lodチャレンジ2015 情報技術で開かれる社会

62
情報技術で開かれる社会 Increments株式会社 及川 卓也

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Page 1: LODチャレンジ2015 情報技術で開かれる社会

情報技術で開かれる社会

Increments株式会社

及川 卓也

Page 2: LODチャレンジ2015 情報技術で開かれる社会

自己紹介

 Increments株式会社プロダクトマネー

ジャー。

 Qiita(キータ)というプログラマのため

の情報共有サービスを提供。

 2011年3月11日の東日本大震災後、

ITで震災復興を支援する開発者コミュニ

ティであるHack For Japanを立ちあげ、

その後、復興支援、防災/減災でのIT活用を推進するコミュニティであるIT×災害や発災後急性期でのIT活用を進める

IT DART(Disaster And Response Team、日本名は情報支援レスキュー

隊)を立ち上げる。

Page 3: LODチャレンジ2015 情報技術で開かれる社会

Web上での情報流通

Page 4: LODチャレンジ2015 情報技術で開かれる社会

情報技術の進化

Webの普及により加速する情報技術

● 情報● データ

技術

Page 5: LODチャレンジ2015 情報技術で開かれる社会

情報の流通

Webにより情報の流通も大きく変化。

“Content is more important than its ‘Container’”

Tom Curley (Associated Press President) in 2004

Page 6: LODチャレンジ2015 情報技術で開かれる社会

情報の価値 vs. 見られることの価値

情報の価値を高めること

と同じくらいに

その情報を見られるようにすること

が重要

Page 7: LODチャレンジ2015 情報技術で開かれる社会

3Cモデル

3Cモデル = Content, Container, Conveyor(2009年に提唱)

Page 8: LODチャレンジ2015 情報技術で開かれる社会

3Cモデル

情報は

● コンテンツ(Content)が● コンテナー(Container)により梱包されて

● コンベヤ(Conveyor)で運ばれるようにして

流通されると考える。

Page 9: LODチャレンジ2015 情報技術で開かれる社会

ニュース(新聞記事)

新聞紙 新聞紙

Page 10: LODチャレンジ2015 情報技術で開かれる社会

従来の事業モデル

従来は、この3Cの役割を1社が独占して行っていた。

A社

B社

Page 11: LODチャレンジ2015 情報技術で開かれる社会

Webにより変わる事業モデル

コンテンツ、コンテナー、コンベヤのそれぞれを担う

プレイヤーが同一の事業者では無くなった。

A社 B社 C社

Page 12: LODチャレンジ2015 情報技術で開かれる社会
Page 13: LODチャレンジ2015 情報技術で開かれる社会

編集権がコンテナーやユーザーに移動

編集権

Page 14: LODチャレンジ2015 情報技術で開かれる社会

3Cモデル

3Cモデルについて詳しくは、

ネット時代のメディア戦略 ― 垂直統合から水平

分散へ - Nothing ventured, nothing gained

もしくは、「2011年 新聞・テレビ消滅」(佐々木俊

尚氏著)

