jica中国事務所ニュース...- 2 – jica中国事務所長メッセージ...

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- 1 – JICA 中国事務所ニュース 2012 年 1、2 月合併号 所長メッセ-ジ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ トピックス2 「土壌重金属汚染の危険から人々を守る ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3 ニュース雲南省開市で広がる大分一村一品運動・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 約 16000 人の健康知識、生活習慣、受診行動を調査 ・・・・・・・・・・・・・ 4 4 「職業病防治法」の改正について ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5 アジア地域 NGO デスク会議 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6 NHK ほっと@アジア出演 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6 武漢市長に元 JICA 研修員が就任 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 帰・赴任者コーナー・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6 7 寄稿コーナー・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11 China Cool・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 13 救急救助技術を学びます 皆様からのご感想やコメントをお待ちしております。 編集室担当: [email protected] 中国事務所ウェブサイト http://www.jica.go.jp/china/office/index.html ボランティア活動 http://j.people.com.cn/99005/index.html サーチナ JICA ページ http://searchina.ne.jp/jica 独立行政法人国際協力機構 中華人民共和国事務所 北京市朝陽区東三環北路5号 北京発展大厦 400 室 郵便番号:100004 TEL:+86-10-6590-9250 FAX:+86-10-6590-9260

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  • - 1 –

    JICA 中国事務所ニュース 2012 年 1、2 月合併号

    【所長メッセ-ジ】 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

    【トピックス】

    2

    ◎ 「土壌重金属汚染の危険から人々を守る ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3

    【ニュース】

    ◎ 雲南省開市で広がる大分一村一品運動・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

    ◎ 約 16000 人の健康知識、生活習慣、受診行動を調査 ・・・・・・・・・・・・・

    4

    4

    ◎ 「職業病防治法」の改正について ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5

    ◎ アジア地域 NGO デスク会議 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6

    ◎ NHK ほっと@アジア出演 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6

    ◎ 武漢市長に元 JICA 研修員が就任 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

    【帰・赴任者コーナー】 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

    6

    7

    【寄稿コーナー】 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11

    【China Cool】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 13

    救急救助技術を学びます

    皆様からのご感想やコメントをお待ちしております。

    編集室担当: [email protected]

