~杉並区アニメ施策の再構築に向けて~ · ⑤...

13
杉並区アニメ施策に関する懇談会報告書 ~杉並区アニメ施策の再構築に向けて~ 平成 24 年 10 月 杉並区アニメ施策に関する懇談会

Upload: others

Post on 24-Jun-2020

0 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

杉並区アニメ施策に関する懇談会報告書

~杉並区アニメ施策の再構築に向けて~

平成 24 年 10 月

杉並区アニメ施策に関する懇談会

1

はじめに

1960 年代に始まるテレビアニメーション(以下、固有名詞を除き単に「アニメ」という。)の本格

的な放映以来、広く国民に親しまれてきた日本のアニメは、1990 年代に入り、欧米に端を発して国

際的な評価を得るに至った。さらに、文化芸術振興基本法で、アニメが「メディア芸術」の一つと定

義され、また、アニメ産業が日本の戦略分野として位置づけられるなど、文化、芸術、経済など多方

面において、アニメは人々の生活の中で存在感を大きくしていった。

このような時流を受けて、国内有数のアニメ会社が集まる杉並区では、区内アニメ会社のネットワ

ーク化を目指した「杉並アニメ振興協議会」の設立支援や、事業拡大を図る見本市としての「アニメ

ーションフェスティバル」の開催、アニメーターの養成を図る「杉並アニメ匠塾」、そして国のアー

カイブ施設の区への誘致を図る先行投資的取組みとした「杉並アニメーションミュージアム」の開設

など様々なアニメ事業を展開してきた。

しかし、国や東京都において同趣旨の事業が開始されたことや、「(仮称)国立メディア芸術総合セ

ンター」の設立が撤回されるなど、杉並区が当初想定していた事業趣旨や目的が徐々に薄れていく結

果となった。

平成 22 年 11 月の「事務事業等の外部評価(杉並版「事業仕分け」)」では、「アニメ産業の育成・

支援」が取り上げられ、「アニメ産業の育成・支援については、事業内容の変更をするなど、廃止を

含めた抜本的な見直しが必要」という評価結果となった。

これを受けた区では、「杉並アニメ匠塾」を廃止し、アニメーションフェスティバルの休止を決定

するとともに、これまでのアニメ振興策に加え、アニメの持つ発信力や集客力、まちや人に活気を生

む娯楽性の高さが 大限生かされるよう、アニメミュージアムも含めたアニメ施策全体を再構築する

こととした。

「杉並区アニメ施策に関する懇談会」は、杉並区が今後の再構築にあたり参考とするべき有用な考

え方を示すため、アニメ制作会社や商店街へのヒヤリングやアンケート調査を行うとともに、これま

で区が取り組んできた施策についての評価、アニメ振興施策のあり方、アニメを活用した商店街の活

性化やまちのにぎわいの創出について、平成 24 年 5 月から 10 月の間に 5 回の議論を重ねてきた。

本報告書は、その議論の結果をまとめたものである。

1 これまでの杉並区のアニメ施策と課題

(1)杉並区アニメ施策を取り巻く状況

① 杉並区のアニメ産業

○ 全国に約 400 社あるアニメ制作会社の内、その約 9 割が東京都に集中し、杉並区には約 70

社と練馬区と並び全国でも有数のアニメ制作会社の集積地になっている(2011 年 一般社団法

人日本動画協会調査)。かつては「ルパンⅢ世」、「アタック No.1」を世に出した東京ムービー、

現在では「機動戦士ガンダム」のサンライズ、「鋼の錬金術師」の BONES、「マクロス F」の

サテライト、アニプレックス傘下で「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」を制作し

た A-1 Pictures、「ラストエグザイル」のゴンゾなど、国内屈指の制作会社が区内に名を連ね

ている。

2

