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教材・教具指導事例集 平成28年度 石川県立明和特別支援学校 教材ライブラリー課

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  • 教材・教具指導事例集

    平成28年度

    石川県立明和特別支援学校

    教材ライブラリー課

  • 目 次

    日常生活の指導 ボタン練習教材 1

    自立活動 円柱入れ 3

    自立活動 ボタンの練習 5

    生活単元学習 泡滑り台 7

    国 語 お話の世界を楽しもう~デジタル絵本~ 9

    国 語 表現会台本セット 11

    国 語 感覚文字ボード 13

    算 数 足し算の導入教材 15

    音 楽 へんしんリボン 17

    体 育 バブリング練習風車 19

    生活単元学習 歩きボード 21

    生活単元学習 野菜の皮むき補助具 23

    国 語 バラバラひらがな 25

    国 語 辞典はやくりキット 27

    国 語 メモるくん 29

    保健体育 プラプラスナップ 31

    作業学習 メモ帳班 クラフトパンチ補助具~ぴたっと奥まで~ 33

    生活単元学習 食器配布用ランチマット 35

    自立活動 コミュニケーションブック 37

    作業学習 らくらくスタンプ 39

    作業学習 メーター分解班 工具を安全に扱うための姿置き 41

    作業学習 コルク班 エコキャップ分別のための教具 43

    作業学習 木工班 印つけ補助具 木工班 2016年版 45

    作業学習 和紙班 タグ抜き出し補助具 47

    作業学習 B アーム付き洗濯用ストッパー 49

    作業学習 園芸・クラフト班 プラバン焼きシート 51

    小学部

    中学部

    高等部

  • 1

    教材・教具名 ボタン練習教材

    ねらい ボタンをつまむことやボタンを穴に通すことに慣れる

    学部・学年

    類型(コース) 知的障害教育部門 小学部2年 B類型

    主に関係する

    領域・教科 日常生活の指導 制作者名 ◯◯ ◯◯

    対象児童生徒 知的障害教育部門 小学部児童

    洗濯バサミ、シール貼りの課題には取り組めるがボタンの留め外し課題は経験がない

    制作のポイント 使用材料・部品

    ①・指先に少し力を入れないとボタンが入らない程の穴の大きさにした。

    ・ボタンが入ったことが目で見てわかるように透明なタッパーを使用した。

    ②・柔らかく、手に持ちやすいフェルト生地を使用した。

    ・フェルト生地は児童が興味のある形にした。

    ・児童が好きな鈴をつけ、注目できるようにした。

    ③・ボタンをつまんで持ちやすいようにボタンの足を長くした。

    ・ボタンを穴に通しやすいように穴を大きめにした。

    ・ボタンとフェルト生地のパーツの色を同じにした。

    ①・タッパー

    ・数種類のボタン

    ②・ひも

    ・フェルト生地

    ・鈴

    ③・フェルト生地

    ・マジックテープ

    ・鈴

    ・数種類のボタン

    ①ボタン入れ ②ボタン通し

    ③ボタン留め

    取り組んで

    いる様子

  • 2

    実践((教材の使い方、工夫等)

    段階的に取り組めるように、①~③を順に一つずつ提示し、行った。

    <工夫点>

    ・児童が指でつまみやすいボタンはどのような大きさ、形なのかを探るため、さまざまな種類のボ

    タンを用意した。

    ・児童がなるべく一人で取り組み、達成感を味わえるように、ボタンを通す穴を大きくしたり、見や

    すくしたりした。

    効果・改善点等

    <効果>

    ①一人でボタンをつまみ、穴に押し込むことができるようになった。薄くて大きめのボタンがつまみ

    やすいことがわかった。

    ②繰り返し行うことで、一人で生地を持ち、ボタンを穴に通そうとするようになった。

    ③キャラクターに興味をもち、ボタンとパーツの色を合わせてボタンを穴に通そうとすることができ

    た。

    <改善点>

    ①タッパーが固く、ボタンを穴に入れる際に強い力が必要だったため、穴を十字型にし、適度な力

    で入れることができるようにする。

    ②フェルト生地のチューリップと桜が小さく、ボタンを通している時に手から落とすことが多かった

    ため、もう少し大きくする。

    ③一人で穴からボタンを引きぬいて通すことが難しく、意欲が下がることが多かったため、ボタン

    の足をさらに長くする。また、ブックエンド等に立て掛けてフェルト生地の方を持ってボタンを通

    す形にしてみる。

  • 3

    教材・教具名 円柱入れ

    ねらい 握り方など手の使い方を工夫して円柱を缶に入れる

    学部・学年

    類型(コース) 知的障害教育部門 小学部1年 B類型

    主に関係する

    領域・教科 自立活動 制作者名 ◯◯ ◯◯

    対象児童生徒 知的障害教育部門 小学部児童

    児童に目の見えにくさがある。木球やゴルフボールは穴に入れることができる

    制作のポイント 使用材料・部品

    ・見えやすいよう円柱に色を塗る。

    ・入れる場所が分かりやすいように穴のふちに色をつける。

    ・入ったことがわかるように中で鈴がなるようにする。

    ・缶

    ・円柱

    ・鈴

    ・菓子箱

    写真① 円柱入れ

    写真② 取り組んでいる様子

  • 4

    実践((教材の使い方、工夫等)

    対象児童に目の見えにくさがある。木球やゴルフボールは穴に入れることができるので、次の

    ステップとして円柱を穴に入れる課題を設定した。

    <使い方>

    ①円柱の入ったトレイと、缶を同時に提示する。

    ②児童が一人でするのを見守る。

    ③うまく入れられない時には手を添えて一緒に行う。

    <工夫点>

    ・見えやすいよう円柱に色を塗る。

    ・入れる場所が分かりやすいように穴のふちに色をつける。

    ・入ったことがわかるように中で鈴がなるようにする。

    ・円柱の大きさを短いもの、長いものなどいろいろなものを用意した。

    効果・改善点等

    写真①のように提示したところ、穴にうまく入れることが難しかったため、次のように改善した。

    <改善点①>

    ・円柱を寝かせた状態で提示するのではなく、写真③のように

    立てた状態で提示した。

    ・児童が手を伸ばした時に、一つだけ取ることができるよう、円柱

    の感覚を広めにとった。

    ・穴を少し大きくした入りやすい入れ物にした。

    <効果>

    ・円柱を立てた状態で提示すると、円柱の上の部分を持つことが増えた。

    その結果、偶然に穴に入ることが何度かあった。

    今後も写真③の教材を使って取り組んでいく。

    <改善点②>

    ・長い円柱を立ててある箱から垂直に持ち上げないと抜くことが難しいので、穴をもう少し

    大きくする。

    写真③ 改善後

  • 5

    教材・教具名 ボタンの練習

    ねらい 児童がボタンの留め外しの指先の使い方に慣れる

    学部・学年

    類型(コース) 知的障害教育部門 小学部4年 B類型

    主に関係する

    領域・教科 自立活動 制作者名 ◯◯ ◯◯

    対象児童生徒 知的障害教育部門 小学部児童

    ひも通し、洗濯バサミ等の課題に取り組めるが、ボタンの留め外しの経験が少ない

    制作のポイント 使用材料・部品

    ・ボタンの足をつくり、留め外ししやすいようにした。(写真1)

    ・ボタンの向きは男女別にした。

    また、ボタン大小2セットを作り、段階に合わせて練習できるようにした。

    (写真2)

    ・人形

    ・フェルト

    ・ボタン(大小)

    人形の服(写真1)

    ボタンの向き、大きさをか

    えた服(写真2)

    取り組んでいる様子

  • 6

    実践((教材の使い方、工夫等)

    ・制服のボタンを自分で留め外しできることを最終目標に、人形を使ったボタンの留め外しの練習

    教材を製作した。

    <使い方>

    ①人形に服を着せておく。

    ②ボタンの所を指さし、ボタンを留めたり外したりするように声かけする。

    <工夫点>

    ・ボタンの足をつくり、留め外ししやすいようにした。(写真1)

    ・ボタンの向きは男女別にした。

    また、ボタン大小2セットを作り、段階に合わせて練習できるようにした。(写真2)

