リモート・バッチによる受注出荷システム · (1)受注処理...

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小特集・HITAC Mシリーズアプリケーション ∪.D,C_ る81.322.021::る21.398]:[る5 リモート・バッチによる受注出荷システム 信越化学工業株式会社における適用事例 Order EntrY SYStem bY Remote Batch 化学業界は,スケーールメり・ソトを追求した設備投資凝争も飽和状態となl)厳しい こ状況`卜にあるく「そのため,企業柄動の効や化、体質の強化が従来にまして重要な課 題とな/1ているL⊃ このような背景のもとで,リモート・バッチ処坤を川いて受注出荷システムの構 築を行なった結果,リモート・バッチ処f軋ま分散化ネットワークを実現するうえで 有効な一一手i‡見であるとの結論を得ることができた。 また,=モート・バ、ソナ処理とファイル伝送機能とを介わせて使用することによ り,中央側コンビュー1タ負荷の軽減と,中央で管理統制された分散システムが容易 に芙阜乙することができるし〕 l】 近年,コンビュー一夕利用による企業経常は,オペレ、-ショ ナルなレベルからマネジメントのレ〈こルへと発展している。 また,ますます子安推化するイ巨業システムも 卜"タルシステム 化を指1「りLたものへと大きく変化Lている。装置工業各社で も経′削市報管理システムの中で,ノ受注出荷システムは重要な 一角をJiめ,企業の特惟を生かしたシステム建設が行なわれ ていることは周知のとおりである。 本稿では,信越化学工業株式会朴(以一卜、信越化学と略す) で計画中の全社的オ∬ダエントリーシステムのうち,既に 実施済みのりモート・バッチ処理を利絹した′受注出荷システ ムについて述べ考察を加える。 システムの概要 2.1 コンピュータ対象コ業務 信越化学は,本社にHITAC M-160ⅠⅠシステムを,二「場に HITAC 8250システムを採用している。「由jシステムとも,昭 和52年1月から稼動している(つ また,各_jl場ではプロセス制 御川のHIDIC,YODIC及び半自動倉嘩などのシステムを採用 L,受注出荷システムと結びついた生亮システムに活用して いる。 現在,コンピュータシステムの'卜で管理・道川されている 業務は,次のとおりである。 (1)経営管理業務(企画・経理) (2)+i務管理業務(人事,給与一,財務,資材,特許など) (3)営業安江出荷イF三庫管理業務 (4)とh車計画・生産管理業務・物流システム (5)関連会社受託業務 (6)技術計算 2.2 ハードウェア構成 図=ニハードウェア構成を示す。 リモート・バッチ処理の導入と方針 3.t リモート・バッチ処王里導入の背景 信越化学では,′受注出荷=管理システムのデータ処理にりモ 松・本 健* 鳥居哲郎** 茅野千治** 中内輝幸*** 〃αf51JmOrO れ上たeざんノ r-)γよぎ T(フ王ぶTlr∂ 〟叩帥〃 Cろgん〝r〟 ∧bた〟〃一亡ムJTpγ咽び鬼才 ーート・バッチ処理を導入した。導人の背景は,二大のとおりで ある。 (1)本社システムの負荷の軽さ成 √受注・出荷のデ…タ処理をすべて本朴側で行なうことは, 本朴側のシステム資寸原の確保,ファイルの参照矧空の増加な どにより,かなりの負荷が増加する。これに対処するため, 出荷処亨里業務を工場へ分散させ,工場側でデータのチェック. フ1フィルグリ乍成を行なし、,本社の負荷を工場側で斥j代わりする(, (2)アビイラビリテイ(Availability) 本社システムのファイル,プログラム資源を工場に定期的 に送信し,本社システム故障時に対してもロMカル処理を‾iけ 能とする。 (3)データ品質の向上 工場内処現により,本社システムに′受イi一言されるデータのiロー 質を高め,本社処理の効率化を図る。 (4)分散化ネットワーク 分7牧処理を耗に一言越化学のシステムを標準化し,テ■一夕ベ ースの本社集中化と各サブシステムの木‖互利用,ノ女びシステ ム全体の管理・純子別を本社で行なう。 3.2 機械イヒのねらい 信越化学では,コンピュータシステムの利用形態とLて, 分散化指・向を目指しており,その節一一f_那皆として,本社にホ スト・コンビュⅦタを,工場にリモート・コンピュータを導 入し,ホスト側の負荷の軽減とりモート側の独立処理を行な うシステム構築を行なった。 二大の段ド皆として,節一一段階のシステム構成に,データエン トリーシステム(硯七三,各工場,関連会社と本社の間で個々に 公衆L司線で結んでいる),ファックス網(各支店,官業所と本 社間でネットワークを組んでし-る),工場のプロセスコンピュ ータなどを組み入れ,生産システムまでを含めた全社トータ ルシステム体系に進めることをねらっている。 受注出荷管理システム イ■三越化学でのノ受注出荷管理システムの構成を図2にホす。 * 信越化学工業株式会社システム部 ** 日立製作輯ソフトウェア工場 *** 日立製作所コンピュータ営業所 41

