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Fintech Association Copyright©2018Fintech Association Of Japan All Rights Reserved. Fintechに関する規制上の論点 経済産業省 産業構造審議会 Connected Industries における共通商取引ルール検討小委員会 御中 一般社団法人Fintech協会 分科会事務局長 渥美坂井法律事務所・外国法共同事業 弁護士 落合孝文 資料6

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Page 1: Fintechに関する規制上の論点 - Minister of …...金を可能とするFintech事業者の参入が相次いでいる。 利用者の扱うFintech事業者としては、利用者に対して、決済のみならず、他

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Fintechに関する規制上の論点

経済産業省 産業構造審議会Connected Industries における共通商取引ルール検討小委員会 御中

一般社団法人Fintech協会 分科会事務局長渥美坂井法律事務所・外国法共同事業 弁護士 落合孝文

資料6

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ベンチャー会員のご紹介様々なジャンルのFinTechスタートアップ 105社以上が参加

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(一部抜粋)

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日本を代表する企業など250社以上が参加

法人会員のご紹介(一部抜粋)

金融機関

決済・ローン

通信

広告

ライフスタイル・メディア

SI・製造

テクノロジー基盤

商社・ビジネス開発

ソフトフェア

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荻野 調

工藤 博樹

マーク・ステファン・マクダッド

堀 天子

北澤 直

鷹取 真一

星川 高志

鬼頭 武嗣

神田 潤一

横川 毅

宮口 礼子

藤武 寛之

(会 長) 丸山 弘毅

(副会長) 木村 康宏

(副会長)ナタリー 詩織フレミング

(株式会社インフキュリオン・グループ 代表取締役)

(freee株式会社 執行役員社会インフラ企画部長 )

(ペイオニア・ジャパン株式会社 代表取締役兼ディレクター(APAC))

(財産ネット株式会社 代表取締役)

(株式会社メリービズ 代表取締役)

(マネーツリー株式会社 取締役)

(森・濱田松本法律事務所 パートナー弁護士)

(Coinbase 日本代表)

(株式会社Kyash 代表取締役社長)

(クラウドキャスト株式会社 代表取締役)

(株式会社クラウドリアルティ 代表取締役)

(株式会社マネーフォワード 執行役員 渉外・事業開発責任者)

(AlpacaDB, Inc. CEO)

(Ethereum Foundation Executive Director)

( リンクパートナーズ法律事務所 弁護士)

理事・監事のご紹介代表理事

理事

監事

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活動内容(分科会)のご紹介No 分科会名 概要

1 コンプライアンス 横断的規制・KYCなどに関する勉強・検討金融庁とのFintech時代のオンライン取引研究会に出席

2 API・セキュリティ APIおよびセキュリティに関する研究・検討全銀協・FISC・経産省等でのAPI検討会に出席

3 決済 決済に関する課題検討、キャッシュレス化推進経産省での割販法小委員会、カードAPI検討会等に参加

4 電子レシート電子レシート推進および会計・納税の環境整備について検討経産省の電子レシート実証実験に参加*決済、電子レシートを統合したキャッシュレス分科会として活動中

5 融資 新たな融資ビジネスモデル向けた検討、環境整備の検討6 投資資産運用 Fintechに即した環境整備に関する検討、他団体との意見交換7 保険 InsTechに関する検討・勉強会、環境整備に関する検討

8 キャピタルマーケッツ日本の発行体が資本市場において抱える課題を新しいテクノロジーを用いて解決。ICO・トークンセールについて自主的に勉強・検討

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Fintechのスタンスと金融市場拡大

UI・UXで体感

異業種とのリバンドル化

Fintechサービスとの連携で市場拡大・顧客獲得・利用活性化が可能に ユーザーに寄り添ったサービスが求められている

金融サービス活用層

【従来銀行】信頼・近さ(店舗)

金融サービス未活用層

預金 投資

【従来銀行】安さ・機能(PC)

決済送金 融資

預金 決済送金 融資

市場拡大/活性化デザイン思考・ユーザー本位

APIを通じたリバンドル化

預金 投資

【金融機関】

【利用者】

決済送金 融資

投資

A銀行

B銀行

C銀行

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データ利活用によるイノベーション

金融機関・事業者・利用者、それぞれのデータにより付加価値を生む状態へ 利用者に対し、金融機関を初めてとする事業者各社が保有する自己データへの「アクセス権」・「コントロール権」を