    効果・改善点等

    <効果>

    ・人形を持つことはあったが、進んでボタンの留め外しをしようという様子はみられなかった。

    教師がボタンを穴の所に半分差し込み、「おす」と声かけすると、少しだけ、ボタンを押すことが

    できた。

    <改善点>

    ・本児にとって、人形の服の留め外しはあまり必然性がないことから、ボタンを外したら大好き

    な人の写真を見ることができるというように、本児にとって意味のある教材に工夫していきたい。

    ・手先の巧緻性を高める教材として取り組むだけではなく、日常生活で制服等の大きなボタンの

    留め外し等、生活と結びつけながら練習していくとよい。

  • 7

    教材・教具名 泡滑り台

    ねらい 泡の感触を楽しんで遊ぶことができるようにする

    学部・学年

    類型(コース) 知的障害教育部門 小学部3年 A類型、B類型

    主に関係する

    領域・教科 生活単元学習 制作者名 ◯◯ ◯◯

    対象児童生徒 知的障害教育部門 小学部3年児童 16名

    制作のポイント 使用材料・部品

    ・牛乳パック

    ・ラバーシート

    ・ハトメ

    ・ガムテープ

    泡滑り台で遊んでいる様子 泡滑り台

    19cm

    約2.7m

    約1.8m

    安全性

    滑りすぎない柔らかい素材(ラバーシート)を使用

    低くて緩い傾斜にする

    遊びの発展性

    複数で滑って遊ぶことができる幅

    姿勢を変えて滑ることができる幅

    <図2>泡滑り台の大きさ

    ラバーシート(90 ㎝×180

    ㎝)を3枚使用して貼り合

    わせる

    <図1>泡滑り台の全体

    牛乳パックで土台を作り

    ラバーシートを載せる

    <写真1>牛乳パックで作った土台

  • 8

    実践((教材の使い方、工夫等)

    単元名「泡ランドで遊ぼう」において、泡遊びの一部として屋外(ライトコート)に設置

    <使い方>

    ・泡を滑り台に流し、その上を滑って遊ぶ。

    ・泡を体につけて滑って遊ぶ。

    <工夫点>

    ・流す泡はブロワーを活用して短時間で大量に作ったこと。

    (ブロワーはスイッチを押すと20秒間風が出るよう設定)

    ・泡はボディソープとお湯で作り、児童の身体に配慮したこと。

    ・ラバーシートの端にハトメをつけておき、風の強い日は、水の

    入ったペットボトルを結びつけて飛ばないよう固定したこと。

    効果・改善点等

    <効果>

    児童が泡で思いきり遊ぶことができた。

    ・何度も繰り返し滑って遊んだ。

    ・教師や友達と一緒に滑って遊んだ。

    ・滑り方を工夫して遊んだ。

    ・滑り台の泡を体にこすって遊んだ。

    ・ブロワーで作った泡を滑り台に流して遊んだ。

    <改善点>

    ・ラバーシートを貼り合わせる時にガムテープを使用したが、防水のガムテープの方が

    より丈夫な遊具となる。

    <写真2>ラバーシートのハトメ

    ペットボトルを結びつけて固定

  • 9

    教材・教具名 おはなしの世界を楽しもう~デジタル絵本~

    ねらい 絵本の中に出てくる自分の動きを真似しながら、友だちや教師と一緒に擬音語に

    触れ、言葉の響きを楽しむ

    学部・学年

    類型(コース) 知的障害教育部門 小学部1年 B類型

    主に関係する

    領域・教科 国語科 制作者名 ◯◯ ◯◯

    対象児童生徒 知的障害教育部門 小学部1年児童

    制作のポイント 使用材料・部品

    ・絵本「だるまさんが」に出てくる動きに加えて、ゆらゆら・くるくる等児童が声に

    出して真似したくなるような動きをパワーポイントのアニメーションで再現した。

    ・テレビに接続して大画面で再生することでみんなで楽しめるようにした。

    ・四分割のページではそれぞれにハイパーリンクを設定することで、各文字に対

    応したアニメーションのページにとぶようにした。

    ・パワーポイント

    (PCで作成)

    ・iPad

    (パワーポイントのア

    プリで再生する)

    「どて」の部分を押すと、児童が倒

    れるアニメーションのページにとぶ

    ようになっている

    パワーポイントスライド一覧(一部抜粋)

    4分割の文字ページをクリックすると、各文字に応じたアニメ

    ーションのページにリンクする

    「どて」のアニメーションを見て、真似をする様子

  • 10

    実践((教材の使い方、工夫等)

    ・国語の絵本読みの時間に「だるまさんが」の読み聞かせをすると、どの児童も楽しそうに話を聞

    いたり、動きを声に出して真似しようとしたりする様子が見られた。だるまさんの代わりに自分た

    ちが登場すると、児童がより意欲的に活動に取り組めるのでは考え、本教材を作成した。

    <使い方>

    ①テレビとiPadをミラーリングする。

    ②iPadのアプリでパワーポイントのファイルを開いて再生する。

    ③画面に映っている児童が一人ずつ前に出てきたら、教師がiPadを操作して「○○さんが~」と

    言いながら4分割されたページまで進めていく。

    ④4分割のページをタップすると、各擬音語に応じたアニメーションのページにとぶ。

    ⑤擬音語を声に出したりしながら、テレビ画面の真似をして体を動かす。

    <工夫点>

    ・iPadを使用することで4分割のページは児童が操作することもでき、前に出ている児童の動き

    を、待っている児童が決めるなど、児童同士でのやりとりにつながるようにした。

    効果・改善点等

    <効果>

    ・離席が多かった児童が、自分の写真が出てくるのを楽しみにしたり、友だちが実際に体を動かし

    ているのを嬉しそうに見たりして、友だちと一緒に座って活動に取り組むことができるようになっ

    た。

    ・教師も一緒に声を出したり、体を動かしたりすることで、どの児童も楽しそうに動きを真似する様

    子が見られ、擬音語と実際の動きを重ねて経験することができた。

    <改善点>

    ・パワーポイントのアニメーションには限りがあり、動きのパターンをたくさん作ることが難しく、似

    たような動きが多くなってしまった。似たようなパターンではなく、他にも色々な擬音語や動きを再

    現できる工夫ができるとよい。

    ・擬音語を声に出して楽しむことを主にしていたが、動きを真似することの方が楽しくなり、声に出

    すという視点が少し弱くなってしまった。

  • 11

    教材・教具名 表現会台本セット

    ねらい 児童が進んで劇遊びをしたり、パネルシアターをしたりできる

    学部・学年

    類型(コース) 知的障害教育部門 小学部3年

    主に関係する

    領域・教科 国語科 制作者名 ◯◯ ◯◯

    対象児童生徒 知的障害教育部門 小学部児童

    制作のポイント 使用材料・部品

    ・児童用と教師用の2つの台本を作成した。

    ・児童用台本は主要なセリフが文字や絵で示されており、読みやすい。

    ・教師用台本は誰が何を話したり、どのタイミングで曲を流したりするかが右か

    ら左に順に示されている。またシーンごとの舞台上の動きにも対応しているた

    め、イメージしやすい。

    ・台本の様式を決めておくことで、誰でも簡単に台本を作ることができる。

    ・台本だけでなく、児童の顔写真と役の衣装を組み合わせた役柄カードを用意

    し、劇に親しみやすくした。

    ・クリアファイル

    ・ラミネート

    ・児童の写真

    ・劇の台本

    児童用台本 ページ上部はセリフを言う

    人、その下にセリフやイラス

    トが示されている。

    ページ下部に「シーン1」等

    と書いてあり、対応するペ

    ージを開くと舞台上の動き

    が書かれている。

    教師用台本 役柄カード

  • 12

    実践((教材の使い方、工夫等)