を参照のこと。

Page 15: LODチャレンジ2015 情報技術で開かれる社会

最近の動向

Page 16: LODチャレンジ2015 情報技術で開かれる社会

ニュース関連サービス

特に最近、ニュース関連サービスが活況

Instant Articles

Apple News

Page 17: LODチャレンジ2015 情報技術で開かれる社会

ニュースアグリゲーション/キュレーション

従来のニュースポータルと同じく、

複数のニュースソースからの

ニュースを集約。

ソーシャルグラフなどのさまざまな

シグナルを用いることでキュレー

ションを行う。

Page 18: LODチャレンジ2015 情報技術で開かれる社会

ニュースキュレーション

記事はあくまでも

ニュースソースと

し、それを元にし

た識者などの意

見を主にする

サービスも。

コメント

記事

Page 19: LODチャレンジ2015 情報技術で開かれる社会

ニュースのフィード化

ニュース記事も1つのフィードとして他の情報とブレンドされた形で

ユーザーに提供される。

記事記事

記事

記事

記事

記事

投稿

投稿

フィ丨ド

Page 20: LODチャレンジ2015 情報技術で開かれる社会

ニュースソースの多様化

Page 21: LODチャレンジ2015 情報技術で開かれる社会

ブログ

記事

個人ブログなど

ブログ

記事

キュレーションB

キュレーションC

記事

記事

ブログ

記事

キュレーションA

個人ブログの記事も大メディアの記事と同列に

Page 22: LODチャレンジ2015 情報技術で開かれる社会

ニュース記事の見られ方の変化

Web普及前:新聞紙という形態で梱包されたニュース記事を読む

Web普及期:ニュースアグリゲーターなどにより集約されたニュー

ス記事を読む

ソーシャルメディア普及後:個人により発信された情報と混在され

たフィードの中のニュース記事を読む

Page 23: LODチャレンジ2015 情報技術で開かれる社会

ニュース記事の見られ方の変化

Web普及前:新聞紙という形態で梱包されたニュース記事を読む

● 導線は新聞紙の特定面(一面、社会面、テレビ番組欄など)から

Web普及期:ニュースアグリゲーターなどにより集約されたニュース記事を読む

● 導線はポータルサイト(ここにはWeb検索流入が多い)や専用アプリ

ソーシャルメディア普及後:個人により発信された情報と混在されたフィードの

中のニュース記事を読む

● 導線はソーシャルメディア

Page 24: LODチャレンジ2015 情報技術で開かれる社会

まとめ

ニュース記事も1つの情報

さまざまな他の情報に混在する形でユーザーに流さ

れる

ユーザーにとって価値があると思われるものだけが

生き残るサービスがパーソナライズ

Page 25: LODチャレンジ2015 情報技術で開かれる社会

オープンデータと情報技術

Page 26: LODチャレンジ2015 情報技術で開かれる社会

行政や公的機関の情報公開

例)地方自治体

市報

コンテンツ コンテナー コンベヤ

市のWebサイト

情報

情報

情報

情報 情報

情報

情報配達

市民

情報

情報

情報

情報

情報

情報

情報

情報

Page 27: LODチャレンジ2015 情報技術で開かれる社会

行政や公的機関の情報公開

例)地方自治体

市報

コンテンツ コンテナー コンベヤ

市のWebサイト

情報

情報

情報

情報 情報

情報

情報配達

市民

情報

情報

情報

情報

情報

情報

情報

情報

情報公開の流れ(公開されていない情報を公開)