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Page 1: リモート・バッチによる受注出荷システム · (1)受注処理 受注担当部署は,本社,各官業所にあり,得意先,契約先 からの注文は電話で受注担当者に連絡される。担当者は,受

小特集・HITAC Mシリーズアプリケーション ∪.D,C_ る81.322.021::る21.398]:[る58・813:る58・788]

リモート・バッチによる受注出荷システム信越化学工業株式会社における適用事例

Order EntrY SYStem bY Remote Batch

化学業界は,スケーールメり・ソトを追求した設備投資凝争も飽和状態となl)厳しい

こ状況`卜にあるく「そのため,企業柄動の効や化、体質の強化が従来にまして重要な課

題とな/1ているL⊃

このような背景のもとで,リモート・バッチ処坤を川いて受注出荷システムの構

築を行なった結果,リモート・バッチ処f軋ま分散化ネットワークを実現するうえで

有効な一一手i‡見であるとの結論を得ることができた。

また,=モート・バ、ソナ処理とファイル伝送機能とを介わせて使用することによ

り,中央側コンビュー1タ負荷の軽減と,中央で管理統制された分散システムが容易

に芙阜乙することができるし〕

l】 緒 言

近年,コンビュー一夕利用による企業経常は,オペレ、-ショ

ナルなレベルからマネジメントのレ〈こルへと発展している。

また,ますます子安推化するイ巨業システムも 卜"タルシステム

化を指1「りLたものへと大きく変化Lている。装置工業各社で

も経′削市報管理システムの中で,ノ受注出荷システムは重要な

一角をJiめ,企業の特惟を生かしたシステム建設が行なわれ

ていることは周知のとおりである。

本稿では,信越化学工業株式会朴(以一卜、信越化学と略す)

で計画中の全社的オ∬ダエントリーシステムのうち,既に

実施済みのりモート・バッチ処理を利絹した′受注出荷システ

ムについて述べ考察を加える。

同 システムの概要

2.1 コンピュータ対象コ業務

信越化学は,本社にHITAC M-160ⅠⅠシステムを,二「場に

HITAC 8250システムを採用している。「由jシステムとも,昭

和52年1月から稼動している(つ また,各_jl場ではプロセス制

御川のHIDIC,YODIC及び半自動倉嘩などのシステムを採用

L,受注出荷システムと結びついた生亮システムに活用して

いる。

現在,コンピュータシステムの'卜で管理・道川されている

業務は,次のとおりである。

(1)経営管理業務(企画・経理)

(2)+i務管理業務(人事,給与一,財務,資材,特許など)