    <使い方①>劇練習

    ・児童と一緒に台本の読み合わせをする。

    ・台本に沿ってセリフを読み進めながら、内容に合わせて役柄カードをボードに貼って児童に提示

    する。

    <使い方②>パネルシアター

    ・劇で使用する音楽をかける。

    ・音楽に合わせて役柄カードをボードに1枚ずつ貼っていく。

    効果・改善点等

    <効果>

    ・役柄カードは児童が自分の役を意識し、意欲的に劇遊びに取り組む上で効果的だった。パネル

    シアターは初め教師が行っていたが、繰り返し取り組む中で、「自分もやりたい」という思いをも

    つ児童が多く、最後には児童が音楽をかけたり、役柄カードを順番に貼ったりできた。

    ・顔写真と共にセリフが右から左に書かれているため、児童は自分の話すタイミングを理解して話

    すことができた。

    ・教師用の台本とシーンごとの舞台上の動きを並行して読むことで、教師間で劇の内容や細かな

    動きを共通理解することができた。

    <改善点>

    ・児童用台本の文章量がやや多く、イラストを貼ることで逆に読みにくくなった箇所がある。また、

    文章に対してイラストの量が少なく、文字の読めない児童が台本の内容を理解することが難しか

    った。

  • 13

    教材・教具名 感覚文字ボード

    ねらい 言葉のイメージを感じ取りやすくする

    学部・学年

    類型(コース) 知的障害教育部門 小学部5年 B類型

    主に関係する

    領域・教科 国語科 制作者名 ◯◯ ◯◯

    対象児童生徒 知的障害教育部門 小学部児童

    制作のポイント 使用材料・部品

    ・児童が触ったり文字に注目したりしやすいように、大きめのボード(A3程度)に

    大きく文字を形作った。

    ・児童たちにとって身近な感覚と言葉を選択した。

    ・発泡ボード

    ・綿

    ・泥拭きマット

    ・サンドペーパー

    ・スライム

    サンドペーパーでつくった

    「ざらざら」

    綿でつくった「ふわふわ」 泥拭きマットでつくった

    「ちくちく」

  • 14

    実践((教材の使い方、工夫等)

    ・物の感触を表す擬態語についての授業で、ボードの文字の素材となっている綿やスライムなど

    を触る場面で、教師が「ふわふわだね。」などの声かけをしながら提示した。

    ・児童がボードを自由に操作して感触を楽しめる場面を設定した。

    ・授業後も、教室に掲示し、いつでも触れるようにした。

    効果・改善点等

    <効果>

    ・ボード上に対象となる素材があったことで、注目しやすいようであった。

    ・感触を楽しみながら、ボードの字を声に出して読む姿が見られた。

    <改善点>

    ・パソコンの文字で下書きをし、その上に素材を貼り付けることで、字体をしっかりとした方が見や

    すいのではないか。

  • 15

    教材・教具名 足し算の導入教材

    ねらい 様々な数量関係を自分で操作することで、数量感覚を高める

    学部・学年

    類型(コース) 知的障害教育部門 小学部2年 B類型

    主に関係する

    領域・教科 算数科 制作者名 ◯◯ ◯◯

    対象児童生徒 知的障害教育部門 小学部2年児童 1名

    制作のポイント 使用材料・部品

    ・色や数字を変えて、繰り返し取り組める形状にした。

    ・足し算につながっていくことを想定し、足す数と足した数の配置を式と同じにし

    た。

    ・はじめはポンポンを並べて答えを数えられるようにし、慣れたら並べる部分を

    隠せるような配置にした。

    ・ラミネート

    ・牛乳パック

    ・プラスチック容器

    ・手芸用ポンポン

    右上の牛乳パックから、

    カードの色と個数を見て、

    ポンポンを揃える

    下の数字の上に並べ、あわせて

    何個かを数え、答えを記入する

    + =

    数字部分を消す

    将来的には、より足し算に近い形に変えていきたい。同じ教材を

    マイナーチェンジしていくことで、安心して、取り組んだことを生

    かしながら、学習できるようにする

  • 16

    実践((教材の使い方、工夫等)

    <開発の経緯>

    対象児童は、4月当初、100までの数字を読んだり、20までの数量を教師と一緒に数えたりす

    ることができた。そこで、これまでの学習を生かして、数と数量の関係性(音声「さん」と数字「3」と

    数量「〇〇〇」は同じ数を表していること等)を理解したり、具体物の操作を多く取り入れ、体感的

    に数量感覚を高めたりできる教材を考えることにした。

    <教材開発時の対象児童の実態>

    ・30までの数量を一人で数え、数字で書くことができる。

    ・20までの示された数字の分だけ、具体物を揃えることができる。

    <教材の使い方>

    ①2つの容器に、それぞれポンポンを揃える。

    ②2つの容器のポンポンを合わせ、数字の上に並べて数える。

    ③合わせて何個かを書く。

    <工夫点>

    ・2色のポンポンを使うことで、「合わせる」ことが意識できるようにした。

    効果・改善点等

    <効果>

    ・具体的操作を繰り返したことで、日常の中で数量の知識を生かせるようになった。(給食準備で

    「スプーン2つちょうだい」と言われて2つ手渡したり、遊びの時間にクッションを何個積んで遊び

    たいかを伝えたりするようになった。)

    ・ポンポンを数えるための数字を書いておいたことが有効で、学習を自分で進めることができた。

    ・1~10までの4色、計40枚のカードがあり、本体をラミネート加工してホワイトボードマーカーで

    書くようにしたことで、色と数字を変えながら繰り返し使用することができた。

    <改善点>

    ・数字の上に並べるとき、ポンポンが軽いため操作しづらいので、磁石等を使用したほうが使いや

    すいかもしれない。

    ・将来的に数字の部分を消したとき、容器の中でポンポンを数える行動が予測できるので、もう少

    し容器を大きくしたほうが数えやすいと思われる。

  • 17

    教材・教具名 へんしんリボン

    ねらい 音楽に合わせて楽しく踊ったり、リボンを動かして運動したりする

    学部・学年

    類型(コース) 知的障害教育部門 小学部2年 A類型、B類型

    主に関係する

    領域・教科 音楽科 制作者名 ◯◯ ◯◯

    対象児童生徒 知的障害教育部門 小学部2年児童

    制作のポイント 使用材料・部品

    ・はし

    (持ち手の芯に使用)

    ・新聞紙

    ・ビニールテープ

    ・太さや素材の異なる

    リボン

    ・ストラップ

    ・リング

    ① 持ち手の先端にストラップを取り付けることで、リボンが動かしやすくなる

    ようにした。

    ② リボンの先端にリングを取り付けて、ストラップで留める仕組みにした。

    ③ リボンを付け替えることで、様々な色や素材のリボンを使って楽しめるよう

    にした。

    ストラップとリングで、留め外しができる

    <リボン>

    幅 2㎝

    長さ 1m

    素材 サテン

    色(4色) 濃いピンク

    淡いピンク

    水色

    青色

  • 18

    実践((教材の使い方、工夫等)

    <音楽の授業で>

    ・音楽が流れる中で、児童が自由にリボンを揺らして楽しむ。

    ・元気の良いアップテンポな曲、静かでゆったりとした曲など雰囲気に応じて、

    リボンの長さや素材を変えて使う。

    <うんどうの授業で>

    ・リボンを持ちながら体操をする。

    ・上下左右に揺らす。

    ・クルクル回す。

    ・持って歩いたり走ったりする。

    効果・改善点等

    <効果>

    ○見て楽しむ

    ・リボンがゆらゆらと揺れる様子を見て喜ぶ児童や、リボンに触れて感触を楽しむ児童の

    様子が見られた。

    ・友達が音楽に合わせて踊っている様子を興味をもって見ることができた。

    ○揺らして楽しむ

    ・自分で振ったり回したりして、リボンを揺らすことができた。

    ・リボンを持って体操することで、身体(腕)の動きを意識して体操したり、大きく身体を

    動かしたりすることができるようになった。

    <改善点>

    ・好きなリボンを選んで踊ったり体操したりできるように、種類や数を増やす。

    ・鈴など音の出るものをつけて、揺らすと音が出るようにする。

    「様々な色や素材のリボン」

    「長さ25㎝のリボン」 「長さ50㎝のリボン」 「長さ 1mのリボン」

  • 19

    教材・教具名 バブリング練習風車

    ねらい 水中で息を吐くことができる

    学部・学年

    類型(コース) 知的障害教育部門 小学部6年

    主に関係する

    領域・教科 体育科 制作者名 ◯◯ ◯◯

    対象児童生徒 知的障害教育部門 小学部 6年児童

    口まで水に浸けたり、もぐったりすることができる

    制作のポイント 使用材料・部品

    ・水中で回るように、軽い素材のものを使用した。

    ・台に置いた時にも風車が回るようにした。

    ・牛乳パック

    ・ストロー

    ・安全ピン

  • 20

    実践((教材の使い方、工夫等)