Page 28: LODチャレンジ2015 情報技術で開かれる社会

情報とデータ

『データ』を加工や組み合わせることで、人間が「知

る」ことができる『情報』に変化する。

情報

データ

データ

データ

Page 29: LODチャレンジ2015 情報技術で開かれる社会

オープンデータ

スマートフォンアプリ

コンテンツ コンテナー コンベヤ

B市のWebサイト

情報

情報 情報

情報

市民B市

A市

データ

データ

データ

データ

データ

データ

データデータ

データ → 情報化

データ

データ

データ

Page 30: LODチャレンジ2015 情報技術で開かれる社会

オープンデータ

スマートフォンアプリ

コンテンツ コンテナー コンベヤ

B市のWebサイト

情報

情報 情報

情報

市民B市

A市

データ

データ

データ

データ

データ

データ

データデータ

データ → 情報化

+ コンテナー

データ自体にもコンテナ(=フォーマット)がある

データ

データ

データ

Page 31: LODチャレンジ2015 情報技術で開かれる社会

データの自律性

データが自分で勝手に流通されていく。こでデータの

活用が進む。

自己記述性を持った、統一されたスキームを持つ

フォーマットが重要となる。

Microdata Microformats RDF Schema.org

Page 32: LODチャレンジ2015 情報技術で開かれる社会

拡張されるデータ

スマートフォンアプリ

コンテンツ コンテナー コンベヤ

B市のWebサイト

情報

情報 情報

情報

市民B市

A市

データ

データ

データ

データ

データ

データ

データデータ

データ → 情報化

データ

データ

データ

データ同士が連携し、新たなデータとなる

データ データ

データ

Page 33: LODチャレンジ2015 情報技術で開かれる社会

情報技術により発展するオープンデータ

B市

A市

データ

データ

データ

データ

データ

データ

データデータ

データ

データ

データ

データ

データ

データ

IT データ

IT アノマリーや特徴を抽出

情報

IT 学習 知識

データ

データ

IT

IT

ITセンサーなどデータを収集

Page 34: LODチャレンジ2015 情報技術で開かれる社会

情報技術により発展するオープンデータ

B市

A市

データ

データ

データ

データ

データ

データ

データデータ

データ

データ

データ

データ

データ

データ

IT データ

IT アノマリーや特徴を抽出

情報

IT 学習 知識

データ

データ

IT

IT

ITセンサーなどデータを収集

知識

Page 35: LODチャレンジ2015 情報技術で開かれる社会

情報技術により発展するオープンデータ

B市

A市

データ

データ

データ

データ

データ

データ

データデータ

データ

データ

データ

データ

データ

データ

IT データ

IT アノマリーや特徴を抽出

情報

IT 学習 知識

データ

データ

IT

IT

ITセンサーなどデータを収集

知識

機械学習などにより、人間を補完可能に

IT 学習

Page 36: LODチャレンジ2015 情報技術で開かれる社会

情報技術により発展するオープンデータ

B市

A市

データ

データ

データ

データ

データ

データ

データデータ

データ

データ

データ

データ

データ

データ

IT データ

IT アノマリーや特徴を抽出

情報

IT 学習 知識

データ

データ

IT

IT

ITセンサーなどデータを収集センサーなどデータを収集IT

狭義のセンサーだけでなく、 Web上に情報を公開することで、そこから逆にデータを抽出すること(エンティティ抽出など)も可能に

Page 37: LODチャレンジ2015 情報技術で開かれる社会

情報からデータへ

通常はデータが情報

化する。

情報からデータ化す

ることでデータ量を

増やす。

情報

データ

データ

データ

情報

データ

データ

データ

IT

Webフレンドリーなフォーマット( CSVやExcel、PDFではなく、HTML+CSS)で公開された情報からデータ抽出( Named Entity Extractionなど)

Page 38: LODチャレンジ2015 情報技術で開かれる社会

情報からデータへ(現実解として)

オープンデータの5つ星は一日しては成ら

ず。

現実解も合わせて考

えることが肝要。

Page 39: LODチャレンジ2015 情報技術で開かれる社会

情報技術により発展するオープンデータ

B市

A市

データ

データ

データ

データ

データ

データ

データデータ

データ

データ

データ

データ

データ

データ

IT データ

IT アノマリーや特徴を抽出

情報

IT 学習 知識

データ

データ

IT

IT

ITセンサーなどデータを収集

B市

A市

データ

データ

データ

データ

データ

データデータ

IT

IT

Page 40: LODチャレンジ2015 情報技術で開かれる社会

情報技術により発展するオープンデータ

B市

A市

データ

データ

データ

データ

データ

データ

データデータ

データ

データ

データ

データ

データ

データ

IT データ

IT アノマリーや特徴を抽出

情報

IT 学習 知識

データ

データ

IT

IT

ITセンサーなどデータを収集

B市

A市

データ

データ

データ

データ

データ

データデータ

IT

IT

データ

データ

データ

データ

データ

データ

● データ単体でアクセス可能(URIなどのアクセスポイント経由)

● API経由

Page 41: LODチャレンジ2015 情報技術で開かれる社会

情報技術により発展するオープンデータ

B市

A市

データ

データ

データ

データ

データ

データ

データデータ

データ

データ

データ

データ

データ

データ

IT データ

IT アノマリーや特徴を抽出

情報

IT 学習 知識

データ

データ

IT

IT

ITセンサーなどデータを収集

B市

A市

データ

データ

データ

データ

データ

データデータ

IT

IT

データ

データ

データ

データ

データ

データ

● データ単体でアクセス可能(URIなどのアクセスポイント経由)

● API

実際に利用されるユースケースが明確でないと、結局使われないデータやAPIになることも多い。

Page 42: LODチャレンジ2015 情報技術で開かれる社会

情報技術により発展するオープンデータ

B市

A市

データ

データ

データ

データ

データ

データ

データデータ

データ

データ

データ

データ

データ

データ

IT データ

IT アノマリーや特徴を抽出

情報

IT 学習 知識

データ

データ

IT

IT

ITセンサーなどデータを収集

B市

A市

データ

データ

データ

データ

データ

データデータ

IT

IT

データ

データ

データ

データ

データ

データ

● データ単体でアクセス可能(URIなどのアクセスポイント経由)