(3)営業安江出荷イF三庫管理業務

(4)とh車計画・生産管理業務・物流システム

(5)関連会社受託業務

(6)技術計算

2.2 ハードウェア構成

図=ニハードウェア構成を示す。

田 リモート・バッチ処理の導入と方針

3.t リモート・バッチ処王里導入の背景

信越化学では,′受注出荷=管理システムのデータ処理にりモ

松・本 健*

鳥居哲郎**

茅野千治**

中内輝幸***

〃αf51JmOrO れ上たeざんノ

r-)γよぎ T(フ王ぶTlr∂

〟叩帥〃 Cろgん〝r〟

∧bた〟〃一亡ムJTpγ咽び鬼才

ーート・バッチ処理を導入した。導人の背景は,二大のとおりである。

(1)本社システムの負荷の軽さ成

√受注・出荷のデ…タ処理をすべて本朴側で行なうことは,

本朴側のシステム資寸原の確保,ファイルの参照矧空の増加な

どにより,かなりの負荷が増加する。これに対処するため,

出荷処亨里業務を工場へ分散させ,工場側でデータのチェック.

フ1フィルグリ乍成を行なし、,本社の負荷を工場側で斥j代わりする(,

(2)アビイラビリテイ(Availability)

本社システムのファイル,プログラム資源を工場に定期的

に送信し,本社システム故障時に対してもロMカル処理を‾iけ

能とする。

(3)データ品質の向上

工場内処現により,本社システムに′受イi一言されるデータのiロー

質を高め,本社処理の効率化を図る。

(4)分散化ネットワーク

分7牧処理を耗に一言越化学のシステムを標準化し,テ■一夕ベ

ースの本社集中化と各サブシステムの木‖互利用,ノ女びシステ

ム全体の管理・純子別を本社で行なう。

3.2 機械イヒのねらい

信越化学では,コンピュータシステムの利用形態とLて,

分散化指・向を目指しており,その節一一f_那皆として,本社にホ

スト・コンビュⅦタを,工場にリモート・コンピュータを導

入し,ホスト側の負荷の軽減とりモート側の独立処理を行な

うシステム構築を行なった。

二大の段ド皆として,節一一段階のシステム構成に,データエン

トリーシステム(硯七三,各工場,関連会社と本社の間で個々に

公衆L司線で結んでいる),ファックス網(各支店,官業所と本

社間でネットワークを組んでし-る),工場のプロセスコンピュ

ータなどを組み入れ,生産システムまでを含めた全社トータ

ルシステム体系に進めることをねらっている。

口 受注出荷管理システム

イ■三越化学でのノ受注出荷管理システムの構成を図2にホす。

*

信越化学工業株式会社システム部**

日立製作輯ソフトウェア工場***

日立製作所コンピュータ営業所

41

Page 2: リモート・バッチによる受注出荷システム · (1)受注処理 受注担当部署は,本社,各官業所にあり,得意先,契約先 からの注文は電話で受注担当者に連絡される。担当者は,受

836 日立評論 VOL.59 No.10(柑77-10)

