ja広島市の半期開示情報 ·...
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JA広島市の半期開示情報 (2019 年4月1日~2019 年9月30日)
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1.経営理念と経営方針
(1)経営理念
JA広島市は、農業と生活設計におけるアドバイスとサポートという事業を通じ、地域の暮らしに
確かさと彩りをつくります。
(2)経営方針
○ 農 業:地域農業の持続的発展と農業を通じた環境保全に取り組みます。
○ 事 業 活 動:心豊かで健康な暮らしと活力ある地域社会づくりに貢献します。
○ 財務及び組織体質:経営基盤の一層の強化と健全性の向上に取り組みます。
2.JA広島市自己改革への取組み
JAグループでは、「農業者の所得増大」「農業生産の拡大」「地域の活性化」の3つを基本目標に
掲げ、地域農業の振興や地域づくりに向けた自己改革に取り組んでいます。JA広島市では、JA自
己改革に向けた3ヵ年の実践計画である「第8次中期経営計画」および「第6次営農振興計画」を本
年度新たに策定し、“地域農業の振興と地域社会の活性化に向けて「組合員の負託に応える『総合事
業』の更なる展開」~地域の暮らしに確かさと彩りを~”をテーマに取り組んでいます。
組合員の声を直接聴くために、支店職員による組合員全戸
訪問や役員による認定農業者訪問を行い、「組合員との徹底
した話合い実践運動」を推し進めています。
また、自己改革の進捗については、毎月確認を行い、四半
期ごとに「自己改革実践会議」において、課題と今後の取組
みを確認しています。職員に向けては、全職員を対象とした
自己改革実践研修を開催し、進捗状況を共有することで、役
職員一体となって取り組んでいます。
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3.農業振興活動
JA広島市は、農業に関する経営方針として「地域農業の持続的発展と農業を通じた環境保全に取り
組みます。」と掲げ、自己改革実現に向けた実践計画である「第8次中期経営計画」「第6次営農振興
計画」に基づき、組合員や地域のみなさまから、より一層必要とされる存在になれるよう、さまざまな
農業振興活動を展開しています。
■「地域別農業振興プラン」に基づいた計画的な産地振興
農業生産の拡大に向けて管内を18地区に分け、それぞれの
地域特性を活かした品目の選定や計画的な作付け、振興方策
をまとめた「地域別農業振興プラン」を策定しています。地
域別農業振興プランの実現に向けて、組合員に寄り添った営
農指導ができるよう畜産・営農指導員を1名増員し、18拠
点に25名配置しています。
■生産コスト低減の提案
銘柄集約によるコスト低減の取組みとして、令和2年春肥予約回覧より、
既存の水稲用肥料「JB575M(20KG)」から、「早生い~ね75
5(15KG)」へ全面改訂し、生産コストの約10%削減に取り組んで
います。また、大口予約購買による生産コストの低減に向けて、土壌診断
や展示圃結果に基づいた商品を選定し、提案しています。
■販売企画マネージャーによる販売力の強化
農畜産物の販路拡大に向けて、販売課に販売企画マネー
ジャーを配置しています。量販店や加工業者等へのアプ
ローチを強化するとともに、全農ひろしまとの直販事業
一体運営を推し進め、生産者の収益安定に向けて契約栽
培と計画生産の拡大に努めます。
■生産者の連携強化(ネットワークづくり)
地域を超えた部会の設立と育成・支援に取り組んでいます。
管内の女性農業者を構成員とした「農業女子ネットワー
ク」を立ち上げ、情報共有や意見交換、6次化など地域農
業の振興へつながる取組みを行っています。
また、今年7月にはJA YOUTH広島市の中に、50
歳以下の盟友を構成員とする青年部を新たに設置し、積極
的な交流活動を行っています。
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■地域ブランド品のPR強化
管内の農畜産物の付加価値を高めるためにも、さまざまな
場面において、農畜産物のPR販売を強化しています。平
成30年度には、芸北りんごを使用し、洋菓子店と共同制
作した「芸北りんごみつりんパウンドケーキ」を商品化し
ました。
■安全・安心な農産物提供への取り組み
JAの使命である安全・安心な農畜産物の安定供給を行うため、生産履歴記帳の指導や定期的な
残留農薬検査を実施するとともに、土壌診断に基づく水田・畑地への肥料の適正施用指導に取り
組んでいます。
■担い手育成事業
新規就農者や定年帰農者の確保に向け、実践研修を中心と
した担い手育成事業に取り組んでいます。