    ☆ 中国事務所ウェブサイト http://www.jica.go.jp/china/office/index.html

    ☆ ボランティア活動 http://j.people.com.cn/99005/index.html

    ☆ サーチナ JICA ページ http://searchina.ne.jp/jica

    独立行政法人国際協力機構 中華人民共和国事務所 北京市朝陽区東三環北路5号 北京発展大厦 400 室 郵便番号:100004

    TEL:+86-10-6590-9250 FAX:+86-10-6590-9260

  • - 2 –

    JICA 中国事務所長メッセージ

    日中国交正常化40周年をJICA活動の転機に

    2012 年初回の JICA 中国事務所ニュースの発行に当たり、一言ご挨拶申し上げます。春節休暇が

    明け、中国でもいよいよ 2012 年が本格始動しました。今年に限ったことではないのでしょうが、

    中国の存在感はますます大きくなっています。春節はチャイニーズ・ニューイヤーとして既によく

    知られていますが、今年、アメリカや欧州で発行されている新聞・雑誌にはイヤー・オブ・ドラゴ

    ンの文字が並びましたし、世界の有名ブランドが一斉に旗艦店舗のショーウィンドをドラゴンにち

    なんだ新商品や赤と金で飾り立てました。まさに、辰年は昇り竜のように始まった感があります。

    そんな中、日本と中国は、今年、国交正常化40周年を迎えました。JICAなどのODAが中

    国で活動を開始してからでも、もう30年が経ちました。この間に先人たちが積み重ねてきた日中

    の協力のアセットは、現在も脈々と受け継がれて、外交やビジネスの表舞台に登場することはそれ

    ほど多くないものの、日本と中国の特に公益的関係構築に一定の役割を果たしていることは、関係

    者の間では広く認識されています。今も、日本で、中国で、現在進行形の事業の推進のため、また、

    これからの新しい活動の準備のため、私たちは、畑を耕し、種をまき、水をやり、草取りをして、

    収穫の時を目指しています。

    日々の地道な活動を丁寧にやり続けることが、開発協力の世界でJICAがモットーとしてきた

    ことですし、世界との信頼関係を築き上げる基礎となるものです。私たちの活動は、他の人たちと

    共に働くことで、共に知恵を出し合うことで、世界と繋がっていくことを目指すものですから、開

    発の成果だけでなく、活動のプロセスにも、「連携」と「発信」をもっと取り入れたいと前々から

    感じていました。日中国交正常化40周年、なんと素晴らしい契機ではありませんか。JICAが

    地道にやっている日本と中国との間の開発協力事業、人と人の繋がりの交流を、少しだけ新しい切

    り口で整理して日中両国間の関係強化の中に位置づけることができれば、中国におけるJICA活

    動の新しい意味づけの糸口にもなるでしょうし、世の中の新風をJICA事業に取り込む契機にも

    なるでしょう。

    2012年日中国交正常化40周年記念行事として、JICAは100の実施をめざします。こ

    れまでの活動の窓を外に向けて少し開いて、企業や他の団体と連携をして、JICAの中国におけ

    る活動の新しい切り口を確立しましょう。「連携」と「発信」があたりまえになった時、その向こ

    う側に、「世界の中国」で認められる新しい協力の地平が広がっていることを信じています。

    (JICA 中国事務所長 中川聞夫)

  • - 3 –

    トピックス

    ★土壌重金属汚染の危険から人々を守る

    ~日中土壌汚染対策政策セミナーを東京にて開催~

    「中国の土壌汚染対策に関する法体系を知りたい」「政府の部門間の役割分担はどうなっているのか」。

    2012 年 1 月 19 日に、JICA 東京にて開催された「中国土壌汚染対策政策セミナー」には、同分野に関わる 20

    社以上の日本企業のほか、研究者、政府関係機関などから計約 70 名の参加を得て開催されました。会場に集

    まった日本企業の方々から、中国政府関係者に多くの質問が寄せられ、活発な意見交換が行われました。

    JICA は、環境省の協力を得て、中国国家発展改革委員会との間で土壌重金属汚染対策に関する協力を実

    施しています。今回は、2011 年 10 月に湖南省長沙市で開催された環境省主催のセミナーに続いて、日本の土

    壌汚染対策の取り組みを理解するため実施した今回の訪日研修の機を捉え、国家発展改革委員会資源節約・

    環境保護司環境保護処の馮良処長に講演を依頼し、公開セミナーを開催したものです。

    中国では現在、非鉄金属産業や鉛バッテリー等の工場からの排水により、一部の地表水中の鉛及びクロム

    の濃度が規準を超過している状況が生じています。特に湖南省は非鉄金属産業が盛んなことから、地表水中

    の鉛による血中鉛事件が発生しており、早急な対応が必要となっています。

    また、北京や上海、蘇州などの大都市では、都市の環境改善を目的に郊外に移転した大規模工場の跡地開

    発の際に土壌汚染が判明し、汚染土壌の浄化ニーズが急増しています。中国国内には成熟した土壌浄化の技

    術や経験が乏しく、早急な対応に向けた外国の技術導入にも積極的なことから、日本企業にとってもビジネス

    チャンスが広がっています。

    上述のような土壌重金属汚染対策ニーズの高まりを受けて、中国政府は 2011 年 2 月に最初の個別課題の

    計画として「重金属汚染総合対策第 12 次 5 カ年計画」を策定しました。これは、中国政府の強い関心を反映し

    たもので、2007 年比でカドミウムや水銀、鉛などの重金属排出量を 15%削減するという具体的な数値目標も設

    定されています。国家発改委は、上記五カ年計画に基づき、湖南省の湘江流域をモデルとする重金属汚染対

    策計画を推進することを表明。今後の課題である土壌の重金属汚染対策を推進するための法律や政策体系

    の整備、土壌浄化にかかる技術開発の推進等について、日本の経験から学ぶために、今回の研修実現に至り

    ました。

    日本側セミナー参加者からは、中国の土壌汚染対策分野での最新の動向理解に役立ったという意見をいた

    だくとともに、中国側からも、日本企業との意見交換が今後の対策実施に有益であったとの反応が寄せられま

    した。今回のセミナーは、中国の土壌汚染対策の最新情報の共有を通じて、今後の日中間の協力可能性につ

    いて考えるきっかけとなり、JICA が日本で開催する初めての日中国交正常化 40 周年記念イベントとして、成功

    を収めたものと思います。

    JICA では、訪日研修の実施を通じて中国の方々が日本の事例から学ぶ機会を提供するだけでなく、日本企

    業にとって最大の市場の一つである中国の政策動向について、中国の方々に直接発信してもらう場を、今後も

    積極的に提供していきます。 (所員 那須 毅寛)