旬■

コンソ‾ル

ディスプレイ

コンソール

ディスプレイ

磁気

ディスク装置 ×6~

磁気ディスク制御裳置

磁気

テープ装置

X4--

磁気テープ制御装置

BLMPX SEL

HITAC M-16011

BYMPX

カード読取機 カードせん孔枚

カード読取機

ラインプリンタ

×2

々 々● ′

ラインプリンタ

通信制御

装 置

注:略語説明

BLMPXニブロック・マルチプレクサ・チャネル

SEL=セレクタ・チャネル

BYMPX=バイト・マルチプレクサ・チャネル

CCH=コミュニケーション・チャネル

DCH二=ディスク・チャネル

MPX=マルチプレクサ・チャネル

財・=モデム

×-Y

プロッタ

フロッピー

入出力装置

D-1回線4,800BPS

MPX CCH

HITAC 8250

DCH SEL

磁気ディスク

装置

×2-

磁気テープ

制御装置

磁気

テープ

装置×2~

受注出荷業務の機能及び管理目的により,受注管理,出荷管

理、在庫管理,輸送管現 売掛上司収管理及び顧客管理の各サ

ブシステムから構成されており,これらは互いに関過し,・受

注から出荷までの一連の処理を行なうシステムとなっている。

しかも,これらのサブシステムは販売計画,経理,生産計画

の各管理システムと有機的につながり,信越化学での情報処

理システムの重要な位置を占めている。

4.1 システムの特徴

信越化学での受注出荷管理システムの特徴は,全社的なシ

ステム建設の基本にたち,分散化処理の考えを取り入れてい

ることである。受注出荷業務は,組織の広がりに伴って情報

の発生箇所が散在する傾向があー),信越化学でも受注業務は,

本社と各営業所で行ない,出荷業務は各工場で行なっている。

このように惟格の違う情報を一部門で扱うことは,情報処理

部門(信越化学では本社)の負荷を増大させ,データ発生から

処理結果までの時間が長く,現場の不満が生じ,個々の事情

を配庵した処理ができにくい。こうした背景から,工場コン

ピュータで出荷処理を行なっている。

4.2 システムの機能

次にシステムの機能を図3に基づいて説明する。

(1)受注処理

受注担当部署は,本社,各官業所にあり,得意先,契約先

からの注文は電話で受注担当者に連絡される。担当者は,受

注メモをとり,これによr)受注伝票を発行する。次に在庫管

理表により製品の引当てを行ない,出荷指図書を起票する。

在庫不足の場合は,他倉庫へ出庫依頼をするか,工場へ製造

依板をするく,

受注伝票は,営業所から航空便で本社へ送付のうえ,受注

42

図l ハードウェア構成例

D-1回線でHITAC M-16011とH-

8250間のリモート・バッチが行

なわれている(

テ′一夕

ニ⊂ントリーシステム

公衆固持

テサーク

エントリーシステム

プロセ ス

コンピュータ

支店

営業所

関連会社

工場

デ【タとLて処手堅され,本社システムのファイルに登録され

る。)また州荷指[ヌ】詩は,ファックス網を利用して工場へf去速

さオし,工場は山荷業務を行なう。

(2)出荷処理

工場では,伝送された出荷指図書に甚づき出荷計画を行な

い 出荷日当日に倉庫から製品を取り出し,J-rl庫伝票を起票

する。これらの各情報は,工場のコンピュータで処理され,

出荷データとしてファイルに茸録される。

(3)在庫管王撃

・工場側では,製造予定,製造実績の各情報から入庫処理を行ない,前項の出荷データよI)出席処理を行なって存庫情報

を更新する。次に在庫情報を本社システムに送信し,受注デ

ータとの消込み処理を行なわせ,当日在庫データを本社より

′受け耽る。本社側では,在庫更新処理後,在庫管理表などを

作成する。

(4)請求処理

請求処理は,月2回本社側で行なう。売上実績ファイルか

ら請求吉を作成し,これらを各営業所へ郵送する。営業所か

らの入金データは本社へ郵送され,経理システムと結び付け

ている。

E リモート・バッチ処理の適用

5.1 留 意点

リモート・バッチ処理適用の留意点を述べる。

(1)ソフトウェアの共通化

全社統一された標準システムを可能とするため,

場のコンピュータシステムは,同一のオペレーテイ

本社,工

ングシス

テム思想のVOSl(Virtual-StOrage Operating Systeml)

Page 3: リモート・バッチによる受注出荷システム · (1)受注処理 受注担当部署は,本社,各官業所にあり,得意先,契約先 からの注文は電話で受注担当者に連絡される。担当者は,受