「アグリサポート21事業」では、JA広島市と行政が一
体となり、新規就農者の初期費用や規模拡大等における投
資軽減をサポートしています。
豊平研修センターを活用した本格的な後継者育成事業「J
A広島市活き活き“え~のう”塾」では、栽培から出荷販
売までを経験しながら、就農に向けての知識や技術を習得
します。また、農業に関心のある初心者や定年退職者などを
対象に「JA広島市農業塾」を開催し、月1回の座学と現地
実習を4回行っています。
■ファーマーズマーケット
JA広島市では管内に「農彩館 五日市ファーマーズマー
ケット」と「農彩館 矢野とれとれ市場」の2店舗を開設
し、“生産者の顔が見える店”、“広島県産農畜産物が豊富
にある店”をコンセプトに、他の量販店等とは異なる店舗
展開を徹底し、出荷者との連携のもと、販売強化に取り組
んでいます。農彩館 五日市ファーマーズマーケットでは、
デジタルサイネージを設置し、ファーマーズマーケットの
イベント情報やJA広島市の活動紹介など、「食」と「農」を通じたJAと地域のつながりを発
信しています。また農彩館 矢野とれとれ市場は、令和2年1月23日のグランドオープンに向け
て、現在準備中です。
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■農業祭
JA広島市では「JA広島市特産品コーナー」を全会場に
設置し、管内産の農畜産物のPRを行うなど収穫を地域と
ともに祝う農業祭を開催しました。多くの方に来場いただ
くため、全支店にポスターの掲示やテレビ・ラジオコマー
シャルを発信し、広く周知しました。また、全組合員世帯
に配送する情報誌「ラブレター」を活用し、農業祭スタン
プラリーを初めて実施しました。
■農業担い手への金融対応
JA農業資金保証料助成制度を活用し、さらに3年間利子補給される
JA営農支援資金「営農たすかるくん」をはじめ、各種営農資金および
制度資金の活用促進を進めています。
■「農」を応援する定期貯金の発売
JAの総合事業の強みを活かして、「農」を応援する定期貯金を発売し
ています。本年度は「ひろしまの特産品」が当たる組合員限定定期貯金
「地産地消7!!」・「地産地消8!!」やJAグループ広島の取組みとし
て、広島県内産の農産品が当たるJA懸賞品付定期貯金「当ててちょリ
ス2019」を発売し、好評いただいております。
■農業振興積立金
地域農業の振興や組合員の農業経営への支援、営農事業の継続的安定を図ることを目的に、平成
29年度から「農業振興積立金」を実施し、現在7億円を積立てています。
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4.地域貢献活動
(1)JA広島市のさまざまな活動
JA広島市は、農業振興への取組みに加え、JAの総合事業を通じた各種金融機能・サービス等の提
供を行うとともに、地域の協同組合として、助け合いを通じた地域貢献に努めています。
また、地域社会の一員としての自覚を持ち、各種行事を開催するとともに、積極的な参画を通して、
健康で豊かな地域社会の実現に向け、少しでもお役に立ちたいと考えております。
今後とも、経営理念である「農業と生活設計におけるアドバイスとサポートという事業を通じ、
地域の暮らしに確かさと彩りをつくります。」を念頭に地域貢献活動を展開し、組合員をはじめと
する地域のみなさまと共に歩んでいきたいと思っています。
■支店を拠点としたふれあい活動
JA広島市は組合員や地域のみなさまとのつながりをよ
り一層深めるため、「支店を拠点としたふれあい活動」
に取り組んでいます。全54支店にふれあい委員会を設
置し、感謝祭や夜市、支店ふれあい旅行、地域イベント
への参加など、支店を拠点としたふれあい活動を積極的
に展開しています。また、全54支店にて、支店独自の
「支店広報紙」を毎月発行しています。地域に密着した内容の広報紙を作成することにより、「親
しみある」「地域から愛される」JA広島市を目指しています。
■地域行事への積極的参加
農業祭の開催、区民祭り等への参加や、各種地域イベント
への協賛・後援等を通じ、地域のみなさまの農業に対する
理解の促進や、地域活性化のお手伝いを行っています。
■JA広島市「地産地消」クッキング教室
ケーブルテレビちゅピCOMおよびANAクラウンプラザ
ホテルと連携し『JA広島市「地産地消」クッキング教室』を、
毎月1回開催しています。当教室では、食材を提供いただ
く生産者にも毎回参加いただき、生産者と消費者を食でつ
なぐ交流の場となっています。8月には夏休み特別企画と
して、親子クッキング教室を開催しました。
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■JA広島市食農教育プラン
