immigration related audits (dhn presentation) japan tokyo - revised
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移民法に関する政府の監査及び雇用主の取るべき対応
デイビッド・ナクマン弁護士
移民法に関する政府の監査 – 概要
移民法に関する政府機関による監査・調査の主な対象事項:
- H-1B 非移民ビザ- 移民改革規正法 (I-9 フォーム )- 外国人労働許可申請 ( 通常、永住権申請
に必要な労働局申請( PERM 申請) )
移民法に関する政府の監査 – 概要
- 前頁で取り上げた各対象事項に関する政府機関による監査に対し、会社が事前に実施すべき企業コンプライアンスの内容は想定可能である
- 政府機関による監査に対し、複雑な必要書類管理についての基本的理解を持つことで、雇用主及び従業員は罰則を避けることが可能となる
- 国土安全保障省またその他関連政府機関は移民法に関わる企業コンプライアンスが実施されていない雇用主に対し、厳しい法的制裁を課している
移民法に関する政府の監査 – 概要
米国移民法に対して企業コンプライアンスが実施されているか監査を通して確認する主な政府機関:
– 米国国土安全保障省 ( DHS)– 米国労働省(労働局: DOL )– 米国国務省 ( DOS)– 米国国税庁 ( IRS )– 米国司法省 ( DOJ )
移民法に関する政府の監査 – 概要
- H-1B 非移民ビザ申請には、労働条件申請 (“LCA”) – ETA 9035 の認可が必要
- 労働局は LCA を法的に管理し、 H-1B スポンサー会社に対しては連邦政府によって定められた平均賃金額の 100% 以上を H-1B 従業員に支払う義務を課している
- H-1B スポンサー会社は、平均賃金以上の支払いが必要であると同時に、その賃金及び H-1B ビザによる雇用条件に関する必要書類を規則に則って保管しなければならない
- H-1B スポンサー会社は、パブリック・アクセス・ファイル (“PAF”) を用意し、一定期間保管する義務がある
移民法に関する政府の監査 – 概要
- パブリック・アクセス・ファイルは H-1B スポンサー会社が LCA を労働局 に申請後、直ちにH-1B における就労場所において保管維持する必要がある
- 米国競争労働力改善法 (“ACWIA”) の下、全H-1B 従業員は該当 H-1B 従業員と同じ職種に区分されるアメリカ人を含めた他の従業員と同じベネフィット(福利厚生等)を受けなければならない
移民法に関する政府の監査 – 概要
労働局による監査が実施される要因:
– 会社の雇用に不満を持つ従業員による告発– 労働局による無作為の監査対象企業の選択– 米国国務省(大使館・領事館等)による調査報告
– その他、政府機関からの調査報告
移民法に関する政府の監査 – 概要
労働局による監査が実施された際、 H-1B スポンサー会社に罰則が課せられる可能性のある主なケース:
- H-1B 従業員に対して指定平均賃金以上の支払いを行っていない
- パブリック・アクセス・ファイルを適切に保管していない
- H-1B 従業員に対して H-1B 従業員と同じ職種に区分されるアメリカ人を含めた他の従業員と同じベネフィット(福利厚生等)を与えていない
移民法に関する政府の監査 – 概要
- 労働局規則に従わないことへの影響:
– H-1B 従業員に対して申請上支払うと誓約したにもかかわらず支払わなかった分の賃金支払い
– 今後の H-1B 申請の制限– その他、罰則に応じた民事また刑事刑
- 雇用主が政府請負業者の場合、アメリカ政府からの契約が不可能となる
移民法に関する政府の監査 – 概要
- H-1B に対する監査に続く政府による主な監査・調査対象は企業による従業員雇用管理( I-9 フォームによる管理) - 1986年移民改革規制法“ IRCA” に基づく
- 雇用主は一部例外を除き、在アメリカの企業で働く全従業員に対して I-9 を準備し、一定期間保管する義務がある
- アメリカにおける全ての雇用に対し、会社の人事担当者は IRCA に基づいた人事管理が不可欠であることを認識する必要がある
移民法に関する政府の監査 – 概要
- IRCA 規則では、在アメリカの企業は不法就労者であることを知りながらも雇用し、かくまう事を法律で禁止している
