ニュージーランド・サザンアルプス山脈とカンタベリー平野 ......2012年度 3...

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2012 年度 (1月) 3 学期 学期号 社会科のしおり 中学校 ニュージーランド・サザンアルプス山脈とカンタベリー平野(解説:裏表紙)

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  • 2012年度(1月)3

    学期号学期号

    社会科のしおり中学校ニュージーランド・サザンアルプス山脈とカンタベリー平野(解説:裏表紙)

  • ●①

    ●④ ●③

    ●②

    表紙写真解説

    南半球に位置し日本と同じような緯度にある島国、ニュージーランド。ヨーロッパ人としてこの島に初めてやってきたオランダ人タスマンによって故郷の地名から「ノヴァ・ゼーラント」と名づけられ、それを英語読みしてニュージーランドとよばれるようになった。最初に訪れた北島南東の都市、ネーピアにある日本の王子ホールディングスの木材加工・パルプ工場(写真①)では、ラジアータパインを原料にウッドチップやパルプ、製材を生産している。同社のネピアティッシュのブランド名はこのネーピアに由来しており、ここでつくられた製品は日本や中国などに輸出されている。なお、写真の撮影場所は小高い丘になっており津波の際には近隣住民の避難場所に指定されている。続いて訪れた北島の地熱地帯、タウポ湖付近には1950年に建設されたワイラケイ地熱発電所(写真②)がある。自然エネルギー先進国としても知られるニュージーランドは、電力の約6割を水力、約1割を地熱、約0.5割を風力で発電している。南島に渡り、サザンアルプス山脈西麓に位置するカンタベリー平野(表紙写真)では牧畜・小麦の混合農業が行われている。いたるところに羊がいるが、臆病なので写真を撮ろうと近づいてもすぐ逃げてしまう。しかし子羊は別で、ミルクを欲しがる鳴き声を出しながら近づい

    てきてかわいかった。かつては人口の数十倍の羊を少ない労働力で飼育していたが、近年では羊毛価格の低迷などを受けて、収益性の高いシカやアルパカを飼育する農家も増えてきている。クインズタウンに移動し、イギリス製のキャンディー

    やチョコレートを販売する店(写真③)では、ラグビーの全国大会に来ていた子どもたちに出会った。クリケットやヨットなどイギリス伝統のスポーツがさかんであり、なかでもラグビーは子どもから大人まで大好きな国技である。国の代表チームのオールブラックスは試合前に、自分たちを鼓舞する先住民マオリの伝統的な踊り、「ハカ」を踊ることでも有名である。クインズタウンから車で向かった南島南西部のミルフ

    ォードサウンド(写真④)は1年のうち300日は雨が降るといわれるが、晴天に恵まれ、切り立ったフィヨルドの山と湾の景観を満喫することができた。世界中から観光客が訪れるこの環境や固有種を守っていく取り組みは、国の自然保護省(DOC)を中心に行われ、保護だけでなく気軽に自然のなかを歩けるように、いたるところにウォーキングコースを整備している。豊かな自然を大切にし、その自然とともに楽しみなが

    ら自分たちのペースで歩んでいく、ニュージーランドの人々のくらしや産業を実感する取材となった。

    ニュージーランド取材記−豊かな自然に根ざしたくらし−� 帝国書院取材班

    (写真:帝国書院 2012年9月撮影)