「そだてる、つくる、たべる」の一貫した流れの中で、食
のあり方、農のあり方、命の尊さを学ぶ「JA広島市食農
教育プラン」に取り組んでいます。食農教育プランでは、
実践を通じて、子どもたちの健全な育成支援に努めるとと
もに、「食」と食を支える「農」への理解浸透に取り組ん
でいます。
■レディースクラブ活動
今年度から1支部増えた50支部、総勢4,700名の会
員からなるJA広島市レディースクラブは、「JA女性
地域で輝け 50万パワー☆」をテーマに活動しています。
地産地消運動や食農教育といった食と農を基軸とした活
動を通じて、地域における協同活動の展開や明るく住みよ
い社会づくりに貢献する活動に取り組んでいます。
■JA YOUTH広島市の活動
JA広島市管内の若手農業従事者で組織するJA YOUTH
広島市は、農業の振興・活性化を図るとともに、子どもた
ちの体験学習受入れなど農業への理解を深める活動にも
取り組んでいます。
■各種無料相談会の開催
年金のコンサルタントによる各地区での年金相談会をはじめ、顧問税理士・顧問弁護士等の専門家
によるセミナー開催など、組合員のみなさまの生活全般に対する相談業務を行っています。
■地域生活習慣病予防健診
組合員と地域のみなさまが健康に生活していけるよう、JA広島総合病院と連携し地域生活習慣
病予防健診を実施しています。
■高齢者福祉事業
JA広島市助け合いの会「ふれあい倶楽部」では、心身機能活性運動療法を取り入れた取組みな
ど、会員によるボランティア活動を行っています。また、訪問介護事業と連携した有償サービス
や高齢者の集いの場となるミニデイサービスを実施するなど、地域に根ざした福祉活動を展開し
ています。
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■災害支援
支店施設を災害時における避難場所とする災害協力協定を、
本年11月に久地南支店と地域の自治会が締結しました。
JA広島市と自治会との災害協力協定は落合支店、水内支店、
小河原支店に続き、4店舗目となります。
■JA広島市から地域への情報発信
●広報誌「こいぶみ」の発行
「農」に関する情報や「暮らし」に役立つ情報提供のほか、
管内各地の出来事、農家組織・女性組織グループの活動等
を紹介しています。
●情報紙「JA広島市ラブレター」の発行
組合員をはじめ地域のみなさまに、JA広島市のことをも
っと知っていただこうと、「暮らしを豊かにする情報紙」を
テーマに情報紙「ラブレター」を発行しました。農業祭・
ふれあいまつりと連動し、2ヵ所訪れていただいた方にお
米をプレゼントするスタンプラリーも行いました。
●日本農業新聞を通じた地域農業の紹介
日本農業新聞通信員として管内地域農家の取り組みや農畜産物
の紹介をしています。
●ホームページの開設・情報提供
JA広島市の最新情報や事業・商品の紹介などを行っています。
URL https://www.ja-hiroshimashi.or.jp
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(2)地域からの資金調達の状況
令和元年9月末の貯金残高は6,066億円で、このうち定期貯金残高は3,840億円、定期
積金残高は123億円となっています。組合員や地域のみなさまの計画的な資金作りをお手伝いさ
せていただくため、目的や期間に応じた各種貯金を取り扱っています。
県内統一の商品としては、県内JAで最大15,000名様に広島の農産品が抽選で当たるJA
懸賞品付定期貯金「当ててちょリス2019」(取扱期間:令和元年4月1日~令和2年1月31
日)を発売しました。
また、JA広島市独自の商品では、抽選でひろしまの特産品が当たる組合員限定定期貯金「地産
地消7!!」(取扱期間:令和元年4月1日~4月26日)、「地産地消8!!」(取扱期間:令和元
年6月3日~8月31日)、100万円毎に宝くじ5枚を進呈する宝くじ付定期貯金「貯めて宝く
じ」(取扱期間:平成30年6月1日~)を引続き発売しました。さらに、お受け取りになられた
JA共済の共済金をお預け入れいただく上乗せ金利付き定期貯金「貯めてきょうさい」、相続によ
りお受け取りになられた金額をお預け入れいただく上乗せ金利付き定期貯金「“想”続定期貯金」、
ふれあい倶楽部会員限定「まめでがんす定期貯金」、退職金限定定期貯金「優悠らいふ!」、や催事
準備貯金「百歳倶楽部」など引続き取り扱っています。
<貯金残高内訳> (単位:百万円)
当 座 性 貯 金 210,222
定 期 貯 金 384,087
定 期 積 金 12,346
合 計 606,656
(3)地域への資金供給の状況
令和元年9月末の貸出金残高は1,386億円となっており、組合員や地域のみなさま、地方公