  • - 4 –

    ニュース

    ◆雲南省開遠市で広がる大分一村一品運動

    ~日中国交正常化 40 周年記念 JICA 第 1 号イベント~

    中国では 2000 年から西部大開発計画を開始し、

    大規模なインフラ整備と人材育成事業によって西

    部内陸部の開発を進めてきました。JICA は「西部

    地域行政官研修プロジェクト」を通じて、人材育成

    の面で協力し、日本の地域開発の事例を教材に、

    現場の行政官を育成しています。日本の農協制度、

    北海道の酪農開発、大分一村一品運動、福島県

    教育旅行事業、北九州市エコタウン事業、新潟県

    佐渡市のトキ米プロジェクトなどを各省の県長と経

    済開発区幹部に紹介してきました。この 3 年間で

    1500 名の行政官が研修コースを修了しましたが、

    中でも雲南省開遠市は、その後独自の一村一品

    運動を展開しています。現場で強力なリーダーシ

    ップを発揮しているのが市党書記であり、前市長である李存貴氏です。このたび開遠市の招待によって、1 月 9

    日から 1 週間に亘って、NPO 大分一村一品国際交流推進化協会がセミナーを行いました。

    一村一品運動は、行政の理論だけでなく、地元農家や企業と共に事業を育てていく視点が重要です。セミナ

    ーには行政・農家・企業から 1800 名が参加し、開遠市では過去最大の盛況ぶり。農業合作社制度によって起

    業した精米工場、養鶏場、育苗センター、農村喫茶を見学した後、NPO 大分一村一品国際交流推進化協会の

    安東忠副理事長が、一村一品運動を開花させるためのヒントを講演しました。開遠市は中国社会科学院政治

    研究所と中華合作時報社とも協定を締結しており、農業の組織化や、企業や研究所からの技術支援のプロジ

    ェクトを進め、テレビや新聞を活用したアドボカシー(啓発活動)にも取り組んでいく予定です。

    今回のような草の根レベルの交流は、日中間が積み上げてきた協力の上に成り立つもので、今後の日中関

    係の在り方を示しています。今年は日中国交正常化 40 周年であり、地方間の直接交流を推進しています。今

    回のセミナーは 40 周年記念行事に認定され、JICA にとって第一号イベントとなりました。 (所員 林伸江)

    ◆約 16,000 人の健康知識、生活習慣、受診行動を調査

    ~地域診断の羅針盤が完成!~

    健康教育、検診、相談の 3 種類の予防サ

    ービスを住民に提供し、地域が一体となって

    健康社会を築き上げていく新しい公衆衛生サ

    ービスのカタチ、家庭保健サービス。このサ

    ービスモデルを構築することを目的として実

    施中の「家庭保健を通じた感染症予防等健

    康教育強化プロジェクト」では、北京大学人口

    研究所への委託を通し、12 箇所のパイロット

    県および 2 箇所のコントロール県において基

    礎調査を実施し、この度、300 ページ以上に

    およぶ調査報告書が完成しました! 調査対

    象は全体で 7,820 世帯、約 16,000 人におよぶ

    大規模なものです。

  • - 5 –

    「暗闇でやみくもに鉄砲を打つようなサービスではいけない」との問題意識から行った今回の基礎調査。家庭

    保健サービスを企画・実施していく上で、その根拠として最も重要となる地域診断(保健医療事情や住民のニー

    ズ、知識・行動等を調べ、地域保健上の課題を分析・特定する)の一環でもあります。

    調査結果から色々なことが判明しました。例えば、

    同じ地方でも県によって一人当たり平均収入に 3 倍

    の開きがある(最高県 9,211 元、最低県 3,305 元)と

    いった社会経済上の問題。子どもの男女性別比が

    143: 100 という大きな歪みを抱える県があるといっ

    た人口構造上の問題。

    お酒をたまに飲む、あるいは良く飲むと答えた人

    の割合が男性で 67%(女性は 12.2%)にのぼり、対

    象 5 省・市のうち、重慶市が最もその割合が高いなど、

    生活習慣上のデータも明らかになりました。他方、毎

    日 30 分以上の運動をしていると答えた人は、男女と

    もに約 5 割。その内訳は散歩やランニング、ダンスな

    ど。

    プロジェクトでは今回の調査報告書を各パイロット県の中長期計画策定に活用し、サービスの戦略性を高め

    ていきます。今後、プロジェクト終了前には同様の調査を行い、介入効果の測定、ビフォーアフターの比較も予

    定しており、家庭保健サービスの有用性を世に発信していく上で貴重な情報源となることでしょう。

    (所員 小田遼太郎)

