援

IOT、ビッグデータ、人工知能、ロボットなどの手段にフォーカスがされすぎ。これが投資効果に悩む企業の理解を妨げている1つの要因。要素技術ではなくユーザ価値に起点を置く「システム」に注目すべき。

⑥ 体験重視のリカレント教育支援

社会人向けリカレント教育トレーニング、特に経営(OM)を含む体験・教育・研究活動、起業支援・雇用開発などの機能を統合したデモ施設・実証ラボの機能が各地に必要。既に環境はそれなりにあり、これらをつなげて活かすべき。

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RRIの活動体制強化・運営体制構築

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1

◼本格的な活動は兼務状態のボランティアでは限界。海外各国特に独はおそらくかなりの規模の検討作業予算が確保されていると推測されるが、対応する工夫が必要。

◼海外情報の収集と整理・提供活動がメンバーの期待と考えられ、同時に海外組織との常時・緊密なネットワークの強化が急務。

◼RRIは具体的な産業政策のアイデアを提案し続ける組織。 行政と協働した提言・諮問・勧告するシンクタンク的組織としての活動が求められている。

◼第4次産業革命のメリットと留意点を独文書やWEF文書からやさしく整理することが効果的。大量の文献を翻訳・整理し体系的に理解していくことがRRIには求められる。これは、エンジニアレベルの詳細な資料だけでなく、経営層がみて直観的に理解しやすい説明資料も必要である。

◼ Acatechの勧告書、サービスベルト、実現戦略を併せて解説するような「白書」を作成することが至急必要。

◼日本の企業がどのような認識で対応を考えているのかについて、調査必要(もの白との連携)。

◼大量のドキュメントのわかりやすい翻訳活動、技術者によるレビューを含めた解説本の公開が、早期に必要(各企業が専任でアサインするか、外部機関に委託)。

◼背景

➢ 国・企業からみると情報洪水で、逆にインテリジェンスが不足。報告書の位置づけと重要度すらキャッチアップすることは容易ではない。正直、手探り状態。管理シェルとセキュリティの8本の報告書ですら、翻訳後、解釈できる学識が乏しい状況。

➢ 和書の雑誌情報では、取材主体のセールストークに左右され、本質を見失う危険性がある。基本各取材対象企業のセールスが目的であり、情報のバイアスがかかっている。マクロ観に乏しい。

➢ もちろん、各企業はそれぞれ独自に情報をしている。(ドイツへの現地調査等)しかしながら、眼に見えるものに偏っている傾向がある。

➢ この結果、情報収集も十分ではなく、短期的視野でエビデンスのない楽観論に陥っている危険性がある。

RRIは国内外で日本のIIoT・第4次産業革命・ConnectedIndustriesものロボの推進主体である。このための運営体制構築が必須であり、行政協働・予算・体制が課題。

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国際的学識者の巻き込みの拡大2

◼ 日本の学は、現状では当該領域にあまり関心がないようにみえる。大学・大学院を巻き込むには時間を要する可能性が高い。R&Dや技術開発というよりも”技能”に属するとみなされていることがその理由ではないか。

◼ 日本の経営学は、もともと文系と考えられており、OM科目を明示的に取り扱っているのは神戸大学とグロービスだけのようである。数少ない日本のOM(JOMSA学会他)の教授を多数巻き込み、経営の立場からの評価システムを組織化すべき。

◼ 一方、海外では関心が高い。理由の1つは、MBA教育のOM科目の教授の層の薄さと考えられる。技術研究の対象としてだけでなく、使いこなすマネジメントの問題を併せて研究している学者(KITのジブカ教授他)も多い。

◼ 広い範囲の学識、ポストDr.の有給での投入が必要。科研費の投入も要請することが必要ではないか。

◼ OM以外では、特に経営工学系。機械系、電気系、ソフトウェア系、通信系は当然だが。生産管理や生産システム工学などのシンセシスを重視する研究が重要。

◼ 米国ERC(エンジニアリングリサーチセンター)の研究方法は参考になると考えられる。

◼ 「ものづくり」は、技能の問題だとする製造業のマインドを変えていくことも必要と考えられる。

RRIの検討体制を充実させるためには学識を巻き込むことが重要である。国際学会で活躍している経営工学・オペレーションマネジメントなどの学識者を巻き込む。必要に応じて、彼らの人脈で海外の学識者にも支援いただく。

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国際及び国内(Society5.0、C.I.)概念含めたシステム化・構造化

◼ 国際で議論している最上位の概念とSociety5.0提言の超スマート社会との構成要素である「スマートな製品」と「データ活用によるサービスを提供するプラットフォーム」について、このレベルの抽象度でシステム化・