    ・どの児童も、水中で息を止めることができるが、吐くことが難しかったので、この教材を製作し

    た。

    <使い方>

    ・地上や水面、水中でも風車の下にストロー入れ、ストローから息を吐く。息を吐くことで、風車が

    回る。

    効果・改善点等

    <効果>

    ・水中では息を止めるだけだった児童が、ストローで息を吐く練習をしたことで、水中で息を吐くコ

    ツをつかむのに有効だった。

    ・風車が回ることで、息を吐いていることが目に見えて分かり、児童が意欲的に練習することがで

    きた。

    <改善点>

    ・水中での自立が難しく、児童一人で練習することが難しかったため、固定できるものに風車を取

    り付けられるとよい。

  • 21

    教材・教具名 歩きボード

    ねらい 幅 10㎝程度の板の上をバランスよく歩くことで、歩行の安定性を養うことができる

    学部・学年

    類型(コース) 知的障害教育部門 中学部2年 B類型

    主に関係する

    領域・教科 生活単元学習 制作者名 ◯◯ ◯◯

    対象児童生徒 知的障害教育部門 中学部生徒

    ・長さ 89.0cm、幅 8.9㎝、高さ1.8㎝の板①と、板同士を繋ぐためのジョイント材②の2種類の板を使用。

    ※使用時は、内履き着用か靴下推奨。

    制作のポイント 使用材料・部品

    ・高さのない平均台のイメージで制作した。

    ・板と板同士をつなぐジョイント材を使用して、コースを長くしたり、進む方向を変

    化させたりすることができる。

    ・ジョイント材の使用の仕方によって、コース内に板の幅の狭いゾーンと広いゾ

    ーンを作ることができ、メリハリのあるコース設定が可能である。

    ・「見ていて楽しい遊具」のイメージを持てるように、カラフルな塗装をした。

    ・板の触感にバリエーションを持たせるために、人口芝やフェルトなど異なる素

    材を板の表面に貼りつけた。

    ・木材

    ・人口芝

    ・フェルト

    ・滑り止めシート

    ・布

  • 22

    実践((教材の使い方、工夫等)

    「生活単元学習」でゲームなどの遊戯を行う時に使用する。

    <使い方>

    ・複数の板をジョイント材で繋ぎ、スタートからゴールまでを設定してコースを作る。

    ・設定したコースをバランスよく、またコースを外れることなく渡りきることなどのルールを知らせる。

    <工夫点>

    ・板の表面の素材にバリエーション(人口芝・フェルト・その他)を持たせているが、組み合わせの

    方法によって難易度を変化させることができる。

    ・板同士の接続部分で、繋ぐ板の角度(方向)を設定することが可能である。

    ・二つの板を横並びに並べることで、幅の広い部分を設定することが可能である。

    効果・改善点等

    <効果>

    幅 10㎝程度の板の上をバランスよく歩くことで、歩行の安定性を養うことができる。

    <改善点>

    ・はじめ、板の両端の接続部分の形が素材の板材のままだったが、半円形にすることで

    コースをどのような角度にも変化させられるようにした。

    ・板の裏面に滑り止め材を貼り摩擦の少ない床面でも、板の踏み外しなどで

    滑ってしまうことを防いだ。

    ※板(素材)のまま

    角度はまっすぐか直角

    ※半円形に切り出した状態

    角度は自由に調整可能

  • 23

    教材・教具名 野菜の皮むき補助具

    ねらい 校外合宿に行うカレーライスづくりの野菜(にんじん、じゃがいも)の皮むきがひとりでで

    きるようになる

    学部・学年

    類型(コース) 知的障害教育部門 中学部2年 B類型

    主に関係する

    領域・教科 生活単元学習 制作者名 ◯◯ ◯◯

    対象児童生

    徒 知的障害教育部門 中学部生徒

    制作のポイント 使用材料・部品

    ・野菜を直接持たなくても野菜を固定できるようにした。

    ・野菜の大きさの違いにある程度は対応できるようにスポンジを使った。

    ・柔らかいスポンジだと皮をむくときに動いてしまうので、硬めのスポンジに

    した。

    ・野菜を直接持たずに安定した状態で皮むきができるので、直接持つより安

    全に皮むきができるようにした。

    ・フリーカットの硬めの

    スポンジ

    ・プラスチック容器

    ・滑り止め

    にんじん ver.

    じゃがいも ver.

  • 24

    実践((教材の使い方、工夫等)

    中学部2年生では、10月に行われる校外合宿でのカレーライスづくりに向けて、5月から7月に

    かけてクラス合宿でもカレーライスづくりを行った。その際、調理経験の少なさや手先の不器用さ

    から、ピーラーや包丁を上手に使うことができず、教師が一緒に手を持ったり、野菜を押さえたりし

    なければいけない場面があった。そこで、生徒がピーラーを使って一人で安全に野菜の皮むきが

    できるように補助具を制作した。

    <使い方>

    ①にんじん、じゃがいもをスポンジの穴の開いたところに入れる。

    ②ピーラーを持つ反対の手でプラスチックケースやスポンジを押さえる。

    ③ピーラーで皮をむく。

    ④野菜を回して皮をむく面を変える。

    効果・改善点等

    <効果>

    ・クラス合宿の調理では、教師と一緒に皮むきをしていた生徒が、一人でにんじんやじゃがいもの

    皮むきをすることができた。

    <改善点>

    ・野菜を補助具に固定する、皮をむく面を変えるところは今回は教師が行った。皮むきの工程の

    すべてを生徒一人で行うことはできなかったので、練習をするか、簡単にできるような工夫が必

    要である。

    ・にんじんはしっかり固定でき直接持たずに皮をむくことができたが、じゃがいもは人参ほど固定さ

    れず、直接持っている生徒もいたので、しっかり固定できる工夫が必要である。

  • 25

    教材・教具名 バラバラひらがな

    ねらい 生徒がより多くのひらがなを読めるようになる

    学部・学年

    類型(コース) 知的障害教育部門 中学部1年 B類型

    主に関係する

    領域・教科 国語科 制作者名 ◯◯ ◯◯

    対象児童生徒 知的障害教育部門 中学部生徒

    制作のポイント 使用材料・部品

    ・ひらがなプリントの各ひらがなを一画ずつ色を変えてなぞる。

    ・各ひらがなを一画ずつ切り取る。

    ・一画ずつラミネート加工する。

    ・ラミネート加工したものの右下にローマ字で文字を書く。(バラバラになっても、

    教員がどのひらがなかわかるようにするため。)

    ・ラミネートフィルム

    ・ひらがなプリント

    一画ずつ

    手本

    重ねていく

  • 26

    実践((教材の使い方、工夫等)

    ・話をすることや、文字をなぞることは好きでできるが、ひらがなを読むことが苦手な生徒の為に

    作製した。

    <使い方>

    ①ひらがなの手本を見せて、一画ずつ声に出しながら置く。

    ②完成したら、ひらがなの読みを確認する。

    <工夫点>

    ・一文字ずつに集中できるように手本も一文字ずつ作った。

    効果・改善点等

    <効果>

    ・生徒が楽しんで取り組むことができた。

    ・生徒が読むことができるひらがなが増えた。

    ・生徒が書き順も意識することができた。

    <改善点>

    ・一画ずつラミネート加工するのが、ずれることがある為難しいのでより良い方法を考える必要が

    ある。

    ・枚数が多いので管理を工夫する必要がある。

  • 27

    教材・教具名 辞典はやくりキット(五代目)

    ねらい 国語辞典使用時に、目的の言葉まで早くたどり着くようにする

    学部・学年

    類型(コース) 知的障害教育部門 中学部 1年 B類型

    主に関係する

    領域・教科 国語科 制作者名 ◯◯ ◯◯

    対象児童生徒 知的障害教育部門 中学部生徒

    50音の順序があいまいで、辞典を使って調べる場合に時間がかかる

    制作のポイント 使用材料・部品

    ・50音表を国語辞典と同じように右から左の順に並べる。

    ・ア行の文字を濃く表示する。

    ・一行ずつ色を変え、それに合わせた5色の磁石を用意する。

    ・磁石を置く位置に○印をつける。

    ・マグネットシートに貼り付ける。

    ・マグネットシート

    ・5色の磁石

    ・5色の50音表

    (横一列×5行)