リモートバッチによる受注出荷システムー信越化学工業株式会社における適用事例一 837

受注処理サブシステム

受注受付処理

受注日報作成

受注伝票発行

受注統計処理

在庫受払サブシステム

製品在庫管理

製品棚卸処理

返品戻り処理

製品在庫統計)王

出荷管理サブシステム

出荷案内/伝票発行

出荷計画表作成

出荷日報

出荷統計

輸送管理サブシステム

配送管理

ーヨき全集運賃巨理 テ

■「

売掛回収管理サブシステム

売掛管理

請求書発行

粗利益計算

売上統計

顧客管理サブシステム

蘇客管理台帳

与信限度管理

そ の 他

予測シ ス テム

販売予測,需要予測

●販売計画システム

販売計画

販売予実績

製品在庫計画

経理シス テム

生産計画システム

◆生産管理システム

図2 受注出荷システムの構成 受注出荷システムと他のシステムと

の関係を示す。

支店・営業所

土居

(

茹而

家)

契約先.℡

受注伝票

売上伝票

在庫管理表

売掛リスト

請求書

販売統計

受注メモ

出荷指図書

∈ヲ・

営 業 所 倉 庫

1巴ヨ中

航空便

FAX

FAX

郵送

とNDOS(New Disk Operati叩 System)を似絹する。

(2)RMT-RESPによる処理

†ム送効率を高れ 多量のデータの送′受イ■i一言が行なえ,Lかも

コンビュMタ間でメッセーージ‾交換が行なえるリモート・バッチ

処坪プログラムとして,本社側はVOSlの下でRMT(Remote

Batch Program)を,工場側はNDOSの1、IでRESP(Remote

Batch Station Program)を採用する。

(3)ファイル伝送処理機能の開発

メイン・ファイルはすべて本社で管理,

工場側のファイルと「司期する必要がある。

と二L場間のファイルの送′受信機能をりモ【

作成するために,

このために,本社

ト・バッチに組み

人れる。

(4)管王単音仕分担

本社側はプログラム資源管理の,工場側は実行手順と処理

結果の責任を持ち,それぞれの分担を明確にする。

(5)工場側からの処理要求方式

1jモート・バッチ処理の要求は,すべて工場側から行ない,

本社側の処理とは独立したシステム資源を使用する。

5.2 処理概要

次にリモート・バッチによる処理の概要を図4,5,6に

従って説明する。

か一ドにパンチされた′受注データは,本社のHITAC M-160ⅠⅠ

システムのパーティション2で処理され,受注ファイルに驚

録される。.丁場のHITAC8250システムでは,領域2で出荷

処+理を実行し,

荷処理終了後,

ため,リモート

実行準こ備を行な

エ場倉庫

工場の出荷ファイルに発録する。工場では山

人樺,=荷状況の各デⅦタを本社に伝送する

・バッチのファイル伝送機能を使用し,†云送

つ。

本社側では,一之注受付け処理が終了すると,ファイル伝送

を実行し,工場データを受け収る。伝送終了後,′受注と出荷

データ,入庫デ【タから受注残の更新,在庫の更新放び売上

実績の処王里を行なう。

本 社

受注管理

在庫管理

出荷管理

売掛管理

顧客管王里

HITAC

M-160ⅠⅠ

システム

受;主

出 荷

データ

需要予測

販売計画

資金計画

財務計画

特定回線 リモートバッチ

工 場

生産管理

倉庫管理

輸送管理

HITAC

8250

システム

生産計画・出荷計画

・出庫報告

・在庫リスト

・出荷指図書

∈評

1■

図3 受注出荷の概念 受注から.本社処理~エ場内の出荷処理までの情報の流れを示す8

H工D工C

YODIC

+ニヨ

43

Page 4: リモート・バッチによる受注出荷システム · (1)受注処理 受注担当部署は,本社,各官業所にあり,得意先,契約先 からの注文は電話で受注担当者に連絡される。担当者は,受

838 日立評論 VO+.59 No.川=977-10)

営 業 所

受 迂

出荷指図 受注伝票

L___

L--------1

FAX網

航空便

場:

出荷指図

製品受入伝票

受入カード

検査カード

検査判定

出荷計画

出 荷

出荷カード

【ITAC8250

シ ス テ ム

在 庫L

受注情報

HITAC

M-160ⅠⅠ

システム

受%荷

受 這

出荷状況

出荷連絡

請求書

売上実積

受注残

在庫管理

リモート・バッチ処理

図4 受注出荷のコンピュータ処理概念 受注と出荷のリモートりヾ

ッチ処理の流れを示す。

5.3 効 果

(1)ファイルの統一一化

ファイル伝送機能を開発したことにより,本社側で統†ナ,

共通化されたメインファイルを管理し,工場側では,本社側

のサブセットを持つ。また月に一回,定期的に本社から二L場

へマスタ(取引先マスタ,儀一業マスタなど)を伝二道することに

よリフ7イルの統一-が行なわれた。

(2)システム設計,運用の標準化

「叶-一一のオペレーティングシステム思想の下でう重用Lている

ため,本社側で開発,設計したシステムをそのまま工場で催

用することができ,開発工数の削減とシステム維持工数の削

i城,及びシステムの標準化が図られた。

(3)「二場システムの確立

処理結果を,工場独自の内容にかえて出力することができ,

またデータの入力から処理結果までの時間が短縮された。

ファイル伝送機能により,本社ファイルのサブセットを持

つことができたため,工場処王里システムが確立され,工場内

では,物と情報の動きが一致し,リアルタイムの必要作がな

くなった。

(4)分散化ネットワークシステムの基礎固め

受注出荷管玉里システムをリモート・バッチ処理で運用した

ことにより,信越グループ全体のネットワーク体系の基礎間

♂)ができた。

l司 結 言

受注出荷管手堅システムの処理手段として、リモート・バッ

44

リモートジョブ入力

リモートジ]

処理結

○・⊂コ

スーパ′リザ(NDOS)

領域1

RESP

領域2

スーパバイザ(〉OSl)

パーティシ〕ン4

′トティション3

パーティション2

ハ一丁イション1

共用領域

ジョア

実 行

工場側 本社側

注:RMT=RemoteBatoh Program

RESP=Remote Batoh StationProgram

「処王里結果

◆○⊂コ

図5 リモート・バッチ処‡里形態の一例 工場及び本社のコンピュ

ータ内の処‡里形態を示す。

//RJOBジ ョ フ

実行結果

NDOSスプール管‡里

RESP

送信バッファ工 場

土受信バッファ

ふJ

RMT

リモート

入力リーダ

リモート

出力ライタ

キューファイル

VOSlスプール管理

L___ファイル伝送プログラムの

実 行

イ・

復 元

F2

工場業務へ

〉主:----一 制御の涜れ

・-・・・・データの流れ

Fl,F2 ファイル1及びファイル2

Fl

1■ファイル・

メインテナンス

リモート用に編 集

(パーティション2)

図6 ファイル伝送機能概要例 FlニF2の関係が成り立つ。本例では

本社ファイルをエ場へ伝送Lているが,この逆も可能である。

チ処理を過用Lた事例を述べたが,信越化学では将来計向の

レールに載ったものとして順調に運用してし、る。

最近のシステム体系の動向として,分散化ネットワークか

あるか,リモート・バッチ処理システムもそれらの▼-ヰ法で

ある。本件,工場のそれぞれ独立Lた処理と全体の管理体系

の統一一化を目的とLたシステム埋設を行なうユ【ザ一に対し

ては,今後,適用の一一手段として使用されると考一える。

参考文献

1)小[11ほか:リモート バッチ端末処理プログラム,H_-く絹乙論,

56,1175(昭49-12)

2)HITACソフトウェア・マニュアル「‾HITAC VOSl りモ【

トバ・ソチ+マニュアルNo.8070-3-108,日二在製作所(昭51-9)