◼ ソサエティ5.0で提言されているスマートシティの範疇は、実はインダストリ4.0の国際標準が基礎となる可能性が高い。RAMI4.0のカバー範囲の政策的意義を理解するべきである。

◼ ソサエティ5.0の全体像と独のI4.0関連の活動の位置づけの整理を行うことが重要。

➢ 「Recommendations of Strategic Initiative for Industrie4.0」の冒頭にはまずこのことが記載されていることに留意すべきであろう。

◼グローバルエコシステムを最大限活用し、スピードを買うというアイデアも有効

◼ 国際標準化により急進展する産業構造のモジュール化◼ 「グローバルエコシステムV.S.日本型フルセット型産業」という構図のリスク◼ 国際標準はサービス主体にとってメリットが大きい◼ 中小企業のグローバルエコシステムへの組み込みが大企業にとっても重要◼ 国際標準化検討活動は、マーケティング活動(サービス、コンポーネンツ双方で)

◼ 国際標準化検討活動とその情報共有は、産業政策として推進すべき。(英語の障壁はまだ大きい)

添付資料:新解釈を参照のこと(次頁)

構造化を整理が必要。

ソサエティ5.0で提言されているスマートシティの範疇は、実はインダストリ4.0の国際標準が基礎となる可能性も高い。RAMI4.0のカバー範囲の政策的意義を理解するべきである。

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Industrie4.0の世界観(新解釈)

スマートエナジー

スマートロジスティック

スマートファクトリー

スマートビル・ホーム

スマートxxx共通のCPSプラットフォーム(スマートxxx間を連携)

スマートプロダクト

スマートプロダクト

スマートプロダクト

スマートプロダクト

サービス・アプリケーション

・・・

I4コンポーネントにより、スマートプロダクトが構成され、それぞれの分野(スマートxxx)のサービスを、共通のCPSプラットフォームを介して各分野のスマートプロダクトが連携して、提供する世界を目指す。このスマートプロダクトとその生産及び生産プロセス自体の生産を対象にしたものがIndustrie4.0。

「Recommendations of Strategic Initiative for Industrie4.0」より整理

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産業界へのアピールの強化4

◼ 中小製造業では、事業承継や事業成長に伴う「経営技術、製造技術の暗黙知を形式知化、組織知化、システム化して、事業のスケーラビリティを支える仕組みを構築することが重要である。取引先の海外移転に伴う海外進出、新興国への技術移転、M&Aの際の技術移転、何より経営承継の問題への即効性のある解決策となるのが、IOT・第4次産業革命である。

➢暗黙知がデジタル化されれば、経営層のマネジメントの方法が変わる。事業承継のボトルネックといわれるCEO人材も、異業種からの登用を含めて考えられるようになる。例えば、金融業界からCEO人材が登用できれば一石二鳥である。適切なカリキュラム作成ができれば3ヶ月程度のトレーニングで製造業のCEOのための基礎知識は教授可能ではないか。

◼ 大手グローバル製造業においては、海外進出のスピードを向上させることができる強力なツールである。現在は、リーマンショック以降削減してきた生産技術部門の数少ないエンジニアが多忙を極めている状態である。人的資源が事業成長のボトルネックとなっていることは、それだけで課題である。また、M&Aの際のPMIの課題も解決しやすくなり、M&Aの生産性が向上する。大きな経済効果であろう。

➢ さらに新事業創造の機会でもある。製造ノウハウをプラットフォームサービスとして展開していく、先進国製造業の新事業の創造も期待できる。電気自動車化で生じるパワートレイン系のエリート技術者を新事業へ取り込めば一石二鳥である。

◼ 大手製造機械製造業にとっても、各種のモジュール構造が設計され、モジュール間インタフェイスが国際標準になることは、グローバルな市場へのアクセスが比較的容易になるという効果が生じる。このことは大きなメリットである。

◼ 製造ラインのシステムインテグレータにとっては、大きな事業機会が到来している。モジュール間インタフェイスの国際標準化により、インテグレーションのコストが低下し、優れたモジュールの提供も期待されるため価値も向上する。

➢日本にも中堅の製造ラインのシステムインテグレータが少数であるが存在している。これらの企業を、日本発のグローバル企業として積極的に育成・支援していくことは効果的と考えられる。

➢特に、システムインテグレータがIOTなどで継続的な保守サービス事業を展開することは比較的容易とも考えられる。➢輸出できるサービス産業として戦略的に育成する教育カリキュラム開発が効果的である。日本の製造業技術者(自動車産業などから)の転進産業としても重要と考えられる。