店舗利用者

• データアクセス

• 情報コントロール

• 利用許諾

利用者依頼による

購買・レシート連携決済データ購入データ金融データ行動データ予定データ

データを用いた

融資審査・運用等

• 決済手数料優遇

• トランザクションレンディング• 決済、金利優遇

• クーポン、割引

その他行動データ

活用

利用者依頼による

口座情報連携

Fintech

AI

金融機関(銀行、クレカ・・・) 事業者(非金融を含む)

利用者依頼による

行動情報連携

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Fintech企業の現状類型(金融機能観点)

銀行

銀行

金融商品取引業者

資金移動業者

前払式支払手段発行業者

電子決済等代行業

(ブロックチェーン、AI

、セキュリティ等)

技術提供・システム提供

利用者

利用者

利用者

仮想通貨交換業者

情報提供・集約、

機能提供

貸金業者

割販業者(クレジットカード含む)

銀行

保険会社

銀行代理業

金融商品仲介業

利用者

利用者

利用者

①新たな金融事業者としてのサービス提供②利用者の依頼による銀行等へアクセス③金融機関等への技術提供、④単なる情報サービス・機能提供 などが存在

②③

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保険代理店保険仲立人

貸金業(代理・媒介)

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1 中間的事業者に関する制度整備①「利用者のために」サービスを行う事業者に対し様々な金融機関との協業を可能とするための包括的な制度創設

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問題の背景 2018年の改正銀行法施行により、預金口座への決済指図等を行える銀行APIに接続する事業者電子決済等代行業が新たに登録制となった。これにより、自身では利用者の資金を預からず、銀行に指図を取り次いで、電子的に決済や送金を可能とするFintech事業者の参入が相次いでいる。

利用者の扱うFintech事業者としては、利用者に対して、決済のみならず、他の金融サービス受領・商品購入のために業務を提供し、利用者にデータ利活用による成果を還元できるはずである。

しかし、例えば、銀行業務との関係でも現状では媒介・取次概念があいまいで、銀行代理業が広く適用されている。また、貸付には利用者側の委託でも貸付の媒介を行うためには、貸金業法の適用があり、銀行法とは全く別の行為規制を遵守する必要が生じている。

さらに、金融商品取引法、保険業法といった銀行以外の金融機関を規制する法令との関係でも、金融機関のためのサービスを意識した代理・媒介に関する規制が多くあり、利用者側でサービスを提供するFintech事業者が、更新系APIを利用したサービスを展開することに強い制約がある。

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1 中間的事業者に関する制度整備①「利用者のために」サービスを行う事業者に対し様々な金融機関との協業を可能とするための包括的な制度創設

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銀行の委託 利用者の委託

預金 銀行代理業 ?

為替取引 銀行代理業 電子決済等代行業

貸付 銀行代理業 貸金業

電子金融代行業?

Fintech事業者の特徴と要望事項 Fintech事業者は、「銀行のために」ではなく「利用者のために」事業を展開する場合が多く、旧来の金融機関側のために業務を実施する代理業者のように金融商品/サービスを売り込むのではなく、利用者の選択を補助し、利用者にとって、より内容/条件の良いサービス享受を可能にするものが多い。

銀行業も含む全ての金融規制の及ぶ金融機関との関係では、今後利用者の委託を受けて、預金の預け入れをする、あるいは銀行ローンを申し込む、金融商品、保険商品を購入するといった指図を取り次ぐ場合にも、電子決済等代行業の業務範囲を拡大した電子金融代行業を創設し、同一ライセンスで実行可能とする法制としていただきたい。【銀行の場合の例】

電子金融代行業?

電子金融代行業?