○ 今般、従来にない品質の高さが求められる、いわゆる「クオリティバブル」と呼ばれる傾向

があり、これに対応するための作業量や人件費の増加、新たな設備投資など、金銭的・時間的

コストが増大する要因となっている。

一方、アニメの製作は、アニメ制作会社だけでなく、音楽やゲーム、玩具、テレビ、映像、

書籍等のアニメ関連事業者が共同で出資する「製作委員会方式」で行われることが主流になり、

リスクの分散が図られる反面、リターンも分散され、十分な収益に結び付きにくい構造になっ

ている。また、数多くのアニメが制作される中で、そもそも大きなヒット作が生まれにくい環

境下ともいえる。

これらの現状は、区内アニメ制作会社も例外ではなく、日本を代表するような有名作品を数

多く残している一方、非常に厳しい経営を迫られている状況下にある。

② 国・東京都の動向

○ 2010 年 6 月に閣議決定された「新成長戦略」では、「クール・ジャパンの発信、輸出、海

外展開施策の実施」により「世界のコンテンツ大国の地位確立」「日本ブランドの浸透、価値

向上による世界における競争力強化」を実現し、アジアにおけるコンテンツ収入 1 兆円を目

指すとある。その中の重要な要素としてアニメが挙げられ、内閣府、経済産業省、文化庁を中

心に様々な振興施策が展開されている。

また、こうした中で、人材育成についても、経済産業省の「コンテンツ産業強化対策支援事

業」や、文化庁の「若手アニメーター等人材育成事業」を中心に積極的な事業が行われている。

○ 東京都産業振興基本計画においては、アニメ産業はコンテンツ産業の一つとして「日々新し

い文化的価値を生み出し、高い情報発信力を持つことから、重点産業として育成していく」と

され、東京アニメフェアにおけるビジネスマッチング事業等が実施されている。

③ 地方の動向

○ かつてから行政による著名作家・作品の美術館やオブジェなどのハード整備を中心に行われ

てきたが、近年は人気アニメの舞台を訪ねるいわゆる聖地巡礼に乗じた観光・商業活性化事業

や、ビジネスマッチングなどの地域産業施策が活発化している。

○ また、アニメを含むコンテンツ産業に係るスタジオの誘致・定着を図るため、移転経費や家

賃に対する補助金や、インキュベーションセンター、廃庁舎等の提供を行う地方自治体も現れ、

アニメ制作会社が杉並区から移転することも想定される状況になっている。

(2)各事業別の成果と課題

① アニメーションミュージアムの開設・運営

【事業概要】

○平成 16 年度開設。当初は、国が計画しているアニメーションセンターを区に誘致するため

の先行投資的取組みとして運営。

○事業内容は、ワークショップの開催、常設展・企画展、アニメシアター等の運営、アニメ資

料の保存・閲覧等。

3

【成果と課題】

○国内外から年間約 5 万人の入場者を集め、また、アニメ関係者のインタビューを映像・音

声として記録するなど、アニメの普及・記録保存に一定の成果を果たしている。

○アニメーションセンターの誘致については、国の施設計画が進展しない中、国立メディア芸

術総合センターの設立撤回を以って停止している。

○国内外を視野に入れた日本初の総合アニメーションミュージアムであるが、施設規模が小さ

く、展示・イベント企画・収蔵等様々な点において十分な機能を果たしていない。

○交通アクセスが良好とはいえないことに加え、ミュージアム周辺に他の集客施設や商店の集

積が少なく、地域全体の魅力が醸成されていない。

② アニメ匠塾

【事業概要】

○平成 14 年度から 21 年度まで実施。アニメ制作の海外発注による人材の空洞化対策、零細

事業者の人材育成を目的として事業化。

○杉並アニメ振興協議会(平成 22 年度解散)に事業委託。区内アニメスタジオで 6 ヶ月のイ

ンターンシップと終了後の就職を支援。

【成果と課題】