今回の革命は、日本企業の閉塞を打破する機会を創造する。このメリットを強く日本の産業社会にアピールしていくべき

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”システム”的アプローチのアピール強化5

◼経営システム全体を視野にいれた政策が効果的である。◼例えば、海外での議論は、SCMとERPの活用は前提とした議論が多い。◼一方、日本の製造現場でのERP活用はむしろ遅れている。(標準原価計算、工程別製品別原価、OEE、MTB、

MTTPなどは把握されていない現場が多いのではないだろうか)

◼ データを経営として活用していくためにはERP、SCM、MES、3DPLM、・・・などのエンタープライズITについての普及も併せて行うことが効果的である。人工知能やロボットを単体で導入しても生産性向上に結びつくことは少ない。工場全体のマネジメントの視点で検討するべきである。つまり、工場や工場ネットワーク、企業ネットワーク、サプライチェインを「システム」とみることが重要である。

◼ システム全体を視野にいれた政策が必要である。中小企業支援政策として、シンガポールなどのアジア諸国と比較しても見劣りする状態になっている危険性もある。

◼ これらのソリューションのクラウド化が急進展しており、中小企業にも活用しやすくなってきた。あるERPのクラウドサービスは、ユーザー(Named USER)10人でも約300万円/年で活用できる。グローバルで普及しているAPICS標準の業務についての教育機関などは、アジア諸国にならい常時調査を行い公的に支援していくべきであろう。

◼中小企業支援政策として、シンガポールなどのアジア諸国と比較しても見劣りする状態になっている危険性もある。

◼グローバルで普及しているAPICS標準の業務についての教育機関などは、アジア諸国にならい公的に支援していくべきであろう。

IOT、ビッグデータ、人工知能、ロボットなどの新領域にフォーカスがされすぎる傾向が企業の理解を妨げている要因となっている可能性もある。“投資効果が乏しい”という理解はこれが理由と考えられる。要素技術ではなく、経営の「システム」面に注目すべきである。

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19

リカレント教育体制整備6

◼ 海外事例 シンガポール等で開設されている(ARTC等)常設のデモ施設(1日、2日、1週間:現場、経営層、技術幹部向け)、常に新技術を評価するチームが常設。

◼ 形態は、大学の付置研究所か全国の高専、公設試などの活用とネットワーク化が考えられる。常設のカリキュラムを構築すべき。

◼ 例えば、金融産業からCEOを、システムインテグレータ向けのエンジニアを自動車産業から登用するカリキュラムの設置

◼ 社会人ドクターコース他、ビジネススクールなども有効と考えられる。

◼ 下記に、こうした社会人リカレント教育体制の整備(案)を示す。① 国立研究機関・大学・公設試・高専をオープンイノベーションの拠点に② 技術者の短期トレーニングセンター③ 常設のテストベッド(ラボ)④ 経営者教育の重要性(OMビジネススクール、社会人リカレント教育)⑤ ビジネスマッチングセンター・スタートアップ・インキュベータ・アクセレレータ⑥ VCや金融機関との連携

社会人向けリカレント教育トレーニング、特に経営(OM)を含む体験・教育・研究活動、起業支援・雇用開発などの機能を統合したデモ施設・実証ラボの機能が必要。

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社会人リカレント教育の類似例

カールスルーエ工科大学のテストベッド(PLM、VR、AR)

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(参考)事務局からの論点案の提示

RRI推進役として何をすべきか(横串)

アーキテクチャは重要か

企業

サプライチェーン

エンジニアリングチェーン日本の戦略(仮説)は

サービス化の捉え方(米国)

グローバル市場の捉え方(例:独中)

多民族グローバル企業ベンチマーク

国内外への発信ーリーディングプレゼンス

目標共有イメージ 産業構造はどう変化するのか

どうしたら、動くのか、リーダ経営者問題

中小企業の扱いは主対象か

セキュリティ

協調領域・オープン・標準化戦略

目的・Whyは何?

事務局仮説① 日本の広義のものづくり分野で、第4次産業革命の対応

は遅れている。② 国内目線、日本の強み=ものづくりに意見が偏り、客観

視できていない。③ 2035年を考えると、労働人口問題や基幹産業の自

動車にも大きな変化があり、そもそも産業構造も変わる。④ こうした中で、しっかり海外動向を把握しなければならない。⑤ では、海外動向のどういう点や組織を調べていけばいい

だろうか。

事務局仮説以外に漏らしている視点は

調査先

調査項目・対象