    調べる言葉に合わ

    せ、一つずつ磁石

    を動かしてセット

    する

    前回までの形式だ

    と時間がかかる・・・

    マグネットを文字の上の○印に移動させる

    50音表×5行

    (ん←あ)

  • 28

    実践((教材の使い方、工夫等)

    ・国語では毎時間意味調べを行っている。対象の生徒が、少しでも調べる時間が短くなり、有効に

    活用できればと思い、教材を制作した。

    <使い方>

    ①調べる言葉を確認し、一音ずつキットの上に磁石で並べる。

    ②国語辞典で調べる。

    ③わからなくなったら、キットを見て、文字の前後を確認しながら目的の言葉に近づける。

    <工夫点>

    ・キット制作までにはいくつかの試行錯誤を繰り返した。

    (○効果的な点、▲改善が必要な点)

    一代目:シート状で一音ごとに50音の棒を動かす形式

    ⇒○50音表が見える

    ▲手元で操作しにくい

    二代目:シート状で50音にマーカーで印をつける形式

    ⇒○動かす必要がなく手軽である

    ▲毎回消す必要がある

    三代目:南京錠型(縦)

    ⇒○コンパクトである

    ▲文字列が縦並び

    四代目:トイレットペーパー型(横)

    ⇒○文字が横並び

    ▲セットに時間がかかる

    五代目:現在の形式

    効果・改善点等

    <効果>

    ・シートが5色で文字が見やすいことの他に、生徒の好きな5レンジャーがイメージされ、「全員位

    置につけ。赤レンジャースタート!」のようなセリフが出るなど意欲が高まった。

    ・マグネットシートと磁石で固定されやすく、場所もとらない。

    ・これまでの形状に比べてセットするまでの時間が飛躍的に短縮できた。

    <改善点>

    ・国語辞典そのものの見方(見出し、並び順)を覚える必要がある。

    ・一人で効果的に活用できるまで、繰り返し使用して慣れる必要がある。

    (一代目)

    (四代目)

    (二代目)

  • 29

    教材・教具名 メモるくん

    ねらい 思い出したできごとやその時の気持ちを短い言葉で書いたものを見ながら文を書くこと

    で、わかりやすく伝わりやすい文を書くことができる

    学部・学年

    類型(コース) 肢体不自由教育部門 中学部2年 Ⅲ類型

    主に関係する

    領域・教科 国語科 制作者名 ◯◯ ◯◯

    対象児童生

    肢体不自由教育部門 中学部生徒

    ・伝えたい気持ちがあふれており、話の中では感じたいろいろな思いを生き生きと伝える。

    しかし作文にすると、同じことを繰り返し書いたり、あったことを全部かき並べたりして長く

    なり、読みにくく伝わりにくい文章になることが多い。

    制作のポイント 使用材料・部品

    ・ホワイトボードマーカーで書いたり消したりできるよう、ラミネート加工した紙

    で作成した。

    ・メモが混ざり合わないよう裏に磁石を貼ってある。

    ・A4普通紙

    ・ラミネートシート

    ・板磁石

  • 30

    実践((教材の使い方、工夫等)

    <使い方>

    ・行事や学習活動で体験したこと等の作文を書く時に使用する。

    ・話をしながら書きこむ。

    ・作文の時は縦書きで使用する。

    ・書く言葉に応じてカードの大きさを変える。(3種類の大きさがある)

    ・書いたカードを、順にホワイトボードに並べる。

    ・このメモを見ながら作文を書く。

    効果・改善点等

    <効果>

    ・書ける漢字も平仮名で書くことが多いが、話をしながら書きこんでいく時に「漢字で書く」ことを伝

    えると書こうとする。わからない時も、書いたことがあると思う漢字は教えてほしいと伝えてくれ

    る。

    ・調理のレシピを作る時も使うことができた。まず、自分が思ったように書いていく。その後、レシピ

    本で確認しながら順番を替えたり、付け足したり、削除したりしながら作ることができた。

    ・メモを見て書くことで、同じことを繰り返し書くことはなくなった。しかし、一人でメモをつなげて文

    にすることはまだ難しい。

    <改善点>

    ・書いてから時間があくと文字が消えにくくなり、カードが汚れてくることが考えられる。気持ちよく

    書けるようにカードをきれいな状態にしておくこと、予備のカードを準備しておくことが必要とな

    る。

  • 31

    教材・教具名 プラプラスナップ

    ねらい ボールをリリースする際のスナップの習得

    学部・学年

    類型(コース) 知的障害教育部門 中学部3年

    主に関係する

    領域・教科 保健体育科 制作者名 ◯◯ ◯◯

    対象児童生徒 知的障害教育部門 中学部3年

    制作のポイント 使用材料・部品

    ・棒の先に筒状のゴムを取り付け重り代わりにした。

    ・ボールに取り付けることで、しっかりとボールを握って投げる感覚に近くした。

    ・ボールに指の形の線を入れることで、握りを確認しやすくした。

    ・指の位置を色分けしてわかりやすくした。

    ・軟式野球ボール

    ・園芸用の棒

    ・筒状のゴム

    ・接着剤

    ・ボンド

  • 32

    実践((教材の使い方、工夫等)

    文部科学省の体力・運動能力調査(2014)によると、新体力テスト施行後の17年間で男子のソ

    フトボール投げは低下傾向を示しており、長期的にみるとソフトボール投げでは、体力水準が高

    かった昭和60年頃と比較しても、他の種目よりもその低下が著しいと考えられる。

    それに関して、知的障害のある児童生徒においては、幼児期に獲得されるはずの運動技能が

    各発達段階で未獲得な場合が多いと考えられており、本校の運動場面を観察すると、体重

    移動や腕の振りなど様々な課題があがった。その中でも私はボールを押しだすように投げる生徒

    が多くいたことに着目し、手首を使って投げる(スナップスロー)の習得ができないかと考え、この

    教具を作成した。

    <使い方>

    1.親指、人差し指、中指でボールを握る。

    2.ボールを握った状態で手首を上下させる。

    3.棒をしならせるようにし、できるだけ筒状のゴムの上下運動が大きくなるようにする。

    4.3を数十回繰り返す。

    簡単にできて、昼休みなどの時間を利用して、遊び感覚で出来るものとなっている。

    効果・改善点等

    <効果>

    ・ボールを投げる際、手首(スナップ)を使って投げるようになった。

    ・ボールを握る時に親指、人差し指、中指で握るようになった。

    <改善点>

    ・ボールの中心近くで棒が固定しきれていないので、しっかりと固定方法を検討する必要が

    ある。

    ・棒のしなりをより出すために棒の長さを検討する必要がある。

  • 33

    教材・教具名 クラフトパンチ補助具 ~ぴたっと奥まで~

    ねらい 生徒が一人で、紙に無駄が出ないように型抜きし、良品を継続して量産することが

    できるようになる

    学部・学年

    類型(コース) 知的障害教育部門 中学部3年 B類型

    主に関係する

    領域・教科 作業学習 メモ帳班 制作者名 ◯◯ ◯◯

    対象児童生

    知的障害教育部門 中学部生徒

    見通しがある活動には主体的に取り組むことができ、製品の良、不良を判断できる

    制作のポイント 使用材料・部品

    ① 紙をクラフトパンチの奥まで入れたことが確認できるように、板で台を作

    り、印をつける。

    ② 両サイドに補助板を付け左右にずれないようにしたため、幅の狭い画用

    紙でも欠けることが無く、良品を製作できる。

    ③ 画用紙の無駄な部分を減らすために、クラフトパンチの奥に5mm の補助

    板を付け、奥まで画用紙が入らないようにした。

    ・1mmのPP厚板ボード

    ・3mmのプラスチック

    ボード

    ・両面テープ

    使用の様子

    型抜き後

    ③ ①

  • 34

    実践((教材の使い方、工夫等)