    ◆「職業病防治法」の改正について 2011 年 3 月からスタートした JICA 職業衛生能力強化プロジェクトは安全生産監督管理部門による監督能力

    の強化と衛生部門による健康診断・職業病診断技術の向上を目指し、基準策定や研修実施、教材作成等に取

    り組んでいます。2011年12月31日にこのプロジェクトで扱う課題の国家レベルの法的枠組みである中国の「職

    業病防治法」が改正され、直ちに施行されました。2002 年 5 月に「職業病防治法」が施行されてから、今回は初

    めての改正で、その背景には、職業病の多発と労働者の権利意識の高まりがあります。2009 年 6 月に、粉じん

    作業に従事したことによりじん肺に罹患した農民工(農村部の出稼ぎ労働者)の張海超が、政府指定の職業病

    診断機構で適切に診断を受けることができず、自らが職業病のじん肺であることを証明するため、胸を切開し

    たという「張海超開胸事件」が発生し、職業病診断制度や職業病予防対策の問題点等に関する議論がメディア

    で活発に行われていました。

    今回の改正は主に職業病予防体制の強化と職業病の診断・認定・救済措置の改善に焦点を当てています。

    具体的には、職業病を防止するための企業の責務履行を監督する権限を安全生産監督管理部門に付与し、

    診断・治療を衛生部門に、労災保険を人力資源・社会保障部門に役割分担し、政府の管理体制が明確化され

    ました。また、労働者の職業病診断申請の困難度の低減や不服審査の機能強化、労災保険で救済されなかっ

    た者の地方政府への救済要求権利の付与等の条項も盛り込まれました。

    今回の法改正を契機に、JICAのプロジェクト活動にも一層弾みがつき、安全生産監督管理・衛生の2部門の

    職業病防治法の執行・運用能力の強化に寄与し、労働者の健康確保・権利救済に役立つものとなることが期

    待されます。 (所員 鮑迪娜)

  • - 6 –

    ◆アジア地域 NGO デスク会議

    昨年11月15日から19日の間、アジア地域NGOデスク会議が、カンボジアの首都プノンペンで開催されました。

    会議には、中国、カンボジアのほか、ネパール、フィリピン等アジアの多くのJICA事務所から20名近くのNGOデ

    スク担当が参加しました。3日間の会議期間中、参加者はプノンペン市周辺にある草の根技術協力プロジェクトの

    現場を視察し、各国の成功事例を紹介し合い、各事務所が実施中の業務の課題及び改善案等につき意見交換

    を行いました。

    世界各国で展開されている多くの草の根技術協力プロジェクトの中で、日本側は、技術に加え管理手法、維持

    や保護に関する手段、規程や規則の制定及び執行に関する方法等のソフト面での管理手法の指導もします。従

    来からある現場の技術に、ソフト面での改善を加えることを通じ、現場の人々の自主性を高めれば、より多くの普

    通の人々に普及し、人々の実際の生活が改善されることになります。訪れた農家を去る際、その家の全員が手を

    振って我々を見送ってくれましたが、彼らの自信、感激に溢れた表情を見た時、私は改めて草の根技術協力の意

    義を感じました。JICA中国事務所では、今回の会議の成果を活用し、より多くの草の根レベルNGOの活動を促進

    していきます。 (職員 李瑾)

    ◆ NHK ほっと@アジア出演 NHKほっと@アジア1月 12日の放送に青木信彦企画調査員

    が出演しました。

    今回は、テーマを「正月はこれから」として、「福」等の正月飾

    り、花火、年賀カードなど、春節の準備に向かう街の様子を、

    去年の動画映像を交えながら、レポートしました。また、誕生

    日に食べる「長寿麺」も紹介し、今年が日中国交正常化 40 周

    年にあたることに言及、「今夜は長寿麺を食べながら、友好的

    な日中関係がこれからも永く続くことを願いたいと思います。」

    と締めくくりました。

    (http://www.nhk.or.jp/hot%2Dasia/prg/120112.html#helloasia)

    写真は先日スタジオ訪問をしたときのものです。

    (職員 可兒希代子)