○延約 50 名が入塾・修了、約 40 名が就職し、修了者の一部は総作画監督やサブキャラクタ

ーデザインを担うようになるなど、一定の成果がみられた。

③ アニメーションフェスティバル

【事業概要】

○平成 13 年度から 21 年度まで毎年 1 回開催。杉並アニメミュージアム、桃井第一小学校を

会場に、子ども・家族向けのワークショップ、アニソンライブ、キャラクターショー、スタ

ンプラリー等を実施。

【成果と課題】

○地域のにぎわい創出、「アニメのまち杉並」の PR に一定の成果がみられた。

○アニメーション制作会社の事業拡大を図る見本市として開始したものの、後発の東京国際ア

ニメフェアがより大規模な見本市機能を持つため、子ども・家族向けのイベントとして趣旨

を変更した。代替策として東京国際アニメフェアに区と事業者が連携して出展したが、ビジ

ネスマッチングという観点からは大きな成果は得られなかった。

○比較的小規模な取組であるうえに、年 1 回の開催であることから、恒常的なアニメ産業の

振興、地域活性化にはつながらなかった。

④ 杉並アニメ振興協議会

【事業概要】

○平成 13 年度設立。主に区内アニメ下請会社で構成され、25 社が参加。

4

【成果と課題】

○区内アニメ会社のネットワークづくりを目的として設立を支援し、短編アニメ「サヨナラ、

みどりが池」の制作や、「杉並アニメ匠塾」事業の受託など、一定の成果が見られた。

○主体的に発展性のある事業を展開できず、「杉並アニメ匠塾」の廃止とともに解散した。

⑤ アニメキャラクター「なみすけ」の選定と活用

【事業概要】

○平成 18 年度「すぎなみの輝き度向上」運動の一環として公募により選定。

○杉並区のシンボルキャラクターとして、区発行の印刷物や区案内表示等に使用。

○ぬいぐるみや携帯電話ストラップ等のキャラクターグッズの製作・販売。

○企業等における版権利用の承認とライセンス料の徴収。

【成果と課題】

○区民に広く浸透し、区と区民をつなぐコミュニケーションツールとして機能している。

○商用利用について明確な事業方針が描けず、利用は低く推移している。

○アニメキャラクターとして選定したものの、アニメ化する目的が明確でなく、実績は 1 本

にとどまっている。

(3)課題の総括

各事業の課題を整理し、また、これまでの施策に欠けていた観点等を総括すると、以下のように

なる。

○ アニメーションミュージアムが区アニメ施策の中核施設でありながら、施設規模、立地、事

業内容ともに十分とは言えず、アニメミュージアムを核とした地域・商店街等の活性化や区

内制作会社のプロモーションに貢献できなかった。

○ 人材育成においては、「杉並アニメ匠塾」でアニメーター志望者の発掘・育成に一定の成果

がみられたが、すでにアニメーターである人材への支援や、アニメ教室のように将来アニメ

産業に携わる人材を増加させる取組みなど、広い意味での人材育成策を実施してこなかった。

○ アニメーションフェスティバルは、アニメ施策全体の中での戦略的な位置づけが明確ではな

く、中長期的に地域のにぎわいを創出する観光事業のような取組みとの連携は必ずしも十分

ではなかったため、子ども・家庭向けイベントとして一過性のものとなった。

○ アニメが魅力の高いコンテンツであるにも関わらず、商店街等での活用を促進する視点がな

く、またそのような事業を実行できる人材の導入が図られてこなかった。

○ アニメを生み出している制作会社の厳しい経営環境に対して、直接的に支援する事業を実施

してこなかった。

○ 「なみすけ」はアニメキャラクターとして生まれたものの、区と区民をつなぐコミュニケー

ションツールとしての活用に重点が置かれ、アニメの普及や商用利用での活用は不十分だっ

た。

5

3 今後のアニメ施策の方向性(アニメ施策の再構築)