    ・メモ帳の表紙に飾るための製品をクラフトパンチで製作している。できるだけ多く欠けのない良

    品を作るために「クラフトパンチ補助具 ~ぴたっと奥まで~」を作製した。

    <使い方>

    ① 6.7cm×3.2cmの画用紙を左右の補助板に合わせて入れる

    ② 奥まで入れるために、台の印まで画用紙差し込み確認する。

    ③ レバーを押し、製品を製作する。

    効果・改善点等

    <効果>

    ・製品数が50枚台から90枚台まで増加し、良品の割合が54%から94%に向上した。

    ・一人で集中して作業に取り組めるようになった。

    ・以前は一枚の画用紙から中サイズの製品が110枚、小サイズの製品が280枚であったが、補

    助具を使用してからは中サイズの製品が186枚、小サイズの製品が262枚製作できるようにな

    り、材料の無駄が減少した。

    ・6cm×3cmの画用紙でも良品を製作できるようになった。

    <改善点>

    ・クラフトパンチのメンテナンスや交換の時に外す必要があり、変形しやすい。その都度メンテナン

    スが必要である。

  • 35

    教材・教具名 食器配布用ランチマット

    ねらい 生徒が一人で必要人数分の皿や箸を準備することができるようになる

    学部・学年

    類型(コース) 知的障害教育部門 高等部2年 C類型

    主に関係する

    領域・教科 生活単元学習 制作者名 ◯◯ ◯◯

    対象児童生徒 知的障害教育部門 高等部2年 C類型 生徒1名

    制作のポイント 使用材料・部品

    ・ランチマットの雰囲気が出るように、ブルーのギンガムチェック柄を地模様

    にした。

    ・手入れがしやすいように、布製でなくラミネート加工したものにし、ふきんで

    拭くだけでいいようにした。

    ・ランチマット風に

    カラー印刷した紙

    ・ラミネートフィルム

    箸を使う生徒用の

    ランチマット

    フォークを使う生徒用の

    ランチマット

    生徒が実際に

    使用している様子

  • 36

    実践((教材の使い方、工夫等)

    生活単元学習で調理活動をする際の食器の準備で、皿の枚数を口頭や視覚的など様々な方

    法で伝えても、過不足なく配り終えるには教員の支援が必要になることが多い。できるだけ支援を

    少なく、生徒が自主的に配ることができるように「食器配布用ランチマット」を作成した。

    プリント学習などを通して、対象生徒はマッチングが得意であることがわかった。その特徴を活

    かして、皿の準備でもマッチングができるようなスタイルをとった。

    <使い方>

    ①机にランチマットを並べる。

    ②マットに書いてある皿や箸の上に、本物の皿や箸を並べる。

    <工夫点>

    ・生徒一人ずつの顔写真を右隅に入れ、ほかの生徒が座るときに自分の場所がわかりやすいよ

    うにした。

    ・実際に使用する皿の写真をのせ、それと同じ皿を食器棚に探しに行きやすいようにした。

    ・箸を使用しない生徒のランチマットにはフォークの写真を入れ、個に応じた食器を支援なしに準

    備できるようにした。

    効果・改善点等

    <効果>

    ランチマット使用前では、食器を配るには教員の声かけが何度も必要であったが、ランチマット

    を使用することで、枚数が正確ではなくても適当に持ってきた食器をランチマット上に配り、すべて

    のランチマットに食器が並んだら残った食器を食器棚に返す、というように、教員の支援なしに配

    ることができるようになった。

    初回使用時には指さしや声かけが必要な場面が何度かあったが、回を重ねることで、ほとんど

    教員の支援が不要となった。

    <改善点>

    今後、様々な食器に対応できるように工夫したい。

  • 37

    教材・教具名 コミュニケーションブック

    ねらい ・他者とコミュニケーションを取る際の表現の幅を広げる

    ・情報伝達等をスムーズに行えるようにする

    学部・学年

    類型(コース) 知的障害教育部門 高等部3年 C類型

    主に関係する

    領域・教科 朝の会・帰りの会、日常生活全般 制作者名 ◯◯ ◯◯

    対象児童生徒 知的障害教育部門 高等部生徒

    口頭指示はほぼ理解できるが、発語が困難である

    制作のポイント 使用材料・部品

    ・脱着可能なマジックテープ部分は極力小さくし、少しの力で剥がせるようにす

    る。

    ・台紙部分は逆にマジックテープ部分を大きくし、多少ずれても貼れるようにす

    る。

    ・涎が常に出ている生徒であるため、すぐに劣化しないように全体を透明ビニー

    ルテープで覆った。

    ・ページを何回もめくるうちにリングに接触する部分がひび割れて壊れてくるの

    で、養生テープで補強した。

    ・B5サイズ6つ穴

    フォルダ

    ・クリアファイル

    ・ラミネートフィルム

    ・紙

    ・透明ビニールテー

    使用中の様子

    (帰りの会)

    使用中の様子

    (休み時間)

    指さしで使うページはラミネートした表の形式。朝の会・帰りの会で使用するページは一つ一つに

    マジックテープを付けて脱着可能にしたカード形式にした。

    <表>

    <裏>

  • 38

    実践((教材の使い方、工夫等)

    <使い方①(朝の会・帰りの会)>

    ①自分が話したい事柄とその感想に当たるカードを選ぶ。

    ②マジックテープ台紙から剥がす。

    ③ブックの表紙、もしくは裏表紙に、語順になるよう色を見て区別して貼る。

    ④他の生徒や先生に、代わりに読んでもらい前日や当日の話を発表する。

    <使い方②(休み時間等)>

    ①自分が伝えたい事柄(食べ物、場所、教員の写真)を選び、指さしして教員に伝える。

    ②イラストにジェスチャーを組み合わせて、相手にも質問する。

    <工夫点>

    ・感想に当たるカードはポジティブな内容のみに精選した。

    ・授業は緑色、感想はむらさき色など、種類ごとに色を分けて整理し、文字認識が弱い対象生徒

    が視覚的に判断し文を作ることができるようにした。

    効果・改善点等

    <効果>

    ・朝の会や帰りの会で、自信を持って発表している様子が見られた。

    ・常にコミュニケーションブックを持ち歩き、他の教員とも会話を楽しんでいる様子が多々見られ

    た。

    ・今まで身振り手振りでは伝えきれなかった事柄も伝えられるようになり、「昨日は長い時間ゲー

    ムをした」「夜更かしした」など、不適切な内容で会話することがなくなった。

    <改善点>

    ・生徒が表現したい事柄を随時増やしていく際、容易に追加できるような工夫が必要である。ポケ

    ット方式にして、いらなくなったものは取ったり必要なものを増やしたりできないか検討中である。

  • 39

    教材・教具名 らくらくスタンプ(自動紙送り補助具)

    ねらい スタンプを押す作業で、バーを押して一人でスタンプを押すことができる

    学部・学年

    類型(コース) 肢体不自由教育部門 高等部1年

    主に関係する

    領域・教科 作業学習 制作者名 ◯◯ ◯◯

    対象児童生徒 肢体不自由教育部門 高等部生徒

    制作のポイント 使用材料・部品

    ・生徒が押す部分を長い木にして、力をあまり入れなくてもスタンプが押せるよう

    にした。

    ・バーがあがるときにフックが滑車にひっかかりローラーを回し、ベルトコンベア

    になっている部分が動き、紙が自動で送り出される予定である。

    ・生徒机に置くことができる大きさにした。

    ・生徒が一人でスタンプを押すことができるように制作した。

    ○押す部分

    ・木材

    ・穴あけパンチの押

    す部分

    ○ベルトコンベア部分

    ・木材

    ・ラップの芯

    ・ゴム

    ・布

    ○スタンプ部分

    ・パフ、ダンボール

    バーを押して上がる時にフッ

    クが滑車にひっかかり、ロー

    ラーが回る(予定)

    ローラーが回ると、ベルトコンベ

    アのように動き、紙が移動し次

    の紙にスタンプが押せる

    かごの中に、スタンプを

    押した紙が入る

    模様のスタンプ

    ココを手動で回している

  • 40

    実践((教材の使い方、工夫等)

    ・日めくりカレンダーの模様つけで、簡単に一人でスタンプが押せる。

    <使い方>

    ①スタンプの模様をバーにゴムで付ける。

    ②紙を2枚ベルトコンベアにセットする。

    ③インクを付ける。

    ④生徒がバーを押して模様をつける。(A5の用紙に3~4回)

    ⑤バーが上がるときに、滑車がまわりベルトコンベアが動き紙が移動する。

    (今は手動でまわしている)

