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規格・認証等(GAP,HACCP,JAS,GI)の推進について 平成29年6月 農林水産省

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規格・認証等(GAP,HACCP,JAS,GI)の推進について

平成29年6月農林水産省

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1.国際的な市場も視野に入れていく必要性

○生産者の顔がある程度見える関係

○信頼関係のもとに取引

○国内の常識が通用

国内市場

・消費者に届くまでの食料供給の一連の流れの複雑化・国内の農産物等の市場が海外に拡大・小売や製造のグローバル化

○食料供給の一連の流れ

の複雑化で、生産者の顔が見えない

○世界各国での・文化の違い・安全管理規制の違い

○常識が通用しない

○まがい物の横行

国際市場

国内市場

消費者の不信・不安

・「見える化」ニーズが高まっている・規格の策定や認証の取得が国際競争上優位に

⇒ 規格・認証の重要性が増大、対応しないと劣後

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2.食品安全や持続可能性等の重要性

近年の世界における食をめぐる状況

消費者の様々な価値感に基づく

ニーズ消費者が安心、信頼できる食品へのニーズの高まり

⇒「見えない価値」が重視

食品安全、環境保全、労働安全、人権保護

品質

基礎的価値

付加的価値

フードチェーンのグローバル化、複雑化

流通過程の不透明化

世界的な人口の増加で食糧が不足

環境破壊の進行

情報伝達手段の発達で様々な問題の情報伝達が迅速化

世界・個別の問題が消費者に見える化

見えない価値見える価値

価格機能デザイン

奴隷制度、児童労働

社会問題

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生活水準の向上、ニーズの多様化

高品質商品へのニーズ

消費者の不信・不安が拡大

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安全・安心な価値ある商品が消費者に届く

フードチェーン全体で

安全・持続可能性が確保

3.フードチェーン全体を通じた食品安全や持続可能性の確保

見えない価値(例) JGAP認証(例)

見えない価値が「見える化」(例:認証)

生産

小売

外食

消費者

製造

物流

見える化により、フードチェーン全体を通じて価値を消費者に訴求していく必要がある

仕入れにあたって確認

認証に裏付けされた商品の

安全・安心の情報を提供

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○規格・認証・知財を活用し、見えない価値を見える化。フードチェーン全体で食品安全や持続可能性を確保し、これからの消費者のニーズに合った安全で信頼のできる商品を提供していく必要がある。

仕入れにあたって確認

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4.GAPをする

見えない価値(例) JGAP認証(例)「GAPをする」農業において、食品安全、環境保全、労働安全等の持続可能性を確保するための生産工程管理の取組(GAP)を農業者自らが実施すること。

【目標】〈生産現場が変わる〉【KPI】平成30年度中に、各県内のGAP指導体制に

おける指導員数が全国で1,000人以上育成確保

東京オリンピック・パラリンピック競技大会まで

【目標】〈国際水準に達する取組が浸透〉

ほぼ全ての国内の産地で国際水準のGAPを実施

2021年から2030年まで

・生産現場への周知徹底(GAPは農業者の経営改善上、必要不可欠な取組との共通認識)。・GAP指導体制の構築。・全国農作業安全確認運動、農薬危害防止運動等の関連運動と連携強化。・農業教育機関におけるGAP教育を促進。

施 策 GAPの取組拡大に向けて

<食品安全> <環境保全> <労働安全>包装資材のそばに灯油など汚染の原因となるものを置かない

廃棄物を農場に放置しない

危険な作業はスイッチを止めてから行う(巻き込まれ防止)

堆肥置き場や調製施設では、専用の履物を準備する

危険箇所の掲示をする

農薬空容器は分別して処分

<人権保護> <農場経営管理> <その他>家族経営協定の締結、技能実習生の作業条件遵守 など

責任者の配置、教育訓練の実施、内部点検の実施 など

商品回収テストの実施、

資材仕入先の評価 など

+

取組の例

国際水準GAPではさらに 下記の取組も実施

4

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国際水準GAPの実施は、持続可能性の実現にもつながる

5.持続可能性実現に向けた国際水準GAPの活用

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1992地球サミット

2010COP10開催

名古屋議定書採択

2015SDGs採択

2020東京オリパラ大会

(調達コード)

持続可能性を求める動き

食品安全

人権保護

環境保全 労働安全

農場経営管理 その他

国際水準GAPの取組内容

持続可能な開発目標(SDGs)とは

2015年国連本部にて持続可能な開発目標( SDGs )を採択。国連に加盟するすべての国は2015年から2030年までに、貧困や飢餓、エ

ネルギー、気候変動、平和的社会など、持続可能な開発のための諸目標を達成すべく目標を掲げた。

生物多様性への配慮温室効果ガスの発生抑制

使用者と労働者とのコミュニケーション

労働条件の提示 など

引用:国際連合広報センターHP

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6.GAP認証をとる

見えない価値(例) JGAP認証(例)