今後の杉並区のアニメ施策は、以下2つを大きな方向性として定め、これをもとに具体的な事業

の展開を図っていく。

方針1 アニメを活用した地域・商店街等の活性化

○ 重点 地域、商店街の活性化を図るための核となる施設としてアニメーションミュージ

アムを位置づけ、適切な場所への移転と機能の拡充を図る。

○ キャラクタービジネスやアニメ作品の上映など、著作権をはじめとしたコンテンツの様々な

権利を活かせるような事業を実施する。

○ アニメコンテンツの市中での掲出や、アニメ作品の舞台を巡るいわゆる聖地巡礼等による集

客事業については、アニメ作品の PR と観光による集客の両面からの事業展開を検討する。

○ アニメ産業が極めて専門性を有する分野であることから、これに精通した人材や地域・商店

街等を取りまとめる人材などの発掘・登用を行い、区と連携を図りながら施策を推進する体制

を構築する。

○ 「なみすけ」が区の範囲を越え、一コンテンツとしての高い知名度と良好なイメージを持ち

得るよう、アニメ制作会社等の協力を得ながら事業展開を行うとともに、「なみすけ」の区内

事業者による商用利用を積極的に進め、区内産業の振興を図る。

【アニメを活用した地域・商店街等の活性化】

アニメーション

ミュージアム

○新たな事業展開

○人材の登用・発掘

○なみすけの活用

拡充

地域・商店街の核とな

る施設として適切な場

所へ移転

移転

波及

波及

波及

方針1 アニメを活用した地域・商店街等の活性化

方針2 アニメ産業の支援

6

方針2 アニメ産業の支援

○ 重点 アニメ産業が区内経済の一翼を担い、また、区民生活の文化的側面を向上させる

観点から、事業者の経営支援や制作者等の人材育成を支援し、杉並区での振興・定着を図ると

ともに、広く区外からの誘致を促進する。

○ アニメ産業は、大きくはコンテンツ産業として、マンガ、映画、ゲーム、音楽等との関連が

強く、これら周辺の産業を視野に入れながら、アニメ産業に対してより効果的な支援を検討す

る。

○ 支援は、国や東京都との施策の重複を避け、連携や補完を図りながら実効性を高めるととも

に、基礎自治体として区民生活に密着した視点での取組みを重視する。

○ 区民がアニメに接する機会を創出し、区民の文化生活の向上を図るとともに、アニメに対す

る関心を高め、「アニメのまち杉並」の土壌を醸成する。

【アニメ産業の支援】

国 東京都

杉並区

アニメ産業周辺の産業

基礎自治体にふさわし

い区民生活に密着した

取組みによる支援

「アニメのまち杉並」

の醸成

連携

補完

音楽ゲーム

アニメ

漫画 映画

支援

7

3 具体的な事業の考え方

方針1 アニメを活用した地域・商店街等の活性化

(1)アニメーションミュージアムの移転及び機能拡充

アニメーションミュージアムは、アニメのアーカイブを主目的とした「杉並アニメ資料館」を前

身としている経緯もあり、主に資料収集やライブラリー、作品展示などを事業の中心として運営が

図られてきた。

今後は、ミュージアムが杉並区のアニメ振興のシンボルとして広く認知され、まちのにぎわいを

創出し、より一層集客力のある施設となるために、事業の充実と魅力の発信を図るとともに、地域

や商店街でのアニメの活用などにおいても中心的な役割を担えるよう、次の考え方に基づき、移転

の検討、機能の拡充を図っていく。

【移転の検討】

○ アニメーションミュージアムが入居している建物が著しく老朽化しているため、区立施設の

再編・整備計画策定の動向を踏まえながら、以下の点を考慮した立地への移転を検討する。

・駅から商店街を抜けた先に配置するなど、地域や商店街等への効果的な集客を見込めること。

・ミュージアム周辺に、他の集客施設や商店の集積がある、または今後その見込みがあること。

・商業施設及び文化施設として、十分な延床面積を確保できること。

・アニメ制作会社等が、自社アニメの PR や人材育成等において、ミュージアムを効果的に活

用できること。

【機能の拡充】

○ アニメーションミュージアムが、館内の事業にとどまらず、杉並区アニメ施策の中心として

位置づけ、以下のとおり機能の拡充を図る。

・杉並区のアニメ施策全体の中心的役割を担う総合プロデューサーを登用し、アニメーション