    <工夫点>

    ・スタンプの模様は、パフを使うことで自由な形に切れることや、インクのつきもよく模様がきれい

    に出る。

    ・スタンプ模様の土台は段ボールや紙のパネルを使用し、生徒が押す力の具合によって厚みを持

    たせることができるようにする。

    ・スタンプ模様は輪ゴムで固定してあるので、付け替え可能である。

    効果・改善点等

    <効果>

    ・押す部分を長くしたことで、生徒が自分の力で押すことができ、模様がしっかりつくようになった。

    ・自分から手を伸ばして作業することが増え、作業時間も長くなった。

    <改善点>

    ・バーを押す時、一回で押すこともあれば何度もバーをたたいたりするので、自動送りになったと

    きにタイミング良くフックが滑車にひっかかるか未定である。

    ・すべての部品ができていないことや、試作を繰り返しているがフックと滑車がうまく連動できない

    ので、連動して自動で回るように引き続き制作していく。

  • 41

    教材・教具名 工具を安全に扱うための姿置き

    ねらい 生徒が安全と整理整頓に留意しながらメーター分解を行う

    学部・学年

    類型(コース) 知的障害教育部門 高等部 1年 B類型

    主に関係する

    領域・教科 作業学習 メーター分解班 制作者名 ◯◯ ◯◯

    対象児童生徒 知的障害教育部門 高等部生徒(メーターを分解する技能は高いが、スピードを意識

    するあまり、安全面や整理整頓に対する注意がおろそかになる)

    使用前の様子 使用後の様子

    制作のポイント 使用材料・部品

    ・工具が転がり落ちないように下にフェルト布を敷いた。

    ・搬入されてくるメーターには様々な型があり、使用する工具が異なる。その

    ため、一つ一つの姿置きを切り離し、裏にマジックテープをつけてフェルト

    布にくっつけることでカスタマイズができるようにした。

    ・ウレタン材

    ・フェルト布

    ・マジックテープ

    ・工具の写真をラミネート

    したもの

    本来は、横の木箱の中に入れて

    おき、その都度取り出して使いま

    すが、対象生徒は乱雑に置いて

    いる。

    木箱を撤去し、姿置きをおいた。

    スピードを意識しだすとまた乱雑

    に置いてしまうが、次第に整頓し

    ながら作業することができるよう

    になってきた。

  • 42

    実践((教材の使い方、工夫等)

    ・対象生徒は、メーターを分解する技能は高いが、スピードを意識するあまり工具を箱に戻さずに

    作業台の上に乱雑に置きっぱなしにしてしまう。そのため、次の二点の問題点が生じていた。

    1) 工具が作業台から転がり落ちて危険であった。

    2) 隣の座席の生徒が対象生徒の工具を誤って使ってしまう。

    <使い方>

    ① 使用する工具にあわせて姿置きをフェルト布の上に並べる。

    ② 箱から工具を出して姿置きに並べる。

    ③ 使った工具は姿置きの元の場所に戻す。

    ④ 作業終了後は、姿置きをフェルト布から外して重ね、フェルト布にまるめて片付ける。

    効果・改善点等

    <効果>

    ・最初に対象生徒に姿置きを提示した際はすんなりと使用することができたものの、時間の経過と

    ともにスピードに対する意識の方が勝ってしまい、姿置きの使用がおろそかになってしまった。し

    かし、対象生徒のマイナスドライバーが紛失することがあり、姿置きの必要性を感じてからは自

    分から用意し使用するようになった。

    <改善点>

    ・他にも工具を乱雑に置く生徒が見られるため、この姿置きを使用した。その際は、小さめの工具

    のラミネート写真を貼り、形だけでは判別が難しい生徒にも対応した。

  • 43

    教材・教具名 エコキャップ分別のための教具

    ねらい 生徒が一人で規定のサイズのエコキャップを収集する

    学部・学年

    類型(コース) 知的障害教育部門 高等部 C類型

    主に関係する

    領域・教科 作業学習 コルク班 制作者名 ◯◯ ◯◯

    対象児童生徒 知的障害教育部門 高等部生徒

    規定外のエコキャップを見分けることが困難

    制作のポイント 使用材料・部品

    ・エコキャップがきちんとはまる大きさのコルクを使用する。

    (型にはまったエコキャップは、逆さにしても落ちない)

    ・裏面に好きなアイドルの写真を貼り、裏返すことができるようにする。

    ・エコキャップが丁度

    はまる大きさのコル

    ・MDFボード

    ・ボンド

    ・ペンキ

    コルク班では、学校で集まったエコキャップ(ペットボト

    ルの蓋)の洗浄・分別を行っている。規格外の大きさ

    のエコキャップはリサイクルできないため取り除く必要

    があるが、見ただけで分別するのは困難である。そこ

    で、エコキャップの大きさを自分で確認できる教具を

    考えた。

    リサイクルできるエコキャップ

    大きさが違うため、分別できないエコキャップ

    ○ × 板の裏面には好き

    なアイドルの写真

    が貼ってある

    エコキャップ(ペッ

    トボトルの蓋)が

    ぴったりとはまる

    凸 型 が つ い て

    いる

  • 44

    実践((教材の使い方、工夫等)

    <使い方>

    効果・改善点等

    <効果>

    ・この教具を使用することで、一人でエコキャップの分別ができるようになった。

    ・規格外のエコキャップを自分で見分けて、取り除くことがだんだんとできるようになってきた。

    <改善点>

    ・エコキャップの見分けがだんだんと自分できるようになってきたので、支援を徐々に減らしていけ

    るよう工夫する必要がある。

    ・他の生徒が使えるよう、裏面の絵を取り外しできるようにしたら良い。

    ・持ち手がなく、裏に返しにくいため改善の余地がある。

    1. エコキャップを

    型にはめていく

    2.板をひっくり返し、型にきちんとはまら

    なかったエコキャップを落とす

    裏側に好きな写真が貼ってあり、

    しっかりとひっくり返すことで見る

    ができる

  • 45

    教材・教具名 印つけ補助具 木工班 2016年版

    ねらい ・生徒が一人でも正確に部材に穴あけの為の印つけをすることができる

    ・印をつける部材とつけない部材を仕分けることができる

    学部・学年

    類型(コース) 知的障害教育部門 高等部1年 B類型

    主に関係する

    領域・教科 作業学習 木工班 制作者名 ◯◯ ◯◯

    対象児童生徒 知的障害教育部門 高等部生徒

    印をつけない部材

    印をつける部材

    制作のポイント 使用材料・部品

    ・アクリル板を使用し、部材が正確にセットされているか確認できるようにした。

    ・補助具に色を塗ることで、部材を見やすくした。

    ・穴のまわりに製品ごとに設定している色を塗ったことで、どの製品の印つけ補

    助具がわかるようにした。

    ・穴あけをする部材とそうでない部材を、セットしたときにわかるように、0.5cmの

    部分を赤く塗った。

    赤い線

    ・木材

    ・アクリル板

    ・ペン(赤)

    ・ボンド

    ・塗料

    (オイルステイン)

    ・筆

    ・穴あけポンチ

    木工班では、正確に穴あけのための印をつける必要がある

    0.5cmの差がある部材を、生徒が一人で印をつける部材と

    そうでない部材を仕分け、正確に印をつけるための補助具

    ・赤い線が見え

    たら、印をつけ

    ない

    ・補助具にぴった

    り入ったら、印

    をつける

  • 46

    実践((教材の使い方、工夫等)