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「GAP認証をとる」

GAPが正しく実施されていることについて、第三者機関の審査・確認の上、認証を受けること。

【目標】東京オリンピック・パラリンピック競技大会に必要な食材量を余裕を持って十分に供給できるGAP認証取得農産物等の出荷量確保

【KPI】・ 平成31年度末までに現状の3倍以上の認証取得

・ 日本発GAP認証の仕組みが国際承認を得る(GLOBALG.A.P.と同等の扱い)

東京オリンピック・パラリンピック競技大会まで

【目標】〈フードチェーンが変わる〉

・ 日本発GAP認証がアジアで主流の仕組み(デファクトスタンダード)となる

2021年から2030年まで

・価値を共有する流通業者等を結集し、オールジャパンでの協力体制を構築。・審査員の育成、団体認証の推進により、審査コスト削減と認証体制を強化。・優良事例表彰によるメリット周知。・日本発GAP認証の仕組みの国際承認による国際規格化を官民連携して推進。

施 策 国際水準GAP(GLOBALG.A.P.及びJGAP)の認証取得拡大に向けて

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7.HACCPをする

見えない価値(例) JGAP認証(例)

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「HACCPをする」事業者がHACCPの取組を実施すること

東京オリンピック・パラリンピック競技大会まで

【目標】○製造・流通等の現場が変わる→HACCP義務化の猶予期間終了までに食品関係事業者のHACCP対応を終了

【KPI】○ほぼ全ての関連業界において手引書が作成される

2021年から2030年まで

【目標】○全ての食品製造事業者HACCP の考え方に基づく衛生

管理を実施している状況が継続

○HACCP義務化に向けて、手引書作成支援、研修・指導者育成等の支援。○自治体に、HACCPの義務化に向け、HACCP内容の統一化の働きかけ。

世界各国で食品安全規制に取り入れられ、食品事業者が実施を義務づけられる流れにある。日本でも、HACCPを規制制度に取り入れる検討が進められている。

施 策

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○日本発の食品安全管理規格・認証の仕組み(JFS)が国際的に通用するよう、国際承認による国際規格化を官民連携して推進。平成30年末から平成31年はじめのGFSI承認を目指す。

8.HACCP認証をとる

見えない価値(例) JGAP認証(例)

8

「HACCP認証をとる」HACCPを事業者が実施していることをHACCPを含む規格への適合性を第三者が確認して、その証明を受けること

東京オリンピック・パラリンピック競技大会まで

【目標】○ JFS(日本発の食品安全管理規格)認証が国内の

HACCP認証として国内外で認知、認証拡大。【KPI】○ JFSが国際承認を得る。

【目標】○ JFSが国内で主流となる。海外で

認知度が高まり、輸出拡大へ寄与。

2021年から2030年まで

施 策

〈世界における食品安全管理の民間規格の動き〉

世界の大手の食品事業者を中心に、信頼できる第三者認証を取引において求める傾向が強まっている。

GFSIから承認された認証プログラム

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9.JFSの活用

見えない価値(例) JGAP認証(例)

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○2016年1月に一般財団法人食品安全マネジメント協会(JFSM)が設立。同年7月にJFS‐C規格が公表され、9月に第1号の認証が認められた。また、10月にはJFS‐A/B規格が公表されている。2017年6月現在、認証・適合証明された組織数は、JFS‐Cが10組織、JFS‐Bが3組織となっている。

JFSの取組効果

【国内】• 食品安全等対策レベルの向上とコストの最適化• 品質管理の効率化・有効化

【海外】• 輸出促進の基盤 ・輸入対応• 海外展開

A規格

B規格

C規格

要求事項の種類

段階

国際取引に使われる

HACCPの実施を含む

一般衛生管理中心

JFS規格

同等性評価

100%

65%

35%

GFSIガイダ

ンス文書要求事項

承認申請予定

フードチェーンを通じた安全管理の取組により、消費者のニーズに合った安全・安心な食品を提供することができる。

日本ローカルグループ

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10.JAS

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規格の対象は、産品の成分等のほか、産品の生産方法、事業者の運営・管理の方式、測定・分析方法など広範。

○ 規格・認証は、品質、技術、取組の内容を「見える化」するもの。サプライヤーにとっては品質管理の基準や説明・証明の後ろ盾として活用できるとともに、バイヤーにとっても、調達の基準、二者認証を省いても確かなものであると判断する材料として活用が可能。消費者の選択の指標にも。

○ ビジネスにおいて活用し易いものとなるよう、事業者のニーズに応じた多様な規格の制定・活用を後押しするとともに、JAS規格の国際的な影響力を高め、我が国農林水産業・食品産業の競争力を強化。

ビジネス上活用しやすいJAS規格の制定

規格に合っていることを国際的に通用する手続により認証・証明。

海外の消費者も、一見して認証内容が分かる標語をマークに表示。

【見直し後】

(イメージ)