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1 中間的事業者に関する制度整備②「利用者のために」サービスを行う事業者に対する代理・媒介の適用範囲の明確化

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問題の背景 前記1①の要望については、全ての金融商品/サービスとの関係での業務を可能とする制度創設であり、最終的には、各業法の関係での制度の整理が必要となり、法整備に時間を要することも想定される。

新たな事業を始めるスタートアップ等にとっては、代理・媒介規制の不明確化さによる萎縮的効果を払しょくし、まず規制が重くない範囲で、一定の業務を実施できる場面を確保することが必要であることは、2018年に日本版Sandbox制度が創設されたことからも明らかである。 Fintech事業者の要望事項 Fintech事業者が、金融機関が自ら必要な説明他の業法上の行為規制を満たすことを前提にして、自らが取り扱う情報の金融機関への連携(利用者の申込の補助行為等)や、顧客への金融商品の情報提供/広告配信を行う場合について、一定の範囲で「媒介」に該当しないこと等、「媒介」に該当するケース、該当しないケースを、具体的な行為ごとにガイドライン等でより明確化することをお願いしたい。

なお、この要望も、銀行法・貸金業法のみならず、金融商品取引法、保険業法他全ての金融規制に関する代理・媒介規制に関するものである。

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2 決済業務、資金保有に関する規制緩和① 資金移動業者の100万円超の送金の取扱緩和

~送金専業銀行の創設も視野に~

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問題の背景と現状 資金移動業者には上限規制があり、100万円超の送金の取り扱いができない。そのため、資金移動業者も、事業者向け決済は収納代行サービスと構成して実現せざるをえない現状である。

海外送金者では、100万円超の送金ができれば資金移動業者を利用したい人も5割半ばであり、また、利用者は国内・国外送金共に増加傾向である(資金決済業協会「送金サービスに関する調査【2018年】」)。また、認定協会が対応した資金移動業者への苦情は年28件、紛争は年間1件と僅少である(資金決済業協会「平成28年度事業報告」)。

要望事項 正面から100万円を超える銀行以外による送金の取り扱いを認める法制を検討すべきだが、上限引き上げに関するニーズは右図のとおり。

1億超の決済を行う場合には、リスクが大きくなり、資産保全に別途の規制(自己資本比率規制等)が適切と考えられるため、資金移動業者の延長ではなく、送金専業銀行の検討を行うことが考えられる。

• 銀行間決済• 決済事業者間決済

1,000万

• ビジネス向け決済• CMS

• スモールビジネス向け決済

• 個人の高額決済(学費、医療費…)

• 海外送金増加

• 個人の決済• 個人間送金

1億

500万

100万

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2 決済業務、資金保有に関する規制緩和② 資金保有業務に関する規制緩和

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問題の背景 キャッシュレス化の促進に当たっては、電子的な方法での「マネー」の保管も重要であり、貯めやすく、また決済にも利用しやすい、貯蓄から決済・送金までを意識したサービス提供の推進も有効である。また、一定の行動による金銭の一時的蓄積と消費を紐づけるFintechサービスの提供により、健康増進などをも含めた様々な消費者の自己目標を達成するためのインセンティブ設計が可能になりうる。

例えば、Fintech企業が、金額・期間を限定して消費を目的とした余剰の金銭を貯金する例としては、商品/サービスを購入した際の1000円未満の端数が生じるタイミング又は特定の行動を行ったタイミングで貯金を行うようにして、まとまった金額が貯まった際に、特定の商品/サービスを購入できるようにすることなどが考えられる。

しかし、現状では、出資法、銀行法の規制上、原則としてFintech企業が利用者の「マネー」を預かることはできず、現状存在する「貯金」サービスは、銀行が金銭を保管しているものに限られている。銀行の仕組みに大幅に依拠する「貯金」サービスは、利便性が保てる形でFintechサービスとの連携が難しく、Fintech事業者が預かることで、Fintechの本質である利用者に寄り添ったサービスが提供できる。

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2 決済業務、資金保有に関する規制緩和② 資金保有業務に関する規制緩和

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資金移動業マネー

プリペイドマネー

資金移動業マネー

プリペイドマネー

プリペイドマネー

資金移動業マネー

要望事項 既存の資金移動業、前払式支払手段、又は前記2①の要望事項に基づく新設制度(上限額が引き上げられた、上級の資金移動業や送金専用銀行等)において、Fintech企業が、金額・期間を限定し、一定の資産保全を行った上で「マネー」を預かれるようにして頂きたい。