● API

実際に利用されるユースケースが明確でないと、結局使われないデータやAPIになることも多い。

「使われているかどうかわからない」データのメンテするのは職員のモチベーションにも影響

Page 43: LODチャレンジ2015 情報技術で開かれる社会

情報技術により発展するオープンデータ

B市

A市

データ

データ

データ

データ

データ

データ

データデータ

データ

データ

データ

データ

データ

データ

IT データ

IT アノマリーや特徴を抽出

情報

IT 学習 知識

データ

データ

IT

IT

ITセンサーなどデータを収集

B市

A市

データ

データ

データ

データ

データ

データデータ

IT

IT

市民

もともと「市民」に「情報」として提供す

ることが目的のことがほとんどなのだから…

Page 44: LODチャレンジ2015 情報技術で開かれる社会

情報技術により発展するオープンデータ

B市

A市

データ

データ

データ

データ

データ

データ

データデータ

データ

データ

データ

データ

データ

データ

IT データ

IT アノマリーや特徴を抽出

情報

IT 学習 知識

データ

データ

IT

IT

ITセンサーなどデータを収集

B市

A市

データ

データ

データ

データ

データ

データデータ

IT

ITWeb

市民

データ

データ

IT データ

Schema.org

Page 45: LODチャレンジ2015 情報技術で開かれる社会

人にもITにもフレンドリーに

Google

● リッチスニペット

● ナレッジグラフ

Schema.org + JSON-LD

人に公開する情報に少し手を加

え、ITにも優しくする

Page 46: LODチャレンジ2015 情報技術で開かれる社会

Web Components + JSON-LDWeb Componentsカスタマイズした再利用可能なユーザー インターフェース ウィジェットとその動作を定

義するための技術

JSON-LDLinked DataをJSONを用いてシリアライ

ゼーション&メッセージング。Schema.org vocabularyを用いる。

Page 47: LODチャレンジ2015 情報技術で開かれる社会

Web ComponentsShadow DOM

Custom Elements

HTML Imports

HTML Templates

var XComponent = document.registerElement('x-component');

<x-component></x-component>

Page 48: LODチャレンジ2015 情報技術で開かれる社会

Custom Elements & JSON-LD<script type="application/ld+json">

{

"@context": "http://schema.org",

"@type": "sample",

"name": "LOD Challenge 2015",

"url": "http://lodc.jp/2015/concrete5/index.php",

"datePublished": "2016-03-19T16:20:00+09:00"

}

</script> var XComponent = document.registerElement('x-component');

<x-component></x-component>

Page 50: LODチャレンジ2015 情報技術で開かれる社会

人とITに適切なインターフェイスで

B市

A市

データ

データ

データ

データ

データ

データ

データデータ

データ

データ

データ

データ

データ

データ

IT データ

IT アノマリーや特徴を抽出

情報

IT 学習 知識

データ

データ

IT

IT

ITセンサーなどデータを収集

B市

A市

データ

データ

データ

データ

データ

データデータ

IT

ITWeb

市民

データ

データ

IT データ

Schema.org

i.e) Web Components

JSON|LD

Page 51: LODチャレンジ2015 情報技術で開かれる社会

まとめ

3C意識し、

データと情報(セマンティック情報付き)を公開し、

データが勝手に流通していく仕組みを作る

Page 52: LODチャレンジ2015 情報技術で開かれる社会

再掲)情報の価値 vs. 見られることの価値

情報の価値を高めること

と同じくらいに

その情報を見られるようにすること

が重要

Page 53: LODチャレンジ2015 情報技術で開かれる社会

人と情報技術で開かれた社会へ〜データと情報と知識と知恵〜

Page 54: LODチャレンジ2015 情報技術で開かれる社会

データと情報と知識と知恵

データ

情報

知識

知恵

Page 55: LODチャレンジ2015 情報技術で開かれる社会

データと情報と知識と知恵

データ

情報

知識

知恵 従来、人間が得意な分野

急速にITが発展

Page 56: LODチャレンジ2015 情報技術で開かれる社会

データと情報と知識と知恵

データ

情報

知識

知恵 従来、人間が得意な分野

急速にITが発展

ハイブリッドなアプローチが必要

Page 57: LODチャレンジ2015 情報技術で開かれる社会

情報や知識、知恵に対するアプローチ

ITによるソリューション

集合知的ソリューション

● Wiki● コミュニティ

Page 58: LODチャレンジ2015 情報技術で開かれる社会

知見を共有しスキルを高めることができるプログラミングに特化したオープンな情報共有コミュニティ

かんたんにわかりやすく書ける

タグやストックで見たい記事がみつかる

編集リスエストで知恵を分けあえる

シンプルで使いやすい専用エディタ

Page 59: LODチャレンジ2015 情報技術で開かれる社会

Qiita上のLinkedData関連投稿

Page 60: LODチャレンジ2015 情報技術で開かれる社会

オープンデータのためのプラットフォーム

データ

情報

知識

知恵

Page 61: LODチャレンジ2015 情報技術で開かれる社会

情報技術と人で開かれた社会へ

情報技術

Page 62: LODチャレンジ2015 情報技術で開かれる社会

Thank You!http://qiita.com