【現行】消費者にも分かりやすいJASマーク表示

認定機関名

鮮度管理※英語表記にも対応

認定機関名

伝統製法の抹茶

通常の茶葉の粉末茶

「本物」を類似品と差別化

■ 製法に関する規格例えば、伝統的な抹茶の調達を容易にするため、その製法を規格化。

■ 管理⽅式に関する規格例えば、鮮度をアピールするため、定温保管・輸送⽅式を規格化。能⼒を有する事業者を認証。

○○いちご ○○いちご

認証事業者が扱うので「新鮮」とアピール可能に

Fresh!適切な保管・輸送⽅式

ビジネスにおいて戦略的に活用したい事業者・団体、産地・地域からの提案を受けて、官民連携の体制で規格化に対応。

農林水産省及びFAMICの相談窓口がサポートするほか、予算措置により規格制定の支援を実施。

■ 測定・分析⽅法に関する規格例えば、品質の⾼さをアピールするため、成分の統⼀的な測定・分析⽅法を規格化。

ほうれんそう 寒締めほうれんそうおいしさや技術の⾼さを根拠を⽰してアピール

客観的に⽐較可能!

統⼀的な測定⽅法低 糖 度 ⾼

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11.地理的表示(GI)保護制度

見えない価値(例) JGAP認証(例)

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○ 地理的表⽰とは、地域で育まれた伝統を有し、その品質等の特性が⽣産地と結び付いている農林⽔産物・⾷品等の名称。

○ この名称を知的財産として保護する地理的表⽰保護制度の運⽤を平成27年6⽉から開始。今後、国内外の市場においてGIマークによる差別化と保護を図ることで、我が国の地域特産品のブランド化を促進。

地理的表示保護制度の大枠と効果

地理的表示(GI:Geographical Indication)

④ 生産者は登録された団体への加入等により、「地理的表示」を使用可。

③ 不正な地理的表示の使用は行政が取締り。

② 基準を満たすものに「地理的表示」の使用を認め、GIマークを付す。

①「地理的表示」を生産地や品質等の基準とともに登録(登録時の9万円以外に更新料等は不要。)。

○ 地域共有の財産として、地域の生産者全体が使用可能。

○ 訴訟等の負担なく、自分たちのブランドを守ることが可能。

○ 基準を満たす生産者だけが「地理的表示」を名称として使用可能。

○ 品質を守るもののみが市場に流通。○ GIマークにより、他の産品との差別化が図られる。

制度の大枠 効 果

生産地産品の特性

○自然的な特性・昼夜の寒暖差が大きいため、高糖度の原料柿ができる・晩秋から初冬にかけて川霧が発生し干柿の生産に絶好の温度と湿度が整う

○人的な特性・下伊那郡高森町(旧市田村)が発祥の「市田柿」のみを使用・じっくりとした「干し上げ」、しっかりとした揉み込み

○品質・「市田柿」は特別に糖度が高い・もっちりとした食感

○社会的評価・評判・高い知名度がある

○その他・きれいな飴色・小ぶりで食べやすい・表面を覆うキメ細かな白い粉化粧

市田柿という名称から産地と産品の特性がわかる

地理的表示

市田柿

登録産品の例

結び付き

夕張メロン

みやぎサーモン

三島馬鈴薯

山内かぶら

西尾の抹茶

神戸ビーフ

下関ふく

鹿児島の壺造り黒酢

(北海道)

(宮城県)

(静岡県)

(福井県)

(愛知県)

(兵庫県)

(山口県、福岡県)

(鹿児島県)

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12.GIのビジネス化の支援

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ガイドラインの対象

農林水産省への使用申請と許諾

GIマーク使用の注意点

〇流通業者、消費者等への認知度向上

〇消費者の⽬に触れる機会が多い広告や外⾷のメニュー等でGIマークの使⽤基準がない

・使⽤する事業団体ごとでの申請が可能(⽀店や店舗ごとの申請は不要)

・GI産品ごとの申請は必要なし※使⽤の⽅法や申請⼿続については、「広告、インターネット販売、外⾷業等におけるGIマークの使⽤に関するガイドライン」(策定中)を参照

販売店・インターネット販売・飲⾷店において、GIマークを活⽤してGI産品を提供することが可能に。

GI制度の課題

GIマークは、GI産品と⼀体的に付すことが必要。(何がGI産品なのか誤解を与えないため)GI産品を使⽤した加⼯⾷品の包装等に直接GIマークを付すことはできない

③飲⾷店のメニュー

②インターネット販売

①広告でGI産品をGIマークとともに宣伝

農林水産省GIマーク使用事業者 GIマークの使用前に

許諾

〇 GIマークをGI産品の積極的な販売に活⽤するため、広告、インターネット販売、外⾷業等におけるGIマークの使⽤に関するガイドラインを公表予定

○ これにより、GI制度の流通・販売事業者、外⾷事業者、消費者への認知度向上も期待

申請

〇〇メロン

〇〇メロン

〇〇カシス

GI産品

「〇〇ビーフ 使用」

④GI産品を使⽤した加⼯品、料理などの販売

ガイドライン公表により、GIマークの活用を促し、GI産品の販売促進・GI制度全体の認知度の向上を目指す