また、前払式支払手段型の電子マネーは、出資法との関係で換金ができないとされているため、キャッシュレス化を阻害し、当該電子マネーの利用を辞めて他の電子マネーに移そうとした場合にも利用者の資金が返還されなくなる、という意味で利用者側保護にかえって反する事業が行われている面がある。

その他、キャッシュレス・利用者の実質的保護を促進するという観点から、改めて、下図のような支払手段間の移転制限の解禁や、換金の解禁について検討が必要と考える。

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3 短期・少額の事業性融資の金利規制緩和

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問題の背景 中小企業は手元資金が厚くないため、急な需要拡大があっても、それに対応しづらい(人員増強/設備導入、新規出店、広告効果の発生等)。

具体的な場面としては以下のような場面が考えられる。 TV・大手WEBメディア等で取り上げられて発注が数十倍になったが、手元資金がなく仕入の発注を行うことができないでいたが、そうしている間にブームが収まり結局大幅な売上増の機会を失った。

具体的な工事の発注を受けようとする工事業者/大工が、手許資金がなく職人を雇えないままで失注してしまう。

地方圏から都市部に出店しようとしたところ、たまたま空いている人気ビルの一フロアが見つけたが、申込には資金払込が必要となった。しかし、既存の金融業者の融資審査が間に合わず、事業機会を喪失する。

現状では、利息制限法の定める15~20%の上限金利以上での融資が禁止されているため、例えば、500万円の仕入れ資金を上限金利15%/年で、2週間貸し付けたとすると、金利収入は約3万円にとどまる。

このため、融資を行う事業者としては、貸倒リスク、融資事務コストを考慮した場合に費用対効果が合わず、スモールビジネスにおける運転資金調達を求める事業者の声(毎月貸付額の2~4%を超える金利が生じる、数週間~数か月程度の短期融資)の要望に応えられない。

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3 短期・少額の事業性融資の金利規制緩和

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Fintechとの関係性 小規模事業者が、仕入等の資金を調達する場合に、短期・少額でスピーディに融資してくれるサービスを提供することにより、スモールビジネスが商機を拡大できることが求められている。

これに対し、Fintechの活用によって「データを使ったスピーディな与信審査」ができ、かつ「データを使ったリアルタイムなモニタリング」によりリスク管理が可能となってきているため、これと金利規制の緩和を組み合わせることで、スピードと費用対効果という課題を解決したスモールビジネスへの運転資金供与が可能になる。

要望事項 事業者への貸付に限定して、かつ、短期・少額の事業性融資に限定して、金利規制を緩和(年率50%以上)をお願いしたい。

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4 会員からのその他の要望事項について

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ペイロール・カードの解禁 現行の労働基準法においては、従業員への賃金支払口座について、銀行等の一部の金融機関に限定されている。しかし、若年者、外国人等の銀行等での口座開設が困難な方でも金融サービスが受けられるようにできることは重要であり、資金移動業者などの口座への給与支払を認めることが妥当とも考えられる(なお、同時に、外国人の来日が増える東京オリンピックに向けたキャッシュレス推進にも資するものとも考えられる)。

現在国家戦略特区を視野に東京都・厚生労働省が行っているペイロールカード解禁の議論の後押しをお願いしたい。

本人確認等の相互利用緩和 大規模な金融機関グループ、大手IT企業グループだけでなく、非上場のFintech企業でも、例えば業規制ごとに子会社を設立することが多い。利用者があるグループの複数のサービスを利用しようとした際に、会社ごとに同じ方法で繰り返して本人確認を行い、マイナンバーを提出することを求めても、利用者の利便を損ねてしまう。

一定の有効期限、範囲(例えば一定の企業グループ内に限定)を設けた上、他事業者による手続の結果を確認することで、本人確認やマイナンバー提出を不要として頂きたい。

仮想通貨規制 現在、トークンを発行するビジネスは行政解釈により前払式支払手段該当の場合といった例外を除き禁止されているのではないか、と捉えている事業者が非常に多い。そして、今後のブロックチェーンを活用するビジネスにおいて、資金調達を目的としないが、「トークン」を発行する仕組みを利用することも考えられている。

仮想通貨規制の適用がある場合とない場合の双方について、事業者が行いうることを明確化をして頂きたい。