    ◆武漢市長に元 JICA 研修員が就任 2012 年 1.月に閉幕した武漢市の第 13 期人民代表大会第 1 回会議において、武漢市人民政府市長に唐良智

    氏が選出されました。唐氏は、湖北省出身で 1960 年 6 月生まれ。1990 年 2 月から 4 月まで実施された JICA

    集団研修「国際貿易」コースに研修員として参加しました。

    → http://news.cjn.cn/ttdd/201201/t1601222.htm

  • - 7 –

    帰、赴任者紹介コーナー

    長期専門家 上原洋一(帰任)

    ~持続的農業技術研究開発計画(第2期-環境に優しい農業技術開発及び普及)~

    明日(1 月 16 日)、最終帰国となりました。私の漢語の

    進歩からみれば大変短い 2 年、しかし、カウンターパー

    ト(C/P)達のあげた成果からすれば、それだけの長さの

    充実した 2 年でした。寧夏回族自治区霊武市と湖南省

    岳陽市にある水田試験圃場には C/P 達と何度も通い、

    北京近郊の何カ所かの野菜試験圃場にも頻繁に足を

    運び、作物の成長具合を確かめて、C/P と論議し楽し

    い時を過ごしました。持続的農業を多くの面、場所、方

    法から目指す技術開発で、取り掛かりの圃場試験レベ

    ルから、2012年度には、最終段階の農家実証試験レベ

    ルに、5 課題を進ませることができました。私、2011 年

    春、栽培試験の本格始動と張り切った矢先、体内に異常が見つかり、9 月には1カ月の病休を取る破目になり

    ました。ご迷惑をかけ、ご心配いただいた各位に心よりお詫びと御礼を申し上げます。現在は健康体に戻って

    います。帰国後は、愛知県知多半島の自宅で、晴耕雨読の生活となります。太謝謝

    長期専門家 掛部晋(帰任)

    ~四川省震災後森林植生復旧計画プロジェクト~

    2008 年 2 月、PJ の開始と同時に赴任した

    とき、憧れていた海外での勤務に素直に喜ん

    でいました。日本では、林野庁に所属し約 7

    年間、治山工事現場で仕事をしてきましが、

    現場条件が異なる、この四川省でどこまで治

    山工事ができるのか、手探りの状態でした。

    しかし、終わってみると、四川省内の 3 市県

    (ブン川県、綿竹市、北川県)での治山工事を

    無事終わらせる事ができました。

    この2年間「できたものを見せること」に専

    念し、現場でヘルメットをかぶりながら測量・

    設計・施工を CP・土地の人と一緒に汗を流し

    ました。

    最新・最高の技術でなく、各条件に応じた最適な技術を伝えることに重点を置き、すれ違いや納得できないこと

    があっても気にせず、原因究明より、問題解決を心がけました。

    最初は半信半疑だった CP ですが、今では PJ の技術を活用して独自で治山を実施する CP 機関も現れてい

    ます。

    四川大地震後、病院・道路等のインフラ整備は進んでいますが、崩壊した山腹を緑に復旧するのは、これか

    らです。日本の治山は 100 年の歴史がありますが、この PJ がきっかけとなり、中国の発展のスピードにのって

    林業部門が治山工事を始める元年となることを期待し、皆様の PJ への支援を引き続きお願いして挨拶としま

    す。

  • - 8 –

    長期専門家 堤敦朗(帰任)

    ~心のケア人材育成プロジェクト~

    2009 年七夕、期待と不安を胸にそしてプロジェクトへ

    の貢献を願い、中国へと向かいました。北京首都国際

    空港からの車窓に映し出された風景は、その数年間前

    に訪れた際に見たものとは全く別物で、中国の急激な

    発展に圧倒されたことを覚えています。それから約二

    年半が経ち任期を終えて帰国することとなりました。こ

    の間、当初1年間は北京市、その後1年半は四川省成

    都市へと任地が変わりました。カウンターパートである

    全国中華婦女連合会とは国レベルでの仕事を行い、現

    場レベルにおいては各省・市・県婦女連合会と共に、試

    行錯誤しながら、時に激論をかわしながらプロジェクト

    を運営してきました。もちろん短期専門家、中国側専門

    家そして JICA 中国事務所の多大なる協力は言うまでもありません。その成果として、「こころのケア」が着実に

    現場で広がり始めています。最後までプロジェクトの成功を見届けたいという思いもありますが、それは優秀な

    後任の専門家、そして婦女連合会に託したいと思います。また、当プロジェクトが日中の被災地を結ぶ「平台」

    になることを願っています。最後になりますが、お世話になった皆様、本当にありがとうございました。

    業務調整員 山本雄子(赴任)