共団体などにご利用いただいています。農業関連資金については、新規就農者の農業経営及び運転
資金のための「JA新規就農支援資金」や、農業者が経営の安定と拡大を図るための「JA営農支
援資金(営農たすかるくん)」、JA広島市独自の商品で、組合員の農業生産性向上に資すること
を目的とした営農資金「グリーンパワー農援」を発売しています。制度資金については、農業経営
の改善を図り農業の近代化を推進するため、農協系統資金を長期かつ低利の農業施設資金として活
用し、生産施設等の整備拡充を図る「農業近代化資金」や、農業生産力の維持増進に必要な長期か
つ低利の資金に対応する「日本政策金融公庫(農林水産事業)」資金などを取り扱っています。ま
た、生活関連資金については、住宅ローン、マイカーローン、教育ローン、賃貸事業資金などを取
り扱っています。
<貸出金残高内訳> (単位:百万円)
組 合 員 133,077
組合員外
地 方 公 共 団 体 1,913
そ の 他 員 外 3,652
計 5,565
合 計 138,642
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5.金融再生法開示債権(単体)
(単位:百万円)
債権区分 平成31年3月末 令和元年9月末 増減
破産更生債権および
これらに準ずる債権 924 767 -156
危 険 債 権 1,029 1,081 52
要 管 理 債 権 - - -
正 常 債 権 136,500 136,847 347
合 計 138,453 138,696 242
注)債権区分
1.「破産更生債権およびこれらに準ずる債権」とは、法的破綻等による経営破綻に陥っている債
務者に対する債権であり、信用事業に係る総与信を対象としています。
2.「危険債権」とは、経営破綻の状況にはないが、財政状況の悪化等により元本利息の回収がで
きない可能性の高い債権であり、信用事業に係る総与信を対象としています。
3.「要管理債権」とは、3ヵ月以上延滞貸出債権および条件緩和貸出債権であり、貸出金のみを
対象としています。
4.「正常債権」とは、破産更生債権およびこれらに準ずる債権、危険債権、要管理債権以外の債
権であり、信用事業に係る総与信を対象としています。
5.「信用事業に係る総与信」とは、貸出金、信用未収利息、信用仮払金をいいます。
※金融再生法に基づく開示債権には、担保・保証のある債権も含まれていますので、この金額の全
額が回収不能となるものではありません。担保等や貸倒引当金を合せた保全率は、「破産更生債権
およびこれらに準ずる債権」は100%、「危険債権」は98.1%、その他「要管理債権」を含
めた全体でも98.9%となっており、信用リスクに見合った十分な引当・保全状況を確保して
います。
6.単体自己資本比率(国内基準適用)
平成31年3月末 令和元年9月末
10.38% 11.08%
注)単体自己資本比率の数値については、平成25年度よりバーゼルⅢ国内規制を適用しています。
自己資本比率は、「総資産」(貸出金等)に対する「自己資本」(出資金や利益の一部を蓄積した剰
余金の合計)の割合で、金融機関の健全性を示す最も重要な指標の一つです。この比率が高いほ
ど、健全性は高いといえます。
自己資本比率は、国内基準では4%以上が義務付けられていますが、JAの場合、自主ルールで
8%以上を基準としています。当JAの自己資本比率(9月末)は11.08%といずれの基準も
上回っており、自己資本の充実と経営の健全性・財務の安全性は確保されているといえます。
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7.主要勘定の状況
(単位:百万円)
平成30年9月末 平成31年3月末 令和元年9月末
貯 金 594,442 601,754 606,656
貸 出 金 137,538 138,332 138,642
預 け 金 442,651 459,174 461,826
有 価 証 券 14,431 6,441 9,321
注)有価証券については、時価評価しています。
8.有価証券時価情報
(単位:百万円)
種類
平成31年3月末 令和元年9月末
貸借対照表
計上額
取得原価
又は償却原価 差額
貸借対照表
計上額
取得原価
又は償却原価 差額
売 買 目 的 - - - - - -
満期保有目的 - - - - - -
そ の 他 6,441 6,041 399 9,321 8,926 395
合 計 6,441 9,321
注)9月末の有価証券の時価は9月末日における市場価格等に基づく時価としています。
● 記載した金額は、単位未満を切り捨てて表示し、単位未満の項目については「0」で表示しています。