- 全ての在アメリカの企業は I-9 フォームを通して全ての新規採用の従業員に対して米国で就労する資格があるかどうか確認しなければならない
- I-9 フォームそのものは一見1ページのシンプルな書類
- 在アメリカの企業は従業員を新規採用する際、採用予定者の「身元」及び「就労資格」の確認を I-9 を通して行い、就労資格があるかどうか確認の上、最終的に採用を決定しなければならない
移民法に関する政府の監査 – 概要
- 移民局管轄の移民税関執行局 (“ICE”) は I-9 管理に関する会社査察及び監査を実施している
- 最近の好ましい傾向として、 ICE による企業に対する I-9 監査の数が減少傾向にある
- 最近の好ましくない傾向として、 ICE捜査官は監査に対して寛大な判断を下す傾向が減り、会社側の責任に対して指導を行い、より厳しく法的措置を施す傾向にある
移民法に関する政府の監査 – 概要
「国家安全」と「アイデンティティー」に焦点を当てた現在のアメリカの雇用に関する政府の姿勢を考慮に入れると、 ICE捜査官は今後もより積極的に監査・調査を続けることが予想される
監査・調査の要因:– 雇用主に対して何らかの不満を持つ従業員による告
発– 無作為に対象として選ばれた監査– 政府による特定の監査・調査(サービス業)
移民法に関する政府の監査 – 概要
- ICE は、政府が保持する国家データベースを基に雇用主の情報を確認し、一般に不法労働者を雇っていると言われる業界に主にターゲットを当てている
(例)レストラン、食肉加工業者、大衆向けのクリーニング業者、繊維・衣料品取り扱い業者、酪農業など )
- 政府による監査に備えて社内監査を実施することでリスクを軽減することが可能
移民法に関する政府の監査 – 概要
- 国家安全保障上の問題により、国家のインフラシステムの根幹となる空港、廃水施設、及び高速道路に関わる業者に対しては特に厳しい I-9 管理が施されている
- 雇用主は、派遣社員に対しても派遣業者を通して I-9 による就労資格確認が実施されたかを確認する責任がある
移民法に関する政府の監査 – 概要
- 政府による監査対象の可能性が高い 3 つ目の事項は PERM 外国人労働許可申請( Green Card )手続きである
- PERM による申請が開始された 2005年には、より早い審査が約束されていた一方で、そのプロセスは今日より複雑化している
- 労働局は PERM 申請後、一旦監査(追加書類、情報の要求)を行い、その後申請処理する方が審査が容易になるという見解を持っている
移民法に関する政府の監査 – 概要
PERM 申請プロセスにおいて永住権をスポンサーする会社が取得また実施しなければならない事:
– 申請ポジションに対する平均賃金額 (“PWD”) の取得– 法律に則った求人活動– 決められた期間、期限での求人活動 – 求人条件に合致するアメリカ人、また永住権保持者が見つからなかったことの証明
移民法に関する政府の監査 – 概要
- PERM 申請は ETA9089 フォームへの必要事項の記入が必要
- ETA9089 フォームは労働局に提出する(オンライン申請)
- 審査に対して労働局は:
– 実施した求人広告の証明など必要書類を確認することなく、認可する 若しくは:
– ETA9089記載内容確認のために必要書類・情報を要求する監査レターを発行する
移民法に関する政府の監査 – 概要
- PERM 規則の下、労働局は提出された ETA9089フォームの審査において監査レターを発行する理由として、「正当な理由による」または審査官の「独自の裁量」による場合がある
- スポンサー会社が受け取る監査レターには提出すべき書類や情報のリストが記載されている
移民法に関する政府の監査 – 概要
- 監査レターに対する返答はそのレターの受け取りから 30日以内に行わなければならない
- 監査レターに対して期限内に返答しない場合、申請した PERM (ETA9089 フォームによる申請 )は却下となる
移民法に関する政府の監査 – 概要
- 会社が実施している移民法に関かわる各手続きに対し、国土安全保障省、労働局、またその他の関連政府機関による監査・調査は、裏づけを持った直接的そして / または無作為に対象会社が選ばれることで実施されている
- 政府の定める規制に正当に従わない場合には厳しい罰則が与えられる
- 会社は複雑な政府による監査について、また移民法に関わる企業コンプライアンスについて確実に理解することで相当の時間とお金を節約できる