    ~こころのケア人材育成プロジェクト~ 2012 年 1 月 5 日に赴任しました。夜おそく北京首都空

    港に到着して驚いたのは 3 連のモノレールが走ってい

    ることでした。三年ぶりに中国にきましたが、年々、北

    京が変化していることを感じました。

    先日、バスで帰宅したおりのこと、たまたま小銭を持

    ち合わせがなく困ってしまいました。すでにバスが動き

    出し下車することもできず、50 元札を手にして目の前に

    座っていた中年の女性に「50 元こまかくなりませんか」

    と尋ねました。女性はバックからお財布を出して「20 元

    と 10 元札ならあるわよ」といって交換してくれました。で

    も、私は 2 元が必要だったのです。その時、若い女性が「私のカードを使いなさい」といって私の運賃を支払って

    くれたのです。これには私も二度びっくり、なんと親切な人だろう!と感動しました。中年の女性といい、若い女

    性といい成都の女性は親切です。

    半年の任期ですが、こころに残る出会いや小さな感動を経験できればと思っています。

    皆さん、よろしく。

  • - 9 –

    業務調整員 飯島智志(帰任)

    ~ダム運用管理能力向上プロジェクト~

    2009 年 9 月に開始された「ダム運用管理能力向上プロジェ

    クト」も、はや 2 年目という折り返し点を通過しました。 私はプ

    ロジェクト開始時に着任して2年4ヶ月の任期を過ごしましたが、

    今回は初めて立ち上げ時期の活動に参与するという新たな業

    務に挑戦することとなりました。大枠の計画に沿ってプロジェク

    ト活動を軌道に乗せていく時期で、悩み苦労しつつも充実した

    忙しい日々を過ごし、多くのことを学びました。成果品の『ダム

    管理マニュアル案』も完成しホッとしています。

    また、2 年ぶりに舞い戻った北京では、私自身も過去 6 年間

    携わっていた「水利人材養成プロジェクト」の時と同じ「水利部

    人材資源開発センター」で、昔のC/Pと一緒に新しい仕事に取

    り組むことができました。水利部で離任の挨拶をした際には、「飯島さんは人材センターでもベテランの古株で

    すね」と労いの言葉を頂き、合計 8 年間以上にわたり水利部関係のプロジェクトに従事してきたことを実感する

    と共にとても名残惜しく感じました。

    任期中に色々とお世話になった皆様に改めて御礼を申し上げ、帰任の挨拶にかえさせて頂きます。再見!

    業務調整員 吉田久美子(赴任)