ミュージアムに配置する。

・アニメ制作会社等と地域や商店街等をつなぐコーディネーターの発掘を行い、総合プロデュ

ーサー統括のもと連携しながら事業を推進する。

・これまでの企画展やワークショップなどに加え、著作権活用や地域イベントの開催、アニメ

制作会社等とのタイアップ企画など、ミュージアム館外での事業を拡充する。

・ミュージアムが管理・運営する施設として、展示・イベント・グッズ販売等の施設新設を検

討する。

(2)アニメ関連施設・事業所等の誘致及び開業支援

○ 地域や商店街等の魅力向上を図るため、アニメ関連施設及び事業所等の集積を図る。

・アニメ制作会社等のオフィシャルショップ誘致

・アニメキャラクターのオブジェ等の設置

・既存商店による限定グッズの販売支援

○ 当初はモデル地区の指定を行い、集中的な集積を図ることで効果検証を行う。

8

(3)地域や商店街等でのアニメPRと活用支援

○ 地域や商店街等において、アニメグッズの開発、イベントの開催等を企画する際の事業費の

助成を行う。助成対象者は、商店街関係者のほかアニメ制作会社、コーディネーター、NPO

等に広げ、実効性の高い事業を柔軟に行える制度設計とする。

○ 事業実施あたっては、アニメ産業の振興とアニメの活用双方にメリットがある事業を推進す

る。

【アニメーションミュージアム移転後の地域・商店街のイメージ】

(4)アニメ事業推進プロデューサー及びコーディネーターの導入

○ アニメ産業が極めて専門性を有する分野であることから、杉並区のアニメ施策全体の中心的

役割を担う芸術監督(プロデューサー)を登用し、以下の施策について企画・実施する。

・ アニメーションミュージアムの企画・運営

・ 商店街等に対する著作権活用に関する事業支援

・ 地域や商店街等を会場に実施するフェスティバル、上映会、聖地巡礼等のイベントの企

画・実施、または支援

アニメーション

ミュージアム

○好立地への移転

○アニメ活用プロデューサー機能の強化

・地域イベントの主催

・新作アニメとのタイアップ試写会

・著作権利用の橋渡し

移転と機能強化

商店や集客施設の

集積

オフィシャルショ

ップ等の誘致

アニメオブジェ等

の設置

プロデューサー

コーディネーター

コーディネーター

コーディネーター

地域イベント

タイアップ試写会

9

・ アニメ制作会社等との新作アニメプロモーション、聖地巡礼等に係るタイアップの企画・

実施、または支援

○ アニメ制作会社等と地域や商店街等とをつなぎ、個別事業を具体的に推進する以下のような

人材を発掘し、コーディネーターとして登用する。

・ アニメ産業の振興とアニメの活用双方に関心があり、両者にメリットが享受できる事業企

画ができる人材

・ 商店街等の会員であり、アニメを活用した取組みについて商店街等の意思を集約できる人

・ 地域や商店街等のイベントをこれまでに手掛け、一定程度の集客実績がある人材

・ アニメを活用した地域や商店街等の活性化事業に他自治体で実績がある人材

・ アニメ制作会社等の勤務経験があるなど、業務知識に精通しており、地域や商店街等の活

性化に情熱がある人材

【アニメ事業推進プロデューサー及びコーディネーターの導入】

アニメーション

ミュージアム

○アニメーションミュージアムの企画・運営

○商店街等に対する著作権活用に関する事業支援

○地域や商店街等を会場に実施するイベントの企画・支援

○アニメ制作会社等とのタイアップの企画・実施、または支援

プロデューサー

○地域・商店街との調整・アドバイス

○アニメ制作会社等との交渉・連携

○アニメ事業の監督、または支援

コーディネーター コーディネーター

コーディネーター

アニメ制作会社等

企業

NPO

学校

地域・商店街

10

(5)「なみすけ」等の知名度の向上とその活用

○ アニメ制作会社等からの協力を得ながら、杉並区のアニメキャラクターとして公募された

「なみすけ」の知名度を向上させる取組みを行う。

【例】

・人気クリエーターによる「なみすけ」のアレンジ画制作

・アニメ制作会社とのタイアップによるアニメ作品中での「なみすけ」の登場