    <使い方>

    ①部材を補助具にセットする。

    ②赤い線が見えたら→「穴あけない」BOXに入れる。

    ③補助具にぴったり入ったことを確認する。

    ④釘やペン等で、部材に印をつける。

    ⑤補助具から取り出し、穴あけポンチで再度印をつける。

    <工夫点>

    ・アクリル板を使用し、部材が正確にセットされているか確認できるようにした。

    ・補助具に色を塗ることで、部材を見やすくした。

    ・アクリル板にあけた穴のまわりに製品ごとに設定した色を塗り、どの製品の印つけ補助具かわ

    かるようにした。

    ・印つけをする部材とつけない部材を、セットした時に対象生徒が視覚的に判断できるように、

    0.5cmの部分を赤く塗った。

    効果・改善点等

    <効果>

    ・生徒が一人でも正確に部材に穴あけの為の印つけをすることができた。

    ・印をつける部材とつけない部材を仕分けることができた。

    ・部材を無駄にせずに正確に製作することができるようになった。

    ・結果、対象生徒以外の生徒も正確に作業できるようになった。

    ・間違えずに作業できたことで、生徒が自信をもって一人で取り組めるようになった。

    <改善点>

    ・補助具を製作した当初は、穴あけポンチを使って直接印つけを行っていたが、穴あけポンチの

    衝撃により、アクリル板にヒビが入った。

    →その後、釘やペンを使っているが、使用するアクリル板の厚みを変えてみようと考えている。

    ・ごく稀に、部材のみがきの仕上がりにより、補助具に入らないことがある。

    →印つけに影響がない範囲で、少し余裕のあるつくりにしてはどうか検討中である。

  • 47

    教材・教具名 タグ抜き出し補助具

    ねらい タグを穴あけパンチで台紙より抜き出すときに無駄なく等間隔で、正確に抜き出す

    学部・学年

    類型(コース) 知的障害教育部門 高等部 A類型

    主に関係する

    領域・教科 作業学習 和紙班 制作者名 ◯◯ ◯◯

    対象児童生徒 知的障害教育部門 高等部生徒

    制作のポイント 使用材料・部品

    ・無駄なくタグが取れる間隔(4cm毎)の縦線(赤)・・・A

    ・穴あけパンチを設置するガイドライン ・・・B

    ・水平に台紙を引くためのガイドライン(青) ・・・C

    ・画用紙

    ・パウチA3サイズ

    しかし、生徒がすると手前に台紙を引いてずれてしまい、間隔

    も広すぎて、タグの不良品が多く出るし、たくさん取れない。

    ○タグを作るコツ

    水平に台紙を引き等間隔で抜くと、たくさんタグが取れる。

    作業製品の販売時に製品につける「明和のタグ」を作

    るため穴あけパンチで型抜きをしている。

    ガイドラインのあるシートの上で穴あけをすることにした。

    明和のタグ

  • 48

    実践((教材の使い方、工夫等)

    <使い方>

    ① 穴あけパンチをシートの上に設置し、抜き出すための紙の端を赤い縦線の一番右に合わせてから

    抜く。

    ② 青い横のラインを越えないように引きながら、すぐ隣のガイドに合わせてから抜く。

    ③ 続けて抜いていく。

    ④ 等間隔で抜ける。

    ① ② ③ ④

    効果・改善点等

    <効果>

    このシートを使うことによって、失敗タグが格段に少なくなった。また成果が表れたことにより、本

    人も真っ直ぐ台紙を引っ張ろうとする意識が見られるようになった。また等間隔で台紙を引いて抜

    くのは、他の生徒でも難しい作業であった。しかし、どれだけ引けばよいのかがはっきりし、無駄な

    くタグを作ることができるようになった。

    <改善点>

    集中して作業ができる時間帯は、この教具で作業ができるようになったが、時間が経つにつれ

    てシートを手元に引いてしまい失敗が増える傾向がみられた。今後、線の色や太さを変えて、本

    人が見やすくしたり、前方に立てた板を置いて、誤って手元に引っ張ることができないようにしたり

    する。

  • 49

    教材・教具名 アーム付き洗濯用ストッパー(ひもを結ぶ動作を補助する治具)

    ねらい ひもを結ぶ際、結び目を片方の手で押さえつつ、治具にひっかけながら結ぶことで

    簡単に結び目を作ることができるようにする

    学部・学年

    類型(コース) 知的障害教育部門 高等部2年 Aコース

    主に関係する

    領域・教科 作業学習 B 制作者名 ◯◯ ◯◯

    対象児童生徒 知的障害教育部門 高等部2年 Aコース生徒1名(生徒 A)

    制作のポイント 使用材料・部品

    ・ 委託作業(ひもむすび)で、ひもを結ぶ際に、片方の手で結ぶポイント

    を指で押さえながら、もう片方の手でひもを「くるっ」とまわす動作を補

    助するための治具を作成した。

    ・ 生徒 A は手先の巧緻性に困難さがあり、片手で結び目を押さえなが

    ら、もう片方の手で「くるっ」と結わえ付ける動作が上手くできなかった。

    そこで、結び目を片手で押さえる際に治具にくくり付けることで、両方

    の手を同時に動かす動作を軽減することができると考えた。

    ・固定式アームスタンド

    ・洗濯用ストッパー

  • 50

    実践((教材の使い方、工夫等)

    <使い方>

    <工夫点>

    ・ 手元で作業できるようアーム(iPad 等を固定する際に使用するアームスタンド)を洗濯

    用ストッパーに取り付けた。なお、アームは机に固定することで、ひもをストッパーから

    ひっぱり抜く際も手元でずれたり途中で外れたりしにくくなっている。

    ・ 洗濯用ストッパーはひもをくくりつけた後、結び目をもって「ぱちっ」とひっぱることで、簡

    単に抜けるようにバネの強度を調整した。また、洗濯用ストッパーはひも(製品)を傷つ

    けないよう、プラスチック製で形状が丸いものを採用した。

    効果・改善点等

    <効果>

    ・ ストッパーにくくりつけながら結び目を作ることで、片手で指をおさえる必要がなくなっ

    た。

    ・ 何度か教師が手本を示したことで、対象生徒(生徒 A)は自分で治具を作ってひも結び

    をすることができるようになった。

    <改善点>

    ・ ストッパーからひもを外した状態のままだと結び目がゆるいので、再度結び目を調整す

    る必要がある。調整する際に結び目が外れてしまうこともあったので、ストッパーの大

    きさやアームの角度を変えることで改善されることが考えられる。

    ①ひもをストッパーに

    くくりつける。

    ②ストッパーに固定しなが

    ら結び目をつくる。

    ③ひもを外し、結び目を調

    整する。

  • 51

    教材・教具名 プラバン焼きシート

    ねらい プラバン焼きを安全かつ素早く行うための補助具

    学部・学年

    類型(コース) 知的障害教育部門 高等部 B類型

    主に関係する

    領域・教科 作業学習 園芸・クラフト班 制作者名 ◯◯ ◯◯

    対象児童生徒 知的障害教育部門 高等部生徒

    園芸班ではプラバンアクセサリーを作っている。その工程の中でオーブンを使いプラバンを焼く作業がある。プ

    ラバンが縮み、熱く柔らかいうちに取り出して、重しを乗せなければならない。

    製品は熱くて小さいので持ちづらい。ピンセットや軍手でつまむと跡が残りクオリティが著しく落ちる。それらの

    問題を解決できるような教材を考えることにした。

    制作のポイント 使用材料・部品

    ・熱いプラバンに直接触れずに全工程を済ますことができる。

    ・アルミホイルのしわ後がついたり、くっついたりする等の失敗が減る。

    ・身近な材料で簡単に制作できるのでオーブンに合わせたサイズの変更が容易

    にできる。

    ・厚紙

    ・アルミホイル

    ・クッキングシート

    ・ホッチキス

    目標・極力熱い製品に直接触れずに仕上げる。

    ・工程を減らしスピーディーにする。

  • 52

    実践((教材の使い方、工夫等)

    <使い方>

    1・プラバンをシートに置き、紙をかぶせる。 3・冷めないうちに重しを乗せて平らにする。

    2・シートごとオーブンに入れ数秒焼いて取り出す。 4・冷まして完成。(左:焼き後 右:焼く前)

    効果・改善点等

    <効果>

    このシートを使うことによって、失敗品が格段に少なくなった。また、プラバンが縮んだ後の「ピン

    セットでつまむ」「シートをかぶせる」の工程が省略されたことで、短時間かつ安全にプラバン焼き

    が行えるようになった。工程が簡略化したことで、生徒達も積極的に作業する姿勢が見られるよう

    になった。

    <改善点>

    この教材は永久的に使えるものではなく、徐々に焦げつき劣化していく。燃えることは無いが、

    変色によりプラバンの様子が見えにくくなったり、焦げた臭いが出たりするなどの弊害があるた

    め、定期的に新しいものと交換する必要がある。

    教材のストックは教員が作っていて手間がかかる。制作難易度は高くないので、生徒が作るこ

    とも今後、視野に入れている。現時点では消耗品と捉えているが、もう少し耐久性のある素材を

    考える余地もあると思われる。

  • 53

    石川県立明和特別支援学校

    〒921-8834 石川県野々市市中林 4丁目 70番地

    TEL (076)246-1133

    Fax (076)294-2879