    ~ダム運用管理能力向上プロジェクト~

    このたび「ダム管理能力向上プロジェクト」の二代目業務調整員として赴任しま

    した吉田久美子と申します。2009年9月に始まった本プロジェクトも後半戦に差

    し掛かり、今後はプロジェクト前半で完成させたダム管理マニュアル案のモデルダ

    ムでの試行、得られたフィードバックを基にマニュアル案の改訂、訪日研修、国内

    研修など大忙しの20カ月となりそうです。個人的には過去2回、国連機関の中国

    事務所に勤務した際に北京に滞在しましたが、JICA プロジェクトは初めてです。カ

    ウンターパートの水利部人材資源開発センターの方々やプロジェクト関係者の方

    に色々教わりながら1日も早く業務に慣れてプロジェクトの順調な進捗に貢献したいと思います。今後ともよろし

    くお願いいたします。

  • - 10 –

    JICA ボランティア

    1 月 4 日(水)に平成 21 年度 3 次隊(2010 年度 1 月派遣)の 15 名が、2 年間の活動期間を終了して無事帰

    国しました。帰国後は中国での経験を活かし、日中の架け橋として活躍していただきたいと思います。

    また、1 月 10 日(火)に平成 23 年度 3 次隊の 3 名が北京に到着しました。日本国大使館など関係機関への

    表敬訪問や赴任時のオリエンテーションの後、それぞれの任地へ赴任し、2 年後の 1 月まで活動します。よろし

    くお願いします。

    ■ 帰国ボランティア

    風間珠美 日本語教師 遼寧省撫順市 撫順市朝鮮族第一中学

    川染有 日本語教師 黒龍江省鶏西市鶏東県 鶏東県朝鮮族中学

    高須こずえ 日本語教師 吉林省梅河口市 梅河口市朝鮮族中学

    高橋優貴 日本語教師 貴州省貴陽市 貴州民族学院

    安田真人 日本語教師 内蒙古自治区呼和浩特市 内蒙古師範大学

    山崎望未 日本語教師 遼寧省大連市 大連市第三十中学

    四辻可苗 日本語教師 安徽省合肥市 安徽中澳職業学院

    若杦真琴 日本語教師 湖北省黄石市 黄石理工学院

    山口聡美 理学療法士 内蒙古自治区牙克石市 内蒙古林業総病院

    渡辺美里 理学療法士 江蘇省無錫市 錫山区錫北人民病院

    垣内美恵子 ビジネスマナー 遼寧省大連市 日中友好大連人材育成センター

    阪井靖史 中小企業診断 広西壮族自治区南寧市 広西生産力促進センター

    光吉孝浩 テレビ番組制作 広西壮族自治区桂林市 桂林旅遊高等専業学校

    村瀬和夫 生産管理 遼寧省大連市 日中友好大連人材育成センター

    森脇侑子 観光日本語 貴州省貴陽市 貴州大学

    ■ 新赴任ボランティア

    佐藤志野 理学療法士 湖北省襄陽市 襄陽市中心病院

    佐藤俊之 理学療法士 内蒙古自治区牙克石市 内蒙古林業総病院

    溝口さやか 日本語教師 湖北省荊州市 長江大学

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    寄稿コーナー

    JICA 訪日研修報告 国家地震緊急救援訓練基地の教官として、私は 2011 年 10 月から 2011 年 12 月まで日本で実施された JICA 研修プログラム「救急救助技術」に参加し、無事に研修活動を完了しました。研修を通じて、多くの先進的な救援理念と経験を学び、大きな収穫を得たので、以下、簡単に報告します。

    ■基本状況:

    事前準備:基地教官の救急救援能力を高めるため、JICA「日中協力地震緊急救援能力強化計画」プロジェクトでは、中国地震緊急救援訓練の長沢長期専門家が緊急救援技能の始動に熱心に取り組

    んでいて、基地の優秀な教官を推薦して訪日研修に参加させる支援をしてくれています。私の今回

    の研修のためにも多くの準備をして下さいました。そのおかげで、私は十分に準備をし、日本に到

    着して早速研修に集中できる状態を整えることができました。 研修参加者:中国、エルサルバドル、フィジー、サモア、ミャンマ-、ベネズエラ、パキスタン、

    パレスチナ(うち、パキスタンとパレスチナからはそれぞれ 2 名)の 8 国から 10 名。 具体的な目標:参加者の応急救援技術を改善。参加者の帰国後応急救援技術及び調整、指揮のス

    キルを自国で普及すること。 主な研修実施地:大阪市消防学校(OMFA)及び大阪市消防局(OMFD)。

    ■研修内容: 研修員がなるべく早く日本の環境になじめるよう、正式訓練の前、JICA はわれわれのために 1

    週間の日本語研修プログラムを用意しました。勉強の重点は日本語の指揮命令、隊列操法用語を学

    ぶことに置かれました。この間に、大阪消防局は研修員一人ひとりのためにきちんとサイズを測っ

    て制服を作り、個人用の防護設備を準備しました。 基本的な救援理論:大阪の応急救援システム、災害又は緊急事故時の調整と指揮に必要な知識を

    学びました。 基本的な救急、救援技能:大阪市消防局では最も優秀な教官達が研修業務にあたりました。教官

    が先に説明し、手本を見せてから研修員が体験するという教育手法をとり、救急医療技術である心

    肺蘇生術(CPR)、負傷者の止血、手当て、固定などを学びました。技術訓練を通じ、負傷者に対して心をこめること、負傷者が二次被害を受けないようにすること。最大限の努力をして生命を救

    助することを学びました。基礎的な救援技能の訓練の後、JICA 研修員と日本国際緊急援助隊(JDR)との間で国際緊急援助隊間の合同救助を想定した模擬救助の訓練を実施しました。

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    被害の想定をもとにしたシミュレーション訓練:救援技能の訓練と習得を踏まえ、後期には、