○ 「なみすけ」の商用利用に際し、「(仮称)なみすけ商品化委員会」を設置し、「なみすけ」

の良好なイメージを高いレベルで維持しながら、杉並区の逸品と認定した商品には「なみすけ」

の使用許諾、ロイヤリティフリーなどの特典を与えるなど、付加価値の高い商品開発を促進す

る。

○ 区内各地域・商店街のキャラクターを公募し、選定されたキャラクターをアニメ制作会社に

おいてリライトするような取組みを行い、地域・商店街の活性化とアニメ制作会社の PR の双

方を同時に推進する。

【「なみすけ」等の知名度の向上と活用】

方針2 アニメ産業の支援

(6)アニメ制作会社等に対する経営支援

○ アニメ制作会社等の経営安定と、アニメ制作会社等の誘致・定着を目的に、スタジオ移転経

費・家賃に対する補助金や、スタジオとして活用できるオフィス等の提供・あっせんを行う。

【例】

・練馬区:アニメ制作企業等立地促進補助金 移転費用 200 万円等

・富山県南砺市:起業家支援センターの開設 賃貸借料 500 円/㎡

なみすけ

地域・商店街での

活用

商品化

地域・商店街 キャラクター

地域PR

アニメ制作会社

のPR

知名度向上 リライト

11

(7)アニメ制作者の人材育成支援

○ 「なみすけ」を登場人物とし、杉並区を舞台としたアニメの制作を若手制作者が中心となっ

て担うことで人材の育成を図るとともに、杉並区の魅力を発信し、また、制作者が地域に愛着

を持つような取組みを行う。

○ アニメーションミュージアムが現在実施しているアニメ教室の拡充により、アニメ制作に関

心を持つ人口の裾野を広げるとともに、若手制作者に講師、アシスタントを依頼することで、

経済的支援の一助とする。

○ 経済産業省や文化庁等で実施している人材育成事業との連携や、近隣自治体との共同事業を

模索し、より実効性の高い取組みを検討する。

(8)区民に対するアニメの普及啓発

○ 区内アニメ制作会社の作品を区民が親しむ機会を創出する以下のような事業に対して助成

する制度を創設する。

・劇場アニメやアニメイベントの招待チケットや割引券の配布

・キャラクターグッズの提供

・学校や社会教育機関、その他区内施設・商業施設等における定期的な上映会・イベントの開

○ 区有施設等に、高画質・高音質のプロジェクター設備を備え、品質の高い新作アニメの試写

会等に提供できるような環境の整備を図る。

【アニメ制作会社等に対する支援】

○若手制作者による「なみすけ」アニメ制作

○アニメ事業での若手制作者の参加・従事

○新作アニメのタイアップ試写会

【例】富山県南砺市

起業家支援センターの開設

・500 円/1㎡

【例】練馬区

アニメ制作企業等立地促進補助金

・移転費用 200 万円等

○劇場アニメやイベントの紹介チ

ケットや割引券の配布

○キャラクターグッズの提供 ○区内施設・商業施設等における

上映会・イベントの開催

区外

杉並区

家賃補助

オフィス等の

あっせん・提供

移転経費助成

区民への普及啓発

人材育成支援

アニメ制作会社

アニメ制作会社等

12

参考資料

(1)杉並区アニメ施策に関する懇談会委員名簿

(2)審議経過

会 長 内山 博子 女子美術大学芸術学部 教授

副会長 森川嘉一郎 明治大学国際日本学部 准教授

鈴木 伸一 杉並アニメーションミュージアム 館長

両角 孝保 一般社団法人日本動画協会 専務理事・理事局長(当時)

(第 2 回まで)

松本 悟 一般社団法人日本動画協会 専務理事・理事局長

(第 3 回以降)

巌本陽一郎 株式会社サンライズ 法務部長・総務部長

回 開催日 主な議事

1 5 月 24 日 ○これからの杉並区のアニメ振興施策のあり方について

(アニメの振興とにぎわいの創出について)

2 6 月 28 日 ○これからの杉並区のアニメ振興施策のあり方について

3 7 月 26 日 ○これからの杉並区のアニメ振興施策のあり方について

○まちの賑わいの創出や地域活性化に向けたアニメの活用について

4 8 月 29 日 ○これからの杉並区のアニメ振興施策のあり方について

○まちの賑わいの創出や地域活性化に向けたアニメの活用について

5 10 月 4 日 ○杉並区アニメ施策に関する懇談会報告書のまとめについて