    被害の想定をもとにしたさまざまな形のシミュレーション訓練を行いました。例えば、高空や深い

    ピットでの救援、車両事故救援などです。その前の基礎訓練と違い、より実戦に近く、定められた

    時間内に設定した任務を終えなければなりません。訓練参加者は緊密に協力し、一秒でも早く生存

    者を救助しなければなりません。訓練では、人間の代わりに人形を使うこともありますが、それで

    もすこしもおろそかに扱ったりしてはならず、本当の人間のように丁寧に扱わなければならない。

    毎日の訓練は精神的、肉体的に厳しく、スケジュールもタイトなものでした。ほとんど毎日のよ

    うに朝早く出かけて夜遅く帰りました。訓練服は汗でびしょ濡れになっても洗濯する時間はありま

    せんでした。疲れ果てて、宿舎に帰ってまっすぐ寝床に入る時もありました。体力が限界にまで達

    しそうな時、祖国から長沢先生と仲間達の便りを受け取って、上の写真を見た瞬間、感動で涙が出

    そうになりました。

    見学・体験:厳しい訓練の合間、JICA は比較的リラックスできる見学や体験の活動も手配してくれました。例えば、神戸の阪神大震災記念館の見学など。神戸市消防局では 1995 年の阪神大震災後の神戸の復興再建について、話を聞くことができました。震災後、神戸は早くから震災から立

    ち直り、今は震災前よりも美しい町になりました。もっと重要なことは、日本は震災から多くの貴

    重な経験を学び、より健全な災害対策メカニズムを構築したことです。という言葉が深く私の心に

    響きました。「災害をなくすことはできないが、災害による被害は減らすことができる。」 ■感想 1. 日本では何をするにもスケジュールに従わなければなりません。人々は時間をきちんと守り、すべてのことは計画通りに進められるようです。 2. 訓練は限られた条件の中でなるべく実戦に近い形で実施されていました。消防学校での濃煙熱気中の救助訓練は現場で材料を集め、切った木の枝を燃やして濃煙を作り出していました。訓練参

    加者には本物の火災現場の環境を体感することができるのが印象深かったのでした。 3. 基礎技能をうまく習得することは救援の勝敗の鍵です。これは車の運転手が長い間運転しないとうまく運転できなくなることと同じです。とくに本当の救援現場で、その緊張した雰囲気の中に

    いると、平時の技能訓練が足りなかったと思うものです。 4. 現場でのリーダーシップとチームワークは救援の効率を高める上で重要です。一人の力は限られています。救援はチームが統制のとれたリーダーのもと、共同で取り組まなければなりません。

    自分の手柄を立てるために無理な行動を絶対にとってはならず、常に安全管理を肝に銘じなければ

    ならないのです。 (帰国研修員 顔軍利)

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    ★ 今後の予定 (2012 年は、日中国交正常化 40 周年!)

    2 月 15 日~3 月 31 日 北京首都空港 40 周年記念展示

    3 月 2 日 国際産業連関表作成による統計整備プロジェクト 成果発表会

    3 月 10 日 四川省森林植生回復植樹祭

    3 月 10 日 長期研修員同窓会設立 5 周年イベント

    3 月 12 日 NHK ほっと@アジア(豊岡ボランティア 出演)

    3 月 22 日~25 日 武漢日本文化祭(JICA 写真展)

    中国企業の年会

    旧正月前、中国の各企業は日本の「忘年会」に相当する「年会」を行います。企業の規模や影響力

    等によって、年会の規模、内容も違ってきます。企業内部の懇親会、外部の得意客を招待する等いろ

    いろなパターンがあります。

    大部分の企業年会は宴会や、出し物、ゲーム等からなるもので、職員たちはおいしい料理を食べな

    がら、同僚たちの心を込めた出し物を楽しむことができます。どの企業でも、参加者が一番期待してい

    るのは、賞品です。

    ゲームの優勝者や抽選で当たった人に賞品が用意されています。景気の良い組織では、iphone

    や、ノートパソコン、旅行等、豪華な賞品も出るそうです。ネット上で自分が年会でゲットした賞品を披

    露する人も沢山います。様々な「特別賞品」があり、注目を引いています。中には、会社の「遅刻券」と

    いうものもあります。一枚の遅刻券で、一回の遅刻が許されるのです。その他、料理上手な社長の手

    作り弁当や社長別荘での一泊、社長と二人きりの豪華ディナー等、普通ではない賞品もあります。

    (所員 周迎)